JP2003517042A - 単純ヘルペスウイルスワクチンに対する免疫応答を強化する方法 - Google Patents

単純ヘルペスウイルスワクチンに対する免疫応答を強化する方法

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Abstract

(57)【要約】 HSVに対する哺乳動物の保護的および/または治療的免疫を誘発および強化する方法は、HSV1型または2型gDタンパクをコードするDNA配列からなる第1の核酸分子と各インターロイキン-12ヘテロダイマーサブユニットをコードするDNA配列からなる第2の核酸分子とからなる有効量のDNAワクチン組成物による少なくとも1回の免疫化の工程を包含する。この方法はまた、HSV1型または2型gDタンパクとIL-12ヘテロダイマーとからなる有効量のタンパクワクチン組成物による少なくとも1回の後免疫化を包含する。このDNAワクチン組成物には、局所麻酔薬を核酸分子と1種またはそれ以上の複合体を形成する量で含有させてもよい。このプロトコルに従って適当な有効用量で哺乳動物に与えた場合、この方法に用いたワクチン組成物は、免疫した哺乳動物におけるHSVに対する予想外に良好な保護的および/または治療的免疫応答を生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、一般的にはワクチンの分野に関し、さらに詳しくは単純ヘルペスウ
イルスに対する免疫を誘発するワクチン投与計画に関する。かかるワクチン投与
計画は、核酸ワクチンおよびタンパクワクチンの両方を選択されたアジュバント
と共に採用する。
【0002】 (背景技術) いくつかの病原体、例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)に対する免疫を誘
発するために様々なワクチン製剤が存在する。HSVワクチンの中心は、HSV
1型およびHSV2型の糖タンパクD(gD)遺伝子である。ジー・エイチ・コー
エン(G.H. Cohen)ら、ジャーナル・オブ・ヴァイロロジー(J. Virol.),62(8):19
32-1940(1988);エイチ-ワイ・チャン(H-Y. Chiang)ら、ジャーナル・オブ・ヴ
ァイロロジー(J. Virol.),68(4):2529-2543(1994);エイ・ブイ・ニコラ(A.V. N
icola)ら、ジャーナル・オブ・ヴァイロロジー(J. Virol.),70(6):3815-3822(19
96);および米国特許第5,654,174号を参照。
【0003】 ワクチン用の公知の製剤は、病原体に対する保護的免疫応答を惹起するように
、哺乳動物免疫系にgD遺伝子などの抗原を与えるために様々な送達媒体を採用
している。かかる「送達媒体」は、ワクチン剤として、熱的または化学的に不活
化した全ウイルス、全ウイルスのタンパク粒子、ウイルスベクター(例えば、特
にアデノウイルスおよびワクシニア)、およびDNAベースのベクターまたはプ
ラスミドを包含している。HSV gD遺伝子の製剤の後者のタイプの例は、国
際特許出願第WO98/17820号(1998年4月30日付で公開)および米国特許第5,958,895
号に教示されている。あるいは、他の送達剤は、免疫系に抗原を送達または提出
するのを援助する添加剤、例えば、プラスミドベースの媒体でありうる。例えば
、国際特許出願第WO98/48780号(1998年11月5日付で公開)を参照。
【0004】 多数の病原体に対するワクチンのさらに他の変形物としては、免疫応答が望ま
れる抗原を送達する他の薬剤を含有する組成物および製剤が挙げられる。これら
の他の薬剤は、それら自体の生物活性により抗原に対する免疫応答を増大または
強化するタイプでありうる。例えば、いくつかのサイトカインおよびインターロ
イキンは、ワクチン組成物の望ましい「アジュバント」であることが見出されて
いる。これらの中でより興味深いのは、インターロイキン-12である。例えば
、米国特許第5,723,127号および第5,571,515号を参照。
【0005】 病原体に対する多数のワクチンに対して適当な保護的免疫応答を得るさらに別
の手段として、ワクチン接種の様々なプロトコルが提案されている。例えば、従
来の研究は、プラスミドベースのワクチンは、同じ抗原の別形態、例えば、タン
パクまたは組換えウイルスで2回目の免疫化に対して免疫系を初回免疫するのに
採用することができることを立証した[エス・ダブリュー・バーネット(S.W. Bar
nett)ら、ワクチン(Vaccine),15(80):869-873(1997);エヌ・エル・レトヴィン(
N.L. Letvin)ら、プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オ
ブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.
Natl. Acad. Sci. USA),94:9378-9383(1997);アール・エイ・グラムジンスキ
ー(R.A. Gramzinski)ら、モレキュラー・メディスン(Molecular Med.),4:109-11
8(1998);ジェイ・シュナイダー(J. Schneider)ら、ネイチャー・メディスン(Na
ture Med.),4:397(1998);およびエム・セデグー(M. Sedeguh)ら、プロシーディ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・
ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),95:76
48(1998)]。
【0006】 ワクチンおよびワクチン製剤に関する情報が豊富であるにもかかわらず、特に
HSVに対するヒトの適当な保護的免疫を誘発または付与する有効なワクチンが
必要とされ続けている。
【0007】 (発明の開示) ある態様では、本発明は、単純ヘルペスウイルス病原体に対する哺乳動物の免
疫性を誘発する方法に関する。この方法は、HSV1型または2型gDタンパク
をコードするDNA配列からなる核酸分子およびインターロイキン-12 p35
およびp40ヘテロダイマーサブユニットをコードするDNA配列からなる第2
の核酸分子からなる第1のワクチンからなる有効量のワクチン組成物を投与する
工程を包含する。好ましくは、第2の核酸分子は、IL-35 p35をコードす
るDNA配列からなる核酸分子とIL-20 p40をコードするDNA配列から
なる核酸分子との等量混合物からなる。
【0008】 このDNAワクチンによる哺乳動物の少なくとも1回の免疫化の後、この方法
はさらに、適当な医薬用担体中におけるタンパク、特にHSV1型または2型g
DタンパクとIL-12ヘテロダイマータンパクとからなる有効量の第2のワク
チン組成物による哺乳動物の少なくとも1回の免疫化を包含する。随意の具体例
では、第1のワクチンは、局所麻酔薬を第1のワクチンの核酸分子と1種または
それ以上の複合体を形成する量で含有する製剤で投与される。
【0009】 さらに別の態様では、本発明は、上記ワクチン方法に明細を記した様々な成分
と、指示書や、ワクチン成分を混合および投与するのに適当な随意の装置とを含
有するHSVワクチンキットを包含する。
【0010】 本発明の他の態様および利点は、さらに、その好ましい具体例に関する以下の
詳細な説明に記載される。
【0011】 本発明は、単純ヘルペスウイルスによる哺乳動物の感染を予防または治療する
のに効果的なワクチンプロトコルを提供する。プライム-ブースト免疫化を伴う
このワクチン方法は、病原体である単純ヘルペスウイルス1型または2型に対す
る哺乳動物の保護的および/または治療的免疫を誘発する。本発明は、HSV g
DがDNAプライミング段階、随意のDNAブースティング段階およびタンパク
ブースティング段階(gdと同じ形態のIL-12と共に)に投与されるプライム-
ブーストワクチン投与計画が、治療にとって非常に重大であると考えられる細胞
媒介性免疫を増大させることを示す。また、この投与計画により示される免疫の
広いスペクトルは、HSV感染に対して強化された保護的および/または治療的
免疫を提供する。かくして、本発明は、例えば、曝露前後の患者に対して、HS
V感染の予防および治療の両方に有用な方法を提供する。
【0012】 I.定義 「哺乳動物」および「哺乳動物の」なる用語は、それらの通常の意味を包含す
るように意図される。本発明が最も望ましくはヒトにおける効力を意図される場
合、他の霊長類ならびに飼育された哺乳動物種(イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ
、ヒツジ、ヤギ、マウス、ウサギ、およびラットなどが非限定的に挙げられる)
もまた、この定義に包含される。
【0013】 「免疫応答」または「免疫」(これらの用語は本明細書では交換可能に用いら
れる)により、体液性(すなわち、B細胞)および/または細胞性(すなわち、T細
胞)応答の誘発を意味する。適当には、体液性免疫応答は、宿主へのHSV gD
抗原の導入に応答して免疫化された動物の血清中に存在する抗原特異的な抗体を
測定することにより評価すればよい。以下のある例示的な具体例では、免疫応答
