JP2003530074A - Her−2タンパク質に対する免疫反応性を増強するためのポリペプチドおよびポリヌクレオチド - Google Patents
Her−2タンパク質に対する免疫反応性を増強するためのポリペプチドおよびポリヌクレオチドInfo
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Abstract
Description
出願60/146,869号(1999年8月3日出願)の優先権を主張する。
uteからの助成金PHS/NIH P30 CA−16058およびNIH/
NCI RO1 CA 84356−01A1により少なくとも一部後援された
。合衆国政府は、本発明において一定の権利を有する。
または放射線療法を含む。癌が規定された領域に限定されなければ、外科手術の
みでは、癌を排除することができない。従って、手術部位近辺にあり、手術から
逃れた癌細胞を破壊するために、術後、放射線処置がしばしば行われる。このよ
うな処置の副作用としては、皮膚過敏(skin sensitivity)ま
たはかゆみ、免疫系の妨害、ときおり吐き気、および稀に肺の影響を受けた部分
が繊維性になる放射線維症(radiation fibrosis)が挙げら
れる。化学療法はまた、外科手術後に用いられ得る。化学療法は、癌細胞に毒性
の薬物を利用する。これは、完全には選択的系ではないので、正常細胞もまた影
響を受ける。ネガティブな副作用としては、悪心、疲労、食欲喪失、脱毛および
下痢が挙げられる。
す試みが行われてきた。1つのこのようなアプローチは、免疫療法である。免疫
療法的アプローチのための標的の1つは、HER−2タンパク質である。HER
−2タンパク質(HER−2癌遺伝子の産物)は、種々の癌において過剰発現さ
れている。インサイチュで腺管癌のうちの50〜60%、および全ての乳癌のう
ちの20〜40%、ならびに卵巣、前立腺、結腸および肺で生じる腺癌の実質的
な割合において見出される。HER−2タンパク質の過剰発現は、ヒトにおける
悪性形質転換に関する。HER−2タンパク質の過剰発現はまた、悪性疾患の攻
撃性と密接に関連し、これは、全ての侵襲性乳癌のうちの1/4において見出さ
れる。HER−2タンパク質の過剰発現は、乳癌および卵巣癌の両方において予
後があまりよくないことと相関する。
体は、インビトロおよび動物モデルで腫瘍増殖に対する阻害効果を付与すること
を示した(Hudziak,R.M.ら,Mol.Cell.Biol.9:1
1−65−72,1989;Tagliabue,E.ら,Int.J.Can
cer 47:933−7,1991;Drebin,J.A.ら,Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 83:9129−33,1986;Dr
ebin,J.A.ら,Oncogene,2:273−7,1988;Dre
bin,J.A.ら,Oncogene,2:387−94,1988およびK
atumata,M.ら,Nat.Med.1:644−8.1995)。さら
に組換えヒト化抗HER−2モノクローナル抗体(Trastuzumab)の
転移性HER−2過剰発現乳癌を有する患者における第II相および第III相
の臨床試験は、単一の薬剤として15%の全体応答割合を生じた。Trastu
zumabはまた、細胞傷害性化学療法剤と組み合わせた場合に、生存性を改善
することが示された(Beselga,J.ら,J.Clin.Oncol.1
4:737−44,1996;Pegram,M.D.ら,J.Clin.On
col.16:2659−71,1988)。組換えHER−2タンパク質、H
ER−2 ECD、またはラットneu(これは、HER−2のラットホモログ
である)のECDを標的とする多くのワクチンアプローチが評価されてきた。例
えば、ラットneuのECDを発現する組換えワクシニアウイルスで免疫したN
FS系統マウスは、neu形質転換NIH 3T3細胞でのその後のチャレンジ
に対して防御性抗体応答を発生させた(Bernards,R.ら,Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 84:6854−8,1987)。しか
し、BDIXラットの同じ免疫原での免疫は、抗体応答も生じず、同系のneu
発現B 104神経芽腫細胞の増殖を阻害もしなかった。このことは、このスト
ラテジーがラットにおいて免疫応答を誘導するには不充分であったことを示唆す
る。ポリサッカリド−癌タンパク質複合体ワクチン(コレステリル基保有マンナ
ンおよびプルランと複合体化したHER−2 ECDの147のアミノ末端アミ
ノ酸からなる)は、BALB/cマウスにおけるHER−2発現肉腫の拒絶を媒
介した細胞性免疫応答および体液性免疫応答を誘導した(Gu,X.G.ら,C
ancer Res.,58:3385−90,1998)。精製ラットneu
ECD(Esserman,L.J.,Cancer Immunol.Im
munother.47:337−42,1999)またはneuトランスフェ
クト同種異系マウス線維芽細胞(Cefai,D.,ら,Int.J.Canc
er,83:393−400,1999)のいずれかで免疫することにより乳腺
腫瘍を発症させるようにしたラットneuトランスジェニックマウスにおいて、
部分的な防御が示された。
CD(HER−2が変異していない)「自己」抗原を標的化する細胞ベースまた
はタンパク質ベースのワクチンストラテジーを用いて、有効な免疫応答が生成さ
れ得るか否かは、未だに不確かなままである。従って、HER−2タンパク質の
過剰発現が関連している乳癌および他の悪性疾患を処置または予防するためのさ
らなる免疫療法的アプローチを行うことが望ましい。
る悪性疾患を処置するための新たな化合物および組成物を提供する。この化合物
は、HER−2タンパク質の免疫原性エピトープおよびこのようなエピトープを
含むキメラペプチドおよび多価ペプチドである。
プ」とよばれる。HER−2 B細胞エピトープは、約15〜約50アミノ酸、
より好ましくは17〜40アミノ酸、最も好ましくは18〜35アミノ酸を含む
。好ましくは、HER−2 B細胞エピトープは、以下の群またはその機能的等
価物から選択される配列を含む:
は、HER−2タンパク質の細胞外ドメインと免疫反応性の抗体の生成を誘導す
る能力を有する。
物の少なくとも1つを含むキメラペプチド(本明細書中以降「キメラHER−2
B細胞ペプチド」といわれる)を提供する。好ましくは、このキメラHER−
2 B細胞ペプチドは、約35〜約150アミノ酸長、より好ましくは約35〜
約70アミノ酸長である。このキメラHER−2 B細胞ペプチドは、3つのユ
ニットを含む。第1のユニットは、HER−2B細胞エピトープまたはその機能
的等価物を含む。第2のユニットは、ヘルパーT(Th)細胞エピトープ、好ま
しくは、乱交雑Th細胞エピトープである。本明細書中で使用される場合、「乱
交雑」Th細胞エピトープは、MHC拘束の迂回を補助するサイトカインの放出
を促進するエピトープである。第2のユニットは、約14〜約22アミノ酸長、
より好ましくは約15〜21アミノ酸長、最も好ましくは16アミノ酸長である
。好ましくは、このTh細胞エピトープは、以下のアミノ酸配列のうちの1つを
有する:
ニットは、アミノ酸、すなわち、好ましくは約2〜約15アミノ酸長、より好ま
しくは約2〜約10アミノ酸長、最も好ましくは約2〜約6アミノ酸長のペプチ
ドである。最も好ましいリンカーは、アミノ酸配列Gly−Pro−Ser−L
eu(配列番号20)を含む。
B細胞エピトープまたはその機能的等価物およびTh細胞エピトープを含む多価
HER−2 B細胞ペプチドを提供する。HER−2 B細胞エピトープおよび
Th細胞エピトープは、コアβシート鋳型に結合されている。好ましくはこの鋳
型は、ロイシン残基とリジン残基とが交互になっている2つの鎖を含み、これら
は、リンカーにより結合される。このリンカーはアミノ酸であり、すなわち、好
ましくは約2〜約15アミノ酸長、より好ましくは約2〜約10アミノ酸長、最
も好ましくは約2〜約6アミノ酸長のペプチドである。最も好ましいリンカーは
、アミノ酸配列Gly−Pro−Ser−Leu(配列番号20)を含む。
細胞ペプチドおよび薬理学的に受容可能なキャリアを含む免疫原性組成物に関す
る。好ましいキャリアは、生分解性ミクロスフェアである。このような免疫原性
組成物は、HER−2タンパク質の過剰発現が関連している悪性疾患を処置また
は予防するために有用である。
ドするポリヌクレオチドに関する。このようなポリヌクレオチドは、組換え技術
によりエピトープを生成するために有用である。本発明はまた、本発明のキメラ
HER−2 B細胞ペプチドをコードする配列を有する単離されたポリヌクレオ
チドに関する。このようなポリヌクレオチドは、キメラHER−2 B細胞ペプ
チドを調製するために有用である。このようなポリヌクレオチドはまた、HER
−2タンパク質の過剰発現が関連している悪性疾患を処置または予防するための
免疫原性組成物(例えば、DNAワクチン)において有用である。好ましくは、
このような免疫原性組成物は、筋肉内に投与される。
(本明細書中以降「HER−2 CTLエピトープ」といわれる)を提供する。
このHER−2 CTLエピトープは、約8〜約12アミノ酸、より好ましくは
9〜11アミノ酸を含む。好ましくは、このHER−2 CTLエピトープは、
以下の配列のうちの1つを含む:
Lエピトープの機能的等価物であるペプチドを包含する。機能的等価物であるペ
プチドは、上記に示される配列の1つに少なくとも90%同一である配列を有す
る。機能的に等価であるペプチドはまた、Tc細胞を活性化する能力を有する。
ープまたはその機能的等価物を含むキメラHER−2 CTLペプチドとして下
に言及される。キメラHER−2 CTLペプチドは、3つのユニットを含む。
第1のユニットは、CTLエピトープを含む。第2のユニットは、好ましくは、
乱交雑(promiscuous)Tヘルパー細胞エピトープである。第3のユ
ニットは、リンカーアミノ酸または第1ペプチドユニットおよび第2ペプチドユ
ニットを結合するペプチドユニットである。
くとも2つまたはその機能的等価物およびTh細胞エピトープを含む多価HER
2 CTLペプチドを提供する。HER−2 CTLエピトープおよびTh細
胞エピトープは、コアβシートテンプレートに連結される。好ましくは、テンプ
レートが、ロイシン残基とリシン残基とが交互になっている2つの鎖を含み、こ
れは、リンカーにより連結される。
、Tc細胞を活性化するために有用な免疫原である。このような活性化は、IL
−2レセプターおよび少ない範囲でIL−2、の発現を開始するようTc細胞を
誘導し、重要なサイトカインは、増殖およびエピトープを提示する標的細胞に対
