JP2003532742A - 神経損傷の修復 - Google Patents

神経損傷の修復

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、MGF(メカノ-増殖因子)のリーディングフレーム内のIGF-Iエキソン4、5および6の核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み、神経剥離への応答における運動神経の消失を20%以上低減させる能力を有している、MGFインスリン様増殖因子(IGF-I)アイソフォームの、損傷部位に上記MGFが分布することによって神経損傷の治療についての薬剤の製造における使用を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、メカノ-増殖因子(MGF)として知られるインスリン様増殖因子(IG
F-I)アイソフォームを用いた神経損傷の治療に関する。より詳細には、このよ
うな損傷部位の周辺にMGFを局在させ、典型的には、切断された末梢神経の2つの
末端周辺に導管を配置させて修復をもたらされる。
【0002】発明の背景 IGF-IおよびMGF 哺乳類のIGF-Iポリペプチドは多数のアイソフォームを持ち、それらは選択的m
RNAスプライシングの結果として生じる。大別すると、2種類のアイソフォーム、
肝臓型アイソフォームおよび非肝臓型アイソフォームがある。肝臓型アイソフォ
ームは、肝臓または他の部位で発現されうるが、他の部位で発現される場合、肝
臓において発現されるものと等しい。それらは、全身作用を持ち、哺乳類におけ
る主要なアイソフォームである。非肝臓型アイソフォームは、より稀であり、い
くつかは自己分泌/傍分泌作用を持つと考えられている。後者の種類のcDNAは、
下記において議論されるように、クローニングされ、次いで、機械的過負荷を受
けた骨格筋および心筋において検出されている。
【0003】 IGF-Iスプライシング変異型についての用語は、肝臓アイソフォームに基づく
ものであり(Chewら、1995)、肝臓以外の組織によって産生されるものまで重文
に考慮したものではない。プロモーター2の支配下にありホルモンに応答する肝
臓の「IGF-Iアイソフォームに対して、後者は異なるプロモーター(プロモータ
ー1)によってある程度制御されている(Layall, 1996)。
【0004】 本発明の目的のために、2つのアイソフォームは特に関心が持たれる。2つの筋
肉のアイソフォームが存在することはつい最近認識されたばかりだが、これらは
ともに骨格筋において発現される。第1のアイソフォームは筋肉の肝臓型IGF-I、
すなわちL.IGF-I(全身タイプ)であり、主として比較のための対象である。第2
のアイソフォームは、メカノ-増殖因子、すなわちMGF(自己分泌/傍分泌型)で
ある。
【0005】 これらは選択的スプライシング変異体である。エキソン1および2は、共通のエ
キソン3に示差的にスプライシングされる、転写開始部位を異にする、選択的始
端部エキソンである(Tobinら、1990; Jansenら、1991)。エキソン3および4は
、Eドメインの最初の16アミノ酸に加えて成熟IGF-Iペプチド(B、C、AおよびDド
メイン)をコードする。エキソン5および6は各々、異なる伸長部ペプチド、Eド
メインの選択的部分をコードする。これには、IGF-I前駆体の終止コドン、3'非
翻訳領域およびpoly(A)付加シグナル部位が続いている(Rotweinら、1986)。2
つのアイソフォーム間での更なる違いは、MGFはグリコシル化されず、従って、
より小さいということである。それはまた、あまり安定でないことが示された。
従って、それはより短い半減期を持つかもしれない。
【0006】 筋肉のL.IGF-Iが、エキソン4および6を持つ一方、運動または伸張を受けない
限り骨格筋において検出されない(Youngら、1996)MGFは、エキソン4、5および
6を持つことが示されている。MGF中のエキソン5は、3'リーディングフレーム、
すなわちペプチドのカルボキシ末端を変化させる52bpのインサート部分を持つ。
更に、MGFは過負荷の心筋において検出された(Skarliら、1998)。
【0007】 一連のモノクロナール抗体を用いたIGF-Iの機能的エピトープマッピング(Man
esら、1997)は、IGF-Iのカルボキシ末端(3'末端)が特定のレセプターおよび/
または結合タンパク質に対するペプチドの親和性の決定において重要であること
を示した。
【0008】 MGF mRNAは、ジストロフィーの筋肉においては、それが伸張を受けた場合でも
検出されない。常染色体およびジストロフィン欠損性ジストロフィーの両方にお
ける、伸張による過負荷に応答する筋不全は、細胞骨格がその伝達機構に関与し
ている可能性を示唆する(Goldspinkら、1996)。筋肉の過負荷を感知し、その
結果IGFの両変異型の発現を引き起こす基本的な機構があると思われる。
【0009】 このように、MGFは伸張および運動に応答して骨格筋および心筋組織で発現す
ることが知られており、結果として筋肉に対する損傷の修復に関与すると信じら
れている(Yangら、1996; WO97/33997)。このことは、つい最近McKoyら(1999
)によって確認された。
【0010】導管 以前から、神経損傷の修復を補助するため、例えば、切断された神経の間隙を
繋ぐために、導管の使用が提案されている。その目的は、神経が導管内で再生で
きるように、神経の周辺、例えば、その2つの切断された末端の周辺に導管を配
置することである。
【0011】 特に、ポリ-3-ヒドロキシブチレートで構成される導管は、神経自家移植片の
代替として提案され、その結果、次善の機能的結果および供与部位の不全を生じ
る。PHBは細菌の細胞質内に顆粒として生じ、生体吸収性のシートとして利用さ
れる。PHBの導管は神経再生を補助し、神経自家移植片と比較して良い結果を示
すことが示された(Hazariら、J. Plastic Surgery (1999))。
【0012】 PHBを含む様々な異なる導管素材が提案されたが、いずれもまだ臨床的に完全
には応用されていない。シリコンだけは限定された臨床試験に応用されている(
Lundborgら、1997)が、非吸収性のシリコンチューブを除去するために時として
二次手術が必要であった。
【0013】発明の概要 我々は、現在、MGFの新たな驚くべき特性を発見した。
【0014】 筋肉での安定した発現を可能にする発現シグナルに機能しうる形で連結された
MGF DNAを含むプラスミドが調製され、ラットに筋内注射された。in vivoでのMG
Fの発現が起こった。動物の神経におけるMGFの影響を研究するために、右側の顔
面神経を、一部の動物は剥離によって損傷させ、他の動物では圧壊させた。同様
の実験は、L.IGF-Iを発現することができるプラスミドを用いて行われ、MGFまた
はL.IGF-Iのコード配列を欠く対応する「空の」プラスミド、および非手術ラッ
トを用いて、対照実験も行った。
【0015】 行われた外科的処置は通常大規模な運動ニューロンの損失を生じ、それは対照
動物の場合に当てはまった。しかし、神経剥離の場合、L.IGF-Iの使用は運動ニ
ューロンの損失を約50%に減少させ、MGFの使用は運動ニューロンの損失を約20%
に減少させた。両アイソフォームとも運動ニューロンの回復を促進する際に効果
的であることが発見されたが、驚くべきことに、MGFはL.IGF-Iより2倍以上効果
的だった。これは、神経疾患、特に運動ニューロン疾患の治療において、MGFを
用いる可能性を開く。更に、完全な成体の運動ニューロンに対する神経栄養因子
の利用可能な量の変化がその後の損傷への応答に影響を及ぼすことが示された最
初の機会であり、また、プラスミドDNAを用いた筋内への遺伝子送達が運動ニュ
ーロンの回復のために効果的な戦略であることが示された最初の機会でもあるこ
とに注目すべきである。
【0016】 IGF-Iアイソフォームは、特にアイソフォームがどの組織において効果を持つ
かに関して、それらの作用を決定する特異的な結合タンパク質を持つ。MGFに対
する結合タンパク質は、骨格筋および心筋と同様に中枢神経系(CNS)にも局在
すると思われる。このことは、そのより大きな有効性を説明し得るものである。
また、MGFはグリコシル化されず、従ってL.IGF-Iよりも小さいという事実は、筋
肉からCNS中の運動ニューロン細胞体までの運搬を容易にするかもしれない。
【0017】 これらの発見は神経疾患の治療への一般的な適用性を持っており、以前にはMG
Fは伸張/運動下での心筋および骨格筋においてのみ検出されていたので、驚くべ
きことである。Chew(1995)は、IGF-I Ec型が肝臓において見いだされることを示
唆している。しかし、これは非常に低量で検出可能であり、漏出した転写に起因
