JP2000060572A - 好熱性デヒドロゲナーゼ、それをコードするdna、その製造方法、及びその使用 - Google Patents

好熱性デヒドロゲナーゼ、それをコードするdna、その製造方法、及びその使用

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 好熱性デヒドロゲナーゼ及びその製法を提供
すること。 【解決手段】 ヒドロキシアミノ酸又はアルコールを70
℃、特に90℃を超える温度で脱水素反応することが可能
である酵素、それをコードするDNA、その製造方法、及
びその使用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、好熱性デヒドロゲ
ナーゼ、それをコードするDNA、その製造方法、及びそ
の使用に関する。詳しくは、本発明は、ヒドロキシアミ
ノ酸又はアルコールを70℃を超える温度でNAD又はNADP
を補酵素として脱水素反応することが可能である酵素に
関する。
【0002】
【従来の技術】デヒドロゲナーゼは、酸化還元酵素の一
種であり脱水素反応を触媒する酵素の総称である。この
酵素は、例えば、アルコールからケトンへの酸化、アル
デヒドからカルボン酸への酸化、酸化的脱アミノ化反
応、不飽和結合の生成などを触媒し、その多くがNAD(H)
やNADP(H)を受容体(又は供与体)とする。
【0003】従来、補酵素であるNAD又はNADPの関与す
る酸化還元酵素反応で消費される補酵素の再生には、常
温菌のデヒドロゲナーゼ酵素が用いられてきたが、これ
らの酵素は常温付近を含む比較的低い温度でのみ使用可
能であった(N.Katayama,I.Urabe及びH.Okada,Eur.J.Bi
ochem.132,403(1983))。現在、比較的好熱性と考えら
れるデヒドロゲナーゼとして例えば酵母デヒドロゲナー
ゼなどが知られている(N.Katayamaら,上掲)が、いず
れも70℃を超える温度では不安定である。もし工業的に
アルコール類やアルデヒド類などの脱水素反応をより高
い温度で行うことができるならば、酵素を安定に取り扱
うことが可能となるだけでなく、反応効率の向上、混入
微生物の防止などの多くの利点を付与できると考えられ
る。
【0004】また、例えばセリンやトレオニンなどのヒ
ドロキシアミノ酸の個別定量には、過ヨウ素酸−クロラ
ミンT処理して生ずるCl-C≡Nをヒラゾロンで発色させる
方法や、過ヨウ素酸酸化により生じるアルデヒドをクロ
モトロープ酸で発色させて定量する方法が知られている
が、これらの反応は特異性が低く煩雑である。このよう
な定量反応を酵素的に行うことができれば特異的かつ簡
便な測定方法を提供できる可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、70℃
を超える高温下でヒドロキシアミノ酸またはアルコール
を脱水素反応することが可能である好熱性のデヒドロゲ
ナーゼ酵素を提供することである。この酵素は所謂トレ
オニンデヒドロゲナーゼ活性を有し、従来公知の活性と
比べてより高い温度で安定なものである。また、この酵
素は、ヒドロキシアミノ酸に特異的であり、補酵素の比
色定量でヒドロキシアミノ酸の定量が可能である。
【0006】本発明の別の目的は、上記デヒドロゲナー
ゼ酵素をコードするDNAを提供することである。本発明
のさらに別の目的は、上記DNAが発現されるようにこのD
NAが導入された発現ベクター、並びに、この発現ベクタ
ーで形質転換された宿主細胞を提供することである。
【0007】本発明の他の目的は、上記宿主細胞を用い
て上記デヒドロゲナーゼ酵素を製造する方法を提供する
ことである。本発明のさらに他の目的は、上記酵素をヒ
ドロキシ化合物の酵素的脱水素反応又はその反応を利用
するヒドロキシ化合物の定量に使用することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、90〜102
℃で生育できる超好熱性菌に着目し、それらの遺伝子配
列から本発明の酵素活性を示すと推測される遺伝子を見
出し、さらに遺伝子組換え技術を用いて酵素を産生し、
この酵素が90〜95℃の高温で安定でかつヒドロキシアミ
ノ酸又はアルコールを90℃以上で脱水素反応する酵素活
性を示すことを確認し、本発明を完成するに至った。こ
こで得られた遺伝子を他の微生物に組み込むことによ
り、目的の組換体酵素を多量に生産することも可能であ
る。即ち、本発明は、ヒドロキシアミノ酸又はアルコー
ルを70℃を超える温度で脱水素反応することが可能であ
る酵素を提供する。
【0009】この酵素は、90℃以上の温度で活性である
という特徴を有する。本発明の実施態様において、該酵
素は至適pH7.5〜10.0で、至適温度約95℃である。本発
明の酵素は、超好熱菌、特に硫黄代謝好熱菌、好ましく
はパイロコッカス・ホリコシイ(登録番号JCM9974)か
ら遺伝子クローニング技術(J.Sambrookら,MolecularC
loning,A Laboratory Manual,Second Ed.,Cold Sprin
g Harbor LaboratoryPress(1989)など)を用いて該酵
素をコードするcDNAを作製し、これをさらに適切なベ
クターに組み込んだ後、適切な宿主細胞に形質転換し、
該DNAの発現により製造することができる。
【0010】具体的には、本発明の酵素は、配列表の配
列番号1に示されるアミノ酸配列を有するか、あるい
は、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列におい
