JP2003310274A - グルコース脱水素酵素およびそれをコードする遺伝子 - Google Patents
グルコース脱水素酵素およびそれをコードする遺伝子Info
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- JP2003310274A JP2003310274A JP2002128309A JP2002128309A JP2003310274A JP 2003310274 A JP2003310274 A JP 2003310274A JP 2002128309 A JP2002128309 A JP 2002128309A JP 2002128309 A JP2002128309 A JP 2002128309A JP 2003310274 A JP2003310274 A JP 2003310274A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来知られていない耐熱性、耐アルカリ性およ
び/または改善された比活性を有するグルコース脱水素
酵素を遺伝子工学的手法により提供するとともに、その
組換えベクター、形質転換体,当該形質転換体によるグ
ルコース脱水素酵素の製造方法およびグルコースアッセ
イキットを提供する。 【解決手段】特定のアミノ酸配列を含むグルコース脱水
素酵素、その1乃至複数個が欠失、置換もしくは付加さ
れたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素であっ
て、無機塩の非存在下での耐熱性、耐アルカリ性および
/または改善された比活性を有するグルコース脱水素酵
素、これらのグルコース脱水素酵素をコードする遺伝
子、特定の塩基配列を含む遺伝子、これらの遺伝子を含
む組換えベクター、形質転換体および当該形質転換体の
培養物からグルコース脱水素酵素を採取することを特徴
とするグルコース脱水素酵素の製造方法ならびにグルコ
ースアッセイキット。
び/または改善された比活性を有するグルコース脱水素
酵素を遺伝子工学的手法により提供するとともに、その
組換えベクター、形質転換体,当該形質転換体によるグ
ルコース脱水素酵素の製造方法およびグルコースアッセ
イキットを提供する。 【解決手段】特定のアミノ酸配列を含むグルコース脱水
素酵素、その1乃至複数個が欠失、置換もしくは付加さ
れたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素であっ
て、無機塩の非存在下での耐熱性、耐アルカリ性および
/または改善された比活性を有するグルコース脱水素酵
素、これらのグルコース脱水素酵素をコードする遺伝
子、特定の塩基配列を含む遺伝子、これらの遺伝子を含
む組換えベクター、形質転換体および当該形質転換体の
培養物からグルコース脱水素酵素を採取することを特徴
とするグルコース脱水素酵素の製造方法ならびにグルコ
ースアッセイキット。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、グルコース脱水素
酵素、その遺伝子、当該遺伝子を含む組換えベクター、
当該ベクターにより得られる形質転換体、当該形質転換
体を用いるグルコース脱水素酵素の製造方法およびグル
コース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキットに関
する。より詳細には、本発明は、無機塩の非存在下での
耐熱性を有するグルコース脱水素酵素、好ましくは当該
耐熱性に加えて更に耐アルカリ性および/または改善さ
れた比活性を有するNAD(P)+依存性β-Dグルコース脱水
素酵素、当該酵素をコードする遺伝子、当該遺伝子を含
む組換えベクター、当該ベクターにより得られる形質転
換体、当該形質転換体を用いるグルコース脱水素酵素の
製造方法およびグルコース脱水素酵素を含むグルコース
アッセイキットに関する。
酵素、その遺伝子、当該遺伝子を含む組換えベクター、
当該ベクターにより得られる形質転換体、当該形質転換
体を用いるグルコース脱水素酵素の製造方法およびグル
コース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキットに関
する。より詳細には、本発明は、無機塩の非存在下での
耐熱性を有するグルコース脱水素酵素、好ましくは当該
耐熱性に加えて更に耐アルカリ性および/または改善さ
れた比活性を有するNAD(P)+依存性β-Dグルコース脱水
素酵素、当該酵素をコードする遺伝子、当該遺伝子を含
む組換えベクター、当該ベクターにより得られる形質転
換体、当該形質転換体を用いるグルコース脱水素酵素の
製造方法およびグルコース脱水素酵素を含むグルコース
アッセイキットに関する。
【0002】
【従来の技術】NAD(P)+依存性β-Dグルコース脱水素酵
素(EC1.1.147: 以下、「グルコース脱水素酵素」ともい
う。)は、補酵素NAD+またはNADP+に水素を添加する反
応と共役してβ-Dグルコース(ブドウ糖)の脱水素反応を
触媒する酵素であり、この性質を利用して分析試料中の
ブドウ糖量の測定や関連酵素の酵素活性測定等に用いら
れている。
素(EC1.1.147: 以下、「グルコース脱水素酵素」ともい
う。)は、補酵素NAD+またはNADP+に水素を添加する反
応と共役してβ-Dグルコース(ブドウ糖)の脱水素反応を
触媒する酵素であり、この性質を利用して分析試料中の
ブドウ糖量の測定や関連酵素の酵素活性測定等に用いら
れている。
【0003】既に、バチルス・メガテリウム(Baci
llus megaterium)IWG3株が生産するグ
ルコース脱水素酵素及びその変異グルコース脱水素酵素
が報告されている(Toshihiro N. et al. FEBS Letters
253、 1、2、 113-116(1989)、特開平2−86779
号及び特開平4−258293号参照)。これらのう
ち、バチルス・メガテリウム(Bacillus me
gaterium)IWG3株が生産するグルコース脱水素
酵素は耐熱性および耐アルカリ性が低く、この耐熱性も
塩化ナトリウム等の無機塩が存在しない場合には低下す
るという欠点を有していた。
llus megaterium)IWG3株が生産するグ
ルコース脱水素酵素及びその変異グルコース脱水素酵素
が報告されている(Toshihiro N. et al. FEBS Letters
253、 1、2、 113-116(1989)、特開平2−86779
号及び特開平4−258293号参照)。これらのう
ち、バチルス・メガテリウム(Bacillus me
gaterium)IWG3株が生産するグルコース脱水素
酵素は耐熱性および耐アルカリ性が低く、この耐熱性も
塩化ナトリウム等の無機塩が存在しない場合には低下す
るという欠点を有していた。
【0004】また、このバチルス・メガテリウム(Ba
cillus megaterium)IWG3株が生産す
るグルコース脱水素酵素の変異で得られた変異グルコー
ス脱水素酵素は、耐アルカリ性および耐熱性が従来のグ
ルコース脱水素酵素に比して改善されているものの、こ
の耐熱性には依然として塩化ナトリウム等の無機塩が高
濃度で存在することが要求され、またこの耐アルカリ性
の改善も十分なものとはいえなかった。更に、この変異
グルコース脱水素酵素の中には比活性が1/2以下に低
下するものも存在していた。
cillus megaterium)IWG3株が生産す
るグルコース脱水素酵素の変異で得られた変異グルコー
ス脱水素酵素は、耐アルカリ性および耐熱性が従来のグ
ルコース脱水素酵素に比して改善されているものの、こ
の耐熱性には依然として塩化ナトリウム等の無機塩が高
濃度で存在することが要求され、またこの耐アルカリ性
の改善も十分なものとはいえなかった。更に、この変異
グルコース脱水素酵素の中には比活性が1/2以下に低
下するものも存在していた。
【0005】一方、糖尿病の診断に用いられるグルコー
ス脱水素酵素には、生体試料(血液、尿等の体液)のよ
うな塩濃度が低く、且つ比較的pH変動が大きい溶液中
で反応を行う場合に迅速且つ安定した測定ができるよう
に、従来のグルコース脱水素酵素よりも更に優れた特
性、即ち、塩化ナトリウム等の無機塩の非存在下での耐
熱性、好ましくは当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性
および/または改善された比活性が要望されているが、
かかる要望を満たすグルコース脱水素酵素は未だ見出さ
れていない。
ス脱水素酵素には、生体試料(血液、尿等の体液)のよ
うな塩濃度が低く、且つ比較的pH変動が大きい溶液中
で反応を行う場合に迅速且つ安定した測定ができるよう
に、従来のグルコース脱水素酵素よりも更に優れた特
性、即ち、塩化ナトリウム等の無機塩の非存在下での耐
熱性、好ましくは当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性
および/または改善された比活性が要望されているが、
かかる要望を満たすグルコース脱水素酵素は未だ見出さ
れていない。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたものであり、従来知られている耐熱性グル
コース脱水素酵素に見られない塩化ナトリウム等の無機
塩の非存在下での耐熱性、好ましくは当該耐熱性に加え
て更に耐アルカリ性および/または改善された比活性を
有するグルコース脱水素酵素を遺伝子工学的手法により
提供するとともに、その大量生産に必要な遺伝子、当該
遺伝子を含む組換えベクター、当該ベクターにより得ら
れる形質転換体、当該形質転換体によるグルコース脱水
素酵素の製造方法ならびにグルコース脱水素酵素を含む
グルコースアッセイキットを提供することを目的とす
る。
鑑みなされたものであり、従来知られている耐熱性グル
コース脱水素酵素に見られない塩化ナトリウム等の無機
塩の非存在下での耐熱性、好ましくは当該耐熱性に加え
て更に耐アルカリ性および/または改善された比活性を
有するグルコース脱水素酵素を遺伝子工学的手法により
提供するとともに、その大量生産に必要な遺伝子、当該
遺伝子を含む組換えベクター、当該ベクターにより得ら
れる形質転換体、当該形質転換体によるグルコース脱水
素酵素の製造方法ならびにグルコース脱水素酵素を含む
グルコースアッセイキットを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく研究を重ねた結果、4種類のグルコース脱水
素酵素生産菌株由来のグルコース脱水素酵素遺伝子の間
でランダムな組換えを行うことにより、親株が有しない
塩化ナトリウム等の無機塩の非存在下での耐熱性を有す
るグルコース脱水素酵素をコードするグルコース脱水素
酵素遺伝子を得ることができること、またこのグルコー
ス脱水素酵素は当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性お
よび/または改善された比活性をも保有し得ることを見
出した。
解決すべく研究を重ねた結果、4種類のグルコース脱水
素酵素生産菌株由来のグルコース脱水素酵素遺伝子の間
でランダムな組換えを行うことにより、親株が有しない
塩化ナトリウム等の無機塩の非存在下での耐熱性を有す
るグルコース脱水素酵素をコードするグルコース脱水素
酵素遺伝子を得ることができること、またこのグルコー
ス脱水素酵素は当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性お
よび/または改善された比活性をも保有し得ることを見
出した。
【0007】本発明は上記知見に基づき完成されたもの
であり、以下の構成を有する。 [1] 配列表の配列番号4で表されるアミノ酸配列を
含むグルコース脱水素酵素。 [2]配列表の配列番号4で表されるアミノ酸配列の1
45番目のセリン、158番目のチロシンおよび162
番目のリジンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当該
3個のアミノ酸以外のアミノ酸の1乃至複数個が欠失、
置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース
脱水素酵素であって、無機塩の非存在下での耐熱性を有
するグルコース脱水素酵素。 [3]無機塩が塩化ナトリウムである[2]に記載のグ
ルコース脱水素酵素。 [4]グルコース脱水素酵素が耐アルカリ性を更に有す
る[2]または[3]に記載のグルコース脱水素酵素。 [5]グルコース脱水素酵素が改善された比活性を更に
有する[2]乃至[4]のいずれかに記載のグルコース
脱水素酵素。 [6]配列表の配列番号4で表されるアミノ酸配列の1
45番目のセリン、158番目のチロシン、162番目
および170番目のリジンならびに252番目のロイシ
ンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当該5個のアミ
ノ酸以外のアミノ酸の1乃至複数個が欠失、置換もしく
は付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素
であって、無機塩の非存在下での耐熱性を有するグルコ
ース脱水素酵素。 [7]無機塩が塩化ナトリウムである[6]に記載のグ
ルコース脱水素酵素。 [8]グルコース脱水素酵素が耐アルカリ性を更に有す
る[6]または[7]に記載のグルコース脱水素酵素。 [9]グルコース脱水素酵素が改善された比活性を更に
有する[6]乃至[8]のいずれかに記載のグルコース
脱水素酵素。 [10][1]乃至[9]のいずれかに記載のグルコー
ス脱水素酵素をコードする遺伝子。 [11]配列表の配列番号3で表される塩基配列を含む
遺伝子。 [12][10]または[11]に記載の遺伝子を含む
組換えベクター。 [13][12]に記載の組換えベクターを含む形質転
換体。 [14][13]に記載の形質転換体を培養し、得られ
る培養物からグルコース脱水素酵素を採取することを特
徴とするグルコース脱水素酵素の製造方法。 [15][1]乃至[9]のいずれかに記載のグルコー
ス脱水素酵素を含むグルコースアッセイキット。
であり、以下の構成を有する。 [1] 配列表の配列番号4で表されるアミノ酸配列を
含むグルコース脱水素酵素。 [2]配列表の配列番号4で表されるアミノ酸配列の1
45番目のセリン、158番目のチロシンおよび162
番目のリジンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当該
3個のアミノ酸以外のアミノ酸の1乃至複数個が欠失、
置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース
脱水素酵素であって、無機塩の非存在下での耐熱性を有
するグルコース脱水素酵素。 [3]無機塩が塩化ナトリウムである[2]に記載のグ
ルコース脱水素酵素。 [4]グルコース脱水素酵素が耐アルカリ性を更に有す
る[2]または[3]に記載のグルコース脱水素酵素。 [5]グルコース脱水素酵素が改善された比活性を更に
有する[2]乃至[4]のいずれかに記載のグルコース
脱水素酵素。 [6]配列表の配列番号4で表されるアミノ酸配列の1
45番目のセリン、158番目のチロシン、162番目
および170番目のリジンならびに252番目のロイシ
ンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当該5個のアミ
ノ酸以外のアミノ酸の1乃至複数個が欠失、置換もしく
は付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素
であって、無機塩の非存在下での耐熱性を有するグルコ
ース脱水素酵素。 [7]無機塩が塩化ナトリウムである[6]に記載のグ
ルコース脱水素酵素。 [8]グルコース脱水素酵素が耐アルカリ性を更に有す
る[6]または[7]に記載のグルコース脱水素酵素。 [9]グルコース脱水素酵素が改善された比活性を更に
有する[6]乃至[8]のいずれかに記載のグルコース
脱水素酵素。 [10][1]乃至[9]のいずれかに記載のグルコー
ス脱水素酵素をコードする遺伝子。 [11]配列表の配列番号3で表される塩基配列を含む
遺伝子。 [12][10]または[11]に記載の遺伝子を含む
組換えベクター。 [13][12]に記載の組換えベクターを含む形質転
換体。 [14][13]に記載の形質転換体を培養し、得られ
る培養物からグルコース脱水素酵素を採取することを特
徴とするグルコース脱水素酵素の製造方法。 [15][1]乃至[9]のいずれかに記載のグルコー
ス脱水素酵素を含むグルコースアッセイキット。
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳細に説明
する。本発明は、配列表の配列番号(以下、「配列番
号」ともいう。)3で表される塩基配列を含む遺伝子に
関する。但し、当該遺伝子に限定されず、配列番号4で
表されるアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素をコ
ードする全ての遺伝子を含む。また、本発明では、配列
番号4で表されるアミノ酸配列の145番目のセリン、
158番目のチロシン、162番目および170番目の
リジンならびに252番目のロイシンが保持され、当該
アミノ酸配列のうち当該5個のアミノ酸以外のアミノ酸
の1乃至複数個、好ましくは1乃至数個が欠失、置換も
しくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素
酵素をコードする遺伝子であって、無機塩、好ましくは
塩化ナトリウムの非存在下での耐熱性を有するグルコー
ス脱水素酵素をコードする遺伝子、好ましくは当該耐熱
性に加えて更に耐アルカリ性および/または改善された
比活性を有するグルコース脱水素酵素をコードする遺伝
子も含まれる。更に本発明では、配列番号4で表される
アミノ酸配列の145番目のセリン、158番目のチロ
シンおよび162番目のリジンが保持され、当該アミノ
酸配列のうち当該3個のアミノ酸以外のアミノ酸の1乃
至複数個、好ましくは1乃至数個が欠失、置換もしくは
付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素を
コードする遺伝子であって、無機塩、好ましくは塩化ナ
トリウムの非存在下での耐熱性を有するグルコース脱水
素酵素をコードする遺伝子、好ましくは当該耐熱性に加
えて更に耐アルカリ性および/または改善された比活性
を有するグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子も含
まれる。
する。本発明は、配列表の配列番号(以下、「配列番
号」ともいう。)3で表される塩基配列を含む遺伝子に
関する。但し、当該遺伝子に限定されず、配列番号4で
表されるアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素をコ
ードする全ての遺伝子を含む。また、本発明では、配列
番号4で表されるアミノ酸配列の145番目のセリン、
158番目のチロシン、162番目および170番目の
リジンならびに252番目のロイシンが保持され、当該
アミノ酸配列のうち当該5個のアミノ酸以外のアミノ酸
の1乃至複数個、好ましくは1乃至数個が欠失、置換も
しくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素
酵素をコードする遺伝子であって、無機塩、好ましくは
塩化ナトリウムの非存在下での耐熱性を有するグルコー
ス脱水素酵素をコードする遺伝子、好ましくは当該耐熱
性に加えて更に耐アルカリ性および/または改善された
比活性を有するグルコース脱水素酵素をコードする遺伝
子も含まれる。更に本発明では、配列番号4で表される
アミノ酸配列の145番目のセリン、158番目のチロ
シンおよび162番目のリジンが保持され、当該アミノ
酸配列のうち当該3個のアミノ酸以外のアミノ酸の1乃
至複数個、好ましくは1乃至数個が欠失、置換もしくは
付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素を
コードする遺伝子であって、無機塩、好ましくは塩化ナ
トリウムの非存在下での耐熱性を有するグルコース脱水
素酵素をコードする遺伝子、好ましくは当該耐熱性に加
えて更に耐アルカリ性および/または改善された比活性
を有するグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子も含
まれる。
【0008】なお、既に報告されているグルコース脱水
素酵素のアミノ酸配列によれば、本願の配列表の配列番
号を用いて示すと、当該配列表の配列番号4で表される
アミノ酸配列の145番目のセリン、158番目のチロ
シン、162番目のリジンの3個のアミノ酸残基がグル
コース脱水素酵素活性を示すのに必要であることが知ら
れている〔Keizo Yamamoto et al.
J.Biochem.129(2)303−312(2
002)〕。
素酵素のアミノ酸配列によれば、本願の配列表の配列番
号を用いて示すと、当該配列表の配列番号4で表される
アミノ酸配列の145番目のセリン、158番目のチロ
シン、162番目のリジンの3個のアミノ酸残基がグル
コース脱水素酵素活性を示すのに必要であることが知ら
れている〔Keizo Yamamoto et al.