するサイトカイン活性を保有する機能的細胞傷害性リンパ球への、活性化された
Tc細胞の分化に必要とされる。本発明はまた、キメラHER−2 CTLペプ
チドまたは多価HER−2 CTLペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリア
を含む免疫原性組成物に関する。本発明はまた、このような動物に免疫原性組成
物を投与することによる、哺乳動物にTc細胞を活性化する方法に関する。
単離されたポリヌクレオチドを含む。このようなポリヌクレオチドは、組換え技
術によりエピトープを産生するのに有用である。本発明はまた、キメラHER−
2 CTLペプチドをコードする配列を有する単離されたポリヌクレオチドを含
む。このようなポリヌクレオチドは、キメラCTL細胞エピトープペプチドを調
製するために有用である。このようなポリヌクレオチドはまた、HER−2オン
コジーンが関連する悪性腫瘍を処置または予防するための免疫原性組成物(例え
ば、DNAワクチン)において有用である。
パー細胞エピトープに連結される1つ以上のHER−2 CTLエピトープに連
結される、1つ以上のHER−2 B細胞エピトープを含む。このエピトープは
、コアβシートテンプレートに連結される。本発明はまた、多価のB/CTLペ
プチドをコードするポリヌクレオチドおよびこのようなポリヌクレオチドを含む
DNAベクターに関する。本発明はまた、B/CTLエピトープペプチドまたは
それをコードするポリヌクレオチドおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む免
疫原性組成物に関する。
する方法に関する。このような方法は、被験体に対する本発明のキメラペプチド
または多価ペプチドを投与することを含む。このような方法は、HER−2タン
パク質の発現と関連する疾患状態に対する被験体の免疫の増強を生じる。
し、これは、以下でHER−2 B細胞エピトープおよびHER−2 CTLエ
ピトープとして以下で言及される。
免疫活性である抗体の産生を生じる体液反応を引き起こすことが可能である。H
ER−2タンパク質およびそのラットホモログneuは、長さが約1255個の
アミノ酸(aa)である185kdの相対的分子量を有する膜貫通タンパク質で
ある。HER−2/neuタンパク質は、上皮増殖因子レセプター(EGFR)
に40%の相同性を有する、約645 aaの細胞外結合ドメイン(ECD)、
高い疎水性膜貫通アンカードメイン(TMD)、およびEGFRに対して80%
の相同性を有する約580aaのカルボキシ末端の細胞質ドメイン(CD)を有
する。HER−2タンパク質のアミノ酸配列およびこのようなアミノ酸配列をコ
ードするヌクレオチド配列が、GenBank登録番号M11730に示される
。
れは、以下の表Iに示される「参照配列」として以下に言及する。この参照配列
は、抗原性の6つの相互関係を使用して、コンピューターで補助される分析を用
いて選択され、そしてスコアされた:(a)個々の配列の鎖の柔軟性および可動
性のプロフィールが、KarplusおよびSchultz、Naturwis
s 72:212−213、1985に従って算出された;(b)水治療法プロ
フィールが、7つの残基範囲セッティング(residue span set
ting)に対して作製され、そして最終的にKyte およびDoolitt
le,J.Moi.Biol.157:105−132,1982の尺度を使用
して3つの残基範囲と共に洗練された;(c)水治療法プロフィールはHopp
およびWoods,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78:3
824−3828,1981のプログラムを使用して6残基のウィンドウに対し
て作製された;(d)1.4Aプローブを使用して水へのアミノ酸残基の曝露の
分析が、Rose,Science 229:834−838,1985の溶媒
曝露アルゴリズムにより実行された;(e)溶媒中へ接近そして突出するタンパ
ク質の部分を予測する突出指数が、Thornton,EMBO J.5:40
9−413,1986の方法により算出された;(f)5つの残基配列が抗原性
である可能性は、Welling,FEBS Lett 188:215−21
8,1985の方法により決定された。基本的な前提は、予測に使用されるアル
ゴリズムが、タンパク質上の表面に曝露される領域に常に位置し、従って、多分
抗体結合に関与している。配列が、それらのそれぞれの指数値に基づいて1〜6
のスコアで与えられ、そしてランクされて:もっも高いランキング配列は、調べ
られた分析物(6/6)について最も高い個々のスコアを有し、そして連続的な
候補は、次に高いスコア(5/6)などを有した。最もよい、スコアしたエピト
ープは、2次構造の特性と関連することによりさらにランク付けされ、例えば、
両親媒性αへリックス配列またはβターンループ領域が、ランダムコイルフラグ
メントについて好まれる。ChouおよびFasman,Adv.Enzymo
l.Relat.Subj.Biochem.47:45−148,1978に
よるコンピュータープログラムが、2次構造(αへリックス、βストランド/シ
ート、3ターン/ループ、ランダムコイル)およびへリックス両親媒性モーメン
トを予測するために使用された。静電気的イオン対およびへリックスセグメント
におけるへリックス双極子相互作用もまた、考えられる(例えば、疎水性/親水
性バランス)。好ましくは、親水性/疎水性バランスは、2/2〜4/1である
。
の表Iに示されるペプチドの機能的な等価物であるペプチドを含む。このような
機能的等価物が、対応する参照配列における1つ以上のアミノ酸が置換されるか
、または1つ以上のアミノ酸が対応する参照配列から欠失されるかまたは付加さ
れた、変更した配列を有する。例えば、システイン残基は、欠失されるかまたは
他のアミノ酸と置換され、復元において不正確な分子内ジスルフィド架橋の形成
を防止し得る。必要に応じて、HER−2 B細胞エピトープが、グリコシル化
される。
めに行われる置換を除き、この置換は保存的アミノ酸置換であり、ここで、置換
されるアミノ酸は、参照配列において対応するアミノ酸と、類似の構造的または
化学的特性を有する。例として、保存的アミノ酸置換は、1つの脂肪族アミノ酸
または疎水性アミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシ
ン)の、別のアミノ酸との置換;水酸基を含む1つのアミノ酸(例えば、セリン
およびスレオニン)の、別のアミノ酸との置換;1つの酸性残基(例えば、グル
タミン酸またはアスパラギン酸)の、別のアミノ酸との置換;アミドを含む1つ
の残基(例えば、アスパラギンおよびグルタミン)の、別の残基との置換;1つ
の芳香族残基(例えば、フェニルアラニンおよびチロシン)の、別の残基との置
換;1つの塩基性残基(例えば、リシン、アルギニンおよびヒスチジン)の、別
の残基との置換;および1つの小アミノ酸(例えば、アラニン、セリン、スレオ
ニン、メチオニン、およびグリシン)の、別の残基との置換、を含む。
カルボキシ末端、または両方に位置する。変更の結果として、HER2 B細胞
エピトープ等価物は、対応する参照配列に少なくとも70%同一、好ましくは少
なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、最も好ましくは、
少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有する。少なくとも90%同一であ
る配列は、1つの変更しか有さない(すなわち、参照配列の10個のアミノ酸あ
たり、欠失、付加または置換、の任意の組み合わせ)。百分率の同一性が、DN
A STARプログラムにおけるMEGALIGNプロジェクトを使用して、参
照配列を有する改変体のアミノ酸配列を比較することにより、決定される。
照配列および野生型HER2タンパク質における参照配列に隣接する配列と少な
くとも90%同一である配列を有する。
R−2予想B細胞エピトープ。アスパラギン(N)−結合グリコシル化部位は太
字で下線を付す)
に言及されるキメラペプチドを提供する。これは、HER−2 B細胞エピトー
プ、ヘルパーT(Th)細胞エピトープ、好ましくは、乱交雑Th細胞エピトー
プおよびリンカーを含む。用いられる乱交雑Th細胞エピトープに依存して、H
ER−2 B細胞エピトープを、Th細胞エピトープのアミノ末端またはカルボ
キシ末端のいずれかに連結する。Th細胞エピトープの位置および選択は、B細
胞エピトープの構造特性(αヘリックスまたはβターンもしくは鎖のいずれか)
に依存する。適切なTh細胞エピトープを選択する方法は、Kaumayaら、
「DENOVO」 ENGINEERING OF PEPTIDE IMMU
NOGENIC AND ANTIGENIC DETERMINANTS A
S POTENTIAL VACCINES,Peptides,Design
,Synthesis and Biological Activity(1
994),133−164頁、これは本明細書中で参考として援用される。B細
胞エピトープキメラを含む種々の乱交雑T−ヘルパー細胞エピトープを惹起する
免疫応答の要旨は、「Synthetic Peptides:Dream o
r Reality」Kumayaら、と題する総説において示され、そしてP
EPTIDES IN IMMUNOLOGY,Wiley and Sons
,Ltd.(1996)において公開されている。
ンと相互作用し、かつこれに結合する抗体の産生を誘導するための有用な免疫源
である。キメラBペプチドはまた、患者の血清におけるHER−2タンパク質に
対する抗体を検出するための研究用ツールとして有用である。本発明に従って、
キメラB細胞ペプチドMVF-HER-2(628-647)、HER-2(376
-395)-MVF、およびHER-2(410-429)-MVFが、ウサギにお
ける抗体応答を惹起し、そしてこのような抗体が、(a)HER−2タンパク質
を免疫沈降し、(b)培養物中の細胞を過剰発現するER−2上のインタクトな
HER−2レセプターに結合し、そして(c)インビトロでおよび異種移植マウ
スモデルで細胞を過剰発現するHER−2の増殖を減少させることが測定されて
いる。トランスジェニックマウスのキメラペプチドMVF-HER-2(628-
647)での免疫は、このようなマウスにおける、コントロールマウスが腫瘍を
発症した時点の少なくとも9ヶ月後に腫瘍発症を遅らせることもまた測定されて
いる。
る、HER−2CTLエピトープを提供する。本明細書中で用いられる場合、用
語HER−2CTLエピトープとは、以下の表2に示される配列の1つを有する