て1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加された
アミノ酸配列を有し、かつ70℃を超える温度でデヒドロ
ゲナーゼ活性を有するものを包含する。本発明はまた、
上記定義の酵素をコードするDNAを提供する。具体的に
は、このDNAは、配列表の配列番号1に示されるアミノ
酸配列を有する酵素、あるいはそのアミノ酸配列におい
て1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加された
アミノ酸配列を有しかつ70℃を超える温度でデヒドロゲ
ナーゼ活性を有する酵素、をコードするDNAである。さ
らに具体的には、本発明のDNAは配列表の配列番号2に
示されるヌクレオチド配列からなる。
【0011】あるいは、本発明のDNAは、配列表の配列
番号2に示されるヌクレオチド配列からなるDNAとスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ70℃を
超える温度でデヒドロゲナーゼ活性を有する酵素をコー
ドするDNAを包含する。ここで、ストリンジェントな条
件とは、少なくとも80%の同一性、好ましくは少なくと
も90%の同一性、最も好ましくは少なくとも95%の同一
性が配列間に存在するときのみハイブリダイゼーション
が起こることを意味する。一般に、ハイブリダイゼーシ
ョンは完全ハイブリッドの融解温度(Tm)より約5〜25
℃低い温度で行われる。J.Sambrookら,Molecular Clon
ing,A Laboratory Manual,Second Ed.,Cold Spring H
arbor Laboratory Press(1989)を参照することができ
る。
【0012】本発明はさらに、上記DNAを含む発現ベク
ターを提供する。具体的には、配列表の配列番号1に示
されるヌクレオチド配列からなるDNAを含むプラスミド
である。ベクターは、本発明のDNAが発現可能なように
該DNAの5'側にプロモーター等の調節配列を含む。ベク
ターはさらに、複製開始点、リボソーム結合部位、転写
終結配列、選択マーカー(抗生物質耐性、栄養要求性な
ど)、等の遺伝子要素を含むことができる。
【0013】本発明はさらにまた、上記発現ベクターで
形質転換された宿主細胞を提供する。宿主細胞は原核生
物又は真核生物由来のものであり、原核生物としては例
えば細菌類(大腸菌、枯草菌など)、真菌類などが挙げ
られ、また真核生物としては例えば酵母類、植物、昆虫
類、哺乳類が挙げられる。本発明のベクターは宿主に応
じて適合するものを任意に選択することができるが、こ
のような選択は当業者に周知されていることである。
【0014】本発明はまた、上記定義の本酵素をコード
するDNAを発現可能に含む宿主細胞を適する培地で培養
し、その結果生成した目的の酵素を回収することを含
む、ヒドロキシアミノ酸又はアルコールを70℃を超える
温度で脱水素反応することが可能である酵素の製造方法
を提供する。本発明はさらに、NAD又はNADPの存在下で
のヒドロキシ化合物の酵素的脱水素反応又はその反応を
利用するヒドロキシ化合物の定量における、上記定義の
本酵素の使用を提供する。ヒドロキシ化合物の具体例
は、ヒドロキシアミノ酸(セリン、トレオニン等)、一
級、二級又は三級アルコール、糖アルコールなどであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の酵素は、通常70℃を超え
る温度、特に90℃を超える温度であっても安定に存在し
且つデヒドロゲナーゼ活性を有する好熱性の酵素であ
る。この酵素は、前述したように、ヒドロキシアミノ酸
又はアルコールを70℃を超える温度、特に90℃を超える
温度で脱水素反応することが可能である。本発明の実施
態様において、この酵素は、硫黄代謝好熱菌であるパイ
ロコッカス・ホリコシイ(登録番号JCM9974)のゲノムD
NAからポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、遺伝子組換え技
術を利用して組換え体として得ることができる。得られ
た酵素は、配列番号1に示されるアミノ酸配列(推定分
子量:37,742)を有し、至適pH7.5〜10.0、至適温度
約95℃であり、20mMリン酸緩衝液(pH7.5)中、95℃
で3時間加熱しても90%以上の活性が残存する。
【0016】本発明の酵素をコードするDNAは配列番号
2に示されるヌクレオチド配列を有することができる
が、この配列に基づいて連続する10以上、好ましくは15
以上、さらに好ましくは約20〜約50個の塩基からなるハ
イブリダイゼーションプローブを作製し、これを用いて
パイロコッカス(Pyrococcus)属等の好熱性細菌並びに
その種及び亜種に由来するゲノム遺伝子ライブラリーか
ら、本発明の酵素をコードするDNAをスクリーニングす
ることも可能である。あるいは、耐熱性の低い細菌であ
っても化学的変異剤、紫外線等により変異処理を施し、
70℃を超えるような環境下に耐え得る細菌をスクリーニ
ングし、目的のDNA、酵素を得ることもできる。遺伝子
ライブラリーは、例えばλZAPII、pBluescript(登録
商標)クローニングベクター(Stratagene Cloning Sys
tems)などの商業的に入手可能なベクターを用いて作製
することができる。
【0017】上述のようにして得られた好熱性酵素は、
70℃を超える温度でデヒドロゲナーゼ活性を有するもの
であるが、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列
