JP2002536999A - ガラクトース・オキシダーゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードする核酸 - Google Patents

ガラクトース・オキシダーゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードする核酸

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JP2002536999A
JP2002536999A JP2000601170A JP2000601170A JP2002536999A JP 2002536999 A JP2002536999 A JP 2002536999A JP 2000601170 A JP2000601170 A JP 2000601170A JP 2000601170 A JP2000601170 A JP 2000601170A JP 2002536999 A JP2002536999 A JP 2002536999A
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nucleic acid
acid sequence
seq
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JP2000601170A
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ゴライトリー,エリザベス
エム. バーカ,ランディ
ダブリュ. レイ,マイケル
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ノボザイムス バイオテック,インコーポレイティド
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    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • C12N9/0006Oxidoreductases (1.) acting on CH-OH groups as donors (1.1)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ガラクトースオキシダーゼ活性を有する単離されたポリペプチドおよび当該ポリペプチドをコードしている単離された核酸配列に関するものである。本発明はさらに、当該核酸配列を含む核酸組み立て物、ベクター、および宿主細胞、ならびに当該ポリペプチドを生成し使用するための方法に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 発明の分野 本発明は、ガラクトースオキシダーゼ活性を有する単離されたポリペプチドお
よび当該ポリペプチドをコードしている単離された核酸配列に関するものである
。本発明はさらに、当該核酸配列を含む核酸組み立て物、ベクター、および宿主
細胞、ならびに当該ポリペプチドを生成し使用するための方法に関するものであ
る。
【0002】 関連技術の説明 ガラクトースオキシダーゼ(EC1.1.3.9)は、分子状酸素の存在下にお
けるD−ガラクトースの、D−ガラクト−ヘキソジアルドースおよび過酸化水素
への酸化を触媒する。
【0003】 ガラクトースオキシダーゼは、Polyporus circinatus(Amarai等、1966、Meth
ods in Enzymology 9:87-92;Avigad等、1962、Journal of Biological Chemist
ry 237:2736-2743;Kosman等、1974、Archives of Biochemistry and Biophysic
s 165:456-467)、Dactylium dendroides(TresselおよびKosman、1982、Method
s in Enzymology 89:163-171;Kellener等、1988、Archives of Biochemistry a
nd Biophysics 262:349-354)、Gibberella fujikuroi(AsakaおよびTerada、19
82、Agricultural and Biological Chemistry 46:333-340)、Fusarium Gramine
arum(DiasおよびKemmelmeir、1987、Rev.Microbiol. 18:276-278)から単離さ
れている。
【0004】 ガラクトースオキシダーゼをコードしている遺伝子は、Stigmatella aurantia
ca(Silakowski等、1998、Journal of Bacteriology 180:1241-1247)およびDac
tylium dendroides(McPherson等、1992、Journal of Biological Chemistry 26
7:8146-8152)から単離されている。
【0005】 ガラクトースオキシダーゼ活性を有する改良されたポリペプチドおよび該ポリ
ペプチドをコードしている核酸を提供することが、本発明の目的である。
【0006】 発明の要約 本発明は、 (a)配列番号2のアミノ酸21ないし679と少なくとも65%の一致を有
するアミノ酸配列を有するポリペプチド; (b)中等度緊縮条件下で、(i)配列番号1のヌクレオチド61ないし20
37、(ii)配列番号1のヌクレオチド61ないし2037に含まれるcDNA
配列、(iii)少なくとも100ヌクレオチドを有する(i)または(ii)の部
分配列、または(iv)(i)、(ii)、または(iii)の相補鎖、とハイブリダ
イズする核酸配列によりコードされているポリペプチド; (c)1またはそれ以上のアミノ酸の置換、除去、および/または挿入を含む
、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体; (d)(a)または(b)のアレレ変異体;および、 (e)ガラクトースオキシダーゼ活性を有する(a)、(b)、または(d)の
フラグメント、 より成る群から選ばれる、ガラクトースオキシダーゼ活性を有する単離されたポ
リペプチドに関するものである。
【0007】 本発明はさらに、当該ポリペプチドをコードしている単離された核酸配列、お
よび当該核酸配列を含む核酸組み立て物、ベクター、および宿主細胞、ならびに
当該ポリペプチドを生成し使用するための方法に関するものである。
【0008】 発明の詳細な説明 ガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチド 「ガラクトースオキシダーゼ活性」という語は、分子状酸素の存在下における
D−ガラクトースの、D−ガラクト−ヘキソジアルドースおよび過酸化水素への
酸化を触媒する、D−ガラクトース:酸素6−オキシドレダクターゼ活性として
本明細書中に定義される。D−ガラクトースの外に、その他の天然基質には、ジ
ヒドロキシアセトン、グリセロール、ラフィノース、メチル−α−D−ガクトピ
ラノース、およびメチル−β−D−ガラクトピラノースを包含するが、これらに
限定される訳ではない。本発明の目的のため、ガラクトースオキシダーゼ活性は
、Baron等、1994、Journal of Biological Chemistry 269:25095-25105に記載の
方法に従って決定するが、この方法では、ガラクトースオキシダーゼによるD(
+)−ガラクトースおよびOからの過酸化水素の生成を、西洋ワサビペルオキ
シダーゼ存在下での2,2’−アジド−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−
スルホン酸)(ABTS)の酸化と結び付けることによって、ガラクトースオキ
シダーゼ活性を測定する。1単位のガラクトースオキシダーゼ活性は、24℃、
pH7において1分間当たり1.0μmoleの過酸化水素の生成として定義される。
【0009】 第一の態様では、本発明は、ガラクトースオキシダーゼ活性を有する、配列番
号2のアミノ酸21ないし679(即ち成熟ポリペプチド)と、少なくとも約6
5%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、さ
らに好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%、そし
てまさに最も好ましくは少なくとも約97%の程度の一致を有するアミノ酸配列
を有する単離されたポリペプチドに関するものである(以後「ホモローガスなポ
リペプチド」と称する)。好ましい態様において、このホモローガスなポリペプ
チドは、配列番号2のアミノ酸21ないし679と、5個のアミノ酸、好ましく
は4個のアミノ酸、より好ましくは3個のアミノ酸、さらに好ましくは2個のア
ミノ酸、そして最も好ましくは1個のアミノ酸が異なっているアミノ酸配列を有
する。本発明の目的のため、二つのアミノ酸配列間の一致の程度は、限界評点7
0でBLOSUM 62マトリックスを用いる改良Smith-Watermanアルゴリズムと共にGen
eAssist(商標)ソフトウェア(Perkin-Elmer Applied Biosystems,Inc.、フォ
スターシティー、CA)を使用して決定する。
【0010】 好ましくは、本発明に係るポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列もしく
はそのアレレ変異体;またはガラクトースオキシダーゼ活性を有するそのフラグ
メントを含む。より好ましい態様では、本発明に係るポリペプチドは配列番号2
のアミノ酸配列を含む。別の好ましい態様においては、本発明に係るポリペプチ
ドは、配列番号2のアミノ酸21ないし679、もしくはそのアレレ変異体;ま
たはガラクトースオキシダーゼ活性を有するそのフラグメントを含む。別の好ま
しい態様において、本発明に係るポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸21な
いし679を含む。別の好ましい態様において、本発明に係るポリペプチドは、
配列番号2のアミノ酸配列もしくはそのアレレ変異体;またはガラクトースオキ
シダーゼ活性を有するそのフラグメントで構成される。別の好ましい態様におい
て、本発明に係るポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列で構成される。別
の好ましい態様において、当該ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸21ない
し679もしくはそのアレレ変異体;またはガラクトースオキシダーゼ活性を有
するそのフラグメントで構成される。別の好ましい態様において、当該ポリペプ
チドは、配列番号2のアミノ酸21ないし679で構成される。
【0011】 配列番号2のフラグメントは、このアミノ酸配列のアミノおよび/またはカル
ボキシ末端から1またはそれ以上のアミノ酸が除去されたポリペプチドである。
好ましくは、フラグメントは少なくとも560のアミノ酸残基、より好ましくは
少なくとも600のアミノ酸残基、そして最も好ましくは少なくとも640のア
ミノ酸残基を含んでいる。
【0012】 アレレ(対立遺伝子)変異体とは、同一の染色体座を占める一つの遺伝子の2
またはそれ以上の選択されるべき型のいずれかを指す。アレレ変異体は突然変異
によって自然に生じ、集団内に多型性を生むことがある。遺伝子突然変異は、サ
イレント(コードされているポリペプチドに変化が無い)であることがあり、ま
たは変化したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることもある。ポリ
ペプチドのアレレ変異体とは、遺伝子のアレレ変異体によりコードされているポ
リペプチドである。
【0013】 第二の態様において、本発明は、極めて低い緊縮条件、好ましくは低緊縮条件
、より好ましくは中等度緊縮条件、より好ましくは中等度−高度緊縮条件、さら
に好ましくは高緊縮条件、そして最も好ましくは極めて高い緊縮条件下で、(i
)配列番号1のヌクレオチド61ないし2037、(ii)配列番号1のヌクレオ
チド61ないし2037に含まれるcDNA配列、(iii)(i)または(ii)の
部分配列、または(iv)(i)、(ii)、もしくは(iii)の相補鎖、と同条件
下でハイブリダイズする核酸プローブとハイブリダイズする核酸配列によりコー
ドされている、ガラクトースオキシダーゼ活性を有する単離されたポリペプチド
に関するものである(J.Sambrook、E.F.FritschおよびT.Maniatus、1989、Molec
ular Cloning, A Laboratory Manual、第2版、コールド・スプリング・ハーバ
ー、ニューヨーク)。配列番号1の部分配列は、少なくとも100ヌクレオチド
または好ましくは少なくとも200ヌクレオチドであってよい。さらに、この部
分配列は、ガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドフラグメントを
コードしていてよい。このポリペプチドはさらに、ガラクトースオキシダーゼ活
性を有するポリペプチドのアレレ変異体またはフラグメントであってよい。
【0014】 配列番号1の核酸配列またはその部分配列、ならびに配列番号2のアミノ酸配
列またはそのフラグメントは、当分野で周知の方法に従って、ガラクトースオキ
シダーゼ活性を有する、異なった属または種の菌株由来のポリペプチドをコード
しているDNAを同定およびクローニングするための核酸プローブを設計するた
めに使用することができる。特に、このようなプローブは、その中にある対応遺
伝子を同定および単離するため、標準サザンブロッティング法に従い、注目され
ている属または種のゲノムまたはcDNAとハイブリダイズさせるために使用す
ることができる。このようなプローブは、その配列全体よりもかなり短いもので
あってよいが、少なくとも15、好ましくは少なくとも25、そして、より好ま
しくは少なくとも35ヌクレオチド長であるべきである。より長いプローブもま
た使用できる。DNAおよびRNAプローブの両者を使用することができる。プ
ローブは、対応遺伝子を検出するため、典型的には標識する(例えば、32P、 H、35S、ビオチン、またはアビジンによる)。係るプローブは本発明によ
り包含される。
【0015】 したがって、このようなその他の生物から調製されるゲノムDNAまたはcD
NAライブラリーを、上記のプローブとハイブリダイズしガラクトースオキシダ
ーゼ活性を有するポリペプチドをコードしているDNAについてスクリーニング
することができる。このようなその他の生物由来のゲノムまたはその他のDNA
は、アガロースもしくはポリアクリルアミドゲル電気泳動、またはその他の分離
技術によって分離することができる。このライブラリー由来のDNAまたは分離
されたDNAは、ニトロセルロースまたはその他の適当な担体材料へと移し、そ
こに固定化することができる。配列番号1またはその部分配列とホモローガスな
クローンまたはDNAを同定するため、その担体材料をサザンブロッティングで
使用する。本発明の目的のため、ハイブリダイゼーションとは、核酸配列が、極
めて低いないし極めて高い緊縮条件下で、配列番号1に示される核酸配列、その
相補鎖、またはその部分配列に対応する標識された核酸プローブとハイブリダイ
ズすることを示す。核酸プローブがこれらの条件下でハイブリダイズする分子は
、X線フィルムを用いて検出する。
【0016】 好ましい態様において、核酸プローブは、配列番号2のポリペプチドをコード
している核酸配列、またはその部分配列である。別の好ましい態様では、この核
酸プローブは配列番号1である。別の好ましい態様では、この核酸プローブは、
配列番号1の成熟ポリペプチドコード化領域である。別の好ましい態様において
、この核酸プローブは、Escherichia coli NRRL B-30076に含まれるプラスミド
pEJG45に含まれる核酸配列であって、ここで当該核酸配列はガラクトース
オキシダーゼ活性を有するポリペプチドをコードしている。別の好ましい態様に
おいて、この核酸プローブは、Escherichia coli NRRL B-30076に含まれるプラ
スミドpEJG45に含まれる成熟ポリペプチドコード化領域である。
【0017】 少なくとも100ヌクレオチド長を有する長いプローブのための、極めて低い
ないし極めて高い緊縮(ストリンジェンシー)条件とは、極めて低いおよび低い
緊縮性に対しては、5XSSPE中42℃、0.3%SDS、200μg/mLの剪
断および変性鮭精子DNAであって、且つ、極めて低いおよび低い緊縮性に対し
ては25%ホルムアミド、中等度および中等度−高緊縮性に対しては35%ホル
ムアミド、または高いおよび極めて高い緊縮性に対しては50%ホルムアミドで
の、標準サザンブロッティング法に従うプレハイブリダイゼーションおよびハイ
ブリダイゼーションと定義される。
【0018】 少なくとも100ヌクレオチド長を有する長いプローブのためには、担体材料
は、最後に、好ましくは少なくとも45℃で(極めて低い緊縮性)、より好まし
くは少なくとも50℃で(低緊縮性)、より好ましくは少なくとも55℃で(中
等度緊縮性)、より好ましくは少なくとも60℃で(中等度−高緊縮性)、さら
に好ましくは少なくとも65℃で(高緊縮性)、そして最も好ましくは少なくと
も70℃で(極めて高い緊縮性)、2xSSC、0.2%SDSを使用し15分
間ずつ3回洗浄する。
【0019】 約15ヌクレオチドないし約70ヌクレオチド長を有する短いプローブのため
には、緊縮条件とは、0.9M NaCl、0.09Mトリス−HCl(pH7.6)
、6mMEDTA、0.5% NP−40、1Xデンハート溶液、1mMピロ燐酸ナト
リウム、1mM一塩基燐酸ナトリウム、0.1mMATP、および1mL当たり0.2mg
酵母RNA中、BoltonおよびMcCarthyによる計算(1962、Proceedings of the N