ペプチド、またはその機能的等価物を含む。この機能的等価物は、以下の表2に
示される「参照配列」と呼ばれる、配列の1つに少なくとも80%、好ましくは
少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する。機能的等価物のHER−2
タンパク質、またはHER−2タンパク質の細胞外結合ドメインに対する細胞媒
介応答を惹起する能力は、対応する参照配列と同じか、またはこれよりも高い。
されるキメラペプチドを提供する。これは、上記のHER−2CTLエピトープ
の1つ、またはその機能的等価物を含む。キメラHER−2 CTLペプチドは
、3つの単位を含む。第1の単位は、キメラHER−2 CTLエピトープまた
はその機能的等価物を含む。第2の単位は、乱交雑Tヘルパー細胞エピトープを
含む。この第2の単位は、好ましくは、約14〜約22、より好ましくは、約1
5〜21、最も好ましくは、16のアミノ酸の長さである。第3の単位は、第1
の単位と第2の単位とを結合するリンカーである。このリンカーは、アミノ酸で
あるか、または好ましくは約2〜約15のアミノ酸、より好ましくは、約2〜約
10のアミノ酸、最も好ましくは、約5〜約6のアミノ酸の長さであるペプチド
である。最も好ましいリンカーは、配列:Gly−Pro-Ser-Leu(配列
番号20)を含む。
ペプチドを含む。複数のHER−2 CTLエピトープは、1〜5のアミノ酸の
長さであるリンカーによりお互いに連結される。必要に応じて、このリンカーは
、タンパク質分解部位を含む。1つの実施形態では、このリンカーは隣接する塩
基性アミノ酸残基を含む。好ましくは、共リンカーキメラペプチドは、クラスH
LA−A3由来のHER−2CTLエピトープ、クラスHLA−B7由来のHE
R−2CTLエピトープ、クラスHLA−A2由来のHER−2CTLエピトー
プ、およびクラスHLA−B27由来のHER−2CTLエピトープを含む。こ
の共リンカーキメラペプチドは、14〜22のアミノ酸の長さの乱交雑Thエピ
トープである第2の単位をさらに含む。この第2の単位は、リンカーにより第1
の単位のアミノ末端またはカルボキシ末端に連結される。
チドは、好ましくは、市販のペプチド合成機を用いて合成される。好ましくは、
Kaumayaら、「DENOVO」 ENGINEERING OF PEP
TIDE IMMUNOGENIC AND ANTIGENIC DETER
MINANTS AS POTENTIAL VACCINES,Peptid
es,Design,Synthesis and Biological A
ctivity(1994),133−164頁、これは本明細書中で参考とし
て援用されるに記載される化学法が用いられる。
ペプチドはまた、無細胞翻訳系、ならびにエピトープおよびペプチドをコードす
るDNA構築物由来のRNA分子を用いて生成され得る。あるいは、エピトープ
またはキメラペプチドは、それぞれのエピトープまたはキメラペプチドをコード
するDNA配列を含む、発現ベクターを用いて宿主細胞をトランスフェクトする
ことにより作製され、次いで、宿主細胞においてポリヌクレオチドの発現を誘導
する。組換え産生について、エピトープ、キメラペプチド、またはその改変体を
コードする1つ以上の配列を含む組換え構築物は、カルシウムリン酸トランスフ
ェクション、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクシ
ョン、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、
エレクトロポレーション、形質導入、スクレイプレイディング(scrape
lading)、ボリスティックイントロダクション(bollistic i
ntroduction)、またはインフェクションのような、従来の方法によ
り宿主細胞へと導入される。
適切な宿主細胞(例えば、哺乳動物細胞、酵母、細菌、昆虫細胞または他の細胞
)中で、従来の技術を使用して適切なプロモーターの制御下で発現され得る。適
切な宿主には、E.coli、P.Pastoris、Cos細胞および293
HEK細胞が挙げられるがこれらに限定されない。適切な宿主菌株の形質転換お
よび適切な細胞密度への宿主菌株の増殖に続いて、細胞を遠心分離により採取し
、物理的または化学的手段により破壊し、そして得られた粗製の抽出物がエピト
ープまたはキメラペプチドのさらなる精製のために保持される。
例えば、細胞ペレットまたは細胞培養培地からの最初の抽出、続いて塩析、そし
て水性イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー工程、お
よび高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ならびにアフィニティークロマ
トグラフィーを含む1つ以上のクロマトグラフィー工程による単離)を使用して
組換えペプチドを単離し得る。グリコシル化エピトープおよびキメラペプチドを
作製するために、組換え技術を使用することが好ましい。同じものを含むグリコ
シル化エピトープおよびキメラペプチドを作製するために、哺乳動物細胞(例え
ば、Cos−7およびHep−G2細胞)を組換え技術において使用するのが好
ましい。
CTLエピトープの天然に存在する改変体がまた、例えば、ポリペプチドをコー
ドするDNA配列を用いて適切なcDNAライブラリーまたはゲノムライブラリ
ーをスクリーニングすることによって単離され得る。
/CTLペプチドの調製) HER−2多価ペプチドを調製するための好ましい合成アプローチは、コンビ
ナトリアルFmoc/tブチル、Fmoc/ベンジルおよびBocベンジルスト
ラテジーならびに第4レベルの差示的保護基(Npys)ストラテジーを利用す
る。このようなアプローチの詳細は、Larimoreら(1995)Jour
nal of Virology 69:6077−6089に示され、これは
本明細書中で参考として具体的に援用される。
エピトープの配列を改変し、次いで免疫応答(例えば、抗体の産生)を刺激する
能力についてアッセイすることによって同定され得る。例えば、このようなアッ
セイは、一般的に、改変されたポリペプチドおよび乱交雑Th細胞エピトープを
含むキメラペプチドを調製し、キメラペプチドを試験動物に注射し、そして抗体
をアッセイすることによって実行され得る。このような抗体は、血清および腹水
を含む種々の体液において見出され得る。手短には、体液サンプルは、温血動物
(例えばヒト)から単離される。このため、HER−2/neuポリペプチドに
特異的な抗体が存在するか否かを決定することが望ましい。体液を、免疫複合体
がポリペプチドとこのタンパク質に特異的な抗体との間に形成し得るのに十分な
条件および時間で、HER−2/neuポリペプチドとともにインキュベートし
、次いで、好ましくは、ELISA技術を使用してアッセイする。このような技
術において、比色の変化を490nmにて測定する。HER−2/neuタンパ
ク質に対して10,000以上の力価を示す抗体の産生を誘導するエピトープが
好ましい。本明細書中で使用されるように、10,000の力価は、バックグラ
ウンドより上の0.2の吸収値を示す。
る方法) 表2に示されるHER−2 CTLエピトープの機能的等価体を、配列を改変
し、次いで得られたポリペプチドを免疫応答(例えば、Tc細胞の活性化)を刺
激する能力についてアッセイすることによって同定する。CTLエピトープとの
最初に遭遇において、少数の免疫T細胞がリンホカインを分泌し、エフェクター
およびメモリーT細胞に増殖および分化する。一次免疫反応はインビボで生じる
が、インビトロで検出するのは難しい。メモリーT細胞による同じHER−2抗
原(すなわち、CTLエピトープ)との後の遭遇は、より早くより強力な免疫応
答を導く。二次応答は、インビボまたはインビトロのいずれかで生じる。従って
、インビトロ応答は、増殖の程度、サイトカイン産生の程度、またはHER−2
抗原に対して再曝露されるT細胞集団の細胞質溶解性活性の生成を測定すること
によって容易に評価される。T細胞の増殖の検出は、種々の公知の技術によって
達成され得る。例えば、T細胞増殖は、DNA合成の速度を測定することによっ
て検出され得る。増殖するように刺激されたT細胞は、DNA合成の増加速度を
示す。DNA合成の速度を測定するための代表的な方法は、例えば、トリチウム
化されたチミジン、新たに合成されたDNAに組み込まれるヌクレオシド前駆体
を用いてT細胞をパルス標識することによる。トリチウム化されたチミジンの量
は、液体シンチレーション分光光度計を使用して決定され得る。T細胞増殖を検
出するための他の方法には、インターロイキン−2(IL−2)産生、Ca2+フ
ラックス、または色素取り込み(例えば、3−(4,5−ジメチルチアゾール−
2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム)の増加を測定することが挙げ
られる。あるいは、リンホカイン(例えば、インターフェロン−γ)の合成が測
定され得るか、またはインタクトなHER−2/neuタンパク質に応答し得る
T細胞の相対的な数が定量化され得る。
ペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチドを提供する。本発明のポリ
ヌクレオチドはまた、ストリンジェントな条件下、好ましくは高ストリンジェン
トな条件下で、ヌクレオチド配列にハイブリダイズし得る配列を有するポリヌク
レオチドを含む。ハイブリダイゼーション条件は、BergerおよびKimm
el(1987)Guide to Molecular Cloning T
echniques,Methods in Enzymology,vol
152,Academic Pressに記載されるように、核酸結合複合体、
またはプローブの融解温度TMに基づく。本明細書中で使用される場合、用語「ス
トリンジェントな条件」は、約Tm−5(プローブの融解温度の5℃下)〜Tm
の約20℃下の範囲内で生じる「ストリンジェンシー」である。本明細書中で使
用される場合、「高ストリンジェント」条件は、少なくとも0.2×SSC緩衝
液および少なくとも65℃を使用する。当該分野で認識されるように、ストリン
ジェンシー条件は、変化する多くの要因(例えば、プローブの長さおよび性質(
すなわち、DNAまたはRNA);標的配列の長さおよび性質、ハイブリダイゼ
ーション溶液の塩および他の成分(例えば、ホルムアミド、デキストラン硫酸、
およびポリエチレングリコール)の濃度)によって達成され得る。これらの要因
の全ては、上記に列挙される条件と等価なストリンジェンシーの条件を生成する
ために変更され得る。
キメラペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチドは、全体的または一部
