JP2003531951A - 汚れた材料の処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、水溶性小袋中の処理組成物で材料を処理する方法に関し、初めに小袋を部分的に開けて処理組成物の一部を分配させることによって、組成物の一部を材料に適用し、その後材料及び小袋中組成物の残りを水の中で洗う。小袋が少なくとも２つの区画を有し、液体組成物を含む１つの区画を開けて液体組成物を材料又は好ましくは布地上にすり込み、その後小袋の残り（閉じたままの区画及びその中の組成物を含む）を洗浄水、例えば洗濯機に入れる方法が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （発明の分野） 本発明は、水溶性の小袋中の処理組成物で材料を処理する方法に関し、これは
、まず小袋を部分的に開けて組成物の一部を材料に塗布して処理組成物の一部を
分配し、続いて材料及び小袋入り組成物の残りを水中で洗浄する。

【０００２】 （発明の背景） 洗浄製品及び布地ケア製品は、顆粒状組成物、液体組成物、及び錠剤などの様
々な形態で市場で見ることができる。

【０００３】 このような液体洗濯組成物は、液体量を保持するデバイスと共に使用するよう
市販されており、これを用いて、初めに汚れの上に直接少量の液体を分配し、次
いで衣類と共に洗濯機に入れることができる。既知の例として、いわゆる「ロー
ラーボール」容器があり、これは汚れの上で回転することによって製品を分配す
ることができ、次いで洗濯機に入れるものである。

【０００４】 本発明者らは、１つのデバイスで２段階処理を供給する、新しく、さらにより
簡便な方法を見出した。すなわち、洗濯洗剤などの処理組成物を水溶性小袋の中
に組み込む方法であり、使用者がこの小袋を開けて、組成物の一部を汚れた材料
、例えば布地上に分配でき、その後前処理をした材料及び水溶性小袋入り組成物
の残りを、洗浄水中、例えば洗濯機の引き出し又は槽中に入れることができる。
使用者は、この小袋入り組成物を、容易につかみ、汚れの上にすり込むことがで
きる。もはやこの組成物を「ローラーボール」などの分配装置に入れる必要はな
く、又は使用後に洗濯物から取り除く必要もない。

【０００５】 本明細書の１つ又は多数の小袋には、典型的に、洗浄操作に対して、例えば１
回の洗浄に対して十分な量が（全体で）含まれており、そのため使用者はこの製
品を適量に分ける必要がない。製品の周りの水溶性の小袋はまた、使用者が直接
製品に触わる機会を減らし又はなくし、これによってこの作業が単位用量の錠剤
の形態よりもより望ましいものとなる。

【０００６】 典型的にこの小袋入り組成物は、製品を含む少なくとも２つの区画を有し、使
用者はその１つ以上のみ開けて材料を前処理し、残りの１つ以上は小袋入り組成
物が水中で溶解するまで閉じたままにする。使用者は、この閉じた１つ又は複数
の区画をつかみ、（任意で、初めに濡らされた）材料（上の汚れ）の上に他の１
つ又は複数の区画をこすり付けて、その開いた区画中の製品を分配できる。こす
り付けることによって区画を開けてもよく、又は材料上に塗布する前に使用者が
区画を開けることが好ましい。これは好ましくは、切断デバイス、又は針形状の
物体などの穴あけデバイスによって行う。

【０００７】 したがってこの小袋入り組成物は、使用者が容易に区画を開けられるように、
そのような切断又は穴あけデバイスが入った容器又は箱の中に梱包されることが
好ましい。

【０００８】 （発明の概要） 本発明は、水溶性小袋中に含まれる処理組成物で材料を処理するための方法に
関し、 ａ）小袋の少なくとも一部を開け、処理組成物を材料上に分配するステップと
、 ｂ）ステップａ）の材料及び小袋入り処理組成物の残りを水の入った浴に入れ
、それにより小袋入り処理組成物の残りを分配するステップ、とを含む。

【０００９】 好ましい方法は、食器類を含む硬質表面材料、又はより好ましくは布地（衣服
）の材料の処理を含み、後者の場合には、水の入った浴が洗濯機であることが好
ましい。

【００１０】 ステップａ）で分配する処理組成物の一部が、液体形態であることが好ましい
。

【００１１】 小袋が開く（破裂する）ように、ステップａ）で小袋を加圧して開けてもよい
。またステップａ）で材料が濡れていることが好ましいこともあり、ステップａ
）で小袋入り処理組成物を材料上に塗布することによって水溶性の小袋を開ける
。これは濡れた材料と接触した領域で小袋が溶解し、それによりステップａ）で
組成物の一部を放出するためである。

【００１２】 小袋を切断して部分的に開けることが好ましく、又はさらにより好ましくは、
小袋を穴あけして穴を形成する。これにより、組成物を制御して小袋から狭い穴
を通して材料上に流すことができ、これは典型的に使用者が小袋上にかける圧力
によって（例えば、小袋入り組成物を材料上に押し付けることによって、又は材
料の上にこすり付ける又は小袋入り組成物を圧搾することによって）制御する。
典型的に、この小袋は１つ以上の区画を有し、全てではないが少なくとも１つの
区画をステップａ）で開ける。

【００１３】 本発明はまた、固有の小袋入り単位用量の処理組成物に関し、これは前述のス
テップａ）でつかみやすい形状をし、及び／又は、小袋内に弱い領域を有するか
又は小袋の一部が除去可能であって、ステップａ）で小袋から液体組成物を流す
ことができる。この弱い領域は、小袋が伸張したフィルム製の区画を有するよう
にすることで得ることができ、その結果、張力下でフィルムが最も伸張した場所
が弱い領域となる。

【００１４】 本明細書で好ましい小袋入り処理組成物は、好ましくは洗濯洗剤であり、液体
組成物、好ましくはチキソトロープ液を含む第１の区画を少なくとも有する。小
袋が第２の区画を有することも好ましく、この第２の区画の上壁面が第１の区画
の底壁面であり、第２の区画は、６０°〜１２０°、好ましくは８０°〜１００
°の内角で上壁面に連結された、１つ又は複数の側壁面を有する。これにより、
第１の区画を開ける間、使用者はこの第２の堅い区画をつかむことができ、液体
組成物を材料（例えば汚れた布地）上に塗布するときにつかみやすい。

【００１５】 好ましくは、ステップａ）で開ける第１の小袋中の液体組成物がチキソトロー
プであり、溶媒及び前記液体組成物の少なくとも２０重量％、好ましくは非イオ
ン界面活性剤を含む界面活性剤を含有し、液体のｐＨが好ましくは３〜７．５で
ある。

【００１６】 本明細書で、小袋入りの単位用量の処理組成物は、好ましくは少なくとも２つ
の区画を有し、第１の区画は第２の区画と異なるサイズ、形状、及び／又は色を
有する。

【００１７】 本発明はまた、固有の小袋入り処理組成物を提供し、この小袋は伸張されたフ
ィルム製で、好ましくは熱成形、又はより好ましくは真空成形された小袋である
。

【００１８】 本発明はまた、本明細書で説明するような水溶性小袋入り中の処理組成物、及
び切断又は穴あけデバイスとの組み合わせに関し、水溶性小袋はそれぞれ切断又
は穴あけデバイスによって切断又は穴あけされ、好ましくはこの穴あけデバイス
がピン形状（又は針形状）の部分を有する。

【００１９】 本発明はまた、本明細書で説明するような１つ以上の小袋入り処理組成物と、
切断又は穴あけデバイスとを含む容器に関する。この穴あけデバイスは、容器に
取り付けることができ、又は別個の商品として容器中に入れることができる。

【００２０】 （発明の詳細な説明） 材料の処理方法 本発明の方法は、小袋入り処理組成物を用いる少なくとも２つのステップを含
む。すなわち、初めにステップａ）で、小袋の少なくとも一部を開け、処理組成
物の一部を材料上に分配し、次いでステップｂ）で、ステップａ）の材料及び小
袋入り処理組成物の残りを水の入った浴に入れ、それにより小袋入り処理組成物
の残りを分配する。

【００２１】 本明細書で使用するとき、小袋入り処理組成物の残りとは、ステップａ）後の
小袋入り組成物の残りであり、したがって、典型的に小袋の少なくとも一部及び
組成物の少なくとも一部のことである。

【００２２】 典型的に第１のステップは、ステップ中には水を加えずに行い、これは残りの
小袋及び材料を水の入った浴に入れるステップを含む第２のステップとは対照的
である。本発明の方法で処理する材料をステップａ）の前に濡らすことが有用で
あることもあり、それによって、ステップａ）で小袋の一部が濡れた材料と接触
して溶解し、その結果組成物の一部を放出する。

【００２３】 水の入った浴は、水を保持するのに好適で、且つ、共に又はその中で洗浄する
のに好適な任意の容器であることができ、又は例えば自動洗濯機であることがで
きる。したがって、第１のステップが手で行う前処理ステップであり、第２のス
テップが洗濯機での主洗浄であることが好ましい。

【００２４】 ステップｂ）での分配は、好ましくは水との接触下での残りの小袋の反応、好
ましくは小袋の溶解、並びにその後の残りの組成物の分散及び／又は溶解を含む
。

【００２５】 小袋は、ステップａ）で処理組成物の分配を制御するために部分的にだけ開け
られることが好ましく、それは例えば、ステップａ）で小袋に処理組成物を残し
すぎるのを避け、又は、処理組成物を速く分配しすぎるのを避けるためである。
この小袋は任意の方法で開けてよく、それには部分的な溶解（上述のような）、
小袋上への圧力付加による小袋の破壊が含まれる。

【００２６】 この小袋が、弱い領域又は除去可能な領域を有することが好ましい。この弱い
領域とは、耐えられる圧力が小袋の他の部分よりも弱い領域である。化学的又は
物理的に他とは異なる材料で、好ましくはより薄い材料で作製することによって
、弱い領域を得ることが好ましいこともある。小袋が伸張されたフィルム製であ
り、最も伸張した領域が典型的により薄くなって弱い領域を形成することが好ま
しいこともある。また、小袋が弱い領域を有し、これが弱い部分（例えば穿孔部
分）の線で囲まれた領域であることが好ましいこともある。この弱い領域は、除
去可能領域、例えば剥ぎ取りストリップやフラップであってもよい。

【００２７】 小袋はまた、小袋の一部を取り除くことによって開けてもよく、より好ましく
は、典型的に小袋を切断、穴あけして穴を形成することにより、小袋中に小さな
開口部を作製して開ける。例えば穴あけは、針又はピン形状のデバイスによって
行うことができ、小さな穴（ピンホール）を形成する。これは、弱い領域、例え
ば小袋を作製するために使用する材料（好ましくはフィルム）を伸張させて得る
ことができる、小袋のより薄い部分で行うことが好ましいこともある。もちろん
、小袋が、開けるために切断又は穴あけされる弱い領域を有することが好ましい
こともある。

【００２８】 処理組成物の一部は、開口部を通って小袋から出て、材料上に移動する。典型
的にこれには、小袋の開口部を、材料、又は典型的に材料上の汚れのすぐ側にも
っていくステップ、及びいくらかの処理組成物を開口部から分配するステップが
含まれる。小袋入り処理組成物を材料に接触させ、材料の上に小袋入り処理組成
物をこすり付けることによって、製品を材料上にすり込むことが好ましい。

【００２９】 ステップａの組成物は、固体又は液体であってよい。開口部から材料上に十分
に流れ込むことができるように、ステップａ）で分配する組成物が液体であるこ
とが好ましい。好ましくは、この液体が、力を加えると液体がただ出てくるよう
な粘度であり、この力は、例えば小袋を材料の上にすり込むときに使用者が加え
る力、又は例えば開いた小袋を圧搾することによる力である。したがって、チキ
ソトロープ液体組成物であることが好ましい。好ましいチキソトロープ組成物は
、粘土、好ましくは有機的に変性された（ヘクトライト）粘土などの構成剤を含
む。また、チキソトロープ液体組成物が界面活性剤及び水を含み、この界面活性
剤が前記水との接触下でゲル化することが好ましいこともある。

