JP2003533228A - オキシダーゼ酵素の指向的進化 - Google Patents

オキシダーゼ酵素の指向的進化

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JP2003533228A
JP2003533228A JP2001585318A JP2001585318A JP2003533228A JP 2003533228 A JP2003533228 A JP 2003533228A JP 2001585318 A JP2001585318 A JP 2001585318A JP 2001585318 A JP2001585318 A JP 2001585318A JP 2003533228 A JP2003533228 A JP 2003533228A
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フランセズ・エイチ・アーノルド
ロアンナ・ピー・ペトルニア
リャンホン・スン
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カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジー
フランセズ・エイチ・アーノルド
ロアンナ・ピー・ペトルニア
リャンホン・スン
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Abstract

(57)【要約】 (i)元となるガラクトースオキシダーゼポリペプチドをコードする少なくとも一つの元となるガラクトースオキシダーゼポリヌクレオチドを準備する工程;(ii)ランダムミュータジェネシスにより前記元となるポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を改変し、ミュータントポリペプチドの集団を生産する工程;(iii)前記ミュータントポリペプチドを発現するように宿主細胞をトランスフォームする工程;(iv)前記宿主細胞によって生産され、少なくとも一つの改変された特性を有する第一世代の機能的ミュータントをスクリーニングする工程;(v)元となるポリヌクレオチドとして第一世代のミュータントをコードする少なくとも一つのポリヌクレオチドを選択する工程;及び(vi)改変工程、トランスフォーム工程、及びスクリーニング工程のラウンドを少なくとも一度繰り返し、一つ以上のミュータントの少なくとも一つの他の世代を得る工程;を含む方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、修飾された酵素、特にオキシダーゼ酵素、とりわけガラクトースオ
キシダーゼ酵素の生産に関する。指向的進化のような組換え法が、所望の特性を
有するポリヌクレオチド及びポリペプチド産物を得るために使用される。野生型
酵素に対して増大した活性と増大した熱安定性を有するガラクトースオキシダー
ゼ変異体が記載される。
【0002】 「酸化酵素」は、典型的にソースまたはドナーから基質に対して酸素を付加、
挿入、配位、または転移することによって、一つ以上の酸化反応を触媒する酵素
である。そのような酵素は、オキシドレダクターゼまたはレドックス酵素とも称
され、オキシゲナーゼ、ヒドロゲナーゼまたはレダクターゼ、オキシダーゼ、及
びペルオキシダーゼを包含する。一つのそのような酵素がガラクトースオキシダ
ーゼである。本発明は、酸化酵素、特にガラクトースオキシダーゼ酵素の生物学
的活性を有するポリペプチドまたはタンパク質をコードするポリヌクレオチドの
選択と生産に関する。これらの酵素は、発酵生原核生物細胞(例えば細菌)及び
真核生物システム(例えば真菌及び酵母)のような手軽な発現システムで生産さ
れる。
【0003】
【従来の技術】
本発明は、増大した活性及び/または増大した安定性、例えば熱安定性を有す
る、高い収率での宿主細胞による機能的真核生物タンパク質の組換え生産に関す
る。本発明の好ましいタンパク質は、ガラクトースオキシダーゼ(D-ガラクトー
ス:酸素6-オキシドレダクターゼまたはGAO;EC 1.1.3.9)から進化されたポリペ
プチドのようなオキシダーゼ酵素(オキシダーゼ)を含む。組換え宿主細胞発現
系においてこれらのタンパク質をコードし発現するポリヌクレオチド、及び生成
したポリペプチドは、本発明によって包含される。
【0004】 ここに記載され、添付された引用文献に掲載された出版物及び参考文献は、完
全に参考としてそれぞれ取り込まれる。それらは、この明細書及び以下の引用文
献において数字で表される。
【0005】 酵素変異体の生産 多くの興味あるタンパク質は、「真核生物」細胞を有する生物によって生産さ
れる。これらは、それ自体の膜によって取り込まれ、染色体と称される構造でDN
Aを含む核を有する細胞である。ヒトと動物のような全ての多細胞生物、及び多
くの単細胞動物は、真核生物細胞を有する。細菌のような他の単細胞生物は、「
原核生物」細胞を有する。これらの細胞は、所定の構造でDNAを有する原始的核
を有するが、真核生物に特徴的である染色体と核膜を有さない。原核生物は一般
的に、真核生物細胞よりも増殖、継代培養、及び操作がずっと容易で低価格であ
る。
【0006】 遺伝学的操作並びに組換えDNA及びRNA法は、ある生物に固有のタンパク質、ホ
ルモン、及び酵素を、「工場」として別の生物の細胞または宿主細胞発現系を使
用することによって生産することを可能にしている。特に、原核生物は、大量の
所望の外来タンパク質を生産するために、多量の同一の細胞で生育できるため、
原核生物宿主細胞において真核生物起源のタンパク質を発現させることがしばし
ば所望される。例えば、特定のヒトタンパク質は、タンパク質欠損を有する患者
に十分量で供給できれば、薬剤として有用であるかもしれない。そのようなタン
パク質は、ヒト細胞から単離することによって得ることが容易または倫理的に可
能ではないかもしれず、あるいは化学的合成を実施することによって、または単
離された組織培養物においてそれらを増殖させることによって生産することが容
易にできない。他のタンパク質及び酵素は産業界で有用である。例えば特定の酵
素は食品を分解し、洗濯用界面活性剤において有用である。しかしながら商業的
応用は、大量のタンパク質と高い度合いの質のコントロールを必要とする。所望
の応用はまた、より活性でより熱安定性(熱耐性)なタンパク質または酵素を必
要とし、それらから利益を得るであろう。
【0007】 これらの問題のいくつかを解決するため、組換え遺伝的操作法が、ヒトまたは
他のタンパク質を生産するために、細菌及び酵母のような他の生物の遺伝学的マ
シネリーを使用して開発されている。所望のタンパク質をコードするポリヌクレ
オチドのような選択された遺伝学的物質は、宿主細胞が導入されたが以来物質を
発現し、所望のポリペプチドまたはタンパク質を生産するように、宿主細胞にお
いて遺伝学的物質で「組換え」られている。細菌、真菌及び酵母は、大量に増殖
及び継代培養するのが容易で経済的であり、信頼できて繰り返し外来タンパク質
を生産するために使用できるため、適切な宿主細胞であることができる。細胞に
よって生産されるいくつかのタンパク質は、細胞外に分泌または輸送でき、それ
が後の単離及び精製工程の収率と効率を改良できる。
【0008】 指向的進化は、基質特異性、有機溶媒中の活性、及び高温での安定性のような
各種の酵素の特性を改良するために成功して適用されており、しばしば産業上の
応用に重要である(5)。この進化的アプローチは、存在する野生型タンパク質に
対して改良された所望の特性を有する変異体を生産するために、同時的ランダム
ミュータジェネシスと組換えのためDNAシャッフリングを使用する。ポイントミ
ュータジェネシスは、核酸配列のリアセンブリーと関連するTaqベースのポリメ
ラーゼ連鎖反応(PCR)の固有の非信頼性により生成される。一つの例では、Stemm
erと共同研究者は、グリーン蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子に対して
この方法を適用し、大腸菌において野生型よりも数倍優れたタンパク質を生成し
た(10)。他の例は文献に記載されている(11-18,21-25,27-34,47-58,60-63,65-75
)。真核生物酵素は、たくさんの現在存在する及び将来可能な応用を有するが、
指向的進化によるこれら及び他のタンパク質の改良が所望される。例えば、手軽
な発現宿主における特定のオキシダーゼ酵素の発現の困難性は、技術的挑戦に直
面している。タンパク質エンジニアリング法による産業上の応用のためのこれら
の酵素の修飾に対する努力が妨げられている。例えば指向的進化は、ミュータン
トまたは変異体の大きなライブラリーが生産可能な生物であるE. coliまたはS.
cerevisiaeのような宿主における発現を利用する。また、適切な外来(異種)宿
主における有効な発現の欠如は、経済的なスケールでのこれらのタンパク質のい
くつかの大量の生産を妨げ得る。かくして、新規なタンパク質の生産のための新
規な方法、及び新規で増大した生物学的特性を有する新規なタンパク質及び酵素
に対する必要性が存在し続けている。
【0009】 ガラクトースオキシダーゼ酵素 一つの興味あるタンパク質は、酸化酵素ガラクトースオキシダーゼである。ガ
ラクトースオキシダーゼ(D-ガラクトース:酸素6-オキシドレダクターゼ、GAO;
EC 1.1.3.9)は、単一の銅イオンを含む酵素であり、多くの真菌種によって分泌
される。正式にはDactylium dendroidesとして知られているFusarium NRRL 2903
は、最も過度に研究されている(76)。この酵素は、約1.7%の炭水化物含量を有す
る糖タンパク質であり、68,000Daの分子量を有する639アミノ酸残基の一本鎖ポ
リペプチドからなる(77,78)。GAOによって触媒される反応は、過酸化水素に対す
るO2の二つの電子還元に結びついた対応するアルデヒドへの第一級アルコールの
酸化である。
【0010】 この酵素は、異常に広範囲の基質を酸化する。それは、D-ガラクトース(図1
)、アルファ−及びベータ−ガラクトピラノシド、オリゴ−及びポリサッカリド
、及びグリセロール及びアリルアルコールのような多数の小分子を、基質として
許容する(77,80-82)。GAOは、ガラクトースに対して、プロキラルな特異性(プ
ロ-S水素のみが抽出される)、並びに鏡像異性体特異性(D-ガラクトースのみが
この酵素により酸化される)を示す(80,83)。さらにGAOは、基質またはリガンド
として、D-ガラクトースのC-4エピマーであるD-グルコースを厳密に識別する。D
-グルコースは、1M程度の高い濃度でもGAOに結合しない(80,84)。ガラクトース
の酸化のためのGAOの速度論パラメーターは、Km=67mM、kcat=3000sec-1、kcat /Km=103M-1sec-1である(85)。
【0011】 GAOの結晶構造が報告されている(86)。それは、3つの主なベータ−構造ドメ
インからなる。銅イオンが、第二の最も大きなドメインの溶媒接近表面に存在し
ている(156-532残基)(78,87)。Tyr-272、Tyr-495、His-496、His-581、及び水分
子が、pH7.0での銅リガンドである。結晶構造はまた、Cys-228及びTyr-272の新
規なチオエーテル結合を明らかにし、活性部位でのチロシン遊離残基の存在を支
持する(79)。GAOの活性部位構造は、図2に示されている。Tyr-495とCys-228の
サイトディレクトミュータジェネシスは、触媒におけるそれらの改良を確認して
いる(85,88)。
【0012】 GAOは、化学的酵素合成及び臨床試験に対する分析的及び食料化学に亘る範囲
で、広範囲の応用において有用である。例えば、GAOに基づく生物学的センサー
が、ガラクトース(89)、ラクトース及び他のGAO基質(90)の含量の測定のために
開発されている。そのようなバイオセンサーは、生活産業(91,92)、オンライン
バイオプロセスモニタリング(93)、及びガラクトース血症の疑いのある患者の血
液サンプルの分析(94)における質的コントロールとして使用されている。GAOの
立体特異性と広い基質特異性は、ポリオールからL-糖の化学的酵素合成において
発揮されており、それは通常、化学的方法(96,97)、並びに糖含有ポリアミン(98
)、及び5-C-(ヒドロキシメチル)ヘキソース(99)による調製が困難である。合成
におけるGAOの応用は、大量の第一級アルコールに向けたその低い活性のため制
限されている(100)。さらに、GAOは大腸ガン及び前ガンにおける腫瘍マーカーで
あるジサッカリドD-ガラクトース-ベータ-(1->3)-N-アセチルガラクトサミンGal
-GalNAc)の検出のためにも使用されており、新生物を有する患者または新生物を
形成する危険のある患者のための有効なコストのスクリーニングを提供する(101
,102)。GAOは、食料化学において応用が見出されている。例えば、酸化グア製造
において使用されており(103)、蜂蜜において含まれるオリゴサッカリド分画を
処理するために使用されている(104)。最後にGAOは、末端非還元ガラクトース残
基を含む膜結合糖タンパク質の細胞表面ポリサッカリドを酸化するために使用さ
れる:これは、これらの糖接合物の放射性ラベリングを成功するために必須の工
程である(105,106)。
【0013】 修飾された、特に改良または最適化されたGAO酵素は、特定の応用における酵
素の使用を改良し拡大するために有用である。例えば本発明の酵素は、より活性
な、より熱安定性の、または両者のGAO変異体を含む。増大した活性及び/また
は発現、並びに高い熱安定性は、酵素生産のコストを顕著に減少し、その生成及
び取り扱いを単純化し、その半減期を長期化するであろう。酵素の他の特性、例
えば特定の基質に対する、またはポリマー状物質及びグルコースのような他の基
質に対する活性を最適化するように変異されても良い。
【0014】 バイオセンサー及び診断におけるこれらの進化した酵素の使用は、感度を増大
し、応答時間を減少し、検出範囲を増大することができる。さらに、より安定な
酵素は、長期化した安定性を有するバイオセンサーの構築における応用が見出さ
れるであろう。アリルアルコール及びグルコースのような微弱なGAO基質に対す
る改良された活性を有する進化したGAOは、有機合成及び他のセンサー応用にお
けるこの酵素の新規で改良された応用を提供するであろう。化学合成の応用につ
いては、アルコールの対応するアルデヒドへの選択された酸化は、保護基の使用
を避け、従来の化学合成においてしばしば観察される副反応を最小化し、環境に
優しいプロセスである。そのようなGAO酵素の合成試薬としての使用は、産業上
のプロセスにおけるより安価で、安全で、生分解性の炭化水素物質の使用を容易
にするであろう(107)。
【0015】 より有効な酵素は、GAOの食料化学での応用、特に糖及び他の炭水化物ベース
のポリマーの選択的な修飾において有利であると予測される。本発明に係るGAO
変異体はまた、炭水化物ベースの(例えばセルロース性の)生地及び他の物質の
修飾に対して有利であろう。GAOによって生産されるアルデヒド官能基は、ポリ
マー上の変更された位置で他の基質を選択的に結合するために使用できる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
従って、新規な改良されたGAO酵素、並びにそのようなタンパク質を発現する
方法を開発する必要性が存在する。特に、指向的分子進化法と結びついた使用の
ために十分適合するタンパク質発現方法に対する必要性が存在する。
【0017】 本発明は、細菌(例えば大腸菌)において発現され、改良されたGAO機能を有
するミューテーションを同定するための、エラー傾向PCR及びDNAシャッフリング
によって生産されるGAOミュータントのライブラリーをスクリーニングする方法
を記載する。ミクロプレート及び膜スクリーニング法が開示される。一つの実施
態様として、前記ミュータントは、元の組換え野生型の(D-ガラクトースに対す
る)約65倍のレベルで大腸菌において発現される、機能的で活性ながラクトー
スオキシダーゼ(GAO)である。アリルアルコールのような他の基質に対する活性
も、野生型のものの約65倍である。本発明のミュータントは、対応する野生型
の活性のいずれかの分画または多様性を有するが、好ましくはより活性であり、
例えば約2から200倍活性である。ミュータントはまた、より熱安定性である
。酵素収率は、一般的に少なくとも約10mg/lである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
天然のタンパク質の使用に対する観察されている制限は、進化の重要性である
と考慮される。タンパク質は、研究室または産業上の条件においてではなく、生
命に通じる条件下での特定の生物学的機能を実施するために、生存している生物
の関係及び環境で進化している。ある場合、進化は最適に有効な酵素ではないも
のを好み、または必要さえするであろう。周知の発現システムの出力、効力、操
作条件、安定性、及び他の特性は、不変的であるとは考えられておらず、細胞発
現系の性質に固有のもとして観察されるべき制限とはなっていない。これらのシ
ステムで使用されるタンパク質は、in vitroで進化さえることができ、または粗
もなければ類似体タンパク質は、例えばずっと優れた有効な発現、活性、及び熱
安定性を得るために、タンパク質の特性を改変または増大するために操作するこ
とができる。改良されたタンパク質はまた、天然の生物の培養物または発現され
た遺伝子ライブラリーをスクリーニングすることによって得ることができる(3)
【0019】 本発明は、指向的進化を使用することによる、オキシダーゼ酵素をコードする
