JP2001503014A - 防御免疫応答を増強するための方法 - Google Patents

防御免疫応答を増強するための方法

Info

Publication number
JP2001503014A
JP2001503014A JP09501532A JP50153297A JP2001503014A JP 2001503014 A JP2001503014 A JP 2001503014A JP 09501532 A JP09501532 A JP 09501532A JP 50153297 A JP50153297 A JP 50153297A JP 2001503014 A JP2001503014 A JP 2001503014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
composition
lbeif4a
seq
lmeif4a
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP09501532A
Other languages
English (en)
Inventor
ジー. リード,スティーブン
Original Assignee
コリクサ コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/607,509 external-priority patent/US5876735A/en
Application filed by コリクサ コーポレイション filed Critical コリクサ コーポレイション
Publication of JP2001503014A publication Critical patent/JP2001503014A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/44Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from protozoa
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/002Protozoa antigens
    • A61K39/008Leishmania antigens
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/04Immunostimulants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Abstract

(57)【要約】 腫瘍抗原および/またはDNAワクチンを含む抗原に対する免疫応答を誘起または増強する方法が提供される。この方法は、真核生物開始因子4AのLeishmania BraziliensisまたはLeishmania majorホモログまたはその改変体の少なくとも生物学的に活性な部分を含むポリペプチドまたは核酸組成物を用いる。このようなポリペプチドおよび組成物は、例えば、腫瘍を処置するための方法の範囲内の、患者の細胞性および/または体液性免疫応答を増強または誘起するために有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 防御免疫応答を増強するための方法関連出願の前後参照 本出願は、1996年2月23日に出願された米国特許出願第08/607,509号の一部継 続出願であり、これは1995年6月6日に出願された米国特許出願第08/488,386号 の一部継続出願であり、これは1994年4月22日に出願された米国特許出願第08/2 32,534号の一部継続出願である。技術分野 本発明は、一般的に、患者においてならびに単離された細胞および細胞培養物 において免疫応答を増強するための化合物および方法に関する。本発明は、より 特定には、真核生物開始因子4A(eIF4A)のホモログであるLeishmania抗原の全 部または一部を含む化合物に、および免疫応答を刺激するためのワクチンにおけ るこのような化合物の使用に関する。発明の背景 ワクチンは、通常、感染または病気に関連する特定の抗原に対する患者におけ る免疫応答を生成することによって、感染または病気に対する免疫を誘導する。 適切な抗原の同定および使用についての現代の技術は、普通の感染(細菌、ウイ ルス、および原生動物感染を含む)ならびにガンのような病気に特異的な大量の ワクチンのテストおよび開発を導くための可能性を有する。 