JP2003523757A - 合成ペプチドライブラリーによるtリンパ球の抗原特異的刺激方法 - Google Patents
合成ペプチドライブラリーによるtリンパ球の抗原特異的刺激方法Info
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Abstract
Description
に細分する工程; (b)これらタンパク質断片を含有するペプチドライブラリーを合成する工程; (c)CD8+および/またはCD4+Tリンパ球を含有する懸濁液と、該ペプ
チドライブラリーのすべてのタンパク質断とを、1回の培養操作でインキュベー
ションする工程 を含む、合成ペプチドライブラリーによるTリンパ球の抗原特異的刺激の方法に
関する。 本方法は、哺乳類(特にヒト)のTリンパ球の免疫刺激、ならびに哺乳類(特
にヒト)がその免疫系によって以前に特定のタンパク質に対して応答していたか
どうか、そして応答していた場合はその応答がどの程度の強さであるかを確認す
るための診断の両方に用いることができる。
多額の費用をかけてはじめて検出することができる。この免疫応答は、細胞上の
MHCクラスI分子において、これら抗原由来のエピトープが提示されることに
依存しており、露出によって誘導された細胞毒性応答を測定することにより測定
することができる。この実験手順は慣用的で1〜数週間を要するが、この実験で
は、適当な培養細胞にて、抗原でCD8+Tリンパ球を刺激した後、細胞毒性試
験において、この抗原由来のペプチドを導入した、あるいは抗原もしくはその一
部でトランスフェクトした適当な標的細胞とインキュベーションしなければなら
ない。CD8+Tリンパ球の応答の誘導は、標的細胞の破壊の程度から測定され
るが、これには適切な対照が必要であり、多大な実験と時間が費やされる。
分少ない。タンパク質抗原に対するCD4+Tリンパ球の応答は、細胞上のMH
CクラスII分子におけるこれら抗原由来のペプチドの提示に依存しており、抗
原存在下での、あるいはこの抗原に対する暴露による、このような細胞の増殖に
よって(例えばトリチウム化したチミジンの取り込みによって)測定することが
できる。この実験の手順は慣用的であり、数日から1週間あるいはそれ以上を要
する。タンパク質抗原に対するCD4+Tリンパ球の存在は、既知の方法でさら
に測定することができ、そのような方法では、CD4+Tリンパ球を含有する懸
濁液を対応するタンパク質とインキュベーションした後、細胞内のサイトカイン
の存在によるCD4+Tリンパ球の誘導をフローサイトメトリーによって検出す
る。
応答の存在は、既知の方法においてさらに測定することができ、そのような方法
では、CD8+および/またはCD4+Tリンパ球を含有する懸濁液をこのタン
パク質由来のペプチドとインキュベーションした後、フローサイトメトリーによ
って、細胞内のサイトカインの存在によるCD8+またはCD4+Tリンパ球の
誘導が検出される。これは、ペプチドが、細胞内プロセシングを回避して、細胞
のMHCクラスIまたはMHCクラスII分子上へ、外側から直接入り込むとい
う事実を利用したものである。この方法では、適切なペプチドのグループ分けに
よって、刺激ペプチドを同定し、エピトープを決定することができる。この方法
に用いるグループ分けは、可能なすべてのエピトープを、いくつかの、そして多
くの場合は多数の操作に割り当てて、このタンパク質に由来する個々のペプチド
がTリンパ球応答を誘導することができるかどうかを確認することができ、そし
て個々のグループにおいて存在するどのペプチドがそのような刺激を誘導したか
を確認することができるようにする(この方法は、F. Kern et al., Journal of
Virology, October 1999, p. 8179-8184およびWO 99/36568に記載されている)
。
存在するかどうかを、対応する対照を用いた1回の測定で系統的に測定すること