ポリヌクレオチドの、発現、熱安定性、及び/または一つ以上の基質に対する活
性を改良する方法を提供する。本発明はまた、従来の発現系において改良された
特性を有する変異体オキシダーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドを提供する
。本発明の一つの実施態様に従って、指向的進化またはランダムミュータジェネ
シスが、大腸菌のような原核生物発現系においてより高度に発現され、より活性
であり、及び/またはより熱安定性であるGAOを生産するために使用される。
【0020】 本発明の前記の特徴及び多くの他の付随する利点は、添付された図面と結びつ
けて、以下の詳細な説明を参考してより適切に理解されるであろう。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明は、手軽なたは従来の発現システムを使用する、タンパク質の発現、活
性及び/または熱安定性を改良する方法に関する。
【0022】 定義 ここで使用される「約」または「およそ」は、所定の値または範囲の20パー
セント以内、好ましくは10パーセント以内、より好ましくは5パーセント以内
を意味する。
【0023】 用語、「基質」は、酵素触媒の作用によって別の化合物に変換されるまたは変
換されるように意味するいずれかの基質または化合物を意味する。この用語は、
芳香族及び脂肪族化合物を含み、単一の化合物のみならず、少なくとも一つの基
質を含む溶液、混合物、及び他の物質のような化合物を組み合わせをも含む。
【0024】 ここで使用される「酸化反応」または「酸素化反応」は、基質に酸素を付加し
て、酸素化または酸化基質または産物を形成することを含む化学的または生化学
的反応である。酸化反応は典型的に、還元反応を伴う(それ故酸化と還元につい
て用語「レドックス」反応と称される)。化合物は、それが酸素を受け取りまた
は電子を失う場合に「酸化」される。化合物は、それが酸素を失いまたは電子を
得る場合に「還元」される。GAOは典型的に、第一級アルコール基をアルデヒド
に酸化することを触媒する。
【0025】 用語、「酵素」は、一つ以上の化学的または生化学的反応を、お遅れ少なかれ
特異的に触媒または促進するタンパク質またはポリペプチドから全体的または大
部分なるいずれかの物質を意味する。
【0026】 「ポリペプチド」(一つ以上のペプチド)は、ペプチド結合と称される化学的
結合によって共に結びついたアミノ酸と称される化学的な構成ブロックの鎖であ
る。酵素を含むタンパク質またはポリペプチドは、「天然」または「野生型」で
あっても良く、それはそれぞれ天然に存在するか、または天然タンパク質のアミ
ノ酸配列を有することを意味する。これらの用語は場合により互換的に使用され
る。ポリペプチドはグリコシル化されていてもいなくても良い。「組換え野生型
」は典型的に、グリコシル化を含まない組換え宿主における野生型配列を意味す
る。この出願の実施例と図面における比較は一般的に、組換え野生型である野生
型を参考としている。ポリペプチドは、「ミュータント」、「変異体」、または
「修飾された」とも称され、それは天然タンパク質または別のミュータントから
生成された、改変された、由来した、またはそれらとは異なる若しくは変化した
ある態様で存在することを意味する。天然の野生型タンパク質は、ポリペプチド
中にアミノ酸の天然の配列を含み、典型的にグリコシル化を含む。「元となる」
ポリペプチドまたは酵素は、いずれかの方法、ツールまたは技術を使用して、い
ずれかの他のポリペプチドまたは酵素が由来するまたは生成されるいずれかのポ
リペプチドまたは酵素であり、その元となるもの自体は、天然のまたはミュータ
ントポリペプチドまたは酵素であってもなくても良い。元となるポリヌクレオチ
ドは、元となるポリペプチドをコードするものである。「試験酵素」は、酵素の
特性を有するかどうかを測定するために試験されるタンパク質含有物質である。
用語、「酵素」は、触媒性ポリヌクレオチド(例えばRNAまたはDNA)を指すこと
もできる。
【0027】 酵素の「活性」は、反応を触媒する能力の基準であり、反応の産物を生産する
速度として表されても良い。例えば酵素活性は、酵素のユニット(例えば濃度ま
たは重量)当たりの、時間単位で生産される産物の量として表すことができる。
酵素の「安定性」は、特定の環境においてまたは特定の条件下で、経時的に機能
する能力を意味する。安定性を評価する一つの方法は、所定の条件下での経時的
な安定性の喪失に耐える能力を評価することである。酵素の安定性は、例えば酵
素がホールディングされたまたはホールディングされていない状態にある相対的
度合いを測定することによって、別の方法でも評価できる。かくして、一つの酵
素が同じ条件下で活性の損失に対して別の酵素より安定である場合、ホールディ
ングされていないことに対してより耐性である場合、またはいずれかの適切な測
定によってより耐久性である場合、その酵素は別のものより安定であり、または
改良された安定性を有する。例えば、より「熱的に安定な」または「熱安定性の
」酵素は、熱または高温にさらされた場合、構造(アンホールディング)または
機能(酵素活性)の損失に対してより耐性であるものである。これを評価するた
めの一つの方法は、タンパク質の「融解温度」またはTmを測定することである。
ミッドポイントとも称される融解温度は、タンパク質の半分が十分にホールディ
ングされた状態からアンホールディングされる温度である。このミッドポイント
は典型的に、温度の関数としてタンパク質のアンホールディングをプロットする
滴定曲線の中点を計算することによって決定される。かくして、より高いTmを有
するタンパク質は、アンホールディングを生ずるためにより高温を必要とし、よ
り安定または熱安定性である。別の態様を述べると、より高いTmを有するタンパ
ク質は、より低いTmを有するタンパク質と同じ温度でアンホールディングするタ
ンパク質の分子数が少ないことを示し、ここでもアンホールディングに対してよ
り耐性であるタンパク質がより安定であることを意味する(それは同じ温度でよ
りアンホールディングされない)。別の安定性の基準はT1/2またはT50であり、
それは温度の関数としてのタンパク質の不活性化曲線の転移中点である。T1/2
、タンパク質がその活性の半分を失う温度である。かくして、より高いT1/2を有
するタンパク質は、それを不活性化するためにより加熱することを必要とし、よ
り安定またはより熱安定性である。別の態様で述べると、より高いT1/2を有する
タンパク質は、より低いT1/2を有するタンパク質と同じ温度で不活性化されるタ
ンパク質の分子がより少なく、ここでも不活性化に対してより耐性であるタンパ
ク質はより安定であることを意味する(それは同じ温度でより活性を有する)。
これらのアッセイは、温度に対してプロットされた不活性化またはアンホールデ
ィング曲線が、安定性が増大または減少するとより高温またはより低温に「シフ
ト」するため、「熱シフト」アッセイとも称される。熱安定性は、別の方法でも
測定可能である。例えば、上昇した温度での酵素活性についてのより長い半減期
(t1/2)は、熱安定性の指標である。
【0028】 「酸化酵素」は、典型的に、ソースまたはドナーから基質に対して、酸素を付
加、挿入、配位、または移転することによって、一つ以上の酸化反応を触媒する
酵素である。そのような酵素は、オキシドレダクターゼまたはレドックス酵素と
も称され、オキシゲナーゼ、ヒドロゲナーゼまたはレダクターゼ、オキシダーゼ
、及びペルオキシダーゼを包含する。
【0029】 用語、「酸素ドナー」、「酸化剤」、及び「オキシダント」は、酸化反応にお
いて基質に酸素を与える物質、分子、または化合物を意味する。典型的に、酸素
ドナーは還元される(電子を受け取る)。例示的な酸素ドナーは、分子酸素また
は二酸素(O2)、及び過酸化t-ブチルのような過酸化アルキルを含む過酸化物を
制限することなく含み、最も好ましくは過酸化水素(H2O2)である。過酸化物は
、互いに結合した二つの酸素原子を有するいずれかの化合物である。
【0030】 「発光」物質は、発色の変化、UV吸収、蛍光、及び燐光を含むいずれかの機構
によって、検出可能な電磁線放射、または電磁線放射の変化、特に視覚化可能な
光を生産するいずれかの物質を意味する。好ましくは、本発明に係る発光物質は
、検出可能な発色、蛍光、またはUV吸収を生産する。用語、「化学発光試薬」は
、例えばシグナルの強度または寿命を増大することによって、発光(例えば蛍光
)シグナルの検出可能性を増大するいずれかの発光物質を意味する。一つの例示
的な好ましい化学発光試薬は、アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホ
ン酸)(ABTS)である。他のものは、5-アミノ-2,3-ジヒドロ-1,4-フラタジンジオ
ン(ルミノール)及び類似体、1,2-ジオキセタン、例えばテトラメチル-1,2-ジ
オキセタン(TMD)、1,2-ジオキセタノン、及び1,2-ジオキセタンジオン、o-アニ
シジン、o-ジアニシジン、及びo-トリジンを含む。これらの物質の種類について
の別の用語は「クロモゲン」である。
【0031】 用語、「ポリマー」は、互いに繰り返し結合した二つ以上の構成ブロック(「
マー」)からなるいずれかの物質または化合物を意味する。例えば、「ダイマー
」は、二つの構成ブロックが互いに結合している化合物である。
【0032】 用語、「補因子」は、酵素の活性に必要または有益であるいずれかの非タンパ
ク質物質を意味する。「補酵素」は、酵素と直接的に相互作用し、酵素によって
触媒される反応を促進するように機能する補因子を意味する。多くの補酵素がキ
ャリアーとして機能する。例えば、NAD+及びNADP+は、一つの酵素から別の酵素
へ水素原子を運ぶ。「補助タンパク質」は、酵素の活性に必要または有益である
いずれかのタンパク質物質を意味する。
【0033】 用語、「宿主細胞」は、例えば、遺伝子、DNAまたはRNA配列、タンパク質また
は酵素の細胞による発現といった、細胞による物質の生産のために、いずれかの
態様で選択、修飾、トランスフォーム、増殖、または使用若しくは操作される、
いずれかの生物のいずれかの細胞を意味する。
【0034】 「DNA」(デオキシリボ核酸)は、ヌクレオチド塩基と称されるアデニン(A)、
グアニン(G)、シトシン(C)、及びチミン(T)の化学的構成ブロックのいずれかの
鎖または配列を意味し、それらはデオキシリボース糖骨格で互いに結合している
。DNAは、ヌクレオチド塩基の一本鎖か、またはダブルへリックス構造を形成し
ても良い二つの相補的鎖を有することができる。「RNA」(リボ核酸)は、ヌク
レオチド塩基と称されるアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、及びウラシ
ル(U)の化学的構成ブロックのいずれかの鎖または配列を意味し、それらはリボ
ース糖骨格で互いに結合している。RNAは典型的に、一本鎖ヌクレオチド塩基を
有する。
【0035】 「ポリヌクレオチド」または「ヌクレオチド配列」は、DNA及びRNAにおける一
連のヌクレオチド塩基(「ヌクレオチド」とも称される)であり、二つ以上のヌ
クレオチドのいずれかの鎖を意味する。ヌクレオチド配列は典型的に遺伝情報を
有し、タンパク質及び酵素を生産するための細胞マシネリーによって使用される
情報を含む。これらの用語は、二本鎖または一本鎖ゲノム及びcDNA、RNA、いず
れかの合成及び遺伝学的に操作されたポリヌクレオチド、並びにセンス及びアン
チセンスポリヌクレオチドの両者(センス鎖のみがここで代表されているが)を
含む。これは、一本鎖及び二本鎖分子、即ちDNA-DNA、DNA-RNA、及びRNA-RNAハ
イブリッド、並びにアミノ酸骨格に塩基を接合することによって形成された「タ
ンパク質核酸」(PNA)を含む。これはまた、チオ−ウラシル、チオ−グアニン、
及びフルオロ−ウラシルといった修飾塩基を含む核酸を含む。
【0036】 ここでのポリヌクレオチドは、天然の調節配列によって隣接されていても良く
、またはプロモーター、エンハンサー、応答エレメント、シグナル配列、ポリア
デニル化配列、イントロン、5'-及び3'-非コード領域等を含む、異種配列と会合
していても良い。核酸は、当該技術分野で周知の多くの手段によって修飾されて
いても良い。そのような修飾の非制限的な例は、メチル化、「キャップ」、一つ
以上の天然に存在するヌクレオチドの類似体への置換、並びに例えば非電荷結合
(例えばメチルホスホナート、ホスホトリエステル、ホスホロアミダート、カル
バマート等)及び電荷結合(例えばホスホロチオアート、ホスホロジチオアート
等)を有するもののようなヌクレオチド内修飾を含む。ポリヌクレオチドは、例
えばタンパク質(例えばヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ-L
-リジン等)、インターカレーター(例えばアクリジン、ソラレン等)、キレー
ター(例えば金属、放射性活性金属、鉄、酸化金属等)、及びアルキレーターの
ような一つ以上のさらなる共有結合部分を含んでも良い。ポリヌクレオチドは、
メチル若しくはエチルホスホトリエステルまたはアルキルホスホルアミダート結
合の形成によって誘導化されても良い。さらにここでのポリヌクレオチドは、直
接的または間接的のいずれかで、検出可能なシグナルを生産することができるラ
ベルで修飾されても良い。例示的なラベルは、放射性同位元素、蛍光分子、ビオ
チン等を含む。
【0037】 タンパク質及び酵素は、遺伝学的コードに従って、DNA及びRNAにおける情報を
使用して宿主細胞において生成される。一般的に、特定のタンパク質または酵素
についての情報を有するDNA配列は、対応するRNAの配列に「転写」される。この
RNA配列は次いで、タンパク質または酵素を形成するアミノ酸の配列に「翻訳」
される。「アミノ酸配列」は、二つ以上のアミノ酸のいずれかの鎖である。各ア
ミノ酸は、一つ以上のヌクレオチドの三成分によってDNAまたはRNAで表されてい
る。各三成分は、アミノ酸に対応するコドンを形成する。例えばアミノ酸リジン
(Lys)は、ヌクレオチド三成分またはコドンAAA若しくはコドンAAGによってコー
ドできる。(遺伝学的コードは縮重と称されるように幾分過剰であり、それはほ
とんどのアミノ酸が一つより多い対応するコドンを有することを意味する。)DN
A及びRNA配列中のヌクレオチドは、タンパク質生産のために三つのグループで読
まれるため、正確な三成分が読まれるように、正確なアミノ酸で配列が読み始め
られることが重要である。ヌクレオチド配列をコドンに分類する態様は、「リー
ディングフレーム」と称される。
【0038】 「構造遺伝子」とも称される用語、「遺伝子」は、一つ以上のタンパク質また
は酵素の全てまたは一部を含むアミノ酸の特定の配列をコードするまたはそれに
に対応するDNA配列を意味し、例えば遺伝子が発現される条件を決定する、プロ
モーター配列のような調節DNA配列を含んでも含まなくても良い。構造遺伝子で
はないいくつかの遺伝子は、DNAからRNAに転写されるが、アミノ酸配列には翻訳
されなくても良い。他の遺伝子は、構造遺伝子のレギュレーターとして、または
DNA転写のレギュレーターとして機能しても良い。
【0039】 「コード配列」またはポリペプチド、タンパク質、または酵素を「コードする
」配列は、発現された場合に、当該ポリペプチド、タンパク質、または酵素の生
産を生ずるヌクレオチド配列であり、即ち当該ヌクレオチド配列は、当該ポリペ
プチド、タンパク質、または酵素についてのアミノ酸配列をコードする。コード
配列は、RNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写し、それが次いでトランス-
RNAスプライスを受け、コード配列によってコードされるタンパク質に翻訳され
る場合の、細胞における転写及び翻訳コントロール配列の「制御の下」にある。
好ましくはコード配列は、適切な調節配列の制御の下に配置された場合、in vit
roまたはin vivoで細胞内において転写されてポリペプチドに翻訳される二本鎖D
NA配列である。コード配列の境界は、5'(アミノ)末端の開始コドンと3'(カル
ボキシ)末端の翻訳停止コドンによって決定される。コード配列は、原核生物配
列、真核生物mRNAから由来するcDNA、真核生物(例えば哺乳動物)DNAから由来
するゲノムDNA配列、及び合成DNA配列さえ制限することなく含むことができる。
もしコード配列が真核生物において発現されることが企図されるのであれば、ポ
リアデニル化シグナル及び転写終結配列が、コード配列に対して3'に通常配置さ
れるであろう。
【0040】 転写及び翻訳コントロール配列は、プロモーター、エンハンサー、ターミネー
ター等のようなDNA調節配列であり、それらは宿主細胞におけるコード配列の発
現を提供する。真核生物細胞では、ポリアデニル化シグナルがコントロール配列
である。
【0041】 「プロモーター配列」は、細胞においてRNAポリメラーゼが結合し、下流の(3'
方向)コード配列の転写を開始可能にすることができるDNA調節領域である。本発
明の規定する目的のために、プロモーター配列は、転写開始部位によって3'末端
で結合し、バックグランドを超えて検出可能なレベルで転写を開始するのに必要
な最小数の塩基またはエレメントを含むように上流に(5'方向)に亘っている。プ
ロモーター配列内で、転写開始部位(従来例えばヌクレアーゼS1でのマッピング
によって規定される)、並びにRNAポリメラーゼの結合に関与するタンパク質結
合ドメイン(コンセンサス配列)が見出されるであろう。前述のように、プロモ
ーターDNAは、コードDNAの発現を開始、調節、またはさもなければ介在若しくは
制御するDNA配列である。プロモーターは「誘導可能」であっても良く、それは
