JP2003517601A - 迅速な組織処理器 - Google Patents

迅速な組織処理器

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Abstract

(57)【要約】 改良されたマイクロ波装置及び該装置を組み込んだ組織処理システムが、迅速な組織処理での使用のために提供される。マイクロ波装置は、エネルギー発生源、及びマイクロ波エネルギーを反応チャンバーに伝達する導波路を含み、反応チャンバーは組織学のための組織検体を処理するように適応している。装置は、穏やかで均一な加熱を提供し、熱損失及び揮発性化学薬品の揮散は最少化されている。システムは、連続式及び/又はバッチ式で、かつ、手動又は自動で操作することができる。自動化システムは、連続的に投入して操作することができ、例えば、2時間未満での迅速な処理及び/又は細胞構造及び組織構築のような、本発明の利便を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本出願は、1998年8月19日に出願され受理された米国特許出願番号第0
9/136,292号の一部継続出願であり、1997年8月20日に出願され
た米国仮特許出願番号第60/056,102号の便益を主張するものである。
本出願は、又、1999年12月14日に出願された米国仮特許出願番号60/
170,545号の便益を主張するものである。
【0002】 (発明の背景) 1.発明の分野 本発明は、迅速で連続的な流れの、固定化から含浸までを行う組織学用の組織
の処理に関する。本発明は、特に、連続投入で操作することができ、異なった非
水性の化学溶液を逐次使用して組織検体を硬化し、包埋及び切片化に好適なワッ
クス含浸組織検体を作成する自動化された組織処理システムに関する。
【0003】 2.関連する技術の説明 従来の方法では、含浸する前に固定化のための燐酸塩バッファー10%ホルム
アルデヒド溶液、脱水のための順次エタノール濃度が増加する1組の溶液、及び
脱水剤を組織から除去するキシレンという別々の溶液中でインキュベーションす
ることによって、組織学用の組織は調製される。通常8時間以上に及ぶこのプロ
セスに要する時間の故に、これらの別々のステップ、即ち、固定化、脱水、清浄
化及び含浸を完了するのに、これらの作業のために設計された自動化された機械
的な装置を用いて一夜掛かるのが習慣になっている(例えば、米国特許第3,8
92,197号;第4,141,312号及び第5,049,510号を参照)
【0004】 そのような従来のプロセスを実行する自動化された組織処理装置は、例えば、
Shandon社(ハイパーセンター及びパスセンターモデル)、Miles−
Sakura社(TISSUE−TEKモデル)及びMopec−Medite
社(TPC15モデル)で製造され販売されている。
【0005】 先行技術の不利な点は、そのような自動化システムでは連続処理がまだ不可能
なことである。組織の処理を完了するのに必要な時間を仮定すると、昼の間に組
織を含有するカセットをシステムに装填し、組織処理は夜間サイクルに完了する
。このように、先行技術システムの操作は、組織を含有するカセットが一日の作
業時間内に完了するように処理されることを可能としなかった。
【0006】 例えば、TISSUE−TEK真空浸透プロセッサー(VIP)シリーズは、
処理を完了するのに8時間以上を必要とする。カセットを保持するバスケットは
レトルト内に置かれ、その中で組織が処理される。加えて14の供給タンクから
種々の組成の溶液がレトルトに供給される。この自動プロセスは、ユーザーによ
ってプログラム可能なソフトウエアによって制御される。回転バルブがレトルト
と種々の供給タンクの間の溶液の動きを規制し、バルブが開いている時圧力をか
け又は真空に引いて、それぞれ溶液をレトルトから汲み出したり或いはレトルト
へ汲み込む。一回の処理が完了すると、装置は直ちに自動的に清浄化サイクルに
使用される。この要求はパラフィンを使用しない場合のみ省くことができる。一
般的に、組織検体は以下のプログラムに従ってバッチで処理される。
【0007】
【0008】 一般的に、このような従来の方法では、時には作業日の日中手術室、診療室又
は他の現場から病理研究所へ組織検体を送り、夜間に検体のバッチ処理を行うこ
とが要求され、その結果ブロック化及び切片化に好適な組織検体は翌日の朝にな
らないと手に入らず、ブロック化及び切片化した検体から調製した切片の顕微鏡
による検査に基づく病理学者の診断は、翌日の遅い時間になってしまう(図1)
。このことは、検体を受け取ってから病理学者の報告書が届けられるまでほぼ2
4時間必要とする。現在従来法の短縮バージョンが実施されているが、これは小
さな生体組織検査に対してのみ実施可能である。これらの生体組織検査は、処理
サイクルを開始する前に少なくとも30分間固定化を行なう必要がある。装置の
処理サイクルは、最低70分間、好ましくは2時間乃至2.5時間継続するよう
に設定することが可能である。
【0009】 外科医が病理学者からの報告書の利便を受けるのに最低一日の遅れが生じるの
に加えて、検体のバッチ処理の要求から必要とされる、病理学研究所における作
業の流れの妨げに関連した問題、例えば、装置を通夜運転することに伴う安全問
題、起こり得る装置の故障のリスクと装置を監視する必要性、自動化した場合そ
のような処理に使用される大容量の試薬類の廃棄物の問題がある。更に、この処
理に使用される試薬類に関連して、有害な蒸気及び有毒物質に研究所の人間が曝
露されるのを防ぐために高価な対策が要求される。又、従来の方法によって生み
出される大容量の廃溶剤及びパラフィン砕片は、適切に廃棄されなければ環境を
汚染する。
【0010】 従来の固定化及び処理は、又、核酸類(例えば、DNA、及び、特にRNA)
の構造に不可逆の損傷(例えば、燐酸ジエステル結合の加水分解及び/又は脱ア
ミノ化)を与える原因になり、そのことが遺伝的技術を診断や研究に適用するの
を制限している。従って、殆どのDNA分析においては及びRNA分析の場合は
確実に、材料の取り扱いには特別の注意が必要とされ、例えば、分解を防ぐため
に新鮮な組織は直ちに凍結される。何故なら、遡及的な遺伝分析は従来の方法で
は損なわれるからである。
【0011】 凍結切片の組織学的診断は、パラフィンブロックから調製された切片と比較し
ていくつかの不利な点を有する。米国特許第3,961,097号は、以下の注
意を与えている。即ち、凍結切片から調製されたスライドは「品質の均一性を有
しない」、「同一検体の連続切片による検査は技術的に更に困難を伴う」、「検
体を切削する際、確実に十分な薄さとし、検体の細部を損傷する可能性を避ける
ために高度の注意が払われなければ成らない」、そして「もし組織が一旦溶けた
後切片化のために再凍結されると、極度に損傷を受けるので」、全てのスライド
は「組織が最初の凍結状態にある間に」調製されなければならない。
【0012】 診断を目的とする組織の処理及び分析を迅速化することに対する関心は、依然
存在する。更に、近年の健康管理の焦点は、組織処理を含む種々の手順のコスト
を低減する方向に向けられてきている。組織処理のコストは、検体の処理及び分
析に要する時間、研究所の要員及び装置に要求されるスペース、試薬類の容量(
薬品自体の購入価格及び廃棄物を処分する料金の両者)、及び必要な要員の数に
関係する。より重要なことは、患者及び彼らの外科医が、処置を誘導する病理学
者の評価と診断に依存していることである。組織処理を完了するのに要する時間
の短縮は、検体を得てから病理学者の報告書を外科医に届けるまでの期間経験す
る不安を軽減するであろう。
【0013】 組織処理に要する時間を短縮する必要性を認識した人たちは他にもいるが、彼
らは従来の方法に単にささやかな改良を加えているだけである。組織処理を迅速
化するために、米国特許第4,656,047号、第4,839,194号、及
び第5,244,787号では、マイクロ波エネルギーを使用し、米国特許第3
,961,097号及び第5,089,288号では超音波を使用し、そして米
国特許第5,023,187号では、赤外線エネルギーを使用している。米国特
許第5,104,640号は、非水性組成の固定化剤、安定剤、及びスライドに
血液塗抹を接着する可溶化剤を開示した。しかしながら上記の特許はいずれも、
検体を連続的に処理し、固定化からはじまり含浸に至る診断用の組織スライドを
調製する全工程が2時間未満で完了し得るということについては、教唆も示唆も
していない。
【0014】 組織処理に要する時間を迅速化するために、家庭の料理で使用されるものと同
様の設計のマイクロ波オーブンが使用されている。米国特許第4,656,04
7号は、脱水、清浄化又は含浸段階の少なくとも一つにマイクロ波エネルギーを
利用する組織処理の方法を請求している。固定化は組織検体を薬品の固定化剤に
浸漬し、次いで、検体を化学的に固定化するのに十分な時間マイクロ波エネルギ
ーにその検体を曝露することによって完了することができる。米国特許第4,8
39,194号は、40℃を超えない温度で組織検体を固定化する方法を請求し
ており、その方法ではマイクロ波エネルギーの非熱的効果が利用されている。米
国特許第4,839,194号及び第5,244,787号は、マイクロ波エネ
ルギーを利用して組織検体を染色する方法を請求している。
【0015】 組織処理のこれらの従来法では、マイクロ波エネルギーの分布は、マイクロ波
が共鳴するチャンバー内及びマイクロ波エネルギーを発生源からチャンバーへ導
く導波路内の反射及び干渉のために均一ではない。米国特許第4,835,35
4号は、マイクロ波との均一な接触を確実にする回転台、及び、マイクロ波を分
散し吸収するミキサー及び隔離装置を利用する、機械的な解決策を提案している
。米国特許第5,289,140号は、異なった波長及び/又は強度のマイクロ
波の組み合わせ、又は異なった周波数のマイクロ波を発生する発生源の組み合わ
せを利用する解決策を提案している。米国特許第5,796,080号は、導波
路と複数の共鳴チャンバーとの間に調節可能な緩和手段を設け、各チャンバー内
の化学反応を個別に制御して、導波路内の増強モードのマイクロ波が実質的に変
わらないようにすることを開示している。
【0016】 本発明者らは、上記特許に開示されたものとは異なる方法で組織処理の間穏や
かで均一な加熱を提供するマイクロ波装置を説明する。そのような操作は、処理
された組織への損傷を最少化し、その後の病理学者や細胞生化学者による組織学
的研究用として優れた検体を与える。上記で考察した特許に開示された解決法と
は対照的に、本発明のマイクロ波装置は、チャンバー内の内容物に影響され易い
共鳴チャンバーを使用しない。このことは、加熱領域の全ての寸法が使用するマ
イクロ波の波長の約10%〜20%より大きい場合、及び、チャンバー内の薬品
の組成が処理の段階によって異なる場合には、重要な考慮である。本発明におい
て、マイクロ波エネルギーは干渉効果を最少化するように溶液及び組織に分配さ
れる。エネルギーを分配することによって、1回材料を通過するだけでエネルギ
ーはその溶液及び組織に吸収される。
【0017】 本発明によってもたらされるいくつかの改良点は本明細書に要約されているが
、他の改良点は以下に記載される。本システムを使用すると手動操作に比較して
、反応チャンバーからの対流による熱損失及び反応チャンバー中の液体の蒸発速
度が低減され、揮発性物質が電子機器要素に接触することが避けられ、そして装
置近傍にいる研究所要員を保護するために排気され、人間の操作による処理に伴
う誤差が除外され、反応チャンバー中の液体の温度を維持するために装置に要求
される電力が削減され、そして労務費及び試薬コストが低減される。より実質的
には、開示されたプロセスによって処理された組織検体の品質における整合性が
改善される。一台のマイクロ波装置が有利に使用されてよいが、バッチ方式及び
/又は連続方式で行なわれる化学反応を促進するために、複数の装置を操作的に
及び物理的に結合してもよい。
【0018】 (発明の概要) 本発明の目的は、処理及び分析に要する時間を短縮し、かつ、そのためのコス
トを低減する、組織を処理するマイクロ波装置及びシステムを提供することであ
る。組織処理システムは自動化が可能であり、好ましくは、連続的に検体を受け
容れることが可能である。このことは、手術を受けようとしている患者に対する
外科的病理学の迅速な対応において、現在の慣習の転換を可能にするものであり
