JP2003520784A - 神経障害を治療するためのインスリン様増殖因子iイソ型mgfの使用 - Google Patents

神経障害を治療するためのインスリン様増殖因子iイソ型mgfの使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、機械的増殖因子(mechano growth factor: MGF)として知られるインスリン様増殖因子I(IGF-I)イソ型を用いる神経障害の治療に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、機械的増殖因子(MGF)として知られるインスリン様増殖因子I(I
GF-I)イソ型を用いる神経障害の治療に関する。
【0002】発明の背景 哺乳動物IGF-Iポリペプチドは、選択的mRNAスプライシングの結果として生じ
る複数のイソ型を有する。大別すれば、2つのタイプのイソ型、すなわち肝型イ
ソ型と非肝イソ型がある。肝型イソ型は肝臓またはそれ以外の部分で発現され得
るが、もし肝臓以外の部分で発現される場合でも、該イソ型は肝臓で発現された
ものに対する同等物である。肝型イソ型は、全身作用を有し、また哺乳動物にお
ける主たるイソ型である。非肝イソ型はそれほど一般的なものではなく、そのい
くつかは自己分泌/パラ分泌作用性であると考えられている。非肝イソ型は骨格
筋および心筋で検出されているが、それが検出されるのは機械的過負荷をかけた
後だけである。
【0003】 IGF-Iスプライス変異体という専門用語は、肝イソ型に基づくものであり(Che
wら,1995)、非肝組織により産生されるイソ型を考慮に入れるほど十分に発展し
ていない。ホルモンに応答し、かつプロモーター2の制御下にある(Layall,1996
)非肝イソ型は、肝IGF-Iイソ型に対する異なるプロモーター(プロモーター1)
によりある程度制御されている。
【0004】 本発明の目的のために、2つのイソ型が特に重要である。これらは両方とも骨
格筋で発現されるが、この2つの筋イソ型が存在することがわかったのはほんの
最近である。第1のイソ型は筋肝型IGF-Iすなわち筋L.IGF-I(全身型)であり、
主に比較目的のために重要である。第2のイソ型が機械的増殖因子すなわちMGF(
自己分泌/パラ分泌型)である。
【0005】 これらは選択的スプライス変異体である。Exons1と2は、別々の転写開始部位
を有する選択的なリーダーエキソンであり(Tobinら,1990;Jansenら,1991)、
これらは共通のエキソン3に対し別々にスプライシングされる。エキソン3と4は
、成熟IGF-1ペプチド(B、C、AおよびDドメイン)、ならびにEドメインの最初の
16個のアミノ酸をコードする。エキソン5および6はそれぞれ、別々の伸長ペプチ
ドであるEドメインの選択的部分をコードする。これに前駆体IGF-1の終止コドン
、3'非翻訳領域およびポリ(A)付加シグナル部位が続く(Rotweinら,1986)。2つ
のイソ型の間のさらなる相違は、MGFはグリコシル化されてないのでより小さい
ことである。MGFはまたより安定性が低いこともわかっている。従ってMGFは半減
期がより短いであろう。
【0006】 骨格筋が運動または伸縮を経験しない限り該筋において検出されないMGF(Yan
gら,1996)はエキソン4、5および6を有するが、一方、筋L.IGF-Iはエキソン4お
よび6を有することがわかっている。MGFのエキソン5は52bpのインサートを有し
、これが3'リーディングフレームを変化させ、従って前記ペプチドのカルボキシ
末端を変化させる。さらに、MGFは過負荷がかけられた心筋において検出されて
いる(Skarliら,1998)。
【0007】 一連のモノクローナル抗体を用いたIGF-Iの機能性エピトープマッピング(Man
esら,1997)は、IGF-Iのカルボキシ末端(3'末端)が、特定の受容体および/ま
たは結合タンパク質に対するペプチドの親和性を決定するのに重要であることを
示した。
【0008】 MGF mRNAは、ジストロフィー性筋においては、たとえ該筋が伸縮を経験した場
合でも検出されない。常染色体性欠損ジストロフィーおよびジストロフィン欠損
ジストロフィーの両方における、伸縮による過負荷に対する筋肉の応答不能(Go
ldspinkら,1996)は、細胞骨格が伝達機構に関与し得ることを示す。恐らく、筋
過負荷を検出して両方のIGF変異型の発現をもたらす基本的機構が存在するので
あろう。
【0009】 このように、MGFは、伸縮および運動に応答して骨格筋および心筋組織に発現
することが知られており、そのことから筋肉の損傷の修復に関わると考えられて
いる(Yangら,1996;W097/33997)。このことは最近、McKoyら(1999)によりさ
らに確認されている。
【0010】発明の概要 今回、本発明者らはMGFの驚くべき新しい性質を見出した。
【0011】 筋肉での発現を保証しうる発現シグナルに機能的に連結されたMGF DNAを含有
するプラスミドを作製して、ラットの筋内に注入したところ、MGFのin vivo発現
が生じた。動物の神経に及ぼすMGFの効果を検討するために、一部の動物では捻
除(avulsion)により、その他の動物では圧挫(crushing)により右顔面神経に損傷
を与えた。L.IGF-Iを発現できるプラスミドを用いて同様の実験を行ない、また
、MGFやL.IGF-Iのコード配列を欠いている「空」の同等プラスミド、および操作
を行なっていないラットを用いて対照実験も行なった。
【0012】 通常実施される外科手術は大量の運動ニューロンの欠損をもたらし、対照動物
においてもそれは例外でなかった。しかしながら、L.IGF-Iを使用すると運動ニ
ューロンの欠損が約50%に低下し、MGFを使用すると運動ニューロンの欠損が約2
0%に低下した。両イソ型とも運動ニューロンのレスキューを促進させるのに有
効であることが分かったが、驚いたことに、MGFはL.IGF-Iの2倍以上も有効であ
った。このことは神経障害(特に運動ニューロン障害)の治療へのMGFの使用可
能性を明らかに示すものである。加えて、このことは、無傷の成体運動ニューロ
ンに対する神経栄養因子の利用可能性の変更がその後の損傷への応答に影響を与
えることを初めて明らかにし、また、プラスミドDNAを用いた筋内遺伝子導入が
運動ニューロンのレスキューに効果的なストラテジーであることを初めて明らか
にした、という点に注目すべきである。
【0013】 IGF-Iイソ型は、特にそのイソ型がどの組織に有効であるかに関して、その作
用を決定づける特異的な結合タンパク質をもっている。MGFの結合タンパク質は
骨格筋や心筋だけでなく中枢神経系(CNS)にも存在するようである。これにより
、相対的に大きなその有効性を説明することができる。また、MGFは、グリコシ
ル化されていないためL.IGF-Iよりも小さいという事実により、筋肉からCNSの運
動ニューロン細胞体に移動しやすいのかもしれない。
【0014】 こうした知見は、神経障害の治療への一般的な応用可能性を有するものであり
、しかも以前には伸縮/運動中の心筋と骨格筋にしかMGFが検出されていなかっ
たので驚くべきことである。Chew (1995) は、IGF-I Ec型が肝臓に見出されると
提唱している。しかし、これはごく少量しか検出されず、漏出転写による可能性
がある。したがって、これまでは、MGFは筋特異的イソ型であると考えられてい
たが、今や、それは神経系損傷の修復にも関与しており、それゆえ神経系障害の
治療の根底をなすことが判明した。
【0015】 したがって、本発明は、MGFのリーディングフレーム中のIGF-Iエキソン4、5お
よび6の核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み、かつ神経捻除に応答
して運動ニューロンの欠損を20%以上低下させる能力を有する、MGF(機械的増
殖因子)インスリン様増殖因子I(IGF-I)イソ型の、神経障害治療用の医薬の
製造における使用を提供する。
【0016】 本発明はまた、本発明のMGF IGF-Iイソ型をコードするポリヌクレオチドの、
神経障害治療用の医薬の製造における使用を提供する。
【0017】 本発明はさらに、神経障害の治療において同時に、別々にまたは連続的に使用
するための、本発明のMGF IGF-Iイソ型または本発明のMGFコード化ポリヌクレオ
チド、および別の神経活性薬剤を含む製品を提供する。
【0018】 本発明はさらに、本発明のMGF IGF-Iイソ型または本発明のMGFコード化ポリヌ
クレオチド、別の神経活性薬剤、および製薬上許容される担体を含有する医薬組
成物を提供する。
【0019】 本発明はさらに、神経障害の治療が必要な被験者に、有効量の本発明のIGF-I
イソ型または本発明の核酸を、場合により別の神経活性薬剤と組み合わせて、投
