JP4794285B2 - ベンジルフェノール誘導体またはその塩 - Google Patents
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Description
本発明は、ヒトSGLT2活性阻害作用を有し、腎臓での糖の再吸収を抑制し過剰な糖を尿中に排泄させることにより血糖低下作用を発揮する、下記のグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体またはその薬理学的に許容される塩、それを含有する医薬組成物およびその製造中間体を提供するものである。
前記一般式(II)で表されるベンジルフェノール誘導体またはその塩を2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−O−トリクロロアセトイミドイル−α−D−グルコピラノース、1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロミド、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルフルオリド等の前記一般式(III)で表される糖供与体を用いて、不活性溶媒中、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銀、塩化第二すず、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルなどの活性化剤の存在下に配糖化させることにより前記一般式(IV)で表される配糖体を製造することができる。用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、トルエン、アセトニトリル、ニトロメタン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、クロロホルム、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常−30℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。
前記一般式(IV)で表される配糖体をアルカリ加水分解させて水酸基の保護基を除去することにより本発明の化合物(I)を製造することができる。用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができ、塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどを使用することができる。処理温度は通常0℃〜還流温度であり、処理時間は使用する原料物質や溶媒、処理温度などにより異なるが、通常30分間〜6時間である。尚、水酸基の保護基の種類に応じて処理方法を常法に従い適宜変更または追加して実施することもできる。
前記一般式(V)で表されるベンズアルデヒド誘導体と前記一般式(VI)で表されるグリニャール試薬またはリチウム試薬若しくは前記一般式(V)で表されるグリニャール試薬またはリチウム試薬と前記一般式(VI)で表されるベンズアルデヒド誘導体を、不活性溶媒中、縮合させることにより前記一般式(VII)で表される化合物を製造することができる。用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常−78℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。
前記一般式(VII)で表される化合物を、不活性溶媒中、Dess−Martin試薬を用いて酸化することにより前記一般式(VIII)で表される化合物を製造することができる。用いられる溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1時間〜1日間である。
前記一般式(VIII)で表される化合物の保護基Mを常法に従い除去した後、(1)不活性溶媒中、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン等の塩基の存在下、クロロギ酸メチルと縮合し、(2)得られた炭酸エステル誘導体を水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて還元することにより、本発明の前記一般式(II)の化合物を製造することができる。反応(1)において、用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。反応(2)において、用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランと水との混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常1時間〜1日間である。尚、R4 が低級アルコキシカルボニル基である場合は、不活性溶媒中、水素化リチウムアルミニウム等の還元剤を用いてヒドロキシメチル基に還元した後、常法に従い水酸基を保護することにより本発明の前記一般式(II)の化合物に誘導することができる。還元時に用いられる溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。また、本発明の前記一般式(II)の化合物は、常法に従いナトリウム塩、カリウム塩等の塩に変換することができる。
前記一般式(VII)で表される化合物を、不活性溶媒中、塩酸等の酸の存在下または非存在下、パラジウム炭素粉末等のパラジウム系触媒を用いて接触還元した後、必要に応じて保護基を常法に従い除去や導入することにより本発明の前記一般式(II)の化合物を製造することができる。接触還元において用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸、イソプロパノール、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常室温〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜1日間である。尚、R4 が低級アルコキシカルボニル基である場合は、不活性溶媒中、水素化リチウムアルミニウム等の還元剤を用いてヒドロキシメチル基に還元した後、常法に従い水酸基を保護することにより本発明の前記一般式(II)の化合物に誘導することができる。還元時に用いられる溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などを挙げることができ、反応温度は通常0℃〜還流温度であり、反応時間は使用する原料物質や溶媒、反応温度などにより異なるが、通常10分間〜1日間である。また、本発明の前記一般式(II)の化合物は、常法に従いナトリウム塩、カリウム塩等の塩に変換することができる。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物には、水和物やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
4−(3−ベンジルオキシプロピル)ブロモベンゼン
水素化ナトリウム(60%、0.97g)、3−(4−ブロモフェニル)−1−プロパノール(1.0g)及びベンジルブロミド(0.69mL)のベンゼン(24mL)懸濁液を、加熱還流下7時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(40mL)、飽和食塩水(40mL)にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)にて精製し、4−(3−ベンジルオキシプロピル)ブロモベンゼン(1.4g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.85-2.00 (2H, m), 2.60-2.75 (2H, m), 3.47 (2H, t, J=6.2Hz), 4.50 (2H, s), 7.00-7.10 (2H, m), 7.20-7.45 (7H, m)
