JP2003519157A - ベンゾフェノングリコピラノシドの調製及び治療的使用 - Google Patents

ベンゾフェノングリコピラノシドの調製及び治療的使用

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JP2003519157A JP2001549410A JP2001549410A JP2003519157A JP 2003519157 A JP2003519157 A JP 2003519157A JP 2001549410 A JP2001549410 A JP 2001549410A JP 2001549410 A JP2001549410 A JP 2001549410A JP 2003519157 A JP2003519157 A JP 2003519157A
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ルブルトン リュック
ルジャンドル クリスチァン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規な工業製品として、(i)式I: 【化1】 (式中、グリコピラノシル基Rは、β−D−アラビノピラノシル基、β−D−リキソピラノシル基、β−D−リボピラノシル基、β−D−ガラクトピラノシル基、β−D−マンノピラノシル基、β−L−アラビノピラノシル基、β−L−キシロピラノシル基、α−L−アラビノピラノシル基、α−L−キシロピラノシル基又はβ−L−ラムノピラノシル基である)の[4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]グリコピラノシド化合物;及び(ii)それぞれのグリコピラノシル基の少なくとも1つのOH基をC−Cアルカン酸又はシクロアルカン酸によってエステル化することから生じるそれらのエステルに関する。これらの新規の[4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]α−D−グリコピラノシドはアテローム斑に対する治療において有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の属する技術分野 本発明は、新規な工業製品として、ベンゾフェノングリコピラノシドである下記
の式Iの4−シアノ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体に関する。本発明
はさらに、その調製、及び、治療におけるそれらの使用、特にそれらが活性成分
として存在する組成物の形態での使用に関する。
【0002】 従来の技術 EP−A−0051023には、β−D−キシロシル基によって置換されたヒド
ロキシベンゾフェノン残基を含み、かつ静脈血栓症の処置又は予防に対して有益
な薬理学的活性を有する化合物が開示されている
【0003】 また、EP−A−0133103には、低コレステロール血症及び低脂肪血症に
対する特性を有するベンジルフェニルβ−D−キシロシド型の誘導体が開示され
ている。β−D−チオキシロシル基で置換されているβ−D−キシロシル基を有
する誘導体が、EP−A−0365397及びEP−A−0290321に記載
されていることも知られており、上記化合物はその抗血栓活性のために有用であ
る。
【0004】 最後に、F.BELLAMYら(J.Med.Chem.、1993、36(7
)、898頁〜903頁)による論文には、グリコシル基によって置換されたベ
ンゾフェノンに由来する化合物が開示されている。その中でも、β立体配置の誘
導体のみが抗血栓活性を有する。これらの生成物の研究により、これらの化合物
、特に、β−D−キシロシル基を含有する化合物がガラクトシルトランスフェラ
ーゼIの良好な基質であり、従って、グリコサミノグリカン(GAG)の合成を
開始させ得ることが明らかにされた。この作用様式は、生成物の経口投与後に得
られるものであるが、抗血栓活性のためには非常に必要であると考えられ、そし
てD−キシロースがβ立体配置であるような誘導体のみがこの治療分野で活性を
示す。従って、β−D−キシロースに由来する化合物とは異なる化合物はこの治
療分野では有益でないことを意味した、GAG合成に対する作用と抗血栓活性と
の相関が存在する。
【0005】 発明の目的 本発明により、動脈アテローム斑に関して、上記斑の処置又はその発生の予防の
いずれに対しても、治療的に有益な新規な製造物を得るための新規な技術的解決
策の提供を提案する。
【0006】 発明の課題 本発明の新規な技術的解決策によると、驚くべきことに、上記に引用された刊行
物を参照して動脈アテローム斑の予防又は退行に対する活性を示す[4−(4−
シアノベンゾイル)フェニル]グリコピラノシド化合物が使用される。
【0007】 本発明の1つの特徴により、(i)式I:
【0008】
【化8】
【0009】 (式中、グリコピラノシル基Rは、β−D−アラビノピラノシル基、β−D−リ