するのかもしれない。従って、以前は、MGFが筋肉特異的なアイソフォームであ
ると信じられていたが、現在では、神経系に対する損傷の修復にも関与すること
、よって神経系の疾患の治療の基本となり得ることが明らかになった。
【0018】 更に我々の発見は、MGFが、損傷部位の周辺に配置された場合、特に末梢神経
系(PNS)において、神経損傷の修復に有用であろうことを示す。特に、MGFは、
切断された神経の2つの末端の周辺に配置された導管と併せて、神経損傷の修復
に有用であろう。特に、我々は、切断されたラット坐骨神経の2つの末端を導管
内に並列に配置し、MGF cDNAを含有するベクターを含むゲルで満たすことによっ
て、3mmの神経の間隙の修復がわずか2週間で達成されることを発見した。本発明
者によって発見されたように、神経再生におけるMGFの特性は、神経再生を容易
にするために、このような導管の性質と組み合わせることができる。これは、導
管による改良された神経損傷の修復方法となるであろう。損傷部位にMGFを分布
させる他の方法もまた使用することができる。
【0019】 従って、本発明は以下の: MGF(メカノ-増殖因子)のリーディングフレーム内のIGF-Iエキソン4、5および6の
核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み、神経剥離への応答における運
動神経の消失を20%以上低減させる能力を有している、MGFインスリン様増殖因
子(IGF-I)アイソフォームの、損傷部位に上記MGFが分布することによって神経損
傷の治療についての薬剤の製造における使用を提供する。
【0020】 本発明はまた、以下の、 神経損傷の治療において同時に、別々に、または、連続して使用するため、 (a)本発明のMGF IGF-Iアイソフォーム、および、 (b)本発明の導管、および場合によっては (c)変性を防止するかまたは減少させるポリペプチド性増殖因子;および場
合によっては (d) 他の神経学的に活性な薬剤、 を含む製品も提供する。
【0021】 本発明はまた、以下、 (a)本発明のMGF IGF-Iアイソフォーム、および、 (b)本発明の導管、および場合によっては (c)変性を防止するかまたは減少させるポリペプチド性増殖因子;および場
合によっては (d)他の神経学的に活性な薬剤、 を含む神経損傷の治療用キットも提供する。
【0022】 本発明はまた、MGFが分布することによって神経変性を治療する方法であって
、本発明のMGF IGF-Iアイソフォームを有効かつ非毒性である量、治療を必要と
する被検体に投与することを含む方法をも提供する。
【0023】詳細な説明 本発明は、神経疾患、好ましくは運動ニューロン疾患の治療におけるMGFの使
用に関する。
【0024】MGFポリペプチドおよびポリヌクレオチド ポリペプチド MGFは、メカノ-増殖因子(McKoyら、1999参照)を表す。上述ならびにChewら
(1995)、Yangら(1996)およびMcKoyら(1999)に更に詳細に説明されている
ように、MGFは選択的スプライシングされたIGF-Iの変異型である。肝臓型IGF-I
はエキソン4および6によってコードされるアミノ酸を含むが、一方、MGFはエキ
ソン4、5および6によってコードされるアミノ酸を含む。MGFはまた、エキソン5
での52bpインサートの結果として、そのカルボキシ末端に変更されたリーディン
グフレームを有し、グリコシル化されないためより小さい。Chewら(1995)およ
びYangら(1996)は、4-5-6スプライシング変異型を定義するために、MGFという
用語ではなく、むしろIGF-I Ecを用いた。Ecドメインを持つ筋肉アイソフォーム
は、現在ではMGFとして知られている(McKoyら、1999参照)。現在では、IGF-I
Ecの特殊な型は、心筋および骨格筋によって、それらが機械的活動を受けた場合
のみに、産生されることが明らかである。
【0025】 本明細書では、以下で更に議論されるように、MGFは4-5-6エキソン構造、およ
び、本発明者によって発見された神経学的特性を持っている任意のIGF-Iポリペ
プチドを意味すると理解される。ヒト、ラットおよびウサギにおけるMGFのエキ
ソン構造は、図5、6および7に図示される(配列番号1/2、3/4、および5
/6)。比較のために、ヒト、ラットおよびウサギL.IGF-Iのエキソン構造が、図
8、9および10で与えられ(配列番号9/10、11/12および13/14)
、MGFとL-IGF-Iとの間の比較は図11でなされる。
【0026】 好ましくは、本発明のMGFは、天然のMGFでは、上述の52bpインサートによって
生じるリーディングフレームを持つであろう。本発明のMGFは、グリコシル化さ
れていないことが好ましい。しかし、一部の実施形態では、グリコシル化されて
いてもよく、部分的にグリコシル化されていてもよい。部分的なグリコシル化と
は、L.IGF-Iと比較して最大10、20、30、50、70、80、90、95または99%までのグ
リコシル化を意味し、例えば、IGF-Iのグリコシル化部位のすべてではないが一
部を含む。グリコシル化の様式は、糖の種類および配置に関してL.IGF-Iと同一
であるかもしれず、または異なるかもしれない。
【0027】 好ましくは、本発明のMGFは、対応する配列上にエキソン3、4、5および6を含
む。場合によっては、それらは更にエキソン1および/または2、もしくは対応す
る配列を含むかもしれない。
【0028】 本発明のMGFは、4-5-6にスプライシングされたIGF-Iを有する任意の種に、そ
の起源を見いだしてもよい。従って、本発明のMGFはヒトMGFの配列を持つかもし
れず、一般にはそれが好ましい。動物のMGF、例えば、ラット、ウサギ、マウス
、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、イヌ、ネコMGFの配列を有するMGFもまた用い
られうる。用いられるMGFの種起源は、治療される被験体の種と一致することが
好ましい。特に、ヒト患者を治療するためには、ヒトMGFを用いることが好まし
い。
【0029】 ヒトMGF(IGF-I-Ec)(配列番号1/2、図5)、ラットMGF(配列番号3/4、
図6)およびウサギ(IGF-I Eb)(配列番号5/6、図7)のエキソン3、4、5お
よび6の配列は、それらに対応するcDNA配列とともに下記に示される。配列番号
1、3および5はcDNAであり、配列番号2、4および6はポリペプチドである。
比較のため、ヒト(配列番号9/10、図8)、ラット(配列番号11/12、図
9)およびウサギ(配列番号13/14、図10)の肝臓型IGF-I(L.IGF-I)の
エキソン3、4および6の配列もまた示される(比較のためには特に図11を参照
のこと)。配列番号2、4および6の配列を有するポリペプチドは、本発明の好
ましい実施形態において使用されうる。
【0030】 本明細書では、MGFおよびその機能的相当物は、本発明者によって発見された
神経学的特性を有する。上述のように、それらは運動ニューロンの回復をもたら
す能力を有する。運動ニューロンの回復の正確な程度は、いずれのMGFであるか
、および、どのような状況下であるかにより、場合ごとに変化するであろう。し
かし、実施形態を参照すると、本発明のMGFは、神経剥離に続いて生じる運動ニ
ューロン損失を、治療を受けない被験体における同等の条件と比較して、治療さ
れた被験体では、最大20、30、40、50、60、70、80、90、95、99または100%まで
、減少させうる。70%以上または80%以上まで(すなわち30%以下、または20%以下
にまで)の運動ニューロン損失の減少が好ましい。回復の程度は、任意の適切な
技術、例えば立体解析学のような既知の技術(実施例参照)を用いて計算されう
る。特殊な検定法として、ラットでの顔面神経剥離に応じた運動ニューロン回復
の測定に依存する、実施例で用いられた技術が用いられてもよい。しかし、この
技術はラット以外のMGFの特性を評価するために理想的ではないかもしれないこ
とが理解されるであろう。従って、他の動物モデルを用いて同様の検定法が考案
されてもよい。例えば、他の神経の剥離に関する検定法が考案されてもよい。ヒ
トの治療に関する限り、一般的に、動物モデルに依存することが必要であるので
、これらのモデルにおいてはヒトMGFはヒトのin vivoでよりも低い活性を持つか
もしれない。
【0031】 天然に存在するMGFの配列を有するMGFが好ましい。しかし、同一の基本的な4-
5-6エキソン構造、および本明細書に記載の神経学的特性を有する変異型MGFもま
た、使用されうる。
【0032】 本発明のポリペプチドは、以下に記述されるようなポリヌクレオチドによって
コードされうる。
【0033】 本発明のMGFポリペプチドは、本発明の神経学的特性が維持される限り、基本