ational Academy of Sciences USA 48:1390)を用いて算出されたT以下の5
℃ないし10℃での、標準サザンブロッティング法に従うプレハイブリダイゼー
ション、ハイブリダイゼーション、およびハイブリダイゼーション後洗浄として
定義される。
【0020】 約15ヌクレオチドないし約70ヌクレオチド長を有する短いプローブのため
には、担体材料は、0.1%SDSを加えた6X SCC中15分間を1回、そし
て6X SSCを用いて15分間を2回、算出されたT以下の5℃ないし10
℃で洗浄する。
【0021】 第三の態様において、本発明は、1またはそれ以上のアミノ酸の置換、除去、
および/または挿入を含む、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドの
変異体に関するものである。
【0022】 この変異体ポリペプチドのアミノ酸配列は、1またはそれ以上のアミノ酸残基
の挿入または除去、および/または1またはそれ以上のアミノ酸残基が異なるア
ミノ酸残基に置換されていることによって、配列番号2のアミノ酸配列またはそ
の成熟ポリペプチドと相違していてよい。好ましくは、アミノ酸変化は重要性の
低い性格のもの、即ち、当該蛋白の折り畳みおよび/または活性に著明な影響を
及ぼさない同類アミノ酸置換;小部分の除去、典型的には1ないし約30アミノ
酸;アミノ末端メチオニン残基のような小さなアミノまたはカルボキシ末端伸長
;約20−25残基までの小さなリンカーペプチド;またはポリヒスチジン領域
、抗原性エピトープまたは結合ドメインといった、正味の電荷もしくは別の機能
を変化させることにより精製を容易にする、小さな伸長、である。
【0023】 同類置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジンおよびヒスチジン)、
酸性アミノ酸(グルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミ
ンおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシンおよびバリ
ン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン)、
および小型アミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、スレオニンおよびメチオニ
ン)の群内部での置換である。特異活性を一般に変化させないアミノ酸置換は当
分野で知られており、例えばH.NeurathおよびR.L.Hill、1979、The Proteins、A
cademic Press、ニューヨーク、に記載されている。最も普通に起こる交換は、
Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/
Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、
Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/
Ile、Leu/Val、Ala/GluおよびAsp/Gly、ならびにこれ
らの逆である。
【0024】 第四の態様において、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプ
チドまたはその成熟ポリペプチドに対する免疫化学的同一性または部分的免疫化
学的同一性を有する単離されたポリペプチドに関するものである。免疫化学的性
質は、周知のオクタロニー二重免疫拡散法による免疫学的交差反応同一性試験に
よって決定される。個別的には、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドまたはその成熟ポリペプチドのエピトープと免疫反応性である、またはこれと
結合するポリクローナル抗体を含む抗血清は、HarboeおよびIngild、N.H.Axelse
n、J.Kroll、およびB.Weeks編、A Manual of Quantitative Immunoelectrophore
sis、Blackwell Scientific Publications、1973、23章、またはJohnstoneおよ
びThorpe、Immunochemistry in Practice、Blackwell Scientific Publications
、1982(より詳細には27-31頁)に記載の方法に従ってウサギ(またはその他の齧
歯類)を免疫することによって調製する。免疫学的同一性を有するポリペプチド
とは、特定の免疫化学的技術を使用する時、同一の様式で、例えば沈降物の全融
合、同一の沈降物形態、および/または同一の電気泳動移動度で、抗血清と反応
するポリペプチドである。免疫化学的同一性に関するさらなる説明は、Axelsen
、Bock、およびKroll、N.H.Axelsen、J.Kroll、およびB.Weeks編、A Manual of
Quantitative Immunoelectrophoresis、Blackwell Scientific Publications、1
973、10章に記載されている。部分的免疫化学的同一性を有するポリペプチドと
は、特定の免疫化学的技術を使用する時、部分的に同一の様式で、例えば沈降物
の部分的融合、部分的に同一の沈降物形態、および/または部分的に同一の電気
泳動移動度で、抗血清と反応するポリペプチドである。部分的免疫化学的同一性
に関するさらなる説明は、BockおよびAxelsen、N.H.Axelsen、J.Kroll、およびB
.Weeks編、A Manual of Quantitative Immunoelectrophoresis、Blackwell Scie
ntific Publications、1973、11章に記載されている。
【0025】 該抗体はモノクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は、例えば
E.HarlowおよびD.Lane編、1988、Antibodies, A Laboratory Manual、Cold Spri
ng Harbor Press、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク、の方法に
従って調製し使用することができる。
【0026】 本発明に係るポリペプチドは、配列番号2の成熟ポリペプチドのガラクトース
オキシダーゼ活性の、少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、より好
ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、さらに好ましく
は少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも100%を有している。
【0027】 本発明に係るポリペプチドは、任意の属の微生物から取得することができる。
本発明の目的のため、本明細書中、与えられた供給源に関連して使用する「から
取得する」という語は、該核酸配列によりコードされているポリペプチドが、該
供給源によって、または該供給源由来の核酸配列が挿入されている細胞によって
生成されることを意味する。好ましい態様において、このポリペプチドは細胞外
分泌される。
【0028】 本発明に係るポリペプチドは、真菌のポリペプチド、より好ましくはCandida
、Kluyveromyces、Pichia、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、またはYarro
wiaポリペプチドのような酵母ポリペプチド;または、より好ましくはAcremoniu
m、Aspergillus、Aureobasidium、Cryptococcus、Filibasidium、Fusarium、Hum
icola、Magnaporthe、Mucor、Myceliophthora、Neocallimastix、Neurospora、P
aecilomyces、Penicillium、Piromyces、Schizophyllum、Talaromyces、Thermoa
scus、Thielavia、Tolypocladium、またはTrichodermaポリペプチドのような糸
状菌ポリペプチドであってよい。
【0029】 好ましい態様において該ポリペプチドは、Saccharomyces carlsbergensis、Sa
ccharomyces cerevisiae、Saccharomyces diastaticus、Saccharomyces douglas
ii、Saccharomyces kluyveri、Saccharomyces norbensisまたはSaccharomyces o
viformisポリペプチドである。
【0030】 別の好ましい態様において該ポリペプチドは、Aspergillus aculeatus、Asper
gillus awamori、Aspergillus foetidus、Aspergillus japonicus、Aspergillus
nidulans、Aspergillus niger、 Aspergillus oryzae、Fusarium bactridioide
s、Fusarium cerealis、Fusarium crookwellense、Fusarium culmorum、Fusariu
m graminearum、Fusarium graminum、Fusarium heterosporum、Fusarium negund
i、Fusarium oxysporum、Fusarium reticulatum、Fusarium roseum、Fusarium s
ambucinum、Fusarium sarcochroum、Fusarium sporotrichioides、Fusarium sul
phureum、Fusarium torulosum、Fusarium trichothecioides、Fusarium venenat
um、Humicola insolens、Humicola lanuginosa、Mucor miehei、Myceliophthora
thermophila、Neurospora crassa、Penicillium purpurogenum、Trichoderma h
arzianum、Trichoderma koningii、Trichoderma longibrachiatum、Trichoderma
reesei、またはTrichoderma virideポリペプチドである。
【0031】 別の好ましい態様において該ポリペプチドは、Fusarium bactridioides、Fusa
rium cerealis、Fusarium crookwellense、Fusarium culmorum、Fusarium grami
nearum、Fusarium graminum、Fusarium heterosporum、Fusarium negundi、Fusa
rium oxysporum、Fusarium reticulatum、Fusarium roseum、Fusarium sambucin
um、Fusarium sarcochroum、Fusarium sporotrichioides、Fusarium sulphureum
、Fusarium torulosum、Fusarium trichothecioides、またはFusarium venenatu
mポリペプチドである。
【0032】 より好ましい態様において、Fusarium venenatum細胞は、Fusarium venenatum
A3/5[これは、YoderおよびChristianson、1998、Fungal Genetics and Biolog
y 23:62-80およびO’Donnell等、1998、Fungal Genetics and Biology 23:57-67
により最初Fusarium graminearum ATCC 20334として寄託され、最近Fusarium ve
nenatumとして再分類された];および、現在知られている種名に関わりなくFus
arium venenatumの分類学的等価物である。別の好ましい態様では、Fusarium ve
nenatum細胞は、WO97/26330に開示されるようにFusarium venenatum A3/5または
Fusarium venenatum ATCC 20334の形態学的突然変異体である。
【0033】 前述の種に関して、本発明は、完全期および不完全期の両者、ならびにそれら
の知られている種名に関わりなくその他の分類学的等価物、例えばアナモルフを
包含する。当業者は適当な等価物の実体を容易に認識できるであろう。例えば、
Fusariumの分類学的等価物は、D.L.Hawksworth、P.M.Kirk、B.C.SuttonおよびD.
N.Pegler(編)、1995、Ainsworth & Bisby’s Dictionary of the Fungi、第8版
、CAB International、University Press、ケンブリッジ、イングランド、173-1
74頁により定義されている。
【0034】 これらの種の菌株は、幾つかの培養株コレクション、例えばAmerican Type Cu
lture Collection(ATCC)、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellku
lturen GmbH(DSM)、Centraalbureau Voor Schimmelcultures(CBS)、およびAgric
ultural Research Service Patent Culture Collection, Northern Regional Re
search Center(NRRL)において、誰もが容易に入手できる。
【0035】 さらに、このようなポリペプチドは、上記プローブを用いて、自然界(例えば
、土壌、コンポスト、水等)から単離された微生物を包含するその他の供給源か
ら、同定し且つ取得することができる。自然界の生息地から微生物を単離する技
術は当分野で周知である。次いで当該核酸配列を、他の微生物のゲノムまたはc
DNAライブラリーを同様にスクリーニングすることによって誘導することがで
きる。或るポリペプチドをコードしている核酸配列がプローブを用いて検出され
たならば、当業者に周知の技術を利用することにより、その配列を単離またはク
ローニングすることができる(例えばSambrook等、1989、上記、を参照されたい
)。
【0036】 本明細書に定義のように、「単離された」ポリペプチドは、他の非ガラクトー
スオキシダーゼポリペプチドを本質上含まない、例えばSDS−PAGEにより
測定した場合、少なくとも約20%純度、好ましくは少なくとも約40%純度、
より好ましくは約60%純度、さらに好ましくは約80%純度、最も好ましくは
約90%純度、そしてまさに最も好ましくは約95%純度のポリペプチドである
【0037】 本発明に係る核酸配列によりコードされているポリペプチドはさらに、当該ポ
リペプチドまたはそのフラグメントのN末端またはC末端に別のポリペプチドが
融合している、融合ポリペプチドまたは開裂可能な融合ポリペプチドをも包含す
る。融合ポリペプチドは、別のポリペプチドをコードしている核酸配列(または
その一部)を本発明に係る核酸配列(またはその一部)に融合させることによっ
て生成される。融合ポリペプチドを生成するための技術は当分野で知られており
、該ポリペプチドをコードしているコード化配列を、それらがフレーム内にある
ように、且つ融合ポリペプチドの発現が同じプロモーターおよびターミネーター
の制御下にあるように、ライゲーションすることを含む。
【0038】 核酸配列 本発明はさらに、本発明に係るポリペプチドをコードしている単離された核酸
配列に関するものである。好ましい態様において、この核酸配列は配列番号1に
開示されている。別のより好ましい態様において、この核酸配列はEscherichia
coli NRRL B-30076に含まれるプラスミドpEJG45に含まれる配列である。
別の好ましい態様において、この核酸配列は、配列番号1の成熟ポリペプチドコ
ード化領域である。別の好ましい態様において、この核酸配列は、Escherichia
coli NRRL B-30076に含まれるプラスミドpEJG45に含まれる成熟ポリペプ
チドコード化領域である。本発明はまた、配列番号2のアミノ酸配列を有するポ
リペプチドまたはその成熟ポリペプチドをコードしている核酸配列[これは遺伝
コードの縮重のため配列番号1と相違している]を包含する。本発明はさらに、
ガラクトースオキシダーゼ活性を有する配列番号2のフラグメントをコードして
いる、配列番号1の部分配列に関するものである。
【0039】 配列番号1の部分配列は、1またはそれ以上のヌクレオチドが5’および/ま
たは3’末端から除去されている外は配列番号1に包含される核酸配列である。
好ましくは、部分配列は少なくとも1680ヌクレオチド、より好ましくは少な
くとも1800ヌクレオチド、そして最も好ましくは少なくとも1920ヌクレ
オチドを含んでいる。
【0040】 本発明はさらに、配列番号1の成熟ポリペプチドコード化配列中に少なくとも
1個の突然変異を含んでいる突然変異体核酸配列に関するものであり、ここでこ
の突然変異体核酸配列は、配列番号2のアミノ酸21ないし679より成るポリ
ペプチドをコードしている。
【0041】 ポリペプチドをコードしている核酸配列を単離またはクローニングするために
用いられる技術は当分野で知られており、ゲノムDNAからの単離、cDNAか
らの調製、またはそれらの組み合わせを包含する。このようなゲノムDNAから
の、本発明に係る核酸配列のクローニングは、例えば周知のポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)、または構造上の特徴を共有するクローニングされたDNAフラグ