4−(4−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ安息香酸メチル
アルゴン雰囲気下1−ブロモ−4−エチルベンゼン(0.41mL)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、−78℃にて1.45mol/Lのtert−ブチルリチウムn−ペンタン溶液(2.3mL)を加えた。−78℃にて10分間撹拌後、反応混合物に4−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.18g)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加えた。氷冷下45分間撹拌後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、ジフェニルメタノール体(0.27g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(0.27g)をメタノール(5mL)に溶解し、濃塩酸(0.08mL)および10%パラジウムカーボン粉末(54mg)を加えた。水素雰囲気下室温にて18時間撹拌した後、触媒をろ去し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、4−(4−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.20g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.22 (3H, t, J=7.6Hz), 2.62 (2H, q, J=7.6Hz), 3.89 (3H, s), 4.00 (2H, s), 5.01 (1H, s), 7.05-7.25 (5H, m), 7.47 (1H, d, J=1.6Hz), 7.56 (1H, dd,J=1.6, 7.8Hz)
3−ヒドロキシ−4−(4−プロポキシベンジル)安息香酸メチル
アルゴン雰囲気下1−アリルオキシ−4−ブロモベンゼン(3.1g)のテトラヒドロフラン(70mL)溶液に、−78℃にて1.45mol/Lのtert−ブチルリチウムn−ペンタン溶液(11mL)を加えた。−78℃にて5分間撹拌後、反応混合物に4−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.89g)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を加えた。氷冷下30分間撹拌後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、ジフェニルメタノール体(0.99g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(0.99g)をメタノール(10mL)に溶解し、10%パラジウムカーボン粉末(0.30g)を加えた。水素雰囲気下室温にて24時間撹拌した後、触媒をろ去し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、3−ヒドロキシ−4−(4−プロポキシベンジル)安息香酸メチル(0.50g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.02 (3H, t, J=7.4Hz), 1.70-1.85 (2H, m), 3.80-3.95 (5H, m), 3.97 (2H, s), 4.99 (1H, s), 6.75-6.90 (2H, m), 7.05-7.20 (3H, m), 7.47 (1H, d, J=1.5Hz), 7.56 (1H, dd, J=1.5, 7.8Hz)
3−ヒドロキシ−4−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕安息香酸メチル
アルゴン雰囲気下2−(4−ブロモフェニル)エチルアルコール(1.7g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、−78℃にて1.45mol/Lのtert−ブチルリチウムn−ペンタン溶液(12.6mL)を加えた。−78℃にて10分間撹拌後、反応混合物に4−ホルミル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.50g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を加えた。氷冷下30分間撹拌後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液および水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/3)で精製し、ジフェニルメタノール体(0.28g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(0.28g)をメタノール(5mL)に溶解し、10%パラジウムカーボン粉末(0.14g)を加えた。水素雰囲気下室温にて14時間撹拌した後、触媒をろ去し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、3−ヒドロキシ−4−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕安息香酸メチル(0.26g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.37 (1H, t, J=5.9Hz), 2.84 (2H, t, J=6.5Hz), 3.75-3.95 (5H, m), 4.01 (2H, s), 5.10 (1H, s), 7.05-7.25 (5H, m), 7.47 (1H, d, J=1.6Hz), 7.56 (1H, dd, J=1.6, 7.8Hz)
2−(4−イソブチルベンジル)フェノール
2−ベンジルオキシブロモベンゼン(0.20g)、金属マグネシウム(0.026g)、触媒量のヨウ素及びテトラヒドロフラン(1mL)よりグリニャール試薬を調製した。得られたグリニャール試薬を4−イソブチルベンズアルデヒド(0.16g)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に加え、室温にて30分間撹拌した。反応混合物をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で精製し、ジフェニルメタノール体(0.23g)を得た。得られたジフェニルメタノール体をエタノール(3mL)及び濃塩酸(0.1mL)に溶解し、触媒量の10%パラジウムカーボン粉末を加え、水素雰囲気下室温にて一晩撹拌した。触媒をろ去し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/ヘキサン=1/1)にて精製し2−(4−イソブチルベンジル)フェノール(0.10g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
0.89 (6H, d, J=6.6Hz), 1.75-1.90 (1H, m), 2.43 (2H, d, J=7.2Hz), 3.97 (2H, s), 4.66 (1H, s), 6.75-6.85 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.00-7.20 (6H, m)
2−(4−イソプロポキシベンジル)フェノール