的に配列番号2、4もしくは6で提示されるアミノ酸配列、または実質的に相同
な配列、或いはこれらの配列のいずれかの断片から構成されうる。一般的には、
配列番号2、4および6で示される、天然に生じるアミノ酸配列が好まれる。し
かし、本発明のポリペプチドは、本発明の神経学的特性を有する、天然の配列の
ホモログ、あるいは天然の配列およびそれらのホモログの断片を含む。
【0034】 詳細には、本発明のポリペプチドは、以下の、 (a)配列番号2(ヒトMGF)、4(ラットMGF)、または6(ウサギMGF)のポリ
ペプチド配列、 (b)(a)のポリペプチドに対して少なくとも70、80、90、95、98、または99%
相同なポリペプチド配列、 (c)配列番号1、3または5のヒト、ラットまたはウサギMGF DNAのエキソン4
、5および6によって完全にもしくは部分的にコードされるアミノ酸を含む配列、
或いはそれらに対して70%以上の相同性を持つ配列、 (d)(a)、(b)もしくは(c)の配列に対して選択的にハイブリダイズできる
核酸配列によってコードされる配列、または、 (e)(a)の配列の対立遺伝子変異型または種間ホモログ、 を含む。
【0035】対立遺伝子変異型 対立遺伝子変異型は天然に存在する変異型であり、上述のように配列番号2、
4または6のタンパク質と実質的に同様の様式で機能するであろう。同様に、タ
ンパク質の種間ホモログは、別の種において天然に存在する同等のタンパク質で
ある。このようなホモログは、あらゆる種、好ましくは哺乳動物種、例えば、ウ
シ、ウマ、ヒツジもしくはヤギ、ネコ、またはイヌなどのウシ科、ウマ科、ヒツ
ジ属、ネコ科、またはイヌ科の種、或いはラット(配列番号4)、またはウサギ
(配列番号6)以外の齧歯目の種、或いはヒト(配列番号2)以外の霊長目の種
で、存在し得る。非哺乳類のMGF、例えば魚類または鳥類のMGF、例えばニワトリ
MGFもまた、本発明のMGFである。ホモログは、任意の1つの種内にいくつかの対
立遺伝子変異型として存在するかもしれず、これらはすべて配列番号2、4、ま
たは6のタンパク質のホモログと考えられる。
【0036】 対立遺伝子変異型および種間ホモログは、当技術分野において既知の方法によ
って、例えば、配列番号1、3、または5に由来するプローブを用いて適切な細
胞源を探査することによって得られる。得られたクローンは、それ自体は既知の
組換えまたは合成の技術によって産生され得る本発明のポリペプチドを生成する
ために、従来の技術によって操作できる。
【0037】ホモログ 本発明のポリペプチドは、配列番号2、4、または6のタンパク質に対して少
なくとも70%、より好ましくは少なくとも80または90%、より好ましくは更に少
なくとも95、97または99%相同であり、更に、少なくとも20、好ましくは少なく
とも30、例えば、少なくとも40、60または100以上の連続したアミノ酸の領域を
越えることが好ましい。タンパク質の相同性を評価する方法は当技術分野でよく
知られており、現在の文脈において、相同性はアミノ酸の同一性(「堅固な」相
同性と呼ばれることもある)に基づいて計算されることは当業者によって理解さ
れるであろう。
【0038】 相同性の程度は、本明細書でポリヌクレオチド配列について議論されているよ
うに、よく知られた方法によって評価することができる。
【0039】 配列番号2、4および6、あるいは対立遺伝子変異型あるいは種間ホモログの
ポリペプチドの配列は、本発明の更なるポリペプチドを提供するために改変され
ることができる。
【0040】置換 アミノ酸置換、例えば1、2、または、3から10、20、または、30までの置換が
行われてもよい。例えば、合計、1、2、5、10、または、20までのアミノ酸は、
ポリペプチドにおいて50、100、または、200アミノ酸の全長上で置換されてもよ
い。改変ポリペプチドは、一般的には、本明細書において定義されるような本発
明の神経学的特性を保持する。例えば下記の表に従って、保存的置換が行われる
かもしれない。2列目の同じ区画内、および好ましくは3列目の同じ行内のアミノ
酸は、互いに置換されてもよい。
【0041】 断片 本発明のポリペプチドはまた、配列番号2、4および6で提示される配列の断
片を含む上述の全長ポリペプチドおよびその変異型の断片を含む。このような断
片は、一般的に本発明の神経学的特性を保持する。
【0042】 適切な断片は、例えば大きさにおいて少なくとも20、50、または、100のアミ
ノ酸、一般的には少なくとも約20のアミノ酸である。配列番号2、4および6の
、あるいはその対立遺伝子および種変異型のポリペプチドのポリペプチド断片は
、保存的置換を含め1つ以上(例えば2、3、5、5から10以上)の置換、欠損、ま
たは、挿入を含んでもよい。それぞれの置換、挿入または欠損は、任意の長さ、
例えば1、2、3、4、5、5から10、または10から20アミノ酸長でありうる。
【0043】 特に、本発明の断片は、配列番号1、3または5のヒト、ラットまたはウサギ
DNAのエキソン4、5および6によってコードされるアミノ酸を含むかもしれない。
エキソン4の第1アミノ酸、Asnは一部はエキソン3(1ヌクレオチド)によって、
一部はエキソン4(2ヌクレオチド)によってコードされる。本発明の断片中に上
述の第1アミノ酸が存在することが好ましい。
【0044】キメラ配列 本発明のキメラポリペプチドの配列によってコードされるMGFポリペプチド(
下記参照)が使用されてもよい。
【0045】単離、精製および改変 本発明のポリペプチドは、実質的に単離された型であるかもしれない。ポリペ
プチドは、ポリペプチドの意図された目的を妨げず、なお実質的に単離されたも
のと見なされる担体または希釈剤と混合されうることが理解されるであろう。本
発明のポリペプチドはまた、実質的に精製された形態であってよく、その場合に
は、一般的に、試料中のポリペプチドの70%以上、例えば80、90、95、98、また
は、99%以上が本発明のポリペプチドであるような試料中のポリペプチドを含む
【0046】 本発明のポリペプチドは、それらが自然の細胞環境外に存在するような型で提
供されるかもしれない。従って、それらは、上述のように、実質的に単離または
精製されているかもしれず、或いは、例えば細胞、または、他の植物種、動物、
酵母もしくは細菌などの、それらが天然には存在しない細胞に存在するかもしれ
ない。
【0047】 本発明のポリペプチドは、例えば、それらの同定または精製を支援するための
ヒスチジン残基もしくはT7タグの付加によって、または、細胞からのそれらの分
泌を促進するためのシグナル配列の付加によって改変されてもよい。
【0048】 本発明のポリペプチドは、顕示標識(revealing label)で標識されていても
よい。顕示標識は、ポリペプチドの検出を可能にする任意の適切な標識でありう
る。適切な標識は、放射性同位元素、例えば125I、35S、酵素、抗体、ポリヌク
レオチドおよびビオチンのようなリンカーを含む。
【0049】 本発明のポリペプチドは化学的に修飾される。それは、例えば翻訳後修飾であ
り得る。例えば、それらは修飾アミノ酸残基を含むかもしれない。MGFは自然に
はグリコシル化されないが、それらはまたグリコシル化されるかもしれない(上
記参照)。このような修飾ポリペプチドは、本発明のポリペプチドであると理解
される。
【0050】 別の可能性は、例えば、1つ以上のグリコシル化部位を導入することによって
、それをよりグリコシル化の影響を受けやすくさせるように、その配列を変化さ
せることによって、in vivoでのMGFの安定性、従って半減期を増大させることで
ある。代替として、MGFの一次アミノ酸構造を分解に対してより抵抗性にする修
飾が行われるかもしれない。
【0051】 MGF配列への修飾の効果は、任意の適切な方法によって検証できる。例えば、
変異型MGFの結合特性および/または安定性は、それらをin vitroまたはin vivo
で、修飾されていないMGFのそれらと比較することによって検証できる。
【0052】ポリヌクレオチド 本発明のポリヌクレオチドは本発明のポリペプチドをコードする。
【0053】 本発明の好ましいポリヌクレオチドは、本発明の神経学的特性を有するポリペ
プチドをコードしているコード配列を含み、そのコード配列は以下の、 (a)配列番号1、3または5の任意の1つのコード配列、 (b)(a)の配列、または(a)の配列に相補的な配列に選択的にハイブリダイ
ズすることができる配列、 (c)(a)の配列に対して70%以上の相同性を有する配列、 (d)(a)から(c)のいずれかの配列の断片である配列、および (e)任意の(a)から(d)の配列とは異なるが、遺伝暗号の縮重により同じポ
リペプチドをコードする配列、 から選択される。
【0054】 従って、本発明は、配列番号1、3または5および関連した配列を伴うそれら