はできず、そのタンパク質に対する応答がどの程度強いのか(全CD8+または
CD4+Tリンパ球に対する反応性リンパ球の割合)も結局のところ分からない
。これを行うために、エピトープの同定のためのこの方法における常套的なグル
ープ分けは、用いたペプチドの数に依存した数回の刺激および測定操作を必要と
するであろう。文献に記載された適応例は、エピトープの厳格な同定を目的とし
ており、そのため、あるペプチドグループの刺激活性を確認するために、できる
だけ少ない数の個々のペプチドが試験されるように選択されたサイズを有するペ
プチドのグループが用いられている。しかし、グループの選択したサイズが小さ
くなればなるほど、より多くのグループを試験しなければならい。したがって、
この方法では、最も望ましい改良として、(ペプチドの数自体が平方数でない限
り)ペプチドの数の次に大きい平方数の平方根の2倍の数のグループが選択され
る。
とができる。タンパク質全体のアミノ酸配列(561アミノ酸)をカバーし、隣
り合ったペプチドとそれぞれ9アミノ酸で重複している138個のペプチドをそ
の全長に対して合成した。138は平方数ではない。138の次に大きい平方数
は144(12×12)である。したがって、各ペプチドが2つの異なるグルー
プに確実に存在するように、ペプチドを2×12、即ち24、のグループに分配
した。結果が陽性(刺激)のグループを組み合わせることで刺激性のペプチドを
直接結論付けることができる(2つのグループだけが陽性の結果を示す場合)、
あるいは2つ以上のペプチドのグループが陽性の刺激の結果をもたらした場合は
、個々に試験することができる少数の候補ペプチドにまで絞り込むことができる
。このグループ分けの原理は、F. Kern et al., Journal of Virology, October
1999, p. 8179-8184に詳細に記載されている。対応するネガティブコントロー
ルを用いた1回の操作によって、あるタンパク質がCD8+Tリンパ球に対する
刺激作用を有するかどうか、即ちこのタンパク質のアミノ酸配列がCD8+Tリ
ンパ球によって認識されるエピトープを含んでいるかどうかを知る可能性につい
てはこれまで記載されていない。
+Tリンパ球の免疫刺激のために如何に用いるかについての可能性を提供するこ
とであり、細胞の抗原プロセシングを必要とせず、個々の抗原決定基(エピトー
プ)を同定する必要がない。その断片に重複をいくつか有する、抗原の個々の断
片の特別なペプチドライブラリーを、Tリンパ球とインキュベーションすること
により、十分な免疫刺激を達成することができることがここに見い出された。こ
の免疫刺激はフローサイトメトリーにより検出することができる。即ち、ある生
物(ヒトまたは動物)が、実際に起こったある暴露(同様に十分に狙いを定めた
免疫化)の後に、免疫化抗原に対するTリンパ球応答を樹立し得るかどうかを確
認することができる。このTリンパ球の反応性は、時間経過について試験するこ
とができる。本発明のさらなる目的は、アミノ酸配列が知られているタンパク質
抗原を、短時間のうちに且つ比較的費用をかけずに、Tリンパ球刺激性タンパク
質抗原として同定することができる方法を提供することである。これは、エピト
ープの同定のためにタンパク質を選択する前に、Tリンパ球刺激性抗原決定基が
このタンパク質に少しでも存在しているのかどうかを試験する可能性をさらに提
供するものである。
あって、以下の工程: (a)抗原の全アミノ酸配列を、部分的なアミノ酸配列を有するタンパク質断
片に細分する工程であって、該タンパク質断片が最短で9アミノ酸残基 (以下
、「AA」とも略記される)を有し、隣接したまたは隣り合ったタンパク質断片
がそれらの部分的なアミノ酸配列で重複している、工程; (b)(a)において定義されるタンパク質断片を含有するペプチドライブラ