しかし、多くの場合、精製された抗原は弱い免疫原であり、すなわち、特定の 抗原によって生成されるが、所望の標的に対する免疫応答は、免疫を与えるため に十分な程度ではない。このような場合、アジュバントまたは免疫刺激物のよう な免疫調節剤は、免疫応答を増強するために用いられなければならない。アジュ バントは、抗原とともにまたは抗原として同じ部位に注入される場合、抗原に対 する特異的免疫応答を増強する物質である。このような物質は、種々のメカニズ ムによって機能し、これには、(1)抗原を捕獲し、そしてそれをゆっくり放出す ること、(2)注入部位への細胞の移動を刺激すること、(3)リンパ球を刺激するま たは捕獲すること、あるいはリンパ球増殖を刺激すること、および(4)患者の体 内での抗原分散を増進することが含まれる。例えば、油、ポリマー、鉱酸塩、お よびリポソームは、これに関してアジュバントとして使用されている。比較する と、免疫剌激物は、抗原とともにまたは別々に投与されるのいずれにせよ、患者 の免疫応答における一般的な一時的な増加を誘導する物質である。代表的な免疫 剌激剤は、BCG(Mycobacterium tuberculosisの弱毒化株)またはCorynebacteri umparvumの無生育性形態のような細菌である。いずれかのメカニズムによって、 アジュバントまたは免疫刺激剤は、非特異的手段によって所望の特異的免疫応答 を増強するために役立つ。 現在利用可能な多くのアジュバントの重要な欠点は、それらの毒性である。一 般的に、最良のアジュバント(すなわち、所望の免疫応答の最大増強を提供する もの)はまた最も毒性である。したがって、医者はアジュバントの毒性に対する 刺激のレベルを連続的に均衡を保たなければならない。 したがって、特異的免疫応答の所望の増強を提供するが、低レベルの毒性を有 する化合物の同定について、当該分野での必要がある。本発明は、これらの必要 を満たし、そしてさらに他の関連の有利点を提供する。発明の要旨 簡単にいうと、本発明は、真核生物リボソームタンパク質eIF4Aに相同であるL eishmania抗原LbeIF4AまたはLmeIF4Aに関する化合物および方法を提供する。本 発明の1つの局面では、患者において、抗原および/またはDNAワクチンによっ てコードされる抗原に対する免疫応答を増強または誘起するための方法が提供さ れ、この方法は、抗原および/またはDNAワクチン、ならびに(a)配列番号1のヌ クレオチド115〜1323;および(b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1 のヌクレオチド115〜1323に相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA 配列、からなる群より選択されるDNA配列によってコードされるアミノ酸配列を 含むLbeIF4Aポリペプチドを患者に投与する工程であって、ここでこのDNA配列が 、 Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激す るポリペプチドをコードする工程を包含する。本発明の他の局面では、患者にお いて、抗原および/またはDNAワクチンによってコードされる抗原に対する免疫 応答を増強または誘起するための方法が提供され、この方法は、抗原および/ま たはDNAワクチン、ならびに(a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325;および(b) 中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325に相補 的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列、からなる群より選択され るDNA配列によってコードされるアミノ酸配列を含むLmeIF4Aポリペプチドを患者 に投与する工程であって、ここでこのDNA配列が、Leishmania感染した個体から 得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激するポリペプチドをコードする 工程を包含する。 関連の局面では、本発明は、患者において、抗原および/またはDNAワクチン によってコードされる抗原に対する免疫応答を増強するための方法を提供し、こ の方法は、抗原および/またはDNAワクチンによってコードされる抗原、および 配列番号2のアミノ酸49〜403を含むLbeIF4Aポリペプチド、または保存的置換お よび/または改変のみ異なるその改変体、あるいは抗原および/またはDNAワク チンによってコードされる抗原、および配列番号4のアミノ酸49〜403を含むLme IF4Aポリペプチド、または保存的置換および/または改変のみ異なるその改変体 を、患者に投与する工程を包含する。 