与することを含んでなる、神経障害の治療方法を提供する。
【0020】発明の説明 本発明は神経障害、好ましくは運動ニューロン障害の治療におけるMGFの使用
に関する。
【0021】MGFポリペプチドおよびポリヌクレオチド ポリペプチド MGFは機械的増殖因子(mechano-growth factor)を表す(McKoyら,1999)。以
上に考察しかつChewら(1995)、Yangら(1996)およびMcKoyら(1999)にさらに詳細
に説明されるように、MGFはIGF-Iの代わってスプライスされた変異体である。肝
型IGF-Iはエキソン4および6によりコードされたアミノ酸を含んでなるが、MGFは
エキソン4、5および6によりコードされたアミノ酸を含んでなる。MGFはまた、エ
キソン5に挿入された52bpの結果としてそのカルボキシ末端にて改変されたリー
ディングフレームを有し、グリコシル化されてないのでより小さい。Chewら(199
5)およびYangら(1996)は用語MGFを使わず、IGF-I Ecを使って4-5-6スプライス変
異体を定義した。Ecドメインを有する筋イソ型は、現在、MGFとして知られてい
る(McKoyら(1999)を参照)。IGF-I Ecの特定の型は、心筋および骨格筋が機械
的活動を受けたときだけ、それらにより産生されることが現在明らかである。
【0022】 本明細書において、MGFは、以下に考察するように、本発明者らにより確認さ
れた4-5-6エキソン構造および神経学的性質を有するIGF-Iポリペプチドを意味す
ると理解される。ヒト、ラットおよびウサギのMGFのエキソン構造を図5、6およ
び7(配列番号1/2、3/4および5/6)に図解した。比較のため、ヒト、ラットおよ
びウサギL.IGF-Iのエキソン構造を図8、9および10(配列番号9/10、11/12および
13/14)に掲げ、かつMGFとL-IGF-I間の比較を図11に行った。
【0023】 好ましくは、本発明のMGFは、天然のMGFに、上述の52bpインサートにより作り
出されたリーディングフレームを有するであろう。好ましくは、本発明のMGFは
グリコシル化されないであろう。しかし、複数の実施形態においてはグリコシル
化されるかまたは部分的にグリコシル化されてもよい。部分的にグリコシル化さ
れるとは、10、20、30、50、70、80、90、95または99%までのL.IGF-Iと同程度の
グリコシル化を意味し、例えば全てでないがいくつかのIGF-Iグリコシル化部位
を含有することを意味する。グリコシル化のパターンは、糖類の型および配置に
関して、L.IGF-Iのそれと同じであってもよいしまたは異なってもよい。
【0024】 好ましくは、本発明のMGFは同等配列上にエキソン3、4、5および6を含んでな
る。場合によっては、本発明のMGFはエキソン1および/または2、または同等配列
を含んでもよい。
【0025】 本発明のMGFは、4-5-6スプライスされたIGF-Iを有するいずれの種にもその起
源を見出しうる。従って、本発明のMGFはヒトMGFの配列を有してもよく、それが
一般的には好ましい。動物MGFの配列を有するMGFを使用してもよく、例えばラッ
ト、ウサギ、マウス、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、イヌ、ネコMGFが挙げら
れる。好ましくは使用するMGFの種起源は治療する被験者の種と一致するであろ
う。特に、ヒト患者を治療するにはヒトMGFを使用することが好ましい。
【0026】 ヒトMGF(IGF-I-Ec)(配列番号1/2、図5)、ラットMGF(配列番号3/4、図6)および
ウサギMGF(IGF-I-Eb)(配列番号5/6、図7)のエキソン3、4、5および6の配列を、
それらの対応するcDNA配列と一緒に以下に示す。配列番号1、3および5はcDNAで
あり;配列番号2、4および6はポリペプチドである。比較のため、ヒト(配列番号
9/10、図 8)、ラット(配列番号11/12、図9)およびウサギ(配列番号13/14、図 10
)肝型IGF-I(L.IGF-1)のエキソン3、4および6の配列も示した(特に比較には図11
を参照)。本発明の好ましい実施形態においては配列番号2、4および6の配列を有
するポリペプチドを使用してもよい。
【0027】 本発明において、MGFおよびその機能的同等物は本発明者らが確認した神経学
的性質を有する。従って、それらは運動ニューロンのレスキューを行う能力を有
する。正確な運動ニューロンのレスキューの程度は事例によって変わり、どのMG
Fが使用されるのかおよびどのような環境下であるかに依存する。しかし、実施
例を参照すると、本発明のMGFは、治療した被験者の運動ニューロンの欠損を、
無治療の被験者の同等条件と比較して20、30、40、50、60、70、80、90、95、99
または100%だけ低下させ得るであろう。運動ニューロンの欠損の70%以上または8
0%以上の(すなわち30%以下または20%以下への)低下が好ましい。レスキューの
程度は適当な技術、例えば立体解析学(Stereology)(実施例参照)などの公知
の技術によって計算できる。特定の試験として、実施例で使用した、ラットにお
ける顔面神経捻除に応答する運動ニューロンのレスキューの測定による技術を使
ってもよい。しかしこの技術は非ラットMGFの性質を評価するのに理想的でない
ことは理解されよう。従って、他の動物モデルを用いて類似の試験を工夫しても
よい。例えば、他の神経捻除に関係する試験を工夫してもよい。ヒト治療に関す
る限り、一般的に動物モデルに依存する必要があり、従ってヒトMGFはこれらの
モデルではin vivoにヒトで有するより低い活性を有しうる。
【0028】 天然に存在するMGF配列を有するMGFが好ましい。しかし、また本発明で考察す
るのと同じ基本4-5-6エキソン構造および神経学的性質を有する変異体MGFを使用
してもよい。
【0029】 本発明のポリペプチドは、以下に記載のポリヌクレオチドによりコードするこ
とができる。
【0030】 本発明のMGFポリペプチドは、本発明の神経学的性質が維持される限り、本質
的に、配列番号2、4もしくは6に表示したアミノ酸配列、またはこれらの配列の
いずれかと実質的に相同的な配列または断片からなってもよい。一般的に、配列
番号2、4および6に示した天然に存在するアミノ酸配列が好ましい。しかし、本
発明のポリペプチドは、本発明の神経学的性質を有する、天然の配列の相同体な
らびに天然の配列およびその相同体の断片を含む。
【0031】 特に、本発明のポリペプチドは、 (a) 配列番号2(ヒトMGF)、4(ラットMGF)、もしくは6(ウサギMGF)のポリ
ペプチド配列; (b) (a)のポリペプチドに対して少なくとも70、80、90、95、98もしくは99%の
相同性を有するポリペプチド配列; (c) 配列番号1、3、もしくは5のヒト、ラットもしくはウサギMGF DNAのエキソ
ン4、5および6により全体的にもしくは部分的にコードされるアミノ酸を含む配
列、または該配列に対して70%以上の相同性を有する配列; (d) 上記(a)、(b)または(c)の配列と選択的にハイブリダイズすることができる
核酸配列によりコードされる配列;または (e) 上記(a)の配列の対立遺伝子変異体または種相同体 を含んでもよい。
【0032】対立遺伝子変異体 対立遺伝子変異体として、天然に存在しかつ上に定義した配列番号2、4もしく
は6のタンパク質と実質的に類似した方法で機能しうる変異体がありうる。同様
に、タンパク質の種相同体として、他の種で天然に存在する同等のタンパク質が
ありうる。そのような相同体はいずれの種、好ましくは哺乳類の種に、例えば、
ウシ、ウマ、ヒツジもしくはヤギ、ネコ、またはイヌなどのウシ科、ウマ科、ヒ
ツジ科、ネコ科またはイヌ科の種に;またはラット(配列番号4)もしくはウサ
ギ(配列番号6)以外のげっ歯類の種に、またはヒト(配列番号2)以外の霊長類
の種に存在しうる。非哺乳類MGF、例えば、魚類または鳥類MGF、例えばニワトリ
MGFも本発明のMGFである。いずれの種の中にあっても、相同体は複数の対立遺伝
子変異体として存在しうるので、これらは全て配列番号2、4または6のタンパク
質の相同体と考えられるであろう。
【0033】 対立遺伝子変異体および種相同体は、当業界で周知の方法によって、例えば、
適当な細胞供給源を配列番号1、3または5から誘導したプローブを用いてプロー
ビングすることによって得ることができる。得たクローンを通常の技術によって
操作することにより本発明のポリペプチドを作製することができ、それを自明の
遺伝子組換えまたは合成技術によって作ることができる。
【0034】相同体 本発明のポリペプチドは、配列番号2、4または6のタンパク質と、好ましくは
少なくとも70%の相同性、さらに好ましくは少なくとも80または90%、そしてより