に化学的方法、または好ましくは、当該分野で公知の組換え方法を使用して合成
され得る。HER−2B細胞エピトープまたはCTLエピトープをコードするポ
リヌクレオチドは、このようなポリヌクレオチドを含むクローンを同定するため
に、それぞれHER−2タンパク質またはCTLタンパク質に対して免疫特異的
な抗体を用いて、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーをスクリーニ
ングすることによって得られ得る。
たはキメラペプチドを産生するために有用である。例えば、多価キメラペプチド
をコードするRNA分子は、このようなポリペプチドを調製するための、細胞を
含まない翻訳系において使用される。あるいは、HER−2B細胞エピトープ、
CTLエピトープまたはキメラペプチドをコードするDNA分子は、発現ベクタ
ー中に導入され、そして細胞を形質転換するために使用される。適切な発現ベク
ターとしては、例えば、染色体、非染色体および合成のDNA配列(例えば、S
V40、細菌プラスミド、ファージDNAの誘導体;酵母プラスミド、プラスミ
ドとファージDNAとの組合わせ由来のベクター、ウイルスDNA(例えば、ワ
クシニア、アデノウイルス、禽痘ウイルス、仮性狂犬病、バキュロウイルス、お
よびレトロウイルス))が挙げられる。DNA配列は、従来の手順によって発現
ベクターに導入される。
組換え構築物に関する。適切な構築物としては、例えば、ベクター(例えば、プ
ラスミド、ファージミド、またはウイルスベクター)が挙げられ、この中に、H
ER−2B細胞エピトープ、HER−2 CTLエピトープまたはキメラペプチ
ドをコードする配列が挿入される。この発現ベクターにおいて、エピトープまた
はキメラペプチドをコードするDNA配列は、発現制御配列(すなわち、プロモ
ーター)に作動可能に連結され、これはmRNA合成を指向する。このようなプ
ロモーターの代表例としては、LTRまたはSV40プロモーター、E.col
i lacまたはtrp、ファージλPLプロモーター、および原核生物細胞ま
たは真核生物細胞あるいはウイルスにおける遺伝子の発現を制御することが公知
の他のプロモーターが挙げられる。この発現ベクターはまた、好ましくは、翻訳
開始および転写ターミネーターのためのリボソーム結合部位を含む。好ましくは
、組換え発現ベクターはまた、形質転換された細胞(すなわち、異種DNA配列
を発現する細胞)の選択を可能にするために、複製起源および選択マーカー(例
えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子)を含む。HER−B細胞エピト
ープ、HER−2 CTLエピトープまたはキメラペプチドをコードするポリヌ
クレオチド配列は、翻訳開始および終結配列を用いて、インフレームでベクター
に組み込まれる。好ましくは、このポリヌクレオチドは、HER−2B細胞エピ
トープ、HER−2 CTLエピトープ、またはキメラペプチドのアミノ末端に
作動可能に連結されたシグナル配列をさらにコードする。
なエピトープを含むキメラペプチドをコードするポリヌクレオチドは、当該分野
で周知の技術を使用して、組換えペプチドを発現するために使用され得る。この
ような技術は、Sambrook,J.ら、(1989)Molecular
Cloning A Laboratory Manual,Cold Spr
ing Harbor Press,Plainview,N.Y.およびAu
subel,F.M.ら、(1989)Current Protocols
in Molecular Biology,John Wile&Sons,
New York,NYに記載される。HER−2B細胞エピトープ、HER−
2 CTLエピトープまたはこのようなエピトープを含むキメラペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドはまた、動物を免疫するために使用される。
R−2CTLペプチド、およびそれらをコードするHER−2B/CTLペプチ
ドまたはポリヌクレオチドを含む薬学的組成物は、好ましくは、薬学的組成物(
例えば、免疫原性組成物またはワクチン)としての使用のために処方される。こ
のような組成物は、一般に、1つ以上のHER−2キメラペプチドまたは多価ペ
プチド、または薬学的に受容可能なキャリア、賦形剤または希釈剤と組み合わせ
てそれらをコードするポリヌクレオチドを含む。このようなキャリアは、使用さ
れる容量および濃度で、レシピエントに対して非毒性である。
能する)またはそれをコードするポリヌクレオチド、他の成分(例えば、抗原送
達のためのビヒクルおよびタンパク質の免疫原性を改善するように設計された免
疫刺激物質)は、好ましくは、薬学的組成物に含まれる。抗原送達のためのビヒ
クルの例として、アルミニウム塩、油中水エマルジョン、生分解性油ビヒクル、
水中油エマルジョン、生分解性マイクロカプセル、およびリポソームが挙げられ
る。キメラペプチドを含むワクチンに対して、抗原送達のための好ましいビヒク
ルは、生分解性ミクロスフィアであり、これは、好ましくは、ポリ(D,L−ラ
クチド−co−グリコリド)(PLGA)から構成される。
場合、キャリアの型は、投与の形態および実質的放出が所望されるかどうかに依
存して変化する。非経口的投与(例えば、皮下注射)の場合、キャリアは、好ま
しくは、水、生理食塩水、アルコール、脂肪、ワックス、または緩衝液を含み得
る。生分解性ミクロスフィア(例えば、ポリ乳酸ガラクチド)はまた、本発明の
薬学的組成物のためのキャリアとして使用され得る。必要に応じて、薬学的組成
物は、アジュバントを含む。
リヌクレオチドは、被験体または細胞株において、体液性応答、好ましくは細胞
性免疫応答(例えば、抗原特異的細胞溶解性T細胞の発生)を改善または誘発す
るのに有用である。本明細書中で使用されるように、用語「被験体」は、任意の
温血動物、好ましくはヒトをいう。被験体は、癌(例えば、乳癌)に羅患されて
いてもよいし、または正常(すなわち、検出可能な疾患および感染を有しない)
であってもよい。薬学的組成物は、特に、乳癌の家族履歴を有するか、または乳
腫瘍が除去された女性を処置するのに有用である。
を提供する。「処置」は、腫瘍の増殖を阻害または遅延または抑制することを意
味する。このような癌として、乳癌、肺癌、卵巣癌、膀胱癌および前立腺癌が挙
げられる。この方法は、本発明の1つ以上のキメラペプチドまたは多価ペプチド
を含む薬学的組成物を被験体に投与する工程を包含する。好ましい多価ペプチド
は、以下のエピトープの1つ以上を含むものである:HER−2(628−64
7)、HER−2(316−339)、およびHER−2(485−503)。
好ましくは、3週間おきの複数回の筋肉内注射が、薬学的組成物を投与するため
に使用される。
は等価の方法および材料は、本発明のペプチド、組成物および方法の実施または
試験に使用され得る。本明細書中で言及される全ての公報および他の引用文献は
、それらの全体を通して、参考として援用される。材料、方法、および実施例は
、例示するのみにすぎず、限定することを意図しない。
。簡潔に言えば、ペプチドは、Milligen/Biosearch9600
ペプチド合成機で、固体支持体として4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂を使
用して合成した(置換0.54mm/g)。リンカーとして4−(ヒドロキシメ
チル)フェノキシ酢酸を使用するFmoc/t−ブチル合成法を使用した。最終
脱保護工程後、保護基およびペプチド樹脂結合を、90%TFA、5%アニソー
ル、3%チオアニソール、2%エタンジチオールで切断した。粗ペプチドを、3
2.5℃で、Vydac C4(10mm×25cm)カラムを使用するセミ分
取(semipreparative)HPLCによって精製した。緩衝液は、
H2O中0.1%TFAおよびアセトニトリル中0.1%TFAであった。ペプ
チドは、「乱交雑な(promiscuous)」T細胞エピトープMVF28
8−302(Kaumaya1994):DW1MVF(HER−2 376−
395)、MVFDW4(628−647)、DW5MVF(115−136)
、DW6MVF(410−429)を組み込む。
hadex G−25カラム上に充填し、そして5mlの画分を0.1M HO
Acで溶出した。ペプチドサンプルを分光学的に235nmで測定し、吸光度の
値を時間に対してプロットした。0.1を超える吸光度の値を有し、DTTの前
に溶出するサンプルをプールし、凍結乾燥した。この反応をEllman試薬に
よる完了について、410nmにて、モニターした。
/ACE System 2100で行った。サンプルを、100mMホウ酸化
ナトリウム中で、50cmキャピラリーを使用して、20分間以上電圧分離した
(15kV)。溶出物を214nmでモニターした。
0分光偏光計で行った。機器を、アンモニウム−d−10−カンファースルホネ
ートの0.06%(w/v)溶液中で較正した。ペプチド(水中のペプチドスト
ックの希釈により、62.5〜250μM)CDスペクトルを、0.1cm光路
長の円柱状石英キュベット(Hellma)中で周囲の温度で測定した。平均残
余楕円率(mdeg)を、関係[θ]=100θ/cnlを使用して計算し、こ
こで、θは楕円率であり、cはペプチド濃度(mM)であり、nはペプチド中の
アミノ酸の数であり、そしてlは光路長(cm)である。高速原子衝撃(fas
t atom bombardment)(FAB)質量分析測定を、inne
ganMat−900機器で行った。
0倍過剰)を加えた。ペプチドを真空下に置き、撹拌下、55℃の水浴中で2−
メルカプトエタノールによって沈殿させた。湿らせたCeliteに通して濾過
した後、濾液をロータリーエバポレーターにかけ、水中0.1%TFAで酸性化
し、凍結乾燥した。
itry(Loudenville,OH)から得た。ウサギを、皮下の複数の
箇所にて、CFA中で乳化した1mgのペプチドの全てを用いて免疫化した。後
のブースター注射(PBS中の1mgおよび500μg)を最初の免疫化の3週
間後および6週間後に与えた。血清を回収し、30分間、56℃までの加熱によ
って補足的に不活性化した。血清アリコートを−5℃〜−15℃で保存した。抗
体を硫酸アンモニウム沈殿によって精製した:飽和硫酸アンモニウム溶液(SA
S)のストック溶液を調製し、高圧滅菌し、そして4℃まで冷却した。抗体を、
冷却室中の撹拌下でSASを35%v/vまでゆっくり加えることによって沈殿
させた。サンプルを14,000×gで20分間遠心分離し、この上清(sup
emate)を−20℃で保存した。ペレットを元の容量の半分で0.1M P
BSで溶解した。次いで、画分をSlide−a−lyzerカセット(Pie