キソピラノシル基、β−D−リボピラノシル基、β−D−ガラクトピラノシル基
、β−D−マンノピラノシル基、β−L−アラビノピラノシル基、β−L−キシ
ロピラノシル基、α−L−アラビノピラノシル基、α−L−キシロピラノシル基
又はβ−L−ラムノピラノシル基である)の[4−(4−シアノベンゾイル)フ
ェニル]グリコピラノシド化合物;及び (ii)それぞれのグリコピラノシル基の少なくとも1つのOH基をC−C アルカン酸又はシクロアルカン酸によってエステル化することから生じるそれら
のエステル からなる群から選択される新規な生成物が提示される。
【0010】 本発明の第2の特徴により、上記の式Iの化合物及びそのエステルを調製する方
法が提案される。
【0011】 本発明のさらなる第3の特徴により、治療に有効な量の請求項1記載の少なくと
も1つの式Iの化合物又は少なくとも1つのそれらのエステルを生理学的に許容
できる賦形剤とともに含有することを特徴とする医薬品組成物が提供される。
【0012】 本発明の別の特徴により、アテローム斑に対する治療、特にその予防又は処置の
ための治療において使用される薬物を調製するために式Iの化合物又はそのエス
テルの1つを活性成分として使用することもまた提示される。
【0013】 詳細な説明 本発明の新規な化合物は式Iの生成物及びそのエステルを含む。すなわち、それ
らは4−シアノ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン[又は4−(4−ヒドロキシ
ベンゾイル)ベンゾニトリル]のピラノシド誘導体である。好ましい生成物は、
グリコシド基がピラノース形態にあり、グリコピラノシル基Rの構造に従って示
される下記の式を有する:
【0014】 (a)β−D−アラビノース構造(β−D−Ara):
【0015】
【化9】
【0016】 (b)β−D−リキソース構造(β−D−Lyx):
【0017】
【化10】
【0018】 (c)β−D−リボース構造(β−D−Rib):
【0019】
【化11】
【0020】 (d)β−D−ガラクトース構造(β−D−Gal):
【0021】
【化12】
【0022】 (e)β−D−マンノース構造(β−D−Man):
【0023】
【化13】
【0024】 (f)β−L−アラビノース構造(β−L−Ara):
【0025】
【化14】
【0026】 (g)β−L−キシロース構造(β−L−Xyl):
【0027】
【化15】
【0028】 (h)α−L−アラビノース構造(α−L−Ara):
【0029】
【化16】
【0030】 (i)α−L−キシロース構造(α−L−Xyl):
【0031】
【化17】
【0032】 (j)β−L−ラムノース構造(β−L−Rha):
【0033】
【化18】
【0034】 これらの式において、Rは水素原子又はCOR基であり、Rはメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基から選択されるC −Cアルキル基である。
【0035】 本発明による式Iの化合物又はそのエステルの1つを調製する方法は、 (1°)1,2,3,4−テトラアセチル−D−アラビノース、1,2,3,4
−テトラアセチル−D−リキソース、1,2,3,4−テトラアセチル−D−リ
ボース、1,2,3,4,6−ペンタアセチル−D−ガラクトース、1,2,3
,4,6−ペンタアセチル−D−マンノース、1,2,3,4−テトラアセチル
−L−アラビノース、1,2,3,4−テトラアセチル−L−キシロース及び1
,2,3,4−テトラアセチル−L−ラムノースからなる群から選択される式I
I:
【0036】
【化19】
【0037】 (式中、ZはH、CH又はCHOAcである) のピラノシル構造のペルアセチル化ペントース又はペルアセチル化ヘキソースを
、式III:
【0038】
【化20】
【0039】 の4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾニトリルと反応させ、精製後に、式
IV:
【0040】
【化21】
【0041】 (式中、Zは上記に定義されている通りである) の対応するオシド化合物を得ること;次に
【0042】 (2°)得られた式IVのオシド化合物のアセチル基を水素原子で置換してR がHである式Iの対応する化合物を得るために、このアセチル基における置換反
応を行うこと;さらに、RがHである式Iの化合物をC−Cの酸でエステ
ル化することによって、他のエステル(この場合、RはAc以外である)を得
ることからなる。
【0043】 工程(1°)の、II+IIIの反応は有機溶媒(特に、ジクロロメタン)中に
おいて、ルイス酸(例えば、四塩化スズ)の存在下、25℃から溶媒の沸点まで
の温度で10時間〜30時間にわたって有利に行われる。
【0044】 工程(2°)において、水素原子によるAc基の置換は下記のように有利に行わ
れる。Ac基を除き、Ac基をHで置換するために、式IVの化合物を無水アル
コール(特に、メタノール)に溶解したNHと反応させる。
