JP2019163270A - 親和性タンパク質及びその使用 - Google Patents

親和性タンパク質及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2019163270A
JP2019163270A JP2019081910A JP2019081910A JP2019163270A JP 2019163270 A JP2019163270 A JP 2019163270A JP 2019081910 A JP2019081910 A JP 2019081910A JP 2019081910 A JP2019081910 A JP 2019081910A JP 2019163270 A JP2019163270 A JP 2019163270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
amino acid
seq
affinity
acid sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019081910A
Other languages
English (en)
Inventor
スーダーマン,リチャード,ジェイ.
J Suderman Richard
チャオ,デヴィッド,エム.
M Chao David
ライス,ダレン
Rice Daren
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nectagen Inc
Original Assignee
Nectagen Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nectagen Inc filed Critical Nectagen Inc
Publication of JP2019163270A publication Critical patent/JP2019163270A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/42Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against immunoglobulins
    • C07K16/4283Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against immunoglobulins against an allotypic or isotypic determinant on Ig
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/12Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria
    • C07K16/1203Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-negative bacteria
    • C07K16/1228Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-negative bacteria from Enterobacteriaceae (F), e.g. Citrobacter, Serratia, Proteus, Providencia, Morganella, Yersinia
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/12Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria
    • C07K16/1203Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-negative bacteria
    • C07K16/1228Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-negative bacteria from Enterobacteriaceae (F), e.g. Citrobacter, Serratia, Proteus, Providencia, Morganella, Yersinia
    • C07K16/1232Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from bacteria from Gram-negative bacteria from Enterobacteriaceae (F), e.g. Citrobacter, Serratia, Proteus, Providencia, Morganella, Yersinia from Escherichia (G)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/40Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against enzymes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • C12N15/1044Preparation or screening of libraries displayed on scaffold proteins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2318/00Antibody mimetics or scaffolds
    • C07K2318/20Antigen-binding scaffold molecules wherein the scaffold is not an immunoglobulin variable region or antibody mimetics

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【課題】炭水化物結合モジュール(CBM)ファミリー32タンパク質に由来する抗体代替物、親和性スキャフォールド(非免疫グロブリンポリペプチドフレームワーク)の提供。【解決手段】親和性スキャフォールドは以下の式:(a)CR1-V-CR2-W-CR3-Z-CR4、又は(b)CR1-V-CR2-W-CR5-X-CR6-Y-CR7-Z-CR4を有し、前記V、W、X、Y、及びZは、各々、独立して、存在しない又は特定のアミノ酸を、前記定常領域CR1-CR7は、特定のアミノ酸配列を有し、かつ標的分子に特異的に結合する、親和性スキャフォールド。【選択図】なし