rce)中に置き、200容量を越えるpH8、0.15MのNaClの頻繁な
変化に対して透析した。この生理食塩水を数滴の0.1M NaOHでpH8に
した。IgG濃度を、放射免疫拡散(RID)(The Binding Si
te,UK)によって決定した。モノクローナル抗体をOncogene Sc
ienceから購入した。
を、100μlのPBS中2μg/mlの抗原で、4℃で一晩コートした。非特
異的結合部位を、200μlのPBS−1% BSAで1時間ブロックし、そし
てプレートをPBT(0.05% Tween 20および1%ウマ血清を含む
、リン酸緩衝化生理食塩水)で洗浄した。PBT中1/500のウサギ抗血清ま
たは1/50のマウス抗血清を、抗原コートプレートに添加し、PBT中1:2
に段階希釈し、そして2時間室温でインキュベートした。プレートの洗浄後、5
0μlの1/500 西洋ワサビペルオキシダーゼ(Pierce Chemi
cal Co.)結合体化ヤギ抗ウサギIgGまたはヤギ抗マウスIgGを、各
ウェルに添加した。過剰の抗体結合体を除去し、そして結合した抗体を、0.5
mg/mlの2,2’−アミノビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホ
ン酸)を発色団として含有する、24mM クエン酸、5mM リン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH 5.2)中の0.15%H2O2 50μlを使用して検出した
。発色を10分間進行させ、そして反応を、25μlの1%ドデシル硫酸ナトリ
ウムで停止した。吸光度を、Dynatech MR700 ELISAリーダ
ーを使用して、410nmで測定した。結果を、バックグラウンドを差し引いた
後の二連のウェルの平均吸光度として表す。
持した。全ての培養培地、FCSおよび補助剤を、GEBCO(Grand I
sland,NY)から購入した。ヒト乳腺癌細胞株SKBR−3およびMCF
−7を、American Type Culture Collection
から得て、そして10% FCSおよびL−グルタミンを補充したMcCoy
5AまたはDMEM中で継代培養した。Cav−1を、10% FCSおよびL
−グルタミンを含む、RPMI 1640中で維持した。Cav−1は、冷凍保
存しそしてその後培養した、新鮮な結腸腫瘍検体から誘導し;これは、検出可能
なレベルのHER−2/neuを発現しない。SKBR3は、HER−2タンパ
ク質を過剰発現する乳房腫瘍細胞株であり、MCF−7は、通常の濃度のこのタ
ンパク質を発現する。
SKBR3細胞を、75cm3細胞培養フラスコ中にプレートし、一晩接着させ
た。抗ペプチド抗体を、4時間添加した(100μg/ml)。この反応を、培
地を吸引しそして直ぐに氷冷0.1Mリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を添加
することによって停止した。細胞をトリプシン処理し、冷却したハンクス平衡塩
類溶液(HBSS)で2回洗浄した。3mM Na3VO4、10μg/mlのア
プロチニンおよびロイペプチンの各々を含有する、冷却した溶解緩衝液(150
mM NaCl;50mM Tris、pH8;10mM EDTA、10mM
ピロリン酸ナトリウム、10mM フッ化ナトリウム;1% NP−40、0
.1% SDS)を、100μlのHBSS中に再懸濁した細胞に添加した。4
℃で20分間の緩やかな回旋によって、溶解を達成した。遠心分離(14,00
0×g、20分)して細胞細片を除去した後、溶解物を、3〜5μgの抗体およ
び30μlのProtein A/Protein G(Oncogene S
cience)と共に一晩インキュベートした。ビーズを、遠心分離(14,0
00×g、30秒)によってペレット化し、1mM Na3VO4を含む溶解緩衝
液中で2回洗浄し、そしてSDSサンプル緩衝液中で5分間煮沸した。
スに転写し、そして抗体をプローブした。タンパク質の移動を、前染色した分子
量スタンダード(BioRad)でモニターした。免疫反応性のバンドを、増強
化学ルミネセンス(Amersham)によって、西洋ワサビペルオキシダーゼ
結合体化ヤギ抗ウサギ免疫グロブリンを使用して検出した。
レート(Linbro、McLean VA)中、5,000細胞/ウェルでプ
レーとした。細胞を、種々の濃度の抗体と共にインキュベートした。ハンクス平
衡塩類溶液(HBSS)で洗浄した後、細胞を、フルオレセインイソチオシアネ
ート(FITC)結合体化ヤギ抗ウサギ抗体またはヤギ抗マウス抗体と共に1時
間インキュベートし、そしてホルマリンで固定した。マウスモノクローナルAb
(Oncogene Scinece、Cambridge、MA)を、ポジテ
ィブコントロールとして用い、抗CD3 Abを、ネガティブコントロールとし
て用いた。細胞を、488nmでの励起のためのアルゴンレーザーおよびFIT
C蛍光に対する525ランのバンドパスフィルターを有するCoulter E
LITEフローサイトメーター(Coulter、Hialeah、FL)によ
って分析し、5.0×103細胞を、各サンプルについて計数し、最終処理を行
った。細片、細胞クラスターおよび死細胞を、光散乱評価によってゲートアウト
し、その後、単一パラメーターのヒストグラムを作成した。
を、0日目に、種々の濃度のAbと共に、V字底プレート中に5,000細胞/
ウェルでプレートした。3日目に、[3H]チミジン(1μCi/ウェル)を細
胞にパルスし、この時、これらの細胞を、1時間、−20℃のフリーザー中に配
置した。室温で解凍した後、細胞を、PHD細胞回収機(Cambridge
Tech,Inc.)で回収した。サンプルを、5mlのReady Safe
液体シンチレーション混液(Beckman)中でインキュベートし、放射活性
を、βカウンターで測定した。結果を、平均CPM+/−標準偏差(SD)とし
て表す。
LN)を、免疫後7〜10日で取り出す。次いで、1時間、1μMの適切なCT
Lペプチドを前パルスした1.5×105の照射(10,000ラド)P815
細胞と共に共培養することによって、LN細胞(4×106〜5×106)をイン
ビトロで刺激した。使用した培養培地は、cDMEM(10% FCSを補充し
たDEME)である。上清は30U/ml(最終)のIL−2、2mM L−グ
ルタミン、10mM Hepesおよび5×105M 2−メルカプトエタノー
ルを含む。
試験する。P815細胞(106)を、適切なペプチド(1μM)の存在下また
は非存在下で、37℃で1時間、150μCiのクロム酸ナトリウム[51Cr]
で標識し、そして3回洗浄した。標識した標的(2×103)を、V字底の96
ウェルプレート中に200μl容量で、予め決定した比の刺激したLN細胞と共
に同時インキュベートした。37℃で4時間のインキュベーション後、上清(1
00μl)を、γ計数のために回収する。特異的溶解%を、100×[(実験で
の放出−自然放出)/(全体−自然放出)]として計算する(Valmoriら
、1994)。
PBS中に懸濁し、氷上で250μlのMATRIGEL(Beckton D
ickinson)と混合し、そしてマウスに皮下注射した。ポリクローナル抗
体を、2mg/マウスの全濃度で、9日目および11日目にi.p.注射した。
腫瘍体積を、カリパスで1週間に2回測定し、そして式(長さ×幅×高さ)によ
って計算した。
) DW1と名付けたエピトープは、乱混雑なTh細胞エピトープMVFに連結し
た、HER−2タンパク質のアミノ酸376〜291を含む。DW1は、わずか
にターン傾向を有する、α−ヘリックスであると予測される。
ro−Ser−Leu(配列番号20)によってMVF288〜302のN末端
に連結させた。この得られたペプチドを、DW1MVFと名付け、これは、N末
端側でのDW1の配置を示し、対して、MVFDW1は、C末端側の配置を表す
。最初のアミノ酸を手動で連結し、そしてKaiserニンヒドリン試験によっ
て完了をモニターした。その後のカップリングを、Milligen/Bios
earch 9600ペプチド合成機上で行った。最後の脱保護後、ペプチドを
、試薬PUで樹脂から切断した。このペプチドは、Arg−2,2,5,7,8
−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(PMC)およびHisを含むので、
長い切断時間が必要である(ヒスチジンが存在する場合、黄色の切断溶液が観察
される)。
apotate)して、TFAを除去し、冷エーテルで沈殿させ、そして水/エ
ーテル抽出した。抽出はかなり容易であり、そしてゲル濾過し、凍結乾燥したペ
プチドのHPLC分析により、2〜3の欠失ペプチドが示された。このペプチド
は、DTTの前に2つのピークとして溶出した。これらをプールし、そして分析
HPLCに供した。
大きいピークを同定したが、CZEは、異なる電荷の3つの種を同定した。完全
なペプチドは、中性のpHで、6つの負に荷電した種および4つの正に荷電した
種を含む。質量分析の結果、大きいピークは、分子量4472の目的のエピトー
プであることが確認された。稀酢酸液中のペプチドのCDスペクトルは、わずか
なランダムコイルを示す。TFE中では、構成は、わずかなαらせんに偏向し、
これは190〜195nmの範囲で最大強度、そして208nmおよび222n
mで最小強度であった。ペプチドの螺旋構造[θ222,−5,000]を、10
0%螺旋θ222についてのポリスチレンの平均楕円率=−33,000として、
Chenの式を用いて算出した。
するペプチドの変化した配列を含む。ネイティブ配列は、3つのシステイン残基
を含む。この残基のジスルフィド結合対は未知である。634位および642位
のシステインは、架橋を形成する能力を有するので、Cys630をGlyで置
換した。システインのグリシン置換は、その位置でのR基の相対サイズを保存す
るための1つの方法である。リンカーに結合したDW4(628〜647)ペプ
チドをまず作成することにより合成が進行し、次いで、NWF(288〜302
)ヘルパーT細胞配列の付加によってN末端に配列が伸長する。これにより、M
VFDW4ペプチドを産生した。
ル形態を得た。酢酸水銀/2−メルカプトエタノール手順によって、ジスルフィ
ド結合したマルチマーの生成を減じる。粗産物およびサンプルの分析HPLCを
比較した。粗サンプルにおいて、2つの先鋭なピークの直後に広い不明瞭な肩が
続く。処理サンプルによって、最初のピーク(leading peak)およ
びより広がった第2のピークのサイズの減少が示された。正しい画分を、質量分
析によって後に同定した。この分析によってこのペプチドの分子量が4612と
確認された。