、手術室の隣での病理学者による局部医療(point−of−care)診断
をも可能にするものである。
【0019】 特に、マイクロ波装置は組織検体の穏やかな加熱を提供することができ、過熱
を防止できる。反応チャンバー内での均一な加熱は、チャンバー内の異なる場所
にある検体がほぼ同一の温度に維持されるのを確実にする。このように、チャン
バー全体の温度及び処理の各段階における温度の両者が、実質的に同じに維持さ
れる。チャンバーの好ましい配置は、ウィスパーリング ギャラリーモード(w
hispering gallery mode)に組み込まれる。従来のマイ
クロ波オーブンの不利な点(例えば、高温点では組織を過熱し、チャンバー内の
溶液を実質的に同じ温度に維持しない)は、本発明により解消される。
【0020】 組織処理システムは、少なくとも1個のモジュールのシステムとしてマイクロ
波装置を利用してよい。そのようなシステムは手動で操作してもよく、又は自動
化されてもよい。組織検体はシステム内に装填され、連続的に及び/又はバッチ
式に処理されてよい。生産性も、又、複数の個別のシステムを平行に配列して使
用することにより向上することができる。連続処理は、組織検体又はそのバッチ
を装填したモジュールの各組を、処理が完了する前にシステムを中断することな
く順次受け容れる。本システムは本明細書及び前に提出した特許出願に記載され
たプロセス、又は他の組織化学的反応での使用に適応することができる。
【0021】 本発明のマイクロ波装置は以下を含む:(a)マイクロ波エネルギーの発生源
、(b)マイクロ波エネルギーを発生源から反応チャンバーへ伝達する導波路、
及び(c)伝達されたマイクロ波エネルギーを受け取り、少なくとも硬化(例え
ば、固定化、脱水、又はそれらの組み合わせ)を開始することにより組織検体を
処理する。反応チャンバーは、複数の異なった組織検体を含んでよく、例えば、
反応チャンバーは組織検体を装填したキャリヤー又はバスケットを収納するよう
な構造を有してよい。好ましくは、反応チャンバーの内部の構造は、マイクロ波
エネルギー及び内容物の加熱の均一な分布を達成するように形成される。同様に
、発生源及び導波路は、マイクロ波放射を伝達する間最少のエネルギー損失を達
成するように配置されてよい。マイクロ波の発生源によって供給される出力、従
って反応チャンバーの内容物の加熱は、出力を連続的に変えることを可能にする
可変電流原によって規制される。
【0022】 マイクロ波装置は、更に、以下の組み合わせのいずれかを含んでもよい:反応
チャンバー内に取り付けられるように適合した取り外し可能な容器;反応チャン
バー内の条件を監視するための少なくとも一個の温度及び/又は圧力プローブ;
反応チャンバーに取り付けられるように適合した、反応チャンバーをオペレータ
ーの周囲から隔離するための囲い(例えば、反応チャンバーに取り付けられた又
は取り外し可能な上蓋);反応チャンバー内の熱を保持するための断熱材;電子
機器要素を反応チャンバー内の薬品から隔離するためのシール;及び少なくとも
一個のプローブ及び/又はタイマーからの入力を受け、発生源から放射されるマ
イクロ波エネルギーを規制するための制御回路。
【0023】 本発明とは対照的に、従来の方法は8時間又はそれ以上を必要とするために、
先行技術にはバッチ処理が必要とされる。先行技術においては、検体は自動化さ
れた装置の中に装填され、全装置サイクルが完了するまで追加の検体を装填する
ことはできない。先行技術の装置に装填した全ての組織検体は、全装置サイクル
の間同じ処理の段階にある。
【0024】 本発明に基づく更なる利点及び改善点は、以下に記載される。
【0025】 (発明の詳細な説明) 本明細書に開示されたマイクロ波装置は、従来の組織処理において有利に使用
されてよいが、本明細書及び米国特許出願第60/056,102号及び第09
/136,292号に記載されたプロセスでの使用の関係において開発され、そ
の使用に適応するものである。
【0026】 本発明により、これまでに150,000を超える組織検体が処理されている
(例示として図2を参照)。このことは、年間約30,000例、及び1例当た
り平均3個の検体が処理されたことを表す。固定化、脱水、及び含浸の段階は、
約2時間以内で実施し得る。このことは、病理学者が検体を受領後短時間で;恐
らく患者がまだ手術中に又は回復室にいる間に、評価することを可能にする。患
者の不安は、病理学的な診断に要する時間を短縮することによって有利に軽減さ
れ得る。迅速で連続的な流れの処理は、組織検体の厚みを薄くし、混合物で構成
される非水性溶液を使用し、高温で攪拌しながら溶液交換を行い、マイクロ波放
射を用いて組織及び溶液を均一に加熱し(例えば、全体で約3℃又は1℃未満の
変動)、真空下で含浸を行い、又はそれらの組み合わせで達成される。
【0027】 固体の組織の処理及び分析に関しては、1枚の組織切片は、顕微鏡下で観察す
るためには3乃至6ミクロンのオーダーでなければならないのに対して、切削に
より得られる新鮮な組織の最も薄い切片は約1mmであり、通常の切片は2〜3
mmのオーダーである。顕微鏡下での観察用の十分に薄い切片を作るためには、
(例えば、ミクロトームによる切削によって)より薄い切片が得られるように組
織を硬化する必要がある。本発明は、組織の硬化プロセスを大幅に促進し、それ
によって従来の通夜処理が全体で65分のオーダーのプロセスになった。
【0028】 本発明者らは、組織を病理学研究所で受け取った時点から2時間未満で、ミク
ロトームによる切削に好適な含浸した組織ブロックを調製することを可能にする
、簡便で、安全で、低コストで、迅速で、かつ、信頼できるプロセスを開発した
。本発明は、連続的な処理及び流れの検体を可能にし、自動化に対応可能であり
、有害な蒸気を伴うホルマリン及びキシレンの必要性を排除し、組織処理の標準
化を可能にし、そして従来の方法に比較してかなり少ない容量の試薬しか必要と
しないものである。新鮮な又はすでに固定化された組織のいずれも処理すること
ができる。
【0029】 組織処理に要する時間の短縮化に加えて、本プロセスによる組織の迅速な調製
は、従来の方法では失われていた組織構造及び形態の保存を可能にする。従来の
方法を使用すると、グリコーゲンは殆ど常に失われる。リンパ管、特に子宮筋層
のそれは従来の処理の間につぶれるが、本発明を使用するとそれらは広く開いた
状態を維持している。
【0030】 更に、本発明に従って処理された組織を用いた研究は、従来の処理方法に比べ
てDNA及びRNA抽出物をより良好に保存していることを示唆している。病院
や他の外科的な現場で得られた組織は、研究所に届けられると直ちに、組織学的
及び遺伝的研究の両者向けに処理することができ、将来の研究や他の応用向けに
保管用の材料が利用可能になる。先行技術に比較して、遺伝的材料の収率、保管
用形態での遺伝的材料の安定性、遺伝的材料の寸法及び原状維持性及び遺伝的材
料の化学的変化の低減における改善を期待することができる。
【0031】 本発明の意味する「組織検体」とは、本明細書に開示された方法で処理するこ
とができる一片の組織である。それは、又、いずれかの生体液(例えば、腹水、
血液、胸膜浸出液)からの単細胞類、或いは固形器官の吸引又は体腔の洗浄から
得られる細胞懸濁液をも意味する。単細胞類は、処理に先立ち沈降又は浮遊遠心
分離によりペレット化してよい。実施例中に示されるように、固形片(即ち、組
織切片)は、一般に組織学及び病理学用に処理される。
【0032】 「連続」処理という用語は、全プロセスの完了に要する時間(即ち、1時間乃
至数時間)の代わりに、プロセスの個々の段階の完了に要する時間(即ち、数分
)によって決定される間隔で、本発明のシステムに追加の組織検体をアクセスす
ることを意味する。本発明方法の如何なる時点においても、組織検体が処理の異
なる段階に置かれ得る。言い換えれば、本発明の組織処理の種々の段階に沿って
、検体を連続的に投入し、流すことが可能である。連続処理は、手動で又は自動
化された装置で達成することができる。
【0033】 プロセスの1つの態様においては、組織検体は固定化され、脱水され、そして
脂肪は除去(すなわち、脱脂)される。使用される混合物は、固定化剤及び脱水
剤からなる非水性溶液、好ましくはケトン及びアルコールで、アルコール対ケト
ンの容量比は約1:10から約10:1(このような極端な比率では、処理時間
が変わるか又は信頼性の乏しい結果になると思われる)であり、約1:6又は約
1:3より大きく、約3:1又は約6:1より小さく、約1:1またはそれらの
範囲の如何なる値(例えば、約1:1から6:1の間)でもよい。組織検体は、
約25分以内、約15分以内又は約5分以内の時間インキュベーションされてよ
い。インキュベーションの温度は、約30℃及び約80℃の間、約40℃又は約
50℃より高く、約70℃又は約75℃より低く、又はそれらの範囲の如何なる
温度(例えば、約40℃及び75℃の間)でよい。
【0034】 プロセスの他の態様は、組織検体の固定化、脱水及び清浄化である。好ましい
溶液は、アルコール及び清浄化剤である。プロセスのこの段階は約5分以内に完
了してよい。
【0035】 プロセスの更に他の態様においては、組織検体は、清浄化剤及び含浸剤から成
る単一の溶液中で清浄化され、含浸される。プロセスのこの段階は約5分以内に
完了してよい。切削する前に、含浸した組織検体は含浸剤中に包埋されてよい。
【0036】 固定化され、脱水され、そして脱脂された組織検体は、次いでワックス溶液中
で含浸される。組織検体の脱水に整合させて、ワックス溶液中の含水量はできる
限り低い方が好ましい。従って、ワックス溶液は、含浸の前に、ワックスを加熱
して溶解している水を全て蒸発させ、減圧下に脱気することにより調製されてよ
い。組織検体の含浸は、組織検体から全ての溶剤を除去し、組織検体中にワック
ス溶液を引き込むために、大気圧より低い圧力下及び昇温下で行ってよい。真空
引きは、検体中に存在する全ての溶剤の拡散を促進し、蒸発温度を下げることに
より含浸時間を短縮する。ワックス溶液は、脱気したパラフィン及び/又は鉱物
油を含んでよい。組織検体の含浸は、約25分以内、20分以内又は約15分以
内に完了してよい。ワックス溶液は室温で固体であり、約65℃又は約70℃を
超える温度で溶融してよい(例えば、含浸は約45℃及び約75℃の間の温度で
行われる)。切削する前に、含浸した組織検体は、含浸剤中で包埋され組織ブロ
ックを形成してよい。
【0037】 本発明の他の態様は、連続する溶液中で固定化から含浸に至る組織検体の処理
を行うことであり、少なくともその溶液のいくつかは、固定化、脱水、脂肪の除
去及び含浸の内の1つより多くの仕事を同時に行う混合物である。該混合物は固
定化剤、脱水剤及び脂肪用溶剤(例えば、ケトン及びアルコール)を含んでよい
。他の溶液は、固定化剤、脱水剤、脂肪用溶剤及び清浄化剤(例えば、ケトン及
びキシレン)を含んでよい。更に他の溶液は、清浄化剤及び含浸剤(例えば、キ
シレン及びパラフィン)を含んでよい。組織検体は、鎖長の異なる混合物(例え
ば、室温で液体である鉱物油及び固体であるパラフィン)を含むワックス溶液中
で含浸される。多くの薬品は多官能性であるが、混合物は1種より多くの薬品を
含有することが好ましい。好ましくは、混合物は、少なくとも2種又は3種の異
なる薬品(例えば、アルコール及びケトン;アルコール、ケトン、及び鉱物油又
はワックス)を含有する。
【0038】 処理時間は、非水性混合物(例えば、固定化剤−脱水剤−脂肪用溶剤、固定化
剤−脱水剤−脂肪用溶剤−清浄化剤、清浄化剤−含浸剤)、組織検体内の均一な
加熱を達成するためのエネルギー源としてのマイクロ波エネルギー、及び真空源
の使用による減圧により短縮することができる。溶液の組織検体中への拡散及び
薬品の置換は、機械的な攪拌、熱、減圧、又はそれらの組み合わせによって促進
することができる。
【0039】 上記の段階は、プロセス中で使用される溶液に強化剤、界面活性剤、又はその
両者を加えることにより、促進することができる。強化剤は、ポリエチレングリ
コール(PEG)、モノ及びジメチレングリコール、プロピレングリコール、ポ
リビニルピロリドンなどでよく、使用されるポリマーは、平均分子量が約100
及び約500の間又は約300である。界面活性剤は、ジメチルスルホキシド(
DMSO)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、TWEEN 8
0)、スルホこはく酸ジメチル、弱い家庭用洗剤などでよい。