別の化合物(「インデューサー」)の存在または量によって影響されることを意
味する。例えば誘導可能なプロモーターは、特定のインデューサー化合物の存在
下で下流のコード配列の発現を開始または増大するものを含む。「リーキーな」
誘導可能なプロモーターは、インデューサー化合物の存在下で高い発現レベルを
提供し、インデューサー化合物の不存在下で比較的非常に低い発現レベルで、最
小の検出可能な発現レベルを提供するプロモーターである。
【0042】 「シグナル配列」は、ペリプラズム空間において、または細胞の外で、発現さ
れた細胞のコード配列の開始点に含まれる。この配列は、宿主細胞をポリペプチ
ドの移動に向けさせる成熟ポリペプチドのN末端のシグナルペプチドをコードす
る。用語、「移動シグナル配列」も、シグナル配列に指すように使用される。移
動シグナル配列は、真核生物及び原核生物に固有の各種のタンパク質で会合して
いることが見出すことができ、しばしば両方のタイプの生物で機能的である。本
発明のタンパク質は、宿主細胞の外側へのタンパク質の分泌に向けた配列を付加
することによってさらに修飾され改良されても良い。シグナル配列の付加は、分
泌タンパク質のホールディングを妨げず、その証拠はタンパク質に依存する当該
技術分野で周知の方法を使用して容易に試験される(例えば修飾の後の所定のタ
ンパク質の活性についての試験)。
【0043】 用語、「発現する」及び「発現」は、例えば、対応する遺伝子またはDNA配列
の転写及び翻訳に関与する細胞機能を活性化することによりタンパク質を生産す
る、遺伝子またはDNA配列の情報を明らかにさせまたは明らかにするように生ず
ることを意味する。DNA配列は、タンパク質のような「発現産物」を形成するよ
うに細胞においてまたは細胞によって発現される。発現産物自体、例えば生成し
たタンパク質は、細胞によって「発現された」と称されても良い。ポリヌクレオ
チドまたはポリペプチドは、例えば外来または天然のプロモーターの制御の下で
外来宿主細胞において、あるいは外来プロモーターの制御の下で天然の宿主細胞
において発現または生産された場合、組換え的に発現される。
【0044】 ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、例えば天然で存在する収率といった
所定のベースラインの収率よりも実質的に高い量または収率で発現または生産さ
れる場合、「過剰発現」される。例えば、天然の宿主細胞のライフサイクルに適
した条件といった所定の条件下で、天然宿主細胞において天然ポリペプチドの正
常な平均的またはベースラインの収率よりも実質的に収率が高い場合、ポリペプ
チドは過剰発現される。ポリペプチドの過剰発現は、例えば(a)宿主細胞の増殖
または生存条件、(b)過剰発現されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ド、(c)ポリペプチドの発現をコントロールするために使用されるプロモーター
、及び(d)宿主細胞自体のいずれか一つ以上を改変することによって得ることが
できる。これらは相対的であり、かくして「過剰発現」は、ポリペプチドが天然
のポリポリペプチドか、または天然のポリヌクレオチドによってコードされるか
のいずれかを考慮することなく、一つのポリペプチドの発現レベルと別のポリペ
プチドの発現レベルを比較または区別するために使用できる。典型的に過剰発現
は、正常の平均的なまたは所定のベースライン収率の少なくとも約2倍である収
率を意味する。かくして、元となるポリペプチドの量または収率、または元の条
件下より、実質的に高い量または収率で生産された場合、ポリペプチドは過剰発
現される。同様に、元となるポリペプチドの量または収率、あるいは元となる条
件より実質的に低い量または収率で生産される場合、例えばベースラインの収率
の少なくとも半分である場合、ポリペプチドは「過小発現」される。この文脈で
は、発現レベルまたは収率は、活性なまたは機能的な形態であってもなくても、
発現されるポリヌクレオチド、または生産されるポリペプチド(例えば発現産物
)の量または濃度を指す。一つの例として、ポリヌクレオチドまたはポリペプチ
ドは、誘導可能なプロモーターの制御の下であるが、誘導されていない、即ちイ
ンデューサー化合物の不存在下で検出可能な量で発現される場合、過小発現され
ると称されても良い。
【0045】 発現産物は、細胞内、細胞外、または分泌されるという特徴を有することがで
きる。用語、「細胞内」は、細胞の内部に存在する場合を意味する。用語、「細
胞外」は、細胞の外部に存在する場合を意味する。物質は細胞上のいずれかの場
所または細胞内から細胞のペリプラズムまたは外部に輸送されるのであれば、細
胞によって「分泌」される。
【0046】 ここで使用される用語、「発現耐性ポリペプチド」及び「機能的な発現に対す
る耐性」は同義であり、選択された宿主細胞において機能的に発現するのが困難
であるポリペプチドを指す。例えば発現耐性ポリペプチドは、当該ポリペプチド
をコードするポリヌクレオチドが、宿主細胞、例えば手軽な宿主細胞発現系にト
ランスフォームまたは導入される場合、全く生産されないか、非常に低い収率ま
たは非機能的な形態で生産される。
【0047】 用語、「トランスフォーメーション」は、宿主細胞が、所望の物質、典型的に
は導入された遺伝子または配列によってコードされるタンパク質または酵素を生
産するように、導入された遺伝子または配列を発現するであろうように、宿主細
胞に「外来」(即ち外部的なまたは細胞外)遺伝子、DNAまたはRNA配列を導入す
ることを意味する。導入された遺伝子または配列は、「クローン化された」また
は「外来」遺伝子または配列とも称され、細胞の遺伝学的マシネリーによって使
用される開始、停止、プロモーター、シグナル、分泌、または他の配列のような
調節または制御配列を含んでも良い。前記遺伝子または配列は、非機能的な配列
または未知の機能を有する配列を含んでも良い。導入されたDNAまたはRNAを受け
取って発現する宿主細胞は「トランスフォームされて」おり、「トランスフォー
マント」または「クローン」である。宿主細胞に導入されたDNAまたはRNAは、宿
主細胞の同じ属または種の細胞、あるいは異なる属または種の細胞を含むいずれ
かのソースから由来できる。
【0048】 用語、「ベクター」、「クローニングベクター」、及び「発現ベクター」は、
DNAまたはRNA配列(例えば外来遺伝子)を宿主細胞内に導入でき、宿主をトラン
スフォームし、導入された配列の発現(例えば転写と翻訳)を促進する乗り物を
意味する。
【0049】 ベクターは典型的に、通過剤のDNAを含み、そこに外来DNAが挿入されている。
DNAのある部分にDNAの別の部分を挿入する一般的な方法は、制限部位と称される
特定の部位(ヌクレオチドの特別なグループ)でDNAを切断する制限酵素と称さ
れる酵素の使用を含む。一般的に外来DNAは、ベクターDNAの一つ以上の制限部位
で挿入され、次いで通過可能なベクターDNAと共に宿主細胞内にベクターによっ
て運ばれる。発現ベクターのような挿入されたまたは付加されたDNAを有するDNA
の部分または配列はまた、「DNA構築物」とも称することができる。
【0050】 一般的なタイプのベクターは「プラスミド」であり、それは一般的に、付加的
な(外来)DNAを容易に受け取ることができ、適切な宿主細胞内に容易に導入で
きる二本鎖DNAの自己含有分子である。プラスミドベクターはしばしば、コードD
NAとプロモーターDNAを含み、外来DNAの挿入に適切な一つ以上の制限部位を有す
る。プロモーターDNAとコードDNAは、同じ遺伝子からまたは異なる遺伝子から由
来しても良く、同じまたは異なる生物から由来しても良い。プラスミド及び真菌
ベクターを含む数多くのベクターが、各種の真核生物及び原核生物宿主における
複製及び/または発現について記載されている。非制限的な例として、pKKプラ
スミド(Clonetech)、pUCプラスミド、pETプラスミド(Novagen, Inc., Madison,
WI)、pRSETまたはpREPプラスミド(Invitrogen, San Diego, CA)、またはpMALプ
ラスミド(New England Biolabs, Beverly, MA)、及び多くの適切な宿主細胞が含
まれ、ここに開示または引用される方法、あるいは当業者に周知の方法を使用す
る。組換えクローニングベクターはしばしば、クローニングまたは発現のための
一つ以上の複製系、例えば抗生物質耐性といった宿主における選択のための一つ
以上のマーカー、及び一つ以上の発現カセットを含むであろう。バイオテクノロ
ジーにおける通常の実験は、そのベクターが本発明に最も適しているまたは使用
されるかを決定するために使用できる。一般的にベクターの選択は、ポリヌクレ
オチド配列のサイズと、本発明の方法において使用される宿主細胞に依存する。
【0051】 「カセット」は、特異的な制限部位でベクター中に導入できるDNAの部分を指
す。このDNAの部分は興味あるポリペプチドをコードし、カセットと制限部位は
、転写と翻訳のための正しいリーディングフレームでカセットの挿入を確保する
ようにデザインされる。
【0052】 用語、「発現系」は、例えばベクターによって運ばれ宿主細胞に導入される外
来DNAによってコードされるタンパク質の発現のための、適切な条件の下で適合
的なベクターと宿主細胞を意味する。一般的な発現系は、細菌(例えば大腸菌と
古草菌)、または酵母(例えばS. cerevisiae)宿主細胞とプラスミドベクター
、並びに昆虫宿主細胞とバキュロウイルスベクターを含む。ここで使用される「
手軽な発現系」は、選択されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドに対して外
来または異種であり、選択されたポリヌクレオチドまたはポリペプチドに対して
天然または異種である細胞より有意に増殖されまたは継代培養できる宿主細胞を
使用し、あるいはより効率的なまたはより高い収率でポリペプチドを生産できる
いずれかの発現系を意味する。例えば、真核生物起源のタンパク質を発現するた
めの強い原核生物細胞に使用は、手軽な発現系であろう。好ましい手軽な発現系
は、大腸菌、古草菌、及びS. cerevisiae宿主細胞、並びにいずれかの適切なベ
クターを含む。
【0053】 用語、「ミュータント」及び「ミューテーション」は、例えばDNAといった遺
伝学的物質におけるいずれかの検出可能な変化、またはいずれかのそのような変
化のプロセス、機構、若しくは結果を意味する。これは、遺伝子の構造(例えば
DNA配列)が改変されている遺伝子ミューテーション、いずれかのミューテーシ
ョンプロセスから生ずるいずれかの遺伝子またはDNA,並びに修飾された遺伝子
またはDNA配列によって発現されるいずれかの発現産物(例えばタンパク質また
は酵素)を含む。用語、「変異体」は、修飾されたまたは改変された遺伝子、DN
A配列、酵素、細胞等、すなわちいずれかの種類のミュータントを示すように使
用されても良い。そのような変化はまた、プロモーター、リボソーム結合部位等
における変化を含む。
【0054】 ポリヌクレオチド配列の「配列保存的変異体」は、所定のコドン位置における
一つ以上のヌクレオチドの変化が、当該位置でコードされるアミノ酸の変化を生
じないものである。
【0055】 「機能保存的変異体」は、タンパク質または酵素における所定のアミノ酸残基
が、ポリペプチドの全体の構造及び機能を改変しないように変化されているもの
であり、同様な特性(例えば酸性、塩基性、疎水性等のような)を有するもので
のアミノ酸の置換を制限することなく含む。同様な特性を有するアミノ酸は、当
該技術分野で周知である、例えば、アルギニン、ヒスチジン、及びリジンは親水
性塩基性アミノ酸であり、相互に互換的であって良い。同様に、イソロイシンと
いう疎水性アミノ酸は、ロイシン、メチオニン、またはバリンで置換されても良
い。保存的として指摘されたもの以外のアミノ酸は、同様な機能のいずれかの二
つのタンパク質の間でのタンパク質またはアミノ酸配列相同性パーセントが変化
し、相同性がMEGALIGNアルゴリズムに基づくCluster Methodによるような整列ス
キームに従って測定して、例えば70%から99%までであっても良いように、
タンパク質または酵素において異なっても良い。「機能保存的変異体」は、BLAS
TまたはFASTAアルゴリズムによって測定して少なくとも60%のアミノ酸同一性
、好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも85%、さらにより
好ましくは少なくとも90%を有するポリペプチドまたは酵素をも含み、それら
は比較される天然のまたは元となるタンパク質若しくは酵素と同じまたは実質的
に相同の特性または機能を有する。
【0056】 用語、「DNA類似性」は、同一の配列の間で組換えが生じる場合に使用される
。「DNAシャッフリング」は、核酸種の組換えを含むin vitroまたはin vivo方法
のグループを指す。例えば、核酸断片またはポリヌクレオチドのプールの相同的
組換えは、本発明の変異体配列を有するポリヌクレオチド分子を生産するために
使用できる。そのような方法は、本発明の変異体配列を有するポリヌクレオチド
分子を生産するために使用できる。
【0057】 ポリペプチドまたは酵素の「単離」または「精製」は、起源の環境(例えば)
もし天然で存在するのであれば天然の環境、あるいはもし組換えDNA法によって
生産されるのであれば宿主細胞)から取り出すことによるポリペプチドの由来を
指す。ポリペプチド精製の方法は当該技術分野で周知であり、予備的ディスクゲ
ル電気泳動、等電点泳動、HPLC、逆相HPLC、ゲル濾過、イオン交換及び分割クロ
マトグラフィー、及び逆流分配を制限することなく含む。ある目的のため、精製
を容易にする付加的配列タグ(例えばポリヒスチジン配列を制限することなく含
む)をタンパク質が含む組換え系においてポリペプチドを生産することが好まし
い。次いでそのポリペプチドは、適切な固相マトリックス上でのクロマトグラフ
ィーによって宿主細胞の粗溶解物から精製できる。別法として、タンパク質また
はそれから由来するペプチドに対して生産された抗体を、精製試薬として使用す
ることができる。他の精製法も可能である。精製されたポリヌクレオチドまたは
ポリペプチドは、少なくとも約50%未満、好ましくは約75%未満、最も好ま
しくは約90%未満の起源的に関連する細胞成分を含むであろう。「実質的に純
粋な」酵素は、当該技術分野で周知の従来の精製法を使用して達成できる最も高
い度合いの純度を示す。
【0058】 一つのポリヌクレオチドの少なくとも一方の鎖が、規定された厳格条件下で別
のポリヌクレオチドにアニールできる場合、ポリヌクレオチドは互いに「ハイブ
リダイズ可能」である。ハイブリダイゼーションの厳格性は、例えばa)ハイブリ
ダイゼーション及び/または洗浄が実施される温度、及びb)ハイブリダイゼーシ
ョン及び洗浄溶液のイオン強度と極性(例えばホルムアミド)、並びに他のパラ
メーターによって決定される。ハイブリダイゼーションは、二つのポリヌクレオ
チドが、実質的に相補的な配列を含むことを必要とする;しかしながらハイブリ
ダイゼーションの厳格性に依存して、ミスマッチに耐え得るものでも良い。典型
的に高い厳格性(例えば65℃で0.5×SSCの水溶液といった)での二つの配列のハ
イブリダイゼーションは、当該配列が配列全体に亘り高い度合いの相補性を示す
ことを必要とする。中間的な厳格性(例えば65℃で2×SSCの水溶液といった)
及び低い厳格性(例えば55℃で2×SSCの水溶液といった)の条件は、ハイブリ
ダイズする配列の間で比較的低い全体の相補性をそれぞれ必要とする。(1×SS
Cは0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウムである。)ここでポリヌクレオチド
に「ハイブリダイズ」するポリヌクレオチドは、いずれの長さを有していても良
い。一つの実施態様では、そのようなポリヌクレオチドは、少なくとも10,好
ましくは少なくとも15,最も好ましくは少なくとも20のヌクレオチドの長さ
である。別の実施態様では、ハイブリダイズするポリヌクレオチドは、適切な厳
格条件でアニールし、オキシゲナーゼといった酸化を触媒する、または本発明の
カップリング反応における能力のような同じ機能を有するポリペプチドまたは酵
素をコードするものを含む。
【0059】 トランスフォーメーション及び発現、宿主細胞の、ベクター、発現系等の使用
を含む、ここで議論される一般的な遺伝学的操作ツール及び技術は、当該技術分
野で周知である。
【0060】 タンパク質のミュータジェネシス及び指向的進化 従来の発現系を使用するタンパク質の発現と機能を改良するために、従来の手
軽な発現系を使用して発現される場合に、増大した活性及び/または熱安定性を
有する機能的なタンパク質を引き起こすポリヌクレオチドのミュータントライブ
ラリーを生産するため、指向的進化が使用できるという予期できない発見を本発
明はなした。
【0061】 本発明に従って、手軽な遺伝子発現系において発現されるタンパク質は、選択
のためのライブラリーフォーマットにおいてミュータントポリヌクレオチドを生
産するために指向的新価を使用して得ることができる。指向的新価を使用して、
ライブラリーを生産し、本発明に係る改良されたタンパク質(「変異体」とも記
載される)を単離して同定するための一般的な方法は以下に略記され、より詳し
くは例えば米国特許第5,741,691号及び第5,811,238号に記載される。また国際特
許出願WO 98/42832、WO 95/22625、WO 97/20078、及びWO 95/且つ米国特許第5,6
05,793号及び第5,830,721号(143, 149-156)も参照。発現系における使用のため
に進化したポリヌクレオチドを生産するための、ポリヌクレオチド配列において