Description

本発明は、タンパク質結合薬剤の分野に関し、特にCBM32タンパク質に基づく抗体代替物に関する。
適応免疫系は、外来生物及び巨大分子の認識及び中和のための高度に進化した、柔軟な系である。適応免疫は、非常にランダムなリンカーセグメントを有する様々なビルディングブロックのコンビナトリアルアセンブリによって多様化されている広範囲の異なる類似の構造を含む。高等脊椎動物の適応免疫系の2つの主要な認識複合体である抗体及びT細胞抗原受容体は、同様に組み立てられ、それらの起源を同じくする細胞型である、B細胞及びT細胞を介して機能し、病原体に対する協調的な耐性をもたらす。
抗体は、例えば、診断、治療、及び研究ツールの分野において利用されている。しかしながら、それらの複雑さのために、抗体が、様々な用途のために作製されることは困難である可能性がある。したがって、抗体様の特性を有する代替タンパク質を開発する必要性が当該技術分野において存在する。
炭水化物結合モジュール(CBM)は、炭水化物-活性酵素に見出され、完全酵素(complete enzyme)の炭水化物基質への付着を仲介するのを助ける。具体的には、CBMファミリー32は、ガラクトースベースのリガンドに対して高い親和性を有するより構造的に多様なCBMファミリーの1つである。ヒアルロン酸グルコアミダーゼであるNagHは、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)によって分泌され、CBM32ファミリーのメンバーに共通のベータサンドイッチスキャフォールドを含む4つのCBM32モジュールを含む。4つのモジュールのうちの2番目のモジュールは、N-アセチルグルコサミンに固有の特異性を有する。
一態様において、本発明は、親和性スキャフォールドを特徴とし、親和性スキャフォールドは、以下の式:
CR1-V-CR2-W-CR3-Z-CR4
を有し、式中、
V、W、及びZは、各々、独立して、存在しない又は1つ以上のアミノ酸を含み、
定常領域CR1-CR4は、それぞれ配列番号2、4、6、及び8に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、並びに
親和性スキャフォールドは、配列番号1のアミノ酸配列のポリペプチドを含まない。
別の態様において、本発明は、親和性スキャフォールドを特徴とし、親和性スキャフォールドは、以下の式:
CR1-V-CR2-W-CR5-X-CR6-Y-CR7-Z-CR4
を有し、式中、
V、W、X、Y、及びZは、各々、独立して、存在しない又は1つ以上のアミノ酸を含み、
定常領域CR1、CR2、CR5、CR6、CR7、及びCR4は、それぞれ配列番号2、4、9、11、13、及び8に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、並びに
親和性スキャフォールドは、配列番号1のアミノ酸配列のポリペプチドを含まない。
請求項1に記載の親和性スキャフォールドであって、V、W、及びZが、それぞれ配列番号14-16を有するアミノ酸である場合、親和性スキャフォールドは、マルトース結合タンパク質(MBP)分子に特異的に結合する。
先行する態様のいずれかにおいて、CR1-CR7は、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13に対して少なくとも80%(例えば、90%、95%、99%、又は100%)の同一性を有するアミノ酸配列を有する。例えば、定常領域CR1-CR7は、少なくとも1つのアミノ酸残基置換変異(例えば、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、又は10個以上の置換変異)を含み、ここで、置換変異は、S815R、G834F、E849D、K860P、F882Y、L888K、E891K、K922R、M929K、M929L、M929R、及び/又はV944Rからなる群から選択される。特定の好ましい実施形態において、CRは置換変異M929Lを含む。
タンパク質は、請求項1-10のいずれか一項に記載の親和性スキャフォールドを含み、タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一であるアミノ酸配列を含む。
別の態様において、本発明は、前述の親和性スキャフォールドのいずれかを含むタンパク質(例えば、標的分子に特異的に結合するタンパク質)を特徴とする。特定の実施形態において、タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも90%(例えば、95%又は99%)の同一性を有するアミノ酸配列を有することができる。タンパク質は、例えば、単量体又は多量体であり得る。
また、前述の態様のいずれかにおいて、V、W、X、Y及びZは、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して100%未満の配列同一性(例えば、70%、40%、20%未満の同一性)を有するアミノ酸を含んでもよい。V、W、X、Y、及びZは、4つ以上(例えば、5つ)のアミノ酸を含み得る。V、W、X、Y、及びZは、独立して又は組み合わせて、タンパク質の標的分子への特異的結合に寄与し得る。
前述のタンパク質のいずれかは、CR1のN末端及び/又はCR4のC末端に融合されたポリペプチド(例えば、酵素、多量体化を促進するポリペプチド、又は酵素の基質)を含み得る。タンパク質は、例えば、タグ(例えば、システイン(Cys)、ポリ-ヒスチジン(ポリ-His)、及びエピトープタグから選択される)に融合することができる。さらに又は代わりに、タンパク質は、例えば、1つ以上の官能基(例えば、システイン、ビオチン、蛍光色素、酵素、放射性官能基、ランタニド、ストレプトアビジン誘導体、多量体化を促進するペプチド(例えば、古細菌の右巻きコイルドコイル(RHCC)ペプチド)、ヒト軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質由来のCOMPcc、ヒト血漿C4結合タンパク質由来のC4bpアルファ、及び古細菌のRNA結合タンパク質Sm1のヘプタマー化ドメイン)にコンジュゲートすることができる。タンパク質はまた、例えば、ペグ化され、ポリオール反応性であり、又は固体支持体に固定化されてもよい。さらに、タンパク質は、V、W、X、Y、及び/又はZの1つ以上にCR1-7の1つ以上を結合させるペプチドリンカーをさらに含むことができる。
別の態様において、本発明は、例えば、発現をもたらす状況において、前述の親和性スキャフォールド又はタンパク質のいずれかをコードする単離されたcDNA配列を特徴とする。
別の態様において、前述のタンパク質の1つを同定する方法を特徴とし、該方法は、
ポリペプチドディスプレイライブラリーから請求項12-44のいずれか一項に記載のタンパク質を生成させるステップであって、ここで、ライブラリーは、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7に対応する、V、W、X、Y、及び/又はZをコードする単離されたcDNA配列の領域のランダム化から生成されるステップ、
標的分子をタンパク質と接触させるステップ、並びに
タンパク質の標的分子への特異的結合をアッセイするステップ
を含む。
「親和性スキャフォールド」とは、例えば、CBM32のアミノ酸配列(配列番号1)に由来する非免疫グロブリンポリペプチドフレームワークを意味する。用語「親和性スキャフォールド」は、親和性スキャフォールドに特異的な結合特性を付与することが見出される可変ループ領域(VLR)を有するポリペプチド、特異的な結合特性が同定されていない又は存在しないVLRを含むポリペプチド、VLRを欠損しているポリペプチドを含む。
用語「定常領域(CR)」は、スキャフォールドのためのフレームワーク構造を提供するアミノ酸残基を含む親和性スキャフォールドのポリペプチド領域である。CRは、例えば、スキャフォールドに固定され得て、スキャフォールドの全体的な安定性に寄与するためにこれらの領域のポリペプチド配列を制限する。
「可変ループ領域(VLR)」とは、CR間に点在する親和性スキャフォールドに場合により存在し得る領域を意味する。VLRは、例えば、個々に又は組み合わせて、親和性スキャフォールドを含むタンパク質と特定の標的分子の間に結合特異性を付与することができる。VLRの各々は、独立して、CBM32タンパク質の対応する配列(例えば、配列番号1のタンパク質)のアミノ酸置換、CBM32タンパク質の対応する配列のアミノ酸の欠失、及び/又は1つ以上のアミノ酸の挿入を含むことができる。したがって、VLRは、長さが変化し、CBM32タンパク質の対応する領域と比較して、低いパーセントのアミノ酸配列同一性を共有することができる。
参照ポリペプチド配列に対する用語「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、必要に応じて、最大配列同一性パーセントを達成させるために、配列を整列させ、ギャップを導入後、配列同一性の一部として任意の保存的置換を考慮しないで、参照ポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である、候補配列中のアミノ酸残基の割合として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定することを目的としたアライメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公衆に利用可能なコンピュータソフトウェアを用いて、当業者の範囲内にある様々な方法において達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大の整列を達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、配列を整列させるための適切なパラメータを決定することができる。例えば、配列Aの参照ポリペプチドについて、配列Bの誘導体ポリペプチドと比較した場合、アミノ酸配列同一性パーセントは、以下:
フラクションX/Yの100倍、
のように計算され、ここで、Xは、AとBの間の同一の一致としてスコア化されたアミノ酸配列残基の数であり、Yは、Bのポリペプチド配列におけるアミノ酸残基の総数である。
用語「アミノ酸」とは、天然又は合成であり得るポリペプチド配列における残基を意味する。天然に存在するアミノ酸は、遺伝子コードによってコードされたもの、並びに後に修飾されるもの、例えば、ビオチン化システインである。合成アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸と化学構造において類似しているものであり、又は天然に存在するアミノ酸とは異なる化学構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様に機能するものである。アミノ酸は、本明細書において、それらの一文字又は三文字の略語で示すことができる。特定のアミノ酸についての一文字の略語、それに対応するアミノ酸、及び3文字の略語は以下の通りである:A、アラニン(Ala);C、システイン(Cys);D、アスパラギン酸(Asp);E、グルタミン酸(Glu);F、フェニルアラニン(Phe);G、グリシン(Gly);H、ヒスチジン(His);I、イソロイシン(Ile);K、リジン(Lys);L、ロイシン(Leu);M、メチオニン(Met);N、アスパラギン(Asn);P、プロリン(Pro);Q、グルタミン(Gln);R、アルギニン(Arg);S、セリン(Ser);T、スレオニン(Thr);V、バリン(Val);W、トリプトファン(Trp);及びY、チロシン(Tyr)。
「ポリペプチド」は、任意の長さのアミノ酸のポリマーを意味する。本明細書で使用するとき、ポリペプチド配列は、参照のポリペプチドを形成するために、ペプチド結合又は非ペプチド結合によってコンジュゲートされたアミノ酸を指す。
「参照ポリペプチド」とは、導入されたアミノ酸修飾を除いて、配列が同一であるタンパク質を意味する。
用語「ランダム化された」とは、鋳型配列に対する1つ以上のアミノ酸修飾を意味する。ランダム化は、一般的に、核酸コード配列の、指向された又は自発的な配列変化によって達成され得る。ランダム化は、アミノ酸の置換、欠失、又は挿入を含み得る。
用語「特異的に結合する」又は「特異的な結合」とは、ポリペプチド又はタンパク質に言及するとき、しばしば、標的分子が分子の集団にある場合に標的分子の存在を決定する結合反応を意味する。これは、本明細書において言及する、イムノアッセイによって検出することができ、そこでは、特定のスキャフォールドがバックグラウンドより少なくとも2倍超で選択的に特定の標的分子に結合し、100μM未満の解離定数をもたらす。標的分子への特異的結合は、標的分子の接触アミノ酸とVLR及び場合によってはスキャフォールドタンパク質のCRの間の特異性について選択を必要とする。例えば、マルトース結合タンパク質(MBP)に特異的に結合するスキャフォールドは、以下の実施例1に記載されるように選択することができ、この場合、ELISAからなるイムノアッセイは、候補スキャフォールドタンパク質及びMBPを用いて実施されて、標的分子とスキャフォールドの間の結合親和性を計算し、高親和性のカットオフは500nM未満の解離定数である。
用語「置換変異」とは、配列番号1の参照ポリペプチドについて与えられた配列中のアミノ酸のいずれか1つの修飾を意味し、コードの変更により、得られるタンパク質の変化、例えば、折り畳み、熱安定性、及び/又は標的相互作用をもたらす。
用語「ポリオール反応性」とは、低分子量のポリヒドロキシル化された化合物を含む溶出緩衝液と接触させたときのタンパク質の結合特性を意味する。特に、「ポリオール反応性」のタンパク質は、通常、硫酸アンモニウムの存在下で、低分子量のポリヒドロキシル化された化合物を含む溶出緩衝液の存在下で低下した結合特性を示す。
用語「タグ」とは、CBM32誘導体の単離、多量体化、精製、又は検出を可能にする、CBM32誘導体タンパク質へのアミノ酸配列、検出可能な標識、又は他の分子の付加を意味する。
「宿主細胞」は、対象ベクターに対するレシピエントであり得る又はレシピエントであった個々の細胞又は細胞培養物を含む。宿主細胞は、単一の、例えば、親の、宿主細胞の子孫を含む。子孫は、天然の、偶然の、又は故意の突然変異のために元の親細胞と(全DNA相補体のゲノム又は形態において)必ずしも完全に同一でなくてもよい。本明細書に記載される宿主細胞の例は、大腸菌(E.coli)である。
CBMタンパク質の構造の画像であり、CRは白色、VLRは斜線であり、置換されたMetは星が付されている。 ライブラリー2のCBM親和性スキャフォールドのCR及びVLRをコードするファージミドpComb3Xの領域を表す概略図である。 ライブラリー2のCBM親和性スキャフォールドのVLRを構築するために使用されるプライマー名及び配列を含む表である。 ライブラリー2の精製されたCBMスキャフォールドタンパク質を含み、電気泳動によって分離された分子量15.6kDaを有する、ポリアクリルアミドゲルのセグメントを示す画像である。 マルトース結合タンパク質(MBP)を標的とするライブラリー2由来の特異的VLRを含むCBM親和性スキャフォールドタンパク質を使用するカラム精製の結果を示す2つのポリアクリルアミドゲルの画像である。図5Aは、7つのレーンを示し、レーン1は分子量マーカーであり、レーン2は大腸菌由来の全タンパク質溶菌物であり、レーン3はMBP(0.018mg/ml)でスパイクされた大腸菌由来の全タンパク質溶菌物であり、レーン4〜7はEDTAを用いた連続カラム洗浄である。図5Bは、7つのレーンを示し、レーン8はMBP(0.018mg/ml)でスパイクされた大腸菌由来の全タンパク質溶菌物であり、レーン9は分子量マーカーであり、レーン10〜14はポリオール溶出緩衝液を用いた連続カラム溶出である。 GFPを標的とするライブラリー2由来の10個の特異的CBM改変体の1つを用いて精製した後に得られた精製された緑色蛍光タンパク質(GFP)を示すポリアクリルアミドゲルの画像であり、レーン1は分子量マーカーであり、レーン2〜11は、各々、選択された10個のCBMのうちの1つから得られた精製されたGFPを含み、レーン12はGFP(60ng/μl)でスパイクされた大腸菌由来の全タンパク質溶菌物である。 タンパク質スキャフォールドCBM(PDB 2W1Q)、残基807-946、及び種々の突然変異体のサーマルシフトアッセイ(TSA)分析をまとめた表である。 MBPを標的とするライブラリー1由来のCBMスキャフォールドタンパク質間の特異的結合の結果を示すタンパク質膜及びポリアクリルアミドゲルの画像であり、パネルAにおいてイムノブロットによるMBPの得られた検出を示し、パネルBにおいて全タンパク質染色を示す。パネルA及びBにおいて、レーンMは分子量マーカーを含み、レーン1、3、5、7、9、及び11は7μgの大腸菌全細胞タンパク質溶菌物を含み、レーン2、4、6、8、10、及び12は、100ngの組換えマルトース結合タンパク質を含む。パネルAは、全電気泳動されたタンパク質が移され、MBP特異的6His-CBMで染色され、続いて抗6His-HRP(レーン1〜8)、又は陽性対照としての抗MBP-HRP(レーン9及び10)で染色されたPVDF膜を示す。タンパク質をプローブするために使用されるCBMの最初の濃度は、画像の底部に沿って、0-7μg/mlの範囲で提供される。パネルBは、パネルAのPVDF膜上にブロットする前に、全タンパク質溶菌物及び組換えMBPが分離されたポリアクリルアミドゲルを示す。 アガロースビーズにコンジュゲートされたCBMベースの結合剤を用いて、大腸菌BL21DE3全細胞溶菌物由来の抗原の親和性精製のSDS-PAGE分析を示す画像である。大腸菌をBPER(Thermo)で溶菌し、遠心分離により清澄化し、20mM MOPS、150mM NaCl、pH6.5で希釈した。溶菌物に組換え抗原をスパイクし(溶菌物が過剰発現した抗原を含まない場合)、指示された結合剤にコンジュゲートされた架橋アガロースビーズとともにインキュベートした。ビーズを洗浄し、ポリオール溶出緩衝液で溶出した。各々の実験についての親和性精製の詳細は、実施例4に詳述され、以下の表3に示される。レーンMはマーカーである。L1-L20は、表3に詳述される大腸菌溶菌物を示す。特異的な親和性レジンからの溶離液をレーンの上に示す。例えば、P860LC溶出物は、溶菌液L1とともにインキュベートされたP860LC親和性レジンからの溶離物を示す。A及びB:GFP結合剤、C及びD:MBP結合剤、E:mIgG結合剤、F:rIgG結合剤、G及びH:β-D-ガラクトシダーゼ結合剤、I及びJ:NusA結合剤、K:SUMO結合剤、L及びM:チオレドキシン結合剤、N及びO:ニュートラアビジン結合剤、P:ストレプトアビジン結合剤、Q:3X-V5エピトープ結合剤、R:mCherry結合剤、S:3X-cmyc結合剤、T:Flagエピトープ結合剤。 図9A−Hの続きである。 図9I−Pの続きである。 固定されたmIgGに対するP928のELISA分析を示す画像である。ニュートラアビジン被覆されたマイクロタイタープレートをビオチン化されたmIgG又はPBSで被覆し、2%M-PBS-Tでブロックした。一次抗体溶液は、6-Hisタグ及びアンバー終止コドンを有する結合剤のgP3融合構築物を含むファージミドを有する大腸菌の培養物からの培地の形態で適用された。一次抗体を二次抗His-HRPでプローブし、TMBで染色した。 固定化されたSumoに対するP971及びP973のELISA分析を示す画像である。ニュートラアビジン被覆されたマイクロタイタープレートをビオチン化されたSumo又はPBS(ブランク)で被覆し、2%M-PBS-Tでブロックした。一次抗体溶液は、6-Hisタグ及びアンバー終止コドンを有する結合剤のgP3融合構築物を含むファージミドを有する大腸菌の培養物からの培地の形態で適用された。一次抗体を二次抗His-HRPでプローブし、TMBで染色した。ウェルA6及びC2は、それぞれクローンP971及びP973を表す。示された他の全てのウェルで試験されたクローンは陰性であった(非Sumo結合剤)。 固定化されたV5ペプチドに対するP999のELISA分析を示す画像である。マレイミド活性化されたマイクロタイタープレートは、単一のC末端Cysを含有するV5ペプチド又はPBS(ブランク)で被覆され、2%M-PBS-Tでブロックされた。一次抗体溶液は、6-Hisタグ及びアンバー終止コドンを有する結合剤のgP3融合構築物を含むファージミドを含む大腸菌の培養物からの培地の形態で適用された。一次抗体を二次抗His-HRPでプローブし、TMBで染色した。 pComb3XにおけるCBMファージライブラリー(例えば、ライブラリー2及び3)及びpET15bにおける発現構築物を構築するために使用されるプライマーを示す表である。NNNは、Cys、Met、及び終止コドンを除く18個のホスホラミダイト三量体の混合物である。
本発明は、新規なCBM32由来の親和性スキャフォールドを特徴とする。特定の実施形態においては、スキャフォールドは、例えば図1の構造に示されるように、定常領域(CR)及び可変ループ領域(VLR)の2種類の領域を含む。天然に存在するCBM32ファミリーは、高い特異性を有する多様な範囲の標的に関与するため、本発明者らは、それが親和性スキャフォールド構造のための理想的な候補であることを見出した。本発明者らは、CRが全体的な立体構造の安定性を可能にする構造的特徴を提供し、一方、VLRに対応する介在配列がアミノ酸配列のランダム化を許容することを発見した。したがって、VLRは、以前に標的分子にチャレンジしているものの結合を可能にする、所望の標的分子に対する特異的な結合特性を有する親和性スキャフォールドタンパク質を提供するために修飾され得る。親和性スキャフォールドタンパク質は小さく、典型的にはシステインが欠損し、容易に酸化される硫黄含有アミノ酸を除去するために修飾することができる、これらの特性により、親和性スキャフォールドタンパク質は、同様の用途のために、伝統的に使用される抗体よりも有利になる。さらに、特定の実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、潜在的な標的-標的相互作用及び標的活性を破壊させることなしに、標的分子(複数可)の穏やかな溶出を可能にする、親和性スキャフォールドタンパク質の標的分子へのポリオール-反応性結合を示す。
CBM32タンパク質は、約15.6kDaの分子量(MW)を有し、これは免疫グロブリンよりも約10倍小さく、抗体よりも有利にさせる。野生型タンパク質はシステインを欠損し、本発明者らは、これが容易に酸化される硫黄含有アミノ酸を含有しないという付加的な利点を提供することを見出した。CBM32は、β様鎖;ループ;β様鎖;ループ;β様鎖;ループ;β様鎖;ループ;β様鎖;ループ;及びβ様鎖からなる。特定の実施形態において、β様鎖の全体的な構造は、CR突然変異の存在にかかわらず維持される。ループ領域は、配列の置換を可能にする配列の可変性を許容する。さらに、ループ領域の長さは、標的の多様性にさらなる結合特性を付与するアミノ酸残基の挿入又は欠失を可能にするために修飾することができる。免疫グロブリンの相補性決定領域(CDR)と同様に、これらのループ領域は、標的結合特異性を付与する。
親和性スキャフォールドのCRは、熱安定性を含む、スキャフォールドのための構造的フレームワークを提供する。本発明は、所望のVLRの数に応じて、4個程度又は6個程度のCRを提供する。CR間には、アミノ酸配列及び長さの多様化に対して高い許容性を有するループ領域、VLRが散在している。本発明は、これらの領域内のアミノ酸残基の結合特性に応じて、単独で又は組み合わせて、標的分子に所望の特異性を提供することができる、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのVLRを含む親和性スキャフォールドを含む。特定の標的分子に対する適切なVLRは、目的の標的分子に対するVLRの様々な組合せを有するライブラリーをスクリーニングすることによって同定することができる。特定の実施形態において、このようなスクリーニングによって同定される候補親和性スキャフォールドは、第2ラウンド(又は第3ラウンド以上)の可変化(variabilization)及びスクリーニングによってさらに最適化することができる。
親和性スキャフォールドは、特定の親和性スキャフォールドについて選択されたVLRに依存して、CRの数及び長さが変化し得る。いくつかの場合において、親和性スキャフォールドは、CR1-7から選択されるCR及びV-Zから選択されるVLRを含む。本明細書で参照されるように、親和性スキャフォールドが由来する全長の野生型CBMタンパク質は、以下に列挙されるアミノ酸配列を含み、以下、配列番号1:
NPSLIRSESWQVYEGNEANLLDGDDNTGVWYKTLNGDTSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNMENINKWLTFSEFAIVSD
と称する。
一実施形態において、親和性スキャフォールドは、式
CR1-V-CR2-W-CR3-Z-CR4
で表される、4つのCR(CR1-CR4)並びに3つのVLR(V、W、及びZ)を含み、この場合、CR1-CR4は、それぞれ配列番号2、4、6、及び8の配列に対応し、V、W、及びZは、それぞれ配列番号3、5、及び7に対応し、以下に記述される。
配列番号2:NPSLIRSESW
配列番号3:QVYE
配列番号4:GNEANLLDGDDNTGVWY
配列番号5:KTLNGDT
配列番号6:SLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNES
WTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNME
配列番号7:NINKW
配列番号8:LTFSEFAIVSD
第2の実施形態において、親和性スキャフォールドは、式:
CR1-V-CR2-W-CR5-X-CR6-Y-CR7-Z-CR4
で表される6つのCR(CR1、CR2、及びCR4-CR7)並びに5つのVLR(V、W、X、Y及びZ)を含み、この場合、CR1、CR2、CR5、CR6、CR7、及びCR4は、それぞれ配列番号2、4、9、11、13、及び8のアミノ酸配列に対応し、V、W、X、Y、及びZは、それぞれ以下に示す配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対応する。
配列番号2:NPSLIRSESW
配列番号3:QVYE
配列番号4:GNEANLLDGDDNTGVWY
配列番号5:KTLNGDT
配列番号7:NINKW
配列番号8:LTFSEFAIVSD
配列番号9:SLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKN
配列番号10:GGGSSDK
配列番号11:WNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDK
配列番号12:TGAPAG
配列番号13:KDVIEESFETPISAKYIRLTNME