【００３０】 好ましくは、この液体の粘度が（２５℃で）、せん断速度１．７ｓ^−１で測定
して、少なくとも２００Ｐａ・ｓ、若しくはさらに少なくとも５０Ｐａ・ｓ、さ
らに少なくとも１００Ｐａ・ｓ、さらに少なくとも１５０Ｐａ・ｓ、又はさらに
少なくとも２００Ｐａ・ｓである。

【００３１】 本明細書の小袋は、密閉構造であり、典型的に本明細書で説明した材料で作製
され、液体及び／又は固体組成物をその中に含む内部（体積空間）を有する。的
確に実行できるかは、例えば、小袋中の組成物のタイプ及び量、小袋中の区画の
数、並びに小袋が組成物を保持し、保護し、供給又は放出し、かつ本発明の方法
でつかみ使用するために必要な特徴に依存する。

【００３２】 好ましくは、小袋入り組成物が単位用量の組成物であり、例えばこれは複数の
小袋当りであるが、好ましくは２つの小袋当りで、又はより好ましくは１つの小
袋当りであり、したがって単独の処理操作に対して十分な組成物を保持する。

【００３３】 好ましい処理組成物は、パーソナル・ケア組成物、パーソナル・クリーニング
組成物、硬質表面洗浄組成物、食器洗い洗剤組成物、洗濯洗剤組成物、布地増強
剤や漂白剤組成物などの洗濯及び食器洗い添加物である。最も好ましいものは、
硬質表面洗浄剤、洗濯洗剤、及び食器洗い洗剤であり、最も好ましくは洗濯洗剤
である。

【００３４】 好ましくは、小袋が少なくとも２つの区画を有し、好ましくは互いに連結して
いる。この小袋は、好ましくは異なる区画を含む。好ましくは、これらの異なる
区画が異なる組成物を含み、及び／若しくは、好ましくは、例えば区画（又は組
成物）が異なる色、形状、並びに／若しくはサイズで区画を視覚的に識別でき、
又は例えば物理的状態（液体及び固体）、異なる密度、粘度、色、又は若しくは
混合といった視覚的に異なる特性の組成物を含む。

【００３５】 小袋中の１つの区画（ステップａで開ける）が、第２の区画よりも小さいこと
が好ましいこともある。正確なサイズは、各小袋がどれだけの量を含む必要があ
り、そのためどれだけの容積を必要とするかによる。例えば、第１の区画（ステ
ップａ）で開ける）が有する容積又は含む製品の量は、第２の小袋の容積又は第
２の区画中の量の７５（重量）％未満又は６０（重量）％未満でさえあり、典型
的に１０（重量）％より多く、好ましくは１５％より多い。

【００３６】 小袋が２つ以上の視覚的に識別できる区画を有し、そのため使用者が、第１の
ステップでどの区画を開けるべきかわかることが好ましい。

【００３７】 １つの区画が固体組成物を含み、その他の区画が液体組成物を含むことが好ま
しいこともある。１つの区画が、その他の区画中の組成物と異なる粘度、密度の
組成物を含むことが好ましいこともある。また、組成物又は区画又はそれらの一
部が、異なる濃淡又は色（例えば白と青）であるか、又はスペックル粒子（spec
kle particles）を含むことが好ましいこともある。また、１つの組成物が透明
な液体で、他の組成物が不透明な液体であることが好ましいこともある。また、
１つの区画が他の区画より小さいことが好ましいこともあり、典型的には第１の
ステップで開ける区画が他の区画よりも小さい。

【００３８】 小袋が、使用者がつかみやすい形状をしており、ステップａ）で処理組成物の
いくらかを分配してしまっていても、つかめることが好ましい。小袋が１つ以上
の区画を備え、ステップａ）で１つ以上の区画を開けるが、全ての区画は開けな
いことが好ましい。これにより、１つ以上の区画を開け、その中の処理組成物を
分配する間、使用者は開けない区画で小袋をつかむことができる。

【００３９】 開けない区画の１つが、堅い構造又は柔軟性のない構造でさえあることが好ま
しい。この点に関し、この区画は、真空成形又は熱成形によって作製されること
が好ましく、したがって、以下に説明するように、張力下で小袋の材料を伸張さ
せて区画を形成する。区画（開けないもの）が固体組成物を含んで、使用者がさ
らに握りやすくすることもまた好ましい。

【００４０】 また好ましくは、小袋が少なくとも１つの区画を有し、使用者がより握りやす
いように、区画の壁面の高さ（前記壁面で連結した底面から上面までの距離）は
少なくとも１ｃｍ、好ましくは少なくとも１．５ｃｍ又はさらに少なくとも２ｃ
ｍで、典型的には約１０ｃｍまで、又は好ましくは６ｃｍまで又はさらに５ｃｍ
までである。

【００４１】 典型的に、小袋又はその区画の幅又は直径は、２ｃｍ〜１２ｃｍの間、好まし
くは２．５ｃｍ、又はさらに３ｃｍ〜１０ｃｍ又はさらに８ｃｍ又はさらに６ｃ
ｍの間である。

【００４２】 ステップａ）で開ける第１の小袋の幅又は直径が、ステップｂで開けない、他
の区画の幅又は直径よりも小さいことが好ましいこともある。ただし、第１の区
画が他の区画の上面の上にあるときには、第１の区画の底面の表面積が、他の区
画の上面の表面積の、少なくとも４０％、又はさらに少なくとも５０％、又はさ
らに少なくとも６０％であることが好ましい。 これにより、本発明の方法のス
テップａ）で、使用者はさらに確実に、区画から組成物を取り出すのに十分な圧
力をかけることができる。

【００４３】 この区画が堅く、張力下にある、及び／又は伸張されたフィルム材料製である
ことが好ましい。この区画の壁面と上面（これは他の区画の底面であるか又は底
面に連結されている）との内角が、６０°から１２０°の間、好ましくは８０°
〜１００°の間、又はさらに好ましくは約９０°（したがって、小袋の側面又は
壁面の傾斜が指定した角度にある）であることもまた好ましい。これにより、使
用者がより握りやすくなる。使用者がつかむ、少なくとも１つの区画の壁面は、
湾曲しているよりも、まっすぐであることが好ましいこともある。

【００４４】 全ての区画（好ましくは２つ）を、例えばフィルムを伸張させて作製して、張
力下で伸張した材料の区画を得ることが好ましいこともある。その結果、この張
力によって、単に区画の１つが握りやすくなるだけでなく、他の区画を開けるの
も容易になる。

【００４５】 好ましい小袋入り処理組成物は、湾曲した壁面でなく、まっすぐな壁面（小袋
の上面及び底面を連結する）を有する形状の少なくとも１つの区画を有し、その
ため好ましい形状としては、六角形状、正方形状、長方形状、又は円筒形状であ
って、つかみやすく、使用者がわずかな圧力をかけて（例えば、こすり、圧搾し
て）組成物を分配できるものが挙げられる。

【００４６】 本明細書の小袋がスカートを備えることが好ましいこともあり、これは典型的
に小袋の一部又は全ての周りにあり、典型的に小袋から延びるフリル形状のスカ
ートである。典型的に、開いた小袋の形状に充填し、開いた小袋を密封して閉じ
ることによって、小袋を作製する。そのため、スカート又はフリルが、小袋から
延びる密封領域にあってもよい。

【００４７】 小袋が、他の小袋の上面の上に少なくとも２つの区画を有し、小袋／区画の材
料で分離されており、この材料が小袋から延びて、それにより小袋のスカートを
形成することが好ましいこともある。その結果形成されたスカートが、小袋を囲
むように延びることが好ましいこともある。

【００４８】 この縁部又はフリルは、処理組成物を小袋から出し、（汚れた）材料、例えば
布地上にすり込むときに、本発明の方法の小袋の使用者がステップａ）で処理組
成物に触れないようにするのに役立つ。

【００４９】 このフリル又は縁部の幅（すなわち、小袋から、フリル又は縁部の端までの距
離）は、好ましくは少なくとも０．２ｍｍで、より好ましくは少なくとも０．３
ｍｍ又はさらに０．５ｍｍ又は１．０ｃｍ以上でさえあってもよく、典型的に３
ｃｍまで又はさらに２ｃｍまで又はさらに１．５ｃｍまでである。

【００５０】 小袋入り組成物が、洗濯機又は食器洗い機用であり、分配用の引き出しから水
に分配する必要があり得るときには、小袋入り組成物の残り、又は好ましくは小
袋入り組成物自体が、引き出しから洗浄水中に分配できるようなサイズであるこ
とが好ましいこともある。ただし別法として、小袋を機械の槽中に直接入れれば
、小袋入り組成物又は小袋入り組成物の残りのサイズは、分配用の引き出しのサ
イズによって決定されない。

【００５１】 穴あけ又は切断デバイス 切断又は穴あけデバイスは、小袋を切断又は穴あけするのに好適な任意のデバ
イスであることができ、典型的に小袋中に、切れ目、切り込み、又は穴を作る。
好ましくは、穴あけデバイスが、尖った部分を有し、好ましくは尖った縁部又は
点部（例えばピン形状の部分又はかぎ部分）を有し、又はのみ形状の部分若しく
はナイフ形状の部分を有する。小袋中に穴をあける穴あけデバイスが最も好まし
い。デバイスの尖った縁部又は点部のサイズは、必要な開口部（穴、切り込み）
のサイズに応じて調整することができる。

【００５２】 切断又は穴あけデバイスは、（単位用量の）小袋入り処理組成物用の容器（例
えば箱）に取り付けてもよく、又は別個のデバイスであってもよい。

【００５３】 切断又は穴あけデバイスが、本発明の方法で使用者がつかむのに好適な部分を
有することも好ましい。そのため穴あけ又は切断デバイスが、尖った部分及びホ
ルダを備えることが好ましいこともある。

【００５４】 切断又は穴あけデバイス、典型的にそれらのホルダが、小袋入り組成物に受け
取り可能な表面又は体積を有し、典型的に切断又は穴あけによって開ける小袋入
り組成物が表面の形状に合致するようにしてあることが好ましいこともある。例
えば、小袋入り組成物又は少なくとも切断又は穴あけによって開ける部分が、丸
い形状をしており、切断又は穴あけ手段が、小袋が嵌合する中空表面を有するこ
とが好ましいこともある。

【００５５】 小袋入り組成物用の容器 小袋入り組成物は、典型的に容器中に梱包される。典型的に、この容器は多数
の小袋入り処理組成物を含む。小袋組成物をつかみ貯蔵するのに好適な任意の容
器を使用することができる。

【００５６】 好ましくは、硬い容器、例えば箱であって、少なくとも１つの、開閉すること
ができる壁面、底面、又は上面を有する。典型的に、これは容器の上面又は蓋で
ある。

【００５７】 切断又は穴あけデバイスが、容器、例えば開けた上面又は蓋に取り付けられて
いることが好ましいこともある。切断又は穴あけデバイスが、箱の外側にあって
、貯蔵中に小袋入り組成物との接触を避けることが好ましいこともある。また、
切断又は穴あけデバイスが箱の中にあり、好ましくは小袋入り組成物との接触を
避けることができるようになっていることが好ましいこともある。例えば、切断
又は穴あけデバイスを、小袋に穴をあけるために使用できる位置に移動でき、穴
あけに使用できない位置に戻せるように取り付けてもよい。例えば切断又は穴あ
けデバイスを容器の壁面、上面又は底面に平らに取り付け、その壁面、上面、又
は底面から延びて移動してもよい。