【0040】 固定化により組織検体の硬化が開始し、タンパク質を安定化し細胞の分解を停
止することにより細胞の形態を保存することができる。化学的に固定化しない場
合は、内性の酵素が細胞を異化・溶解し、組織の微細構造が変わる。固定化剤は
ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン);アルデヒド(例えば、アセ
チルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサール);
アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール);酢酸、重
金属(例えば、酢酸鉛及びくえん酸鉛、水銀塩、クロム酸及びその塩、ピクリン
酸、四酸化オスミウム)などであってよい。固定化剤が適切でなかったことを示
唆する例としては、組織構造の分離、組織切片中の気泡、不十分な及び不均一な
染色、細胞の収縮、細胞質の凝集、核クロマチンの凝結及び不鮮明化、及び赤血
球の自己分解/溶血が挙げられる。一般にアセトンを用いた固定化は、長く暴露
すると組織が脆くなり極端な収縮の原因となるため、時間のオーダーではなく分
のオーダーの時間で完了する。更にホルマリンを用いる従来の固定化とは対照的
に、ケトン及びアルコールの使用は、化学的にそれらが結合することなしにタン
パク質を物理的に安定化することにより、固定化剤として作用するものと信じら
れている。
【0041】 脱水は、組織検体から水を除去し硬化を促進する。組織検体中の水を脱水剤で
置換することは、又、その後の含浸に用いられる材料での脱水剤の置換を促進す
る。この溶液の交換は、脱水用に揮発性の溶剤を用いることにより促進される。
脱水剤は、低分子量のアルコール類(例えば、メタノール、イソプロパノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチルブタノール、
アミルアルコール)、ケトン類、ジオキサン、アルキレングリコール類、エチレ
ングリコール、又はポリアルキレングリコール類であってよい。検体の脱水に失
敗すると不適切な含浸、切削中のリボンの形成不良、組織切片中の裂け目、構造
の分離、組織切片中の水の結晶、及び染色不良に至る可能性がある。
【0042】 マイクロ波放射も、又、化学的よりむしろ物理的に硬化を助長する。薬品混合
物の考察で記載したように、物理的及び化学的処理の組み合わせにより、処理時
間を短縮し及び/又は検体品質を向上することができる。特別の物理的又は化学
的処置の効果は、その処置を省いた組織処理への効果を調べることによって定量
することができる。
【0043】 組織検体中の脂肪は、清浄化及び含浸を妨げるため溶剤を用いて除去される。
不適切な脱脂は、組織切片の人為構造の拡大、組織切片のしわ、及び染色不良の
結果に至る。脂肪は、有機溶剤、例えば、アセトン、クロロホルム又はキシレン
を用いて組織検体から除去することができる。
【0044】 所望により、組織検体は清浄化される。清浄化剤は、もしそれらが含浸剤と混
和しなければ、組織検体から脱水及び/又は脱脂するために用いた溶剤類を抽出
する。組織は「清浄」になり、その不透明さはこの抽出によって低下する。清浄
化剤の例としては、キシレン、リモネン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、
石油エーテル、二硫化炭素、四塩化炭素、ジオキサン、ちょうじ油又はシードル
油が挙げられる。
【0045】 最後に、組織検体が好適に固定化され、脱水されると、以下のような薬剤で含
浸され及び/又は包埋される。この薬剤としては、例えば、パラフィン、鉱物油
、水不溶性ワックス、セロイジン、ポリアルキレングリコール、ポリエチレング
リコール、ポリビニルアルコール、寒天、ゼラチン、ニトロセルロース、メタク
リレート樹脂、エポキシ樹脂又は他のプラスチック類が挙げられる。含浸した検
体をブロック中にセットし、ミクロトームナイフを用いて10ミクロン以下の厚
みの切片を得る前に、細胞の形態を適切に保存して組織検体を硬化することが要
求される。好ましい含浸材料としては、市販の定型ワックス類、融点の異なるワ
ックス類の混合物(例えば、液体の鉱物油及び固体のパラフィン)、パラプラス
ト(paraplast)、ビオロイド(bioloid)、エンベドール(e
mbedol)、プラスチック類などである。本明細書の実施例ではパラフィン
が選択され使用されているが、その理由は、高価でないこと、扱い易いこと、こ
の材料によって供される凝集構造がリボン切削をし易くするためである。
【0046】 本方法は、細胞−細胞接触、組織構成、器官構造又はそれらの組み合わせを保
存しなければならない組織検体に対しては、特に好適である。本発明では(例え
ば、実施例3)、そのような検体は最小寸法で約3mm未満、約2mm未満、約
1.5mm未満又は約1mm未満の組織切片である。
【0047】 組織検体は、新鮮なもの、半固定化したもの(例えば、10%ホルマリンで2
〜3時間)又は固定化したもの(例えば、10%ホルマリン又は他のいずれかの
固定化剤で一夜固定化)であってよい。上記のプロセスは、組織検体の固定化か
ら含浸までの処理を、約2時間未満で、約90分未満で、約1時間未満で又は約
45分未満で、又は約30分で行うことを可能にする。各段階において、溶液が
適切な温度に達するのに要する時間は、各段階でのインキュベーション時間に比
べると微々たるものであり、全処理時間を計算する上では無視してよい。特に、
小さい生体組織検査及び厚さ約1.5mm未満の組織、並びに、脂肪を殆ど又は
全く含有しない組織は、迅速に処理することが可能である。組織は非水性溶液中
に入れて手術室から病理学研究所へ運ばれるが、そのような運搬溶液は、等容量
のPEG及び本明細書に記載の非水性混合物から成るものでよい。
【0048】 含浸に続いて、組織検体を包埋しブロックを作成することができる。組織検体
を包埋するのに使用する薬剤は、好ましくは含浸に使用した材料と同じものであ
るが、異なる含浸材料も使用してよい。ブロック化した組織検体はミクロトーム
に装着し、約1ミクロン及び約50ミクロンの間又は2ミクロン及び約10ミク
ロンの間の組織切片を作成することができる。組織切片は、組織化学的染色、抗
体結合、in situ核酸ハイブリダイゼーション/増幅、又はそれらの組み
合わせのために、更に処理されてよい。組織検体は、次いで一般的に顕微鏡によ
って検査されるが、細胞の性質を検出するために他の技術(例えば、自動血球計
算、オートラジオグラフィー、核酸の電気泳動)を用いて、処理した組織検体を
検査することもできる。
【0049】 含浸の前に、固定化、脱水及び脂肪の除去が組織を調製するために必要とされ
る。これらの段階は、処理の前に組織を好適な寸法にトリミングし、カセットを
使用してそのような組織ブロックを保持し、それらの固定化、脱水、脂肪除去及
び含浸用の溶液間の移動を容易にすることにより促進される。
【0050】 もし組織検体の処理が不完全な場合は、ミクロトームナイフで切削した切片は
、裂けた又は「破裂した」ように見える。以下の問題の一つ以上に遭遇した場合
は、組織処理に失敗したと思われる:包埋した組織ブロックが柔らか過ぎるか硬
過ぎる、切片に抜けがある、又は包埋剤とは異なる収縮量を示す、切片が粥状に
見える、組織がリボンを形成しない、又は湾曲している、切片が崩れる又は裂け
る、セ血球が溶解している、細胞質の凝集、クロマチンの凝結、仁の塩基親和性
染色、細胞の収縮、人為構造の拡大、及び虫食い効果。不完全な処理の他の示唆
は、ブロックから発生する有機溶剤の臭気及び/又は貯蔵後の包埋組織の収縮で
ある。
【0051】 本発明により作成されたガラススライド上のワックス含浸切片に関しては、染
色又は免疫組織化学を行う前に、ワックスは溶解され除去されてよい。組織切片
は再度水和され、次いで以下に記載されるように染色し又は抗体処理して分析さ
れる。染色が完了した後又は組織学的反応を展開した後、スライドにカバーをか
け顕微鏡下で観察される。或いは又、染色し又は抗体修飾した検体は、血球計算
装置を用いて研究することができる。組織ブロックは、保管目的又は遡及研究用
に保存することができる。
【0052】 本発明は、処理した組織からの核酸、DNA又はRNAの調製に適合する。従
って、臨床病理学研究所にて日常採取した検体を対象にした遺伝的研究が可能で
ある。これらの技術を組み合わせた力は大きいであろう。組織学的観察は、一つ
の切片を染色又は免疫組織化学で分析し、そして遺伝分析用に隣の切片から核酸
を調製することによって、遺伝学との相関をとることができる。例えば、同じ切
片の病気の及び正常な領域を比較して遺伝的相違(例えば、突然変異、転写のレ
ベル)を検出することができ、いくつかの時点で採取したサンプルの遺伝学的相
違を比較して病気の進行を特性付けることができ、そして初期がんから転移に至
る遺伝的相違の集積を調べて、腫瘍の発生を評価することができる。
【0053】 突然変異が生殖細胞系の場合は、病気の遺伝的素質を追跡するために使用され
、或いは突然変異が体性の場合は、病因における遺伝的変質を決定するために使
用される。病気は代謝上の又は神経学的な疾患、悪性、発生欠陥、又は感染性の
因子によって引き起こされる。本発明は、簡便な手順及び室温保管によって遺伝
的分析用の材料を保存する。
【0054】 本発明は、従来のプロセスで処理された組織に比べてより多くの平均分子量の
より大きい核酸を与える組織を保存するであろうということが期待される。
【0055】 組織の処理に関し、本発明は多くの特徴を持つ点で従来の方法と区別される:
(a)処理前の組織の薄片化;(b)組織検体の連続投入とシステム全体にわた
る連続的な流れ;(c)溶液からの水分の除去(即ち、非水性溶液);(d)均
一な加熱で行われる組織の固定化、脱水、脱脂、清浄化及び含浸(例えば、マイ
クロ波エネルギー);(e)固定化−脱水−脱脂用、固定化−脱水−脱脂−清浄
化用及び清浄化−含浸用の混合溶液;(f)脱気した含浸剤を用いた減圧下での
含浸;(g)有毒薬剤の除外(例えば、ホルムアルデヒド及びキシレン);及び
(h)試薬容量の低減。これらの特徴は、本プロセスを簡便で、実用的で、連続
投入及び連続流れの実施が容易で、そして自動化を可能にする。本発明に従えば
、これらの特徴の1つまたはそれ以上を用いて組織処理を行い、それらの利便性
を得ることができる。
【0056】 ヘマトキシリン−エオシン染色は、一般に組織学的研究に用いられ、病理学者
による比較の標準と考えてよい。加えて、本プロセスは、以下を含む他の染色法
と整合することが見出されている:三重染色、レチクリン(reticlin)
、ムチカルミン染色、及び以下の一般文献に記載されているような弾性染色(e
lastic stains):Thompson、[「選択された組織化学的
及び組織病理学的方法(Selected Histochemical an
d Histopathological Methods)」、C.C.Th
omas、Springfield、Illinois、1966]、Shee
han and Hrapchak、[「組織学技術の理論と実際(Theor
y and Practice of Histotechnology)」、
C.V.Mosby、St.Louis、Missouri、1973]、及び
Bancroft and Stevens、[「組織学技法の理論と実際(T
heory and Practice of Histological T
echniques)」、Churchill Livingstone、Ne
w York、New York、1982]。これらの染色手順は、完了する
のに30分から数時間を要する。但し、完了までにたった5分しか要しない迅速
染色手順も、Fisher Scientific社から市販されてはいる。
【0057】 組織は、剖検、生検(例えば、内視鏡的生検)、又は外科手術から得られる。
がんの手術の場合、染色した組織切片から病理学的診断を提供する能力は、患者
が手術室を出る前に使われる情報を外科医に提供するであろう。例えば、がんが
切除した組織に限定されるという病理学者の示唆は、外科医を処置に対して慎重
にさせ、隣の健全な組織を残させるであろう。或いは又、がんは切除した組織に
限定されないという病理学者の観察結果は、まだ患者が手術室にいる間に、より
積極的な外科的処置をとらせるであろう。
【0058】 本発明によって、これまでに150,000サンプル以上の組織が成功裡に処
理されており、これらは以下を含む:脳、胸、がん腫(例えば、腸、鼻咽頭、胸