いくかの場合において、CR1-7は、存在する場合、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13のアミノ酸配列に対して少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、又は99%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合において、CR1-7は、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13のアミノ酸配列に対して少なくとも90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合において、CR1-7は、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合において、CR1-7は、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。デフォルトとして、同一性のギャップは、配列同一性の計算において無視される;しかしながら、本発明は、配列同一性を計算する際にギャップがミスマッチとして処理される上記配列の実施形態を含む。
別の例において、CR2は、VLR Vにおいて置換及び/又はランダム化される配列番号1に対応する配列の選択に依存して、長さが変化し得る。Vが4つ程度に長いアミノ酸残基である場合、CR2は、17個程度に短いアミノ酸残基であり、アミノ酸配列「GNEANLLDGDDNTGVWY」を含み得る。Vが1つ程度に短いアミノ酸残基である場合、CR2は、21個程度に長いアミノ酸残基であり、アミノ酸配列「VYEGNEANLLDGDDNTGVWYK」を含み得る。特定の実施形態において、Vにおいて置換された配列番号1の領域は、1、2、3、又は4個のアミノ酸であり得る。
親和性スキャフォールドのVLRはまた、数、長さ、及び配列が変化し得る。一実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、V-Zから選択される1つ以上のVLR、例えば、1、2、3、4、又は5つ全てのVLR V-Zを含む。特定の実施形態において、本発明のタンパク質は、それぞれ配列番号3、5、及び7のアミノ酸配列を有するV、W、及びZから選択されるVLRを含む。別の実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列を有するV、W、X、Y、及びZから選択される5つものVLRを含む。
いくつかの場合において、VLR V-Zの1つ以上は、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して100%未満(例えば、95%、90%、85%、80%、75%、又は70%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合において、VLR V-Zの1つ以上は、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して、最大70%(例えば、65%、60%、55%、50%、45%、又は40%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合において、VLR V-Zの1つ以上は、それぞれ配列番号3、5、10、12、又は7のアミノ酸配列に対して最大40%(例えば、35%、30%、25%、又は20%)の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの場合において、VLR V-Zの1つ以上は、それぞれ配列番号3、5、10、12、又は7のアミノ酸配列と最大20%(例えば、15%、10%、5%、又は1%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
一例として、VLR Vは、配列及び長さが変化し得る。いくつかの実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、1つ程度に短いアミノ酸を含むVLR Vを含む。第2の実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、以下に示されるように、それぞれ配列番号14、15、及び16のアミノ酸配列を含むVLR V、W、及びZの結果として、マルトース結合タンパク質(MBP)に特異的に結合する。
配列番号14:QLNN
配列番号15:VANVGTQ
配列番号16:TSGWG
いくつかの場合において、親和性スキャフォールドタンパク質は、タンパク質の所望の標的分子への特異性を付与するアミノ酸配列を含むVLR V-Zのいずれかの1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つを含む。VLR V-Zの長さの境界は柔軟的であり、アミノ酸残基の長さの修飾が可能であり、この場合、いくつかの実施形態は5つ以上のアミノ酸のVLRを含む。
いくつかの実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、例えば、熱安定性及び/又は可溶性を増大又は保存することができる、CR中の1つ以上の置換変異を含む。配列番号1のアミノ酸配列によって参照されるように、親和性スキャフォールドタンパク質は、以下の群:S815R、G834F、E849D、K860P、F882Y、L888K、E891K、K922R、M929K、M929L、M929R、及び/又はV944Rから選択される1つ以上の置換変異(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の突然変異)を含み得る。特定の好ましい実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列によって参照されるように、置換変異M929Lを含み、ここで、置換変異M929Lは、容易に酸化される硫黄含有アミノ酸残基を除く。いくつかの実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列によって参照されるように、置換変異M929L、並びに以下の群:S815R、G834F、E849D、K860P、F882Y、L888K、E891K、K922R、及び/又はV944Rから選択される1つ以上の置換変異(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は9個の突然変異)を含む。
上記に列挙された突然変異に加えて又はこれに代えて、CRは、1つ以上の追加の突然変異(例えば、保存された突然変異)を有することができる。特定の実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、上記の突然変異の存在にもかかわらず、その安定性を保持する。この安定性は、突然変異していない親和性スキャフォールドタンパク質の特定の、標的分子、例えばMBPへの結合を付与することが知られているこれらの突然変異VLRを含むスキャフォールドに挿入し、続いてこれらのVLRが、突然変異した親和性スキャフォールドタンパク質の標的分子への結合を保持するかどうかを試験することによって決定することができる。例えば、配列番号14-16に示されるVLRは、MBP結合が保持されるかどうかを決定するために、突然変異させた親和性スキャフォールドタンパク質に含まれ得る。
いくつかの実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質はMBPに結合する。一実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、MBPへの結合を付与することができる、配列番号17-19の3つのタンパク質のいずれか1つによって参照されるように、4つのCR及び3つのVLRを含む。第2の実施形態において、親和性スキャフォールドタンパク質は、MBPへの結合を付与することができる、配列番号20-22の3つのタンパク質のいずれか1つによって参照されるように、6つのCR及び5つのVLRを含む。
いくつかの態様において、親和性スキャフォールドタンパク質はポリオール反応性を示す。この態様において、親和性スキャフォールドタンパク質は、標的分子(複数可)に単独で又は複合体として結合したタンパク質の穏やかな精製を可能にする固有の結合特性を有する。この特徴は、他の分子への標的分子(複数可)の結合特性を破壊することなしに、標的分子(複数可)を単離するという利点を提供する。この態様において、タンパク質は、低分子量のポリヒドロキシル化された化合物を含む溶出緩衝液の存在下で標的分子(複数可)に結合した場合、標的分子(複数可)に対する結合特性の低下を示す。その結果として、標的(複数可)に対するタンパク質の親和性が低下し、特異的に結合した標的(複数可)の溶出を可能にする。ポリオール感受性を決定する方法は、下記の実施例に記載されている。
エピトープ
特定の実施形態において、本発明のタンパク質は、特定のエピトープに結合する(例えば、特異的に結合する)ことができる。このようなエピトープには、治療標的、診断マーカー、又はタンパク質、炭水化物、核酸などを含む他の分子が含まれ得る。このようなエピトープの例には、以下に記載されるそれらのタンパク質が挙げられる:
ビオチンカルボキシルキャリアータンパク質(BCCP)
グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)
緑色蛍光タンパク質(GFP)
マルトース結合タンパク質(MBP)
Nus-タグ(NusAタンパク質)
チオレドキシン(Trx)
Fc-タグ(免疫グロブリンFcドメイン)
ウサギIgG
マウスIgG
ヤギIgG
ラットIgG
ウシIgG
イヌIgG
炭水化物結合モジュール(CBM)2W1Q
黄色蛍光タンパク質
mCherry
β-ガラクトシダーゼ
ジゴキシゲニン
ビオチン
小ユビキチン様修飾物質(SUMO)
CBM 4A41
他のエピトープは、タンパク質タグを含み、例えば、以下の表1に列挙されたものが挙げられる。
Figure 2019163270
多量体化ドメイン
特定の実施形態において、本発明のタンパク質は、多量体化を促進するポリペプチドを含む。このようなポリペプチドドメインは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWangら(Protein Engineering, Design and Selection (2013) 26 (6): 417-423), Kim et al., (Plos One, (2012) 7: 1-13)、及びWalperら(J Immunol Methods (2013) 388(1-2):68-77)に記載されている。このようなドメインの例としては、古細菌の右巻コイルコペプチド由来のRHCC、古細菌のRNA結合タンパク質Sm1のヘプタマー化ドメイン、ストレプトアビジン誘導体、ヒト軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質由来のCOMPcc、及びヒト血漿C4結合タンパク質α鎖由来のC4bpαが挙げられる。このようなドメインは、N末端若しくはC末端の融合物であってもよく、又は本発明のタンパク質に(例えば、VLRに対応する配列内に)挿入されてもよい。あるいは、このようなペプチドドメインは、例えば、N末端又はC末端システインを用いたチオエーテル結合を介して、本発明のタンパク質に共有結合させることができる。
ライブラリー及び設計された改変体の構築
本発明のタンパク質のライブラリー(例えば、本発明の親和性スキャフォールドを含むタンパク質)は、以下の実施例1、2、及び5に記載されるように構築することができる。さらに、本発明の親和性スキャフォールドを含むタンパク質のライブラリーは、当業者に公知の様々な方法で調製することができる。散在されたランダム置換、クラスター化置換、及び設計された(標的化された)変更は、特定の標的タンパク質に対する所与の多様化されたスキャフォールドの親和性を増加させるために用いられた戦略である。一般的に、このような多様化の目的は、タンパク質の全体的な安定性又は可溶性を損なうことなしに、親和性を増加させることである。最も広く採用されている戦略の1つは、表面のランダム化であり、非常に多様な表面の集合を生じさせるために、タンパク質の1つの特定の態様又は表面上の内因性配列の置換である。表面のランダム化の2つの共通のサブタイプは、ループ及びポケット多様化であり、それぞれ自然な凸状又は凹状のタンパク質に使用される。ランダム化は、スキャフォールドが適切に安定している場合には、長さを保存又は変更する可能性がある。さらに、スキャフォールドの天然の幾何学的配置は、ランダム化又は移植された配列に特定のフォールド又は形状を付与する構造的要素の組み込みによって変更され得る。このような目的のために採用され得る公知の要素の中には、ジスルフィド結合したループが形成されるようなシステイン残基の配置、ヘリックス又はシートの不安定化残基、例えばグリシン又はプロリンの導入、βターン又はTrpケージモチーフの取り込み、又は短いαヘリックス又はβ鎖配列などの追加の二次構造要素の形成がある。
本発明のタンパク質は、それらのアミノ末端又はカルボキシル末端に多様なポリペプチド配列を含むようにさらに適合させることができる。付加的な多様性は、標的に二次結合部位を提供することによって親和性を増強し得、又は増大された血漿半減期を有するタンパク質、又は標的の近傍に富化されることが知られているタンパク質、又は臓器若しくは組織特異的な二次標的に結合させることによって臓器又は組織に特異的な様式での濃縮の可能性をもたらすタンパク質、に結合させることによってタンパク質の機能的特性を増強し得る。付加的な多様性はまた、酵素活性、蛍光、又は色を含むことによって親和性スキャフォールドタンパク質を伴う結合事象の検出を向上させることができる。
本発明の高親和性、高選択性のタンパク質の同定は、スクリーニング方法又は選択方法のいずれかによって達成することができる。スクリーニング法は、典型的には、2つの要素:標的に対する親和性について試験される本発明の候補タンパク質の供給、及び最も活性のある改変体の固有性を明らかにするためにデコンボリューションすることができる規則的なアレイ又は系統的に構成された混合物などの候補の列挙のための系統的な方法を必要とする。スクリーニング法は、多くの場合、本発明の多数のタンパク質が評価されることを必要とし、このような場合には、プーリングスキームを用いて候補を混合し、より少ない測定量で所望の候補の有無を決定し得ることが一般的である。活性なプールは、さらに、活性な固有の種を同定するために細分される。このようなスクリーニングに由来する候補は、さらなるランダム化及びスクリーニングを受け、より高い結合親和性の本発明のタンパク質を漸進的に誘導することができる。
選択方法は、典型的には、本発明の候補タンパク質のライブラリーを必要とし、各々は、タンパク質と、該タンパク質をコードし又は同定する核酸との間の遺伝的関連性を提供する形態で調製される。活性を欠いている残りのライブラリーメンバーから、候補結合タンパク質及びそれらに結合している核酸を物理的に単離及び精製するための機構が提供されなければならない。選択方法において、典型的には、スクリーニング法よりもはるかに少ない測定が実施される。
本発明は、さらに、好ましい親和性、選択性、溶解性、及び熱安定性を有する本発明のタンパク質を同定する方法を提供する。特定の標的に結合する、目的のタンパク質をコードする核酸を富化するための多数の選択方法は、当該技術分野で公知であり、本発明の所望のタンパク質の生成に有用である。これらの中には、ファージディスプレイ、酵母ディスプレイ、細菌ディスプレイ、ウイルスディスプレイ、哺乳動物細胞ディスプレイ、リボソームディスプレイ、RNAディスプレイ及びDNAディスプレイを含む、いわゆるディスプレイ技術がある。特定形態のディスプレイの適用について、選択を行う状況において本発明のタンパク質のディスプレイに適した適切なベクターが提供されなければならない。例えば、バクテリオファージディスプレイの一般的に実施されている形態では、溶媒曝露されたファージ構造タンパク質と本発明のタンパク質の間の翻訳融合体をコードするプラスミドを作製しなければならない。細菌ディスプレイ、例えば、細菌、酵母又は哺乳動物細胞ディスプレイについて、表面タンパク質と本発明のタンパク質の間に融合又は安定な結合が作製される。リボゾーム又はmRNAディスプレイについて、多様な結合タンパク質とそれをコードするmRNAの間に融合又は安定な結合が形成されなければならない。DNAディスプレイについて、本発明のタンパク質と高親和性、典型的には部位選択的なDNA結合タンパク質の間に融合又は安定な結合が形成されなければならない。いくつかのタイプの選択方法について、結合タンパク質とそれをコードする核酸の物理的結合が、物理的区画化によって提供される。例えば、エマルジョン選択方法において、本発明のタンパク質が鋳型核酸から合成される小さな水性液滴が提供される。この場合、物理的結合は、個々の液滴を分離する非水相によって与えられる区画化によって提供される。
ディスプレイベースの選択は、1つ以上の富化サイクルからなり、その各々は、(i)目的とする標的分子を、ディスプレイ状況において多様なタンパク質の混合物と、例えば、ファージ粒子、細胞、又はRNA融合体として接触させること、(ii)標的分子に結合するファージ粒子、細胞又はRNA融合体を、標的分子に結合しない、又はあまり積極的に結合しないものから物理的に分離すること、及び(iii)得られた単離結合集団をインビボ又はインビトロの方法において増幅して、さらなるラウンドの接触及び精製に供されることができる多様化された親和性スキャフォールドタンパク質の新しい富化されたコレクションを作製することができることを含む。ディスプレイベースの選択について、標的分子が、標的分子と、本発明の親和性スキャフォールドタンパク質との複合体の物理的単離を可能にすることが必要とされる。例えば、標的分子は、抗体ドメイン、ペプチドタグ(例えば、表1のタグ)、フルオロフォア、ビオチン、又は他の親和性若しくは標識部分で標識し得、本発明のタンパク質と標的分子との複合体を標的分子と相互作用しない本発明のタンパク質から物理的に分離させることができる。あるいは、標的分子に特異的な抗体又は結合試薬を用いて分離を行うことができる。多くの場合、本発明の望ましくないタンパク質、例えば、標的分子の外来部分、又は物理的分離を達成するために使用される装置の成分に結合するタンパク質を排除することが必要である。一般的な分離戦略は、このような抗体ドメイン、タグ、ビオチン、エピトープ又は親和性部分の同族結合要素を有するビーズ又は磁性粒子などの抗体ドメイン、ペプチドタグ、ビオチン、エピトープ又は親和性部分の親和性マトリックスに依存する。一般に遭遇する結合要素の例としては、プロテインA、ストレプトアビジン、モノクローナル又はポリクローナル抗体、及び配位遷移金属二価カチオンが挙げられる。あるいは、蛍光検出及び選別に基づく分離を用いることができる。このような分離は、典型的には、標的分子に結合した蛍光部分又はフルオロフォアによって伝達されるシグナルを区別し、蛍光活性化細胞ソーティングによって、高濃度の標的分子を有する細胞又は粒子の同定及び選択的分離を可能にする。本発明の望ましくないタンパク質の寄与は、標的分子の曝露及び富化を模倣するが、標的分子の非存在下で行われる、前吸収ステップによって減少させることができる。
親和性
所望の結合を有する本発明のタンパク質の選択又はスクリーニングは、上記の方法によって行われ、続いて、それらの親和性、活性、選択性、可溶性又は熱安定性に従って、特定の目的である本発明の候補タンパク質を同定する方法によって行うことができる。親和性を測定するための多数の方法が、当該技術分野において公知であり、本発明のタンパク質と標的分子との組合せについての結合定数又は反応結合速度若しくは反応解離速度の固相並びに液相測定を含む。このような平衡定数又は動力学定数の分析から、本発明のタンパク質のその標的分子に対する親和性を測定することができる。親和性を測定するいくつかの方法には、固相アッセイ、例えば、平面若しくはビーズフォーマットアッセイ、溶液相アッセイ、又は細胞ベースのアッセイが含まれる。このようなアッセイにおける検出は、放射性標識された標的分子若しくは本発明のタンパク質、あるいは酵素活性又はフルオロフォア若しくは蛍光タンパク質、又は容易にモニターされる反応又は特性の変化の触媒として作用する活性な補欠分子群にコンジュゲート又は会合する本発明の標的分子若しくはタンパク質などの検出可能に標識された標的分子又は本発明のタンパク質によって生成されるシグナルの変化の分析に基づくことができる。親和性を測定するための一般的な方法には、放射性標識若しくは酵素結合免疫吸着アッセイ、又は表面プラズモン共鳴、蛍光共鳴、蛍光分極、又は蛍光自己相関分光法若しくは顕微鏡法に基づくアッセイが含まれる。親和性測定の一般的な形態は、標的分子が固相に固定化され、検出可能な形態の本発明のタンパク質を含有する溶液の様々な濃度が、固定された標的分子と接触されて、本発明のタンパク質の濃度の関数として、本発明のタンパク質量を測定するものである。
選択性
本発明のタンパク質は、所望の治療、分析、製造又は研究の有用性を達成するために、標的分子のファミリーの単一メンバー、又は標的分子のファミリーの複数メンバーに結合することができる。例えば、治療目的のための生物学的活性の中和は、最適には、1を超える標的分子の拮抗を必要としてもよく、又は分析目的のためのこのような生物学的活性の定量化は、1を超える標的分子の認識を必要としてもよく、又は目的とするいくつかの標的分子の精製は、関連する分子のファミリーの認識を必要としてもよい。本発明の候補タンパク質の選択性は、選択又はスクリーニング中に、結合親和性が所望される又は望ましくない比較対象分子を含むことによって操作され得る。例えば、密接に関連するタンパク質のファミリーなどの標的分子の多量体ファミリーの1つのメンバーを認識する、本発明の高度に選択的なタンパク質を作製するために、望ましくない標的分子で予備選択を行い、そのように選択された本発明のタンパク質を廃棄し、続いて所望の標的分子による選択を行うことができる。あるいは、選択法又はスクリーニング法によって同定された本発明のタンパク質の活性は、所望の標的分子に対する結合親和性を、無関係の標的分子、又は親和性が望まれる若しくは望ましくない関連する標的分子と比較することによって評価することができる。このようなスクリーニング方法は、正確な情報を提供する必要はないが、便宜上、例えば、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)と同様のアッセイ形式で、シグナル強度に基づく相対的親和性の簡単な近似測定値を媒介することができる。
可溶性及び安定性
選択又はスクリーニングによって同定された本発明の候補タンパク質は、必要に応じて、使用分野に必要とされるさらなる特性についてさらに評価及び修飾することができる。例えば、ほとんどの使用を意図した本発明のタンパク質を製造するために、本発明の候補タンパク質は、高度に可溶性であり、熱安定性であり得る。本発明のタンパク質の可溶性及び熱安定性、並びに大腸菌における適切に折り畳まれた形態での発現についてのそれらの適合性を評価するための本発明の方法が提供される。一般的に、熱安定性の評価方法は、当該技術分野において周知であり、熱ストレス試験又は規定された温度での長期保存試験からなり、続いて結合活性の測定が行われる。いくつかの場合において、相対的な熱安定性の試験は、特定の温度で本発明のタンパク質を所定の時間インキュベートした後に、可溶性が残っている本発明のタンパク質の画分の測定と同程度に簡単であり得る。熱安定性を測定するための別の適切な方法は、示差走査熱量測定法である。大腸菌におけるタンパク質の折り畳まれた状態の間接的評価のための方法はまた、当該技術分野で公知であり、本発明において、本発明の候補タンパク質を、その活性がその適切に折り畳まれた形態でのみ明らかである、例えばGFP又は抗生物質耐性の、容易にモニターされるタンパク質に融合させることを含む。相対的な折り畳みの程度は、大腸菌における融合タンパク質の両方のドメインによって共有される特性であることが他の研究者によって見出され、したがって、本発明のタンパク質部分が適切に折り畳まれない場合、GFP又は抗生物質耐性部分が折り畳まれる可能性は、比例して低い。このような場合において、本発明の不活性又は不適切に折り畳まれたタンパク質を発現する細胞は、高い緑色蛍光又は高い抗生物質耐性を示さない。
治療的使用
本発明のタンパク質は、治療又は診断を必要とする生物に他の治療要素又は分析要素を送達するための標的原理(targeting principle)として使用することができる。例えば、それらは、新生細胞若しくは前新生物細胞などの望ましくない細胞型の増殖停止若しくは排除を達成するために、又は前立腺肥大などの肥大性組織若しくは臓器の塊の減少のため、又は、例えば、自己免疫症候群を促進する若しくは引き起こすものなどの望ましくない免疫細胞の集団の排除のために、高度に活性な細胞増殖抑制剤又は細胞毒性剤に結合させてもよい。このような細胞増殖抑制剤又は細胞毒性剤は、合成又は天然の小分子であってもよく、例えば、とりわけ、メイタンシン及びその誘導体、アントラキノン、シクロホスファミド若しくはそのプロドラッグなどのアルキル化剤、チューブリン結合剤、ゲルダナマイシン若しくはその誘導体、又はエンジイイン抗生物質、例えばカリシェマイシンなどが挙げられる。細胞増殖抑制剤又は細胞毒性剤は、タンパク質性毒素、又は小分子とタンパク質性毒素との組合せであってもよい。
本発明の二重特異性タンパク質
本発明の二量体又はそれ以上の多量体タンパク質は、細胞を並置する、又は好ましい治療効果を有し得る受容体架橋によって細胞作用を誘導するために使用され得る。例えば、二重特異性抗体又は関連組成物の使用に依存する、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、又は細胞傷害性T細胞の細胞毒性作用を増幅することを目的とする治療戦略が報告されている。このような二重特異性抗体は、典型的には、アブレーションされるべき細胞型上の標的分子を認識する1つの抗体結合部位、及び細胞の細胞溶解エフェクタープログラムを誘導する、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、又は関与する場合、誘導するT細胞上の細胞表面受容体を認識する第2抗体結合部位を提供し、標的分子の破壊をもたらす。代替形態の二重特異性抗体は、肥満細胞上のIgEに対する高親和性受容体又はB細胞上の免疫グロブリン受容体などの活性化受容体と、不活性化受容体との間の架橋を生成することによって、肥満細胞又はB細胞による応答の選択的な無効化を促進する。活性化する受容体と阻害レセプターの配位は、活性化する受容体から発するシグナルを失い、好ましい治療効果をもたらす。同様の二重特異性組成物は、本発明のタンパク質によって提供され得、これは、治療処置のための二重又は多重特異性の結合原理(binding principle)を提供するための様々な方法によって連結され得る。
診断的使用
