WO2012105616A1 - ペプチド・ライブラリー - Google Patents
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Abstract
Description
(1)
下記(i)または(ii)から選択されるペプチド:
(i)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するペプチド;および、
(ii)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列において、アミノ末端から数えて1番目乃至11番目のXaa以外の、1個以上28個以下のアミノ酸が保存的アミノ酸置換、欠失、付加又は挿入してなるアミノ酸配列を有するペプチド、
(2)
アミノ末端から数えて1番目乃至11番目のXaaが、それぞれ、システインを除く任意のアミノ酸である、(1)記載のペプチド、
(3)
アミノ末端から数えて1番目乃至11番目のXaaが、それぞれ、プロリンを除く任意のアミノ酸である、(1)または(2)記載のペプチド、
(4)
保存的アミノ酸置換が、疎水性アミノ酸グループ、中性親水性アミノ酸グループ、酸性アミノ酸グループ、塩基性アミノ酸グループ、主鎖の方角に影響を与えるアミノ酸のグループ、および、芳香族アミノ酸グループから選択されるいずれかのグループ内において行われることを特徴とする、(1)乃至(3)のいずれか一つに記載のペプチド、
(5)
アミノ末端から数えて1番目のXaaが、グルタミン、メチオニン、ヒスチジン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン、トリプトファン、イソロイシン、アスパラギン酸およびスレオニンからなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(4)のいずれか一つに記載のペプチド、
(6)
アミノ末端から数えて2番目のXaaが、トリプトファン、ロイシン、グリシン、イソロイシン、メチオニン、アスパラギン酸、アスパラギンおよびスレオニンからなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(5)のいずれか一つに記載のペプチド、
(7)
アミノ末端から数えて3番目のXaaが、アルギニン、ロイシン、アラニン、ヒスチジン、スレオニン、バリン、グルタミン、グルタミン酸およびセリンからなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(6)のいずれか一つに記載のペプチド、
(8)
アミノ末端から数えて4番目のXaaが、グルタミン酸、アルギニン、リジン、イソロイシン、グルタミン、トリプトファン、チロシン、グリシンおよびフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(7)のいずれか一つに記載のペプチド、
(9)
アミノ末端から数えて5番目のXaaが、リジン、グルタミン酸、メチオニン、アラニン、グルタミン、グリシン、スレオニン、ヒスチジンおよびトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(8)のいずれか一つに記載のペプチド、
(10)
アミノ末端から数えて6番目のXaaが、メチオニン、トリプトファン、チロシン、セリン、フェニルアラニン、グルタミンおよびアスパラギン酸からなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(9)のいずれか一つに記載のペプチド、
(11)
アミノ末端から数えて7番目のXaaが、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、セリン、リジン、アルギニン、ヒスチジンおよびアスパラギンからなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(10)のいずれか一つに記載のペプチド、
(12)
アミノ末端から数えて8番目のXaaが、リジン、グルタミン酸、アラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、アルギニンおよびグリシンからなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(11)のいずれか一つに記載のペプチド、
(13)
アミノ末端から数えて9番目のXaaが、アスパラギン、セリン、チロシン、グルタミン酸、アラニン、グリシン、リジンおよびヒスチジンからなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(12)のいずれか一つに記載のペプチド、
(14)
アミノ末端から数えて10番目のXaaが、アスパラギン酸、ヒスチジン、トリプトファン、フェニルアラニン、アスパラギン、バリンおよびロイシンからなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(13)のいずれか一つに記載のペプチド、
(15)
アミノ末端から数えて11番目のXaaが、イソロイシン、チロシン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸である、(1)乃至(14)のいずれか一つに記載のペプチド、
(16)
配列表の配列番号1乃至16のいずれか一つで示されるアミノ酸配列を有する、(1)乃至(15)のいずれか一つに記載のペプチド、
(17)
(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチドに化学的修飾または生物学的修飾が施されてなる該ペプチドの誘導体、
(18)
下記(i)乃至(iii)のいずれか一つに記載のヌクレオチド:
(i)(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチドの有するアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるヌクレオチドを含んでなるヌクレオチド;
(ii)(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチドの有するアミノ酸配列をコードする塩基配列を含んでなるヌクレオチド;および、
(iii)(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチドの有するアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるヌクレオチド、