メントを検出するための、発現ライブラリーの抗体スクリーニングを使用するこ
とによって実施することができる。例えば、Innis等、1990、PCR: A Guide to M
ethods and Application、Academic Press、ニューヨーク、を参照されたい。リ
ガーゼ連鎖反応(LCR)、ライゲーションされた活性化転写(LAT)および
核酸配列に基づく増幅(NASBA)といったその他の核酸増幅法を使用するこ
ともできる。核酸配列は、Fusariumまたはその他のもしくは関連する生物の菌株
からクローニングすることができ、したがって、例えばこの核酸配列は、当該核
酸配列のポリペプチドコード化領域のアレレまたは種変異体であってよい。
【0042】 本明細書中使用する「単離された核酸配列」という語は、他の核酸配列を本質
上含まない、例えばアガロース電気泳動により測定した場合、少なくとも約20
%純度、好ましくは少なくとも約40%純度、より好ましくは少なくとも約60
%純度、さらに好ましくは少なくとも約80%純度、そして最も好ましくは少な
くとも約90%純度の核酸配列である。例えば、単離された核酸配列は、その核
酸配列を、天然の位置から、それが再生産される異なった部位に移動させるため
に遺伝子工学において使用される標準クローニング法によって取得することがで
きる。クローニング方法は、当該ポリペプチドをコードしている核酸配列を含む
所望の核酸フラグメントを切り取り単離する事、当該フラグメントをベクター分
子中に挿入する事、そして、当該核酸配列の多数のコピーまたはクローンが複製
される宿主細胞中に組み替えベクターを組み込む事を含み得る。該核酸配列は、
ゲノム、cDNA、RNA、半合成、合成起源、またはそれらの任意の組み合わ
せとすることができる。
【0043】 本発明はさらに、配列番号1の成熟ポリペプチドコード化配列(即ち、ヌクレ
オチド61ないし2037)と、少なくとも約65%、好ましくは約70%、好
ましくは約80%、より好ましくは約90%、さらに好ましくは約95%、そし
て最も好ましくは約97%の程度の相同性を有する核酸配列[これは活性ポリペ
プチドをコードしている]に関するものである。本発明の目的のため、二つの核
酸配列の間の相同性の程度は、同一性の表および以下の複数の整列パラメータ:
ギャップペナルティ10およびギャップ長ペナルティ10でLASERGENE(商標) ME
GALIGN(商標)ソフトウェア(DNASTAR,Inc.、マディソン、WI)を使用するWilbur
-Lipman法(WilburおよびLipman、1983、Proceedings of the National Academy
of Science USA 80:726-730)によって決定される。二つ組整列のパラメータは
、Ktuple=3、ギャップペナルティ=3、およびウィンドウズ=20であった。
【0044】 本発明に係るポリペプチドをコードしている核酸配列の修飾は、当該ポリペプ
チドに実質上類似したポリペプチドの合成のために必要となり得る。ポリペプチ
ドに「実質上類似している」という語は、当該ポリペプチドの天然に存在しない
型を指す。これらのポリペプチドは、何らかの作り替え方法によって、天然供給
源から単離されたポリペプチドとは異なっていることがある。例えば、比活性、
熱安定性、pH最適値等が異なっている変異体である。変異体配列は、配列番号1
のポリペプチドコード化部分として示される核酸配列、例えばその部分配列を基
にして、そして/または、当該核酸配列によりコードされている該ポリペプチド
の別のアミノ酸配列を生ずることのない、それでいて、その酵素の産生が意図さ
れる宿主生物のコドン使用に対応する、ヌクレオチド置換の導入によって、また
は、異なったアミノ酸配列を生じ得るヌクレオチド置換の導入によって、組み立
てることができる。ヌクレオチド置換の一般的説明については、例えばFord等、
1991、Protein Expression and Purification 2:95-107を参照されたい。
【0045】 このような置換が当該分子の機能にとって重要な領域の外側で行われ、且つ依
然として活性なポリペプチドが生成するということは、当業者にとって明らかで
あろう。本発明に係る単離された核酸配列によりコードされているポリペプチド
の活性にとって必須のアミノ酸残基であって、それ故置換を受けないことが好ま
しいアミノ酸残基は、当分野で知られる方法、例えば位置指定突然変異誘発また
はアラニンスキャニング突然変異誘発に従って同定することができる(例えば、
CunninghamおよびWells、1989、Science 244:1081-1085を参照されたい)。後者
の技術では、突然変異を分子中のあらゆる正に荷電した残基に導入し、当該分子
の活性にとって重要なアミノ酸残基を同定するため、得られた突然変異体分子を
ガラクトースオキシダーゼ活性について試験する。基質−酵素相互作用の部位も
また、核磁気共鳴分析、結晶学または光親和性標識といった技術により決定され
る三次元構造の分析によって決定することができる(例えば、de Vos等、1992、
Science 255:306-312;Smith等、1992、Journal of Molecular Biology 224:899
-904;Wlodaver等、1992、FEBS Letters 309:59-64を参照されたい)。
【0046】 本発明はさらに、極めて低い緊縮条件、好ましくは低緊縮条件、より好ましく
は中等度緊縮条件、より好ましくは中等度−高度緊縮条件、さらに好ましくは高
緊縮条件、そして最も好ましくは極めて高い緊縮条件下で、配列番号1の核酸配
列またはその相補鎖と同一条件下でハイブリダイズする核酸プローブとハイブリ
ダイズする、本発明に係るポリペプチドをコードしている単離された核酸配列;
または本明細書に定義されるそのアレレ変異体および部分配列に関するものであ
る(Sambrook等、1989、上記)。
【0047】 本発明はさらに、(a)極めて低い、低い、中等度、中等度−高度、高い、ま
たは極めて高い緊縮条件下で、DNAを、(i)配列番号1のヌクレオチド61
ないし2037、(ii)配列番号1のヌクレオチド61ないし2037に含まれ
るcDNA配列、(iii)(i)または(ii)の部分配列、または(iv)(i)、
(ii)、もしくは(iii)の相補鎖、とハイブリダイズさせ;そして(b)この
核酸配列を単離する、ことによって生成される単離された核酸配列に関するもの
である。部分配列は、好ましくは少なくとも100ヌクレオチドを有する配列、
例えばガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドフラグメントをコー
ドしている配列である。
【0048】 突然変異体核酸配列を生成する方法 本発明はさらに、配列番号1の成熟ポリペプチドコード化配列またはその部分
配列中に少なくとも1個の突然変異を導入することを含む、突然変異体核酸配列
を生成するための方法に関するものである[ここでこの突然変異体核酸配列は、
配列番号2のアミノ酸21ないし679より成るポリペプチドまたはガラクトー
スオキシダーゼ活性を有するそのフラグメントをコードしている]。
【0049】 或るヌクレオチドを別のヌクレオチドに交換するための、核酸配列中への突然
変異の導入は、当分野で知られる方法のいずれかを用いる位置指定突然変異誘発
によって達成することができる。興味の持たれる挿入物を有するスーパーコイル
二重螺旋DNAベクターと、所望の突然変異を含む二つの合成プライマーとを利
用する方法が、とりわけ有用である。各々がベクターの相対する鎖に対し相補的
であるオリゴヌクレオチドプライマーが、Pfu DNAポリメラーゼにより、
温度循環の間に伸長する。プライマーが組み込まれると、スタガーニックを含む
突然変異したプラスミドが生成する。温度循環の後、メチル化およびヘミメチル
化DNAに特異的なDpnIでこの生成物を処理し、親DNA鋳型を消化しそし
て突然変異を含む合成DNAを選択する。当分野で知られるその他の方法もまた
使用することができる。
【0050】 核酸組み立て物(Constructs) 本発明はさらに、調節配列(control sequence)に適合する条件下で適当な宿
主細胞においてコード化配列の発現を指令する、1またはそれ以上の調節配列と
機能的に連結した本発明に係る核酸配列を含む核酸組み立て物に関するものであ
る。発現とは、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾、および分泌を包含するが
これらに限定されない、当該ポリペプチドの産生に含まれる任意の工程を包含す
るものと理解されるであろう。
【0051】 「核酸組み立て物」とは、天然に存在する遺伝子から単離され、または自然界
に存在しないような様態で結合し且つ並列した核酸のセグメントを含むよう修飾
された、一本鎖または二本鎖いずれかの核酸分子として本明細書中で定義される
。核酸組み立て物という語は、その核酸組み立て物が本発明に係るコード化配列
の発現に必要な全調節配列を含んでいる時、発現カセットという語と同義である
。「コード化配列」という語は、その蛋白生成物のアミノ酸配列を直接特定する
核酸配列として本明細書中に定義される。コード化配列の境界は、一般に、mR
NAの5’末端にあるオープンリーディングフレームのすぐ上流に位置するリボ
ソーム結合部位(原核生物)またはATG開始コドン(真核生物)、およびmR
NAの3’末端にあるオープンリーディングフレームのすぐ下流に位置する転写
ターミネーター配列によって決定される。コード化配列は、DNA、cDNA、
および組換え核酸配列を包含するが、これらに限定されない。
【0052】 本発明に係るポリペプチドをコードしている単離された核酸配列は、多岐にわ
たる方法で操作して該ポリペプチドの発現を提供することができる。発現ベクタ
ーによっては、ベクター中に挿入する前に当該核酸配列を操作することが望まし
い、または必要であるかも知れない。組換えDNA法を利用する核酸配列の修飾
のための技術は当分野でよく知られている。
【0053】 「調節配列」という語は、本発明に係るポリペプチドの発現にとって必要また
は有利な全ての構成成分を包含するよう、本明細書で定義される。各々の調節配
列は、該ポリペプチドをコードしている核酸配列にとって固有のものであっても
外来のものであってもよい。係る調節配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、
プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、および転写ターミネ
ーターを包含するが、これらに限定される訳ではない。最低限この調節配列は、
プロモーター、ならびに転写および翻訳停止シグナルを包含する。調節配列には
、ポリペプチドをコードしている核酸配列のコード化領域と調節配列とのライゲ
ーションを容易にする特異的制限部位を導入する目的のためのリンカーが提供さ
れ得る。「機能的に連結した」という語は、調節配列がそのDNA配列のコード
化配列に対して適切に位置し、その結果調節配列がポリペプチドの発現を指令す
るような配置として本明細書に定義される。
【0054】 調節配列は、適当なプロモーター配列、該核酸配列の発現のため、宿主細胞に
よって認識される核酸配列であってよい。プロモーター配列は、該ポリペプチド
の発現を仲介する転写調節配列を含んでいる。このプロモーターは、選択された
宿主細胞において転写活性を示す、突然変異体、末端切除された、およびハイブ
リッドプロモーターを包含する任意の核酸配列であってよく、宿主細胞に対して
ホモローガスなまたはヘテロローガスな細胞外または細胞内ポリペプチドをコー
ドしている遺伝子から取得することができる。
【0055】 本発明に係る核酸組み立て物の転写を、特に細菌宿主細胞において指令するた
めに好適なプロモーターの例は、E.coli lacオペロン、Streptomyces coelicolo
rアガラーゼ遺伝子(dagA)、Bacillus subtilisレバンスクラーゼ遺伝子(
sacB)、Bacillus licheniformis α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bac
illus stearothermophilus マルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)、Bac
illus amyloliquefaciens α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、Bacillus liche
niformisペニシリナーゼ遺伝子(penP)、Bacillus subtilis xylAおよ
びxylB遺伝子、および原核生物のβ−ラクタマーゼ遺伝子から得られるプロ
モーター(Villa-Kamaroff等、1978、Proceedings of the National Academy of
Sciences USA 75:3727-3731)、ならびにtacプロモーター(DeBoer等、1983
、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 80:21-25)である。
さらなるプロモーターは、Scientific American、1980、242:74-94、「組換え細
菌由来の有用蛋白」およびSambrook等、1989、前記、に記載されている。
【0056】 糸状菌宿主細胞において本発明に係る核酸組み立て物の転写を指令するための
好適なプロモーターの例は、Aspergillus oryzae TAKAアミラーゼ、Rhizomucor
mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Aspergillus niger中性α−アミラーゼ
、Aspergillus niger酸安定性α−アミラーゼ、Aspergillus nigerまたはAsperg
illus awamoriグルコアミラーゼ(glaA)、Rhizomucor mieherリパーゼ、As
pergillus oryzaeアルカリプロテアーゼ、Aspergillus oryzae燐酸トリオースイ
ソメラーゼ、Aspergillus nidulansアセトアミダーゼ、およびFusarium oxyspor
umトリプシン様プロテアーゼ(WO96/00787)の遺伝子から得られるプ
ロモーター、およびNA2−tpiプロモーター(Aspergillus niger中性α−
アミラーゼおよびAspergillus oryzae燐酸トリオースイソメラーゼの遺伝子由来
のプロモーターのハイブリッド)、ならびにそれらの突然変異体の、末端切除さ
れた、およびハイブリッドのプロモーターである。
【0057】 酵母宿主においては、有用なプロモーターは、Saccharomyces cerevisiaeエノ
ラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces cerevisiaeガラクトキナーゼ(GAL1
)、Saccharomyces cerevisiaeアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒ
ド−3−燐酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)、およびSaccharomyces ce
revisiae 3−ホスホグリセラートキナーゼの遺伝子から得られる。酵母宿主細
胞のためのその他の有用なプロモーターは、Romanos等、1992、Yeast 8:423-488
に記載されている。
【0058】 調節配列はさらに、適当な転写ターミネーター配列、転写を終止するために宿
主細胞により認識される配列であってよい。ターミネーター配列は、該ポリペプ
チドをコードしている核酸配列の3’末端に機能的に連結している。選択された
宿主細胞において機能的ないかなるターミネーターも本発明に使用することがで
きる。
【0059】 糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターは、Aspergillus oryzae TAK
Aアミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansアン
トラニル酸シンターゼ、Aspergillus niger α−グルコシダーゼ、およびFusari
um oxysporumトリプシン様プロテアーゼの遺伝子から得られる。
【0060】 酵母宿主細胞のための好ましいターミネーターは、Saccharomyces cerevisiae
エノラーゼ、Saccharomyces cerevisiaeシトクロムC(CYC1)、およびSacc
haromyces cerevisiaeグリセルアルデヒド−3−燐酸デヒドロゲナーゼの遺伝子
から得られる。酵母宿主細胞のためのその他の有用なターミネーターは、Romano
s等、1992、前記、に記載されている。
【0061】 調節配列はさらに、好適なリーダー配列、宿主細胞による翻訳にとって重要な
mRNAの非翻訳領域であってよい。リーダー配列は、該ポリペプチドをコード
している核酸配列の5’末端に機能的に連結している。選択された宿主細胞にお
いて機能的ないかなるリーダー配列も本発明に使用することができる。
【0062】 糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、Aspergillus oryzae TAKAアミ
ラーゼおよびAspergillus nidulansトリオース燐酸イソメラーゼの遺伝子から得
られる。
【0063】 酵母宿主細胞のための好適なリーダーは、Saccharomyces cerevisiaeエノラー
ゼ(ENO−1)、Saccharomyces cerevisiae3−ホスホグリセラートキナーゼ
、Saccharomyces cerevisiae α−因子、およびSaccharomyces cerevisiaeアル
コールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−燐酸デヒドロゲナーゼ(A
DH2/GAP)の遺伝子から得られる。
【0064】 調節配列はさらに、ポリアデニル化配列、核酸配列の3’末端に機能的に連結
しており、転写された際に、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加す
るシグナルとして宿主細胞により認識される配列であってよい。選択された宿主
細胞において機能的ないかなるポリアデニル化配列も本発明に使用することがで
きる。
【0065】 糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、Aspergillus oryzae
TAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulans
アントラニル酸シンターゼ、Fusarium oxysporumトリプシン様プロテアーゼ、お
よびAspergillus niger α−グルコシダーゼの遺伝子から得られる。
【0066】 酵母宿主細胞にとって有用なポリアデニル化配列は、GuoおよびSherman、1995
、Molecular Cellular Biology 15:5983-5990に記載されている。
【0067】 調節配列はさらに、ポリペプチドのアミノ末端に連結したアミノ酸をコードし
ており、コードされているポリペプチドを細胞の分泌系路へと振り向ける、シグ
ナルペプチドコード化領域であってよい。核酸配列のコード化配列の5’末端は
、分泌されたポリペプチドをコードしているコード化領域のセグメントを有する
翻訳リーディングフレームに、本来連結しているシグナルペプチドコード化領域
を元々含んでいるかも知れない。これに代わり、コード化配列の5’末端は、コ
ード化配列にとって外来のシグナルペプチドコード化領域を含んでいるかも知れ
ない。コード化配列が元々シグナルペプチドコード化領域を含んでいない場合、
外来のシグナルペプチドコード化領域が必要となり得る。これに代わり、ポリペ
プチドの分泌を増強するため、外来のシグナルペプチドコード化領域を単純に天
然のシグナルペプチドコード化領域と、単に置き換えて使用することもできる。
しかしながら、発現されたポリペプチドを、選択された宿主細胞の分泌系路中に
振り向けるいかなるシグナルペプチドコード化領域も、本発明に使用することが
できる。
【0068】 細菌宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード化領域は、Bacillus NCI
B 11837 マルトース生成アミラーゼ、Bacillus stearothermophilus α−アミラ
ーゼ、Bacillus licheniformisズブチリシン、Bacillus licheniformis β−ラ
クタマーゼ、Bacillus stearothermophilus中性プロテアーゼ(nprT、np
rS、nprM)、およびBacillus subtilis prsAの遺伝子から得られるシ
グナルペプチドコード化領域である。さらなるシグナルペプチドは、Simonenお
よびPalva、1993、Microbiological Reviews 57:109-137に記載されている。
【0069】 糸状菌宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード化領域は、Aspergillu
s oryzae TAKAアミラーゼ、Aspergillus niger中性アミラーゼ、Aspergillus ni
gerグルコアミラーゼ、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Humi
cola insolensセルラーゼ、およびHumicola lanuginoseリパーゼの遺伝子から得
られるシグナルペプチドコード化領域である。
【0070】 好ましい態様において、シグナルペプチドコード化領域は、配列番号2のアミ
ノ酸1ないし20をコードしている配列番号1のヌクレオチド1ないし60であ
る。
【0071】 酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、Saccharomyces cerevisiae
α−因子およびSaccharomyces cerevisiaeインベルターゼの遺伝子から得られ
る。その他の有用なシグナルペプチドコード化領域は、Romanos等、1992、前記
、に記載されている。
【0072】 調節配列はさらに、ポリペプチドのアミノ末端に位置するアミノ酸配列をコー
ドしているプロペプチドコード化領域であってよい。得られるポリペプチドは、
プロ酵素またはプロポリペプチド(または幾つかの場合にはチモーゲン)として
知られる。プロポリペプチドは一般に不活性であり、プロペプチドの触媒的また
は自己触媒的開裂により、このプロポリペプチドから成熟活性ポリペプチドへと
変換され得る。プロペプチドコード化領域は、Bacillus subtilisアルカリプロ
テアーゼ(aprE)、Bacillus subtilis中性プロテアーゼ(nprT)、Sac
charomyces cerevisiae α−因子、Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイ
ナーゼ、およびMyceliophthora thermophilaラッカーゼ(WO95/33836
)の遺伝子から取得することができる。
【0073】 シグナルペプチドおよびプロペプチド領域の両者がポリペプチドのアミノ末端
に存在する場合、プロペプチド領域はポリペプチドのアミノ末端の隣に位置し、
シグナルペプチド領域はプロペプチド領域のアミノ末端の隣に位置する。
【0074】 宿主細胞の成長に比較して当該ポリペプチドの発現の調節を行う、調節配列(
regulatory sequence)を付加することが望ましいかも知れない。調節系の例は
、調節化合物の存在を包含する化学的または物理的刺激に応答して、その遺伝子
の発現を開始または停止させる系である。原核生物系における調節系は、lac
、tac、およびtrpオペレーター系を包含する。酵母においてはADH2系
またはGAL1系を使用することができる。糸状菌においては、TAKA α−
アミラーゼプロモーター、Aspergillus niger グルコアミラーゼプロモーター、
およびAspergillus oryzaeグルコアミラーゼプロモーターを調節配列として使用
することができる。調節配列のその他の例は、遺伝子増幅をさせる配列である。
真核生物系では、これらは、メソトレキサートの存在下で増幅するジヒドロ葉酸
レダクターゼ遺伝子、および重金属によって増幅するメタロチオネイン遺伝子を
包含する。これらの場合、ポリペプチドをコードしている核酸配列は調節配列と
機能的に連結しているであろう。
【0075】 発現ベクター 本発明はさらに、本発明に係る核酸配列、プロモーター、ならびに転写および
翻訳停止シグナルを含む組換え発現ベクターに関するものである。上に記載した
様々な核酸および調節配列(control sequence)を合して組換え発現ベクターを
生成することができ、この発現ベクターは、ポリペプチドをコードしている核酸
配列の、係る部位における挿入または置換を可能にする1またはそれ以上の簡便
な制限部位を含むことができる。これとは別に、本発明に係る核酸配列は、当該
配列を含む核酸配列または核酸組み立て物を、発現のための適当なベクター中に
挿入することにより、発現され得る。発現ベクターを作製する際には、コード化
配列が発現のための適当な調節配列と機能的に連結するように、コード化配列を
ベクター中に位置させる。
【0076】 組換え発現ベクターは、簡単に組換えDNA操作に付すことができ、核酸配列
の発現を引き起こすことのできる、任意のベクター(例えばプラスミドまたはウ
イルス)であってよい。ベクターの選択は、典型的には、そのベクターが導入さ
れるべき宿主細胞と該ベクターとの適合性に依存するであろう。ベクターは、線
状または閉鎖環状プラスミドであってよい。
【0077】 このベクターは、自律的に複製するベクター、即ち染色体外の存在として存在
し、その複製が染色体の複製とは独立しているベクター、例えばプラスミド、染
色体外要素、ミニ染色体、または人工染色体であってよい。ベクターは、自己複
製を確実にするための何らかの手段を含むことができる。これとは別に、ベクタ
ーは、宿主細胞中に導入された時、ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染
色体と共に複製されるものであってもよい。さらに、単一のベクターもしくはプ
ラスミド、または共に宿主細胞のゲノム中に導入されるべき全DNAを含む2も
しくはそれ以上のベクターまたはプラスミド、またはトランスポゾンを使用する
こともできる。
【0078】 本発明に係るベクターは、好ましくは、形質転換された細胞の容易な選択を可
能にする1またはそれ以上の選択マーカーを含む。選択マーカーは、その生成物
が殺生物剤またはウイルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性突然変異体に
対するプロトトロフィー等を提供する遺伝子である。細菌の選択マーカーの例は
、Bacillus subtilisまたはBacillus licheniformis由来のdal遺伝子、また
はアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールまたはテトラサイクリン
耐性といった抗生物質耐性を付与するマーカーである。酵母宿主細胞のための好
適なマーカーは、ADE2,HIS3,LEU2,LYS2,MET3,TRP
1およびURA3である。糸状菌宿主細胞での使用のための選択マーカーは、a
mdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェ
ラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hyg
B(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクター
ゼ)、pyrG(オロチジン−5’−燐酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸ア
デニルトランスフェラーゼ)、trpC(アントラニル酸シンターゼ)、および
それらの等価物を包含するが、これらに限定される訳ではない。Aspergillus ni
dulansまたはAspergillus oryzaeのamdSおよびpyrG遺伝子ならびにStre
ptomyces hygroscopicusのbar遺伝子はAspergillus細胞での使用に好ましい
【0079】 本発明に係るベクターは、好ましくは、宿主細胞ゲノム中へのベクターの安定
な組み込みまたは細胞におけるゲノムとは独立した該ベクターの自律的複製を可
能にする要素を含んでいる。
【0080】 宿主細胞ゲノム中への組み込みのために、ベクターは、ポリペプチドをコード
している核酸配列、または、ホモローガスなまたは非ホモローガスな組換えによ
り、ゲノム中にベクターを安定に組み込むための、ベクターのその他の要素に依
拠することができる。これとは別に、ベクターは、ホモローガスな組換えによっ
て宿主細胞のゲノム中への組み込みを指令するための、さらなる核酸配列を含む
ことができる。この、さらなる核酸配列は、ベクターが、染色体中の正確な位置
で宿主細胞ゲノムに組み込まれることを可能にする。正確な位置での組み込みの
見込みを高めるため、組み込み要素は、好ましくは充分な数の核酸、例えば10
0ないし1500塩基対、好ましくは400ないし1500塩基対、そして最も
好ましくは800ないし1500塩基対を含むべきであり、これらはホモローガ
スな組換えの可能性を高めるため、対応する標的配列と高度にホモローガスであ
る。組み込み要素は、宿主細胞のゲノム内の標的配列とホモローガスである任意
の配列であってよい。さらに、組み込み要素は、非コード化またはコード化核酸
配列であってよい。他方では、ベクターは非ホモローガス組換えによって宿主細
胞のゲノム中に組み込むことができる。
【0081】 自律的複製のため、ベクターはさらに、問題の宿主細胞においてベクターが自
律的に複製することを可能にする、複製起点を含むことができる。細菌の複製起
点の例は、E.coliにおける複製を可能にするプラスミドpBR322,pUC1
9,pACYC177,およびpACYC184の複製起点、およびBacillusに
おける複製を可能にするpUB110、pE194、pTA1060、およびp
AMβ1の複製起点である。酵母宿主細胞での使用のための複製起点の例は、2
ミクロン複製起点、ARS1、ARS4、ARS1およびCEN3の組み合わせ
、ならびにARS4およびCEN6の組み合わせである。複製起点は、その機能
を宿主細胞中で温度感受性とさせる突然変異を有するものであってよい(例えば
、Ehrlich、1978、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:
1433を参照されたい)。
【0082】 本発明に係る核酸配列の1以上のコピーを宿主細胞中に挿入して遺伝子産物の
産生を増加させることができる。宿主細胞ゲノム中に当該配列の追加コピーを少
なくとも1個組み込むことによって、または、核酸配列に、増幅可能な選択マー
カー遺伝子を入れ、増幅したこの選択マーカー遺伝子のコピーを含む細胞、故に
核酸配列のさらなるコピーを、適当な選択剤の存在下でこの細胞を培養すること
により選択することによって、核酸配列のコピー数の増加が得られる。
【0083】 本発明に係る組換え発現ベクターを組み立てるための、上記要素のライゲーシ
ョンに使用される方法は、当業者によく知られている(例えば、Sambrook等、19
89、前記を参照されたい)。
【0084】 宿主細胞 本発明はさらに、当該ポリペプチドの組換え産生において有利に使用される、
本発明に係る核酸を含む組換え宿主細胞に関するものである。本発明に係る核酸
配列を含むベクターを、該ベクターが染色体の構成要素としてまたは前述のよう
な自己複製する染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞中に導入す
る。「宿主細胞」という語は、複製の間に起こる突然変異のため親細胞と同一で
ない、親細胞の任意の子孫を包含する。宿主細胞の選択は、ポリペプチドをコー
ドしている遺伝子およびその供給源に大部分依存するであろう。
【0085】 宿主細胞は、単細胞微生物、例えば原核生物、または非単細胞微生物、例えば
真核生物であってよい。
【0086】 有用な単細胞は、Bacillus細胞を包含するグラム陽性細菌、例えばBacillus a
lkalophilus、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus brevis、Bacillus circu
lans、Bacillus clausii、Bacillus coagulans、Bacillus lautus、Bacillus le
ntus、Bacillus licheniformis、Bacillus megaterium、Bacillus stearothermo
philus、Bacillus subtilis、およびBacillus thuringiensis(これらに限定さ
れる訳ではない);またはStreptomyces細胞、例えばStreptomyces lividansも
しくはStreptomyces murinus、またはE.coliおよびPseudomonas種のようなグラ
ム陰性細菌といったような細菌細胞である。好ましい態様において、細菌宿主細
胞は、Bacillus lentus、Bacillus licheniformis、Bacillus stearothermophil
usまたはBacillus subtilis細胞である。別の好ましい態様において、このBacil
lus細胞は好アルカリ性Bacillusである。
【0087】 細菌宿主細胞中へのベクターの導入は、例えばプロトプラスト形質転換(例え
ば、ChangおよびCohen、1979、Molecular General Genetics 168:111-115を参照
されたい)、コンピテントな細胞の使用(例えば、YoungおよびSpizizin、1961
、Journal of Bacteriology 81:823-829、またはDubnauおよびDavidoff-Abelson
、1971、Journal of Molecular Biology 56:209-221を参照されたい)、電気穿
孔(例えば、ShigekawaおよびDower、1988、Biotechniques 6:742-751を参照さ
れたい)、またはコンジュゲーション(例えば、KoehlerおよびThorne、1987、J
ournal of Bacteriology 169:5771-5278を参照されたい)により実施することが
できる。
【0088】 宿主細胞は、哺乳動物、昆虫、植物、または真菌細胞といった真核生物であっ
てよい。
【0089】 好ましい態様において、宿主細胞は真菌細胞である。本明細書中使用する「真
菌」とは、子嚢菌門、担子菌門、壺状菌門、および接合菌門(Hawksworth等、Ai
nsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi、第8版、1995、CAB Internat
ional、University Press、ケンブリッジ、英国、の定義による)ならびに卵菌
門(Hawksworth等、1995、上記、171頁の引用による)および全ての胞子分裂性
真菌(Hawksworth等、1995、上記)を包含する。
【0090】 より好ましい態様において、真菌宿主細胞は酵母細胞である。本明細書中使用