において1個以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加
(挿入を含む)されたアミノ酸配列を有する。これらの
酵素は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する酵
素の所謂変異体であり、アミノ酸レベルで、通常少なく
とも70%の相同性、好ましくは少なくとも80%の相同
性、より好ましくは少なくとも90%以上の相同性を有す
ることができる。一般に、酵素活性に過度の影響を及ぼ
さない領域であれば、その領域にアミノ酸の欠失、置
換、付加等の改変があっても酵素活性は多かれ少なかれ
維持されると考えられる。例えば部位特異的突然変異
法、PCR法(S.N.Ho,H.D.Hunt,R.M.Horton,J.K.Pullen及
びL.R.Pease,Gene77,51(1989))などの周知の技術を
用いることによって、遺伝子工学的に配列番号1に示さ
れるアミノ酸配列中に変異を導入することも可能であ
る。置換の例としては、疎水性アミノ酸(Ala、Val、Le
u、Ile等)間の置換、Ser及びThr間の置換、Asp及びGlu
間の置換、Asn及びGln間の置換、Lys及びArg間の置換、
Phe及びTyr間の置換が挙げられる。付加の例としては、
細菌性宿主での発現産物で認められる成熟蛋白のN末端
へのMetの付加、成熟型蛋白に誘導し易くするためのN
末端へのHisタグやMet-Lys若しくはMet-Arg配列の付加
などが挙げられる。また、酵素活性の喪失に導かない範
囲で、酵素蛋白のカルボキシル末端又はアミノ末端側の
アミノ酸残基をトランケートすることも可能であろう。
【0018】さらに、本発明の酵素には、グリコシル化
などの化学的修飾を施すことも可能である。配列番号1
に示すアミノ酸配列中にはGln112-X-Thr114の配列を含
むため、この部分にN−結合型糖鎖を結合し得る可能性
がある。このような糖鎖は、酵母や哺乳類細胞などの真
核細胞で本発明の酵素をコードするDNAを発現する際に
結合し得る。
【0019】本発明はまた、上記定義の酵素をコードす
るDNAも提供する。即ち、本発明のDNAは、ヒドロキシア
ミノ酸又はアルコールを70℃を超える温度で脱水素反応
することが可能である全ての酵素をコードするものを包
含する。本発明の実施態様において、該DNAは配列番号
2に示されるヌクレオチド配列を含む。また、該DNA
は、配列番号2に示されるヌクレオチド配列からなるDN
Aとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、か
つ70℃を超える温度、特に90℃を超える温度でデヒドロ
ゲナーゼ活性を有する酵素をコードすることができる。
本明細書中、ストリンジェントな条件とは、少なくとも
80%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、最
も好ましくは少なくとも95%の同一性が配列間に存在す
るときのみハイブリダイゼーションが起こることを意味
する。この条件はDNA鎖の長さによって変化し得るが、
一般に、ハイブリダイゼーションは完全ハイブリッドの
融解温度(Tm)より約5〜25℃低い温度で行われる。ま
た、高い塩濃度(例えば0.9M)のNaCl等の添加によって
イオン強度を高める場合も高いストリンジェンシーとな
る。
【0020】配列番号2に示されるDNA配列に基づき、
それに相補的な10以上、好ましくは15以上、より好まし
くは約20〜約50個の塩基からなる配列及び可能な全ての
縮重配列を有するプローブをDNA合成装置等により作製
し、このプローブを用いて好熱性細菌等の生物のゲノム
遺伝子から本発明のDNAをスクリーニングすることがで
きる。選択されたDNAは、配列番号2に示される5'末端
及び3'末端側の少なくとも10塩基、好ましくは少なく
とも15塩基、より好ましくは約20〜約100塩基の配列に
相補する配列をプライマーとして用いるPCR反応(例え
ば、変性94℃,1分;アニーリング57℃,2分;伸長70
℃,3分を1サイクルとして35サイクルの条件を使用
できる。)によって増幅することができる。あるいは、
選択されたDNAをクローニングベクターに組み込んでク
ローニングすることができる。
【0021】本発明はさらに、上記DNAを含む発現ベク
ター、このベクターを用いて形質転換又はトランスフェ
クションされた宿主細胞、並びに組換え技術による本発
明の酵素の製造も提供する。本発明のベクターは、プラ
スミド、ファージ、ウイルス等の形態であり得る。例え
ば、細菌プラスミド(pBR322、pKC30、pCFM536な
ど)、ファージDNA(ラムダファージなど)、酵母プラ
スミド(pG-1など)、哺乳類細胞用のベクターとして
のバキュロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイ
ルス等のウイルスDNA、SV40の誘導体など、植物細胞用
のベクターとしてのアグロバクテリウムなどが挙げられ
るが、宿主細胞において複製可能かつ生存可能である限
り他のいかなるベクターをも用いることができる。
【0022】ベクターは必要に応じて複製開始点、選択
マーカー、プロモーター、リボソーム結合部位等を含ん
でもよく、真核細胞用のベクターにはさらに、必要に応
じてRNAスプライス部位、ポリアデニル化シグナル等が
付加されてもよい。複製開始点として、大腸菌ベクター
に対して、例えばColE1、R因子、F因子由来のものが、