好ましくは少なくとも95、97または99%の相同性を、少なくとも20、好ましくは
少なくとも30、例えば40、60、または100以上の連続するアミノ酸の領域にわた
って有する。タンパク質相同性を測定する方法は当業界で周知であり、当業の技
術者であれば、本明細書の文脈において、相同性がアミノ酸同一性に基づいて計
算されることを理解するであろう(時々「ハードホモロジー(hard homology)
」と呼ばれる)。
【0035】 相同性の程度は、ポリヌクレオチド配列について本明細書で考察した周知の方
法によって測定することができる。
【0036】 配列番号2、4および6のポリペプチドならびに対立遺伝子変異体および種相同
体の配列を改変して、さらなる本発明のポリペプチドを提供することができる。
【0037】 置換 アミノ酸置換は、例えば、1、2もしくは3〜10、20もしくは30個の置換から構
成されるものでありうる。例えば、全部で1、2、5、10もしくは20個のアミノ酸
を、ポリペプチド中の50、100もしくは200個のアミノ酸の長さにわたって置換し
てもよい。例えば、最大20個のアミノ酸を50個のアミノ酸の長さにわたって置換
してもよい。改変したポリペプチドは一般的に本明細書中で定義する本発明の神
経学的性質を保持する。例えば次の表に従う保存的置換を行うことができる。第
2列の同じブロックのアミノ酸、そして好ましくは第3列の同じ行のアミノ酸は互
いに置換してもよい。
【0038】
【0039】断片 本発明のポリペプチドはまた、上記の全長ポリペプチドとその変異体の断片も
含み、そして配列番号2、4および6に表示した配列の断片も含む。そのような断
片は典型的には本発明の神経学的性質を保持する。
【0040】 適当な断片は一般的に、サイズが少なくとも約20、例えば少なくとも20、50ま
たは100個のアミノ酸である。配列番号2、4および6のポリペプチドならびにその
対立遺伝子および種変異体のポリペプチドのポリペプチド断片は、保存的置換を
含む1以上(例えば2、3、5、5〜10以上)の置換、欠失または挿入を含有しうる
。それぞれの置換、挿入または欠失は、長さが例えば1、2、3、4、5、5〜10また
は10〜20個のアミノ酸のいずれの長さであってもよい。
【0041】 特に、本発明の断片は、配列番号1、3または5のヒト、ラットまたはウサギDNA
のエキソン4、5および6によりコードされるアミノ酸を含んでもよい。エキソン4
の第1アミノ酸であるAsnは、一部はエキソン3(ヌクレオチド1個)により、そし
て一部はエキソン4(ヌクレオチド2個)によりコードされる。本発明の断片中に
該第1アミノ酸が存在することが好ましい。
【0042】キメラ配列 本発明のキメラポリペプチド配列(以下参照)によりコードされるMGFポリペ
プチドを使用することができる。
【0043】単離、精製および改変 本発明のポリペプチドは実質的に単離された形態であってもよい。ポリペプチ
ドを、ポリペプチドの意図する目的を妨害せずかつ実質的になお単離していると
みなされる担体または希釈剤と混合してもよいことは理解されるであろう。本発
明のポリペプチドはまた、実質的に精製された形態であってもよく、その場合、
一般的に、調製物中のポリペプチドの70%以上、例えば80、90、95、98または99%
以上が本発明のポリペプチドであるように調製物中にポリペプチドを含んでなる
であろう。
【0044】 本発明のポリペプチドは、それらの天然の細胞環境から外れた形態で提供する
ことができる。従って、本発明のポリペプチドは、以上考察したように、実質的
に単離されもしくは精製されてもよいし、またはそれらが天然に存在しない細胞
、例えば他の植物種、動物、酵母もしくは細菌の細胞内にあってもよい。
【0045】 本発明のポリペプチドは、例えばヒスチジン残基またはT7タグの添加により改
変してそれらの同定または精製を助けてもよく、またはシグナル配列の添加によ
り改変してそれらの細胞からの分泌を促進してよい。
【0046】 本発明のポリペプチドは表示標識を用いて標識することができる。表示標識は
、ポリペプチドの検出を可能にする適当な標識のいずれであってもよい。適当な
標識は、放射性同位体、例えば125I、35S、酵素、抗体、ポリヌクレオチドおよ
びビオチンなどのリンカーが挙げられる。
【0047】 本発明のポリペプチドは化学的に改変、例えば翻訳後に改変することができる
。例えば、本発明のポリペプチドは改変したアミノ酸残基を含有してもよい。ま
た、MGFは天然にはグリコシル化されてないが、本発明のポリペプチドはグリコ
シル化(上記参照)してもよい。そのような改変したポリペプチドは本発明のポ
リペプチドであると理解されるであろう。
【0048】 他の可能性は、安定性、すなわちin vivoでのMGFの半減期をその配列を変える
ことによって増加させることであり、例えば1以上のグルコシル化部位を導入し
てグリコシル化を受け易くすることである。あるいは、MGFの一級アミノ酸構造
の分解耐性をより増加させるための改変をしてもよい。
【0049】 MGFの配列の改変の効果はいずれかの適当な方法によって試験することができ
る。例えば、変異体MGFの結合性質および/または安定性は、in vitroまたはin v
ivoで未改変のMGFのそれらと比較することによって試験してもよい。
【0050】ポリヌクレオチド 本発明のポリヌクレオチドは本発明のポリペプチドをコードする。
【0051】 本発明の好ましいポリヌクレオチドは本発明の神経学的性質を有するポリペプ
チドをコードするコード配列を含んでなり、そのコード配列は、 (a) 配列番号1、3または5のいずれか1つのコード配列; (b) (a)の配列または(a)の配列と相補的な配列と選択的にハイブリダイズでき
る配列、; (c) (a)の配列に対して70%以上の相同性を有する配列; (d) (a)〜(c)のいずれか1つの配列の断片である配列;および (e) (a)〜(d)のいずれか1つの配列と異なるが、遺伝子コードの縮重によって同
じポリペプチドをコードする配列、 から選択される。
【0052】 従って、本発明は、配列番号1、3または5のいずれか1つに示したコード配列を
含むポリペプチド、および関係した配列をもつその変異体を含むポリヌクレオチ
ドを提供する。本発明のポリヌクレオチドを使って本発明のベクターを調製する
ことができる。
【0053】配列番号1、3および5 本発明の好ましいポリヌクレオチドは配列番号1、3および5に示すコード配列
からなる。
【0054】ハイブリダイズ可能な配列 本発明のポリヌクレオチドは配列番号1、3および5のコード配列と、バックグ
ラウンドを有意に超えるレベルで選択的にハイブリダイズできる。バックグラウ
ンドハイブリダイゼーションは、例えばcDNAライブラリー内に存在する他のcDNA
が原因で生じうる。本発明のポリヌクレオチドと配列番号1、3、5、7、9もしく
は11のコード配列との間の相互作用により生じるシグナルレベルは、典型的には
、他のポリヌクレオチドと配列番号1、3および5のコード配列との間の相互作用
の少なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍の強度である。相互作用の強度
は、プローブを例えば32Pを用いて放射性標識することにより測定することがで
きる。選択的ハイブリダイゼーションは、典型的には、中ないし高ストリンジェ
ンシーの条件(例えば、0.03M塩化ナトリウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウム、
約50℃〜約60℃、例えば45〜50、50〜55、55〜60℃、例えば50または60℃にて)
を用いて実施する。
【0055】 しかし、そのようなハイブリダイゼーションは当業界で周知のいずれの適当な
条件下で実施してもよい(Sambrookら(1989)、Molecular Cloning:A Laborator
y Manual)。
【0056】 例えば、もし高ストリンジェンシーが必要であれば、適当な条件は、0.2 x SS
X、約60℃、例えば40〜50℃、50〜60℃または60〜70℃、例えば50または60℃の
条件である。もし低ストリンジェンシーを要すれば、適当な条件は、2 x SSC、
約60℃、例えば40〜50℃、50〜60℃または60〜70℃、例えば50または60℃の条件
である。
【0057】 ストリンジェンシーは、典型的には、ほぼTm-5℃(2本鎖でお互いにハイブリ
ダイズする2つの配列の融点(Tm)の5℃下)からTmの約20〜25℃下までの範囲で
生じる。従って、本発明によれば、ハイブリダイズ可能な配列は、Tm〜(Tm-25)
℃、例えば、Tm〜(Tm-5)℃、(Tm-5)〜(Tm-10)℃、(Tm-10)〜(Tm-20)℃または(Tm
-20)〜(Tm-25)℃の温度にて、配列番号1、3または5とハイブリダイズする配列で
あってもよい。