【0045】 変形させると、工程(1°)の、II+III→IVの反応は、V+III→I
Vの反応に置き換えることができる。この場合、Vは、対応するペルアセチル化
ハロゲノペントース又はペルアセチル化ハロゲノヘキソースである。これらの状
況のもとで、工程(1°)は下記の工程(1’)になる:すなわち、 (1’)1−ブロモ−2,3,4−トリアセチル−D−アラビノース、1−ブロ
モ−2,3,4−トリアセチル−D−リキソース、1−ブロモ−2,3,4−ト
リアセチル−D−リボース、1−ブロモ−2,3,4,6−テトラアセチル−D
−ガラクトース、1−ブロモ−2,3,4,6−テトラアセチル−D−マンノー
ス、1−ブロモ−2,3,4−トリアセチル−L−アラビノース、1−ブロモ−
2,3,4−トリアセチル−L−キシロース及び1−ブロモ−2,3,4−トリ
アセチル−L−ラムノースからなる群から選択される式V:
【0046】
【化22】
【0047】 (式中、Xはハロゲン原子(すなわちF、Cl、Br又はI、好ましいハロゲン
原子はBrである)であり、ZはH、CH又はCHOAcである) のピラノシル構造のペルアセチル化ハロゲノペントース又はペルアセチル化ハロ
ゲノヘキソースを、下記の式III:
【0048】
【化23】
【0049】 の4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾニトリルと反応させ、精製後に、下
記の式IV:
【0050】
【化24】
【0051】 (式中、Zは上記に定義されている通りである) の対応するオシド化合物を得ること。
【0052】 V+III→IVの反応は、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン又はアセ
トニトリルなどの無水溶媒中において、トリフルオロメタンスルホン酸銀又は酸
化銀などのカップリング剤の存在下、−10℃〜+10℃の温度で5時間〜40
時間にわたって有利に行われる。
【0053】 II+III→IVの反応及びV+III→IVの反応は、すべての本発明の式
IVの化合物の調製に対して適用することができる。
【0054】 本発明の他の利点及び特徴は、下記の実施例及び薬理学的試験からより明瞭に理
解される。当然のことではあるが、これらの詳細は全体として、本発明を限定せ
ず、例示として示される。
【0055】実施例1 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]2,3,4−トリ−O−アセチル−
β−D−アラビノピラノシド 0.8g(2.52.10−3mol)の1,2,3,4−テトラ−O−アセチ
ル−D−アラビノピラノース及び0.567g(2.52.10−3mol)の
4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾニトリルの無水ジクロロメタン(15
ml)溶液を調製する。四塩化スズの1Mジクロロメタン溶液(6.3ml)を
加え、反応混合物を24時間還流する。冷却後、反応溶媒を塩化アンモニウム溶
液に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、次
いで塩化ナトリウム溶液で洗浄し、その後、硫酸マグネシウムで乾燥して、最後
に減圧下で濃縮する。得られた黄色油状物を、酢酸エチル/ヘキサン混合物(3
/7;v/v)を溶離液として使用するシリカゲルのクロマトグラフィーによっ
て精製して、97mgの所望の生成物をベージュ色粉末の形態で得る(収率=8
%)。 融点=75〜76℃ [α] 26=−254°(c=0.3;DMSO)
【0056】実施例2 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]β−D−アラビノピラノシド 実施例1に従って得られた化合物の90mg(0.19.10−3mol)とア
ンモニアの2Mメタノール溶液の20mlとの混合物を調製して、室温で20時
間攪拌する。その後、溶媒を減圧下で除去し、残渣を、メタノール/ジクロロメ
タン混合物(4/96;v/v)を溶離液として使用するシリカゲルのクロマト
グラフィーによって精製し、所望の生成物(40mg)をクリーム色固体の形態
で得る(収率=72%)。 融点=157〜158℃ [α] 26=−190°(c=0.3;DMSO)
【0057】実施例3 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]β−D−リキソピラノシド [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]2,3,4−トリ−O−アセチル−
β−D−リキソピラノシドは、1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−D−リ
キソピラノースから開始し、実施例1に類似する手順に従うことによって得られ
る。次に実施例2に記載される手順に従ってアンモニアで処理し、所望の生成物