J.Biochem.129(2)303−312(2
002)〕。
【0009】ここで、無機塩、好ましくは塩化ナトリウ
ムの非存在下での耐熱性とは、実施例12に記載の条件
中熱処理時間が1時間の場合に、相対活性(%)が10
%以上であることいい、好ましくは50%以上であるこ
とをいう。耐アルカリ性とは、実施例13に記載の条件
中pHが9.5の場合において、相対活性(%)が50
%以上であることをいい、好ましくは80%以上である
ことをいう。改善された比活性とは、比活性が150u
/mg〜190u/mgであることをいう。
ムの非存在下での耐熱性とは、実施例12に記載の条件
中熱処理時間が1時間の場合に、相対活性(%)が10
%以上であることいい、好ましくは50%以上であるこ
とをいう。耐アルカリ性とは、実施例13に記載の条件
中pHが9.5の場合において、相対活性(%)が50
%以上であることをいい、好ましくは80%以上である
ことをいう。改善された比活性とは、比活性が150u
/mg〜190u/mgであることをいう。
【0010】無機塩、好ましくは塩化ナトリウムの非存
在下での耐熱性、耐アルカリ性および改善された比活性
を有するグルコース脱水素酵素とは、当該耐熱性、耐ア
ルカリ性および改善された比活性の全てを有するグルコ
ース脱水素酵素をいい、具体的には当該耐熱性が実施例
12に記載の条件中熱処理時間が1時間の場合に相対活
性(%)が10%以上であり且つ当該耐アルカリ性が実
施例13に記載の条件中pHが9.5の場合において相
対活性(%)が50%以上であり且つ当該比活性が15
0u/mg〜190u/mgであるグルコース脱水素酵
素をいい、好ましくは、当該耐熱性が実施例12に記載
の条件中熱処理時間が1時間の場合に相対活性(%)が
10%以上であり且つ当該耐アルカリ性が実施例13に
記載の条件中pHが9.5の場合において相対活性
(%)が80%以上であり且つ当該比活性が150u/
mg〜190u/mgであるグルコース脱水素酵素、も
しくは当該耐熱性が実施例12に記載の条件中熱処理時
間が1時間の場合に相対活性(%)が50%以上であり
且つ当該耐アルカリ性が実施例13に記載の条件中pH
が9.5の場合において相対活性(%)が50%以上で
あり且つ比活性が150u/mg〜190u/mgであ
るグルコース脱水素酵素をいい、より好ましくは、当該
耐熱性が実施例12に記載の条件中熱処理時間が1時間
の場合に相対活性(%)が50%以上であり且つ当該耐
アルカリ性が実施例13に記載の条件中pHが9.5の
場合において相対活性(%)が80%以上であり且つ当
該比活性が150u/mg〜190u/mgであるグル
コース脱水素酵素をいう。
在下での耐熱性、耐アルカリ性および改善された比活性
を有するグルコース脱水素酵素とは、当該耐熱性、耐ア
ルカリ性および改善された比活性の全てを有するグルコ
ース脱水素酵素をいい、具体的には当該耐熱性が実施例
12に記載の条件中熱処理時間が1時間の場合に相対活
性(%)が10%以上であり且つ当該耐アルカリ性が実
施例13に記載の条件中pHが9.5の場合において相
対活性(%)が50%以上であり且つ当該比活性が15
0u/mg〜190u/mgであるグルコース脱水素酵
素をいい、好ましくは、当該耐熱性が実施例12に記載
の条件中熱処理時間が1時間の場合に相対活性(%)が
10%以上であり且つ当該耐アルカリ性が実施例13に
記載の条件中pHが9.5の場合において相対活性
(%)が80%以上であり且つ当該比活性が150u/
mg〜190u/mgであるグルコース脱水素酵素、も
しくは当該耐熱性が実施例12に記載の条件中熱処理時
間が1時間の場合に相対活性(%)が50%以上であり
且つ当該耐アルカリ性が実施例13に記載の条件中pH
が9.5の場合において相対活性(%)が50%以上で
あり且つ比活性が150u/mg〜190u/mgであ
るグルコース脱水素酵素をいい、より好ましくは、当該
耐熱性が実施例12に記載の条件中熱処理時間が1時間
の場合に相対活性(%)が50%以上であり且つ当該耐
アルカリ性が実施例13に記載の条件中pHが9.5の
場合において相対活性(%)が80%以上であり且つ当
該比活性が150u/mg〜190u/mgであるグル
コース脱水素酵素をいう。
【0011】無機塩、好ましくは塩化ナトリウムの非存
在下での耐熱性および耐アルカリ性を有するグルコース
脱水素酵素とは、具体的には当該耐熱性が実施例12に
記載の条件中熱処理時間が1時間の場合に相対活性
(%)が10%以上であり且つ当該耐アルカリ性が実施
例13に記載の条件中pHが9.5の場合において相対
活性(%)が50%以上であるグルコース脱水素酵素を
いい、好ましくは、当該耐熱性が実施例12に記載の条
件中熱処理時間が1時間の場合に相対活性(%)が10
%以上であり且つ当該耐アルカリ性が実施例13に記載
の条件中pHが9.5の場合において相対活性(%)が
80%以上であるグルコース脱水素酵素、もしくは当該
耐熱性が実施例12に記載の条件中熱処理時間が1時間
の場合に相対活性(%)が50%以上であり且つ当該耐
アルカリ性が実施例13に記載の条件中pHが9.5の
場合において相対活性(%)が50%以上であるグルコ
ース脱水素酵素をいい、より好ましくは、当該耐熱性が
実施例12に記載の条件中熱処理時間が1時間の場合に
相対活性(%)が50%以上であり且つ当該耐アルカリ
性が実施例13に記載の条件中pHが9.5の場合にお
いて相対活性(%)が80%以上であるグルコース脱水素
酵素をいう。
在下での耐熱性および耐アルカリ性を有するグルコース
脱水素酵素とは、具体的には当該耐熱性が実施例12に
記載の条件中熱処理時間が1時間の場合に相対活性
(%)が10%以上であり且つ当該耐アルカリ性が実施
例13に記載の条件中pHが9.5の場合において相対
活性(%)が50%以上であるグルコース脱水素酵素を
いい、好ましくは、当該耐熱性が実施例12に記載の条
件中熱処理時間が1時間の場合に相対活性(%)が10
%以上であり且つ当該耐アルカリ性が実施例13に記載
の条件中pHが9.5の場合において相対活性(%)が
80%以上であるグルコース脱水素酵素、もしくは当該
耐熱性が実施例12に記載の条件中熱処理時間が1時間
の場合に相対活性(%)が50%以上であり且つ当該耐
アルカリ性が実施例13に記載の条件中pHが9.5の
場合において相対活性(%)が50%以上であるグルコ
ース脱水素酵素をいい、より好ましくは、当該耐熱性が
実施例12に記載の条件中熱処理時間が1時間の場合に
相対活性(%)が50%以上であり且つ当該耐アルカリ
性が実施例13に記載の条件中pHが9.5の場合にお
いて相対活性(%)が80%以上であるグルコース脱水素
酵素をいう。
【0012】無機塩、好ましくは塩化ナトリウムの非存
在下での耐熱性および改善された比活性を有するグルコ
ース脱水素酵素とは、具体的には当該耐熱性が実施例1
2に記載の条件中熱処理時間が1時間の場合に相対活性
(%)が10%以上であり且つ当該比活性が150u/
mg〜190u/mgであるグルコース脱水素酵素をい
い、好ましくは、当該耐熱性が実施例12に記載の条件
中熱処理時間が1時間の場合に相対活性(%)が50%
以上であり且つ当該比活性が150u/mg〜190u
/mgであるグルコース脱水素酵素をいう。
在下での耐熱性および改善された比活性を有するグルコ
ース脱水素酵素とは、具体的には当該耐熱性が実施例1
2に記載の条件中熱処理時間が1時間の場合に相対活性
(%)が10%以上であり且つ当該比活性が150u/
mg〜190u/mgであるグルコース脱水素酵素をい
い、好ましくは、当該耐熱性が実施例12に記載の条件
中熱処理時間が1時間の場合に相対活性(%)が50%
以上であり且つ当該比活性が150u/mg〜190u
/mgであるグルコース脱水素酵素をいう。
【0013】本発明のグルコース脱水素酵素をコードす
る遺伝子は、微生物の遺伝子を用いた遺伝子シャフリン
グ等の公知の手法又はこれに準ずる方法で得ることがで
きる。以下に、本発明のグルコース脱水素酵素をコード
する遺伝子の採取手順を例示する。 1. 本発明の遺伝子のクローニング (1)バチルス・メガテリウム(Bacillus m
egaterium)IWG3株由来の変異体グルコース脱
水素酵素、即ち当該株が生産するグルコース脱水素酵素
のアミノ酸配列(特開平2−86779号参照)の252
番目のグルタミン残基がロイシン残基に置換されたもの
(以下、「グルコース脱水素酵素Q252L」ともい
う。)の遺伝子の取得 グルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝子は、独立行政
法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒30
5−8566 茨城県つくば市東1丁目1番3号中央第
6)にFERM BP−2584として寄託されている
エシエリヒア・コリ(Escherichia col
i)JM105から常法により抽出したプラスミドpG
DA2から、常法によりグルコース脱水酵素遺伝子断片
(約0.9kbp)を得、クローニングして得た組換え
体から一本鎖DNAを調製する。この一本鎖DNAに亜
硝酸ナトリウム、ギ酸等の変異処理剤を作用させて変異
処理DNAを得る。この変異処理DNAに逆転写酵素を
作用させて変異二本鎖遺伝子を常法に従い回収する。次
に変異二本鎖遺伝子を発現ベクターに組込み、大腸菌を
形質転換し、グルコース脱水素酵素活性を指標にグルコ
ース脱水素酵素Q252Lの遺伝子保持株を選択し、こ
の株からグルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝子を含
むプラスミドpGDA2F−20を常法により採取する
(特開平2−86779号参照)。
る遺伝子は、微生物の遺伝子を用いた遺伝子シャフリン
グ等の公知の手法又はこれに準ずる方法で得ることがで
きる。以下に、本発明のグルコース脱水素酵素をコード
する遺伝子の採取手順を例示する。 1. 本発明の遺伝子のクローニング (1)バチルス・メガテリウム(Bacillus m
egaterium)IWG3株由来の変異体グルコース脱
水素酵素、即ち当該株が生産するグルコース脱水素酵素
のアミノ酸配列(特開平2−86779号参照)の252
番目のグルタミン残基がロイシン残基に置換されたもの
(以下、「グルコース脱水素酵素Q252L」ともい
う。)の遺伝子の取得 グルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝子は、独立行政
法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒30
5−8566 茨城県つくば市東1丁目1番3号中央第
6)にFERM BP−2584として寄託されている
エシエリヒア・コリ(Escherichia col
i)JM105から常法により抽出したプラスミドpG
DA2から、常法によりグルコース脱水酵素遺伝子断片
(約0.9kbp)を得、クローニングして得た組換え
体から一本鎖DNAを調製する。この一本鎖DNAに亜
硝酸ナトリウム、ギ酸等の変異処理剤を作用させて変異
処理DNAを得る。この変異処理DNAに逆転写酵素を
作用させて変異二本鎖遺伝子を常法に従い回収する。次
に変異二本鎖遺伝子を発現ベクターに組込み、大腸菌を
形質転換し、グルコース脱水素酵素活性を指標にグルコ
ース脱水素酵素Q252Lの遺伝子保持株を選択し、こ
の株からグルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝子を含
むプラスミドpGDA2F−20を常法により採取する
(特開平2−86779号参照)。
【0014】(2)バチルス属細菌バチルス・リケニホ
ルミス(Bacillus licheniformi
s)IFO 12200株, バチルス・メガテリウム (Baci
llus megaterium)IFO 15308株およびバ
チルス・スブチリス(Bacillus subtil
is)IFO13719株由来のグルコース脱水素酵素遺伝子の
取得 バチルス属細菌バチルス・リケニホルミス(Bacil
lus licheniformis)IFO 12200株, バ
チルス・メガテリウム(Bacillus megat
erium)IFO 15308株およびバチルス・スブチリス
(Bacillus subtilis)IFO13719株の
ゲノムDNAについて、公開されているそれぞれの細菌の
近縁種由来のグルコース脱水素酵素遺伝子のN末端とC末
端相当部分の遺伝子配列をもとに適宜設計したプライマ
ーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(以下、「PCR」とも
いう。)によりそれぞれの株由来のグルコース脱水素酵
素をコードする遺伝子を取得する。
ルミス(Bacillus licheniformi
s)IFO 12200株, バチルス・メガテリウム (Baci
llus megaterium)IFO 15308株およびバ
チルス・スブチリス(Bacillus subtil
is)IFO13719株由来のグルコース脱水素酵素遺伝子の
取得 バチルス属細菌バチルス・リケニホルミス(Bacil
lus licheniformis)IFO 12200株, バ
チルス・メガテリウム(Bacillus megat
erium)IFO 15308株およびバチルス・スブチリス
(Bacillus subtilis)IFO13719株の
ゲノムDNAについて、公開されているそれぞれの細菌の
近縁種由来のグルコース脱水素酵素遺伝子のN末端とC末
端相当部分の遺伝子配列をもとに適宜設計したプライマ
ーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(以下、「PCR」とも
いう。)によりそれぞれの株由来のグルコース脱水素酵
素をコードする遺伝子を取得する。
【0015】(3)キメラ遺伝子ライブラリーの作製
グルコース脱水素酵素は、現在までにバチルス属細菌由
来のものが複数報告されており、それらの塩基配列は互
いに類似性が高く、互いに80%以上の相同性を示して
いることが報告されている(Lampel, K.A., et al.
J.Bacteriol.166, 238-243 (1986), He
ilmann, H.J., et al. Eur.J.Biochem.
174, 485-490 (1988), Makino, Y., et al J.Bi
ol.Chem.264, 6381-6385 (1989), Nagao,
T.et al. J.Bacteriol.174, 5013-5020
(1992))。グルコース脱水素酵素の塩基配列は、ま
た、遺伝子バンクにより多数公開されている。そして、
各種のグルコース脱水素酵素生産菌株を比較すると、そ
れらの間には少数の構成アミノ酸に違いが存在するのみ
であり、残りの構成アミノ酸は実質的に同一であること
が知られている。
来のものが複数報告されており、それらの塩基配列は互
いに類似性が高く、互いに80%以上の相同性を示して
いることが報告されている(Lampel, K.A., et al.
J.Bacteriol.166, 238-243 (1986), He
ilmann, H.J., et al. Eur.J.Biochem.
174, 485-490 (1988), Makino, Y., et al J.Bi
ol.Chem.264, 6381-6385 (1989), Nagao,
T.et al. J.Bacteriol.174, 5013-5020
(1992))。グルコース脱水素酵素の塩基配列は、ま
た、遺伝子バンクにより多数公開されている。そして、
各種のグルコース脱水素酵素生産菌株を比較すると、そ
れらの間には少数の構成アミノ酸に違いが存在するのみ
であり、残りの構成アミノ酸は実質的に同一であること
が知られている。
【0016】本発明者は、これらの事実に注目し、バチ
ルス属に属する複数のグルコース脱水素酵素生産菌由来
のグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子間でランダ
ムな組換えを行い親株のグルコース脱水素酵素生産菌と
異なる配列の遺伝子が得られるようにすることにより、
これまでに見出されたグルコース脱水素酵素生産菌に見
られない無機塩、好ましくは塩化ナトリウムの非存在下
での耐熱性を有するグルコース脱水素酵素(キメラ酵
素)をコードするキメラ遺伝子、好ましくは当該耐熱性
に加えて更に耐アルカリ性および/または改善された比
活性を有するグルコース脱水素酵素(キメラ酵素)をコ
ードするキメラ遺伝子を調製する手法を確立した。
ルス属に属する複数のグルコース脱水素酵素生産菌由来
のグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子間でランダ
ムな組換えを行い親株のグルコース脱水素酵素生産菌と
異なる配列の遺伝子が得られるようにすることにより、
これまでに見出されたグルコース脱水素酵素生産菌に見
られない無機塩、好ましくは塩化ナトリウムの非存在下
での耐熱性を有するグルコース脱水素酵素(キメラ酵
素)をコードするキメラ遺伝子、好ましくは当該耐熱性
に加えて更に耐アルカリ性および/または改善された比
活性を有するグルコース脱水素酵素(キメラ酵素)をコ
ードするキメラ遺伝子を調製する手法を確立した。
【0017】本発明に従い、複数の異なるグルコース脱
水素酵素生産菌由来の遺伝子間でランダムな組換えを生
じさせキメラ遺伝子を得るには、遺伝子シャフリングと
呼ばれる手法を用いる。遺伝子シャフリングとは、Stem
mer によって案出された遺伝子の組換え法であり(W.
P.C.Stemmer,Nature 370:38
9−391(1994;W.P.C.Stemmer,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA91:
10747−10751(1994)))、組換えを行
おうとする複数種の遺伝子を混ぜ合わせてランダムに断
片化し、得られた小断片遺伝子に対しプライマーを入れ
ない自己プライミングPCR(self−primin
g PCR)を行わせて再構成した遺伝子を増幅するこ
とによりキメラ遺伝子を調製するものである。
水素酵素生産菌由来の遺伝子間でランダムな組換えを生
じさせキメラ遺伝子を得るには、遺伝子シャフリングと
呼ばれる手法を用いる。遺伝子シャフリングとは、Stem
mer によって案出された遺伝子の組換え法であり(W.
P.C.Stemmer,Nature 370:38
9−391(1994;W.P.C.Stemmer,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA91:
10747−10751(1994)))、組換えを行
おうとする複数種の遺伝子を混ぜ合わせてランダムに断
片化し、得られた小断片遺伝子に対しプライマーを入れ
ない自己プライミングPCR(self−primin
g PCR)を行わせて再構成した遺伝子を増幅するこ
とによりキメラ遺伝子を調製するものである。
【0018】かかる遺伝子シャフリング法を用いて本発
明のキメラ遺伝子を構築する工程を以下に説明する。 (1) 異種のグルコース脱水素酵素生産菌から得られ
た複数個の遺伝子を混合し、DNaseIのようなエン
ドヌクレアーゼでランダムに断片化して、小断片DNA
を回収する。 (2)上記の工程で得られた小断片DNAにプライマー
を用いないでPCRを行う。これによって、小断片DN
A自身がお互いにプライマーとして働き、複数の遺伝子
間で組換えが生じて再構築されたキメラ遺伝子群が得ら
れる。このPCR反応において用いるDNAポリメラー
ゼとしては、Pfu turbo DNApolymer
ase等のDNAポリメラーゼがグルコース脱水素酵素
を発現するクローン採取頻度が高まる点で好ましい。 (3)次いで、得られたキメラ遺伝子群をプライマーを
用いるPCRに供して増幅し、約0.79kbpのキメ
ラ遺伝子ライブラリーを得る。 (4)以上のような遺伝子シャフリング法によって得ら
れたキメラ遺伝子をプラスミドベクターに連結し、これ
を用いて大腸菌を形質転換しグルコース脱水素酵素を生
成するクローンを選択する。 (5)選択したクローンのキメラ遺伝子を上記(4)と
同様にプラスミドベクターに連結し、これを用いて大腸
菌を形質転換し発現させ本発明のグルコース脱水素酵素
を得る。
明のキメラ遺伝子を構築する工程を以下に説明する。 (1) 異種のグルコース脱水素酵素生産菌から得られ
た複数個の遺伝子を混合し、DNaseIのようなエン
ドヌクレアーゼでランダムに断片化して、小断片DNA
を回収する。 (2)上記の工程で得られた小断片DNAにプライマー
を用いないでPCRを行う。これによって、小断片DN
A自身がお互いにプライマーとして働き、複数の遺伝子
間で組換えが生じて再構築されたキメラ遺伝子群が得ら
れる。このPCR反応において用いるDNAポリメラー
ゼとしては、Pfu turbo DNApolymer
ase等のDNAポリメラーゼがグルコース脱水素酵素
を発現するクローン採取頻度が高まる点で好ましい。 (3)次いで、得られたキメラ遺伝子群をプライマーを
用いるPCRに供して増幅し、約0.79kbpのキメ
ラ遺伝子ライブラリーを得る。 (4)以上のような遺伝子シャフリング法によって得ら
れたキメラ遺伝子をプラスミドベクターに連結し、これ
を用いて大腸菌を形質転換しグルコース脱水素酵素を生
成するクローンを選択する。 (5)選択したクローンのキメラ遺伝子を上記(4)と
同様にプラスミドベクターに連結し、これを用いて大腸
菌を形質転換し発現させ本発明のグルコース脱水素酵素
を得る。
【0019】本発明に従えば、以上のように遺伝子シャ
フリングを利用して異種のグルコース脱水素酵素生産菌
由来のグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子をラン
ダムに組換えることにより、グルコース脱水素酵素をコ
ードするキメラ遺伝子を得ることができる。本発明は、
これまで分離されているいずれのグルコース脱水素酵素
生産菌にも適用できるが、グルコース脱水素酵素生産菌
株が複数報告されているバチルス属に属する細菌由来の
グルコース脱水素酵素遺伝子を使用するのが好ましい。
フリングを利用して異種のグルコース脱水素酵素生産菌
由来のグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子をラン
ダムに組換えることにより、グルコース脱水素酵素をコ
ードするキメラ遺伝子を得ることができる。本発明は、
これまで分離されているいずれのグルコース脱水素酵素
生産菌にも適用できるが、グルコース脱水素酵素生産菌
株が複数報告されているバチルス属に属する細菌由来の
グルコース脱水素酵素遺伝子を使用するのが好ましい。
【0020】本発明が適用される異種のグルコース脱水
素酵素遺伝子の組合せで特に好ましい例は、バチルス・
メガテリウム(Bacillus megateriu
m)IWG3株由来の変異グルコース脱水素酵素Q252L
の遺伝子、バチルス・リケニホルミス(Bacillu
s licheniformis)IFO 12200株、 バチ
ルス・メガテリウム(Bacillus megate
rium)IFO 15308株およびバチルス・スブチリス
(Bacillus subtilis)IFO13719株由
来のグルコース脱水素酵素遺伝子である。
素酵素遺伝子の組合せで特に好ましい例は、バチルス・
メガテリウム(Bacillus megateriu
m)IWG3株由来の変異グルコース脱水素酵素Q252L
の遺伝子、バチルス・リケニホルミス(Bacillu
s licheniformis)IFO 12200株、 バチ
ルス・メガテリウム(Bacillus megate
rium)IFO 15308株およびバチルス・スブチリス
(Bacillus subtilis)IFO13719株由
来のグルコース脱水素酵素遺伝子である。
【0021】本発明に従いバチルス・メガテリウム(B
acillus megaterium)IWG3株由来の
グルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝子、バチルス・
リケニホルミス(Bacillus lichenif
ormis)IFO 12200株, バチルス・メガテリウム
(Bacillus megaterium)IFO 15308
株およびバチルス・スブチリス(Bacillus s
ubtilis)IFO13719株由来のグルコース脱水素酵
素遺伝子を用いて得られるグルコース脱水素酵素をコー
ドするキメラ遺伝子の好ましい具体例は、配列番号4で
表されるアミノ酸配列をコードする遺伝子、または配列
番号3で表される塩基配列から成る遺伝子である。この
遺伝子は、塩化ナトリウムの非存在下での耐熱性、耐ア
ルカリ性および改善された比活性を有するグルコース脱
水素酵素をコードするキメラ遺伝子であることが確かめ
られている。本発明の原理は他のグルコース脱水素酵素
生産菌株を用いる場合にも同様に適用され得るものであ
る。
acillus megaterium)IWG3株由来の
グルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝子、バチルス・
リケニホルミス(Bacillus lichenif
ormis)IFO 12200株, バチルス・メガテリウム
(Bacillus megaterium)IFO 15308
株およびバチルス・スブチリス(Bacillus s
ubtilis)IFO13719株由来のグルコース脱水素酵
素遺伝子を用いて得られるグルコース脱水素酵素をコー
ドするキメラ遺伝子の好ましい具体例は、配列番号4で
表されるアミノ酸配列をコードする遺伝子、または配列
番号3で表される塩基配列から成る遺伝子である。この
遺伝子は、塩化ナトリウムの非存在下での耐熱性、耐ア
ルカリ性および改善された比活性を有するグルコース脱
水素酵素をコードするキメラ遺伝子であることが確かめ
られている。本発明の原理は他のグルコース脱水素酵素
生産菌株を用いる場合にも同様に適用され得るものであ
る。
【0022】次に、これらのキメラ遺伝子を大腸菌に導
入し、大腸菌により寒天培地上に単一クローンによる多
数のコロニーを形成させる。発現ベクターの発現プロモ
ーターに依存した誘導方法、例えばpTrc99Aの場合には
培地中にイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド
(以下、「IPTG」ともいう。)を添加し変異酵素を発
現させる。コロニーをペーパーフィルターに転写し熱処
理を加えた後、NADHの発色反応により各コロニーの持つ
残存グルコース脱水素酵素活性を測定する。高い残存活
性を示したコロニーを培養してプラスミドを単離、コー
ドされたグルコース脱水素酵素変異遺伝子の全塩基配列
を決定する。塩基配列の決定はサンガー法やマキサム・
ギルバート法等の一般的な方法によって決定できる。以
上の手順により翻訳開始コドンから終止コドンを含む本
発明のグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子の全長
を単離することができる。
入し、大腸菌により寒天培地上に単一クローンによる多
数のコロニーを形成させる。発現ベクターの発現プロモ
ーターに依存した誘導方法、例えばpTrc99Aの場合には
培地中にイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド
(以下、「IPTG」ともいう。)を添加し変異酵素を発
現させる。コロニーをペーパーフィルターに転写し熱処
理を加えた後、NADHの発色反応により各コロニーの持つ
残存グルコース脱水素酵素活性を測定する。高い残存活
性を示したコロニーを培養してプラスミドを単離、コー
ドされたグルコース脱水素酵素変異遺伝子の全塩基配列
を決定する。塩基配列の決定はサンガー法やマキサム・
ギルバート法等の一般的な方法によって決定できる。以
上の手順により翻訳開始コドンから終止コドンを含む本
発明のグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子の全長
を単離することができる。
【0023】本発明のグルコース脱水素酵素をコードす
る遺伝子の塩基配列が明らかとなったことから、当該遺
伝子は化学合成法により取得することができる。また、
配列番号4で表されるアミノ酸配列の145番目のセリ
ン、158番目のチロシンおよび162番目のリジンが
保持され、当該アミノ酸配列のうち当該3個のアミノ酸
以外のアミノ酸の1乃至複数個、好ましくは1乃至数個
が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含むグ
ルコース脱水素酵素をコードする遺伝子であって、無機
塩、好ましくは塩化ナトリウムの非存在下での耐熱性を
有するグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子、好ま
しくは当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性および/ま
たは改善された比活性を有するグルコース脱水素酵素を
コードする遺伝子並びに配列番号4で表されるアミノ酸
配列の145番目のセリン、158番目のチロシン、1
62番目および170番目のリジン並びに252番目の
ロイシンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当該5個
のアミノ酸以外のアミノ酸の1乃至複数個、好ましくは
1乃至数個が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配
列を含むグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子であ