する「酵母」とは、子嚢胞子産生酵母(エンドミセス目)、担子胞子産生酵母、
および不完全菌類に属する酵母(ブラストミセス類)を包含する。酵母の分類は
将来変わり得ることから、本発明の目的のために、酵母はBiology and Activiti
es of Yeast(Skinner,F.A.、Passmore,S.M.、およびDavenport,R.R.編、Soc.Ap
p.Bacteriol.Symposium Series No.9、1980)に記載のように定義する。
【0091】 さらに好ましい態様では、酵母宿主細胞は、Candida、Hansenula、Kluyveromy
ces、Pichia、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、またはYarrowia細胞であ
る。
【0092】 最も好ましい態様において、酵母宿主細胞は、Saccharomyces carlsbergensis
、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces diastaticus、Saccharomyces do
uglasii、Saccharomyces kluyveri、Saccharomyces norbensisまたはSaccharomy
ces oviformis細胞である。別の最も好ましい態様において、酵母宿主細胞はKlu
yveromyces lactis細胞である。別の最も好ましい態様では、酵母宿主細胞はYar
rowia lipolytica細胞である。
【0093】 別のより好ましい態様において、真菌宿主細胞は糸状菌細胞である。「糸状菌
」とは、下位分類真菌門および卵菌門(Hawksworth等、1995、前記、の定義によ
る)の全ての糸状型を包含する。糸状菌は、キチン、セルロース、グルカン、キ
トサン、マンナン、およびその他の複雑な多糖類で構成される菌糸体壁を特徴と
する。植物的成長は菌糸の伸長によるものであり、炭素異化は必然的に好気性で
ある。対照的に、Saccharomyces cerevisiaeのような酵母による植物的成長は単
細胞葉状体の発芽によるものであり、炭素異化は発酵性であるかも知れない。
【0094】 さらに好ましい態様において、糸状菌宿主細胞は、Acremonium、Aspergillus
、Fusarium、Humicola、Mucor、Myceliophthora、Neurospora、Penicillium、Th
ielavia、Tolypocladium、またはTrichodermaの種の細胞であるが、これらに限
定される訳ではない。
【0095】 最も好ましい態様において、糸状菌宿主細胞は、Aspergillus awamori、Asper
gillus foetidus、Aspergillus japonicus、Aspergillus nidulans、Aspergillu
s nigerまたはAspergillus oryzae細胞である。別の最も好ましい態様では、糸
状菌宿主細胞は、Fusarium bactridioides、Fusarium cerealis、Fusarium croo
kwellense、Fusarium culmorum、Fusarium graminearum、Fusarium graminum、F
usarium heterosporum、Fusarium negundi、Fusarium oxysporum、Fusarium ret
iculatum、Fusarium roseum、Fusarium sambucinum、Fusarium sarcochroum、Fu
sarium sporotrichioides、Fusarium sulphureum、Fusarium torulosum、Fusari
um trichothecioides、またはFusarium venenatum細胞である。さらに最も好ま
しい態様では、糸状菌親細胞はFusarium venenatum(Nirenberg sp.nov)細胞で
ある。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞は、Humicola insolens、Hum
icola lanuginosa、Mucor miehei、Myceliophthora thermophila、Neurospora c
rassa、Penicillium purpurogenum、Thielavia terrestris、Trichoderma harzi
anum、Trichoderma koningii、Trichoderma longibrachiatum、Trichoderma ree
sei、またはTrichoderma viride細胞である。
【0096】 真菌細胞は、プロトプラスト形成、プロトプラストの形質転換、および細胞壁
の再生を含むプロセスにより、自体既知の方法で形質転換することができる。As
pergillus宿主細胞の形質転換のための好適な方法は、EP238023およびY
elton等、1984、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81:14
70-1474に記載されている。Fusarium種を形質転換するための好適な方法は、Mal
ardier等、1989、Gene 78:147-156およびWO96/00787に記載されてい
る。酵母は、BeckerおよびGuarente、Abelson,J.N.およびSimon,M.I.編、Guide
to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology、194巻、1
82-187頁、Academic Press,Inc.、ニューヨーク;Ito等、1983、Journal of Bac
teriology 153:163;およびHinnen等、1978、Proceedings of the National Aca
demy of Sciences USA 75:1920に記載の方法を用いて形質転換できる。
【0097】 産生の方法 本発明はさらに、(a)野生型において当該ポリペプチドを産生することので
きる菌株を培養して、該ポリペプチドを含む上清を生成し;そして、(b)該ポ
リペプチドを回収する、ことを含む、本発明に係るポリペプチドを生成するため
の方法に関するものである。好ましくは、この菌株はFusarium属であり、より好
ましくはFusarium venenatumである。
【0098】 本発明はさらに、(a)宿主細胞を該ポリペプチドの産生の助けとなる条件下
で培養し;そして、(b)該ポリペプチドを回収する、ことを含む、本発明に係
るポリペプチドを産生するための方法に関するものである。
【0099】 本発明はさらに、(a)宿主細胞を該ポリペプチドの産生の助けとなる条件下
で培養し[ここで、宿主細胞は、配列番号1の成熟ポリペプチドコード化領域に
少なくとも1個の突然変異を有する突然変異体核酸配列を含んでおり、この突然
変異体核酸配列は、配列番号2のアミノ酸21ないし679より成るポリペプチ
ドをコードしている];そして、(b)該ポリペプチドを回収する、ことを含む
、本発明に係るポリペプチドを生成するための方法に関するものである。
【0100】 本発明に係る産生方法において、該細胞は、当分野で既知の方法を用いて、該
ポリペプチドの産生にとって好適な栄養培地中で培養する。例えば、この細胞は
、適当な培地中で、ポリペプチドが発現および/または単離可能な条件下に実施
される、研究室のまたは工業的な発酵槽において、振盪フラスコ培養、小規模ま
たは大規模発酵(連続、バッチ、養分供給バッチ、または固体状態発酵を包含す
る)によって培養することができる。培養は、炭素および窒素源ならびに無機塩
類を含む適当な栄養培地中で、当分野で既知の方法を用いて実施される。適当な
培地は商業的供給者より入手可能であり、または公表されている組成に従って調
製することができる(例えば、American Type Culture Collectionのカタログに
ある)。ポリペプチドが栄養培地中に分泌されるならば、このポリペプチドは培
地から直接回収することができる。ポリペプチドが分泌されないならば、これは
細胞溶解液から回収することができる。
【0101】 このポリペプチドは、当該ポリペプチドに特異的な当分野で既知の方法を用い
て検出することができる。これらの検出方法は、特異抗体の使用、酵素産物の生
成、または酵素基質の消失を包含し得る。例えば、酵素検定を用いて本明細書に
記載のようにポリペプチドの活性を決定することができる。
【0102】 得られたポリペプチドは当分野で既知の方法により回収することができる。例
えば、ポリペプチドは、遠沈、濾過、抽出、スプレードライ、蒸発、または沈殿
化を包含する常法によって栄養培地から回収できるが、これらの方法に限定され
る訳ではない。
【0103】 本発明に係るポリペプチドは、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親
和、疎水性、クロマトフォーカシング、およびサイズ排除)、電気泳動法(例え
ば、調製用等電点電気泳動)、示差溶解度(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、
SDS−PAGE、または抽出(例えば、Protein Purification、J.-C.Janson
およびLars Ryden編、VCH Publishers、ニューヨーク、1989を参照されたい)を
包含する当分野で既知の様々な方法によって精製することができるが、これらの
方法に限定される訳ではない。
【0104】 植物 本発明はさらに、本発明に係るガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペ
プチドをコードしている核酸配列を用いて、該ポリペプチドを回収可能な量で発
現し産生するよう形質転換した、トランスジェニック植物、植物部分、または植
物細胞に関するものである。ポリペプチドはこの植物または植物部分から回収で
きる。これとは別に、組換えポリペプチドを含む植物または植物部分は、食品ま
たは飼料の品質を改善するために、例えば栄養価、嗜好性、およびレオロジーを
改善し、または反栄養的因子を破壊するために、それ自体を使用することができ
る。
【0105】 トランスジェニック植物は双子葉(双子葉植物)または単子葉(単子葉植物)
であってよい。単子葉植物の例は、イネ科植物、例えば牧草(芝草、イチゴツナ
ギ属草本)、飼草、例えばウシノケグサ、lolium、温帯イネ科植物、例えばAgro
stis、および穀物、例えば小麦、エン麦、ライ麦、大麦、米、サトウモロコシ、
およびメイズ(トウモロコシ)である。
【0106】 双子葉植物の例は、タバコ、マメ科植物、例えばルピナス、馬鈴薯、テンサイ
、エンドウ豆、インゲン豆および大豆、ならびにアブラナ科植物(Brassicaceae
科)、例えばカリフラワー、ナタネ、ならびに近縁モデル生物Arabidopsis thal
ianaである。
【0107】 植物部分の例は、茎、カルス、葉、根、果実、種子、および塊茎である。また
、葉緑体、アポプラスト、ミトコンドリア、液胞、ペルオキシソーム、および細
胞質といった特殊な植物組織もまた植物部分であると考えられる。さらに、組織
の起源が何であれ、いかなる植物細胞も植物部分であると考えられる。
【0108】 このような植物、植物部分および植物細胞の子孫もまた本発明の範囲内に包含
される。
【0109】 本発明に係るポリペプチドを発現するトランスジェニック植物または植物細胞
は、当分野で既知の方法に従って組み立てることができる。簡潔に述べると、植
物または植物細胞は、本発明に係るポリペプチドをコードしている1またはそれ
以上の発現組み立て物を植物宿主ゲノム中に組み込み、得られた改変植物または
植物細胞を増殖させてトランスジェニック植物または植物細胞とすることによっ
て組み立てられる。
【0110】 簡便には、発現組み立て物は、選択された該植物または植物部分での核酸配列
の発現に必要とされる適当な調節配列(regulatory sequence)と機能的に連結
した、本発明に係るポリペプチドをコードしている核酸配列を含む核酸組み立て
物である。さらに、発現組み立て物は、その発現組み立て物が組み込まれている
宿主細胞を同定するために有用な選択マーカー、および、該組み立て物を問題の
植物中に導入するために必要なDNA配列を含むことができる(後者は、使用す
るDNA導入法に依存する)。
【0111】 プロモーターおよびターミネーター配列、ならびに所望によりシグナルまたは
トランジット配列といった調節配列の選択は、例えば、いつ、どこで、そして如
何にして該ポリペプチドを発現させたいかに基づいて決定する。例えば、本発明
に係るポリペプチドをコードしている遺伝子の発現は、構成的または誘導的であ
るかも知れず、または発生、段階もしくは組織特異的であるかも知れず、そして
遺伝子産物は、特定の組織または植物部分、例えば種子または葉を標的としてい
るかも知れない。調節配列は、例えばTague等、1988、Plant Physiology 86:506
に記載されている。
【0112】 構成的発現のためには35S−CaMVプロモーターが使用できる(Franck等
、1980、Cell 21:285-294)。器官特異的プロモーターは、例えば種子、馬鈴薯
の塊茎、および果実のような貯蔵組織由来(Edwards & Coruzzi、1990、Ann.Rev
.Genet. 24:275-303)、または分裂組織のような代謝貯蔵組織由来(Ito等、199
4、Plant Mol.Biol. 24:863-878)のプロモーター、グルテリン、プロラミン、
グロブリン、もしくは米由来のアルブミンプロモーターのような種子特異的プロ
モーター(Wu等、1998、Plant and Cell Physiology 39:885-889)、レグミンB
4およびVicia faba由来の未知の種子蛋白遺伝子由来のVicia fabaプロモーター
(Conrad等、1998、Journal of Plant Physiology 152:708-711)、種子油本体
蛋白由来のプロモーター(Chen等、1998、Plant and Cell Physiology 39:935-9
41)、Brassica napus由来の貯蔵蛋白napAプロモーター、または、例えばW
O91/14772に記載の、その他当分野で既知の任意の種子特異的プロモー
ターであってよい。さらに、このプロモーターは、米またはトマト由来のrbc
sプロモーターのような葉に特異的なプロモーター(Kyozuka等、1993、Plant P
hysiology 102:991-1000)、コレラウイルスアデニンメチルトランスフェラーゼ
遺伝子プロモーター(MitraおよびHiggins、1994、Plant Molecular Biology 26
:85-93)、または米由来のaldP遺伝子プロモーター(Kagaya等、1995、Mole
cular and General Genetics 248:668-674)、または馬鈴薯pin2プロモータ
ーのような創傷誘導プロモーター(Xu等、1993、Plant Molecular Biology 22:5
73-588)であってよい。
【0113】 植物中の酵素のより高度な発現を達成するため、プロモーターエンハンサー要
素もまた使用できる。例えば、プロモーターエンハンサー要素は、プロモーター
と、本発明に係るポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列との間に位置
するイントロンであってよい。例えば、Xu等、1993、上記、は、発現を増強する
ための米アクチン1遺伝子の第一イントロンの使用を開示している。
【0114】 選択マーカー遺伝子および発現組み立て物のその他の任意の部分は、当分野に
おいて取得可能なものから選択することができる。
【0115】 核酸組み立て物は、Agrobacterium仲介形質転換、ウイルス仲介形質転換、マ
イクロ注入、粒子衝突、微粒子銃、形質転換、および電気穿孔を包含する当分野
で既知の常套技術に従って植物ゲノム中に組み込む(Gasser等、1990、Science
244:1293;Potrykus、1990、Bio/Technology 8:535;Shimamoto等、1989、Natur
e 338:274)。
【0116】 現在、Agrobacterium tumefaciens仲介遺伝子移動が、トランスジェニック双
子葉植物の作製にとって最良の方法である(総説については、HooykasおよびSch
ilperoort、1992、Plant Molecular Biology 19:15-38を参照されたい)。しか
しながら、これは単子葉植物の形質転換にも使用することができる(もっともこ
れらの植物に対しては一般に他の形質転換法が好ましい)。現在、トランスジェ
ニック単子葉植物の作製にとって最良の方法は、胚性calliまたは発達しつつあ
る胚の粒子衝突(トランスフォーミングDNAで被覆された顕微鏡的金またはタ
ングステン粒子)である(Christou、1992、Plant Journal 2:275-281;Shimamo
to、1994、Current Opinion Biotechnology 5:158-162;Vasil等、1992、Bio/Te
chnology 10:667-674)。単子葉植物の形質転換のための代替法は、Omirulleh等
、1993、Plant Molecular Biology 21:415-428に記載のようなプロトプラスト形
質転換に基づいている。
【0117】 形質転換の後、発現組み立て物がその中に組み込まれた形質転換体を選択し、
当分野で周知の方法に従い、全植物に再生する。
【0118】 本発明はさらに、(a)本発明に係るガラクトースオキシダーゼ活性を有する
ポリペプチドをコードしている核酸配列を含むトランスジェニック植物または植
物細胞を、該ポリペプチドの産生の助けとなる条件下で培養し;そして、(b)