、肺、胃)、軟骨、心臓、腎臓、肝臓、リンパ腫、髄膜腫、胎盤、前立腺、胸腺
、扁桃腺、臍帯及び子宮。無機質化組織(例えば、骨、歯)は、本プロセスによ
る処理の前にカルシウム除去が必要となる。例えば、組織は、Stephens
Scientific社(Allegiance Healthcare S
upply、カタログ番号1209−1A)からの塩酸/エチレンジアミン四酢
酸(EDTA)溶液を用いて、メーカーの指示に従ってカルシウム除去を行なう
ことができる。大きい骨の断片のカルシウム除去は、数時間又は時には数日必要
とするが、骨髄の生検は、約30分乃至約1時間でカルシウム除去を行なうこと
ができる。人体の殆ど全ての器官からの組織サンプル及び多数の異なった病気の
組織は、成功裡に処理されている。
【0059】 本発明で処理された組織切片は、又、免疫組織化学に使うことができる。本プ
ロセスは、抗原が回収され保存され、特定の抗原の回収と保存に最適な固定化剤
が選択されている組織検体を提供する。抗原は特異的抗体(即ち、一次抗体)に
よって結合され、非特異的結合部位は妨げられ、そして非結合抗体は除去される
。もしプローブ又は信号発生部分が標識されていれば、一次抗体を直接検出する
ことができるが、好ましくは、一次抗体を特異的に結合するタンパク質(例えば
、二次抗体)にプローブを結合する。二次抗体は、一次抗体の重鎖又は軽鎖のC
領域に対抗して増強される。このことは、各一次抗体は多くの二次抗体を結合す
るので、抗原−抗体結合体によって発生する信号を増幅する。或いは又、ビオチ
ン−ストレプタビジン(streptavidin)のような他の特異的な相互
作用を通して増幅を起こすことができる。抗体の結合は、高価な試薬の使用量を
減らし結合率を高く維持するために小容量で実施される。この小容量の蒸発は、
湿度チャンバー中でのインキュベーションによって軽減される。信号発生部分は
、他に組織内に存在しなければ、酵素であることが好ましい。例えば、アルカリ
性のホスファターゼ及びホースラディッシュペルオキシダーゼを、二次抗体に結
合するか又はストレプタビジンと結合体を形成させてよい。これらの酵素には、
肉眼での検出を可能にするために、色素産生の、又は蛍光或いは燐光を発する産
生物を産生する基質を利用することが可能である。
【0060】 対比染色によって明らかにされる、細胞構造という意味での抗原の発現位置を
定めるために、抗体に対する染色パターンを用いることができる。抗原の発現に
より、細胞又は組織のタイプ、発生段階、腫瘍の前兆としてのマーカー、変質的
な代謝プロセス又は病原菌による感染を同定することができる。
【0061】 抗原−抗体結合は、又、蛍光、放射性又は金属コロイドのプローブを用い、表
面蛍光、オートラジオグラフィー又は電子顕微鏡観察によって可視化することが
できる。同様のプローブを用いて、組織切片中の核酸をin situハイブリ
ッド化によって検出し、遺伝的変異又は転写を同定することができる。或いは又
、核酸(DNA又はRNA)を組織切片から抽出し、ブロッティングによって直
接分析することができ、又は更なる遺伝的分析の前に増幅することができる。
【0062】 本発明に従って提供される組織処理のための典型的なシステムに従って、例え
ば、単一の組織処理装置又は領域の中に、一連の組織処理ステーションが提供さ
れる。非限定的な例として、好適な組織処理施設を図3に例示する。このような
施設は、バッチ及び/又は連続モードのいずれであれ、組織処理システムの手動
操作に好適である。
【0063】 手術室、病理学研究所又はその他の場所で実施されるプロセスの第一の段階は
、硬化及び最終検査に好適な組織検体を調製することである。一般的に、問題の
組織の薄片が調製される。処理のために、薄い切片:約1mmから3mm厚、約
1mmから約2.5mm厚又は約1.5mmから約2mm厚、が得られてよい。
組織薄片は組織カセット又は他のホルダー中に置かれ、その後の処理の間硬化し
た検体が切片化される前まで、組織はその中に保持される。多数のカセットの取
り扱いを簡便にするため、カセットはキャリヤー又はバスケットの中に保持され
てよい。カセット又はホルダーは、次いで本発明に従って提供される第一溶液中
に置かれる。
【0064】 例示の方法により、カセット又はホルダー10は第一溶液14が中に入ったパ
イレックス(登録商標)ビーカー12の中に、それ自体で、又は限られた数の他
の同様の組織カセット又はホルダーと一緒のバッチにして置かれる。処理は実質
的に連続式に手動で行われる。図4を参照して、次いでビーカー12は振とう浴
16の中に置かれ、穏やかに攪拌及び加熱が行われる。本発明者らは、この目的
のためにLAB−LINE/DUBNOFFインキュベーター−振とう浴(図3
のB)を使用した。組織検体が曝される湿気を最少化する(事実、組織検体は最
終的に脱水される)ことが本発明者らの目標であるため、振とう浴16の熱伝導
流体18として、本発明者らは水よりむしろグリセリンを使用している。グリセ
リンは、熱エネルギーの有効な伝導体であるが蒸発しないという利点を有する。
蒸発は、不都合なことに組織が処理される環境の湿気を増し、定期的な換気を必
要とする。グリセリンは換気を必要としないだけでなく、周囲を加湿する必要も
ないため最も好ましい。プロセスのこの段階のために、(カセット又はホルダー
10中の)組織検体は、振とう浴18の中で約3分乃至約15分の間第一溶液中
に配置される。
【0065】 振とう浴段階の間、望ましくは補助的な攪拌も与えられる。外部ポンプ(図3
のA)が備えられ、そこから出ている管(示されていない)は溶液ビーカー12
又は他の容器に挿入され、通気して内容物を攪拌する。必要又は所望される場合
は、より均一な溶液の攪拌を供するために、通気拡散ノズル又は板が備えられて
よい。
【0066】 組織カセット又はホルダー10及びビーカー12を含む第一溶液が確実に上向
きで所望する配置を維持するように、本発明者らは、従来の振とう浴を改良し、
横方向のワイヤー又はステー20を設けた。例えば、4本のワイヤーで縦方向に
5チャンネルに区分けし、その中に組織カセット又はホルダーを含むビーカー1
2を配列することができる。従って、例えば、検体を含むビーカー12は周期的
に振とう浴18に加えてよく、十分処理された組織検体は代わりにそこから取り
外され、以下に記載されるように更なる処理に供されてよい。即ち、振とう浴の
左端に新しい検体が加えられ、その右端から十分処理された検体が取り外される
【0067】 組織カセット又はホルダー10は一連の流体に曝され、同時に攪拌され、マイ
クロ波放射で処理される。1つの態様においては、示されるように(図3のC、
D及びE)3つのマイクロ波装置が配置され、それぞれの装置は異なる溶液を有
し、その中に組織カセット又はホルダー10は所定の期間沈められる。或いは又
、もし導波路がマイクロ波エネルギーを異なる溶液へ伝達するなら、又は、異な
る溶液が一定の順序で移動するなら、単一のマイクロ波エネルギーの発生源を配
置することもできる。導波路にはより複雑な製造が要求され、そして、1個の組
織検体に対してそのような溶液の配置及び交換を行うことが、組織処理サイクル
の継続時間を顕著に増大させるものではないが、複数の溶液を受け持つ単一のマ
イクロ波装置の使用は、後に続く検体を考慮するとプロセスの連続性を歪める可
能性があると判断される。実際、一連のマイクロ波装置が配置されている場合に
は、ある組織検体は1つのマイクロ波装置から次の溶液を有する次のマイクロ波
装置へ移動し、後に続く組織検体は最初のマイクロ波装置に受け取ることができ
る。このように、各溶液のそれぞれにマイクロ波装置を配置することは、先行す
る検体が全てのマイクロ波処理段階を完了するまで、後に続く組織検体が待機す
る必要がないことを意味する。しかしながら、上記した連続性の歪みを残すもの
の、例示された3個のマイクロ波装置を2個に又は1個にさえも減少させること
ができるということは理解すべきである。同様に、プロセスの連続性と要員、装
置、所要面積などとのバランスから必要又は望ましいと思われる場合は、プロセ
スの他の段階は、組み合わせ又は補助的に組み合わせてよい。典型的なよりコン
パクトな装置は、図7を参照して、以下により詳細に考察する。
【0068】 組織処理のための典型的なマイクロ波装置22は図5に示される。マイクロ波
放射を適用するために、本発明者らはEnergy Beam Science
s社から得た研究所用マイクロ波オーブンを使用した。本発明者らは、2つの型
式H−2800及びH−2500のマイクロ波処理装置を使用したが、どちらの
型式も或いは他の同様のシステムも使用可能である。例として、パイレックス(
登録商標)ビーカー又は他のマイクロ波を吸収しない流体容器24を用い、3個
のマイクロ波装置(図3)の各々の中に、本発明に従う第2、第3及び第4溶液
を保持する。各浴の温度が確実に所望する範囲にあるように、温度プローブ26
を溶液中に備える。更に、組織処理を促進する攪拌を与えるために通気が行われ
る。本発明者らが使用したマイクロ波装置は、通気のための管28を含む。一本
の管を浴に挿入してよいが、より均一で完全な攪拌のためには、拡散板又はノズ
ルヘッド(示されていない)を、攪拌用の気泡を拡散するためのガス管28と共
に使用してよい。ガス管は、例えば、溶液の全容量を均一に攪拌するためには、
溶液を入れた容器の直径の実質的な部分を横切るように設ける。このような拡散
板及びノズルは公知であり、例えば、溶液の容器の底に設けることができる。攪
拌は、又、ポンプを用いて溶液を容器から出し入れする(例えば、容器を通じて
溶液を循環する)ことにより、又はP/Vサイクル(例えば、加圧下で10乃至
30秒使用した後減圧にし、再び加圧する)を用いることにより与えることがで
きる。
【0069】 従来の方法では、組織処理手順の一部としてパラフィンの脱気が行われる。脱
気によりパラフィンから有機溶剤が除去される。このプロセスを強化するため、
及びシステム内のパラフィンを再使用するため、本発明者らは連続脱気を提案す
る。これは、蓋付きのパイレックス(登録商標)・デシケータ・ジャー32の中
で、640mmHgの圧力に維持することにより達成される。
【0070】 マイクロ波放射を使用する3つの連続する段階の後、組織カセット(群)又は
ホルダー(群)はパラフィン浴(図3のJ)の中に置かれる。図6を参照して、
蓋付きジャー32の中に置かれた3個のパラフィン浴ステーション(ビーカー)
30を含むパラフィン浴を設ける。温度制御の目的で、ジャー32は、例えば、
Poly Science社の水浴34(図3のG)の中に置かれる。ジャー及
び蓋の両者のフランジの内側端部にグリースなどを付与して、ジャー及び蓋の間
を気密性の結合とし、このようにして蓋に設けられたホースコネクタ36を通じ
て真空に引くことができる。このような蓋付きのジャーの好適なものは、Fis
her Scientific社(型式01−092−25)から市販されてい
る。蓋付きジャー32の内部を真空にするために、従来の真空ポンプ38(図3
のF)が管40に結合し、この他端はコネクタ36に結合している。このような
電動ポンプの好適なものは、Fisher Scientific社から市販さ
れており、圧力は最大約100psiである。
【0071】 次に組織検体は包埋されなければならない。この目的のために、本発明者らは
従来のTISSUE−TEK床置型包埋システム(図3のI)を用いた。これは
Miles−Sakura社、例えば、型式番号4708、から市販されている
【0072】 包埋された組織検体は、次いでミクロトーム(図3のL)を用い従来の方法で
切削され、位置決めのために浮遊(float)(図3のM)させる。本発明者
らは、Leitz社のミクロトーム1512及びLipshaw社の電気組織フ
ロート型式375を用いた。ホットプレートも設けられる(図3のN)。
【0073】 薄片をスライド上に置いた後、スライドを加熱してパラフィンを溶解し、切片
をガラスに接着する。本発明者らは、Fisher社から市販されているIso
temp Oven 300シリーズを用いた(図3のK)。
【0074】 次にスライドは染色される。染色プロセスを促進するために、本発明者らは、
自動染色装置(図3のO)を使用し、要員の数及び所要時間を低減することを提
案する。非連続のプロセスは、Miles−Sakura社の多目的染色装置D
RS−601を使用することができ、これはバッチ方式でスライドを染色する。
或いは又連続プロセスは、Leica社の自動染色装置XLを使用することがで