他の関連の局面では、生物学的試料中の免疫応答を増強する方法が提供され、 この方法は、生物学的試料を、抗原および/またはDNAワクチンによってコード される抗原、および上記のLbeIF4Aポリペプチドと接触させる工程であって、こ こで生物学的試料が、末梢血単核細胞、単球、B細胞、樹枝状細胞、およびこれ らの組み合わせからなる群より選択される細胞を含む工程を包含する。 さらに他の関連の局面では、生物学的試料中の免疫応答を増強する方法が提供 され、この方法は、生物学的試料を、上記のLmeIF4Aポリペプチドと接触させる 工程であって、ここで生物学的試料が、末梢血単核細胞、単球、B細胞、樹枝状 細胞、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される細胞を含む工程を包 含する。 他の局面では、患者において腫瘍に対する免疫応答を増強する方法が提供され 、この方法は、患者に、1つまたは複数の腫瘍抗原および/またはDNAワクチン 、ならびに上記のようなLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドを投与する工程を包 含する。 さらに他の局面では、患者において腫瘍を処置する方法が提供され、この方法 は、上記のようにLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドを患者に投与する工程を包 含する。 上記の局面のそれぞれの中で、LbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドを利用する ことの代替として、核酸組成物で感染またはトランスフェクトされた患者の細胞 中でのポリペプチドの発現を指示するウイルスベクターまたは核酸分子(集合的 には、「核酸組成物」)を利用し得る。核酸組成物を投与する工程は、インビボ またはエクスビボで行われ得、後者は感染した/トランスフェクトした細胞の続 いての投与を包含する。さらに、抗原または腫瘍抗原が投与される場合、核酸組 成物がまた、(同じまたは異なるベクターまたは分子のいずれかにおける)この ような抗原の発現を指示するように設計され得ることが明らかである。 本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照 にして明らかになる。本明細書に開示されるすべての参考文献は、それぞれがこ こに援用されるように、その全体が参考として本明細書に援用される。図面の簡単な説明 図1は、Leishmania spp.DNAのサザンブロット分析の結果を示し、これは、L eishmania eIF4Aホモログが保存され、そしてL.braziliensisゲノムDNAがLebIF 4Aの少なくとも2つのコピーを含むことを示す。 図2は、イムノブロット分析の結果を示し、これは、LbeIF4A免疫ウサギ血清 が、種々のLeishmania種における約45kDaサイズの1つの優勢なタンパク質種と 反応することを証明する。 図3は、L.braziliensis感染した個体からのPBMCの増殖を刺激するための精 製した組換えLbeIF4Aの能力を示す。 図4Aおよび4Bは、L.braziliensis感染の確認された症例の患者からのPBM CのサイトカインmRNA発現パターンの分析によって得られた結果を示す。 図5は、LbeIF4Aまたは寄生虫溶解物での刺激後にL.braziliensis感染した個 体からのPBMCから分泌されたIFN-γの上清レベルを示す。 図6は、LbeIF4Aまたは寄生虫溶解物での刺激後にL.braziliensis感染した個 体からのPBMCの上清中で検出されるTNF-αのレベルを示す。 図7、パネルAからDは、LbeIF4Aもまた、患者のPPBMCを刺激して、寄生虫溶 解物によって刺激されるIL-12レベルよりも著しく高い程度で、培養された上清 中にIL-12を分泌すること、およびIL-10がこのIL-12産生を阻害することを示す 。 図8、パネルAおよびBは、テストしたすべての患者のPBMCにおいて、IFN-γ 産生がIL-12依存的であり、そしてIL-10によって阻害されたことを示す。 図9Aおよび9Bは、培養されたヒトマクロファージおよび付着したPBMCにお いて、LbeIF4AがIL-12産生を刺激することを示す。 