って、無機塩、好ましくは塩化ナトリウムの非存在下で
の耐熱性を有するグルコース脱水素酵素をコードする遺
伝子、好ましくは当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性
および/または改善された比活性を有するグルコース脱
水素酵素をコードする遺伝子は、Kunkel法、Gapped dup
lex法、あるいはPCRを利用した方法等の公知の手法又は
これに準ずる方法、例えば部位特異的突然変異誘発法を
利用した変異導入用キット、例えばMutant-K(宝酒造株
式会社製)、Mutant-G(宝酒造株式会社製)、あるいはL
APCR in vitro Mutagenesis シリーズキット(宝酒造株
式会社製)を用いて得ることができる。更に、バチルス
・メガテリウム(Bacillus megateri
um)IWG3株のDNAを鋳型として、このDNA配列に
基づいて合成した適当なプライマーを用いて、PCRを
行ないグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子を取得
し、上記の本願の出願時において常用される技術、例え
ば、部位特異的変異導入法を用いて本発明のグルコース
脱水素酵素の遺伝子を取得することもできる。
る遺伝子の塩基配列が明らかとなったことから、当該遺
伝子は化学合成法により取得することができる。また、
配列番号4で表されるアミノ酸配列の145番目のセリ
ン、158番目のチロシンおよび162番目のリジンが
保持され、当該アミノ酸配列のうち当該3個のアミノ酸
以外のアミノ酸の1乃至複数個、好ましくは1乃至数個
が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含むグ
ルコース脱水素酵素をコードする遺伝子であって、無機
塩、好ましくは塩化ナトリウムの非存在下での耐熱性を
有するグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子、好ま
しくは当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性および/ま
たは改善された比活性を有するグルコース脱水素酵素を
コードする遺伝子並びに配列番号4で表されるアミノ酸
配列の145番目のセリン、158番目のチロシン、1
62番目および170番目のリジン並びに252番目の
ロイシンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当該5個
のアミノ酸以外のアミノ酸の1乃至複数個、好ましくは
1乃至数個が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配
列を含むグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子であ
って、無機塩、好ましくは塩化ナトリウムの非存在下で
の耐熱性を有するグルコース脱水素酵素をコードする遺
伝子、好ましくは当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性
および/または改善された比活性を有するグルコース脱
水素酵素をコードする遺伝子は、Kunkel法、Gapped dup
lex法、あるいはPCRを利用した方法等の公知の手法又は
これに準ずる方法、例えば部位特異的突然変異誘発法を
利用した変異導入用キット、例えばMutant-K(宝酒造株
式会社製)、Mutant-G(宝酒造株式会社製)、あるいはL
APCR in vitro Mutagenesis シリーズキット(宝酒造株
式会社製)を用いて得ることができる。更に、バチルス
・メガテリウム(Bacillus megateri
um)IWG3株のDNAを鋳型として、このDNA配列に
基づいて合成した適当なプライマーを用いて、PCRを
行ないグルコース脱水素酵素をコードする遺伝子を取得
し、上記の本願の出願時において常用される技術、例え
ば、部位特異的変異導入法を用いて本発明のグルコース
脱水素酵素の遺伝子を取得することもできる。
【0024】2.組換えグルコース脱水素酵素発現ベク
ターおよび形質転換体の作製 (1) 組換えグルコース脱水素酵素発現ベクターの作
製 本発明の組換えベクターは、適当なベクターに本発明の
遺伝子を連結(挿入)することにより得ることができる。
本発明の遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で
複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラ
スミド DNA、ファージ DNA等が挙げられる。プラスミド
DNAとしては、大腸菌由来のプラスミド、例えば、pET
系(宝酒造株式会社製)、pGEX系(アマシャム・バイオ
サイエンス製等)、ファージDNAとしてはλファージ(C
haron4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、
λZAP等)、枯草菌由来のプラスミドとしては、例えばp
UB110、pTP5等、酵母由来のプラスミドとしては、例え
ば、pAUR系(宝酒造株式会社製等)などが挙げられる。
さらに、レトロウイルスまたはワクシニアウイルスなど
の動物ウイルス、バキュロウイルスBacVector(宝酒造
株式会社製)などの昆虫ウイルスベクターを用いること
もできる。
ターおよび形質転換体の作製 (1) 組換えグルコース脱水素酵素発現ベクターの作
製 本発明の組換えベクターは、適当なベクターに本発明の
遺伝子を連結(挿入)することにより得ることができる。
本発明の遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で
複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラ
スミド DNA、ファージ DNA等が挙げられる。プラスミド
DNAとしては、大腸菌由来のプラスミド、例えば、pET
系(宝酒造株式会社製)、pGEX系(アマシャム・バイオ
サイエンス製等)、ファージDNAとしてはλファージ(C
haron4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、
λZAP等)、枯草菌由来のプラスミドとしては、例えばp
UB110、pTP5等、酵母由来のプラスミドとしては、例え
ば、pAUR系(宝酒造株式会社製等)などが挙げられる。
さらに、レトロウイルスまたはワクシニアウイルスなど
の動物ウイルス、バキュロウイルスBacVector(宝酒造
株式会社製)などの昆虫ウイルスベクターを用いること
もできる。
【0025】ベクターに本発明の遺伝子を挿入するに
は、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、
適当なベクター DNAの制限酵素部位またはマルチクロー
ニングサイトに挿入してベクターに連結する方法などが
採用される。本発明の遺伝子は、その遺伝子の機能が発
揮されるようにベクターに組み込まれることが必要であ
る。そこで、本発明のベクターには、プロモーター、本
発明の遺伝子のほか、所望によりエンハンサーなどのシ
スエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シ
グナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)
などを含有するものを連結することができる。なお、選
択マーカーとしては、例えばアンピシリン耐性遺伝子等
の抗生物質耐性遺伝子が挙げられる。
は、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、
適当なベクター DNAの制限酵素部位またはマルチクロー
ニングサイトに挿入してベクターに連結する方法などが
採用される。本発明の遺伝子は、その遺伝子の機能が発
揮されるようにベクターに組み込まれることが必要であ
る。そこで、本発明のベクターには、プロモーター、本
発明の遺伝子のほか、所望によりエンハンサーなどのシ
スエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シ
グナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)
などを含有するものを連結することができる。なお、選
択マーカーとしては、例えばアンピシリン耐性遺伝子等
の抗生物質耐性遺伝子が挙げられる。
【0026】(2)形質転換体の作製
本発明の形質転換体は、本発明の組換えベクターを、目
的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することによ
り得ることができる。ここで、宿主としては、本発明の
遺伝子を発現できるものであれば特に限定されるもので
はない。例えば、大腸菌等のエシェリヒア属、バチルス
・ズブチリス(Bacillus subtilis)
等のバチルス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas
putida)等のシュードモナス属、リゾビウム・メリロテ
ィ(Rhizobium meliloti)等のリゾビウム属に属する細菌
が挙げられ、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyc
escerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosa
ccharomyces pombe)等の酵母が挙げられ、動物細胞ある
いはSf9等の昆虫細胞が挙げられる。
的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することによ
り得ることができる。ここで、宿主としては、本発明の
遺伝子を発現できるものであれば特に限定されるもので
はない。例えば、大腸菌等のエシェリヒア属、バチルス
・ズブチリス(Bacillus subtilis)
等のバチルス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas
putida)等のシュードモナス属、リゾビウム・メリロテ
ィ(Rhizobium meliloti)等のリゾビウム属に属する細菌
が挙げられ、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyc
escerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosa
ccharomyces pombe)等の酵母が挙げられ、動物細胞ある
いはSf9等の昆虫細胞が挙げられる。
【0027】大腸菌等の細菌を宿主とする場合は、本発
明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると
同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明の
遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ま
しい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれて
いてもよい。大腸菌としては、例えばエシェリヒア・コ
リ(Escherichia coli) JM109などが挙げ
られ、枯草菌としては、例えばバチルス・ズブチリス
(Bacillus subtilis)などが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると
同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明の
遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ま
しい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれて
いてもよい。大腸菌としては、例えばエシェリヒア・コ
リ(Escherichia coli) JM109などが挙げ
られ、枯草菌としては、例えばバチルス・ズブチリス
(Bacillus subtilis)などが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0028】プロモーターは、大腸菌等の宿主中で発現
できるものであればいずれを用いてもよい。例えばtrp
プロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PR
プロモーター、T7プロモーターなどの、大腸菌やファー
ジに由来するプロモーターが用いられる。tacプロモー
ターなどのように、人為的に設計改変されたプロモータ
ーを用いてもよい。細菌への組換えベクターの導入方法
は、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定される
ものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法
〔Cohen, S.N.et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA,
69:2110(1972)〕、エレクトロポレーション法等が挙げ
られる。
できるものであればいずれを用いてもよい。例えばtrp
プロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PR
プロモーター、T7プロモーターなどの、大腸菌やファー
ジに由来するプロモーターが用いられる。tacプロモー
ターなどのように、人為的に設計改変されたプロモータ
ーを用いてもよい。細菌への組換えベクターの導入方法
は、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定される
ものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法
〔Cohen, S.N.et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA,
69:2110(1972)〕、エレクトロポレーション法等が挙げ
られる。
【0029】酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロ
ミセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)、シゾ
サッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pomb
e)、ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)などが用い
られる。この場合、プロモーターは酵母中で発現できる
ものであれば特に限定されず、例えばgal1プロモータ
ー、gal10プロモーター、ヒートショックタンパク質プ
ロモーター、MFα1プロモーター、PHO5プロモーター、P
GKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、
AOX1プロモーター等を用いることができる。酵母への組
換えベクターの導入方法は、酵母にDNAを導入する方法
であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーショ
ン法〔Becker, D.M. et al.:Methods. Enzymol., 19
4: 182(1990)〕、スフェロプラスト法〔Hinnen, A. et
al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 75: 1929(197
8)〕、酢酸リチウム法〔Itoh, H.:J.Bacteriol., 15
3:163(1983)〕等が挙げられる。
ミセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)、シゾ
サッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pomb
e)、ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)などが用い
られる。この場合、プロモーターは酵母中で発現できる
ものであれば特に限定されず、例えばgal1プロモータ
ー、gal10プロモーター、ヒートショックタンパク質プ
ロモーター、MFα1プロモーター、PHO5プロモーター、P
GKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、
AOX1プロモーター等を用いることができる。酵母への組
換えベクターの導入方法は、酵母にDNAを導入する方法
であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーショ
ン法〔Becker, D.M. et al.:Methods. Enzymol., 19
4: 182(1990)〕、スフェロプラスト法〔Hinnen, A. et
al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 75: 1929(197
8)〕、酢酸リチウム法〔Itoh, H.:J.Bacteriol., 15
3:163(1983)〕等が挙げられる。
【0030】動物細胞を宿主とする場合は、サル細胞CO
S-7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細
胞)、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などが用い
られる。プロモーターとしてSRαプロモーター、SV40プ
ロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター等が用
いられ、また、ヒトサイトメガロウイルスの初期遺伝子
プロモーター等を用いてもよい。動物細胞への組換えベ
クターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーシ
ョン法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が
挙げられる。昆虫細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞な
どが用いられる。昆虫細胞への組換えベクターの導入方
法としては、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクシ
ョン法、エレクトロポレーション法などが挙げられる。
S-7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細
胞)、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などが用い
られる。プロモーターとしてSRαプロモーター、SV40プ
ロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター等が用
いられ、また、ヒトサイトメガロウイルスの初期遺伝子
プロモーター等を用いてもよい。動物細胞への組換えベ
クターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーシ
ョン法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が
挙げられる。昆虫細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞な
どが用いられる。昆虫細胞への組換えベクターの導入方
法としては、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクシ
ョン法、エレクトロポレーション法などが挙げられる。
【0031】遺伝子の宿主への組込みの確認は、PCR
法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブ
リダイゼーション法等により行うことができる。例え
ば、形質転換体からDNAを調製し、DNA特異的プライマー
を設計してPCRを行う。PCRは、前記プラスミドを調製す
るために使用した条件と同様の条件で行うことができ
る。その後は、増幅産物についてアガロースゲル電気泳
動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動またはキャピラリ
ー電気泳動等を行い、臭化エチジウム、SYBR Green液等
により染色し、そして増幅産物を1本のバンドとして検
出することにより、形質転換されたことを確認すること
ができる。また、予め蛍光色素等により標識したプライ
マーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出することもで
きる。さらに、マイクロプレート等の固相に増幅産物を
結合させ、蛍光又は酵素反応等により増幅産物を確認す
る方法も採用することができる。
法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブ
リダイゼーション法等により行うことができる。例え
ば、形質転換体からDNAを調製し、DNA特異的プライマー
を設計してPCRを行う。PCRは、前記プラスミドを調製す
るために使用した条件と同様の条件で行うことができ
る。その後は、増幅産物についてアガロースゲル電気泳
動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動またはキャピラリ
ー電気泳動等を行い、臭化エチジウム、SYBR Green液等
により染色し、そして増幅産物を1本のバンドとして検
出することにより、形質転換されたことを確認すること
ができる。また、予め蛍光色素等により標識したプライ
マーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出することもで
きる。さらに、マイクロプレート等の固相に増幅産物を
結合させ、蛍光又は酵素反応等により増幅産物を確認す
る方法も採用することができる。
【0032】3.本発明のグルコース脱水素酵素の生産
本発明のグルコース脱水素酵素は、配列番号4で表され
るアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素である。ま
た、本発明のグルコース脱水素酵素は、配列番号4で表
されるアミノ酸配列の145番目のセリン、158番目
のチロシンおよび162番目のリジンが保持され、当該
アミノ酸配列のうち当該3個のアミノ酸以外のアミノ酸
の1乃至複数個、好ましくは1乃至数個が欠失、置換も
しくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素
酵素であって、無機塩、好ましくは塩化ナトリウムの非
存在下での耐熱性を有するグルコース脱水素酵素、好ま
しくは当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性および/ま
たは改善された比活性を有するグルコース脱水素酵素も
含まれる。更に、本発明のグルコース脱水素酵素には、
配列番号4で表されるアミノ酸配列の145番目のセリ
ン、158番目のチロシン、162番目および170番
目のリジンならびに252番目のロイシンが保持され、
当該アミノ酸配列のうち当該5個のアミノ酸以外のアミ
ノ酸の1乃至複数個、好ましくは1乃至数個が欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱
水素酵素であって、無機塩、好ましくは塩化ナトリウム
の非存在下での耐熱性を有するグルコース脱水素酵素、
好ましくは当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性および
/または改善された比活性を有するグルコース脱水素酵
素も含まれる。
るアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素である。ま
た、本発明のグルコース脱水素酵素は、配列番号4で表
されるアミノ酸配列の145番目のセリン、158番目
のチロシンおよび162番目のリジンが保持され、当該
アミノ酸配列のうち当該3個のアミノ酸以外のアミノ酸
の1乃至複数個、好ましくは1乃至数個が欠失、置換も
しくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素
酵素であって、無機塩、好ましくは塩化ナトリウムの非
存在下での耐熱性を有するグルコース脱水素酵素、好ま
しくは当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性および/ま
たは改善された比活性を有するグルコース脱水素酵素も
含まれる。更に、本発明のグルコース脱水素酵素には、
配列番号4で表されるアミノ酸配列の145番目のセリ
ン、158番目のチロシン、162番目および170番
目のリジンならびに252番目のロイシンが保持され、
当該アミノ酸配列のうち当該5個のアミノ酸以外のアミ
ノ酸の1乃至複数個、好ましくは1乃至数個が欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱
水素酵素であって、無機塩、好ましくは塩化ナトリウム
の非存在下での耐熱性を有するグルコース脱水素酵素、
好ましくは当該耐熱性に加えて更に耐アルカリ性および
/または改善された比活性を有するグルコース脱水素酵
素も含まれる。
【0033】例えば、本発明のグルコース脱水素酵素の
好適例として、バチルス・メガテリウム(Bacill
us megaterium)IWG3株由来のNAD(P)+依
存性グルコース脱水素酵素の252番目のグルタミン残基
がロイシン残基に、170番目のグルタミン酸残基がリジ
ン残基に置換されたことにより塩化ナトリウムの非存在
下での耐熱性、耐アルカリ性および改善された比活性を
有するグルコース脱水素酵素MbiF20が挙げられる。当該
グルコース脱水素酵素MbiF20は、溶液中にNaClが存在し
ない場合でも非常に高い耐熱性を示すという従来見られ
ない優れた性質を持っている。
好適例として、バチルス・メガテリウム(Bacill
us megaterium)IWG3株由来のNAD(P)+依
存性グルコース脱水素酵素の252番目のグルタミン残基
がロイシン残基に、170番目のグルタミン酸残基がリジ
ン残基に置換されたことにより塩化ナトリウムの非存在
下での耐熱性、耐アルカリ性および改善された比活性を
有するグルコース脱水素酵素MbiF20が挙げられる。当該
グルコース脱水素酵素MbiF20は、溶液中にNaClが存在し
ない場合でも非常に高い耐熱性を示すという従来見られ
ない優れた性質を持っている。
【0034】本発明のグルコース脱水素酵素は、前記の
形質転換体を培養し、その培養物から採取することによ
り得ることができる。「培養物」とは、培養上清、ある
いは培養細胞もしくは培養菌体または細胞もしくは菌体
の破砕物のいずれをも意味するものである。
形質転換体を培養し、その培養物から採取することによ
り得ることができる。「培養物」とは、培養上清、ある
いは培養細胞もしくは培養菌体または細胞もしくは菌体
の破砕物のいずれをも意味するものである。
【0035】本発明の形質転換体を培養する方法は、宿
主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。大
腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得られた形質転換
体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素
源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を
効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合
成培地のいずれを用いてもよい。
主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。大
腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得られた形質転換
体を培養する培地としては、微生物が資化し得る炭素
源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を
効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合
成培地のいずれを用いてもよい。
【0036】炭素源としては、グルコース、フラクトー
ス、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピ
オン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアル
コール類が挙げられる。窒素源としては、無機酸若しく
は有機酸のアンモニウム塩(例えばアンモニア、塩化ア
ンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム等)が挙げられ、その他含窒素化合物
(例えばペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー
等)が挙げられる。無機塩類としては、リン酸第一カリ
ウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸
マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マン
ガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。
ス、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピ
オン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアル
コール類が挙げられる。窒素源としては、無機酸若しく
は有機酸のアンモニウム塩(例えばアンモニア、塩化ア
ンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム等)が挙げられ、その他含窒素化合物
(例えばペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー
等)が挙げられる。無機塩類としては、リン酸第一カリ
ウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸
マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マン
ガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0037】培養は、振盪培養又は通気攪拌培養などの
好気的条件下、通常10〜50℃、好ましくは25〜4
5℃の培養温度、通常pH4〜10、好ましくはpH6
〜8の培養pH、通常10〜150時間、好ましくは1
0〜70時間の培養時間で行う。なお、培地のpHの調整
は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培
養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等
の抗生物質を培地に添加してもよい。プロモーターとし
て誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転
換した微生物を培養する場合は、必要に応じてIPT
G、インドール酢酸(以下、「IAA」ともいう。)等の
インデューサーを培地に添加してもよい。
好気的条件下、通常10〜50℃、好ましくは25〜4
5℃の培養温度、通常pH4〜10、好ましくはpH6
〜8の培養pH、通常10〜150時間、好ましくは1
0〜70時間の培養時間で行う。なお、培地のpHの調整
は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培
養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等
の抗生物質を培地に添加してもよい。プロモーターとし
て誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転
換した微生物を培養する場合は、必要に応じてIPT
G、インドール酢酸(以下、「IAA」ともいう。)等の
インデューサーを培地に添加してもよい。
【0038】培養後、形質転換体の培養物から本発明の
グルコース脱水素酵素を採取するには、本発明のグルコ
ース脱水素酵素が菌体外又は細胞外に生産される場合に
は、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌
体又は細胞を除去する。その後、タンパク質の単離精製
に用いられる通常のタンパク質精製法、例えば、熱処
理、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、疎水
クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィー、電気泳動法等を単独で又は適宜組み合わせ
て用いることにより、前記培養物中から本発明のグルコ
ース脱水素酵素を単離精製することができる。また、本
発明のグルコース脱水素酵素が菌体内又は細胞内で生産
される場合には、菌体又は細胞を超音波破砕処理、磨砕
処理等で破砕することにより、本発明のグルコース脱水
素酵素の抽出液を調製し、その後は上記の精製手法と同
様にして行うことができる。
グルコース脱水素酵素を採取するには、本発明のグルコ
ース脱水素酵素が菌体外又は細胞外に生産される場合に
は、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌
体又は細胞を除去する。その後、タンパク質の単離精製
に用いられる通常のタンパク質精製法、例えば、熱処
理、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィー、疎水
クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィー、電気泳動法等を単独で又は適宜組み合わせ
て用いることにより、前記培養物中から本発明のグルコ
ース脱水素酵素を単離精製することができる。また、本
発明のグルコース脱水素酵素が菌体内又は細胞内で生産
される場合には、菌体又は細胞を超音波破砕処理、磨砕
処理等で破砕することにより、本発明のグルコース脱水
素酵素の抽出液を調製し、その後は上記の精製手法と同
様にして行うことができる。
【0039】4.グルコース脱水素酵素を含むグルコー
スアッセイキット 本発明は、本発明のグルコース脱水素酵素を含むグルコ
ースアッセイキットである。本発明のグルコースアッセ
イキットは、本発明のグルコース脱水素酵素を少なくと
も1回のアッセイに十分な量含む。具体的には、キット
は、本発明のグルコース脱水素酵素に加えて、アッセイ
に必要な緩衝液、メディエーター、キャリブレーション
カーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用
の指針を含む。本発明のグルコース脱水素酵素は種々の
形態で、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適
切な保存溶液中の溶液としてあるいはまたセンサースト
リップとして提供することができる。
スアッセイキット 本発明は、本発明のグルコース脱水素酵素を含むグルコ
ースアッセイキットである。本発明のグルコースアッセ
イキットは、本発明のグルコース脱水素酵素を少なくと
も1回のアッセイに十分な量含む。具体的には、キット
は、本発明のグルコース脱水素酵素に加えて、アッセイ
に必要な緩衝液、メディエーター、キャリブレーション
カーブ作製のためのグルコース標準溶液、ならびに使用
の指針を含む。本発明のグルコース脱水素酵素は種々の
形態で、例えば、凍結乾燥された試薬として、または適
切な保存溶液中の溶液としてあるいはまたセンサースト
リップとして提供することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその技術的範囲が以下の実施例に限
定されるものではない。
明するが、本発明はその技術的範囲が以下の実施例に限
定されるものではない。
【0041】[実施例1]グルコース脱水素酵素Q25
2Lの遺伝子の調製 (1) 一本鎖DNAの調製 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センタ
ー(〒305−8566茨城県つくば市東1丁目1番3
号 中央第6)にFERM BP−2584として寄託さ
れているエシエリヒア・コリ(Escherichia
coli)JM105から常法により抽出したプラスミ
ドpGDA2を制限酵素EcoRI−PstIによって
切断し、グルコース脱水素酵素遺伝子断片約0.9kb
pを得、M13ファージmp18を用いてクローニング
を行い得られた組換え体より常法に従って一本鎖DNA
を調製した。 (2) 一本鎖DNAの化学試薬による変異処理 上記により得られた一本鎖DNA40μgを0.5M酢
酸緩衝液(pH4.3)50μLに溶解し、2M亜硝酸
ナトリウム溶液50μLを加えて20℃、1〜3時間の
処理を行った。また同様に亜硝酸ナトリウムの代わりに
12Mのギ酸を100μL添加して20℃、5〜20分
間処理したり、他にも60%ヒドラジン100μL加え
て同様に20℃、5〜20分間処理した。反応の停止は
上記処理液にそれぞれ20μgのtRNAを含む2.5
M酢酸緩衝液(pH7.0)100μLを添加すること
により行い、続いて各反応液に蒸留水200μLを加え
た後、氷冷エタノール1mLを加えて変異処理DNAを
沈殿させ、さらに氷冷70%エタノールで3回洗浄し
た。 (3) 変異二本鎖遺伝子の調製 前工程により得られた変異処理DNA10μgに10倍
濃度の逆転写酵素用緩衝液〔70mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)、70mM塩化マグネシウム、0.5M
塩化ナトリウム、20mMジチオスレイトール〕10μ
Lと20pmolのプライマーを含む溶液2μLと蒸留
水74μLを加えて85℃、5分間、40℃、15分間
保温した後、10mMのdNTP13μLと逆転写酵素
1μL(20U)を加えて37℃で反応を行った。1時間
後フェノール抽出を行った後エタノール沈殿を行い、沈
殿物を溶解後、制限酵素EcoRI、PstIで分解
し、アガロースゲル電気泳動を行い、ゲルより変異二本
鎖遺伝子断片を常法に従い回収した。 (4) グルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝子保持
株の選択 前工程により得られた変異二本鎖遺伝子断片を発現ベク
ターpKK223−3のEcoRI、PstI切断部位
へ組込み、大腸菌エシエリヒア・コリ(Escheri
chia coli)JM103を形質転換した。シャ
ーレの培地上に生育したコロニーについて、ろ紙を用い
るレプリカプリント法により酵素活性を調べた。なお、
ろ紙はあらかじめ60℃、20分間の加熱処理を行っ
た。ろ紙上に強い発色が認められたクローンについて
は、変異によりグルコース脱水素酵素の遺伝子が変化し
て耐熱化したことが考えられるため、菌株をマスタープ
レートから鈎菌する。次に上記方法により選択された菌
株を各々2XTY培地(組成:トリプトン1.6%(w
/v)、酵母エキス1.0%(w/v)、塩化ナトリウ
ム0.5%(w/v))5mLに接種し37℃、18時
間振盪培養を行い、集菌洗浄後、菌体懸濁液を超音波処
理し、遠心分離を行って上清液を得た。この上清液につ
いて60℃、20分間の加熱処理を行い、残存活性を測
定してグルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝子保持株
を選択した。(5) グルコース脱水素酵素Q252L
の遺伝子の塩基配列決定と変異の同定グルコース脱水素
酵素Q252Lの遺伝子保持株よりプラスミドDNA
pGDA2F−20を調製し、常法に従って遺伝子断片
の塩基配列の決定を行い、変異点を明らかにし、グルコ
ース脱水素酵素のアミノ酸配列上の変化を確認し、塩基
配列およびアミノ酸配列をそれぞれ配列番号1および配
列番号2に示した。
2Lの遺伝子の調製 (1) 一本鎖DNAの調製 独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センタ
ー(〒305−8566茨城県つくば市東1丁目1番3
号 中央第6)にFERM BP−2584として寄託さ
れているエシエリヒア・コリ(Escherichia
coli)JM105から常法により抽出したプラスミ
ドpGDA2を制限酵素EcoRI−PstIによって
切断し、グルコース脱水素酵素遺伝子断片約0.9kb
pを得、M13ファージmp18を用いてクローニング
を行い得られた組換え体より常法に従って一本鎖DNA
を調製した。 (2) 一本鎖DNAの化学試薬による変異処理 上記により得られた一本鎖DNA40μgを0.5M酢
酸緩衝液(pH4.3)50μLに溶解し、2M亜硝酸
ナトリウム溶液50μLを加えて20℃、1〜3時間の
処理を行った。また同様に亜硝酸ナトリウムの代わりに
12Mのギ酸を100μL添加して20℃、5〜20分
間処理したり、他にも60%ヒドラジン100μL加え
て同様に20℃、5〜20分間処理した。反応の停止は
上記処理液にそれぞれ20μgのtRNAを含む2.5
M酢酸緩衝液(pH7.0)100μLを添加すること
により行い、続いて各反応液に蒸留水200μLを加え
た後、氷冷エタノール1mLを加えて変異処理DNAを
沈殿させ、さらに氷冷70%エタノールで3回洗浄し
た。 (3) 変異二本鎖遺伝子の調製 前工程により得られた変異処理DNA10μgに10倍
濃度の逆転写酵素用緩衝液〔70mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)、70mM塩化マグネシウム、0.5M
塩化ナトリウム、20mMジチオスレイトール〕10μ
Lと20pmolのプライマーを含む溶液2μLと蒸留
水74μLを加えて85℃、5分間、40℃、15分間
保温した後、10mMのdNTP13μLと逆転写酵素
1μL(20U)を加えて37℃で反応を行った。1時間
後フェノール抽出を行った後エタノール沈殿を行い、沈
殿物を溶解後、制限酵素EcoRI、PstIで分解
し、アガロースゲル電気泳動を行い、ゲルより変異二本
鎖遺伝子断片を常法に従い回収した。 (4) グルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝子保持
株の選択 前工程により得られた変異二本鎖遺伝子断片を発現ベク
ターpKK223−3のEcoRI、PstI切断部位
へ組込み、大腸菌エシエリヒア・コリ(Escheri
chia coli)JM103を形質転換した。シャ
ーレの培地上に生育したコロニーについて、ろ紙を用い
るレプリカプリント法により酵素活性を調べた。なお、
ろ紙はあらかじめ60℃、20分間の加熱処理を行っ
た。ろ紙上に強い発色が認められたクローンについて
は、変異によりグルコース脱水素酵素の遺伝子が変化し
て耐熱化したことが考えられるため、菌株をマスタープ
レートから鈎菌する。次に上記方法により選択された菌
株を各々2XTY培地(組成:トリプトン1.6%(w
/v)、酵母エキス1.0%(w/v)、塩化ナトリウ
ム0.5%(w/v))5mLに接種し37℃、18時
間振盪培養を行い、集菌洗浄後、菌体懸濁液を超音波処
理し、遠心分離を行って上清液を得た。この上清液につ
いて60℃、20分間の加熱処理を行い、残存活性を測
定してグルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝子保持株
を選択した。(5) グルコース脱水素酵素Q252L
の遺伝子の塩基配列決定と変異の同定グルコース脱水素
酵素Q252Lの遺伝子保持株よりプラスミドDNA
pGDA2F−20を調製し、常法に従って遺伝子断片
の塩基配列の決定を行い、変異点を明らかにし、グルコ
ース脱水素酵素のアミノ酸配列上の変化を確認し、塩基
配列およびアミノ酸配列をそれぞれ配列番号1および配
列番号2に示した。
【0042】[実施例2]グルコース脱水素酵素産生株
DNAの取得 バチルス・リケニホルミス(Bacillus lic
heniformis)IFO 12200株、 バチルス・メガ
テリウム(Bacillus megaterium)
IFO 15308株およびバチルス・スブチリス(Bacil
lus subtilis) IFO 13719株を、それぞれ2
mLの栄養培地(nutrient broth(商品名)、ベ
クトンディキンソン 製)に植菌し、37℃で 1日間培
養した。培養液の600nmにおける吸光度1.0程度まで上昇
したのを確認後、遠心分離により細胞を培養液から単離
し、既知の方法(Ausubel et al. (eds), Current Prot
ocols in Molecular Biology, Chap.2 (1994))によ
り、それぞれのゲノムDNAを精製した。
DNAの取得 バチルス・リケニホルミス(Bacillus lic
heniformis)IFO 12200株、 バチルス・メガ
テリウム(Bacillus megaterium)
IFO 15308株およびバチルス・スブチリス(Bacil
lus subtilis) IFO 13719株を、それぞれ2
mLの栄養培地(nutrient broth(商品名)、ベ
クトンディキンソン 製)に植菌し、37℃で 1日間培
養した。培養液の600nmにおける吸光度1.0程度まで上昇
したのを確認後、遠心分離により細胞を培養液から単離
し、既知の方法(Ausubel et al. (eds), Current Prot
ocols in Molecular Biology, Chap.2 (1994))によ
り、それぞれのゲノムDNAを精製した。
【0043】[実施例3]グルコース脱水素酵素遺伝子
増幅プライマーの合成 取得したグルコース脱水素酵素産生株DNAよりグルコー
ス脱水素酵素遺伝子をPCR反応により増幅するためのプ
ライマーを合成した。即ち、バチルス・メガテリウム
(Bacillus megaterium)IWG3株由
来のグルコース脱水素酵素の遺伝子塩基配列はすでに公
開されている(GenBank Accession no. J04805)。この
遺伝子のオープンリーディングフレーム(以下「ORF」
ともいう。)のN末端およびC末端部分の塩基配列を利用
し制限酵素の認識配列として、N末端部分の前にNco
I認識配列を追加したDNAプライマーpTGDH3-N(配列
番号5)およびC末端部分の後にSalI認識配列を追
加したDNAプライマーpTGDH3-S(配列番号6)を合成
した。
増幅プライマーの合成 取得したグルコース脱水素酵素産生株DNAよりグルコー
ス脱水素酵素遺伝子をPCR反応により増幅するためのプ
ライマーを合成した。即ち、バチルス・メガテリウム
(Bacillus megaterium)IWG3株由
来のグルコース脱水素酵素の遺伝子塩基配列はすでに公
開されている(GenBank Accession no. J04805)。この
遺伝子のオープンリーディングフレーム(以下「ORF」
ともいう。)のN末端およびC末端部分の塩基配列を利用
し制限酵素の認識配列として、N末端部分の前にNco
I認識配列を追加したDNAプライマーpTGDH3-N(配列
番号5)およびC末端部分の後にSalI認識配列を追
加したDNAプライマーpTGDH3-S(配列番号6)を合成
した。
【0044】また、ゲノムDNAを採取した細菌バチルス
・リケニホルミス(Bacilluslichenif
ormis) IFO 12200株、 バチルス・メガテリウム
(Bacillus megaterium) IFO 1530
8株およびバチルス・スブチリス(Bacillus s
ubtilis) IFO 13719株に近縁であるバチルス・
リケニホルミス(Bacillus lichenif
ormis) MC14株,バチルス・メガテリウム(Bac
illus megaterium) M1286株およびバ
チルス・スブチリス(Bacillus subtil
is) W168株に関してはそれぞれグルコース脱水素酵
素の遺伝子配列が公開されている(それぞれGenBank Ac
cession no. U79570、 X12370 および M12276)。これ
らの遺伝子のORFのN末端およびC末端部分の塩基配列を
利用し制限酵素の認識配列として、N末端部分の前にN
coI認識配列を追加したDNAプライマーpTBli-N
(配列番号7), pTBmM-N(配列番号8)およびpTBsU-N
(配列番号9)、C末端部分の後にSalI認識配列を
追加したDNAプライマーpTBli-S(配列番号10)、
pTBmM-S(配列番号11)およびpTBsU-S(配列番号1
2)を合成した。
・リケニホルミス(Bacilluslichenif
ormis) IFO 12200株、 バチルス・メガテリウム
(Bacillus megaterium) IFO 1530
8株およびバチルス・スブチリス(Bacillus s
ubtilis) IFO 13719株に近縁であるバチルス・
リケニホルミス(Bacillus lichenif
ormis) MC14株,バチルス・メガテリウム(Bac
illus megaterium) M1286株およびバ
チルス・スブチリス(Bacillus subtil
is) W168株に関してはそれぞれグルコース脱水素酵
素の遺伝子配列が公開されている(それぞれGenBank Ac
cession no. U79570、 X12370 および M12276)。これ
らの遺伝子のORFのN末端およびC末端部分の塩基配列を
利用し制限酵素の認識配列として、N末端部分の前にN
coI認識配列を追加したDNAプライマーpTBli-N
(配列番号7), pTBmM-N(配列番号8)およびpTBsU-N
(配列番号9)、C末端部分の後にSalI認識配列を
追加したDNAプライマーpTBli-S(配列番号10)、
pTBmM-S(配列番号11)およびpTBsU-S(配列番号1
2)を合成した。
【0045】[実施例4]遺伝子クロー二ング
実施例2で調製したそれぞれのゲノムDNA、及び実施
例1で調製したグルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝
子を大腸菌発現プラスミドpKK223-3(アマシャムバイオ
サイエンス製)に組み込んだプラスミドDNA pGDA2F−
20を鋳型として、実施例3で作製したそれぞれのプラ
イマーを用いてPCR反応を行った。PCR反応の条件
は以下の通りである。PCRの条件:2.5U pfu turbo DNA
polymerase(Stratagen社製)、pfu turbo DNApolymera
seに添付の反応バッファー(1X)、N末端プライマー 40
pmol/mL、C末端プライマー 40pmol/mL、dNTP 0.25mM
に水を加え、総量50μLの溶液を作製し、95℃ 1分、58
℃ 45秒、72℃ 1分、30サイクルのプログラムで増幅を
行なった。
例1で調製したグルコース脱水素酵素Q252Lの遺伝
子を大腸菌発現プラスミドpKK223-3(アマシャムバイオ
サイエンス製)に組み込んだプラスミドDNA pGDA2F−
20を鋳型として、実施例3で作製したそれぞれのプラ
イマーを用いてPCR反応を行った。PCR反応の条件
は以下の通りである。PCRの条件:2.5U pfu turbo DNA
polymerase(Stratagen社製)、pfu turbo DNApolymera
seに添付の反応バッファー(1X)、N末端プライマー 40
pmol/mL、C末端プライマー 40pmol/mL、dNTP 0.25mM
に水を加え、総量50μLの溶液を作製し、95℃ 1分、58
℃ 45秒、72℃ 1分、30サイクルのプログラムで増幅を
行なった。
【0046】PCR反応産物を1.2%(v/v)濃度のアガ
ロースゲル電気泳動で解析したところ、約0.79kbpのグ
ルコース脱水素酵素の遺伝子配列から予想される長さの
断片が増幅された。即ち、それぞれのPCR反応産物を1.2
%(v/v)濃度のアガロースゲル電気泳動で分離し、
約0.79kbpバンドをゲルより切り出してQIAquick Gel pu
rification kit(Qiagen社製)により精製した後、減圧乾
固し、それぞれ20μLのトリス-EDTA(以下「TE」とも
いう。)緩衝液に溶解した。精製したそれぞれのDNA
断片をクローニングベクターpT7-Blue (Novagen社製)に
Perfectly BluntCloning kits(Novagen社製)を用いて
挿入し、大腸菌NovaBlue SinglesTM コンピテントセル
(Novagen社製)を用いて形質転換した。形質転換細胞
を含む溶液を50μg /mLのアンピシリン、0.1mMのIPTGお
よび5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D
−ガラクトピラノシド(以下、「X-gal」ともいう。)
を含むLB寒天培地上に塗布し、37℃で1晩培養してコロ
ニーを形成させた。それぞれについて白色の陽性コロニ
ーを選択し、40mLのLB培地(50μg /mLのアンピシ
リンを含む)に植菌し、一晩37℃で振盪培養した。培養
液を遠心分離して集菌後、QIAprep plasmid purificati
on kit(Qiagen社製) により約10μg のプラスミドDN
Aを精製した。バチルス・メガテリウム(Bacill
us megaterium)IWG3株、バチルス・リケ
ニホルミス(Bacillus lichenifor
mis)IFO 12200株、 バチルス・メガテリウム(Ba
cillus megaterium)IFO 15308株、バ
チルス・スブチリス(Bacillus subtil
is)IFO 13719株由来のプラスミドDNAをそれぞれp
T7GDH3, pT7Bli、 pT7BmMおよびpT7BsUと命名した。そ
れぞれうち0.5μgを制限酵素NcoIおよびSalIに
より切断し、1.2%(v/v)濃度のアガロースゲル電気
泳動により約0.79kbp挿入断片のあることを確認した。
1サンプルあたり300ngのpT7GDH3、 pT7Bli、 pT7BmMお
よびpT7BsUを鋳型として、BigDye TerminatorCycle Seq
uencing kit (アプライドバイオシステムズ製)を用い
てシークエンス反応を行い、DNAシークエンサー37
00A(アプライドバイオシステムズ製)により塩基配
列を決定した。
ロースゲル電気泳動で解析したところ、約0.79kbpのグ
ルコース脱水素酵素の遺伝子配列から予想される長さの
断片が増幅された。即ち、それぞれのPCR反応産物を1.2
%(v/v)濃度のアガロースゲル電気泳動で分離し、
約0.79kbpバンドをゲルより切り出してQIAquick Gel pu
rification kit(Qiagen社製)により精製した後、減圧乾
固し、それぞれ20μLのトリス-EDTA(以下「TE」とも
いう。)緩衝液に溶解した。精製したそれぞれのDNA
断片をクローニングベクターpT7-Blue (Novagen社製)に
Perfectly BluntCloning kits(Novagen社製)を用いて
挿入し、大腸菌NovaBlue SinglesTM コンピテントセル
(Novagen社製)を用いて形質転換した。形質転換細胞
を含む溶液を50μg /mLのアンピシリン、0.1mMのIPTGお
よび5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D
−ガラクトピラノシド(以下、「X-gal」ともいう。)
を含むLB寒天培地上に塗布し、37℃で1晩培養してコロ
ニーを形成させた。それぞれについて白色の陽性コロニ
ーを選択し、40mLのLB培地(50μg /mLのアンピシ
リンを含む)に植菌し、一晩37℃で振盪培養した。培養
液を遠心分離して集菌後、QIAprep plasmid purificati
on kit(Qiagen社製) により約10μg のプラスミドDN
Aを精製した。バチルス・メガテリウム(Bacill
us megaterium)IWG3株、バチルス・リケ
ニホルミス(Bacillus lichenifor
mis)IFO 12200株、 バチルス・メガテリウム(Ba
cillus megaterium)IFO 15308株、バ
チルス・スブチリス(Bacillus subtil
is)IFO 13719株由来のプラスミドDNAをそれぞれp
T7GDH3, pT7Bli、 pT7BmMおよびpT7BsUと命名した。そ
れぞれうち0.5μgを制限酵素NcoIおよびSalIに
より切断し、1.2%(v/v)濃度のアガロースゲル電気
泳動により約0.79kbp挿入断片のあることを確認した。
1サンプルあたり300ngのpT7GDH3、 pT7Bli、 pT7BmMお
よびpT7BsUを鋳型として、BigDye TerminatorCycle Seq
uencing kit (アプライドバイオシステムズ製)を用い
てシークエンス反応を行い、DNAシークエンサー37
00A(アプライドバイオシステムズ製)により塩基配
列を決定した。
【0047】その結果、pT7Bli、 pT7BmMおよびpT7BsU
にクローニングされた遺伝子のコードされるタンパク質
はそれぞれ公開されているバチルス・リケニホルミス
(Bacillus licheniformis)MC1
4株、 バチルス・メガテリウム(Bacillus m
egaterium)M1286株およびバチルス・スブチ
リス(Bacillus subtilis)W168株の
持つグルコース脱水素酵素と比してアミノ酸配列が完全
に一致したことから、グルコース脱水素酵素であること
が明らかになった。
にクローニングされた遺伝子のコードされるタンパク質
はそれぞれ公開されているバチルス・リケニホルミス
(Bacillus licheniformis)MC1
4株、 バチルス・メガテリウム(Bacillus m
egaterium)M1286株およびバチルス・スブチ
リス(Bacillus subtilis)W168株の
持つグルコース脱水素酵素と比してアミノ酸配列が完全
に一致したことから、グルコース脱水素酵素であること
が明らかになった。
【0048】[実施例5]組換えグルコース脱水素酵素
発現ベクターの作製 pT7Bli、 pT7BmM、 pT7BsUおよびpT7GDH3のそれぞれに
挿入されたグルコース脱水素酵素遺伝子を制限酵素Nc
oIとSalIで切断して分離し、発現ベクターpTrc99
A(アマシャムバイオサイエンス製)に挿入した。即
ち、それぞれ1μgのpT7Bli、 pT7BmM、 pT7BsUおよびpT
7GDH3を各10Uの制限酵素NcoIとSalIを用いて37
℃で2時間切断反応を行った。反応後の溶液を1.2%(v
/v)濃度のアガロースゲル電気泳動により分離し、0.