の変異型のいずれかで示されるコード配列を含むポリヌクレオチドを提供する。
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のベクターを作成するために使用されるこ
とができる。
【0055】配列番号1、3および5 本発明の好ましいポリヌクレオチドは、配列番号1、3および5で示されるコ
ード配列を含む。
【0056】ハイブリダイズ可能な配列 本発明のポリヌクレオチドは、有意にバックグラウンドを越えるレベルで、配
列番号1、3または5のコード配列に対して選択的にハイブリダイズし得る。例
えばcDNAライブラリーに存在する他のcDNAのために、バックグラウンドハイブリ
ダイゼーションが生じるかもしれない。本発明のポリヌクレオチドと配列番号1
、3、5、7、9または11のコード配列との間の相互作用によって生じるシグ
ナルレベルは、一般的には他のポリヌクレオチドと配列番号1、3または5のコ
ード配列との間の相互作用の少なくとも10倍、好ましくは少なくとも100倍の強
度である。相互作用の強度は、例えば32Pを用いてプローブを放射性標識するこ
とによって測定されうる。選択的なハイブリダイゼーションは、一般的に、高い
ストリンジェンシー(約50℃から約60℃、例えば45から50、50から55、または、
55から60℃で、例えば50または60℃で、例えば0.03M塩化ナトリウムおよび0.03M
クエン酸ナトリウム)の媒体の条件を用いて達成される。
【0057】 しかし、このようなハイブリダイゼーションは、当技術分野において既知の任
意の適切な条件下で行われうる(Sambrookら、1989, Molecular Cloning: A Lab
oratory Manual参照)。例えば、高いストリンジェンシーが要求される場合、適
切な条件としては、約60℃、例えば40〜50℃、50〜60℃、または、60〜70℃で、
例えば50または60℃での0.2 x SSXが挙げられる。より低いストリンジェンシー
が要求される場合、適切な条件としては、約60℃、例えば40〜50℃、50〜60℃、
または、60〜70℃で、例えば50または60℃での2 x SSCが挙げられる。
【0058】 ストリンジェンシーは、一般的に、およそTm-5℃(互いに二本鎖でハイブリダ
イズしている2つの配列の融解温度(Tm)より5℃下)から、Tmより約20℃〜25℃
下の範囲で生じる。従って、本発明によれば、ハイブリダイズ可能な配列は、Tm
からTm-25℃、例えばTm〜Tm-5℃、Tm-5〜Tm-10℃、Tm-10〜Tm-20℃、または、Tm
-20〜Tm25℃の温度で配列番号1、3または5とハイブリダイズするものであり
うる。
【0059】相同配列 本発明のポリヌクレオチド配列は、配列番号1、3または5のコード配列と、
少なくとも70%、好ましくは少なくとも80または90%、より好ましくは少なくとも
95、98または99%相同のコード配列を含むであろう。
【0060】 このような相同性は、少なくとも20、好ましくは少なくとも50、例えば100〜5
00以上の連続したヌクレオチドの領域に適用される。
【0061】 核酸およびポリペプチドの相同性を測定する方法は、当技術分野でよく知られ
ている。これらの方法は、本発明のポリペプチドと核酸との両方について、相同
性の測定に適用されることができる。例えば、UWGCG Packageは、相同性を計算
するために使用されることができるBESTFITプログラムを提供する(Devereuxら
、1984, Nucleic Acids Research 12, p.387-395)。
【0062】 同様に、PILEUPおよびBLASTアルゴリズムは、(例えばAltschul, S.F., 1993,
J. Mol. Evol. 30: 290-300; Altschul, S.F.ら、1990、 J. Mol. Biol. 215:
403-410で記述されるように)配列をアラインさせるために使用されることがで
きる。
【0063】 このようなプログラムには多種の設定が可能である。本発明によれば、初期設
定が用いられてもよい。
【0064】 より詳細には、BLASTアルゴリズムは配列の類似性を決定するために適切であ
り、それはAltschulら、(1990)J. Mol. Biol. 215: 403-410に記述される。BLAS
T解析を行うためのソフトウェアは、the National Center for Biotechnology I
nformation(http://www.ncbi/nlm.hih.gov/)を通して一般に入手できる。この
アルゴリズムは、最初に、データベース配列中の同じ長さの文字列と並べられた
場合、いくつかの陽性と評価される閾値スコアTと一致するまたはそれを満たす
、問い合わせ配列中の長さWの短い文字列を同定することによる、高スコアリン
グ配列対(HSP; high scoring sequence pair)の同定を必要とする。Tを隣接し
た文字列スコア閾値とする(Altschulら、同上)。これらの最初の隣接した文字
列ヒットは、それらを含むHSPを見いだす検索を開始するためのシーズとしては
たらく。文字列ヒットは各配列に沿って両方向に、累積するアライメントスコア
が増加され得る限り拡張される。各方向における文字列ヒットの拡張は以下の場
合停止する。すなわち、累積するアラインメントスコアが数量Xによってその最
大達成値から低下する場合、1つ以上のネガティブスコアリング残基アラインメ
ントの蓄積のために、累積スコアがゼロまたはそれ以下になる場合、または、い
ずれかの配列の末端に達した場合である。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T
およびXは、アライメントの感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、初
期設定として、11の文字列の長さ(W)、50のBLOSUM62スコアリングマトリック
ス(HenikoffおよびHenikoff (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 10915-1
0910参照)アラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=4および両方の鎖の
比較を用いる。
【0065】 BLASTアルゴリズムは2つの配列間の類似性の統計解析を行う、例えばKarlinお
よびAltschul(1993)Proc. Natl.Sci. USA 90:5873-5787を参照のこと。BLAST
アルゴリズムによって提供される類似性の1つの指標は最小合計確率(P(N))で
あり、それは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸の間で偶然に起こる一致の確
率の指標を提供する。例えば、融合される核酸に対するテスト核酸の比較におけ
る最小合計確率が約1未満、好ましくは約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、
最も好ましくは約0.001未満である場合、ある核酸は融合される遺伝子またはcDN
Aと類似していると見なされる。
【0066】断片 また、上述の(a)から(c)の配列の断片であるが本発明の神経学的特性を持
つ配列も、本発明の範囲内に含まれる。
【0067】 特に、断片は、配列番号1、3または5のヒト、ラットまたはウサギMGF DNA
のエキソン4、5および6を含み得る。
【0068】 エキソン4の最初のアミノ酸、Asnは、一部はエキソン3に、一部はエキソン4に
よってコードされる。上述の最初のアミノ酸、Asnをコードするために、エキソ
ン3由来の必要なコード塩基が存在することが好ましい。
【0069】縮重配列 また、(a)から(d)の配列とは異なるが、遺伝暗号の縮重のため、同じ保護
性のあるポリペプチドをコードする配列も、本発明の範囲内に含まれる。例えば
、本発明は、それらもまた配列番号2、4および6のポリペプチドをコードして
いる、配列番号1、3および5の配列の縮退変異型を提供する。
【0070】相補的配列 更に、本発明は、任意の上述配列に対して相補的な配列を持つポリヌクレオチ
ドを提供する。
【0071】キメラ配列 1つ以上の種由来のエキソンを含むキメラ配列もまた、使用されうる。例えば
、1つ以上のエキソン3から6は、ヒトあるいは1つ以上はラットおよび/またはウ
サギに由来してもよい。
【0072】更なる特性 本発明の核酸配列は、それらが本発明のポリペプチドをコードする限り任意の
長さでありうる。本発明の核酸配列は、配列番号1、3または5の配列、または
、上述の任意の様式でそれと関連する配列の、連続した断片であるかもしれない
。代替として、本発明の核酸は配列番号1、3または5の配列中の連続していな