は、免疫化された哺乳動物の血清の酵素結合免疫吸着検査法、または以下の実施
例2で考察されるように、免疫化された動物の血清のマイクロ中和法により評価
される。やはり以下に記載するように、免疫化された動物の脾臓から単離したリ
ンパ球からのT細胞応答を測定するのに、CTLアッセイを採用することができ
る。
【0014】 「プライム」および「ブースト」なる用語は、当該分野におけるそれらの通常
の意味を有することが意図される。「プライミング」は、第1の組成物で免疫化
することを意味し、単一のワクチン組成物、例えば、プライミング組成物単独ま
たはブースティング組成物単独による免疫化で得られる免疫応答に比べて、同一
または別の組成物による次の免疫化(「ブースティング」)で抗原に対するより高
い免疫応答を誘発する。
【0015】 本明細書で用いる「相同の」なる用語は、2つの重合分子間、例えば、2つの
核酸分子(例えば、2つのDNA分子または2つのRNA分子)間、または2つの
ポリペプチド分子間の配列類似性を意味する。2つの分子の両方におけるヌクレ
オチドまたはアミノ酸の位置が同じ単量体ヌクレオチドまたはアミノ酸で占有さ
れている場合、例えば、2つのDNA分子の各々における位置がアデニンで占有
されている場合、それらはその位置で相同である。2つの配列間の相同性は、一
致するまたは相同な位置の数の直接的な関数であり、例えば、2つの化合物配列
における位置の半分(例えば、長さが10サブユニットのポリマーにおける5つ
の位置)が相同であれば、2つの配列は50%相同であり、位置の90%(例えば
、10個のうち9個)が一致または相同であれば、2つの配列は90%の相同性
を有する。例として、DNA配列3'ATTGCC5'および3'TATGCG5'
は50%の相同性を有する。本明細書で用いる「実質的に相同な」なる用語によ
り、所望の核酸に対して約50%相同な、より好ましくは約70%相同な、さら
により好ましくは約80%相同な、最も好ましくは約90%相同なDNAまたは
RNAを意味する。
【0016】 本明細書で考察するように、HSV gDまたはIL-12タンパクおよび/ま
たはDNA配列が同定された配列に対するそれらの%相同性または同一性で定義
される場合、%相同性または%同一性を計算するのに用いるアルゴリズムとして
は、以下のものが挙げられる:スミス-ウォーターマン・アルゴリズム[ジェイ・
エフ・コリンズ(J.F. Collins)ら、1988年、コンピューター・アプリケーション
ズ・イン・バイオサイエンシズ(Comput. Appl. Biosci.),4:67-72;ジェイ・エ
フ・コリンズ(J.F. Collins)ら、モレキュラー・シークエンス・コンパリズン・
アンド・アライメント(Molecular Sequence Comparison and Alignment),(エム
・ジェイ・ビショップ(M.J. Bishop)ら編)、プラクティカル・アプローチ・シリ
ーズ:ヌクレイック・アシッド・アンド・プロテイン・シークエンス・アナリシ
スXVIII(Practical Approach Series : Nucleic Acid and Protein Sequence
Analysis XVIII)中、IRLプレス:オックスフォード、イングランド、英国(19
87年)第417頁]およびBLASTおよびFASTAプログラム[イー・ジー・シュ
パエル(E.G. Shpaer)ら、1996年、ゲノミックス(Genomics),38:179-191]。これ
らの文献は出典を示すことにより本明細書の一部をなす。
【0017】 II.gDおよびIL-12DNAによるプライミング 本発明によれば、この方法の第1またはプライミング工程は、HSV1型また
は2型gDタンパクをコードするDNA配列からなる第1の核酸分子を、インタ
ーロイキン-12ヘテロダイマーの各サブユニットをコードするDNA配列から
なる第2の核酸分子と組み合わせて含有する有効量の第1「プライミング」ワク
チンで哺乳動物を免疫化することを必要とする。この第2の核酸配列は2つの別
々の核酸分子(各々は異なるIL-12ヘテロダイマーをコードする)の混合物を
包含することができるか、あるいは両方のヘテロダイマーサブユニットを含有す
るビシストロニック(bicistronic)分子または単一分子中に互いに連結または融
合されたIL-12サブユニットまたはその生物学的に活性な断片の単一配列で
あることができる。gD1およびgD2タンパクをコードする配列は公知であり
(例えば、ジェンバンク(GenBank)受託番号第K01408号および上記背景技術で引用
した文献を参照)、IL-12ヘテロダイマーの配列も公知である(例えば、米国
特許第5,457,038号を参照)。
【0018】 好ましくは、天然HSV gD1またはgD2配列がプライミングワクチンに
用いられる;しかし、本発明はgD1およびgD2の修飾配列の使用を意図して
いる。ここで、核酸配列のかかる修飾はgD遺伝子の免疫原性、安定性、または
何らかの他の薬理学的性質をインビボで強化する。多数のヌクレオチド配列修飾
が公知であり、以下で一般的に考察されている。かかる修飾の中には、天然gD
配列を短くまたは長くする切断または欠失/挿入が含まれる。gD配列は、その
5'末端で切断して、シグナルまたはリーダー配列を除去してもよい。あるいは
、gD配列をその3'末端で切断して、その膜貫通領域またはそのシステインに
富む領域を除去してもよい。さらに別の代替物は、5'および3'末端の両方で切
断して、シグナルおよび膜貫通領域を除去したgD分子である。修飾gD遺伝子
のさらに別の例は、天然リーダーまたはシグナル配列が欠失され、別のシグナル
配列で置き換わっている配列である。例えば、配列をgDの残基285または残
基316のアミノ酸をコードするコドンで切断して、本発明に有用な修飾gD配
列を与えてもよい。さらに他の修飾も有用であると思われる(例えば、米国特許
第5,958,895号記載の断片を参照)。
【0019】 また、本発明は、免疫化された宿主の細胞からのポリフクレオチドの発現およ
び分泌を援助するか、または細胞中におけるポリペプチドの安定性を援助する別
のポリヌクレオチド配列、例えば、細胞からポリペプチドの輸送を制御する分泌
配列として機能するリーダー配列に同じリーディングフレームで融合した、gD
をコードする核酸配列を包含する。
【0020】 同様に、いくつかの哺乳動物種(例えば、ネズミおよびヒト)のIL-12 p3
5およびp40ヘテロダイマーサブユニットの配列は当該分野で公知である。好
ましくは、採用した選択IL-12サブユニット配列は、プライミングワクチン
を投与される哺乳動物種の天然または対立配列である。例えば、ヒト患者に用い
るのに最も好ましいのは、天然ヒトIL-12ヘテロダイマーである。さらに、
本発明は、IL-12 p35およびIL-12 p40の修飾配列の使用を意図し
ている。核酸配列のかかる修飾は、IL-12サブユニット遺伝子の安定性また
は何らかの他の薬理学的性質をインビボで強化する。例えば、両方のヘテロダイ
マーまたは生物学的に関連する断片または互いに連結した両方のヘテロダイマー
を含有する単一遺伝子を設計できるだろう。多数のヌクレオチド配列修飾が公知
であり、以下で一般的に考察されている。
【0021】 また、HSV gDをコードするか、あるいはIL-12ヘテロダイマーをコー
ドするヌクレオチド配列(それぞれgD抗原またはIL-12サイトカインのアミ
ノ酸配列と相同である配列を有する;ここで、相同な抗原はHSVに対する免疫
応答またはIL-12に対する適当な応答を誘発する)は、本発明の方法のプライ
ミングワクチンおよびブースティングワクチンに有用である。所望のgDコード
化配列に相同な遺伝子は、本発明に包含されるように構築すべきである。ただし
、それらは天然または野生型HSV gDのものと実質的に同様のHSVに対す
る保護的免疫応答を誘発することができるタンパクまたはポリペプチドをコード
する。
【0022】 本発明のプライミングワクチン工程の成分を製造する方法は、従来の教科書、
例えば、バーガー(Burger)ら、ジャーナル・オブ・ジェネラル・ヴァイロロジー
(J. Gen. Virol.),72:359-367(1991)に記載され、当該分野で公知である。また
、サムブルック(Sambrook)ら、1989年、モレキュラー・クローニング:ア・ラボ
ラトリー・マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory
Press)、ニューヨーク;およびアウスベル(Ausubel)ら、1997年、カレント・プ
ロトコルズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Current Protocols in Molecu
lar Biology)、グリーン・アンド・ワイリー(Green & Wiley)、ニューヨークを
参照。あるいは、HSV gD核酸配列またはIL-12サブユニット核酸分子を
含有する適当なプラスミドは市販品を購入してもよい。
【0023】 gD、IL-12 p35またはIL-12 p40をコードする各核酸配列は、
好ましくは哺乳動物細胞中の各核酸配列の産物の複製および生成を導く調節配列
の制御下にある。「プロモーター/調節配列」なる用語により、プロモーター/調