き、これは脱脂段階を含んでいて、オーブン中で別にインキュベーション段階を
行うことを省略できる。免疫組織化学(IHC)染色装置(図3のP)及びIH
C制御装置(図3のQ)も示されている。固定化し染色された組織検体は、次い
で、例えば、TISSUE−TEK社のカバースリッパー型式番号4764(図
3のR)を用いてカバーをかけられる。
【0075】 上記したように、本発明に従って脱脂及び含浸を行うシステムは、一連の不連
続な装置であり得る。或いは又、同じく上記したように、1つ以上の段階を単一
の処理要素又は装置で実施し得る。使用する装置及びそれぞれの装置によって行
われる段階の数は、組織処理システムの連続性と完了までの所要時間に影響を与
える。従って、処理量が少ない場合には、単一の装置で複数の組織処理段階を行
う方が有利であり、処理の連続性に著しい影響を与えることはない。処理量がよ
り多い場合には、組織処理システムは2つ以上の装置構成とするか、装置の並列
使用がよい。
【0076】 典型的な組織処理システム42が、図7に例示される。システム42は、2つ
の補助装置:マイクロ波装置44及び含浸装置46、を含む。マイクロ波装置4
4は、溶液A、溶液B及び溶液Cの中に順次浸漬して処理中の組織のために設け
られており、それぞれの場合に溶液を攪拌し、組織にマイクロ波エネルギーを与
える。従って、例示の態様においては、容器48が設けられ、例えば、1つ以上
の組織カセット10が置かれている1つ以上のトレーキャリヤー50をこの容器
で受ける。容器48は、組織の脱水のためのそれぞれの溶液の供給源に流体が連
結している。従って、組織カセット(群)がそれぞれのトレーキャリヤー(群)
50の上に置かれると、溶液Aが容器48に導かれ、そして、例えば、通気管(
図7には示されていない)による攪拌と同時にマイクロ波エネルギーがそれに与
えられる。攪拌は、機械的な装置を用いて行うことができ、それらは溶液への気
泡吹き込み、溶液の振とう或いは振動、又は溶液への超音波エネルギーの移動を
引き起こす。或いは又、攪拌は、P/Vサイクル又はポンプを用いた循環によっ
て行われてよい。十分な時間のエネルギー付与が終わった後、溶液Aは抜かれ、
組織カセットに好ましくは溶液B又は溶液Aと溶液Bを組み合わせた液をかけて
、溶液Aの残液を実質的に除去する。次いで溶液Bが容器48に供給され、それ
に対してマイクロ波エネルギー及び攪拌が所定の期間再び与えられる。溶液Bの
処理が終わった時点で溶液Bはそのための貯蔵容器に戻り、組織検体に溶液Cま
たは溶液Bと溶液Cを組み合わせた液のいずれかをかける。その後溶液Cが容器
48に供給され、攪拌及びマイクロ波エネルギーが与えられ、最後に溶液Cが抜
かれる。異なる溶液の容器48への移動は、同じ数の専用の貯蔵容器、貯蔵及び
反応容器間の管または配管中流体を移動するポンプ、及び共通の管又は配管を使
用して異なる貯蔵容器と反応容器とを接続する多位置ロータリーバルブを使用す
ることによって、促進することができる。組織検体はこれで含浸できる状態であ
る。
【0077】 例示された態様においては、含浸は組織処理システムの第2含浸装置46で行
われる。これは、次の組織検体(群)がマイクロ波エネルギーで処理されている
間に含浸が行われるのを可能にする。もし単一の装置を使用する場合は、マイク
ロ波処理に使用される容器を含浸にも使用することは可能であるが、含浸段階の
間はマイクロ波エネルギーを与えることはできない。
【0078】 提案された含浸プロセスに従って、例えば、3又は4種類の、一連のパラフィ
ン溶液を、例えば、容器54の中の好適なトレーキャリヤー52上に配列された
組織カセットに供給し、逐次的なパラフィン浴を供して、組織調製プロセスの最
終段階として組織検体の含浸を行なう。組織検体は、含浸装置46の中で真空下
制御された加温された温度に置かれる。この段階の間、溶液への気泡吹き込み、
溶液の振とう或いは振動、又は溶液への超音波エネルギーの移動を起こさせる機
械的な装置を用いて攪拌が加えられてよい。或いは又、ポンプを用いてP/Vサ
イクル又は溶液の循環を用いた攪拌を行なってもよい。
【0079】 ここで、トレーキャリヤーは、容器間を手動で、又は保持枠或いは軌道コンベ
ア(図7には示されていない)によって移動してよい。組織検体の動きは、固定
キャリヤーを有する容器を異なる溶液で充填し、溶液の交換の間に容器を液抜き
することによって最少化することができる。スライド調製の残りの包埋などの段
階は、図3を参照して上記で概説したように行なわれる。
【0080】 マイクロ波装置は、過熱を防ぎながら組織検体に穏やかな加熱を与え、そして
反応チャンバー中の均一な加熱を提供して、チャンバー中の異なる位置にある検
体が殆ど同一の温度に維持されるのを確実にする。過熱は、マイクロ波場が強す
ぎるために起こる、組織検体の組織学的構造の変化と定義される。マイクロ波は
、周囲の溶液より組織検体をよく加熱することができる。この効果は、組織検体
から周囲へ熱が消散するのに十分な時間を与えることで最小化される。
【0081】 本発明のマイクロ波装置は以下を含む:(a)マイクロ波エネルギーの発生源
(例えば、マグネトロン、クライストロン、進行波管)、(b)マイクロ波エネ
ルギーを発生源から反応チャンバーへ伝達する導波路で、その寸法及び形状は本
目的に適応している)、及び(c)伝達されたマイクロ波エネルギーを受け取る
反応チャンバーで、少なくとも化学的固定化、脱水及び脱脂により組織検体を処
理するように適応している。反応チャンバーは、複数の異なる組織検体を含んで
よい。好ましくは、反応チャンバーの内部寸法は、均一なマイクロ波エネルギー
の分布及びその内容物の加熱を達成するように設計される。均一性は、一次的に
は二つの因子を考慮することにより達成される。
【0082】 第一に、反応チャンバーの周長は、チャンバーにおけるマイクロ波放射の半波
長の整数になるようにする。導波路の反応チャンバーへの入口の配置を適正にす
ると、モードは励起され外壁に沿って伝播する。このタイプのモードは、マイク
ロ波場が主に外壁近傍に集中することによって特徴付けられる。同様の現象は音
響学でも起こり、音波は固体壁の近くを非常に効率的に進行する。これらのモー
ドは、ウィスパーリング ギャラリーモード(shispering gall
ery mode)と呼ばれる。
【0083】 第二の考慮は、反応チャンバー内の溶液の境界と壁との間の放射方向の距離で
ある。最適なスペースは、そのスペースを変えることによって経験的に決定され
る。もしそのスペースが狭すぎると、マイクロ波放射は導波路の反応チャンバー
への入口近傍で大部分吸収される。もしそのスペースが広すぎると、反応チャン
バーは共鳴空洞となり、その中の非水性溶液及び固体(例えば、組織検体、カセ
ット及びバスケット)の量に敏感になる。適正なスペースでは、反応チャンバー
の外側の液面センサーによって計測される内容物の高さ(即ち、内部の容量)の
範囲を超えて、溶液及び固体の効率的な加熱が達成される。最大高さ(即ち、全
容量)の10%程の少量でも、依然内容物の効率的な加熱が提供される。
【0084】 同様に、発生源及び導波路はマイクロ波放射の伝達中のエネルギー損失を最少
にするように配置される。マイクロ波装置と導波路とは、発生源から反応チャン
バーへのエネルギー損失が2%以下になるように配置される。エネルギー損失が
これより高い場合は、マイクロ波エネルギーの発生源に対して高価な遮蔽物及び
他の保護装置が必要になる。
【0085】 加熱は、マイクロ波発生源の陰極の加熱特性によって最小時間が必要とされる
ため、約10秒乃至25秒のサイクルで周期的に出力をオン・オフすることによ
って制御される。しかしこの方式では組織を焼いてしまう可能性があるため、マ
イクロ波発生源によって反応チャンバーに供給される出力を連続的に変えられる
ように、可変電流源を通じて加熱を制御してよい。そのような焼け又は過熱は、
細胞の特徴が区別されることなく組織構造が均一に染色されることによって象徴
される。
【0086】 マイクロ波装置は、更に、以下のいずれかの組み合わせを含んでもよい:反応
チャンバー内に取り付けられ、少なくとも1個の組織検体(例えば、バスケット
)を受け取るように適応した取り外し可能な容器;反応チャンバー内の条件を監
視するための少なくとも1個の温度及び/又は圧力プローブ;発生源から送られ
、導波路を通じて伝達され、及び/又は反応チャンバーによって受け取られるマ
イクロ波エネルギーを監視するための1個以上のエネルギープローブ;反応チャ
ンバーに取り付けられ、オペレーターの周囲から反応チャンバーを隔離するよう
に適応した囲い;反応チャンバー内の熱を保持するための断熱材;電子機器要素
を反応チャンバー内の薬品から隔離するための遮蔽物;及び少なくとも1つのプ
ローブ又はタイマーからの入力を受け、発生源からの、導波路を通じて伝達され
た、及び/又は反応チャンバー内で受けた、少なくとも1つのマイクロ波エネル
ギーをそれにより規制する制御回路。
【0087】 シール用材料に要求される特性は、反応チャンバーを周囲から密封隔離する能
力、マイクロ波放射を実質的に吸収しないこと、囲いに適合する機密性の取り付
けを確実にする展性、及び処理溶液に対する耐薬品性である。(a)蒸発を低減
する囲い及び密封性シール、及び(b)断熱による反応チャンバーの改良は、マ
イクロ波装置の運転に要する電力を2分の1又は3分の1に低減し得る。
【0088】 図8Aは典型的なマイクロ波装置の上から見た部分断面図を、そして図8Bは
横から見た部分断面図を示す。マイクロ波エネルギーはマイクロ波管58から反
応チャンバー60へ導波路62によって送られる。インターロック64はマイク
ロ波装置が開いている間は作動しないことを確実にし、配列ピン66は装置が閉
まっていることを確実にする。断熱挿入材68は反応チャンバー60の内容物7
0を取り囲んで熱損失を低減する。攪拌装置72及び熱伝対74は、反応チャン
バー60の中に突き出して示される。組織検体(示されていない)を含むバスケ
ットを掴んで反応チャンバー60内に置き又は反応チャンバー60から取り出す
前に、蓋76は取り外さなければならない(例えば、ロボットアームによってハ
ンドル78を持ち上げて)。
【0089】 典型的なマイクロ波装置60の更に詳細な姿は、図8Cに示される。マイクロ
波装置は、反応チャンバー60が周囲から隔離されているので、別名MWレトル
ト80と呼ばれるが、組織検体を硬化するためには真空は必要としない。試薬出
入口82は、反応チャンバー60からの溶液の移動に使うことができ、又は空気
出入口84として使うことができる。溶接した1/4インチソケットは、断熱挿
入材68とMWレトルト80の間のシールを提供する。溶液の液面は、反応チャ
ンバー60の内側に接続した外部液面計86によって可視化することができる。
近接スイッチ88は液面センサーとして作用する。
【0090】 典型的なマイクロ波装置の電気構成要素は図9に示される。反応チャンバー6
0の内容物の温度制御は図10に示される。温度制御装置90は、所望する温度
にプログラムされる。制御信号92はマイクロ波装置へ送られ、電力94をマイ
クロ波発生源58に与える。マイクロ波エネルギーは、導波路62によって反応
チャンバー60に伝達される。熱伝対74は、反応チャンバー60の内容物の温
度を感知し、温度制御装置90へフィードバックする。次いで温度制御装置90
のアルゴリズム又は他のプログラムは、制御信号92を調節し、感知する温度を
所望する温度にほぼ等しくする。
【0091】 組織処理のシステムは、物理的に結合した一連のモジュール(例えば、操作可
能に結合したマイクロ波装置を備えた又は備えない反応チャンバー)を含み、組
織検体の固定化、脱水、脱脂、清浄化、及び/又は含浸の組み合わせを完遂する
ことができる。システムは、単一のモジュール又は複数のモジュールを含んでよ
い。各々のモジュールは全体の処理サイクルの一部を構成するが、個々のモジュ
ールは、その中に化学組成物を含有しているので、組織処理(即ち、固定化、脱
水、脱脂、清浄化、及び含浸)の1つ以上の段階を完遂してよい。少なくとも1
つのモジュールの反応条件及びシステムの他の性能特性(例えば、モジュール中
の化学薬品の量、モジュール内の又は化学薬品に接触している組織検体によって
使用した時間)の測定結果を受け取り、そしてオペレーターによる検索のためそ
の測定結果を蓄えるための記録計を備えることができる。
【0092】 モジュールは同じスペースを占有してよく、そして/又は、組織検体は固定し