リーを合成する工程; (c)CD8+および/またはCD4+Tリンパ球を含有する懸濁液を、(b
)で得られたペプチドライブラリーのすべてのタンパク質断片と、1回の培養操
作でインキュベーションする工程 を含む方法; (2)哺乳類(特にヒト)のTリンパ球のイン・ビボおよびイン・ビトロ免疫刺
激に適合した、方法(1)の好ましい態様; (3)上記(2)で定義された方法によって得られる刺激されたTリンパ球; (4)哺乳類のTリンパ球のイン・ビボ免疫刺激のための医薬の製造のための、
上記(1)で定義されたペプチドライブラリーの使用;および (5)上記(1)で定義された1またはそれ以上のペプチドライブラリーを含有
する、哺乳類のTリンパ球のイン・ビトロおよびイン・ビボ免疫刺激のための組
成物 に関する。
ち、タンパク質、タンパク質の一部またはポリペプチドなど)。上で定義された
方法の工程(a)における抗原は、それに対してTリンパ球刺激がされる抗原ま
たはそれに対してそのような刺激がすでに起こっているかどうかが試験される抗
原(即ち、タンパク質、タンパク質の一部またはポリペプチドなど)である。
なくとも9個のアミノ酸残基を有する。
混合物であって、それら全体でタンパク質抗原または部分的な抗原の完全な配列
をカバーし、この配列に沿って一連のペプチドが順次重複しているものである。
分からない場合は、その抗原の全アミノ酸配列を上述の工程(a)の前に決定す
る必要があるかもしれない。
ンパク質についてはまず最初に配列を解析することができ、既知のタンパク質に
ついては配列をデータベースから読み取ってもよい。唯一重要なことは、そのタ
ンパク質またはタンパク質の一部が決定されているということである。
ノ酸残基および/または最長で35アミノ酸残基、好ましくは25アミノ酸残基
を有する。さらに、隣り合ったタンパク質断片の間で、8アミノ酸残基、好まし
くは11アミノ酸残基の重複が存在していることが好ましい。さらに、合成タン
パク質断片は、それらのN末端およびC末端の一端または両端において、最長7
個の天然または人工のアミノ酸残基および/または保護基で伸張されていてもよ
い。これらの天然または人工のアミノ酸残基の伸張は重複していない配列である
。
、アルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、アルキルカルボニルま
たはアリールカルボニル、1〜7個の炭素原子を有するアシル基などである。N
末端に好ましい保護基は、ナフトイル、ナフチルアセチル、ナフチルプロピオニ
ルおよびベンゾイル基である。タンパク質断片のC末端に適当な保護基は、1〜
10個の炭素原子を有するアルコキシまたはアリールオキシ基かまたはアミノ基
である。さらなる保護基は、Houben-Weyl (1974), Georg Thieme Verlag, 第4
版に記載されている。上記文献における保護基の記載は、参考として本明細書に
含まれる。
濃度(終濃度)は、少なくとも1ng/mL、好ましくは約0.1〜約10μg/
mLであることが望ましい。培養液中約1μg/mLの濃度が特に好ましい。
刺激特性を有する化合物、例えば補助刺激抗体(例えば、抗CD28または抗C
D49d)または補助刺激特性を有するその他の分子(例えば、刺激性CTLA
4−Ig)、をさらに含有することが好ましい。これらの化合物は、好ましくは
、0.1〜10μg/mLの終濃度で培養液に含まれる。
の方法(1)の特に好ましい態様は、以下の工程を含む: (a1)タンパク質またはタンパク質の一部である、抗原の全アミノ酸配列を
決定する工程; (a2)全アミノ酸配列を部分的アミノ酸配列を有するタンパク質断片に細分
する工程であって、該タンパク質断片は最短で9(好ましくは15)アミノ酸残
基、場合により最長で25アミノ酸残基を有し、隣接した(adjacent)または隣
り合った(neighboring)タンパク質断片がそれらの部分的なアミノ酸配列で重