該ポリペプチドを回収する、ことを含む、本発明に係るポリペプチドを生成する
ための方法に関するものである。
【0119】 ガラクトースオキシダーゼ活性の除去または低減 本発明はさらに、親細胞の突然変異細胞を生成するための方法であって、該ポ
リペプチドをコードしている核酸配列またはその調節配列(control sequence)
を破壊または除去すること[これは、同一条件下で培養した時に親細胞よりも少
ない該ポリペプチドを産生する突然変異体細胞を産む]を含む方法に関するもの
である。
【0120】 低減したガラクトースオキシダーゼ活性を有する菌株の組み立ては、ガラクト
ースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドの、細胞中での発現に必要な核酸配
列を修飾または不活性化することにより、簡便に達成することができる。修飾ま
たは不活性化すべき核酸配列は、例えば該ポリペプチドをコードしている核酸配
列またはガラクトースオキシダーゼ活性を表すために必須であるその一部分であ
ってよく、または、該核酸配列は、該核酸配列のコード化配列からの該ポリペプ
チドの発現にとって必要な調節機能を有し得る。係る調節(regulatory)または
調節(control)配列の例は、プロモーター配列またはその機能的部分、即ち、
該ポリペプチドの発現をさせるのに充分である部分であってよい。修飾の可能性
のためのその他の調節配列は上に記載されている。
【0121】 核酸配列の修飾または不活性化は、その細胞を突然変異誘発に付し、ガラクト
ースオキシダーゼ産生能が低下している細胞を選択またはスクリーニングするこ
とによって実施することができる。特異的であっても無作為であってもよい突然
変異誘発は、例えば、適当な物理的または化学的突然変異誘発剤の使用により、
適当なオリゴヌクレオチドの使用により、またはDNA配列をPCR生成突然変
異誘発に付すことにより、実施することができる。さらに、突然変異誘発は、こ
れら突然変異誘発剤の任意の組み合わせを用いることにより実施することができ
る。
【0122】 本発明の目的にとって好適な物理的または化学的突然変異誘発剤の例は、紫外
線(UV)照射、ヒドロキシルアミン、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソ
グアニジン(MNNG)、O−メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、エチルメタ
ンスルホナート(EMS)、亜硫酸水素ナトリウム、蟻酸、およびヌクレオチド
類似体を包含する。
【0123】 このような試薬を使用する時、突然変異誘発は、典型的には、適当な条件の下
で、選択された突然変異誘発剤の存在下に、突然変異させるべき細胞をインキュ
ベートし、ガラクトースオキシダーゼ活性または産生の低下を表している細胞を
選択することによって実施する。
【0124】 本発明に係るポリペプチドの産生の修飾または不活性化は、該ポリペプチドを
コードしている核酸配列中の1またはそれ以上のヌクレオチド、またはその転写
もしくは翻訳に必要な調節要素を、導入、置換、または除去することによって達
成することができる。例えば、停止コドンの導入、開始コドンの除去、またはオ
ープンリーディングフレームの変更がもたらされるようにヌクレオチドを挿入ま
たは除去することができる。このような修飾または不活性化は、当分野で知られ
る方法に従い、部位指定突然変異誘発またはPCR生成突然変異誘発によって達
成することができる。原則としてこの修飾は、インビボ、即ち修飾されるべき核
酸配列を発現する細胞上で直接実施することができるが、下記に例示するように
修飾をインビトロで実施することが好ましい。
【0125】 宿主細胞による産生を排除または低下させる簡便な方法の例は、遺伝子置換ま
たは遺伝子分断による方法である。遺伝子分断法では、興味の持たれる内因性遺
伝子または遺伝子フラグメントに対応する核酸配列を、インビトロで突然変異誘
発させて欠陥のある核酸配列を生成し、次いでこれを宿主細胞中に導入して欠陥
遺伝子を作り出す。ホモローガス組換えによってこの欠陥核酸配列は、内因性遺
伝子または遺伝子フラグメントに取って代わる。欠陥遺伝子または遺伝子フラグ
メントはさらに、ポリペプチドをコードしている遺伝子が修飾または破壊されて
いる形質転換体の選択に使用できるマーカーをもコードしていることが望ましい
【0126】 別法として、核酸配列の修飾または不活性化は、ポリペプチドコード化配列に
対し相補的なヌクレオチド配列を用いる、確立されたアンチセンス技術によって
実施することができる。より詳細には、その細胞において転写され得、その細胞
において産生されるポリペプチドmRNAとハイブリダイズできる、該ポリペプ
チドをコードしている核酸配列に対し相補的なヌクレオチド配列を導入すること
によって、該細胞による該ポリペプチドの産生を低下させ、または排除すること
ができる。相補的アンチセンスヌクレオチド配列がポリペプチドmRNAとハイ
ブリダイズすることを可能にする条件の下では、翻訳されるポリペプチドの量は
、従って低下または排除される。
【0127】 本発明に係る方法に従って修飾される細胞は微生物起源、例えば、その細胞に
対しホモローガスまたはヘテロローガスのいずれかである所望蛋白生成物の産生
に好適な真菌菌株である。
【0128】 本発明はさらに、該ポリペプチドをコードしている核酸配列またはその調節配
列の破壊または除去[これは親細胞よりも少ないポリペプチドを産生する突然変
異体細胞をもたらす]を含む、親細胞の突然変異体細胞に関するものである。
【0129】 このようにして作られたポリペプチド欠陥突然変異体細胞は、ホモローガスお
よび/またはヘテロローガスなポリペプチドの発現のための宿主細胞として特に
有用である。故に、本発明はさらに、(a)該ポリペプチドの産生を助ける条件
の下で突然変異体細胞を培養し;そして、(b)該ポリペプチドを回収する、こ
とを含む、ホモローガスまたはヘテロローガスなポリペプチドを生成するための
方法に関するものである。「ヘテロローガスなポリペプチド」という語は、宿主
細胞にとって固有でないポリペプチド、修飾が施されて天然配列が変更された天
然蛋白、または組換えDNA技術による宿主細胞の操作の結果、その発現が量的
に変更されている天然蛋白、として本明細書に定義される。
【0130】 さらなる態様において、本発明は、ガラクトースオキシダーゼ活性を阻害する
ことのできる試薬の有効量を、発酵ブロスに、発酵の完了する前、最中、または
後に添加し、興味の持たれる生成物を発酵ブロスから回収し、そして所望により
回収した生成物をさらなる精製に付すことにより、本発明に係るポリペプチドお
よび興味の持たれる蛋白生成物の両者を生成する細胞の発酵によって、ガラクト
ースオキシダーゼ活性を本質上持たない蛋白生成物を生成するための方法に関す
るものである。
【0131】 さらなる態様において、本発明は、当該生成物の発現をさせる条件の下で当該
細胞を培養し、得られた培養ブロスを、ガラクトースオキシダーゼ活性を実質上
低下させるようなpHおよび温度の複合処理に付し、そして生成物を培養ブロスか
ら回収することにより、ガラクトースオキシダーゼ活性を本質上持たない蛋白生
成物を生成するための方法に関するものである。別法として、pHおよび温度の複
合処理を、培養ブロスから回収した酵素調製物に対して行うこともできる。pHお
よび温度の複合処理は、所望によりガラクトースオキシダーゼインヒビターによ
る処理と共に使用することもできる。
【0132】 本発明のこの態様に従い、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、
より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして
最も好ましくは少なくとも99%のガラクトースオキシダーゼ活性を除去するこ
とが可能である。この方法を使用することにより、ガラクトースオキシダーゼ活
性の完全な除去が達成できる。
【0133】 pHおよび温度の複合処理は、好ましくは6.5−7の範囲のpHおよび40−7
0℃の範囲の温度で、所望の効果を得るのに充分な時間(典型的には30ないし
60分間で充分である)実施する。
【0134】 興味の持たれる生成物の培養および精製に用いられる方法は、当分野で既知の
方法により実施することができる。
【0135】 本質上ガラクトースオキシダーゼを持たない生成物を産生されるための本発明
方法は、真核生物ポリペプチド、特に真菌蛋白、例えば酵素の産生においてとり
わけ興味深い。酵素は、例えば澱粉分解酵素、脂質分解酵素、蛋白分解酵素、細
胞溶解酵素、酸化還元酵素、または植物細胞壁分解酵素から選択できる。このよ
うな酵素の例は、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、アミログルコシダーゼ、カ
ルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナー
ゼ、クチナーゼ、シクロデキストリン、グリコシルトランスフェラーゼ、デオキ
シリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ
、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ハロペルオキ
シダーゼ、ヘミセルラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、ラッカーゼ、リガ
ーゼ、リパーゼ、リアーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素
、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオ
キシダーゼ、蛋白分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスフェラーゼ、トランス
グルタミナーゼ、またはキシラナーゼを包含する。ガラクトースオキシダーゼ欠
陥細胞はさらに、ホルモン、成長因子、レセプター等のような薬学的興味の持た
れるヘテロローガス蛋白の発現に使用することもできる。
【0136】 「真核生物ポリペプチド」という語は、天然ポリペプチドのみならず、アミノ
酸置換、除去もしくは付加、または活性、熱安定性、pH耐性等を増強するような
その他の修飾によって修飾されたポリペプチド、例えば酵素を包含する。
【0137】 さらなる態様において、本発明は、本発明に係る方法によって産生された、ガ
ラクトースオキシダーゼ活性を本質上持たない蛋白生成物に関するものである。
【0138】 用途 本発明はさらに、ガラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを使用
する方法を目的とする。
【0139】 本発明に係るポリペプチドは、Buglova、1983、Mikrobiol.Zh. 45:70-77、に
記載の方法を用いるガラクトースの定量に使用することができる。
【0140】 本発明に係るポリペプチドは、過酸化水素の産生に使用することもできる。
【0141】 シグナルペプチド 本発明はさらに、配列番号2のアミノ酸1ないし20より成るシグナルペプチ
ドをコードしている配列番号1のヌクレオチド1ないし60より成る核酸配列に
機能的に連結した、蛋白をコードしている遺伝子[ここでこの遺伝子は該核酸配
列にとって外来性である]を含む核酸組み立て物に関するものである。
【0142】 本発明はさらに、係る核酸組み立て物を含む組換え宿主細胞および組換え発現
ベクターに関するものである。
【0143】 本発明はさらに、(a)このような組換え宿主細胞を、当該蛋白の産生にとっ
て好適な条件下で培養し;そして、(b)該蛋白を回収する、ことを含む、蛋白
の産生のための方法に関するものである。
【0144】 核酸配列は、その他の調節配列と共に外来遺伝子に機能的に連結することがで
きる。このようなその他の調節配列は上に記載されている。
【0145】 当該蛋白は、宿主細胞にとって天然またはヘテロローガスであってよい。「蛋
白」という語は、本明細書中で、特定の長さのコード化生成物を指すものではな
く、故に、ペプチド、オリゴペプチド、および蛋白を包含する。「蛋白」という
語はまた、合してコードされている生成物を形成している、2またはそれ以上の
ポリペプチドをも包含する。蛋白はさらに、少なくとも2個の異なった蛋白から
得られる、部分的または完全なポリペプチド配列の組み合わせを含む、ハイブリ
ッドポリペプチドを包含する[ここで、1またはそれ以上が、宿主細胞にとって
ヘテロローガスまたは天然のものであってよい]。蛋白はさらに、上述の蛋白お
よびハイブリッド蛋白の、天然に出現するアレレ変異体および作り替えられた変
異体を包含する。
【0146】 好ましくは、蛋白は、ホルモン、ホルモン変異体、酵素、レセプターもしくは
その一部、抗体もしくはその一部、またはリポーターである。より好ましい態様
において、蛋白は、酸化還元酵素、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、リアー
ゼ、イソメラーゼ、またはリガーゼである。さらに好ましい態様において、蛋白
は、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダ
ーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリン
グリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α
−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシ
ダーゼ、β−グルコシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノ
シダーゼ、ムタナーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペルオキシダーゼ、
フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、蛋白分解酵素、リボヌクレアーゼ、
トランスグルタミナーゼ、またはキシラナーゼである。
【0147】 遺伝子は任意の原核生物、真核生物、またはその他の供給源から取得すること
ができる。
【0148】 さらに本発明を以下の実施例により説明するが、これらは本発明の範囲を限定
するものと解してはならない。
【0149】 実施例 緩衝剤および基質として使用する化学薬品は、少なくとも試薬等級の市販製品
である。
【0150】 培地および溶液 COVE微量金属溶液は、1リットル当たり、NaB・10HO 0.
04g、CuSO・5HO 0.4g、FeSO・7HO 1.2g、Mn
SO・HO 0.7g、NaMoO・2HO 0.8g、およびZnSO ・7HO 10gで構成されていた。
【0151】 50X COVE塩溶液は、1リットル当たり、KCl 26g、MgSO
7HO 26g、KHPO76g、およびCOVE微量金属50mLで構成
されていた。
【0152】 COVE培地は、1リットル当たり、スクロース342.3g、50X COV
E塩溶液20mL、1Mアセトアミド10mL、1.5MCsCl10mL、およびN
oble寒天25gで構成されていた。
【0153】 50X Vogels培地は、1リットル当たり、クエン酸ナトリウム150g、K
PO250g、MgSO・7HO 10g、CaCl・2HO 1
0g、ビオチン保存溶液2.5mL、およびAMG微量金属溶液5.0mLで構成され
ていた。
【0154】 COVEトップアガロースは、1リットル当たり、50X COVE塩20mL
、0.8Mスクロース、1.5M塩化セシウム、1.0Mアセトアミド、および低
融点アガロース10gで構成され、pHを6.0に調節した。
【0155】 RA胞子形成培地は、1リットル当たり、琥珀酸50g、NaNO12.1
g、グルコース1g、50XVogels20mL、および10mg/mLNaMoO保存
溶液0.5mLで構成され、pH6.0とした。
【0156】 YEPG培地は、1リットル当たり、酵母抽出物10g、ペプトン20g、お
よびグルコース20gで構成されていた。
【0157】 STCは、0.8Mソルビトール、25mM トリス(pH8)、25mM CaCl
で構成されていた。
【0158】 SPTCは、40%PEG4000、0.8Mソルビトール、25mMトリス(pH
8)、25mM CaClで構成されていた。
【0159】 M400Da培地は、1リットル当たり、マルトデキストリン50g、MgS
・7HO 2g、KHPO2g、クエン酸4g、酵母抽出物8g、尿
素2g、およびCOVE微量金属溶液1mLで構成されていた。
【0160】 実施例1:Fusarium venenatum菌糸の単離 Fusarium菌株ATCC20334の形態突然変異体であるFusarium venenatum
CC1-3(Wiebe等、1991、Mycol.Research 95:1284-1288)を、炭素源としてのNU
TRIOSE(商標)(Roquette Freres,S.A.、ベインハイム、フランス)および酵母抽出
物による養分供給バッチ発酵計画を用いて2リットルの研究室規模発酵槽で生育
させた。供給養分中に燐酸アンモニウムを加えた。pHは6ないし6.5に維持し
、正の溶解酸素と共に温度を30℃に保った。
【0161】 接種後2、4、6、および8日目に菌糸試料を収穫し、液体窒素中で急速凍結
した。RNA抽出のため試料を破壊するまで、これを−80℃で保存した。
【0162】 実施例2:cDNAライブラリーの組み立て TimberlakeおよびBarnardの方法(1981、Cell 26:29-37)に従い、全細胞RN
Aを実施例1に記載の菌糸試料から抽出し、RNA試料を、1%ホルムアルデヒ
ド−アガロースゲルからブロッティングさせた後、ノーザンハイブリダイゼーシ
ョンによって分析した(Davis等、1986、Basic Methods in Molecular Biology