ミューテーションを生産するためのいずれの方法も使用できると理解されるべき
である。指向的進化法によって生産されるタンパク質は、次いで改良された発現
、活性、熱安定性、ホールディング、分泌、及び他の機能と特性について、従来
法に従ってスクリーニングできる。
【0062】 精製された形態の核酸のいずれかのソースが、開始核酸として使用できる。か
くしてこの方法は、メッセンジャーRNA,一本鎖または二本鎖であるDNAまたはRN
Aを含むDNAまたはRNAを使用しても良い。さらに、互いに一本鎖を含むDNA-RNAハ
イブリッドを使用しても良い。核酸配列は、ミューテートされる核酸配列のサイ
ズに依存して各種の長さからなっても良い。好ましくは特異的な核酸配列は、50
から50,000塩基対である。興味あるタンパク質をコードする核酸を含む完全なベ
クターが、本発明の方法において使用されて良いことが企図される。
【0063】 いずれの特異的な核酸配列も、本発明の方法によってミュータントの集団を生
産するために使用できる。ミューテーションを有する特異的な核酸配列の初期の
集団は、数多くの各種の周知の方法によって生産されて良く、そのうちのいくつ
かは以下に示される。
【0064】 エラー傾向ポリメラーゼ連鎖反応(20,45,46)及びカセットミュータジェネシス
(38-44)は、最適な特異的領域が、合成的にミュータジェナイズされたオリゴヌ
クレオチドで置換されているものであるが、本発明で使用できる。エラー傾向PC
Rは、未知の配列の断片の混合物をミュータジェナイズするために使用できる。
これらの方法はまた、長い配列にランダムに低レベルのポイントミューテーショ
ンを導入するために、または未知の配列の断片の混合物をミュータジェナイズす
るために、低適合度の重合条件で使用できる。
【0065】 短い配列を合成的にミュータジェナイズされたオリゴヌクレオチドで置換する
オリゴヌクレオチド指向的ミュータジェネシスもまた、改良された発現を有する
進化したポリヌクレオチドを生産するために使用されても良い。
【0066】 別法として、in vitroまたはin vivoで核酸断片またはポリヌクレオチドのプ
ールの一般的に相同な組換えの方法を使用する核酸またはDNAシャッフリングが
、本発明の変異体配列を有するポリヌクレオチド分子を生産するために使用でき
る。
【0067】 パラレルPCRは、従来の発現系において改良された発現、機能または特性のた
めにポリヌクレオチドを進化するために使用できる別の方法であり、一つの反応
の産物が別の反応の産物を刺激するように、同じ容器で平行に生ずる数多くの異
なるPCR反応を使用する。配列は、ランダムな断片化と相互のプライミングによ
る断片のリアセンブリーによって、各種のレベルでランダムにミュータジェナイ
ズできる。部位特異的ミューテーションは、鋳型のランダムな断片化と、ミュー
タジェン性オリゴヌクレオチドの存在下での断片のリアセンブリーによって、長
い配列に導入される。
【0068】 本発明で使用できる特に有用なパラレルPCRの応用は、セクシャルPCRと称され
る。DNAシャッフリングとしても周知であるセクシャルPCRでは、パラレルPCRがD
NA配列のプールに対してin vitroでの組換えを実施するために使用される。セク
シャルPCRはまた、異なる種から遺伝子のキメラのライブラリーを構築するため
にも使用できる。
【0069】 本発明における使用のためのポリヌクレオチド配列はまた、化学的ミュータジ
ェネシスによっても改変できる。化学的ミュータジェンは、例えば重亜硫酸ナト
リウム、亜硝酸、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、またはギ酸を含む。ヌクレ
オチド前駆体の類似体である他の試薬は、ニトロソグアニジン、5-ブロモウラシ
ル、2-アミノプリン、またはアクリジンを含む。一般的にこれらの試薬は、ヌク
レオチド前駆体に変わってPCR反応に加えられ、それによって配列をミューテー
トする、プロフラビン、アクリフラビン、キナクリン等のようなインターカレー
ティング剤もまた使用できる。ポリヌクレオチド配列のランダムなミュータジェ
ネシスはまた、X線若しくは紫外線を使用する照射によって、または熱的DNA損傷
修復機能を欠く宿主(大腸菌のような)においてポリヌクレオチドを増幅させる
ことによっても達成できる。一般的に、かくしてミュータジェナイズされたプラ
スミドDNAまたはDNA断片は大腸菌に導入され、ミュータントプラスミドのプール
またはライブラリーとして増幅される。
【0070】 別法として、特異的核酸の混合集団が天然で見出されても良く、そこではそれ
らは、同じ遺伝子の異なる対立遺伝子、または異なる関連種の同じ遺伝子(即ち
同族遺伝子)からなっても良い。別法としてそれらは、例えばオキシダーゼクラ
スの遺伝子といった、一つの種内で見出される関連DNA配列であっても良い。一
度特異的核酸配列の混合集団が生産されると、当該技術分野で周知の方法を使用
して、ポリヌクレオチドが直説しようできるか、または適切なクローニングベク
ター内に挿入できる。
【0071】 一度進化したポリヌクレオチド分子が生産されると、それらは当該技術分野で
周知の方法に従って、当業者によって選択された適切なベクター内にクローン化
できる。もし特異的核酸配列の混合集団がベクター内にクローン化されたならば
、宿主細胞内に各ベクターを挿入し、宿主細胞でベクターを増幅させることによ
ってクローン的に増幅できる。混合集団は、所望の組換え核酸断片を同定するた
めに試験されても良い。選択方法は、所望のDNA断片に依存するであろう。例え
ば本発明では、改良された特性を有するタンパク質をコードするDNA断片が、タ
ンパク質の機能的活性及び/または安定性について試験によって測定できる。そ
のような試験は当該技術分野で周知である。
【0072】 指向的進化の方法を使用して、本発明は、一つ以上の基質に対する改良された
活性を有する機能的な可溶性タンパク質を生産するための新規な手段を提供する
。このミュータントは、大腸菌のような従来のまたは手軽な発現系で発現できる
。従来の試験が、発現系から生産された興味あるタンパク質が改良された発現、
ホールディング、及び/または機能的特性を有するかどうかを測定するために使
用できる。例えば、指向的進化を受け、外来宿主細胞で発現されたポリヌクレオ
チドが改良された活性を有するタンパク質を生産するかを測定するために、当業
者は、そのタンパク質の機能的活性を試験するようにデザインされた実験を実施
できる。略記すると、進化したタンパク質は迅速にスクリーニングでき、発現系
から、または分泌されるのであれば培地から容易に単離して精製される。次いで
それは、天然形態の特定のタンパク質の機能的活性を試験するようにデザインさ
れたアッセイにかけることができる。各種のタンパク質に対するそのような実験
は当該技術分野で周知であり、以下の実施例で議論される。
【0073】 一つの実施態様では、本発明は、オキシダーゼ酵素の変異体をコードするポリ
ヌクレオチドの使用を企図する。本発明は、発現系で使用される宿主細胞(例え
ば大腸菌)で発現され、増大した機能的活性と増大した熱安定性を示す、GAOの
ような新規なオキシダーゼ酵素を生産するために、指向的進化を使用する。
【0074】 本発明はまた、宿主細胞、プロモーター、及びシグナル配列の選択を含む、発
現系を選択または最適化するために応用できる。発現条件も、本発明に従って最
適化できる。
【0075】 ガラクトースオキシダーゼの指向的進化 ガラクトースオキシダーゼ(EC 1.1.3.9)は、アルコールオキシダーゼ酵素であ
る。それは、D-ガラクトースの第6炭素のヒドロキシル基を酸化する。それはま
た、多くの他の種類の糖及びアルコールを酸化する(77,108,114,115,118-120)。
多くの真菌はガラクトースオキシダーゼを生産するが、この酵素を生産すると報
告された細菌はない(109)。Dactylium dendroides ATCC46032と同一であるFusar
ium種NRRL2903から得たガラクトースオキシダーゼについての多くの報告が存在
する(76-78,84-86,88,95,99,108,110-128)。図1。天然酵素は、細胞外モノマー
酵素であり、67,000の分子量を有する。それは活性部位に会合し、酸化特性と関
連する一つの銅イオン(II)を有する。図2。触媒に関連する構造とアミノ酸残基
は、特徴付けされて報告されている(76,78,84-86,88,111-113,116-119)。
【0076】 ガラクトースオキシダーゼは、主にD-ガラクトースとD-ガラクトサミンのアッ
セイのために現在使用されている。この酵素は、基質中のヒドロキシル基を反応
性であるアルデヒドに酸化する。それ故この酵素は、非天然糖及び糖の誘導体の
生産における使用について考慮される(118,119,95,99,128)。ガラクトースオキ
シダーゼの過剰生産は、広範囲の応用に有用であろう。ガラクトースオキシダー
ゼの遺伝子はクローン化されており(110)、大腸菌で発現されている(127)。この
組換えガラクトースオキシダーゼは、LacZのN末端配列との融合タンパク質とし
て生産された。しかしながら、組換え大腸菌によるガラクトースオキシダーゼの
収率は満足できるものではなかった。
【0077】 本発明に従って、大腸菌における組換え法によって、高い活性で改良された特
性を有するガラクトースオキシダーゼ酵素(GAO)が生産された。
【0078】 以下の実施例は、本発明または添付された特許請求の範囲を説明するためのみ
に理解され、それらを制限するものではない。当業者は、特許請求の範囲とここ
での開示に従って、本発明が多くの形態で実施できると予測するであろう。
【0079】 実施例1 大腸菌において発現されたガラクトースオキシダーゼについての活性アッセイ この実施例は、ガラクトースオキシダーゼ活性を評価するために使用されるア
ッセイを記載する。ガラクトースオキシダーゼは、基質の酸化によって等モル量
の過酸化水素を生産する。それ故過酸化水素の発色測定検出が、以下の反応スキ
ームを使用するガラクトースオキシダーゼ活性をアッセイするために使用された
【化1】
【0080】 このシステムは、非常に高感度で各種の基質の酸化についてアッセイするため
に使用できる。前述の反応スキームでは、基質Rのアルコール基がアルデヒドを
生産するために酸化され、過酸化水素(H2O2)を放出する。例えばD-ガラクトース
は、D-ガラクトヘキソジアルドースとH2O2に変換される。過酸化水素とペロキシ
ダーゼ酵素、例えばセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)の存在下での発色源
は、GAOによって触媒された反応が生じたことを示す検出可能な発色変化を生産
する。
【0081】 A.試験チューブアッセイ 大腸菌によって生産されたガラクトースオキシダーゼの活性を、スタンダード
として真菌ガラクトースオキシダーゼ(Sigma、部分的に精製された)を使用して
調べた。ペルオキシダーゼ(Sigma、セイヨウワサビ由来のタイプI)での過酸化
水素の検出のため、発色源はGAOアッセイにために選択された(85)。
【0082】 1.物質 細胞:大腸菌DH5aMCR(Life Technologies)を遺伝子操作のために使用した。大腸
菌BL21(DE3)(Novagen)を、ガラクトースオキシダーゼ遺伝子の発現のための宿主
株として使用した。大腸菌KY-14478(SN0029、カタラーゼを欠く、Kyowa Hakko K
ogyo, Co. Ltd.)もまた、遺伝子の操作と発現のために使用した(157)。エレクト
ロポレーションのためのコンピーテントセルを調製した(147)。
【0083】 培養培地:Luria-Bertani LB培地(10g/lバクトトリプトン、5g/lバクト酵母抽出
物、10g/l NaCl, pH7.5)を、主に大腸菌の培養のために使用した(19)。LBプレー
トは、LB培地に15g/lアガーを含んだ。アンピシリン(100mg/l)を必要な際に培地
に加えた。
【0084】 バッファー:各種のpHのリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、及びTris-HClの溶
液を、アッセイのためのバッファー溶液として試験した。
【0085】 発色源:多くの芳香族化合物が、アッセイのための発色源として使用できる。4
種の発色源が、特に強い色素形成を示した:それぞれ緑、オレンジ、赤、及び赤
である:(a)2,2'-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS)(
85);(b)o-アニシジン;(c)o-ジアニシジン(127,123,121,122)、及び(d)o-トリ
ジン(114,119)。それらの吸収のピークは、410nm、490nm、460nm、及び420nmで
あった。
【0086】 2.方法 培養:培養の3の工程を、ガラクトースオキシダーゼの生産のために実施した。
組換え大腸菌株を、30℃で18時間アンピシリンを含むLBプレートで培養した。細
胞をアンピシリンを含むLBに接種した。30℃で12時間の培養後、培養物をアンピ
シリンを補った3ml LBを含む新しい試験チューブに移した。接種割合は、培地の
0.5%であった。イソプロピルベータ-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)(1mM)を、
30℃で7時間の培養の後に誘導のため加えた。培養を30℃で6時間継続した。
【0087】 透過処理:透過可能な細胞を、凍結(-20℃)−解凍(4℃)と、0.5mg/lリゾチ
ーム(Sigma、ニワトリ卵白由来)での37℃で30分の処理によって調製した。透過
処理のためのこの予備処理は、組換えガラクトースオキシダーゼにおけるアッセ
イのために使用した(実施例3)。
【0088】 活性アッセイ:抽出物をガラクトースオキシダーゼ活性についてアッセイした。
硫酸銅(II)溶液(0.4mM)をセルフリー溶解物に加えた。このセルフリー溶解物を
バッファー溶液で希釈した。ペルオキシダーゼ(Sigma、セイヨウワサビのタイプ
I)(10ユニット/ml)とアジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)(
ABTS)(2g/l)を、反応溶液に加えた。反応溶液を37℃で5分プレインキュベー
トした。100mMで基質を溶液に加えた。吸収の増大(410nmまたは405nm)を、活性
の評価のためのスタンダードとして使用した。
【0089】 3.結果 これらの実験から、ABTSが最も強力で高感度の発色を形成したため、ABTSがこ
れらのタイプのアッセイのための好ましい発色源として選択された。さらに、最
も高いアッセイ感度と最も低いバックグランドが、アッセイのため100mMリン酸
ナトリウムバッファー溶液(pH7.0)を使用した場合に達成された。
【0090】 このアッセイ系のためのガラクトースオキシダーゼの最小の検出可能な活性は
、0.05ユニット/mlであった。0.1と1ユニット/mlの間のガラクトースオキシダ
ーゼ活性は、410nmまたは405nmで分光計によって量的に測定された。
【0091】 大腸菌によって生産されたカタラーゼは過酸化水素を分解し、アッセイに影響
するであろう。実際には、ガラクトースオキシダーゼの活性は、カタラーゼの活
性より非常に高かったので、カタラーゼは問題を露呈するとは観察されなかった
【0092】 以下の利点を有するさらなるガラクトースオキシダーゼスクリーニング法及び
/または活性アッセイが以下に提供される:ガラクトースオキシダーゼについて
の高い特異性、高感度、良好な再生産性、量的測定、単純性、多くの基質につい
ての柔軟性、及び低コスト。一つのスクリーニングシステムはミクロプレートを
使用し、別のものは膜を使用する。両者のシステムは、発色源(ABTS)と共にセイ
ヨウワサビペルオキシダーゼ(タイプI、Sigma)を応用する。
【0093】 B.ミクロプレートスクリーニング法 以下のミクロプレートアッセイは、高感度を有する。さらに、酵素活性は量的
に測定できる。スループットを増大するために、この方法を例えばロボットで自
動化できる。この方法は、活性なクローンが膜スクリーンのようなより迅速な第
一のスクリーンによって同定された後に、第二のスクリーンとして特に適切であ
る。これらの方法を使用する実験では、ミクロプレート上の欠くポジティブウェ
ルが暗色の円として視覚化された場合、ミクロプレート上の活性な培養物は、強
力な緑色の発色を形成することによって示されるガラクトースオキシダーゼ活性
を有する。GAO活性は、96穴ウェルプレートにおいてスクリーンニングされた。
【0094】 略記すると、単一のコロニーが深いウェルプレート内にLB-アンピシリン(LB-A
p)アガープレートから拾い出され、LB-Apで生育された。マスタープレートは、L
B-Ap-1mM IPTGを含む新しい深いウェルプレート内に二重処理された。30℃での
培養に引き続き、CuSO4を加え、細胞をリゾチームとSDSで溶解した。細胞抽出物
を、前述のGAO-HRP結合アッセイを使用して、ガラクトースとアリルアルコール
と反応させた。
【0095】 1.アプローチAのための方法 単一のコロニーを、深いウェルポリプロピレンプレート(ウェルの深さ:2.4c
m;容量:1ml;Bechton Dickinson Labware社製)内にLuria-Bertani/100μg/ml
アンピシリン(LB-Ap)アガープレートから拾い出し、細胞を200μl LB-Ap中で30
℃で270rpmで10時間生育させた。マスタープレートを、300μl LB-Ap及び1mMイ
ソプロピル-ベータ-チオガラクトピラノシド(IPTG)を含む新しい深いウェルのプ