T)を粗サンプルに添加した。過酸化水素の添加は、酸化を生じた。
は、粗サンプルの最初のピーク(leading peak)に対応する。DT
T処理は、以下の反応スキームによる還元を生じる。
ルは、出発物質が還元ペプチドおよび酸化ペプチドの混合物であることを示す。
酢酸水銀処理により、還元種に適した濃度に偏向する。
例1に記載のように、樹脂に連結し、この配列にHER−2タンパク質の115
〜136のアミノ酸を続けた。これによりペプチドDW5MVFを生成した。こ
の配列は、高い凝集能を有するβターンであると予測される。これは、二重カッ
プリング重要残基All5、V116、T127、V129およびS133を必
要とした。
抽出した。抽出は、ペプチド形態高密度ではかなり困難で、粘着性に凝集し、酢
酸の添加によってほとんど可溶にならなかった。粗サンプルの分析HPLCによ
り、1つの顕著なピークがわずかな二重物であることが示された。半調製的HP
LCを用いて、この二重物を分離した。凍結乾燥サンプルを、分析HPLC用に
、稀酢酸中で容易に溶解した。サンプルを飛行時間質量分析に供し、そして正確
な分子量4431を得た。ペプチドは、単一のピークとして15.5分で溶出す
る。
と同じ領域由来の可能性のある免疫原性エピトープを示す。DW1MVFの成功
によって、初期のFACS実験では、本発明者らは、この領域に対してさらなる
抗体が惹起されることを望んだ。残基410〜429を、以前に記載のとおり、
MVF/4−残基−リンカー配列へのN末端付加によって合成した。最終産物は
、DW6MVFであった。そのC末端で中度〜高度凝集能を有するβ−ターンで
あることが期待される。
に結合された。コンピューターアルゴリズムは、高い凝集能を予想し、従って、
カップリング時間の延長および/または2倍のカップリングを用いて、凝集を最
小限にすることを試みた。
、これをエーテル/水抽出した。このワークアップは、高い程度の凝集によって
、困難であることをなお証明した。HPLCによって示されるように、有意な濃
度の欠失ペプチドが存在した。半調製BPLCで、大きいピークを分離し、これ
を13〜14.5分で溶出した。分析BPLCにより、17分で溶出する単一の
ピークが示された。半調製HPLCおよび分析HPLCに関する保持時間の差異
は、サンプル注入の時間の3分の違いによる。アミノ酸分析によって、それが目
的のペプチドと同一であることを確認した。誘導体化アミノ酸を、そのフェニル
チオヒダントイン誘導体として分析した(実測値(理論値)):Asp(2.9
9(3))、Glu(4.32(4))、Ser(4.77(5))、Gly(
3.53(4))、His(1.62(2))、Arg(1.08(1))、T
hr(0.02(0))、Ala(0.97(1)、Pro(3.02(3))
、Tyr(0.95(1))、Val(3.86(4))、Met(0.09(
0))、Cys(0(0))、Ile(2.87(3))、Leu(9.34(
9))、Phe(0.93(1))、Lys(2.28(2))およびTrp(
0(0))。
9) DW2は、HER−2タンパク質のアミノ酸391〜399を含む。DW3は
、HER−2タンパク質のアミノ酸376〜399を含む。
により、残りを用いて、合成を続けた。これにより、376〜399の最終ペプ
チド(DW3)を得た。
ク(11分で溶出する)を分離した。DW3は、混合組成物の2つの主要なピー
クを得た。質量分析によって、DW2の11分で溶出する画分は、1052の分
子量を有する正しいペプチドであることを確認した。DW3についてはさらなる
特徴付けは行わなかった。
後3週程度の初期での高い抗体力価によって証明されるように、非常に高い免疫
原性である。ペプチド配列を認識し、そしてペプチド配列に結合する能力におつ
いて、毎週得た血清をアッセイした。DW5MVFは、抗体力価の定常的な上昇
を示した。DW5MVFについての力価は、一方のウサギでは、他方よりも高か
った。ウサギ1は、ペプチド免疫原に対する即時の強力な応答を示したが、ウサ
ギ2は、抗体力価の緩徐だが安定した上昇を示した。MVFDW4は、最も即時
的かつ強力な応答を生じた。これらの際立って高い力価は、第3回目のブースト
後、4週間にわたって最大レベルのままであった。ペプチドDW6MVFは、4
つの抗体の最低力価であったが、応答は安定しておりそしてウサギ間で比較可能
であった。ポリクローナルIgG血清は、MVF T細胞配列と交差反応しなか
った。全ての結果は、非近交系で得ており、このことはウサギでの、このペプチ
ドの広い免疫原性を示す。
ペプチド抗体が、HER−2レセプターを直接標的化することを決定した(図
を参照のこと)。市販のマウスMab〜HER−2/neuを、SKBR3細胞
におけるコントロールとして使用した。陰性コントロール血清は、レセプターに
対する結合を示なかったが、蛍光の増加が免疫血清を用いて見られた。ポリクロ
ーナル抗ペプチド血清の蛍光強度は、モノクローナル抗体に匹敵した。従って、
ポリクローナル血清は、モノクローナル抗体の特異性および親和性を模倣し得る
。
そして平均細胞蛍光を決定した。「三次+3週」血液由来の血清は、121.4
の蛍光値を示し(1:320希釈)、一方MAbは132の値を示した。以下は
、様々な血清希釈における平均細胞蛍光値のリストである。
DW1MVFと同じ傾向強度を示さなかった。従って、免疫沈降法を、HER−
2に対する特異性を検証するために使用した。SKBR3細胞を、タンパク質A
/G精製抗ペプチド抗体を用いて免疫沈降した。抗体は、HER−2反応性v,
であることが示された。同一のバンドは、Mabサンプルおよび抗ペプチド抗体
においてはっきり現れる。
定することであり、この場合、この活性は、HER−2過剰発現細胞と共にMA
bをインキュベーションすることによって生成する腫瘍増殖の減少であった。抗
体または腫瘍細胞のインビトロ効果を、標準トリチウム化チミジン増殖アッセイ
によって決定した。抗体のDW1MVF、MVFDW4、およびDW5MVFは
、SKBR3細胞のインビトロにおける増殖を減少し得た。正常な量のレセプタ
ーを発現するMCF−7細胞は、この抗体によって阻害されなかった。逆に、市
販のチロシンリン酸化を減少させるモノクローナル抗体、およびインビトロにお
けるリン酸化もまた減少させるDW6MVFは、SKBR3細胞における細胞増
殖を刺激した。これらの結果は、ポリクローナル抗体が、生物学的活性が認識さ
れたエピトープに依存するという点でモノクローナルのように挙動し得ることを
示す。さらに、阻害抗体は、正常な量のHER−2(MCF7)を発現する細胞
に対してごくわずかな効果を有したことに注目することは興味深い。これはまた
、いくつかのモノクローナルについても報告され、そして正常細胞の最小毒性が
所望される乳癌の治療のために有利である。
ドマウスモデルにおける腫瘍増殖の抑制において成功した。全ての場合の腫瘍の
減少は、自己リン酸化の減少の結果ではなかった。この結果の要約は、いくつか
の抗体(MVFDW4およびDW5MVF)は、最大腫瘍抑制のための宿主エフ
ェクター細胞を必要とし得ることを示唆する。腫瘍の進行対時間のプロットは、
抗体DW1MVF、MVFDW4およびDW5MVFを用いて、腫瘍容積が減少
することを示す。DW6MVFは、増殖に対してほんのわずかな効果しか有さな
いようであった。
プ391−399を有する。本発明者らは、HER−2ワクチンに組み込むため
のこのエピトープの有効性を試験することを所望した。結果は、特定のCTL応
答が、HER−2誘導性エピトープを生じ得ることを示した。HER−2 39
1−399で刺激された細胞毒性T細胞は、用量依存様式で、自己標的を特異的
に溶解し得た。しかし、2つのインビトロ再刺激物は、この結果を生じるために
必要であった。この研究において、IL−2を培養培地に添加した。Tヘルパー
および細胞毒性T細胞配列の両方を含むペプチドを用いる免疫は、結果を上げる
ことが予測される。
ド構築物の効果) ヒト乳癌細胞と同様の乳房腫瘍を発現するトランスフェニックマウスモデル(
N202と称される)(Mullerら、Guy,C.T.ら、Pro,Nat
l.Acad.Sci.USA,89:10578−82,1992によって開
発された)を用いて、キメラペプチドの抗腫瘍効果をインビボで試験した。限局
性乳房腫瘍は、マウス乳房腫瘍ウイルスの3’長末端反復配列下のラットneu
遺伝子の過剰発現に起因して、約28週齢の雌性トランスフェニックマウスの少
なくとも50%で生じた。HER−2ペプチド配列のうち3つ(376−395
、410−429、および628−647)は、ラットneuにおける類似性領
域に対して80%より大きい相同性を有する。本発明者らは、初めに、20%の
アミノ酸配列が相違している場合、HER−2ペプチドを生じる抗体が、ラット
neuレセプターを認識し得るか否かを試験した。結果は、HER−2配列(1
15−136)、(410−429)および(628−647)を用いて誘導さ
れた抗体は、neu遺伝子過剰発現DHFR−C8線維芽細胞株からラットne
uレセプターを免疫沈降し得ることを示した。
115−136、410−429および628−647のMVF構築物ならびに
MVF単独で別々に免疫した。MVF HER−2(628−647)は、2度
目のブーストの2週間後に早くも、免疫原に対する50000を超える高力価の
抗体応答を誘発し、この抗体力価は、3度目のブースト後250000を越えた
。MVF HER 2(628−647)に対する抗体はまた、10000を超
える力価で組換えHER−2 ECDならびにインタクトなHER−2および細
胞のラットneuレセプターと反応した。 トランスジェニックマウスは、HER−2免疫原、115−136 MVFおよ
び410−429 MVFに対する明らかな抗体応答をマウントしなかった。
し、HER−2(115−136)MVFおよびHER−2(410−429)
MVFは、少なくとも10ミリメートルの大きさの腫瘍を発生した。最も顕著に
は、腫瘍細胞増殖のインビトロ阻害に相関して、MVF HER−2(628−
647)で免疫したトランスジェニックマウスの83%(6匹中5匹)では、完
全に腫瘍がなかった。MVF HER−2(628−647)でワクチン接種し
たマウスは、MVFエマルジョンで免疫したマウスと比較して、長い腫瘍のない
期間を顕著に示した(p=0.0025)。他の群と比較してMVF HER−
2(628−647)で免疫したマウスにおいて腫瘍の徴候における遅延がある
ものの、これらが生じた後は腫瘍増殖の反応速度論における顕著な差異はなかっ
た。
ランスジェニックマウス血清において、IgG1(58%)およびIgG2(3
5%)が主要なアイソタイプであることを見出した。本発明者らは、末梢血の単
核細胞を集めHER−2を過剰発現する乳房腫瘍細胞株を融解する能力をADC