79kbに相当するバンドをゲルより切り出してQIAquick G
el purification kit (Qiagen社製)により精製し、それ
ぞれについて20μLのトリス-EDTA緩衝液により溶解し
た。
発現ベクターの作製 pT7Bli、 pT7BmM、 pT7BsUおよびpT7GDH3のそれぞれに
挿入されたグルコース脱水素酵素遺伝子を制限酵素Nc
oIとSalIで切断して分離し、発現ベクターpTrc99
A(アマシャムバイオサイエンス製)に挿入した。即
ち、それぞれ1μgのpT7Bli、 pT7BmM、 pT7BsUおよびpT
7GDH3を各10Uの制限酵素NcoIとSalIを用いて37
℃で2時間切断反応を行った。反応後の溶液を1.2%(v
/v)濃度のアガロースゲル電気泳動により分離し、0.
79kbに相当するバンドをゲルより切り出してQIAquick G
el purification kit (Qiagen社製)により精製し、それ
ぞれについて20μLのトリス-EDTA緩衝液により溶解し
た。
【0049】次に1μgのpTrc99A(アマシャムバイオサ
イエンス製)を各10Uの制限酵素NcoIとSalIに
より37℃で4時間切断反応を行い、反応後の溶液をQIAqu
ick Gelpurification kit (Qiagen社製)により精製し、
20μLのトリス-EDTA緩衝液により溶解した。
イエンス製)を各10Uの制限酵素NcoIとSalIに
より37℃で4時間切断反応を行い、反応後の溶液をQIAqu
ick Gelpurification kit (Qiagen社製)により精製し、
20μLのトリス-EDTA緩衝液により溶解した。
【0050】pT7Bli、 pT7BmM、 pT7BsUおよびpT7GDH3
を制限酵素NcoIとSalIで切断して得た0.79kbp
DNA断片それぞれ1μLと、NcoIとSalIで切断し
たpTrc99A1μLおよび2μLの Ligation high (TOYOBO
製)を混合し、16℃で30分連結反応を行った。反応後の
溶液それぞれ1μLを用いて大腸菌NovaBlue SinglesTM
コンピテントセル(Novagen社製)を形質転換した。形
質転換細胞を含む溶液を50μg /mLのアンピシリン、
0.1mMのIPTGおよびのX-galを含むLB寒天培地上に塗布
し、37℃で1晩培養してコロニーを形成させた。それぞ
れについて白色の陽性コロニーを選択し、2mLのLB培
地(50μg/mLのアンピシリンを含む)に植菌し、一
晩37℃で振盪培養した。培養液を遠心分離して集菌後、
QIAprep plasmid purification kit(Qiagen社製) によ
り約1μg のプラスミドDNAを精製した。それぞれう
ち0.5μgを制限酵素NcoIおよびSalIにより切断
し、1.2%(v/v)アガロースゲル電気泳動により約0.
79kbp挿入断片のあることを確認した。それぞれのPC
R増幅断片由来の領域の塩基配列をシークエンス反応に
より確認したところ、変異は認められなかった。これら
の発現プラスミドを、pT7Bli、 pT7BmM、 pT7BsUおよび
pT7GDH3を用いて製作したものについてそれぞれpGtrc-9
L、pGtrc-9M、 pGtrc-9S、pGtrc-9Gとした。
を制限酵素NcoIとSalIで切断して得た0.79kbp
DNA断片それぞれ1μLと、NcoIとSalIで切断し
たpTrc99A1μLおよび2μLの Ligation high (TOYOBO
製)を混合し、16℃で30分連結反応を行った。反応後の
溶液それぞれ1μLを用いて大腸菌NovaBlue SinglesTM
コンピテントセル(Novagen社製)を形質転換した。形
質転換細胞を含む溶液を50μg /mLのアンピシリン、
0.1mMのIPTGおよびのX-galを含むLB寒天培地上に塗布
し、37℃で1晩培養してコロニーを形成させた。それぞ
れについて白色の陽性コロニーを選択し、2mLのLB培
地(50μg/mLのアンピシリンを含む)に植菌し、一
晩37℃で振盪培養した。培養液を遠心分離して集菌後、
QIAprep plasmid purification kit(Qiagen社製) によ
り約1μg のプラスミドDNAを精製した。それぞれう
ち0.5μgを制限酵素NcoIおよびSalIにより切断
し、1.2%(v/v)アガロースゲル電気泳動により約0.
79kbp挿入断片のあることを確認した。それぞれのPC
R増幅断片由来の領域の塩基配列をシークエンス反応に
より確認したところ、変異は認められなかった。これら
の発現プラスミドを、pT7Bli、 pT7BmM、 pT7BsUおよび
pT7GDH3を用いて製作したものについてそれぞれpGtrc-9
L、pGtrc-9M、 pGtrc-9S、pGtrc-9Gとした。
【0051】[実施例6]組換えグルコース脱水素酵素
の活性測定 pGtrc-9L、 pGtrc-9M、 pGtrc-9S、 pGtrc-9Gで大腸菌
(Escherichia coli)JM109株(Yanisc
h-Perron et al.、 Gene、 33、 103-119 (1985))を形
質転換し、形質転換細胞を含む溶液を50μg/mLのアン
ピシリンを含むLB寒天培地上に塗布し、37℃で1晩培養
してコロニーを形成させた。それぞれについて単一コロ
ニーを選択し、50μg/mLのアンピシリンを含む2mLのLB
液体培地に植菌し、一晩37℃で振盪培養した。この培養
液を3000xg、5分間の遠心操作により細胞を沈殿さ
せ、上清を除いた後、2mLのLB培地(50μg/mLのア
ンピシリンを含む)に懸濁し、そのうち0.2mLを10mL
のLB培地(50μg/mLのアンピシリンを含む)に接種
した。約3時間後、培養液のOD600 が0.6〜0.8に
上昇した事を確認後、10μLの1 M IPTG溶液を添加し
(最終濃度1 mM)グルコース脱水素酵素遺伝子の発現を
誘導させた。それぞれの培養液をさらに、37℃で一晩振
とう培養し、培養液を3000xg、10分間の遠心操作に
より細胞を沈殿させ、上清を除いた後、NaClを含んでな
いリン酸緩衝液(50mM KH2PO4-Na2HPO4 、pH6.5)で2
回洗浄した。超音波破砕機Branson sonifier 250(4
℃、120秒間、dutyratio 20%、 power 3、Branson社
製)でその菌体を破砕し、12000xgで10分間遠心した
後、この遠心上清を粗酵素溶液としてグルコース脱水素
酵素の活性を調べた。反応液の組成は0.09M Tris-塩
酸緩衝液(pH8.0)、0.1M D(+)グルコース、2mM N
AD+とし、3mLの反応液に50μLの粗酵素溶液を加える
ことで反応を開始させ、NADHの吸収極大である340nmの
吸収を経時的に測定した。NADHの生成量は340nm におけ
るNADHの分子吸光係数(1mMあたり6.22)をもとに計算
した。25℃における1分間あたり1μmolのNADH生成量を
1単位の酵素活性とし、粗酵素溶液1mLあたりそれぞれ
0.05(pGtrc-9L)、0.76 (pGtrc-9M)、2.9(pGtrc-9S)、0.
9(pGtrc-9G)単位の活性があった。なお、グルコース脱
水素酵素遺伝子を挿入していないpTrc99Aを導入した大
腸菌(Escherichia coli)JM109株では
酵素活性は認められなかった。
の活性測定 pGtrc-9L、 pGtrc-9M、 pGtrc-9S、 pGtrc-9Gで大腸菌
(Escherichia coli)JM109株(Yanisc
h-Perron et al.、 Gene、 33、 103-119 (1985))を形
質転換し、形質転換細胞を含む溶液を50μg/mLのアン
ピシリンを含むLB寒天培地上に塗布し、37℃で1晩培養
してコロニーを形成させた。それぞれについて単一コロ
ニーを選択し、50μg/mLのアンピシリンを含む2mLのLB
液体培地に植菌し、一晩37℃で振盪培養した。この培養
液を3000xg、5分間の遠心操作により細胞を沈殿さ
せ、上清を除いた後、2mLのLB培地(50μg/mLのア
ンピシリンを含む)に懸濁し、そのうち0.2mLを10mL
のLB培地(50μg/mLのアンピシリンを含む)に接種
した。約3時間後、培養液のOD600 が0.6〜0.8に
上昇した事を確認後、10μLの1 M IPTG溶液を添加し
(最終濃度1 mM)グルコース脱水素酵素遺伝子の発現を
誘導させた。それぞれの培養液をさらに、37℃で一晩振
とう培養し、培養液を3000xg、10分間の遠心操作に
より細胞を沈殿させ、上清を除いた後、NaClを含んでな
いリン酸緩衝液(50mM KH2PO4-Na2HPO4 、pH6.5)で2
回洗浄した。超音波破砕機Branson sonifier 250(4
℃、120秒間、dutyratio 20%、 power 3、Branson社
製)でその菌体を破砕し、12000xgで10分間遠心した
後、この遠心上清を粗酵素溶液としてグルコース脱水素
酵素の活性を調べた。反応液の組成は0.09M Tris-塩
酸緩衝液(pH8.0)、0.1M D(+)グルコース、2mM N
AD+とし、3mLの反応液に50μLの粗酵素溶液を加える
ことで反応を開始させ、NADHの吸収極大である340nmの
吸収を経時的に測定した。NADHの生成量は340nm におけ
るNADHの分子吸光係数(1mMあたり6.22)をもとに計算
した。25℃における1分間あたり1μmolのNADH生成量を
1単位の酵素活性とし、粗酵素溶液1mLあたりそれぞれ
0.05(pGtrc-9L)、0.76 (pGtrc-9M)、2.9(pGtrc-9S)、0.
9(pGtrc-9G)単位の活性があった。なお、グルコース脱
水素酵素遺伝子を挿入していないpTrc99Aを導入した大
腸菌(Escherichia coli)JM109株では
酵素活性は認められなかった。
【0052】[実施例7]遺伝子シャフリングによるキ
メラ遺伝子ライブラリーの作製 作製したpGtrc-9L、 pGtrc-9M、 pGtrc-9SおよびpGtrc-
9Gを用いてVal rie Ab cassis等の方法(Val rie Ab ca
ssis et al. Nucleic Acids Res.、 28、 2000)に従い
遺伝子シャフリングによりキメラ遺伝子ライブラリーを
作製した。各2.5μgずつのpGtrc-9L、 pGtrc-9M、 pGtr
c-9SおよびpGtrc-9Gを5μLの蒸留水で溶解、混合し
た。そこに 0.0560単位のDNase I(宝酒造株式会社
製)を加え、DNase I添付のバッファーを加えて全量を
42μLにした後、20℃で10分間切断反応を行い、90℃で
10分間処理しDNase Iを失活させ反応を停止させた。そ
の切断反応液をCentrisep gel filtration column(Pri
nceton separation製)で精製し、そのうち39μLを鋳
型としてPCRを行った。この時プライマーは無添加であ
り、PCR反応の条件は以下の通りである。 PCRの条件:鋳型DNA 39μL、2.5U pfu turbo DNA polym
erase (Stratagene製)、pfu turbo DNA polymerase
に添付の反応バッファー(1X)、dNTP 0.25mMに水を加
え、総量50μLの溶液を作製し、96℃ 2分処理後、94℃
1分、56℃ 1分、72℃ 1分+5秒/サイクル、40サイク
ルのプログラムで増幅を行なった。
メラ遺伝子ライブラリーの作製 作製したpGtrc-9L、 pGtrc-9M、 pGtrc-9SおよびpGtrc-
9Gを用いてVal rie Ab cassis等の方法(Val rie Ab ca
ssis et al. Nucleic Acids Res.、 28、 2000)に従い
遺伝子シャフリングによりキメラ遺伝子ライブラリーを
作製した。各2.5μgずつのpGtrc-9L、 pGtrc-9M、 pGtr
c-9SおよびpGtrc-9Gを5μLの蒸留水で溶解、混合し
た。そこに 0.0560単位のDNase I(宝酒造株式会社
製)を加え、DNase I添付のバッファーを加えて全量を
42μLにした後、20℃で10分間切断反応を行い、90℃で
10分間処理しDNase Iを失活させ反応を停止させた。そ
の切断反応液をCentrisep gel filtration column(Pri
nceton separation製)で精製し、そのうち39μLを鋳
型としてPCRを行った。この時プライマーは無添加であ
り、PCR反応の条件は以下の通りである。 PCRの条件:鋳型DNA 39μL、2.5U pfu turbo DNA polym
erase (Stratagene製)、pfu turbo DNA polymerase
に添付の反応バッファー(1X)、dNTP 0.25mMに水を加
え、総量50μLの溶液を作製し、96℃ 2分処理後、94℃
1分、56℃ 1分、72℃ 1分+5秒/サイクル、40サイク
ルのプログラムで増幅を行なった。
【0053】次に、一次PCR産物を鋳型とし、pTrc99Aの
挿入配列の前後の塩基配列を用いて作製したプライマー
pK223P(配列番号13に示す)とpK223T(配列番号14
に示す)を用いてPCRを行った。 PCRの条件:鋳型DNA 一次PCR産物2μL、5U Ampli Taq
Gold DNA polymerase(アプライドバイオシステムズ社
製)、Taq Gold DNA polymeraseに添付の反応バッファ
ー(1X)、5'プライマー pK223P 25pmol/mL、3'プライ
マー pK223T 25pmol/mL、dNTP 0.25mMに水を加え、総
量50μLの溶液を作製し、96℃ 2分処理後、94℃ 30
秒、56℃ 30秒、72℃45秒+20秒サイクル、25サイクル
のプログラムで増幅を行い、その後72℃で7分間処理し
た。増幅反応後の溶液20μLを用いて1.2%濃度のアガロ
ースゲル電気泳動を行った結果、目的とした変異グルコ
ース脱水素酵素遺伝子混合物である約1kbpのDNA断片
が増幅されていることを確認した。この約1kbpのバン
ドをゲルより切り出してQIAquick Gel purification ki
t(Qiagen製)により精製後、20μLのトリス-EDTA緩衝液
に溶解した。
挿入配列の前後の塩基配列を用いて作製したプライマー
pK223P(配列番号13に示す)とpK223T(配列番号14
に示す)を用いてPCRを行った。 PCRの条件:鋳型DNA 一次PCR産物2μL、5U Ampli Taq
Gold DNA polymerase(アプライドバイオシステムズ社
製)、Taq Gold DNA polymeraseに添付の反応バッファ
ー(1X)、5'プライマー pK223P 25pmol/mL、3'プライ
マー pK223T 25pmol/mL、dNTP 0.25mMに水を加え、総
量50μLの溶液を作製し、96℃ 2分処理後、94℃ 30
秒、56℃ 30秒、72℃45秒+20秒サイクル、25サイクル
のプログラムで増幅を行い、その後72℃で7分間処理し
た。増幅反応後の溶液20μLを用いて1.2%濃度のアガロ
ースゲル電気泳動を行った結果、目的とした変異グルコ
ース脱水素酵素遺伝子混合物である約1kbpのDNA断片
が増幅されていることを確認した。この約1kbpのバン
ドをゲルより切り出してQIAquick Gel purification ki
t(Qiagen製)により精製後、20μLのトリス-EDTA緩衝液
に溶解した。
【0054】次に、遺伝子シャフリングにより増幅した
変異遺伝子ライブラリーを大腸菌(Escherich
ia coli)JM109に発現させ、変異遺伝子発現ライ
ブラリーを作製した。即ち、精製した変異遺伝子ライブ
ラリーの全量を各20単位の制限酵素NcoIおよびSa
lIで一晩処理した後、1.2%(v/v)濃度のアガ
ロースゲル電気泳動により分離し、約1kbpのバンドを
ゲルより切り出してQIAquick Gel purification kit(Qi
agen製)により精製後、20μLのTE緩衝液に溶解し
た。次に1μgのpTrc99Aを各10Uの制限酵素NcoIとS
alIにより37℃で4時間切断反応を行い、反応後の溶
液をQIAquick Gel purification kit(Qiagen製)により