節配列に作動可能なように連結された核酸の発現に必要なDNA配列を意味する
。いくつかの場合には、プロモーター/調節配列は、プロモーター/調節配列が特
定の組織タイプの細胞における発現を行うことができるだけであるという点で、
組織特異的な様式で機能しうる。いくつかの場合には、この配列はコアプロモー
ター配列であり、他の場合には、この配列はエンハンサー配列および組織特異的
な様式の発現に必要な他の調節要素を含有していてもよい。
【0024】 2つのDNAが本明細書で用いる「作動可能なように連結された」と記載する
ことにより、一本鎖または二本鎖DNAが2つのDNAの各々を含有し、2つの
DNAがDAN配列の少なくとも一方が他方により特徴付けられる生理学的な効
果を働かせることができるようにDNA内に配置されていることを意味する。好
ましくは、gDまたはIL-12をコードする核酸がさらにプロモーター/調節配
列を含有する場合、プロモーター/調節配列は、それが細胞内でgDまたはIL-
12の発現を導くようにコード配列の5'末端に位置する。
【0025】 かかる調節配列としては、非限定的に、プロモーター配列、エンハンサー配列
、ポリアデニル化配列、スプライスドナー配列およびスプライスアクセプター配
列が挙げられる。当該分野は、本発明に有用なDNA分子を設計する豊富なかか
る配列を提供する。当業者は、本発明の分子を調製するのに、かかる公知の調節
配列の中から容易に選択しうる。かかる調節配列の選択は本発明の限定ではない
。例えば、プライミングワクチンの一部であるプラスミドまたは他のDNA分子
に採用されたプロモーターは、活性が非特異的な構成的プロモーターを包含しう
る。かかるプロモーターとしては、非限定的に、レトロウイルスLTRプロモー
ター、サイトメガロウイルス(CMV)前初期プロモーター、SV40プロモータ
ー、ジヒドロ葉酸還元酵素プロモーター、およびホスホグリセロールキナーゼ(
PGK)プロモーターが挙げられる。外部から適用された薬物により調節される
誘発性プロモーターを作用してもよい。これらとしては、非限定的に、特に、亜
鉛誘発性ヒツジメタロチオニン(MT)プロモーターおよびデキサメタゾン(De
x)誘発性マウス哺乳動物腫瘍ウイルス(MMTV)プロモーターが挙げられる。
これに関連して有用な他のタイプの誘発性プロモーターは、特定の生理学的状態
、例えば、温度または急性期により、または複製する細胞中でだけ調節されるも
のである。
【0026】 好ましくは、gDまたはIL-12ヘテロダイマーをコードする核酸配列は、
ベクターまたはプラスミド中で投与される。本明細書で用いる「ベクター」なる
用語により、外生または異種の核酸配列をコードするように設計されている、ウ
イルスまたは細菌種から誘導されるDNA分子を意味する。かくして、この用語
は、従来の細菌プラスミドを包含する。かかるプラスミドまたはベクターは、ウ
イルスまたはファージ由来のプラスミド配列を含有することができる。かかるベ
クターとしては、染色体、エピソームおよびウイルス由来のベクター、例えば、
細菌プラスミド、バクテリオファージ、酵母エピソーム、酵母染色体要素および
ウイルスに由来するベクター、その組合せに由来するベクター、例えば、プラス
ミドおよびバクテリオファージ遺伝要素に由来するもの、コスミドおよびファー
ジミドが挙げられる。また、この用語は、ある細胞から別の細胞に遺伝子を移送
する非複製ウイルスを包含する。また、この用語は、例えば、ポリリジン化合物
など、細胞中への核酸の移送を促進する非プラスミド性および非ウイルス性の化
合物を包含すると解釈すべきである。ウイルスベクターの例としては、アデノウ
イルスベクター、ポックスウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが挙
げられるが、これらに限定されない。細菌ベクターの例としては、特に、カルメ
ット-ゲラン杆菌(BCG)、サルモネラ、シゲラおよびリステリアが挙げられる
が、これらに限定されない。かくして、ある例示的なベクターは、一本鎖または
二本鎖のファージベクターである。別の例示的なベクターは、一本鎖または二本
鎖のRNAまたはDNAウイルスベクターである。
【0027】 上記の調節配列に加えて、プラスミドは、転写の開始および終結のための部位
と、転写領域に、翻訳のためのリボソーム結合部位とを含有していてもよい。構
築物により発現される成熟転写物のコード部分は、最初の翻訳開始コドンと、翻
訳されるポリペプチドの最後の適当に位置する終結コドンとを含有する。
【0028】 上記プラスミドまたはベクターの全ての成分は、当該分野で公知の材料の中か
ら容易に選択し、医薬産業界から入手可能である。プラスミド本体および調節配
列の選択は、本発明の限定として考えられない。
【0029】 好ましくは、本発明のプライミングワクチン工程で用いるために、gD遺伝子
および各IL-12サブユニットが別々のプラスミド中に存在する。あるいは、
これらの核酸配列の2つまたはそれ以上をポリシストロニック転写物、すなわち
3つのうち2つ、または3つすべての遺伝子産物を発現するように設計される単
一分子に含有させてもよい。
【0030】 プライミングワクチンは、かくして適当な医薬上または生理学上許容される担
体、例えば、等張性食塩水または等張性塩溶液中にHSV gDをコードする1
種またはそれ以上の核酸配列とIL-12ヘテロダイマーとを含有する。適当な
担体は当業者に明らかであり、大部分は投与の経路に依存する。あるいは、ポリ
ヌクレオチド分子からなるかかるプライミングワクチンは、望ましくは随意のポ
リヌクレオチド促進剤または「協同剤」(co-agent)、例えば、局所麻酔薬、ペプ
チド、カリオン性脂質を含む脂質、リポソームまたは脂質粒子、ポリリジンなど
のポリカチオン、デンドリマーなどの枝分かれした3次元ポリカチオン、炭水化
物、カチオン性の両親媒性化合物、洗浄剤、ベンジルアンモニウム界面活性剤、
または細胞へのポリヌクレオチドの移送を促進する別の化合物を含有する。本発
明に有用なかかる促進剤または協同剤の非限定的な例は、米国特許第5,593,972
号;第5,703,055号;5,739,118号;5,837,533号;国際特許出願第WO96/10038号(
1996年4月4日付で公開);および国際特許出願第WO94/16737号(1994年8月8日付で
公開)(これらは各々出典を示すことにより本明細書の一部をなす)に記載されて
いる。
【0031】 最も好ましくは、局所麻酔薬は、核酸分子と1種またはそれ以上の複合体を形
成する量で存在する。局所麻酔薬がDNAプラスミドと混合される場合、それは
、DNAをパックし、相同である様々な小さい複合体または粒子を形成する。か
くして、本発明のプライミングワクチン組成物のある具体例では、複合体は局所
麻酔薬と1〜3つのDNAプラスミド(2つのIL-12サブユニット含有プラス
ミド、またはgD含有プラスミド、およびIL-12サブユニット含有プラスミ
ドの一方または両方、またはgD含有プラスミドおよび両方のIL-12サブユ
ニットを含有するビシストロニックプラスミド、またはgD配列および両方のI
L-12サブユニット配列を含有する単一のポリシストロニックプラスミド)とを
混合することにより形成される。この混合物から生じる単一の複合体は、異なる
プラスミドの様々な組合せを含有しうる。あるいは、本発明のプライミング組成
物の別の具体例では、局所麻酔薬は、各gDおよびIL-12サブユニットプラ
スミドと別々に事前に混合された後、すべてのプラスミドが単一のボーラス投与
で投与されるべきなら、所望の割合のプラスミドが単一のワクチン組成物中に存
在することを確実にするように、別々の混合物が単一のプライミング組成物に合
わせられる。あるいは、局所麻酔薬および各プラスミドは、別々に混合し、所望
の割合を得るように、別々に投与してもよい。以後、プライミングワクチン組成
物のこの具体例を定義するのに「複合体」または「1種またはそれ以上の複合体
」または「複合体(複数)」なる用語を用いる場合、この用語は1種またはそれ以
上の複合体(各複合体はgDとIL-12サブユニット含有プラスミドとの混合物
を含有する)または別々に形成された複合体の混合物(ここで、各複合体はただ1
つのタイプのプラスミドを含有する)または複合体の1つまたは混合物(ここで、
各複合体はポリシストロニックDNAを含有する)を包含すると理解される。
【0032】 好ましくは、複合体は直径が約50〜約150nmである。用いた促進剤が局
所麻酔薬(好ましくは、ブピバカイン)である場合、ポリヌクレオチド組成物の全
重量に基いて、約0.1重量%〜約1.0重量%の量が好ましい。また、国際特許
出願第PCT/US98/22841(出典を示すことにより本明細書の一部をなす)を参照。こ
れは、好ましくは約0.001〜0.03重量%の量で投与された、協同剤として
のベンジルアンモニウム界面活性剤の導入を教示している。本発明によれば、局
所麻酔薬の量は、1〜10μg/ml核酸に対して0.01〜2.5%w/v局所麻
酔薬という該核酸分子に対する割合で存在する。別のかかる割合は、100μg
/ml〜1ml/ml核酸に対して0.05〜1.25%w/v局所麻酔薬である。
【0033】 また、医薬組成物は、組成物の投与の選択された様式に適当な他の添加剤を含