【００５８】 小袋及び小袋材料 本明細書では、少なくとも残りの小袋が水反応性材料製であって、水溶性の小
袋入り処理組成物を提供する。小袋全体が水反応性材料製であることが好ましい
。

【００５９】 本発明の目的に対して、水反応性材料とは、水との接触下で、溶解、分散、又
は分解（又はそれらの混合）をする材料を意味する。好ましくは、この材料は水
溶性である。

【００６０】 残りの小袋は、水中で反応して、その内容物を放出する。第２のステップｂ）
で順次放出させるために、残りの小袋が、１つが他よりも水に溶けやすい異なる
区画を備えてもよい。これは例えば、１つの区画に他と異なるタイプの材料を使
用することによって実現でき、これは例えば、異なる種類のポリマー、異なる可
塑剤、材料中の異なる濃度の成分、フィルム材料の異なるコーティング、フィル
ム材料の異なる厚さを有する材料である。

【００６１】 好ましくは、小袋用の水溶性フィルムの水中の溶解度が、少なくとも５０％、
好ましくは少なくとも７５％又はさらに少なくとも９５％で、これは最大孔径５
０ミクロンのガラス・フィルタを使用する以下に述べる方法での測定によるもの
であり、すなわち、 区画及び／又は小袋の材料の水溶解度を決定する、重力測定方法であり、 ５０グラム±０．１グラムの材料を、重量を測定しておいた４００ｍｌビーカ
ー中に加え、２４５ｍｌ±１ｍｌの蒸留水を加える。これを６００ｒｐｍにセッ
トした磁性攪拌器で３０分間激しく攪拌する。その後、混合物を前記で定義した
孔径（最大５０ミクロン）の固定定量ガラスフィルタで濾過する。任意の従来の
方法によって、回収した濾液から水分を乾燥させ、残ったポリマーの重量を測定
する（それが溶解又は分散画分である）。その後、％溶解度を計算できる。

【００６２】 小袋用の好ましい材料は、高分子材料のフィルム、例えばフィルム又はシート
に形成されるポリマー類である。このフィルムは、当該技術分野において既知の
ように、例えばポリマー材料のキャスティング、吹込み成形、押出し又は吹き込
み押出しによって得ることができる。好ましいポリマー、コポリマー、又はそれ
らの誘導体は、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレ
ンオキシド類、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル
類、セルロースエステル類、セルロースアミド類、ポリビニルアセテート類、ポ
リカルボン酸類及びその塩類、ポリアミノアシド類又はペプチド類、ポリアミド
類、ポリアクリルアミド、マレイン酸／アクリル酸のコポリマー類、デンプン及
びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴム（carragum）などの天然ゴム
類から選択される。より好ましくは、ポリマーは、ポリアクリレート類及び水溶
性アクリレートコポリマー類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレー
ト類から選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール類、ポリビニルアル
コールコポリマー類、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）か
ら選択される。最も好ましいのはＰＶＡフィルムであり、好ましくはフィルム（
例えばＰＶＡポリマー）中のポリマーの濃度が少なくとも６０％である。

【００６３】 ポリマーは任意の重量平均分子量を有することができ、好ましくは約１０００
〜１，０００，０００、又はさらに１０，０００〜３００，０００、又はさらに
１５，０００〜２００，０００、又はさらに２０，０００〜１５０，０００であ
る。

【００６４】 ポリマーの混合物もまた使用することができる。これは特に、その用途及び要
求されるニーズに応じて、区画又は小袋の機械的特性及び／又は溶解度特性を制
御するのに、有益であり得る。例えば、ポリマーの混合物がフィルム中に存在す
ることが好ましく、それによって１つのポリマー材料の水溶解度が他のポリマー
材料より高く、及び／又は１つのポリマー材料の機械的強度が他のポリマー材料
より高くなる。異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物を使用すること
が好ましいこともあり、これは例えば、重量平均分子量１０，０００〜４０，０
００、好ましくは約２０，０００のＰＶＡ又はそのコポリマーの混合物、及び重
量平均分子量約１００，０００〜３００，０００、好ましくは約１５０，０００
のＰＶＡ又はそのコポリマーの混合物などである。

【００６５】 ポリマーブレンド組成物もまた有用であり、例えばポリラクチドとポリビニル
アルコールのような、加水分解的に劣化可能で水溶性のポリマー混合物を含み、
これは、材料が水溶性である場合には、例えば典型的に１重量％〜３５重量％の
ポリラクチド及びおよそ６５重量％〜９９重量％のポリビニルアルコールを含む
、ポリラクチド及びポリビニルアルコールの混合によって得られる。

【００６６】 フィルム中に存在するポリマーが、材料の溶解度を向上するために、６０％〜
９８％、好ましくは８０％〜９０％加水分解されており、及び／又はフィルム中
の水を含む可塑剤の濃度を、溶解度を必要通りに調整するように変化させること
が好ましいこともある。

【００６７】 最も好ましくは、ＰＶＡポリマーを含むフィルムと同様の特性をもつＰＶＡポ
リマーを含むフィルム、及びクリス−クラフト・インダストリアル・プロダクツ
（Chris-Craft Industrial Products）（米国、インディアナ州ゲーリー）より
販売される、信用照会（trade reference）Ｍ８６３０又はＣＸＰ４０８７とし
て既知のフィルムである。第１の小袋が、ＰＶＡポリマー含有フィルムＭ８６３
０の特性を有するフィルム材料製であり、第２の小袋が、ＰＶＡ含有フィルムＣ
ＸＰ４０８７と同様の特性を有する材料製であることが好ましいこともある。好
ましくは、Ｍ８６３０及び／又はＣＸＰ４０８７材料自体である。

【００６８】 本明細書の小袋は、ポリマー又はポリマー材料以外の他の添加物成分を含んで
もよい。例えば、可塑剤を添加することが有益であることもあり、それは例えば
、水、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ソルビトール及びそれらの混合物、及び他の添加剤（例えば安定剤
）、分解補助剤である。小袋材料自体が、処理組成物成分、例えば洗浄成分、例
えば有機ポリマー系汚れ放出剤、分散剤、染料付着阻害物質、界面活性剤を含ん
で、洗浄水に分配されることが有用でることもある。

【００６９】 小袋が、本明細書で述べるような伸張可能な材料製であることが好ましい。こ
れにより、例えば、体積で９０％以上又は９５％充填された、又はさらに１００
％又はさらに過充填された、開いた小袋を閉じるのが容易になる。さらに、例え
ば堅固に形成された小袋、好ましくは硬い小袋に確実に穴をあけやすく及び使用
者がつかみやすいように、並びにつかんでいるとき及び使用時に組成物を確実に
しっかりと梱包及び固定するように、この材料が弾力性があることが好ましい。

【００７０】 好ましい伸張可能材料は、最大伸張度が少なくとも１５０％、好ましくは少な
くとも２００％、より好ましくは少なくとも４００％であり、これは、幅１ｃｍ
のフィルム片に少なくとも１ニュートンの力を加えたときに、伸張による破裂直
前の１片の材料の長さを、その材料のもとの長さと比較することによって決定さ
れる。少なくとも２ニュートン又はさらに少なくとも３ニュートンの力が使用さ
れたときに、前記のような伸張度を有するような材料が好ましい。前記の下方限
界の力が使用されるが、２０ニュートン以下、又はさらに１２ニュートン以下、
又はさらに８ニュートン以下が使用されるときに、この伸張度を有することが好
ましい。例えば、長さ１０ｃｍ、幅１ｃｍ、厚さ４０ミクロンのフィル片ムを、
それが破裂する点まで、応力の増加と共に長さ方向に伸張する。破裂直前の伸張
の程度は、長さを連続的に測定することで決定でき、伸張度は計算することがで
きる。例えば、もとの長さが１０ｃｍのこのフィルム片は、９．２ニュートンの
力で、破断直前に５２ｃｍまで伸張させることができ、したがって５２０％の最
大伸張度を有する。

【００７１】 このようなフィルム片（１０ｃｍ×１ｃｍ×４０ミクロン）を２００％の程度
まで伸張する力は、好ましくは、少なくとも１ニュートン、好ましくは少なくと
も２ニュートン、より好ましくは少なくとも２．５又は３ニュートンで、好まし
くは２０ニュートン以下、好ましくは１２ニュートン未満、より好ましくは８ニ
ュートン未満であるべきである。これにより、特に、小袋形成又は密閉後にフィ
ルムに残っている弾性力が十分高く、確実に組成物を小袋中に堅く梱包できる（
ただし真空成形又は熱成形など、真空使用を含む方法によって小袋を作製すると
きには、適度な深さの真空モールド中にフィルムを引き込めないほど弾性力が高
くはない）。

【００７２】 本明細書で明確に定義付けしたように、伸張可能材料は、閉じた小袋として存
在しないときに測定した伸張度によって定義される。ただし前記のように、小袋
を形成又は閉じるときには、この材料を伸張することが好ましい。これは例えば
、伸張してその後小袋を形成する前に、材料（例えばフィルム）上にグリッドを
転写することで調べることができ、グリッドの正方形が伸びてその結果伸張する
のを調べることができる。

【００７３】 伸張可能材料の弾性は、「弾性回復」として定義することができる。これは材
料を、例えば前述のように伸び２００％まで伸張させ、伸張力の解放後に材料の
長さを測定することによって決定できる。例えば、長さ１０ｃｍ、幅１ｃｍ、厚
さ４０ミクロンのフィルム片を、２．８ニュートンの力で（前記のように）、長
さ方向に２０ｃｍ（伸び２００％）まで伸張させ、その後力を取り除く。フィル
ムはすぐに１２ｃｍの長さまで戻り、これは８０％の弾性回復を意味する。

【００７４】 小袋材料が、弾性回復が２０％〜１００％、より好ましくは５０％又はさらに
６０％から、又はさらに７５％から、又は８０％〜１００％となるような弾性を
有することが好ましい。

【００７５】 典型的かつ好ましくは、小袋の上の不均一な伸張度で、これは形成及び密閉プ
ロセスに起因する。例えばフィルムがモールド中に位置し、開放小袋が真空成形
によって形成されるときには、モールドの底にあるフィルムの部分は、密閉点か
ら最も遠くまで移動し、上部よりも伸張される。伸張可能で、好ましくは弾性も
ある材料を使用するその他の利点は、伸張動作によって材料が不均一に伸張し、
その結果小袋が不均一な厚さを有することである。これにより、本明細書の小袋
の溶解／分解又は分散性を制御することができる。伸張材料製の小袋での厚さの
ばらつきが、１０〜１０００％、好ましくは２０％〜６００％、又はさらに４０
％〜５００％又はさらに６０％〜４００％であるように、この材料を伸張させる
ことが好ましい。これは任意の方法、例えば適切なマイクロメータを使用して測
定できる。

【００７６】 小袋入り処理組成物の製造方法 小袋は任意の方法で製造及び充填できる。小袋中に区画が十分に存在するとき
には、各区画をまず形成し、その後互いに密封することが好ましいこともある。
ただし、小袋材料を低減するためには、最初に１つの区画を作製し、他の区画の
一部として使用することがより好ましく、典型的に１つの開放区画を、予め成形
、密閉（密封）した区画によって密閉する。

【００７７】 本明細書の小袋は、好ましくは熱成形、又はさらにより好ましくは真空成形に
よって作製する。真空成形した小袋及び熱成形した小袋の伸張はそれほどではな
くても、前述のような多数の利点を有するので、本明細書の小袋の形成にはこの
ような方法を用いることが好ましい。熱成形は、典型的には、熱の適用下でモー
ルド中に開放小袋を形成するステップを含み、それによって小袋に使用する材料
をモールドの形状にすることができる。真空成形は、典型的にはモールド上に（
部分的）真空（減圧）を適用するステップを含み、それによって材料をモールド
中に吸い込み、材料を確実にモールド形状に適合させる。小袋の形成（又は区画
の形成）方法はまた、初めに材料を加熱し、その後減圧、例えば（部分的）真空
を適用して行ってもよい。