レートに10μlの等量を移すことによって二重処理し、30℃で250rpmで12時間生
育させた。次いで培養物を5000rpmで10分遠心分離し、細胞ペレットを0.4mM CuS
O4を含む300μlの100mMリン酸ナトリウム(NaPi)バッファー、pH7.0に再懸濁した
。0.5mg/mlのリゾチーム(37℃で35分)及び2.5%(w/v)SDS(4℃で一晩)の添加
に引き続き、GAO活性をGAO-セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合アッセイ
を使用してアッセイした(85)。等量の細胞抽出物を、pH7.0でガラクトース(A1世
代につき50mM、またはA2及びA3世代につき25mM)並びにアリルアルコール(全ての
世代で0.5M)と反応させた。H2O2形成の初速度は、405nmでの2,2'-アジノ-ビス(3
-エチルベンズチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS)のHRP触媒性酸化をモニターする
ことによって引き続かれた。熱安定性をアッセイするために、プレートを所定の
温度で10分加熱し、氷上で10分冷却し、室温で約5分維持した後に、ガラクトー
スに対する活性を測定した。熱安定性インデックスは、初期活性に対する残余の
GAO活性の割合から測定された。熱安定性であると同定されたミュータントは、
試験チューブ(3ml培養物)で生育され、各種の温度で加熱された後の残余の活性
が室温で測定された。
【0096】 2.アプローチBについての方法 単一のコロニーを、深いウェルポリプロピレンプレート(ウェルの深さ:4.4c
m;容量:2.2ml;Qiagen社製)内にLB-Apアガープレートから拾い出し、細胞を5
00μl LB-Ap中で30℃で270rpmで8時間生育させた。マスタープレートを、500μl
LB-Ap及び1mM IPTGを含む新しい深いウェルのプレートに10μlの等量を移すこ
とによって二重処理し、30℃で250rpmで一晩生育させた。等量の培養物をミクロ
タイタープレートに移した。0.5mg/mlのリゾチーム(37℃で30分)及び100mM Na
Piバッファー、pH7.0中の0.4%(w/v)SDS-0.4mM CuSO4(4℃で4時間)の添加に
引き続き、GAO活性を前述のGAO-HRP結合アッセイを使用してアッセイした。使用
されたガラクトース濃度は、25mM(B1及びB2世代)または10mM(B3及びB4世代)
であった。
【0097】 C.膜スクリーニング法 ミクロプレートスクリーニングシステムは、非常に高感度で定量的であるが、
感度の良い、正確で、実践的で、効果的な態様で、より多い、例えば数千以上の
クローンを同時的にアッセイする方法を提供することが所望される。アガープレ
ート上のコロニーからの直接的なガラクトースオキシダーゼ活性の検出のための
方法が試験されたが、比較的低い感度、低い再生産性、非常に遅延した発色形成
を示すことが見出された。それ故、非常に多量のミュータントを評価するために
、アガープレート上のコロニーから、または膜に移されたコロニーから直接的に
活性を検出する方法が試験された。これらの方法は、ミクロプレートスクリーニ
ングシステムと同様に、発色源とペルオキシダーゼを使用する発色測定検出に基
づいた。
【0098】 ここで一つの最適な形態で示されるように、膜を使用する適切なスクリーニン
グ法を開発した。トランスフォーマントがLB-Apプレート上でコロニーを形成し
た後(30℃で18-24時間、100mg/l)、これらのコロニーを膜に移した、即ちそれら
を膜に吸着させて持ち上げた。培養のため、膜を新しいLB-Apプレート(100mg/l)
に配置し、膜上に新しいコロニーが形成されるまで(6-12時間)30℃でインキュベ
ートした。次いで膜を、誘導のため30℃で6時間1mM IPTGを含む新しいLB-Ap(10
0mg/l)プレートに移した。次いで膜を、リゾチーム(0.5mg/ml)、D-ガラクトース
(100mM)、ABTS(2mg/ml)、ペルオキシダーゼ(10ユニット/ml)、及びCuSO4(0.4mM)
を含むフィルターペーパーに室温で配置した。これらの方法を使用する実験では
、ガラクトースオキシダーゼ活性を有するコロニーは、フィルターペーパー上で
深紫色として示された。この単純な方法は適切な感度を有し、一度に膜上の数千
のコロニーを評価するために使用できる。
【0099】 数千のコロニーが、一つの膜を使用するこのスクリーニング法によって評価で
きる。この方法は、各コロニーの活性の定量的な測定のため、イメージアナライ
ザーで使用できる。この方法の感度は他のもの程高くはないが、数千または数百
万のコロニーが同時的にまたは迅速に評価できるため、この方法は迅速であり、
第一または初期スクリーニングに適している。
【0100】 好ましい実施態様では、膜に移されたコロニーのガラクトースオキシダーゼ活
性は、直接的に評価された。LB-アンピシリンプレート上で30℃で24時間で形成
されたコロニーが膜に移された(Immobilon NC (HATF)、界面活性剤フリー、45mm
、82mm、Millipore)。この膜を新たなLB-アンピシリンプレートに配置し、コロ
ニーが再形成されるまで6~12時間30℃で維持した。次いで膜を1mM IPTGを含むLB
-アンピシリンプレートに移し、30℃で6時間インキュベートした。膜を、100mM
リン酸ナトリウムバッファー溶液(pH7.0)中のリゾチーム(0.5mg/ml)、基質(100m
M)、ABTS(2mg/ml)、ペルオキシダーゼ(10ユニット/ml)、及びCuSO4(0.4mM)を含
むフィルターペーパーに配置した後、膜をシールドをかぶせて室温で1日維持し
た(ABTSは光感受性である)。活性なコロニーは、深紫色の発色の形成を示す。
【0101】 D.アッセイ試薬と条件 ここでのいくつかのアッセイは、CuSO4及び/またはSDSを使用する。 硫酸銅は、組換え(ミュータントまたは変異体)酵素を活性化するために銅イ
オン(II)を提供するため使用される。D. dendroides(Sigma)から得た部分的に精
製されたガラクトースオキシダーゼの活性は、記載されたようにペルオキシダー
ゼとABTSを使用することによって十分に検出された;銅イオン(II)及び他の補因
子の添加は必要なかった(Sigmaの酵素はすでに銅イオンを含む)。しかしながら
、本発明の組換えGAO酵素のセルフリー抽出物での実験は、銅イオン(II)の不存
在下では活性はほとんど全く検出されないことを示した。かくして銅イオン(II)
の存在が好ましく、いずれかの理論に結び付けられるわけではないが、ここに記
載される大腸菌によって生産される組換えGAO酵素を活性化するためには必須で
あると思われる。4℃での銅イオンの処理が好ましい。銅イオンは硫酸銅(CuSO4 )として提供できる。実験は、0.1mM CuSO4が十分であることを示す一方で、10
mM CuSO4はわずかにGAO活性を阻害した。アッセイ条件の下での実験は、粗酵素
溶液を活性化するための好ましいCuSO4の濃度は0.4mMであることを示した。鉄、
コバルト、ニッケル、及びマンガンの金属イオン(II)、並びに金属キレーターED
TAは、アッセイ条件の下での実験において組換えGAOの活性に影響しなかった。
実験結果は、各種の金属イオン(II)またはEDTAの存在下及び不存在下のアッセイ
条件の下で、図3に示されている。
【0102】 検出エンハンサー:特定のアッセイの実施態様では、アジ化ナトリウムまたは亜
硫酸ナトリウムを、例えば約0.01mMから1mM未満の量で加えても良い。これらの
試薬は、いくつかの環境でGAO活性の検出を促進するであろう。
【0103】 界面活性剤:アッセイ溶液に対する界面活性剤の添加も、観察される活性を増大
した。SDSでの予備処理は、ガラクトースオキシダーゼ活性を増大するために最
も有効であった。リゾチームの処理の後の4℃で12時間より長いSDSでの処理が
、アッセイのために適していた。ガラクトースオキシダーゼ活性は、4℃で12か
ら24時間の処理内で変化しなかった。培養、予備処理、及びアッセイは、前述の
ように実施された。
【0104】 表1に示されるような他の界面活性剤が使用されても良い。これらの実験では
、大腸菌BL21(DE3)/pGAO-010の約0.1ユニット/mlの培養物、及び0.25ユニットの
部分的に精製されたガラクトースオキシダーゼ(Sigma)が使用された。細胞を0.5
mg/mlのリゾチームで37℃で30分処理した。酵素と細胞を、4℃で1-12時間界面
活性剤で処理した。ガラクトースオキシダーゼ活性を、前述のミクロプレート法
を使用してアッセイした。
【0105】 培養:30℃で12~24時間のLB-Ap(100mg/l)プレートでの活性化、及び30℃で8-10
時間のLB-Ap(100mg/l)200-500μl/ウェルにおける細胞の培養は、均一な培養
の増殖を提供した。これらの条件は、これらの実験で細胞、反応物、及び試薬を
使用することがアッセイにとって必要でなければ適している。
【0106】 インデューサーとしてのIPTGの添加は、これらの実験でミクロプレート培養で
のガラクトースオキシダーゼの発現のために必要であると観察された。培地に対
するIPTGの初期添加は、培養の間でのIPTGの添加より好ましい。12-16時間の培
養時間が好ましく、これらの実験でガラクトースオキシダーゼの発現のためのプ
ラスミドを有するほぼ全ての組換え大腸菌について優れた結果(全体的に高い活
性)を提供した。細胞の増殖を16時間前に停止し、細胞抽出物は37℃でほとんど
全て活性を有さなかった。約30℃での培養が、これらの実験における最適な温度
であった。
【表1】
【0107】 実施例2 ガラクトースオキシダーゼプラスミドの構築 プラスミドは、以下に記載されるようにFusarium種由来のガラクトースオキシ
ダーゼ遺伝子(gao)を発現するように構築された。いくつかのベクターが、高い
発現について試験された。異なるプロモーターと、GAO遺伝子とリボソーム結合
部位の間で異なる配列を有するプラスミドが、記載されたように構築された。大
腸菌株BL21(DE3)とKY-14478を、これらのプラスミドでトランスフォームした。
試験チューブ培養物からの透過可能な細胞を、アッセイのために使用した。
【0108】 A.プラスミドの構築 1.修飾pUC18ベクタープラスミド 修飾pUC18プラスミドを、ガラクトースオキシダーゼ発現プラスミドを構築す
るために使用するため作製した。図7に示されているように、pUC18を制限酵素H
indIIIで切断し、T4DNAポリメラーゼで平滑化し、T4DNAリガーゼでライゲートし
、HindIII部位を欠いたpUC18-HLを作製した。pUC18-HLをEcoRIで切断し、T4DNA
ポリメラーゼで平滑化し、T4DNAリガーゼでライゲートし、EcoRIとHindIII部位
を欠いたpUC18-EHLを作製した。同様に、pUC18-EHLをPstIで切断し、T4DNAポリ
メラーゼで平滑化し、T4DNAリガーゼでライゲートし、EcoRI、HindIII及びPstI
部位を欠いたpUC18-EHPLを作製した。
【0109】 2.GAOベクタープラスミド 図8に示されるように、GAOを発現するプラスミドpGAO-010を、プラスミドpR3
を使用して作製した。プラスミドpR3は、lac断片の5'末端に融合した成熟ガラク
トースオキシダーゼ(GAO)についての遺伝子を含み、Dr. Howard K. Kuramitsu (
Oral Biology部, State University of New York, Buffalo, NY)から得た。GAO
遺伝子を、プライマーP-MY001とP-MY002を使用してPCRによってpR3から増幅し
、成熟GAO配列のすぐ上流にATG開始コドンによって引き続かれるHindIII制限部
位と、停止コドンのすぐ下流のXbaI部位を導入した。(プライマー配列は図6に
示される。)このPCR産物をHindIIIとXbaIで切断し、同様に切断されたpUC18ベ
クターにライゲートし、pGAO-001を作製した。プラスミドpPLA-001は、二重lac
プロモーターを含む修飾pUC18ベクターである。pUC18由来のlacプロモーターを
、プライマーP-MY003及びP-MY004を使用して増幅した。このPCR産物をEcoRIとHi
ndIIIで切断し、同様に切断されたpUC18ベクターにライゲートした。HindIIIとX
baIでのpGAO-001の切断、EcoRIとHindIIIでのpPLA-001の切断、EcoRIとXbaIでの
pUC18-HLの切断に引き続き、プラスミドpGAO-010をT4DNAリガーゼでのライゲー
ションによって生産した。
【0110】 別のプラスミド、pGAO-036は、プライマーP-MY036とP-MY002を使用してpGAO-0
10を増幅することによって作製した(図9)。このPCR産物をKpnI及びXbaIで切
断し、同様に切断されたpUC18-EHLとライゲートし、プラスミドpGAO-027を作製
した。プラスミドpGAO-027をKpnIとXbaIで切断し、同様に切断されたpUC18−EHP
Lとライゲートし、プラスミドpGAO-036を作製した。このプラスミドは、単一のP
stI部位を含む。プラスミドpGAO-036を、ここに記載された指向的進化実験のた
めに使用した。
【0111】 別のプラスミド、pGAO-011を、図10に示されるように同様な方法を使用して
作製した。
【0112】 B.プラスミド及びトランスフォーメーション ガラクトースオキシダーゼの発現のためのプラスミドを、前述のように構築し
た。ガラクトースオキシダーゼ酵素を、PCRによってpR3(Fusarium種)から増幅し
た。pUC18のlacプロモーター及びpET-22b(+)(Novagen)のT7プロモーターを発現
のために使用した。ガラクトースオキシダーゼの成熟配列としての発現に加えて
、他のペプチドと融合されたタンパク質としての遺伝子の発現を調べた。lacZの
N末端配列を、融合タンパク質としてガラクトースオキシダーゼを発現するため
に選択した(127)。PelBリーダー配列もまた、ペリプラズムにおいてガラクトー
スオキシダーゼを生産するために使用した。さらに、組換えタンパク質の生産の
ために有用であるHis-タグを、ガラクトースオキシダーゼのC末端の付加的配列
として調べた。T7ターミネーター配列を、発現の安定化のために使用した。二つ
の異なるoriを、プラスミドの複製のために選択した。pUCシリーズ由来のoriを
有するプラスミドのコピー数は、pBRシリーズ由来のoriを有するプラスミドより
高い。
【0113】 より詳細には、プラスミドpUC18、pET-22b(+)(Novagen)及び誘導体を、ベクタ
ープラスミドとして使用した。Fusarium種由来のガラクトースオキシダーゼ遺伝
子を、周知の方法に従ってpR3から増幅した(110,127)。Qiagen(Valencia, CA)社
製のキットを使用して、従来法に従って遺伝子を操作した。QIAprep Spin Minip
rep Kit、QIAquick Gel Extration Kit、及びQIAEX II Gel Extraction Kitを、
細胞からのプラスミドの精製、DNA断片の精製、及びアガロースゲルからのDNA断
片の抽出のために使用した。大腸菌DH5aMCRを、CaCl2での処理によってプラスミ
ドでトランスフォームした(19)。プラスミドでの大腸菌BL21(DE3)のトランスフ
ォーメーションのために、エレクトロポレーションを使用した(147,148)。
【0114】 pUC18及びpET-22b(+)(Novagen)を、ベクタープラスミドとして使用した。pR3(
127)由来のガラクトースオキシダーゼの遺伝子を使用した。pUC18由来のlacプロ
モーター、pKK223-3(Amercham Pharmacia Biotech)由来のtacプロモーター、及
びpET22b(+)由来のT7プロモーターを、遺伝子の発現のために選択した。pUC18由
来のlacZのN末端配列、PelBリーダー、His-タグ、及びpET-22b(+)由来のT7ター
ミネーター配列を、ガラクトースオキシダーゼの生産のために使用した。遺伝子
及び発現のための部分を、PCRによって調製した。PCRバッファー(10mM Tris-HCl
,pH8.5、50mM KCl、2.5mM MgCl2、0.01%ゼラチン)、1ngの鋳型としてのDNA、50p
モルの各プライマー、2.5ユニットのTaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)、及び
50nモルの各NTPを含む100mlの反応溶液で、PCRを実施した。DNA断片を、94℃で3
0秒、50℃で30秒、及び72℃で60秒の30サイクルで増幅した。PCR産物を、QIAqui
ck PCR Purification Kit(Qiagen)によって精製した。酵素によるDNAの切断とラ
イゲーションは、"molecular cloning"(19)に従った。大腸菌細胞をエレクトロ
ポレーションによってプラスミドでトランスフォームした(Bio-Rad, gene Pulse
r)。QIAprep Spin Miniprep Kit(Qiagen)を、大腸菌組換え細胞からのプラスミ
ドの精製のため使用した。
【0115】 これらのストラテジーを使用して、プラスミドをデザインし、ガラクトースオ
キシダーゼ遺伝子を生産した。プラスミドを、大腸菌DH5aMCR、BL21(DE3)、及び
KY-14478にトランスフォームした。代表的なプラスミドは、図12に示された一
般的スキームに従って、図11に模式的に示される。
【0116】 全ての構築されたプラスミドにおけるガラクトースオキシダーゼ遺伝子の発現