有していてもよい。また、本発明の組成物は凍結乾燥されたポリヌクレオチドを
含有していてもよく、これは、粉剤、液剤または懸濁剤の剤形を展開するために
他の医薬上許容される補形剤と共に用いることができる。例えば、レミントン:
ザ・サイエンス・アンド・プラクティス・オブ・ファーマシー(Remington:The
Science and Practice of Pharmacy)、第2巻、第19版(1995年)、例えば、第95章
エアロゾル;および国際特許出願第PCT/US99/05547号(これらの教示内容は出典
を示すことにより本明細書の一部をなす)を参照。これらの組成物の投与の経路
は、必要なら、組み合わせるか、あるいは調節すればよい。
【0034】 かくして、これらのプライミング/DNAブースティングワクチン組成物は、
従来の投与経路を介した投与に適当な添加剤を含有することができる。いくつか
の好ましい具体例では、本発明のプライミング組成物および随意のDNAブース
ティング組成物は、例えば、液剤、粉剤、エアロゾル、錠剤、カプセル剤、腸溶
コーティング錠剤もしくはカプセル剤、または坐剤の形態で哺乳動物患者に投与
するように製造される。投与の経路としては、非限定的に、非経口投与、腹腔内
投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、局所投与、鼻
腔内投与、肺内投与、直腸内投与、膣内投与などが挙げられる。すべてのかかる
経路は、これらの組成物の投与に適当であり、治療する患者および状態、担当医
師による同様の因子に依存して選択すればよい。
【0035】 一般的には、本発明のプライミング組成物の適当な用量の選択は、最も特に、
免疫化される哺乳動物の全身的な健康および体重を含めて、哺乳動物の身体的状
態に基づく。かかる選択および有効量の上方または下方調節は、当該分野の技術
範囲内である。
【0036】 以下の実施例の方法では、プライミングワクチンの成分は、哺乳動物に同時投
与された。gD遺伝子を含有する核酸分子および各IL-12サブユニットは、
まず適当な医薬用担体と混合された後、共に単一のボーラスとして投与された。
【0037】 あるいは、各プラスミドは別々かつ逐次に投与してもよいことは意図される。
例示的なプライミングワクチン工程として、以下の実施例は、食塩水に混合され
、筋肉内に投与された3つの細菌プラスミド、pMVgD2、pMVp35およ
びpMVp40の送達を説明する。他の投与を意図してもよい。
【0038】 III.随意の核酸ブースト さらに、本発明の方法は、上で「プライミングワクチン」として説明したのと
同じ成分および製剤からなる随意のブースティングワクチンを意図する。この核
酸ブーストは、望ましくはプライミングワクチンの投与後、約4週間〜約32週
間で患者に投与される。望ましくは、核酸ブーストは、上記のプライミングワク
チン工程で提供されるのと同じ経路を介して、同じ用量で投与される。
【0039】 IV.HSV gDおよびIL-12ヘテロダイマータンパクブースト 本発明の方法によりさらに提供されるのは、タンパクブースティングワクチン
工程である。方法のこの工程は、好ましくは哺乳動物を有効量のタンパクワクチ
ン組成物(HSV1型または2型gDタンパクまたはその類似体とIL-12ヘテ
ロダイマーまたはその類似体とからなる)で、上記の「プライミングワクチン」
による免疫化後、または、上記の1種またはそれ以上の随意の核酸ブーストによ
る免疫化後、約2週間〜32週間で免疫化することを包含する。
【0040】 上記したように、HSV gD1型または2型のDNAおよびタンパク配列、
ならびにネズミおよびヒトIL-12ヘテロダイマーサブユニットは、当該分野
で公知である。本発明に有用なgDまたはIL-12ポリペプチドに言及する場
合、「類似体」なる用語は、かかるポリペプチドと本質的に同じ生物学的機能ま
たは活性を保持している、すなわち免疫原として機能する全長ポリペプチドまた
はその断片を意味する。gDおよび/またはIL-12ヘテロダイマーポリペプチ
ドの類似体は、(i)1個またはそれ以上のアミノ酸残基が保存または非保存のア
ミノ酸残基(好ましくは、保存アミノ酸残基)で置換され、かかる置換アミノ酸残
基が場合によっては遺伝コードでコードされるものであるもの;(ii)1個または
それ以上のアミノ酸残基が置換基を有するもの;(iii)ポリペプチドが別の化合
物、例えば、ポリペプチドの半減期を上昇させる化合物(例えば、ポリエチレン
グリコール)と融合しているもの;または(iv)付加的なアミノ酸(例えば、リーダ
ーもしくは分泌配列またはポリペプチドの精製に採用される配列)がポリペプチ
ドに融合しているものでありうる。かかる類似体は、本明細書の教示内容から当
業者の範囲内であると思われる。本明細書に記載したHSV gDまたはIL-1
2ヘテロダイマーの類似体は、保存的なアミノ酸配列の差により、または、配列
に影響を与えない修飾により、または、両方により、天然に存在するタンパクま
たはペプチドと異なることができる。例えば、タンパクまたはペプチドの1次配
列を変更するが、通常、その機能は変更しない保存的なアミノ酸の変化を行いう
る。
【0041】 修飾(通常、1次配列を変化させない)としては、ポリペプチドのインビボまた
はインビトロでの化学的誘導体化、例えば、アセチル化またはカルボキシル化が
挙げられる。また、gDまたはIL-12の類似体として包含されるのは、グリ
コシル化により修飾されたこれらのタンパク、例えば、その合成およびプロセッ
シングの間に、または、さらなるプロセッシング工程(例えば、グリコシル化に
影響を与える酵素(例えば、哺乳動物のグリコシル化または脱グリコシル化酵素)
にポリペプチドを曝露することにより)で、ポリペプチドのグリコシル化パター
ンを変更することにより製造されるものである。また、本発明による類似体とし
て包含されるのは、ホスホリル化されたアミノ酸残基、例えば、ホスホチロシン
、ホスホセリンまたはホスホトレオニンを有するHSV gDまたはIL-12配
列である。また、類似体として包含されるのは、それらの耐タンパク分解性を向
上させるか、または溶解性を最適化するように、通常の分子生物学的技術を用い
て、修飾されているgDまたはIL-12ポリペプチドである。かかるポリペプ
チドの類似体としては、天然に存在するL-アミノ酸以外の残基、例えば、D-ア
ミノ酸または天然に存在しない合成アミノ酸を含有するものが挙げられる。本発
明のポリペプチドに存在していてもよい他の公知の修飾の中には、非限定的に、
アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共
有結合、ヌクレオチドまたはフクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘
導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフ
ィド結合の形成、脱メチル化、共有架橋結合の形成、シスチンの形成、ピログル
タミン酸の形成、ホルミル化、γ-カルボキシル化、GPIアンカー形成、ヒド
ロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク分解プロセ
ッシング、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などの
タンパクへのアミノ酸の転移RNA媒介付加、およびユビキチン化が挙げられる
【0042】 特にgDタンパクのさらに他の修飾としては、gDのN末端におけるシグナル
またはリーダー配列の上記欠失、および/またはgDのC末端における膜貫通ド
メインおよび/またはシステインに富む領域の欠失、または両方が挙げられる。
同様に、修飾は、シグナルまたはリーダー配列を別のシグナルまたはリーダー配
列で置き換えることを包含することができる。例えば、米国特許第5,958,895号
を参照。
【0043】 かかる修飾を行う方法は当業者に公知である。例えば、プロテインズ-ストラ
クチャー・アンド・モレキュラー・プロパティーズ(PROTEINS-STRUCTURE AND MO
LECULAR PROPERTIES)、第2版、ティー・イー・クレイントン(T.E. Creighton)、
ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W.H. Freeman and Comp
any)、ニューヨーク、1993年;ウォールド,エフ(Wold, F.)、「ポストトランス
レーショナル・プロテイン・モディフィケーションズ:パースペクティブズ・ア
ンド・プロスペクツ(Posttranslational Protein Modifications : Perspective
s and Prospects)」、第1〜12頁、ポストトランスレーショナル・コバレント・
モディフィケーション・オブ・プロテインズ(POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODI
FICATION OF PROTEINS)中、ビー・シー・ジョンソン(B.C. Johnson)編、アカデ
ミック・プレス(Academic Press)、ニューヨーク、1983年;サイフター(Seifter