【００７８】 例えば、開いた区画をモールド中で形成し、次いで必要な組成物を充填し、そ
の後典型的には他の材料片又は他の区画と共に密閉し、密封する。

【００７９】 密封は、任意の既知の方法、例えば熱シーリング、濡れ（wetting）、接着剤
の使用、圧縮、又はそれらの組み合わせによって行うことができる。

【００８０】 このシールを小袋から延ばすことができ、本明細書で前述のように小袋周りに
スカートを形成し、そこに適当な幅の切り込みを入れることができる。あるいは
、このシールを小袋から延ばさないことが好ましいこともあり、その後完全に切
断してもよい。

【００８１】 処理組成物 好ましい処理組成物は、二重の目的を伴う組成物であり、例えば、前処理及び
洗浄、洗浄及び布地の増強又は柔軟加工、洗浄及び染色である。本明細書で好ま
しい処理組成物は、手洗い及び自動の洗濯、及び食器洗い機、硬質表面洗浄、パ
ーソナル・クリーニングなど、洗浄作業時に有用なものであり、並びに漂白添加
剤、染料組成物、及び布地コンディショナーなどの布地ケア、又は増強組成物な
ど布地処理組成物専用である。

【００８２】 この処理組成物が洗浄組成物であり、少なくとも界面活性剤を含むことが好ま
しい。また、ビルダー、漂白剤、酵素類、キレート剤、及び／又は香料を含むこ
とも好ましい。

【００８３】 処理組成物を異なる区画に分け、組成物が区画毎に化学的に異なることがきわ
めて好ましい。

【００８４】 好ましくは、ステップａ）で分配する組成物が、汚れ処理成分を含み、好まし
くは少なくとも界面活性剤、好ましくは少なくとも陰イオン及び／若しくは非イ
オン界面活性剤を含み、好ましくはキレート剤及び／若しくは酵素類及び／若し
くは陽イオン系アルコキシル化アミン類などの土（粘土）分散剤、並びに／又は
香料を含む。ステップａ）で分配する組成物は、漂白剤を含んでもよいが、非希
釈状態の漂白剤がステップａ）で染色した材料と接触するのを避けるため、漂白
剤を含まないことが好ましい。

【００８５】 ステップａ）で分配する組成物は、少なくともビルダー類、追加の界面活性剤
、漂白剤、香料、布地柔軟剤若しくはコンディショナー、又はそれらの混合物を
含むことが好ましい。

【００８６】 本明細書の布地処理組成物にきわめて好ましいのは、本明細書で後に述べるよ
うな布地一体性ポリマー類である。また、本明細書で述べるような布地柔軟加工
剤もきわめて好ましい。

【００８７】 ステップａ）で分配する組成物が、ｐＨ３．０、又はさらに３．５〜７．５又
はさらに７．０又はさらに６．５又はさらに６．０であることが好ましいことも
ある。ステップａ）で分配する組成物が、組成物のｐＨを減少させるために、酸
性化剤を含むことが好ましいこともある。

【００８８】 ステップａ）で分配する組成物が、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、又はポ
リマー系ポリカルボン酸などの有機カルボン酸を含むことが好ましいこともある
。きわめて好ましいのは、クエン酸である。好ましい濃度は、全処理組成物の１
重量％〜２０重量％、又はさらに２重量％〜１５重量％、又はさらに３重量％〜
１２重量％である。

【００８９】 水、酸との接触下で反応可能な、炭酸塩又は重炭酸塩などの炭酸塩源が存在し
て、泡立たせ、小袋中処理組成物の溶解を向上させることもまた好ましいことが
ある。

【００９０】 ステップａ）で分配しない組成物のｐＨが、ステップａ）で分配する組成物よ
りも高く、例えば７．５又はさらに８又はさらに９、又はさらに９．５〜１２又
はさらに１１又はさらに１０．５であることが好ましいこともある。

【００９１】 第１の組成物が液体で、透明な非水性の液体及びゲルを含むことが好ましいこ
ともある。例えば第１の組成物が液体で、第２の組成物が固体であるなど、組成
物が異なる物理状態にあることが好ましいこともある。そのため、第１の区画が
液体界面活性剤及び溶媒含有組成物を含み、好ましくは少なくとも非イオン界面
活性剤及び有機溶媒、並びに好ましくは香油、水、及び他の溶媒を含むことが好
ましいこともあり、ステップａ）でなくステップｂ）だけで分配する他の組成物
が固体成分、例えば有機溶媒若しくは水にあまり可溶性でなく、又は不溶性でさ
えあり、又は固体形状でより効果的若しくは有効に供給され組み込まれ又は性能
を発揮する活性物質、例えば酵素顆粒、漂白剤顆粒、不溶性ビルダー及びポリマ
ー成分、ビルダー又は界面活性剤の塩、香料顆粒、粘土、泡立ち源であることが
好ましいこともある。

【００９２】 成分をその化学的又は物理的適合性に基づいて、区画ごとに分けることもまた
好ましいことがあり、例えば、一方の区画は漂白剤を含む組成物を含み、他方の
区画の組成物は漂白剤センシティブ又は反応性成分、例えば香料、酵素、有機ポ
リマー、漂白剤触媒などを含んでよい。

【００９３】 上述のように、水との接触下で気体、典型的にＣＯ_２ガスを発生する能力があ
り、カルボン酸供給源及び酸供給源、好ましくは炭酸塩及び有機カルボン酸、例
えば、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、グルタル酸、フマル酸などとの反応に
よって形成される泡立ち供給源が好ましい。当該技術分野で既知のような、他の
溶解又は分配補助剤もまた好ましい。

【００９４】 液体組成物が存在する場合、１つ以上の溶媒を、好ましくは液体組成物の１重
量％〜６０重量％、又はさらに５重量％〜５０重量％、又はさらに８重量％〜４
０重量％含むことが好ましい。メチル、エチル、メトキシ化又はエトキシ化アミ
ン類などの有機溶媒、アルコール類、ポリエチレングリコール、グリセロール、
水、及びそれらの混合物が好ましい。液体組成物の２０重量％まで、又はさらに
１０重量％まで、又は８重量％まで、又はさらに４重量％までの、少量の水だけ
が好ましいこともある。アルコール類、グリセリン、ポリエチレングリコール、
パラフィンなど、他の溶媒が存在することが好ましい。

【００９５】 処理組成物の好ましい成分 本明細書の組成物に好ましい界面活性剤は、陰イオン、非イオン、陽イオン、
両性、両向性、及び双性界面活性剤、及びそれらの混合物から選択される。この
組成物が、界面活性剤を組成物の５重量％から、より好ましくは１０重量％から
、さらにより好ましくは１５重量％〜８０重量％、より好ましくは５０重量％、
さらにより好ましくは３０重量％含むことが好ましい。

【００９６】 本明細書での使用に好適な陰イオン系スルホネート界面活性剤としては、Ｃ_５ 〜Ｃ_２０の直鎖アルキルベンゼンスルホネート類、アルキルエステルスルホネー
ト類、Ｃ_６〜Ｃ_２２の一級又はニ級アルカンスルホネート類、Ｃ_６〜Ｃ_２４のオ
レフィンスルホネート類、スルホン化ポリカルボン酸、アルキルグリセロールス
ルホネート、脂肪族アシルグリセロールスルホネート類、脂肪族オレイルグリセ
ロールスルホネート類、及びそれらの混合物の塩が挙げられる。

【００９７】 本明細書での使用に好適な陰イオン系サルフェート界面活性剤としては、直鎖
及び分枝状の一級及びニ級アルキルサルフェート類、アルキルエトキシサルフェ
ート類、脂肪族オレオイルグリセロールサルフェート類、アルキルフェノールエ
チレンオキシドエーテルサルフェート類、Ｃ_５〜Ｃ_１７アシル−Ｎ−（Ｃ_１〜Ｃ_４ アルキル）及び−Ｎ−（Ｃ_１〜Ｃ_２ヒドロキシアルキル）グルカミンサルフェ
ート類、並びにアルキルポリグルコシドの硫酸塩などのアルキル多糖類の硫酸塩
類（非イオン系非硫酸化化合物を本明細書で述べる）が挙げられる。

【００９８】 アルキルサルフェート界面活性剤は、好ましくは、直鎖及び分枝状の一級Ｃ_{１ ０} 〜Ｃ_１８アルキルサルフェート類、より好ましくはＣ_１１〜Ｃ_１５分枝鎖アル
キルサルフェート類、及びＣ_１２〜Ｃ_１４直鎖アルキルサルフェート類から選択
される。

【００９９】 アルキルエトキシサルフェート界面活性剤は、好ましくは、分子当り０．５〜
２０モルのエチレンオキシドでエトキシ化したＣ_１０〜Ｃ_１８アルキルサルフェ
ート類から成る群から選択される。より好ましくは、アルキルエトキシサルフェ
ート界面活性剤は、分子当り０．５〜７、好ましくは１〜５モルのエチレンオキ
シドでエトキシ化したＣ_１１〜Ｃ_１８、最も好ましくはＣ_１１〜Ｃ_１５アルキル
サルフェートである。

【０１００】 本質的には、本明細書ではいかなるアルコキシル化非イオン界面活性剤も好適
である。エトキシ化及びプロポキシル化非イオン系界面活性剤が好ましい。

【０１０１】 好ましいアルコキシル化界面活性剤は、アルキルフェノール類の非イオン系縮
合物、非イオン系エトキシ化アルコール類、非イオン系エトキシ化／プロポキシ
ル化脂肪族アルコール類、プロピレングリコールと非イオン系エトキシレート／
プロポキシレートの縮合物、及びプロピレンオキシド／エチレンジアミン添加物
と非イオンエトキシレートとの縮合生成物の部類から選択することができる。

【０１０２】 脂肪族アルコールと、１〜２５モルのアルキレンオキシド、特にエチレンオキ
シド及び／又はプロピレンオキシドとの縮合反応生成物は、本明細書での使用に
好適である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖状又は分枝状、一級又は二
級であることができ、一般的には６〜２２個の炭素原子を含有する。特に好まし
いのは、８〜１６個の炭素原子を含むアルキル基を有するアルコール類の縮合生
成物である。

【０１０３】 特に、少なくともステップａ）で分配するのにきわめて好ましいのは、アルコ
キシル化、好ましくはエトキシ化陽イオン系モノアミン類、ジアミン類、ポリア
ミン類である。Ｎ＋基の正電荷は、適切な数のカウンターアニオンによって相殺
される。好適なカウンターアニオンとしては、Ｃｌ−、Ｂｒ−、ＳＯ_３−^２、Ｐ
Ｏ_４−^２、ＭｅＯＳＯ_３−などが挙げられる。特に好ましいカウンターアニオン
は、Ｃｌ−及びＢｒ−である。

【０１０４】 １個以上のポリオキシアルキレン部分−［（Ｒ^６Ｏ）_ｍ（ＣＨ_２ＣＨ_２−Ｏ_ｎ ）−］で置換した、陽イオン系アミン類が好ましい。ポリオキシアルキレン部分
の、−（Ｒ^６Ｏ）ｍ−及び−（ＣＨ_２ＣＨ_２Ｏ）ｎ−部分は、一緒に混合でき、
又は好ましくは、−（Ｒ^６Ｏ）_ｍ−及び−（ＣＨ_２ＣＨ_２Ｏ）_ｎ−部分のブロッ
クを形成できる。Ｒ^６は好ましくはＣ_３Ｈ_６（プロピレン）であり、ｍは好まし
くは０〜約５で、最も好ましくは０、すなわちポリオキシアルキレン部分が完全
に−（ＣＨ_２ＣＨ_２Ｏ）_ｎ−部分から成る。−（ＣＨ_２ＣＨ_２Ｏ）_ｎ−部分は、
好ましくはポリオキシアルキレン部分を少なくとも約８５重量％含み、最も好ま
しくは１００重量％（ｍがＯ）である。