、Elsevier Science Publishing Co.,Inc.、ニューヨーク)。製造者の指示に従
い、mRNAセパレーターキット(商標)(Clontech Laboratories,Inc.、パロ
アルト、CA)を用いてポリアデニル化mRNA画分を全RNAから単離した。
NotI−(dT)18プライマー(Pharmacia Biotech,Inc.、ピスカタウェイ
、NJ)を第一鎖合成の開始に使用する外はGublerおよびHoffmanの方法(1983
、Gene 25:263-269)に従って、ポリ(A)+mRNAおよそ5μgを用いて二本
鎖cDNAを合成した。このcDNAを緑豆ヌクレアーゼ(Boehringer Mannhei
m Corporation、インディアナポリス、IN)で処理し、末端をT4 DNAポリ
メラーゼ(New Ingland Biolabs、ビバリー、MA)で平滑化した。
【0163】 cDNAをNotIで消化し、アガロースゲル電気泳動によりサイズ選択し(
約0.7−4.5kb)、NotIおよびEcoRVで開裂し仔ウシ腸アルカリホス
ファターゼ(Boehringer Mannheim Corporation、インディアナポリス、IN)
で脱燐酸化しておいたpZErO−2.1(Invitrogen Corporation、カールス
バッド、CA)とライゲーションした。このライゲーション混合物を用いてコン
ピテントなE.coliTOP10細胞(Invitrogen Corporation、カールスバッド、
CA)を形質転換した。最終濃度50μg/mLのカナマイシンを含有する2YT寒
天平板上で形質転換体を選択した(Miller、1992、A Short Course in Bacteria
l Genetics. A Laboratory Manual and Handbook for Escherichia coli and Re
lated Bacteria、Cold Spring Harbor Press、コールドスプリングハーバー、ニ
ューヨーク)。
【0164】 二つの独立した指向性のcDNAライブラリーをプラスミドクローニングベク
ターpZErO−2.1を用いて組み立てた。ライブラリーAは4日目に収穫し
た菌糸由来のmRNAを用いて作製し、ライブラリーBは6日目時点のものから
のmRNAを用いて組み立てた。どちらのcDNAライブラリーも、細胞におけ
る遺伝子発現プロフィルの代表的「片鱗」を調査するため、増幅はなされなかっ
た。その代わりに、ライブラリーを平板培養し、力価測定し、各ライブラリー由
来の独立したクローンをDNA配列決定によって分析した。
【0165】 ライブラリーA(4日細胞)は約7.5x10の独立したクローンで構成さ
れ、ライブラリーB(6日細胞)はほぼ1.2x10クローンで構成されてい
た。各ライブラリー中の40個のコロニーからMiniprep DNAを単離し、cD
NA挿入物の存在および大きさを調査した。この分析で、ライブラリーA由来の
40コロニーのうち39(97.5%)が600bpないし2200bp(平均=1
050bp)の範囲の大きさの挿入物を含んでいた。同様に、ライブラリーBから
採取した40コロニーのうち39(97.5%)が、800bpないし3600bp
(平均=1380bp)の範囲の大きさの挿入物を有していた。
【0166】 実施例3:鋳型の作製およびヌクレオチド配列決定 実施例2に記載のcDNAライブラリーの各々から1192個の形質転換体コ
ロニーを形質転換平板から直接選び取り、カナマイシン50μg/mLを含有する2
YTブロス(Miller、1992、前記)200μLの入った96ウェル微量滴定皿に
入れた。この平板を、振盪することなく37℃で一夜インキュベートした。イン
キュベーションの後、50%無菌グリセロール100μLを各ウェルに加えた。
形質転換体を、各ウェルに1mL当たりカナマイシン50μgを添加したMagnific
ent Broth(商標)(MacConnell Research、サンディエゴ、CA)1mLを入れた二次
の深皿96ウェル微量培養平板中に(Advanced Genetic Technologies Corporat
ion、ガイザースバーグ、MD)複製した。一次微量滴定板は−80℃で凍結保存
した。二次深皿平板を、回転振盪機上で激しく攪拌しながら(300rpm)37
℃で一夜インキュベートした。こぼれ出たり相互汚染したりすることを防ぐため
、そして充分な通気を行うため、二次培養平板の各々はポリプロピレン板(Adva
nced Genetic Technologies Corporation、ガイザースバーグ、MD)およびプラ
スチック微量定量皿カバーで覆った。
【0167】 Utterback等によって改変された(1995、Genome Sci.Technol. 1:1-8)Advanc
ed Genetic Technologies Corporation(ガイザースバーグ、MD)の96ウェルM
iniprep Kitプロトコルを用いて、DNAを各ウェルから単離した。色素−ター
ミネーター化学(Giesecke等、1992、Journal of Virology Methods 38:47-60)
および逆lacシークエンシングプライマーを用いてPerkin-Elmer Applied Bio
systemsモデル377シークエンサーXL(Perkin-Elmer Applied Biosystems,I
nc.、フォスターシティー、CA)により、単一パスDNA配列決定を行った。
【0168】 実施例4:DNA配列データの分析 ヌクレオチド配列データをその質について精査し、不適当な間隔または2%を
超えるレベルのアンビギュイティーを与える試料を廃棄または再測定した。ベク
ター配列はFACTURA(商標)ソフトウェア(Perkin-Elmer Applied Biosystems,Inc
.、フォスターシティー、CA)の助けを借りて除去した。加えて、アンビギュ
アス塩基の要求数が増加した場合は各試料の末端で配列を切除した。全ての配列
を、AutoAssembler(商標)ソフトウェア(Perkin-Elmer Applied Biosystems,Inc
.、フォスターシティー、CA)を用いて相互比較し、多重度を決定した。最後
に、全配列を3個のフレームで翻訳し、限界評点70でBLOSUM 62マトリックス
を用いる改良Smith-Watermanアルゴリズムと共にGeneAssist(商標)ソフトウェ
ア(Perkin-Elmer Applied Bisystems,Inc.、フォスターシティー、CA)を使用
して非重複データベース(NRDB)に対する検索を行った。NRDBはGenpep
t、Swiss-Prot、およびPIRデータベースから集めた。
【0169】 実施例5:部分的ガラクトースオキシダーゼcDNAクローンの同定 製造者の指示に従い、Applied Biosystemsモデル377 XL自動DNAシー
クエンサーを使用して、ランダムcDNAクローンの部分的配列決定を行うこと
により、そして推定アミノ酸配列と、実施例4に記載のDactylium dendroidsガ
ラクトースオキシダーゼ(EMBL M86819)のアミノ酸配列とを比較す
ることにより、推定ガラクトースオキシダーゼクローンを同定した。このクロー
ンは、Dactylium dendroidsガラクトースオキシダーゼアミノ酸配列との並置に
基づき、部分的フラグメントであると推定された。このクローンはE.coli
FD0728(pFD0728)と命名された。この部分的フラグメントをFusa
rium venenatumゲノムライブラリーをスクリーニングするためのプローブとして
使用した。
【0170】 実施例6:Fusarium venenatumゲノムDNA抽出 Fusarium venenatum CC1-3を、28℃、および1リットル当たり酵母抽出物5
gおよびグルコース20gより成るYEG培地25mL中159rpmで24時間生
育させた。次に、Miracloth(Calbiochem、ラホーヤ、CA)で濾過することによ
り菌糸を集め、10mMトリス-1mM EDTA(TE)緩衝液25mLで1回洗浄し
た。過剰の緩衝液を菌糸から排水し、続いてこれを液体窒素中で凍結した。凍結
菌糸を電動コーヒーミルで微粉に粉砕し、この粉末を、使い捨てプラスチック遠
沈管に入れたTE緩衝液20mLおよび20%w/vドデシル硫酸ナトリウム(SD
S)5mLに加えた。混合物を数回静かに逆さにして混合を確実にし、等容量のフ
ェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1 v/v/v)で2
回抽出した。酢酸ナトリウム(3M溶液)を加えて最終濃度0.3Mとし、氷冷
エタノール2.5容量で核酸を沈殿させた。管を15000xgで30分間遠沈
し、ペレットを30分間風乾した後TE緩衝液0.5mL中に再懸濁した。DNア
ーゼを含まないリボヌクレアーゼAを100μg/mLの濃度まで添加し、混合物を
37℃で30分間インキュベートした。次いでプロテイナーゼK(200μg/mL
)を加え、混合物を37℃でさらに1時間インキュベートした。最後に混合物を
フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1 v/v/v)で
2回抽出し、その後、標準法に従って酢酸ナトリウムおよびエタノールでDNA
を沈殿させた。DNAペレットを減圧乾燥し、TE緩衝液に再懸濁し、4℃で保
存した。
【0171】 実施例7:ゲノムDNAライブラリー組み立て物およびスクリーニング 製造者の指示に従い(Life Technologies、ガイザースバーグ、MD)λZi
pLox中でFusarium venenatumのゲノムライブラリーを組み立てた。Fusarium
venenatumゲノムDNAをTsp509Iで部分消化し、1%アガロースゲル上
でサイズ分画した。サイズ範囲3−7kbに移動するDNAフラグメントを切り取
り、Prep-a-Gene試薬を用いてアガロースゲル切片から溶離した(BioRad、ハー
キュリーズ、CA)。溶離したDNAフラグメントをEcoRI開裂および脱燐
酸化したλZipLoxベクターアーム(Life Technologies、ガイザースバー
グ、MD)とライゲーションし、このライゲーション混合物を、市販のパッケー
ジングエキストラクト(Stratagene、ラホーヤ、CA)を用いてパッケージング
した。パッケージングされたDNAライブラリーを平板培養し、E.coli Y
1090ZL細胞中で増幅させた。
【0172】 このライブラリー由来のプラークおよそ40000個を、45℃の高緊縮条件
(高緊縮=50%ホルムアミド、5X SSPE、0.3%SDS、200μg/mL
剪断および変性鮭精子DNA)を用いて、Fusarium venenatumガラクトースオキ
シダーゼ遺伝子の放射標識プローブフラグメントでプラークハイブリダイゼーシ
ョンすることによってスクリーニングした(Davis等、1980、前記)。ハイブリ
ダイゼーションシグナルを示したプラークをE.coli Y1090ZL細胞中
で1回精製し、引き続き個々のクローンを、pZL1−誘導体としてλZipL
oxベクターから切り取った(D’Alessio等、1992、Focus(商標)14:7)。
【0173】 Fusarium venenatumガラクトースオキシダーゼ遺伝子プローブと強固にハイブ
リダイズした6個のプラークを同定し、続いて可能性のあるクローンの各々を、
pZL1−誘導体としてλZipLoxベクターから切り取った(D’Alessio等
、1992、前記)。製造者の指示に従いE.coli DH10B細胞で継代するこ
とにより、プラスミドDNAをこのクローンから単離した(Life Technologies
、ガイザースバーグ、MD)。このクローンが同一であるかどうかを決定するた
め、プラスミドをEcoRIおよびNotIで消化した。クローニングされた挿
入物の大きさをアガロースゲル電気泳動により決定した。この消化物から、最大
挿入物は、およそ4.3kbのDNAセグメントを含んでいた。このクローンをE.
coli DH10B−pEJG45と命名し、これを配列分析のために選択し
た。
【0174】 実施例8:Fusarium venenatumゲノムガラクトースオキシダーゼクローンのヌ
クレオチド配列決定および特性決定 色素−ターミネーター化学を用いるApplied Biosystemsモデル377 XL自
動DNAシークエンサーを使用してDNA配列決定を実施した。隣接する配列を
トランスポゾン挿入法を用いて作り出した(Primer Island Transpositionキッ
ト、Perkin-Elmer/Applied Biosystems,Inc.、フォスターシティー、CA)。実
施例7に記載のE.coli DH10B−pEJG45由来のガラクトースオキ
シダーゼゲノムクローンを平均重複度5.5で配列決定した。
【0175】 ガラクトースオキシダーゼクローンは、679アミノ酸のポリペプチドをコー
ドしている2037bpのオープンリーディングフレームを持っていた。このヌク
レオチド配列(配列番号1)および推定アミノ酸配列(配列番号2)を図1に示
す。シグナルPプログラム(Nielsen等、1997、Protein Engineering 10:1-6)
を使用して、ヌクレオチド1ないし60に対応する20残基のシグナルペプチド
を予想した。
【0176】 限界評点70でBLOSUM 62マトリックスを用いる改良Smith-Watermanアルゴリ
ズムと共にGeneAssist(商標)ソフトウェア(Perkin-Elmer Applied Bisystems
,Inc.、フォスターシティー、CA)を使用して、ガラクトースオキシダーゼ配列
の比較並置を管理した。
【0177】 この比較並置は、Fusarium venenatumガラクトースオキシダーゼの推定アミノ
酸配列が、Dactylium dendroides由来のガラクトースオキシダーゼ蛋白と一致す
る領域を61.48%持っていることを示した(EMBL M86819)。
【0178】 実施例9:プラスミドpSheB1の組み立て Fusarium venenatum発現ベクターpSheB1(図2)を、pDM181(W
O98/20136)の修飾によって作製した。この修飾は、(a)pDM18
1配列内部の2個のNcoI部位の除去、および(b)Fusarium oxysporumトリ
プシンプロモーターの天然翻訳開始の回復(ATH開始コドンにNcoI部位の
再構築)、を含んでいた。
【0179】 製造者の指示に従い、QuikChange(商標)部位指定突然変異誘発キット(Strata
gene Cloning Systems、ラホーヤ、CA)を使用して、pDM181配列内部の
2個のNcoI部位の除去を、以下の突然変異誘発プライマーの対によって達成
した: 5'-dCAGTGAATTGGCCTCGATGGCCGCGGCCGCGAATT-3' plus (配列番号3) 5'-dAATTCGCGGCCGCGGCCATCGAGGCCAATTCACTG-3' (配列番号4) 5'-dCACGAAGGAAAGACGATGGCTTTCACGGTGTCTG-3' plus (配列番号5) 5'-dCAGACACCGTGAAAGCCATCGTCTTTCCTTCGTG-3' (配列番号6) Fusarium oxysporumトリプシンプロモーターの天然翻訳開始の回復もまた、以
下の突然変異誘発プライマーの対と共にStratageneのQuikChange(商標)部位指定
突然変異誘発キットを使用して達成した: 5'-dCTATCTCTTCACCATGGTACCTTAATTAAATACCTTGTTGGAAGCG-3'plus(配列番号7) 5'-dCGCTTCCAACAAGGTATTTAATTAAGGTACCATGGTGAAGAGATAG-3' (配列番号8) 全ての部位指定変化は、適当なベクター領域のDNA配列分析により確認した
【0180】 実施例10:発現ベクターpEJG43の組み立て ガラクトースオキシダーゼ発現ベクターpEJG43を以下のように組み立て
た。以下のプライマーの対:5’−AAATCTTTCTACACCTTGGC
C−3’(前進)(配列番号9)および5’−GGGGTTAATTAATCAA
ACTGTCACCTTAATCG−3’(逆)(配列番号10)を使用して、ガ
ラクトースオキシダーゼコード化領域をゲノムクローンpEJG45から増幅し
た。逆プライマーは停止コドンの後にPacI部位を導入した。
【0181】 増幅反応(50μL)は、以下の成分:0.5μgのゲノムクローンpEJG
45、50pmolの前進プライマー、50pmolの逆プライマー、各250μMのd
ATP、dCTP、dGTP、およびdTTP、1X Pwo DNAポリメラー
ゼ緩衝液、ならびに2.5単位のPwo DNAポリメラーゼ、を含んでいた。9
5℃2分間で1サイクル;94℃45秒間、55℃45秒間、および72℃2分
間で各々10サイクル;94℃45秒間、55℃45秒間、および72℃2分間
、そしてサイクル当たり20秒間の伸長で各々17サイクル;72℃10分間で
1サイクル;および4℃での浸漬サイクル、でプログラミングされたPerkin-Elm
erモデル480熱循環機中で反応をインキュベートした。反応生成物を1%アガ
ロースゲル(Eastman Kodak、ロチェスタ、NY)上で単離し、2kb生成物のバ
ンドをゲルから切り取り、製造者の指示に従ってQiaex II(Qiagen、チャッツワ
ース、CA)を用いて精製した。
【0182】 増幅したガラクトースオキシダーゼセグメントをPacIで消化し、Qiaquik
(Qiagen、チャッツワース、CA)精製し、前もってNcoIで開裂し、Klenow
で処理し、そしてPacIで開裂しておいたベクターpSheB1にライゲーシ
ョンした。得られた発現プラスミドをpEJG43と命名した(図3)。
【0183】 実施例11:Fusarium venenatum中でのガラクトースオキシダーゼ遺伝子の発
現 RA胞子形成培地500mLを入れたフラスコに、2.5%グルコースおよび2.