【0058】相同配列 本発明のポリヌクレオチド配列は、配列番号1、3または5のコード配列に対し
て少なくとも70%、好ましくは少なくとも80または90%、そしてさらに好ましくは
少なくとも95、98または99%相同なコード配列を含有するであろう。
【0059】 そのような相同性は好ましくは少なくとも20、好ましくは少なくとも50、例え
ば100〜500個以上の連続したヌクレオチドの領域にわたって適合するであろう。
【0060】 核酸およびポリペプチドの相同性を測定する方法は当業界では周知である。こ
れらの方法を本発明のポリペプチドと核酸の両方に対する相同性の測定に適用で
きる。例えば、UWGCGパッケージは、相同性を計算するために使用できるBESTFIT
プログラムを提供する(Devereuxら(1984), Nucleic Acids Research 12, p.387
-395)。
【0061】 同様に、PILEUPおよびBLASTアルゴリズムを使って配列をラインアップするこ
とができる(例えば、Altschul, S. F. (1993) J. Mol. Evol. 30:290-300;Alts
chul, S.F.ら(1990) J. Mol. Biol. 215:403-410に記載). そのようなプログラムに対して、多くの異なる設定が可能である。本発明によ
れば、デフォルトの設定を用いることができる。
【0062】 さらに詳細に説明すると、BLASTアルゴリズムは配列類似性を決定するのに適
当であり、Altschulら(1990). J. Mol. Biol. 215:403-410に記載されている。B
LAST分析を実施するためのソフトウェアは、バイオテクノロジー情報国立センタ
ー(National Center for Biotechnology Information)(http://www.ncbi/nlm
.hih.gov/)を通して公開されている。このアルゴリズムは、最初に、データベ
ース中の同じ長さのワードとアラインしたときに対合するかまたは任意のポジテ
ィブ値の閾スコアTを満足するケリー配列中の長さWの短いワードを同定すること
によって高スコアリング配列対(HSP)を同定する。Tは近隣ワードスコア閾値(
neighbourhood word score threshold)と呼ばれる(Altschulら,前掲)。これ
らの最初の近隣ワードヒットは、それらを含有するHSPを見つけるための検索を
開始するシーズとして作用する。ワードヒットをそれぞれの配列に沿って両方向
に、累積アラインメントスコアが増加しうる限り拡大する。各方向のワードヒッ
トの伸長を停止するのは、累積アラインメントスコアが最高達成値から量Xだけ
低下するか;累積スコアが1以上のネガティブスコアリング残アラインメント(re
sidue alignment)の累積によってゼロ以下になるか;またはいずれかの配列の端
末に到達したときである。BLASTアルゴリズムパラメーターW、TおよびXはアライ
ンメントの感度と速度を決定する。BLASTプログラムはデフォルト値としてワー
ド長(W)=11、BLOSUM62スコアリングマトリックス(HenikoffおよびHenikoff (
1992) Proc. Natl Acad Sci. USA 89:10915-10919を参照)アラインメント(B)
=50、期待(E)=10、M=5、N=4、および両鎖の比較を使用する。
【0063】 BLASTアルゴリズムは2つの配列間の類似性を統計解析する;例えば、Karlinお
よびAltschul (1993) Proc. Natl. Sci. USA 90:5873-5787を参照。BLASTアルゴ
リズムにより提供される類似性の1つの基準は最小和確率(P(N))で、これは2つ
のヌクレオチドまたはアミノ酸配列の間の対合が偶然に起こりうる確率の指標を
与える。例えば、ある核酸は、もしその試験核酸と融合核酸の比較における最小
和確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、さらに好ましくは約0.01未満、そして
最も好ましくは0.001未満であれば、融合遺伝子もしくはcDNAと類似していると
考えられる。
【0064】断片 本発明に包含されるのはまた、上記(a)〜(c)の配列の断片であるが本発明の神
経学的性質を有する配列である。
【0065】 特に、断片は配列番号1、3または5のヒト、ラットまたはウサギMGF DNAのエキ
ソン4、5および6を含有してもよい。
【0066】 エキソン4の第1アミノ酸であるAsnは一部はエキソン3により、そして一部はエ
キソン4によりコードされる。エキソン3からの必要なコード塩基が存在して前記
第1アミノ酸のAsnをコードすることが好ましい。
【0067】縮重配列 また、本発明の範囲内に含まれるのは(a)〜(d)の配列と異なるが遺伝子コード
の縮重の故に同じ保護ポリペプチドをコードする配列である。例えば、本発明は
また、配列番号2、4および6のポリペプチドをコードする配列番号1、3および5の
縮重変異体を提供する。
【0068】相補的配列 さらに、本発明は上記配列のいずれかと相補的な配列を有するポリヌクレオチ
ドを提供する。
【0069】キメラ配列 1以上の種からのエキソンを含んでなるキメラ配列も使うことができる。例え
ば、エキソン3〜6の1以上をヒトからそして1以上をラットおよび/またはウサギ
から誘導することができる。
【0070】その他の性質 本発明の核酸は、本発明のポリペプチドをコードする限り、いずれの長さであ
ってもよい。本発明による核酸配列は、配列番号1、3もしくは5の配列の連続す
る断片または該断片に上記のいずれかのように関係する配列であってもよい。あ
るいは、本発明の核酸は、配列番号1、3または5の配列中で連続していないDNA配
列を含んでなってもよい。これらの配列は配列番号1、3もしくは5の配列の断片
またはそのような断片に上記のいずれかのように関係する核酸配列であってもよ
い。本発明の核酸配列は、好ましくは、少なくとも50個の塩基または塩基対、例
えば、50〜100、100〜500、500〜1000もしくは1000〜2000個の塩基または塩基対
を含んでなってもよい。
【0071】 上記の相同性の程度と最小サイズとのいずれの組合せを使って本発明のポリヌ
クレオチドを規定してもよく、そしてよりストリンジェントな組合せ(例えば、
より長い長さにわたるより高い相同性および/またはよりストリンジェントな条
件下でのハイブリダイゼーション)が好ましい。従って、例えば100、好ましく
は200個のヌクレオチドにわたって少なくとも90%相同であるポリヌクレオチドは
本発明の一態様を形成し、また100または200個のヌクレオチドにわたって少なく
とも95%相同であるポリヌクレオチドも同様である。
【0072】 本発明のポリヌクレオチドはDNAまたはRNAからなるものであってよい。それら
はまた、合成または改変ヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドであってもよ
い。ポリヌクレオチドに対する多数の異なるタイプの改変が当業界では周知であ
る。改変は、例えばヌクレアーゼ耐性を増強し、かつ/また、細胞に進入する能
力を増強してもよい。例えば、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドを利用し
てもよい。他のデオキシヌクレオチド類似体としては、メチルホスホネート、ホ
スホロアミデート、ホスホロジチオエート、N3'P5'-ホスホロアミデートおよび
オリゴリボヌクレオチドホスホロチオエートならびにそれらの2'-O-アルキル類
似体および2'-O-メチルリボヌクレオチドメチルホスホネートが挙げられる。さ
らに可能な改変は、該分子の3'および/または5'末端におけるアクリジンまたは
ポリリシン鎖の付加である。
【0073】 あるいは混合主鎖オリゴヌクレオチド(MBO)を利用することができる。MBOは
、ホスホチオエートオリゴデオキシヌクレオチドのセグメントおよび適当に配置
した改変オリゴデオキシ-またはオリゴリボヌクレオチドのセグメントを含有す
る。MBOは、非イオン性でヌクレアーゼに非常に耐性があるメチルホスホネート
または2'-O-アルキルオリゴリボヌクレオチドのような、ホスホロチオエート鎖
のセグメントおよび別の改変オリゴヌクレオチドの他のセグメントを有する。本
発明の目的のために、本明細書に記載のポリヌクレオチドは当業界で利用しうる
いずれの方法により改変してもよいことは理解されるべきである。そのような改
変は、本発明のポリヌクレオチドのin vivo活性または寿命を増加する目的で実
施してもよい。
【0074】 本発明のポリヌクレオチドを用いてプライマー、例えば、選択的増幅反応用の
プライマーであるPCRプライマー、プローブ、例えば、通常の手法により放射性
もしくは非放射性標識を使って表示標識を用いて標識したプローブを作製しても