精製し、20μLのトリス-EDTA緩衝液により溶解した。
精製したNcoIとSalIで切断した1kbp断片それ
ぞれ1μLと、NcoIとSalIで切断したpTrc99A1
μLおよび2μLの Ligation high (TOYOBO製)を混合
し、16℃で一晩連結反応を行った。反応後の溶液それぞ
れ1μLを用いて大腸菌(Escherichia co
li)JM109を形質転換した。形質転換細胞を含む溶液
を50μg/mLのアンピシリンおよび1mMのIPTGを含む径9c
mのLB寒天培地上に塗布し、37℃で1晩培養してコロニー
を形成させた。
変異遺伝子ライブラリーを大腸菌(Escherich
ia coli)JM109に発現させ、変異遺伝子発現ライ
ブラリーを作製した。即ち、精製した変異遺伝子ライブ
ラリーの全量を各20単位の制限酵素NcoIおよびSa
lIで一晩処理した後、1.2%(v/v)濃度のアガ
ロースゲル電気泳動により分離し、約1kbpのバンドを
ゲルより切り出してQIAquick Gel purification kit(Qi
agen製)により精製後、20μLのTE緩衝液に溶解し
た。次に1μgのpTrc99Aを各10Uの制限酵素NcoIとS
alIにより37℃で4時間切断反応を行い、反応後の溶
液をQIAquick Gel purification kit(Qiagen製)により
精製し、20μLのトリス-EDTA緩衝液により溶解した。
精製したNcoIとSalIで切断した1kbp断片それ
ぞれ1μLと、NcoIとSalIで切断したpTrc99A1
μLおよび2μLの Ligation high (TOYOBO製)を混合
し、16℃で一晩連結反応を行った。反応後の溶液それぞ
れ1μLを用いて大腸菌(Escherichia co
li)JM109を形質転換した。形質転換細胞を含む溶液
を50μg/mLのアンピシリンおよび1mMのIPTGを含む径9c
mのLB寒天培地上に塗布し、37℃で1晩培養してコロニー
を形成させた。
【0055】[実施例8]耐熱性グルコース脱水素酵素
のスクリーニング 変異遺伝子発現ライブラリーのコロニーを濾紙上に写し
取り、熱処理を加えた後に酵素基質と、反応生成物であ
るNADHと反応して発色する試薬を加えた溶液を加え、残
存活性により発色するコロニーを選択した。即ち、作製
した変異遺伝子発現ライブラリーのコロニーを滅菌した
ラシャ円盤Accutran(Schleicher&Schuell社製)を用い
て別の50μg/mLのアンピシリンおよび1mMのIPTGを含む
LB寒天培地に複製した後、滅菌したワットマンNo.1
(Whatman #1)濾紙(Whatman製) を10分間被せ、大腸
菌をフィルターに移した。そのフィルターを1mLの2mg/
mL リゾチーム(Sigma製)溶液で30分間室温で処理し
菌体細胞膜を破壊した後、そのフィルターをリン酸緩衝
液(10mM KH2PO4-Na2HPO4 、pH6.5)中で70℃ 1時間熱
処理を行った。反応後フィルターに発色剤(0.5mM 3-
(4'、5'-ジメチルチアゾール-2-イル)-2、5-ジフェニル
テトラゾリウムブロミドおよび0.5mM 5-エチルフェナジ
ニウムエチルスルフェート)と酵素基質(0.1M D-グル
コースおよび50μM NAD+)を含むリン酸緩衝液(10m
M、pH6.5)を加えて室温で発色反応を行った。その結果
1つのコロニーについて強い紫色の発色が観察された。
のスクリーニング 変異遺伝子発現ライブラリーのコロニーを濾紙上に写し
取り、熱処理を加えた後に酵素基質と、反応生成物であ
るNADHと反応して発色する試薬を加えた溶液を加え、残
存活性により発色するコロニーを選択した。即ち、作製
した変異遺伝子発現ライブラリーのコロニーを滅菌した
ラシャ円盤Accutran(Schleicher&Schuell社製)を用い
て別の50μg/mLのアンピシリンおよび1mMのIPTGを含む
LB寒天培地に複製した後、滅菌したワットマンNo.1
(Whatman #1)濾紙(Whatman製) を10分間被せ、大腸
菌をフィルターに移した。そのフィルターを1mLの2mg/
mL リゾチーム(Sigma製)溶液で30分間室温で処理し
菌体細胞膜を破壊した後、そのフィルターをリン酸緩衝
液(10mM KH2PO4-Na2HPO4 、pH6.5)中で70℃ 1時間熱
処理を行った。反応後フィルターに発色剤(0.5mM 3-
(4'、5'-ジメチルチアゾール-2-イル)-2、5-ジフェニル
テトラゾリウムブロミドおよび0.5mM 5-エチルフェナジ
ニウムエチルスルフェート)と酵素基質(0.1M D-グル
コースおよび50μM NAD+)を含むリン酸緩衝液(10m
M、pH6.5)を加えて室温で発色反応を行った。その結果
1つのコロニーについて強い紫色の発色が観察された。
【0056】[実施例9]耐熱性グルコース脱水素酵素
遺伝子の単離 強い発色を示したコロニーを複製したLB寒天培地から選
択し1mLの50μg/mLのアンピシリンを含むLB液体培地
で一晩37℃で振盪培養した。培養液を遠心分離して集菌
後、QIAprep plasmid purification kit(Qiagen製) に
より約10μgのプラスミドDNAを精製した。そのうち3
00ngを鋳型とし、プライマーpK223PまたはpK223Tを用い
てBigDye Terminator Cycle Sequencing kit (アプラ
イドバイオシステムズ製)によりシークエンス反応を行
い、DNAシークエンサー3700A(アプライドバイ
オシステムズ製)により塩基配列を決定した。
遺伝子の単離 強い発色を示したコロニーを複製したLB寒天培地から選
択し1mLの50μg/mLのアンピシリンを含むLB液体培地
で一晩37℃で振盪培養した。培養液を遠心分離して集菌
後、QIAprep plasmid purification kit(Qiagen製) に
より約10μgのプラスミドDNAを精製した。そのうち3
00ngを鋳型とし、プライマーpK223PまたはpK223Tを用い
てBigDye Terminator Cycle Sequencing kit (アプラ
イドバイオシステムズ製)によりシークエンス反応を行
い、DNAシークエンサー3700A(アプライドバイ
オシステムズ製)により塩基配列を決定した。
【0057】その結果このプラスミド(以下、「pGD
H3DN46」ともいう。)の持つ変異遺伝子は、グル
コース脱水素酵素Q252Lの遺伝子に比べ、塩基配列
の357番目のアデニンがシトシンに、360番目のチ
ミンがシトシンに、501番目のチミンがアデニンに、
および508番目のグアニンがアデニンに変化してい
た。特に508番目のグアニンがアデニンに変化するこ
とにより、コードされるタンパク質のアミノ酸配列の1
70番目のアミノ酸残基がグルタミン酸残基からリジン
残基に置換されていた。従来の変異である252番目の
ロイシン残基も維持されていた。従って、この変異遺伝
子はバチルス・メガテリウム(Bacillus me
gaterium)IWG3株由来のグルコース脱水素酵素
に252番目のグルタミン残基がロイシン残基に置換し
た変異(Q252L)および170番目のアミノ酸残基が
グルタミン酸残基からリジン残基に置換した変異(E1
70K)の2つの変異が加わった変異グルコース脱水素
酵素(以下、「グルコース脱水素酵素MbiF20」と
もいう。)をコードしていた。このグルコース脱水素酵
素MbiF20の塩基配列およびアミノ酸配列を配列番
号3および配列番号4に示す。
H3DN46」ともいう。)の持つ変異遺伝子は、グル
コース脱水素酵素Q252Lの遺伝子に比べ、塩基配列
の357番目のアデニンがシトシンに、360番目のチ
ミンがシトシンに、501番目のチミンがアデニンに、
および508番目のグアニンがアデニンに変化してい
た。特に508番目のグアニンがアデニンに変化するこ
とにより、コードされるタンパク質のアミノ酸配列の1
70番目のアミノ酸残基がグルタミン酸残基からリジン
残基に置換されていた。従来の変異である252番目の
ロイシン残基も維持されていた。従って、この変異遺伝
子はバチルス・メガテリウム(Bacillus me
gaterium)IWG3株由来のグルコース脱水素酵素
に252番目のグルタミン残基がロイシン残基に置換し
た変異(Q252L)および170番目のアミノ酸残基が
グルタミン酸残基からリジン残基に置換した変異(E1
70K)の2つの変異が加わった変異グルコース脱水素
酵素(以下、「グルコース脱水素酵素MbiF20」と
もいう。)をコードしていた。このグルコース脱水素酵
素MbiF20の塩基配列およびアミノ酸配列を配列番
号3および配列番号4に示す。
【0058】[実施例10]グルコース脱水素酵素Mb
iF20の精製。 pGDH3DN46を用いて大腸菌(Escheric
hia coli)JM109株を形質転換し、形質転
換細胞を含む溶液を50μg/mLのアンピシリンを含むL
B寒天培地上に塗布し、37℃で1晩培養してコロニー
を形成させた。単一コロニーを選択し、50μg/mLのア
ンピシリンを含む5mL LB液体培地で一晩37℃で振と
う培養した。この培養液を3000xg、10分間遠心分
離し培養上清を除いた後、5mLのLB培地(50μg/
mLのアンピシリンを含む)に懸濁、遠心分離し培養上
清を除いた後400mLのLB培地(50μg/mLのアンピシ
リンを含む)に懸濁した。約5時間後(OD600 = 0.6
〜0.8) 400μLの1 M IPTG を添加し(最終濃度1 m
M)さらに37℃で一晩振とう培養した。その培養液を
3000xg、10分間遠心分離し培養上清を除いた
後、10mLのリン酸緩衝液(50mM KH2PO4-Na2HPO4
、pH6.5)による懸濁、遠心分離により2回洗浄し、1
0mLのリン酸緩衝液(50mM KH2PO4-Na2HPO4 、pH
6.5)に懸濁した。超音波破砕機(Branson sonifier 25
0、Branson製)を用い、4℃、180秒間、duty ratio
50%、 power 7の条件でその菌体を破砕した後、120
00xgで220分間遠心し得られた上清を60℃で2
0分間処理した。
iF20の精製。 pGDH3DN46を用いて大腸菌(Escheric
hia coli)JM109株を形質転換し、形質転
換細胞を含む溶液を50μg/mLのアンピシリンを含むL
B寒天培地上に塗布し、37℃で1晩培養してコロニー
を形成させた。単一コロニーを選択し、50μg/mLのア
ンピシリンを含む5mL LB液体培地で一晩37℃で振と
う培養した。この培養液を3000xg、10分間遠心分
離し培養上清を除いた後、5mLのLB培地(50μg/
mLのアンピシリンを含む)に懸濁、遠心分離し培養上
清を除いた後400mLのLB培地(50μg/mLのアンピシ
リンを含む)に懸濁した。約5時間後(OD600 = 0.6
〜0.8) 400μLの1 M IPTG を添加し(最終濃度1 m
M)さらに37℃で一晩振とう培養した。その培養液を
3000xg、10分間遠心分離し培養上清を除いた
後、10mLのリン酸緩衝液(50mM KH2PO4-Na2HPO4
、pH6.5)による懸濁、遠心分離により2回洗浄し、1
0mLのリン酸緩衝液(50mM KH2PO4-Na2HPO4 、pH
6.5)に懸濁した。超音波破砕機(Branson sonifier 25
0、Branson製)を用い、4℃、180秒間、duty ratio
50%、 power 7の条件でその菌体を破砕した後、120
00xgで220分間遠心し得られた上清を60℃で2
0分間処理した。
【0059】ろ過メンブレンフィルターを通し不純物及
び変性タンパク質を除いた後、HPLCモデル8010(東ソー
製)による陰イオン交換カラムクロマトグラフィーを行
った。濾過後の抽出液をDEAE-5PW(カラムサイズ:21.5
mml.D.X15cm東ソー製)に吸着させ重量/容量比10%か
ら25%の塩化ナトリウム濃度勾配をかけたリン酸緩衝
液(50mM KH2PO4-Na2HPO4 、pH6.5)によりタンパ
ク質を溶出させた。流出速度は毎分5mLで行い、10
mLづつ分取した。各ピークに含まれる酵素活性を測定
した結果、およそ22%の塩化ナトリウム濃度で溶出さ
れるピークに目的とするグルコース脱水素酵素が含まれ
ていた。このピークに相当する溶出画分20μLを公知
のレムリー(Laemmli)法によるゲル濃度12.5%のS
DS-ポリアクリルアミド電気泳動で解析したところグル
コース脱水素酵素に相当する分子量31kDaのバンド(CBB
染色法及び銀染色法)以外の成分がほとんど含まれてい
ないことを確認した。この溶出画分60mLを分画分子量
5万の限外ろ過メンブランフィルター(セントリコン
(商品名)、ミリポア製)により10mLに濃縮し(5mg
/mL)、500mLのリン酸緩衝液(50mM KH2PO4-Na2HPO
4 、pH6.5)に希釈したもの(100μg/mL)を精製グ
ルコース脱水素酵素、即ちグルコース脱水素酵素Mbi
F20、とした。当該グルコース脱水素酵素MbiF2
0の比活性は174u/mgであった(表1)。比較対
照として、特開平2−86779号の実施例1に従い製
造し、上記グルコース脱水素酵素MbiF20の精製と
同様にして精製した2種のグルコース脱水素酵素、即ち
グルコース脱水素酵素E96A(配列番号15)および
グルコース脱水素酵素E96G(配列番号16)の比活
性も表1に併せて示した。
び変性タンパク質を除いた後、HPLCモデル8010(東ソー
製)による陰イオン交換カラムクロマトグラフィーを行
った。濾過後の抽出液をDEAE-5PW(カラムサイズ:21.5
mml.D.X15cm東ソー製)に吸着させ重量/容量比10%か
ら25%の塩化ナトリウム濃度勾配をかけたリン酸緩衝
液(50mM KH2PO4-Na2HPO4 、pH6.5)によりタンパ
ク質を溶出させた。流出速度は毎分5mLで行い、10
mLづつ分取した。各ピークに含まれる酵素活性を測定
した結果、およそ22%の塩化ナトリウム濃度で溶出さ
れるピークに目的とするグルコース脱水素酵素が含まれ
ていた。このピークに相当する溶出画分20μLを公知
のレムリー(Laemmli)法によるゲル濃度12.5%のS
DS-ポリアクリルアミド電気泳動で解析したところグル
コース脱水素酵素に相当する分子量31kDaのバンド(CBB
染色法及び銀染色法)以外の成分がほとんど含まれてい
ないことを確認した。この溶出画分60mLを分画分子量
5万の限外ろ過メンブランフィルター(セントリコン
(商品名)、ミリポア製)により10mLに濃縮し(5mg
/mL)、500mLのリン酸緩衝液(50mM KH2PO4-Na2HPO
4 、pH6.5)に希釈したもの(100μg/mL)を精製グ
ルコース脱水素酵素、即ちグルコース脱水素酵素Mbi
F20、とした。当該グルコース脱水素酵素MbiF2
0の比活性は174u/mgであった(表1)。比較対
照として、特開平2−86779号の実施例1に従い製
造し、上記グルコース脱水素酵素MbiF20の精製と
同様にして精製した2種のグルコース脱水素酵素、即ち
グルコース脱水素酵素E96A(配列番号15)および
グルコース脱水素酵素E96G(配列番号16)の比活
性も表1に併せて示した。
【0060】従来のグルコース脱水素酵素Q252Lで
は高濃度の塩化ナトリウム(例えば、2M)が存在する
場合に耐熱性を示しているが、本発明のグルコース脱水
素酵素MbiF20は、その耐熱性が塩化ナトリウムの
存在の有無に影響されないという性質を有しているた
め、本発明のグルコース脱水素酵素の製造法には、1.
熱処理工程(熱処理により不純物および熱凝固を起こす
タンパク質を沈殿させる工程)において、塩化ナトリウ
ムを添加せずに熱処理を行うことができるという利点
と、2.従来のグルコース脱水素酵素Q252Lについ
て必要であった熱処理工程に続く透析工程(脱塩工程)
を設ける必要がないという利点がある。係る利点を有す
る本発明のグルコース脱水素酵素の製造法によれば、本
発明のグルコース脱水素酵素の製造工程の効率化および
簡略化を図ることができる。
は高濃度の塩化ナトリウム(例えば、2M)が存在する
場合に耐熱性を示しているが、本発明のグルコース脱水
素酵素MbiF20は、その耐熱性が塩化ナトリウムの
存在の有無に影響されないという性質を有しているた
め、本発明のグルコース脱水素酵素の製造法には、1.
