JP2003520684A - 鋼管をアルミニウムリブと結合させる方法 - Google Patents

鋼管をアルミニウムリブと結合させる方法

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Abstract

(57)【要約】 鋼管をアルミニウムリブと結合させる方法の場合には、最初に鋼管またはアルミニウムリブの表面上に0.5〜20%のアルミニウム成分を有する亜鉛アルミニウム合金からなる層が施こされ、次に鋼管とアルミニウムとの間でアルミニウムリブを鋼管と機械的に接触させる前または接触させた際に室温でセシウム−アルミニウム−四フッ化物の形のフラックスが導入される。その後に、アルミニウムリブを備えた鋼管は、炉内で370℃〜470℃のロウ付け温度に加熱され、最終的に冷却のために室温に晒される。これに対して、選択的には、最初に鋼管またはアルミニウムリブの表面上に0.5〜20%のアルミニウム成分を有する亜鉛−アルミニウム合金からなる層が施こされ、次に室温でセシウム−アルミニウム−四フッ化物の形のフラックスが少なくとも接触帯域中でアルミニウムリブ上にもたらされる。その後に、アルミニウムリブは、370℃〜470℃のロウ付け温度に加熱された鋼管と機械的に接触され、最終的に冷却のために室温に晒される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、鋼管をアルミニウムリブと結合させる方法に関する。
【0002】 空気冷却装置または空気冷却凝縮器のためのリブ付き管を鋼管および鋼製リブ
から製造することは、公知技術に含まれる。鋼製リブを鋼管上に固定することは
、浸漬亜鉛めっきの方法で行なわれる。この種のリブ付き管が極めて耐蝕性であ
るとしても、このリブ付き管には、リブが比較的に劣悪な熱伝導性の管からなる
という欠点がある。
【0003】 更に、円形の鋼管上に連続的なアルミニウムリブを螺旋形で巻き付けることは
、公知である。この場合、アルミニウムリブは、細い足側の脚部と一緒に張力下
に平面状に鋼管の表面上に巻き付けられうる。別の方法は、鋼管の表面に溝を付
け、溝中にアルミニウムリブを挿入することにある。アルミニウムリブを鋼管上
に巻き付けることの欠点は、鋼とアルミニウムの異なる温度膨脹係数にある。実
際の運転の場合には、アルミニウムリブを有する鋼管が例えば130℃の比較的
低い温度になるまで使用されうることを生じる。よりいっそう高い温度の場合に
は、アルミニウムのより高い熱膨張のためにアルミニウムリブと鋼管との間の接
触が失われる。リブ付き管の能力は劣化する。
【0004】 リブ付き管を製造する他の公知方法は、アルミニウムでメッキされた平型管(
Flachrohren)をアルミニウム−珪素ロウを用いて波形またはメアンダー形で折
り畳まれたかまたは角の多い形で折り畳まれたアルミニウムリブ帯状体と熱処理
炉内で結合させることにある。アルミニウムリブまたは平型管の成分であるアル
ミニウム−珪素ロウを用いてのロウ付けによってアルミニウムリブを平型管と結
合させることは、このようなロウ付けがアルミニウムでメッキされた平型管また
はメッキされたアルミニウムリブによって間接的にのみ得ることができるという
欠点を有している。更に、多種多様の初期材料を準備することによる比較的に高
い費用と共に、製造の際に少なくとも1つの長手方向の溶接継目によって周囲面
で閉鎖された平型管は、溶接帯域でアルミニウムでメッキされていてはならない
という欠点が記載されている。他の場合には、申し分のない溶接は全く保証され
ることができない。平型管のこの領域では、事後に初めて溶接副生成物が除去さ
れ、その後に耐蝕技術により保護されなければならない。
【0005】 折り畳まれたアルミニウムベルトを有する平型管からなるリブ付き管のもう1
つの欠点は、アルミニウムでメッキされた平型管とアルミニウムリブとのロウ付
けが約600℃の程度の大きさの高い温度、即ちアルミニウムの軟化温度付近で
行なわれなければならないことにある。この場合に必要とされるロウは、例えば
アルミニウムの軟化点で溶融するアルミニウム珪素共融合金からなる。
【0006】 また、この構造形式に関連して、アルミニウムと鋼の異なる温度膨脹係数に基
づいて約600℃でのロウ付け後、環境温度(室温)への冷却の際に、2つのロ
ウ付けされた材料は、相互に強く歪む可能性があり、アルミニウムが申し分なく
施こされない場合には、簡単にロウ付け部の破壊をまねきうることを確認するこ