は、lacオペレーターによって制御された。それ故、イソプロピルb-D-チオガラ
クトピラノシド(IPTG)による誘導が、酵素の生産のために必要であった(図11
)。ガラクトースオキシダーゼの発現は、7時間の培養の後にIPTG(1mM)を加え
、細胞を6時間以上インキュベートした場合に最も高かった。30℃での培養は、
培養当たり最も高いガラクトースオキシダーゼの活性を与えた。酵素の発現は、
37℃で顕著に減少した。27℃より低い温度では、細胞が非常にゆっくり増殖する
ため、実験には適さなかった。
【0117】 LBプレート上での30℃で18時間のインキュベーション、及びLBにおける30℃で
12時間の予備培養が、主たる培養を安定化した。最適な培養条件が、前述のよう
に選択された。
【0118】 C.ガラクトースオキシダーゼ活性 組換え大腸菌のガラクトースオキシダーゼ活性を測定した(図11)。いくつ
かの組換え株は、組換えプラスミドpR3よりもずっと高い活性を示した。これら
の組換え体は、pUCシリーズ由来のlacプロモーターとoriで構築されたプラスミ
ドを保有した。T7プロモーターによってガラクトースオキシダーゼ遺伝子を発現
するプラスミドpGAO-018及びpGAO-023を有するいくつかの組換え体大腸菌は、あ
まり良く増殖しなかった。それらのガラクトースオキシダーゼ活性は検出されな
かった。T7プロモーターを有するプラスミドpGAO-008とpGAO-009を有するいくつ
かの組換え体は正常に増殖したが、それらは低いガラクトースオキシダーゼ活性
を示した。これらの結果から、lacプロモーターがガラクトースオキシダーゼ遺
伝子の発現のために適していた。さらに、二重lacプロモーターは、ある場合に
は単一のlacプロモーターより強力であるようであったが、全ての場合ではなか
った。
【0119】 例えば、プラスミドpGAO-025は、二重lacプロモーターとlacZ-gao遺伝子を有
するようにデザインされた(図13)。しかしながらpGAO-025を有する組換え体
のガラクトースオキシダーゼ活性は、KY-1447細胞において単一のlacプロモータ
ーを有するpGAO-011を有する組換え体とほぼ同程度であったが、BL21(DE3)細胞
におけるpGAO-011よりも活性であった。三重lacプロモーターもまた、ガラクト
ースオキシダーゼ遺伝子を発現するために試験された。三重プロモーターの効果
は、例えばpGAO-028及びpGAO-010におけるような二重プロモーターとほぼ同じで
あった(図15及び17)。
【0120】 lacZのN末端配列またはPelBリーダーに融合されたガラクトースオキシダーゼ
、並びに非融合タンパク質が生産された。PelBリーダーに融合されたガラクトー
スオキシダーゼの活性は、細胞の予備処理なしでは検出されなかった。酵素の活
性の検出は、他のものと同様な組換え細胞の予備処理を必要とした。これらの実
験では、GAOは培地に分泌されなかったが、分泌シグナルは存在していた。
【0121】 プラスミドpGAO-003及びpGAO-005を、 末端でHis-タグを有する融合形態でガラクトースオキシダーゼを生産するように
デザインした。これらのプラスミドを有する組換え体株型は、ガラクトースオキ
シダーゼ活性は検出されなかった。
【0122】 ターミネーター配列は、場合により遺伝子発現を安定化する。これらの実験で
は、T7ターミネーター配列の導入は、明らかにGAO発現を増大しなかった。pGAO-
020とpGAO-010を、またはpGAO-022とpGAO-017を比較せよ。
【0123】 大腸菌DH5aMCRは、これらのプラスミドでガラクトースオキシダーゼ遺伝子を
発現した。しかしながらそれらの活性は、大腸菌BL21(DE3)及び大腸菌KY-14478
の組換え体株の活性よりも低かった(データ示さず)。プラスミドpGAO-010また
はpGAO-027を有する大腸菌BL21(DE3)及び大腸菌KY-14478は、高い活性でガラク
トースオキシダーゼを成功して発現した。これらの二つのプラスミドは、ベクタ
ー配列中の一つの制限エンドヌクレアーゼ部位を除いて同じ配列を有する。それ
らの構造は、成熟真菌配列でガラクトースオキシダーゼを発現するのに適してい
る。従って、得らすミドpGAO-010、pGAO-027またはそれらの誘導体を有する大腸
菌BL21(DE3)及び大腸菌KY-14478が、連続的な実験のため使用された。
【0124】 D.コドン改変 ペプチド配列を変化させることのない遺伝子のN末端配列のコドンの改変は、
ある場合に遺伝子のより高い発現を引き起こすであろう。ガラクトースオキシダ
ーゼの6のN末端アミノ酸残基のコドンを、以下の改変を有する混在したプライ
マーでPCRによりランダムに交換した:
【化2】
【0125】 pGAO-010のガラクトースオキシダーゼ遺伝子を、ランダムなコドン改変を有す
るガラクトースオキシダーゼを含むPCR産物で置換した。このライブラリーのプ
ラスミドを、pGAO-010Mと名付けた。N末端配列のランダムなコドンの改変は、よ
り高い発現を引き起こさず(図14)、多くの場合でGAO活性は減少した。大腸
菌BL21(DE3)と比較して、大腸菌KY-14478を宿主株として使用した場合、顕著な
差異は観察されなかった。
【0126】 E.gaoの上流配列の最適化 シャインダルガノ(「SD」)配列AGGAと開始コドンATGの間の領域は、有効なR
NA翻訳に感受性であり、遺伝子の発現に対する顕著な影響を有する。3つの塩基
の一つを、pGAO-027におけるlacプロモーターのSDとガラクトース遺伝子のATGの
間に挿入し、SDとATGの間の距離に影響する衝撃を調べた。SDとATGの間の領域の
長さの変化は、大腸菌BL21(DE3)を宿主株として使用した場合、ガラクトースオ
キシダーゼ活性の減少を生じる(表2;配列番号29−36)。pGAO-027の元の
配列、またはpGAO-029の一塩基伸長した配列は、遺伝子発現のために好ましかっ
た。大腸菌KY-14478を宿主株として使用した場合、SDとATGの間の配列の1また
は2塩基伸長は、遺伝子を発現するのに好ましかった。
【0127】
【表2】
【0128】 もし普通でなければ、tacプロモーターは、lacプロモーターよりも高レベルで
遺伝子をしばしば発現する。tacプロモーターは、PCRによりpKK223-3(Amercham
Pharmacia Biotech)から調製した。プラスミドpGAO-027、pGAO-29、pGAO-030及
びpGAO-031のlacプロモーターを、tacプロモーターで置換した。発現のためにta
cプロモーターを使用するプラスミドを有する組換え体株は、lacプロモーターを
使用する組換え体株より約2倍大きい活性を示した(表3)。tacプロモーター
の下でのSDとATGの間の最適な距離は、両者の大腸菌株におけるlacプロモーター
の下でのものとほぼ同様であった。
【0129】 組換え体株大腸菌BL21(DE3)/pGAO-034と大腸菌KY-14478/pGAO-033は、ガラク
トースオキシダーゼの発現のために優れていると考慮された。これらの株の最適
な培養条件は、前述の通りであった。
【0130】 F.組換えガラクトースオキシダーゼの特性 Dactylium dendroides(Fusarium種)由来のガラクトースオキシダーゼと、組換
え大腸菌BL21(DE3)/pGAO-010由来の酵素は、グリコシル化においてのみ異なる;
それらのアミノ酸配列は同一である。
【0131】 大腸菌由来の組換えガラクトースオキシダーゼと真菌由来のこの酵素の基質特
異性を比較した。大腸菌BL21(DE3)/pGAO-010のセルフリー抽出物を、大腸菌由来
の粗組換え酵素として使用した。Dactylium dendroides(Sigma、部分的に精製さ
れた)由来の部分的に精製されたガラクトースオキシダーゼを、真菌酵素として
使用した。これらの二つの酵素の基質特異性はほぼ同じであった(図15)。
【0132】 実施例3 エラー傾向PCR条件の最適化 A.一般的PCR条件 ガラクトースオキシダーゼ遺伝子(gao)のミューテーションを、エラー傾向PCR
により、周知の方法に従って誘発した(66,129-133,136-139)。pGAO-027の野生型
gaoを、ミュータントガラクトースオキシダーゼ遺伝子であるPCR産物によって置
換した。生成したプラスミドをpGAO-027Mと名付けた。大腸菌BL21(DE3)を、これ
らのプラスミドでトランスフォームした。野生型gaoの代わりにエラー傾向PCR産
物を有するほぼ全てのトランスフォーマントが、それらのガラクトースオキシダ
ーゼ活性を失った(図7)。表3の条件「A」を使用してエラー傾向PCRにより
、ガラクトースオキシダーゼ全体にミューテーションを誘導した。各種のマンガ
ン濃度での各セットの条件からランダムに228クローンを選択した。これらのク
ローンをミクロプレートで培養してアッセイした。マンガンイオンがPCR溶液に
加えられていない場合でさえ、65%より多いトランスフォーマントがガラクト
ースオキシダーゼ活性を失った。
【0133】 エラー傾向PCRの各種の反応条件を比較し、特により穏やかな条件をガラクト
ースオキシダーゼ遺伝子のミューテーションのため調べた。条件「A」及び「C
」は、それぞれエラー傾向PCR(上記)と正常PCR条件の以前の条件である。エラ
ー傾向PCRのバッファー溶液(バッファーEP)の使用は、エラーの割合を増加し
た。エラー傾向PCRのdNTP(dNTP EP)の不均一な組成は、正常なPCRのdNTP(dNTP正
常)の均一な組成より高い割合でミューテーションを誘発した。Promega Corpora
tion社製のTaq DNAポリメラーゼは、Perkin Elmer社製の酵素より高いエラー割
合を示した。不活性化の割合は、条件「C」で最大31%であり、ミューテーシ
ョンの誘導は最適ではなく不十分であろう。図5では、ミューテーションは表3
の条件「C」を使用するエラー傾向PCRによってガラクトースオキシダーゼ遺伝
子全体に誘導された。各種のマンガン濃度を有する各セットの条件から得た288
クローンの活性を、ミクロプレートスクリーニングを使用して見積もった。
【0134】 これらの実験で調べられた選択肢から、エラー傾向PCR条件「F」が適切なエ
ラー頻度を有し、さらなる実験におけるガラクトースオキシダーゼ遺伝子に関す
るミューテーションを誘導するために選択された。バッファー溶液の組成、dNTP
の含量、及び好熱性DNAポリメラーゼは、それぞれミューテーションの割合に影
響した。例えば、正常PCR用のバッファー溶液とエラー傾向PCR用のバッファー溶
液の間の差異は、EPバッファーがゼラチンを含むことであった。ゼラチンはPCR
反応のエラー割合に影響するとは予測されないので、観察された割合の差異は、
これらのバッファー溶液を有する反応混合物の最終pHの小さな差異のためであろ
う。より多くのエラーが、正常PCRのための均一なdNTP含量よりも、エラー傾向P
CRのための不均一なdNTP含量によって誘導された。好熱性DNAポリメラーゼの選
択は、特定のポリメラーゼがミューテーション割合に影響するため、エラー傾向
PCR実験を最適化する場合に有意であることができる。
【0135】 これらの実験においてガラクトースオキシダーゼ遺伝子全体のミューテーショ
ンのために選択されたPCR条件は、以前に開示された条件より穏やかであった(66
,129-133,136-139)。以前に記載されたPCR条件がガラクトースオキシダーゼ遺伝
子のエラー傾向PCRに使用された場合、ミューテーション割合は非常に高く、あ
まりに多くの不活性または低活性クローンを生じた。この結果は、ガラクトース
オキシダーゼ遺伝子が、文献中でエラー傾向PCRのために以前に使用された遺伝
子の2倍大きいという事実に関連するかもしれない。いずれかの理論に結びつけ
られるものではないが、死んだミューテーションは、標的遺伝子が大きくなれば
なる程より頻繁に誘導されるであろう。
【0136】 表3では、288クローンのうち96が、各ライブラリーからランダムに選択され
た。それらのガラクトースオキシダーゼ活性を、ミクロプレートスクリーニング
法によって見積もった。ガラクトースオキシダーゼ活性を失うクローンの割合は
、表に示されている。
【0137】 図4及び図5は、これらの実験における各種の量のMnCl2の効果を示す。
【0138】 ここで使用されるミュータジェネシス法では、エラーの割合は、ポリヌクレオ
チド当たり1-6ミューテーション、好ましくは4-6、最も好ましくは6である。指
向的進化の一ラウンドより多い特定の実施態様では、エラー割合は、一つのラウ
ンドから別のラウンドで異なっても良い。例えばエラー割合は、一つのラウンド
(例えば第一ラウンド)でポリヌクレオチド当たり約1-2ミューテーションであ
っても良く、別のラウンド(例えば第二ラウンド)ではポリヌクレオチド当たり
約4-6ミューテーションであっても良い。
【0139】
【表3】
【0140】 実施例4 ガラクトースオキシダーゼミュータントの生産 ガラクトースオキシダーゼ(GAO)の指向的進化が記載される。アリルアルコー
ルとD-ガラクトースに対する増大した活性、及び野生型に対して増大した熱安定
性を有するGAO変異体が同定された。
【0141】 A.GAOミュータントライブラリーの構築 野生型GAOを発現するプラスミドpGAO-036を、GAOの指向的進化のための元の元
として使用した(図9)。
【0142】 二つのストラテジーが、酵素の指向的進化のために提案されている:(A)GAO遺
伝子全体(塩基1-1917)のミュータジェネシス、及び(B)GAO遺伝子の一部(塩基
518-1917)のミュータジェネシスである。アプローチAでは、2ラウンドのエラ
ー傾向PCR(45)が実施され(A1及びA2世代)、引き続きライブラリーA2で同定さ
れた4の改良された変異体の1ラウンドのStEP組換え(A3世代)(139)が実施さ
れる。アプローチBでは、4ラウンドのエラー傾向PCR(45)が実施されている(B
1からB4世代)。大腸菌株BL21(DE3)(Novagen)を、GAOの発現のため使用した。
【0143】 1.アプローチA エラー傾向PCRを、10mM Tris-HCl、50mM KClバッファー、pH8.5中にテンプレ
ートとして約0.3μgプラスミドDNA、30pmolの各プライマー、0.2mM dGTP、0.2m
mdATP、1mM dCTP、1mM dTTP、7mM MgCl2、0.1mM MnCl2、及び2.5U Taqポリメラ
ーゼ(Perkin Elmer)を含む100μl反応混合物で実施した。PCR条件は以下の通り
であった:94℃で30秒、50℃で30秒、72℃で60秒の30サイクル。不活性なクロー
ンのパーセンテージは30から50%の間であった。
【0144】 A2世代で同定された4の改良された変異体のStEP組換を、10mM Tris-HCl、50m
M KClバッファー、pH8.5中にテンプレートとして約0.3mg(トータル)プラスミ
ドDNA(等量の全ての4のプラスミドによって調製される)、10pmolの各プライ
マー、0.5mMの各dNTP、2.5mM MgCl2、及び5U Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer)を
含む100μl反応混合物で実施した。PCR条件は以下の通りであった:95℃で3分、
及び94℃で30秒、58℃で10秒の100サイクル。エラー傾向PCR及びStEPで使用され
たプライマーは、以下の通りであった:
【化3】
【0145】 2.アプローチB エラー傾向PCRを、10mM Tris-HCl、50mM KClバッファー、pH8.5中にテンプレ
ートとして10ngプラスミドDNA、50pmolの各プライマー、0.2mMの各dNTP、7mM(B
1及びB2世代)または4mM(B3及びB4世代)MgCl2、及び5U Taqポリメラーゼ(Boeh
ringer Mannheim)を含む100μl反応混合物で実施した。PCR条件は以下の通りで
あった:94℃で2分、及び94℃で30秒、58℃で30秒、72℃で60秒の25サイクル。
プライマーは以下の通りであった:
【化4】 不活性なクローンのパーセンテージは30から40%の間であった。
【0146】 B.GAOライブラリーのスクリーニング GAO活性は、実施例1(D)に記載されているように、アプローチA及びBの
それぞれの方法を使用して、96ウェルプレートでスクリーニングされた。
【0147】 C.GAOの実験室進化 選択されたGAO変異体の熱安定性曲線は、図16に示されている。変異体は試
験チューブで生育された(3ml培養物)。遠心分離とCuSO4を含むNaPiバッファー、
pH7.0への細胞ペレットの再懸濁に引き続き、細胞を溶解した。等量の細胞抽出
物を10分間各温度で加熱し、次いで10分間氷上で冷却し、その後D-ガラクトース
に対する残余の活性を室温で測定した。
【0148】 活性と熱安定性を増大するためのGAOの実験室進化の結果は表4に示される。T50 は安定性の操作態様であり、セット温度についてのインキュベーションに引き
続く酵素が活性の50%を損失する温度として定義される。野生型GAO(pGAO-036)
を、GAO変異体のA1世代の元となるものとして使用した。約1500クローンをスク
リーニングした後、3つのミュータント、9.16.8D2、9.16.6C11、及び9,16,16D1
2を、アリルアルコール及び/またはガラクトースに対するより大きい活性とし
て同定した。クローン9.16.16D12は、野生型GAOより熱安定性でもあり、GAO変異
体のA2世代の元として使用した。4の改良されたミュータントを、約1500クロー
ンのスクリーニングに引き続きこのライブラリーから同定した:11.03.6D3、11.