よいし、または本発明のポリヌクレオチドをベクター中にクローニングしてもよ
い。そのようなプライマー、プローブおよび他の断片は、好ましくは少なくとも
10、好ましくは少なくとも15もしくは20、例えば少なくとも25、30もしくは40個
のヌクレオチドの長さであろう。これらは、以上考察した種相同体および対立遺
伝子変異体を同定するのに有用であろう。
【0075】 本発明によるDNAポリヌクレオチドおよびプライマーなどのポリヌクレオチド
は、遺伝子組換え、合成、または当業者が利用可能ないずれの方法によって作製
してもよい。それらはまた、標準技術によりクローニングしてもよい。ポリヌク
レオチドは、典型的には単離したおよび/または精製した形態で提供される。
【0076】 一般的に、プライマーは、所望の核酸配列を一度にヌクレオチド1個づつ段階
的に製造することを含む合成的手法によって作製されるであろう。自動化技術を
使ってこれを達成する技術は当業界で容易に利用できる。
【0077】 例えばイントロンおよびプロモーター領域を含有する、配列番号1、3および5
のcDNAに対応するゲノムクローンもまた本発明の態様であり、これは遺伝子組換
え手法を用い、例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)クローニング技術を使って
生産することができる。
【0078】 MGFの4-5-6エキソンパターンは本発明のポリヌクレオチドの特徴である。この
パターンをコード配列、従ってコードされるポリペプチドに反映させることを保
証するために、いずれの適当な方法を使ってもよい。例えば、イントロンおよび
スプライスシグナルを欠いていてエキソン4、5および6のコード配列を含有するc
DNA配列を用いてもよい。あるいは、ゲノムDNAが手元の状況で正しくスプライシ
ングされるのであれば、ゲノムDNAを用いてもよい。
【0079】 一般的に本明細書に述べた技術は当業界で周知であるが、特にSambrookら(198
9), Molecular Cloning : A Laboratory Manuelを参照してもよい。
【0080】 以上のように、本発明の配列に100%相同的でないが本発明の範囲内にあるポリ
ヌクレオチドは、多数の方法で、例えば、他の植物種からのcDNAまたはゲノムラ
イブラリーを配列番号1、3または5由来のプローブを用いてプロービングするこ
とによって得ることができる。縮重プローブは、配列番号1、3または5のDNA配列
と、その配列に対して中〜高ストリンジェンシーの条件(例えば0.03M塩化ナト
リウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウム、約50〜約60℃にて)または他の適当な
条件(例えば上記のような)のもとでプローブされる配列との間での縮重差異の
可能性を考慮にいれて、当業界で周知の手法により作製することができる。
【0081】 対立遺伝子変異体および種相同体はまた、可能性のある保存アミノ酸配列をコ
ードする変異体および相同体内の配列を標的として設計したプライマーを用いる
縮重PCRを使って得てもよい。可能性のある保存配列は、本発明のアミノ酸配列
(配列番号2、4もしくは6)をお互いにおよび/または当業界で公知のいずれの相
同的配列とアラインメントして予測することができる。前記プライマーは1以上
の縮重位置を含有し、既知配列に対する単一配列プライマーを用いて配列をクロ
ーニングするために使われる場合より低いストリンジェンシー条件で使われるで
あろう。
【0082】 あるいは、そのようなポリヌクレオチドは、配列番号1、3もしくは5の配列ま
たはその対立遺伝子変異体の部位特異的突然変異誘発により得ることができる。
これは、例えばポリヌクレオチド配列を発現させる特定の宿主細胞に対するコド
ン選択性を最適化するために、配列にサイレントなコドン変化が必要な場合に有
用でありうる。制限酵素認識部位を導入するため、またはポリヌクレオチドによ
りコードされるポリペプチドの性質もしくは機能を改変するため、他の配列が所
望される場合がある。
【0083】 本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチドとその相補鎖を含んでなる2本鎖
ポリヌクレオチドを提供する。
【0084】 本発明のポリペプチド、プローブまたはプライマーは表示標識を有していても
よい。適当な標識は、32Pもしくは35Sなどの放射性同位体、酵素標識、またはビ
オチンなどの他のタンパク質標識が挙げられる。そのような標識を、本発明のポ
リヌクレオチド、プローブまたはプライマーに付加して、それ自体公知の技術を
用いて検出してもよい。
【0085】MGFの被験者への送達 本発明のMGFおよび機能的に同等なポリペプチドは、神経学的障害の治療に必
要な被験者にいずれかの適当な方法によって送達することができる。それらは直
接、ポリペプチドとして送達してもよい。しかし、ポリペプチドをコードする核
酸を含有するベクターを使って送達し、次いでポリペプチドをin vivoで発現す
ることが複数の状況で好ましい。MGFは短い半減期を有するので、局所的に神経
筋接合部に与えたときに最も効果的でありうる。MGFのin vivo発現は局在化を容
易にしかつ反復注射の必要をなくする。
【0086】 しかし、ペプチド送達が好ましい臨床状況がある。例えば、卒中またはアルコ
ール関連脳障害の場合、神経細胞死をなるたけ速やかに防止しなければならない
ので、ペプチド送達が好ましいであろう。1つの可能性は、ポリペプチドを最初
の時点、例えば傷害後直ちに直接送達し、次に長期療法としてポリペプチドのin vivo発現に依存することである。
【0087】ポリペプチドの送達 本発明のポリペプチドはいずれの適当な手段により送達してもよい。静脈送達
は好ましい選択肢である。MGFは半減期が短いので、送達剤における徐放を利用
してもよい。本発明のMGFを徐放するためにいずれの適当な製薬製剤を用いても
よい。リポソーム製剤が1つの可能性である。
【0088】ポリペプチドの生産 本発明のポリペプチドはいずれの適当な方法で生産してもよい。複数の実施形
態においては、動物組織から抽出することができる。しかし、本発明のポリペプ
チドは遺伝子組換えによって生産することが好ましい。これは公知の技術を用い
て行うことができる。
【0089】核酸の送達 ポリペプチドをコードする核酸を含有するベクターを使って送達し、次にin v
ivoでポリペプチドを発現することが複数の状況で好ましい。MGFは短い半減期を
有し、局所的に神経筋接合部に与えたときに最も効果的でありうる。MGFのin vi
vo発現は局在化を容易にしかつ反復注射の必要をなくする。
【0090】核酸送達のためのベクター 本発明の核酸はいずれの適当な方法で送達してもよい。特に、それらは一般的
にはベクターによって送達されるであろう。いずれの適当なタイプのベクターを
使ってもよい。
【0091】 核酸は「裸(naked)」の形態で(例えば、プラスミドベクターで)送達しても
よいし、場合によっては以下に考察するように浸透を助ける薬剤と一緒になって
送達するようにしてもよい。あるいは、ベクターは核酸を封入するベクター、例
えばウイルスであってもよい。
【0092】 ベクターは、例えばプラスミドまたはコスミドベクターであってもよい。
【0093】 ベクターは、受容被験者の細胞に感染しうるウイルスを含んでなるベクターの
ようなウイルスベクターであってもよい。従って、ベクターはいずれの適当なウ
イルスであってもまたはそれから誘導されてもよく、例えば、アルファウイルス
、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、バキュロウイルス、ワクシニアウイル
ス、ヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス、レトロウイルス(例えばレンチ
ウイルス)ベクター、またはバキュロウイルスであってもよい。ウイルスベクタ
ーは、典型的には無傷のウイルスと同じ方法で複製できないまたは病原効果を生
じることはできないという意味で、無力化されるであろう。ウイルスベクターは
典型的には減弱化され、例えば複製欠陥を有するであろう。
【0094】 特に、「裸」の形態で、例えばプラスミドとして送達するとき、ポリヌクレオ
チドに細胞の浸透を助ける薬剤と一緒にしてもよい。例としては、陽イオン剤(
例えば陽イオン脂質)、ポリリシン、脂質、および沈降剤(例えばカルシウム塩
)が挙げられる。そのような薬剤は一般的に細胞膜を横切るポリヌクレオチドの
通過を助ける。ポリヌクレオチドは、例えば上述の浸透剤のいずれかと一緒にな
ってリポソームまたは粒子の形態であってもよい。ポリヌクレオチドはポリヌク
レオチドがヒストンなどのよりコンパクトな形態を取りうるようにする薬剤を伴