とができる。
【0007】 本発明は、公知技術水準から出発して、鋼管と空気冷却された装置および空気
冷却された凝縮器の構成部材としてのアルミニウムリブとを結合させる方法を提
供するという課題を基礎とし、この場合この方法は、少ない労賃およびエネルギ
ー費ならびに物質の使用における費用の節約をもって実施されることができる。
【0008】 この課題の解決は、本発明によれば、請求項1の特徴、また選択的に請求項2
の特徴に見られる。
【0009】 本発明の視点は、0.5〜20%、有利に5%〜15%のアルミニウム成分を
有する亜鉛−アルミニウム合金からなるロウを使用することにあり、この場合こ
のロウは、鋼管の表面上ならびにアルミニウムリブの表面上に施与されうる。フ
ラックス層の施与は、炎内噴射法により行なうことができる。この場合には、ア
セチレンまたは天然ガスを使用することができる。このために、線材は、ロウ組
成物と一緒に溶融され、ガスが発生する圧力のために、均一にそれぞれの表面上
に分配される。
【0010】 第2の方法は、アーク法を使用することにある。この場合には、ロウ組成物を
有する2つの線材により、アークが引かれ、その際、線材は、溶融される。同時
に、空気または不活性ガスが吹き付けられ、したがってそれによって、溶融され
たロウは、均一に鋼管またはアルミニウムリブの表面上に分配される。
【0011】 また、上記組成のロウを用いての電気メッキが考えられる。
【0012】 最後に、本発明により構成されたロウからの層を圧縮、メッキまたは焼結によ
ってそれぞれの表面上に施こすことができることもなお考えられうる。
【0013】 しかし、本発明による方法にとって本質的なことは、セシウム−アルミニウム
−四フッ化物の形のフラックスを使用することによって、ロウ付け温度をこれま
での約600℃から370℃〜470℃の範囲に減少させることが今や可能であ
る。このロウ付け温度の減少は、約30%〜40%だけのロウ付け時間の減少と
関連しているだけではなく、労賃およびエネルギー費の著しい節約をも生じる。
更に、アルミニウムリブと鋼管との接触帯域だけがフラックスで湿潤される場合
に節約が可能である。これは、浸漬または噴霧によって行なうことができる。
【0014】 更に、本発明の範囲内で、従来のロウ付けの際には、アルミニウムリブが軟質
になるように灼熱されることを考慮することができる。それによって、このアル
ミニウムリブは、強制的に強度特性の一部を失なう。これは、これまで平型管の
間に組み込まれたアルミニウムリブ帯状体を有する平型管の場合には、なお許容
された。それというのも、このアルミニウムリブ帯状体は、ロウ付け後に平型管
の平面側の間に結合導入されているからである。しかし、本発明による方法の範
囲内で、2つの変法の場合には、ロウ付け温度の明らかな低下によって、球状化
焼き鈍しがもはや起こらないことが保証されている。従って、どのように対応配
置されていてもよいアルミニウムリブは、常に完全な強度特性を維持している。
【0015】 例えば、打ち抜かれたアルミニウムリブを鋼管上に移動させ、フラックスをア
ルミニウムリブが最終的な状態にあるような全面に亘って施こすことにより楕円
形のリブ付き管を製造する場合には、今や十分に熱伝導性のアルミニウムリブは
、堅牢で耐蝕性で350℃を超える使用温度になるまで鋼管上に位置固定される
ことができる。
【0016】 アルミニウムリブを螺旋形での巻き付けによって鋼管上に取り付ける場合には
、フラックスは、有利にリブベルトの走行位置で鋼管の表面に接するリブベルト
の装置の直前に取り付けられる。これは、巻き付けられたアルミニウムリブを備
えた鋼管が連続炉内または後で初めて灼熱炉内で段階的に370℃〜470℃の
必要とされるロウ付け温度にもたらされることを可能にする。
【0017】 しかし、アルミニウムリブベルトをロウでの被覆後に370℃〜470℃のロ
ウ付け温度に加熱された鋼管上に巻き付け、潜在的な管熱をロウ付けのために利
用することが考えられる。このリブ付き管の型の場合には、鋼管は次に流展する
ロウによって耐蝕性に保護されていることが達成される。更に、アルミニウムリ
ブと鋼管との間の堅固な金属熱伝導性結合が得られる。この種の完成されたリブ
付き管は、約350℃の使用温度に適している。
【0018】 波形またはメアンダー形で折り畳まれたかまたは角の多い形(三角形または矩
形)で折り畳まれたアルミニウムリブを鋼製の平型管上に取り付ける場合には、