)ら、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Meth. Enzymol.),182:626-646(1990)
、およびラタン(Rattan)ら、アナルズ・オブ・ザ・ニューヨーク・アカデミー・
オブ・サイエンシズ(Ann. N.Y. Acad. Sci.),663:48-62(1992)。
【0044】 実質的に全長のポリペプチドに加えて、本発明に有用なgDおよび/またはI
L-12タンパクは、これらのポリペプチドの免疫学的に活性な断片を包含する
。本明細書で用いるように、ポリペプチドに適用される「断片」なる用語は、普
通は、長さが少なくとも約6個の連続したアミノ酸、典型的には少なくとも約1
5個または約25個の連続したアミノ酸、より典型的には少なくとも約40個の
連続したアミノ酸、通常は少なくとも約45個の連続したアミノ酸および好まし
くは少なくとも約50個の連続したアミノ酸である。例えば、米国特許第4,709,
011号(出典を示すことにより本明細書の一部をなす)に記載されているgDポリ
ペプチドを参照。患者の哺乳動物においてHSV1型または2型に対する保護的
免疫応答を誘発するなら、gDタンパク、その類似体または断片は、本発明の方
法に有用である。例えば、ほぼ残基285で切断されたgDタンパクが望ましい
断片である。同様に、ほぼ残基316で切断されたgDタンパクが望ましい断片
である。gDのさらに他の断片を選択してもよい。gDタンパクにより誘発され
る免疫応答を強化するなら、IL-12タンパク、その類似体または断片は、本
発明の方法に有用である。
【0045】 本発明のタンパクブースティングワクチンに用いられるgDタンパクおよびい
L-12ヘテロダイマーは、本明細書に列挙した特定の例示的な方法のいずれか
の産物に限定されない。実際、gDタンパクおよびIL-12ヘテロダイマータ
ンパクは、直前に引用した教科書に記載されている方法により、または、上記の
プライミングワクチンの部で引用された教科書の方法により製造すればよい。ワ
クチン用途のタンパク組成物を単離し製造することは、当該分野の技術範囲内で
ある。さらにあるいは、gDおよびIL-12タンパクは、市販品を購入しても
よい。
【0046】 タンパクブースティング組成物は、望ましくは医薬組成物に製剤される。かか
る製剤は、医薬上許容される担体、例えば、滅菌水または滅菌した等張性食塩水
と組み合わせたgDタンパクおよびIL-12ヘテロダイマーからなる。適当な
担体は、当業者に明らかであり、大部分は投与の経路に依存する。製剤としては
、懸濁剤、液剤、油性または水性の媒体中の乳剤、パスタ剤、および移植可能な
徐放性または生物分解性の製剤が挙げられるが、それらに限定されない。かかる
製剤は、さらに1種またはそれ以上の付加的な成分(例えば、懸濁化剤、安定剤
または分散剤が挙げられるが、それらに限定されない)を含有していてもよい。
非経口的な投与用の製剤のある具体例では、有効成分は、再構成した組成物の非
経口投与前に適当な媒体(例えば、滅菌した発熱原を含まない水)で再構成するた
めの乾燥した(すなわち、粉末または顆粒)形態で提供される。有用な他の非経口
的に投与可能な製剤としては、有効成分を微結晶の形態で、リポソーム調製物で
、または生物分解性のポリマー系の成分として含有するものが挙げられる。徐放
性または移植用の組成物は、医薬上許容されるポリマーまたは疎水性材料、例え
ば、エマルジョン、イオン交換樹脂、乏しい溶解性のポリマーまたは乏しい溶解
性の塩を含有しうる。
【0047】 タンパクブースティング組成物中に存在しうるさらなる付加的な成分は、アジ
ュバント、保存剤、化学的安定剤、または他の抗原性タンパクである。典型的に
は、安定剤、アジュバント、および保存剤は、目標のヒトまたは動物での効率に
ついて最良の製剤を決定するように最適化される。適当な例示的な保存剤として
は、クロロブタノール、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、二酸化硫黄、没食子
酸プロピル、パラベン、エチルバニリン、グリセリン、フェノール、およびパラ
クロロフェノールが挙げられる。使用しうる適当な安定化成分としては、例えば
、カザミノ酸、スクロース、ゼラチン、フェノールレッド、N-Zアミン、モノ
カリウム二リン酸、ラクトース、ラクトアルブミン加水分解物、および乾燥乳が
挙げられる。従来のアジュバントは、白血球を誘引するか、または免疫応答を強
化するのに用いられる。かかるアジュバントとしては、特に、MPLTM(3-O
-脱アシル化モノホスホリル脂質A;RIBIイムノケム・リサーチ・インク(RI
BI ImmunoChem Research, Inc.)、モンタナ州ハミルトン)、鉱油および水、水酸
化アルミニウム、アンフィゲン(Amphigen)、アブリジン(Avridine)、L121/
スクアラン、D-ラクチド-ポリラクチド/グリコシド、プルロニック・プリオイ
ス(pluronic plyois)、ムラミルジペプチド、死滅したボルデテラ属、サポニン
、例えば、クイル(Quil)Aまたはスティムロン(StimulonTM)QS-21(アクイラ
・バイオファーマシューティカルズ・インク(Aquila Biopharmaceuticals, Inc.
)、マサチューセッツ州フレーミングハム)およびコレラ毒素(野生型または変異
体(例えば、国際特許出願第PCT/US99/22520(出典を示すことにより本明細書の一
部をなす)に従って、アミノ酸位置29のグルタミン酸が別のアミノ酸、好まし
くはヒスチジンで置き換わっている)のいずれか)が挙げられる。
【0048】 いくつかの好ましい具体例では、本発明のブースティング組成物は、哺乳動物
の患者への投与用に、例えば、液剤、粉剤、エアロゾル、錠剤、カプセル剤、腸
溶性コーティング錠剤もしくはカプセル剤、または坐剤の形態で製造される。投
与の経路としては、非限定的に、非経口投与、腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内
投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、局所投与、鼻腔内投与、肺内投与、直腸
内投与、膣内投与などが挙げられる。すべてのかかる経路は、これらの組成物の
投与に適当であり、治療する患者および状態、担当医師による同様の因子に依存
して選択すればよい。
【0049】 一般的には、本発明のタンパクブースティング組成物の適当な用量の選択は、
最も特に、免疫化される哺乳動物の全身的な健康および体重を含めて、哺乳動物
の身体的状態に基づく。患者ごとの有効量のかかる選択は、当該分野の技術範囲
内である。
【0050】 以下の実施例の方法では、好ましいタンパクブーストワクチンの成分は混合さ
れ、1回の注射で筋肉内投与された。gDタンパクは、IL-12ヘテロダイマ
ーと、各々適当な医薬用担体中で、別々に投与することもできる。
【0051】 V.本発明のキット また、本発明に包含されるのは、強化されたHSV保護的および/または治療
的免疫応答を誘発するキットである。かかるキットは、好ましくはプライミング
ワクチンの成分、すなわちHSV1型または2型gD遺伝子をコードするDNA
配列およびインターロイキン-12 p35およびp40サブユニットをコードす
るDNA配列からなる上記の1種またはそれ以上の核酸分子を含有する。ここで
、gD遺伝子をコードするDNA配列および該IL-12ヘテロダイマーをコー
ドするDNA配列は、各々、哺乳動物細胞におけるその発現を導く調節配列下に
ある。随意により、キットは、局所麻酔薬を、これらの核酸分子と1種またはそ
れ以上の複合体を形成する量で含有する。随意により、キットは、上記のDNA
ブースティングワクチンの成分を含有する。また、キットは、上記の医薬上許容
される担体中に、タンパクブースティングワクチンの成分、すなわちHSV1型
または2型gDタンパクおよびIL-12ヘテロダイマーを含有する。
【0052】 キットの他の成分としては、各組成物を投与するためのアプリケーターが挙げ
られる。「アプリケーター」なる用語により、この用語を本明細書で用いるよう
に、ヒトまたは動物の患者に適当な経路によりDNAワクチン成分および/また
はタンパクワクチン成分を投与するのに有用な医薬組成物の投与用の多くの公知
のタイプの中の任意の装置(例えば、皮下注射用シリンジ、遺伝子ガン、噴霧器
、滴瓶、気管支鏡、坐剤が挙げられるが、これらに限定されない)を意味する。
さらに別の成分は、キットを用いるための指示書を包含する。
【0053】 VI.実施例 以下の実験的な実施例を参照することにより、本発明をさらに詳細に説明する
。これらの実施例は、単なる例示の目的で与えられており、特に断らない限り、
限定することを意図しない。本発明は、プライミングDNAワクチンとして採用
した特定のDNAプラスミドおよびプラスミド成分(例えば、プロモーター)の使
用だけでなく、本明細書に記載した特定の局所麻酔薬に限定されると解釈すべき
ではない。かくして、本発明は、本明細書に与えた教示内容の結果として明らか
になる、いかなるおよびすべての変化を包含する。
【0054】 実施例1:HSVワクチン成分 A.プライミングワクチン PMVプラスミドは、pCMV-β[クローンテック・インク(Clontech, Inc.)