いDNA配列を含んでよい。これらの配列は、配列番号1、3もしくは5の配列の
断片、または上述の任意の様式でこのような断片と関連する核酸配列であっても
よい。本発明の核酸配列は、好ましくは少なくとも50の塩基または塩基対、例え
ば50〜100、100〜500、500〜1000、または1000〜2000の塩基または塩基対を含む
であろう。
【0073】 上述の相同性の程度および最小サイズの任意の組合せは、好ましいよりストリ
ンジェントな組合せ(例えば、より長い長さにわたるより高い相同性および/ま
たはよりストリンジェントな条件下のハイブリダイゼーション)とともに、本発
明のポリヌクレオチドを定義するために使用されうる。従って、例えば100、好
ましくは200ヌクレオチドにわたる少なくとも90%相同なポリヌクレオチドは、10
0または200ヌクレオチドにわたる少なくとも95%相同なポリヌクレオチドと同様
に、本発明の1つの態様を形成する。
【0074】 本発明のポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAを含みうる。それらはまた、それ
らの中に合成または修飾ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであってもよい。
当技術分野においてポリヌクレオチドへの多数の異なる種類の修飾が知られてい
る。修飾は、例えば、ヌクレアーゼに対する耐性を向上させる、および/または
、細胞に侵入する能力を向上させるかもしれない。例えば、ホスホロチオエート
オリゴヌクレオチドが用いられるかもしれない。他のデオキシヌクレオチド類似
体は、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、ホスホロジチオエート、N3'P
5'-ホスホロアミデートおよびオリゴリボヌクレオチドホスホロチオエート、あ
るいはそれらの2'-O-アルキル類似体および2'-O-メチルリボヌクレオチドメチル
ホスホネートを含む。更に考えられる修飾は、分子の3'および/または5'末端へ
のアクリジンまたはポリリジン鎖の付加である。
【0075】 代替として、混成バックボーンオリゴヌクレオチド(MBOs; mixed backbone o
logonucleotides)が用いられるかもしれない。MBOsは、ホスホロチオエートオ
リゴデオキシヌクレオチド部分、および適切に配置された修飾オリゴデオキシ-
またはオリゴリボヌクレオチド部分を含む。MBOsは、ホスホロチオエート結合の
部分および、非イオン性で、ヌクレアーゼに非常に耐性であるメチルホスホネー
ト、または2'-O-アルキルオリゴリボヌクレオチドのような、他の修飾オリゴヌ
クレオチドの他の部分を持つ。本発明の目的のために、本明細書において記述さ
れたポリヌクレオチドは当技術分野で利用可能な任意の方法によって修飾されう
ることが理解されるべきである。このような修飾は、in vivoでの本発明のポリ
ヌクレオチドの活性または寿命を向上させるために行われるかもしれない。
【0076】 本発明のポリヌクレオチドは、例えばPCRプライマー、代替増幅反応のための
プライマーなどのプライマー、例えば放射性もしくは非放射性標識を用いた従来
の方法によって顕示標識で標識されるプローブを産生するために用いられるかも
しれず、または、ポリヌクレオチドはベクターにクローニングされるかもしれな
い。好ましくは、このようなプライマー、プローブおよび他の断片は、少なくと
も10、好ましくは少なくとも15または20、例えば、少なくとも25、30または40ヌ
クレオチドの長さである。これらは、上述のように種間ホモログおよび対立遺伝
子変異型を同定する際に有用であろう。
【0077】 本発明によるDNAポリヌクレオチドおよびプライマーのようなポリヌクレオチ
ドは、組換え、合成、または、当業者に利用可能な任意の方法によって産生され
うる。それらはまた、標準的な技術によってクローニングされるかもしれない。
ポリヌクレオチドは、一般的には単離および/または精製された形で提供される
【0078】 一般的に、プライマーは、要求される核酸配列の一度に1ヌクレオチドずつの
段階的製造を含む合成方法によって産生される。自動化技術を用いてこれを達成
するための技術は、当技術分野で容易に利用可能である。
【0079】 例えばイントロンおよびプロモーター領域を含む配列番号1、3および5のcD
NAに対応するゲノムクローンもまた本発明の態様であり、また、例えばPCR(ポ
リメラーゼ連鎖反応)クローニング技術を用いた組換え技術を用いて産生されう
る。
【0080】 MGFの4-5-6エキソンパターンは、本発明のポリヌクレオチドの特徴である。こ
のパターンがコード配列に反映され、すなわち、コードされたポリペプチドに反
映されることを確実にするために、任意の適切な方法が使用されうる。例えば、
イントロンおよびスプライシングシグナルを欠き、エキソン4、5および6のコー
ド配列を含むcDNA配列が用いられるかもしれない。代替として、手元にある状況
で正しくスプライシングされる場合、ゲノムDNAが用いられてもよい。
【0081】 一般に、本明細書に記載される技術は当技術分野においてよく知られているが
、参照は特にSambrookら(1989)、Molecular Cloning: A Laboratory Mamual、
においてなされうる。
【0082】 本発明の配列に対して100%相同ではないが本発明の範囲内であるポリヌクレ
オチドは、上述のように、多数の方法で、例えば、配列番号1、3または5に由
来するプローブを用いて他の植物種からのcDNAまたはゲノムライブラリーを探査
することによって、得ることができる。縮重プローブは、配列番号1、3または
5のDNA配列と、高いストリンジェンシー(例えば約50℃から約60℃の0.03M塩化
ナトリウムおよび0.03Mクエン酸ナトリウム)の媒体の条件下、または、他の適
切な条件下(例えば上述のような)で探査された配列の間の縮退変異の可能性を
考慮に入れて、当技術分野において既知の方法によって調製され得る。
【0083】 対立遺伝子変異型および種間ホモログはまた、適当な保存されたアミノ酸配列
をコードする変異型およびホモログ中の標的配列に対して設計されたプライマー
を用いる縮重PCRを用いて得ることができる。適当な保存された配列は、本発明
のアミノ酸配列(配列番号2、4または6)を互いに、および/または当技術分
野において既知の任意の相同配列のそれらをアライメントすることから予測され
得る。プライマーは、1つ以上の縮退位置を含み、既知の配列に対する単一配列
プライマーを用いて、クローニング配列のために用いたそれらより低いストリン
ジェンシー条件で用いられるであろう。
【0084】 代替方法として、このようなポリヌクレオチドは、配列番号1、3または5ま
たはその対立遺伝子変異型の配列の部位特異的な突然変異誘発によって得ること
もできる。これは、例えば、ポリヌクレオチド配列を発現している特殊な宿主細
胞に対するコドン嗜好性を最適化するために、配列に対してサイレントコドン変
異が必要とされる場合、有用であるかもしれない。制限酵素認識部位を導入する
ために、または、ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの特性も
しくは機能を改変するために、他の配列が要求されるかもしれない。
【0085】 本発明は更に、本発明のポリヌクレオチドおよびその相補鎖を含む二本鎖ポリ
ヌクレオチドを提供する。
【0086】 本発明のポリヌクレオチド、プローブまたはプライマーは、顕示標識を伴って
もよい。適切な標識は、32Pもしくは35Sなどの放射性同位元素、酵素標識、また
は、ビオチンなど他のタンパク質標識を含む。このような標識は、本発明のポリ
ヌクレオチド、プローブまたはプライマーに付加されていてもよく、それ自体既
知の技術を用いて検出されうる。
【0087】ポリペプチドの産生 本発明のポリペプチドは、任意の適切な方法で産生されうる。いくつかの実施
形態では、それらは動物の組織から抽出されるかもしれない。しかし、それらは
本発明のポリヌクレオチドから組換え的に産生されることが好ましい。これは既
知の技術を用いて行うことができる。
【0088】神経損傷の修復 神経損傷部位へのMGFの局在化 MGFは任意の適切な方法によって神経損傷部位に局在化されうる。例えば、そ
れは基質、例えばゲルまたは固体中で損傷部位に局在化されることができる。
【0089】 好ましくは、MGFは、損傷部位の神経周辺の導管によって、損傷部位に局在化
される。これは、切断された神経の間隙を繋ぐことが要求される場合、特に好ま
しい。しかし、神経が切断されてはいないが、かなり損傷を受けるか、または変
質している場合には、他のアプローチのほうがよいかもしれない。このような状
態の例の1つは、神経圧迫である。