て留まっていてよい。マイクロ波又は熱エネルギーは規制され、プロセスの中の
異なる時点において、同じスペース又は固定した組織検体に伝達される。化学溶
液及び/又は蒸気は、同じスペースへ又は同じスペースから移動し、固定した組
織検体と接触し又は離れる。1つ又は2つの反応チャンバーを使用し、異なる化
学組成物を分離した貯蔵及び/又は廃棄容器から管又は配管によって反応チャン
バーへ移送することによって、システムの所要スペースを最小化することが好ま
しい。制御装置が反応チャンバー及び/又は処理サイクルのその部分のタイミン
グからの入力を受け、それにより異なる化学組成物の輸送を規制することができ
る。
【0093】 或いは又、複数のモジュールを設け、該モジュールが少なくとも4、5又は6
種類の異なる化学組成物を含み、そして該モジュールが少なくとも一つのアーム
ロボット又は軌道コンベアを有してモジュール間を組織検体が移動してもよい。
従って、システムは、少なくとも1個、2個、3個又は4個のマイクロ波装置を
含んでよい。ある態様においては、もし組織検体がある化学組成物から同一組成
の他の化学組成物に移動するなら、処理サイクルの一部を同じモジュールに組み
合わせ、その中の化学組成物を交換することが可能である。従って、処理サイク
ルのある部分は組み合わせることができ、必要とされる異なるモジュールの数を
減らすことができる。流体を移動するための配管は、上記した他の実施態様に比
べて簡略化される。何故なら、化学組成物は全処理サイクルの間反応チャンバー
内に留まっていてよく、サイクル開始時の充填段階のみ反応チャンバーに移動し
、又はサイクル終了時の液抜き段階のみ反応チャンバーから移動する。モジュー
ルの数は、又、1つ又は2つ(例えば、1個のマイクロ波装置と1個の含浸装置
のみ)に減らしてよい。
【0094】 典型的な含浸装置を図11に示す。この装置は、含浸剤114を液状に保つた
めに加熱コイル112に熱流体(例えば、水)を流す。反応チャンバー120の
内部(例えば、加熱コイル112)又は外部を包む電線(示されていない)の内
側には、このコイルによって放射熱が供給される。蓋100及びガスケット10
2が反応チャンバー120を覆い、組織検体を含むバスケット(示されていない
)を掴む前に、ハンドル104を用いて取り外される。ここで、ヒンジ106は
、蓋100が反応チャンバー120にどのように取り付けられているかを示す。
含浸装置の該表面として、ステンレススチールが用いられてよい。断熱挿入材1
10の上の配列リング108は、バスケットが反応チャンバー120の中に適正
に配置されていることを確実にする。断熱挿入材110(例えば、デルリン又は
他のプラスチック材料)は、組織検体の含浸の間の熱損失を低減する。真空出入
口116を用いて反応チャンバー120内を減圧にし、含浸を促進する。蓋10
0及びガスケット102は、排気の後反応チャンバー120内の真空を維持する
。移動の間、含浸装置の反応チャンバー120の内容物の温度は、約2℃以内に
維持される。
【0095】 反応チャンバーへ、及び反応チャンバーから異なる溶液を移動するか、又は、
異なる溶液を含む反応チャンバー間でバスケットを移動するかのいずれかで、反
応ステップに変化を与えることができる。反応チャンバーの内部上方にバスケッ
トを約10秒保持すると、バスケットが移動する前に、底部及び/又は側部の1
つ以上の開口部を通じて過剰の溶液を戻すことが可能になる。従って、それぞれ
が特定の組成の組織処理薬品を有する反応チャンバー間をバスケットが移動する
順序、及び、バスケットが各反応チャンバー内でインキュベートされる時間が、
本発明のプロセスを完遂するために必要な一連の化学反応を決定する。
【0096】 蓋は取り外すことができ、ガスケットは蓋に取り付けて蓋と共に移動できる。
蓋及びガスケットを取り外すこのプロセスは、最初に組織検体が入っている反応
チャンバー、及び、その組織検体を次に移動しようとする次の反応チャンバーの
両者に対して行なわれる。次いでバスケットを引き上げ、バスケット及びその中
に含まれる全てのカセットから抜けた溶液を10秒間反応チャンバーに戻し、そ
のバスケットをプロセスの次の薬剤溶液を含む反応チャンバーへ移す。最後に蓋
及びガスケットを元の位置に戻す。このような移動の合計時間は約1分である。
【0097】 組織を処理するために、複数のモジュールを設け、該モジュールが少なくとも4
、5又は6種類の異なる化学組成物を含み、そして該モジュールが少なくとも一
つのアームロボット又は軌道コンベアを有して該モジュール間を組織検体が移動
してもよい。システムは、少なくとも1個、2個又は3個のマイクロ波装置を含
んでよい。本発明の好ましい態様においては、もし組織検体がある化学組成物か
ら同一組成の他の化学組成物に移動するなら、処理サイクルのこれらの部分を同
じモジュールに組み合わせ、その中の化学組成物を交換することが可能である。
従って、処理サイクルのある部分は組み合わせることができ、必要とされる異な
るモジュールの数を減らすことができる。流体を移動するための配管は簡略化し
てよい。何故なら、包含される多くの実施態様において、化学組成物は全処理サ
イクルの間反応チャンバー内に留まっていてよく、サイクル開始時の充填段階の
み反応チャンバーに移動し、又はサイクル終了時の液抜き段階のみ反応チャンバ
ーから移動する。もしモジュール間の移動が共通の時間帯の整数倍で発生するな
ら、制御回路も又簡略化することができる。異なるモジュールの数は、そのいく
つかは同一の化学組成物を含んでいてよいが、少なくとも4乃至10のいずれか
でよい。
【0098】 本発明に従えば、上記の態様の変形が期待される。組織処理システムの種々の
配列が可能であり、最適なモジュールを連結してシステムの1部分を形成してよ
い。選択される特定の配列は、臨床研究所で1日当たり処理される平均検体数の
よって、及び/又は、組織学又は病理学報告書が作成されなければならないスピ
ードによって、決定されてよい。
【0099】 本システムは、従来のマイクロ波オーブン、本発明の改良されたマイクロ波装
置、又はそれらのいかなる組み合わせを組み込んでもよい。
【0100】 本システムは、手動で操作されても自動化されてもよい。手動操作は研究や開
発に特に適している。何故なら、プロセス又は装置の変更が迅速に評価できるか
らである。自動装置に関しては、組織検体はアームロボット(armature
)又は軌道コンベアによって運搬することができ、及び/又は、化学組成物は耐
腐食性の配管によって移送することができる。このように、特定のシーケンスの
設定時間で組織検体が固定したモジュール間を移動し、モジュールに異なる化学
薬品を充填し及び液抜きし、その結果固定した組織検体が特定のシーケンスの設
定時間でインキュベートされるようにすることによって、又はそれらのいずれか
の組み合わせによって、組織処理を自動化することができる。
【0101】 アームロボット・コンベアは、例えば、はさみ様の機構で検体を掴み、又はフ
ック様の道具で検体を捕らえることができる。アームは関節を有して人間のよう
な動きを行なうことができ、又は直線又は二次元、そして所望によりアームの高
さをシステムより高く変えることにより、更に一次元を加えた動きをする固定座
標ラックに取り付けることもできる。軌道コンベアは、弾性の又は粘着性の材料
で作ることができ、検体を軌道上に摩擦で固定することができ、又は一定の連続
する土手又は壁を設けて、検体をその間に捕捉することもできる。軌道は連続ベ
ルトとして形成することができ、又はローラー又はスプロケット機構で駆動する
ベルトを用いて組織検体を運ぶ、1組のベルトであってよい。カセット又はホル
ダーは、掴むための軸(つまみ付き又はなし)又はアームで捕捉するための輪を
付けたり、軌道の溝又は凹部に取り付けたりすることにより、運搬に適応させる
ことができる。同様に、カセット又はホルダーは、大多数の検体を処理するため
に、アームロボット又は軌道コンベアによって運搬に適応しているキャリヤー又
はバスケットに編成してよい。
【0102】 電動モーター及び制御装置は、オペレーターの実時間の指令又は内蔵するプロ
グラムの選択によって、組織検体を運搬するために使用することができる。各モ
ジュールにおいて、組織検体によって占有される時間を制御する簡単な機構は、
組織サンプル又はそのホルダーを一定のスピードで移動し、各モジュールを通過
する経路の長さを、意図したインキュベーション時間滞留するように調整するこ
とであろう。
【0103】 配管又は軟質管、並びに他の配管要素は、組織処理に使用される薬品に対して
耐腐食性を有する必要がある(例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、テフロ
ン(登録商標)、ステンレススチール)。機械的又は電動ポンプ/バルブ及び制
御装置は、オペレーターの実時間の指令又は内蔵するプログラムの選択によって
、以下のいずれかの組み合わせで化学組成物を移動するために使用することがで
きる:貯蔵チャンバーから反応チャンバーへ;組成物が再使用され得る場合は反
応チャンバーから貯蔵チャンバーへ;組成物がシステムから排出される場合は反
応チャンバーから廃棄物チャンバーへ;貯蔵チャンバーを充填するために;そし
て廃棄物チャンバーから排出するために。化学組成物を反応温度に維持するため
に、又は化学組成物(例えばパラフィン含有の)が移動可能な流体状態を維持す
るために、配管要素の組み合わせを加熱することが必要である。反対に、腐食性
の蒸気をシステムの機械的及び電気的要素から隔離するために、蒸気シール及び
/又は冷却が必要である。
【0104】 検体は、連続で及び/又はバッチで処理することができる。
【0105】 自動化装置に対する安全の考慮及び注意(例えば、警報モニター、近接センサ
ー)もシステムに組み込むことができる。
【0106】 更に、付属品、使い捨て部品(例えば、カセット、網袋)及びシステムで使用
するように適応している試薬類も、システムの1部と考えることができる。これ
らの特別に設計された計器及び装置も、又、米国特許出願第60/056,10
2号及び第09/136,292号に記載されている。
【0107】 本発明は、病理学、患者の医療、生体医用研究及び教育の領域で、従来の方法
に比べて多くの利点を有するであろう。
【0108】 検体を受領後約1乃至6時間以内で組織検体の微視的診断を行なうことの実用
性は、迅速な、場合により実時間での、外科的介入と病理学的評価との間の臨床
上の相互作用を可能にするであろう。例えば、もし組織の処理に65分要すると
すると、静的診断は約2時間で得ることができる。このことは、病気の診断、予
後及び処置の計画を待つ間の患者の不安を取り除く、又は最小限に軽減すること
によって、患者の医療における著しい改善をもたらすことができる。
【0109】 従って、病理学研究所の作業の流れについて徹底した見直しが行なわれるであ
ろう。臨床研究所のスペース、病理学的専門技術及び事務員並びに技術者は、よ
り効率的に利用されるであろう。連続的な作業の流れは、検体を処理し評価する
病理学者の対応性及び迅速性を改善し、検体を処理し評価するのに要する病理学
者の数を削減し、そして医療教育、特に専門医学実習の対応性及び迅速性を改善
することができる。
【0110】 より少ない容量の試薬も、又、コスト削減に繋がるであろう。ホルムアルデヒ
ド及びキシレンの除外、及び他の有害な化学薬品の必要性の減少は、環境に対す
る利便性及び研究所の安全性の向上を提供するであろう。有害な化学薬品の取り
扱い及び廃棄に関係するコストも削減されるであろう。
【0111】 組織の固定化及び処理手順の標準化は、異なる研究所からの検体の比較を容易
にするであろう。ホルムアルデヒドの使用及び/又は長時間の処理に基づく組織
学における人為構造はなくなり、従って、正常な及び病気の組織の微視的な形態
学の、より詳細な評価が可能になるであろう。同様に、抗原検索、及び染色が改
善されるであろう。遺伝分析に関しては、ホルムアルデヒドにより誘起されたD
NAの突然変異はなくなり、保管資料からの核酸の抽出が強化されるであろう。
保管した、固定化したパラフィン包埋組織からのRNA研究の実現性は、診断及
び研究への応用の究極の道を拓くであろう。
【0112】 本明細書に記載された全ての書籍、記事、特許出願及び特許は、それらの全文
を参照することにより、本明細書の1部を構成する。
【0113】 以下の実施例は、本発明を例示することを意味するが、本発明の実施は、それ
らによって如何なる方法においても限定され制約されるものではない。N.B.