酵母用ベクターに対して、例えば2μm DNA、ARS1由来
のものが、哺乳類細胞用ベクターに対して、例えばSV4
0、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス由来のも
のを用いることができる。
【0023】プロモーターは本発明のDNAをコードする
mRNAの合成を指令するための調節配列であり、その代
表的な例は、アデノウイルス又はSV40プロモーター、大
腸菌lac又はtrpプロモーター、ファージラムダPLプロモ
ーター、酵母用としてのADH、PHO5、GPD、PGK、AOX1プ
ロモーター、蚕細胞用としての核多角体病ウイルス由来
プロモーター、植物細胞用としてのCaMVプロモーターで
ある。
【0024】選択マーカーは、形質転換宿主細胞を選択
するための表現型を宿主に付与するための遺伝子であ
り、その例として、大腸菌用ベクターには、カナマイシ
ン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、テトラサイク
リン耐性遺伝子等を、酵母用ベクターには、Leu2、Trp
1、Ura3遺伝子等を、哺乳類細胞用ベクターには、ネオ
マイシン耐性遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子、ジヒド
ロ葉酸還元酵素遺伝子等を挙げることができる。
【0025】ベクターは商業的に入手可能なものを使用
することができるが、そのようなベクターには、例え
ば、細菌性のものではpQE70、pQE60、pQE-9(Qiage
n)、pBluescript II KS、ptrc99a、pKK223-3、pDR5
40、pRIT2T(Pharmacia)、pET-11a(Novagen);及
び真核性のものではpXT1、pSG5(Stratagene)、pSV
K3、pBPV、pMSG、pSVL SV40(Pharmacia)がある。
本発明のDNAは任意の手段でベクター中に導入すること
ができる。ベクターは、種々の制限部位をその内部にも
つポリリンカーを含んでいるか、又は単一の制限部位を
含んでいることが望ましい。ベクター中の特定の制限部
位を特定の制限エンドヌクレアーゼによって切断し、そ
の切断部位に本発明のDNAを挿入する。
【0026】本発明のDNA及び調節配列を含む発現ベク
ターは、適切な宿主の形質転換に用いて宿主に本発明の
酵素を発現、産生させることができる。宿主の例として
は、細菌細胞、例えば大腸菌、ストレプトミセス、枯草
菌など;真菌細胞、例えばアスペルギルス属菌株など;
酵母細胞、例えばパン酵母、メタノール資化性酵母な
ど;昆虫細胞、例えばドロソフィラS2,スポドプテラSf9
など;哺乳類細胞、例えばCHO、COS、BHK、3T3,C127な
ど;植物細胞、例えば双子葉植物などが挙げられる。
【0027】形質転換又はトランスフェクションは、リ
ン酸カルシウム法、DEAE-デキストラン介在トランスフ
ェクション、電気穿孔法などの公知の方法で行うことが
できる。本発明の酵素は、上記のように形質転換又はト
ランスフェクトされた宿主細胞をプロモーターの制御下
において発現させ、産生した目的酵素を回収する。発現
に際しては、宿主細胞を適切な細胞密度まで増殖又は成
長させた後、プロモーターを温度シフト又は化学的誘発
(IPTG等)手段によって誘発させ、細胞をさらに一定期
間培養する。
【0028】本発明の酵素が細胞外に排出される場合に
は培地から直接に、また、細胞内に存在する場合には物
理的手段(超音波破壊、機械的破壊)若しくは化学的手
段(細胞溶解剤)によって細胞を破壊した後に、酵素を
精製する。酵素は、組換え細胞の培地から、硫酸アンモ
ニウム若しくはエタノール沈殿、酸抽出、アニオン若し
くはカチオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、ゲルろ過クロマトグラフィー、HPLC、電気泳動、ク
ロマトフォーカシング、などの慣用の技術を組合わせて
部分的に又は完全に精製することができる。
【0029】本発明はさらにまた、NAD又はNADPHの存在
下、本発明の酵素をヒドロキシ化合物と接触させて、該
ヒドロキシ化合物の脱水素反応を行い、脱水素生成物を
回収することを含む、脱水素生成物の製造方法を提供す
る。また、この脱水素反応を利用してヒドロキシ化合物
の定量を行うことができる。特に、ヒドロキシアミノ酸
(セリン、トレオニンなど)の定量に使用可能である。
【0030】ヒドロキシ化合物の例は、トレオニン、セ
リン等のヒドロキシアミノ酸;メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、グリセロール、エリト
リトール等の一級、二級及び三級アルコール;マンニト
ール、アラビトール、ミヨイノシト−ル等の糖アルコー
ルであるが、本発明の酵素によって脱水素され得る基質
はすべて包含されるものとする。本発明の酵素は、その
ままで、又は固定化担体に固定して使用することができ
る。固定化は、多糖類誘導体、アミノ酸共重合体、ポリ
アクリルアミド、スチレン樹脂、エチレン−マレイン酸
共重合体、多孔性ガラス等の不溶性担体に、酵素を担体
結合法、架橋法、包括法などの方法によって行うことが
できる。
【0031】
【実施例】本発明を以下の実施例によってさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって制限されない。 <実施例1>パイロコッカス・ホリコシイ(登録番号JC
M9974)の培養と染色体DNAの分離 13.5gのNaCl、4gのNa2SO4、0.7gのKCl、0.2gのNaH