【０１０５】 好ましいエトキシ化陽イオン系モノアミン類及びジアミン類は次式を有する：

【化１】 式中、Ｘ及びｎは前に定義した通りで、ａは０〜２０、好ましくは０〜４（例え
ば、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン）、ｂは１又は０である。好ましい
陽イオン系モノアミン類（ｂ＝０）に対しては、ｎは好ましくは少なくとも約１
４で、典型的な範囲は約１６〜約３５、又はさらに１７〜２５である。好ましい
陽イオン系ジアミン類（ｂ＝１）に対しては、ｎは少なくとも約１２で、典型的
な範囲は約１２〜約４２である。

【０１０６】 本明細書の組成物は、好ましくは漂白剤又はさらに漂白剤の混合物を含む。好
ましくは処理組成物が、組成物の３重量％から、より好ましくは５重量％から、
さらにより好ましくは１０重量％〜４０重量％、より好ましくは２５重量％、さ
らにより好ましくは２０重量％の漂白剤を含む。

【０１０７】 好適なＮ−アシル化ラクタム過安息香酸前駆体は次式を有する：

【化２】 式中、ｎは０〜８、好ましくは０〜２で、Ｒ^６はベンゾイル基である。

【０１０８】 置換した過安息香酸前駆体化合物の好ましい部類は、以下の一般式のアミド置
換化合物である。

【０１０９】

【化３】 式中、Ｒ^１は、１〜１４個の炭素原子をもつアリール基又はアルカリール基であ
り、Ｒ^２は、１〜１４個の炭素原子を含有するアリーレン基又はアルカリレン基
であり、並びにＲ^５はＨ、若しくは１〜１０個の炭素原子を含有するアルキル基
、アリール基、又はアルカリール基であり、Ｌは本質的にいかなる脱離基であっ
てもよい。Ｒ^１は好ましくは６〜１２個の炭素原子を含有する。Ｒ^２は好ましく
は４〜８個の炭素原子を含有する。Ｒ^１はアリール、置換アリール、又は分枝、
置換、又は両方を含有するアルキルアリールでよく、合成供給源又は例えば獣脂
を包含する天然供給源のいずれかの供給源から得られるものでもよい。Ｒ^２に対
しては、類似の構造変化が許される。置換基には、アルキル、アリール、ハロゲ
ン、窒素、硫黄、及び他の典型的な置換基又は有機化合物を含むことができる。
Ｒ^５は好ましくはＨ又はメチルである。Ｒ^１及びＲ^５は、全部で１８個以上の炭
素原子を含有するべきではない。このタイプのアミド置換型漂白活性化化合物に
ついては、ＥＰ−Ａ−０１７０３８６に記載されている。

【０１１０】 疎水性の過オキソ酸漂白剤前駆体は、好ましくは、オキシ−ベンゼンスルホネ
ート基を有する化合物、好ましくはノナノイルオキシ−ベンゼンスルホネート（
ＮＯＢＳ）、デカノイルオキシ−ベンゼンスルホネート（ＤＯＢＳ）を含み、及
び／又は（６−ノナミドカプロイル（nonamidocaproyl））オキシベンゼンスル
ホネート（ＮＡＣＡ−ＯＢＳ）を含む。

【０１１１】 また、より親水性の強い過オキソ酸漂白剤前駆体、又はＴＡＥＤなどの活性化
剤もきわめて好ましい。

【０１１２】 また、本明細書での使用に好ましい漂白剤は、粒子状過酸類である。さらによ
り好ましい実施形態では、過酸は、予備成形モノペルオキシカルボン酸の範囲か
ら選択される。さらにより好ましい実施形態では、予備成形した過酸は、ＰＡＰ
として知られるフタロイルアミドペルオキシヘキサン酸である。

【０１１３】 漂白活性化剤若しくは前駆体、及び／又は予備成形した過酸は、好ましくは、
粒子状形状、又は粒子として、液体マトリックス中に懸濁させて使用する。液体
マトリックスは、存在する場合、実質的に非水性で、漂白剤前駆体又は過酸の溶
解を招く濃度の水を含まないことを意味する。漂白活性化剤若しくは前駆体、又
は過酸の懸濁に使用される好ましい懸濁剤は、小袋を溶解若しくは損傷させない
溶媒である。より好ましくは、懸濁剤は、長鎖で低極性溶媒である。長鎖とは、
６個より多くの炭素原子の炭素鎖を含む溶媒を意味し、低極性とは、４０未満の
誘電率を有する溶媒を意味する。好ましい溶媒は、Ｃ１２〜１４パラフィン、及
びより好ましくはＣ１２〜１４イソパラフィンを含む。

【０１１４】 無機過水和物塩の例としては、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩
、及び過ケイ酸塩が挙げられる。無機過水和物塩は、通常アルカリ金属塩である
。無機過水和物塩を、追加の保護なしに結晶性固体として含んでもよい。ただし
、特定の過水和塩については、かかる顆粒状組成物の好ましい実行形態では、顆
粒状製品中の過水和塩に対してより良好な保存安定性をもたらす材料のコーティ
ング形態を利用する。好適なコーティングは、アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩、
若しくはホウ酸塩、若しくはそれらの混合物などの無機塩類、又はワックス類、
油類、又は脂肪石鹸類などの有機材料を含む。

【０１１５】 過ホウ酸ナトリウム（公称式ＮａＢＯ_２Ｈ_２Ｏ_２又は四水化ＮａＢＯ_２Ｈ_２Ｏ_２ ３Ｈ_２Ｏの、一水和物の形態の過水和塩）を使用してもよいが、ＰＶＡなどの
−ＯＨ基を伴う特定の小袋材料とは適合性がなく、そのため好ましくないことが
よくある。

【０１１６】 アルカリ金属過炭酸塩類、特に過炭酸ナトリウムは、本明細書で好ましい過水
和物である。過炭酸ナトリウムは、２Ｎａ_２ＣＯ_３３Ｈ_２Ｏ_２に相当する式を有
する追加化合物であり、結晶固体として市販されている。

【０１１７】 塩化物漂白剤も、物品が漂白剤添加物又は硬質表面洗浄剤であるときには、粒
子において有用であり得る。好適な漂白剤は水溶液中の次亜塩素酸種であり、ア
ルカリ金属及びアルカリ土類金属次亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩添加生成物、クロ
ラミン類、クロリミン類（chlorimines）、クロラミド類（chloramides）、及び
クロリミド類（chlorimides）を含む。このタイプの化合物の特定の例としては
、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、一塩基次亜塩素酸カルシウム、
二塩基次亜塩素酸マグネシウム、塩素化十二酸リン酸三ナトリウム、ジクロロイ
ソシアヌル酸カリウム、ニ水和ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムジクロロイソ
シアヌル酸ナトリウム（sodium dichloroisocyanurate sodium dichloroisocyan
urate dihydrate）、トリクロロシアヌル酸、１，３−ジクロロ−５，５−ジメ
チルヒダントイン、Ｎ−クロロサルファミド、クロラミンＴ、ジクロラミンＴ、
クロラミンＢ、及びジクロラミンＢが挙げられる。好ましい漂白剤は、次亜塩素
酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、又はそれらの混合物である。 好ましい塩
素ベース漂白剤はトリクロサン（Triclosan）（商品名）であることができる。

【０１１８】 本明細書の液体組成物の好ましい成分は、液体組成物を染色するための不透明
化剤及び／又は染料、並びに本明細書の固体組成物用に染色された粒子又はスペ
ックル（speckles）である。本明細書で使用する染料は、色素、又は、色素の水
性又は非水性溶液であることができる。染料が、色素を任意の濃度で含む水溶液
であって、液体組成物に加えて又はこの溶液を顆粒上に適用して、染色された粒
子を得ることが好ましいこともあり、好ましくは得られる染料の濃度が、組成物
の５重量％まで、又はさらに２重量％までとなるようにする。この染料はまた、
非水性キャリア材料又は非水性液体であってもよい有機結合剤材料と混合しても
よい。

【０１１９】 色素は、任意の好適な色素であることができる。好適な色素の特有な例として
は、Ｅ１０４−食用黄色１３（キノリン・イエロー）、Ｅ１１０−食用黄色３（
サンセット・イエローＦＣＦ）、Ｅ１３１−食用青色５（パテント・ブルーＶ）
、ウルトラ・マリン・ブルー（Ultra Marine blue）（商品名）、Ｅ１３３−食
用青色２（ブリリアント・ブルーＦＣＦ）、Ｅ１４０−天然緑色３（クロロフィ
ル及びクロロフィリン）Ｅ１４１、及び顔料緑色７（塩素化Ｃｕフタロシアニン
）が挙げられる。好ましい色素は、モナストラル・ブルーＢＶペースト（Monast
ral Blue BV paste）（商品名）、及び／又はピグマソル・グリーン（Pigmasol
Green）（商品名）であってもよい。

【０１２０】 また本明細書で有用であるのは、布地直接染料（前述の布地直接でない染料と
対比して）であって、本発明の物品で処理した布地を染色するものである。

【０１２１】 本明細書の組成物の他の好ましい成分は、香油又は香料成分である。本明細書
では、任意の香油又は香料組成物を使用することができる。香料は、カプセル型
であってもよい。第２の小袋が香料を含んで、これを後の段階で放出して、香料
の布地への放出をより効果的にすることが好ましいこともある。

【０１２２】 好ましい香料は、低分子量の揮発性成分、例えば分子量が１５０〜４５０又は
好ましくは３５０のものを有する、少なくとも１つの成分を含有する。好ましく
は、香料成分は、酸素含有官能基を含む。好ましい官能基は、アルデヒド、ケト
ン、アルコール若しくはエーテル官能基、又はそれらの混合物である。

【０１２３】 好ましいアルデヒド類は、シトラール、１−デカナール、ベンズアルデヒド、
フロロヒドラル、２，４−ジメチル−３−シクロヘキセン−１−カルボキシアル
デヒド；シス／トランス−３，７−ジメチル−２，６−オクタジエン−１−アー
ル；ヘリオトロピン；２，４，６−トリメチル−３−シクロヘキセン−１−カル
ボキシアルデヒド；２，６−ノナジエナール；アルファ−ｎ−アミルシンナミッ
クアルデヒド、アルファ−ｎ−ヘキシルシンナミックアルデヒド、Ｐ．Ｔ．ブシ
ナール、リラール、サイマール、メチルノニルアセトアルデヒド、トランス−２
−ノネナール、リリアール、トランス−２−ノネナール、ラウリルアルデヒド、
ウンデシレンアルデヒド、メフロラール、及びそれらの混合物から選択される。