5mM硝酸ナトリウムを添加した1X Vogels培地平板(2.5%Noble寒天)由来
の10のplugを接種し、28℃、150rpmで2ないし3日間インキュベートす
ることにより、Fusarium venenatum CC1-3(LYMC1)の胞子を生成させた。Mi
racloth(Calbiochem、サンディエゴ、CA)によって胞子を収穫し、Sorvall R
C-5B遠心機(E.I.DuPont De Nemours and Co.、ウィルミングトン、DE)中7
000rpmで20分間遠沈した。ペレット化した胞子を滅菌蒸留水で2回洗浄し
、少量の水に再懸濁し、次いで血球計を用いて計数した。
【0184】 YEPG培地100mLに、Fusarium venenatum CC1-3の胞子4x10を接種
し、24℃および150rpmで16時間インキュベートすることにより、プロト
プラストを調製した。この培養をSorvall RT 6000D(E.I.DuPont De Nemours an
d Co.、ウィルミングトン、DE)中3500rpmで7分間遠沈した。ペレットを
1M MgSO30mLで2回洗浄し、1M MgSO中5mg/mLのNOVOZYME 23
4(商標) 15mL(バッチPPM4356、Novo Nordisk A/S、バグズヴァド、デ
ンマーク)に再懸濁した。培養を24℃および150rpmでプロトプラストが形成
するまでインキュベートした。35mL容量の2Mソルビトールをプロトプラスト
消化物に加え、混合物を2500rpmで10分間遠沈した。ペレットを再懸濁し
、STCで2回洗浄し、2000rpmで10分間遠沈してプロトプラストをペレ
ット化した。血球計でプロトプラストを計数し、STC:SPTC:DMSOの
8:2:0.1の溶液に、1.25x10プロトプラスト/mLの最終濃度となる
ように再懸濁した。Nalgene Cryoの1℃のFreezing Container(VWR Scientific
,Inc.、サンフランシスコ、CA)で速度管理凍結した後、このプロトプラスト
を−80℃で保存した。
【0185】 Fusarium venenatum CC1-3の凍結プロトプラストを氷上で融解させた。実施例
10に記載のpEJG43 5μgおよびヘパリン5μg(STC1mL当たり5m
g)を滅菌した50mLポリプロピレン管に加えた。プロトプラスト100μLを
加え、穏やかに混合し、氷上で30分間インキュベートした。SPTC 1mLを
加え、室温で20分間インキュベートした。40℃のCOVEトップアガロース
25mLの添加後、混合物を直径150mmの空の平板上に注ぎ、室温で一夜インキ
ュベートした。次に、1mL当たりBASTA(商標)10mgを含有する40℃のC
OVEトップアガロースをさらに25mL、平板の上面に注ぎ、室温で14日間イ
ンキュベートした。除草剤BASTA(商標)の活性成分はホスフィノトリシン
である。BASTA(商標)はAgrEvo(Hoechst Schering、ロドヴル、デンマー
ク)から取得し、使用前にフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(
25:24:1)で2回、クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)で
1回抽出した。
【0186】 選択平板(下層がCOVE、上層がCOVE−BASTA(商標))から43の
形質転換体を直接選び取り、1mM CaClおよび100μg/mLのアンピシ
リン(細菌混入を防止するため)を添加したM400Da培地25mLを入れた1
25mL振盪フラスコ中に接種し、プラットフォーム振盪機上で28℃、200
rpmで7日間インキュベートした。形質転換していないレシピエント菌株もまた
負の対照として含めた。
【0187】 2、3、4、および7日目にフラスコをサンプリングし、ガラクトースオキシ
ダーゼ活性について検定した。検定溶液は、0.1Mガラクトース、1mL当たり
17μgの西洋ワサビペルオキシダーゼ、1mMABTS、74mM燐酸ナトリウム
(pH7)、および、1cm光路長のキュベット中、Shimadzu UV160U分光光
度計で、または96ウェル平板中、Molecular Devices Thermomaxマイクロ平板
読み取り機で測定される、24℃および405nmでの吸光度変化を0.03−3
単位生ずるのに充分な量のガラクトースオキシダーゼを含有していた。
【0188】 ガラクトースオキシダーゼ活性検定の結果は、この形質転換体が検出可能なガ
ラクトースオキシダーゼを産生していることを示した。
【0189】 生物学的材料の寄託 以下の生物学的材料は、ブダペスト条約の条件の下に、農事試験場特許培養コ
レクション、Northern Regional Research Center、1815 ユニヴァーシティ・ス
トリート、ピオリア、イリノイ、61604に寄託され、以下の受理番号を付与され
た: 寄託 受理番号 寄託日 E.coli DH10B(pEJG45) NRRL B-30076 1998年10月27日 この菌株は、37C.F.R. §1.14および35U.S.C. §122の下で
、米国特許商標局長によりその権利があると定められた者に、本特許出願の継続
中、当該培養の取得が可能であることを保証する条件の下で寄託された。この寄
託物は、寄託された菌株の実質上純粋な培養を表す。この寄託物は、当該出願の
対応出願またはその後継出願が出願されている外国の特許法によって要求された
場合に取得可能である。しかしながら、寄託物の取得可能性は、政府の指令によ
って許可された特許権利を減損して当該発明を実施する許諾を構成するものでは
ないことを理解すべきである。
【0190】 本明細書に開示する個別的態様は本発明の幾つかの態様の例示を意図するもの
であるため、本明細書に記載され特許請求された発明は、本明細書に開示する個
別的態様により範囲を限定されるべきではない。同等の態様は、いずれも本発明
の範囲内にあることを意図している。事実、本明細書に示され記載されているも
のに加え、本発明の様々な修飾が、前述の記載から当業者にとって明らかとなる
であろう。このような修飾もまた、付随する請求項の範囲内にあることを意図し
ている。争いの場合には、定義を包含する本開示が統制するであろう。
【0191】
【表1】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、Fusarium venenatumガラクトースオキシダーゼのゲノムDNA配列お
よび推定アミノ酸配列(それぞれ配列番号1および2)を示す。
【図2】 図2は、pSheB1の制限地図を示す。
【図3】 図3は、pEJG43の制限地図を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年3月29日(2001.3.29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項38】(a)該蛋白の産生にとって好適な条件下で請求項37に記載の
組換え宿主細胞を培養し;そして、(b)該蛋白を回収する、ことを含む、蛋白
を生成するための方法。
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月6日(2001.9.6)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図3】
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月6日(2001.9.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/04 C12N 15/00 ZNAA //(C12N 15/09 A C12R 1:77) 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA ,ZW (72)発明者 レイ,マイケル ダブリュ. アメリカ合衆国,カリフォルニア 95616, デイビス,ロビン プレイス 605 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA08 CA04 CA07 DA05 DA11 EA04 FA01 FA18 GA11 HA01 HA03 4B050 CC03 CC04 DD03 LL03 4B065 AA01X AA57X AA65X AA65Y AB01 BA02 CA28 CA46

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号2のアミノ酸21〜679と少なくとも65
    %の一致を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド; (b)中等度緊縮条件下で、(i)配列番号1のヌクレオチド61〜2037
    、(ii)配列番号1のヌクレオチド61〜2037に含まれるcDNA配列、(
    iii)少なくとも100ヌクレオチドを有する(i)または(ii)の部分配列、
    または(iv)(i)、(ii)、または(iii)の相補鎖、とハイブリダイズする
    核酸配列によりコードされているポリペプチド; (c)1またはそれ以上のアミノ酸の置換、除去、および/または挿入を含む
    、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体; (d)(a)または(b)のアレレ(allelic)変異体;および、 (e)ガラクトースオキシダーゼ活性を有する(a)、(b)、または(d)の
    フラグメント、 より成る群から選ばれる、ガラクトースオキシダーゼ活性を有する単離されたポ
    リペプチド。
  2. 【請求項2】 配列番号2のアミノ酸21〜679と少なくとも65%の一
    致を有するアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 【請求項3】 配列番号2のアミノ酸21〜679と少なくとも70%の一
    致を有するアミノ酸配列を有する、請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 【請求項4】 配列番号2のアミノ酸21〜679と少なくとも80%の一
    致を有するアミノ酸配列を有する、請求項3に記載のポリペプチド。
  5. 【請求項5】 配列番号2のアミノ酸21〜679と少なくとも90%の一
    致を有するアミノ酸配列を有する、請求項4に記載のポリペプチド。
  6. 【請求項6】 配列番号2のアミノ酸21〜679と少なくとも95%の一
    致を有するアミノ酸配列を有する、請求項5に記載のポリペプチド。
  7. 【請求項7】 配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のポリペ
    プチド。
  8. 【請求項8】 配列番号2のアミノ酸配列またはそのフラグメントから成る
    、請求項1に記載のポリペプチド。
  9. 【請求項9】 配列番号2のアミノ酸配列から成る、請求項8に記載のポリ
    ペプチド。
  10. 【請求項10】 配列番号2のアミノ酸21〜679から成る、請求項9に
    記載のポリペプチド。
  11. 【請求項11】 中等度緊縮条件下で、(i)配列番号1のヌクレオチド6
    1〜2037、(ii)配列番号1のヌクレオチド61〜2037に含まれるcD
    NA配列、(iii)少なくとも100ヌクレオチドを有する(i)または(ii)
    の部分配列、または(iv)(i)、(ii)、または(iii)の相補鎖、とハイブ
    リダイズする核酸配列によりコードされている、請求項1に記載のポリペプチド
  12. 【請求項12】 中等度緊縮条件下で、(i)配列番号1のヌクレオチド2
    342〜4318、(ii)配列番号1のヌクレオチド2342〜4318に含ま
    れるcDNA配列、または(iii)(i)または(ii)の相補鎖、とハイブリダ
    イズする核酸配列によりコードされている、請求項11に記載のポリペプチド。
  13. 【請求項13】 高度緊縮条件下で、(i)配列番号1のヌクレオチド61
    〜2037、(ii)配列番号1のヌクレオチド61〜2037に含まれるcDN
    A配列、(iii)少なくとも100ヌクレオチドを有する(i)または(ii)の
    部分配列、または(iv)(i)、(ii)、または(iii)の相補鎖、とハイブリ
    ダイズする核酸配列によりコードされている、請求項1に記載のポリペプチド。
  14. 【請求項14】 高度緊縮条件下で、(i)配列番号1のヌクレオチド23
    42〜4318、(ii)配列番号1のヌクレオチド2342〜4318に含まれ
    るcDNA配列、または(iii)(i)または(ii)の相補鎖、とハイブリダイ
    ズする核酸配列によりコードされている、請求項13に記載のポリペプチド。
  15. 【請求項15】 該ポリペプチドが、1またはそれ以上のアミノ酸の置換、
    除去、および/または挿入を含む、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプ
    チドの変異体である、請求項1に記載のポリペプチド。
  16. 【請求項16】 E.coli NRRL B−30076に含まれるプラス
    ミドpEJG45 NRRLに含まれる核酸配列によりコードされている、請求
    項1に記載のポリペプチド。
  17. 【請求項17】 配列番号2のガラクトースオキシダーゼ活性の少なくとも
    20%を有する、請求項1〜16のいずれかに記載のポリペプチド。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれかに記載のポリペプチドと同じガ
    ラクトースオキシダーゼ活性を有するポリペプチド。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかに記載のポリペプチドをコード
    している核酸配列を含む、単離された核酸配列。
  20. 【請求項20】 配列番号1の成熟ポリペプチドコード化配列に少なくとも
    1個の突然変異を有する核酸配列を含む、単離された核酸配列[ここでこの突然
    変異体核酸配列は配列番号2のアミノ酸21〜679より成るポリペプチドをコ
    ードしている]。
  21. 【請求項21】 (a)中等度緊縮条件下で、DNAを、(i)配列番号1
    のヌクレオチド2342〜4318、(ii)配列番号1のヌクレオチド2342
    〜4318に含まれるcDNA配列、(iii)少なくとも100ヌクレオチドを
    有する(i)または(ii)の部分配列、または(iv)(i)、(ii)、または(
    iii)の相補鎖、とハイブリダイズさせ;そして(b)当該核酸配列を単離する
    、ことにより生成される、単離された核酸配列。
  22. 【請求項22】 (a)高度緊縮条件下で、DNAを、(i)配列番号1の
    ヌクレオチド2342〜4318、(ii)配列番号1のヌクレオチド2342〜
    4318に含まれるcDNA配列、(iii)少なくとも100ヌクレオチドを有
    する(i)または(ii)の部分配列、または(iv)(i)、(ii)、または(ii
    i)の相補鎖、とハイブリダイズさせ;そして(b)当該核酸配列を単離する、
    ことにより生成される、請求項21に記載の単離された核酸配列。
  23. 【請求項23】 適当な発現宿主における該ポリペプチドの産生を指令する
    1またはそれ以上の調節配列に機能的に連結した、請求項19に記載の核酸配列
    を含む核酸組み立て物。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の核酸組み立て物を含む組換え発現ベク
    ター。
  25. 【請求項25】 請求項23に記載の核酸組み立て物を含む組換え宿主細胞
  26. 【請求項26】 (a)配列番号1の成熟ポリペプチドコード化配列に少な
    くとも1個の突然変異を導入し、ここでこの突然変異体核酸配列は配列番号2の
    アミノ酸21〜679より成るポリペプチドをコードし;そして(b)該突然変
    異体核酸配列を回収する、ことを含む、突然変異体核酸配列を生成するための方
    法。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の方法により生成される突然変異体核酸
    配列。
  28. 【請求項28】 (a)請求項27に記載の突然変異体核酸配列を含む菌株
    を培養して該ポリペプチドを含む上清を産生させ;そして(b)該ポリペプチド
    を回収する、ことを含む、ポリペプチドを生成するための方法。
  29. 【請求項29】 (a)菌株を培養して該ポリペプチドを含む上清を産生さ
    せ;そして(b)該ポリペプチドを回収する、ことを含む、請求項1〜18のい
    ずれかに記載のポリペプチドを生成するための方法。
  30. 【請求項30】 (a)該ポリペプチドの産生にとって好適な条件下で、該
    ポリペプチドをコードしている核酸配列を含む核酸組み立て物を含む宿主細胞を
    培養し;そして(b)該ポリペプチドを回収する、ことを含む、請求項1〜18
    のいずれかに記載のポリペプチドを生成するための方法。
  31. 【請求項31】 (a)該ポリペプチドの産生を助ける条件下で宿主細胞を
    培養し、ここで、宿主細胞は、配列番号1の成熟ポリペプチドコード化配列中に
    少なくとも1個の突然変異を有する突然変異体核酸配列を含んでおり、該突然変
    異体核酸配列は配列番号2のアミノ酸21〜679より成るポリペプチドをコー
    ドしており、そして(b)該ポリペプチドを回収する、ことを含む、ポリペプチ
    ドを生成するための方法。
  32. 【請求項32】 請求項1〜18のいずれかに記載のポリペプチドをコード
    している核酸配列またはその調節配列を破壊または除去して、該細胞より少ない
    該ポリペプチドを産生する突然変異体を産生することを含む、細胞の突然変異体
    を生成するための方法。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の方法により生成される突然変異体。
  34. 【請求項34】 ヘテロローガスな蛋白をコードしている核酸配列をさらに
    含む、請求項33に記載の突然変異体。
  35. 【請求項35】 (a)該ポリペプチドの産生を助ける条件下で請求項34
    に記載の突然変異体を培養し;そして、(b)該ポリペプチドを回収する、こと
    を含む、ヘテロローガスなポリペプチドを生成するための方法。
  36. 【請求項36】 配列番号1のヌクレオチド1〜60より成る、シグナルペ
    プチドをコードしている核酸配列と機能的に連結した、蛋白をコードしている遺
    伝子を含み、ここでこの遺伝子は該核酸配列に対し外来性である、核酸組み立て
    物。
  37. 【請求項37】 請求項36に記載の核酸組み立て物を含む組換え発現ベク
    ター。
  38. 【請求項38】 請求項36に記載の核酸組み立て物を含む組換え宿主細胞
  39. 【請求項39】 (a)該蛋白の産生にとって好適な条件下で請求項38に
    記載の組換え宿主細胞を培養し;そして、(b)該蛋白を回収する、ことを含む
    、蛋白を生成するための方法。
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