本発明のタンパク質は、多数のアッセイ目的のための抗体等価物として使用することができる。本発明のタンパク質は、ELISA型アッセイのための捕捉試薬若しくは検出試薬として、又はELISpotアッセイのための検出試薬として、又はフローサイトメトリー測定技術によるタンパク質存在量の数値(enumeration)として役立ち得る。目的とする分析の検出及び/又は定量を補助するために、本発明のタンパク質をフルオロフォア、蛍光タンパク質、酵素基質、又は酵素に(例えば、システイン、N末端融合体又はC末端融合体を介して)コンジュゲートさせることができる。分析の検出を助ける酵素又は他のタンパク質への本発明のタンパク質の翻訳融合体を作製することができ、得られる融合体を原核細胞又は真核細胞において発現させ、試薬の便利な再生可能な供給源を提供することができる。本発明のタンパク質の好ましい熱安定性は、分析物検出器のアレイ、例えば、タンパク質結合アレイの平面フォーマット、又はLuminexシステムなどの多重フルオロフォア比インデックスビーズシステムのビーズフォーマットにおけるそれらの使用を可能にする。本発明のタンパク質による検体結合の検出は、抗体による高感度及び選択性検出のために開示されている多くのアッセイフォーマット設計及び検出スキームに従うことができ、光散乱、光表面プラズモン散乱、蛍光偏光、時間分解蛍光、蛍光自己相関、エレクトロルミネセンス、化学発光、蛍光共鳴エネルギー移動、蛍光クエンチング若しくは非マスキング、ビーズ、細胞、他の粒子の凝固又は凝集、又はポリメラーゼ連鎖反応を含む増幅方法による検出のための核酸若しくは修飾された核酸タグを提供することによるもの、ライゲーション媒介性プローブ増幅、分岐核酸アッセイ、又はライゲーションステップの有無にかかわらない等温増幅、又は吸光度、蛍光、エバネセント場、又は表面電位摂動によって検出可能な酵素活性を伝達することによるものが挙げられる。本発明の単一特異性又は多重特異性タンパク質は、固有の分析又は一連の分析を同定するために調製することができる。さらに、本発明の単量体又は多量体タンパク質は、捕捉試薬又は検出試薬として使用することができる。
本発明の標識されたタンパク質は、インビボ又はインビトロのいずれかで、罹患した細胞、組織又は臓器を画像化するために使用することができる。本発明のタンパク質は、放射性核種、又は放射性核種を含む他の分子を取り込む若しくは結合する補欠分子族にコンジュゲートさせることができる。画像化に使用される一般的な放射性核種には、F-18、I-131、I-123、Tc-99m、In-111又はGa-67が含まれる。あるいは、本発明のタンパク質は、ケージド超偏極キセノンを包囲する基にコンジュゲートされ得る、又は磁気共鳴画像法による検出の影響を受けやすいビーズ、ナノ粒子若しくはナノクリスタルに接合若しくは付着され得る。放射性核種は、ガンマカメラ及び陽電子放出断層撮影法などの当該技術分野において周知の装置及び方法を用いて核シンチグラフィーにより検出することができる。さらに、磁気共鳴画像化などの1つのモダリティによって得られた画像は、核シンチグラフィーなどの他のモダリティによって得られた画像に重ね合わせることができ、又は異なるスペクトル特性の2つ以上の放射性核種を本発明の異なるタンパク質と組み合わせて、より良い画像の局在化、及び病状のより正確な病期又は診断を可能にする。本発明のこのようなコンジュゲートされたタンパク質の使用には、腫瘍、感染症、虚血性損傷若しくは乏しい灌流の領域、凝固、骨若しくは浸食された骨、炎症若しくは変性の部位、アミロイド、パラプロテイン若しくはプリオンタンパク質の蓄積のインビボの画像化、又は人工器官の状態及び/又は正常組織若しくは疾患組織とのそれらのインタフェースを調べることが含まれる。酵素、フルオロフォア、蛍光タンパク質、フェリチン、金若しくは銀粒子、又は電子密度ビーズで標識された本発明のタンパク質は、病理学的状態を診断するため、又は研究される細胞、組織、臓器若しくは生物の疾患状態を表す関連する標的分子の荷重を同定、列挙及び定量するために、微視的若しくは超顕微鏡技術とともに使用することができる。
本発明の標識又はコンジュゲートされたタンパク質を用いた組織の画像化は、生検、切除、ラジオアブレーション、放射線療法、又は局所的に送達される化学療法などの診断又は治療処置を導くために使用することができる。
製造使用
本発明のタンパク質の好ましい熱安定性及び可溶特性はまた、タンパク質及び複雑な生物学的構造、例えば、ワクチン成分の精製のための吸着試薬としてのそれらの使用を可能にする。原核生物生産の積極的な製造経済は、本発明のタンパク質を、抗体試薬又は物質の日常的な使用が非常に高価と考えられる状況で使用することを可能にする。
典型的には、製造使用のために、標的分子に対する所望の選択性、可溶性、熱安定性、及び親和性を有する本発明のタンパク質は、その構成を、カラム媒体、ビーズ、又は標的分子流が曝露されるべき被覆された表面を含み得る吸着剤にする形態で調製される。標的分子の固体支持体への吸着後、非結合物質は、1回以上の洗浄ステップによって除去され、所望の標的分子物質は、典型的には、抗体ベースの親和性支持体の溶出において一般的であるようなpHを上昇若しくは低下させることによって、又は本発明のタンパク質のポリオール反応性を利用することによって溶出される。このような親和性媒体のための支持体として使用される種々の親水性マトリックスは、当該技術分野において周知であり、様々な、典型的には多孔質及び架橋された、ポリマーを含み、例えば、架橋アガロース、デキストラン、アクリルアミド、親水性アクリレート、ヒドロゲル、又は無機マトリックス、例えば、制御細孔ガラス、又は非多孔質であるが、磁気ビーズなどの微粒子、及び官能化又は表面不動態化されたシリカ若しくはセルロース粒子が挙げられる。本発明のタンパク質は、アルデヒド、オキシラン、活性カーボネート、イミノカーボネート、シアネートエステル、ハロアセトアミド、マレイミド、又はカルボジイミド活性化されたカルボン酸を含む活性エステルによる求電子攻撃などの方法によって、このような媒体に結合させ得る。本発明のタンパク質の付着に適した予備活性化媒体の多数の商業的供給者が知られている。さらに、本発明のタンパク質は、本発明のタンパク質の部位選択的な様式で、本発明のタンパク質による媒体への結合を好都合にする特定の残基又は配列の取り込みによって遺伝子操作し得る。
研究使用
本発明のタンパク質の研究及び分析使用には、様々な状況において、例えば、イムノブロッティング、ELISA、ELISpot、フローサイトメトリー、ビーズベースの凝固又は検出システムにおける分析物の検出及び定量化のために、光散乱、表面プラズモン散乱、生物発光干渉法、化学発光又はエレクトロルミネセンス検出、蛍光偏光による、時間分解蛍光、蛍光自己相関、蛍光共鳴エネルギー移動、又は蛍光消光又は非マスキングによる分析物の検出のために、抗体の置換が含まれる。本発明のタンパク質は、分析物の存在又は非存在のためのプローブを提供するために、様々なフルオロフォア又は蛍光タンパク質とコンジュゲートされ得る。分析物には、タンパク質、炭水化物、核酸、脂質、天然、合成又は半合成起源の小分子、並びにポリマー、ガラス、金属及び合金、又はこれらの組合せが含まれてもよい。本発明のタンパク質は、酵素、タンパク質、核酸、炭水化物、脂質、ポリマー、天然、合成若しくは半合成起源の小分子にコンジュゲートされて、分析物検出方法若しくは追加の機能性を提供することができ、又は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、ライゲーション媒介性プローブ増幅、分岐核酸アッセイ、又はライゲーションステップの有無にかかわらない等温増幅を含む増幅法による検出のために、核酸若しくは修飾された核酸タグの共有結合又は安定な非共有結合を提供することによって、シグナルの検出又は増幅のための有用性を有する更なる置換により与えられ得る。本発明のタンパク質は、プレート、トレイ、キャピラリー、織物、ナノチューブ若しくはワイヤー、可撓性若しくは剛性シート、ビーズ、又は粒子などの固体表面に吸着させることができ、これらは全て、非共有結合吸収のための表面又は共有結合のための化学的に活性化された表面を提供し得る。このような本発明のタンパク質が置換された表面を用いて、捕捉試薬、又はビーズ若しくは微粒子吸着された材料の場合には検出試薬のいずれかを提供することができる。本発明の標識されたタンパク質の例としては、限定されないが、顕微鏡検査、超顕微鏡検査、フローサイトメトリー、フロー顕微鏡検査、カーボンナノチューブベースの化学的親和性バイオセンシング、イムノブロッティング、免疫沈降、分光法、又はインビボでの画像化が含まれる。
調製方法
本発明のタンパク質は、多くの場合、大腸菌などの原核細胞における発現によって容易に調製される。さらに、本発明のタンパク質は、多くの場合、大量生産が可能な単純なスケーラブルなステップを用いて容易に精製することを可能にする可溶特性を有する。
[実施例1]
標的分子の特異的な結合のための誘導体CBM32スキャフォールドタンパク質の生成(ライブラリー2)
ライブラリー構築
ライブラリー2は、配列番号1の以下の残基、817-820(QVYE又はループV)、838-844(KTLNGDT又はループW)、931-935(NINKW又はループZ)を変更する。本発明者らは、大腸菌(>50mg/l培養物)中に高レベルで容易に発現された選択的結合剤を単離することができた。この実施例において次に示されたデータは全て、ライブラリー2の結合剤からのものである。図1は、ライブラリー2のループを網掛けで表示し、Metに*を付けて示す。正常な糖リガンドの結合ポケットの半分が変更される。
CBMに基づく親和性スキャフォールド
炭水化物結合モジュール(タンパク質データバンク 2W1Q)の残基807〜946をコードするcDNAは、大腸菌における発現のためにコドン最適化され、IDTにより合成された。CBMがN末端のHisタグ及びC末端のflagタグを含むようにcDNAをファージミドpComb3Xにクローニングし、N末端に切断型gP3と融合させた(図2)。スキャフォールドCBMの改変体のライブラリーを構築するために、本発明者らは、最初に、製造元の指示に従って、ClonAmp HiFi PCR Mixとの50μlの反応液において、4つの連続するホスホラミダイト三量体(ループV)の混合物からなる縮重プライマー397T-F、及び非縮重プライマー398-Rを用いて、この1ngのファージミドを増幅した。反応サイクルは、98℃で10秒間、65℃で10秒間、及び72℃で30秒間であり、30回繰り返された。得られたアンプリコンは、Qiagen Mineluteゲル精製キットを用いて1.1%アガロースゲル上でゲル精製され、12μlの溶出緩衝液で溶出された。ホスホラミダイト三量体オリゴは、Cys及びMet(及び終止コドンなし)を除いて、各々のアミノ酸に対して1つのコドンを含んだ。これらのプライマーは重複領域を含み、そのため、得られたアンプリコンをClontechのInFusion HD酵素キットを用いてインビボで融合クローニングし、ライゲートすることができ、得られたファージミドは、ループVに4つの可変コドンを有するミニ-ライブラリーであり、残基817〜820からなる。簡単には、495ngのゲル精製されたアンプリコンを、10μlの5X InFusion HD酵素を含む50μlの反応液中で融合クローニングし、50℃で15分間インキュベートし、氷上に置いた。次に、DNAを濃縮し、Qiagen PCRprep Mineluteカラムを用いて精製し、10μlのEBで溶出させた。100mlのddH2Oに浮遊するMilliporeニトロセルロース膜上でDNAを30分間脱塩し、水を交換して30分以上繰り返した。DNAライブラリーは、0.1cmの電気穿孔キュベット中の氷上で25μlの細胞の6アリコートの各々に、1μlのDNAを40ng/μlで添加することによってエレクトロコンピテントなTG1細胞(Lucigen)に電気穿孔された。
DNAを、BioRadマイクロパルサーを用いてEc1を設定して電気穿孔し、約5.4のタウを生成した。その後、細胞及びDNAを、Lucigen回収培地の電気穿孔あたり1mlで希釈し、プールし、37℃、275rpmで振とうインキュベーター中で1時間インキュベートした。サブライブラリーを力価測定するために、10μlの回収培養液を10倍に希釈し、10μlアリコートを2xYT/グルコース(2%)/カルベニシリン(100μg/ml)(2xYT/glu/carb)にスポットし、30℃で一晩、インキュベートした。残りのミニ-ライブラリーを50ml 2xYT/glu/carbに拡大し、30℃、250rpmで一晩、インキュベートした。細胞をペレット化し、2xYT/18%グリセロール中で、OD600が75になるまで再懸濁し、-80℃で保存した。
ファージミドミニ-ライブラリーは、5μlのグリセロールストックで50mlの2xYT/gly/carbを接種し、一晩増殖させ、Qiagen Midiprepキットを用いてファージミドを調製することによって調製され、100μlの156ng/μlのファージミドDNAを得た。このファージミドライブラリーを調製し、ランダム化もされたループW及びZを有するライブラリーを構築するための鋳型として利用するために、5μgのファージミドを緩衝液3(NEB)及びBSAとの50μlの反応において30単位のPstIで消化し、1時間、37℃でインキュベートした。「インサート」は、製造元の使用説明書に従って、100μlの反応物中のClonAmp HiFi PCR Mixを用いて、M929Lを突然変異させるプライマー404F及び405ARを用いて2ngの天然CBMを増幅させ、98℃で10秒間、60℃で10秒間、及び72℃で10秒間を30回サイクルすることによって、変化させた残基を含まないループWとZ間のCBM領域を増幅することにより調製された。インサートと精製されたファージミドの両方は、Qiagen mineluteゲル精製カラムを用いて1.1%アガロースゲル上でゲル精製された。
ファージミドは、ループW及びZについてランダム化されたコドンを含むホスホラミダイト三量体及びCBM M929Lの内部の非ランダム領域を含むインサートにアニーリングするための重複領域も用いて増幅された。簡単には、420ngのPstI消化され、精製されたファージミドは、製造元の使用説明書に従って、25μlの42個の反応物においてClonAmp HiFi PCR Mixを用いて、98℃で10秒間、65℃で10秒間、及び72℃で30秒間を15サイクル行って、ホスホラミダイトタイマープライマー402-TR及び403-TFで増幅された。プライマー402T-Rは、残基838-844をコードするループWにおいてコドンを変化させた。プライマー403T-Fは、残基931-935をコードするループZにおいてコドンを変化させた。アンプリコンは、8つのQiagenゲル精製カラムを用いた1%アガロース上でゲル精製され、50μlのEBで各1つを溶出し、合わせた。増幅されたファージミドとインサートの両方は、PCRprep精製され、100μl及び20μlのEBでそれぞれ溶出され、152ng/μlのファージミド及び174ng/μlのインサートを得た。使用されたプライマー及びそれらそれぞれの配列を図3に示す。
ファージミド及びインサートのギブソンアセンブリ
ファージミドライブラリーは、ループV(残基817-820)における4つの可変コドン、ループW(残基838-844)における7つの可変コドン、及びループZ(残基931-935)における5つの可変コドンを含む直鎖状ファージミドライブラリーを3つのループにおける全16個の可変残基について、ループWとZの間のインサート領域にクローニングするギブソンアセンブリによって作製された。簡単には、4.17μgのファージミド及び1.52μgのインサートを415μlのギブソンアセンブリマスターミックス(2X)(NEB)を含む830μlの反応液中で合せ、50℃で15分間インキュベートし、氷上に置いた。連結されたDNAを精製し、1つのQiagen Minelute PCRprepカラムで濃縮し、25μlのEB中に溶出させた。DNAは、ddhH2O中のVSWP 0.025μM膜(Millipore)上で1時間脱塩し、30分で水を交換した。脱塩されたDNAをddH2Oで75ng/μlに調整し、エレクトロコンピテントTG1細胞(Lucigen)を電気穿孔するために使用した。約51μlのDNAを1.25mlの氷冷TG1細胞に添加し、4回上下にピペッティングし、氷上で混合した。その後、25μlのアリコートを氷上で0.1cmのギャップを有する50個の冷却された電気穿孔キュベットに移した。細胞をBioradミニパルサーでレベルEc1にて電気穿孔し、直ちに975μlのLucigen回収培地でクエンチし、プールし、37℃、250rpmで1時間インキュベートした。ライブラリーを力価測定するために、回収された培養液の10μlを2xYTで連続希釈し、各希釈液の10μlを2xYT/glu/carbにスポットし、30℃で一晩インキュベートした。残りのライブラリーを3Lの2xYT/glu/carbに拡張し、30℃、250rpmで一晩増幅させた。翌日、ライブラリーを10k×g、10分、4℃でペレット化し、培地を捨てた。ペレットを2xYT/2%グルコース/18%グリセロール中でOD600が75になるまで再懸濁し、分注し、-80℃で保存した。
マルトース結合タンパク質(MBP)への結合剤に対するライブラリーパニング
第1ラウンドのパニングについて、3Lの2xYT/glu/carbを4mlのC11グリセロールストック(OD600=75)を用いて約0.1のOD600に接種し、OD600が0.5に達するまで37℃、250rpmで増殖させた。最初の培養から、750mlが、466μlのVCSM13(1e13ファージ/ml)を約20ファージ/1細胞の割合で重層され、37℃で30分間、100rpm、次に30分間、250rpmでインキュベートされた。細胞を10k×g、10分でペレット化し、培地を捨てた。細胞を1.5Lの2xYT/carb(100μg/ml)/Kan(70μg/ml)に再懸濁し、30℃、250rpmで一晩インキュベートした。細胞を10k×gで10分間ペレット化し、上清を含むファージを0.25容量の5X PEG/NaCl(20%ポリエチレングリコール6000/2.5M NaCl)を含有するきれいなチューブに移し、十分に混合し、氷上で25分間インキュベートした。ファージを13k×g、25分間でペレット化し、上清を捨てた。ファージを60mlのPBS中に再懸濁し、不溶性物質を除去するために13k×g、10分間遠心分離した。上清を再び5×PEGで沈殿させ、氷上で5分間インキュベートした後、ファージを13k×g、20分間で再び遠心分離した。上清を捨て、ペレットを30mlのPBS中に再懸濁し、A268は6.6であった。
ビオチン化MBPの溶液パンニングについて、100μlのストレプトアビジン被覆された磁気ビーズスラリーの2セットをPBS-T(上清を除去するために、洗浄間に磁石を適用する)で2×1mlで洗浄し、0.05%Tween20を含むPBS中の1mlの2%乾燥ミルク(2%M-PBS-T)中で1時間、室温で回転させながらブロックした。他に記載がない限り、全てのパンニング及びスクリーニングのインキュベーションは室温で行われる。ビーズをブロックした後、磁石を適用し、ブロッキング剤を除去した。ビオチン化抗原とともにインキュベートする前にファージ溶液を予め清澄化するために、1mlのファージ溶液(前のステップで調製された)を1時間、回転させながら、ブロックしたビーズの1セット上でインキュベートした。磁石を適用し、予め清澄化したファージをきれいなチューブに移した。ビオチニル化されたMBP(結合活性)を100nMの濃度で予め清澄化されたファージ溶液に添加し、ファージを抗原に結合させるために1.5時間、回転させながらインキュベートした。
ファージ/抗原溶液を第2のセットのブロックしたビーズに移し、抗原結合ファージを捕捉するために20分間インキュベートした。磁石を適用して、上清を捨てた。ビーズは、1mlのPBS-Tを用いて、8回洗浄及び再懸濁され、3回目、5回目及び7回目の洗浄後に新しいチューブに切り替え、各洗浄間でビーズを約2分間、磁石にかけて沈殿させた。ビーズを800μlの0.1Mグリシン、pH2で10分間溶出し、磁石を適用し、上清を72μlの2M Tris塩基を含むチューブに吸引した後、中和した溶離液全体を9mlの中間の対数期のXL1-ブルー細胞(OD600=0.44)に添加した。細胞を37℃、150rpmで45分間感染させた。増幅されていない出力力価は、10μlの培養液の10倍連続希釈物を調製し、2×YT/glu/carb寒天プレート上にそれぞれ10μlをスポットし、30℃で一晩インキュベートすることによって測定した。培養物を100mlの2xYT/glu/carbに拡張し、30℃、250rpmで一晩インキュベートし、次に、朝に37℃で数時間インキュベートした。
OD600を測定し、細胞を10k×gで10分間遠心分離し、細胞を2xYT/18%グリセロール中でOD660が75になるまで再懸濁することによって、一晩培養物を回収した。次のラウンドのパニング用にファージを調製するために、2×YT/glu/carbの5mlを5μlの75 OD600グリセロールストックとともに接種し、OD600が0.5に達するまで37℃、250rpmでインキュベートした。細胞を20:1のファージ:細胞で重感染させ、十分に混合し、37℃、30分間、150rpm、次に30分間、250rpmでインキュベートした。細胞を5500×g、10分間でペレット化し、グルコース含有培地を捨て、細胞を10mlの2×YT/Carb/Kanに再懸濁し、30℃、250rpmで一晩インキュベートした。
一晩のファージ調製物を10k×gで10分間、遠心分離し、上清を2.5mlの5X PEG/NaClに移し、混合し、氷上で25分間、インキュベートしてファージを沈殿させた。ファージを13k×gで20分間ペレット化し、上清を捨てた。ファージを1mlのPBS中に再懸濁し、不溶性物質を20k×gで5分間、遠心分離によって除去した。上清を0.25容量の5X PEG/NaClに適用し、氷上で5分間、2回沈降させた。ファージを13k×g、5分間、4℃でペレット化し、上清を除去し、ペレットを750μlのPBSに再懸濁した。ファージを、2%M-PBS-T中でA268=0.8に調製し、第3ラウンドにおいて、予め清澄化したファージとともにインキュベートしたビオチン化抗原の濃度を10mMに下げ、ファージ濃度をA268を0.2に下げ、高親和性ファージの選択性を増加させるために、洗浄回数を12に増加させたことを除いて、記載したようにパニングを継続した。
パンニング後の個々のクローンのELISA
最後のパンニングラウンドの終わり(通常、ラウンド3又は4の後)に、溶出されたファージで感染させたXL1-ブルー細胞を37℃、150rpmで45分間回収した後、個々のコロニーを2xYT/glu/carbに播種した。翌日、96個のコロニーを96ウェルディープウェル培養プレート中の400μlの2xYT/glu/carbに接種し、37℃、300rpmで一晩増殖させ、-80℃で保存するためにグリセロールを18%まで添加したマスタープレートを作製した。ELISA用の誘導プレートを調製するために、各マスタープレート培養液の5μlを400μlの新鮮な2xYT/0.1%glu/carbに接種し、37℃、300rpmで2時間45分間、インキュベートした。IPTGを0.5mMまで添加し、プレートを30℃、300rpmで一晩インキュベートした。ファージミドはアンバー終止コドンを含むため、XL1-ブルーはサプレッサー株であるにもかかわらず、いくつかのCBMタンパク質がgpIIIなしで生成され、いくつかの割合が最終的に培地に分泌されるいくつかのCBMのペリプラズム局在を生じる。次に、培地をELISAで直接使用することができる。一晩の誘導後、プレートを1200xgで10分間遠心分離して、細胞をペレット化する。
ストレプトアビジン又はニュートラアビジン被覆したマイクロタイタープレート(Pierce)を200μlのPBSで3回リンスし、100μl/ウェルで1μg/mlのビオチン化MBPでコーティングし、1時間インキュベートした。ブランク対照について、プレートを100μl/ウェルのPBSで単にインキュベートした。ウェルを200μlのPBS-Tで3回洗浄し、200μlの2%M-PBS-Tで1〜3時間ブロックした。ブロックを除去し、50μlの4%M-PBS-Tを各ウェルに添加した。この時点で、50μlの各誘導プレート上清をブランクとMBP被覆ウェルの両方に移し、10回ピペッティングし、1時間インキュベートした。プレートは、分注のみの機能を用いてプレート洗浄器中の250μlのPBS-Tで4回洗浄され、プレートを廃棄し、洗浄間にペーパータオル上で叩いた。洗浄後、4%M-PBS-T中の1/2000希釈した抗flag-HRPの75μlを各ウェルに添加し、1時間インキュベートした。二次を廃棄し、前と同様にプレートを洗浄した。75μlのTMBウルトラ基質(Pierce)を添加することによりプレートを発色させ、対照と比較して陽性について分析した。1mlの2xYT/glu/carbを3μlのグリセロールストックとともに接種することにより、マスタープレートから陽性を増殖させ、37℃、250rpmで少なくとも6時間インキュベートした。細胞をペレット化し、培地を捨てた。Qiagenミニプレップキットを用いてペレットからプラスミドDNAを調製し、配列をGenewizのSanger配列決定により決定した。
結合剤の発現及び精製
分泌された結合剤を用いたELISAから同定された陽性は、N末端若しくはC末端システイン、又はC末端リンカー、続くシステイン(GGGGSGGGGSGGGC)を含むpETベクターにサブクローニングされた。これらの構築物の命名法は、結合剤の番号の前にC又は結合剤の番号の後ろにC若しくはLCを配置することを含み、それぞれ、N末端若しくはC末端のCys又はリンカーCysを示す。例えば、C末端にリンカー-Cysを有するGFP結合剤860は、P860LCと命名される。C末端のCys構築物について、N末端の6-Hisタグを含むCBM cDNAは、前のセクションで、12.5μl ClonAmp HiFi PCR Mixを含有する25μlの反応液中でプライマー391F及び450Rを用いて、98℃で10秒間、65℃で10秒間、及び72℃で30秒間を30回サイクルさせて調製されたpComb3Xファージミドクローンから増幅された。天然のCBM M929Lを含むpET15b(Novagen)ベクターは、25μlのClonAmp HiFi PCR Mixを含有する50μlの反応液中でプライマー390R及び387Fを用いて、同様の方法でサイクルさせてベクターを増幅させるための鋳型(しかし、pET15bを使用することができる)として用いられた。N末端のCys構築物について、正確に同様の方法でクローニングを行ったが、ただし、CBMをプライマー508F及び392Rで増幅し、ベクターを387F及び507R(CBMが493F及び392Rを用いて増幅され、ベクターが387F及び494Rを用いて増幅されるpC896及びPC923の場合を除く)で増幅したことを除く。C末端のリンカー-Cys構築物について、正確に同様の方法でクローニングを行ったが、ただし、CBMを391AF及び527Rを用いて増幅させ、ベクターを540F及び390A Rを用いて増幅させた(プライマー配列については図13を参照されたい)。これら2つのアンプリコンは、Qiagen mineluteゲル精製キットを用いて1.1%アガロースゲル上でゲル精製された。20〜100ngのインサート及びベクターを50℃、15分間で5μlのInFusion反応液中で融合クローニングした(Clontech)。化学的コンピテントなBL21DE3大腸菌に1.5μlのIn