ってもよい。ポリヌクレオチドはスペルミジンを伴ってもよい。
【0095】 同様に、リポソームを使って本発明のポリヌクレオチドを細胞中に輸送するの
を助けてもよい。
【0096】 ポリヌクレオチドは、バイオリスティック(biolistic)技術を使ってポリヌ
クレオチドを細胞中にまたは核中にすら送達するのに用いることができる担体を
伴ってもよい。そのような担体は、金またはタングステン粒子などの金属粒子で
あってもよい。
【0097】 典型的には、ポリヌクレオチドは受容者の細胞中で発現することができる。従
って、ポリヌクレオチドはまた、典型的には本発明のMGFコード配列と機能的に
連結された制御配列も含んでなり、前記制御配列は、例えば細胞ゲノム中にポリ
ヌクレオチドが組み込まれた後に受容者の細胞内でコード配列を発現させること
ができる。
【0098】 制御配列は、典型的にはプロモーター(一般的にコード配列の5'に)および/
またはターミネーターおよび/または翻訳開始配列(例えば、GCCACCATGG(配列
番号7)またはGCCCCCATGG(配列番号8))および/または翻訳停止コドン(例え
ば、TAA、TAGまたはTGA)および/またはポリアデニル化シグナルおよび/または1
以上のエンハンサー配列および/またはRNA停止部位を含んでなる。制御配列はポ
リヌクレオチドの転写または翻訳を増強してもよい。制御配列は、ポリヌクレオ
チドがある特定の組織でだけ発現するように組織特異的であってもよく、または
構成的に発現される遺伝子の制御配列であってもよい。筋特異的プロモーターお
よびエンハンサーが特に好ましい。制御配列は、典型的には本明細書に述べたい
ずれかの真核生物の、または、例えばヒト受容者に対するヒトウイルスのような
受容者の種の真核生物に感染するウイルスの制御配列である。ポリヌクレオチド
は複製起点を含んでもよい。
【0099】 プロモーターは、例えば、(特に哺乳類動物における発現について)メタロチ
オネイン遺伝子プロモーター、SV40ラージT抗原プロモーター、CMVまたはアデノ
ウイルスプロモーターであってもよい。
【0100】 組織特異的発現に関する限り、筋特異的プロモーターおよびエンハンサーなど
の筋特異的エレメントが特に好ましく、とりわけ核酸を筋内に例えばプラスミド
形態で送達する場合に好ましい。そのようなエレメントは、例えばミオシン遺伝
子から誘導することができる。例えば、ミオシン軽鎖または重鎖プロモーターを
利用してもよいし、ミオシン軽鎖または重鎖エンハンサーを利用してもよい。
【0101】 複数のミオシンエンハンサーとプロモーターが今までにミオシン軽鎖およびミ
オシン重鎖遺伝子の両方から同定されている。好ましくは、使用するミオシンエ
ンハンサーおよび/またはプロモーターは脊椎動物起源、さらに好ましくは鳥類
、魚類または哺乳類動物起源である。
【0102】 ミオシン軽鎖エンハンサーが好ましい。ラットミオシン軽鎖1/3エンハンサー
(Donoghueら(1988) Genes Dev. 2:1779-1790;Nevilleら(1996) Dev. Genetics
19:157-162)が特に好ましい。エンハンサーはプロモーターと機能的に連結さ
れている。エンハンサーはプロモーターの上流または下流のいずれにあってもよ
い。エンハンサーはいずれの方向に使ってもよい。
【0103】 ミオシン重鎖プロモーターが好ましい。特に好ましいミオシン重鎖プロモータ
ーは末端切断されたウサギβ-心臓ミオシン重鎖プロモーターであり、とりわけ
転写開始部位の上流の789塩基対を含むそれまでの塩基対である。好ましい他の
ミオシン重鎖プロモーターはコイFG2プロモーターであり、特に転写開始部位の
上流の901塩基対を含むそれまでの塩基対である(Gauvryら(1996) Eur. J. Bioc
hem. 236:887-894)。ラット、ウサギ、ヒト、ブタおよびニワトリミオシン重鎖
遺伝子から誘導されるミオシン重鎖プロモーターのさらなる詳細は、Gauvryら(1
996)およびその参考文献に記載されている。これらのプロモーターは全て、本発
明に使用することができる。
【0104】 本発明の内容において、本発明のMGFの導入は物理的活性と結びつけることが
できる。筋は運動に応答しかつミオシンは筋中で最も豊富なタンパク質であるの
で、ミオシンプロモーター/エンハンサー調節配列は、cDNAの発現が筋活性の増
加によりアップレギュレーションされうることを意味する。
【0105】 プラスミドベクターと無力化ウイルスベクターが好ましい実施形態である。プ
ラスミドベクターは特に好ましく、とりわけ筋内の局所的発現の確保を目的とす
る筋内投与に対して好ましい。
【0106】 ベクターは、受容者細胞のゲノム中に安定して組込まれるように設計すること
ができる。あるいは、組込まれないように設計してもよい。安定な導入では、ポ
リヌクレオチドは細胞のゲノム中に組込まれる(すなわちゲノムに隣接する)。
従って、またポリヌクレオチドはバクテリオファージPI Cre組換え系のloxP部位
、酵母FLP組換え系のFRT部位またはアデノ随伴ウイルス(AAV)末端反復配列な
どのポリヌクレオチドの組込みを増強する配列を含んでもよい。組込みはバクテ
リオファージPI由来のCre、酵母由来のFLPリコンビナーゼ、AAV Repタンパク質
、CreもしくはFLPリコンビナーゼまたは細菌Recタンパク質などの存在する他の
因子により増強されうる。一実施形態においては、本発明のポリヌクレオチドは
そのような因子を発現することができる。
【0107】 ポリヌクレオチドは、無作為に(例えば非配列特異的な方法で)ゲノムの任意
の位置中に組込むものであっても、またはゲノムの特定の部位に選択的に組込む
ものであってもよい。一般的に、ポリヌクレオチドの全コード配列および制御配
列は組込み後にゲノムに存在するであろう。
【0108】医薬組成物と製剤 本発明のポリペプチドと核酸は、好ましくは製薬上許容される担体または希釈
剤を含んでなる医薬製剤の形態で送達される。いずれの適当な製薬製剤を用いて
もよい。
【0109】 例えば、適当な製剤は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、殺菌抗生物質および製剤
を意図する受容者の体液に等張化する溶質を含有しうる水性および非水性の無菌
注射溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含有しうる水性および非水性の無菌懸
濁液を含んでいてもよい。製剤は単位用量または多用量容器で提示してもよい。
例えば、アンプルおよびバイアルに封入してもよいし、使用前に無菌液体担体、
例えば注射用水の添加だけを必要とする凍結もしくは凍結乾燥(lyophilized)
状態で貯蔵してもよい。
【0110】 以上詳細に述べた成分に加えて、本発明の製剤は、問題の製剤のタイプについ
て当業界の通常使われる他の薬剤も含有しうることは理解されるべきである。無
菌で、発熱物質を含まない水性および非水性溶液が好ましい。
【0111】投与経路 本発明のポリペプチドおよび核酸は、いずれの適当な投与形態、例えば局所、
皮膚、非経口、筋内、皮下もしくは経皮投与、または血流への直接注入、または
粘膜組織への直接適用によって投与してもよい。プラスミドおよび他の裸の核酸
に対しては筋内投与が好ましい。
【0112】用量 本発明のタンパク質、核酸およびベクターはいずれの適当な用量でそしていず
れの適当な用量レジメを使って送達してもよい。当業者であれば、多数の要素に
応じて用量およびレジメを適合させ、治療すべき特定の症状の最適な治療を保証
しうることを理解するであろう。複数のそのような要素は、治療すべき被験者の
年齢、性および臨床症状でありうる。
【0113】 ベクターによる核酸の送達のために使われる用量は、ベクターが核酸を細胞に
送達する効率、および核酸が細胞内で発現される効率を含む多くの要素に依存す
るであろう。
【0114】 裸の核酸(例えば、プラスミドまたは他の裸の非ウイルスベクター)の送達に
ついては、典型的な用量は、1用量当たり0.1〜5000μg、例えば10〜l000μgであ
って、10〜100μg、100〜500μgおよび500〜2000μgなどである。
【0115】 手引きとして、ウイルスベクターを104〜1014cfu/mlもしくはpfu/ml、例えば1
04〜106、106〜108、108〜1010、1010〜1012または1012〜1014cfu/mlもしくはpf
u/mlの用量で送達してもよい。105〜109cfu/mlもしくはpfu/mlの範囲の用量が好
ましい。用語pfu(プラーク形成単位)は、アデノウイルスを含むある特定のウ
イルスに適用し、ウイルス溶液の感染性に対応し、適当な細胞培養による感染お
よび一般的に48時間後の感染した細胞のプラーク数の測定により決定される。用
語cfu(コロニー形成単位)はレトロウイルスを含む他のウイルスに適用し、当