複しており、8アミノ酸残基の重複、特に11アミノ酸残基の重複が好ましい、
工程; (b)(a2)において定義される、場合によりN末端およびC末端の一端ま
たは両端が最長7個の天然または人工のアミノ酸および/または保護基で伸張さ
れた、タンパク質断片を含むペプチドライブラリーを合成する工程; (c)CD8+および/またはCD4+Tリンパ球を含有する懸濁液を、該ペ
プチドライブラリーのすべてのタンパク質断片と、1回の培養操作でインキュベ
ーションする工程。
激性混合物を同定するための本発明の方法の使用であって、次の工程: (d) (i)該タンパク質断片によって誘導されTリンパ球において合成された、細
胞内に存在するかまたは細胞膜に結合している、少なくとも1つのT細胞サイト
カイン;および/または (ii)該タンパク質断片によって誘導されTリンパ球において合成された、
細胞内に存在するかまたは細胞膜に結合している、少なくとも1つの活性化マー
カー を同定、好ましくはフローサイトメトリー法により同定する工程 をさらに加えたものである。
るかどうかを確認するのに適している。
て以前に特定のタンパク質に応答したかどうか、そしてそのような応答がどの程
度強いのかを確認するための診断、に適している。
ビボでの適用の両方について、哺乳類(特にヒト)のTリンパ球の免疫刺激に適
している。この方法はさらに、刺激されたTリンパ球の増殖を包含してもよい。
異なる抗原由来の)を、1回の培養操作で一緒に、あるいは別々の培養操作にお
いて用いるように設計することもできる。
を提示することができる細胞を含有することによって特徴付けられる。即ち、そ
の提示細胞は、抗原提示細胞に加え、Tリンパ球であってもよい。
が個々の細胞のレベルで行われるという事実である。したがって、応答した細胞
の表現型を正確に確認することが可能である。サイトカインおよび表面マーカー
は、Abul K. Abbas et al. (1997), Cellular and Molecular Immunology, Phil
adelphia, 第3版, ISBN 0-7216-4024-9に詳細に記載されている。
質断片は通常9アミノ酸の長さを有し、MHCクラスII分子に結合するタンパ
ク質断片は、それよりも若干長く、長さにも自由度がある。
かかわらず、例えば6時間後に、タンパク質断片が、T細胞刺激の明白な同定を
可能にするのに十分に細胞表面に存在するMHC分子によって取り込まれるとい
う事実にある。
PWBC)、脾臓細胞、胸腺細胞、骨髄、脳脊髄液、リンパ節細胞などから得る
ことができる。
有益である。即ち、Tリンパ球を豊富化する必要がなく、さらに、他の細胞を除
去または破壊する必要がない。即ち、本発明の方法は、慣用的なやり方でより簡
単に行うことができる。
られる、合成ペプチドライブラリーを用いるTリンパ球の抗原特異的刺激のため
の本発明の方法は好ましい。Tリンパ球を含有する懸濁液が患者から得られる場
合、同定は、例えば、ウイルスのどのタンパク質がCD8+またはCD4+Tリ
ンパ球応答を誘導し得るかを確認するために使用することができる。次いで、こ
の反応性を試験するために用いるペプチドライブラリーを、同じまたは他の患者
のさらなるTリンパ球の刺激のために選択的に使用することができる。このよう
にして誘導され刺激された細胞を、イン・ビボまたはエクス・ビボで増殖させ、
次いで患者に再び輸注することができる。
懸濁液の供給源として、幅広い動物種や一群の動物の患者およびドナーを用いる
ことが可能である。
ドナーまたは患者の細胞、培養細胞、および/または組織に由来する、合成ペプ
チドライブラリーを用いたTリンパ球の抗原特異的刺激のための本発明の方法は
有用である。微生物としては、例えば、ウイルス、細菌、真菌、原生動物および
寄生虫が挙げられる。非顕微的微生物としては、例えば、すべての多細胞真核生
物が挙げられる。この供給源は、アレルギーに影響を及ぼすのにまさに重要であ