Energy Beam Sciences社の組織マイクロ波プロセッサーは
、商業用に利用可能な従来のマイクロ波オーブンの例である。
【0114】 (実施例) 実施例1 厚い組織を最大2mm、好ましくは1.5mm以下に薄切する。2mm厚又は
それ以下の薄片、或いは新鮮な又は既固定化組織の小生検材料を組織カセットに
保持し、以下の非水性第1溶液中においた。 40%イソプロピルアルコール; 40%アセトン; 20%ポリエチレングリコール(平均分子量300);及び 1%ジメチルスルホキシド(DMSO)(即ち、上記混合物1l当たり10m
l)。
【0115】 組織検体をグリセリン浴で45℃乃至50℃の間の温度で15分間インキュベ
ートした。固定化液400mlを水浴振とう装置(直線変位5cm/秒)中の5
00mlビーカーに入れた。固定化液をエアーポンプの通気によって更に撹拌し
た。
【0116】 固定化、脱水、脱脂、清浄化、及び含浸は、組織検体を3つの異なる溶液(即
ち、以下に記載した第2、第3、及び第4溶液)に、それぞれEnergy B
eam Sciences社製の3つの電子レンジ中で、順次曝露することによ
って行った。70%イソプロピルアルコール及び30%ポリエチレングリコール
(平均分子量300)の溶液1lを第1オーブン(モデルH2800)、150
0mlビーカー中に入れ、第2オーブン(モデルH2800)中の溶液は、15
00mlビーカー中の70%イソプロピルアルコール及び30%キシレン、1l
からなり、第3オーブン(モデルH2500)は、キシレン1000ml及びパ
ラフィン300gの溶液を1500mlビーカー中に含有している。1l当りD
MSO10mlをこれら3つの溶液に加える。マイクロ波照射によって60℃に
第1オーブンで15分間加熱し、第2、第3のオーブンで各々5分間加熱する(
75%パワー設定で2秒サイクル)。
【0117】 マイクロ波照射完了後にパラフィン含浸を続けるために、組織薄片は、グリセ
リン浴中にある、パラフィンを満たした大きなデシケーター内に置いた4つの5
00ml溶融パラフィン浴中で75℃にてインキュベートした。組織薄片を1つ
のパラフィン浴から次へと3分間隔、合計含浸時間12分で移した。各3分間隔
は、圧力の読みが約640mmHgになった時間から計った。この段階では撹拌
は行わなかった。
【0118】 実施例2 約1mm厚の新鮮な又は固定化組織薄片の固定化、脱水、脱脂、及びパラフィ
ン含浸は、これら組織薄片を以下の4つの連続した段階に曝露することにより4
0分間で行った。
【0119】 段階1. 本実施例では、第1溶液は、 60%イソプロピルアルコール; 10%アセトン; 30%ポリエチレングリコール(平均分子量300);及び ジメチルスルホキシド(DMSO)、全容量の約1%濃度添加; から構成されていた。この溶液1lは、組織カセットに保持された組織の60検
体を固定化するのに充分である。検体は、第1溶液を含有する一連の3つの浴中
で、各5分間、市販の組織マイクロ波処理機(H2500又はH2800、En
ergy Beam Sciences社)中、55℃でインキュベートし、溶
液の交換を促進するため通気により撹拌した。
【0120】 段階2. 検体を、70%イソプロピルアルコール、30%アセトン、及び約1%濃度に
加えたDMSOの溶液中60℃でインキュベートした。検体は、通気によって撹
拌された溶液を含有する2つのビーカー中で各5分、市販の組織マイクロ波処理
機(H2800、Energy Beam Sciences社)で加熱した(
総インキュベーション10分間)。
【0121】 段階3. マイクロ波照射後、60℃又は70℃のグリセリン浴中で、約200mmHg
に減圧下に5分間、大きなデシケーター中においた、25%鉱物油及び75%溶
融パラフィンのワックス溶液中でインキュベーションにより、含浸を開始した。
パラフィンは、実施例1に記載したように使用前に脱気を行った。
【0122】 段階4. 含浸は、グリセリン浴中で大きなデシケーター内においた溶融パラフィンの4
つの浴中で、75℃でインキュベーションにより完了した。組織薄片を1つのパ
ラフィン浴から次へと3分間隔、合計含浸時間12分で移した。各3分間隔は、
圧力の読みが約640mmHgになった時間から計った。
【0123】 本実施例においては、呈色指示保存溶液(イソプロピルアルコール1000m
l中メチレンブルー10mg)6mlをイソプロピルアルコール及びアセトンの
溶液それぞれに加えた。組織検体は、含浸及び処理中の処理を容易にするための
青色をつけ、組織検体の浸透は、又、組織検体中に一様な青色を観察することに
よって監視される。
【0124】 実施例3 約1ないし2mm厚までの新鮮な又は固定化組織薄片の固定化、脱水、脱脂、
及びパラフィン含浸は、以下により約65分間で行った。1.5mm以下の薄片
が整合性のためには好ましい。
【0125】 段階1. 本実施例では、第1溶液は、 40%イソプロピルアルコール; 40%アセトン; 20%ポリエチレングリコール(平均分子量300); 総容量の約0.5%濃度で加えた氷酢酸;及び ジメチルスルホキシド(DMSO)、全容量の約1%濃度添加; から構成されている。この溶液1lは、組織カセットに保持された組織の60検
体を固定化するに十分である。検体は、第1溶液を含有する1500mlビーカ
ー中で、15分間、市販の組織マイクロ波処理機(H2500又はH2800、
Energy Beam Sciences)中、65℃でインキュベートし、
溶液の交換を促進するため通気により撹拌した。
【0126】 段階2. 検体を、55%イソプロピルアルコール、25%アセトン、10%ポリエチレ
ングリコール(平均分子量300)、10%低粘度鉱物油、総容量の約0.5%
濃度に加えた氷酢酸、及び約1%濃度に加えたDMSOの溶液中でインキュベー
トする。検体は、通気によって撹拌された溶液を含有する1500mlビーカー
中で15分、市販の組織マイクロ波処理機(H2800、Energy Bea
m Sciences社)で65℃に加熱する。
【0127】 段階3. 検体を、55%イソプロピルアルコール、25%アセトン、20%低粘度鉱物
油、総容量の約0.5%濃度に加えた氷酢酸、及び総容量の約1%濃度に加えた
DMSOの溶液中でインキュベートする。検体は、通気によって撹拌される溶液
を含有する1500mlビーカー中で5分、市販の組織マイクロ波処理機(H2
800、Energy Beam Sciences)で65℃に加熱する。
【0128】 段階4. マイクロ波照射後、60℃のグリセリン浴中で、約640mmHgの減圧下に
5分間、大きなデシケーター中においた、30%低粘度鉱物油及び70%溶融パ
ラフィンのワックス溶液の2つの浴中でインキュベーションにより、含浸を開始
する。
【0129】 段階5. 含浸は、グリセリン浴中で大きなデシケーター内においた溶融パラフィンの4
つの浴中で、約75℃乃至80℃で、約640mmHgの減圧下で、各5分間、
インキュベーションにより完了する。組織薄片を1つのパラフィン浴から次へと
5分間隔、合計含浸時間20分で移した。各5分間隔は、圧力の読みが約640
mmHgになった時間から計った。
【0130】 実施例4 組織処理を図12に図示したシステムを用いて、以下の方法で行う。リザーバ
ーの液レベルをチェックし、レトルトを清浄にし、配管を操作前に液抜きする。
真空を引き、空気圧を上げて溶液を移動する。そして、もし必要なら、P/Vサ
イクルによってレトルト内の溶液を撹拌する。マイクロ波レトルトでの組織処理
(例えば、硬化及び初期含浸)は常圧で行われるので、減圧下の含浸のみに圧の
減少が必要となる。溶液及びレトルトを適当な操作温度に温める。
【0131】 カセット中の試料を含有するバスケットを装填する。もし、図13に示したシ
ステムが使われるなら、組織処理は、レトルトの各シリーズは独立してアクセス
することができるので、平行して行うことができる。アーム又はトラックが、装
填されたバスケットを装填位置からマイクロ波レトルト、そして減圧レトルトま
で移動する。レトルトは、硬化及び含浸用の図8及び11に示した反応チャンバ
ーに、それぞれ類似している。ビーカー挿入は使われず、蓋が反応チャンバーの
残りにヒンジによってつながれている。蓋は(例えば、蓋の上のハンドルをつか
むことによって)反応チャンバーをあけるために脇に動かすことができる。これ
によって、保持位置で蓋を停止することなく内部にアクセスできる。最後に、組
織含浸が完了すると、装填したバスケットは、減圧レトルトから溶融パラフィン
を含有する非装填位置に動かされる。位置間のバスケットの移動に要する時間は
、約10秒以下である。そして、組織カセットは、バスケットから除かれる。
【0132】 含浸試薬(例えば、鉱物油、ワックス)を含有する反応チャンバーは、通常の
加熱源を用いて加熱することができる。換言すれば、ヒーターは、溶融状態に保
つために、含浸試薬に接している配管内の水の循環温度を保っている。熱水は各
位置に必要なだけ循環することができ、各反応チャンバーは、往き還りのマニホ
ールドにつながっている。例えば、配管のコイルが反応チャンバー内にあり、こ
の加熱コイルが内容物に熱を伝える。好ましくは、加熱コイルは、反応チャンバ
ーの内容物に壁を通して熱を伝導するための電線で反応チャンバーの外壁を包ま
れて、分けられている。
【0133】 実施例3に記載されたプロセスはこのシステムに使用可能である。各異なる溶
液が3つのリザーバーの1つに蓄えられ、レトルトへ、又は、レトルトから輸送
することができる。例えば、3点式ロータリーバルブは、その段階に適したリザ
ーバーを選択することができ、250mmHgの正常圧では、ポンプによりレト
ルトに溶液を輸送することができ、0.35Kg/cm2では、レトルトから溶
液を移すことができる。撹拌は、正常圧0.35Kg/cm2で500mmHg
減圧のP/Vサイクルによって行うことができる。リザーバーとレトルトの間の
結合(例えば、フレキシブルチューブ)、及び各リザーバー又はレトルトをつな
ぐ結合がある出入口は、図示していない。その他の条件(例えば、各段階の時間
又は温度)は実施例3に記載した通りである。
【0134】 実施例5:組織薄片での抗原の検出 パラフィン薄片をミクロトームで3ミクロンの厚さの切片にし、水浴中におき
、スライドガラス上に浮かせた。スライドを58℃のオーブンで30分間、或い
は、好ましくは37℃のオーブンで約18時間又は一夜おくことによって、パラ
フィンを溶融し、次いでキシレン浴中で10分間脱ワックスした。スライドを、
エタノール濃度を順次減らしているエタノール溶液で各1分間(無水エタノール
で2浴、95%エタノールで2浴、及び90%エタノールで1浴)脱水し、流水
中に2分間漬けることによって洗滌した。
【0135】 内因性ペルオキシダーゼを6%過酸化水素(H22)及びメタノールの溶液、
又はメタノール140mlに6%H22の溶液35mlでブロックし、15分間
インキュベートした。スライドは、流水中に2分間及びPBSに2分間漬けるこ
とによって洗滌し、そして乾燥した。
【0136】 スライドを加湿室に移し、標準ウマ血清(NHS)を加え、10分間ブロック
した。過剰の標準ウマ血清をスライドからデカントし、特異的1次抗体を、室温
にて加湿室中、組織薄片上で、30分間インキュベートした。スライドを、スク
イーズボトルを用いて前後運動によりPBSで洗滌し、PBS浴中に2分間沈め
、そして過剰のPBSを各スライドから乾燥除去した。連結溶液(リンキング溶
液、二次抗体、ビオチン化抗ウサギ又は抗マウス抗体としても知られている)を
各組織薄片に加え、室温にて加湿室で25分間インキュベートした。これらウサ
ギ、ラット、及びマウス二次抗体(例えば、抗IgM、抗IgG)はDako(
Carpinteria、CA)から入手し、約1:600の希釈で使用した。
スライドは、スクイーズボトルを用いてPBSで洗滌し、PBS浴中に2分間沈
め、そして過剰のPBSを各スライドから乾燥除去した。
【0137】 シグナルは、製造者の指示書(Vector Laboratories社)
により展開した。アビジン−ビオチン複合体(ABC)溶液を組織薄片に加え、
加湿室で25分間インキュベートした。スライドを、スクイーズボトル中でPB
Sで洗滌し、PBS浴中のラックに2分間漬けた。ラックを、ジアミノベンジジ
ン(DAB)クロモゲン浴中に6分間漬け、流水中に漬けて4分間ゆるやかに洗
滌した。組織薄片を、室温で約15秒から90秒、ヘマトキシリンで対比染色し
た(染色時間は、ヘマトキシリンの経時変化による)。スライドを、過剰の対比
染色を除去するために3分間流水下で洗滌し、85%から100%のアルコール
浴中で脱水し(各々約10秒)、キシレンで清浄化し、カバーグラスとした。
【0138】 良好な抗原反応性が、プロゲステロン受容体、第VIII因子関連抗体、CD
−31,CD−68、サイトケラチン−7、クロモグラニン、及び平滑筋抗原で
示されたが、多分これらは、抗原がよりよく保存されているためであろう(例え
ば、より大きな、シグナル−ノイズ比)。
【0139】
【0140】 表2、抗体、希釈及びインキュベーション時間 ウサギ(R) マイクロ波(M) 30分インキュベーション マウス(MIgG) トリプシン(T) 45分インキュベーション マウス(MIgM) プロテアーゼ(P) 90分インキュベーション ヤギ(G) ファストグリーン(FG)
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】 実施例6:処理組織薄片からDNAの抽出 2つの6ミクロン厚の組織薄片を1.5ml微量遠心チューブにいれ、キシレ
ン800μlを加え、ボルテックスにより混合し、無水エタノール400μlを
加え、ボルテックスにより混合し、チューブを高速微量遠心器で5分間遠心分離
し、上澄をデカントした。ペレットに無水エタノール800μlを加え、ボルテ
ックスで混合した。
【0147】 上記と同じく遠心後、上澄をデカントし、界面活性剤/プロテイナーゼK溶液
100μl(1%NP40又はTritonX−100、2.5mg/mlプロ
テイナーゼK2.4μl)をペレットに加え、55℃にて1時間インキュベート
した。プロテイナーゼKを95℃、10分処理により不活化した。微量遠心で遠
心後のDNAを含有する上澄を、5分間貯える。この材料はPCRにかけられる
。もしサザンブロッティングを行うつもりならば、さらに沈殿及び/又は抽出を
行うべきである。制限酵素解析を行うためには、充分なDNAを得るために更に