CO3、0.1gのKBr、30mgのH3BO3、10gのMgCl2・6H
2O、1.5gのCaCl2,25mgのSrCl2、1.0mLのレザスリン
溶液(0.2g/L)、1.0gの酵母エキス、5gのバクトペ
プトンを1Lの水に溶かし、この溶液のpHを6.8に調整
し炭酸ガスで飽和して嫌気性とした後、JCM9974を植菌
した。培地が嫌気性となったか否かはNa2S溶液を加え
て、培養液中でNa2Sによるレザスリン溶液のピンク色が
着色しないことにより確認した。この培養液を95℃で2
〜4日培養し、その後、5,000rpm、10分間の遠心分離
により集菌した。
【0032】菌体を10mM Tris(pH7.5)−1mM EDTA
溶液で2回洗浄後、InCert Agarose(FMC社製)ブロック
中に封入した。このブロックを1%N-ラウロイルザルコ
シン−1mg/mLプロテアーゼK溶液中で処理することによ
り、染色体DNAがAgaroseブロック中に分離調製された。
【0033】<実施例2>好熱性トレオニンデヒドロゲ
ナーゼ遺伝子のクローニング、配列決定及び発現プラス
ミドの構築 実施例1で得られた染色体DNAから目的の遺伝子をクロ
ーニング及び配列決定した。デヒドロゲナーゼ遺伝子の
構造遺伝子領域の前後に制限酵素部位NdeI及びBamHIを
導入するために、構造遺伝子中のNdeI切断配列に変異を
導入した2組のプライマー:
【0034】5'-TTTTGAATTCGTGCATATGTCAGAAAAGATGGTA-
3'(配列番号3) (ここで、前の一重下線はEcoRIを、後の一重下線はNdeI
を示す。)と、 3'-TACGAATTTACTATGGAAATGATTCCTAGGGGGCCATGGTTTT-5'
(配列番号4) (ここで、前の一重下線はBamHIを、後の一重下線はKpnI
を示す。);並びに、 5'-TCTTGCAACCAGTATATGTGGAACTGATCTTCATAT-3'(配列番
号5) (ここで、一重下線は変異部位を示す。すなわち、構造
遺伝子配列中の484位のCがTに置換されている。)と、 3'-ATTCCAAGAACGTTGGTCATATACACCTTGACTAGA-5'(配列番
号6)
【0035】を合成し、PCR法でその遺伝子の前後に目
的の制限酵素部位を導入した。PCR反応後、制限酵素Nde
IとBamHIで37℃、2時間処理して完全に分解し、構造遺
伝子を精製した。配列分析により、好熱性トレオニンデ
ヒドロゲナーゼ遺伝子は配列番号2に示されるヌクレオ
チド配列を有すること、また該酵素が配列番号1に示さ
れるアミノ酸配列をもつことが判明した。
【0036】プラスミドpET-11a(Novagen社製)を予
め制限酵素NdeIとBamHIで切断し精製した後、T4リガー
ゼを用いて上記の構造遺伝子と16℃、2時間反応させ、
連結した。連結したDNAの一部をE.coli−XL2-BlueMRF'
のコンピテント細胞(Novagen社製)に導入し、形質転
換体のコロニーを得た。得られたコロニーから発現プラ
スミドをアルカリ法(Qiagen社製のPlasmid Maxi Kit使
用)で精製した。この発現プラスミドを大腸菌株E.coli
BL21(DE3)(Novagen社製)に移入して「大腸菌 TDH」
の識別名で平成10年8月7日に通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託し受託番号FERM P-16931が与
えられた。
【0037】<実施例3>組換え遺伝子の発現 大腸菌(E. coli BKL21(DE3);Novagen社製)のコンピテ
ント細胞を融解してファルコンチューブにその0.1mLを
移した。チューブに、実施例2で得た発現プラスミド溶
液0.005mLを加え、氷中に30分間放置した後、42℃で30
秒間ヒートショックを行い、2YT培地(培地1リットル
中に酵母エキス10g、バクトトリプトン16g、NaCl5g
を含む液を殺菌したもの)0.9mLを加え、37℃で1時間培
養した。その後、アンピシリンを含む2YT寒天プレート
に適量まき、37℃で一晩培養し、形質転換体を得た。得
られた形質転換体をアンピシリンを含む2YT培地で600n
mの吸収が1に達するまで培養した後、IPTG(イソプロ
ピル−β−D-チオガラクトピラノシド)を加え、さらに
6時間培養した。培養後、6,000rpmで20分間遠心分離し
て集菌した。
【0038】<実施例4>好熱性トレオニンデヒドロゲ
ナーゼ酵素の精製 実施例3で得た形質転換大腸菌にその2倍重量のアルミ
ナを加え、菌体を粉砕した後、5倍量の10mM Tris−HCl
緩衝液(pH8.0)をさらに加えて懸濁液を得た。この懸
濁液を85℃で30分間加熱した後、11,000rpmで20分間遠
心分離し、上清をHiTrap Q(Pharmacia社製)カラムに
吸着させ、画分を電気泳動法でモニターし、活性画分を
得た。得られた活性画分溶液をセントリコン(Amicon社
製)で濃縮後、ゲルろ過カラムSuperdex 200(Pharmaci
a社製)に通すことにより精製酵素を得た。得られた酵
素は以下に示す性質を有していた。
【0039】(1)至適pH 酵素活性の至適pHは、50mM酢酸ナトリウム緩衝液、50m
Mリン酸緩衝液、及び50mM Tris-HCl緩衝液でpH4〜8の
緩衝液を作り、以下に示す活性測定により決定した。す
なわち、特異的基質であるL-トレオニン10mM、NAD 1m
M、ZnSO4の1mM溶液、及び精製酵素液10μLを含む反応液
1mLを調製し、65℃で酵素の加水分解活性の初速度を測
