JP4559889B2 - 脱灰・脱脂用容器蓋 - Google Patents

Description

本発明は病理検査の生体組織標本作製工程の、特に生体組織の脱灰及び脱脂工程に使用されるビーカー及び容器の蓋に関する。

一般に、病理検査の生体組織標本作製工程における超音波を用いた生体組織の脱灰・脱脂工程では、脱灰液及び脱脂液内に生体組織を浸漬させることで脱灰・脱脂処理を行っている。

生体組織の脱灰・脱脂工程において、石灰化した生体組織の硬組織の脱灰及び脂肪分を多く含む生体組織の脂肪組織の脱脂が進行することにより、脱灰液及び脱脂液内で生体組織が浮上してくる。

生体組織標本作製工程では、生体組織を長時間外気にさらし乾燥させてしまうことは生体組織を破壊してしまうことから行うべきでなく、生体組織標本作製工程における脱灰・脱脂工程は基本的に脱灰液及び脱脂液内に生体組織を浸漬させておく必要がある。

又、生体組織を十分に脱灰液及び脱脂液内に浸漬させることにより、超音波を用いた生体組織の脱灰・脱脂工程の効果を上げ、処理時間を短縮させることができる。
特願２００４−１６３３３９ 特願２００４−１６３３５６ 医歯薬出版株式会社発行 臨床検査学講座 病理学／病理検査学

本発明は超音波を用いた生体組織の脱灰・脱脂工程において、生体組織がビーカー又は容器に入った脱灰液及び脱脂液内で浮上してしまい、生体組織を脱灰液及び脱脂液内に浸漬している状態を保つことができていないことを課題とする。

上記課題を解決するために、第一発明は、生体組織がビーカー又は容器に入った脱灰液及び脱脂液の液面まで浮上してこないよう組織浮上防止板を設けた構造を特徴とする、ビーカー又は容器の蓋である。
また、第二発明は、生体組織の大きさによって脱灰液及び脱脂液の量が変化した場合においても、生体組織をビーカー又は容器に入った脱灰液及び脱脂液に浸漬している状態を保つことができるよう組織浮上防止板の位置を変えられる構造を特徴とする、ビーカー又は容器の蓋である。

第一発明、または第二発明によれば、生体組織がビーカー又は容器に入った脱灰液及び脱脂液の液面まで浮上してこないようにしたことにより、生体組織の脱灰・脱脂工程の効果を上げ、処理時間を短縮させることができる。

この発明の一実施形態を、図１に示す。
ビーカー及び容器の蓋１はビーカー及び容器内に水が入らないような構造であり、この蓋１の下部位置に生体組織の浮上を防止する組織浮上防止板２が設けられている。この蓋１の中央を縦に貫き、組織浮上防止板２を支える上下調節棒３がある。また、組織浮上防止板２は、脱灰液及び脱脂液にスムーズに沈むように液通路穴４を設けている。
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、組織浮上防止板２の働きで、脱灰・脱脂工程を行った生体組織がビーカー又は容器に入った脱灰液及び脱脂液の液面まで浮上し外気にさらされることを防止し、生体組織を脱灰液及び脱脂液内に浸漬させておくことができる。また、上下調節棒３と蓋１の接する部分をネジにすることで、組織浮上防止板２の上下位置の調節を可能とし、脱灰液及び脱脂液の量が変化した場合においても、脱灰液及び脱脂液内に生体組織を浸漬させている状態を保つことができる。

「他の実施形態」
図１の実施形態では、組織浮上防止板２の上下位置を調整する上下調節棒３の形状が蓋１の中央を縦に貫くような棒状であったが、他の実施形態では、蓋１の外側を筒状に縦に貫くような円筒状にしたものでも良い。

本発明の構成の例を示す模式図である。

符号の説明

１ 蓋

２ 上下調節棒

３ 組織浮上防止板

４ 液通路穴

Claims (1)

1. 
   超音波を用いた生体組織の脱灰・脱脂工程において、脱灰液及び脱脂液に生体組織を浸漬できるビーカー又は容器で、生体組織が脱灰液及び脱脂液から浮き上がらないようにするための蓋であって、生体組織の大きさによって脱灰液及び脱脂液の量が変化した場合においても、生体組織がビーカー又は容器に入った脱灰液及び脱脂液に浸漬している状態を保てるよう組織浮上防止板の位置を調整可能にした構造を特徴とするビーカー又は容器の蓋

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