薄片が必要である。
【0148】 実施例7:処理組織薄片からRNAの抽出 パラフィンブロックの10薄片(各7μm)をディスポ刃を用いて切り出した
。ブロックは、本発明の記載に従い、通常の処置によって調製された。50ml
ファルコンチューブにいれ、キシレン20mlで脱パラフィン化し、残りの薄片
は無水アルコールで30分間、2度洗滌した。組織は、4Mグアニヂウムチオシ
アン酸塩、25mMクエン酸ナトリウム、pH7.0、0.5%N−ラウリルザ
ルコシン、及び0.1M2−メルカプトエタノールを含有する溶液中に0.5g
m/mlに懸濁した。溶液を、ボルテックスにより混合し、DNAを18ないし
22ゲージの注射針を通してせん断した。
【0149】 RNA含有溶液を、数個の遠心チューブ(Sorvall)中で5.7MCs
Cl、2.8ml上に注意深く重層し、RNAをSW55Tiローターで、35
,000rpm及びBeckmanL8−53超遠心機で、18℃にて14時間
遠心によって沈殿した。頂上の画分を、チューブの底にあるRNAペレットを離
すために、注意深く分離した。ペレットをリボヌクレアーゼを含まない水で再懸
濁し、エッペンドルフチューブを14,000rpm、10分間遠心した。RN
Aを含有する上澄を保存し、紫外部(UV)吸収を測定した:1OD280/cm
の吸光係数が約40μg/mlRNAに等しいと推定して、OD260/OD280
が約1.8と約2.0の間にあるようにせしめた。総量45μgのRNAが本発
明の記載により調製された組織検体から抽出されたが、従来法で処理された組織
検体からはRNAは検出されなかった。
【0150】 本発明は、何が現時点で実際的であり好ましい実施態様であると考えられるか
に関して記述されたものであるが、本発明は、開示された実施態様に限定される
ものではなく、逆に、付属する特許請求の範囲の精神及び範囲内に含まれる種々
の修飾及び均等の配列を包含することを意図していることを理解されるべきであ
る。それゆえ、記載された発明の変形は本発明の新規態様から離れることなく当
業者に自明のことであり、そのような変形は以下の請求項の範囲内に入ることが
意図されていることが理解されるべきである。
【0151】 更に、本明細書に含まれている要素は、請求項に明らかに列挙されていない限
り請求の範囲の発明の制限であると解釈されてはならない。それゆえ、請求項は
、請求項に明らかに列挙されていない限定を入れるために明細書を用いる代わり
に、許された法的保護の範囲を決めるための基礎である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、組織検体が外科医によって採取された時から、組織切片の微視的検査
から病理学者による診断結果が作成される時までの、殆ど24時間の経過を示す
フローチャートである。
【図2】 図2は、本発明に従って、病理学者による診断が、組織検体を提供した外科医
に約2時間以内に利用できるようになるということを示すフローチャートである
【図3】 図3は、バッチ及び/又は連続モードで手動式で操作することができる、組織
処理システムの概略図である。
【図4】 図4は、手動式で操作される組織処理システムで使用するための、マイクロ波
加熱も真空引きも行なわない振とう浴を示す。
【図5】 図5は、手動式で操作される組織処理システムで使用するための、従来のマイ
クロ波オーブンを示す。
【図6】 図6は、手動式で操作される組織処理システムで使用するための、パラフィン
浴を示す。
【図7】 図7は、自動化した、バッチ及び/又は連続モードで操作することができる、
組織処理システムの概略図である。
【図8】 図8は、本発明のマイクロ波装置を示す。図8Aは上から見た部分断面図であ
り、図8Bは横から見た部分断面図である。図8Cは、マイクロ波装置の反応チ
ャンバーのより詳細な側面図である。
【図9】 図9は、本発明のマイクロ波装置の電気要素を示す。
【図10】 図10は、本発明のマイクロ波装置の制御の特徴のブロックダイヤグラムであ
る。
【図11】 図11は、本発明の含浸装置を示す。
【図12】 図12は、本発明の別の組織処理システムの概略図である。
【図13】 図13は、本発明の別の組織処理システムの概略図である(即ち、並行処理用
に配列した2系列のモジュール)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (71)出願人 エッセンフェルド、ハロルド ベネズエラ国、カラカス、レジデンシア ユタジエ、ピービー. ロカ、アベニダ スクレ デ ロス ドス カミノス、 ア ナトミア パタロジカ イ シトロジア (72)発明者 エッセンフェルド、エルビン ベネズエラ国 カラカス、レジデンシア ユタジエ、 ピービー、ロカ、アベニダ スクレ デ ロス ドス カミノス、 ア ナトミア パタロジカ イ シトロジア (72)発明者 エッセンフェルド、ハロルド ベネズエラ国 カラカス、レジデンシア ユタジエ、 ピービー、ロカ、アベニダ スクレ デ ロス ドス カミノス、 ア ナトミア パタロジカ イ シトロジア (72)発明者 モラレス、アゾライデス、アール アメリカ合衆国 フロリダ、マイアミ、エ ヌ、ダブリュ、 トウェルブス アヴェニ ュー 1611、イースト タワー、 ルーム 2046 (72)発明者 キムレイ、ハロルド、ディー アメリカ合衆国 テネシー、ノックスヴィ ル、 マクブライド レイン 10908、ス イート エイ Fターム(参考) 2G045 BA13 BB22 BB60 CB01 2G052 AA28 AB16 AD34 EB00 EC01 EC03 FD00

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織学用の約3ミリメートルより小さい組織検体を処理する
    ためのマイクロ波装置であって: (a)エネルギーの形としてマイクロ波放射を発生する発生源; (b)マイクロ波放射を伝達する導波路;及び (c)マイクロ波放射を受け取る第1の反応チャンバーであって、少なくとも
    第1の化学組成物及びそれに接触する組織検体が第1の反応チャンバーの壁内に
    囲まれている上記第1の反応チャンバー;を含み、 マイクロ波放射は、導波路によって発生源から第1の反応チャンバーへ伝導され
    、第1の反応チャンバーはマイクロ波放射のエネルギーにより内部の実質的に均
    一な温度分布を提供する内部配置を有しており、第1の化学組成物が第1の貯蔵
    チャンバーから第1の反応チャンバーへ運ばれ、そして組織検体は第1の化学組
    成物、マイクロ波照射、又は両者によって少なくとも最初に硬化されるものであ
    る、上記マイクロ波装置。
  2. 【請求項2】 (d)第1の反応チャンバーを分離するために適合された囲
    い; (e)第1の反応チャンバーを取り囲む断熱材; (f)組織検体と第1の化学組成物の間の化学的交換を促進する第1の反応室内
    の撹拌器;及び (g)第1の貯蔵チャンバーから第1の化学組成物で第1の反応チャンバーを
    満たすために、及び第1の反応チャンバーを空にするために適合された出入口;
    を更に含む請求項1記載のマイクロ波装置。
  3. 【請求項3】 第1の反応チャンバー内の溶液の温度が約50℃と約70℃
    の間に保たれている、請求項1記載のマイクロ波装置。
  4. 【請求項4】 第1の化学組成物が固定化液及び脱水剤を含む非水性溶液で
    ある、請求項1記載のマイクロ波装置。
  5. 【請求項5】 非水性溶液がケトン及びアルコールを含む、請求項4記載の
    マイクロ波装置。
  6. 【請求項6】 非水性溶液が、約1:3と3:1の間の範囲でアルコールの
    ケトンに対する体積比を有する、請求項5記載のマイクロ波装置。
  7. 【請求項7】 非水性溶液が約100と500の間の平均分子量のポリマー
    、及び界面活性剤を更に含む、請求項4記載のマイクロ波装置。
  8. 【請求項8】 組織検体をケトン及びアルコールを含む非水性溶液である一
    連の少なくとも2つの異なった化学組成物と接触に至らしめ、ケトンに対するア
    ルコールの体積比が少なくとも一連の2つの非水性溶液の間で変化する、請求項
    4記載のマイクロ波装置。
  9. 【請求項9】 組織検体が複数個の異なる化学組成物、マイクロ波放射、又
    は両者によって実質的に硬化される請求項1記載のマイクロ波装置。
  10. 【請求項10】 組織検体が約30分より少ない時間で実質的に硬化される
    、請求項1記載のマイクロ波装置。
  11. 【請求項11】 組織検体が約2時間より少ない時間で実質的に硬化される
    、請求項1記載のマイクロ波装置。
  12. 【請求項12】 発生源が周波数2425と2575メガヘルツの間のマイ
    クロ波放射を発生するマグネトロンである、請求項1記載のマイクロ波装置。
  13. 【請求項13】 内部配置が、第1の反応チャンバー内の溶液中の実質的に
    均一な温度分布を提供するウィスパーリング ギャラリーモード(whispe
    ring gallery mode)を含む、請求項1記載のマイクロ波装置
  14. 【請求項14】 反応チャンバーの各々が発生源に導波路によってつながれ
    ている、複数の反応チャンバーを含む、請求項1記載のマイクロ波装置。
  15. 【請求項15】 反応チャンバー及びその中に含有された化学組成物をそれ
    ぞれ含む複数のモジュールを含む、組織学用の約3ミリメートルより小さい組織
    検体を処理するためのシステムであって、組織検体が各モジュールの反応チャン
    バー内の各化学組成物に接触されることによって処理され: (a)請求項1のマイクロ波装置を含む少なくとも1つの第1のモジュールで
    あって、少なくとも第2の化学組成物が第2の貯蔵チャンバーから第1の反応チ
    ャンバーへ運ばれ、そして組織検体がそれによって少なくとも最初に含浸される
    上記第1のモジュール; (b)第2の反応チャンバーを含む少なくとも1つの第2のモジュールであっ
    て、組織検体の含浸が第2の反応チャンバーの壁内で常圧より低圧で実質的に完
    成される上記第2のモジュール;そして (c)該第1のモジュールと該第2のモジュールの間を組織検体を運搬する搬
    送手段を含む; 上記システム。
  16. 【請求項16】 搬送手段が該第1のモジュールと該第2のモジュールをつ
    なぐ軌道を含む、請求項15の組織処理システム。
  17. 【請求項17】 搬送手段が該第1のモジュールと該第2のモジュールをつ
    なぐアームロボット(armature)を含む、請求項15の組織処理システ
    ム。
  18. 【請求項18】 (d)第2の反応チャンバーを分離するために適合された
    囲い; (e)第2の反応チャンバーを取り囲む断熱材; (f)第2の反応チャンバーでワックスを溶融形態に保持するヒーター;及び (g)第2の反応チャンバーを溶融ワックス溶液で満たすために適合された出
    入口; を更に含む、請求項15の組織処理システム。
  19. 【請求項19】 第2の反応チャンバー内の溶液の温度が約50℃と約70
    ℃の間に保たれている、請求項15の組織処理システム。
  20. 【請求項20】 第2の化学組成物が固定化液、脱水剤、及び含浸剤を含む
    非水性溶液である、請求項15の組織処理システム。
  21. 【請求項21】 第2の化学組成物がケトン、アルコール、及び鉱物油を含
    む非水性溶液である、請求項15の組織処理システム。
  22. 【請求項22】 少なくとも4つの異なる化学組成物が別々の貯蔵チャンバ
    ー内にあり、少なくとも該第1のモジュール及び少なくとも1つの該第2のモジ
    ュールと液体のやりとりがある、請求項15の組織処理システム。
  23. 【請求項23】 少なくとも2つの平行した一連の(a)及び(b)タイプ
    のモジュールがあり、一連のモジュール内での組織検体の運搬が独立して制御さ
    れている、請求項15の組織処理システム。
  24. 【請求項24】 組織検体が約25分より少ない時間でワックスにより実質
    的に含浸される、請求項15の組織処理システム。
  25. 【請求項25】 組織検体が約2時間より少ない時間でワックスにより実質
    的に含浸される、請求項15の組織処理システム。
  26. 【請求項26】 組織処理用のマイクロ波装置であって: (a)マイクロ波放射発生源; (b)内部にマイクロ波放射伝達の実質的に均一な分布を提供するように形づ
    くられた内部を含む反応チャンバー; (c)発生源から反応チャンバーへマイクロ波放射を伝達する導波路; (d)少なくとも固定液及び脱水剤の混合物を含む第1の非水性溶液が第1の
    貯蔵チャンバーと反応チャンバーの間を運ばれる、反応チャンバーと液体のやり
    とりがある第1の貯蔵チャンバー;及び (e)少なくとも固定化液及び脱水剤の混合物を含む第2の非水性溶液が第2
    の貯蔵チャンバーと反応チャンバーの間を運ばれる、反応チャンバーと液体のや
    りとりがある第2の貯蔵チャンバー;及び (f)少なくとも固定化液、脱水剤及び含浸財の混合物を含む第3の非水性溶
    液が第3の貯蔵チャンバーと反応チャンバーの間を運ばれる、反応チャンバーと
    液体のやりとりがある第3の貯蔵チャンバー;を含み、 組織の硬化は、第1の非水性溶液、マイクロ波放射、又は両者の接触によって少
    なくとも反応チャンバー内で開始され;脱水剤と固定液の体積比が第1の非水性
    溶液から第2の非水性溶液へと増加し;組織含浸が少なくとも第3の非水性溶液
    と接触することによって反応チャンバー内で開始され;そして反応チャンバーが
    組織硬化及び組織含浸の速度を増加させる撹拌器及びヒーターを更に含むもので
    ある、 上記装置。
  27. 【請求項27】 加圧/真空サイクルによって貯蔵チャンバーと反応チャン
    バーの間の液体の輸送を制御する多位置ロータリーバルブ及びポンプを更に含む
    、請求項26のマイクロ波装置。
  28. 【請求項28】 反応チャンバー内の圧力が約500mmHg以上に保たれ
    ている請求項26のマイクロ波装置。
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