る。動物および植物も含まれる。細胞、培養細胞または1またはそれ以上の層ま
たは細胞型からなる組織全体も使用することができる。
ーによるTリンパ球の抗原特異的刺激のための本発明の方法は好ましい。サイト
カインまたは表面マーカーなどの細胞または細胞の表面に存在するマーカーが、
蛍光色素を有している特定の検出因子(例えば抗体)と接触するという原理は必
須である。液体の流れに照準を合わせた細胞表面上の蛍光色素のレーザー光によ
る励起によって、フローサイトメーターは、放射された散乱光と蛍光シグナルを
記録し、これは細胞の刺激またはその後の解析を可能にする。そのような技術は
、Howard M. Shapiro (1995), Practical Flow Cytometry, New York, 第3版,
ISBN 0-471-30376-3に詳細に記載されている。細胞内のサイトカインの検出は、
ILL. Picker et al. (1995), Blood, Vol. 86, p. 1408に記載されている。
の方法の利点は、Tリンパ球の免疫刺激のための試薬を、非常に短時間のうちに
そして慣用の方法と比較して非常に少ない費用で利用可能にすることができると
いう点である。個々の刺激エピトープを同定する必要がないという点も更なる利
点である。
おいて、ドナー/患者のTリンパ球(CD8および/またはCD4)を、タンパ
ク質(いくつかのペプチドライブラリーを使用する場合は複数のタンパク質)の
すべての可能な抗原決定基によって、それを具体的に知る必要なしに同時に刺激
することができる。例えば、骨髄移植を受けた患者のTリンパ球は、ペプチドの
混合物のようなものと予めインキュベーションしたHLA型が同一の樹状細胞と
インキュベーションすることができ、これらのTリンパ球を、この特定のHLA
型に関連する(結合する)すべてのエピトープによって、これらのエピトープを
知る必要もその方法によって分かる必要もなく刺激することができるであろう。
唯一重要な点は、それらエピトープがTリンパ球を刺激し、選択されたタンパク
質に属しているという点である。これらの細胞は養子免疫療法の範囲内で患者に
再び輸注することができる。
を既に樹立したかまたはその抗原に対する免疫応答などが暴露によって誘導され
たドナー(ヒトまたは動物)である。これは、例えば、感染の範囲またはさらに
は免疫化の範囲においても起こり得る。この刺激は自己免疫反応でもうまくいく
。
なる利点は、CD8+およびCD4+の両Tリンパ球の刺激を、同時に且つ1回
の操作で試験することができるという点である。
よって好ましく得られる。この刺激されたTリンパ球は患者に輸注することがで
きる。
を有する、上で定義された化合物などの免疫反応性を有する化合物をさらに含有
していてもよい。本医薬はまた、上で定義されたペプチドライブラリーのいくつ
かを含有していてもよい。
適合している医薬組成物(即ち、ヒトまたは動物のイン・ビボでの処置のための
)または診断用組成物もしくはいわゆるキット(即ち、主にイン・ビトロでの適
用のための)であっていよい。本組成物の更なる成分としては、態様(4)につ
いて上に記載したものと同じものを適用する。
サイトメガロウイルス(HCMV)に対する抗体を有していた。標準的な方法に
よって調製した細胞を、至適条件下で、HCMVタンパク質である65kDaの
低マトリックスリンタンパク質(lower matrix phoshoprotein)(pp65)お
よび55kDaの前初期タンパク質1(immediate early protein 1)(IE1
)に対するペプチドライブラリーと6時間インキュベーションした。これは、Ke
rn et al., Eur. J. Immunol. 30: 1676-1682 (2000)に記載された方法にしたが
って行い、以下の工程を含む: 1. Ficoll調製(標準的プロトコル)後、PBMC(RPMI1640中2.