03.10C3、11.03.10D6、及び11.03.13E12。これらのクローンは、アリルアルコー
ルとガラクトースに対して元のものより実質的に熱安定性であった。クローン11
.03.10C3は、加えて元のものより実質的に熱安定性であった。これらの4の改良
された変異体を、A3世代においてStEPによって組換えた。約2000クローンのスク
リーニングにより、アリルアルコールとガラクトースに対する約200倍増大した
活性を示し、野生型GAOに対して12℃高いT50を示す変異体1.03.20E7の同定が導
かれた。
【0149】 野生型GAO(pGAO-036)を、GAO変異体のB1世代の元となるものとして使用した。
約900クローンをスクリーニングした後、ガラクトースに対するより大きい活性
を有するものとして変異体1.D4が同定され、それをB2世代の元として使用した。
約1500クローンのスクリーニングに引き続き、このライブラリーでガラクトース
に対するより大きい活性を有するミュータント2.G4が同定された。GAO変異体のB
3ライブラリーを、元のものとして2.G4を使用して生成し、約1500クローンをス
クリーニングした後、改良された変異体としてクローン3.H7を同定した。最後に
B4ライブラリーを本野もとして3.H7を使用して作製し、約1500クローンをスクリ
ーニングした。野生型GAOに対してガラクトースに対する約15倍高い活性を有す
るものとして変異体4.F12を同定した。
【0150】 D.活性な熱安定性ミュータント 最も有益なミューテーションは、GAO遺伝子のドメインII及びIIIで生じる(そ
れぞれ残基156-532及び533-639)。ミューテーションV494Aは、スクリーニング
において数回同定されたが、銅リガンドY495に隣接する活性部位の底に位置する
。その存在は、約3倍ガラクトースに対する結合アフィニティーを増大する。N5
35Dは、ドメインIIIにおける溶媒露出ループに見出される。アミノ酸置換G195E
は、野生型に対して変異体1.06.20E7の熱安定性の観察された増大に主に関与す
る。図16及び表4参照。
【0151】 数多くのミューテーション(これらの実験では5)が、負に荷電した残基によ
る中性残基の置換から生ずることに注意すべきである。これは、ミュータントに
おけるGAOの等電点を減少する傾向にある(野生型GAOのpIは12である)。pIの減
少は、ミュータントGAOと他の巨大分子の間の相互作用を低下し、ガラスに対す
る接着を低下する点で有利である。それはまた、有機合成における粗ガラクトー
スオキシダーゼ調製物の増大した使用を可能にするであろう(107)。
【0152】
【表4】
【0153】 残基A3、L312、T218、P136、S550、及びS610で同定されたミューテーションは
同義的であり、理論によって結びつけられるものではないが、観察された活性の
増大は、大腸菌におけるGAOのより高い発現におそらくよるものである。組換え
野生型GAOの低い発現レベルを考慮すると(SDS-PAGEによって測定すると全細胞
内タンパク質の3%未満)、これはかなり必要とされる改良である。
【0154】 同定された変異体はまた、各種のGAO基質に対する増大した活性を示す。ミュ
ータント1.06.20E7は、3-ピリジルカルビノールに対して約200倍高い活性を有し
、ミュータント4.F12は、グリセロール、キシリトール、ベータ-D-ラクトース、
及びIPTGに対して約15倍高い活性を有する。
【0155】 表4に同定された本発明の代表的ミュータントの配列は、図17−28に示さ
れている。
【0156】 前述の実施例に示されたように、ガラクトースオキシダーゼ遺伝には、少なく
とも一つの基質に対する増大した活性を有し、比較的高い収率で大腸菌において
発現できる。特定の実施態様では、活性はいくつかの基質に対して非常に増大す
る。特定の実施態様では、ミュータントは熱安定性を示す。
【0157】 誘導可能なプロモーターPlacまたはPtacは、ガラクトースオキシダーゼ遺伝子
の発現に有効であり、好ましい。より高い発現は、他の強力なプロモーターを使
用した場合に可能であろう。しかしながらいくつかの強力なプロモーターは、逆
生産性であるかもしれない。例えば、lacプロモーターより強力であるT7プロモ
ーターを、ガラクトースオキシダーゼ遺伝子の発現のために使用した場合、大腸
菌はあまり良く増殖しなかった。二重プロモーターは、pGAO-025とpGAO-011を比
較すると、単一のプロモーターより強力に遺伝子を発現する。三重プロモーター
は、二重プロモーターと同程度遺伝子を発現した。二重プロモーターの上流のプ
ロモーターは、実施例においてより下流のプロモーターより有効ではないようで
あった。それ故、Plac-PlacまたはPlac-Ptacの二重プロモーターが好ましい。IP
TGによる遺伝子の誘導は、lacプロモーターまたはtacプロモーターが使用された
場合に必要であった。誘導時間とその後のインキュベーション時間が最適化され
た。
【0158】 これらの実験では、GAOの融合形態(即ちlacZとの融合タンパク質として)は
利点を提供するとは見出されず、真菌遺伝子を発現するためには必要でなかった
【0159】 ガラクトースオキシダーゼは一般的に、コドンを改変した場合、またはHis-タ
グとの融合酵素として生産された場合、減少した活性を有するか、または活性を
損失した。培養条件もまた、酵素の生産のために重要であった。
【0160】 ガラクトースオキシダーゼを、天然の及びさらなる基質に対するより活性な変
異体を生産するために指向的進化によって操作した。本発明の変異体の活性は、
野生型GAOの活性より約65倍高かった。本発明のミュータントはまた、野生型よ
り安定であり、特に改良された熱安定性を示す。
【0161】
【参考文献】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ガラクトースオキシダーゼ(GAO)酵素の存在下で、D-
ガラクトース基質を酸化して、D-ガラクトヘキソジアルドース産物を生産する反
応スキームを示す図である。
【図2】 図2は、pH7.0でのGAOの活性部位構造を示す図である。
【図3】 図3は、組換え野生型GAO、pGAO-010の活性に対する金属イオ
ン(特に銅イオン)の効果を示すグラフである。添加剤を有する酵素溶液を、ア
ッセイの前に1時間4℃で維持した。1mM硫酸銅(II)を有する酵素溶液の相対的
活性を100%として見積もった。
【図4】 図4は、表3の条件Aの下での、各種の濃度のMnCl2でのエラ
ー傾向PCRによって生産された各種のクローンに対するGAO活性を示すグラフであ
る。
【図5】 図5は、表3の条件Cの下での、各種の濃度のMnCl2でのエラ
ー傾向PCRによって生産された各種のクローンに対するGAO活性を示すグラフであ
る。
【図6】 図6は、例えばガラクトースオキシダーゼ遺伝子全体の増幅に
ついて、ここで使用されたPCRプライマーの配列を示す図である。
【図7】 図7は、pUC18-EHLプラスミドの構築の模式図である。
【図8】 図8は、pGAO-010プラスミドの構築の模式図である。
【図9】 図9は、pGAO-027とpGAO036プラスミドの構築の模式図である
【図10】 図10は、pGAO-006とpGAO-011プラスミドの構築の模式図で
ある。
【図11】 図11は、宿主大腸菌におけるIPTG誘導発現での、本発明に
係るGAOをコードする代表的プラスミドの構造と活性を示す図である。凍結(-20
℃)、解凍(4℃)、及び0.5mg/lリゾチームでの37℃で30分の処理を実施さ
れた浸透可能な細胞を、アッセイのために使用した。*で示された活性は、試験
チューブ培養物中で生育しない細胞を示し、**はトランスフォーマントが得られ
なかったことを示す。
【図12】 図12は、本発明に係るプラスミドのデザインについてのス
キームを示す。
【図13】 図13は、宿主大腸菌におけるIPTG誘導発現にでの、本
発明に係るGAOをコードするさらなるプラスミドの構造と活性を示す図である。
【図14】 図14は、ランダムコドン改変を含む及び含まない、GAOプ
ラスミドのGAO活性を比較するグラフである。
【図15】 図15は、野生型ガラクトースオキシダーゼと、本発明の組
換えガラクトースオキシダーゼ酵素についての基質特異性を示す図である。D. d
endroides(Sigma)から得た部分的に精製されたガラクトースオキシダーゼ、及び
大腸菌BL21(DE3)/pGAO-010から得た細胞フリー抽出物を使用した。D-ガラクトー
スについての相対的活性を、100%として見積もった、(+)は、酸化が検出された
が、活性が低くて見積もれなかったことを示す。n.d.は、活性がバックグランド
吸収レベルとは区別できなかったことを示す。
【図16】 図16は、選択されたGAOミュータントの熱安定性を示すグ
ラフである。
【図17A】 図17Aは、本発明の代表的ミュータント9.16.8D2の配列
を示す図である(配列番号10及び37)。
【図17B】 図17Bは、本発明の代表的ミュータント9.16.8D2の配列
を示す図である(配列番号10及び37)。
【図17C】 図17Cは、本発明の代表的ミュータント9.16.8D2の配列
を示す図である(配列番号10及び37)。
【図18A】 図18Aは、本発明の代表的ミュータント9.16.6C11の配
列を示す図である(配列番号11及び38)。
【図18B】 図18Bは、本発明の代表的ミュータント9.16.6C11の配
列を示す図である(配列番号11及び38)。
【図18C】 図18Cは、本発明の代表的ミュータント9.16.6C11の配
列を示す図である(配列番号11及び38)。
【図19A】 図19Aは、本発明の代表的ミュータント9.16.16D12の配
列を示す図である(配列番号12及び39)。
【図19B】 図19Bは、本発明の代表的ミュータント9.16.16D12の配
列を示す図である(配列番号12及び39)。
【図19C】 図19Cは、本発明の代表的ミュータント9.16.16D12の配
列を示す図である(配列番号12及び39)。
【図20A】 図20Aは、本発明の代表的ミュータント11.03.6D3の配
列を示す図である(配列番号13及び40)。
【図20B】 図20Bは、本発明の代表的ミュータント11.03.6D3の配
列を示す図である(配列番号13及び40)。
【図20C】 図20Cは、本発明の代表的ミュータント11.03.6D3の配
列を示す図である(配列番号13及び40)。
【図21A】 図21Aは、本発明の代表的ミュータント11.03.10C3の配
列を示す図である(配列番号14及び41)。
【図21B】 図21Bは、本発明の代表的ミュータント11.03.10C3の配
列を示す図である(配列番号14及び41)。
【図21C】 図21Cは、本発明の代表的ミュータント11.03.10C3の配
列を示す図である(配列番号14及び41)。
【図22A】 図22Aは、本発明の代表的ミュータント11.03.10D6の配
列を示す図である(配列番号15及び42)。
【図22B】 図22Bは、本発明の代表的ミュータント11.03.10D6の配
列を示す図である(配列番号15及び42)。
【図22C】 図22Cは、本発明の代表的ミュータント11.03.10D6の配
列を示す図である(配列番号15及び42)。
【図23A】 図23Aは、本発明の代表的ミュータント11.03.13E12の
配列を示す図である(配列番号16及び43)。
【図23B】 図23Bは、本発明の代表的ミュータント11.03.13E12の
配列を示す図である(配列番号16及び43)。
【図23C】 図23Cは、本発明の代表的ミュータント11.03.13E12の
配列を示す図である(配列番号16及び43)。
【図24A】 図24Aは、本発明の代表的ミュータント1.06.20E7の配
列を示す図である(配列番号17及び44)。
【図24B】 図24Bは、本発明の代表的ミュータント1.06.20E7の配
列を示す図である(配列番号17及び44)。
【図24C】 図24Cは、本発明の代表的ミュータント1.06.20E7の配
列を示す図である(配列番号17及び44)。
【図25A】 図25Aは、本発明の代表的ミュータント1.D4の配列を示
す図である(配列番号18及び45)。
【図25B】 図25Bは、本発明の代表的ミュータント1.D4の配列を示
す図である(配列番号18及び45)。
【図25C】 図25Cは、本発明の代表的ミュータント1.D4の配列を示
す図である(配列番号18及び45)。
【図26A】 図26Aは、本発明の代表的ミュータント2G4の配列を示
す図である(配列番号19及び46)。
【図26B】 図26Bは、本発明の代表的ミュータント2G4の配列を示
す図である(配列番号19及び46)。
【図26C】 図26Cは、本発明の代表的ミュータント2G4の配列を示
す図である(配列番号19及び46)。
【図27A】 図27Aは、本発明の代表的ミュータント3.H7の配列を示
す図である(配列番号20及び47)。
【図27B】 図27Bは、本発明の代表的ミュータント3.H7の配列を示
す図である(配列番号20及び47)。
【図27C】 図27Cは、本発明の代表的ミュータント3.H7の配列を示
す図である(配列番号20及び47)。
【図28A】 図28Aは、本発明の代表的ミュータント4.F12の配列を
示す図である(配列番号21及び48)。
【図28B】 図28Bは、本発明の代表的ミュータント4.F12の配列を
示す図である(配列番号21及び48)。
【図28C】 図28Cは、本発明の代表的ミュータント4.F12の配列を
示す図である(配列番号21及び48)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,EE,ES,FI,GB,GD,GE,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA, ZW (71)出願人 ロアンナ・ピー・ペトルニア アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 91106・パサデナ・エス・カタリナ・アヴ ェニュ・385・アパートメント・206 (71)出願人 リャンホン・スン アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 91106・パサデナ・サウス・ウィルソン・ アヴェニュ・307・アパートメント・1 (72)発明者 フランセズ・エイチ・アーノルド アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 91105・パサデナ・エス・グランド・アヴ ェニュ・629 (72)発明者 ロアンナ・ピー・ペトルニア アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 91106・パサデナ・エス・カタリナ・アヴ ェニュ・385・アパートメント・206 (72)発明者 リャンホン・スン アメリカ合衆国・カリフォルニア・ 91106・パサデナ・サウス・ウィルソン・ アヴェニュ・307・アパートメント・1 Fターム(参考) 4B024 AA03 AA20 BA08 CA02 CA20 DA06 EA04 FA02 GA11 GA25 HA01 HA20 4B050 CC04 DD03 EE01 LL03 LL05

Claims (130)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)元となるガラクトースオキシダーゼポリペプチドをコー
    ドする少なくとも一つの元となるガラクトースオキシダーゼポリヌクレオチドを
    準備する工程; (ii)ランダムミュータジェネシスにより前記元となるポリヌクレオチドのヌクレ
    オチド配列を改変し、ミュータントポリペプチドの集団を生産する工程; (iii)前記ミュータントポリペプチドを発現するように宿主細胞をトランスフォ
    ームする工程; (iv)前記宿主細胞によって生産され、少なくとも一つの改変された特性を有する
    第一世代の機能的ミュータントをスクリーニングする工程; (v)元となるポリヌクレオチドとして第一世代のミュータントをコードする少な
    くとも一つのポリヌクレオチドを選択する工程;及び (vi)改変工程、トランスフォーム工程、及びスクリーニング工程のラウンドを少
    なくとも一度繰り返し、一つ以上のミュータントの少なくとも一つの他の世代を
    得る工程; を含む方法で、改変工程、トランスフォーム工程、及びスクリーニング工程の少
    なくとも一つが、少なくとも一つの繰り返されたラウンドで変化される方法に従
    って進化されたポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 ガラクトースオキシダーゼが、A3、M70、P136、G195、T218
    、L312、N413、V494、C515、N535、N537、S550、S10、S610からなる群から選択
    される少なくとも一つのアミノ酸でミューテーションを有する、ガラクトースオ
    キシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 ガラクトースオキシダーゼが、M70V、G195E、N413D、V494A
    、C515S、N535D、N537D、及びS10Pからなる群から選択される少なくとも一つの
    アミノ酸でミューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードする
    ポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 ガラクトースオキシダーゼが、N537Dのアミノ酸ミューテー
    ションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 ガラクトースオキシダーゼが、V494Aのアミノ酸ミューテー
    ションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 ガラクトースオキシダーゼが、C515Sのアミノ酸ミューテー
    ションをさらに含む、請求項5記載のポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 ガラクトースオキシダーゼが、S10Pのアミノ酸ミューテーシ
    ョンをさらに含む、請求項5記載のポリヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 ガラクトースオキシダーゼが、P136でサイレントミューテー
    ションをさらに含む、請求項5記載のポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 ガラクトースオキシダーゼが、P136でサイレントミューテー
    ションをさらに含む、請求項7記載のポリヌクレオチド。
  10. 【請求項10】 ガラクトースオキシダーゼが、G195Eのアミノ酸ミューテ
    ーションをさらに含む、請求項5記載のポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 ガラクトースオキシダーゼが、A3及びP136の少なくとも一
    つでサイレントミューテーションをさらに含む、請求項10記載のポリヌクレオ
    チド。
  12. 【請求項12】 ガラクトースオキシダーゼが、N535Dのアミノ酸ミューテ
    ーションをさらに含む、請求項5記載のポリヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 ガラクトースオキシダーゼが、P136、L312、及びT218の少
    なくとも一つでサイレントミューテーションをさらに含む、請求項12記載のポ
    リヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 ガラクトースオキシダーゼが、M70Vのアミノ酸ミューテー
    ションをさらに含む、請求項5記載のポリヌクレオチド。
  15. 【請求項15】 ガラクトースオキシダーゼが、P136でサイレントミューテ
    ーションをさらに含む、請求項14記載のポリヌクレオチド。
  16. 【請求項16】 ガラクトースオキシダーゼが、V494A、S10P、M70V、G195E
    、及びN535Dのアミノ酸ミューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼ
    をコードするポリヌクレオチド。
  17. 【請求項17】 ガラクトースオキシダーゼが、P136でサイレントミューテ
    ーションをさらに含む、請求項16記載のポリヌクレオチド。
  18. 【請求項18】 ガラクトースオキシダーゼが、N413Dのアミノ酸ミューテ
    ーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  19. 【請求項19】 ガラクトースオキシダーゼが、S550でサイレントミューテ
    ーションをさらに含む、請求項18記載のポリヌクレオチド。
  20. 【請求項20】 ガラクトースオキシダーゼが、N413Dのアミノ酸ミューテ
    ーションをさらに含む、請求項5記載のポリヌクレオチド。
  21. 【請求項21】 ガラクトースオキシダーゼが、S550及びS610の少なくとも
    一つでサイレントミューテーションをさらに含む、請求項20記載のポリヌクレ
    オチド。
  22. 【請求項22】 ポリヌクレオチドが、9、28、208、408、584、654、830、
    936、1237、1481、1543、1603、1609、1650、及び1830からなる群から選択され
    る少なくとも一つの位置でヌクレオチドミューテーションを有する、ガラクトー
    スオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  23. 【請求項23】 9、408、654、936、1650、及び1830の位置のいずれかでの
    ミューテーションが、サイレントミューテーションである、請求項22記載のポ
    リヌクレオチド。
  24. 【請求項24】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド1から30によって包含
    される領域の少なくとも一つの位置でヌクレオチドミューテーションを有する、
    ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  25. 【請求項25】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド200から700によって包
    含される領域の少なくとも一つの位置でヌクレオチドミューテーションを有する
    、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  26. 【請求項26】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド800から1000によって
    包含される領域の少なくとも一つの位置でヌクレオチドミューテーションを有す
    る、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  27. 【請求項27】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド1200から1650によって
    包含される領域の少なくとも一つの位置でヌクレオチドミューテーションを有す
    る、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  28. 【請求項28】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド1-30によって包含され
