JP2003526683A - ペプチダーゼ切断可能な標的抗新生物薬およびそれらの治療への使用 - Google Patents

ペプチダーゼ切断可能な標的抗新生物薬およびそれらの治療への使用

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アール.グラチアーニ ニルサ
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ヒグレー シー.アン
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ダブリュー.ユー エディー
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ブリストル−マイヤーズ スクイブ ファーマ カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、膜結合型および/または細胞分泌型ペプチダーゼのアミノ酸認識配列を含む酵素切断可能なペプチドに結合された抗新生物剤、および癌の標的治療におけるこのような結合化合物の化学療法剤としての使用を指向する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、膜結合型および/または細胞分泌型ペプチダーゼのアミノ酸認識配
列を含む酵素切断可能なペプチドに結合された抗新生物剤、および癌の標的治療
におけるこのような複合化合物の化学療法剤としての使用法に向けられる。
【0002】 (発明の背景) 多くの抗腫瘍化合物は、その狭い治療指数のため、すなわち化合物がある投与
量以上で投与された場合に生じる毒性が、それによって得られる利益を上回るた
めにその使用法が制限される。例えば、アントラサイクリン(例えば、ドキソル
ビシン)療法は、累積でドキソルビシン500から550mg/m2を超えるレベルで薬物
を投与すると心臓毒性および骨髄抑制の相当な危険を生み出すことで制限されて
いる(von Hoff、他)。しかしながら、ドキソルビシンなどの化合物は多くの場合
、特定の形態の化学療法にとっては依然として最適な薬物であるため、化合物の
治療能力を維持しながらそれらの毒性を低下させる手段を開発することは非常に
有用であろう。
【0003】 この数十年間試みられてきたこの目的に近づく一手段は、腫瘍組織中で区別さ
れて活性化されるプロドラッグ分子、すなわち投与時には不活性または著しく活
性が低く、腫瘍組織中で選択的にプロセッシングされ、そこで治療上活性となる
薬物分子の設計である。例えば、Leu-Dox(アントラサイクリン系ドキソルビシ
ンと結合したアミノ酸ロイシン)は、アントラサイクリンを遊離するためには細
胞内プロテアーゼによるプロドラッグからのアミノ酸の加水分解を必要とするこ
とが見出されているプロドラッグである(Boven、他(1990))。マウスにおけるLeu
-DoxからDoxへの変換は速やかに起きるが、不完全であり全体としての変換は約2
0%である(de Jong、他(1992a))。Leu-Doxをヒトに投与した時にも同様の観察が
行われ(de Jong、他(1992b);Canal、他)、第I相試験では、腫瘍組織中で約25
%のLeu-DoxからDoxへの変換が速やかに起きた。さらに、ヒト卵巣腫瘍異種移植
マウスモデルでは、Leu-Doxは、等毒性用量で遊離ドキソルビシンに比べてより
有効な抗癌剤であることが示されている(Boven、他(1992))。
【0004】 Leu-Doxに追加のアミノ酸を結合させると、必要なプロテアーゼを分泌しない
細胞に対するこの化合物の利用可能性がさらに低下し、それによって腫瘍の外側
における化合物の活性をさらに制限することができる。例えば、この点でDenmea
de他は、ペプチド−ドキソルビシンプロドラッグが前立腺特異性抗原(「PSA」)を
標的とすることを示した。Ac-HSSKLQ-Leu-Doxは、PSAプロテアーゼの基質であり
、プロテアーゼ活性を発現する前立腺腫瘍細胞に対して活性である。さらに、Le
u-Doxに加えて、アントラサイクリンの他のモノペプチドおよびジペプチド複合
体も生物活性を有することが示されている(Masquelier、他;Baurain、他)。ジ
ペプチド-アントラサイクリン複合体の総合的分析は報告されていないが、Leu-L
eu-ダウノルビシン、Ala-Leu-ダウノルビシン、およびLeu-Ala-ダウノルビシン
からなる化合物は、かなりの生物活性を有することが示されている。
【0005】 様々なマトリックスメタロプロテアーゼ(「MMP」)が報告され、特定可能なペプ
チド切断部位とそれらが結びつけられてきた(Nagase、他;McGeehan、他)。さら
に、転位性腫瘍進行と関連付けられてきた。この点で、複数の研究者が、酵素MM
P-2、MMP-9、およびつい最近になってMMP-14(MT1-MMP)が腫瘍の進行と関係して
いることを明らかにした(例えば、McDonnellおよびFingleton;MacDougallおよ
びMatrisianを参照のこと)。MMP-2の発現増加は、対応する正常組織との比較で
肺癌、胃癌、および乳癌で報告されている。MMPの発現増加は、腫瘍そのものに
限定されるものではない。MMP-2およびMMP-14の発現増加は、腫瘍に近い間質性
および内皮細胞で観察されている(例えば、Soini、Brummer)。このように、発現
するMMPのレベルは腫瘍部位において上昇する。
【0006】 腫瘍および支持組織におけるMMPの発現上昇は、活性の上昇も存在することを
意味している。プロ型のMMP-2およびMMP-9酵素は細胞によって分泌され、ヒト血
清および尿中で容易に検出できるが(Garbisa、他;Moses、他)、活性型の酵素は
細胞表面に見いだされる。MMP-2の場合には、プロ型は、膜貫通型酵素MMP-14に
よって細胞表面で活性化される(Sato、他;Kurschatt、他)。プロ-MMP-2の活性
化はまた、プロ型の酵素がインテグリンと結合することにより起こると報告され
ている(Brooks、他)。MMP-9の活性化は、細胞表面抗原CD-44との特異的結合を介
して起きることが明らかにされている(YuおよびStamenkovic)。これらの知見に
基づき、MMPプロテアーゼ活性の上昇は腫瘍細胞の表面で最も高く、プロドラッ
グの差別的活性化は腫瘍部位で最も高いことは理解されるであろう。
【0007】 Safavy他(A. Safavy他(J. Med. Chem.42:4919-4924(1999))は、7個のアミノ酸
からなる合成ペプチドの抗癌剤パクリタキセルとの結合について記載している。
【0008】 TrouetおよびBaurainは、1999年10月5日発行のUS特許5,962,216中で腫瘍で活
性化されるプロドラッグ化合物について記載している。
【0009】 WO99/02175、WO98/18493およびWO98/10651は、特定の前立腺特異性抗原(「PSA」
)切断可能ペプチドを細胞傷害性薬剤と結合させている。
【0010】 WO98/16240は、ペプチドを脂質に結合させているが、これは小胞の細胞傷害性
薬剤内容物の腫瘍への送達を目標とするように、続いて得られた複合体をリポソ
ーム中に封入するためである。
【0011】 WO00/33888は、トロウアーゼ(trouase)と呼ばれる酵素によってプロセッシン
グされるドキソルビシンのペプチド複合体について記載している。
【0012】 WO00/21571は、ドキソルビシンを腫瘍に送達するためのFAP(線維芽細胞活性化
タンパク質)の使用法について記載している。
【0013】 WO00/64486は、物質を腫瘍に送達するためのMMP活性化複合体を特許請求の範
囲に記載している。
【0014】 しかしながら、投与時には不活性であるか著しく活性が低く、それによって化
合物の毒性を低下させ、腫瘍組織中またはその近くで選択的にプロセッシングさ
れて治療上活性な抗癌剤となる化学療法のプロドラッグ化合物を開発することが
依然として必要である。
【0015】 本発明は、ドキソルビシンと結合されたマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP
)酵素切断可能なペプチドを含む癌の治療に有用な新規化合物を開示する。さら
に、本発明は、マトリックスメタロプロテアーゼによって切断され、腫瘍環境で
発現するアミノペプチダーゼによってさらに切断またはプロセッシングすること
ができる第二のドキソルビシン基質を生成する癌の治療に有用な新規化合物を開
示している。上記の参考文献はいずれも、本発明の化合物を提案していない。
【0016】 (発明の概要) 本発明は、抗新生物剤、例えば、アントラサイクリン、ビンカアルカロイド、
ブレオマイシン、マイトマイシン、タキサン、細胞傷害性ヌクレオチド、プテリ
ジン、またはポドフィロトキシンに結合された酵素切断可能なペプチドを含む化
合物を提供する。酵素切断可能なペプチドは、膜結合型および/または細胞分泌
型ペプチダーゼ、例えば、マトリックスメタロプロテアーゼによって選択的に認
識されて切断されうるアミノ酸配列を含むペプチドである。このような化合物は
、癌の治療に有用である。
【0017】 本明細書ではまた、前記化合物および薬剤として許容されうる担体を含む医薬
組成物も提供する。本明細書ではさらに、癌、または他の障害に苦しむ哺乳動物
の細胞に本発明の化合物を送達する方法であって、ペプチドを切断できるペプチ
ダーゼの存在下に細胞と化合物を接触させることを含む方法を提供する。
【0018】 明確にするために、別々の実施形態の文脈中に記載される本発明の特定の特徴
は、単一の実施形態中でも一緒に提供できることは理解されるであろう。逆に、
略すために単一の実施形態の文脈中に記載される本発明の様々な特徴は、別々な
または適当なサブコンビネーションとしても提供できる。
【0019】 (発明の詳細な説明) 本発明は、酵素切断可能なペプチドに結合された抗新生物剤を含む化合物を提
供する。
【0020】 第1の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、または薬剤として許容され
うるその塩の形態であって、 Ecp-A (I) 式中、 Ecpは、Aに結合した酵素切断可能なペプチドであり、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-;および Cap-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-から選択され、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、Chg、Fph、Npa、Tzc、またはプロリン模倣
体であり、 Xa2は、アミノ酸であり、 Xp1は、-Gly-Xp1-または-Sar-Xp1-が、マトリキシンにより切断可能な結合を
形成するアミノ酸であり、 Xp2は、アミノ酸であり、 Xp3は、アミノ酸であり、 Laaは、Leu、Ile、Nle、β-ホモ-Leu、Hol、Hos、Ala、α-Ala、Cha、Cba、Cb
a、Cta、4-ピリジル-Ala、3-ピリジル-Ala、2-ピリジル-Ala、Gly、Abu、Aib、I
va、Nva、Ahx、Aph、Amh、Phe、Bip、Glu、Arg、Trp、Tyr、O-(C1〜C4アルキル)
-Tyr、O-(フェニル(C1〜C4アルキル)-)-Tyr、(C3〜C8アルキル)-Gly、およびア
ミノアルキルカルボン酸から選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、アミノ酸であり、 Rは、アミノキャッピング基であり、 Aは、抗新生物剤である ものを提供する。
【0021】 [2]好ましい実施形態では、本発明は、Aが、ドキソルビシン、ドキソルビシン
誘導体、またはドキソルビシン類縁体である、式(I)の化合物を提供する。
【0022】 [3]より好ましい実施形態では、本発明は、Aがドキソルビシンである、式(I)
の化合物を提供する。
【0023】 [4]好ましい実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物、または薬剤として許
容されうるその塩の形態であって、
【0024】
【化3】
【0025】 式中、 Ecpは、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-;および Cap-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、Chg、Fph、Npa、Tzc、またはプロリン模倣
体であり、 Xa2は、アミノ酸であり、 Xp1は、-Gly-Xp1-または-Sar-Xp1-がマトリキシンにより切断可能な結合を形
成するアミノ酸であり、 Xp2は、アミノ酸であり、 Xp3は、アミノ酸であり、 Laaは、Leu、Ile、Nle、β-ホモ-Leu、Hol、Hos、Ala、α-Ala、Cha、Cba、Cb
a、Cta、4-ピリジル-Ala、3-ピリジル-Ala、2-ピリジル-Ala、Gly、Abu、Aib、I
va、Nva、Ahx、Aph、Amh、Phe、Bip、Glu、Arg、Trp、Tyr、O-(C1〜C4アルキル)
-Tyr、O-(フェニル(C1〜C4アルキル)-)-Tyr、(C3〜C8アルキル)-Gly、およびア
ミノアルキルカルボン酸から選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、アミノ酸であり、 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)-(CH2)vC(=O)-(式中、vは、1、2、3、4、5、または6である); H3CO-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 HO2CCH2O-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 H2N-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、および H3CC(=O)HN-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-(式中、tは、1、2、3、または4である)、 R1-C(=O)-; R1-S(=O)2-; R1-NHC(=O)-; R1a-CH2C(=O)-; -OR3で置換されたプロリン; 0〜1個のR4で置換されたC1〜C4アルキル; 2-カルボキシフェニル-C(=O)-;および -(O=)C-フェニル-C(=O)-から選択され、 R1は、-OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で
置換されたC3〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OH、メトキシまたは-CO2Hで置換
されている); -OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で置換
されたフェニルまたは 0〜4個のR1aで置換されたC1〜C6アルキルであり、 R1aは、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2
-SO3H; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている); メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたフ
ェニルであり、 R2は、-H、H2N(C2〜C4アルキル)-、アセチル(H)N(C2〜C4アルキル)-、または
アセチルであり、 R3は、-H、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、フェニル、またはベンジ
ルであり; R4は、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3
C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている);または メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC6 〜C10炭素環である ものを提供する。
【0026】 [5]好ましい実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物、または薬剤として許
容されうるその塩の形態であって、式中、 Ecpは、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、Chg、Fph、Npa、Tzc、またはプロリン模倣
体であり、 Xa2は、アミノ酸であり、 Xp1は、-Gly-Xp1-がマトリキシンにより切断可能な結合を形成するアミノ酸で
あり、 Xp2は、アミノ酸であり、 Xp3は、アミノ酸であり、 Laaは、Leu、Ile、Nle、β-ホモ-Leu、Hol、Hos、Ala、β-Ala、Cha、Cba、Cb
a、Cta、4-ピリジル-Ala、Abu、Aib、Iva、Nva、Phe、Bip、Tyr、O-ベンジル-Ty
rから選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、アミノ酸であり、 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)-(CH2)vC(=O)-(式中、vは、1、2、3、または4である); H3CO-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 HO2CCH2O-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 H2N-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、および H3CC(=O)HN-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-(式中、tは、1、2、または3である)、 R1-C(=O)-; R1-S(=O)2-; R1-NHC(=O)-; R1a-CH2C(=O)-; -OR3で置換されたプロリン; 0〜1個のR4で置換されたC1〜C4アルキル; HO3SCH2CH(NH2)C(=O)-; 2-カルボキシフェニル-C(=O)-;および -(O=)C-フェニル-C(=O)-から選択され、 R1は、-OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で
置換されたC3〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OH、メトキシまたは-CO2Hで置換
されている); -OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で置換
されたフェニル;または 0〜4個のR1aで置換されたC1〜C6アルキルであり、 R1aは、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2
-SO3H; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている); メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたフ
ェニルであり、 R2は、-H、H2N(C2〜C4アルキル)、アセチル(H)N(C2〜C4アルキル)、またはア
セチルであり、 R3は、-H、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、フェニル、またはベンジ
ルであり; R4は、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている);または メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC6 〜C10炭素環である ものを提供する。
【0027】 [6]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Xp1-が、MMP-2、MMP-9、およびMM
P-14から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化
合物を提供する。
【0028】 [7]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Xp1-が、MMP-2およびMMP-9から選
択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提供
する。
【0029】 [8]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Xp1-が、マトリキシンMMP-14によ
り切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提供する。
【0030】 [9]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Xp1-が、MMP-2、MMP-9、およびMM
P-14により切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提供する。
【0031】 [10]好ましい実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物、または薬剤として許
容されうるその塩の形態であって、式中、 Ecpは、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 ここで、-Gly-Xp1-は、マトリキシンにより切断可能な結合を形成するもの
であり、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、Chg、Fph、Npa、Tzc、または下式のプロリ
ン模倣体であり、
【0032】
【化4】
【0033】 式中、R5は、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル、-OH、C1〜C6アルコキシ、およ