4−イソブチルベンズアルデヒドの代わりに4−イソプロポキシベンズアルデヒドを用いて、参考例5と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.31 (6H, d, J=6.1Hz), 3.93 (2H, s), 4.50 (1H, heptet, J=6.1Hz), 4.72 (1H, s), 6.75-6.85 (3H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.05-7.20 (4H, m)
2−(4−エトキシベンジル)フェノール
4−エトキシブロモベンゼン(1.5g)、金属マグネシウム(0.19g)、触媒量のヨウ素及びテトラヒドロフラン(2mL)からグリニャール試薬を調製した。得られたグリニャール試薬溶液に2−ベンジルオキシベンズアルデヒド(1.1g)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を滴下し、室温で30分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)及び水(20mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。抽出液を水(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製し、ジフェニルメタノール体(1.7g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(1.7g)をエタノール(25mL)に溶解し、濃塩酸(0.42mL)及び触媒量の10%パラジウムカーボン粉末を加え、水素雰囲気下、室温で18時間撹拌した。触媒をろ去し、減圧下濃縮した。残渣に酢酸エチル(100mL)を加え、飽和重曹水(30mL)及び飽和食塩水(30mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8/1)にて精製し、2−(4−エトキシベンジル)フェノール(0.85g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.39 (3H, t, J=7.1Hz), 3.93 (2H, s), 4.00 (2H, q, J=7.1Hz), 4.72 (1H, s), 6.75-6.85 (3H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.05-7.20 (4H, m)
2−〔4−(3−ベンゾイルオキシプロピル)ベンジル〕フェノール
4−(3−ベンジルオキシプロピル)ブロモベンゼン(3.2g)、金属マグネシウム(0.25g)、触媒量のヨウ素及びテトラヒドロフラン(10.5mL)よりグリニャール試薬を調製した。得られたグリニャール試薬溶液に2−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(1.1g)のテトラヒドロフラン(24mL)溶液を加え65℃で25分間撹拌した。室温に冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)及び水(20mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。抽出液を水(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製し、ジフェニルメタノール体(2.5g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(2.5g)をエタノール(42mL)に溶解し、触媒量の10%パラジウムカーボン粉末を加え、水素雰囲気下、室温で7.5時間撹拌した。触媒をろ去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/2)にて精製し、フェニルプロパノール体(1.6g)を得た。得られたフェニルプロパノール体(1.6g)を塩化メチレン(29mL)に溶解し、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.069g)、トリエチルアミン(1.0mL)及びベンゾイルクロリド(0.79mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(100mL)及び水(30mL)を加え有機層を分取した。抽出液を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)にて精製し、エステル体(2.2g)を得た。得られたエステル体(2.2g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.21g)及びメタノール(28mL)の混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)にて精製し、2−〔4−(3−ベンゾイルオキシプロピル)ベンジル〕フェノール(1.8g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
2.00-2.15 (2H, m), 2.70-2.80 (2H, m), 3.96(2H, s), 4.33 (2H, t, J=6.5Hz), 4.74 (1H, brs), 6.75-6.85 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.05-7.20 (6H, m), 7.35-7.50 (2H, m), 7.50-7.65 (1H, m), 8.00-8.10 (2H, m)
2−〔4−(2−ベンゾイルオキシエチル)ベンジル〕フェノール
4−(3−ベンジルオキシプロピル)ブロモベンゼンの代わりに4−(2−ベンジルオキシエチル)ブロモベンゼンを用いて、参考例8と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
3.04 (2H, t, J=7.1Hz), 3.98 (2H, s), 4.51 (2H, t, J=7.1Hz), 4.66 (1H, s), 6.75-6.85 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.05-7.25 (6H, m), 7.35-7.50 (2H, m), 7.50-7.60 (1H, m), 7.95-8.05 (2H, m)
5−アセトキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェノール
水素化リチウムアルミニウム(95mg)のジエチルエーテル(10mL)懸濁液に、4−(4−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(0.27g)のジエチルエーテル(5mL)溶液を氷冷下加えた。45分間加熱還流した後、氷冷下水(0.1mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(0.1mL)、水(0.3mL)の順に反応混合物に加えた。室温にて5分間撹拌後、混合物を0.5mol/Lの塩酸中にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、還元体(0.22g)を得た。得られた還元体(0.22g)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、酢酸ビニル(2mL)およびビス(ジブチル塩化すず)オキシド(24mg)を加え、30℃にて19時間撹拌した。反応混合物を直接シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、5−アセトキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェノール(0.21g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.21 (3H, t, J=7.6Hz), 2.09 (3H, s), 2.61 (2H, q, J=7.6Hz), 3.95 (2H, s), 4.74 (1H, s), 5.03 (2H, s), 6.80 (1H, d, J=1.3Hz), 6.80-6.90 (1H, m),7.05-7.20 (5H, m)