5×106/mL、2mMグルタチオン添加)の再懸濁。 2. この懸濁液400μLをインキュベーション容器(Falcon No.2054の滅菌チ
ューブ、5mL)内で100μLのペプチド溶液(RPMI1640中に各ペプチ
ド10μgを含有する、2mMグルタチオン添加)と混合した。 3. H2O飽和、5%CO2雰囲気下、37℃でのインキュベーション(標準的
なインキュベーター)。 4. 2時間後、20%(v/v)ウシ胎児血清およびさらにグルタミン(2m
M)および10μgのBrefeldin A(BFA、混合物中の終濃度は10μg/mL
であった)を加えた500μLのRPMI1640を加えた。混合物中のウシ胎
児血清の終濃度は10%(v/v)である。各ペプチドの終濃度は1μg/mL
である。BFAは細胞内の合成されたサイトカインを維持するのに供し、細胞内
サイトカインの検出に効果がある。混合物の最終容量は1mLである。 5. いくつかの条件下でさらに4時間インキュベーションした後(即ち、合計
のインキュベーション時間6時間)、氷冷PBS緩衝液を添加することによって
インキュベーションを止めた。 6. 遠心(8分、400G)した後、傾斜し、標準的なプロトコル(2mM E
DTA/PBS溶液を用いた試験管壁からの剥離、固定化、透明化、モノクロー
ナル抗体による染色を含む)にしたがって試料を処理した。 7. フローサイトメーター(例えば、FacCalibur型の4色蛍光フローサイトメ
ーター(Becton Dickinson))による解析。
OTデータベースに、P13202(配列番号1を参照)およびP06725(配列番号2を参
照)の番号で寄託されている。さらに、両タンパク質の配列は、M.S. Chee, A.T
. Bankier, S. Becks et al., Curr. Top. Microbiol. Immunol. 154: 125-169
(1990)に記載されている。
との間にそれぞれ9個の重複を有する長さ15アミノ酸のペプチドから構成し(
図1参照)、65kDの低マトリックスリンタンパク質を示すペプチドライブラ
リーは、次のペプチドとの間にそれぞれ11個の重複を有する長さ15アミノ酸
のペプチドから構成した(図2参照)。
細胞におけるIFN−γの産生をもたらし(図3の「欄I」および「欄II」)
、これは、個々の細胞のレベルでフローサイトメーターでの測定(J.L. Picker
et al. (1995), Blood, Vol. 86, p. 1408-1419)によって検出されたか、そう
でなければ検出可能な刺激はなかった。Iの人は、IE−1に対しCD8+Tリ
ンパ球応答を示したが、pp65に対しては応答しなかった。一方、IIの人は
、両方のタンパク質に対してCD8+Tリンパ球応答を示した。無関係なペプチ
ドとのインキュベーションでは、この効果は生じなかった(対照)。
プチド。出発タンパク質、VIE1−HCMVA 55kDa前初期タンパク質
1(IE1)、ヒトサイトメガロウイルス(AD169株)の配列は、Swis
s−Prot P13202から公知であり、配列番号1に示されている。
プチド。出発タンパク質、pp65−HCMVA 65kDa低マトリックスリ
ンタンパク質(pp65)、ヒトサイトメガロウイルス(AD169株)の配列
は、Swiss−Prot P06725から公知であり、配列番号2に示され
ている。
パ球における細胞内インターフェロンγの検出。インターフェロンγに加えて、
マーカーCD69を活性化マーカーとして使用した。表示はCD3+/CD8+
の事象に限定し、平均の蛍光強度で示す。
Claims (17)
- 【請求項1】 合成ペプチドライブラリーによる、Tリンパ球の抗原特異的
刺激の方法であって、以下の工程: (a)抗原の全アミノ酸配列を、部分的なアミノ酸配列を有するタンパク質断
片に細分する工程であって、該タンパク質断片は最短で9アミノ酸残基を有し、
隣接するまたは隣り合ったタンパク質断片がそれらの部分的なアミノ酸配列で重