    る領域内の少なくとも一つの位置でミューテーションを有し、チミンがシトシン
    によって置換されている、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオ
    チド。
  29. 【請求項29】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド1450-1550によって包
    含される領域内の少なくとも一つの位置でミューテーションを有し、チミンがシ
    トシンとアデニンの一方によって置換されている、ガラクトースオキシダーゼを
    コードするポリヌクレオチド。
  30. 【請求項30】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド1200-1250によって包
    含される領域内の少なくとも一つの位置でミューテーションを有し、アデニンが
    グアニンによって置換されている、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリ
    ヌクレオチド。
  31. 【請求項31】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド1600-1650によって包
    含される領域内の少なくとも一つの位置でミューテーションを有し、アデニンが
    グアニンによって置換されている、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリ
    ヌクレオチド。
  32. 【請求項32】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド208に近接し、それを
    包含する領域内の少なくとも一つの位置でミューテーションを有し、アデニンが
    グアニンによって置換されている、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリ
    ヌクレオチド。
  33. 【請求項33】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド584に近接し、それを
    包含する領域内の少なくとも一つの位置でミューテーションを有し、グアニンが
    アデニンによって置換されている、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリ
    ヌクレオチド。
  34. 【請求項34】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド1543に近接し、それを
    包含する領域内の少なくとも一つの位置でミューテーションを有し、チミンがア
    デニンによって置換されている、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌ
    クレオチド。
  35. 【請求項35】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド28、408、654、及び14
    81の位置の少なくとも一つでミューテーションを有し、チミンがシトシンによっ
    て置換されている、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  36. 【請求項36】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド1543、1650、及び1830
    の位置の少なくとも一つでミューテーションを有し、チミンがアデニンによって
    置換されている、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  37. 【請求項37】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチド208、936、1237、1603
    、及び1609の位置の少なくとも一つでミューテーションを有し、アデニンがグア
    ニンによって置換されている、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌク
    レオチド。
  38. 【請求項38】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチドミューテーションA160
    9G、T1481C、T1543A、T408C、T28C、G584A、A9C、A936G、A1603G、T654C、A208G
    、A1237G、T1650A、及びT1830Aの少なくとも一つを有する、ガラクトースオキシ
    ダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  39. 【請求項39】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチドミューテーションA160
    9Gを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  40. 【請求項40】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチドミューテーションT148
    1Cを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  41. 【請求項41】 ヌクレオチドミューテーションT1543Aをさらに含む、請求
    項40記載のポリヌクレオチド。
  42. 【請求項42】 ヌクレオチドミューテーションT408Cをさらに含む、請求
    項40記載のポリヌクレオチド。
  43. 【請求項43】 ヌクレオチドミューテーションG584Aをさらに含む、請求
    項42記載のポリヌクレオチド。
  44. 【請求項44】 ヌクレオチドミューテーションA1603Gをさらに含む、請求
    項42記載のポリヌクレオチド。
  45. 【請求項45】 ヌクレオチドミューテーションA208Gをさらに含む、請求
    項42記載のポリヌクレオチド。
  46. 【請求項46】 ヌクレオチドミューテーションA9、A936G、及びT654Cの少
    なくとも一つをさらに含む、請求項42記載のポリヌクレオチド。
  47. 【請求項47】 ヌクレオチドミューテーションT28C、A208G、G584A、及び
    A1603Gをさらに含む、請求項42記載のポリヌクレオチド。
  48. 【請求項48】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチドミューテーションA123
    7Gを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  49. 【請求項49】 ヌクレオチドミューテーションT1650A、及びT1830Aの少な
    くとも一つをさらに含む、請求項48記載のポリヌクレオチド。
  50. 【請求項50】 ヌクレオチドミューテーションT1481Cをさらに含む、請求
    項48記載のポリヌクレオチド。
  51. 【請求項51】 ポリヌクレオチドが、ヌクレオチドミューテーションA123
    7G、T1650A、T1481C、及びT1830Aを有する、ガラクトースオキシダーゼをコード
    するポリヌクレオチド。
  52. 【請求項52】 A3、S10、M70、P136、T218、L312、N413、C515、N535、N5
    37、S550、及びS610からなる群から選択される少なくとも一つのアミノ酸で
    ミューテーションを有するガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオ
    チド。
  53. 【請求項53】 ガラクトースオキシダーゼが、G195及びV494からなる群か
    ら選択される少なくとも一つのアミノ酸ミューテーションをさらに含む、請求項
    52記載のガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  54. 【請求項54】 ガラクトースオキシダーゼが、S10P、M70V、N413D、C515S
    、N535D、及びN537Dからなる群から選択される少なくとも一つのミューテーショ
    ンを有する、請求項52記載のポリヌクレオチド。
  55. 【請求項55】 ガラクトースオキシダーゼが、G195E及びV494Aからなる群
    から選択される少なくとも一つのアミノ酸ミューテーションをさらに含む、請求
    項54記載のポリヌクレオチド。
  56. 【請求項56】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸N537でミューテー
    ションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  57. 【請求項57】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸N537でミューテー
    ションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  58. 【請求項58】 ミューテーションがN537Dである、請求項57記載のポリ
    ヌクレオチド。
  59. 【請求項59】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸V494及びC515でミ
    ューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオ
    チド。
  60. 【請求項60】 ミューテーションがV494A及びC515Sである、請求項59記
    載のポリヌクレオチド。
  61. 【請求項61】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸V494及びP136でミ
    ューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオ
    チド。
  62. 【請求項62】 V494ミューテーションがV494Aである、請求項61記載の
    ポリヌクレオチド。
  63. 【請求項63】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸V494、P136、及び
    S10でミューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリ
    ヌクレオチド。
  64. 【請求項64】 V494ミューテーションがV494Aであり、S10ミューテーショ
    ンがS10Pである、請求項63記載のポリヌクレオチド。
  65. 【請求項65】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸V494、P136、G195
    、及びA3でミューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードする
    ポリヌクレオチド。
  66. 【請求項66】 V494ミューテーションがV494Aであり、G195ミューテーシ
    ョンがG195Eである、請求項65記載のポリヌクレオチド。
  67. 【請求項67】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸V494、P136、L312
    、N535、及びT218でミューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコ
    ードするポリヌクレオチド。
  68. 【請求項68】 V494ミューテーションがV494Aであり、N535ミューテーシ
    ョンがN535Dである、請求項67記載のポリヌクレオチド。
  69. 【請求項69】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸V494、P136、及び
    M70でミューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリ
    ヌクレオチド。
  70. 【請求項70】 V494ミューテーションがV494Aであり、M70ミューテーショ
    ンがM70Vである、請求項69記載のポリヌクレオチド。
  71. 【請求項71】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸V494、S10、P136
    、M70、G195、及びN535でミューテーションを有する、ガラクトースオキシダー
    ゼをコードするポリヌクレオチド。
  72. 【請求項72】 V494ミューテーションがV494Aであり、S10ミューテーショ
    ンがS10Pであり、M70ミューテーションがM70Vであり、G195ミューテーションがG
    195Eであり、N535ミューテーションがN535Dである、請求項71記載のポリヌク
    レオチド。
  73. 【請求項73】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸N413でミューテー
    ションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオチド。
  74. 【請求項74】 ミューテーションがN413Dである、請求項73記載のポリ
    ヌクレオチド。
  75. 【請求項75】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸N413及びS550でミ
    ューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリヌクレオ
    チド。
  76. 【請求項76】 N413ミューテーションがN413Dである、請求項75記載の
    ポリヌクレオチド。
  77. 【請求項77】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸N413、S550、及び
    V494でミューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードするポリ
    ヌクレオチド。
  78. 【請求項78】 N413ミューテーションがN413Dであり、V494ミューテーシ
    ョンがV494Aである、請求項77記載のポリヌクレオチド。
  79. 【請求項79】 ガラクトースオキシダーゼが、アミノ酸N413、S550、V494
    、及びS610でミューテーションを有する、ガラクトースオキシダーゼをコードす
    るポリヌクレオチド。
  80. 【請求項80】 N413ミューテーションがN413Dであり、V494ミューテーシ
    ョンがV494Aである、請求項79記載のポリヌクレオチド。
  81. 【請求項81】 配列番号37−48からなる群から選択される配列を有す
    るポリヌクレオチド。
  82. 【請求項82】 A3、S10、M70、P136、G195、T218、L312、N413、V494、C5
    15、N535、N537、S550、及びS610からなる群から選択される少なくとも一つのア
    ミノ酸でミューテーションを有するガラクトースオキシダーゼ。
  83. 【請求項83】 アミノ酸ミューテーションS10P、M70V、G195E、N413D、V4
    94A、C515S、N535D、及びN537Dの少なくとも一つを有するガラクトースオキシダ
    ーゼ。
  84. 【請求項84】 アミノ酸ミューテーションN537Dを有する、請求項83記
    載のガラクトースオキシダーゼ。
  85. 【請求項85】 アミノ酸ミューテーションV494Aを有する、請求項83記
    載のガラクトースオキシダーゼ。
  86. 【請求項86】 アミノ酸ミューテーションC515Sをさらに含む、請求項8
    5記載のガラクトースオキシダーゼ。
  87. 【請求項87】 アミノ酸ミューテーションS10Pをさらに含む、請求項85
    記載のガラクトースオキシダーゼ。
  88. 【請求項88】 P136でサイレントミューテーションをさらに含む、請求項
    85記載のガラクトースオキシダーゼ。
  89. 【請求項89】 P136でサイレントミューテーションをさらに含む、請求項
    87記載のガラクトースオキシダーゼ。
  90. 【請求項90】 アミノ酸ミューテーションG195Eをさらに含む、請求項8
    5記載のガラクトースオキシダーゼ。
  91. 【請求項91】 A3及びP136の少なくとも一つでサイレントミューテーショ
    ンをさらに含む、請求項90記載のガラクトースオキシダーゼ。
  92. 【請求項92】 アミノ酸ミューテーションN535Dをさらに含む、請求項8
    5記載のガラクトースオキシダーゼ。
  93. 【請求項93】 P136、L312、及びT218の少なくとも一つでサイレントミュ
    ーテーションをさらに含む、請求項92記載のガラクトースオキシダーゼ。
  94. 【請求項94】 アミノ酸ミューテーションM70Vをさらに含む、請求項85
    記載のガラクトースオキシダーゼ。
  95. 【請求項95】 P136でサイレントミューテーションをさらに含む、請求項
    94記載のガラクトースオキシダーゼ。
  96. 【請求項96】 アミノ酸ミューテーションS10P、M70V、G195E、V494A、及
    びN535Dを有する、請求項83記載のガラクトースオキシダーゼ。
  97. 【請求項97】 P136でサイレントミューテーションをさらに含む、請求項
    96記載のガラクトースオキシダーゼ。
  98. 【請求項98】 アミノ酸ミューテーションN413Dを有する、請求項83記
    載のガラクトースオキシダーゼ。
  99. 【請求項99】 S550でサイレントミューテーションをさらに含む、請求項
    98記載のガラクトースオキシダーゼ。
  100. 【請求項100】 アミノ酸ミューテーションN413Dをさらに含む、請求項
    85記載のガラクトースオキシダーゼ。
  101. 【請求項101】 S550及びS610の少なくとも一つでサイレントミューテー
    ションをさらに含む、請求項100記載のガラクトースオキシダーゼ。
  102. 【請求項102】 A3、S10、M70、P136、T218、L312、N413、C515、N535、
    N537、S550、及びS610からなる群から選択される少なくとも一つのアミノ酸でミ
    ューテーションを有するガラクトースオキシダーゼ。
  103. 【請求項103】 G195及びV494からなる群から選択される少なくとも一つ
    のアミノ酸ミューテーションをさらに含む、請求項102記載のガラクトースオ
    キシダーゼ。
  104. 【請求項104】 ミューテーションが、S10P、M70V、N413D、C515S、N535
    D、及びN537Dからなる群から選択される、請求項102記載のガラクトースオキ
    シダーゼ。
  105. 【請求項105】 G195E及びV494Aからなる群から選択される少なくとも一
    つのアミノ酸ミューテーションをさらに含む、請求項104記載のガラクトース
    オキシダーゼ。
  106. 【請求項106】 アミノ酸N537でミューテーションを有するガラクトース
    オキシダーゼ。
  107. 【請求項107】 ミューテーションがN537Dである、請求項106記載の
    ガラクトースオキシダーゼ。
  108. 【請求項108】 アミノ酸V494及びC515でミューテーションを有するガラ
    クトースオキシダーゼ。
  109. 【請求項109】 ミューテーションがV494A及びC515Sである、請求項10
    8記載のガラクトースオキシダーゼ。
  110. 【請求項110】 アミノ酸V494及びP136でミューテーションを有するガラ
    クトースオキシダーゼ。
  111. 【請求項111】 V494ミューテーションがV494Aである、請求項110記
    載のガラクトースオキシダーゼ。
  112. 【請求項112】 アミノ酸V494、P136、及びS10でミューテーションを有
    するガラクトースオキシダーゼ。
  113. 【請求項113】 V494ミューテーションがV494Aであり、S10ミューテーシ
    ョンがS10Pである、請求項112記載のガラクトースオキシダーゼ。
  114. 【請求項114】 アミノ酸V494、P136、G195、及びA3でミューテーション
    を有するガラクトースオキシダーゼ。
  115. 【請求項115】 V494ミューテーションがV494Aであり、G195ミューテー
    ションがG195Eである、請求項114記載のガラクトースオキシダーゼ。
  116. 【請求項116】 アミノ酸V494、P136、L312、N535、及びT218でミューテ
    ーションを有するガラクトースオキシダーゼ。
  117. 【請求項117】 V494ミューテーションがV494Aであり、N535ミューテー
    ションがN535Dである、請求項116記載のガラクトースオキシダーゼ。
  118. 【請求項118】 アミノ酸V494、P136、及びM70でミューテーションを有
    するガラクトースオキシダーゼ。
  119. 【請求項119】 V494ミューテーションがV494Aであり、M70ミューテーシ
    ョンがM70Vである、請求項118記載のガラクトースオキシダーゼ。
  120. 【請求項120】 アミノ酸V494、S10、P136、M70、G195、及びN535でミュ
    ーテーションを有するガラクトースオキシダーゼ。
  121. 【請求項121】 V494ミューテーションがV494Aであり、S10ミューテーシ
    ョンがS10Pであり、M70ミューテーションがM70Vであり、G195ミューテーション
    がG195Eであり、N535ミューテーションがN535Dである、請求項120記載のガラ
    クトースオキシダーゼ。
  122. 【請求項122】 アミノ酸N413でミューテーションを有するガラクトース
    オキシダーゼ。
  123. 【請求項123】 ミューテーションがN413Dである、請求項122記載の
    ガラクトースオキシダーゼ。
  124. 【請求項124】 アミノ酸N413及びS550でミューテーションを有するガラ
    クトースオキシダーゼ。
  125. 【請求項125】 N413ミューテーションがN413Dである、請求項124記
    載のガラクトースオキシダーゼ。
  126. 【請求項126】 アミノ酸N413、S550、及びV494でミューテーションを有
    するガラクトースオキシダーゼ。
  127. 【請求項127】 N413ミューテーションがN413Dであり、V494ミューテー
    ションがV494Aである、請求項126記載のガラクトースオキシダーゼ。
  128. 【請求項128】 アミノ酸N413、S550、V494、及びS610でミューテーショ
    ンを有するガラクトースオキシダーゼ。
  129. 【請求項129】 N413ミューテーションがN413Dであり、V494ミューテー
    ションがV494Aである、請求項128記載のガラクトースオキシダーゼ。
  130. 【請求項130】 配列番号10−21からなる群から選択されるアミノ酸
    配列を有するガラクトースオキシダーゼ。
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