(19)
(18)記載のヌクレオチドを含んでなるベクター、
(20)
(18)記載のヌクレオチドまたは(19)記載のベクターが導入された細胞、
(21)
下記工程(i)および(ii)を含んでなる(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチドの製造方法:
(i)(20)記載の細胞を培養する工程;および、
(ii)工程(i)で得られた培養物から該ペプチドを回収する工程、
(22)
(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチドおよび/または(17)記載のペプチドの誘導体を含んでなるペプチド・ライブラリー、
(23)
ペプチドおよび/またはペプチドの誘導体が、(21)記載の工程(i)および(ii)を含んでなる方法により調製されたものであることを特徴とする、(22)記載のライブラリー、
(24)
ライブラリーにおいて、表現型(phenotype)である該ペプチド又はペプチド誘導体および該表現型に対応する遺伝型(genotype)であるヌクレオチドが直接的または間接的にリンクしていることを特徴とする、(22)または(23)記載のライブラリー、
(25)
ヌクレオチドが(18)に記載のヌクレオチドである、(22)乃至(24)のいずれか一つに記載のライブラリー、
(26)
ファージ・ディスプレイ・ライブラリー、リボゾーム・ディスプレイ・ライブラリー若しくは核酸ディスプレイ・ライブラリーである、(22)乃至(25)のいずれか一つに記載のライブラリー、
(27)
下記(i)および(ii)の工程を含んでなる、標的分子に結合する、(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチドまたは(17)記載のペプチド誘導体の同定方法:
(i)(22)乃至(26)のいずれか一つに記載のライブラリーに含まれるペプチドまたはペプチド誘導体と該標的分子とを接触させる工程;および、
(ii)該標的分子に結合するペプチドまたはペプチド誘導体を回収する工程、
(28)
下記(i)乃至(iii)の工程を含んでなる、標的分子に結合する、(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチドまたは(17)記載のペプチド誘導体の製造方法:
(i)(22)乃至(26)のいずれか一つに記載のライブラリーに含まれるペプチドまたはペプチド誘導体と該標的分子とを接触させる工程;および、
(ii)該標的分子に結合するペプチドまたはペプチド誘導体を回収する工程;および、
(iii)前記(ii)において回収された該ペプチドまたはペプチド誘導体に含まれるペプチドを化学合成、遺伝子組換えまたはイン・ビトロ翻訳により調製する工程、
(29)
下記(i)および(ii)の工程を含んでなる、(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチドまたは(17)記載のペプチドの誘導体が標的分子に結合するか否かを判定する方法:
(i)(1)乃至(16)のいずれか一つに記載の被検ペプチドまたは(17)記載の被検ペプチド誘導体と該標的分子とを接触させる工程;および、
(ii)被検ペプチドまたは被検ペプチド誘導体が該標的分子に結合する場合、該ペプチドまたは被検ペプチド誘導体は陽性であると決定する工程、
(30)
下記(i)乃至(iii)の工程を含んでなる、標的分子に結合する、(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチドまたは(17)記載のペプチドの誘導体の製造方法:
(i)(1)乃至(16)のいずれか一つに記載の被検ペプチドまたは(17)記載の被検ペプチド誘導体と該標的分子とを接触させる工程;
(ii)被検ペプチドまたは被検ペプチド誘導体が該標的分子に結合する場合、該ペプチドまたは被検ペプチド誘導体は陽性であると決定する工程;および、
(iii)前記(ii)において被検ペプチドまたはペプチド誘導体が陽性と判定された場合、該ペプチドまたはペプチド誘導体に含まれるペプチドを化学合成、遺伝子組換えまたはイン・ビトロ翻訳により調製する工程、
(31)
(18)に記載のヌクレオチドを含んでなるヌクレオチド・ライブラリー、
(32)
ヌクレオチドがファージミド、コスミドもしくはプラスミドまたはその断片である、(31)記載のライブラリー、
(33)
ヌクレオチドが原核もしくは真核細胞内、または、ウイルスDNAまたはRNA上もしくはウイルス粒子中に存在する、(31)または(32)記載のヌクレオチド・ライブラリー、
(34)
(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチド、(17)記載のペプチドの誘導体、(18)記載のヌクレオチド、(19)記載のベクターまたは(20)記載の細胞を含むことからなる組成物、および、
(35)
(1)乃至(16)のいずれか一つに記載のペプチド、(17)記載のペプチドの誘導体、(18)記載のヌクレオチド、(19)記載のベクターまたは(20)記載の細胞を含むことからなる試薬、
等に関する。
本発明はペプチドを提供する。
(1)非極性アミノ酸グループ:アラニン(以下、「Ala」または単に「A」と記す)、バリン(以下、「Val」または単に「V」と記す)、ロイシン(以下、「Leu」または単に「L」と記す)、イソロイシン(以下、「Ile」または単に「I」と記す)、プロリン(以下、「Pro」または単に「P」と記す)、フェニルアラニン(「Phe」または単に「F」と記す)、トリプトファン(以下、「Trp」または単に「W」と記す)、メチオニン(以下、「Met」または単に「M」と記す)
(2)非荷電極性アミノ酸グループ:グリシン(以下、「Gly」または単に「G」と記す)、セリン(以下、「Ser」または単に「S」と記す)、スレオニン(以下、「Thr」または単に「T」と記す)、システイン(以下、「Cys」または単に「C」と記す)、チロシン(以下、「Tyr」または単に「Y」と記す)、アスパラギン(以下、「Asn」または単に「N」と記す)、グルタミン(以下、「Gln」または単に「Q」と記す)
(3)酸性アミノ酸グループ:アスパラギン酸(以下、「Asp」または単に「D」と記す)、グルタミン酸(以下、「Glu」または単に「E」と記す)
(4)塩基性アミノ酸グループ:リジン(以下、「Lys」または単に「K」と記す)、アルギニン(以下、「Arg」または単に「R」と記す)、ヒスチジン(以下、「His」または単に「H」と記す)
また、天然界に存在するアミノ酸は、その共通する側鎖の性質に基づいて次のようなグループに分けることができる。