]から、β-ガラクトシダーゼおよびSV40ポリA部位を除去し、欠失した配列
をpcDNA3.1[インビトロジェン・インク(Invitrogen, Inc.)]から単離し
たウシ成長ホルモン(bGH)ポリAで置き換えることにより誘導した。PMVプ
ラスミドの他の特徴としては、pUC複製起点、SV40スプライスドナー/ア
クセプターを含むイントロン、およびアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。P
MVgDプラスミドは、以下のようにして構築された:HSV2型(HSV-2)
186株からのgD遺伝子を含有する1.5kb HindIII-BstX1断片を
プラスミドpww65[アイゼンバーグ(Eisenberg)ら、ジャーナル・オブ・ヴァ
イロロジー(J. Virol.),64:8(1990)]から単離した。5'突出部をクレノー断片で
充填した後、PMVプラスミドのSmaI部位にクローニングした。得られたプ
ラスミドは、CMVプロモーターからgD2を発現し、ウシ成長ホルモンポリA
でポリアデニル化する。
【0055】 IL-12ヘテロダイマー含有プラスミドはPMVp35およびPMVp40
であり、これらのプラスミドは以下のようにして構築した:p35のマウスIL
-12 cDNA(650bp)およびp40のマウスIL-12 cDNA(1.0k
b)をプラスミドpEDIL-12p35およびpEDIL-12p40[両方はジ
ェネティックス・インスティチュート・インク(Genetic Institute, Inc.)、マ
サチューセッツ州ケンブリッジ;また、エス・エイ・ボルフ(S.A. Wolf)ら、ジ
ャーナル・オブ・イムノロジー(J. Immunol.),146:3074-3081(1991)を参照]から
各々SalI-XhoI断片として単離した。これらの断片を、上記した各々の
PMVプラスミドのSalI-XhoI部位にクローニングして、PMVp35
およびPMVp40を生成した。各プラスミドは、サイトメガロウイルスプロモ
ーターからp35またはp40 IL-12ヘテロダイマーを発現し、ウシ成長ホ
ルモンポリAを含有する。
【0056】 以下の実施例2および3のプロトコルに例示するように、好ましいプライミン
グワクチンは、0.06mlのリン酸緩衝食塩水中に、プラスミドpMVgD、
pMVp35およびpMVp40の各々を35マイクログラム含有する。あるい
は、以下の実施例におけるいくつかの具体例では、プライミングワクチンは、p
MVgDだけ、IL-12プラスミドだけ、または野生型HSVを含有していた
。gD含有プラスミドおよびIL-12ヘテロダイマー含有プラスミドは、好ま
しくは単一の組成物で筋肉内(i.m.)投与される。しかし、あるいは、プラスミ
ドは、逐次に同時投与するか、あるいは以下のプロトコルに例示されるものとは
異なる経路を介して投与してもよい。
【0057】 B.ブースティングワクチン 以下の実験に用いた好ましいブースティングワクチンは、HSV2型186株
gDタンパクを含有するように製剤された。gDタンパクは、バキュロウイルス
で製造された後、ヴィ・ランドルフィ(V. Landolfi)ら、ワクチン(Vaccine),11:
407-414(1993)に記載されているように精製した。組換えネズミIL-12ヘテロ
ダイマータンパクは、ジェネティックス・インスティチュート・インク(Genetic
Institute, Inc.)、マサチューセッツ州ケンブリッジから得た。あるいは、I
L-12タンパクは、米国特許第5,457,038号(出典を示すことにより本明細書の
一部をなす)に記載されているように製造することができる。好ましくは、適当
量のgDタンパクおよびIL-12タンパクを互いに混合し、単一部位で免疫化
した。あるいは、gDおよびIL-12タンパクを逐次に同時投与するか、ある
いは以下の実施例2および3のプロトコルに例示されるものとは異なる経路およ
び部位を介して投与してもよい。
【0058】 ブースティングワクチンのある具体例は、リン酸緩衝食塩水(pH7.4)1m
lあたり50μgのgDタンパク(3μg/用量)を含有していた。ブースティン
グワクチンの別の具体例は、リン酸緩衝食塩水1mlあたり50μgのgDタン
パク(3μg/用量)および1用量あたり200マイクログラムのリン酸アルミニ
ウム(ワイス-レダリー・ワクチンズ(Wyeth-Lederle Vaccines))を含有していた
。ブースティングワクチンのさらに別の具体例は、リン酸緩衝食塩水1mlあた
り50μgのgDタンパク(3μg/用量)、1用量あたり200マイクログラム
のリン酸アルミニウム、およびリン酸緩衝食塩水(pH7.4)中における1μg/
用量のネズミIL-12タンパク[ジェネティックス・インスティチュート・イン
ク(Genetic Institute, Inc.)]を含有していた。
【0059】 実施例2:ワクチンプロトコルの比較 A.プロトコル この実験には、7週齢の雌Balb/cマウス(チャールズ・リバー・ラボラト
リーズ(Charles River Laboratories))の14グループ(n=5/グループ)を利用
した。第0日目に、これらのグループに以下のプライミング製剤を投与した: グループ1〜5は、第0日目に筋肉内(i.m.)に、実施例1記載のpMVgD
プラスミドを25μgの用量で、また、実施例1に上記した2つのIL-12プ
ラスミドを35μg/プラスミドの用量でi.m.免疫化した。 グループ6〜10および12には、第0日目に免疫化を行わなかった。 グループ11には、第0日目に、実施例1に上記した2つのIL-12プラス
ミドだけを35μg/プラスミドの用量でi.m.投与した。 グループ13には、第0日目に、肉趾への注射により、容量0.03ml中に
おける1×10pfuの生きた感染性の野生型HSV1ウイルスNS株(フィ
ラデルフィアのチルドレンズ・ホスピタル(Children's Hospital)のエイチ・フ
リードマン(H. Friedman)博士から入手)を投与した。 グループ14には、第0日目に、肉趾への注射により、容量0.03ml中に
おける2×10pfuの生きた感染性の野生型HSV2ウイルス186株(ア
メリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collect
ion))を投与した。
【0060】 4週間後、動物のグループに以下の「ブースト」を投与した: グループ1および6には、gD2およびIL-12含有プラスミドの2回目の
投与(同じ用量および経路)を行った。 グループ2および7には、gD2プラスミドだけの2回目の投与(同じ用量お
よび経路)を行った。 しかし、グループ3および8には、第2のワクチン成分を投与した。実施例1
記載のバキュロウイルスから製造し精製された全長gD2タンパクを、3μgの
用量でi.m.投与し、PBS中における組換えネズミIL-12(rmIL-12)
ヘテロダイマータンパクを1μg/ダイマーの用量でi.m.投与した。 グループ4および9には、全長gD2タンパクだけをPBS中に3μgの用量
でi.m.投与した。 グループ5、10、13および14には、2回目の投与を行わなかった。 グループ11には、1回目の投与と同じ経路および用量で、IL-12ヘテロ
ダイマープラスミドだけの2回目の投与を行った。 グループ12には、上記と同じ経路および用量でrmIL-12だけを投与し
た。
【0061】 最後の免疫化から4週間後に、動物から血液を採取し、脾臓を取り出し、ヨー
ク(York)ら、ワクチン(Vaccine),13:1706-1712(1995)に記載されているように、
ELISAおよびリンパ増殖アッセイに付した。以下のように変更したが、上記
のヨーク(York)に記載されているように、CTLアッセイを行った。A20細胞
に、37℃、5%COで4時間、HSV2ウイルス(M.O.I. 4pfu/細胞
)を感染させ、UV光で不活化した。これらの細胞を刺激細胞として1:20の
割合(HSV2感染およびUV不活化A20細胞:脾臓細胞)で採用した。
【0062】 さらに、市販されているエルビス(ELVISTM)HSV細胞系[バイオホイッテカー
・インク(Biowhittaker, Inc.)]を用いて、HSV-1およびHSV-2の非色定
量血清マイクロ中和法を行った。簡単に説明すると、このアッセイは所定量のウ
イルスを、様々な希釈度の熱不活化血清試料または媒体だけの対照(ウイルス対
照)と、37℃、5%COで、必要に応じて、モルモットの補体と共に、イン
キュベートした後、エルビス(ELVIS)HSV細胞の集密単層上にプレートするこ
とを包含する。同じ条件下でインキュベートした後、単層にエルビス(ELVIS)置
換培地を再度供給し、さらに18時間インキュベートした。培地を除去し、1.
5%NP40-MEM(0.05ml/ウェル)を加え、各マイクロウェルプレート
を−70℃で少なくとも4時間放置した。溶解物を37℃で解凍した後、等量の
β-ガラクトシダーゼ基質を加え、プレートを37℃で40分間インキュベート
した。570nmにおけるODを測定した。中和力価を、ウイルス対照のODを
50%だけ減少させる血清希釈度として定義した。
【0063】 以下のように変更したが、シー(She)ら、インターナショナル・イムノロジー(
Intern'l Immunol),110:845-957(1999)に本質的に従って、内部サイトカイン染
色を行った。脾臓細胞を37℃、5%COで3日間、熱不活化(56℃/30分
間)したHSV2(10pfu/2×10脾臓細胞)と共にインキュベートした
。参照抗原は、リンパ球マーカー(CD3、CD4またはCD8)、活性化抗原C
D25、およびサイトカイン(IFN-γまたはIL-10)であった。
【0064】 B.アッセイの結果 ELISAおよび中和法の力価により与えられる体液性応答を、IgG、I
gGの幾何平均力価(GMT)およびNeut GMT(血清中和活性の幾何平均
力価)として、以下の表1に示す。これは、ウイルス感染性をインビトロで中和
する試験血清の能力を対数に変換して表現したものである。「95%以上および
以下のCT」は、観測値の95%が入るべき範囲を画する平均値のまわりの間隔
を包含する測定の変化性の統計的表現である。
【0065】 簡単に説明すると、最大のIgG力価は、gDおよびIL-12プラスミド
でプライムされ、非アジュバント性のgDサブユニットでブーストされたマウス
に由来する血清で達成された。また、IgG力価の上昇は、gDおよびIL-
12タンパクブーストを行ったマウスで生じた。gDプラスミドおよびIL-1
2プラスミドでプライムされ、gDサブユニットタンパクおよびIL-12タン
パクでブーストされたマウスは、IgG2aの極めて高い力価を示した。また、
IgG2aの高い力価は、サブユニットgDだけでブーストしたマウスで見られ
た。この観察は、Th1優性抗体応答のプラスミドプライミングは、サブユニッ
トでブーストした場合に、維持され増大されることを示唆している。血清中和力