業界で公知の方法により、一般的には14日間インキュベーション後に選択マーカ
ーを用いて決定される。ウイルス溶液のcfuまたはpfu力価を決定する技術は当業
界で周知である。
【0116】 レトロウイルスについては、105〜106cfu/mlの範囲の用量が特に好ましい。偽
型(pseudotyped)レトロウイルスについては、107cfu/mlの範囲の用量が特に好ま
しい。アデノウイルスについては、109pfu/mlの範囲の用量が特に好ましい。
【0117】 本発明のポリペプチドの送達については、適当な用量には、1〜1000μg、10〜
100μg、100〜500μgおよび500〜1000μgの用量が挙げられる。
【0118】 投与スケジュールはまた、例えば投与経路、受容者の種および受容者の症状に
よって変わるだろう。しかし、数日、数週、数ヶ月の期間にわたる単一投与およ
び多投与が考えられる。以上考察したように、in vivoで発現される核酸の方法
による送達は、被験者への注入の必要を最小限にするので有利である。
【0119】神経障害 以上考察したように、MGFを利用して神経障害を治療することができる。神経
変性障害の治療が好ましい。運動ニューロン障害、特に運動ニューロンの神経変
性障害の治療が好ましい。
【0120】 障害の例としては、筋萎縮性側索硬化症;脊髄筋萎縮症;進行性脊髄筋萎縮症
;小児または若年性筋萎縮症、ポリオまたはポリオ後症候群;毒素曝露、運動ニ
ューロンの外傷、運動ニューロンの病変または神経損傷に起因する障害;運動ニ
ューロンに影響を及ぼす外傷;老化と関連した運動ニューロンの欠損;ならびに
常染色体性および伴性筋ジストロフィー;アルツハイマー病;パーキンソン病;
糖尿病性ニューロパシー;および末梢ニューロパシーが挙げられる。
【0121】 好ましくは、治療効果は、運動ニューロンのレスキューを含む。明らかに、本
発明者らは初めて、IGF-Iは無傷の成体運動ニューロンにおける運動ニューロン
のレスキューを達成することができることを認めた。従って、成体運動ニューロ
ンのレスキューに基づく治療が好ましい。
【0122】MGFと他の神経栄養因子の組合せ 本発明のMGFポリペプチドおよび核酸は、他の神経活性薬剤と組合せて投与す
ることができる。いずれの付加的神経活性薬剤をこの方法で使用してもよい。そ
のような薬剤は非ポリペプチド分子であってもよいしまたはポリペプチドであっ
てもよい。もしそれらがポリペプチドであれば、ポリペプチドとしてまたはその
ポリペプチドをコードする核酸として送達してもよい。これはいずれの適当な方
法、例えば本明細書に記載したMGFまたはMGFをコードする核酸を送達する方法に
より実施してもよい。
【0123】 神経活性を有するポリペプチド増殖因子が好ましい。例えば、脳由来神経栄養
因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3(NT-3)、NT-4、NT-5または神経増殖因子
(NGF)などのニューロトロフィンを使ってもよい。同様に毛様神経栄養因子(C
NTF)などの神経活性サイトカインを使ってもよい。同様にBrn 3a、Brn 3bおよ
びBrn 3cなどの神経活性転写因子を使ってもよい。
【0124】 神経障害の治療において本発明のMGFを他の神経活性薬剤と組合せるとき、2つ
を同じ医薬組成物に組合せてもよい。あるいは2つを分離した組成物として投与
してもよい。2つを同時に、分離してまたは逐次にそして同じ部位または異なる
部位に投与してもよい。
【0125】実施例 緒言 本研究において、本発明者らは、成体ラットにおける軸索切断で誘導した運動ニ
ューロン変性のモデルを使用し、インスリン様増殖因子-I(IGF-I)の2つのイソ
型:通常使われる肝型イソ型(L.IGF-I)および活性筋により産生され(Yangら,
1996)かつ本発明者らが「機械的増殖因子(mechano growth factor)」(MGF)
と名付けている新しく同定されたIGF-Iスプライス変異体の保護効果を試験した
。本発明者らのMGFの構造分析は、MGFは恐らくL.IGF-Iと異なる組織結合および
より短い半減期を有し、従ってそのような局所相互作用にパラ分泌/自己分泌の
方法で介在するのが特に適当であることを示す。神経筋接合部におけるL.IGF-I
とMGFの局所作用を可能にしかつこれらの短い半減期分子の反復注射の必要を避
けるため、本発明者らはプラスミドDNAベクターを用いてこれらの増殖因子に対
する遺伝子を筋肉に送達する。
【0126】方法 軽度に麻酔をかけた(2%ハロタン)6m Sprague-Dawleyラット(1グループ当たり
n=4)の右ウイスカーパッド中に3回の20μl等距離注射を行った。第1グループ(
プラスミド)にラットMGF遺伝子を含有する1.5μg/μlプラスミドDNAを注射し、
第3グループにラットMGF遺伝子を含有する0.65μg/μlプラスミドDNAを注射した
。7日後、右顔面神経が現われると静かに牽引して尖乳様突起孔(stylomastoid
foramen)から捻除した。他のグループでは、プラスミドの先行の筋内注射をし
ないで、右顔面神経を粉砕(n=4)または捻除(n=4)した。1ヶ月後、無処置の4
ラットを含む全てのラットを麻酔し、次に4%パラホルムアルデヒドを用いて潅流
し、そして顔面神経核を含有する脳幹の領域をビブラトームを使って70μmで連
続的に切片を作った。5番目毎の切片を系統的に無作為な方法でとり、蛍光染料Y
OYOを用いて染色し(1:1000、分子プローブ)、全顔面運動ニューロン数を共焦
点顕微鏡に使用する改変ジセクター(discetor)法(Johnsonら,1998)を使用して
評価した。簡単に説明すると、70μmビブラトームスライスを通って10μmだけ離
れた2つの光学切片をとり、1つの画像を緑色のシェード(shade)としてまたその
他を赤色のシェードとして保存した。次に、2つの光学切片をスクリーン上で合
わせて、1つの光学切片に存在するが他の切片に存在しないニューロン(この場
合緑色であって、赤色または黄色のシェードでない)だけを数えた。立体解析学
(West M.J. Trends in Neuroscience 1999. 22:51-61)を使って顔面神経核の
容積を決定した後、次に顔面運動ニューロンの総数を計算した。
【0127】結果 正常成体ラット顔面神経核は約3,500個の運動ニューロンを含有する(表1、図
1)。神経粉砕後1ヶ月に運動ニューロンの約15%が同側で失われ(p<0.05、Mann
Whitney U検定)、一方、神経捻除後の1ヶ月に運動ニューロンの約75%が失われ
た(図2)。捻除の7日前に鼻中にプラスミドDNAだけ注射しても、1ヶ月後に見ら
れる大量の運動ニューロン欠損に影響はなかった(図3)。しかし、L.IGF-Iに対
する遺伝子を含有するプラスミドを先行して筋内注射すると、捻除後1ヶ月の運
動ニューロン欠損は53%に減少し、MGF遺伝子を含有するプラスミドを注射すると
、捻除後1ヶ月の運動ニューロン欠損は21%に減少した(図4)。
【0128】
【0129】考察 本実施例において、本発明者らは、筋内遺伝子導入は無傷の系を用いて神経/
筋肉相互作用に影響を与える方法を提供することを示す。恐らく、束形成が持続
しかつ運動ニューロン罹患MNDをもつ運動ユニットが拡大を続ければ(Eisenら,1
998)、神経筋接触は維持されているが、運動ニューロン死に導く過程はほとん
どの部分で継続するようである。本実施例の結果は、神経傷害前の筋肉からの神
経栄養性支持の増加は運動ニューロン死に対する長期継続的(1ヶ月)保護を与
え得ることを示す。これは、新生児に傷害の時点に適用した神経栄養因子により
与えられる軸索切断誘導運動ニューロン死からの一時的保護(Vejsadaら,1995お
よび1998)とよい対照をなしており、また局所効果を果たす必要があり短い半減
期を有しかつ望ましくない全身効果(例えば、グルコースホメオスタシスの撹乱
)を誘導しうる分子にとってより適当である栄養因子送達の方法をある程度反映
していると思われる。
【0130】 本発明者らは、両方のIGF-Iイソ型が成体運動ニューロンのレスキューを促進
するのに有効であり、かつ活性筋(MGF)により産生されるイソ型が最も有効で
あることを報じる。成体運動ニューロンのレスキューにおけるIGF-Iの効果を示
唆する本発明者らの結果はまた、IGF-Iレベルが加齢と共に低下しかつ線虫(Cae
norhabditis Elegans)に高度保存されたIGF-I受容体の相同体の突然変異が加齢
過程と細胞死に対して深い影響を与えることから、脳(cranial)および脊髄運動
ニューロンのある特定の集団に対して実証されている加齢に関連する運動ニュー
ロン欠損の機構についての手がかりを与えうる。特異的IGF-Iイソ型、特にMGFの
形態の神経栄養性支持の低下は、加齢過程の一部としてまたは小さい外傷の結果
