JP2003527059A - 接触ブレード、ばね、および減衰要素を有するブラシを備えるブラシ・ホルダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は電気モータ用の整流子装置（１）に関し、その整流子が、ハウジング部（２）およびそのハウジング部内に収容された整流子のブラシ（３）を具備する。各ブラシは、電気モータのロータの整流子に押付けられて接触するように設計された接触面（８）と、ロータの整流子に向かって前記接触部に対して力を加えるように、接触部（７）に連結されたばね部（９）とを備える。この装置は、ブラシの接触部の振動または運動を吸収するように構成された減衰要素（１４）をさらに備える。この減衰要素（１４）は、揺変性潤滑剤である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、電気モータ用の整流子装置に関し、詳細には、整流子装置によって
電流を供給される１個または数個のコイルを備えるロータを有するモータに関す
る。

【０００２】 このタイプのモータでは、コイルの導線が、モータの軸部周りに取り付けられ
た対応する整流子のブレードに接続され、そのブレードに対して、電力回路のリ
ード線に接続されている整流子のブラシが押付けられている。ブラシの接触面と
整流子のブレードの間の接触は、例えば、一方の端部が固定され、その接触面を
他方の端部に近接に保つ弾性のアームなどのばねによって確保される。摩耗を軽
減しかつモータの寿命を延長するために、ブラシとモータ軸上の整流子の間の接
触面に注油することが知られている。従来のモータは、特に、ブラシの振動によ
って接触面が離れるために、ブラシと整流子ブレードの間に発生する火花によっ
て引起こされる電食による摩耗を依然として受ける。

【０００３】 これらの欠点を考慮して、本発明の一目的は、電気モータの整流子部品の摩耗
を軽減し、かつこのモータの効率性および信頼性を向上させることである。さら
に、コンパクトで経済的なモータ用整流子装置を提供することに利点がある。

【０００４】 本発明の目的は、請求項１によるモータ用の整流子装置によって実現されてい
る。

【０００５】 本発明では、電気モータ用の整流子装置は、ハウジング部と、前記ハウジング
部内に収容される整流子のブラシとを備えると共に、各ブラシが、電気モータの
ロータの整流子部に対して押付けられるように設計された接触面と、その接触部
に対してロータの整流子部の方向に力を加えるために、接触部に付着されたばね
部とを備え、この装置はさらに、ブラシの接触部の振動または運動を吸収するた
めに配置されている減衰要素を備える。ブラシが減衰すると、ブラシの接触面が
ロータの整流子部から離れることが原因で発生する火花が軽減することによって
、モータの寿命を延ばすことも可能になる。この減衰要素は、有利なことに潤滑
剤の供給源を備えることができ、ブラシの接触面を潤滑する役割も果たす。

【０００６】 ブラシのばね部は有利なことに、ハウジング部上に取り付けられているブラシ
の取付け部とブラシの一方の自由端に近接して配置されている接触部との間に延
長する弾性のアームであり得る。減衰要素は、弾性のアームに沿って、そのアー
ムの一部を包むことによって配置することができる。潤滑剤の供給源は、例えば
、ブラシのばね部の部分の周りに構成される空隙の形態で、ハウジング部の貯蔵
部内に配置することができる。潤滑剤は揺変性潤滑剤でよく、したがってそれは
貯蔵部内ではその形状および位置を維持すると共に、少量の潤滑剤が、例えば、
毛管現象（表面張力）によって、それが接触面に到達するまでブラシに沿って移
動することができる。

【０００７】 潤滑剤を減衰要素としておよび潤滑剤として使用することは、それによってモ
ータ用整流子装置の設計が容易になり、かつ依然として高度に効率的でコンパク
トな低コストの装置が実現可能になることに利点がある。

【０００８】 本発明の他の態様、利点および目的は、以下の詳細な説明および添付の図面か
ら明らかになろう。

【０００９】 図示の例では、電気モータ用の整流子装置１が、ハウジング部２、そのハウジ
ング部の溝４内に収容されたブラシ３、およびブラシを電源リード線に電気接続
するための電気接続部５を備える。このハウジング部は、例えば、モータのコイ
ルを備えたロータの軸用の通路６を有するモータ・カバーなどの、電気モータの
ハウジングの一部でよい。コイルのリード線と接続されている整流子のブレード
によって、このロータ軸を取囲むことができる。ブラシ３はそれぞれ、ロータの
整流子部に休止する接触面８を有する接触部７、ばね部９および取付け部１０を
備える。

【００１０】 ブラシの取付け部１０が、例えば、射出成型されて、このハウジング部の一体
型部分を構成するクランプ１１のスリット内に挿入されることによって、カバー
内に取り付けられている。このブラシの取付け部１０は、はんだ付けすることに
よってまたは一体に形成されることによって、接続部５と電気的に接触している
が、その接続部は、知られている絶縁変位端子または他の知られている接続端子
の形態で、電源リード線または外部コネクタに接続することができる。図示の例
では、この取付け部１０は、ブラシが概ねＶ字形状となるように、エルボ部１２
によってばね部９と連結されている。このばね部９は、エルボ部１２からブラシ
の自由端１３に近接する接触部１０へ延長する弾性のアームの形状を有する。図
１に示すその中立位置では、ブラシ３の接触部７は、整流子装置１が電気モータ
に取り付けられると、各ブラシの弾性のアーム９がその対応する接続部５の方向
に屈曲するように、ロータ軸用の通路６を横切る。