(1)疎水性アミノ酸グループ:ノルロイシン(Norleucine)、Met、Ala、Val,Leu,Ile
(2)中性親水性アミノ酸グループ:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln
(3)酸性アミノ酸グループ:Asp、Glu
(4)塩基性アミノ酸グループ:His、Lys、Arg
(5)主鎖の方角に影響を与えるアミノ酸のグループ:Gly、Pro
(6)芳香族アミノ酸グループ:Trp、Tyr、Phe
以下に、保存的置換の例を示すが、本発明の保存的アミノ酸置換はこれらに限定されるものではない。
Lysは、例えば、Arg、Hisと置換し得る。
SLSCRKEQGKQYLLREWDCDSCASECGSHPHYCAYFCEN(配列表の配列番号2:図4の2)
SLSCRKEQGKMYLLKEWDCASCASACGNHPHYCAYFCEN(配列表の配列番号3:図4の3)
SLSCRKEQGKHYLLKEYDCDSCASECGYHPDYCAYFCEN(配列表の配列番号4:図4の4)
SLSCRKEQGKSYGAIMYDCSSCASYCGEHPWHCAYFCEN(配列表の配列番号5:図4の5)
SLSCRKEQGKEYGAIAWDCSSCASYCGAHPFECAYFCEN(配列表の配列番号6:図4の6)
SLSCRKEQGKNYIHQQWDCASCASECGGHPNYCAYFCEN(配列表の配列番号7:図4の7)
SLSCRKEQGKWYMTWESDCKSCASWCGSHPFDCAYFCEN(配列表の配列番号8:図4の8)
SLSCRKEQGKMYDLYGFDCRSCASMCGKHPDLCAYFCEN(配列表の配列番号9:図4の9)
SLSCRKEQGKMYMVWTQDCKSCASWCGAHPVACAYFCEN(配列表の配列番号10:図4の10)
SLSCRKEQGKIYNQYGFDCKSCASWCGKHPDMCAYFCEN(配列表の配列番号11:図4の11)
SLSCRKEQGKIYMTWHDDCHSCASLCGSHPLFCAYFCEN(配列表の配列番号12:図4の12)
SLSCRKEQGKDYMVFGQDCHSCASWCGKHPVACAYFCEN(配列表の配列番号13:図4の13)
SLSCRKEQGKQYMAGHFDCNSCASRYGHHPLMCAYFCEN(配列表の配列番号14:図4の14)
SLSCRKEQDKTYIEYGFDCRSCASGCGGHPLMCAYFCEN(配列表の配列番号15:図4の15)
SLSCRKEQGKSYTSEWFDCASCASKYGKHPLVCAYFCEN(配列表の配列番号16:図4の16)
本発明において、アミノ酸は、L-アミノ酸、D-アミノ酸、またはその混合物(DL-アミノ酸)であるが、特に明記しない限りL-アミノ酸を意味する。
本発明はヌクレオチドを提供する。
本発明は組換えベクター(以下、単に「ベクター」ともよぶ)を提供する。
本発明は、その一つの態様において、組換え細胞(以下、単に「細胞」ともよぶ)を提供する。
本発明は、また他の態様として、本発明のペプチドの製造方法を提供する。
(1-1)本発明のペプチドに対応するヌクレオチドを含み且つ該ペプチド等を発現する細胞(本発明の細胞)を培養する工程;および、
(1-2)該培養物から該ペプチドを回収する工程。
(2-1)標的分子に結合する本発明のペプチドのアミノ酸配列を決定する工程;および、
(2-2)該アミノ酸配列からなるペプチドを化学合成または遺伝子組換えにより調製する工程。
(3-1)本発明のペプチドに対応する対応するmRNAを調製する工程;および、
(3-2)前記(3-1)で得られたmRNAを鋳型として、イン・ビトロ翻訳により、該ペプチドを調製する工程。
(4-1)本発明のペプチド・ライブラリーに含まれるペプチドと標的分子とを接触させる工程;
(4-2)該標的分子に結合するペプチドを回収する工程;および
(4-3)回収されたペプチドを、化学合成、遺伝子組換えまたはイン・ビトロ翻訳により調製する工程。
(5-1)本発明の被検ペプチドと標的分子とを接触させる工程;
(5-2)被検ペプチドが該標的分子に結合する場合、該ペプチドは陽性であると決定する工程;および、
(5-3)前記(5-2)において被検ペプチドは陽性であると決定された場合、該ペプチドを化学合成、遺伝子組換えまたはイン・ビトロ翻訳により調製する工程。
6.ライブラリー
本発明はライブラリーを提供する。
mRNAディスプレイは、mRNAとその翻訳産物であるペプチドまたは蛋白質が介在部分を挟んで連結してなる複合体としての形態で、ペプチドまたは蛋白質を提示(ディスプレイと同義)させる技術である(キーフェとスゾスタク、ネイチャー、410巻、715乃至718頁、2001年刊行:Keefe, A.D and Szostak, J.W., Nature, vol.410 (2001), pp715-718)。
本発明は、標的分子に結合するペプチドおよび/またはペプチド誘導体の同定方法を提供する。
本発明において「標的分子」とは、本発明のペプチドが結合する、ヒトもしくは非ヒト動物の個体に内在する物質または生体内に取り込まれ得る外因性の物質を意味する。本発明の標的分子は、好適には、かかる個体が罹患し得る疾患の発症もしくは増悪に直接または間接的に関与し得るか、または、かかる疾患と相関もしくは逆相関を示す、内在するかあるいは外因性の酵素、受容体、該受容体のリガンド、サイトカイン等の液性因子、その他の生体高分子、シグナル伝達物質、細胞、病原体、毒素、または、それらのいずれか一つもしくはそれ以上に由来する物質、例えば、その断片、分解物、代謝産物、加工物等である。また、本発明の標的分子は、鉱物、ポリマー、プラスチック、合成低分子化合物等の非天然物質であってもよい。
本発明の標的分子は、疾患に罹患した組織、細胞から単離、精製して使用することができる。また、本発明の標的分子は、化学合成、遺伝子組換え、イン・ビトロ翻訳等、ペプチドまたは蛋白質の製造方法として当業者に周知の方法により調製することができる。このようにして得られた標的分子から、必要に応じて、前述のような誘導体を調製してもよい。
(3)標的分子とペプチドおよび/またはペプチド誘導体との接触
本発明の同定方法は、ペプチドおよび/またはその誘導体と標的分子とを接触させる工程を含む。ここで、該ペプチドおよび/またはその誘導体は、ペプチド・ライブラリーに含まれていてもよい。すなわち、本発明の同定方法は、ペプチド・ライブラリーに含まれるペプチドおよび/またはその誘導体と標的分子とを接触させる工程を含んでもよい。
(4)選抜
本発明の同定方法は所望の性質を有するペプチドおよび/またはペプチド誘導体、好適には標的分子に結合するペプチドおよび/またはペプチド誘導体を選抜する工程を含む。