複している、工程; (b)(a)で定義されるタンパク質断片を含有するペプチドライブラリーを
合成する工程; (c)CD8+および/またはCD4+Tリンパ球を含有する懸濁液と、該ペ
プチドライブラリーのすべてのタンパク質断片とを、1回の培養操作でインキュ
ベーションする工程 を含む方法。 - 【請求項2】 前記タンパク質断片が、最短で15アミノ酸残基および/ま
たは最長で35アミノ酸残基、好ましくは25アミノ酸残基を有する、請求項1
記載の方法。 - 【請求項3】 隣り合うタンパク質断片の間で8アミノ酸残基、好ましくは
11アミノ酸残基の重複が存在する、請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 合成したタンパク質断片が、そのN末端およびC末端の一端
または両端において、最長で7残基の天然のまたは人工のアミノ酸残基および/
または保護基で伸張されている、請求項1〜3の1つまたはそれ以上に記載の方
法。 - 【請求項5】 ペプチドライブラリーの個々のタンパク質断片の濃度が、培
養混合物中、少なくとも1ng/mL、好ましくは0.1〜10μg/mLである
、請求項1〜4の1つまたはそれ以上に記載の方法。 - 【請求項6】 補助刺激特性を有する1またはそれ以上の化合物、特に補助
刺激抗体、をインキュベーション溶液に加える、請求項1〜5の1つまたはそれ
以上に記載の方法。 - 【請求項7】 工程(a)の前に抗原の全アミノ酸配列を決定する、請求項
1〜6の1つまたはそれ以上に記載の方法。 - 【請求項8】 1回の培養操作ですべてのタンパク質断片の刺激性または非
刺激性混合物を同定するのに適合した、好ましくは、以下の工程: (d) (i)該タンパク質断片によって誘導されTリンパ球において合成された、細
胞内に存在するかまたは細胞膜に結合している、少なくとも1つのT細胞サイト
カイン;および/または (ii)該タンパク質断片によって誘導されTリンパ球において合成された、
細胞内に存在するかまたは細胞膜に結合している、少なくとも1つの活性化マー
カー を同定、好ましくはフローサイトメトリー法により同定する工程 をさらに含む、請求項1〜7に記載の方法。 - 【請求項9】 抗原にTリンパ球を刺激する抗原決定基が存在するかどうか
の確認が可能な、請求項1〜5の1つまたはそれ以上に記載の方法。 - 【請求項10】 哺乳類(特にヒト)のTリンパ球のイン・ビボおよびイン
・ビトロ免疫刺激に適合した、請求項1〜7の1またはそれ以上に記載の方法。 - 【請求項11】 刺激したTリンパ球を増殖させることをさらに含む、請求
項10に記載の方法。 - 【請求項12】 得られた増殖したTリンパ球を患者に輸注することをさら
に含む、請求項11に記載の方法。 - 【請求項13】 診断、特に、哺乳類特にヒトが以前にその免疫系によって
特定のタンパク質に応答していたかどうか、そして応答していたならばその応答
がどの程度強いかを確認するための診断、に適した請求項1〜8の1つまたはそ
れ以上に記載の方法。 - 【請求項14】 いくつかの異なった合成ペプチドライブラリーの使用を含
み、これらペプチドライブラリーとCD8+および/またはCD4+Tリンパ球
懸濁液とのインキュベーションが1回の培養操作で同時に行われるか、または別
々の培養操作において行われる、請求項9〜13の1つまたはそれ以上に記載の
方法。 - 【請求項15】 請求項10または11に記載の方法によって得られる刺激
されたTリンパ球。 - 【請求項16】 哺乳類のTリンパ球のイン・ビボ免疫刺激のための医薬の
製造のための、請求項1〜5の1つまたはそれ以上において定義されたペプチド
ライブラリーの使用。 - 【請求項17】 請求項1〜5の1つまたはそれ以上において定義された1
またはそれ以上のペプチドライブラリーを含有する、哺乳類のTリンパ球のイン
・ビトロおよびイン・ビボ免疫刺激ための組成物。
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