定することにより決定した。分光光度計(JASCO V550)
を用いて340nmの吸光度の増加を測定した。その結果、
精製酵素の至適pHは7.5〜10.0であった。
【0040】(2)至適温度 特異的基質としてL-トレオニン10mMを使用し、25mM Tri
s緩衝液(pH8)中に一定量の酵素を加え反応させ、相
対活性を調べた。至適温度は約95℃であった。 (3)耐熱性 精製酵素溶液(0.45mg/mL)を95℃で3時間加熱後、残存
活性を調べたが、活性の低下は10%以下であった。ま
た、円偏向二色性(CD)の測定を25〜90℃で測定した
が、100mMのNaClを50mMリン酸緩衝液に0.1g/mLの酵素
を溶かした液で25℃と90℃の結果を比較すると、90℃で
わずかながら熱変性が起こっていることが観察された。
カロリメーター(DSC)によると、変性のメインピーク
は95、107、114℃に観察された。
【0041】(4)分子量及び金属含量 精製酵素の電気泳動では3〜4万ダルトンの分子量を示
したが、ゲルろ過の溶出液からは、3〜4万の2倍のサイ
ズの溶出位置に活性が溶出したので、この酵素は通常は
ホモ二量体で存在していることが判った。また、原子放
射分析(Inductively coupled plasma atomic emission
spectrometry)によって、本酵素は亜鉛分子を1分子含
有することが判った。
【0042】
【発明の効果】本発明により、70℃、特に90℃を超える
温度でヒドロキシアミノ酸又はアルコールを脱水素反応
することが可能な好熱性酵素が提供される。この酵素
は、高温下でのヒドロキシ化合物の酵素的脱水素反応や
補酵素の再生、並びにトレオニンやセリン等のヒドロキ
シアミノ酸の特異的定量等の分析に用いることができ
る。
【0043】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Agency of Industrial Science and Technology <120> Heat-resistant dehydrogenase, DNA encoding the same, process for p reparing the same, and use of the same <130> 11900223 <160> 6 <210> 1 <211> 348 <212> PRT <213> Pyrococcus horikoshii <400> 1 Met Ser Glu Lys Met Val Ala Ile Met Lys Thr Lys Pro Gly Tyr Gly 1 5 10 15 Ala Glu Leu Val Glu Val Asp Val Pro Lys Pro Gly Pro Gly Glu Val 20 25 30 Leu Ile Lys Val Leu Ala Thr Ser Ile Cys Gly Thr Asp Leu His Ile 35 40 45 Tyr Glu Trp Asn Glu Trp Ala Gln Ser Arg Ile Lys Pro Pro Gln Ile 50 55 60 Met Gly His Glu Val Ala Gly Glu Val Val Glu Ile Gly Pro Gly Val 65 70 75 80 Glu Gly Ile Glu Val Gly Asp Tyr Val Ser Val Glu Thr His Ile Val 85 90 95 Cys Gly Lys Cys Tyr Ala Cys Arg Arg Gly Gln Tyr His Val Cys Gln 100 105 110 Asn Thr Lys Ile Phe Gly Val Asp Thr Asp Gly Val Phe Ala Glu Tyr 115 120 125 Ala Val Val Pro Ala Gln Asn Ile Trp Lys Asn Pro Lys Ser Ile Pro 130 135 140 Pro Glu Tyr Ala Thr Leu Gln Glu Pro Leu Gly Asn Ala Val Asp Thr 145 150 155 160 Val Leu Ala Gly Pro Ile Ser Gly Lys Ser Val Leu Ile Thr Gly Ala 165 170 175 Gly Pro Leu Gly Leu Leu Gly Ile Ala Val Ala Lys Ala Ser Gly Ala 180 185 190 Tyr Pro Val Ile Val Ser Glu Pro Ser Asp Phe Arg Arg Glu Leu Ala 195 200 205 Lys Lys Val Gly Ala Asp Tyr Val Ile Asn Pro Phe Glu Glu Asp Val 210 215 220 Val Lys Glu Val Met Asp Ile Thr Asp Gly Asn Gly Val Asp Val Phe 225 230 235 240 Leu Glu Phe Ser Gly Ala Pro Lys Ala Leu Glu Gln Gly Leu Gln Ala 245 250 255 Val Thr Pro Ala Gly Arg Val Ser Leu Leu Gly Leu Tyr Pro Gly Lys 260 265 270 Val Thr Ile Asp Phe Asn Asn Leu Ile Ile Phe Lys Ala Leu Thr Ile 275 280 285 Tyr Gly Ile Thr