図10は、ヒト骨髄性白血病細胞株THP-1においてLbeIF4AがIL-12 p40産生を刺 激し、そしてIFN-γと相乗作用してTHP-1細胞を刺激してIL-12を分泌することを 示す。 図11は、LbeIF4Aで抗原投与したマウスのリンパ腺細胞が、ほとんど排他的にT h1サイトカインプロフィルを増殖および分泌することを示す結果を示す。 図12は、ヒト病気に関連を有するとして認識された動物モデルにおいて、Lbe1 F4Aが、L.major感染に対する顕著な防御を提供することを示す。 図13は、代表的なLmeIF4Aポリペプチドを使用する抗オバルブミンCTLの誘起を 示す。 図14は、トリニトロフェノールに特異的な抗体の誘導のためのアジュバントと しての代表的なLmeIF4Aポリペプチドの使用を示す。 図15は、代表的なLmeIF4Aポリペプチドによる抗MUC-1抗体の産生の増強を示す 。 図16は、培養された細胞における代表的なLmeIF4Aポリペプチドによる特異的C TL活性の増強を示す。 図17は、LmeIF4Aポリペプチドを含むおよび含まない、IL-2でのCTL活性のイン ビトロ刺激を示す。 図18は、LmeIF4Aポリペプチドによるマウスアロ反応性CTLの誘導を示す。 図19は、マイクロスフェアに含まれる腫瘍抗原およびLmeIF4Aポリペプチドの 投与後の腫瘍退行を示す。 図20は、マイクロスフェアに含まれる腫瘍抗原およびLmeIF4Aポリペプチドの 投与後の腫瘍退行を示す。 図21は、マイクロスフェアに含まれる可溶性LmeIF4Aポリペプチドおよび腫瘍 抗原の投与後の腫瘍退行を示す。発明の詳細な説明 上記のように、本発明は、一般的に、患者または細胞培養物における、体液性 および/または細胞媒介され得る、免疫応答の増強に関する。本発明の状況内で は、免疫刺激抗原(すなわち、患者がそれに対して免疫応答を惹起する抗原)を 含む抗原に対する免疫応答は、抗原および本明細書に記載の1つ以上のLbeIF4A 由来またはLmeIF4A由来のポリペプチドを患者に投与することによって開始また は増強され得る。抗原および免疫剌激抗原は、一般的にはタンパク質分子であり 、そしてウイルス(例えば、HIV、HBV、インフルエンザウイルス、呼吸シンシチ ウムウイルス)、細菌(例えば、インフルエンザ菌(Hemophilus influenza)、肺 炎菌(Pneumoccocus pneumoniae))、および寄生虫(例えば、Leishmania、およ びTrypanosoma)に由来する分子を含む。さらに、腫瘍に対する免疫応答は、腫 瘍抗原(すなわち、腫瘍に対する免疫応答(例えば、CTL)を刺激する抗原)を 患者に投与することによって増強または誘起され得る。本発明の状況内で、腫瘍 抗原は、ウイルスにコードされた分子、MAGE-l、Her-2、PSA、および他の分子を 含む。したがって、本発明の方法は、特異的抗原または免疫刺激抗原と、本明細 書に開示されるようなLeIF4A由来のポリペプチドとの同時投与を包含する。腫瘍 はまた、このような外因的に投与された腫瘍抗原の非存在下で、LbeIF4AまたはL meIF4Aポリペプチドを患者に投与することによって処置され得る。 本発明のLbeIF4AおよびLmeIF4Aはまた、DNAワクチンによってコードされる抗 原遺体する免疫応答を誘起または増強するために使用され得る。DNAワクチンは 、1つ以上の免疫剌激抗原をコードし、そのため抗原はインサイチュで生成され る。例えば、DNAワクチンは、腫瘍抗原を、および必要に応じて、本明細書に記 載さ れるようなLeIF4A由来のポリペプチドをコードし得る。このようなワクチンでは 、DNAは、当業者に公知の種々の送達システムのいずれかの中に存在し得、核酸 発現系、細菌およびウイルス発現系を含む。適切な発現系は、患者における発現 のための必要なDNA配列(例えば、適切なプロモーター)を含む。細菌送達シス テムは、細胞表面上に前立腺細胞抗原のエピトープを発現する細菌(例えば、Ba cillus-Calmette-Guerrin)の投与を包含する。DNAは、ウイルス発現系(例えば 、ワクシニアまたは他のポックスウイルス、レトロウイルス、またはアデノウイ ルス)を使用して導入され得、これは非病原性(不完全な)複製適応ウイルスの 使用を包含する。