【０１２４】 好ましくは、香料ケトンは、ブッコキシム（buccoxime）；イソジャスモン；
メチルβナフチルケトン；ムスクインダノン；トナリド（tonalid）／ムスクプ
ラス；α−ダマスコーン、β−ダマスコーン、δ−ダマスコーン、イソ−ダマス
コーン、ダマセノン、ダマロース（Damarose）、メチル−ジヒドロジャスモネー
ト、メントン、カルボン、カンファー、フェンコン、α−イオノン、β−イオノ
ン、γ−メチルのいわゆるイオノン、フラウラモン（Fleuramone）、ジヒドロジ
ャスモン、シス−ジャスモン、イソ−Ｅ−スーパー（Iso−E−Super）、メチル
−セドレニル（Cedrenyl）−ケトン、又はメチル−セドリロン（Cedrylone）、
アセトフェノン、メチル−アセトフェノン、パラ−メトキシ−アセトフェノン、
メチル−β−ナフチル−ケトン、ベンジル−アセトン、ベンゾフェノン、パラ−
ヒドロキシフェニル−ブタノン、セロリケトン又はライブスコン（Livescone）
、６−イソプロピルデカヒドロ−２−ナフトン、ジメチル−オクテノン、フレス
コメンテ（Freskomenthe）、４−（１−エトキシビニル）−３，３，５，５，−
テトラメチルーシクロヘキサノン、メチル−ヘプテノン、２−（２−（４−メチ
ル−３−シクロヘキセン−１−イル）プロピル）−シクロペンタノン、１−（ｐ
−メンテン−６（２）−イル）−１−プロパノン、４−（４−ヒドロキシ−３−
メトキシフェニル）−２−ブタノン、２−アセチル−３，３−ジメチル−ノルボ
ルナン、６，７−ジヒドロ−１，１，２，３，３−ペンタメチル−４（５Ｈ）−
インダノン、４−ダマスコール、ズルチニル又はカシオン（Cassione）、ゲルソ
ン（Gelsone）、ヘクサロン、イソサイクレモン（Isocyclemone）Ｅ、メチルシ
クロシトロン（Cyclocitrone）、メチル−ラベンダー−ケトン、オリボン（Oriv
on）、パラ−ｔ−ブチル−シクロヘキサノン、ベルドン、デルフォン（Delphone
）、ムスコン、ネオブテノン、プリカトン（Plicatone）、ヴェロウトン（Velou
tone）、２，４，４，７−テトラメチル−オクト−６−エン−３−オン、テトラ
メラン（Tetrameran）、ヘジオン、及びこれらの混合物から選択される。

【０１２５】 より好ましくは、前記の化合物に対し、好ましいケトンは、α−ダマスコン、
δ−ダマスコン、イソ−ダマスコン、カルボーン、γ−メチル−イオノン、イソ
−Ｅ−スーパー、２，４，４，７−テトラメチル−オクト−６−エン−３−オン
、ベンジルアセトン、β−ダマスコン、ダマセノン、メチル−ジヒドロジャスモ
ネート、メチルセドリロン、ヘジオン、及びそれらの混合物から選択される。

【０１２６】 例えば、メタクリロニトリルブタジエン−スチレン三級ポリマーと液体香料と
の組み合わせについて述べているＪＰ−５６０７５１５９、ＧＢ２１４１７２６
、ＤＥ３２４７７０９、ＷＯ９７／３４９８２、ＷＯ９４／１９４４９、ＷＯ９
８／２８３９８で述べられるような、キャリア材料及び香油を含む香料組成物も
また好ましい。好ましくは、キャリアが非水溶性ポリマーで、好ましくは、前述
のようなキャリアを作製するために、香料成分と化学反応したポリマー類から選
択される。

【０１２７】 好ましくは、処理組成物は、組成物の０．０５重量％から、より好ましくは１
重量％から、さらにより好ましくは３重量％〜１５重量％、より好ましくは１０
重量％の香油又は香料成分を含む。

【０１２８】 本明細書の組成物は、好ましくは、重金属イオン封鎖剤、又はキレート、又は
キレート剤を含有する。重金属イオン封鎖剤は、本明細書では、重金属イオンを
封鎖する（キレート）作用を行う成分を意味する。これらの成分はカルシウム及
びマグネシウムキレート能力を有してもよいが、それらは優先的に鉄、マンガン
及び銅などの重金属イオンと結合する選択性を示す。

【０１２９】 重金属イオン封鎖剤は、一般に、組成物の０．００５重量％〜１０重量％、好
ましくは０．１重量％〜５重量％、より好ましくは０．２５重量％〜７．５重量
％、最も好ましくは０．３重量％〜２重量％の濃度で存在する。

【０１３０】 本明細書での使用に好適な重金属イオン封鎖剤としては、アミノアルキレンポ
リ（アルキレンホスホネート類）、アルカリ金属エタン１−ヒドロキシジホスホ
ネート類、及びニトリロトリメチレンホスホネート類など、有機ホスホネート類
が挙げられる。

【０１３１】 前述の種の中で好ましいのは、ジエチレントリアミンペンタ（メチレンホスホ
ネート）、エチレンジアミントリ（メチレンホスホネート）ヘキサメチレンジア
ミンテトラ（メチレンホスホネート）、及びヒドロキシ−エチレン１，１ジホス
ホネート、１，１ヒドロキシエタンジホスホン酸、及び１，１ヒドロキシエタン
ジメチレンホスホン酸である。

【０１３２】 本明細書での使用に好適な他の重金属イオン封鎖剤としては、エチレンジアミ
ン四酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、エチレンジアミン二グルタル酸、２−
ヒドロキシプロピレンジアミン二コハク酸などのニトリロ三酢酸及びポリアミノ
カルボン酸、又はそれらのいずれかの塩が挙げられる。

【０１３３】 本明細書での使用に好適な他の重金属イオン封鎖剤は、ＥＰ３１７，５４２Ａ
号及びＥＰ３９９，１３３Ａ号に記載されている、２−ヒドロキシエチル二酢酸
又はグリセリルイミノ二酢酸などのイミノ二酢酸誘導体である。ＥＰ５１６，１
０２Ａ号に記載のイミノ二酢酸−Ｎ−２−ヒドロキシプロピルスルホン酸、及び
アスパラギン酸Ｎ−カルボキシメチルＮ−２−ヒドロキシプロピル−３−スルホ
ン酸封鎖剤もまた、本明細書に好適である。ＥＰ５０９，３８２Ａ号に記載のβ
−アラニン−Ｎ，Ｎ’−二酢酸、アスパラギン酸−Ｎ，Ｎ’−二酢酸、アスパラ
ギン酸−Ｎ−一酢酸、及びイミノ二コハク酸封鎖剤もまた好適である。

【０１３４】 ＥＰ４７６，２５７Ａ号には好適なアミノベースの金属封鎖剤について記載さ
れている。ＥＰ５１０，３３１Ａ号には、コラーゲン、ケラチン、又はカゼイン
から誘導される好適な封鎖剤について記載されている。ＥＰ５２８，８５９Ａ号
には、好適なアルキルイミノ二酢酸封鎖剤について記載されている。ジピコリン
酸及び２−ホスホノブタン−１，２，４−トリカルボン酸もまた好適である。グ
リシナミド−Ｎ，Ｎ’−二コハク酸（ＧＡＤＳ）、エチレンジアミン−Ｎ，Ｎ’
−二グルタル酸（ＥＤＤＧ）、及び２−ヒドロキシプロピレンジアミン−Ｎ，Ｎ
’−二コハク酸（ＨＰＤＤＳ）もまた好適である。

【０１３５】 特に好ましいのは、ジエチレントリアミンペント酢酸、エチレンジアミン−Ｎ
，Ｎ’−ニコハク酸（ＥＤＤＳ）、及び１，１ヒドロキシエタンジホスホン酸、
若しくはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又はそれらの置換ア
ンモニウム塩、又はそれらの混合物である。

【０１３６】 特に、アミノ又はアミン基を含むキレート剤は、漂白剤センシティブであるこ
とができ、本発明の組成物で好適である。

【０１３７】 本明細書の組成物で有用な他のきわめて好ましい成分は、１以上の添加酵素で
ある。

【０１３８】 好ましい添加酵素材料としては、市販のリパーゼ類、クチナーゼ類、アミラー
ゼ類、中性及びアルカリプロテアーゼ類、セルラーゼ類、エンドラーゼ類（endo
lases）、エステラーゼ類、ペクチナーゼ類、ラクターゼ類、及びペルオキシダ
ーゼ類など、従来は洗剤組成物中に組み込まれているものが挙げられる。好適な
酵素については、米国特許３，５１９，５７０及び３，５３３，１３９に論じら
れている。

【０１３９】 好ましい市販のプロテアーゼ酵素としては、ノヴォ・インダストリーズ（Novo
Industries）Ａ／Ｓ（デンマーク）より商品名アルカラーゼ（Alcalase）、サ
ビナーゼ（Savinase）、プリマ−ゼ（Primase）、デュラジン（Durazym）、及び
エスペラーゼ（Esperase）として販売されるもの、ギスト−ブロケーズ（Gist-B
rocades）より商品名マクサターゼ（Maxatase）、マクサカール（Maxacal）及び
マクサペン（Maxapem）として販売されるもの、ジェネンコア・インターナショ
ナル（Genencor International）より販売されるもの、ソルベイ・エンザイムズ
（Solvay Enzymes）より商品名オプティクリーン（Opticlean）及びオプティマ
ーゼ（Optimase）として販売されるものが挙げられる。プロテアーゼ酵素は、本
発明による組成物中に、酵素有効分を組成物の０．０００１重量％〜４重量％の
濃度で組み込んでいてもよい。

【０１４０】 好ましいアミラーゼとしては、例えば、ＧＢ−１，２６９，８３９号（ノボ（
Novo））でより詳細に記載される、Ｂリケニフォルミス（licheniformis）の特
種株より得られるα−アミラーゼが挙げられる。市販の好ましいアミラーゼとし
ては、例えばギスト−ブロケーズ（Gist-Brocades）より商品名ラピダーゼとし
て販売されるもの、及びノヴォ・インダストリーズ（Novo Industries）Ａ／Ｓ
より商品名ターマミル（Termamyl）、ドゥラミル（Duramyl）、及びＢＡＮとし
て販売されるものが挙げられる。きわめて好ましいアミラーゼ酵素は、ＰＣＴ／
ＵＳ９７０３６３５、並びにＷＯ９５／２６３９７及びＷＯ９６／２３８７３で
述べられるようなものであってもよい。

【０１４１】 本発明による組成物中に、アミラーゼ酵素を、０．０００１重量％〜２重量％
の酵素有効分濃度で組み込んでもよい。

【０１４２】 脂質分解酵素は、０．０００１重量％〜２重量％、好ましくは０．００１重量
％〜１重量％、最も好ましくは０．００１重量％〜０．５重量％の活性脂質分解
酵素濃度で存在してもよい。

【０１４３】 リパーゼは、例えばリパーゼ産生株であるヒューミコラ（Humicola）種、サー
モマイセス（Thermomyces）種、又はシュードモナス（Pseudomonas）シュードア
ルカリゲネス（pseudoalcaligenes）又はシュードマスフルオレセン（Pseudomas
fluorescens）を含むシュードモナス種を由来として得られる、真菌性又は細菌
性であってもよい。化学的又は遺伝子的に修飾されたこれらの株の変種由来のリ
パーゼもまた、本明細書において有用である。好ましいリパーゼは、シュードモ
ナス（Pseudomonas）シュードアルカリジェネス（pseudoalcaligenes）から得ら
れるものであり、欧州公開特許ＥＰ−Ｂ−０２１８２７２号に記載されている。

【０１４４】 本明細書において好適な他のリパーゼは、欧州公開特許ＥＰ−Ａ−０２５８，
０６８号に述べられるように、ヒューミコラ（Humicola）ラヌギノーサ（lanugi
nosa）からの遺伝子のクローニング、及びホストとしてのアスペルギルス（Aspe
rgillus）オリザ（oryza）における遺伝子の発現によって得られ、ノヴォ・イン
ダストリーズ（Novo Industries）Ａ／Ｓ（デンマーク、バグスバード）より商
品名リポラーゼとして市販されている。このリパーゼはまた、米国特許第４，８
１０，４１４号（ヒュージ・ジェンセン（Huge-Jensen）他、１９８９年、３月
７日発行）にも記載されている。