びベンジルオキシから選択され;nは、2、3、4、または5であり、 Xa2は、Hof、Leu、His、Arg、Gln、Ile、Val、Lys、(R)-Leu、Orn、β-Ala、
γ-Abu、Cha、Chg、Dap、Cit、N-メチル-Leu、バレロラクタム、N,N-ジメチル-L
ys、4-アザ-Phe、モルホリニルプロピル-Gly、N-メチルピペラジンプロピル-Gly
、4-アザ-Hof、Ala、Asn、Asp、Aze、Cys、Glu、Gly、Hyp、Irg、Met、Phe、Phe
(4-フルオロ)、Pro、Sar、Ser、Thr、Trp、Tyr、Cya、Hca、およびSpaから選択
されるアミノ酸であり、 Xp1は、Hof;Leu;Bip;Phe;ノル-Leu;Tha;Phg;Val;Glu;Asn;Ser;Ala
;ホモ-Tyr;Aze;4-アザ-Hof;O-(3-ピリジル)-Tyr;O-(4-ピリジル)-Tyr;O-
ベンジル-Tyr;O-ベンジル-Thr;O-ベンジル-Ser;O-メチル-Ser;O-アリル-Ser
;4-ニトロ-Hof;N-メチル-Leu;O-(4-ピリジルメチル)-Tyr;4-ヒドロキシ-フ
ェニル-Gly;フェニルプロピル-Gly;スチリル-Ala、または2Nalから選択される
アミノ酸であり、 Xp2は、Tyr;Ala;Ser;Leu;Gln;Val;Glu;His;Lys;Arg;Orn;Aze;Hof
;ホモ-Tyr;Cit;4-アザ-Phe;N,N-ジメチル-Lys;Dab;Dap;Asn、Asp、Aze、
Cha、Cys、Gly、Hyp、Ile、Irg、Met、Phe、Phe(4-フルオロ)、Pro、Sar、Thr、
Trp、Cya、Hca、Spa、モルホリニルプロピル-Gly;O-(4-ピリジルメチル)-Tyr;
およびN-メチルピペラジンプロピル-Glyから選択されるアミノ酸であり、 Xp3は、Tyr、Ala、Ser、Leu、Hof、Arg、Asn、Asp、Aze、Cha、Cys、Dpa、Gln
、Glu、Gly、His、Hyp、Ile、Irg、Lys、Met、Orn、Phe、Phe(4-フルオロ)、Pro
、Sar、Thr、TrpおよびValから選択されるアミノ酸であり、 Laaは、Leu、Ile、Nle、β-ホモ-Leu、Hol、Hos、Ala、β-Ala、Cha、Cba、Cb
a、Cta、4-ピリジル-Ala、Abu、Aib、Iva、Nva、およびPheから選択されるアミ
ノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、Gly、Pro、γ-Glu、Dmg、Ala、Arg、Asn、Asp、β-Asp、Aze、Cha、C
ys、Dpa、Gln、Glu、His、Hyp、Ile、Irg、Leu、Lys、Met、Orn、Phe、Sar、Ser
、Thr、Trp、Tyr、またはValから選択されるアミノ酸であり、 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 HO2CCH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)HNCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; O(CH2CH2)2NCH2CH2NHC(O)- HO2CCH2C(CO2H)(OH)CH2C(=O)-、 HO2CCH2C(CH3)(OH)CH2C(=O)-、 2-カルボキシシクロヘキシル-C(=O)-; 2-カルボキシシクロペンチル-C(=O)-; カルボベンジルオキシ; 4-メトキシ-ベンゼンスルホニル; シクロプロピルカルボニル; シクロブチルカルボニル; 3-ピリジンカルボニル; 2-ピラジンカルボニル; テトラゾールアセチル; ピバロイル; メトキシアセチル; ヒドロキシプロリン;および 4-(2-(5,6,7,8-テトラヒドロナフテニル)ブチルから選択される ものを提供する。
【0034】 [11]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Xp1-が、MMP-2、MMP-9、およびM
MP-14から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成する、式(Ia)の
ものを提供する。
【0035】 [12]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Xp1-が、MMP-2およびMMP-9から
選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提
供する。
【0036】 [13]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Xp1-が、マトリキシンMMP-14に
より切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提供する。
【0037】 [14]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Xp1-が、MMP-2、MMP-9、およびM
MP-14により切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提供する。
【0038】 [15]好ましい実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物、または薬剤として許
容されうるその塩の形態であって、式中、 Ecpは、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Laa-; Cap-Gly-Leu-Xp2-Laa-;および Cap-Gly-Hof-Xp2-Laa-から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 ここで、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-は、マトリキシンにより切断可能な結合
を形成するものであり、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、またはNpaであり、 Xa2は、Hof、Leu、His、Arg、Gln、Ile、Val、Lys、(R)-Leu、Orn、β-Ala、
γ-Abu、Cha、Chg、Dap、Cit、N-メチル-Leu、バレロラクタム、N,N-ジメチル-L
ys、4-アザ-Phe、モルホリニルプロピル-Gly、N-メチルピペラジンプロピル-Gly
、4-アザ-Hof、Ala、Asn、Asp、Aze、Cys、Glu、Gly、Hyp、Irg、Met、Phe、Phe
(4-フルオロ)、Pro、Sar、Ser、Thr、Trp、Tyr、Cya、Hca、およびSpaから選択
されるアミノ酸であり、 Xp2は、Tyr;Ala;Ser;Leu;Gln;Val;Glu、His;Lys;Arg;Orn;Aze;Hof
;ホモ-Tyr;Cit;4-アザ-Phe;N,N-ジメチル-Lys;Dab;Dap;Asn、Asp、Aze、
Cha、Cys、Gly、Hyp、Ile、Irg、Met、Phe、Phe(4-フルオロ)、Pro、Sar、Thr、
Trp、Cya、Hca、Spa、モルホリニルプロピル-Gly;O-(4-ピリジルメチル)-Tyr;
およびN-メチルピペラジンプロピル-Glyから選択されるアミノ酸であり、 Laaは、Leu、Cha、Nle、およびHolから選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、Gly、Pro、γ-Glu、およびDmgから選択されるアミノ酸であり、 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 HO2CCH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)HNCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; O(CH2CH2)2NCH2CH2NHC(O)- HO2CCH2C(CO2H)(OH)CH2C(=O)-、 HO2CCH2C(CH3)(OH)CH2C(=O)-、 2-カルボキシシクロヘキシル-C(=O)-; 2-カルボキシシクロペンチル-C(=O)-; カルボベンジルオキシ; 4-メトキシ-ベンゼンスルホニル; シクロプロピルカルボニル; シクロブチルカルボニル; 3-ピリジンカルボニル; 2-ピラジンカルボニル; テトラゾールアセチル; ピバロイル; メトキシアセチル; ヒドロキシプロリン;および 4-(2-(5,6,7,8-テトラヒドロナフテニル))ブチルから選択される ものを提供する。
【0039】 [16]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2
、MMP-9、およびMMP-14から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形
成する、式(Ia)の化合物を提供する。
【0040】 [17]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2
およびMMP-9から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成する、式(
Ia)の化合物を提供する。
【0041】 [18]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、マトリ
キシンMMP-14により切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提供する。
【0042】 [19]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2
、MMP-9、およびMMP-14により切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提
供する。
【0043】 [14]好ましい実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物、または薬剤として許
容されうるその塩の形態であって、式中、 Ecpは、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Leu-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Cha-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Nle-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Hol-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Leu-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Cha-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Nle-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Hol-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Leu-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Cha-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Nle-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Hol-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Leu-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Cha-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Nle-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Hol-から選択される酵素切断可能なペプチドであ
り、 ここで、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-は、マトリキシンにより切断可能な結合
を形成するものであり、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、またはNpaであり、 Xa2は、Hof、Leu、His、Arg、Gln、Ile、Val、Lys、(R)-Leu、Orn、β-Ala、
γ-Abu、Cha、Chg、Dap、Cit、N-メチル-Leu、バレロラクタム、N,N-ジメチル-L
ys、4-アザ-Phe、モルホリニルプロピル-Gly、N-メチルピペラジンプロピル-Gly
、4-アザ-Hof、Ala、Asn、Asp、Aze、Cys、Glu、Gly、Hyp、Irg、Met、Phe、Phe
(4-フルオロ)、Pro、Sar、Ser、Thr、Trp、およびTyrから選択されるアミノ酸で
あり、 Xp2は、Tyr;Ala;Ser;Leu;Gln;Val;Glu;His;Lys;Arg;Orn;Aze;Hof
;ホモ-Tyr;Cit;4-アザ-Phe;N,N-ジメチル-Lys;Dab;Dap;Asn、Asp、Aze、
Cha、Cys、Gly、Hyp、Ile、Irg、Met、Phe、Phe(4-フルオロ)、Pro、Sar、Thr、
Trp;モルホリニルプロピル-Gly;O-(4-ピリジルメチル)-Tyr;およびN-メチル
ピペラジンプロピル-Glyから選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、Gly、Pro、γ-Glu、およびDmgから選択されるアミノ酸であり、 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-; 2-カルボキシシクロヘキシル-C(=O)-; 2-カルボキシシクロペンチル-C(=O)-;および テトラゾールアセチルから選択される ものを提供する。
【0044】 [21]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2
、MMP-9、およびMMP-14から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形
成する、式(Ia)の化合物を提供する。
【0045】 [22]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2
およびMMP-9から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成する、式(
Ia)の化合物を提供する。
【0046】 [23]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、マトリ
キシンMMP-14により切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提供する。
【0047】 [24]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2
、MMP-9、およびMMP-14により切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提
供する。
【0048】 [25]好ましい実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物、または薬剤として許
容されうるその塩の形態であって、式中、 Ecpは、 Cap-Xa2-Gly-Leu-Leu-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Cha-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Nle-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Hol-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Leu-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Cha-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Nle-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Hol-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Leu-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Cha-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Nle-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Hol-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Leu-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Cha-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Nle-;および Cap-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Hol-から選択される酵素切断可能なペプチドであり、
; ここで、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-は、マトリキシンにより切断可能な結合
を形成するものであり、 Xa2は、Hof、Leu、His、Arg、Gln、Ile、Val、Lys、(R)-Leu、Orn、β-Ala、
γ-Abu、Cha、Chg、Dap、Cit、N-メチル-Leu、バレロラクタム、N,N-ジメチル-L
ys、4-アザ-Phe、モルホリニルプロピル-Gly、N-メチルピペラジンプロピル-Gly
、4-アザ-Hof、Ala、Asn、Asp、Aze、Cys、Glu、Gly、Hyp、Irg、Met、Phe、Phe
(4-フルオロ)、Pro、Sar、Ser、Thr、Trp、およびTyrから選択されるアミノ酸で
あり、 Xp2は、Tyr;Ala;Ser;Leu;Gln;Val;Glu、His;Lys;Arg;Orn;Aze;Hof
;ホモ-Tyr;Cit;4-アザ-Phe;N,N-ジメチル-Lys;Dab;Dap;Asn、Asp、Aze、
Cha、Cys、Gly、Hyp、Ile、Irg、Met、Phe、Phe(4-フルオロ)、Pro、Sar、Thr、
Trp;モルホリニルプロピル-Gly;O-(4-ピリジルメチル)-Tyr;およびN-メチル
ピペラジンプロピル-Glyから選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、Gly、Pro、γ-Glu、およびDmgから選択されるアミノ酸であり、 Rは、H3CC (=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-; 2-カルボキシシクロヘキシル-C(=O)-; 2-カルボキシシクロペンチル-C(=O)-;および テトラゾールアセチルから選択される ものを提供する。
【0049】 [26]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2
、MMP-9、およびMMP-14から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形
成する、式(Ia)の化合物を提供する。
【0050】 [27]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2
およびMMP-9から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成する、式(
Ia)の化合物を提供する。
【0051】 [28]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、マトリ
キシンMMP-14により切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提供する。
【0052】 [29]好ましい実施形態では、本発明は、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2
、MMP-9、およびMMP-14により切断可能な結合を形成する、式(Ia)の化合物を提
供する。
【0053】 [30]別の好ましい実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物、または薬剤とし
て許容されうるその塩の形態であって、式中、 Ecpは、以下から選択される酵素切断可能なペプチドであり、
【0054】
【表8】
【0055】 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)-(CH2)vC(=O)-(式中、vは、1、2、3、4、5、または6である。); H3CO-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 HO2CCH2O-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 H2N-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、および H3CC(=O)HN-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-(式中、tは、1、2、3、または4である)、 R1-C(=O)-; R1-S(=O)2-; R1-NHC(=O)-; R1a-CH2C(=O)-; -OR3で置換されたプロリン; 0〜1個のR4で置換されたC1〜C4アルキル; 2-カルボキシフェニル-C(=O)-;および -(O=)C-フェニル-C(=O)-から選択され、 R1は、-OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で