Cアッセイにおいて試験した。トランスジェニックマウスにおいてHER−2(
628−647)によって誘発されたペプチド抗体は、異なる2つのヒト乳房腫
瘍細胞抗体(そのいくつかは変性タンパク質を認識する)の溶解を引き起こした
。
パク質由来の乱交雑ヘルパーT細胞エピトープ(アミノ酸288−302)、お
よびGPSLリンカー(MVFDN1)を含むキメラペプチドを、実施例1で上
述したような手順を使用して合成した。
融合タンパク質由来の乱交雑(promiscuous)ヘルパーT細胞エピト
ープ(アミノ酸288−302)、およびGPSLリンカー(MVFDN2)を
含むキメラペプチドを、上記の実施例1で記載したような手順を使用して合成し
た。HER−2配列319−339は、3つのシステインを331位、334位
および338位に含む。分子モデル化ソフトウェア(Hyperchem,Hy
percube Inc,Ontario,Canada)を使用して、本発明
者らは、残基334および338が最も安定なシステイン−システイン結合対を
強く形成することを決定した。一方、合成中に、本発明者らは、システイン33
1をアラニンに置換して2次構造形成および合成後凝集に対する干渉を防いだ。
−589および947−967(それぞれTTおよびTT3と表される)ならび
に麻疹融合タンパク質の配列288−302(MVFと表される)を含むThエ
ピトープに連結し、異なる3つのHER−2 B細胞ペプチドを提供した。
融合タンパク質由来の乱交雑ヘルパーT細胞エピトープ(アミノ酸288−30
2)、およびGPSLリンカー(MVFDN3)を含むキメラペプチドを、上記
の実施例1で記載したような手順を使用して合成した。HER−2配列495−
508は、750オングストローム2にわたる抗体の抗原結合部位の約17−1
8残基の最適なB細胞エピトープより4残基短い。一方、抗原結合ポケットによ
り適合するようにこの配列を伸長するために、本発明者らは、抗原性エピトープ
を形成する確率について近接配列に割り当てられたスコアを調べた。配列485
−499は、Wellingの抗原性スケールで、HER−2細胞外ドメインに
おいて分析した全ての配列で最高のスコアを割り当てられた。このスケールは、
5残基配列が抗原性エピトープを形成する確率を示す。この配列はまた、規定さ
れたβターン(残基488−491)およびαヘリックス(残基491−495
)を保有する。従って、本発明者らは、当所示されたエピトープ495−508
を伸長して485−499を含んだ。さらに、本発明者らは、配列495−50
8をC末端で5残基短縮して、ペプチドの凝集を導き得かつ精製および特徴付け
を困難にし得る504位の単一のシステインを除外した。システインに続く4残
基は、規定された二次構造のいずれをも形成しない。このエピトープを、C末端
で乱交雑Tヘルパー細胞エピトープTTと連結した(表4を参照のこと)。
タンパク質由来の乱交雑ヘルパーT細胞エピトープ(アミノ酸288−302)
、およびGPSLリンカー(MVFDN4)を含むキメラペプチドを、実施例1
で上述したような手順を使用して合成した。
において可変性の抗体応答を誘発した。最も瞬時でかつ高力価の抗体を、MVF
HER−2(316−339)によって誘発した。低い抗体応答を、他の3つ
のペプチド構築物に対してマウントした。抗体力価における相対的差異にもかか
わらず、キメラペプチドのそれぞれでの免疫に応答して産生した抗体は、フロー
サイトメトリーおよび免疫沈降の両方によってHER−2レセプターを認識し得
た。
決定した。これらの結果は、対の繁殖後のウサギにおける単一の免疫原としてか
またはこれらの組合せのいずれかで投与した場合に、B細胞エピトープ構築物M
WFND2、MWFND3およびMWFDW4が50000を超える高力価の抗
体応答を誘発したことを示した。これらのウサギを、まず個々のエピトープで免
疫し、そして4回目のブーストの2週間後に同一のウサギを、まず3つのエピト
ープの1つで、そして後に3つ全てのエピトープで交差免疫した。交差免疫に対
する抗体応答は、良好であるか、または単一の免疫原として投与した場合よりも
良好であった。
5−503に対して誘発された抗体は、2つのヒト乳房腫瘍細胞株(SKBR−
3およびBT−474)の増殖を阻害した。MVF HER−2(316−33
9)抗体は、SKBR−3およびBT−474の細胞株の増殖を、未処理または
アイソタイプ抗体で処理した細胞に比べて約35%および15%だけ阻害した。
MVF HER−2(485−503)抗体は、SKBR−3細胞の増殖を22
%およびBT−474細胞の増殖を11%だけ阻害した。HER−2ペプチド2
7−45および605−622に対して惹起された抗体は、腫瘍細胞株の増殖に
対する極わずかな効果を有し、そしてアイソタイプコントロール抗体と同様にB
T−474細胞の増殖を増加することが示された。実施例7−10のキメラペプ
チドに対して惹起されたどの抗体のいずれも、別のヒト乳房腫瘍細胞株MCF−
7(HER−2の標準レベルだけ発現する)の増殖を阻害しなかった。
混合物を用いて、それぞれ0.1mg/mlの濃度で処理した。複数の抗体での
処理によって、単一の抗体での阻害効果より優れたさらなる増殖阻害効果が生じ
た。異なる3つの増殖阻害ペプチド抗体の混合物は、未処理細胞に比べてSK−
BR−3細胞の増殖を90%を超えて防止した。乳房腫瘍細胞株BT474の細
胞をまた、種々のHER−2ペプチド抗体の混合物を用いて、266μg/ml
、528μg/mlおよび792μg/mlの濃度で処理した。
ェア内にロードした。
10N Stir−Testerを用いて、制御された温度の被膜された(ja
cketed)ビーカー内で実施した。ミクロスフェア調製は、0.58dL/
gの固有の粘度を有する75/25ポリ(DL−ラクチド−コ−グリコリド)(
PLGA)を120mg/mlで利用した。ペプチド/ポリマー溶液を、Spa
n85(ソルビタントリオレート)を乳化剤として用いて、40℃にて鉱油/綿
実油中で乳化した。750rpmで一時間攪拌後、油エマルジョン中の油(oi
l−in−oil emulsion)を、0.45μm膜を通して濾過し、そ
して石油エーテルで数回洗浄した。このフィルターをコニカルチューブ内に置き
、液体窒素で凍結し、そして少なくとも3日間凍結乾燥した。ペプチドローディ
ングをアミノ酸分析によって決定した。
lectronics XL−30 FEG走査型電子顕微鏡を使用して観察し
た。乾燥サンプルを、スパッターコートした炭素帯電性タブ化標本マウント(ピ
ンの直径3.2mm、台座の直径12.7mm)上にて、アルゴン雰囲気下で1
10秒間スプレーした。画像を、10mmの作動距離で、二次電子検出器および
5kVの加速(accelerating)電位を使用して得た。各々の調製物
について少なくとも100粒子を、Philips Electronics
XL−30 Field Emission Gun Scanning El
ectron Microscopeを使用して得た電子顕微鏡写真より分けた
。
プチドローディングを決定した。ミクロスフェアを、過剰の酢酸エチル中に浸漬
し、そして強くボルテックスした。溶解しないポリマーおよび放出したペプチド
を、5分間の遠心分離によってスピンダウンした。上清を回収し、そしてこのプ
ロセスをさらに3回反復した。過剰の酢酸エチルを、蒸発して除いた。サンプル
を、2%酢酸中で再構成し、そして酢酸分析に供した。ペプチドを、6N HC
lで加水分解し、そして引き続き、アミノ酸をWaters PicoTag
Systemを使用してフェニルチオヒダントインとして誘導体化し、かつ分析
した。
のスクアレン:アルラセル(Arlacel)中で乳化し、そして1ペプチド当
たり5匹のマウスの複数の部位に皮下注射する。3週間後、マウスを同一のプロ
トコルを使用してブーストする。2度目の免疫の2週間後、脾臓を外科的に回収
する。
中に個別にカプセル化した(5.2%ロード(MVFDW4)および5%ロード
(Nor−MDP))。1マウス当たり100μgのペプチドおよび100μg
のNor−MDPを含むミクロスフェアを、200μlの4:1のスクアレン:
アルラセルAと混合し、そしてマウスに皮下注射した。
濁液を調製し、その一部をElispotによるINF−γ検出に、残りをクロ
ム放出アッセイに使用した。
検出した。1日目、Elispotプレート(PolyFiltronics)
を、アジ化物(azide)を含まない滅菌PBSで希釈した抗マウスINF−
γ(クローンR4−6A2、Pharmingen)を4μg/mlで用いてコ
ートした。次いで、プレートを湿潤チャンバー内で4℃で一晩インキュベートし
た。2日目、プレートをPBSで4回洗浄し、次いで、DMEM中1%のBSA
(添加物なし)をウェルあたり200μlで、室温にて1時間ブロックした。B
SAを除去した後、1% L−グルタミンを含むHL−1培地(Biowhit
taker)中に回収した新鮮な脾臓細胞を、特定の濃度でウェル中に添加した
。次いで、湿潤インキュベーターにて37℃で5% CO2にて、プレートを2
4時間インキュベートした。3日目、細胞を回収し、そしてプレートをPBSで
1回洗浄した後、このプレートをさらに、PBS/Tween 20(2000
:1)で4回洗浄した。PBS/Tween 20/1% BSAで2μg/m
lに希釈したビオチン化抗INF−γ(クローンXMG 1.2、Pharmi
ngen)を、ウェル当たり100μlでウェルに添加した。プレートを湿潤チ
ャンバーにて4℃で一晩インキュベートした。4日目、PBS/Tween 2
0でプレートを4回洗浄した後、PBS/Tween 20/1% BSAで1
:1000に希釈したヤギ抗ビオチン/アルカリホスファターゼ結合物(Vec
tor Laboratories Inc.)を、ウェル当たり100μl添
加した。プレートを、室温で2時間インキュベートし、PBSで4回洗浄した。
BCIP/NBTアルカリホスファターゼ基質(Kirkegaard and
Perry Laboratories Inc.)を、室温でのインキュベ
ートのためにウェル当たり200μl添加した。スポットがプレート上で可視化
したときに、反応を、流れる水道水でクエンチした。プレートを風乾しこのスポ
ットを読んだ。
インビトロでの再刺激を実施し、そしてp63合成ペプチドで1時間パルスした
。反応させる(responder)細胞:刺激する(stimulator)
細胞(3:1)を24ウェルプレート中で混合し、そして37度で1週間インキ
ュベートし、次いで、これらの反応させる脾臓細胞を以下のCTLアッセイにて
効果(effector)細胞として使用した。標準クロム放出アッセイを使用
して、CTLアッセイを実施した。簡単には、SVBalb細胞(H−2d)ま