この鋼製の平型管またはアルミニウムリブは、ロウをセシウム−アルミニウム−
四フッ化物の形の特殊なフラックスと一緒に全表面領域上に塗布した後に備えら
れ、その後に交互にアルミニウムリブベルト、平型管、またアルミニウムリブベ
ルト等が重なり合うように積層される。次に、こうして形成されたリブ付き管ス
タック(ケーキ)は、ロウ付け炉(連続炉または灼熱炉)内に装入され、そこで
370℃〜470℃の必要とされるロウ付け温度にもたらされる。ロウは、流動
化され、それによってアルミニウムリブベルトは、鋼管と金属的に熱伝導性にな
るように結合される。更に、全平型管は、外側表面上で耐蝕性を維持する。
【0019】 しかし、また、選択的には、平型管を灼熱炉を通して移動させ、その際に必要
とされるロウ付け温度にもたらすことが可能である。引続き、平型管は、ロウを
使用しながらフラックスの装入下にアルミニウムリブベルトと結合される。
【0020】 引続き、それぞれの完成法がどのようにして進行するのかとは無関係に、鋼管
とアルミニウムリブとからそれぞれ組み合わされた装置は、環境温度(室温)に
さらされ、アルミニウムリブが鋼管と申し分なく熱伝導性になるように結合され
ることによって冷却される。
【0021】 セシウム−アルミニウム−四フッ化物の形の同様に特殊なフラックスに関連し
て0.5%〜20%、有利に5%〜15%のアルミニウム成分を有する亜鉛−ア
ルミニウム合金からなる特殊なロウは、370℃〜470℃のそれぞれの好まし
い温度でロウ層をアルミニウムリブが一緒に溶融しない程度に溶融させることを
可能にする。これに関連して、駆動力は、亜鉛/アルミニウムの共融合金であり
、この場合には、液状亜鉛がアルミニウムリブを溶融しないようにするために、
ロウ層中にアルミニウムが合金化されている。
【0022】 セシウム−アルミニウム−四フッ化物の形の特殊なロウは、塩基性、酸性また
は中性の基礎材料で調製されていてよい。
【0023】 それぞれのロウ付け温度は、ロウ中のアルミニウム含量に依存する。アルミニ
ウム含量が高くなればなるほど、ロウ付け温度は、ますます高くなる。好ましい
実施態様は、ロウがアルミニウム15%の含分を有する場合が記載されており、
この場合には、ロウ付け温度は、約430℃である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 1/36 F28F 1/36 D // B23K 1/00 330 B23K 1/00 330L F16L 53/00 F16L 53/00 B B23K 101:14 B23K 101:14 103:20 103:20 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ライムント ヴィッテ ドイツ連邦共和国 ドルトムント アウフ デム ロット 3 (72)発明者 エッカルト フォルクマー ドイツ連邦共和国 ラーティンゲン イェ ーガーホーフシュトラーセ 29

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管をアルミニウムリブと結合させる方法において、最初に
    鋼管またはアルミニウムリブの表面上に0.5〜20%のアルミニウム成分を有
    する亜鉛アルミニウム合金からなる層を施こし、次に鋼管とアルミニウムとの間
    でアルミニウムリブを鋼管と機械的に接触させる前または接触させた際にセシウ
    ム−アルミニウム−四フッ化物の形のフラックスを導入し、その上、アルミニウ
    ムリブを備えた鋼管を炉内で370℃〜470℃のロウ付け温度に加熱し、最終
    的に冷却のために室温に晒すことを特徴とする、鋼管をアルミニウムリブと結合
    させる方法。
  2. 【請求項2】 鋼管をアルミニウムリブと結合させる方法において、最初に
    鋼管またはアルミニウムリブの表面上に0.5〜20%のアルミニウム成分を有
    する亜鉛アルミニウム合金からなる層を施こし、次に室温でセシウム−アルミニ
    ウム−四フッ化物の形のフラックスを少なくとも接触帯域中でアルミニウムリブ
    上にもたらし、その上、アルミニウムリブを370℃〜470℃のロウ付け温度
    に加熱された鋼管と機械的に接触させ、最終的に冷却のために室温に晒すことを
    特徴とする、鋼管をアルミニウムリブと結合させる方法。
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