を7.5%の収率で淡黄色粉末の形態で得る。 融点=185〜187℃ [α] 25=−73°(c=0.3;DMSO)
【0058】 実施例4 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]2,3,4−トリ−O−アセチル−
β−D−リボピラノシド 所望の生成物は1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−D−リボピラノースか
ら開始し、実施例1に類似する手順に従うことによって15.5%の収率で白色
固体の形態で得られる。 融点=135〜137℃ [α] 23=−66°(c=0.46;CHCl
【0059】 実施例5 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]β−D−リボピラノシド 所望の生成物は実施例4に従って得られた化合物から開始し、実施例2に類似す
る手順に従うことによって51%の収率で白色粉末の形態で得られる。 融点=157〜158℃ [α] 27=−82°(c=0.17;DMSO)
【0060】 実施例6 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−β−D−ガラクトピラノシド 所望の生成物は1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−D−ガラクトピラ
ノースから開始し、実施例1に類似する手順に従うことによって4%の収率でベ
ージュ色固体の形態で得られる。 融点=82℃ [α] 26=+11°(c=0.21;DMSO)
【0061】実施例7 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]β−D−ガラクトピラノシド 所望の生成物は実施例6に従って得られた化合物から開始し、実施例2に類似す
る手順に従うことによって40%の収率で淡黄色粉末の形態で得られる。 融点=242℃ [α] 23=−10°(c=0.22;DMSO)
【0062】実施例8 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]2,3,4,6−テトラ−O−アセ
チル−β−D−マンノピラノシド 2.72g(12.10−3mol)の4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベン
ゾニトリルのヘキサメチルホスホトリアミド(HMPA:15ml)溶液を調製
して、400mg(13.3.10−3mol)の水素化ナトリウムのオイルに
おける80%分散物を室温で加える。この混合物を1時間攪拌し、その後、2.
5g(6.1.10−3mol)の2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−D
−マンノピラノシル臭化物のHMPA(15ml)溶液を加える。反応混合物を
室温で18時間攪拌し、その後、氷上で加水分解する。得られた混合物をエーテ
ルで3回抽出し、混ざった有機層を、1N水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、次い
で水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣を、トル
エン/酢酸エチル混合物(8/1;v/v)を溶離液として使用するシリカゲル
のクロマトグラフィーによって精製し、1.09gの所望の生成物をベージュ色
固体の形態で得る(収率=30%)。 融点=80℃ [α] 23=−62°(c=0.6;DMSO)
【0063】実施例9 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]β−D−マンノピラノシド 所望の生成物は実施例8に従って得られた化合物から開始し、実施例2に類似す
る手順に従うことによって44%の収率でベージュ色粉末の形態で得られる。 融点=122℃ [α] 23=−46°(c=0.23;DMSO)
【0064】実施例10 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]2,3,4−トリ−O−アセチル−
β−L−アラビノピラノシド 所望の生成物は1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−アラビノースから
開始し、実施例1に類似する手順に従うことによって18%の収率で淡黄色固体
の形態で得られる。 融点=69〜70℃ [α] 27=+179°(c=0.365;DMSO)
【0065】 実施例11 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]β−L−アラビノピラノシド 所望の生成物は実施例10に従って得られた化合物から開始し、実施例2に類似
する手順に従うことによって、(メタノールから再結晶した後に)65%の収率
で白色粉末の形態で得られる。 融点=216℃ [α] 26=+174°(c=0.47;DMSO)