抗体と抗原の「結合」を測定する方法としては、フローサイトメトリー等により測定を行う蛍光抗体法(直接法、間接法)、ラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ(均一法、不均一法)、ELISA、ELISPOT等が広く使用されている。これらの方法において、被検抗体および抗原を本発明のペプチドまたはその誘導体および標的分子に置き換えれば、抗体と抗原の「結合」の測定と同様に、ペプチドまたはその誘導体と標的分子の「結合」の有無を測定することができる。
また、「結合」の有無は、結合活性または親和性の指標を測定することにより、決定することができる。結合親和性の指標としては、解離定数、結合定数等をあげることができる。
解離定数(dissociation constant:Kd)は次の式により算出することができる:
Kd=[A][B]/[AB]
ここで[A]、[B]および[AB]は、A、BおよびAB(会合体)の濃度をそれぞれ意味する。Kdは解離したAおよびBと解離していないABとの比を意味するものであり、Kdの逆数は結合定数(Ka)である。
本発明は組成物を提供する。
本発明は試薬を提供する。
本発明は、被検物質が、標的分子に結合するか否かを判定する方法をも提供する。
1)ランダム変異TACI_d2オリゴヌクレオチドの合成
下記のオリゴヌクレオチド(183bp)を合成した。
上記配列は5‘末端から、5’末primer結合領域、制限酵素SfiI認識配列(SfiIサイト)、ランダム変異を加えたTACI_d2のコード配列、NotIサイト、3‘末端primer結合領域の順に並んでいる。また、NNNにはCys、Proを除く18種のアミノ酸(Ala、Glu、Gln、Asp、Asn、His、Trp、Arg、Lys、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Ser、Met、Gly、Thr)をコードするコドンがほぼ等確率(各3.0%~8.2%)で含まれている。これによりランダム変異TACI_d2の計算上の多様性は6.4×1013となる。
前記1)で合成したオリゴヌクレオチド(計2μg)を鋳型として、以下の二種類のプライマー(Sigma genosys社合成)を用いたPCRを行った。
Primer reverse 1: TGACCGATGGAACGTGGACTC(配列表の配列番号19)
DNAポリメラーゼにはKOD-plus-ver.2(東洋紡績株式会社製)を使用し、アニーリング温度64℃、伸長温度68℃、サイクル数10で説明書に従って反応を行った。PCR産物を制限酵素NotI-HF(NEB社製)およびSfiI(NEB社製)で消化し、これをインサートとして後述のライゲーションに使用した。
ファージミドベクターpCANTAB 5E vector(旧Pharmacia社-現GE Healthcare社製)を制限酵素NotI-HF(NEB社製)およびSfiI(NEB社製)で消化した。続いて、大腸菌由来Alkaline Phosphatase(タカラバイオ株式会社製)を用いて制限酵素により消化されたベクター断片に脱リン酸化処理を行い、これをベクターとして後述のライゲーションに使用した。
上記のインサートおよびベクターを、T4 DNA Ligase(NEB社製)を用いてライゲーションさせた(ベクターとインサートのモル比は1:3)。このライゲーション産物を用いて、エレクトロポレーション法により大腸菌TG-1株を形質転換し(BTX社製のBTX Electro Cell Manipulator 600を使用、電圧1.98kV、電気抵抗186オーム)、100μg/mL Ampicillin、1%Glucose、を含むLB培地(以下、LB/Amp/1%Glu)プレートに播種して、30℃にて12時間以上培養することにより、3.5×1010個の大腸菌コロニーが得られた。
2)の大腸菌コロニー群から100μg/mL Ampicillin、1%Glucoseを含む2×YT培地(以下、2×YT/Amp/1%Glu)を用いてOD600nm=0.3の大腸菌懸濁液を調製した。37℃にて振とう培養を行いOD600nm=0.5になるまで増殖させ、十分量のHYPERPHAGE M13K07 ΔpIII(Progen社製)を加えて37℃にて30分間感染させた。次いで、該大腸菌に100μg/mL Ampicillin、100μg/mL Kanamycin、0.25mM IPTG(以下「2×YT/Amp/Kan/0.25mM IPTG」という)を加えて22℃で一晩振とう培養した。回収した培養上清に1/4量の20%Polyethylene Glycol 6000、2.5M NaCl溶液(以下「20%PEG/2.5M NaCl溶液」という)を加えてファージを沈殿させた。沈殿したファージをPhosphate Buffered saline(以下「PBS」という)で懸濁し、ランダム変異 TACI提示ファージライブラリーとして以下の実験に用いた。
このファージ溶液を大腸菌TG-1株に感染させてLB/Amp/1%Gluプレートに播種し、形成したコロニー数を測定した。かかるファージライブラリーのタイターは1.2×1013phage/mLであった。
1)液相パニング法
EZ-Link NHS-Chromogenic Biotin Reagent(Thermo SCIENTIFIC社製)を用いて、説明書に従い標的蛋白質(標的分子)をビオチン化した。この標的分子に、TACI_d2変異体提示ファージを添加して、一晩または2時間反応させた。TACI_d2変異体提示ファージとしては、液相パニングの第1ラウンドには、ランダム変異TACI_d2提示ファージライブラリーを、第2ラウンド以降には、前のラウンドで得られた大腸菌コロニー群から調製したファージ(ランダム変異TACI_d2提示ファージライブラリー)をそれぞれ使用した。この混合溶液にDynabeads M-280 Streptavidin(Invitrogen社製:以下「Dynabeads」という)を加えて、Dynabeadsにビオチン化標的分子を結合させた。0.05%Tween-20を含むPBS(以下「PBST」という)でDynabeadsを所定の回数洗浄した後、Dynabeads表面のビオチン化した標的分子に結合しているTACI_d2変異体提示ファージを0.1M Glycine-HCl/500mM NaCl(pH2.2)で溶出させた。溶出したファージを直ちに1M Tris-HCl(pH8.0)で中和し、大腸菌TG-1株へ感染させてLB/Amp/1%Gluプレートに播種して30℃にて12時間以上培養した。