5−アセトキシメチル−2−(4−プロポキシベンジル)フェノール
4−(4−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ安息香酸メチルの代わりに3−ヒドロキシ−4−(4−プロポキシベンジル)安息香酸メチルを用いて、参考例10と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.02 (3H, t, J=7.4Hz), 1.70-1.85 (2H, m), 2.09 (3H, s), 3.88 (2H, t, J=6.6Hz), 3.91 (2H, s), 5.02 (2H, s), 5.28 (1H, s), 6.70-6.90 (4H, m), 7.00-7.20 (3H, m)
2−〔4−(2−アセトキシエチル)ベンジル〕−5−アセトキシメチルフェノール
4−(4−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ安息香酸メチルの代わりに3−ヒドロキシ−4−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕安息香酸メチルを用いて、参考例10と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
2.03 (3H, s), 2.09 (3H, s), 2.90 (2H, t, J=7.1Hz), 3.96 (2H, s), 4.25 (2H, t, J=7.1Hz), 4.82 (1H, s), 5.03 (2H, s), 6.80 (1H, d, J=1.5Hz), 6.87(1H, dd, J=1.5, 7.7Hz), 7.05-7.20 (5H, m)
2−(4−エチルチオベンジル)フェノール
1−ブロモ−4−(エチルチオ)ベンゼン(1.1g)、金属マグネシウム(0.12g)、触媒量のヨウ素及びテトラヒドロフラン(5mL)よりグリニャール試薬を調製した。得られたグリニャール試薬溶液に2−(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(0.56g)のテトラヒドロフラン(12mL)溶液を加え、65℃で10分間撹拌した。室温に冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)及び水(20mL)を加え、酢酸エチル(80mL)で抽出した。抽出液を水(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、ジフェニルメタノール体(0.91g)を得た。得られたジフェニルメタノール体(0.90g)を塩化メチレン(15mL)に溶解し、Dess−Martin試薬(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズイオドキソール−3(1H)−オン)(1.5g)を加え、25℃にて26時間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテル(75mL)及び1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(30mL)を加え激しく撹拌後、有機層を分取した。有機層を1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(30mL)、水(30mL×3回)及び飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=15/1〜9/1)にて精製し、ケトン体(0.82g)を得た。得られたケトン体(0.81g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.10g)及びメタノール(14mL)の混合物を60℃で4時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=15/1)にて精製し、脱保護体(0.69g)を得た。得られた脱保護体(0.68g)をテトラヒドロフラン(11mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.41mL)及びクロロギ酸メチル(0.22mL)を加え、25℃で1時間撹拌した。さらにトリエチルアミン(0.11mL)及びクロロギ酸メチル(0.061mL)を加え、30分間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(14mL)及び水(7mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(0.40g)を加え、25℃で7時間撹拌した。1mol/Lの塩酸(15mL)を滴下し、酢酸エチル(75mL)で抽出した。抽出液を水(20mL)、飽和重曹水(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8/1)にて精製し、2−(4−エチルチオベンジル)フェノール(0.62g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.29 (3H, t, J=7.3Hz), 2.90 (2H, q, J=7.3Hz), 3.96 (2H, s), 4.62 (1H, s), 6.75-6.80 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.05-7.20 (4H, m), 7.20-7.30 (2H, m)
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノール(46mg)と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−O−トリクロロアセトイミドイル−α−D−グルコピラノース(0.13g)の塩化メチレン(2mL)溶液に、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(0.033mL)を加え室温にて1時間撹拌した。反応混合物をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン)にて精製し、2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド(0.11g)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.91 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.08 (3H, s), 3.77 (3H, s), 3.80-3.95 (3H, m), 4.17 (1H, dd, J=2.5, 12.2Hz), 4.29 (1H, dd, J=5.5, 12.2Hz), 5.11 (1H, d, J=7.5Hz), 5.10-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.75-6.85 (2H, m), 6.95-7.10 (5H, m), 7.10-7.25 (1H, m)