適切なシステムは、例えば、Fisher-Hochら、PNAS86:317-321, 1989;Flexnerら、Ann.N.Y.Acad.Sci.569:86-103,1989;Flexnerら、Vacci ne 8:17-21,1990;米国特許第4,603,112号、第4,769,330号、および第5,017,48 7号;WO 9/01973;米国特許第4,777,127号;GB2,200,651;EP 0,345,242;WO 91/0 2805:Berkner、Biotechniques 6:616-627,1988;Rosenfeldら、Science 252:4 31-434,1991;Kollsら、PNAS 91:215-219,1994;Kass-Eislerら、PNAS 90:114 98-11502,1993;Guzmanら、Circulation 88:2838-2848,1993;およびGuzmanら、 Cir.Res.73:1202-1207,1993に開示される。このような発現系中にDNAを組み 込むための技法は当業者に周知である。DNAはまた、例えば、公表されたPCT出願 WO 90/11092、およびUlmerら、Scinece 259:1745-1749,1993に記載され、Cohen 、Science 259:1691-1692,1993に総説されるように、「ネイクド(naked)」で あり得る。naked DNAの取り込みは、生分解性ビーズ上にDNAをコートすることに よって増加し得、これらは細胞中に効率的に輸送される。本発明の化合物は、一 般的に、末梢血単核細胞(PBMC)中でTh1またはCTL(細胞障害性Tリンパ球)免 疫応答を刺激するポリペプチドを含む。特に、真核生物リボソームタンパク質eI F4AのLeishmania braziliensisまたはLeishmania majorホモログの全部または刺 激部分を含むポリペプチド(本明細書ではLbeIF4AおよびLmeIF4Aという)が開示 される。本明細書で使用される場合、用語「PBMC」とは、末梢血に存在する核細 胞の調製物をいう。本発明の状況において、用語「ポリペプチド」は、アミノ酸 残基が共有ペプチド結合によって連結される、全長のタンパク質およびその部分 を含む任意の長さのアミノ酸鎖を包含する。したがって、「LbeIF4Aポ リペプチド」は、LbeIF4A、またはその一部、あるいは刺激活性を保持するその 他の改変体を包含する。同様に、「LmeIF4Aポリペプチド」は、LmeIF4A、または その一部、あるいは刺激活性を保持するその他の改変体を包含する。本明細書で 使用される場合、「LeIF4A」は、LbeIF4AまたはLmeIF4Aのいずれかをいう。LbeI F4Aは例示の目的で本明細書に記載されるが、本発明の状況では、LmeIF4A、その 部分、およびポリペプチド(またはその部分)の改変体もまた使用され得る。Le IF4Aポリペプチドは、もっぱらLeIF4Aの1つ以上の剌激部分からなり得、または 、刺激部分は、追加のLeIF4A配列および/またはLeIF4Aとは異種性のアミノ酸配 列を含む、より大きなタンパク質の状況に供給され得る。好ましくは、ポリペプ チドは、夾雑する外因性材料を実質的に含まない。 本発明のポリペプチドは、PBMCにおいてTh1またはCTL免疫応答を刺激する能力 を保持するLbeIF4Aの改変体を包含する。このような改変体は、一次タンパク質 の種々の構造形態を包含する。イオン化可能なアミノ基およびカルボキシル基の 存在のため、例えば、LbeIF4Aポリペプチドは、産生または塩基声援の形態であ り得、あるいは中性形態であり得る。ここのアミノ酸残基はまた、酸化または還 元によって改変され得る。 本発明の範囲内の改変体はまた、LbeIF4Aの一次アミノ酸構造またはそのフラ グメントが、他のポリペプチド、またはグリコシル基、脂質、ホスフェート、ア セチル基などのような化学部分との共有または凝集結合体を形成することによっ て改変されるポリペプチドを包含する。共有結合誘導体は、例えば、アミノ酸側 鎖へあるいはN-またはC-末端で特定の官能基を連結することによって調製され得 る。あるいは、ポリペプチドがLbeIF4Aポリペプチドに接合される誘導体につい ては、融合タンパク質が、以下に記載のように組換えDNA技法をしようして調製 され得る。1つのこのような実施態様では、LbeIF4Aポリペプチドは、合成部位 から細胞膜もしくは壁の内部もしくは外部の機能部位への、タンパク質の輸送を 翻訳と同時または翻訳後に指示するタンパク質のN-末端領域で、シグナル(また はリーダー)ポリペプチド配列に結合され得る(例えば、酵母α-ファクターリ ーダー)。 本発明の範囲内のタンパク質融合物はまた、LbeIF4Aポリペプチドの精製また は同定を促進するために付加されたペプチドを含み得る(例えば、ポリ-His)。 