Nunc Maxisorp flat-bottom 96 well plate(Nunc)(以下、Maxisorp plate)に標的蛋白質(標的分子)を加え、4℃にて一晩固相化した。該Maxisorp plateにTACI_d2変異体提示ファージを添加して、2時間反応させた。TACI_d2変異体提示ファージとしては、固相パニングの第1ラウンドにはランダム変異TACI_d2変異体提示ファージを、第2ラウンド以降には、前のラウンドで得られた大腸菌コロニー群から調製したファージ(ランダム変異TACI_d2提示ファージライブラリー)をそれぞれ使用した。PBSTでMaxisorp plateを所定の回数洗浄した後、Maxisorp plateに固相化された標的分子に結合したTACI変異体提示ファージを0.1M Glycine-HCl/500mM NaCl(pH2.2)で溶出させた。溶出したファージを直ちに1M Tris-HCl(pH8.0)で中和し、大腸菌TG-1株へ感染させてLB/Amp/1%Gluプレートに播種して30℃にて12時間以上培養した。
次ラウンドのパニングにより得られた大腸菌コロニー群から2×YT/Amp/1%Gluを用いてOD600nm=0.3の大腸菌懸濁液を調製した。37℃にて振とう培養を行いOD600nm=0.5になるまで増殖させ、十分量のヘルパーファージM13K07を加えて37℃にて30分間感染させた。ヘルパーファージを感染させた大腸菌に2×YT/Amp/Kan/0.25mM IPTGを加えて22℃にて一晩振とう培養した。回収した培養上清に20%PEG/2.5M NaCl溶液を加えてファージを沈殿させた。沈殿したファージをPBSで懸濁し、次ラウンドのパニングに使用した。
IgG-Free,Protease-Free Bovine Serum Alubmin(Jackson ImmunoResearch Laboratories, Inc.社製:以下「BSA」という)、Recombinant Human EphA2,CF(R&D systems社製:以下「hEphA2」という)、Recombinant Human EGF R/Fc Chimera,CF(R&D systems社製:以下「hEGFR/Fc」という)、Recombinant Human ErbB2/Fc Chimera,CF(R&D systems社製:以下「hErbB2/Fc」という)、Recombinant Human VEGF165(Peprotech社製:以下「hVEGF」という)、Recombinant Human TNF-α(Peprotech社製:以下「hTNF-α」という)の6種類の組換え蛋白質のいずれか一つを標的分子として、液相もしくは固相パニングを3または4ラウンド行った。
1)phage ELISAに使用するファージの調製(1)
最終ラウンドのパニングにより得られた大腸菌コロニー群全体から2×YT/Amp/1%Gluを用いてOD600nm=0.3の大腸菌懸濁液を調製した。37℃にて振とう培養を行いOD600nm=0.5になるまで増殖させ、十分量のヘルパーファージM13K07を加えて37℃にて30分間感染させた。ヘルパーファージを感染させた大腸菌に2×YT/Amp/Kan/0.25mM IPTGを加えて22℃にて一晩振とう培養した。回収した培養上清に20%PEG/2.5M NaCl溶液を加えてファージを沈殿させ、これをPBSで懸濁した。このファージの原液およびPBSで2倍希釈を数回繰り返したものをphage ELISAに使用した。
最終ラウンドのパニングにより得られた大腸菌コロニー群からシングルコロニーを一つ選び、2×YT/Amp/1%Gluに植菌する。37℃にて振とう培養を行いOD600nm=0.5になるまで増殖させ、十分量のヘルパーファージM13K07を加えて37℃にて30分間感染させた。ヘルパーファージを感染させた大腸菌に2×YT/Amp/Kan/0.25mM IPTGを加えて22℃にて一晩振とう培養した。回収した培養上清に20%PEG/2.5M NaCl溶液を加えてファージを沈殿させ、沈殿したファージをPBSで懸濁した。このファージの原液およびPBSで2倍希釈を数回繰り返したものをphage ELISAに使用した。
Maxisorp plateに標的分子またはネガティブコントロール蛋白質(BSAを標的分子とした場合はhEphA2、その他の蛋白質を標的分子とした場合はBSA)を加え、4℃にて一晩固相化した。この標的蛋白質またはネガティブコントロール用蛋白質を固相化したMaxisorp plateに、実施例2の1)と2)で調製したTACI変異体提示ファージを添加して2時間反応させた。0.05%Tween-20を含むTris buffered saline(以下、TBST)でMaxisorp plateを洗浄した後、5000倍に希釈したHRP/Anti-M13 Monoclonal Conjugate(GE Healthcare社製)(以下、「Anti-M13 antibody」という)を添加した。再度TBSTで洗浄した後、ELISA POD Substrate A.B.T.S. Kit(ナカライテスク社製)(以下、「ELISA POD」という)により標的分子に結合したファージ量を波長405nmの吸光度として検出した。
1)phage ELISAに使用するファージの調製
hEphA2を標的分子とする最終ラウンドのパニング後の大腸菌コロニー群から選んだ3つのクローン(α-EphA2 #1乃至#3:配列表の配列番号2乃至4、図4の2乃至4にそれぞれ対応する)について、2×YT/Amp/1%Gluを用いてOD600nm=0.3の大腸菌懸濁液を調製した。これらの大腸菌をそれぞれ37℃にて振とう培養を行いOD600nm=0.5になるまで増殖させ、十分量のヘルパーファージM13K07を加えて37℃にて30分間感染させた。ヘルパーファージを感染させた大腸菌に2×YT/Amp/Kan/0.25mM IPTGを加えて22℃にて一晩振とう培養した。回収した培養上清に20%PEG/2.5M NaCl溶液を加えてファージを沈殿させ、沈殿したファージをPBSで懸濁させた。このファージの原液、およびPBSによる2倍希釈を数回繰り返して得られたものを、phage ELISAに使用した。野生型TACI_d2遺伝子を含むpCANTAB5Eベクターを有する大腸菌TG-1株についても、同様の操作によりファージを調製した。