2−(4−メチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−(4−メチルベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.89 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.07 (3H, s), 2.30 (3H, s), 3.80-3.95 (3H, m), 4.17 (1H, dd, J=2.5, 12.3Hz), 4.28 (1H, dd, J=5.5, 12.3Hz), 5.11 (1H, d, J=7.5Hz), 5.10-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.90-7.20 (8H, m)
2−(4−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−(4−エチルベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.20 (3H, t, J=7.6Hz), 1.87 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.08 (3H, s), 2.60 (2H, q, J=7.6Hz), 3.80-4.00 (3H, m), 4.18 (1H, dd, J=2.3, 12.2Hz), 4.28 (1H, dd, J=5.4, 12.2Hz), 5.11 (1H, d, J=7.5Hz), 5.10-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.90-7.25 (8H, m)
2−(4−イソブチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−(4−イソブチルベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
0.88 (6H, d, J=6.6Hz), 1.75-1.90 (1H, m), 1.87 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.08 (3H, s), 2.42 (2H, d, J=7.2Hz), 3.80-3.95 (3H, m), 4.18 (1H, dd, J=2.4, 12.3Hz), 4.29 (1H, dd, J=5.5, 12.3Hz), 5.11 (1H, d, J=7.6Hz), 5.10-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.90-7.25 (8H, m)
2−(4−エトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−(4−エトキシベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.39 (3H, t, J=7.0Hz), 1.91 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.07 (3H, s), 3.80-3.95 (3H, m), 3.99 (2H, q, J=7.0Hz), 4.18 (1H, dd, J=2.5, 12.3Hz), 4.28 (1H, dd, J=5.6, 12.3Hz), 5.10 (1H, d, J=7.7Hz), 5.15-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.75-6.85 (2H, m), 6.95-7.10 (5H, m), 7.10-7.20 (1H, m)
2−(4−イソプロポキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−(4−イソプロポキシベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.30 (6H, d, J=6.0Hz), 1.90 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.08 (3H, s), 3.80-3.90 (3H, m), 4.18 (1H, dd, J=2.3, 12.3Hz), 4.28 (1H, dd, J=5.5, 12.3Hz), 4.48 (1H, heptet, J=6.0Hz), 5.10 (1H, d, J=7.7Hz), 5.10-5.25 (1H, m), 5.25-5.40 (2H, m), 6.70-6.85 (2H, m), 6.90-7.10 (5H, m), 7.10-7.20 (1H, m)
5−アセトキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに5−アセトキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.20 (3H, t, J=7.6Hz), 1.88 (3H, s), 2.02 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.07 (3H, s), 2.09 (3H, s), 2.60 (2H, q, J=7.6Hz), 3.80-3.95 (3H, m), 4.20 (1H, dd, J=2.4, 12.3Hz), 4.27 (1H, dd, J=5.3, 12.3Hz), 5.00-5.10 (2H, m), 5.13 (1H, d, J=7.4Hz), 5.15-5.40 (3H, m), 6.95-7.15 (7H, m)
5−アセトキシメチル−2−(4−プロポキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに5−アセトキシメチル−2−(4−プロポキシベンジル)フェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.01 (3H, t, J=7.4Hz), 1.70-1.85 (2H, m), 1.92 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.07 (3H, s), 2.09 (3H, s), 3.80-3.95 (5H, m), 4.20 (1H, dd, J=2.4, 12.3Hz), 4.27 (1H, dd, J=5.3, 12.3Hz), 5.00-5.10 (2H, m), 5.12 (1H, d, J=7.4Hz), 5.15-5.40 (3H, m), 6.75-6.85 (2H, m), 6.95-7.10 (5H, m)
2−〔4−(2−アセトキシエチル)ベンジル〕−5−アセトキシメチルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェノールの代わりに2−〔4−(2−アセトキシエチル)ベンジル〕−5−アセトキシメチルフェノールを用いて、参考例14と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CDCl3)δ ppm:
1.89 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.03 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.07 (3H, s), 2.09 (3H, s), 2.88 (2H, t, J=7.1Hz), 3.85-3.95 (3H, m), 4.15-4.35 (4H, m), 5.00-5.10 (2H, m), 5.13 (1H, d, J=7.5Hz), 5.15-5.40 (3H, m), 6.95-7.15(7H, m)