価は、プラスミドで免疫化され、サブユニットで、または、サブユニットgDお
よびIL-12タンパクでブーストしたマウスで見られた非常に高い力価を有す
るELISAのものと匹敵した。
【0066】 マウスのグループがアジュバントを用いずにgDサブユニットを投与された場
合(すなわち、伝統的な製剤)、上記のように投与されたgDサブユニットは、高
い力価のIgG ELISA抗体および中程度から高レベルの血清中和抗体を
惹起した。伝統的に投与されたサブユニットは、一貫して、IgG2aELIS
A抗体または細胞媒介性(CMI)応答を誘発しなかった。対照的に、本発明の具
体例では、IL-12と同時に製剤すると、IgG2aおよびCMIを含むよう
に応答を広げた。この応答プロファイル(タイプ1応答プロファイルと呼ばれる)
は、DNAプライミングおよびサブユニットブーストで最大であった。比較のた
めに実施例3の結果を参照。
【0067】 血清学的データの統計学的(ANOVA)分析は、gD DNAおよびIL-12 DN
Aでプライムし、gD/IL-12サブユニットでブーストしたグループ(グルー
プ3)は、明らかに実施例2の中で最もよく応答したグループであった。また、
このグループは、2番目に高いIgG抗gD血清力価を有し、この点に関して
は、gD DNAおよびIL-12 DNAでプライムし、gDサブユニットでブ
ーストしたグループ4を除いて、すべての他のグループより統計学的に優れてい
た。gD DNAおよびIL-12 DNAでプライムし、gDサブユニットでブ
ーストしたグループ4は、血清抗HSV中和およびIgG2a抗gD力価に関し
て、2番目によく応答したグループであった。グループ4とグループ3(最良の
応答グループ)との間の唯一の差は、免疫化計画のサブユニットブースティング
部分におけるIL-12の非存在であり、これは低いIgG2a抗gD抗体力価
および血清抗HSV中和力価をもたらした。対応するIgGまたはIgG2a 抗gD抗体力価を用いたすべての中和力価の統計学的分析は、抗HSV中和活性
を有するIgG2a抗gD抗体力価の間に正の相関(P=0.0001)が存在す
るが、IgG力価と中和力価との間には相関が観察されないことを示した。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】 リンパ増殖アッセイ結果の細胞性応答を表2に示す。このアッセイは免疫細胞
の抗原特異的な幼若化の評価を可能にし、細胞性応答の第1レベル近似として役
立った。このアッセイは、試験抗原の存在下における約5日間の脾臓細胞(また
はリンパ節)の再刺激を包含した。次いで、細胞をトリチウム化チミジンでパル
スした後、採取し、同位元素取り込み、DNA合成と細胞分割との相関について
アッセイした。このアッセイのアウトプットの単位は、カウント/分(CPM)、
同位元素取り込みの直接的な相関であった。所定の細胞集団に見られる非特異的
な活性を示すために、対照媒体のCPMを表に含めた(すなわち、HSV1集団
は、試験抗原に対する応答の明白な大きさに影響を与えるかもしれない比較的高
いレベルのバックグラウンド活性を有していた)。
【0072】 結果は、試験抗原で再刺激された所定の免疫原を投与されたマウスの脾臓細胞
の活性を対照(媒体、ベロ細胞培養物上澄み液(sup.)または無関係なウイルス(A
/Tx-インフルエンザ株))で再刺激された「同一」の細胞集団の活性で割った刺
激指数として表した。ベロsup.の有意性は、すべての結果が約1.0であり、対
照細胞上澄み液と媒体再刺激との間に差がないはずであることであった。特に興
味深いカラムは、細胞をgD、HSV1またはHSV2(特異的な抗原)で再刺激
したものであった。体液性応答と一致して、最大の増殖活性はgDおよびIL-
12プラスミドプライミングワクチンを与え、gDおよびIL-12タンパクブ
ーストしたマウスで観察された。
【0073】
【表4】
【0074】 CTLアッセイおよび内部サイトカイン染色アッセイの結果を図1および以下
の表3および4に示す。繰り返しの測定をすることなくプールした試料を用いた
ので、これらのデータについて統計学的な分析を行わなかった。しかし、当業者
は、以下で考察するように、正の結果を示すべき広範囲のエフェクター細胞:標
的比について示される応答の大きさおよび活性レベルの相対的な上昇を見出す。
【0075】 図1は、グループ1(gDpl12pl/(2))、グループ2(gDpl12pl
/gDpl)、グループ3(gDpl12pl/gDpr12pr)、グループ4(g
Dpl12pl/gDpr)、グループ13(生きたHSV1)およびグループ14
(生きたHSV2)のCTL活性をグラフ形式で示す。これらのグループは、すべ
て他のグループとは対照的にかなりのCTL活性を与えた。しかし、gDおよび
IL-12プラスミドによるプライミングの後、gDサブユニットおよびIL-1
2タンパクによるブーストは、より高いエフェクター:標的比で匹敵する高レベ
ルのCTL活性をもたらしたが、ウイルス対照動物に死亡が見られた。
【0076】 表3および4は、インターフェロン-γおよびインターロイキン-4の内部サイ
トカイン染色を示す。内部サイトカインデータは、特異的な表現型マーカー(C
D3=パン-T細胞;CD4=ヘルパーT細胞;CD8=細胞毒性T細胞)、細胞
活性化のマーカー(CD25)およびインターフェロン-γ(IFN-γ、タイプ1
応答の相関)またはIL-4(タイプ2応答の相関)の内部表現を同時に有する細胞
の相対的頻度に関係した。これらのアッセイは、免疫化計画に起因するサイトカ
イン分泌細胞の活性化状態および表現型をより良く定義するために行い、図1の
CTL結果の補強データとして役立った。抗原カラム(Ag)の参照は、熱不活化
HSV2ウイルス(HSV2)およびHSV感染A20細胞(A20)であった。内
部IFN-γ、CD4またはCD同時レセプターおよびCD24T細胞活性化マ
ーカーの配位染色は、gD DNAおよびIL-12 DNAによる免疫化後、g
DサブユニットおよびIL-12タンパクによるブーストがIFN-γ産生細胞の
上昇レベルを発生させたことを示唆した。これらは、ウイルス対照に匹敵するレ
ベルで観察され、CD4+表現型プロファイルにより特徴付けられる同様のパタ
ーンに従った。存在すれば、わずかなIL-活性がどの処理グループについても
検出された。一般的には、対照に対して細胞の頻度が約2倍上昇することは、生
物学的に関連する変化を示唆している。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】 実施例3:ワクチンプロトコルの比較 A.プロトコル この実験には、Balb/Cマウスの15グループ(n=5/グループ)を利用し
た。グループ1〜5は、第0日目に筋肉内(i.m.)に、実施例1記載のpMVg
Dプラスミドを25μgの用量で、また、実施例1に上記した2つのIL-12
プラスミドを35μg/プラスミドの用量でi.m.免疫化した。グループ6〜7
には、第0日目に、実施例1に上記した2つのIL-12プラスミドだけを35
μg/プラスミドの用量でi.m.投与した。グループ8〜15には、第0日目に
免疫化を行わなかった。
【0080】 4週間後、動物のグループに以下の「ブースト」を投与した:グループ1〜5
には、同じ用量および経路を用いて、gD2およびIL-12プラスミドの繰り
返し投与を行った。また、グループ6〜7には、それらの最初のプライミング組
成物の繰り返し用量を投与した。グループ8には、肉趾への注射により、容量0
.03ml中における1×10pfuの生きた感染性の野生型HSV1ウイル
スNS株を投与した。グループ9には、肉趾への注射により、容量0.03ml
中における2×10pfuの生きた感染性の野生型HSV2ウイルス186株
を投与した。グループ10には、4週間目に投与は行わなかった。グループ11
には、全長gD2タンパクを3μgの用量でi.m.投与した。グループ12には
、200μg/用量のリン酸アルミニウムでアジュバントした全長gD2タンパ
ク(3μg/用量)をi.m.投与した。グループ13には、全長gD2タンパクを
3μgの用量で、また、PBS中におけるrmIL-12ヘテロダイマータンパ
クを1μg/ダイマーの用量で、互いにPBS中で混合し、i.m.投与した。グ
ループ14には、リン酸アルミニウムでアジュバントしたgD2タンパク(0.3
μg/用量)およびmIL-12タンパクヘテロダイマータンパク(1.0μg/用量
)を互いにPBS中で混合し、i.m.投与した。グループ15には、mIL-12
タンパクだけを1μg/ダイマーでi.m.投与した。
【0081】 8週間の時点で、同じグループの実験動物を以下のように処理した: グループ1および8〜10には何も与えなかった。グループ2には、第1およ
び第2の用量からなる第3の用量のgD2/IL-12プラスミドを与えた。グル
ープ3には、別の用量のgDプラスミドだけを与えた。グループ4および13に
は、全長gD2タンパクを3μgの用量で、また、rmIL-12ヘテロダイマ
ータンパクを1μg/ダイマーの用量で、互いにPBS中で混合し、i.m.投与
した。グループ5および11には、全長gD2サブユニットだけを与えた。グル
ープ6には、IL-12プラスミドだけを与えた。グループ7には、IL12-タ
ンパクだけを与えた。グループ12には、第2用量のミョウバンでアジュバント
したgDサブユニットを与えた。グループ14には、第2用量のミョウバンでア
ジュバントしたgDサブユニットおよびmIL-12ヘテロダイマータンパクを
与えた。グループ15には、第2用量のmIL-12ヘテロダイマータンパクだ
けを与えた。
【0082】 12週間目に、動物から血液を採取し、上記実施例2で説明したELISA、
中和アッセイおよびリンパ増殖アッセイに付した。
【0083】 B.アッセイの結果 この実験におけるグループのELISAおよび中和アッセイ力価を以下の表5
に示す。この実験の結果は上記実施例2の結果と対照的であった。差異はgDお
よびIL-12プラスミドの2回の免疫化の後、アジュバントしていないgDサ
ブユニットブースト(グループ3)を与えたグループで最も顕著である。ELIS
Aおよび中和力価は、タンパクブースティングを行わずに、2つの用量のgDプ
ラスミドおよびIL-12プラスミドにより誘発されたものと有意に異なってい
た。このタイプの観察は、以前、gDおよびIL-12プラスミドを用いた繰り
返し免疫の場合に見られた。対照的に、gDおよびIL-12プラスミドによる
2回の免疫化後のgDおよびIL-12タンパクブースト(グループ4)は、IL-
12タンパクと共に製剤したリン酸アルミニウムでアジュバントしたサブユニッ
トgDからなる2つの接種原(グループ14)と比較した場合でさえ、極めて高い
IgG2aELISAおよび中和力価をもたらした。表1の下の考察を参照。
【0084】 血清学的データの統計学的(ANOVA)分析は、gD DNAおよびIL-12
DNAによる2回の免疫化を行い、gD/IL-12タンパクでブーストしたグルー