【０１４５】 ホスフェート含有ビルダー材料は、好ましくはピロリン酸四ナトリウム、又は
さらにより好ましくは無水トリポリリン酸ナトリウムを含む。

【０１４６】 本明細書ではまた、水溶性及び非水溶性ビルダーなどのビルダー類が好ましい
。本明細書では、典型的には、固体組成物用である好ましい非水溶性ビルダーは
、ゼオライト類（ゼオライトＡ、ＭＡＰ、Ｐ、Ｘ）などのアルミノシリケート類
であり、クラリアント（Clariant）から販売される、ＳＫＳ−６として知られる
ようなレイヤードシリケート類である。

【０１４７】 好適な水溶性ビルダー化合物としては、水溶性モノマーポリカルボキシレート
類又はその酸性形態、ポリカルボン酸が２個以下の炭素原子によって互いに離れ
ている少なくとも２つのカルボキシラジカルを含む、ホモポリマー若しくはコポ
リマーカルボン酸又はその塩、及び前述の任意のものの混合物が挙げられる。

【０１４８】 コスト及び性能という理由から、モノマーのポリカルボキシレートが一般に好
まれるが、カルボキシレート又はポリカルボキシレートのビルダーは、モノマー
であってもオリゴマーであってもよい。

【０１４９】 １つのカルボキシル基を含有する好適なカルボキシレート類としては、乳酸の
水溶性塩、グリコール酸の水溶性塩、及びそのエーテル誘導体が挙げられる。２
つのカルボキシル基を含有するポリカルボキシレート類としては、コハク酸、マ
ロン酸、（エチレンジオキシ）二酢酸、マレイン酸、ジグリコール酸、酒石酸、
タルトロン酸、及びフマル酸の水溶性塩、並びにエーテルカルボキシレート類及
びスルフィニルカルボキシレート類が挙げられる。３つのカルボキシル基を含有
するポリカルボキシレート類又はその酸としては、特に、水溶性シトレート類、
アコニトレート類及びシトラコネート類、並びに英国特許第１，３７９，２４１
号に記載されるカルボキシメチルオキシスクシネート類のようなスクシネート誘
導体、英国特許第１，３８９，７３２号に記載されるラクトキシスクシネート類
、及びオランダ特許第７２０５８７３号に記載されるアミノスクシネート類、及
び英国特許第１，３８７，４４７号に記載される２−オキサ−１，１，３−プロ
パントリカルボキシレートのようなオキシポリカルボキシレート材料が挙げられ
る。３つのカルボキシル基を含有する最も好ましいポリカルボン酸は、クエン酸
であり、好ましくは０．１重量％〜１５重量％、より好ましくは０．５重量％〜
８重量％のレベルで存在する。

【０１５０】 ４つのカルボキシル基を含有するポリカルボキシレート類としては、英国特許
第１，２６１，８２９号で開示されたオキシジスクシネート類、１，１，２，２
−エタンテトラカルボキシレート類、１，１，３，３−プロパンテトラカルボキ
シレート類、及び１，１，２，３−プロパンテトラカルボキシレート類が挙げら
れる。スルホ置換基を含有するポリカルボキシレートには、英国特許第１，３９
８，４２１号、同第１，３９８，４２２号、及び米国特許第３，９３６，４４８
号に開示されたスルホサクシネート誘導体、並びに英国特許第１，４３９，００
０号で開示されたスルホン化し熱分解したシトレート類が挙げられる。好ましい
ポリカルボキシレート類は、分子当り３個までのカルボキシル基を含有するヒド
ロキシカルボキシレート類であり、より詳細にはシトレート類である。

【０１５１】 モノマー又はオリゴマーのポリカルボキシレートキレート剤の母型酸又はそれ
らの塩との混合物、例えば、クエン酸又はシトレート／クエン酸混合物もまた、
有用なビルダー成分として検討される。

【０１５２】 水溶性ホスフェートビルダー類の好適な例は、アルカリ金属トリポリホスフェ
ート類、ナトリウム、カリウム及びアンモニウムピロホスフェート、ナトリウム
及びカリウム及びアンモニウムピロホスフェート、ナトリウム及びカリウムオル
トホスフェート、重合度が約６〜２１の範囲であるナトリウムポリメタ／ホスフ
ェート、並びにフィチン酸の塩である。

【０１５３】 また、本明細書の処理組成物で好ましいのは、環状アミンベースのポリマー類
などの布地一体性ポリマー類で、これは、ピペラジン、エピクロロヒドリン、四
級エピクロロヒドリンベンジル、四級エピクロロヒドリンメチル、モルホリン、
及びそれらの混合物から成る群から選択される２つ以上の組成物の付加物を含む
。

【０１５４】 本明細書できわめて好ましい環状アミンベースのポリマーは、イミダゾール−
エピクロロヒドリンコポリマー類と呼んでいる。これらの環状アミンベースのポ
リマーは、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。特定の種類の分枝は、多官能
架橋剤を使用して導くことができる。このようなポリマーの例を以下に示す。

【０１５５】

【化４】 この材料は、一般に、洗剤組成物又は成分の約０．０１％〜約１０％であり、
より好ましくは０．０５重量％〜６重量％又はさらに０．０５重量％〜３重量％
である。

【０１５６】 本明細書で処理組成物はまた、土放出剤又は布地一体化剤として、陰イオン置
換基Ｒ−Ｘ−Ｚを含む陰イオン系セルロース材料の塩も含んでもよく、式中、Ｒ
は飽和、不飽和又は芳香族炭化水素スペーサ基、Ｘは酸素、窒素又は硫黄、Ｚは
カルボキシレート、スルホネート又はホスホネート基である。炭化水素スペーサ
基は、好ましくはＣ_１〜Ｃ_１８、より好ましくはＣ_１〜Ｃ_１４、又はさらにより
好ましくはＣ_１〜Ｃ_４飽和、不飽和、又は芳香族基、好ましくはアルキレン基で
ある。スペーサ基はまた、１以上のヒドロキシ基で置換してもよい。基Ｘは好ま
しくは窒素であり、又はさらに好ましくは酸素原子である。基Ｚは好ましくはカ
ルボキシレート基である。本明細書できわめて好ましいのは、いわゆるカルボキ
シアルキルセルロース類の塩であり、それにより好ましくはアルキレン基（又は
いわゆるアルキル基）が１〜４個の炭素原子を含む。本明細書で最も好ましいの
は、カルボキシメチルセルロースの塩である。塩の陽イオンは、好ましくはカリ
ウムイオン又は好ましくはナトリウムイオンである。

【０１５７】 組成物の適用に応じて、セルロース材料の量が変化してもよい。陰イオン系セ
ルロース材料は、一般に、洗剤組成物又は成分の約０．０１重量％〜約１０重量
％であり、より好ましくは０．０５重量％〜６重量％、又はさらに組成物の０．
０５重量％〜３重量％である。

【０１５８】 本明細書で有用な柔軟加工成分は、布地柔軟利益をもたらすいかなる既知成分
から選択してもよい。

【０１５９】 本組成物の柔軟加工特性を与えるのに使用される粘土鉱物は、膨張性の、３層
粘土、すなわち少なくとも５０ｍｅｑ／１００ｇの粘土のイオン交換能を有する
アルミノシリケート類及びマグネシウムシリケート類として記載することができ
る。粘土を記載するために使用するとき、「膨張性」という用語は、水と接触し
た際に膨らむ又は拡張する層状粘土構造の能力に関する。本明細書で使用される
３層の膨張性粘土は、地質学的にはスメクタイトとして分類されるような材料で
ある。

【０１６０】 スメクタイト型粘土類には２つの明確な部類があり、第１の部類では、シリケ
ート結晶格子中に酸化アルミニウムが存在し、スメクタイト類の第２の部類では
、シリケート結晶格子中に酸化マグネシウムが存在する。このようなスメクタイ
ト類の一般式は、酸化アルミニウム型及び酸化マグネシウム型の粘土に対し、そ
れぞれ、Ａｌ_２（Ｓｉ_２Ｏ_５）_２（ＯＨ）_２及びＭｇ_３（Ｓｉ_２Ｏ_５）（ＯＨ）_２ である。前記式中の水和物水の範囲は、粘土が対象とされてきた処理とともに
変化可能であることが認識されている。このことは、水和した粘土の膨張特性が
シリケートの格子構造に影響を受けるという点で、本発明でスメクタイト粘土を
使用することは重要ではない。さらに、Ｎａ＋、Ｃａ＋＋並びにＨ＋などの金属
陽イオンが水和物水中に共存して、電気的中性をもたらすことができる一方で、
スメクタイト類の結晶格子中で鉄及びマグネシウムによる原子置換を起こすこと
ができる。以下に注意することを除き、かかる陽イオン置換は、それによって粘
土の望ましい物理的特性が実質的には変わらないので、本明細書で粘土を使うた
めには重要ではない。

【０１６１】 しかし、およそ７０ｍｅｑ／１００ｇのイオン交換能を有するモンモリロナイ
ト及びベントナイトなどのスメクタイト類、及び７０ｍｅｑ／１００ｇより大き
いイオン交換能を有するモンモリロナイトは、それらが布に沈着して、所望の柔
軟加工の利益を提供するという点で、本組成物で有用であることがわかった。従
って、本明細書で有用な粘土鉱物は、少なくとも約５０ｍｅｑ／１００ｇのイオ
ン交換能を有する膨張性の３層スメクタイト型粘土類として特徴付けることがで
きる。

【０１６２】 本明細書の組成物で使用されるスメクタイト粘土類は、全て市販されている。
かかる粘土類としては、例えば、モンモリロナイト、ボルコンスコイト、ノント
ロナイト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、及びベルミクライトが挙
げられる。本明細書の粘土類は、様々な商品名で入手可能であり、例えば、ジョ
ージア・カオリン社（Georgia Kaolin Co.）（米国ニュージャージー州エリザベ
ス）のチクソゲル（Thixogel）＃１（登録商標）及びゲルホワイト（Gelwhite）
ＧＰ（登録商標）、アメリカン・コロイド社（American Colloid Co.）（米国イ
リノイ州スコーキー）のボルクレイ（Volclay）ＢＣ（登録商標）及びボルクレ
イ（Volclay）＃３２５（登録商標）、インターナショナル・ミネラルズ・アン
ド・ケミカルズ（International Minerals and Chemicals）のブラック・ヒルズ
・ベントナイト（Black Hills Bentonite）ＢＨ４５０（登録商標）、及び、Ｒ
・Ｔ・ベンダービルト（Vanderbilt）の商品名ビーガム・プロ（Veegum Pro）及
びビーガム（Veegum）Ｆである。前述の商品名で入手されるかかるスメクタイト
型鉱物は、様々な別個の鉱物の存在を含むことができることを認識すべきである
。スメクタイト鉱物のかかる混合物は、本明細書での使用に好適である。

【０１６３】 少なくとも約５０ｍｅｑ／１００ｇの陽イオン交換能を有するスメクタイト型
粘土類のいかなるものも、本明細書では有用であるが、特定の粘土類が好ましい
。例えば、ゲルホワイト（Gelwhite）ＧＰ（登録商標）は、スメクタイト粘土の
極めて白い形態であり、そのため白色の顆粒状洗剤組成物を配合するときに好ま
れる。ボルクレイ（Volclay）ＢＣ（登録商標）は、結晶格子中に少なくとも３
％の鉄（Ｆｅ_２Ｏ_３として表される）を含有するスメクタイト型粘土であり、非
常に高いイオン交換能を有し、洗濯用組成物での使用に対し最も有効且つ効率的
な粘土の１つであり、製品性能の見地から好まれる。