としての運動ニューロン死の可能性を増加するということであろう。
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【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は顔面運動神経核中の運動ニューロンの全数である。キー 1:正常 2:1ヶ月粉砕 3:1ヶ月剥離 4:プラスミド単独-1ヶ月剥離 5:IGF-Iプラスミド-1ヶ月剥離 6:MGFプラスミド-1ヶ月剥離 右(R):処置側;左(L):無処置側
【図2】 図2は捻除(対照実験)である。 (a)脳幹を通って顔面神経核レベルにおける横断切片の低拡大写真、顔面神経
捻除後1ヶ月。処置側(b)の顔面神経核中の運動ニューロン数は無処置神経核(矢
印および写真c)と比較して顕著に減少している。YOYOを用いて染色しエピ蛍光(
epifluorescence)を使って見た70μmビブラトーム切片。
【図3】 図3はプラスミド実験である。 (a)脳幹を通って顔面神経核レベルにおける脳幹の低拡大写真。遺伝子挿入し
てないプラスミドDNAを右鼻筋中に注射した。7日後、右顔面神経を捻除し動物を
1ヶ月生かした。捻除単独(図1)の効果と同じく、処置側(c)の顔面神経核中の
運動ニューロン数は無処置神経核(矢印および写真b)と比較して顕著に減少し
ている。YOYOを用いて染色しエピ蛍光を使って見た70μmビブラトーム切片。
【図4】 図4はMGFプラスミド実験である。 (a)脳幹を通って顔面神経核レベルにおける脳幹の低拡大写真。ラットMGF遺伝
子を含有するプラスミドDNAを右鼻筋中に注射した。7日後、右顔面神経を捻除し
動物を1ヶ月生かした。処置側(b)の顔面神経核中の運動ニューロン数は無処置神
経核(矢印および写真c)と類似している。YOYOを用いて染色しエピ蛍光を使っ
て見た70μmビブラトーム切片。
【図5】 図5はヒトMGFのcDNAおよびアミノ酸配列であり、そのエキソン構造を示す。
【図6】 図6はラットMGFのcDNAおよびアミノ酸配列であり、そのエキソン構造を示す
【図7】 図7はウサギMGFのcDNAおよびアミノ酸配列であり、そのエキソン構造を示す
【図8】 図8はヒトL.IGF-IのcDNAおよびアミノ酸配列であり、そのエキソン構造を示
す。
【図9】 図9はラットL.IGF-IのcDNAおよびアミノ酸配列であり、そのエキソン構造を
示す。
【図10】 図10はウサギL.IGF-IのcDNAおよびアミノ酸配列であり、そのエキソン構造を
示す。
【図11】 図11は配列アラインメントであり、ヒト、ラットおよびウサギMGFおよびL.IGF
-Iを図解し、類似性と差異を強調する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07K 14/65 A61K 37/36 C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 ジョンソン,イアン イギリス国 エヌダブリュ3 2ピーエフ ロンドン,ローランド ヒル ストリー ト,デパートメント オブ アナトミー アンド デヴェロップメンタル バイオロ ジー,ロイヤル フリー アンド ユニバ ーシティー カレッジ メディカル スク ール Fターム(参考) 4B024 AA01 BA02 CA04 EA02 EA04 HA17 4C084 AA02 AA13 BA44 CA53 CA59 DB22 MA24 MA56 MA63 MA66 NA10 ZA012 4C087 AA01 AA02 BC83 CA12 MA02 NA10 ZA01 4H045 AA10 AA30 BA10 CA40 DA38 EA21 FA74

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MGF(機械的増殖因子)のリーディングフレーム中のIGF-Iエ
    キソン4、5および6の核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み、かつ
    神経捻除に応答して運動ニューロンの欠損を20%以上低下させる能力を有する、
    MGF インスリン様増殖因子I(IGF-I)イソ型の、神経障害治療用の医薬の製造
    における使用。
  2. 【請求項2】 MGFが神経捻除に応答して運動ニューロンの欠損を50%以上
    または80%以上低下させる能力を有する、請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 MGFがグリコシル化されていない、請求項1または2に記載
    の使用。
  4. 【請求項4】 MGFが、 (a) ヒトMGF(配列番号2)、ラットMGF(配列番号4)、もしくはウサギMGF
    (配列番号6)の配列、 (b) 上記(a)の配列に対して70%以上の相同性を有する配列、 (c) 配列番号1、3もしくは5のヒト、ラットもしくはウサギMGF DNAのエキ
    ソン4、5および6により全体的にもしくは部分的にコードされるアミノ酸を含
    む配列、もしくは該配列に対して70%以上の相同性を有する配列、または (d) 上記(a)、(b)もしくは(c)の配列と選択的にハイブリダイズすることがで
    きる核酸配列によりコードされる配列、 を有する、請求項1、2または3に記載の使用。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に規定したMGF IGF-Iイソ型を
    コードするポリヌクレオチドの、神経障害治療用の医薬の製造における使用。
  6. 【請求項6】 前記ポリヌクレオチドが配列番号1、3または5のコード配
    列からなる、請求項5に記載の使用。
  7. 【請求項7】 前記ポリヌクレオチドがベクター内に含まれる、請求項6に
    記載の使用。
  8. 【請求項8】 ベクターがプラスミドベクターまたは無害化したウイルスベ
    クターである、請求項7に記載の使用。
  9. 【請求項9】 神経障害が運動ニューロンの障害および/または神経変性障
    害である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
  10. 【請求項10】 治療の効果が運動ニューロンのレスキューを含む、請求項
    9に記載の使用。
  11. 【請求項11】 治療の効果が成体運動ニューロンのレスキューを含む、請
    求項10に記載の使用。
  12. 【請求項12】 前記障害が筋萎縮性側索硬化症、脊髄筋萎縮症、進行性脊
    髄筋萎縮症、小児または若年性筋萎縮症、ポリオまたはポリオ後症候群、毒素暴
    露、運動ニューロンの外傷、運動ニューロンの病変または神経損傷に起因する障
    害、運動ニューロンに影響を及ぼす外傷、老化と関連した運動ニューロンの欠損
    、常染色体性または伴性筋ジストロフィー、糖尿病性ニューロパシー、および末
    梢ニューロパシーから選択される、請求項9に記載の使用。
  13. 【請求項13】 前記医薬が別の神経活性薬剤をさらに含むか、またはMGF
    を用いる治療を別の神経活性薬剤と組み合わせて行なう、請求項1〜12のいず
    れか1項に記載の使用。
  14. 【請求項14】 神経障害の治療において同時に、別々にまたは連続的に使
    用するための、請求項1〜4のいずれか1項に規定したMGF IGF-Iイソ型または
    請求項5〜8のいずれか1項に規定したMGFコード化ポリヌクレオチド、および
    別の神経活性薬剤を含有する製品。
  15. 【請求項15】 請求項9〜12のいずれか1項に規定した障害の治療に使
    用するための、請求項14に記載の製品。
  16. 【請求項16】 請求項1〜4のいずれか1項に規定したMGF IGF-Iイソ型
    または請求項5〜8のいずれか1項に規定したMGFコード化ポリヌクレオチド、
    別の神経活性薬剤、および製薬上許容される担体を含有する医薬組成物。
  17. 【請求項17】 神経障害の治療が必要な被験者に、有効量の請求項1〜4
    のいずれか1項に規定したIGF-Iイソ型または請求項5〜8のいずれか1項に規
    定したMGF IGF-Iイソ型をコードする核酸を、場合により別の神経活性薬剤と組
    み合わせて、投与することを含んでなる、神経障害の治療方法
  18. 【請求項18】 別の神経活性薬剤がポリペプチド増殖因子またはポリペプ
    チド増殖因子をコードする核酸である、請求項13に記載の使用、請求項14ま
    たは15に記載の製品、請求項16に記載の組成物、または請求項17に記載の
    方法。
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