Gly Arg His Leu Trp Glu Thr Trp Tyr Thr Val Ser 290 295 300 Arg Leu Leu Gln Ser Gly Lys Leu Asn Leu Asp Pro Ile Ile Thr His 305 310 315 320 Lys Tyr Lys Gly Phe Asp Lys Tyr Glu Glu Ala Phe Glu Leu Met Arg 325 330 335 Ala Gly Lys Thr Gly Lys Val Val Phe Met Leu Lys 340 <210> 2 <211> 1047 <212> DNA <213> Pyrococcus horikoshii <400> 2 atgtcagaaa agatggtagc tatcatgaag acaaagcctg ggtatggtgc tgagcttgtt 60 gaggtggacg ttccaaagcc tggacctgga gaagttctca ttaaggttct tgcaaccagc 120 atatgtggaa ctgatcttca tatatacgag tggaatgagt gggcacagag caggattaag 180 ccacctcaga taatggggca tgaagttgcg ggagaagtcg ttgaaatcgg gccaggtgtg 240 gaaggaattg aagttggtga ctacgtttcc gttgaaacgc acatagtttg tggcaagtgt 300 tacgcctgca gaaggggcca gtaccacgtc tgccagaata ccaagatatt tggcgtcgat 360 acagatggcg tattcgcaga gtatgccgtt gttccagccc aaaatatctg gaagaatcct 420 aaatcaattc caccagaata tgcaaccctc caggagccct tgggtaatgc tgttgatacc 480 gttttggcag gaccaatttc tggtaagagc gttttaataa ccggagcggg gccccttgga 540 ttattgggaa ttgcagtggc aaaagcgtct ggcgcatacc ctgtgatagt ctcagaacct 600 agtgacttca gaagggagtt ggccaagaag gtaggtgctg attacgttat caatccattc 660 gaagaggatg tcgttaagga ggtaatggat atcacagatg gaaatggtgt tgacgtattt 720 ctggaattca gtggagctcc taaggctcta gagcagggtc ttcaagcagt tacacctgct 780 ggaagggtat ctctcctggg tctataccca ggaaaggtta ccattgactt taacaatcta 840 ataatcttca aggcgctaac aatctatgga ataactggaa ggcacctctg ggaaacttgg 900 tatacagttt caaggctcct tcagagcgga aagctcaact tagatcctat tataactcat 960 aaatataagg gattcgacaa gtacgaggaa gcctttgagc taatgagggc cggcaaaacg 1020 ggtaaagttg tttttatgct taaatga 1047 <210> 3 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 3 ttttgaattc gtgcatatgt cagaaaagat ggta 34 <210> 4 <211> 43 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 4 tacgaattta ctatggaaat gattcctagg gggccatggt ttt 43 <210> 5 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 5 tcttgcaacc agtatatgtg gaactgatct tcatat 36 <210> 6 <211> <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 6 attccaagaa cgttggtcat atacaccttg actaga 36
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月19日(1999.7.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本発明はまた、上記定義の酵素をコードす
るDNAも提供する。即ち、本発明のDNAは、ヒドロキシア
ミノ酸又はアルコールを70℃を超える温度で脱水素反応
することが可能である全ての酵素をコードするものを包
含する。本発明の実施態様において、該DNAは配列番号
2に示されるヌクレオチド配列を含む。また、該DNA
は、配列番号2に示されるヌクレオチド配列からなるDN
Aとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、か
つ70℃を超える温度、特に90℃を超える温度でデヒドロ
ゲナーゼ活性を有する酵素をコードすることができる。
本明細書中、ストリンジェントな条件とは、少なくとも