Maxisorp plateにhEphA2、BSA、Recombinant Human BAFF/BLyS/TNFSF13B(R&D systems:ヒトBAFF((UniProtKB/Swiss-Prot Accession # Q9Y275)の134番目のAlaから285番目のLeuまでのアミノ酸からなるポリペプチドのN末端にヒスチジン・タグ等を連結したもの:以下「hBAFF」という)、Recombinant Mouse EphA2/Fc Chimera, CF(R&D systems:マウスEphA2(NCBI Accession No. #AAA82113)の22番目のAlaから535番目のAlaまでのアミノ酸からなるポリペプチドのC末端にヒト免疫グロブリンG1(以下、「hIgG1」という)のFc領域(100番目のProから330番目のLysまで)を連結したもの:以下「mEphA2/Fc」という)をそれぞれ加え、4℃で一晩固相化した。これらのMaxisorp plateにTACI_d2変異体提示ファージを添加して2時間反応させた。Maxisorp plateをTBSTで洗浄した後、5000倍に希釈したAnti-M13 antibodyを添加した。Maxisorp plateを再度TBSTで洗浄した後、ELISA PODによりプレートに固相化した蛋白質に結合したファージ量を波長405nmの吸光度として検出した。
1)細胞培養および培地
ヒト胎児腎臓細胞(HEK293T細胞)は、10%ウシ胎児血清(FBS)を含む、ダルベッコ変法イーグル培地(以下、「DMEM」という:GIBCO社製)(以下、かかる培地を「DMEM-10%FBS」という)を用いて37℃にて、5%CO2存在下で培養した。トランスフェクションやフローサイトメトリーに使用する際には、0.05%トリプシン-EDTA(GIBCO)を用いて培養用プレートから剥離させた後、細胞懸濁物を遠心分離して細胞を回収し、DMEM-10%FBSに再度懸濁して用いた。
Lipofectamin2000(インビトロジェン社製)を用いて、説明書に従い、ヒトEphA2遺伝子またはネガティブコントロールとして、ヒトErbB2遺伝子が挿入されたpcDNA-DEST40 Gatewayベクター(インビトロジェン社製)をHEK293T細胞にトランスフェクトした。
トランスフェクションした細胞を回収し、細胞をFACSバッファー(5%FBSを含むPBS)に懸濁してナイロンメッシュに通した。5×105cells/ウェルで96 Well Cell Culture Cluster Round Bottom With Lid(Coster社製)に分注し、遠心して上清を除去した。この細胞に、実施例4の1)で調製したファージの原液を50μLずつ加え、4℃にて30分間静置した。150μL/ウェルのFACSバッファーを添加して遠心により上清を除き、再度200μL/ウェルのFACSバッファーを添加して遠心により上清を除いた(以下、細胞の洗浄は同様に行った)。得られた細胞に一次抗体として100倍に希釈したAnti-M13 antibodyを50μL/ウェルで加えて4℃にて30分間静置した後、細胞を洗浄した。続いて、二次抗体として1000倍に希釈したFLUORESCEIN-CONJUGATED GOAT IGG FRACTION TO MOUSE IGG(CAPPEL社製)を加えて4℃で30分間静置した後、細胞を洗浄した。得られた細胞を250μLのFACSバッファーで懸濁し、Cytomics FC 500 Flow Cytometry System(BECKMAN COULTER社製)に供し、蛍光染色された細胞を検出した。
実施例3の2)、3)と同様にして、各種標的分子に対する結合が確認されたTACI_d2変異体ペプチドについて、該ペプチドを発現した大腸菌を単離し2xYT培地にて37℃で一晩培養した。QIAGEN Plasmid Mini Kit(QIAGEN社製)を用い、回収した大腸菌から該ペプチドをコードする遺伝子が挿入されたpCANTAB 5Eベクターを調製した。該ベクターについて、pCANTAB-S1 primer(5’-CAACGTAAAAAATTATTATTCGC-3’:配列表の配列番号20)を用いて塩基配列を決定した。
(1)上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)
ヒトEGFRの細胞外ドメインに結合するTACI_d2変異体を選抜し、得られたペプチドのアミノ酸配列解析を行った。
(2)血管内皮成長因子(VEGF)
VEGFとして、ヒトアイソフォームVEGF165(CAS Registry FileのRegistry Number 1217406-67-1:前記のhVEGF)を使用した。
(3)腫瘍壊死因子α(TNF-α)
TNF-αとして、ヒトTNF(CAS Registry FileのRegistry Number 1228062-30-3:前記のhTNF-α)を使用した。
(4)上記(1)乃至(3)において得られた、標的分子に結合するいずれのTACI_d2変異体においても、TACI_d2構造内部にある78番目、すなわち配列表の配列番号1のうち11番目のPheが、他のアミノ酸へ置換されていた。
実施例2において得られたhVEGF結合性TACI_d2変異体(図4の9番:配列表の配列番号9番)の遺伝子をPCR法により増幅し、大腸菌発現用ベクターpET-32a(Novagen社)へ挿入した。このベクターを用いて大腸菌OrigamiTMB株(MERCK社)を形質転換し、OD600nm=0.7となるまで37℃で振とう培養した。終濃度1mMとなるようIPTGを添加して該変異体の発現を誘導した後、16℃で12時間以上振とう培養した。培養した大腸菌を超音波破砕し、遠心して得られた上清をHisTALONTMcolomn(clontech社)にかけて精製した。発現させた該変異体にはThioredoxin-tagおよびHis-tagが付加されていたが、これらはThrombin cleavage capture kitを用いて切断し、再度HisTALONTMcolomnにかけることで除去した。精製した該変異体をサイズ排除クロマトグラフィー(Superdex75 HR 10/30 colomun,GE Healthcare社)にかけ、該変異体(単量体)の分子量に相当するピークを回収して、アフィニティー解析に供した。該変異体のアフィニティーはBiacore 3000(GE Healthcare)を用いた表面プラズモン共鳴法により決定した。センサーチップ上に固定化したhVEGFに種々の濃度の該変異体を流し、得られたセンサーグラムから該変異体のhVEGFに対する解離定数を決定した。その結果、該変異体のhVEGFに対する解離定数は14μMであった。
配列番号3 - ヒトEphA2結合性ペプチド α-EphA2 #2 のアミノ酸配列
配列番号4 - ヒトEphA2結合性ペプチド α-EphA2 #3 のアミノ酸配列
配列番号5 - ヒトEGFR結合性ペプチド(1)のアミノ酸配列