Fusion反応で熱ショックを与え、500μlのSOCで1時間、37℃、250rpmで回収した。細胞を2×YT/glu/carbに播種し、37℃で一晩インキュベートした。個々のコロニーを3mlの2×YT/glu/carb培養液中で少なくとも7時間増殖させた後、プラスミドを配列決定のために精製して、CBM cDNAのインサートを確認した。一方、培養物を2xYT/carbの100mlに播種し、37℃、250rpmでOD600が0.8になるまで増殖させ、0.5mM IPTGに誘導し、30℃、250rpmで一晩インキュベートした。一晩の培養物を10k×g、10分間、4℃でペレット化し、培地を捨てた。ペレットを10mlの6Mグアニジン-HCl、0.1M NaH2PO4、10mM Tris、pH8(緩衝液A)に溶解し、室温で一晩回転させながらインキュベートした。不溶性物質を4℃で30k×g、10分間でペレット化し、上清を同じ緩衝液で平衡化させた1mlのNi-NTA SF(Qiagen)を含むきれいなチューブに移し、室温で一晩回転させながらインキュベートした。ビーズを1k×g、1分間でペレット化し、フロースルーを捨てた。ビーズを20mMイミダゾール及び5mMβ-メルカプトエタノール(B-me)を含む5mlの8M尿素、0.1MのNaH2PO4、10mMのTris、pH8(緩衝液B)で3回洗浄し、B-meを含まない同バッファーでさらに3回洗浄した。250mMのイミダゾールを含む緩衝液Aの1mlアリコートでタンパク質を溶出し、1本のチューブにプールした。タンパク質は、33,690M-1cm-1の吸光係数を用いて、280nmでの吸光度を測定することにより定量した。純度は、3000Daのカットオフを有する限外ろ過によって少量のタンパク質を緩衝液Bに交換し、次に、GelCodeブルーで染色させた12%Bis-Tris NuPage上で10ミリグラム以上のタンパク質を分析することにより評価された(図4)。
結合剤のクロマトグラフィーレジンへのコンジュゲーション
緩衝液A中の精製タンパク質をSulfolinkでビーズにしたアガロース(Thermo)に直接結合させた。簡潔には、100μlの充填されたレジンは、ビーズを少なくとも5倍のベッド容積の緩衝液Aで3回洗浄し、1.3mlのカラムに移すことによって平衡化された。タンパク質を220μlの容量において2〜12mg/mlの濃度で添加し、室温で15分間回転しながらインキュベートした。カラムを30分間直立させ、排液した。カラムを600μlの緩衝液Aで3回洗浄し、次に、800μlの50mM L-Cysとともにインキュベートし、15分間回転しながらインキュベートし、さらに15分間直立させて、ベッドに流した。レジンを800μlの1M NaClで2回洗浄し、800μlの20mM MoPS、150mM NaCl、1mM CaCl2、pH6.5で4回洗浄することにより、タンパク質をカラム上に再度折り畳ませた。ビーズをきれいなチューブに移し、アジドを0.05%のMOPS緩衝液に添加し、微生物増殖を抑制した。
架橋されたアガロースビーズにコンジュゲートした結合剤を用いた大腸菌全細胞溶解物からの抗原の親和性精製
BL21DE3大腸菌細胞をOD600が4.9になるまで増殖させ、10k×g、10分間、4℃でペレット化し、培地を捨て、ペレットを凍結させた。全細胞溶解物は、70mlの培養物からのペレットを18mlのBPER(Pierce)で溶解し、室温で20分間回転しながらインキュベートすることによって調製された。不溶性物質を30k×g、10分間、4℃でペレット化し、上清をきれいなチューブに移した。清澄化された溶解物は、20mM MOPS、150mM NaCl、pH6.5(MOPS緩衝液)を用いて50mlに希釈され、最終濃度が0.018mg/mlになるように抗原(マルトース結合タンパク質、MBP)でスパイクされた。スパイクされた溶解物の最終「OD600」は6.5であった(細胞が溶解されない場合の最終ODとして計算された)。親和性レジンを調製するために、700μlの充填ビーズは、上記のように調製され、1mM CaCl2を含む10mlのMOPS緩衝液で3回洗浄した。スパイクされた溶解物をレジンとともに4℃で2時間インキュベートした。ビーズを1k×g、10分間でペレット化し、FTを吸引除去した。ビーズは、1mMのCaCl2及び0.05% Tween20を含む10mlのMOPS緩衝液で5回洗浄され、最後の洗浄はCaCl2及びTween 20を含まなかった。ビーズは、洗浄緩衝液を用いてカラムに移され、排液された。カラムを700μl MOPS緩衝液+0.1M EDTAで4回洗浄し、洗浄液を回収した。結合したタンパク質を700μlのポリオール溶出緩衝液(10mM Tris、1mM EDTA、0.75M硫酸アンモニウム、40%プロピレングリコール、pH7.9)で7回溶出し、画分を回収した。洗浄液及び溶出された画分は、記載されるように、5分間煮沸した後、MES泳動緩衝液-試料の還元緩衝液中でSDSゲル(Invitrogen)においての12%Bis-Tris NuPAGE SDS-PAGE上で分析された(図5)。
図6は、スルホリンクレジンに結合したいくつかの異なるGFP結合剤を用いた、大腸菌全細胞溶解物からの緑色蛍光タンパク質(GFP)の同様の精製を示す。要約すると、GFP結合剤を上記のようにスルホリンクレジンにコンジュゲートし、50μlの充填レジンを使用して、60μg/μlのGFPでスパイクされた1.2mlの大腸菌溶解物からGFPを精製した。ビーズは、2時間、4℃にて、スパイクされた溶解物中でインキュベートされた。ビーズは、1mMのCaCl2及び0.05%のTween20を含む1mlのMOPS緩衝液で4回洗浄され、250μlのポリオール溶出緩衝液で溶出された。記載されるように、溶出された画分及びスパイクされた溶解物は、5分間沸騰させた後のSDS-試料還元緩衝液中でSDS-PAGEによって分析された。
MBPを結合するものとして同定されたライブラリー2からの本発明のタンパク質の例としては、以下のものが挙げられる。
819, 配列番号17:
NPSLIRSESWFLWIGNEANLLDGDDNTGVWYWRWWGEKSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEQSWTNLTFSEFAIVSD
822, 配列番号18:
NPSLIRSESWQLNNGNEANLLDGDDNTGVWYVANVGTQSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLETSGWGLTFSEFAIVSD
824, 配列番号19:
NPSLIRSESWYPWVGNEANLLDGDDNTGVWYWHAWGAPSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEQIFAHLTFSEFAIVSD
[実施例2]
標的分子の特異的な結合のための誘導体CBM32スキャフォールドタンパク質(ライブラリー1)
ライブラリー1は、配列番号1の以下の残基:817(Q)、839-844(TLNGDT)、931-935(NINKW)、872-878(GGGSSDK)、及び902-907(TGAPAG)を変更する。本発明者らは、このライブラリーから選択的な結合剤を提示するファージを単離したが、得られたタンパク質を大腸菌に高レベルで発現させることは困難であった。
図8は、ウェスタンブロット適用におけるマルトース結合タンパク質に特異的に結合する、ライブラリー1、ME3-Cllからの組換え結合剤を示す。この実験において、大腸菌株DH10bT1R(レーン1、3、5、7、9、及び11あたり7μg)及び100ngの組換えマルトース結合タンパク質(レーン2、4、6、8、10、及び12あたり0.1μg)を12%Bis-Tris SDS-PAGE上で電気泳動し、クーマシーブルー(パネルB)で染色する又はPVDF膜に転写した。膜をブロックし、指示された濃度のME3-C11とともに1時間インキュベートし、洗浄し、二次抗flag-HRP(レーン1-8)又は抗MBP-HRP(レーン9及びレーン10)とともに1時間インキュベートした。膜を洗浄し、膜用のTMBで発色させた(パネルA)。
MBPに結合するライブラリー1からの本発明のタンパク質の例は、以下に示されたものを含む。
ME3 - A9, 配列番号20:
NPSLIRSESWTVYEGNEANLLDGDDNTGVWYKYVPSTDSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNVFFRPVIWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKFLPDVAKDVIEESFETPISAKYIRLTNMEGYGISLTFSEFAIVSD
ME3 - C7, 配列番号21:
NPSLIRSESWIVYEGNEANLLDGDDNTGVWYKPLDFPFSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNASCGFDAWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKISPSYSKDVIEESFETPISAKYIRLTNMEICVCFLTFSEFAIVSD
ME3 - C11, 配列番号22:
NPSLIRSESWCVYEGNEANLLDGDDNTGVWYKLCPSPFSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGYLGSDAWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKNHNSTHKDVIEESFETPISAKYIRLTNMEFCLSDLTFSEFAIVSD
[実施例3]
熱安定性CR変異体
表2は、タンパク質スキャフォールドCBM(PDB 2W1Q)、残基807〜946、及び種々の変異体のサーマルシフトアッセイ(TSA)分析の結果を概要する。全てのタンパク質はN末端のHisタグを含んだ。
Figure 2019163270
[実施例4]
様々な標的抗原に対して生成された結合剤のバリデーション
実施例1に記載される方法に従って、標的抗原のセット(例えば、GFP、MBP、マウスIgG、ウサギIgG、β-D-ガラクトシダーゼ、NusA、Sumo、チオレドキシン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、V5エピトープ、mCherry、cmyc、及びFLAG)に対するCBM結合剤を生じさせた。検証された各々の結合剤のアミノ酸配列を以下に提供し、各々の標的の最も強い候補結合剤を第1の結合剤として列挙する。また、各々の標的抗原について、抗原のアミノ酸配列、検証された抗原のアミノ酸配列、本明細書に記載の実験で試験された適用物、及び/又はその標的抗原に対するさらなる結合剤のアミノ酸配列が提供される。
図9は、実施例1、2、及び5において生じさせたCBMベースの結合剤を用いて、大腸菌細胞の溶解物全体から精製された抗原のSDS-PAGE分析の結果を示す。図9に示されるデータに関して、以下の表3は、結合剤をコンジュゲートした親和性レジンを用いた、大腸菌溶解物からの抗原の親和性精製に使用される様々な条件を概要する。以下の点を除いて、実施例1に記載されたように親和性精製を行った。スルホリンクビーズへの結合剤のコンジュゲーション後の1M塩水洗浄は省略した。高塩洗浄の代わりに、リン酸塩を除くために、800μl 20mM MoPS、150mM NaCl、pH6.5、で2回、次に、ビーズ上で結合剤を再度折り畳ませるために、同緩衝液+1mMのCaCl2で4回洗浄することによって、L-Cysを有する残りの活性部位を全て閉鎖した後、ビーズを直接、再度折り畳ませた。表3に詳細に記載しているように、大腸菌溶解物からの抗原を親和性精製する間に、溶菌液をレジンベッドに流出させた後、ビーズを、数カラム容量のPBS又はPBS-Tで4〜8回洗浄し、ポリオール溶出緩衝液(又は8M尿素、0.1M NaH2PO4、10mM Tris、pH8)を用いて溶出した。このプロトコルは、必要とされるレジンの量に依存して、必要に応じて調整された。
残りのCBMベースの結合剤のいくつかをELISAによって検証した。例えば、mIgG結合剤であるP928のELISAデータを図10に示す。SUMO結合剤であるP971及びP973のELISAデータを図11に示す。V5結合剤であるP999のELISAデータを図12に示す。CBMファージライブラリーを構築するために使用されるプライマーセットを図13に示す。
Figure 2019163270
1.GFPに対する結合剤
一次結合剤:P860LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWDEWFGNEANLLDGDDNTGVWYVSFADNYSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLENRWSYLTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:GFPMut2;ビオチン化されたC末端Avitag-6His(GFP S65A、V68L、S72A;受託番号ABN41558由来)
MSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTFAYGLQCFARYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYNSHNVYIMADKQKNGIKVNFKIRHNIEDGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSALSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITHGMDELYKGGGLNDIFEAQKIEWHEGAHHHHHH
有効な反応性:GFP
MSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTFSYGVQCFSRYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYNSHNVYIMADKQKNGIKVNFKIRHNIEDGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSALSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITHGMDELYK
試験された有用性
免疫沈降(IP)(図9A)
追加のGFP結合剤(図9B)
>P845C
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWARWAGNEANLLDGDDNTGVWYWAKKNNISLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLETTFGGLTFSEFAIVSDC
>P846C
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWATWHGNEANLLDGDDNTGVWYWDDDYNNSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEPQWGGLTFSEFAIVSDC
>P854C
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWSAWIGNEANLLDGDDNTGVWYYNYAKNWSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEEKWSYLTFSEFAIVSDC
2.MBPに対する結合剤
一次結合剤:P822LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWQLNNGNEANLLDGDDNTGVWYVANVGTQSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLETSGWGLTFSEFAIVSDC
抗原:マルトース結合タンパク質(MBP);ビオチン化及びC末端avitag化(受託番号EDV67340、26-392由来、突然変異:A26M、I28T、Q334E、D335E、D348E、A385Eを有する)
MKTEEGKLVIWINGDKGYNGLAEVGKKFEKDTGIKVTVEHPDKLEEKFPQVAATGDGPDIIFWAHDRFGGYAQSGLLAEITPDKAFQDKLYPFTWDAVRYNGKLIAYPIAVEALSLIYNKDLLPNPPKTWEEIPALDKELKAKGKSALMFNLQEPYFTWPLIAADGGYAFKYENGKYDIKDVGVDNAGAKAGLTFLVDLIKNKHMNADTDYSIAEAAFNKGETAMTINGPWAWSNIDTSKVNYGVTVLPTFKGQPSKPFVGVLSAGINAASPNKELAKEFLENYLLTDEGLEAVNKDKPLGAVALKSYEEELAKDPRIAATMENAQKGEIMPNIPQMSAFWYAVRTAVINAASGRQTVDEALKDAQTNSSSGSLSTPPTPSPSTPPTGLNDIFEAQKIEWHE
有効な反応性:MBP-C、受託番号EDV67340、26-392由来、突然変異:A26M、Q334E、D335E、D348E、A385E、pMAL-c5XからのC末端の追加配列、及びC末端のCysを有する
MKIEEGKLVIWINGDKGYNGLAEVGKKFEKDTGIKVTVEHPDKLEEKFPQVAATGDGPDIIFWAHDRFGGYAQSGLLAEITPDKAFQDKLYPFTWDAVRYNGKLIAYPIAVEALSLIYNKDLLPNPPKTWEEIPALDKELKAKGKSALMFNLQEPYFTWPLIAADGGYAFKYENGKYDIKDVGVDNAGAKAGLTFLVDLIKNKHMNADTDYSIAEAAFNKGETAMTINGPWAWSNIDTSKVNYGVTVLPTFKGQPSKPFVGVLSAGINAASPNKELAKEFLENYLLTDEGLEAVNKDKPLGAVALKSYEEELVKDPRIAATMENAQKGEIMPNIPQMSAFWYAVRTAVINAASGRQTVDEALKDAQTNSSSNNNNNNNNNNLGIEGRC
試験された有用性
IP(図9C)
追加のMBP結合剤(図9D)
>P819C
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWFLWIGNEANLLDGDDNTGVWYWRWWGEKSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEQSWTNLTFSEFAIVSDC
>P824C
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWYPWVGNEANLLDGDDNTGVWYWHAWGAPSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEQIFAHLTFSEFAIVSDC
3.IgG(マウス)に対する結合剤
一次結合剤:P926LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWRPFYGNEANLLDGDDNTGVWYNSKLHWRSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEQSSYGLTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:IgG、マウス(正常)、ビオチン化(Santa Cruz sc-2762)
試験された有用性
IP(図9E)
追加のmIgG結合剤(図10)
>P928
MKKTAIAIAVALAGFATVAQAAGSSHHHHHHNPSLIRSESWVRTIGNEANLLDGDDNTGVWYLPYKRAKSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLENIWTYLTFSEFAIVSDDYKDDDDKG
4.IgG(ウサギ)に対する結合剤
一次結合剤:P877LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWYILGGNEANLLDGDDNTGVWYAPYWEVDSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEDRYFSLTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:IgG、ウサギ抗ヤギ及び抗マウスIgG H&L、ビオチン化(Abcam ab6740、ab6727)
試験された有用性
IP(図9F)
追加のrlgG結合剤(図9F)
>P892LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWYAEWGNEANLLDGDDNTGVWYVKFNQEPSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEADFVHLTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
β-D-ガラクトシダーゼ(Bgal)に対する結合剤
一次結合剤:P895LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWWTRYGNEANLLDGDDNTGVWYEKPYQVASLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLETYFSYLTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:β-D-ガラクトシダーゼ;ビオチン化(Rockland Chemical、B000-17、受託番号NP_414878由来)
MTMITDSLAVVLQRRDWENPGVTQLNRLAAHPPFASWRNSEEARTDRPSQQLRSLNGEWRFAWFPAPEAVPESWLECDLPEADTVVVPSNWQMHGYDAPIYTNVTYPITVNPPFVPTENPTGCYSLTFNVDESWLQEGQTRIIFDGVNSAFHLWCNGRWVGYGQDSRLPSEFDLSAFLRAGENRLAVMVLRWSDGSYLEDQDMWRMSGIFRDVSLLHKPTTQISDFHVATRFNDDFSRAVLEAEVQMCGELRDYLRVTVSLWQGETQVASGTAPFGGEIIDERGGYADRVTLRLNVENPKLWSAEIPNLYRAVVELHTADGTLIEAEACDVGFREVRIENGLLLLNGKPLLIRGVNRHEHHPLHGQVMDEQTMVQDILLMKQNNFNAVRCSHYPNHPLWYTLCDRYGLYVVDEANIETHGMVPMNRLTDDPRWLPAMSERVTRMVQRDRNHPSVIIWSLGNESGHGANHDALYRWIKSVDPSRPVQYEGGGADTTATDIICPMYARVDEDQPFPAVPKWSIKKWLSLPGETRPLILCEYAHAMGNSLGGFAKYWQAFRQYPRLQGGFVWDWVDQSLIKYDENGNPWSAYGGDFGDTPNDRQFCMNGLVFADRTPHPALTEAKHQQQFFQFRLSGQTIEVTSEYLFRHSDNELLHWMVALDGKPLASGEVPLDVAPQGKQLIELPELPQPESAGQLWLTVRVVQPNATAWSEAGHISAWQQWRLAENLSVTLPAASHAIPHLTTSEMDFCIELGNKRWQFNRQSGFLSQMWIGDKKQLLTPLRDQFTRAPLDNDIGVSEATRIDPNAWVERWKAAGHYQAEAALLQCTADTLADAVLITTAHAWQHQGKTLFISRKTYRIDGSGQMAITVDVEVASDTPHPARIGLNCQLAQVAERVNWLGLGPQENYPDRLTAACFDRWDLPLSDMYTPYVFPSENGLRCGTRELNYGPHQWRGDFQFNISRYSQQQLMETSHRHLLHAEEGTWLNIDGFHMGIGGDDSWSPSVSAEFQLSAGRYHYQLVWCQK
有効な反応性:N/A
試験された有用性
IP(図9G)
追加のBgal結合剤(図9H)
>PC896
MCSSHHHHHHNPSLIRSESWQVYEGNEANLLDGDDNTGVWYKKAKNLASLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLESYFNFLTFSEFAIVSD
>PC923
MCSSHHHHHHNPSLIRSESWQLIEGNEANLLDGDDNTGVWYFKDWHTASLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLESYFEYLTFSEFAIVSD
NusAに対する結合剤
一次結合剤:P955LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWRYDFGNEANLLDGDDNTGVWYKKHHVKNSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEKKLTSLTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:NusA;ビオチン化、N末端の6Hisタグ化(受託番号WP_044694313由来)
MGSSHHHHHHGTNKEILAVVEAVSNEKALPREKIFEALESALATATKKKY
EQEIDVRVQIDRKSGDFDTFRRWLVVDEVTQPTKEITLEAARYEDESLNL
GDYVEDQIESVTFDRITTQTAKQVIVQKVREAERAMVVDQFREHEGEIIT
GVVKKVNRDNISLDLGNNAEAVILREDMLPRENFRPGDRVRGVLYSVRPE
ARGAQLFVTRSKPEMLIELFRIEVPEIGEEVIEIKAAARDPGSRAKIAVK
TNDKRIDPVGACVGMRGARVQAVSTELGGERIDIVLWDDNPAQFVINAMA
PADVASIVVDEDKHTMDIAVEAGNLAQAIGRNGQNVRLASQLSGWELNVM
TVDDLQAKHQAEAHAAIDTFTKYLDIDEDFATVLVEEGFSTLEELAYVPM
KELLEIEGLDEPTVEALRERAKNALATIAQAQEESLGDNKPADDLLNLEG
VDRDLAFKLAARGVCTLEDLAEQGIDDLADIEGLTDEKAGALIMAARNIC
WFGDEAGTDYDIPTTENLYFQG
有効な反応性:NusA-GFPMut2
MGSSHHHHHHGTNKEILAVVEAVSNEKALPREKIFEALESALATATKKKYEQEIDVRVQIDRKSGDFDTFRRWLVVDEVTQPTKEITLEAARYEDESLNLGDYVEDQIESVTFDRITTQTAKQVIVQKVREAERAMVVDQFREHEGEIITGVVKKVNRDNISLDLGNNAEAVILREDMLPRENFRPGDRVRGVLYSVRPEARGAQLFVTRSKPEMLIELFRIEVPEIGEEVIEIKAAARDPGSRAKIAVKTNDKRIDPVGACVGMRGARVQAVSTELGGERIDIVLWDDNPAQFVINAMAPADVASIVVDEDKHTMDIAVEAGNLAQAIGRNGQNVRLASQLSGWELNVMTVDDLQAKHQAEAHAAIDTFTKYLDIDEDFATVLVEEGFSTLEELAYVPMKELLEIEGLDEPTVEALRERAKNALATIAQAQEESLGDNKPADDLLNLEGVDRDLAFKLAARGVCTLEDLAEQGIDDLADIEGLTDEKAGALIMAARNICWFGDEAGTDYDIPTTENLYFQGSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTFAYGLQCFARYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYNSHNVYIMADKQKNGIKVNFKIRHNIEDGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSALSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITHGMDELYKIEGRGGKPIPNPLLGLDST