熱処理工程(熱処理により不純物および熱凝固を起こす
タンパク質を沈殿させる工程)において、塩化ナトリウ
ムを添加せずに熱処理を行うことができるという利点
と、2.従来のグルコース脱水素酵素Q252Lについ
て必要であった熱処理工程に続く透析工程(脱塩工程)
を設ける必要がないという利点がある。係る利点を有す
る本発明のグルコース脱水素酵素の製造法によれば、本
発明のグルコース脱水素酵素の製造工程の効率化および
簡略化を図ることができる。
【0061】
【表1】
【0062】MbiF20:グルコース脱水素酵素Mb
iF20(以下、表2〜表4において同じ。)、 Q252L:グルコース脱水素酵素Q252L(以下、
表2〜表4において同じ。)、 E96A:グルコース脱水素酵素E96A、 E96G:グルコース脱水素酵素E96G。
iF20(以下、表2〜表4において同じ。)、 Q252L:グルコース脱水素酵素Q252L(以下、
表2〜表4において同じ。)、 E96A:グルコース脱水素酵素E96A、 E96G:グルコース脱水素酵素E96G。
【0063】表1から明らかなように、本発明のグルコ
ース脱水素酵素MbiF20は、従来のグルコース脱水
素酵素Q252Lとはほぼ同等の比活性であったが、グ
ルコース脱水素酵素E96Aおよびグルコース脱水素酵
素E96Gに対しては約2倍の比活性を示している。比
活性の増大により触媒活性が増大し、その結果グルコー
スの測定の迅速化を期待することができる。
ース脱水素酵素MbiF20は、従来のグルコース脱水
素酵素Q252Lとはほぼ同等の比活性であったが、グ
ルコース脱水素酵素E96Aおよびグルコース脱水素酵
素E96Gに対しては約2倍の比活性を示している。比
活性の増大により触媒活性が増大し、その結果グルコー
スの測定の迅速化を期待することができる。
【0064】[実施例11]グルコース脱水素酵素Mb
iF20およびQ252Lの各熱処理温度における安定
性 実施例10記載の精製グルコース脱水素酵(100μg/m
L)1.0mLを1.5mL容サンプリングチューブに
入れ40,50,60,66,70℃で20分間熱処理
した。50mM KH2PO4-Na2HPO4 (pH6.5)、0.1M D
(+)グルコース、2mM NAD+の反応液3mLに熱処理後
の精製酵素溶液(5μg/mLに希釈)50μLを加え
ることで反応を開始させ、NADHの吸収極大である340
nmの吸光度を経時的に測定した。熱安定性は、一分間
当たりのNADHの生成量から酵素活性を求め、熱処理前の
耐熱性変異体グルコース脱水素酵素MbiF20の活性
値を100%とし、各処理温度について熱処理後の相対
活性(%)を算出し表2に示した。なお、対照としてグ
ルコース脱水素酵素Q252Lを用いた。
iF20およびQ252Lの各熱処理温度における安定
性 実施例10記載の精製グルコース脱水素酵(100μg/m
L)1.0mLを1.5mL容サンプリングチューブに
入れ40,50,60,66,70℃で20分間熱処理
した。50mM KH2PO4-Na2HPO4 (pH6.5)、0.1M D
(+)グルコース、2mM NAD+の反応液3mLに熱処理後
の精製酵素溶液(5μg/mLに希釈)50μLを加え
ることで反応を開始させ、NADHの吸収極大である340
nmの吸光度を経時的に測定した。熱安定性は、一分間
当たりのNADHの生成量から酵素活性を求め、熱処理前の
耐熱性変異体グルコース脱水素酵素MbiF20の活性
値を100%とし、各処理温度について熱処理後の相対
活性(%)を算出し表2に示した。なお、対照としてグ
ルコース脱水素酵素Q252Lを用いた。
【0065】
【表2】
【0066】表2から明らかなように、従来最も良い耐
熱性を示す変異体であるグルコース脱水素酵素Q252
Lが、溶液中にNaClが存在しない場合60℃、20
分間の処理で完全に酵素活性を失ってしまうのに対し、
本発明のグルコース脱水素酵素MbiF20は同様な処
理でも全く酵素活性を失わない。即ち、従来のグルコー
ス脱水素酵素は塩化ナトリウム濃度が高い場合に安定性
が認められるが、本発明のグルコース脱水素酵素は、塩
化ナトリウムの存在の有無に影響を受けない耐熱性を有
することが明らかである。従って、本発明のグルコース
脱水素酵素を用いれば、塩化ナトリウム濃度が低い生体
試料の測定において、測定時もしくは事前に当該塩化ナ
トリウムを添加する必要がないこと、および塩化ナトリ
ウム濃度が低い生体試料をそのまま測定できることか
ら、測定データの信頼性、併せて費用の低減をはかるこ
とができる。
熱性を示す変異体であるグルコース脱水素酵素Q252
Lが、溶液中にNaClが存在しない場合60℃、20
分間の処理で完全に酵素活性を失ってしまうのに対し、
本発明のグルコース脱水素酵素MbiF20は同様な処
理でも全く酵素活性を失わない。即ち、従来のグルコー
ス脱水素酵素は塩化ナトリウム濃度が高い場合に安定性
が認められるが、本発明のグルコース脱水素酵素は、塩
化ナトリウムの存在の有無に影響を受けない耐熱性を有
することが明らかである。従って、本発明のグルコース
脱水素酵素を用いれば、塩化ナトリウム濃度が低い生体
試料の測定において、測定時もしくは事前に当該塩化ナ
トリウムを添加する必要がないこと、および塩化ナトリ
ウム濃度が低い生体試料をそのまま測定できることか
ら、測定データの信頼性、併せて費用の低減をはかるこ
とができる。
【0067】[実施例12]耐熱性変異体グルコース脱
水素酵素MbiF20およびQ252Lの各熱処理時間
における熱安定性 実施例10記載の精製グルコース脱水素酵(100μg/m
L)1.0mLを1.5mL容サンプリングチューブに
入れ66℃で0〜8時間熱処理した。50 mM KH2PO4-N
a2HPO4 (pH6.5)、0.1M D(+)グルコース、2mM
NAD+より成る、3mLの反応液に100μg/mLの熱
処理後の精製酵素溶液(5μg/mLに希釈)50μL
を加えることで反応を開始させ、NADHの吸収極大で
ある340nmの吸光度を経時的に測定した。熱安定性
は、一分間当たりのNADHの生成量から酵素活性を求
め、熱処理前の変異体グルコース脱水素酵素MbiF2
0の活性値を100%とし、各熱処理時間について熱処
理後の相対活性(%)を算出し表3に示した。なお、対
照としてグルコース脱水素酵素Q252Lを用いた。
水素酵素MbiF20およびQ252Lの各熱処理時間
における熱安定性 実施例10記載の精製グルコース脱水素酵(100μg/m
L)1.0mLを1.5mL容サンプリングチューブに
入れ66℃で0〜8時間熱処理した。50 mM KH2PO4-N
a2HPO4 (pH6.5)、0.1M D(+)グルコース、2mM
NAD+より成る、3mLの反応液に100μg/mLの熱
処理後の精製酵素溶液(5μg/mLに希釈)50μL
を加えることで反応を開始させ、NADHの吸収極大で
ある340nmの吸光度を経時的に測定した。熱安定性
は、一分間当たりのNADHの生成量から酵素活性を求
め、熱処理前の変異体グルコース脱水素酵素MbiF2
0の活性値を100%とし、各熱処理時間について熱処
理後の相対活性(%)を算出し表3に示した。なお、対
照としてグルコース脱水素酵素Q252Lを用いた。
【0068】
【表3】
【0069】表3から明らかなように、グルコース脱水
素酵素Q252Lは66℃、1時間の加熱処理で酵素活
性が完全に失われるのに対して、本発明のグルコース脱
水素酵素であるグルコース脱水素酵素MbiF20は6
6℃、8時間の加熱処理でも約60%の相対活性を保持
している。即ち、本発明のグルコース脱水素酵素は、従
来のグルコース脱水素酵素に比べ、塩化ナトリウムの存
在の有無に拘わらず、極めて高い耐熱性を有する。従っ
て、本発明のグルコース脱水素酵素を用いれば、高い温
度でのグルコースの測定が可能となるため、当該測定を
迅速化できるという利点がある。
素酵素Q252Lは66℃、1時間の加熱処理で酵素活
性が完全に失われるのに対して、本発明のグルコース脱
水素酵素であるグルコース脱水素酵素MbiF20は6
6℃、8時間の加熱処理でも約60%の相対活性を保持
している。即ち、本発明のグルコース脱水素酵素は、従
来のグルコース脱水素酵素に比べ、塩化ナトリウムの存
在の有無に拘わらず、極めて高い耐熱性を有する。従っ
て、本発明のグルコース脱水素酵素を用いれば、高い温
度でのグルコースの測定が可能となるため、当該測定を
迅速化できるという利点がある。
【0070】[実施例13]耐熱性変異体グルコース脱
水素酵素MbiF20の各pH処理における安定性 実施例10記載の精製グルコース脱水素酵(100μg/m
L)を50 mM酢酸緩衝液(pH4〜5.5)、50 mMリン酸緩衝
液 (pH6〜7.5)、50 mM トリス塩酸緩衝液(pH8〜8.
5) 50 mM グリシン水酸化ナトリウム緩衝液 (pH9〜1
0.5) で5μg/mLに希釈する。それぞれの希釈酵素液
を30℃で20分間処理した。各pH処理後、各処理pHにつ
いて、下記NADH測定条件下でのグルコース脱水素酵素の
活性を測定し、最も高い値を100%とした相対活性(%)を
算出し、表4に示した。なお、対照としてグルコース脱
水素酵素Q252Lを用いた。
水素酵素MbiF20の各pH処理における安定性 実施例10記載の精製グルコース脱水素酵(100μg/m
L)を50 mM酢酸緩衝液(pH4〜5.5)、50 mMリン酸緩衝
液 (pH6〜7.5)、50 mM トリス塩酸緩衝液(pH8〜8.
5) 50 mM グリシン水酸化ナトリウム緩衝液 (pH9〜1
0.5) で5μg/mLに希釈する。それぞれの希釈酵素液
を30℃で20分間処理した。各pH処理後、各処理pHにつ
いて、下記NADH測定条件下でのグルコース脱水素酵素の
活性を測定し、最も高い値を100%とした相対活性(%)を
算出し、表4に示した。なお、対照としてグルコース脱
水素酵素Q252Lを用いた。
【0071】NADH測定条件: 3mLの反応液(50 mM T
ris-HCl pH8.0、0.1M D(+)グルコース、2mM
NAD+)に各pH処理後の精製酵素溶液50μLを加える
ことで反応を開始させ、NADHの吸収極大である34
0nmの吸光度を経時的に測定した。NADHの生成量は3
40nmにおけるNADHの分子吸光係数(1mMあた
り6.22)をもとに計算した。25℃における1分間
あたり1μmolのNADH生成量を1単位(1U)の
酵素活性とした。
ris-HCl pH8.0、0.1M D(+)グルコース、2mM
NAD+)に各pH処理後の精製酵素溶液50μLを加える
ことで反応を開始させ、NADHの吸収極大である34
0nmの吸光度を経時的に測定した。NADHの生成量は3
40nmにおけるNADHの分子吸光係数(1mMあた
り6.22)をもとに計算した。25℃における1分間
あたり1μmolのNADH生成量を1単位(1U)の
酵素活性とした。
【0072】
【表4】
【0073】表4から明らかなように、グルコース脱水
素酵素Q252Lは溶液のpHが9以上のアルカリ領域
では酵素活性を著しく失う(即ち、アルカリ変性を生ず
る)が、本発明のグルコース脱水素酵素であるグルコー
ス脱水素酵素MbiF20はpH8.0以上のアルカリ
領域で酵素活性を失わず、pH10.5においてさえもほ
とんど酵素活性を失わないという高いアルカリ耐性も併
せ持っている。即ち、本発明のグルコース脱水素酵素
は、耐アルカリ性を有する。従って、本発明のグルコー
ス脱水素酵素を用いれば、pH8.5以上のアルカリ領
域でのグルコース測定で高い精度を期待することができ
る。
素酵素Q252Lは溶液のpHが9以上のアルカリ領域
では酵素活性を著しく失う(即ち、アルカリ変性を生ず
る)が、本発明のグルコース脱水素酵素であるグルコー
ス脱水素酵素MbiF20はpH8.0以上のアルカリ
領域で酵素活性を失わず、pH10.5においてさえもほ
とんど酵素活性を失わないという高いアルカリ耐性も併
せ持っている。即ち、本発明のグルコース脱水素酵素
は、耐アルカリ性を有する。従って、本発明のグルコー
ス脱水素酵素を用いれば、pH8.5以上のアルカリ領
域でのグルコース測定で高い精度を期待することができ
る。
【0074】
【発明の効果】本発明は、Bacillus属の微生物
に由来するグルコース脱水素酵素遺伝子を改変したグル
コース脱水素酵素遺伝子を提供する。本発明の遺伝子か
ら作られるグルコース脱水素酵素は、従来のグルコース
脱水素酵素に比し、塩化ナトリウム等の無機塩の非存在
下での耐熱性を有する点、当該耐熱性に加えて更に耐ア
ルカリ性および/または改善された比活性をも保有し得
る点で優れた性質を有している。特に、塩化ナトリウム
等の無機塩の存在の有無に影響されない耐熱性は、従来
のグルコース脱水素酵素には全く認められない顕著な特
性である。
に由来するグルコース脱水素酵素遺伝子を改変したグル
コース脱水素酵素遺伝子を提供する。本発明の遺伝子か
ら作られるグルコース脱水素酵素は、従来のグルコース
脱水素酵素に比し、塩化ナトリウム等の無機塩の非存在
下での耐熱性を有する点、当該耐熱性に加えて更に耐ア
ルカリ性および/または改善された比活性をも保有し得
る点で優れた性質を有している。特に、塩化ナトリウム
等の無機塩の存在の有無に影響されない耐熱性は、従来
のグルコース脱水素酵素には全く認められない顕著な特
性である。
【0075】かかる性質を有する本発明のグルコース脱
水素酵素を用いることにより血液、尿その他体液および
各種の生体試料抽出物のような塩濃度が低く、且つ比較
的pH変動が大きい溶液中で反応を行う場合に幅広い温
度で迅速且つ安定したブドウ糖濃度の測定が可能とな
る。即ち、本発明のグルコース脱水素酵素は、安定性に
優れた糖尿病の診断試薬として有用であり、血糖値測
定、糖尿病診断薬および各種センサー等に利用すること
ができる。
水素酵素を用いることにより血液、尿その他体液および
各種の生体試料抽出物のような塩濃度が低く、且つ比較
的pH変動が大きい溶液中で反応を行う場合に幅広い温
度で迅速且つ安定したブドウ糖濃度の測定が可能とな
る。即ち、本発明のグルコース脱水素酵素は、安定性に
優れた糖尿病の診断試薬として有用であり、血糖値測
定、糖尿病診断薬および各種センサー等に利用すること
ができる。
【0076】本発明のグルコース脱水素酵素は、塩化ナ
トリウムの存在の有無に影響されない耐熱性を有してい
るため、本発明のグルコース脱水素酵素の製造法によれ
ば、従来必要とされた熱処理工程での塩化ナトリウムを
添加および脱塩工程が不要となり、製造工程の効率化お
よび簡略化を図ることができる。
トリウムの存在の有無に影響されない耐熱性を有してい
るため、本発明のグルコース脱水素酵素の製造法によれ
ば、従来必要とされた熱処理工程での塩化ナトリウムを
添加および脱塩工程が不要となり、製造工程の効率化お
よび簡略化を図ることができる。
【0077】以下、次の事項を開示する。
(21)配列表の配列番号4で表されるアミノ酸配列の
145番目のセリン、158番目のチロシンおよび16
2番目のリジンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当
該3個のアミノ酸以外のアミノ酸の1乃至数個が欠失、
置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース
脱水素酵素であって、無機塩の非存在下での耐熱性を有
するグルコース脱水素酵素。 (22)無機塩が塩化ナトリウムである(21)に記載
のグルコース脱水素酵素。 (23)(21)に記載の無機塩の非存在下での耐熱性
が、未熱処理(熱処理時間:0時間)のグルコース脱水素
酵素の溶液(100μg/mL)および当該グルコース
脱水素酵素を66℃にて1時間熱処理したものの溶液を
5μg/mLに希釈した液50μLを、それぞれ50 m
M KH2PO4-Na2HPO4 (pH6.5)、0.1M D(+)グルコ
ースおよび2mM NAD+からなる反応液3mL中に加えた
後、NADHの吸収極大である340nmの吸光度を経
時的に測定した際、1分間当たりのNADHの生成量か
ら酵素活性を算出し、未熱処理のグルコース脱水素酵素
の活性値を100%とした場合における1時間熱処理し
たグルコース脱水素酵素の相対活性(%)を算出し、当
該相対活性が10%以上の耐熱性である(21)に 記載のグルコース脱水素酵素。(24)(23)に記載
の相対活性が50%以上である(23)記載のグルコー
ス脱水素酵素。 (25)グルコース脱水素酵素が耐アルカリ性を更に有
する(21)乃至(24)のいずれかに記載のグルコー
ス脱水素酵素。 (26)(25)に記載の耐アルカリ性が、50mM酢
酸緩衝液(pH4.0〜5.5)中ではpH4.0、
4.5、5.0および5.5で、50mMリン酸緩衝液
(pH6.0〜7.5)中ではpH6.0、6.5、
7.0および7.5、50mMトリス−塩酸緩衝液(p
H8.0〜8.5)中ではpH8.0および8.5並び
にグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0〜1
0.5)中ではpH9.0、9.5、10および10.
5で30℃、20分間処理して得た各グルコース脱水素
酵素の溶液(5μg/mL)50μLを それぞれ50 m
M トリス-塩酸緩衝液(pH8.0)、0.1M D(+)グ
ルコースおよび2mM NAD+ からなる反応液3mL中に
加えた後、NADHの吸収極大である340nmの吸光
度を経時的に測定した際、1分間当たりのNADHの生
成量から酵素活性を算出し、最も高い活性値を100%
として相対活性(%)を算出した場合において、pH
9.5で処理したグルコース脱水素酵素の相対活性
(%)が50%以上の耐アルカリ性である(25)記載
のグルコース脱水素酵素。
145番目のセリン、158番目のチロシンおよび16
2番目のリジンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当
該3個のアミノ酸以外のアミノ酸の1乃至数個が欠失、
置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース
脱水素酵素であって、無機塩の非存在下での耐熱性を有
するグルコース脱水素酵素。 (22)無機塩が塩化ナトリウムである(21)に記載
のグルコース脱水素酵素。 (23)(21)に記載の無機塩の非存在下での耐熱性
が、未熱処理(熱処理時間:0時間)のグルコース脱水素
酵素の溶液(100μg/mL)および当該グルコース
脱水素酵素を66℃にて1時間熱処理したものの溶液を
5μg/mLに希釈した液50μLを、それぞれ50 m
M KH2PO4-Na2HPO4 (pH6.5)、0.1M D(+)グルコ
ースおよび2mM NAD+からなる反応液3mL中に加えた
後、NADHの吸収極大である340nmの吸光度を経
時的に測定した際、1分間当たりのNADHの生成量か
ら酵素活性を算出し、未熱処理のグルコース脱水素酵素
の活性値を100%とした場合における1時間熱処理し
たグルコース脱水素酵素の相対活性(%)を算出し、当
該相対活性が10%以上の耐熱性である(21)に 記載のグルコース脱水素酵素。(24)(23)に記載
の相対活性が50%以上である(23)記載のグルコー
ス脱水素酵素。 (25)グルコース脱水素酵素が耐アルカリ性を更に有
する(21)乃至(24)のいずれかに記載のグルコー
ス脱水素酵素。 (26)(25)に記載の耐アルカリ性が、50mM酢
酸緩衝液(pH4.0〜5.5)中ではpH4.0、
4.5、5.0および5.5で、50mMリン酸緩衝液
(pH6.0〜7.5)中ではpH6.0、6.5、
7.0および7.5、50mMトリス−塩酸緩衝液(p
H8.0〜8.5)中ではpH8.0および8.5並び
にグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0〜1
0.5)中ではpH9.0、9.5、10および10.
5で30℃、20分間処理して得た各グルコース脱水素
酵素の溶液(5μg/mL)50μLを それぞれ50 m
M トリス-塩酸緩衝液(pH8.0)、0.1M D(+)グ
ルコースおよび2mM NAD+ からなる反応液3mL中に
加えた後、NADHの吸収極大である340nmの吸光
度を経時的に測定した際、1分間当たりのNADHの生
成量から酵素活性を算出し、最も高い活性値を100%
として相対活性(%)を算出した場合において、pH
9.5で処理したグルコース脱水素酵素の相対活性
(%)が50%以上の耐アルカリ性である(25)記載
のグルコース脱水素酵素。
【0078】(27)(26)に記載の相対活性が80
%以上である(26)記載のグルコース脱水素酵素。 (28)グルコース脱水素酵素が改善された比活性を更
に有する(21)乃至(27)のいずれかに記載のグル
コース脱水素酵素。 (29)(28)に記載の改善された比活性が150u
/mg〜190u/mgの比活性である(28)記載の
グルコース脱水素酵素。 (30)配列表の配列番号4で表されるアミノ酸配列の
145番目のセリン、158番目のチロシン、162番
目および170番目のリジンならびに252番目のロイ
シンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当該5個のア
ミノ酸以外のアミノ酸の1乃至数個が欠失、置換もしく
は付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素
であって、無機塩の非存在下での耐熱性を有するグルコ
ース脱水素酵素。 (31)無機塩が塩化ナトリウムである(30)に記載
のグルコース脱水素酵素。 (32)(30)に記載の無機塩の非存在下での耐熱性
が、未熱処理(熱処理時間:0時間)のグルコース脱水素
酵素の溶液(100μg/mL)および当該グルコース
脱水素酵素を66℃にて1時間熱処理したものの溶液を
5μg/mLに希釈した液50μLを、それぞれ50 m
M KH2PO4-Na2HPO4 (pH6.5)、0.1M D(+)グルコ
ースおよび2mM NAD+からなる反応液3mL中に加えた
後、NADHの吸収極大である340nmの吸光度を経
時的に測定した際、1分間当たりのNADHの生成量か
ら酵素活性を算出し、未熱処理のグルコース脱水素酵素
の活性値を100%とした場合における1時間熱処理し
たグルコース脱水素酵素の残存活性の相対百分率(%)
を算出し、当該残存活性が10%以上の耐熱性である
(30)に記載のグルコース脱水素酵素。 (33)(32)に記載の残存活性が50%以上である
(32)記載のグルコース脱水素酵素。 (34)グルコース脱水素酵素が耐アルカリ性を更に有
する(30)乃至(33)のいずれかに記載のグルコー
ス脱水素酵素。 (35)(34)に記載の耐アルカリ性が、50mM酢
酸緩衝液(pH4.0〜5.5)中ではpH4.0、
4.5、5.0および5.5で、50mMリン酸緩衝液
(pH6.0〜7.5)中ではpH6.0、6.5、
7.0および7.5、50mMトリス−塩酸緩衝液(p
H8.0〜8.5)中ではpH8.0および8.5並び
にグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0〜1
0.5)中ではpH9.0、9.5、10および10.
5で30℃、20分間処理して得た各グルコース脱水素
酵素の溶液(5μg/mL)50μLを それぞれ50 m
M Tris-HCl(pH8.0)、0.1M D(+)グルコースお
よび2mM NAD+ からなる反応液3mL中に加えた後、
NADHの吸収極大である340nmの吸光度を経時的
に測定した際、1分間当たりのNADHの生成量から酵
素活性を算出し、最も高い活性値を100%として相対
活性(%)を算出した場合において、pH9.5で処理
したグルコース脱水素酵素の相対活性(%)が50%以
上の耐アルカリ性である(34)記載のグルコース脱水
素酵素。
%以上である(26)記載のグルコース脱水素酵素。 (28)グルコース脱水素酵素が改善された比活性を更
に有する(21)乃至(27)のいずれかに記載のグル
コース脱水素酵素。 (29)(28)に記載の改善された比活性が150u
/mg〜190u/mgの比活性である(28)記載の
グルコース脱水素酵素。 (30)配列表の配列番号4で表されるアミノ酸配列の
145番目のセリン、158番目のチロシン、162番
目および170番目のリジンならびに252番目のロイ
シンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当該5個のア
ミノ酸以外のアミノ酸の1乃至数個が欠失、置換もしく
は付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱水素酵素
であって、無機塩の非存在下での耐熱性を有するグルコ
ース脱水素酵素。 (31)無機塩が塩化ナトリウムである(30)に記載
のグルコース脱水素酵素。 (32)(30)に記載の無機塩の非存在下での耐熱性
が、未熱処理(熱処理時間:0時間)のグルコース脱水素
酵素の溶液(100μg/mL)および当該グルコース
脱水素酵素を66℃にて1時間熱処理したものの溶液を
5μg/mLに希釈した液50μLを、それぞれ50 m
M KH2PO4-Na2HPO4 (pH6.5)、0.1M D(+)グルコ
ースおよび2mM NAD+からなる反応液3mL中に加えた
後、NADHの吸収極大である340nmの吸光度を経
時的に測定した際、1分間当たりのNADHの生成量か
ら酵素活性を算出し、未熱処理のグルコース脱水素酵素
の活性値を100%とした場合における1時間熱処理し
たグルコース脱水素酵素の残存活性の相対百分率(%)
を算出し、当該残存活性が10%以上の耐熱性である
(30)に記載のグルコース脱水素酵素。 (33)(32)に記載の残存活性が50%以上である
(32)記載のグルコース脱水素酵素。 (34)グルコース脱水素酵素が耐アルカリ性を更に有
する(30)乃至(33)のいずれかに記載のグルコー
ス脱水素酵素。 (35)(34)に記載の耐アルカリ性が、50mM酢
酸緩衝液(pH4.0〜5.5)中ではpH4.0、
4.5、5.0および5.5で、50mMリン酸緩衝液
(pH6.0〜7.5)中ではpH6.0、6.5、
7.0および7.5、50mMトリス−塩酸緩衝液(p
H8.0〜8.5)中ではpH8.0および8.5並び
にグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0〜1
0.5)中ではpH9.0、9.5、10および10.