置換されたC3〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OH、メトキシまたは-CO2Hで置換
されている。); -OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で置換
されたフェニル;または 0〜4個のR1aで置換されたC1〜C6アルキルであり、 R1aは、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2
-SO3H; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている); メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたフ
ェニルであり、 R2は、-H、H2N(C2〜C4アルキル)、アセチル(H)N(C2〜C4アルキル)-、またはア
セチルであり、 R3は、-H、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、フェニル、またはベンジ
ルであり; R4は、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている);または メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC6 〜C10炭素環である ものを提供する。
【0056】 [31]好ましい実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物、または薬剤として許
容されうるその塩の形態であって、式中、 Ecpは、以下から選択される酵素切断可能なペプチドであり、
【0057】
【表9】
【0058】 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 HO2CCH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)HNCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; O(CH2CH2)2NCH2CH2NHC(O) HO2CCH2C(CO2H)(OH)CH2C(=O)-、 HO2CCH2C(CH3)(OH)CH2C(=O)-、 2-カルボキシシクロヘキシル-C(=O)-; 2-カルボキシシクロペンチル-C(=O)-; カルボベンジルオキシ; 4-メトキシ-ベンゼンスルホニル; シクロプロピルカルボニル; シクロブチルカルボニル; 3-ピリジンカルボニル; 2-ピラジンカルボニル; テトラゾールアセチル; ピバロイル; メトキシアセチル; ヒドロキシプロリン;および 4-(2-(5,6,7,8-テトラヒドロナフテニル))ブチルから選択される ものを提供する。
【0059】 [32]好ましい実施形態では、本発明は、式(Ia)の化合物、または薬剤として許
容されうるその塩の形態であって、式中、 Ecpは、以下から選択される酵素切断可能なペプチドであり、
【0060】
【表10】
【0061】 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2 C(=O)-;および テトラゾールアセチルから選択される ものを提供する。
【0062】 [33]別の好ましい実施形態では、本発明は、以下から選択される化合物を提供
する。
【0063】
【表11】
【0064】
【表12】
【0065】
【表13】
【0066】 [34]別の好ましい実施形態では、本発明は、以下から選択される化合物を提供す
る。
【0067】
【表14】
【0068】 [35]第2の実施形態では、本発明は、式(I)または(Ia)の化合物および薬剤とし
て許容されうる担体を含む薬剤組成物を提供する。
【0069】 [36]第3の実施形態では、本発明は、癌に苦しむ哺乳動物を治療する方法であ
って、癌に苦しむ哺乳動物に治療有効量の式(I)または(Ia)の化合物を投与する
ことを含む方法を提供する。
【0070】 [37]好ましい実施形態では、本発明は、癌に苦しむ哺乳動物を治療する方法で
あって、癌が、乳癌、卵巣癌、脳腫瘍、胃癌、肺癌、結腸癌、前立腺癌、もしく
は肝臓癌であるか、または癌が、白血病、リンパ腫、癌腫、肉腫、もしくは黒色
腫である方法を提供する。
【0071】 [38]第4の実施形態では、本発明は、癌に苦しむ哺乳動物の細胞に化合物を送
達する方法であって、癌に苦しむ哺乳動物の細胞を式(I)または(Ia)の化合物と
接触させることを含み、その接触がマトリキシンを含むペプチダーゼの存在下で
ある方法を提供する。
【0072】 [39]好ましい実施形態では、本発明は、癌が、乳癌、卵巣癌、脳腫瘍、胃癌、
肺癌、結腸癌、前立腺癌、もしくは肝臓癌である、または癌が、白血病、リンパ
腫、癌腫、肉腫、もしくは黒色腫である方法を提供する。
【0073】 第5の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物であって、 Ecp-A (I) 抗新生物剤Aと結合された酵素切断可能なペプチドEcpを含む化合物を提供する。
【0074】 好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の化合物であって、抗新生物剤がア
ントラサイクリン、ビンカアルカロイド、ブレオマイシン、マイトマイシン、タ
キサン、細胞傷害性ヌクレオチド、プテリジンまたはポドフィロトキシンである
ものを提供する。
【0075】 好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の化合物であって、抗新生物剤がア
ントラサイクリンである化合物を提供する。
【0076】 好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の化合物であって、抗新生物剤がア
ントラサイクリン系ドキソルビシンである化合物を提供する。
【0077】 好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の化合物であって、アミノ酸配列が
、PLGL、PLGLL、PLGLAL、PLGLYL、PLGLYAL、PLGLAAL、PLGLLSL、PLGLLAL、PLGLL
YL、GPLGL、GPLGLL、PLGHof、PLG-(O-ベンジル)-S、PLGHofYL、PLG-(O-ベンジル
)-SYL、PLGHofEL、およびGPLGLALからなる群から選択される化合物を提供する。
【0078】 好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の化合物であって、アミノ酸配列が
、PLGL、PLGLL、PLGLAL、PLGLYL、PLGLLAL、PLGLLYL、GPLGL、GPLGLL、およびGP
LGLALからなる群から選択される化合物を提供する。
【0079】 好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の化合物であって、酵素切断可能な
ペプチドが、ペプチダーゼによって認識されるアミノ酸配列を含み、該ペプチダ
ーゼがマトリキシン(matrixin)である化合物を提供する。
【0080】 好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の化合物であって、ペプチダーゼがM
MP-2、MMP-9、またはMMP-14を含むマトリキシンである化合物を提供する。
【0081】 好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の化合物であって、薬剤がドキソル
ビシンであり、酵素切断可能なペプチドが、PLGL、PLGLL、PLGLAL、PLGLYL、PLG
LLAL、PLGLLYL、PLGLYAL、GPLGL、GPLGLLおよびGPLGLALからなる群から選択され
るアミノ酸配列を含む化合物を提供する。
【0082】 好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の化合物であって、薬剤がドキソル
ビシンであり、酵素切断可能なペプチドが、マトリキシン MMP-2、MMP-9、また
はMMP-14からなる群から選択されるペプチダーゼによって認識されるアミノ酸配
列を含む化合物を提供する。
【0083】 別の好ましい実施形態では、本発明は、式(I)の化合物および薬剤として許容
されうる担体を含む医薬組成物を提供する。
【0084】 別の好ましい実施形態では、本発明は、癌に苦しむ哺乳動物の細胞に化合物を
送達する方法であって、癌に苦しむ哺乳動物の細胞と式(I)の化合物を接触させ
ることを含み、その接触がマトリキシンを含むペプチダーゼの存在下である方法
を提供する。
【0085】 別の好ましい実施形態では、本発明は、癌に苦しむ哺乳動物の細胞に式(I)の
化合物を送達する方法であって、癌が、乳癌、卵巣癌、脳腫瘍、胃癌、肺癌、結
腸癌、前立腺癌、または肝臓癌であり、または癌が、白血病、リンパ腫、癌腫、
肉腫、または黒色腫である方法を提供する。
【0086】 別の好ましい実施形態では、本発明は、癌に苦しむ哺乳動物の細胞に式(I)の
化合物を送達する方法であって、抗癌剤が、アントラサイクリン、ビンカアルカ
ロイド、ブレオマイシン、マイトマイシン、タキサン、細胞傷害性ヌクレオチド
、プテリジンまたはポドフィロトキシンである方法を提供する。
【0087】 別の好ましい実施形態では、本発明は、癌に苦しむ哺乳動物の細胞に式(I)の
化合物を送達する方法であって、抗癌剤が、アントラサイクリン、ビンカアルカ
ロイド、ブレオマイシン、マイトマイシン、タキサン、細胞傷害性ヌクレオチド
、プテリジンまたはポドフィロトキシンであり、薬剤がアントラサイクリン系ド
キソルビシンである方法を提供する。
【0088】 本発明にはまた、酵素切断可能なペプチドが、MMP-2、MMP-9、および/または
MMP-14を含むマトリキシンによって選択的に認識されるが、酵素ヒト線維芽細胞
活性化タンパク質(FAPα)によって選択的に認識されない上記に記載の化合物も
含まれる。
【0089】 本発明にはまた、アミノ酸Laaがプロリンおよびプロリン類縁体ではなく、ア
ルファ窒素上の置換基とアルファ炭素上の置換基が環式基を形成する上記に記載
の化合物も含まれる。
【0090】 本発明にはまた、上記に記載の化合物であるが、ただしアミノキャッピング基
、Cap、がポリヒドロキシアルカノイルではない、すなわちヒドロキシアルカノ
イルキャッピング基がアルカノイル基上に1個のヒドロキシ置換基を持つ基に限
定される化合物も含まれる。
【0091】 本発明にはまた、酵素切断可能なペプチドが、MMP-2、MMP-9、および/または
MMP-14を含むマトリキシンによって選択的に認識されるが、酵素トロウアーゼに
よって選択的に認識されない上記に記載の化合物も含まれる。
【0092】 本発明にはまた、上記に記載の化合物であるが、ただしアミノ酸Xa2が天然ア
ミノ酸である化合物も含まれる。
【0093】 本発明にはまた、上記に記載の化合物であるが、ただしCapが非天然アミノ酸
またはスクシニルでない化合物も含まれる。
【0094】 本発明にはまた、酵素切断可能なペプチドが、MMP-2、MMP-9、および/または
MMP-14を含むマトリキシンによって選択的に認識されるが、前立腺特異性抗原(P
SA)によって選択的に認識されない上記に記載の化合物も含まれる。
【0095】 本発明にはまた、上記に記載の化合物であるが、ただしEcpが-Tyr-Ser-;-Tyr
-Thr-;-Phe-Ser-;-Gln-Ser-;-Gln-Thr-、および-Asn-Serから選択されるジペ
プチド結合を含まない化合物も含まれる。
【0096】 本発明にはまた、上記に記載の化合物であるが、ただしEcpが-Gly-Gly-Arg-Le
u-ではない化合物も含まれる。
【0097】 本発明にはまた、上記に記載の化合物であるが、ただしEcpが-Gly-Val-Phe-Ar
g-ではない化合物も含まれる。
【0098】 本発明にはまた、上記に記載の化合物であるが、ただしEcpが-Ala-Pro-Gly-Le
u-ではない化合物も含まれる。
【0099】 本発明にはまた、上記に記載の化合物であるが、ただしEcpが2-チエニルアラ
ニン-Gly-Ala-Leu-ではない化合物も含まれる。
【0100】 本発明にはまた、上記に記載の化合物であるが、ただしEcpが2-ナフチルアラ
ニン-Gly-Ala-Leu-ではない化合物も含まれる。
【0101】 本発明にはまた、上記に記載の化合物であるが、ただしEcpが-Gly-Leu-Gly-Le
u-ではない化合物も含まれる。
【0102】 本明細書で用いる「抗新生物剤」は、腫瘍細胞について細胞傷害性効果を有する
薬剤を意味する。これらには、アルキル化剤、チューブリン結合剤、および抗増
殖剤などの化合物、ならびにタンパク質、例えば、腫瘍壊死因子、インターフェ
ロンおよび癌細胞の成長に対して負の影響を与える様々な成長因子が含まれる。
本明細書で用いるのに適当な具体的な「抗新生物剤」には、アントラサイクリン、
ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)、マイトマ
イシン、細胞傷害性ヌクレオチド、タキサン(例えば、パクリタキセルおよびタ
キソテール、(DeGrootを参照))、プテリジン、ポドフィロトキシン、および葉酸
誘導体(Luを参照)が含まれるが、これらに限定されるものではない。このような
化合物は、当業者によく知られている手段により、化合物の構造上の様々な場所
で修飾し、化合物の潜在的な治療効果を増強したり、ペプチドとの結合を容易に
したりすることができる。
【0103】 本明細書で用いるアントラサイクリンである「抗新生物剤」には、ドキソルビシ
ン、ドキソルビシン誘導体、およびドキソルビシン類縁体が含まれることを意図
しており、それらの例には、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシ
ン(ダウノマイシン)、エピルビシン、デトルビシン(detorubicin)、イダルビシ
ン、エソルビシン(esorubicin)、およびカルミノマイシン(carminomycin)、なら
びにミトキサントロンが含まれるが、これらに限定されるものではない。好まし
いアントラサイクリンはドキソルビシンであり、本明細書では「Dox」または「dox」
と呼ぶ。
【0104】 酵素切断可能なペプチドは、特定のアミノ酸配列を認識して特異的なアミノ酸
の間で前記配列を切断することが当技術分野でよく知られているペプチド切断酵
素である膜結合型および/または細胞分泌型ペプチダーゼによって認識され、切
断されるアミノ酸配列を含む(AmesおよびQuigley他;Knauper他、McGeehan他、N
agase他、Nakajima他、Odake他を参照されたい)。このような酵素には、例えば
、マトリックスメタロプロテアーゼすなわち「MMP」(本明細書中ではマトリキシン
とも呼ぶ)、例えばMMP-2、MMP-9、MMP-14、セリンプロテアーゼ、システインプ
ロテアーゼ、エラスターゼ、ストロメライシン、ヒトコラゲナーゼ、カテプシン
、グランザイム、ジペプチジルペプチダーゼ、プラスミン、プラスミノーゲン活
性化因子、リゾチームおよび、例えば、アミノペプチダーゼP、アミノペプチダ
ーゼA、およびアミノペプチダーゼNが含まれるが、これらに限定されるものでは
ない。本明細書で細胞傷害性薬剤との結合に適している適当なMMP基質の選択性
を有するペプチドには、例えば、PLGL、PLGLL、PLGLAL、PLGLYL、PLGLLAL、PLGL
ALL、PLGLLLL、PLGLLYL、PLGLYAL、PLGLAAL、PLGLLSL、GPLGL、GPLGLY、GPLGLL
、GPLGLAL、DPLGL、PEQGL、PQGL、およびPLGL-Dpa-ARのアミノ酸配列および同様
の配列を有するペプチドが含まれるが、これらに限定されるものではない(Nagas
e)。これらのアミノ酸配列はそれぞれ、任意の様々な修飾アミノ酸、例えば本明
細書に記載のヒドロキシプロリンを含み、配列はそれぞれ、任意のアミノまたは
カルボキシ末端修飾、例えば本明細書に記載のアセチルによって任意に修飾され
ている。すなわち、記載した具体的アミノ酸配列の他に、本発明は、1個または
複数の天然、修飾、または非天然アミノ酸および1個または複数の末端修飾を含
む相当するバージョンも提供し、例えば、本発明は、アミノ酸配列PLGLYL、なら
びにHyp-PLGLYL、AcPLGLYLおよびAcHypPLGLYLを含むペプチドを提供する。
【0105】 本明細書で用いる「マトリキシン」は、本発明の化合物の酵素切断可能なペプチ
ドを認識する酵素の種類としてマトリックスメタロプロテアーゼすなわちMMPを
総称的に述べることを意図している。好ましいMMPは、MMP-2、MMP-9、および/
またはMMP-14である。マトリキシンは、酵素ネプリライシンを表さない。
【0106】 本明細書で用いる「マトリキシンによる切断可能な結合」は、本明細書で定義す
るマトリキシンによるin vitroにおけるタンパク質分解切断を受けやすい酵素切
断可能なペプチドのアミド結合を表すことを意図している。本明細書で定義する
マトリキシンは、マトリキシンによる切断可能な結合に選択的であることが好ま
しいことを意図している。酵素切断可能なペプチドのタンパク質分解性の分解は
、in vivoにおける化合物の投与後に酵素分解可能ペプチドのいずれの結合でも
起こりうることも理解されるであろう。
【0107】 酵素分解可能なペプチドは、対応するペプチダーゼによる認識および切断のた
めには、最低限の数のアミノ酸、置換基またはその修飾を含んでいなければなら
ない(例えば、PLGL、AA)。あるいは、ペプチドのアミノ酸配列は、ペプチダーゼ
媒介性切断のために最低限必要とされるアミノ酸の他に1個または複数のアミノ
酸を含むことができる(例えば、アミノ酸P、L、GおよびLを順番に含むペプチド
はアミノ酸配列PLGLLを有し、アミノ酸配列AAを含むペプチドは実際に配列AAPV
を有することができる)。このような追加のアミノ酸は、アミノおよび/または
カルボキシ末端でペプチドに含まれるが、このようにする理由は、本発明の教示
を示された当業者によく知られている様々な理由、例えばペプチドが結合する化
合物の非ペプチダーゼ分泌細胞に対する利用可能性をさらに低下させるためであ
る。さらに、ペプチダーゼ切断事象が開始した後に細胞傷害性薬剤に残るアミノ
酸配列は、腫瘍関連のペプチダーゼ切断後に細胞のアミノペプチダーゼによって
除去またはプロセッシングされうる配列から構成されていなければならない(例
えば、LL-DoxまたはLAL-Dox)。
【0108】 マトリックスメタロプロテアーゼMMP-2、MMP-9、および/またはMMP-14によっ
て認識され切断される酵素切断可能なペプチドに結合される本発明の化合物は、
特定のアミノ酸配列を認識し、グリシンまたはサルコシン(Sarcocine)を含む前
記配列を切断部位で切断すると考えられる。したがって、本発明の酵素切断可能
なペプチドは、切断部位にジペプチド-Gly-Xp1-または-Sar-Xp1-を含む。ここで
、Xp1は、遊離マトリキシンまたはマトリックスメタロプロテアーゼにより切断
可能なGlyまたはSarとの結合を形成するアミノ酸である。Xp1の好ましい例には
、Leu、Hof、アザHof、Ser(Oメチル)、およびSer(Oベンジル)が含まれるが、こ
れらに限定されるものではない。上記のジペプチドの他に、MMP-2、MMP-9、およ
び/またはMMP-14は、アミノ酸配列-Paa-Xaa-Gly-Xp1-および-Paa-Xaa-Sar-Xp1-
を認識し切断すると考えられており、ここでPaaはプロリン、プロリン誘導体、
またはプロリン模倣体(mimetic)であり、Xaaはアミノ酸である。Paaの好ましい
例はProおよびHypであるが、これらに限定されるものではない。
【0109】 上記で開示されたマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)MMP-2 、MMP-9、およ
びMMP-14に加えて、本発明は、細胞傷害性ペプチド複合体標的アプローチにおい
ても使用されるマトリキシンMMP-13およびMMP-8の使用を意図している。酵素/
アミノ酸認識配列の組み合わせには、例えば配列PLGLを認識するMMP-13(例えば
、Knauper他を参照のこと)および配列AAPFまたはAAPMを認識するMMP-8が含まれ
、これらは特にスクシニルまたはメトキシスクシニルによりN末端が修飾されて
いる(例えば、Nakajima他を参照のこと)。これらの記載の内容を、参照により本
明細書に組み込む。
【0110】 このようなペプチド、ならびに配列中に置換、修飾、非天然または天然アミノ
酸を含有するペプチドを含めた他の酵素切断可能なペプチド、ならびにアミノま
たはカルボキシ末端で修飾されたペプチドは、当業者によく知られている様々な
方法によって、それらの成分アミノ酸から製造され、容易に入手できる材料およ
び装置を用いてそれらの方法により実施されている(その内容を参照により本明
細書に組み込む、例えば、The Practice of Peptide Synthesis(第2版)、M. Bod
anskzyおよびA. Bodanskzy、Springer-Verlag、New York、NY(1994)を参照され
たい)。これらには、例えばFmocプロトコルを用いる固相合成が含まれるが、そ
れに限定されるものではない(例えば、ChangeおよびMeieinhofer、Int. J. Pept
. Protein Res.11:246-9(1978)を参照されたい)。ペプチド合成について記載し
ている他の文書には、例えばMiklos Bodansky、Peptide Chemistry, A Practica
l Textbook 1998、Springer-Verlag、N.Y;Peptide Synthesis Protocols、Mich
ael W. PenningtonおよびBen M. Dunn編者、1994、Humana Press Totowa、N.J.