2−(4−メトキシベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド(0.11g)のメタノール(4mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.12mL)を加え、室温にて30分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=10/1)で精製し、2−(4−メトキシベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド(65mg)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
3.35-3.55 (4H, m), 3.69 (1H, dd, J=5.1, 12.1Hz), 3.73 (3H, s), 3.80-4.00 (2H, m), 4.03 (1H, d, J=15.1Hz), 4.91 (1H, d, J=7.4Hz), 6.75-6.85 (2H,m), 6.85-6.95 (1H, m), 6.95-7.10 (1H, m), 7.10-7.20 (4H, m)
2−(4−メチルベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−(4−メチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
2.27 (3H, s), 3.35-3.55 (4H, m), 3.69 (1H, dd, J=5.2, 12.0Hz), 3.80-3.90 (1H, m), 3.94 (1H, d, J=15.0Hz), 4.05 (1H, d, J=15.0Hz), 4.85-4.95 (1H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 6.95-7.20 (7H, m)
2−(4−エチルベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−(4−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.15-1.25 (3H, m), 2.50-2.65 (2H, m), 3.35-3.55 (4H, m), 3.65-3.75 (1H,m), 3.80-4.00 (2H, m), 4.06 (1H, d, J=14.9Hz), 4.85-5.00 (1H, m), 6.85-7.00 (1H, m), 7.00-7.20 (7H, m)
2−(4−イソブチルベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−(4−イソブチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
0.80-0.95 (6H, m), 1.70-1.90 (1H, m), 2.41 (2H, d, J=7.1Hz), 3.30-3.55 (4H, m), 3.60-3.75 (1H, m), 3.80-3.95 (1H, m), 3.95 (1H, d, J=15.0Hz), 4.06 (1H, d, J=15.0Hz), 4.85-4.95 (1H, m), 6.80-7.20 (8H, m)
2−(4−エトキシベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−(4−エトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.35 (3H, t, J=6.8Hz), 3.35-3.55 (4H, m), 3.60-3.75 (1H, m), 3.80-4.10 (5H, m), 4.90 (1H, d, J=7.1Hz), 6.70-6.85 (2H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.00-7.20 (5H, m)
2−(4−イソプロポキシベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−(4−イソプロポキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.27 (6H, d, J=6.0Hz), 3.35-3.55 (4H, m), 3.69 (1H, dd, J=5.4, 12.1Hz),3.88 (1H, dd, J=2.0, 12.1Hz), 3.91 (1H, d, J=15.0Hz), 4.02 (1H, d, J=15.0Hz), 4.51 (1H, heptet, J=6.0Hz), 4.91 (1H, d, J=7.7Hz), 6.70-6.85 (2H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.00-7.10 (1H, m), 7.10-7.20 (4H, m)
5−ヒドロキシメチル−2−(4−プロポキシベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに5−アセトキシメチル−2−(4−プロポキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.02 (3H, t, J=7.4Hz), 1.70-1.85 (2H, m), 3.30-3.55 (4H, m), 3.65-3.75 (1H, m), 3.80-3.95 (4H, m), 4.00 (1H, d, J=15.0Hz), 4.54 (2H, s), 4.93 (1H, d, J=7.4Hz), 6.70-6.85 (2H, m), 6.85-6.95 (1H, m), 7.02 (1H, d, J=7.7Hz), 7.05-7.20 (3H, m)
2−(4−エチルベンジル)−5−ヒドロキシメチルフェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに5−アセトキシメチル−2−(4−エチルベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.19 (3H, t, J=7.6Hz), 2.57 (2H, q, J=7.6Hz), 3.30-3.55 (4H, m), 3.65-3.75 (1H, m), 3.85-4.00 (2H, m), 4.04 (1H, d, J=15.0Hz), 4.54 (2H, s), 4.93 (1H, d, J=7.4Hz), 6.85-6.95 (1H, m), 7.02 (1H, d, J=7.7Hz), 7.06 (2H,d, J=8.1Hz), 7.10-7.20 (3H, m)
2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕−5−ヒドロキシメチルフェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−メトキシベンジル)フェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの代わりに2−〔4−(2−アセトキシエチル)ベンジル〕−5−アセトキシメチルフェニル 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドを用いて、実施例1と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