配列番号6 - ヒトEGFR結合性ペプチド(2)のアミノ酸配列
配列番号7 - ヒトEGFR結合性ペプチド(3)のアミノ酸配列
配列番号8 - ヒトVEGF結合性ペプチド(1)のアミノ酸配列
配列番号9 - ヒトVEGF結合性ペプチド(2)のアミノ酸配列
配列番号10 - ヒトVEGF結合性ペプチド(3)のアミノ酸配列
配列番号11 - ヒトVEGF結合性ペプチド(4)のアミノ酸配列
配列番号12 - ヒトVEGF結合性ペプチド(5)のアミノ酸配列
配列番号13 - ヒトVEGF結合性ペプチド(6)のアミノ酸配列
配列番号14 - ヒトTNFα結合性ペプチド(1)のアミノ酸配列
配列番号15 - ヒトTNFα結合性ペプチド(2)のアミノ酸配列
配列番号16 - ヒトTNFα結合性ペプチド(3)のアミノ酸配列
配列番号17 - ランダム変異TACI_d2オリゴヌクレオチドの塩基配列
配列番号18 - PCRプライマー Primer Forward 1 の塩基配列
配列番号19 - PCRプライマー Primer Reverse 1 の塩基配列
配列番号20 - 塩基配列決定用プライマー pCANTAB-S1 primer の塩基配列
Claims (35)
- 下記(i)または(ii)から選択されるペプチド:
(i)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するペプチド;および、
(ii)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列において、アミノ末端から数えて1番目乃至11番目のXaa以外の、1個以上28個以下のアミノ酸が保存的アミノ酸置換、欠失、付加又は挿入してなるアミノ酸配列を有するペプチド。 - アミノ末端から数えて1番目乃至11番目のXaaが、それぞれ、システインを除く任意のアミノ酸である、請求項1記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて1番目乃至11番目のXaaが、それぞれ、プロリンを除く任意のアミノ酸である、請求項1または2記載のペプチド。
- 保存的アミノ酸置換が、疎水性アミノ酸グループ、中性親水性アミノ酸グループ、酸性アミノ酸グループ、塩基性アミノ酸グループ、主鎖の方角に影響を与えるアミノ酸のグループ、および、芳香族アミノ酸グループから選択されるいずれかのグループ内において行われることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて1番目のXaaが、グルタミン、メチオニン、ヒスチジン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン、トリプトファン、イソロイシン、アスパラギン酸およびスレオニンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至4のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて2番目のXaaが、トリプトファン、ロイシン、グリシン、イソロイシン、メチオニン、アスパラギン酸、アスパラギンおよびスレオニンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至5のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて3番目のXaaが、アルギニン、ロイシン、アラニン、ヒスチジン、スレオニン、バリン、グルタミン、グルタミン酸およびセリンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至6のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて4番目のXaaが、グルタミン酸、アルギニン、リジン、イソロイシン、グルタミン、トリプトファン、チロシン、グリシンおよびフェニルアラニンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至7のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて5番目のXaaが、リジン、グルタミン酸、メチオニン、アラニン、グルタミン、グリシン、スレオニン、ヒスチジンおよびトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至8のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて6番目のXaaが、メチオニン、トリプトファン、チロシン、セリン、フェニルアラニン、グルタミンおよびアスパラギン酸からなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至9のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて7番目のXaaが、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、セリン、リジン、アルギニン、ヒスチジンおよびアスパラギンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至10のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて8番目のXaaが、リジン、グルタミン酸、アラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、アルギニンおよびグリシンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至11のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて9番目のXaaが、アスパラギン、セリン、チロシン、グルタミン酸、アラニン、グリシン、リジンおよびヒスチジンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至12のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて10番目のXaaが、アスパラギン酸、ヒスチジン、トリプトファン、フェニルアラニン、アスパラギン、バリンおよびロイシンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至13のいずれか一つに記載のペプチド。