が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0111】 上述のように、酵素切断可能なペプチドは、ペプチドを切断することができる
ペプチダーゼの認識部位の役割を果たすアミノ酸配列を含んでいる。酵素切断可
能なペプチドを含むアミノ酸には、天然、修飾、または非天然アミノ酸が含まれ
、天然、修飾、または非天然アミノ酸はDまたはL配置のいずれであってもよい。
天然アミノ酸には、アミノ酸アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミ
ン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイ
シン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン
、スレオニン、バリン、トリプトファン、およびチロシンが含まれる。本明細書
では、天然アミノ酸は以下の略語を有する。
【0112】
【表15】
【0113】 酵素切断可能なペプチドはまた、本発明の酵素切断可能なペプチド中への置換
基として適当な様々な非天然または修飾アミノ酸も含む。非天然アミノ酸の確定
したリストはRobertsおよびVellaccio、The Peptides、Vol. 5、341-449(1983)A
cademic Press、New Yorkに開示されており、そのために参照により本明細書に
組み込む。本明細書で用いる非天然または修飾アミノ酸の例には以下のアミノ酸
が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0114】
【表16】
【0115】
【表17】
【0116】 酵素切断可能なペプチドはまた、アミノ酸のアミノまたはヒドロキシ官能基が
アルキル基、アルケニル基、フェニル基、フェニルアルキル基、複素環基、複素
環アルキル基、炭素環基、または炭素環アルキル基で化学的に修飾された様々な
修飾アミノ酸も含むことができる。化学修飾置換基の例には、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、アリル、フェニル、ベンジル、ピリジル、ピリジルメチル、
およびイミダゾリルが含まれるが、これらに限定されるものではない。「The Pep
tides」Vol 3, 3-88(1981)は、アミノ酸を修飾するのに適当な多くの側鎖官能基
を開示しており、そのためこれを本明細書に組み込む。修飾アミノ酸の例には、
N-メチル化アミノ酸、N-メチルグリシン、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラ
ギン、N,N-ジメチルリジン、N′-(2-イミダゾリル)リジン、O-メチルチロシン、
O-ベンジルチロシン、O-ピリジルチロシン、O-ピリジルメチルチロシン、O-メチ
ルセリン、O-t-ブチルセリン、O-アリルセリン、O-ベンジルセリン、O-メチルス
レオニン、O-t-ブチルスレオニン、O-ベンジルスレオニン、O-メチルアスパラギ
ン酸、O-t-ブチルアスパラギン酸、O-ベンジルアスパラギン酸、O-メチルグルタ
ミン酸、O-t-ブチルグルタミン酸、およびO-ベンジルグルタミン酸が含まれるが
、これらに限定されるものではない。
【0117】 酵素切断可能なペプチドはまた、4-アザヒドロキシフェニルアラニン(4-アザH
ofまたはアザHof)、4-アミノメチルアラニン、4-ピリジルアラニン、4-アザフェ
ニルアラニン、モルホリニルプロピルグリシン、ピペラジニルプロピルグリシン
、N-メチルピペラジニルプロピルグリシン、4-ニトロ-ヒドロキシフェニルアラ
ニン、4-ヒドロキシフェニルグリシン、または2-(4,6-ジメチルピリミジニル)リ
ジンである修飾アミノ酸を含むことができる。
【0118】 酵素切断可能なペプチドはまた、Paaで表されるアミノ酸で、天然アミノ酸プ
ロリンであるか、プロリンによく似た修飾または非天然アミノ酸でありうるアミ
ノ酸を含むことができる。本明細書で用いる「プロリン模倣体」は、下記一般式を
有する。
【0119】
【化5】
【0120】 ここで、R5は、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル、-OH、C1〜C6アルコキシ、ヒド
ロキシメチル-、フェノキシ、およびベンジルオキシから選択され、R6は、H、C1 〜C6アルキル、-OH、C1〜C6アルコキシから選択され、nは、2、3、4、または5で
ある。好ましいプロリン模倣体は下記一般式を有する。
【0121】
【化6】
【0122】 ここで、R5は、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル、-OH、C1〜C6アルコキシ、およ
びベンジルオキシから選択され、nは、2、3、4、または5である。より好ましいn
は、3または4である。プロリン模倣体の例は、4-ヒドロキシプロリン、3-メチル
プロリン、4-メチルプロリン、5-メチルプロリン、4,4-ジメチルプロリン、4-フ
ルオロプロリン、4,4-ジフルオロプロリン、4-ブロモプロリン、4-クロロプロリ
ン、4-ヒドロキシメチルプロリン、3-ヒドロキシプロリン、3-ヒドロキシ-5-メ
チルプロリン、3,4-ジヒドロキシプロリン、3-フェノキシプロリン、2-アゼチジ
ンカルボン酸、4-メチル-2-アゼチジンカルボン酸、ピペコリン酸、5-ヒドロキ
シピペコリン酸、および4,5-ジヒドロキシピペコリン酸である。プロリン模倣体
の好ましい例は、4-ヒドロキシプロリン、2-アゼチジンカルボン酸、およびピペ
コリン酸である。Paaの例には、Pro、4-ヒドロキシプロリン、ジヒドロキシプロ
リン、2-カルボキシアゼチジン、ホモ-Pro、シクロヘキシルグリシン、4-フルオ
ロ-フェニルアラニン、ニペコチン酸、およびチアゾリジン4-カルボン酸が含ま
れるが、これらに限定されるものではない。
【0123】 酵素切断可能なペプチドは、細胞分泌型ペプチドによるペプチドの認識および
切断に悪影響を及ぼさないように、1個または複数のアミノ酸が任意に相同体ア
ミノ酸または等価な(isoteric)アミノ酸によって置換されているアミノ酸配列を
有する。例えば、以下のアミノ酸置換を(いずれの方向にも)行うことができるが
、これらに限定されるものではない:A - G;R - K - Orn;N - Q;D - E;I -
V - L - M - Nle;F - W - Y;およびS - T。
【0124】 さらに、酵素切断可能なペプチドは、任意に、キャッピング基として当技術分
野で知られているものによって、抗新生物剤に結合されていない末端において修
飾されている。例えば、酵素切断可能なペプチドのN-末端は、N-末端キャッピン
グ基すなわち「アミノキャッピング基」で修飾される。このような修飾には多くの
理由があるが、例えば、血漿中の非選択的酵素による酵素的分解に対するペプチ
ドの血漿安定性を増すため、または溶解性を増すためである。
【0125】 アミノキャッピング基は当技術分野で知られており、様々な様式、例えば、1
から20個の炭素原子からなる様々なアシル、チオアシル、アルキル、スルホニル
、ホスホリル、およびホスフィニル基として存在し、これらの基の置換基は、ア
ルキル、アリール、アルキルアリールなどのいずれかであり、置換基または鎖中
構成要素としてヘテロ原子O、S、およびNを含むことができる。ペプチド合成に
関わる当業者により多くのアミノキャッピング基が認知されている。Grossおよ
びMeinhoffer、編、The Peptides、Vol 3; 3-88(1981)、Academic Press、New Y
ork、およびGreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、315
-405(1991)、J. Wiley and Sons, Inc.、New Yorkは、本発明に有用な多くの適
当なアミン保護基を開示しているため、それらを参照により本明細書に組み込む
【0126】 上記の他に、より好ましい「アミノキャッピング基」には、アルカノイル、ヒド
ロキシル化アルカノイル、ポリヒドロキシル化アルカノイル、アロイル、ヒドロ
キシル化アロイル、ポリヒドロキシル化アロイル、シクロアルキロイル、ヘテロ
シクロイル、ポリエチレングリコール、グリコシレート、糖、カルボキシ糖、ア
ミノ酸、ジカルボン酸、およびクラウンエーテルがあり、いずれもアミド結合に
よってペプチドのN末端に結合される。アミノキャッピング基の例には、アセチ
ル(Ac)、ピバロイル、メトキシアセチル、マロニル、スクシニル(Suc)、グルタ
リル、ベンゾイル、メトキシ-スクシニル(MeO-Suc)、ピリジンカルボニル、ピラ
ジンカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、およびt-ブトキシカルボニ
ルが含まれるが、これらに限定されるものではない。あるいは、塩基性アミンを
含む様々なカルボキシ糖およびアミノ酸などの、アミン官能基を含むアミノキャ
ッピング基は、尿素結合によってペプチド複合体のN末端に結合させることがで
きる。
【0127】 アミノキャッピング基として知られている化合物のクラスとしてのポリエチレ
ングリコールは、一般式H3CO-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-でtが1から10であるエチレ
ンオキシ化合物である。好ましいポリエチレングリコールはtが1、2、3、または
4であり、tが1または2であることがより好ましい。特に断りのない限り、「ポリ
エチレングリコール」または「PEG」または「Peg」は、式H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O
)-を意味する。アミノキャッピング基としてのポリエチレングリコールは、修飾
されて、式H2N-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-でtが1、2、3、または4であるアミノ-ポリ
エチレングリコール、ならびに式H3CC(=O)HN-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-でtが1、2、
3、または4であるアセトアミド-ポリエチレングリコール、ならびに式HO2CCH2O(
CH2CH2O)t-CH2C(=O)-でtが1、2、3、または4であるカルボキシメチル-ポリエチ
レングリコールを含むことができる。
【0128】 さらに、アミノキャッピング基は任意に、アルカノイル、ジカルボン酸、トリ
カルボン酸、またはジカルボン酸エステルによって修飾されたアミノ酸でもよい
。例には、例えば、セリンまたはガンマ-グルタミン酸のアミノ末端上を修飾し
たアセチル(Ac)、メトキシアセチル、マロニル、スクシニル(Suc)、グルタリル
、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル(HMG)、シトリル、メトキシ-スクシニル(Me
O-Suc)、メトキシ-マロニル、またはメトキシ-グルタリル基が含まれるが、これ
らに限定されるものではない。例えば、アセチル-セリン(Ac-Ser)、メトキシス
クシニル-セリン(MeO-Suc-Ser)、およびスクシニル-セリン(Suc-Ser)。
【0129】 ペプチドは、本明細書で提供される化合物を誘導するように抗新生物剤と結合
される。前記結合はペプチドのアミノまたはカルボキシ末端のいずれを介しても
よい。本明細書で用いる「結合(conjugation)」は、ペプチドの生物活性剤との結
合を意味する。このような結合は、当業者によく知られている手段により、およ
び当業者によく知られている試薬を用いることにより、ペプチドと薬剤の間で直
接に、共有結合を介してもよい。ペプチドと薬剤の間の共有結合には、抗新生物
剤上の遊離アミノ基とペプチドC末端のカルボキシル基との間、またはペプチド
のN末端アミノ基と薬剤上のカルボキシル基との間のアミド結合の形成が含まれ
る。さらに、ペプチドのC末端カルボキシル基と抗新生物剤上の遊離ヒドロキシ
ル基との間、または逆の場合にもエステル結合を形成することができる。
【0130】 あるいは、ペプチドおよび抗新生物剤は、ペプチドと薬剤の双方と別々に相互
作用することができる遊離の活性部分を有するリンカー基によって間接的に結合
させることができる。このようなリンカーには、例えば、抗新生物剤上の遊離ア
ミノ基とアミド結合を形成するのに利用できる基、ならびにペプチドのN末端ア
ミノ基とアミド結合を形成するのに利用できる第二の遊離の基を有するビスカル
ボニルアルキル二価基(diradical)が含まれるが、これに限定されるものでは
ない。適当なリンカー基にはまた、ペプチドのC末端カルボキシル基と薬剤上の
遊離カルボキシル基の双方とアミド結合を形成できる遊離アミノ基を有するジア
ミノアルキル二価基が含まれる。ペプチドと細胞傷害性薬剤との間で直接、また
はリンカー基を介してこのようなアミド、エステルおよび他の結合を形成する手
段は当業者にはよく知られている。
【0131】 本明細書で用いる抗新生物剤がドキソルビシンであり、酵素切断可能なペプチ
ドが、マトリキシン、例えば、MMP-2、MMP-9、またはMMP-14によって認識され切
断されるアミノ酸配列を含むことが好ましい。ペプチドがアミノ酸配列PLGLを含
むことがより好ましく、配列PLGL、好ましくはPLGL、PLGLL、PLGLAL、PLGLYL、P
LGLYAL、PLGLAAL、PLGLLSL、PLGLLAL、PLGLLYL、GPLGL、GPLGLL、PLGHof、PLG-(
O-ベンジル)-S、またはGPLGLALおよび実施例の表中に例示された他の配列を含む
ことができる。
【0132】 本明細書で用いる「アルキル」または「アルキレン」は、特定の炭素原子数を有す
る分枝鎖および直鎖の飽和脂肪族炭化水素基のどちらも含まれることを意図して
いる。例えば、「C1〜C6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を示
す。アルキルの例には、集合的または個別的に、メチル、エチル、n-プロピル、
i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキ
シル、2-メチルブチル、2-メチルペンチル、2-エチルブチル、3-メチルペンチル
、および4-メチルペンチルが含まれるが、これらに限定されるものではない。C1 〜C4アルキルの例には、集合的または個別的に、メチル、エチル、n-プロピル、
i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルが含まれる。
【0133】 「アルケニル」または「アルケニレン」は、特定の炭素原子数を有し、鎖に沿った
任意の安定部位に存在しうる1個または複数個の不飽和炭素-炭素結合を有する、
直鎖または分岐鎖の配置のいずれかの炭化水素鎖を含むことを意図している。ア
ルケニルの例には、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-ブテニル、3-ブ
テニル、2-ペンテニル、3,ペンテニル、4-ペンテニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセ
ニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、2-メチル-2-プロペニル、4-メチル-3-ペン
テニルなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0134】 「アルキニル」または「アルキニレン」には、エチニル、プロピニル、ブチニル、
ペンチニル、ヘキシニルなどのように、直鎖または分枝鎖の配置、および鎖に沿
った任意の安定部位に存在する1個または複数個の炭素-炭素三重結合からなる炭
化水素鎖が含まれることを意図している。
【0135】 「シクロアルキル」には、特定の炭素原子数を有する飽和環基が含まれることを
意図している。例えば、「C3〜C6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルを意味する。
【0136】 「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、酸素の橋かけを介して結合している
指示された炭素原子数からなる上記で定義したアルキル基を表す。アルコキシの
例には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、s-ブ
トキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ、およびs-ペントキシが含まれるが、これら
に限定されるものではない。同様に、「アルキルチオ」または「チオアルコキシ」は
、イオウの橋かけを介して結合している指示された炭素原子数からなる上記で定
義したアルキル基を表す。
【0137】 本明細書で用いる「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、お
よびヨードを指す。「対イオン」は、塩化物イオン、臭化物イオン、水酸化物イオ
ン、酢酸イオン、硫酸イオンなどの小さく、負に荷電した種を表すのに用いられ
る。
【0138】 本明細書で用いる「炭素環」は、安定な3〜7員の単環式もしくは二環式または7
〜13員の二環式もしくは三環式であって、そのいずれもが飽和、部分的に不飽和
または芳香族であってもよいいかなる環も意味することを意図している。このよ
うな炭素環の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロ
オクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、[2.2.2
]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマ
ンチル、またはテトラヒドロナフチル(テトラリン)が含まれるが、これらに限定
されるものではない。
【0139】 本明細書で用いる用語「複素環」または「複素環式環」は、飽和、部分的に不飽和
、または不飽和(芳香族)である、安定な5〜7員の単環式もしくは二環式、または
7〜14員の二環式複素環を意味することを意図し、それらは、炭素原子、およびN
、OおよびSからなる群から独立して選択される1、2、3、もしくは4個のヘテロ原
子からなり、上記で定義した任意の複素環式環がベンゼン環と縮合した任意の二
環式基を含むものである。窒素およびイオウヘテロ原子は任意に酸化されていて
もよい。複素環式環は、安定な構造を生じる、任意のヘテロ原子または炭素原子
でその側基(pendant group)と結合していてもよい。本明細書に記載の複素環
式環は、得られる化合物が安定ならば、炭素原子または窒素原子上で置換されて
いてもよい。具体的に知られているならば、複素環内の窒素は任意に四級化され
ていてもよい。複素環内のSおよびO原子の総数が1を超える場合には、これらの
ヘテロ原子が互いに隣接しないことが好ましい。複素環内のSおよびO原子の総数
は1以下が好ましい。
【0140】 複素環の例には、1H-インダゾール、2-ピロリドニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジ
ニル、2H-ピロリル、3H-インドリル、4-ピペリドニル、4aH-カルバゾール、4H-
キノリジニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾ
イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベ
ンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾ
リル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、
ベンゾイミダザロニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、b-カルボリニル、ク
ロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジ
チアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル
、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、イミダゾロピリジニル、
1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル
、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イ
ソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソチア
ゾロピリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾロピリジニル、モルホリニル
、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オ
キサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オ
キサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾロピリジニル、オ
キサゾリジニルペリミジニル、オキシインドリル、フェナントリジニル、フェナ
ントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキ
サチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、
プテリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラ
ニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾロピリジニル、ピラ
ゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチア
ゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピ
ロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌ
クリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニ
ル、テトラヒドロキノリニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリ
ル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チ
アントレニル、チアゾリル、チアゾロピリジル、チエニル、チエノチアゾリル、
チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,
3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリ
ル、およびキサンテニルが含まれるが、これらに限定されるものではない。好ま
しい複素環にはピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラ
ジニル、ピペラジニル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、1H-
インダゾリル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリ
ル、ベンゾオキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチ
アゾリル、ベンゾイソチアゾリル、イサチノイル、イソオキサゾロピリジニル、
イソチアゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、イミダ
ゾロピリジニル、およびピラゾロピリジニルが含まれるが、これらに限定される
ものではない。好ましい5〜6員の複素環にはピリジニル、フラニル、チエニル、
ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、イミダゾリル、およびオキ
サゾリジニルが含まれるが、これらに限定されるものではない。例えば、上記の
複素環を含む縮合環およびスピロ化合物も含まれる。
【0141】 本明細書で用いる用語「アリール」、または芳香族残基は、フェニルおよびナフ
チルなどの、特定の炭素原子数を含む芳香族部分を意味することを意図している
【0142】 本明細書では、本明細書で提供される化合物および薬剤として許容されうる坦
体を含む医薬組成物を提供する。このような坦体は、生物学的に活性な薬剤を動
物、特に哺乳動物に送達するために当技術分野で許容される媒体である。薬剤と
して許容されうる坦体は一般に、当業者が決定および説明できる範囲内の多くの
要因に従って製剤化される。これらには、製剤化する活性剤のタイプおよび性質
;薬剤含有組成物が投与される対象;意図された組成物の投与経路;および標的
とされる治療上の徴候が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0143】 語句「薬剤として許容されうる」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性
、刺激性、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症もなく、妥当な
利益/リスク比に比例するように、ヒトおよび動物の組織に接触して用いるのに
適している化合物、材料、組成物および/または剤形を指すために用いられる。
【0144】 本明細書で用いる「薬剤として許容されうる塩」は、それらの酸または塩基の塩
を製造することにより親化合物が修飾された、開示化合物の誘導体を意味する。
薬剤として許容されうる塩の例には、アミンなどの塩基性残基の鉱酸または有機
酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが含まれるが、
それらに限定されるものではない。薬剤として許容されうる塩には、例えば、非
毒性の無機または有機酸から形成される親化合物の従来型の非毒性塩または四級
アンモニウム塩が含まれる。例えば、このような従来型の非毒性塩には、塩酸、
臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から誘導された
塩;酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リン
ゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸(pamoic)、マレイン酸、ヒ
ドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、ス
ルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマール酸、トルエンスルホン酸、メタ
ンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機塩から
調製された塩などが含まれる。
【0145】 本発明の薬剤として許容されうる塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物
から、従来型の化学的方法により合成することができる。このような塩は一般に
、遊離の酸または塩基形のこれらの化合物を、化学量論量の適当な塩基または酸
と、水もしくは有機溶媒、または両者の混合物中で反応させることによって調製
することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノ
ール、またはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適切な塩のリスト
は、Remington's Pharmaceutical Sciences、17版、Mack Publishing Company、
Easton、PA、1985、p.1418に見出され、その開示を参照により本明細書に組み込
む。
【0146】 薬剤として許容されうる坦体には、水性および非水性液体媒体、ならびに様々
な固形および半固形剤形が含まれる。このような坦体は、活性剤の他に多くの異
なる成分および添加物を含み、このような追加の成分は、当業者によく知られて
いる様々な理由、例えば活性剤の安定化のために製剤中に含められる。適当な薬
剤として許容されうる坦体についての説明、およびそれらの選択に関係する因子
は、容易に入手できる様々なソース、例えば、Remington's Pharmaceutical Sci
ences、17版、Mack Publishing Company、Easton、PA、1985に見出され、その内
容を参照により本明細書に組み込む。
【0147】 本発明の化合物は、例えば、水性デキストロースおよび食塩水溶液などの様々
な水性媒体で非経口的に投与される。グリコール溶液も有用な坦体である。非経
口投与用の溶液は、活性成分の水溶性の塩、適当な安定化剤と、必要ならば緩衝
物質を含むことが好ましい。単独あるいは混合した重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
ナトリウム、またはアスコルビン酸などの抗酸化剤は、適当な安定化剤である。
クエン酸およびその塩ならびにEDTAも使用することができる。さらに、非経口溶
液は、塩化ベンザルコニウム、メチルまたはプロピルパラベン、およびクロロブ
タノールなどの防腐剤を含有することができる。
【0148】 あるいは、化合物は、カプセル剤、錠剤および散剤などの固形剤形;またはエ
リキシル剤、シロップ剤、および/または懸濁剤などの液体剤形で経口的に投与
される。ゼラチンカプセルを用い、活性成分、およびラクトース、デンプン、ス
テアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはセルロース誘導体などであって
これらに限定されない適当な担体を含有することができる。同様の希釈剤を用い
、圧縮錠剤を製造することができる。錠剤とカプセル剤は共に、徐放製品として
製造し、数時間にわたる薬物の連続放出を提供することができる。圧縮錠剤を糖
衣またはフィルムコーティングして不快な味をマスクしたり、圧縮錠剤を用いて
錠剤を大気から保護したり、胃腸管内における選択的な崩壊を可能にすることが
できる。
【0149】 本明細書ではさらに、抗新生物治療を必要とする哺乳動物の細胞に本発明の化
合物を送達する方法であって、治療有効量の化合物を対応するペプチダーゼの存
在下に細胞と接触させることを含む方法を提供する。「治療有効量」は、特定の疾
患、障害または状態の症状、その進行、または基礎的徴候を改善、緩和、軽減ま
たは抑制するのに有効な化合物の量である。通常、in vivo治療の場合、治療有
効量は、治療する哺乳動物の体重1kgあたり化合物約0.1mgから約1000mg/kgであ
る。前記哺乳動物は、乳癌、卵巣癌、脳腫瘍、胃癌、肺癌、結腸癌、前立腺癌、
または肝臓癌、または白血病、リンパ腫、癌腫、肉腫、または黒色腫、ならびに
他の形の癌に苦しんでいる。
【0150】 本発明の結合された化合物は、癌の標的治療における化学療法剤として有用で
ある。例えば、癌の治療において、ペプチドおよび抗新生物剤を結合させて安定
な複合体を製造し、これを哺乳動物に投与し、非特異的酵素分解、例えばネプロ
ライシン(neprolysin)に対して安定に血流中を循環させることができる。結合は
また、抗新生物剤が組織、すなわち健康な非標的組織に対して効果を発揮する能
力を低下させる。従って、薬剤の毒性は、非結合の遊離形で使用するのに比べて
極めて減少する。しかしながら、膜結合型および/または細胞分泌型ペプチダー
ゼの1つまたは組合せによって抗新生物剤からペプチドが切断されると、周辺領
域における細胞に対する所望の治療効果を発揮できるように薬剤が放出される。
抗新生物剤からのアミノ酸の除去またはプロセッシングに複数のペプチダーゼが
関与することもあるが、これらの複合体を活性化するには開始するペプチダーゼ
切断事象が必要である。マトリキシンMMP-2、MMP-9およびMMP-14などのペプチダ
ーゼは腫瘍環境に見いだされる。したがって、抗新生物剤とマトリキシンまたは
MMP酵素切断可能なペプチドとの結合は、健康な非標的組織に対する薬剤の毒性
を軽減しながら、治療実体としての薬剤を腫瘍へ特異的に送達する新規な手段を
提供する。しかしながら、複合体はまた、最初のタンパク質分解性事象の生成物
が、抗新生物剤から残りのアミノ酸をさらに除去またはプロセッシングする、腫
瘍組織で発現されるアミノペプチダーゼに受け入れられる基質であるように設計
されている。このようなアミノペプチダーゼ、例えばジペプチジルアミノペプチ
ダーゼおよび中性アミノペプチダーゼが腫瘍組織で発現することが知られている
(Pasqualini)。したがって、本発明の化合物は、マトリックスメタロプロテアー
ゼによって最初のタンパク質分解性切断にあっても結合されていないDoxを生成
することを意図していないる。
【0151】 本発明のペプチド/抗新生物剤複合体は血漿中で安定であり、このような安定
性は、当技術分野でよく知られている多くの手段により、例えば様々な培地での
インキュベーションによって証明される(例えば、後述の実施例6を参照されたい
)。したがって、本発明の複合体は、哺乳動物に投与するための治療の実体とし
て効果的に用いることができる。マトリキシンおよびアミノペプチダーゼは、新
生細胞中で産生され、細胞またはそれらの周辺に見いだされることが知られてい
る。腫瘍の近傍に見いだすことができる内皮および間質性細胞も、腫瘍への治療
の実体の送達に寄与するペプチダーゼ活性を含むことがある。前述のように、こ
のようなマトリキシンおよびアミノペプチダーゼは、本明細書の細胞傷害性薬剤
に結合された酵素切断可能なペプチドを認識して切断し(後述の実施例7を参照さ
れたい)、ペプチドを完全な形態または切形の形態で、そして薬剤をアミノ酸が
結合していないか結合している状態で放出することが分かった。切断によって複
合体から細胞傷害性抗新生物剤が放出され、これにより抗新生物剤は新生物細胞
に対する有益な治療効果を発揮することができる。したがって、細胞傷害性薬剤
にマトリキシンまたはMMP酵素切断可能なペプチドを結合させると、健康な非標
的組織に対する薬剤の有害な影響を最小限に抑えながら、治療の実体としての薬
剤を腫瘍へ特異的に標的送達することができる。
【0152】 以下は、上記で引用した文書の書誌情報である。
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, Cancer Research
【0154】 別の実施形態では、本発明は、癌の治療を必要とする患者の癌を治療する方法
であって、前記患者に治療有効量の上記に記載の化合物、または薬剤として許容
されうるその塩を投与することを含む方法であり、癌が、膀胱癌、乳癌、結腸癌
、腎臓癌、肝臓癌、小細胞肺癌を含む肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、
胃癌、子宮癌、甲状腺癌、前立腺癌、扁平上皮癌を含む皮膚癌;白血病、急性リ
ンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホ
ジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞白血病およびバーキット(B
urkett's)リンパ腫を含むリンパ系の造血腫瘍;急性および慢性骨髄性白血病、
骨髄異形成症候群および前骨髄球性(promyelocytic)白血病を含む骨髄系の造血
腫瘍;線維肉腫および横紋筋肉腫を含む間葉性由来の腫瘍;星状細胞腫、神経芽
細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫を含む中枢および末梢神経系の腫瘍;黒色腫、
精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)、角化棘細
胞腫(keratoctanthoma)、甲状腺濾胞腺癌およびカポジ肉腫を含む他の腫瘍であ
る方法について記載する。
【0155】 別の実施形態では、本発明は、癌の治療を必要とする患者の癌を治療する方法
であって、前記患者に治療有効量の上記に記載の式(I)または(Ia)の化合物、ま
たは薬剤として許容されうるその塩を、放射線療法などの知られている抗癌治療
または細胞増殖抑制性もしくは細胞傷害性薬剤と併用して投与することを含む方
法について記載し、ここで細胞増殖抑制性および細胞傷害性薬剤は、シスプラチ
ンまたはドキソルビシンなどのDNA相互作用剤(interactive agent);エトポシド
などのトポイソメラーゼII阻害剤;CPT-11またはトポテカンなどのトポイソメラ
ーゼI阻害剤;パクリタキセル、ドセタキセルまたはエポチロン(epothilone)な
どのチューブリン相互作用剤(interacting agent);タモキシフェンなどのホル
モン性薬剤;5-フルオロウラシルなどのチミジレート(thymidilate)合成阻害剤
;およびメトトレキサート(methoxtrexate)などの代謝拮抗剤からなる群から選
択される。
【0156】 別の実施形態では、本発明は、癌の治療を必要とする患者の癌を治療する方法
であって、前記患者に治療有効量の上記に記載の式(I)または(Ia)の化合物、ま
たは薬剤として許容されうるその塩を、以下から選択される知られている抗増殖
剤と併用して投与することを含む方法について記載する:抗増殖剤は、アルトレ
タミン、ブスルファン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド
、メクロレタミン、メルファラン、チオテパ、クラドリビン、フルオロウラシル
、フロクスウリジン、ゲムシタビン、チオグアニン、ペントスタチン、メトトレ
キサート、6-メルカプトプリン、シタラビン、カルムスチン、ロムスチン、スト
レプトゾトシン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、イプロプ
ラチン、テトラプラチン(tetraplatin)、ロバプラチン(lobaplatin)、JM216、JM
335、フルダラビン、アミノグルテチミド、フルタミド、ゴセレリン、ロイプロ
リド、酢酸メゲストロール、酢酸シプロテロン、タモキシフェン、アナストロゾ
ール、ビカルタミド、デキサメタゾン、ジエチルスチルベストロール、プレドニ
ゾン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキシルビシン、
イダルビシン、ミトキサントロン、ロソキサントロン(losoxantrone)、マイトマ
イシン-c、プリカマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、CPT-11、エポチオ
ロン、トポテカン、イリノテカン、9-アミノカンプトテカン(camptothecan)、9-
ニトロカンプトテカン、GS-211、エトポシド、テニポシド、ビンブラスチン、ビ
ンクリスチン、ビノレルビン、プロカルバジン、アスパラギナーゼ、ペグアスパ
ルガーゼ(pegaspargase)、メトトレキサート(methoxtrexate)、オクトレオチド
、エストラムスチン、およびヒドロキシ尿素である。
【0157】 本明細書で用いる用語「有効量」は、所望の治療効果を生むのに有効な本発明に
よる化合物/組成物の量を意味する。
【0158】 本明細書で用いる用語「治療すること(treating)」は、(i)疾患、障害および/
または状態にかかりやすいが、今までのところかかっていないと診断されてきた
動物において疾患、障害または状態の発生を予防すること、(ii)疾患、障害また
は状態を抑制すること、すなわちその進行を止めること;および(iii)疾患、障
害または状態を緩和すること、すなわち疾患、障害および/または状態を後退さ
せることを指す。
【0159】 本明細書で用いる用語「患者」には、ヒトと他の哺乳動物が共に含まれる。
【0160】 本明細書で用いる用語「医薬組成物」は、式(I)または(Ia)の化合物および、薬
剤として許容されうる坦体、希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクル、
例えば防腐剤、増量剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤(f
lavoring agent)、着香剤(perfuming agent)、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および
調剤用薬剤(dispensing agent)を含む群から選択される少なくとも1個の成分を
、投与方法の性質および剤形に応じて含む組成物を意味する。懸濁化剤の例には
、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールお
よびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド
(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこ
れらの物質の混合物が含まれる。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤および抗
真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによ
って保証することができる。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを含むこと
も望ましい。注射用薬剤の持続性吸収は、吸収を遅らせる試剤、例えばアルミニ
ウムモノステアレートおよびゼラチンを使用することによって行うことができる
。適当な坦体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオ
ール、それらの適当な混合物、植物油(オリーブ油など)およびオレイン酸エチル
などの注射可能な有機エステルが含まれる。賦形剤の例には、ラクトース、乳糖
、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸リン酸二カルシウムが含まれる
。崩壊剤の例には、デンプン、アルギン酸およびある種の複雑なケイ酸塩が含ま
れる。滑沢剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、
タルク、ならびに高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。
【0161】 本発明は、以下の実施例を踏まえて読めばより一層理解されるはずである。し
かしながら、当業者が容易に理解するように、この実施例は、その後に続く特許
請求の範囲で定義される本発明を例示しているに過ぎない。
【0162】 (実施例) ペプチドの抗新生物化合物との結合 実施例00:Ac-PLGL-Doxの合成 ペプチド酸は、市販のFmoc-Leu-Wang樹脂(0.40 g、0.6 mmol)から固相で合成
した。合成は、Fmoc保護アミノ酸4当量およびHBTU活性化を用い、ABI 433Aペプ
チド合成装置で行った。ペプチド樹脂を無水酢酸でアセチル化した。TFAの90%
水溶液で2時間、樹脂からペプチドを切断した。溶媒除去後、ペプチドをH2O:CH 3 CNに溶かし、凍結乾燥した。生成物をES MS 496.3(M-H)によって確認した。Met
achem Monochrom C18逆相カラム(50×4.6 mm)による分析HPLCは、粗製のペプチ
ドの純度が85%であることを示した。小さな褐色ガラス瓶中でDMF(0.2 mL)に溶
かしたこの中間体(0.0199 g、0.04 mmol)に、Pybop(0.0208 g、0.04 mmol)を加