試験された有用性
IP(図9I)
追加のNusA結合剤(図9J)
>PC954
MGCSHHHHHHNPSLIRSESWAVLKGNEANLLDGDDNTGVWYANYKIQKSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEQAFLVLTFSEFAIVSD
>PC956
MGCSHHHHHHNPSLIRSESWVFSIGNEANLLDGDDNTGVWYVAWWPETSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLETYFHELTFSEFAIVSD
Sumoに対する結合剤
一次結合剤:P972LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWEDIKGNEANLLDGDDNTGVWYFNEVFYESLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEDKILFLTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:SUMO;ビオチン化、6Hisタグ化されたサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)SUMOタンパク質SMT3(受託番号BAO66634由来)
MGSSHHHHHHMSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLME
AFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGHMASMTGGQQ
有効な反応性:SUMO-mCherry
MSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGSSGLVPRGSHMVSKGEEDNMAIIKEFMRFKVHMEGSVNGHEFEIEGEGEGRPYEGTQTAKLKVTKGGPLPFAWDILSPQFMYGSKAYVKHPADIPDYLKLSFPEGFKWERVMNFEDGGVVTVTQDSSLQDGEFIYKVKLRGTNFPSDGPVMQKKTMGWEASSERMYPEDGALKGEIKQRLKLKDGGHYDAEVKTTYKAKKPVQLPGAYNVNIKLDITSHNEDYTIVEQYERAEGRHSTGGMDELYK
試験された有用性
IP(図9K)
追加のSUMO結合剤(図11)
>P971
MKKTAIAIAVALAGFATVAQAAGSSHHHHHHNPSLIRSESWAAVYGNEANLLDGDDNTGVWYFNDDVYESLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEHEAIWLTFSEFAIVSDDYKDDDDKG
>P973
MKKTAIAIAVALAGFATVAQAAGSSHHHHHHNPSLIRSESWTVEYGNEANLLDGDDNTGVWYKKWWDAKSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEWLFDELTFSEFAIVSDDYKDDDDKG
チオレドキシンに対する結合剤
一次結合剤:P962LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWHTYNGNEANLLDGDDNTGVWYNNNSWFSSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEAKNNLTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:チオレドキシン;ビオチン化、N末端の6His(Excellgenカタログ番号、受託番号AAN83133由来)
MKIEMHHHHHHAMGSDKIIHLTDDSFDTDVLKADGAILVDFWAEWCGPCKMIAPILDEIADEYQGKLTVAKLNIDQNPGTAPKYGIRGIPTLLLFKNGEVAATKVGALSKGQLKEFLDANLA
有効な反応性:チオレドキシン-GFPMut2
MGSSHHHHHHAMGSDKIIHLTDDSFDTDVLKADGAILVDFWAEWCGPCKMIAPILDEIADEYQGKLTVAKLNIDQNPGTAPKYGIRGIPTLLLFKNGEVAATKVGALSKGQLKEFLDANLALYFQGSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTFAYGLQCFARYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYNSHNVYIMADKQKNGIKVNFKIRHNIEDGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSALSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITHGMDELYKIEGRGGKPIPNPLLGLDST
試験された有用性
IP(図9L)
追加のTrx結合剤(図9M)
>PC961
MGCSHHHHHHNPSLIRSESWPVYGNEANLLDGDDNTGVWYYSSGTYFSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLELKYYGLTFSEFAIVSD
>PC966
MGCSHHHHHHNPSLIRSESWYIGVGNEANLLDGDDNTGVWYEKYHLYVSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEVGRKSLTFSEFAIVSD
ニュートラアビジンに対する結合剤
一次結合剤:P975LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWWIRSGNEANLLDGDDNTGVWYDNLYWYRSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLENKYGILTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:ニュートラアビジン(卵白由来の脱グリコシル化アビジン):ニュートラアビジン被覆された磁性粒子(Spherotech NVM-20-05)
有効な反応性:ニュートラアビジン(Pierce Neutravidinタンパク質カタログ番号31000) 試験された有用性
IP(図9N)
追加のニュートラアビジン結合剤(図9O)
>PC977
MGCSHHHHHHNPSLIRSESWRRWSGNEANLLDGDDNTGVWYVTWPFSESLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLENINKWLTFSEFAIVSD
>PC979
MGCSHHHHHHNPSLIRSESWYAIFGNEANLLDGDDNTGVWYHSRNYYKSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEHLWGHLTFSEFAIVSD
ストレプトアビジンに対する結合剤
一次結合剤:P982LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWGVIAGNEANLLDGDDNTGVWYTKSNNHLSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEAVFFNLTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:ストレプトアビジン;組換え(Dynabeads MyOneストレプトアビジンT1(Invitrogen))
有効な反応性:ストレプトアビジン(ストレプトマイセス・アビディニイ(Streptomyces avidinii)から単離されたストレプトアビジン。NEB N7021S)
試験された有用性
IP(図9P)
V5エピトープに対する結合剤
一次結合剤:P997LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWVKYFGNEANLLDGDDNTGVWYFWHTASSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEQYINILTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:V5ペプチド(CGKPIPNPLLGLDST)
有効な反応性:6His-GFPMut2-V5、6His-GFPMut2-3xV5
試験された有用性
IP(図9Q)
追加のV5結合剤(図12)
>P999
MKKTAIAIAVALAGFATVAQAAGSSHHHHHHNPSLIRSESWTKIRGNEANLLDGDDNTGVWYALTFKNIHEWYWVVSSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEDYIYDLTFSEFAIVSDG
mCherryに対する結合剤
一次結合剤:P1034LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWVGSKGNEANLLDGDDNTGVWYPWFPKAIFFKNREFGSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEYVSVILTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:mCherry;ビオチン化、N末端の6His(受託番号AHH01498由来)
MGSSHHHHHHSSGLVPRGSHMVSKGEEDNMAIIKEFMRFKVHMEGSVNGHEFEIEGEGEGRPYEGTQTAKLKVTKGGPLPFAWDILSPQFMYGSKAYVKHPADIPDYLKLSFPEGFKWERVMNFEDGGVVTVTQDSSLQDGEFIYKVKLRGTNFPSDGPVMQKKTMGWEASSERMYPEDGALKGEIKQRLKLKDGGHYDAEVKTTYKAKKPVQLPGAYNVNIKLDITSHNEDYTIVEQYERAEGRHSTGGMDELYK
有効な反応性:SUMO-mCherry
MSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGSSGLVPRGSHMVSKGEEDNMAIIKEFMRFKVHMEGSVNGHEFEIEGEGEGRPYEGTQTAKLKVTKGGPLPFAWDILSPQFMYGSKAYVKHPADIPDYLKLSFPEGFKWERVMNFEDGGVVTVTQDSSLQDGEFIYKVKLRGTNFPSDGPVMQKKTMGWEASSERMYPEDGALKGEIKQRLKLKDGGHYDAEVKTTYKAKKPVQLPGAYNVNIKLDITSHNEDYTIVEQYERAEGRHSTGGMDELYK
試験された有用性
IP(図9R)
cmycに対する結合剤
一次結合剤:P1021LC
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWDTTAGNEANLLDGDDNTGVWYITGWVHRRYVWETQLSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNMENINKWLTFSEFAIVSDGGGGSGGGGSGGGC
抗原:cmycエピトープタグ(CEQKLISEEDL)
有効な反応性:GFPMut2-3X-cmyc
MGSSHHHHHHSKGEELFTGVVPILVELDGDVNGHKFSVSGEGEGDATYGKLTLKFICTTGKLPVPWPTLVTTFAYGLQCFARYPDHMKQHDFFKSAMPEGYVQERTIFFKDDGNYKTRAEVKFEGDTLVNRIELKGIDFKEDGNILGHKLEYNYNSHNVYIMADKQKNGIKVNFKIRHNIEDGSVQLADHYQQNTPIGDGPVLLPDNHYLSTQSALSKDPNEKRDHMVLLEFVTAAGITHGMDELYKIEGRGEQKLISEEDLGEQKLISEEDLGEQKLISEEDL
試験された有用性
IP(図9S)
Flagに対する結合剤
一次結合剤:P1015C
MGSSHHHHHHNPSLIRSESWAHIWGNEANLLDGDDNTGVWYWVGVSLAGEFIGLDLGKEIKLDGIRFVIGKNGGGSSDKWNKFKLEYSLDNESWTTIKEYDKTGAPAGKDVIEESFETPISAKYIRLTNLEFGTGSLTFSEFAIVSDC
抗原:Flagタグ(CDYKDDDDK)
有効な反応性:VHH-flag
QVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASDYGQQGYTTPWTFMSWVRQAPGKALEWIGYIHHSGSTNYNPSLKSRVTISRDNSKNTLYLQMNTLRAEDTAMYYCARGNLAIRYWGQGTLVTVSSSGQAGHHHHHHGDYKDDDDKG
試験された有用性
IP(図9T)
[実施例5]
ライブラリー3の生成
ライブラリー3は、ループWが全15個の残基に伸長され、同じ周囲の定常領域を維持しながら、CBMに対するFlagタグのC末端が除去されたライブラリー2の改変体である。Flagタグを除去するために、200ngのライブラリー2のファージミドは、2X CloneAmp HiFi PCRプレミックスを使用して、1mlの総反応容量中で重複プライマー517F及び518Rを最終濃度0.4μMで増幅された。反応を98℃で10秒間、65℃で10秒間、及び72℃で30秒間の20サイクル行った。アンプリコンを1.1%アガロースゲル上でゲル精製し、Qiaquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いて精製した。精製されたDNAをプライマーの重複領域を用いてGibsonクローニングし、135μlのGibson Assembly Master Mixと1.35μgのDNAを270μlの総反応容量で15分間、50℃にてインキュベートすることにより、flagタグがないライブラリーファージミドを生成し、続いて、Minelute PCRprepカラムを用いて精製した。このDNAを鋳型として使用して、その400ngをホスホラミダイト三量体プライマー512T F(ループWに15個のランダムコドンを含む)及びプライマー523 Rを最終濃度0.4μMにて、1mlの総反応容量中で500μlの2XCloneAmp HiFi PCRプレミックスを用いて増幅させ、98℃で10秒間、65℃で10秒間、及び72℃で30秒間のサイクルを15回行い、ループWを伸長した。アンプリコンは、8つのQiaquickゲル精製カラムを使用して1%アガロースゲル上でゲル精製され、次に、2つのPCR Miniprepカラムを用いて濃縮された。重複する末端領域を含むこのDNAは、50℃で15分間、1mlの総反応容量中で5μgのGibsonクローニングにより環状化され、その後、酵素を除去し、PCRprep mineluteカラムでDNAを精製した。DNAをニトロセルロースメンブレン(VSWP 0.025μmメンブレン)を用いて、ddH2Oにて30分間脱塩し、水を交換して繰り返し、124ng/μlの最終ファージミドDNA濃度を得た。このDNAを用いて上記のエレクトロコンピテントTG1細胞を電気穿孔し、1.24e10のCFUの理論的多様性を有するラ
イブラリーを得た。ライブラリーを上記のようにパンニング及びスクリーニングし、このライブラリーに由来する結合剤を上記のように産生させ、特徴付けた。
他の実施形態
本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本発明の記載された方法及び組成物の様々な修飾及び変形が当業者には明らかである。本発明は、特定の望ましい実施形態に関連して説明されたが、請求される本発明はこのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、医学、免疫学、薬理学、内分泌学、又は関連分野の当業者に明らかである、本発明を実施するための記載された態様の様々な修飾は、本発明の範囲内にあることが意図される。
本明細書において言及された全ての刊行物は、各々の独立した刊行物が具体的に及び個々に参照により組み込まれているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
「宿主細胞」は、対象ベクターに対するレシピエントであり得る又はレシピエントであった個々の細胞又は細胞培養物を含む。宿主細胞は、単一の、例えば、親の、宿主細胞の子孫を含む。子孫は、天然の、偶然の、又は故意の突然変異のために元の親細胞と(全DNA相補体のゲノム又は形態において)必ずしも完全に同一でなくてもよい。本明細書に記載される宿主細胞の例は、大腸菌(E.coli)である。
本発明はまた、以下に関する。
[項目1]
親和性スキャフォールドであって、以下の式:
CR1-V-CR2-W-CR3-Z-CR4
[式中、
・前記V、W、及びZは、各々、独立して、存在しない又は1つ以上のアミノ酸を含み、
・前記定常領域CR1-CR4は、それぞれ配列番号2、4、6、及び8に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、並びに
・前記親和性スキャフォールドは、配列番号1のアミノ酸配列のポリペプチドを含まない]
を有する、前記親和性スキャフォールド。
[項目2]
親和性スキャフォールドであって、以下の式:
CR1-V-CR2-W-CR5-X-CR6-Y-CR7-Z-CR4
[式中、
・前記V、W、X、Y、及びZは、各々、独立して、存在しない又は1つ以上のアミノ酸を含み、
・前記定常領域CR1、CR2、CR5、CR6、CR7、及びCR4は、それぞれ配列番号2、4、9、11、13、及び8に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、並びに・前記親和性スキャフォールドは、配列番号1のアミノ酸配列のポリペプチドを含まない]
を有する、前記親和性スキャフォールド。
[項目3]
前記V、W、及びZが、それぞれ配列番号14〜16を有するアミノ酸である場合、前記親和性スキャフォールドは、マルトース結合タンパク質(MBP)分子に特異的に結合する、項目1記載の親和性スキャフォールド。
[項目4]
前記定常領域CR1-CR7が、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、項目1〜3のいずれか1項記載の親和性スキャフォールド。
[項目5]
前記定常領域CR1-CR7が、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、項目4記載の親和性スキャフォールド。
[項目6]
前記定常領域CR1-CR7が、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、項目5記載の親和性スキャフォールド。
[項目7]
前記定常領域CR1-CR7が、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、項目6記載の親和性スキャフォールド。
[項目8]
前記定常領域CR1-CR7が少なくとも1つのアミノ酸残基置換変異を含み、前記置換変異は、S815R、G834F、E849D、K860P、F882Y、L888K、E891K、K922R、M929K、M929L、M929R、及び/又はV944Rから成る群から選択される、項目1〜7のいずれか1項記載の親和性スキャフォールド。
[項目9]
前記定常領域CR3又はCR7が、アミノ酸置換変異M929Lを含む、項目8記載の親和性スキャフォールド。
[項目10]
前記定常領域CR1-CR7が2つ以上のアミノ酸残基置換変異を含み、前記置換変異は、S815R、G834F、E849D、K860P、F882Y、L888K、E891K、K922R、M929K、M929L、M929R、及び/又はV944Rから成る群から選択される、項目8記載の親和性スキャフォールド。
[項目11]
発現をもたらす状況(expression-conducive context)における、項目1〜10のいずれか1項記載の親和性スキャフォールドをコードする単離されたcDNA配列。
[項目12]
項目1〜10のいずれか1項記載の親和性スキャフォールドを含むタンパク質であって、前記タンパク質が配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性であるアミノ酸配列を含む、前記タンパク質。
[項目13]
前記タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目12記載のタンパク質。
[項目14]
前記タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目13記載のタンパク質。
[項目15]
前記タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、項目14記載のタンパク質。
[項目16]
前記V、W、X、Y、及びZの各々が、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して100%未満の配列同一性を有するアミノ酸を含む、項目12〜15のいずれか1項記載のタンパク質。
[項目17]
前記V、W、X、Y、及びZの各々が、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して最大70%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、項目16記載のタンパク質。
[項目18]
前記V、W、X、Y、及びZの各々が、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して最大40%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、項目17記載のタンパク質。
[項目19]
前記V、W、X、Y、及びZの各々が、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して最大20%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、項目18記載のタンパク質。
[項目20]
前記タンパク質が標的分子に特異的に結合する、項目12〜19のいずれか1項記載のタンパク質。
[項目21]
V、W、X、Y、及び/又はZが、独立して又は組み合わせて、前記タンパク質の前記標的分子への前記特異的結合に寄与する、項目20記載のタンパク質。
[項目22]
前記V、W、X、Y、及びZが、5つ以上のアミノ酸を含む、項目12〜21のいずれか1項記載のタンパク質。
[項目23]
前記タンパク質が単量体である、項目12〜22のいずれか1項記載のタンパク質。
[項目24]
前記タンパク質が多量体である、項目23記載のタンパク質。
[項目25]
CR1のN末端及び/又は前記CR4のC末端に融合されているポリペプチドをさらに含む、項目12〜24のいずれか1項記載のタンパク質。
[項目26]
前記ポリペプチドが酵素である、項目25記載のタンパク質。
[項目27]
前記ポリペプチドが多量体化を促進する、項目25記載のタンパク質。
[項目28]
前記ポリペプチドが酵素の基質として機能する、項目25記載のタンパク質。
[項目29]
前記CR1及び/又はCR4が、以下:システイン(Cys)、ポリ-ヒスチジン(ポリ-His)、及びエピトープタグから選択されるタグに融合されている、項目25記載のタンパク質。
[項目30]
前記タンパク質が、1つ以上の官能基にコンジュゲートされている、項目29記載のタンパク質。
[項目31]
前記官能基が、システインに特異的にコンジュゲートされている、項目30記載のタンパク質。
[項目32]
前記官能基がビオチンである、項目30又は31記載のタンパク質。
[項目33]
前記官能基が蛍光色素である、項目30又は31記載のタンパク質。
[項目34]
前記官能基が酵素である、項目30又は31記載のタンパク質。
[項目35]
前記官能基が放射性である、項目30又は31記載のタンパク質。
[項目36]
前記官能基がランタニドである、項目30又は31記載のタンパク質。
[項目37]
前記官能基が、古細菌の右巻きコイルドコイル(RHCC)ペプチドである、項目30又は31記載のタンパク質。
[項目38]
前記官能基が、ヒト軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質由来のCOMPccである、項目30又は31記載のタンパク質。
[項目39]
前記官能基が、ヒト血漿C4結合タンパク質に由来するC4bpアルファである、項目30又は31記載のタンパク質。
[項目40]
前記官能基が、古細菌のRNA結合タンパク質Sm1のヘプタマー化ドメインである、項目30又は31記載のタンパク質。
[項目41]
前記官能基がストレプトアビジン誘導体である、項目30又は31記載のタンパク質。[項目42]
前記タンパク質がペグ化されている、項目12〜41のいずれか1項記載のタンパク質。
[項目43]
前記CR1-7の1つ以上をV、W、X、Y、及び/又はZの1つ以上に結合させるペプチドリンカーをさらに含む、項目12〜42のいずれか1項記載のタンパク質。
[項目44]
前記タンパク質がポリオール反応性である、項目12〜43のいずれか1項記載のタンパク質。
[項目45]
発現をもたらす状況における、項目12〜44のいずれか1項記載のタンパク質をコードする単離されたcDNA配列。
[項目46]
項目12〜44の1つ以上のタンパク質、及び固体支持体を含む組成物であって、前記1つ以上のタンパク質が前記固体支持体上に固定化されている、前記組成物。
[項目47]
標的分子に特異的に結合する、項目12〜44のいずれか1項記載のタンパク質を同定する方法であって、前記方法は、
ポリペプチドディスプレイライブラリーから項目12〜44のいずれか1項記載のタンパク質を生成させるステップであって、前記ライブラリーは、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7に対応する、V、W、X、Y、及び/又はZをコードする単離されたcDNA配列の領域のランダム化から生成される、前記ステップ、
前記標的分子を前記タンパク質と接触させるステップ、並びに
前記タンパク質の前記標的分子への特異的結合をアッセイするステップ
を含む、前記方法。