【０１６４】 スメクタイト類が真の１４オングストロームＸ線回折パターンを示すという事
実によって、本明細書での使用に適当な粘土鉱物を選択することができる。前記
の様式で実施された交換能測定値と組み合わせたこの特徴パターンは、本明細書
で開示する顆粒状洗剤組成物での使用に、特定のスメクタイト型鉱物を選択する
ための基準を提供する。

【０１６５】 この粘土は好ましくは主に顆粒の形態であり、サイズが少なくとも０．１ｍｍ
から１．８ｍｍまで、好ましくは１．１８ｍｍまで、好ましくは０．１５ｍｍ〜
０．８５ｍｍである顆粒の形態中に、少なくとも５０％、好ましくは少なくとも
７５％、より好ましくは少なくとも９０％存在する。好ましくは顆粒中の粘土の
量は、顆粒の少なくとも５０重量％、より好ましくは少なくとも７０重量％、最
も好ましくは少なくとも９０重量％である。

【０１６６】 スメクタイト粘土については、米国特許第３，８６２，０５８号、同第３，９
４８，７９０号、同第３，９５４，６３２号、及び同第４，０６２，６４７号に
開示されている。プロクター・アンド・ギャンブル社（Procter and Gamble Com
pany）の名の欧州特許出願ＥＰ２９９，５７５Ａ号及びＥＰ３１３，１４６Ａ号
は、好適な有機ポリマー粘土凝集剤について記載している。

【０１６７】 他の好適な柔軟加工成分は、エチレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸
、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルアルコール、ビニルピロリドン
、及びエチレンイミドなどのモノマーに由来する長鎖のポリマー類及びコポリマ
ー類である。好ましいのは、エチレンオキシド、アクリルアミド及びアクリル酸
のポリマー類である。このようなポリマー類は、好ましくは、１００，０００〜
１０００万、より好ましくは１５０，０００〜５００万の範囲内の平均分子量を
有する。ポリマーの平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィーを用いて、狭い
分子量分布のポリエチレンオキシド標準に対して容易に測定することができる。
最も好ましいポリマー類は、ポリエチレンオキシド類である。

【０１６８】 他の好適な柔軟加工成分としては、陽イオン系布地柔軟剤が挙げられ、本発明
に基づいて組成物に組み込むこともでき、洗濯洗浄の方法での使用に好適である
。好適な陽イオン系布地柔軟剤としては、水不溶性三級アミン類又はＧＢ１，５
１４，２７６Ａ及びＥＰ−Ｂ−０，０１１，３４０に開示されるようなジ長鎖ア
ミド材料類が挙げられる。

【０１６９】 他の好ましい成分は、中和剤、（重）炭酸塩を含む緩衝剤、相調節剤、向水性
物質、酵素安定化剤、ポリ酸、泡調節剤、酸化防止剤、殺菌剤、又はそれらの混
合物である。

【０１７０】 （実施例） 実施例１ 第１の小袋を、中空形状のモールド中で作製する。このモールドは、真空を適
用するためにモールド材料中にいくつかの穴を有する。１片の（任意で加熱した
）クリス−クラフト（Chris-Craft）Ｍ−８６３０又はＣＸＰ４０８７フィルム
をこのモールドの上面に置く。真空を適用して、フィルムをモールド中に引き込
み、フィルムをモールドの内側表面と同一平面に引く。以下の組成物１、２、又
は３をモールド中に注ぎ、好ましくはほとんど又は完全にモールドを充填する量
だけ注ぐ。次いで、同じフィルム材料の別の１片をモールドの上にかぶせて置き
、熱を加えてフィルムの第１片に密封させる。

【０１７１】 第２の、より大きい小袋を、直径が第１の小袋よりもわずかに大きく、深さが
２．５ｃｍの円筒形状のモールド中で形成する。このモールドは、真空を適用す
るために、モールド材料中にいくつかの穴を有する。１片の（任意で加熱した）
クリス−クラフト（Chris-Craft）Ｍ−８６３０フィルムをこのモールドの上面
にかぶせて置き、真空を適用してフィルムをモールド中に引き込み、フィルムを
モールドの内側表面と同一表面に引く。以下の組成物４、５、又は６を、好まし
くはモールドがほとんど又は完全に充填される量だけモールド中に加える。次い
で、第１の小袋をモールドの上にかぶせて置き、熱を加えて（典型的に、１３５
℃〜１５０℃の温度で５秒まで）フィルムの第１片に密封させる。

【０１７２】 この処理は、小袋、他の種類のフィルム、他のサイズのモールド、密封方法、
さらに個別の小袋などの形状の他の形成方法を用いて、修飾することができる。

【０１７３】 以下は、本明細書で説明したような真空成形又は熱成形によって作製したＰＶ
Ａ小袋の実施例であり、２つの区画を有し、１つの区画は液体組成物１、２、又
は３を含み、１つの区画は固体組成物４、５、又は６を含む。液体組成物と固体
組成物の重量比は、変えてもよいが、以下のように本明細書では典型的には約１
：３である。この値は、特定の組成物の重量によるものである。

【０１７４】

【表１】 ＃ＱＥＡ：ビス（（Ｃ_２Ｈ_５Ｏ）（Ｃ_２Ｈ_４Ｏ）_ｎ）（ＣＨ_３）−Ｎ^＋Ｃ_６Ｈ_{１ ２} Ｎ^＋（ＣＨ_３）ビス（（Ｃ_２Ｈ_５Ｏ）（Ｃ_２Ｈ_４Ｏ）_ｎ）式中、ｎは１５〜３
０、好ましくは１７〜２０。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 ００１０２４９．１ (32)優先日 平成12年４月28日(2000．4．28) (33)優先権主張国 イギリス（ＧＢ） (31)優先権主張番号 ００１０２２０．２ (32)優先日 平成12年４月28日(2000．4．28) (33)優先権主張国 イギリス（ＧＢ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＯ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ， ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，Ｉ Ｓ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ， ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，Ｐ Ｔ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ， ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ブルーノ、マシュー、ダスク イギリス国ニューキャッスル、アポン、タ イン、スウィンドン、テラス、３ (72)発明者 デイビット、ウィリアム、ヨーク イギリス国ニューキャッスル、アポン、タ イン、ポントランド、レディーウェル、ウ ェイ、10 (72)発明者 ナイジェル、パトリック、サマービル‐ロ バーツ、 イギリス国ニューキャッスル、アポン、タ イン、ポントランド、ザ、クロッグス、３ (72)発明者 オリビエ、シャルル、レイノー イギリス国サリー、リッチモンド、キュ ー、ロード、147、フラット、２ Ｆターム(参考） 4H003 AB03 AB19 AB27 AC01 AE01 BA13 BA18 BA23 BA28 DA01 EA15 EA16 EA20 EA28 EB04 EB05 EB08 EB14 EB24 EB28 EB30 EB32 EB33 EB36 EB42 EC01 EC02 EC03 EE05 EE11 FA09 FA19 FA26 FA28 FA30 FA43

Claims (17)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水溶性の小袋に入った処理組成物で材料を処理する方法であ
   って、 ａ）小袋の少なくとも一部を開け、処理組成物の一部を材料上に分配するステ
   ップ、 ｂ）ステップａ）の材料及び小袋入り処理組成物の残りを水の入った浴に入れ
   、それによって小袋入り処理組成物の残りを分配するステップ、 を含む方法。
2. 【請求項２】 材料が布地であり、水の入った浴が洗濯機である、請求項１
   に記載の方法。
3. 【請求項３】 ステップａ）で分配する処理組成物の一部が液体で、好まし
   くはチキソトロープ液体である、請求項１又は２に記載の方法。
4. 【請求項４】 ステップａ）で、小袋を切断又は穴あけすることにより、小
   袋を部分的に開ける、請求項１〜３のいずれか一項に記載の方法。
5. 【請求項５】 小袋が少なくとも２つの区画を有し、ステップａ）で、全て
   の区画ではないが少なくとも１つの区画を開け、ステップａ）で開ける該区画が
   液体組成物を含み、好ましくはステップａ）で開けない区画が固体組成物を含む
   、請求項１〜４のいずれか一項に記載の方法。
6. 【請求項６】 ステップａ）で、処理組成物の一部を材料上の汚れの上に分
   配し、汚れの上にすり込む、請求項１〜５のいずれか一項に記載の方法。
7. 【請求項７】 小袋が伸張された水溶性フィルム製であり、好ましくは該フ
   ィルムがポリビニルアルコール又はその誘導体を含む、請求項１〜６のいずれか
   一項に記載の方法。
8. 【請求項８】 小袋入り処理組成物が単位用量の処理組成物、好ましくは洗
   濯洗剤であって、ステップａ）で開ける液体組成物を含む少なくとも第１の区画
   、及びステップａ）で開けない少なくとも第２の区画を有し、第２の区画の上壁
   面が第１の区画の底壁面であり、第２の区画が１つ又は複数の側壁面を有し、こ
   の側壁面が上壁面に内角６０°〜１２０°、好ましくは８０°〜１０°、又はさ
   らに好ましくは約９０°で連結された、請求項７に記載の方法。
9. 【請求項９】 小袋入り処理組成物が単位用量の処理組成物、好ましくは洗
   濯洗剤であって、該処理組成物を小袋中で少なくとも第１及び第２の区画に分け
   、ステップａ）で開ける第１の区画が液体組成物を含み、第１の区画が第２の区
   画と見た目が異なり、好ましくは第１の区画が第２の区画と異なるサイズ、形状
   、及び／又は色を有する、請求項１〜８のいずれか一項に記載の方法。
10. 【請求項１０】 小袋入り単位用量の処理組成物であって、好ましくは洗濯
    洗剤組成物であり、弱い領域を有する水溶性フィルム製の少なくとも１つの区画
    を有し、前記区画が液体組成物を有する、小袋入り処理組成物。
11. 【請求項１１】 小袋入り単位用量の処理組成物であって、好ましくは洗濯
    洗剤であり、液体組成物を含む第１の区画及び固体組成物を含む第２の区画を少
    なくとも有し、第２の区画の上壁面が第１の区画の底壁面であり、第２の区画の
    高さが少なくとも１ｃｍの１つ又は複数の前記区画の上面及び底面を連結する側
    壁面を有し、上壁面と内角６０°〜１２０°、好ましくは８０°〜１００°で連
    結する、処理組成物。
12. 【請求項１２】 液体組成物がチキソトロープであり、溶媒及び前記液体組
    成物の少なくとも２０重量％の界面活性剤を含有し、好ましくは非イオン界面活
    性剤を含み、この液体組成物のｐＨが好ましくは３〜７．５である、請求項１０
    又は１１に記載の単位用量の洗剤組成物。
13. 【請求項１３】 小袋が、互いに取り付けられた２つの区画を備え、第１の
    区画が第２の区画の半分未満の体積である、請求項１０、１１、又は１２に記載
    の小袋入り単位用量の処理組成物。
14. 【請求項１４】 少なくとも小袋の側面の１つから延びるスカートを有し、
    好ましくは小袋を囲むスカート又はフリル形状のスカートでさえある、請求項１
    ０〜１３のいずれか一項に記載の小袋入り単位用量の処理組成物。
15. 【請求項１５】 水溶性小袋入り処理組成物の組み合わせであって、好まし
    くは請求項１０〜１４のいずれか一項に記載の処理組成物と、切断又は穴あけデ
    バイスであり、好ましくはこの穴あけデバイスがピン形状の部分を有する水溶性
    小袋入り処理組成物の組み合わせ。
16. 【請求項１６】 切断又は穴あけデバイス、及び１つ以上の小袋入り処理組
    成物を含む容器であって、好ましくは１つ以上の小袋入り処理組成物が請求項１
    ０〜１４のいずれか一項に記載のものである、容器。
17. 【請求項１７】 堅い箱であって、穴あけデバイスがピン形状の部分を備え
    る、請求項１６に記載の容器。