【0090】導管 導管は、神経損傷部位の周辺に配置されてもよい。導管の存在はそれ自体、神
経損傷修復を促進しうるが、導管によるMGFの局在化はこれを向上させるであろ
う。
【0091】 導管は任意の適切な素材で構成されうる。例えば、それは過去に広く使用され
ていたシリコンのような非生体吸収性の材料で構成されるかもしれない。
【0092】 しかし、損傷が修復される時にそれらが身体に吸収されることができるため、
生体吸収性の素材が好まれる。コラーゲン導管(Integra Life Sciencesから市
販されている)は、この点で選択肢の1つである。
【0093】 一般に、柔軟性および低い炎症応答性が本発明の導管の望ましい特性である。
【0094】 PHBを含む、または、それで構成される導管は、低い炎症性(マクロファージ
性)の応答しか誘導しない。それらはまた、MGF(上記参照)とは独立に、神経
再生に対して正の効果を持つことも知られているため、併用した治療は特に効果
的であろう。
【0095】 PHBは、細菌性の生成物であり、細菌の細胞質に顆粒状の型で生じる。他の起
源由来のPHBもまた適切に使用できるが、細菌由来のPHBが用いられることが好ま
しい。PHBは生体吸収性のシートに形成されることができ、このようなシートは
、好ましくは、本発明の導管を形成するために用いられる。
【0096】 導管、特にPHB導管は、任意の既知の方法によって形成され、配置されうる。H
azariらの方法、1999(同上)が好まれる。
【0097】 特に、導管は通常、PHB繊維の方向が神経の長軸に沿うようにPHBシート断片か
ら形成される。これは、接触誘導によって神経損傷修復を促進する。
【0098】 その際、導管は、適切な直径の物体、例えば16Gの静脈カニューレの周囲にシ
ートを巻き付けることによって形成され、これによって、凝塊の内径を規格化す
る。16Gの静脈カニューレは1.6 mmの内径を与える。しかし、他の内径は異なる
テンプレート物体の周囲に巻き付けることによって達成され得る。当業者は、関
与する状況に対して正しいサイズを選択することができるであろう。巻き付けら
れたシートは、その後、縦軸方向を密封される。好ましくは、接着剤、例えばシ
アノ-アクリル酸塩接着剤(例えばhistoacryl(登録商標), Braun Melsungen AG
, Melsungen, Germany)が用いられる。その後、一般的に、ポリマーを飽和させ
て導管の内径を減少させることなく繊維の最大膨張を確実にするために、依然と
してテンプレート物体の周囲に巻き付けられた導管は、生理食塩水に予浸される
ことが好ましい。当業者は、修復される神経損傷に基づいて導管の適切なサイズ
を決定することができるであろう。しかし、導管は一般的により大きいシートか
ら切断されたPHBの矩形シートから形成される。当業者は、関与する状況に対し
て正しいサイズを選択することができるであろう。
【0099】 上述のように、導管は一般的に巻かれたシートから形成される。しかし、導管
はまた、予め形成されたチューブとして製造されることもできる。
【0100】 導管は、当技術分野において既知の任意の方法によって、例えばHazariらが論
述している外科的技術によって、配置され得る。一般的に、導管内に神経の両方
の末端を入れ、神経上膜への縫合により固定することによって、導管は神経の切
断された末端を繋ぐために用いられる。導管の長さは間隙の長さに従って選択さ
れるであろう。当業者は、関与する状況に対して正しいサイズを選択することが
できるであろう。一般的に、各神経断端の短い部分が管内に入れられる。
【0101】 好ましい実施形態では、本発明の導管は、神経の切断に伴う神経損傷を修復す
るために用いられる。
【0102】 好ましくは、損傷が修復されるべき神経は、末梢神経、例えば腕または足の神
経である。
【0103】 本発明によるMGFは、任意の適切な方法によって本発明の導管に導入されうる
。例えば、それは導管の内部にコートされたり、例えば上述の生理食塩水に浸す
段階の間に、導管に浸透させられたり、基質、例えば導管内または導管の外周の
ゲル基質の中に供給されてもよく、代替方法として、それは、例えば注入によっ
てin situの導管に送達されるかもしれない。タンパク質は、任意の適切な方法
によって導管に付加されるかもしれない。
【0104】標的器官変性の予防 器官(「標的」器官)を刺激する神経が損傷を受けた、特に切断された場合、
器官は神経刺激の欠如のため変性するかもしれない。従って、神経損傷部位周辺
へのMGFの局在化は、標的器官変性を予防または減少させる治療と組み合わせて
行われることが好ましい。当技術分野において既知の任意の適切な治療が用いら
れうる。
【0105】 特に、標的器官が筋肉である場合、MGFは筋肉細胞のアポトーシスを防ぎ、そ
れによって変性を予防または減少させるために使用されることができる。MGFま
たはMGF-コード核酸は、これを達成するための任意の適切な方法で送達されるこ
とができる。特に、MGFをコードしている核酸は、筋内注射によって導入され、i
n situでMGFを生成するために発現されることができる。他の増殖因子もまた、
適切に使用されることができる。
【0106】 それらは骨格筋および他の標的器官で見られ、運動ニューロンを含む様々な種
類のニューロンの生存を促進するので(例えばBock G. R.およびGoode, 1996, G
rowth factors as drugs for neurological and sensory disordes. Ciba Found
ation Symposium 196. New York: John WileyおよびSons)、グリア細胞由来神
経栄養因子、脳由来神経栄養因子、ニューロトロフィン-3およびニューロトロフ
ィン4/5を含む他の神経栄養因子もまた、使用されうる。
【0107】神経損傷修復のための製薬処方 本発明のポリペプチドおよび核酸は、好ましくは、製薬上許容されうる担体ま
たは希釈剤を含む製薬処方の形で送達される。任意の適切な製薬処方が使用され
うる。
【0108】 例えば、適切な処方は、酸化防止剤、バッファー、静菌剤、殺菌性抗生物質、
あるいは、その処方を、対象とする受容者の体液と等張にする溶質を含みうる、
水性および非水性の滅菌した注射液を含むかもしれず、懸濁した薬剤あるいは濃
縮した薬剤を含みうる、水性および非水性の滅菌した懸濁液かもしれない。処方
は、1回分の投与量または数回分の投与量の容器で提供されるかもしれない。例
えば、密封されたアンプルおよびバイアルで、使用直前に滅菌した液性担体、例
えば注射のための水の添加だけを必要とする、冷凍または冷凍乾燥された(凍結
乾燥された)状態で保存されるかもしれない。
【0109】 特に、神経損傷部位でのMGFの局在化を促進する処方、例えば活性成分がその
部位から移出することを阻止するゲルおよび懸濁液、が好ましい。
【0110】 MGFの短い半減期のため、徐放性または持続供給性の薬品が用いられるかもし
れない。本発明のMGFの徐放性をもたらすために、任意の適切な製薬処方が用い
られるかもしれない。リポソーム処方は、可能性の1つである。
【0111】 特に、徐放性「歯磨きタイプ」基質が好まれる。これは、本発明の導管の内部
にコートされることができる。注射器から押し出される同様の処方は、神経損傷
が修復される際、標的器官、特に筋肉の変性に抵抗するために用いられることが
ありえる。
【0112】 特に上述した成分に加えて、この発明の処方は、問題となっている処方の種類
を考慮して、当技術分野において従来的な他の薬品を含みうることが理解される
べきである。滅菌した、発熱物質を含まない水性および非水性の溶液が好ましい
【0113】神経損傷修復のための投薬量 本発明のタンパク質、核酸およびベクターは、任意の適切な投薬量で、任意の
適切な投薬計画を用いて送達されうる。当業者は、多数の要因に応じて、治療さ
れるべき特定の状態の最適な治療を確実にするために、投薬量および投薬計画が
適合していることを正しく評価するであろう。このような要因のいくつかは、治
療される被験者の年齢、性別および臨床症状、あるいは、当然、関与する神経損
傷の種類および重症度でありうる。
【0114】 指針としては、1〜1000mg、10〜100mgおよび100〜500mgまたは500〜1000mgの
範囲のMGF量が、神経損傷部位の周辺に局在化されうる。
【0115】 投薬計画はまた、治療される症状によっても異なる。しかし、一般的に、外科
的挿入が完了できるように、必要なMGFはすべて処置の最初に投与されるであろ
う。上述のように、神経損傷部位にしばらくの期間にわたる送達を確実にするた
めに、徐放性の処方が用いられるかもしれない。これは、MGFの短い半減期を考
慮すると特に望ましい。
【0116】神経損傷修復におけるMGFおよび他の神経栄養因子の組合せ 本発明のMGFポリペプチドおよび核酸は、他の神経学的に活性な薬剤と組み合