Claims (47)

  1. 親和性スキャフォールドであって、以下の式:
    CR1-V-CR2-W-CR3-Z-CR4
    [式中、
    ・前記V、W、及びZは、各々、独立して、存在しない又は1つ以上のアミノ酸を含み、
    ・前記定常領域CR1-CR4は、それぞれ配列番号2、4、6、及び8に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、並びに
    ・前記親和性スキャフォールドは、配列番号1のアミノ酸配列のポリペプチドを含まない]
    を有する、前記親和性スキャフォールド。
  2. 親和性スキャフォールドであって、以下の式:
    CR1-V-CR2-W-CR5-X-CR6-Y-CR7-Z-CR4
    [式中、
    ・前記V、W、X、Y、及びZは、各々、独立して、存在しない又は1つ以上のアミノ酸を含み、
    ・前記定常領域CR1、CR2、CR5、CR6、CR7、及びCR4は、それぞれ配列番号2、4、9、11、13、及び8に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、並びに・前記親和性スキャフォールドは、配列番号1のアミノ酸配列のポリペプチドを含まない]
    を有する、前記親和性スキャフォールド。
  3. 前記V、W、及びZが、それぞれ配列番号14〜16を有するアミノ酸である場合、前記親和性スキャフォールドは、マルトース結合タンパク質(MBP)分子に特異的に結合する、請求項1記載の親和性スキャフォールド。
  4. 前記定常領域CR1-CR7が、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の親和性スキャフォールド。
  5. 前記定常領域CR1-CR7が、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項4記載の親和性スキャフォールド。
  6. 前記定常領域CR1-CR7が、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項5記載の親和性スキャフォールド。
  7. 前記定常領域CR1-CR7が、それぞれ配列番号2、4、6、8、9、11、及び13に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項6記載の親和性スキャフォールド。
  8. 前記定常領域CR1-CR7が少なくとも1つのアミノ酸残基置換変異を含み、前記置換変異は、S815R、G834F、E849D、K860P、F882Y、L888K、E891K、K922R、M929K、M929L、M929R、及び/又はV944Rから成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項記載の親和性スキャフォールド。
  9. 前記定常領域CR3又はCR7が、アミノ酸置換変異M929Lを含む、請求項8記載の親和性スキャフォールド。
  10. 前記定常領域CR1-CR7が2つ以上のアミノ酸残基置換変異を含み、前記置換変異は、S815R、G834F、E849D、K860P、F882Y、L888K、E891K、K922R、M929K、M929L、M929R、及び/又はV944Rから成る群から選択される、請求項8記載の親和性スキャフォールド。
  11. 発現をもたらす状況(expression-conducive context)における、請求項1〜10のいずれか1項記載の親和性スキャフォールドをコードする単離されたcDNA配列。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項記載の親和性スキャフォールドを含むタンパク質であって、前記タンパク質が配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも80%の同一性であるアミノ酸配列を含む、前記タンパク質。
  13. 前記タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項12記載のタンパク質。
  14. 前記タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項13記載のタンパク質。
  15. 前記タンパク質が、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項14記載のタンパク質。
  16. 前記V、W、X、Y、及びZの各々が、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して100%未満の配列同一性を有するアミノ酸を含む、請求項12〜15のいずれか1項記載のタンパク質。
  17. 前記V、W、X、Y、及びZの各々が、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して最大70%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、請求項16記載のタンパク質。
  18. 前記V、W、X、Y、及びZの各々が、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して最大40%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、請求項17記載のタンパク質。
  19. 前記V、W、X、Y、及びZの各々が、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7のアミノ酸配列に対して最大20%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、請求項18記載のタンパク質。
  20. 前記タンパク質が標的分子に特異的に結合する、請求項12〜19のいずれか1項記載のタンパク質。
  21. V、W、X、Y、及び/又はZが、独立して又は組み合わせて、前記タンパク質の前記標的分子への前記特異的結合に寄与する、請求項20記載のタンパク質。
  22. 前記V、W、X、Y、及びZが、5つ以上のアミノ酸を含む、請求項12〜21のいずれか1項記載のタンパク質。
  23. 前記タンパク質が単量体である、請求項12〜22のいずれか1項記載のタンパク質。
  24. 前記タンパク質が多量体である、請求項23記載のタンパク質。
  25. CR1のN末端及び/又は前記CR4のC末端に融合されているポリペプチドをさらに含む、請求項12〜24のいずれか1項記載のタンパク質。
  26. 前記ポリペプチドが酵素である、請求項25記載のタンパク質。
  27. 前記ポリペプチドが多量体化を促進する、請求項25記載のタンパク質。
  28. 前記ポリペプチドが酵素の基質として機能する、請求項25記載のタンパク質。
  29. 前記CR1及び/又はCR4が、以下:システイン(Cys)、ポリ-ヒスチジン(ポリ-His)、及びエピトープタグから選択されるタグに融合されている、請求項25記載のタンパク質。
  30. 前記タンパク質が、1つ以上の官能基にコンジュゲートされている、請求項29記載のタンパク質。
  31. 前記官能基が、システインに特異的にコンジュゲートされている、請求項30記載のタンパク質。
  32. 前記官能基がビオチンである、請求項30又は31記載のタンパク質。
  33. 前記官能基が蛍光色素である、請求項30又は31記載のタンパク質。
  34. 前記官能基が酵素である、請求項30又は31記載のタンパク質。
  35. 前記官能基が放射性である、請求項30又は31記載のタンパク質。
  36. 前記官能基がランタニドである、請求項30又は31記載のタンパク質。
  37. 前記官能基が、古細菌の右巻きコイルドコイル(RHCC)ペプチドである、請求項30又は31記載のタンパク質。
  38. 前記官能基が、ヒト軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質由来のCOMPccである、請求項30又は31記載のタンパク質。
  39. 前記官能基が、ヒト血漿C4結合タンパク質に由来するC4bpアルファである、請求項30又は31記載のタンパク質。
  40. 前記官能基が、古細菌のRNA結合タンパク質Sm1のヘプタマー化ドメインである、請求項30又は31記載のタンパク質。
  41. 前記官能基がストレプトアビジン誘導体である、請求項30又は31記載のタンパク質。
  42. 前記タンパク質がペグ化されている、請求項12〜41のいずれか1項記載のタンパク質。
  43. 前記CR1-7の1つ以上をV、W、X、Y、及び/又はZの1つ以上に結合させるペプチドリンカーをさらに含む、請求項12〜42のいずれか1項記載のタンパク質。
  44. 前記タンパク質がポリオール反応性である、請求項12〜43のいずれか1項記載のタンパク質。
  45. 発現をもたらす状況における、請求項12〜44のいずれか1項記載のタンパク質をコードする単離されたcDNA配列。
  46. 請求項12〜44の1つ以上のタンパク質、及び固体支持体を含む組成物であって、前記1つ以上のタンパク質が前記固体支持体上に固定化されている、前記組成物。
  47. 標的分子に特異的に結合する、請求項12〜44のいずれか1項記載のタンパク質を同定する方法であって、前記方法は、
    ポリペプチドディスプレイライブラリーから請求項12〜44のいずれか1項記載のタンパク質を生成させるステップであって、前記ライブラリーは、それぞれ配列番号3、5、10、12、及び7に対応する、V、W、X、Y、及び/又はZをコードする単離されたcDNA配列の領域のランダム化から生成される、前記ステップ、
    前記標的分子を前記タンパク質と接触させるステップ、並びに
    前記タンパク質の前記標的分子への特異的結合をアッセイするステップ
    を含む、前記方法。
JP2019081910A 2014-08-22 2019-04-23 親和性タンパク質及びその使用 Pending JP2019163270A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201462040772P 2014-08-22 2014-08-22
US62/040,772 2014-08-22