2.76 (2H, t, J=7.1Hz), 3.30-3.55 (4H, m), 3.60-3.75 (3H, m), 3.85-4.00 (2H, m), 4.05 (1H, d, J=14.6Hz), 4.54 (2H, s), 4.92 (1H, d, J=7.2Hz), 6.85-6.95 (1H, m), 7.03 (1H, d, J=7.9Hz), 7.09 (2H, d, J=7.8Hz), 7.10-7.20(3H, m)
2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕フェニル β−D−グルコピラノシド
2−〔4−(2−ベンゾイルオキシエチル)ベンジル〕フェノール(0.49g)及び1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース(1.7g)のトルエン(5.2mL)及び塩化メチレン(2.2mL)溶液に、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(0.56mL)を加え、25℃で8時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(70mL)と飽和重曹水(25mL)を加え、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をメタノール(5mL)及びテトラヒドロフラン(2.5mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.14mL)を加え、25℃で12.5時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(75mL)と水(20mL)を加え、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をメタノール(7.5mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.085mL)を加え、25℃で5時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=4/1)にて精製した。溶媒を減圧下留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて、析出物をろ取した。得られた固体をジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥し、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕フェニル β−D−グルコピラノシド(0.47g)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
2.76 (2H, t, J=7.1Hz), 3.35-3.55 (4H, m), 3.65-3.75 (3H, m), 3.88 (1H, dd, J=1.8, 11.8Hz), 3.95 (1H, d, J=15.2Hz), 4.07 (1H, d, J=15.2Hz), 4.90(1H, d, J=7.4Hz), 6.85-6.95 (1H, m), 7.00-7.20 (7H, m)
2−〔4−(3−ヒドロキシプロピル)ベンジル〕フェニル β−D−グルコピラノシド
2−〔4−(2−ベンゾイルオキシエチル)ベンジル〕フェノールの代わりに2−〔4−(3−ベンゾイルオキシプロピル)ベンジル〕フェノールを用いて、実施例10と同様の方法で標記化合物を合成した。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.70-1.85 (2H, m), 2.55-2.65 (2H, m), 3.30-3.60 (6H, m), 3.69 (1H, dd, J=5.2, 11.9Hz), 3.88 (1H, dd, J=2.0, 11.9Hz), 3.95 (1H, d, J=15.1Hz), 4.06 (1H, d, J=15.1Hz), 4.90 (1H, d, J=7.3Hz), 6.85-6.95 (1H, m), 7.00-7.20(7H, m)
2−(4−エチルチオベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド
2−(4−エチルチオベンジル)フェノール(0.51g)及び1,2,3,4,6−ペンタ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース(2.4g)のトルエン(6.3mL)及び塩化メチレン(2.7mL)溶液に、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(0.78mL)を加え、室温で9時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(70mL)と飽和重曹水(25mL)を加え有機層を分取した。有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をメタノール(10.5mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.08mL)を加え、25℃で18時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル(75mL)と水(20mL)を加え、有機層を分取した。有機層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=10/1)にて精製した。溶媒を減圧下留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて、析出物をろ取した。得られた無色の固体をジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥し、2−(4−エチルチオベンジル)フェニル β−D−グルコピラノシド(0.51g)を得た。
1H−NMR(CD3OD)δ ppm:
1.24 (3H, t, J=7.3Hz), 2.88 (2H, q, J=7.3Hz), 3.35-3.55 (4H, m), 3.69 (1H, dd, J=5.0, 12.2Hz), 3.88 (1H, dd, J=2.0, 12.2Hz), 3.95 (1H, d, J=15.1Hz), 4.08 (1H, d, J=15.1Hz), 4.91 (1H, d, J=7.3Hz), 6.85-7.00 (1H, m), 7.00-7.10 (1H, m), 7.10-7.30 (6H, m)
ヒトSGLT2活性阻害作用確認試験
1)ヒトSGLT2発現プラスミドベクターの作製
SUPERSCRIPT Preamplification System(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES製)を用いて、ヒト腎臓由来のtotal RNA(Ori gene製)をオリゴdTをプライマーとして逆転写し、PCR増幅用cDNAライブラリーを作製した。上記ヒト腎cDNAライブラリーを鋳型として、配列番号1及び2で示される下記のオリゴヌクレオチド0702F及び0712Rをプライマーに用い、Pfu DNA Polymerase(Stratagene社製)を用いたPCR反応によりヒトSGLT2をコードするDNA断片を増幅した。増幅されたDNA断片をクローニング用ベクターpCR−Blunt(Invitrogen製)にこのキットの標準法に従いライゲーションした。常法により大腸菌HB101コンピテントセル(東洋紡(株)製)に導入した後、形質転換株をカナマイシン50μg/mLを含むLB寒天培地で選択した。この形質転換株の1つからプラスミドDNAを抽出精製し、配列番号3及び4で示される下記のオリゴヌクレオチド、0714Fおよび0715Rをプライマーとして用い、Pfu DNA Polymerase(Stratagene社製)を用いたPCR反応によりヒトSGLT2をコードするDNA断片を増幅した。