80%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一性、最
も好ましくは少なくとも95%の同一性が配列間に存在す
るときのみハイブリダイゼーションが起こることを意味
する。この条件はDNA鎖の長さによって変化し得るが、
一般に、ハイブリダイゼーションは完全ハイブリッドの
融解温度(Tm)より約5〜25℃低い温度で行われる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月14日(1999.10.
14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 9/04 C12R 1:19) (C12N 9/06 C12R 1:19) (72)発明者 小杉 佳次 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 松井 郁夫 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 石田 紘靖 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 石川 一彦 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 安藤 進 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技術 院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 アニスール ラーマン カーン バングラデッシュ国 ダーカ−1216,ミル プール,ハウス−9,ロード−4,ブロッ ク−G,セクション−1 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA08 CA03 DA06 EA04 GA11 HA11 4B050 CC03 DD02 FF12E FF13E LL03 4B063 QA01 QQ68 QQ80 QR04 4B065 AA01Y AA26X AB01 AC14 BA02 BB11 BD01 BD08 BD15 BD18 CA28 CA46

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシアミノ酸又はアルコールを70
    ℃を超える温度で脱水素反応することが可能である酵
    素。
  2. 【請求項2】 パイロコッカス属由来のものである、請
    求項1に記載の酵素。
  3. 【請求項3】 至適pHが7.5〜10.0で、至適温度が約95
    ℃である、請求項2に記載の酵素。
  4. 【請求項4】 組換体である、請求項1〜3のいずれか
    に記載の酵素。
  5. 【請求項5】 配列表の配列番号1に示されるアミノ酸
    配列を有するか、あるいは、配列表の配列番号1に示さ
    れるアミノ酸配列において1個以上のアミノ酸が欠失、
    置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつ70℃
    を超える温度でデヒドロゲナーゼ活性を有する、請求項
    1〜4のいずれかに記載の酵素。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の酵素を
    コードするDNA。
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号2に示されるヌクレオ
    チド配列からなる、請求項6に記載のDNA。
  8. 【請求項8】 配列表の配列番号2に示されるヌクレオ
    チド配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハ
    イブリダイズし、かつ70℃を超える温度でデヒドロゲナ
    ーゼ活性を有する酵素をコードする、請求項6に記載の
    DNA。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかに記載のDNAを
    含む発現ベクター。
  10. 【請求項10】 配列表の配列番号2に示されるヌクレ
    オチド配列からなるDNAを含むプラスミドである、請求
    項9に記載の発現ベクター。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載の発現ベクタ
    ーで形質転換された宿主細胞。
  12. 【請求項12】 大腸菌である、請求項11に記載の宿
    主細胞。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載の宿主細胞
    を培養し、発現の結果生成した、ヒドロキシアミノ酸又
    はアルコールを70℃を超える温度で脱水素反応すること
    が可能である酵素を回収することを含む、前記酵素の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 NAD又はNADPの存在下でのヒドロキシ
    化合物の酵素的脱水素反応又はその反応を利用するヒド
    ロキシ化合物の定量における、請求項1〜5のいずれか
    に記載の酵素の使用。
  15. 【請求項15】 ヒドロキシ化合物がヒドロキシアミノ
    酸、一級、二級又は三級アルコール、及び糖アルコール
    からなる群から選択される、請求項14に記載の使用。
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