わせて投与することができる。これは、神経損傷の修復を向上させるためか、ま
たは、標的器官の変性を防ぐもしくは減少させるためか、或いはその両方であっ
てもよい。任意の更なる神経学的に活性な薬剤は、このようにして用いられるか
もしれない。このような薬剤は非ポリペプチド性分子であるかもしれず、または
、それらはポリペプチドであるかもしれない。それらがポリペプチドである場合
、それらはポリペプチドまたはこのようなポリペプチドをコードする核酸として
送達されるかもしれない。これは、当技術分野において既知の任意の適切な方法
によって行われうる。
【0117】 神経学的活性を持つポリペプチド増殖因子が好ましい。例えば、脳由来神経栄
養因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3(NT-3)、NT-4、NT-5、または、神経増
殖因子(NGF)のようなニューロトロフィンが使用されうる。同様に、毛様体神
経栄養因子(CNTF)のような神経学的に活性なサイトカインが使用されることが
できる。同様に、Brn 3a、Brn 3bおよびBrn 3cのような神経学的に活性な転写因
子が用いられるかもしれない。
【0118】 本発明のMGFが神経疾患の治療において神経学的に活性な別の薬剤と併用され
る場合、2つは同一の製薬組成物に混合されるかもしれない。あるいは、それら
は別々の組成物で投与されるかもしれない。それらは、同時に、別々に、または
連続して、および同じ部位または異なる部位に、投与されるかもしれない。例え
ば、MGFは、切断された神経の2つの末端を繋ぐ本発明の導管の内部に存在し、
別の増殖因子は、MGFによるより多くの神経修復作用を支援するために、導管の
内部および/もしくは導管の外側のいずれかに、または、神経が修復される際に
その変性を止めるために、一般的に標的器官に投与されるかもしれない。
【0119】実施例1 導入 本研究において、本発明者らは、インスリン様増殖因子I(IGF-I)の2つのア
イソフォーム、すなわち、一般に用いられる肝臓型アイソフォーム(L.IGF-I)
および、活動している筋肉によって産生され(Yangら、1996)、また、本発明者
らがメカノ増殖因子(MGF)と名づけた、新たに同定されたIGF-Iのスプライシン
グ変異型、の防護効果を調査するために、成体ラットにおいて軸索切断によって
誘導される運動神経変性のモデルを用いた。本発明者らのMGF構造の分析は、そ
れがおそらく異なる組織結合性およびL.IGF-Iより短い半減期を持つであろうこ
と、それが傍分泌/自己分泌様式でこのような局所的な相互作用を仲介すること
に特に適しているであろうことを示す。神経筋接合部でのL.IGF-IおよびMGFの局
所的な作用を可能にし、これらの半減期の短い分子の反復注射の必要性を避ける
ため、我々はプラスミドDNAベクターを用いて、これらの増殖因子の遺伝子を筋
肉に送達した。
【0120】方法 軽く麻酔された(2%のハロタン)6m Sprague-Dawleyラット(1群あたりn=4)
の右側ひげパッドに、等間隔3カ所の20μlの注射がなされた。第1群(プラスミ
ド)では、ラットMGF遺伝子を含む1.5μg/μlのプラスミドDNAが注射され、第3
群では、ラットMGF遺伝子を含んでいる0.65μg/μlプラスミドDNAが注射された
。7日後、緩やかな牽引を用いて、それが茎乳突孔から現れるように右側顔面神
経が剥離された。他の群では、事前のプラスミドの筋内注射なしで、右側顔面神
経が圧壊(n=4)または剥離された(n=4)。1ヶ月後、4匹の非手術ラットを含む
すべてのラットは麻酔され、その後4%パラホルムアルデヒドで潅流され、顔面神
経核を含む脳幹の領域はビブラトームを用いて70μmの連続切片にされた。各々
の第5切片は、系統的無作為抽出法で採取され、共焦点顕微鏡用のdiscetor法の
改良を用いて(Johnsonら、1998)、総顔面運動ニューロン数を評価するために
、蛍光色素YOYOで染色された(1:1000、molecular probes)。簡潔には、70μm
ビブラトーム薄片を通じて10μm毎に別々の2つの光学切片が得られ、1つの画像
は緑の色調として、他方は赤の色調として保存された。2つの光学切片は、その
後、画面上で合併され、1つの光学切片に存在し他方には存在しないニューロン
(この場合緑であり、赤または黄色の色調ではない)のみが数えられた。立体解
析学を用いた顔面神経核の容積の決定後(West M. J. Trends in Neuroscience
1999. 22: 51-61)、顔面運動ニューロンの総数が計算された。
【0121】結果 正常な成体ラットの顔面神経核は約3,500の運動ニューロンを含む(表1、図
1)。神経圧壊後1ヶ月で、運動ニューロンの約15%が同側で失われる(p<0.05、
マン・ホイットニーU検定)一方、神経剥離後1ヵ月で、運動ニューロンの約75%
が失われる(図2)。剥離7日前の鼻へのプラスミドDNA単独の注入は、1ヶ月後
に見られる大規模な運動ニューロンの損失に対して影響を持たなかった(図3)
。しかし、L.IGF-Iの遺伝子を含むプラスミドの事前の筋内注射は運動ニューロ
ンの損失を剥離後1ヶ月で53%に減少させ、MGF遺伝子を含むプラスミドの注入は
運動ニューロンの損失を剥離後1ヶ月で21%に減少させた(図4)。
【0122】
【表1】
【0123】実施例2:PHB導管と併用してIGFアイソフォームを用いた坐骨神経修復 目的は、傷害を受けた神経に対するMGFの局所的な投与が、再生過程の急性期
において軸索の再生を向上させるかどうかを評価することである。MGFは、ヒド
ロゲル基質に包埋され、生体吸収性のポリマー導管中に挿入されたcDNAとして投
与された。このアプローチの利点は、増殖因子が直ちに傷害を受けたニューロン
において利用可能であること、およびバイオ工学による構築物によって作られる
保護された微小環境が神経繊維再生を促進するであろうことである。 ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)は、天然由来であるため、最適なポリマ
ーであって、非抗原性であり、単一方向性を持った繊維で構成されるシートに製
造されることができる。以前の実験では、PHB導管は、長さ4cmまでの神経間隙に
おいて再生を促進することが示されている。アルギン酸塩ヒドロゲルの添加はま
た、逆行輸送送達によって脊髄および後根神経節のニューロン細胞体に取り込め
る状態にある遺伝子産物のために設計されたMGF遺伝子の保留を可能にする。
【0124】 手術後2週目に、ラットは殺され、修復された神経が完全に採取され、+4℃で
一晩ザンボニ液で固定された。大量のPBS溶液で洗浄された後、組織はクリオス
タット切片のためのブロックにされた。組織切片は、S100(シュワン細胞のため
の指標)およびPanNF(全ニューロンの指標)に対する一次抗体を用いて、免疫
組織化学のために処理された。2つの指標の二重染色を得るために、同一切片上
で両方の一次抗体を用いた間接免疫蛍光法によって、染色が行われた。これは染
色の比較を容易にし、再生している軸索およびグリア細胞の正確な形態学的局在
性限定を可能にする。切片はコード化され、試験官は試験中の切片がいずれの群
に属するかわからないようにした。
【0125】 すべての群の試料において神経再生が観察された。特に、シュワン細胞の連続
コードは、近位および遠位神経末端の間で伸長が見られ、MGF、IGF 1および対照
群について同様の量が示された。これらの結果は、これらの実験に用いられた導
管または基質が再生を妨げなかったことを示す。軸索の再生を調べた場合、その
結果はシュワン細胞の染色で見られるそれらとは非常に異なっていた。実際、軸
索の再生は、アルギン酸塩および対照プラスミド(すなわちcDNAインサートのな
い)で満たされた導管において不十分で、遠位神経断端に伸長する軸索をほとん
ど持たなかった。IGF1 cDNA-プラスミドの添加は、中程度の数の遠位神経断端に
達する繊維を有する、増加した量の軸索再生を引き起こした。MGF cDNA-プラス
ミドがアルギン酸塩基質に添加された場合、再生は更に強化された。これらの導
管において、活発な再生は、遠位神経断端によく伸長している多数の軸索を有す
る神経の幅を通して見られた。定量化は試みられなかったが、困難なく群間の差
異を決定することができるほど、染色の差異は相当大きかった。
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96)
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、顔面運動神経核中の運動ニューロンの総数を示す。凡例表 1:正常 4:プラスミドのみ-剥離1ヶ月 2:圧壊1ヶ月 5:IGF-Iプラスミド-剥離1ヶ月 3:剥離1ヶ月 6:MGFプラスミド-剥離1ヶ月 右:手術側;左:非手術側