例えば、Hoppら、Bio/Technology 6:1204(1988)によって記載されるペプチドは 、同定を促進するために使用され得る非常に抗原性のペプチドである。このよう なペプチドは、特異的モノクローナル抗体によって可逆的に結合されるエピトー プを提供し、発現した組換えタンパク質の迅速なアッセイおよび容易な精製を可 能にする。Hoppらの配列はまた、ウシ粘膜エンテロキナーゼによって特異的に切 断され、精製されたタンパク質からペプチドを取り出すことを可能にする。この ようなペプチドでキャップされた融合タンパク質はまた、E.coliにおける細胞 内分解に抵抗性であり得る。 本発明に包含されるタンパク質融台物は、例えば、免疫グロブリンFc領域に連 結されたLeIF4Aポリペプチドをさらに含む。LbeIF4A融合タンパク質が抗体の重 鎖および軽鎖の両方で作成される場合、4つものLbeIF4Aタンパク質領域でタン パク質オリゴマーを形成することが可能である。ロイシンジッパードメインに連 結されたLbeIF4Aポリペプチドもまた、本発明の範囲内である。ロイシンジッパ ードメインは、例えば、公表されたPCT出願WO 94/10308に記載される。ロイシン ジッパーを含むLbeIF4Aポリペプチドは、例えば、オリゴマー、ダイマー、また はトリマーであり得る。上記のすべてのタンパク質融合物は、以下に記載のよう に、化学的連結によってまたは融合タンパク質として調製され得る。 好ましいタンパク質融合物は、感染性病原体(例えば、抗原)に対する免疫を 刺激するために有用な配列を含むポリペプチドを含む。このような配列は、例え ば、ウイルス、腫瘍細胞、寄生虫、または細菌に由来し得る。 本発明はまた、関連した天然のパターンのグリコシル化とともにまたは伴わな いLeIF4Aポリペプチドを包含する。酵母または哺乳動物発現系で発現したポリペ プチドは、発現系に依存して、天然の分子と分子量およびグリコシル化パターン が同様であるかまたはわずかに異なり得る。例えば、E.coliのような細菌にお けるLbeIF4AポリペプチドをコードするDNAの発現は、非グリコシル化分子を提供 する。真核生物タンパク質のN-グリコシル化部位は、アミノ酸トリプレットAsn- A1-Zによって特徴づけられ、ここでA1はPro以外の任意のアミノ酸であり、そ してZはSerまたはThrである。不活性化したN-グリコシル化部位を有するLbeI F4Aポリペプチドの改変体は、オリゴヌクレオチド合成およびライゲーション、 または部位特異的変異誘発技法のような、当業者に公知の技法によって産生され 得、そして本発明の範囲内である。あるいは、N-連結したグリコシル化部位が、 LbeIF4Aポリペプチドに付加され得る。 本発明のポリペプチドはまた、1つ以上の欠失、挿入、置換、または他の改変 のため、天然のLeIF4Aタンパク質とは異なるアミノ酸配列を有するLeIF4Aポリペ プチドの改変体を包含する。このような改変体は、天然のLeIF4Aに実質的に相同 であるべきであり、そしてPBMCにおけるTh1またはCTL免疫応答を刺激する能力を 保持すべきである。本明細書で使用される場合、「実質的に相同」とは、中程度 のストリンジェント条件下で、例えば、LbeIF4Aをコードする天然に存在するDNA 配列にハイブリダイズし得るDNA配列によってコードされ得るアミノ酸配列をい う。適切な中程度のストリンジェント条件には、5×SSC、0.5% SDS、1.0mM ED TA(pH8.0)の溶液中で予め洗浄すること;50℃〜65℃、5×SSCで一晩ハイブリダ イズすること;次いで2×、0.5×、および0.2×の0.1% SDSを含むSSCのそれぞ れで65℃にて20分間を2回洗浄することを包含する。このようなDNA配列をハイ ブリダイズすることもまた本発明の範囲内である。LbeIF4Aポリペプチドの活性 における何らかのこのような改変の効果は、例えば、本明細書に記載の方法のい ずれかを使用してTh1またはCTL応答を誘導するための変異したLbeIF4Aポリペプ チドの能力を分析することによって容易に決定され得る。LbeIF4Aの好ましい改 変体は、LbeIF4AのLeishmania majorホモログ(LmeIF4A)である。 一般的に、アミノ酸置換は、保存的に行われるべきである、すなわち、置換ア ミノ酸は、同様の特性を有するアミノ酸を置き換えるべきであり、そのためペプ チド化学の当業者は、実質的に変化されないポリペプチドの二次構造およびハイ ドロパシー性質を予測する。