【0066】 実施例12 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]2,3,4−トリ−O−アセチル−
β−L−キシロピラノシド 658mg(2.95.10−3mol)の4−(4−ヒドロキシベンゾイル)
ベンゾニトリルのアセトニトリル(20ml)溶液を調製し、攪拌しながら室温
で1g(2.95.10−3mol)の2,3,4−トリ−O−アセチル−L−
キシロピラノシル臭化物を加え、次いで683mg(2.95.10−3mol
)の酸化銀を加える。混合物を室温で24時間攪拌し、その後ろ過する。沈殿物
をフィルターで酢酸エチルを用いてすすぐ。混ざった有機層を1N水酸化ナトリ
ウム溶液で洗浄し、ろ過して、1N塩酸溶液で洗浄し、次いで水で洗浄し、そし
て硫酸マグネシウムで乾燥する。溶液を減圧下で濃縮し、得られた粗生成物を、
トルエン/酢酸エチル混合物(85/15;v/v)を溶離液として使用するシ
リカゲルのクロマトグラフィーによって精製し、980mgの所望の生成物を細
かい白色粉末の形態で得る(収率=69%)。 融点=158℃ [α] 26=−10°(c=0.43;DMSO)
【0067】 実施例13 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]β−L−キシロピラノシド 所望の生成物は実施例12に従って得られた化合物から開始し、実施例2に類似
する手順に従うことによって88%の収率で白色固体の形態で得られる。 融点=204℃ [α] 26=−3°(c=0.37;DMSO)
【0068】実施例14 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]2,3,4−トリ−O−アセチル−
α−L−キシロピラノシド 所望の生成物は1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−キシロースから開
始し、実施例1に類似する手順に従うことによって39%の収率でベージュ色固
体の形態で得られる。 融点=56℃ [α] 27=−129°(c=0.33;DMSO)
【0069】実施例15 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]α−L−キシロピラノシド 所望の生成物は実施例14に従って得られた化合物から開始し、実施例2に類似
する手順に従うことによって74%の収率で白色粉末の形態で得られる。 融点=189℃ [α] 27=−139°(c=0.49;DMSO)
【0070】実施例16 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]2,3,4−トリ−O−アセチル−
β−L−ラムノピラノシド 所望の生成物は1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−ラムノピラノース
から開始し、実施例1に類似する手順に従うことによって4%の収率でベージュ
色粉末の形態で得られる。 融点=85℃ [α] 29=+31°(c=0.17;DMSO)
【0071】実施例17 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]β−L−ラムノピラノシド 所望の生成物は実施例16に従って得られた化合物から開始し、実施例2に類似
する手順に従うことによって76%の収率で白色固体の形態で得られる。 融点=96℃ [α] 24=+55°(c=0.28;DMSO)
【0072】実施例18 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]2,3,4−トリ−O−アセチル−
α−L−アラビノピラノシド 所望の生成物は2,3,4−トリ−O−アセチル−L−アラビノピラノシル臭化
物から開始し、実施例12に類似する手順に従うことによって62%の収率で細
かい白色固体の形態で得られる。 融点=148℃ [α] 24=+4.3°(c=0.48;CHCl
【0073】実施例19 [4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]α−L−アラビノピラノシド 所望の生成物は実施例18に従って得られた化合物から開始し、実施例2に類似
する手順に従うことによって63%の収率で白色粉末の形態で得られる。 融点=170℃ [α] 24=+24°(c=0.40;DMSO)
【0074】 本発明の化合物の抗アテローム活性を、脂肪食を与えたマウスにおける血清コレ
ステロールレベルを低下させる能力の関数として評価した。実際には、いくつか
の刊行物により、過剰な脂質とアテロームの危険性の顕著な増大との密接な相関
が明らかにされている(Lancet、1996、348、1339頁〜134
2頁;Lancet、1990、335、1233頁〜1235頁を参照のこと
)。この相関により、動物を用いた時間のかかる処置及び大動脈弓壁の費用のか