えた。ドキソルビシン塩酸塩(0.0186 g、0.032 mmol)をDMF(0.1 mL)懸濁液とし
て、続いてジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.0139 mL、0.08 mmol)を加えた
。反応物を2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。試料をH2O:CH3CNに溶か
し、Dynamax C18逆相カラム(41.4×250 mm)を用い、流速45 mL/分で20分間かけ
て30〜50%アセトニトリル、0.05%酢酸アンモニウムのリニアグラジエントで精
製した。分画を溜めて凍結乾燥すると、精製されたペプチド-Dox複合体(ES MS 9
64.6(M-H))が得られた。
【0163】 ドキソルビシン複合体の固相合成 実施例47:Ac-PLGLYL-Doxの合成 ペプチド酸は、市販のFmoc-Leu-Wang樹脂(0.42 g、0.25 mmol)から固相で合成
した。合成は、Fmoc保護アミノ酸4当量およびHBTU活性化を用い、ABI 433Aペプ
チド合成装置で行った。ペプチド樹脂を無水酢酸でアセチル化した。TFAの90%
水溶液で2時間、樹脂からペプチドを切断した。溶媒除去後、ペプチドをH2O:CH 3 CNに溶かし、凍結乾燥した。生成物をES MS 717.4(M+H)によって確認した。Met
achem Monochrom C18逆相カラム(50×4.6 mm)による分析HPLCは、粗製のペプチ
ドの純度が80%であることを示した。小さな褐色ガラス瓶中でDMF(0.2 mL)に溶
かしたこの中間体(0.0286 g、0.04 mmol)に、PyBop(0.0208 g、0.04 mmol)を加
えた。ドキソルビシン塩酸塩(0.0186 g、0.032 mmol)をDMF(0.1 mL)懸濁液とし
て、続いてジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.0139 mL、0.08 mmol)を加えた
。反応物を2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。試料をH2O:CH3CNに溶か
し、Dynamax C18逆相カラム(41.4×250 mm)を用い、流速45 mL/分で20分間かけ
て35〜55%アセトニトリル、0.05%酢酸アンモニウムのリニアーグラジエントで
精製した。分画を溜めて凍結乾燥すると、精製されたペプチド-Dox複合体(ES MS
1240.7(M-H))が得られた。
【0164】 実施例116:Ac-PLG-Hof-Orn-L-Doxの合成 ペプチド酸(Ac-PLG-Hof-Orn(アリル)-L-COOH)は、市販のFmoc-Leu-Wang樹脂(0
.28 g、0.25 mmol)から固相で合成した。合成は、Fmoc保護アミノ酸4当量および
HBTU活性化を用い、ABI 433Aペプチド合成装置で行った。ペプチド樹脂を無水酢
酸でアセチル化した。TFAの90%水溶液で2時間、樹脂からペプチドを切断した。
溶媒除去後、ペプチドをH2O:CH3CNに溶かし、凍結乾燥した。生成物をES MS 80
0.7(M+H)+、822.7(M+Na)+によって確認した。Metachem Monochrom C18逆相カラ
ム(50×4.6 mm)による分析HPLCは、粗製のペプチドの純度が90%であることを示
した。小さな褐色ガラス瓶中でDMF(2.0 mL)に溶かしたこの中間体(0.320 g、0.4
mmol)に、PyBop(0.204 g、0.4 mmol)を加えた。ドキソルビシン塩酸塩(0.148 g
、0.26 mmol)をDMF(1.0 mL)懸濁液として、続いてジイソプロピルエチルアミン(
DIEA)(0.28 mL、1.6 mmol)を加えた。反応物を2.5時間撹拌した。溶媒を真空中
で除去した。試料をH2O:CH3CNに溶かし、Phenomenex LUNA C18逆相カラム(250
×21.2 mm)を用い、流速18 mL/分で30分間かけて45〜55%アセトニトリル、0.0
5%酢酸アンモニウムのリニアグラジエントで精製した。分画を溜めて凍結乾燥
すると、精製されたAc-PLG-Hof-Orn(アリル)-L-Dox(ES MS 1325.4(M+H)+、911.4
(M+H-414)+)が得られた。側鎖保護ペプチド(0.076 g、0.06mmol)をAr2中で乾燥D
CM(7 mL)に溶かした。DCM(1 mL)に溶かした[(Ph3)P]4Pd(0.014 g、0.012 mmol)
と、続いてモルホリン(0.052 mL、0.6 mmol)を加えた。反応物を2時間撹拌し、H
PLCでモニターした。生成物をEtOACから沈殿させ、EtOAC(2×)で洗浄した。溶媒
をN2流で除去した。非保護複合体(Ac-PLG-Hof-OrnL-Dox)は、Phenomenex LUNA C
18逆相カラム(250×21.2 mm)を用い、流速18 mL/分で30分間かけて25〜40%ア
セトニトリル、0.05%酢酸アンモニウムのリニアグラジエントで精製した。分画
を溜めて凍結乾燥すると、精製された生成物(純度95%)(ES MS 1241.9(M+H)+、8
27.7(M+H-414)+)が得られた。
【0165】 ドキソルビシン複合体の代替固相合成 実施例11:Acp-PLGLL-Doxの合成 Acp=4-(2-アミノエチル)-1-カルボキシメチルピペラジン。Fmoc保護ペプチド
酸(Fmoc-Acp-PLGLL-COOH)は、市販のFmoc-Leu-Wang樹脂(1.6 g、1.0 mmol)から
固相で合成した。PLGLL-樹脂の合成は、Fmoc保護アミノ酸3当量およびHBTU活性
化を用い、ABI 433Aペプチド合成装置で行った。次いで、ペプチド樹脂の一部(0
.18 g、0.1 mmol)をDMF(2 mL)に溶かしたHBTU(0.152 g、0.4 mmol)およびDIEA(0
.143 mL、0.8 mmol)で2時間、Fmoc-Acp二塩酸塩(0.193 g、0.4 mmol)とカップリ
ングさせた。TFAの90%水溶液で2時間、樹脂からペプチドを切断した。溶媒除去
後、ペプチドをH2O:CH3CNに溶かし、凍結乾燥した。小さな褐色ガラス瓶中でDM
F(0.2 mL)に溶かしたこの中間体(0.036 g、0.04 mmol)に、PyBop(0.021 g、0.04
mmol)を加えた。ドキソルビシン塩酸塩(0.018 g、0.032 mmol)をDMF(0.1 mL)懸
濁液として、続いてジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.014 mL、0.08 mmol)
を加えた。反応物を2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。試料をH2O:CH3C
Nに溶かし、Phenomenex LUNA C18逆相カラム(250×21.2 mm)を用い、流速18 mL
/分で30分間かけて20〜50%アセトニトリル、0.05%酢酸アンモニウムのリニア
グラジエントで精製した。分画を溜めて凍結乾燥すると、Fmoc-Acp-PLGLL-Dox(E
S MS 1428.9(M+H)+、1014.7(M+H-414)+)が得られた。Fmoc保護ペプチド(0.020 g
、0.014 mmol)を、冷たいジエチルアミンの50%DCM溶液(6 mL)に溶かした。反応
物を遮光して0℃で3時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。DCMを加えて試料
を再び溶かし、真空中で4×除去した。試料をN2の流れでさらに乾燥した。次い
で、試料をHex:Et2O、1:1で5×洗浄し、続いて真空中および最後にN2の流れで
蒸発させた。試料を酢酸塩緩衝液:CH3CNに溶かし、Phenomenex LUNA C18逆相カ
ラム(250×21.2 mm)を用い、流速18 mL/分で35分間かけて15〜50%アセトニト
リル、0.05%酢酸アンモニウムのリニアグラジエントで精製した。分画を溜めて
凍結乾燥すると、精製された(純度90%)Acp-PLGLL-Dox(ES MS 1207(M+H)+、793(
M+H-414)+)が得られた。
【0166】 非天然アミノ酸を化学療法剤、例えばドキソルビシンとカップリングさせる本
発明の実施例の場合、必要な固体支持体が市販されていないことがしばしばある
。以下の実施例は、これらの場合に修飾支持体をどのように調製するかを説明し
ている。
【0167】 実施例182:Ac-PLG-Hof-Y-Hol-Doxの合成 非天然アミノ酸の固体支持体とのカップリング トリフェニルホスフィン(4.78 g、18.25 mmol)をDMF(100 mL)に溶かし、溶液
を0℃まで冷却した。Wang樹脂(5.2 g、4.45 mmol)を加え、反応物を10分間撹拌
し、続いて四臭化炭素(6.06 g、18.25 mmol)を加えた。反応物を5時間撹拌した
。樹脂を洗浄して乾燥した。樹脂の一部(0.281 g、0.25 mmol)をDMF(2.5 mL)中
で膨潤させ、Fmoc-Hol(0.138 g、0.375 mmol)と、続いてDIEA(0.065 mL、0.375
mmol)およびヨウ化セシウム(0.065 g、0.25 mmol)を加えた。反応物を一夜振動
させた。樹脂を洗浄し、反応の完了をニンヒドリン試験によって確認した。次い
で、樹脂を次のカップリングのためにペプチド合成装置に移した。ドキソルビシ
ンとのカップリングは、実施例47と同様に行った。Ac-PLG-Hof-Y-Hol-Dox(ES MS
1326.3(M+Na)+、890.4(M+H-414)+)。
【0168】
【化7】
【0169】 複合体の液相合成 実施例104:Ac-Pro-Leu-Gly-Hof-Gly(モルホリニルプロピル)-Leu-Doxの合成(
スキーム2) (ステップ1a):Z-Leu-OH(2.65 g、10 mmol)、H-Gly-OtBu塩酸塩(1.7 g、10 mm
ol)およびEDCI(2.3 g、12 mmol)のCH2Cl2 200 mL混合物にジイソプロピルエチル
アミン(3.0 mL)を0℃でゆっくりと加えた。得られた混合物をこの温度で30分間
、室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物をCH2Cl2で希釈し、1N HCl溶液、
飽和NaHCO3、水および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。濾過および濃縮後、
所望のジペプチドZ-Leu-Gly-OtBuが白色の固体として得られた(3.75 g、> 95%)
。MS実測値(M+1)+ 379.2。
【0170】 (ステップ1b):(ステップ1a)から得られたジペプチド(3.75 g、10 mmol)をメ
タノール(200 mL)に溶かし、混合物を、触媒量のPd/C(0.1 mol%)およびHClの4N
ジオキサン溶液数滴の存在下に1気圧で3時間、水素添加した。反応混合物を濾過
し、濃縮して乾燥した。
【0171】 上記で得られたアミンをCH2Cl2(500 mL)に溶かし、この混合物にAc-Pro-OH(1.
57 g、10 mmol)、EDCI(2.3 g、12 mmol)、触媒量のHOBT (100 mg)、およびジイ
ソプロピルエチルアミン(4.0 mL)を加えた。混合物を室温で3.5時間撹拌した。
次いで、反応混合物をCH2Cl2で希釈し、1N HCl溶液、飽和NaHCO3、水および食塩
水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。シリカゲルのクロマトグラフィ(EtOAcの20%ヘ
キサン溶液)により、所望のトリペプチドAc-Pro-Leu-Gly-OtBuが白色の固体とし
て得られた(3.63 g、95%)。MS実測値(M+1)+ 384.3。
【0172】 (ステップ1c):(ステップ1b)から得られたトリペプチド(3.63 g、9.5 mmol)を
CH2Cl2(100 mL)に溶かし、TFA(100 mL)を0℃でゆっくりと加えた。混合物を0℃
で15分間、室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させると、所望の酸Ac-Pro-Leu-Gl
y-OHが白色の固体として得られた(3.08 g、> 95%)。MS実測値(M+1)+ 328.2。
【0173】 (ステップ2a):Z-Glu-OtBu(3.0 g、8.9 mmol)、モルホリン(2.0 mL、23 mmol)
、EDCI(2.22 g、11.6 mmol)、触媒量のHOBT (50 mg)、およびジイソプロピルエ
チルアミン(2.0 mL)のTHF(60 mL)混合物を室温で3時間撹拌した。大部分の溶媒
を除去し、残渣をEtOAc(100 mL)に溶かし、1N HCl溶液、飽和NaHCO3、水および
食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を蒸発させると、所望の化合物が白色
の固体として得られた(3.6 g、> 95%)。MS実測値(M+1)+ 407.2。
【0174】 (ステップ2b):(ステップ2a)からの材料(3.5 g、8.62 mmol)をTHF(50 mL)に溶
かした。この混合物に、BH3 THF(1.0 M、10 mL)を加え、得られた混合物を還流
しながら1.5時間、室温で30分間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をEtOAc(100 mL)
に溶かし、飽和NaHCO3、水および食塩水で洗浄した。シリカゲルのクロマトグラ
フィ(EtOAcの60%ヘキサン溶液)により、所望のZ-Gly(モルホリニルプロピル)-O
tBuが白色の固体として得られた(2.7 g、81%)。MS実測値(M+1)+ 393.1。
【0175】 (ステップ2c):(ステップ1c)に類似した手順に従い(2.7 g、6.89 mmol)、(ス
テップ2b)からの材料をTFAで処理すると、酸Z-Gly(モルホリニルプロピル)-OHが
白色の固体として得られた(2.3 g、> 95%)。MS実測値(M-1)- 335.1。
【0176】 (ステップ2d):(ステップ2c)から得られた材料(392 mg、1.0 mmol)をDMF(10 m
L)に溶かした。この混合物に、H-Leu-OMe塩酸塩(182 mg、1.0 mmol)、BOP(442 m
g、1.0 mmol)、およびDIEA(0.52 mL、3.0 mmol)を加えた。得られた混合物を室
温で2時間撹拌した。大部分の溶媒を除去し、残渣をEtOAc(80 mL)で希釈し、1N
HCl溶液、飽和NaHCO3、水および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。HPLC精製(C
NCH3/H2O)後、所望のジペプチドZ-Gly(モルホリニルプロピル)-Leu-OMeが白色の
固体として得られた(393 mg、85%)。MS実測値(M+1)+ 464.6。
【0177】 (ステップ2e):(ステップ2d)から得られたジペプチド(393 mg、0.85 mmol)を
メタノール(100 mL)に溶かし、混合物を、触媒量のPd/C(0.1 mol%)およびHClの
4Nジオキサン溶液数滴の存在下に1気圧で3時間、水素添加した。反応混合物を濾
過し、濃縮して乾燥した。
【0178】 (ステップ2d)に類似した手順に従い、上記からの材料をBoc-Hof-OHとカップリ
ングさせると、所望のトリペプチドBoc-Hof-Gly(モルホリニルプロピル)-Leu-OM
eが白色の固体として得られた(381 mg、76%)。MS実測値(M+1)+ 591.4。
【0179】 (ステップ2f):(ステップ1c)に類似した手順に従い、(ステップ2e)から得られ
た材料(381 mg、0.65 mmol)をTFAで処理すると、対応するアミンが得られた。MS
実測値(M+1)+ 491.4。
【0180】 (ステップ2d)に類似した手順に従い、上記からの材料をトリペプチドAc-Pro-L
eu-Gly-OHとカップリングさせると、所望のヘキサペプチドAc-Pro-Leu-Gly-Hof-
Gly(モルホリニルプロピル)-Leu-OMeが白色の固体として得られた(437 mg、84%
)。MS実測値(M+1)+ 800.5。
【0181】 (ステップ2g):(ステップ2f)から得られた材料(400 mg、0.5 mmol)のTHF(5 mL
)溶液に、0℃で1N LiOH溶液(5 mL)を加えた。この温度で3時間撹拌した後、反応
混合物を1N HCl(5 mL)でpH 5の酸性にした。溶媒を除去し、混合物をHPLC(CNCH3 /H2O)により精製した。所望のヘキサペプチドが白色の固体として得られた(337
mg、86%)。MS実測値(M-1)- 784.5。
【0182】 (ステップ2h):(ステップ2g)から得られた材料(39 mg、0.05 mmol)のDMF(5 mL
)溶液に、0℃でBOP(27 mg、0.06 mmol)およびDIEA(0.05 mL)を加えた。この温度
で5分間撹拌した後、ドキソルビシン塩酸塩(30 mg、0.05 mmol)を上記混合物に
加えた。得られた混合物を0℃で1時間、室温で2時間、暗所で撹拌した。大部分
の溶媒を除去し、残渣をHPLC[CH3CN(0.1% NH4Ac)/H2O(0.1% NH4Ac)]により精
製した。MS実測値(M-1)- 1309.1。(注:所望の質量を有する2本のHPLCピークが
ある。これらは、カップリング中のラセミ化による2個のジアステレオマーと思
われる。)
【0183】
【化8】
【0184】 重要な化学療法剤であるパクリタキセルの選択的アシル化については合成方法
が文献で知られている。例えば、L-アラニンがパクリタキセルの2′ヒドロキシ
ルに導入されている(Sundfor、1998)。エステルが最適以下の安定性の特性を有
することが明らかな場合には、カルバミン酸エステルをベースとするリンカー戦
略がより安定な複合体を生み出すことが当技術分野では知られている(de Groot)
。この方法論は、プラスミンを用いてパクリタキセルを腫瘍に送達するために以
前から用いられてきた。しかしながら、本発明で開示されるようなペプチド配列
の適切なエンジニアリングにより、MMPによって切断可能な複合体が生成される
はずである。
【0185】
【化9】
【0186】 文献で明らかなように、ペプチドをビンブラスチンおよびビンクリスチンなど
のビンカアルカロイドに結合させることができる。例えば、ビンブラスチンのカ
ルボメトキシ基を選択的に活性化し、ペプチド鎖のN末端に結合させることがで
きる(Kandukuri)。当業者は、この技術を本発明のペプチド配列と組合せ、MMPで
切断可能なビンカアルカロイド複合体を生成することができるであろう。
【0187】 実施例1000:血液における複合体の安定性の評価 ヒトまたはヌードマウス血液におけるドキソルビシン結合ペプチドの安定性は
、80%アセトニトリル抽出後の蛍光検出による逆相HPLCで評価した。個々のペプ
チドは、CaCl2(10 mM)、Brij-35(0.1%)を含むHepes緩衝液pH 7.5(50 mM)で60μ
モル溶液として調製し、続いて新鮮なヘパリン添加全血または緩衝液で10μモル
に希釈する。溶液をゆっくりと絶え間なく振動させながらインキュベート(37℃)
する。1分から24時間の指定された時間にアセトニトリル200μl中にボルテック
スすることにより反応物50μlを停止させる。短時間の遠心分離(1 min、14,000
×g)で沈殿をペレットにした後、アセトニトリルを集め、窒素の流れの中で蒸発
乾固させる。抽出試料をアセトニトリル50μlと、続いて蒸留水100μlに再懸濁
し、HPLC自動注入器のバイアルに移す。Nova-Pak C18カラム(3.9×150 mm:WAT0
86344、Waters Corp. Milford、Ma)を用い、33.3から77.7%までのアセトニトリ
ル、0.1%TFAの12分のリニアグラジエントで流速1 ml/minを用いて試料のカラム
クロマトグラフを行う。480 nmの励起、580 nmの放射をモニターする走査型蛍光
検出器(# 474 、Waters Corp)が当該ピークのAUCを定量する。総量は、マッチン
グ条件の下で作成された標準曲線から外挿する。結果を下表1に示す。
【0188】
【表18】
【0189】 MMPおよびネプリライシン基質としての複合体の評価 本発明の化合物は、特定のMMPにとって良好な基質でなければならないが、腫
瘍環境のみで発現するわけではない関連プロテアーゼの基質であってはならない
。このような好ましからざるプロテアーゼ活性の例は、いくつかのヒト腫瘍細胞
株において主要なメタロプロテアーゼとして同定されるネプリライシンである。
ネプリライシンは、腎臓、マクロファージ、および脳組織で発現する(Li他)。腫
瘍組織に対する複合体のターゲッティングを増強するため、MMPおよびネプリラ
イシンの基質として複合体を試験した。本発明の化合物は、関連するMMPを用い
てアッセイした場合にはkcat/Km > 1000 mM-1s-1を有し、ネプリライシンを用い
てアッセイした場合にはkcat/Km < 1000 mM-1s-1を有する。
【0190】 実施例1001 ドキソルビシン−ペプチド複合体のMMPおよびネプリライシンによる切断 ドキソルビシン−ペプチド複合体をDMSOに溶かして10 mMとした。複合体を、
まずメタロプロテアーゼ反応緩衝液(50 mM Hepes pH 7.5、0.1%Brij 35、10 mM
CaCl2)で10 μMまで希釈した。MMP2、9、もしくは14、またはネプリライシンを
、メタロプロテアーゼ反応緩衝液と400 mM NaClで最終濃度10 μMまで希釈した
。反応容積1 ml中、dox-複合体をメタロプロテアーゼ反応緩衝液で1 μMまで希
釈した。反応物を37℃で平衡化した。2 nM MMP-9、または4 nM MMP-2、または2.