5で30℃、20分間処理して得た各グルコース脱水素
酵素の溶液(5μg/mL)50μLを それぞれ50 m
M Tris-HCl(pH8.0)、0.1M D(+)グルコースお
よび2mM NAD+ からなる反応液3mL中に加えた後、
NADHの吸収極大である340nmの吸光度を経時的
に測定した際、1分間当たりのNADHの生成量から酵
素活性を算出し、最も高い活性値を100%として相対
活性(%)を算出した場合において、pH9.5で処理
したグルコース脱水素酵素の相対活性(%)が50%以
上の耐アルカリ性である(34)記載のグルコース脱水
素酵素。
【0079】(36)(35)に記載の相対活性が80
%以上である(35)記載のグルコース脱水素酵素。 (37)グルコース脱水素酵素が改善された比活性を更
に有する(30)乃至(36)のいずれかに記載のグル
コース脱水素酵素。 (38)(37)に記載の改善された比活性が150u
/mg〜190u/mgの比活性である(37)記載の
グルコース脱水素酵素。 (39)(21)乃至(38)のいずれかに記載のグル
コース脱水素酵素をコードする遺伝子。 (40)(39)に記載の遺伝子を含む組換えベクタ
ー。 (41)(40)に記載の組換えベクターを含む形質転
換体。 (42)(41)に記載の形質転換体を培養し、得られ
る培養物からグルコース脱水素酵素を採取することを特
徴とするグルコース脱水素酵素の製造方法。 (43)(21)乃至(38)のいずれかに記載のグル
コース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキット。
%以上である(35)記載のグルコース脱水素酵素。 (37)グルコース脱水素酵素が改善された比活性を更
に有する(30)乃至(36)のいずれかに記載のグル
コース脱水素酵素。 (38)(37)に記載の改善された比活性が150u
/mg〜190u/mgの比活性である(37)記載の
グルコース脱水素酵素。 (39)(21)乃至(38)のいずれかに記載のグル
コース脱水素酵素をコードする遺伝子。 (40)(39)に記載の遺伝子を含む組換えベクタ
ー。 (41)(40)に記載の組換えベクターを含む形質転
換体。 (42)(41)に記載の形質転換体を培養し、得られ
る培養物からグルコース脱水素酵素を採取することを特
徴とするグルコース脱水素酵素の製造方法。 (43)(21)乃至(38)のいずれかに記載のグル
コース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキット。
【0080】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> Amano Enzyme Inc. <120> Glucose dehydrogenase and a co
ding gene thereof <130> P02−653 <140> <141> <160> 16 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 786 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
ence:glucose dehydrogenase modified with ch
emical mutagen <400> 1 atgtataaag atttagaagg aaaagtagtg gtc
ataacag gttcatctac aggtttggga 60 aaatcaatgg cgattcgttt tgcgacagaa aaa
gccaaag tagttgtgaa ctatcgttct 120 aaggaggacg aagctaacag cgttttagaa gaa
attaaaa aagttggcgg agaagcaatt 180 gctgtcaaag gtgatgtaac agttgagtct gac
gttatca atttagttca atctgctatt 240 aaagagtttg gaaagctaga cgttatgatt aac
aacgcag ggttagaaaa tccggtttca 300 tctcatgaaa tgtctttaag cgattggaat aaa
gtcattg atacgaactt aacgggagct 360 tttttaggca gccgtgaagc gattaaatat ttt
gtggaaa atgatattaa gggaacagtt 420 attaacatgt cgagtgttca cgagaaaatt cct
tggccat tatttgttca ttatgcagca 480 agtaaaggcg gtatgaagct tatgactgaa aca
ctggcat tagaatacgc tccaaaaggt 540 attcgtgtaa ataacattgg accaggagcg att
aatacac cgattaacgc tgagaaattt 600 gctgatcctg agcagcgtgc agatgtagaa agc
atgattc caatgggata catcggagag 660 ccggaagaaa ttgcagcagt tgctgcatgg cta
gcttctt cagaggcgag ttatgtaaca 720 ggaattacgc tctttgctga cggcggtatg aca
ctgtacc catcattcca agcaggacgc 780 ggataa
786 <210> 2 <211> 261 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
ence:glucose dehydrogenase modified with ch
emical mutagen <400> 2 Met Tyr Lys Asp Leu Glu Gly Lys Val
Val Val Ile Thr Gly Ser Ser 1 5
10 15 Thr Gly Leu Gly Lys Ser Met Ala Ile
Arg Phe Ala Thr Glu Lys Ala 20 25
30 Lys Val Val Val Asn Tyr Arg Ser Lys
Glu Asp Glu Ala Asn Ser Val 35 40
45 Leu Glu Glu Ile Lys Lys Val Gly Gly
Glu Ala Ile Ala Val Lys Gly 50 55
60 Asp Val Thr Val Glu Ser Asp Val Ile
Asn Leu Val Gln Ser Ala Ile 65 70
75 80 Lys Glu Phe Gly Lys Leu Asp Val Met
Ile Asn Asn Ala Gly Leu Glu 85
90 95 Asn Pro Val Ser Ser His Glu Met Ser
Leu Ser Asp Trp Asn Lys Val 100 105
110 Ile Asp Thr Asn Leu Thr Gly Ala Phe
Leu Gly Ser Arg Glu Ala Ile 115 120
125 Lys Tyr Phe Val Glu Asn Asp Ile Lys
Gly Thr Val Ile Asn Met Ser 130 135
140 Ser Val His Glu Lys Ile Pro Trp Pro
Leu Phe Val His Tyr Ala Ala 145 150
155 160 Ser Lys Gly Gly Met Lys Leu Met Thr
Glu Thr Leu Ala Leu Glu Tyr 165
170 175 Ala Pro Lys Gly Ile Arg Val Asn Asn
Ile Gly Pro Gly Ala Ile Asn 180 185
190 Thr Pro Ile Asn Ala Glu Lys Phe Ala
Asp Pro Glu Gln Arg Ala Asp 195 200
205 Val Glu Ser Met Ile Pro Met Gly Tyr
Ile Gly Glu Pro Glu Glu Ile 210 215
220 Ala Ala Val Ala Ala Trp Leu Ala Ser
Ser Glu Ala Ser Tyr Val Thr 225 230
235 240 Gly Ile Thr Leu Phe Ala Asp Gly Gly
Met Thr Leu Tyr Pro Ser Phe 245
250 255 Gln Ala Gly Arg Gly
260 <210> 3 <211> 786 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
ence:glucose dehydrogenase modified by gene
shaffling <400> 3 atgtataaag atttagaagg aaaagtagtg gtc
ataacag gttcatctac aggtttggga 60 aaatcaatgg cgattcgttt tgcgacagaa aaa
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gttatca atttagttca atctgctatt 240 aaagagtttg gaaagctaga cgttatgatt aac
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gtggaaa atgatattaa gggaacagtt 420 attaacatgt cgagtgttca cgagaaaatt cct
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ctgtacc catcattcca agcaggacgc 780 ggataa
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ence:glucose dehydrogenase modified by gene
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Val Val Ile Thr Gly Ser Ser 1 5
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Glu Asp Glu Ala Asn Ser Val 35 40
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Asp Pro Glu Gln Arg Ala Asp 195 200
205 Val Glu Ser Met Ile Pro Met Gly Tyr
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ence:primer for PCR <400> 5 catgccatgg caatgtataa agatttagaa gga
aaagtag 40 <210> 6 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
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ence:primer for PCR <400> 11 catgccatgg caatgtatcc ggatttaaaa gg
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ence:primer for PCR <400> 12 gtcgacgagc tcttaaccgc gtcctgcctg
30 <210> 13 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
ence:primer for PCR <400> 13 tgtggaattg tgagcgg
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ence:primer for PCR <400> 14 ttctgattta atctgtatca ggc
23 <210> 15 <211> 261 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
ence:glucose dehydrogenase modified with ch
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ence:glucose dehydrogenase modified with ch
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260
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ding gene thereof <130> P02−653 <140> <141> <160> 16 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 786 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
ence:glucose dehydrogenase modified with ch
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ence:glucose dehydrogenase modified with ch
emical mutagen <400> 2 Met Tyr Lys Asp Leu Glu Gly Lys Val
Val Val Ile Thr Gly Ser Ser 1 5
10 15 Thr Gly Leu Gly Lys Ser Met Ala Ile
Arg Phe Ala Thr Glu Lys Ala 20 25
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Glu Asp Glu Ala Asn Ser Val 35 40
45 Leu Glu Glu Ile Lys Lys Val Gly Gly
Glu Ala Ile Ala Val Lys Gly 50 55
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Ile Asn Asn Ala Gly Leu Glu 85
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Leu Gly Ser Arg Glu Ala Ile 115 120
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Gly Thr Val Ile Asn Met Ser 130 135
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250 255 Gln Ala Gly Arg Gly
260 <210> 3 <211> 786 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
ence:glucose dehydrogenase modified by gene
shaffling <400> 3 atgtataaag atttagaagg aaaagtagtg gtc
ataacag gttcatctac aggtttggga 60 aaatcaatgg cgattcgttt tgcgacagaa aaa
gccaaag tagttgtgaa ctatcgttct 120 aaggaggacg aagctaacag cgttttagaa gaa
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gtggaaa atgatattaa gggaacagtt 420 attaacatgt cgagtgttca cgagaaaatt cct
tggccat tatttgttca ttatgcagca 480 agtaaaggcg gtatgaagct aatgactaaa aca
ctggcat tagaatacgc tccaaaaggt 540 attcgtgtaa ataacattgg accaggagcg att
aatacac cgattaacgc tgagaaattt 600 gctgatcctg agcagcgtgc agatgtagaa agc
atgattc caatgggata catcggagag 660 ccggaagaaa ttgcagcagt tgctgcatgg cta
gcttctt cagaggcgag ttatgtaaca 720 ggaattacgc tctttgctga cggcggtatg aca
ctgtacc catcattcca agcaggacgc 780 ggataa
786 <210> 4 <211> 261 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
ence:glucose dehydrogenase modified by gene
shaffling <400> 4 Met Tyr Lys Asp Leu Glu Gly Lys Val
Val Val Ile Thr Gly Ser Ser 1 5
10 15 Thr Gly Leu Gly Lys Ser Met Ala Ile
Arg Phe Ala Thr Glu Lys Ala 20 25
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Glu Asp Glu Ala Asn Ser Val 35 40
45 Leu Glu Glu Ile Lys Lys Val Gly Gly
Glu Ala Ile Ala Val Lys Gly 50 55
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Asn Leu Val Gln Ser Ala Ile 65 70
75 80 Lys Glu Phe Gly Lys Leu Asp Val Met
Ile Asn Asn Ala Gly Leu Glu 85
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Leu Ser Asp Trp Asn Lys Val 100 105
110 Ile Asp Thr Asn Leu Thr Gly Ala Phe
Leu Gly Ser Arg Glu Ala Ile 115 120
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260 <210> 5 <211> 40 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
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32 <210> 8 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
ence:primer for PCR <400> 8 gtcgacgagc tctcaccctt ttcccgcttg
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ence:primer for PCR <400> 9 catgccatgg caatgtatac agatttaaaa gat
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ence:glucose dehydrogenase modified with ch
emical mutagen <400> 15 Met Tyr Lys Asp Leu Glu Gly Lys Val
Val Val Ile Thr Gly Ser Ser 1 5
10 15 Thr Gly Leu Gly Lys Ser Met Ala Ile
Arg Phe Ala Thr Glu Lys Ala 20 25
30 Lys Val Val Val Asn Tyr Arg Ser Lys
Glu Asp Glu Ala Asn Ser Val 35 40
45 Leu Glu Glu Ile Lys Lys Val Gly Gly
Glu Ala Ile Ala Val Lys Gly 50 55
60 Asp Val Thr Val Glu Ser Asp Val Ile
Asn Leu Val Gln Ser Ala Ile 65 70
75 80 Lys Glu Phe Gly Lys Leu Asp Val Met
Ile Asn Asn Ala Gly Leu Ala 85
90 95 Asn Pro Val Ser Ser His Glu Met Ser
Leu Ser Asp Trp Asn Lys Val 100 105
110 Ile Asp Thr Asn Leu Thr Gly Ala Phe
Leu Gly Ser Arg Glu Ala Ile 115 120
125 Lys Tyr Phe Val Glu Asn Asp Ile Lys
Gly Thr Val Ile Asn Met Ser 130 135
140 Ser Val His Glu Lys Ile Pro Trp Pro
Leu Phe Val His Tyr Ala Ala 145 150
155 160 Ser Lys Gly Gly Met Lys Leu Met Thr
Glu Thr Leu Ala Leu Glu Tyr 165
170 175 Ala Pro Lys Gly Ile Arg Val Asn Asn
Ile Gly Pro Gly Ala Ile Asn 180 185
190 Thr Pro Ile Asn Ala Glu Lys Phe Ala
Asp Pro Glu Gln Arg Ala Asp 195 200
205 Val Glu Ser Met Ile Pro Met Gly Tyr
Ile Gly Glu Pro Glu Glu Ile 210 215
220 Ala Ala Val Ala Ala Trp Leu Ala Ser
Ser Glu Ala Ser Tyr Val Thr 225 230
235 240 Gly Ile Thr Leu Phe Ala Asp Gly Gly
Met Thr Gln Tyr Pro Ser Phe 245
250 255 Gln Ala Gly Arg Gly
260 <210> 16 <211> 261 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequ
ence:glucose dehydrogenase modified with ch
emical mutagen <300> <400> 16 Met Tyr Lys Asp Leu Glu Gly Lys Val
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10 15 Thr Gly Leu Gly Lys Ser Met Ala Ile
Arg Phe Ala Thr Glu Lys Ala 20 25
30 Lys Val Val Val Asn Tyr Arg Ser Lys
Glu Asp Glu Ala Asn Ser Val 35 40
45 Leu Glu Glu Ile Lys Lys Val Gly Gly
Glu Ala Ile Ala Val Lys Gly 50 55
60 Asp Val Thr Val Glu Ser Asp Val Ile
Asn Leu Val Gln Ser Ala Ile 65 70
75 80 Lys Glu Phe Gly Lys Leu Asp Val Met
Ile Asn Asn Ala Gly Leu Gly 85
90 95 Asn Pro Val Ser Ser His Glu Met Ser
Leu Ser Asp Trp Asn Lys Val 100 105
110 Ile Asp Thr Asn Leu Thr Gly Ala Phe
Leu Gly Ser Arg Glu Ala Ile 115 120
125 Lys Tyr Phe Val Glu Asn Asp Ile Lys
Gly Thr Val Ile Asn Met Ser 130 135
140 Ser Val His Glu Lys Ile Pro Trp Pro
Leu Phe Val His Tyr Ala Ala 145 150
155 160 Ser Lys Gly Gly Met Lys Leu Met Thr
Glu Thr Leu Ala Leu Glu Tyr 165
170 175 Ala Pro Lys Gly Ile Arg Val Asn Asn
Ile Gly Pro Gly Ala Ile Asn 180 185
190 Thr Pro Ile Asn Ala Glu Lys Phe Ala
Asp Pro Glu Gln Arg Ala Asp 195 200
205 Val Glu Ser Met Ile Pro Met Gly Tyr
Ile Gly Glu Pro Glu Glu Ile 210 215
220 Ala Ala Val Ala Ala Trp Leu Ala Ser
Ser Glu Ala Ser Tyr Val Thr 225 230
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Met Thr Gln Tyr Pro Ser Phe 245
250 255 Gln Ala Gly Arg Gly
260
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C12N 9/04 C12N 5/00 A
(72)発明者 白 桑好
岩手県釜石市平田第3地割75番1 株式会
社海洋バイオテクノロジー研究所釜石研究
所内
(72)発明者 加々美 修
岩手県釜石市平田第3地割75番1 株式会
社海洋バイオテクノロジー研究所釜石研究
所内
Fターム(参考) 4B024 AA11 BA08 CA03 CA07 DA01
DA02 DA06 DA07 DA11 EA04
GA11 HA08
4B050 CC04 DD02 LL03
4B065 AA15Y AA17Y AA19Y AA26X
AA57X AA87X AB01 BA02
CA28 CA46
Claims (15)
- 【請求項1】 配列表の配列番号4で表されるアミノ酸
配列を含むグルコース脱水素酵素。 - 【請求項2】 配列表の配列番号4で表されるアミノ酸
配列の145番目のセリン、158番目のチロシンおよ
び162番目のリジンが保持され、当該アミノ酸配列の
うち当該3個のアミノ酸以外のアミノ酸の1乃至複数個
が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含むグ
ルコース脱水素酵素であって、無機塩の非存在下での耐
熱性を有するグルコース脱水素酵素。 - 【請求項3】 無機塩が塩化ナトリウムである請求項2
記載のグルコース脱水素酵素。 - 【請求項4】 グルコース脱水素酵素が耐アルカリ性を
更に有する請求項2または3に記載のグルコース脱水素
酵素。 - 【請求項5】 グルコース脱水素酵素が改善された比活
性を更に有する請求項2乃至4のいずれかに記載のグル
コース脱水素酵素。 - 【請求項6】 配列表の配列番号4で表されるアミノ酸
配列の145番目のセリン、158番目のチロシン、1
62番目および170番目のリジンならびに252番目
のロイシンが保持され、当該アミノ酸配列のうち当該5
個のアミノ酸以外のアミノ酸の1乃至複数個が欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列を含むグルコース脱
水素酵素であって、無機塩の非存在下での耐熱性を有す
るグルコース脱水素酵素。 - 【請求項7】 無機塩が塩化ナトリウムである請求項6
記載のグルコース脱水素酵素。 - 【請求項8】 グルコース脱水素酵素が耐アルカリ性を
更に有する請求項6または7に記載のグルコース脱水素
酵素。 - 【請求項9】 グルコース脱水素酵素が改善された比活
性を更に有する請求項6乃至8のいずれかに記載のグル
コース脱水素酵素。 - 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載のグ
ルコース脱水素酵素をコードする遺伝子。 - 【請求項11】 配列表の配列番号3で表される塩基配
列を含む遺伝子。 - 【請求項12】 請求項10または11に記載の遺伝子
を含む組換えベクター。 - 【請求項13】 請求項12に記載の組換えベクターを
含む形質転換体。 - 【請求項14】 請求項13に記載の形質転換体を培養
し、得られる培養物からグルコース脱水素酵素を採取す
ることを特徴とするグルコース脱水素酵素の製造方法。 - 【請求項15】 請求項1乃至9のいずれかに記載のグ
ルコース脱水素酵素を含むグルコースアッセイキット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002128309A JP2003310274A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | グルコース脱水素酵素およびそれをコードする遺伝子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002128309A JP2003310274A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | グルコース脱水素酵素およびそれをコードする遺伝子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003310274A true JP2003310274A (ja) | 2003-11-05 |
Family
ID=29542109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002128309A Pending JP2003310274A (ja) | 2002-04-30 | 2002-04-30 | グルコース脱水素酵素およびそれをコードする遺伝子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003310274A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005121336A1 (ja) * | 2004-06-08 | 2008-04-10 | 東亞合成株式会社 | 環境dnaの精製方法及び環境dnaからのタンパク質をコードする遺伝子の効率的なスクリーニング方法 |
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JP2012055229A (ja) * | 2010-09-09 | 2012-03-22 | Toyobo Co Ltd | フラビンアデニンジヌクレオチド依存性グルコースデヒドロゲナーゼの比活性を向上するための方法 |
JP2012517816A (ja) * | 2008-02-19 | 2012-08-09 | エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト | 乾式試薬層において低い活性を有する、速い反応速度の酵素 |
WO2012133761A1 (ja) | 2011-03-30 | 2012-10-04 | ユニチカ株式会社 | 改変型グルコースデヒドロゲナーゼ |
US9359634B2 (en) | 2009-02-19 | 2016-06-07 | Roche Diabetes Care, Inc. | Fast reaction kinetics of enzymes having low activity in dry chemistry layers |
-
2002
- 2002-04-30 JP JP2002128309A patent/JP2003310274A/ja active Pending
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KR20140032393A (ko) | 2011-03-30 | 2014-03-14 | 유니티카 가부시끼가이샤 | 개변형 글루코스 데히드로게나제 |
US9023608B2 (en) | 2011-03-30 | 2015-05-05 | Nipro Corporation | Modified glucose dehydrogenase |
EP2695939A4 (en) * | 2011-03-30 | 2015-05-06 | Unitika Ltd | MODIFIED GLUCOSE EDHYDROGENASE |
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