かる組織学的研究を必要とするアテローム斑に対する直接的な実験よりも迅速な
試験が提供される。
【0075】 使用された試験は、化合物の1回用量をC57BL/6J系統の雌マウスに投与
することからなる。このプロトコルは下記の通りである:1日目(DO)に、マ
ウスを午前9時から午後5時まで絶食させ、血液サンプルを午後2時に採取する
。午後5時に、規定量の餌(1.25%のコレステロール及び0.5%のコール
酸を含む脂肪食)が与えられる。2日目(D1)に、残った餌の重量を午前9時
に測定して、マウスを午前9時から午後2時まで絶食させる。血液サンプルを午
後2時に採取する。処置群のマウスについては、化合物をガムの3%水溶液中に
懸濁させてチューブにより2日目(D1)の午前9時に投与する。コントロール
群にはガム水溶液のみが与えられる。
【0076】 化合物は100mg/kgの用量で試験された。総血清コレステロールをアッセ
イして、結果をコントロール群と比較して、コレステロール血症の増大を阻害す
るパーセントとして表す。得られた結果を表Iの「活性」欄に示す。さらに、異
なる種類の血清リポタンパク質のコレステロール含有量を分析することにより、
HDLコレステロール/総コレステロール比に対する生成物の好ましい作用が示
されることは注目すべきだ。
【0077】 本発明の式Iの化合物がGAG合成を誘導しないこともまた明らかにされた。
【0078】 本発明の式Iの生成物及びそのエステルは、好ましくは、それぞれが賦形剤とと
もに20mg〜500mgの式Iの化合物又はそのエステルの1つを活性成分と
して含有する錠剤又はゼラチンカプセルの形態で経口投与することができる。投
薬量は、1日あたり約1単位〜4単位である。本発明の生成物はアテローム斑に
対して、特にアテロームの危険性を予防又は処置するために有利に処方される。
【0079】
【表1】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年12月13日(2001.12.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、グリコピラノシル基Rは、β−D−アラビノピラノシル基、β−D−リ
キソピラノシル基、β−D−リボピラノシル基、β−D−ガラクトピラノシル基
、β−D−マンノピラノシル基、β−L−アラビノピラノシル基、β−L−キシ
ロピラノシル基、α−L−アラビノピラノシル基、α−L−キシロピラノシル基
又はβ−L−ラムノピラノシル基である) の[4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]グリコピラノシド化合物;及び (ii)それぞれのグリコピラノシル基の少なくとも1つのOH基をC−C アルカン酸又はシクロアルカン酸によってエステル化することから生じるそれら
のエステル からなる群から選択されることを特徴とするグリコピラノシド化合物。
【化2】 (式中、Zは、H、CH又はCHOAcである) のピラノシル構造のペルアセチル化ペントース又はペルアセチル化ヘキソースを
、式III:
【化3】 の4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾニトリルと反応させ、精製後に、式
IV:
【化4】 (式中、Zは上記に定義されている通りである) の対応するオシド化合物を得ること;次に (2°)必要に応じて、得られた式IVのオシド化合物のアセチル基を水素原子
で置換してがHである式Iの対応する化合物を得るために、このアセチル基に
おける置換反応を行うことからなる方法。
【化5】 (式中、Xはハロゲン原子(すなわち、F、Cl、Br又はI、好ましいハロゲ
ン原子はBrである)であり、Zは、H、CH又はCHOAcである) のピラノシル構造のペルアセチル化ハロゲノペントース又はペルアセチル化ハロ
ゲノヘキソースを、式III:
【化6】 の4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾニトリルと反応させ、精製後に、式
IV:
【化7】 (式中、Zは上記に定義されている通りである) の対応するオシド化合物を得ることも含む請求項5記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】 (2°)得られた式IVのオシド化合物のアセチル基を水素原子で置換して
Hである式Iの対応する化合物を得るために、このアセチル基における置換反応
を行うこと;さらに、がHである式Iの化合物をC−Cの酸でエステル化
することによって、他のエステル(この場合、はAc以外である)を得ること
からなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07M 7:00 C07M 7:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ソス サムレス フランス国 エフ−21121 デ, ルー ド ディジョン 33 Fターム(参考) 4C057 AA17 AA18 BB02 DD01 JJ23 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA08 GA16 MA01 MA02 MA04 MA05 NA14 ZA45 4H006 AA01 AA02 AA03 AB23 AC43 AC81 BA67 BB12 BB14 BB26 4H039 CA61 CD10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)式I: 【化1】 (式中グリコピラノシル基Rは、β−D−アラビノピラノシル基、β−D−リキ
    ソピラノシル基、β−D−リボピラノシル基、β−D−ガラクトピラノシル基、
    β−D−マンノピラノシル基、β−L−アラビノピラノシル基、β−L−キシロ
    ピラノシル基、α−L−アラビノピラノシル基、α−L−キシロピラノシル基又
    はβ−L−ラムノピラノシル基である) の[4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]グリコピラノシド化合物;及び (ii)それぞれのグリコピラノシル基の少なくとも1つのOH基をC−C アルカン酸又はシクロアルカン酸によってエステル化することから生じるそれら
    のエステル からなる群から選択されることを特徴とするグリコピラノシド化合物。
  2. 【請求項2】 グリコピラノシル基におけるヒドロキシル基がアセチル化され
    ることを特徴とする請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 治療に有効な量の請求項1記載の少なくとも1つの式Iの化合
    物又は少なくとも1つのそれらのエステルを生理学的に許容できる賦形剤ととも
    に含有することを特徴とする医薬品組成物。
  4. 【請求項4】 アテローム斑に対する治療において使用される抗アテローム薬
    を調製するための、請求項1記載の式Iの化合物及びそれらのエステルからなる
    群から選択される生成物の使用。
  5. 【請求項5】 式Iの[4−(4−シアノベンゾイル)フェニル]グリコピラ
    ノシド化合物又はそのペルアセチル化誘導体を調製する方法であって、 (1°)1,2,3,4−テトラアセチル−D−アラビノース、1,2,3,4
    −テトラアセチル−D−リキソース、1,2,3,4−テトラアセチル−D−リ
    ボース、1,2,3,4,6−ペンタアセチル−D−ガラクトース、1,2,3
    ,4,6−ペンタアセチル−D−マンノース、1,2,3,4−テトラアセチル
    −L−アラビノース、1,2,3,4−テトラアセチル−L−キシロース及び1
    ,2,3,4−テトラアセチル−L−ラムノースからなる群から選択される式I
    I: 【化2】 (式中、ZはH、CH又はCHOAcである) のピラノシル構造のペルアセチル化ペントース又はペルアセチル化ヘキソースを
    、式III: 【化3】 の4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾニトリルと反応させ、精製後に、式
    IV: 【化4】 (式中、Zは上記に定義されている通りである) の対応するオシド化合物を得ること;次に (2°)必要に応じて、得られた式IVのオシド化合物のアセチル基を水素原子
    で置換してRがHである式Iの対応する化合物を得るために、このアセチル基
    における置換反応を行うことからなる方法。
  6. 【請求項6】 工程(1°)が、1−ブロモ−2,3,4−トリアセチル−D
    −アラビノース、1−ブロモ−2,3,4−トリアセチル−D−リキソース、1
    −ブロモ−2,3,4−トリアセチル−D−リボース、1−ブロモ−2,3,4
    ,6−テトラアセチル−D−ガラクトース、1−ブロモ−2,3,4,6−テト
    ラアセチル−D−マンノース、1−ブロモ−2,3,4−トリアセチル−L−ア
    ラビノース、1−ブロモ−2,3,4−トリアセチル−L−キシロース及び1−
    ブロモ−2,3,4−トリアセチル−L−ラムノースからなる群から選択される
    式V: 【化5】 (式中、Xはハロゲン原子(すなわちF、Cl、Br又はI、好ましいハロゲン
    原子はBrである)であり、ZはH、CH又はCHOAcである) のピラノシル構造のペルアセチル化ハロゲノペントース又はペルアセチル化ハロ
    ゲノヘキソースを、式III: 【化6】 の4−(4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾニトリルと反応させ、精製後に式I
    V: 【化7】 (式中、Zは上記に定義されている通りである) の対応するオシド化合物を得ることも含む請求項5記載の方法。
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