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017529983A Division JP6629325B2 (ja) 2014-08-22 2015-08-24 親和性タンパク質及びその使用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019163270A true JP2019163270A (ja) 2019-09-26

Family

ID=55351336

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017529983A Active JP6629325B2 (ja) 2014-08-22 2015-08-24 親和性タンパク質及びその使用
JP2019081910A Pending JP2019163270A (ja) 2014-08-22 2019-04-23 親和性タンパク質及びその使用

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017529983A Active JP6629325B2 (ja) 2014-08-22 2015-08-24 親和性タンパク質及びその使用

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10919981B2 (ja)
EP (1) EP3182997A4 (ja)
JP (2) JP6629325B2 (ja)
CN (1) CN107073093A (ja)
AU (1) AU2015305220B2 (ja)
CA (1) CA2957820A1 (ja)
WO (1) WO2016029220A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180275121A1 (en) * 2015-10-02 2018-09-27 Tgr Biosciences Pty Ltd. Analyte Detection with Multiple Substrates
CN107796807B (zh) * 2017-09-26 2020-07-24 陕西慧康生物科技有限责任公司 一种粘多糖检测试剂盒

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2344763A1 (en) 1998-10-01 2000-04-06 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Human carbohydrate-associated proteins
US7662918B2 (en) * 2005-03-03 2010-02-16 Simpson Biotech Co., Ltd. Recombinant protein comprising starch binding domain and use thereof
TWI532498B (zh) 2008-03-17 2016-05-11 巴克斯特保健公司 供免疫球蛋白及玻尿酸酶之皮下投藥之用的組合及方法
CN102596992B (zh) * 2009-02-12 2015-09-09 詹森生物科技公司 基于ⅲ型纤连蛋白结构域的支架组合物、方法及用途
US20100291540A1 (en) * 2009-05-12 2010-11-18 National Tsing Hua University Carbohydrate binding module and use thereof
AU2010296017C1 (en) * 2009-09-17 2013-09-19 Takeda Pharmaceutical Company Limited Stable co-formulation of hyaluronidase and immunoglobulin, and methods of use thereof

Also Published As

Publication number Publication date
AU2015305220A1 (en) 2017-03-02
EP3182997A4 (en) 2018-01-10
JP6629325B2 (ja) 2020-01-15
US10919981B2 (en) 2021-02-16
CN107073093A (zh) 2017-08-18
JP2017527307A (ja) 2017-09-21
CA2957820A1 (en) 2016-02-25
AU2015305220B2 (en) 2021-01-28
EP3182997A1 (en) 2017-06-28
US20170233496A1 (en) 2017-08-17
WO2016029220A1 (en) 2016-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101436222B1 (ko) 리간드 결합능력을 가진 헤테로-다량체 변형 유비퀴틴 단백질을 확인하는 방법
JP4829457B2 (ja) 抗体模倣物および他の結合タンパク質のタンパク質骨格
JP5868346B2 (ja) 抗体模倣物および他の結合タンパク質のためのタンパク質骨格
JP6603390B2 (ja) 新規ペプチド・ライブラリー及びその使用
IL229722A (en) Dimeric binding proteins are based on modified ubiquitin
KR20160068744A (ko) 돌연변이된 스캐폴드를 갖는 결합 폴리펩티드
JP2023507268A (ja) 酵素酸性αグルコシダーゼ(GAA)の結合タンパク質及びその使用
JP2022504487A (ja) 免疫グロブリンFcドメインに対する結合親和性を持たない新規三重らせんポリペプチド及び同ポリペプチドの使用
JP2019163270A (ja) 親和性タンパク質及びその使用
JP6017317B2 (ja) ペプチド・ライブラリー
US20230272050A1 (en) Binding protein specific for the spike protein of severe acute respiratory syndrome corona virus 2 (sars-cov-2)
US20230093429A1 (en) AFFINITY LIGAND FOR THE SOLUBLE PART OF FIBROBLAST GROWTH FACTOR RECEPTOR 3 (sFGFR3)
CN116261568A (zh) 用于补体因子h(cfh)的结合蛋白
Park mRNA Display selection of a novel activated leukocyte cell adhesion molecule (ALCAM) binding protein from a modified combinatorial protein library based on the tenth domain of human fibronection III (10FnIII)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190522

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190606

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210706