プ4が、最大の血清抗HSV中和力価およびIgG2a抗gD力価に関して、他
のすべてのグループよりはるかに優れていることを示した。
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】
【0087】
【表9】
【0088】 同じグループのリンパ増殖アッセイ結果を表6に示す。これらの応答は、実施
例2におけるグループのものと類似していた。しかし、付加的な免疫化の後、す
べてgDワクチンで3回の免疫化を行ったグループ2、3、4および5は、グル
ープ14の刺激指数より大きいリンパ増殖応答を示した。これは、伝統的なサブ
ユニット/AlPO免疫スキームと比較した場合、混合投与計画プライム/ブー
ストの効果に関する。
【0089】
【表10】
【0090】 これらのグループのCTL活性を表7に示す。これらの実験グループのCTL
活性の評価は、全集団分析およびCD4+またはCD8+細胞の選択的な減少を
包含する。表7は、gDおよびIL-12プラスミドで2回免疫化し、gDサブ
ユニットおよびIL-12タンパクでブーストしたマウス由来の細胞でピーク活
性が生じることを示している。減少分析は、細胞溶解が、ほとんど排他的に、混
合表現型が見られたHSV2対照を除くすべてのグループにおけるCD4+集団
に起因することを示した。略語「nd」は非実施を意味する。
【0091】 これらのデータの生物学的な重要性は、伝統的な処理と比較した場合に、混合
投与計画プライム-ブースト動物に帰属する活性の相対的な上昇にある。さらに
、Balb/Cマウスモデルにおいて、実質的にすべてのCTL活性がCD4+
細胞集団を分離するという事実は、上記の内部サイトカインデータと密接に相関
する。かくして、プライム-ブースト投与計画は、CD4/CD25/IFNγ細
胞の頻度における処理に関連した上昇をもたらす。
【0092】
【表11】
【0093】
【表12】
【0094】 実施例2および3で上記した結果は、gD2遺伝子およびIL-12サイトカ
インを発現するプラスミドを用いて免疫応答をプライムした後、gD2サブユニ
ットIL-12タンパクからなるブースティング製剤を投与する、HSVワクチ
ンプロトコル用のプライム-ブースト投与計画の利点を示している。この投与計
画は、タンパクブーストにより有意に増大される優性Th1プロファイルをプラ
イムすると思われる。さらに、体液性および細胞性の両方の応答に対するこのタ
イプの投与計画の定性的および定量的な効果が強化される。
【0095】 IL-12を用いたHSV gDサブユニットワクチンの製剤の魅力は、典型的
にはサブユニットワクチンに関連する、タイプ2優性応答(IL-4、IL-5、
IL-10の存在および体液性応答の1次誘発により特徴付けられる)からタイプ
1優性プロファイル(細胞性応答の誘発に関連する高レベルのIL-2およびIF
N-γだけでなく、IgGサブタイプを固定化する補体を有する)への応答プロフ
ァイルのシフトを調節するこのサイトカインの能力にある。タイプ1応答プロフ
ァイルは、多数の細胞内病原体に対する保護的免疫と密接に関連しており、HS
V感染に対する治療的徴候の重要な要素であると考えられている。本発明は、免
疫系を効果的にプライムするDNA(HSV gD抗原+IL-12)の能力を活用
する。ここで、免疫系は、次いで、タンパクHSV gD糖タンパクおよびIL-
12の投与により、有意にブーストされる。
【0096】 本明細書で引用された各々およびすべての特許、特許出願および刊行物の開示
内容は、出典を示すことにより全体として本明細書の一部をなす。本明細書は特
定の具体例に関して開示されているが、当業者が本発明の真の精神および範囲を
逸脱することなく本発明の他の具体例および変形例を案出しうることは明らかで
ある。添付の特許請求の範囲は、すべてのかかる具体例および等価な変形例を包
含すると解釈されることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2に記載したアッセイの実験動物に対する細胞毒性Tリン
パ球(CTL)活性を示すグラフである。このグラフは、エフェクター:標的の割
合に対する特異的溶解率(%)をプロットしたものである。以下の記号は以下の実
験グループを表す: 「○」はHSV gD2遺伝子をコードするDNAプラスミドとIL-12の2
つのヘテロダイマーをコードするDNAプラスミドとを含有する「第1」のワク
チン(gDpl12pl)による2回の同一免疫化を受けた動物を表す。 「□」は上記の「第1」のワクチンによる1回の免疫化を受けた後、HSV
gD2遺伝子をコードするDNAプラスミドだけによる1回の免疫化を受けた(
gDpl12pl/gDpl)動物を表す。 「◇」は「第1」のワクチン(gDpl12pl)を投与された後、gDサブユ
ニットタンパク(gDpr)とIL-12ヘテロダイマータンパクを含有する「第
2」のワクチン(gDpr12pr)による1回の免疫化を受けた動物を表す。 「×」は第1のワクチン(gDpl12pl)を投与された後、gDサブユニッ
トタンパク(gDpr)だけによる1回の免疫化を受けた動物を表す。 「+」は生ウイルスHSV1だけを投与された対照動物を表す。 「△」は生ウイルスHSV2だけを投与された対照動物を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 マイケル・ダブリュー・プライド アメリカ合衆国10471ニューヨーク州ニュ ーヨーク、アパートメント1ブイ、ブラッ クストーン・アベニュー3950番 (72)発明者 マニンダー・ケイ・シドゥ アメリカ合衆国10956ニューヨーク州ニュ ー・シティ、ローウェル・ドライブ35番 Fターム(参考) 4C084 AA13 MA13 MA17 MA35 MA37 MA43 MA52 MA59 MA60 MA66 ZB332 4C085 AA03 BA78 BB12 CC08 DD62 DD86 EE01 EE03 EE06 FF13 GG02 GG03 GG04 GG06 GG08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単純ヘルペスウイルス病原体に対する哺乳動物の保護的免疫
    を誘発する方法であって、 (a)(i)HSV1型または2型gDタンパクをコードするDNA配列からなる
    第1の核酸分子、および (ii)各インターロイキン-12ヘテロダイマーサブユニットをコードする
    DNA配列からなる第2の核酸分子 からなる有効量のDNAワクチン組成物による少なくとも1回の免疫化;および (b)(i)HSV1型または2型gDタンパク;および (ii)IL-12ヘテロダイマー からなる有効量のタンパクワクチン組成物による少なくとも1回の後免疫化; の工程からなる方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)のDNAワクチン組成物による2回の免疫化が存在
    する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記DNAワクチン組成物がさらに局所麻酔薬を前記核酸分
    子(i)および(ii)と複合体を形成する量で含有する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 工程(a)(i)のHSV gDタンパクをコードする前記DN
    A配列がHSV2型gDタンパクをコードするDNA配列であり、工程(b)(i)
    の前記HSV gDタンパクがHSV2型gDタンパクである請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 工程(a)(i)のHSV gDタンパクをコードする前記DN
    A配列がHSV1型gDタンパクをコードするDNA配列であり、工程(b)(i)
    の前記HSV gDタンパクがHSV1型gDタンパクである請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第2の核酸分子が、哺乳動物細胞で該p35タンパクの
    発現を導く適当なプロモーターに作動可能なように連結されたIL-12p35
    配列をコードするDNA配列からなる第1のプラスミドと、哺乳動物細胞で該p
    40タンパクの発現を導く適当なプロモーターに作動可能なように連結されたI
    L-12p40配列をコードするDNA配列からなる第1のプラスミドとを含有
    する請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の核酸分子が哺乳動物細胞で該gDタンパクの発現
    を導く適当なプロモーターに作動可能なように連結された前記gDコード化DN
    A配列を含有する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記複合体の直径が約50nm〜約150nmである請求項
    3記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記局所麻酔薬がブピバカインである請求項3記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記DNAワクチン組成物がさらにカチオン性脂質、中性
    脂質、アニオン性脂質、カチオン性界面活性剤、中性界面活性剤、アニオン性界
    面活性剤、カチオン性洗浄剤、中性洗浄剤およびアニオン性洗浄剤からなる群か
    ら選択される1種またはそれ以上の化合物を含有する請求項3記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記IL-12ヘテロダイマーサブユニットがp35サブ
    ユニットおよびp40サブユニットからなる請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記DNAワクチンが前記タンパクワクチンを投与する2
    〜32週間前に投与される請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 HSVワクチンキットであって、 (a)(i)HSV1型または2型gDタンパクをコードするDNA配列からなる
    第1の核酸分子、および (ii)各インターロイキン-12ヘテロダイマーサブユニットをコードする
    DNA配列からなる第2の核酸分子 からなるDNAワクチン組成物;および (b)(i)HSV1型または2型gDタンパク;および (ii)IL-12ヘテロダイマー からなるタンパクワクチン組成物 からなるキット。
  14. 【請求項14】 前記DNAワクチン組成物がさらに局所麻酔薬を前記核酸
    分子(i)および(ii)と複合体を形成する量で含有する請求項13記載のキット。
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