【００１１】 動作時の従来のモータでは、接触面８がロータ整流子のブレードの対応する接
触面から離れて火花を発生させるように、ロータの回転およびモータに連結され
たこれらの装置の回転によって、ブラシの振動が生じる恐れがある。このような
火花が、電食による接触面の摩耗を引起こし、モータの寿命を縮める。

【００１２】 整流子の接触面の摩耗を軽減または排除するために、この整流子装置１は、ブ
ラシに対して、さらに詳細には、ブラシのばね部９に対して作用する減衰要素１
４を備える。この減衰要素１４は、ハウジング部２内に、例えば、ブラシのエル
ボ部１２と接触部７の間に構成された空隙として実現された貯蔵部１６内に収納
されている潤滑剤の供給源１５を備える。ばね部９は、この潤滑剤の粘性のため
に潤滑剤によってその運動が減衰されるように、その長さの一部分全体が潤滑剤
の供給源１５によって取囲まれている。

【００１３】 潤滑剤１５は揺変性潤滑剤であることが好ましく、したがってこの潤滑剤はそ
の形状を維持すると共に、潤滑剤の薄い層が、接触面を潤滑するために、例えば
、毛管現象（または表面エネルギーの減少）によって、その接触面８に到達する
までブラシに沿って移動することができる。ブラシを減衰および潤滑する目的の
ために揺変性潤滑剤を使用することが大いに有利であるのは、設計が容易でコン
パクトになると同時に、それによって接触面の潤滑信頼性が向上し、かつ摩耗を
軽減するからである。

【００１４】 この潤滑剤は、ゲルとして存在することも可能であり、あるいはフェルトまた
はスポンジなどの軟性で多孔性の材料内に収納されてもよい。

【００１５】 ブラシの接触部７は、ブラシと整流子ブレードの間の接触を最適化するために
、図２に示すように、並列に取り付けられた多数の弾性ブレード１７上に配置す
ることができる。これらの弾性ブレードはそれぞれ、その長さの一部分全体が潤
滑剤１５によって取囲まれている。単一のブレードに比べて、並列の多数の弾性
ブレードを有することによって、接触が失われる確率が小さくなる。さらに、異
なるブレードの共鳴振動数を交互にずらすように、ブレードの長さが異なる。

【００１６】 並列の多数のブレードを使用し、かつ弾性のアームおよび接触部を形成するこ
とによって、このようにロータ整流子との接触が向上する。

【００１７】 本発明によるモータ用整流子装置によって、整流子の接触面の摩耗が軽減する
と共に、その設計が容易に、コンパクトに、かつ経済的になるという利点がある
。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による、モータ用整流子装置の図である。

【図２】 図１の線ＩＩ−ＩＩに沿った断面図である。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１３年９月１４日（２００１．９．１４）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正の内容】

【特許請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジング部（２）と前記ハウジング部内に収容された整流
   子のブラシ（３）とを備える電気モータ用の整流子装置（１）であって、各ブラ
   シが、電気モータのロータの整流子部に対して押付けられるようになされた接触
   面（８）を有する接触部（７）と、前記接触部にロータの整流子部の方向に力を
   加えるように接触部（７）に取り付けられたばね部（９）とを備え、 ブラシの接触部（７）の振動または運動を吸収するように配置された減衰要素
   （１４）を備えることを特徴とする、装置。
2. 【請求項２】 減衰部が潤滑剤の供給源（１５）を備えることを特徴とする
   、請求項１に記載の整流子装置。
3. 【請求項３】 潤滑剤が揺変性であることを特徴とする、請求項２に記載の
   装置。
4. 【請求項４】 潤滑剤が軟性で多孔性の材料内に収納されることを特徴とす
   る、請求項２または３に記載の装置。
5. 【請求項５】 潤滑剤の供給源（１５）が、ブラシのばね部（９）の一部の
   周りのハウジング部内に形成された貯蔵部（１６）内に配置されることを特徴と
   する、請求項２、３または４に記載の装置。
6. 【請求項６】 ブラシのばね部（９）が、取付け部（１０）と、ブラシの自
   由端（１３）に近接して配置されている接触部（７）との間に延長する弾性のア
   ームとしての形状であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の
   装置。
7. 【請求項７】 ばね部（９）が多数の並列のブレード（１７）を備えること
   を特徴とする、前記請求項に記載の装置。
8. 【請求項８】 ブレードが異なる長さを有することを特徴とする、前記請求
   項に記載の装置。
9. 【請求項９】 ブラシ（３）が概ねＶ字形状をなし、一方の端部が自由（１
   ３）であり、他方の端部が電源リード線と接続するようになされた電気接続部（
   ５）に接続されていることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の装
   置。
10. 【請求項１０】 ハウジング部（２）が、電気モータのカバーであり、モー
    タのロータ軸のための通路（６）を備え、各ブラシの接触部（７）がこの通路（
    ６）を横切って延長することを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の
    装置。