たはMCS7細胞(H−2b、コントロールとして)を10μg/mlのペプチ
ドp63および500μCi/mlの51Cr塩化クロム酸を伴うかまたは伴わな
いで、37℃で1時間インキュベートすることによって、ペプチドでパルスした
標的を調製した。標識化標的細胞(ウェル当たり104細胞)および種々の数の
効果細胞を、96ウェルプレートに最終容積0.2mlにてプレートした。37
℃で5時間後、50μlの上清を各ウェルから回収し、そして特異的溶解%を、
以下の式に従って決定した:[(試験したサンプルのcpm−自然発生51Cr放
出のcpm)/(最大51Cr放出のcpm−自然発生51Cr放出のcpm)]×
100。
たってグリコシル化する。本発明者らは、これらのN連結グリコシル化部位(A
sn−X−Ser/Thr−X)を保有するB細胞エピトープを、分析に用いた
コンピューターによって同定した。安定に配列をコードするB細胞エピトープを
含む3つの構築物を、変異してグリコシル化を改善し、そしてこれらの野生型対
照物HER−2(115−136);(182−216);および(630−6
50)ならびにTヘルパー細胞エピトープを、バキュロウイルス哺乳動物シャト
ル発現ベクターにサブクローン化した。このベクターは、哺乳動物細胞への目的
の遺伝子の容易なバキュロウイルス媒介トランスフェクションを可能にするが、
効率よい発現およびエピトープのグリコシル化が可能な細胞において複製し得な
い。発現したキメラグリコシル化エピトープを、糖の型およびグリコシル化効率
についてキャピラリー電気泳動によって特徴付ける。効率よくグリコシル化した
エピトープで、ウサギを免疫し、そしてペプチド抗体を作成する。
を逸脱することなく多くの変化および改変がなされ得ることは、当業者には明白
である。
抗体の、HER−2過剰発現SKB3細胞への結合を示す。DW1MVFに対し
て惹起される抗体は、市販のモノクローナル抗体に匹敵する親和性を有して、H
ER−2レセプターを特異的に結合した。SKBR3細胞が、抗体とインキュベ
ートされ、洗浄され、そしてFITC結合体化2次抗体が添加された。ホルマリ
ン中に固定された後、細胞が、励起のために488nmでCoulter EL
ITEフローサイトメトリーにより分析された。5.0×106個の細胞が、各
サンプルについて計測された。
サギにおける免疫原性を示す。
ン(herceptin)および単一および複数の、HER−2 B細胞キメラ
ペプチドMVFDN1(HER−2(27−45))、MVFDN2(HER−
2(316−337))、MVFDN3(HER−2(485−503))およ
びMVFDW4(DW4)に対して生成されるペプチド抗体の抗増殖効果を示す
。結果は、全く同じ3つのサンプルの平均である。
ER−2 B細胞キメラペプチドMVFDN1(ND1)MVFDN2(N2)
、MVFDN3(N3)およびMVFDW4(DW4)に対して生成されるペプ
チド抗体の抗増殖効果を示す。結果は、全く同じ3つのサンプルの平均である。
のHER−2 B細胞キメラペプチドMVFDN2(N2)、MVFDN3(N
3)およびMVFDW4(DW4)に対して生成されるペプチド抗体の増殖効果
を示す。結果は、全く同じ3つのサンプルの平均である。
予防接種の効果を示す。6個体のマウスの群が、約4週齢で、100μgのペプ
チド(およびスクアレンアルラセル(arlacel)Aにおいて乳化されたア
ジュバントとしてのMDP)を接種され、そして4、8、16、および24週後
にブーストした。腫瘍が、長さ×幅2/2として算出された。腫瘍発症までの時
間が、個々の曲線の対数ランクの比較と共にKaplan−Meier生存分析
を使用して分析された。
Claims (30)
- 【請求項1】 HER−2タンパク質に対する免疫応答を刺激するための組
成物であって、該組成物は、HER−2 B細胞エピトープを含み、該HER−
2 B細胞エピトープは、以下: 【化1】 からなる群より選択される配列を含む、組成物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の組成物であって、該組成物は、キメラペプ
チドであり、そして a)Tヘルパー(Th)エピトープ;および b)前記HER−2 B細胞エピトープを該Thエピトープに連結するための
リンカー、 をさらに含む、組成物。 - 【請求項3】 請求項2に記載の組成物であって、前記HER−2 B細胞
エピトープは、15〜50アミノ酸長であり、前記Thエピトープは、14〜2
2アミノ酸長の乱交雑Thエピトープであり、前記リンカーは、1〜15アミノ
酸長である、組成物。 - 【請求項4】 請求項2に記載の組成物であって、前記Thエピトープは、
以下: 【化2】 からなる群より選択される配列を含む、組成物。 - 【請求項5】 前記リンカーが配列GPSL(配列番号20)を含む、請求
項2に記載の組成物。 - 【請求項6】 請求項1に記載の組成物であって、該組成物が、多価ペプチ
ドであり、そして2以上のHER−2 B細胞エピトープ、Th細胞エピトープ
、および鋳型を含み、該HER−2 B細胞エピトープおよび該Th細胞エピト
ープが該鋳型に結合している、組成物。 - 【請求項7】 前記鋳型がコアβシートである、請求項6に記載の組成物。
- 【請求項8】 前記コアβシートが、リンカーにより結合された、ロイシン
残基とリジン残基とが交互になっている2つの鎖を含む、請求項7に記載の組成
物。 - 【請求項9】 HER−2タンパク質に対する免疫応答を刺激するための組
成物であって、該組成物が、HER−2 CTLエピトープを含み、該HER−
2 CTLエピトープが以下: 【化3】 からなる群より選択される配列を含む、組成物。 - 【請求項10】 配列番号9に記載の組成物であって、該組成物はキメラペ
プチドであり、そして a)Tヘルパー(Th)エピトープ;および b)前記HER−2 CTLエピトープを該Thエピトープに連結するための
リンカー、 をさらに含む、組成物。 - 【請求項11】 請求項9に記載の組成物であって、該組成物は、クラスH
LA−A3由来のHER−2 CTLエピトープ、クラスHLA−B7由来のH
ER−2 CTLエピトープ、クラスHLA−A2由来のHER−2 CTLエ
ピトープ、およびクラスHLA−B27由来のHER−2 CTLエピトープを
含む、組成物。 - 【請求項12】 請求項9に記載の組成物であって、該組成物は、以下: (a)1〜6アミノ酸を含むリンカーにより互いに連結された4以上のHER
−2 CTLエピトープを含む第1のユニット、および (b)14〜22アミノ酸長の乱交雑Thエピトープである第2のユニットで
あって、該第2のユニットが、該第1のユニットのアミノ末端またはカルボキシ
末端に該リンカーによって連結されている、第2のユニット、 を含む直鎖状ペプチドである、組成物。 - 【請求項13】 請求項10に記載の組成物であって、前記Thエピトープ
が以下: 【化4】 からなる群より選択される配列を含む、組成物。 - 【請求項14】 前記リンカーが配列GPSL(配列番号20)を含む、請
求項10に記載の組成物。 - 【請求項15】 前記リンカーが、タンパク質分解性部位を含む、請求項1
2に記載の組成物。 - 【請求項16】 前記リンカーが2つの隣接した塩基性残基を含む、請求項
12に記載の組成物。 - 【請求項17】 前記組成物が、生分解性ミクロスフェアまたはナノスフェ
アと会合している、請求項12に記載の組成物。 - 【請求項18】 請求項9に記載の組成物であって、該組成物は、多価ペプ
チドであり、そして2以上のHER−2 CTL細胞エピトープ、Th細胞エピ
トープ、および鋳型を含み、該HER−2 CTLエピトープおよび該Th細胞
エピトープが該鋳型に結合されている、組成物。 - 【請求項19】 前記鋳型がコアβシートである、請求項18に記載の組成
物。 - 【請求項20】 前記コアβシートが、リンカーにより連結されたロイシン
残基とリジン残基とが交互になっている2つの鎖を含む、請求項19に記載の組
成物。 - 【請求項21】 被験体における免疫応答を刺激する方法であって、該方法
は、請求項1に記載の組成物、請求項9に記載の組成物、ならびに請求項1に記
載の組成物および請求項9に記載の組成物を含むポリペプチドからなる群より選
択される組成物を該被験体に投与する工程を包含する、方法。 - 【請求項22】 請求項18に記載の方法であって、前記組成物は、2以上
のHER−2 B細胞エピトープ、Th細胞エピトープおよび鋳型を含む多価ペ
プチドであり、該HER−2 B細胞エピトープおよび該Th細胞エピトープが
該鋳型に結合されている、方法。 - 【請求項23】 請求項20に記載の方法であって、前記組成物は、2以上
のHER−2 CTLエピトープ、Th細胞エピトープ、および鋳型を含む多価
ペプチドであり、該HER−2 CTLエピトープおよび該Th細胞エピトープ
が該鋳型に結合されている、方法。 - 【請求項24】 請求項20に記載の方法であって、前記組成物が、HER
−2 B細胞エピトープ、HER−2 CTLエピトープ、Th細胞エピトープ
、および鋳型を含む多価ペプチドであり、該HER−2 B細胞エピトープ、該
HER−2 CTLエピトープおよび該Th細胞エピトープが該鋳型に結合され
ている、方法。 - 【請求項25】 被験体における癌を処置する方法であって、該方法は、薬
学的組成物を該被験体に投与する工程を包含し、該薬学的組成物は、以下: 請求項1に記載の組成物または請求項9に記載の組成物;および 薬学的に受容可能なビヒクル、 を含む、方法。 - 【請求項26】 請求項25に記載の方法であって、前記被験体がヒトであ
り、そして乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、および結腸癌の癌のうちの1つを有
するか、または上記の癌のうちの1つに対する素因を有する、方法。 - 【請求項27】 請求項25に記載の方法であって、前記ビヒクルが、生分
解性であり、そして薬学的に受容可能な油/水エマルジョンを含むエマルジョン
、およびポリラクチド−ポリグリコール酸ポリマーを含む生分解性ミクロスフェ
アまたはナノスフェアからなる群より選択される、方法。 - 【請求項28】 前記油がスクアレンまたはスクアランである、請求項27
に記載の方法。 - 【請求項29】 前記ミクロスフェアが、直径0.1〜50nmであり、ポ
リ(D,lラクチド−コ−グリコリド)を含む、請求項27に記載の方法。 - 【請求項30】 請求項2に記載のキメラペプチド、請求項10に記載のキ
メラペプチド、および請求項12に記載のキメラペプチドからなる群より選択さ
れるキメラペプチドをコードする、単離されたポリヌクレオチド。
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