【図2】 図2は、剥離実験(対照実験)の結果である。 (a)は、顔面神経剥離から1ヶ月の、顔面神経核の位置で脳幹を通る横断面の低
倍率図である。手術側(b)の顔面神経核中の運動ニューロン数は、非手術側の
神経核(矢印および挿入図c)と比較して著しく減少する。70μmビブラトーム切
片はYOYOで染色され、エピフロレッセンスを用いて観察された。
【図3】 図3は、プラスミド実験の結果である。 (a)は、顔面神経核の位置における脳幹の低倍率図である。どのような遺伝子
の挿入も持たないプラスミドDNAが右側の鼻の筋肉に注射された。7日後、右側の
顔面神経を剥離し、動物を1ヶ月間生存させた。剥離のみの影響と同様に(図1
)、手術側(c)の顔面神経核中の運動ニューロン数は、非手術側の神経核(矢
印および挿入図b)と比較して著しく減少する。70μmビブラトーム切片はYOYOで
染色され、エピフロレッセンスを用いて観察された。
【図4】 図4は、MGFプラスミド実験の結果である。 (a)は、顔面神経核の位置における脳幹の低倍率図である。ラットMGF遺伝子を
含むプラスミドDNAが右側の鼻の筋肉に注射された。7日後、右側の顔面神経を剥
離し、動物を1ヶ月間生存させた。手術側(b)の顔面神経核中の運動ニューロン
数は、非手術側の神経核(矢印および挿入図c)と同様である。70μmビブラトー
ム切片はYOYOで染色され、エピフロレッセンスを用いて観察された。
【図5】 図5は、そのエキソン構造を示した、ヒトMGFのcDNAおよびアミノ酸配列であ
る。
【図6】 図6は、そのエキソン構造を示した、ラットMGFのcDNAおよびアミノ酸配列で
ある。
【図7】 図7は、そのエキソン構造を示した、ウサギMGFのcDNAおよびアミノ酸配列で
ある。
【図8】 図8は、そのエキソン構造を示した、ヒトL.IGF-IのcDNAおよびアミノ酸配列
である。
【図9】 図9は、そのエキソン構造を示した、ラットL-IGF-IのcDNAおよびアミノ酸配
列である。
【図10】 図10は、そのエキソン構造を示した、ウサギL-IGF-IのcDNAおよびアミノ酸
配列である。
【図11】 図11は、ヒト、ラットおよびウサギのMGFおよびL-IGF-Iのエキソン構造を図
解し、類似点および相違点を強調している配列アライメントを示す。
【図12】 図12は、3つの実験群において軸索の再生を示す軸索(Pan NF、本来の色は
赤)および支持シュワン細胞(S100、本来の色は緑)に対する染色の結果である
。MGF群での軸索再生は、より多量であり、他の2つの実験群での軸索より更に先
の遠心神経に到達する。上部中央:MGF;下部左側;「空の」ベクターによる対
照;下部右側:L.IGF。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ゴールドスピンク,ゲオッフリー イギリス国 エヌダブリュ3 2ピーエフ ロンドン,ロウランド ヒル ストリー ト,ロイヤル フリー キャンパス,ユニ バーシティー カレッジ ロンドン,ロイ ヤル フリー アンド ユニバーシティー カレッジ メディカル スクール,デパ ートメント オブ アナトミー アンド デベロップメンタル バイオロジー (72)発明者 テレンギ,ジョージオ イギリス国 エヌダブリュ3 2ピーエフ ロンドン,ロウランド ヒル ストリー ト,ロイヤル フリー キャンパス,ユニ バーシティー デパートメント オブ サ ージェリー,ロイヤル フリー アンド ユニバーシティー カレッジ メディカル スクール,ブロンド マッキンドウ セ ンター Fターム(参考) 4B024 AA01 BA21 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 HA03 4C084 AA02 AA13 AA19 BA44 CA18 CA23 DB58 MA02 NA14 ZA011 ZA012 ZA941 ZA942

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MGF(メカノ-増殖因子)のリーディングフレーム内のIGF-Iエ
    キソン4、5および6の核酸配列によりコードされるアミノ酸配列を含み、神経剥
    離への応答における運動神経の消失を20%以上低減させる能力を有している、MG
    Fインスリン様増殖因子(IGF-I)アイソフォームの、損傷部位に上記MGFが分布す
    ることによって神経損傷の治療についての薬剤の製造における使用。
  2. 【請求項2】 神経損傷が末梢神経系(PNS)の神経に対するものである、
    請求項1記載の使用。
  3. 【請求項3】 損傷部位の神経の周辺に配置された導管によって、MGFが損
    傷部位に分布することを特徴とする、請求項1または2記載の使用。
  4. 【請求項4】 上記導管がポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)を含む、請求
    項3記載の使用。
  5. 【請求項5】 損傷が神経の切断を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載
    の使用。
  6. 【請求項6】 神経損傷の治療が、損傷した神経が支配する標的器官の変性
    を防止または減少させる治療と組み合わされることを特徴とする、請求項1〜5
    のいずれか1項記載の使用。
  7. 【請求項7】 標的器官が筋肉であり、かつMGFまたはMGFをコードするポリ
    ヌクレオチドでの筋肉の治療が変性を防止または減少させることを特徴とする、
    請求項6記載の使用。
  8. 【請求項8】 MGFではないポリペプチド性増殖因子での標的器官の治療が
    変性を防止または減少させることを特徴とする、請求項6記載の使用。
  9. 【請求項9】 MGFが神経剥離への応答における運動神経の消失を50%以上
    または80%以上低減させる能力を有していることを特徴とする、請求項1〜8の
    いずれか1項記載の使用。
  10. 【請求項10】 MGFがグリコシル化されていない、請求項1〜9のいずれ
    か1項記載の使用。
  11. 【請求項11】 MGFが、 (a) ヒトMGFの配列(配列番号2)、ラットMGF(配列番号4)、ウサギMGF(配列
    番号6); (b) 上記(a)に記載の配列に対して70%以上の相同性を有する配列; (c) 配列番号1、3もしくは5に示すヒト、ラットまたはウサギMGF DNAのエ
    キソン4、5および6によって全部または一部がコードされるアミノ酸を含む配列
    、あるいはこれらに対して70%以上の相同性を有する配列;または、 (d) 上記(a)、(b)または(c)に記載の配列に選択的にハイブリダイズ可能な核
    酸配列によってコードされる配列; を有する、請求項1〜10のいずれか1項記載の使用。
  12. 【請求項12】 薬剤が別の神経学的に活性な薬剤をさらに含むか、または
    MGFでの治療を別の神経学的に活性な薬剤と組合わせて実施することを特徴とす
    る、請求項1〜11のいずれか1項記載の使用。
  13. 【請求項13】 神経損傷の治療において、同時、別々または連続的に使用
    するための: (a) 請求項1、9、10または11のいずれか1項に記載のMGF IGF-Iアイソ
    フォーム;および (b) 請求項3または4記載の導管;および場合によっては (c) 変性を防止するかまたは減少させるポリペプチド性増殖因子;および場
    合によっては (d) 他の神経学的に活性な薬剤; を含む、製品。
  14. 【請求項14】 以下の: (a) 請求項1、9、10または11のいずれか1項に記載のMGF IGF-Iアイソ
    フォーム;および (b) 請求項3または4記載の導管;および場合によっては (c) 変性を防止するかまたは減少させるポリペプチド性増殖因子;および場
    合によっては (d) 他の神経学的に活性な薬剤; を含む、神経損傷の治療用キット。
  15. 【請求項15】 損傷部位にMGFが分布することによって神経変性を治療す
    る方法であって、請求項1、9、10または11のいずれか1項に記載のMGF IGF
    -Iアイソフォームを有効かつ非毒性である量、治療を必要とする被検体に投与す
    ることを含む、上記方法。
  16. 【請求項16】 他の神経学的に活性な薬剤が、ポリペプチド性増殖因子ま
    たはポリペプチド性増殖因子をコードする核酸であることを特徴とする、請求項
    12記載の使用、請求項13もしくは14記載のキット、または請求項15記載
    の方法。
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