5 nM MMP-14、または10 nMネプリライシンの酵素を加え、反応を開始した。指示
された時点(0、5、10、15、20、30、40、50、60分)で部分標本100 μlを抜き取
り、0.5 M EDTA 10 μlでクエンチした。複合体および生成物は、Waters Allian
ce HPLCシステム(474走査型蛍光検出器を備えた2690セパレーションモジュール)
の逆相HPLCにより分離した。試料20μlを、3.9 mm×150 mm Waters C18 Novapak
カラムに導入し、1 ml/分で、12分間の27%から63%までのアセトニトリル/0.1
%TFAグラジエントで溶出した。ドキソルビシンを含むピークは、480 nMの励起
、580 nMの放射で蛍光により検出した。ピーク面積を積算し、基質のピーク面積
を時間に対してプロットした。データは、y = A0e[-kt]の単一指数減衰曲線(sin
gle exponential decay curve)に一致した。A0は、基質ピークの面積yの初期値
であり、kは、反応の速度定数である。反応は一次条件(基質≪Km)で進行するこ
とから、kcat/Km は、kcat/Km = k/[Et]から計算することができる。結果を表2
に示す。
【0191】
【表19】
【0192】 実施例1002 アミノペプチダーゼ基質としての複合体の評価 複合体を1 nM MMP2と共に、50 mM HEPES、10 mM CaCl2、0.1%Brij、pH 7.5中
、37℃で3時間インキュベートし、MMP後生成物であるLYL-Doxを生成させた。次
いでアミノペプチダーゼN(Boehringer Mannheim #102 768)を12.5 m単位/mlまで
加え、MMP後プロセシングを開始した。様々な時間(3、6、9、15、20、30、およ
び100分)後に反応混合物の部分標本(0.045 mL)を取り出し、0.5 mM EDTA 0.005
mlと共に管に加えてアミノペプチダーゼ活性を阻害した。各時間の部分標本の半
分を、表3に概略を示すグラジエントを用い、流速1 ml/minでNovapak C18カラム
(3.9 mm×150 mm)により分離した。HPLCグラジエントの場合、溶媒Aは、14 mM N
aPi、0.5 mMトリエチルアミン、pH 4.2であり、溶媒Bは、50%A、50%アセトニ
トリルであり、溶媒Cはアセトニトリルである。分画の組成は、積算したピーク
面積を用いて決定した。
【0193】
【表20】
【0194】 実施例1003 複合体の細胞傷害性の評価 複数のMMPを発現するHT1080細胞株に対する細胞傷害性効果について複合体を
試験した。細胞は、活性MMPの発現で著しく変化することがある。したがって、
ある細胞株は、ある複合体の評価にとって最適でないかもしれない。培養液中の
HT1080細胞は、著しいMMP 2、9、および14のレベルを有するため、この酵素の基
質である複合体の評価には特に適している。
【0195】 細胞株は、10%ウシ胎仔血清(FBS)を含有するEarl's塩を含む組織MEM中で成長
させた。1日目には、前もってゼラチン−セファロースカラムに通すことによっ
てウシゼラチナーゼを取り去った10%FBSを含有する細胞培養培地200 ul中、96
ウエルプレートに500個の細胞を接種した。2日目には、ペプチジル−ドキソルビ
シン複合体および対照としてドキソルビシンをプレートに加えた。細胞は、組織
培養細胞インキュベータ中、37℃、5%CO2で3日間インキュベートした。製造者
の指示書(ref)を用い、それぞれのマイクロプレートウエルにMTS試薬を加えた。
プレートを37℃、5%CO2で2時間インキュベートした。プレートは、490 nMでMol
ecular Devices Spectropmax 250プレートリーダーで読み取った。次いで、それ
ぞれのウエル中の細胞の生存率を試験化合物のそれぞれの濃度について算出し、
化合物を加えていない対照ウエルと比較した。本発明の代表的化合物は、この検
定法で殺細胞EC50</=10μMを示した。より好ましい本発明の代表的化合物は、殺
細胞EC50<1μMを示した。
【0196】
【表21】
【0197】 あるいは、活性な細胞傷害性薬剤の送達は、複合体を細胞とインキュベートす
ることおよび活性分子種のレベルをHPLCで分析することにより評価することがで
きる。この評価方法の例は以下の通りである。
【0198】 実施例1004:HT1080培養液によるプロセッシングの分析 活発に成長するHT1080細胞を、10%血清を含むDMEM中、ウエルあたり2×105
の細胞で12ウエルプレートに接種する。翌日には、培地を除去し、細胞をPBSで2
回洗浄する。次いで、0.1%BSAを含有するDMEM 1.5、1 μM Ac-PLG-HofK(Me2)L-
Dox、および40 nM PMAをそれぞれのウエルに加えた。MMPに起因するプロセシン
グの量が決定できるように、いくつかの試料に広範なスペクトルのMMP阻害剤を
加えた。指定された時間に部分標本0.1 mlを取り出し、アセトニトリル0.4 mlに
加え、ボルテックスし、2分間遠心分離した。澄んだ上清0.4を取り出し、窒素流
を用いて乾燥した。乾燥したペレットをHPLC緩衝液A 0.12 mlに懸濁し、実施例1
000と同様に分析した。
【0199】 典型的な分析の結果を表5に要約して示す。この実験で用いた時間では、L-Dox
が唯一の検出可能な代謝物であった。HofK(Me2)L-DoxおよびK(Me2)L-Doxが検出
されなかったのは、それらが速やかにL-Doxに変換するためである。その後でL-D
oxからDoxが生成する。プロセシングはMMP阻害剤により極めて低下し、これはMM
Pがこれらの細胞における主要なプロセシング酵素であることを示している。
【0200】
【表22】
【0201】 実施例1005:心臓および血漿組織に関連するHT1080異種移植片におけるDoxの
優先的蓄積を評価するために設計されたクロマトグラフ検討を以下に記載する。
【0202】 複合体投与および組織採取 腫瘍異種移植片(tumor xenograft fragment)からの実験未使用スイスヌードマ
ウスにHT1080腫瘍を移植し、in vivoで1週間成長させる。実験用のDox-複合体は
、N,N-ジメチル-アセトアミド(DMAC)に溶かし、次いで水で希釈して、10%DMAC
の所望の複合体濃度が得られる。次いで、複合体溶液0.2 mlを尾静脈に注入する
。注入後様々な時間に3匹のマウスをCO2で麻酔し、心臓穿刺によってクエン酸ナ
トリウム0.1 mlの入った注射器に血液を採取する。血液をマイクロフュージ管に
移し、エッペンドルフ遠心機で2分間遠心分離する。次いで、血漿0.3 mlを新た
な管に移し、液体窒素を用いて冷凍する。死後は、腫瘍、左の腎臓、および心臓
を取り出し、液体窒素を用いて冷凍する。組織は、抽出するまで-80Cで保存する
【0203】 組織抽出 試料を解凍、秤量してハサミで細かく刻み、冷たいクエン酸処理マウス血漿(C
ocalico Biological(#30-0931))を加える。氷で冷やしたスラリを、Ultra-Turre
xホモジナイザーで約1分間均質化し、次いで、0.5 mlをマイクロフュージ管に移
す。均質化直後に33%硝酸銀溶液0.1 mlを加える。次いで、アセトニトリル0.5
mlを加え、得られる混合物を短時間ボルテックスし、15分間混ぜ合わせ、5分間
遠心分離する。上清を新たな管に移し、37度Cで窒素流で乾燥し、-80度Cで保存
する。
【0204】 抽出試料中のDoxおよびDox含有化合物の分離、同定および定量 アセトニトリル0.06 mlを、解凍、乾燥した試料に加え、短時間ボルテックス
した。次いで緩衝液A 0.6 mlを加えて短時間ボルテックスし、続いて水浴中で1
分間超音波処理する。試料を10分間遠心分離して不溶の材料を除去し、澄んだ上
清を緩衝液A 60 ULで希釈し、注入時のHPLC緩衝液の組成に合わせる。次いで、
流速1 ml/minでNovapak C18カラム(3.9×150 mm)に注入し、以下のグラジエント
で溶出する。
【0205】
【表23】
【0206】 マウス組織からの試料は通常、親複合体、基準のLeu-Doxおよびドキソルビシ
ンと同じように移動する3本の主ピークを示す。これらの分子種の量を算出する
ため、組織試料からのピーク面積を、Dox標準曲線から誘導された式を用いてpmo
l/注入に変換する。次いで、pmol/注入の値に2.4を乗じるとpmol/試料が得ら
れる。pmol/試料の値を、分析した組織質量(血漿=0.3 ml、腫瘍=0.086 mg、
心臓、腎臓、肝臓=0.042 mg)で割ると、pmol/質量が得られる。次いで、それ
ぞれの時間および組織からの3試料について平均および標準誤差をpmol/質量値
から算出する。濃度−時間曲線、PKパラメータ、および関連組織分布は、これら
の平均pmol/質量値から決定される。
【0207】 本明細書に記載した方法を用い、本発明の追加の実施例を調製し、上記の実施
例に記載した方法を用いて評価した。本発明の代表例を表6aから6gに示す。
【0208】
【表24】
【0209】
【表25】
【0210】
【表26】
【0211】
【表27】
【0212】
【表28】
【0213】
【表29】
【0214】
【表30】
【0215】
【表31】
【0216】
【表32】
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 5/02 C07K 5/02 5/04 5/04 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AT,AU,BR,CA,CH,CN,CZ,DE, DK,EE,ES,FI,GB,HU,IN,JP,K R,LT,LU,LV,MX,NZ,PL,PT,RO ,RU,SE,SG,SI,SK,UA,VN,ZA (72)発明者 チャールズ エフ.オルブライト アメリカ合衆国 19382 ペンシルベニア 州 ウェスト チェスター ジェネラル スティーブンス ドライブ 1004 (72)発明者 アンドリュー ピー.コムズ アメリカ合衆国 19348 ペンシルベニア 州 ケネット スクエア イースト ドー ラン ロード 329 (72)発明者 ラディン エル.ダウリング アメリカ合衆国 19809 デラウェア州 ウィルミントン ローア アベニュー 200 (72)発明者 ニルサ アール.グラチアーニ アメリカ合衆国 19809 デラウェア州 ウィルミントン エー.プライアー ロー ド 2207 (72)発明者 ウェイ ハン アメリカ合衆国 19711 デラウェア州 ニューアーク スプリングブルック レー ン 17 (72)発明者 シー.アン ヒグレー アメリカ合衆国 19702 デラウェア州 ニューアーク バラド ドライブ 17 (72)発明者 パール エス.フアン アメリカ合衆国 19446 ペンシルベニア 州 ランズデール トロクセル ロード 700 (72)発明者 エディー ダブリュー.ユー アメリカ合衆国 19350 ペンシルベニア 州 ランデンベルグ アルテムス ドライ ブ 9 (72)発明者 スーザン ヴイ.ディメオ アメリカ合衆国 19809 デラウェア州 ウィルミントン クレイトン アベニュー 406 Fターム(参考) 4C076 AA95 CC41 EE41 EE59 FF67 4C086 AA01 EA10 MA02 MA05 NA05 NA06 NA10 NA15 ZB26 4H045 AA10 AA30 BA13 BA14 EA20 FA34 FA58 FA61 GA25

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)の化合物、または薬剤として許容されうるその塩の形
    態。 Ecp-A (I) [式中、 Ecpは、Aに結合された酵素切断可能なペプチドであり、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-;および Cap-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-から選択され、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、Chg、Fph、Npa、Tzc、またはプロリン模倣
    体であり、 Xa2は、アミノ酸であり、 Xp1は、Gly-Xp1-または-Sar-Xp1-が、マトリキシンにより切断可能な結合を形
    成するアミノ酸であり、 Xp2は、アミノ酸であり、 Xp3は、アミノ酸であり、 Laaは、Leu、Ile、Nle、β-ホモ-Leu、Hol、Hos、Ala、α-Ala、Cha、Cba、Cb
    a、Cta、4-ピリジル-Ala、3-ピリジル-Ala、2-ピリジル-Ala、Gly、Abu、Aib、I
    va、Nva、Ahx、Aph、Amh、Phe、Bip、Glu、Arg、Trp、Tyr、O-(C1〜C4アルキル)
    -Tyr、O-(フェニル(C1〜C4アルキル)-)-Tyr、(C3〜C8アルキル)-Gly、およびア
    ミノアルキルカルボン酸から選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、アミノ酸であり、 Rは、アミノキャッピング基であり、 Aは、抗新生物剤である。]
  2. 【請求項2】 Aが、ドキソルビシン、ドキソルビシン誘導体、またはドキ
    ソルビシン類縁体であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 Aがドキソルビシンであることを特徴とする、請求項2に記
    載の化合物。
  4. 【請求項4】 式(Ia)の請求項3に記載の化合物、または薬剤として許容さ
    れうるその塩の形態。 【化1】 [式中、 Ecpは、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Sar-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-;および Cap-Sar-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、Chg、Fph、Npa、Tzc、またはプロリン模倣
    体であり、 Xa2は、アミノ酸であり、 Xp1は、-Gly-Xp1-または-Sar-Xp1-が、マトリキシンにより切断可能な結合を
    形成するアミノ酸であり、 Xp2は、アミノ酸であり、 Xp3は、アミノ酸であり、 Laaは、Leu、Ile、Nle、β-ホモ-Leu、Hol、Hos、Ala、α-Ala、Cha、Cba、Cb
    a、Cta、4-ピリジル-Ala、3-ピリジル-Ala、2-ピリジル-Ala、Gly、Abu、Aib、I
    va、Nva、Ahx、Aph、Amh、Phe、Bip、Glu、Arg、Trp、Tyr、O-(C1〜C4アルキル)
    -Tyr、O-(フェニル(C1〜C4アルキル)-)-Tyr、(C3〜C8アルキル)-Gly、およびア
    ミノアルキルカルボン酸から選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、アミノ酸であり、 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)-(CH2)vC(=O)-(式中、vは、1、2、3、4、5、または6である); H3CO-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 HO2CCH2O-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 H2N-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、および H3CC(=O)HN-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-(式中、tは、1、2、3、または4である)、 R1-C(=O)-; R1-S(=O)2-; R1-NHC(=O)-; R1a-CH2C(=O)-; -OR3で置換されたプロリン; 0〜1個のR4で置換されたC1〜C4アルキル; 2-カルボキシフェニル-C(=O)-;および -(O=)C-フェニル-C(=O)-から選択され、 R1は、-OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で
    置換されたC3〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
    ;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
    子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OH、メトキシまたは-CO2Hで置換
    されている); -OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で置換
    されたフェニルまたは 0〜4個のR1aで置換されたC1〜C6アルキルであり、 R1aは、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2
    -SO3H; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
    ;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
    子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている); メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたフ
    ェニルであり、 R2は、-H、H2N(C2〜C4アルキル)-、アセチル(H)N(C2〜C4アルキル)-、または
    アセチルであり、 R3は、-H、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、フェニル、またはベンジ
    ルであり; R4は、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
    ;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
    子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている);または メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC6 〜C10炭素環である。]
  5. 【請求項5】 式(Ia)の請求項4に記載の化合物、または薬剤として許容さ
    れうるその塩の形態であって、 Ecpは、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、Chg、Fph、Npa、Tzc、またはプロリン模倣
    体であり、 Xa2は、アミノ酸であり、 Xp1は、-Gly-Xp1-が、マトリキシンにより切断可能な結合を形成するアミノ酸
    であり、 Xp2は、アミノ酸であり、 Xp3は、アミノ酸であり、 Laaは、Leu、Ile、Nle、β-ホモ-Leu、Hol、Hos、Ala、β-Ala、Cha、Cba、Cb
    a、Cta、4-ピリジル-Ala、Abu、Aib、Iva、Nva、Phe、Bip、Tyr、O-ベンジル-Ty
    rから選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、アミノ酸であり、 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)-(CH2)vC(=O)-(式中、vは、1、2、3、または4である); H3CO-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 HO2CCH2O-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 H2N-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、および H3CC(=O)HN-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-(式中、tは、1、2、または3である)、 R1-C(=O)-; R1-S(=O)2-; R1-NHC(=O)-; R1a-CH2C(=O)-; -OR3で置換されたプロリン; 0〜1個のR4で置換されたC1〜C4アルキル; HO3SCH2CH(NH2)C(=O)-; 2-カルボキシフェニル-C(=O)-;および -(O=)C-フェニル-C(=O)-から選択され、 R1は、-OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で
    置換されたC3〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
    ;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
    子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OH、メトキシまたは-CO2Hで置換
    されている); -OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で置換
    されたフェニルまたは 0〜4個のR1aで置換されたC1〜C6アルキルであり、 R1aは、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2
    -SO3H; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
    ;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
    子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている); メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたフ
    ェニルであり、 R2は、-H、H2N(C2〜C4アルキル)、アセチル(H)N(C2〜C4アルキル)、またはア
    セチルであり、 R3は、-H、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、フェニル、またはベンジ
    ルであり; R4は、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
    ;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
    子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている);または メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC6 〜C10炭素環であるもの。
  6. 【請求項6】 -Gly-Xp1-が、MMP-2、MMP-9、およびMMP-14から選択される
    マトリキシンにより切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項5に記
    載の化合物。
  7. 【請求項7】 -Gly-Xp1-が、MMP-2およびMMP-9から選択されるマトリキシ
    ンにより切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項5に記載の化合物
  8. 【請求項8】 -Gly-Xp1-が、マトリキシンMMP-14により切断可能な結合を
    形成することを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 -Gly-Xp1-が、MMP-2、MMP-9、およびMMP-14により切断可能
    な結合を形成することを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 式(Ia)の請求項5に記載の化合物、または薬剤として許容
    されうるその塩の形態であって、 Ecpは、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-; Cap-Gly-Xp1-Xp2-Xp3-Laa-から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 ここで-Gly-Xp1-は、マトリキシンにより切断可能な結合を形成するもので
    あり、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、Chg、Fph、Npa、Tzc、または下式のプロリ
    ン模倣体であり、 【化2】 ここで、R5は、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル、-OH、C1〜C6アルコキシ、お
    よびベンジルオキシから選択され;nは、2、3、4、または5であり、 Xa2は、Hof、Leu、His、Arg、Gln、Ile、Val、Lys、(R)-Leu、Orn、β-Ala、
    γ-Abu、Cha、Chg、Dap、Cit、N-メチル-Leu、バレロラクタム、N,N-ジメチル-L
    ys、4-アザ-Phe、モルホリニルプロピル-Gly、N-メチルピペラジンプロピル-Gly
    、4-アザ-Hof、Ala、Asn、Asp、Aze、Cys、Glu、Gly、Hyp、Irg、Met、Phe、Phe
    (4-フルオロ)、Pro、Sar、Ser、Thr、Trp、Tyr、Cya、Hca、およびSpaから選択
    されるアミノ酸であり、 Xp1は、Hof;Leu;Bip;Phe;ノル-Leu;Tha;Phg;Val;Glu;Asn;Ser;Ala
    ;ホモ-Tyr;Aze;4-アザ-Hof;O-(3-ピリジル)-Tyr;O-(4-ピリジル)-Tyr;O-
    ベンジル-Tyr;O-ベンジル-Thr;O-ベンジル-Ser;O-メチル-Ser;O-アリル-Ser
    ;4-ニトロ-Hof;N-メチル-Leu;O-(4-ピリジルメチル)-Tyr;4-ヒドロキシ-フ
    ェニル-Gly;フェニルプロピル-Gly;スチリル-Ala、または2Nalから選択される
    アミノ酸であり、 Xp2は、Tyr;Ala;Ser;Leu;Gln;Val;Glu;His;Lys;Arg;Orn;Aze;Hof
    ;ホモ-Tyr;Cit;4-アザ-Phe;N,N-ジメチル-Lys;Dab;Dap;Asn、Asp、Aze、
    Cha、Cys、Gly、Hyp、Ile、Irg、Met、Phe、Phe(4-フルオロ)、Pro、Sar、Thr、
    Trp、Cya、Hca、Spa、モルホリニルプロピル-Gly;O-(4-ピリジルメチル)-Tyr;
    およびN-メチルピペラジンプロピル-Glyから選択されるアミノ酸であり、 Xp3は、Tyr、Ala、Ser、Leu、Hof、Arg、Asn、Asp、Aze、Cha、Cys、Dpa、Gln