- アミノ末端から数えて11番目のXaaが、イソロイシン、チロシン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ロイシン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニンおよびバリンからなる群から選択されるアミノ酸である、請求項1乃至14のいずれか一つに記載のペプチド。
- 配列表の配列番号1乃至16のいずれか一つで示されるアミノ酸配列を有する、請求項1乃至15のいずれか一つに記載のペプチド。
- 請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチドに化学的修飾または生物学的修飾が施されてなる該ペプチドの誘導体。
- 下記(i)乃至(iii)のいずれか一つに記載のヌクレオチド:
(i)請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチドの有するアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるヌクレオチドを含んでなるヌクレオチド;
(ii)請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチドの有するアミノ酸配列をコードする塩基配列を含んでなるヌクレオチド;および、
(iii)請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチドの有するアミノ酸配列をコードする塩基配列からなるヌクレオチド。 - 請求項18記載のヌクレオチドを含んでなるベクター。
- 請求項18記載のヌクレオチドまたは請求項19記載のベクターが導入された細胞。
- 下記工程(i)および(ii)を含んでなる請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチドの製造方法:
(i)請求項20記載の細胞を培養する工程;および、
(ii)工程(i)で得られた培養物から該ペプチドを回収する工程。 - 請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチドおよび/または請求項17記載のペプチドの誘導体を含んでなるペプチド・ライブラリー。
- ペプチドおよび/またはペプチドの誘導体が、請求項21記載の工程(i)および(ii)を含んでなる方法により調製されたものであることを特徴とする、請求項22記載のライブラリー。
- ライブラリーにおいて、表現型(phenotype)である該ペプチド又はペプチド誘導体および該表現型に対応する遺伝型(genotype)であるヌクレオチドが直接的または間接的にリンクしていることを特徴とする、請求項22または23記載のライブラリー。
- ヌクレオチドが請求項18に記載のヌクレオチドである、請求項22乃至24のいずれか一つに記載のライブラリー。
- ファージ・ディスプレイ・ライブラリー、リボゾーム・ディスプレイ・ライブラリー若しくは核酸ディスプレイ・ライブラリーである、請求項22乃至25のいずれか一つに記載のライブラリー。
- 下記(i)および(ii)の工程を含んでなる、標的分子に結合する、請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチドまたは請求項17記載のペプチド誘導体の同定方法:
(i)請求項22乃至26のいずれか一つに記載のライブラリーに含まれるペプチドまたはペプチド誘導体と該標的分子とを接触させる工程;および、
(ii)該標的分子に結合するペプチドまたはペプチド誘導体を回収する工程。 - 下記(i)乃至(iii)の工程を含んでなる、標的分子に結合する、請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチドまたは請求項17記載のペプチド誘導体の製造方法:
(i)請求項22乃至26のいずれか一つに記載のライブラリーに含まれるペプチドまたはペプチド誘導体と該標的分子とを接触させる工程;および、
(ii)該標的分子に結合するペプチドまたはペプチド誘導体を回収する工程;および、
(iii)前記(ii)において回収された該ペプチドまたはペプチド誘導体に含まれるペプチドを化学合成、遺伝子組換えまたはイン・ビトロ翻訳により調製する工程。 - 下記(i)および(ii)の工程を含んでなる、請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチドまたは請求項17記載のペプチドの誘導体が標的分子に結合するか否かを判定する方法:
(i)請求項1乃至16のいずれか一つに記載の被検ペプチドまたは請求項17記載の被検ペプチド誘導体と該標的分子とを接触させる工程;および、
(ii)被検ペプチドまたは被検ペプチド誘導体が該標的分子に結合する場合、該ペプチドまたは被検ペプチド誘導体は陽性であると決定する工程。 - 下記(i)乃至(iii)の工程を含んでなる、標的分子に結合する、請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチドまたは請求項17記載のペプチドの誘導体の製造方法:
(i)請求項1乃至16のいずれか一つに記載の被検ペプチドまたは請求項17記載の被検ペプチド誘導体と該標的分子とを接触させる工程;
(ii)被検ペプチドまたは被検ペプチド誘導体が該標的分子に結合する場合、該ペプチドまたは被検ペプチド誘導体は陽性であると決定する工程;および、
(iii)前記(ii)において被検ペプチドまたはペプチド誘導体が陽性と判定された場合、該ペプチドまたはペプチド誘導体に含まれるペプチドを化学合成、遺伝子組換えまたはイン・ビトロ翻訳により調製する工程。 - 請求項18に記載のヌクレオチドを含んでなるヌクレオチド・ライブラリー。
- ヌクレオチドがファージミド、コスミドもしくはプラスミドまたはその断片である、請求項31記載のライブラリー。
- ヌクレオチドが原核もしくは真核細胞内、または、ウイルスDNAまたはRNA上もしくはウイルス粒子中に存在する、請求項31または32記載のヌクレオチド・ライブラリー。
- 請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチド、請求項17記載のペプチドの誘導体、請求項18記載のヌクレオチド、請求項19記載のベクターまたは請求項20記載の細胞を含むことからなる組成物。
- 請求項1乃至16のいずれか一つに記載のペプチド、請求項17記載のペプチドの誘導体、請求項18記載のヌクレオチド、請求項19記載のベクターまたは請求項20記載の細胞を含むことからなる試薬。
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