増幅されたDNA断片を制限酵素XhoI及びHindIIIで消化した後、Wizard Purification System(Promega製)により精製した。この精製したDNA断片を融合化蛋白質発現用ベクターpcDNA3.1(−)Myc/His−A(Invitrogen製)の対応する制限酵素部位に組み込んだ。常法により大腸菌HB101コンピテントセル(東洋紡(株)製)に導入した後、形質転換株をアンピシリン100μg/mLを含むLB寒天培地で選択した。この形質転換株からプラスミドDNAを抽出精製し、ベクターpcDNA3.1(−)Myc/His−Aのマルチクローニング部位に挿入されたDNA断片の塩基配列を調べた。Wellsらにより報告されたヒトSGLT2(Am.J.Physiol.,Vol.263,pp.459−465(1992))に対し、このクローンは1塩基の置換(433番目のイソロイシンをコードするATCがGTCに置換)を有していた。この結果433番目の残基のイソロイシンがバリンに置換したクローンを得た。このカルボキシ末端側最終残基のアラニンの次から配列番号5で示されるペプチドを融合化したヒトSGLT2を発現するプラスミドベクターをKL29とした。
配列番号1 ATGGAGGAGCACACAGAGGC
配列番号2 GGCATAGAAGCCCCAGAGGA
配列番号3 AACCTCGAGATGGAGGAGCACACAGAGGC
配列番号4 AACAAGCTTGGCATAGAAGCCCCAGAGGA
配列番号5 KLGPEQKLISEEDLNSAVDHHHHHH
ヒトSGLT2発現プラスミドKL29を電気穿孔法によりCOS−7細胞(RIKEN CELL BANK RCB0539)に導入した。電気穿孔法はジーンパルサーII(Bio−Rad Laboratories製)を用い、OPTI−MEM I培地(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES製)500μLに対しCOS−7細胞2×106 個とKL29 20μgを含む0.4cmキュベット内で0.290kV、975μFの条件下行った。遺伝子導入後、細胞を遠心分離により回収し細胞1キュベット分に対し1mLのOPTI−MEM I培地を加え懸濁した。この細胞懸濁液を96ウェルプレートの1ウェルあたり125μLずつ分注した。37℃、5%CO2 の条件下一晩培養した後、10%ウシ胎仔血清(三光純薬(株)製)、100units/mLペニシリンGナトリウム(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES製)、100μg/mL硫酸ストレプトマイシン(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES製)を含むDMEM培地(Gibco−BRL:LIFE TECHNOLOGIES製)を1ウェルあたり125μLずつ加えた。翌日まで培養しメチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定に供した。
ヒトSGLT2一過性発現COS−7細胞の培地を除去し、1ウェルあたり前処置用緩衝液(140mM塩化コリン、2mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、10mM2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4)を200μL加え、37℃で10分間静置した。前処置用緩衝液を除去し、再度同一緩衝液を200μL加え、37℃で10分間静置した。試験化合物を含む取り込み用緩衝液(140mM塩化ナトリウム、2mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、5mMメチル−α−D−グルコピラノシド、10mM2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4)525μLに7μLのメチル−α−D−(U−14C)グルコピラノシド(Amersham Pharmacia Biotech製)を加え混合し、取り込み用緩衝液とした。対照群に試験化合物を含まない取り込み用緩衝液を調製した。また試験化合物およびナトリウム非存在下の基礎取り込み測定用に塩化ナトリウムに替えて140mMの塩化コリンを含む基礎取り込み用緩衝液を同様に調製した。前処置用緩衝液を除去し、取り込み用緩衝液を1ウェルあたり75μLずつ加え37℃で2時間静置した。取り込み用緩衝液を除去し、洗浄用緩衝液(140mM塩化コリン、2mM塩化カリウム、1mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、10mMメチル−α−D−グルコピラノシド、10mM2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸、5mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝液pH7.4)を1ウェルあたり200μLずつ加えすぐに除去した。この洗浄操作をさらに2回行い、0.2N水酸化ナトリウムを1ウェルあたり75μLずつ加え細胞を可溶化した。可溶化液をピコプレート(Packard製)に移し、150μLのマイクロシンチ40(Packard製)を加えマイクロプレートシンチレーションカウンター トップカウント(Packard製)にて放射活性を計測した。対照群の取り込み量から基礎取り込み量を差し引いた値を100%とし、取り込み量の50%阻害する濃度(IC50値)を濃度−阻害曲線から最小二乗法により算出した。その結果は以下の表1の通りである。
尿糖排泄促進作用確認試験
実験動物として一晩絶食したSD系ラット(SLC、雄性7週齢、180〜240g)を用いた。試験化合物10mgはエタノール300μLに懸濁または溶解させ、ポリエチレングリコール400 1.2mLおよび生理食塩水1.5mLを加えて溶解し、3.3mg/mL溶液とした。この溶解液300μLを希釈溶液2.7mL(生理食塩水:ポリエチレングリコール400:エタノール=5:4:1)に溶解し、0.33(mg/mL)の濃度の溶解液を調製した。ラットの体重を測定し、試験化合物溶液を3mL/kgの用量(1mg/kg)で尾静脈内投与した。対照群用に生理食塩水:ポリエチレングリコール400:エタノール=5:4:1のみを3mL/kgの用量で尾静脈内投与した。尾静脈内投与直後に200g/Lグルコース水溶液を10mL/kgの用量(2g/kg)で経口投与した。尾静脈内投与は26G注射針および1mLシリンジを用いて行った。経口投与はラット用ゾンデおよび2.5mLシリンジを用いて行った。1群あたりの頭数は2又は3頭とした。グルコース投与終了後から代謝ケージにて採尿を行った。採尿時間はグルコース投与後24時間とした。採尿終了後、尿量を記録し、尿中に含まれるグルコース濃度を測定した。グルコース濃度は臨床検査用キット:グルコースBテストワコー(和光純薬(株)製)にて定量した。尿量、尿中グルコース濃度および体重から24時間での体重200g当たりの尿糖排泄量を求めた。その結果は以下の表2の通りである。
急性毒性試験
雄性5週齢ICR系マウス(日本クレア製,29〜34g,1群5例)に4時間絶食後、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ベンジル〕フェニル β−D−グルコピラノシド(実施例10記載の化合物)に生理食塩水:ポリエチレングリコール400:エタノール=5:4:1を加えて調製した懸濁液(666mg/mL)を3mL/kg(2000mg/kg)の用量で皮下投与した。投与24時間後、死亡例は認められなかった。
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