    、Glu、Gly、His、Hyp、Ile、Irg、Lys、Met、Orn、Phe、Phe(4-フルオロ)、Pro
    、Sar、Thr、TrpおよびValから選択されるアミノ酸であり、 Laaは、Leu、Ile、Nle、β-ホモ-Leu、Hol、Hos、Ala、β-Ala、Cha、Cba、Cb
    a、Cta、4-ピリジル-Ala、Abu、Aib、Iva、Nva、およびPheから選択されるアミ
    ノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、Gly、Pro、γ-Glu、Dmg、Ala、Arg、Asn、Asp、β-Asp、Aze、Cha、C
    ys、Dpa、Gln、Glu、His、Hyp、Ile、Irg、Leu、Lys、Met、Orn、Phe、Sar、Ser
    、Thr、Trp、Tyr、またはValから選択されるアミノ酸であり、 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 HO2CCH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)HNCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; O(CH2CH2)2NCH2CH2NHC(O)- HO2CCH2C(CO2H)(OH)CH2C(=O)-、 HO2CCH2C(CH3)(OH)CH2C(=O)-、 2-カルボキシシクロヘキシル-C(=O)-; 2-カルボキシシクロペンチル-C(=O)-; カルボベンジルオキシ; 4-メトキシ-ベンゼンスルホニル; シクロプロピルカルボニル; シクロブチルカルボニル; 3-ピリジンカルボニル; 2-ピラジンカルボニル; テトラゾールアセチル; ピバロイル; メトキシアセチル; ヒドロキシプロリン;および 4-(2-(5,6,7,8-テトラヒドロナフテニル)ブチルから選択されるもの。
  11. 【請求項11】 -Gly-Xp1-が、MMP-2、MMP-9、およびMMP-14から選択され
    るマトリキシンにより切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項10
    に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 -Gly-Xp1-が、MMP-2およびMMP-9から選択されるマトリキ
    シンにより切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項10に記載の化
    合物。
  13. 【請求項13】 -Gly-Xp1-が、マトリキシンMMP-14により切断可能な結合
    を形成することを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
  14. 【請求項14】 -Gly-Xp1-が、MMP-2、MMP-9、およびMMP-14により切断可
    能な結合を形成することを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
  15. 【請求項15】 式(Ia)の請求項10に記載の化合物、または薬剤として許
    容されうるその塩の形態であって、 Ecpは、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Laa-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Laa-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Laa-; Cap-Gly-Leu-Xp2-Laa-;および Cap-Gly-Hof-Xp2-Laa-から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 ここで、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-は、マトリキシンにより切断可能な結合
    を形成するものであり、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、またはNpaであり、 Xa2は、Hof、Leu、His、Arg、Gln、Ile、Val、Lys、(R)-Leu、Orn、β-Ala、
    γ-Abu、Cha、Chg、Dap、Cit、N-メチル-Leu、バレロラクタム、N,N-ジメチル-L
    ys、4-アザ-Phe、モルホリニルプロピル-Gly、N-メチルピペラジンプロピル-Gly
    、4-アザ-Hof、Ala、Asn、Asp、Aze、Cys、Glu、Gly、Hyp、Irg、Met、Phe、Phe
    (4-フルオロ)、Pro、Sar、Ser、Thr、Trp、Tyr、Cya、Hca、およびSpaから選択
    されるアミノ酸であり、 Xp2は、Tyr;Ala;Ser;Leu;Gln;Val;Glu、His;Lys;Arg;Orn;Aze;Hof
    ;ホモ-Tyr;Cit;4-アザ-Phe;N,N-ジメチル-Lys;Dab;Dap;Asn、Asp、Aze、
    Cha、Cys、Gly、Hyp、Ile、Irg、Met、Phe、Phe(4-フルオロ)、Pro、Sar、Thr、
    Trp、Cya、Hca、Spa、モルホリニルプロピル-Gly;O-(4-ピリジルメチル)-Tyr;
    およびN-メチルピペラジンプロピル-Glyから選択されるアミノ酸であり、 Laaは、Leu、Cha、Nle、およびHolから選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、Gly、Pro、γ-Glu、およびDmgから選択されるアミノ酸であり、 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 HO2CCH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)HNCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; O(CH2CH2)2NCH2CH2NHC(O)- HO2CCH2C(CO2H)(OH)CH2C(=O)-、 HO2CCH2C(CH3)(OH)CH2C(=O)-、 2-カルボキシシクロヘキシル-C(=O)-; 2-カルボキシシクロペンチル-C(=O)-; カルボベンジルオキシ; 4-メトキシ-ベンゼンスルホニル; シクロプロピルカルボニル; シクロブチルカルボニル; 3-ピリジンカルボニル; 2-ピラジンカルボニル; テトラゾールアセチル; ピバロイル; メトキシアセチル; ヒドロキシプロリン;および 4-(2-(5,6,7,8-テトラヒドロナフテニル))ブチルから選択されるもの。
  16. 【請求項16】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2、MMP-9、およびMMP-
    14から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成することを特徴とす
    る、請求項15に記載の化合物。
  17. 【請求項17】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2およびMMP-9から選択
    されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項
    15に記載の化合物。
  18. 【請求項18】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、マトリキシンMMP-14により
    切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
  19. 【請求項19】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2、MMP-9、およびMMP-
    14により切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項15に記載の化合
    物。
  20. 【請求項20】 式(Ia)の請求項15に記載の化合物、または薬剤として許
    容されうるその塩の形態であって、 Ecpは、 Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Leu-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Cha-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Nle-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Hol-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Leu-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Cha-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Nle-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Hol-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Leu-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Cha-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Nle-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Hol-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Leu-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Cha-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Nle-; Cap-Paa-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Hol-から選択される酵素切断可能なペプチドであ
    り、 ここで-Gly-Leu-および-Gly-Hof-は、マトリキシンにより切断可能な結合を
    形成するものであり、 Paaは、Pro、Hyp、Aze、ホモ-Pro、またはNpaであり、 Xa2は、Hof、Leu、His、Arg、Gln、Ile、Val、Lys、(R)-Leu、Orn、β-Ala、
    γ-Abu、Cha、Chg、Dap、Cit、N-メチル-Leu、バレロラクタム、N,N-ジメチル-L
    ys、4-アザ-Phe、モルホリニルプロピル-Gly、N-メチルピペラジンプロピル-Gly
    、4-アザ-Hof、Ala、Asn、Asp、Aze、Cys、Glu、Gly、Hyp、Irg、Met、Phe、Phe
    (4-フルオロ)、Pro、Sar、Ser、Thr、Trp、およびTyrから選択されるアミノ酸で
    あり、 Xp2は、Tyr;Ala;Ser;Leu;Gln;Val;Glu;His;Lys;Arg;Orn;Aze;Hof
    ;ホモ-Tyr;Cit;4-アザ-Phe;N,N-ジメチル-Lys;Dab;Dap;Asn、Asp、Aze、
    Cha、Cys、Gly、Hyp、Ile、Irg、Met、Phe、Phe(4-フルオロ)、Pro、Sar、Thr、
    Trp;モルホリニルプロピル-Gly;O-(4-ピリジルメチル)-Tyr;およびN-メチル
    ピペラジンプロピル-Glyから選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、Gly、Pro、γ-Glu、およびDmgから選択されるアミノ酸であり、 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-; 2-カルボキシシクロヘキシル-C(=O)-; 2-カルボキシシクロペンチル-C(=O)-;および テトラゾールアセチルから選択されるもの。
  21. 【請求項21】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2、MMP-9、およびMMP-
    14から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成することを特徴とす
    る、請求項20に記載の化合物。
  22. 【請求項22】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2およびMMP-9から選択
    されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項
    20に記載の化合物。
  23. 【請求項23】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、マトリキシンMMP-14により
    切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項20に記載の化合物。
  24. 【請求項24】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2、MMP-9、およびMMP-
    14により切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項20に記載の化合
    物。
  25. 【請求項25】 式(Ia)の請求項15に記載の化合物、または薬剤として許
    容されうるその塩の形態であって、 Ecpは、 Cap-Xa2-Gly-Leu-Leu-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Cha-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Nle-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Hol-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Leu-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Cha-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Nle-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Hol-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Leu-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Cha-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Nle-; Cap-Xa2-Gly-Leu-Xp2-Hol-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Leu-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Cha-; Cap-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Nle-;および Cap-Xa2-Gly-Hof-Xp2-Hol-から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 ここで、-Gly-Leu-および-Gly-Hof-は、マトリキシンにより切断可能な結合
    を形成するものであり、 Xa2は、Hof、Leu、His、Arg、Gln、Ile、Val、Lys、(R)-Leu、Orn、β-Ala、
    γ-Abu、Cha、Chg、Dap、Cit、N-メチル-Leu、バレロラクタム、N,N-ジメチル-L
    ys、4-アザ-Phe、モルホリニルプロピル-Gly、N-メチルピペラジンプロピル-Gly
    、4-アザ-Hof、Ala、Asn、Asp、Aze、Cys、Glu、Gly、Hyp、Irg、Met、Phe、Phe
    (4-フルオロ)、Pro、Sar、Ser、Thr、Trp、およびTyrから選択されるアミノ酸で
    あり、 Xp2は、Tyr;Ala;Ser;Leu;Gln;Val;Glu、His;Lys;Arg;Orn;Aze;Hof
    ;ホモ-Tyr;Cit;4-アザ-Phe;N,N-ジメチル-Lys;Dab;Dap;Asn、Asp、Aze、
    Cha、Cys、Gly、Hyp、Ile、Irg、Met、Phe、Phe(4-フルオロ)、Pro、Sar、Thr、
    Trp;モルホリニルプロピル-Gly;O-(4-ピリジルメチル)-Tyr;およびN-メチル
    ピペラジンプロピル-Glyから選択されるアミノ酸であり、 Capは、R-;Xa4-;およびR-Xa4-から選択されるN-末端基であり、 Xa4-は、Gly、Pro、γ-Glu、およびDmgから選択されるアミノ酸であり、 Rは、H3CC (=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-; 2-カルボキシシクロヘキシル-C(=O)-; 2-カルボキシシクロペンチル-C(=O)-;および テトラゾールアセチルから選択されるもの。
  26. 【請求項26】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2、MMP-9、およびMMP-
    14から選択されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成することを特徴とす
    る、請求項25に記載の化合物。
  27. 【請求項27】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2およびMMP-9から選択
    されるマトリキシンにより切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項
    25に記載の化合物。
  28. 【請求項28】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、マトリキシンMMP-14により
    切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項25に記載の化合物。
  29. 【請求項29】 -Gly-Leu-および-Gly-Hof-が、MMP-2、MMP-9、およびMMP-
    14により切断可能な結合を形成することを特徴とする、請求項25に記載の化合
    物。
  30. 【請求項30】 式(I)の請求項4に記載の化合物、または薬剤として許容
    されうるその塩の形態であって、 Ecpは、以下から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 【表1】 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)-(CH2)vC(=O)-(式中、vは、1、2、3、4、5、または6である。); H3CO-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 HO2CCH2O-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、 H2N-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-、および H3CC(=O)HN-(CH2CH2O)t-CH2C(=O)-(式中、tは、1、2、3、または4である)、 R1-C(=O)-; R1-S(=O)2-; R1-NHC(=O)-; R1a-CH2C(=O)-; -OR3で置換されたプロリン; 0〜1個のR4で置換されたC1〜C4アルキル; 2-カルボキシフェニル-C(=O)-;および -(O=)C-フェニル-C(=O)-から選択され、 R1は、-OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で
    置換されたC3〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
    ;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
    子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OH、メトキシまたは-CO2Hで置換
    されている。); -OH、メトキシおよび-CO2Hから選択される0、1、または2個の置換基で置換
    されたフェニル;または 0〜4個のR1aで置換されたC1〜C6アルキルであり、 R1aは、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2
    -SO3H; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
    ;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
    子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている); メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたフ
    ェニルであり、 R2は、-H、H2N(C2〜C4アルキル)、アセチル(H)N(C2〜C4アルキル)-、またはア
    セチルであり、 R3は、-H、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、フェニル、またはベンジ
    ルであり; R4は、-OH、C1〜C3アルキル、C1〜C4アルコキシ、-CO2H、-N(CH2CH2)2N-R2; メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC3 〜C6シクロアルキル; 5〜6員複素環(前記複素環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和であり
    ;前記複素環は、N、O、およびSから選択される1、2、3、または4個のヘテロ原
    子を含み;前記複素環は、任意に1または2個の-OHで置換されている);または メトキシおよび-OHから選択される0、1、または2個の置換基で置換されたC6 〜C10炭素環であるもの。
  31. 【請求項31】 式(I)の請求項30に記載の化合物、または薬剤として許
    容されうるその塩の形態であって、 Ecpは、以下から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 【表2】 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 HO2CCH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2C(=O)-、 H3CC(=O)HNCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-、 H2NCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)HNCH2CH2N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; H3CC(=O)N(CH2CH2)2NCH2C(O)-; O(CH2CH2)2NCH2CH2NHC(O) HO2CCH2C(CO2H)(OH)CH2C(=O)-、 HO2CCH2C(CH3)(OH)CH2C(=O)-、 2-カルボキシシクロヘキシル-C(=O)-; 2-カルボキシシクロペンチル-C(=O)-; カルボベンジルオキシ; 4-メトキシ-ベンゼンスルホニル; シクロプロピルカルボニル; シクロブチルカルボニル; 3-ピリジンカルボニル; 2-ピラジンカルボニル; テトラゾールアセチル; ピバロイル; メトキシアセチル; ヒドロキシプロリン;および 4-(2-(5,6,7,8-テトラヒドロナフテニル))ブチルから選択されるもの。
  32. 【請求項32】 式(I)の請求項30に記載の化合物、または薬剤として許
    容されうるその塩の形態であって、 Ecpは、以下から選択される酵素切断可能なペプチドであり、 【表3】 Rは、H3CC(=O)-; HOC(=O)CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2C(=O)-; HOC(=O)CH2CH2CH2CH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2C(=O)-; H3COCH2CH2OCH2CH2OCH2C(=O)-;および テトラゾールアセチルから選択される ことを特徴とする、請求項30に記載の化合物。
  33. 【請求項33】 以下のものから選択されることを特徴とする、請求項1に
    記載の化合物。 【表4】 【表5】 【表6】
  34. 【請求項34】 以下のものから選択されることを特徴とする、請求項1に
    記載の化合物。 【表7】
  35. 【請求項35】 請求項1から34の一項に記載の化合物および薬剤として
    許容されうる担体を含むことを特徴とする医薬組成物。
  36. 【請求項36】 癌に苦しむ哺乳動物を治療する方法であって、癌に苦しむ
    哺乳動物に治療有効量の請求項1から34の一項に記載の化合物を投与すること
    を含むことを特徴とする方法。
  37. 【請求項37】 癌が、乳癌、卵巣癌、脳腫瘍、胃癌、肺癌、結腸癌、前立
    腺癌、もしくは肝臓癌であるか、または、癌が、白血病、リンパ腫、癌腫、肉腫
    、もしくは黒色腫であることを特徴とする、請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 癌に苦しむ哺乳動物の細胞に化合物を送達する方法であっ
    て、癌に苦しむ哺乳動物の細胞を請求項1から34の一項に記載の化合物と接触
    させることを含み、その接触がマトリキシンを含むペプチダーゼの存在下である
    ことを特徴とする方法。
  39. 【請求項39】 癌が、乳癌、卵巣癌、脳腫瘍、胃癌、肺癌、結腸癌、前立
    腺癌、もしくは肝臓癌であるか、または、癌が、白血病、リンパ腫、癌腫、肉腫
    、もしくは黒色腫であることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
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