一般的に、以下のアミノ酸の群は保存的変化を示す :(1)ala、pro、gly、glu、asp、gln、asn、ser、thr;(2)cys、ser、tyr、thr ;(3)val、ile、leu、met、ala、phe;(4)lys、arg、his;および(5)phe、tyr、 trp、hls。本発明の範囲内の改変体はまた、またはあるいは、ポリペプチドの刺 激特性、二次構造、およびハイドロパシー性質への最小の影響を有する、アミノ 酸の欠失または付加を含む他の改変を含み得る。一般的に、LbeIF4Aのフラグメ ントは、末端または内部の残基または配列を欠失することによって構築され得る 。適切な改変に関する追加の指針は、他のeIF4Aファミリーメンバーの配列およ び構造に対するLbeIF4Aの配列の比較によって得られ得る。例えば、生物学的活 性に必要とされないLbeIF4Aの末端または内部の残基または配列は、欠失され得 る。システイン残基は、再生における不正確な分子内ジスルフィド架橋の形成を 防ぐために、欠失または他のアミノ酸と置換され得る。変異誘発への他のアプロ ーチは、KEX2プロテアーゼ活性が存在する酵母系における発現を増強するための 、隣接する二塩基性アミノ酸残基の改変を包含する。 LeIF4A全長タンパク質は、一般的に、タンパク質をコードするゲノムまたはcD NAクローンを使用して得られ得る。全長LbeIF4Aをコードするゲノム配列を配列 番号1に示し、そして推定アミノ酸配列を配列番号2に示す。全長LmeIF4Aをコ ードするゲノム配列を配列番号3に示し、そして推定アミノ酸配列を配列番号4 に示す。粘膜レーシュマニア症で苦しむ患者からの血清と反応する抗原を発現す るクローンについて、適切なLeishmania braziliensisまたはLeishmania major 発現ライブラリーをスクリーニングすること、次いで、患者のT細胞アッセイに おける増殖性応答および優先的Th1サイトカイン産生を刺激する能力について、 または患者のT細胞におけるCTL応答を剌激する能力について、反応性抗原を分 析することによって、このようなクローンが単離され得る。ライブラリー調製物 およびスクリーニングは、一般的に、Sambrookら、Molecular Cloning:A Labora tory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories,Cold Spring Harbor,N.Y.,1 989(参考として本明細書に援用される)に記載の方法のような、当業者に公知 の方法を使用して行われ得る。簡単にいうと、バクテリオファージ発現ライブラ リーが播種されてフィルターに移され得る。次いで、フィルターは、血清および 検出試薬とインキュベートされ得る。本発明の状況では、「検出試薬」は、抗体 −抗原複合体に結合し得る任意の化合物であり、次いでこれは当業者に公知の種 々の手段のいずれかによって検出され得る。代表的な検出試薬は、プロテインA 、プロテインG、IgG、またはレクチンのような、リポーター基にカップリング される「結合薬剤」を含む。好ましいリポーター基には、酵素、基質、補因子、 インヒビター、染料、放射性核種、発光基、蛍光基、およびビオチンが挙げられ る。より好ましくは、リポーター基は、西洋ワサビペルオキシダーゼであり、こ れは、テトラメチルベンジジンまたは2,2’-アジノ-ジ-3-エチルベンズチアゾリ ンスルホン酸のような基質とのインキュベートによって検出され得る。血清中で 抗体に結合するタンパク質を発現するゲノムまたはcDNA配列を含むプラークは、 当業者に公知の技法によって単離および精製される。適切な方法は、例えば、Sa mbrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Labo ratories,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989に見られ得る。 患者のT細胞アッセイは、一般的に、反応性抗体で患者PBMCを処置すること、 および適切な応答について細胞を分析することによって行われ得る。例えば、PB MC上清は、分泌されるサイトカインのレベルについてアッセイされ得る。好まし くは、アッセイされたサイトカインは、インターフェロン-γ、インターロイキ ン-2、インターロイキン-12(p40サブユニットまたは生物学的に活性なp70のい ずれか)、インターロイキン-1、または腫瘍壊死因子-αである。これらの代表 的Th2タイプサイトカインのレベルが、一般的に、本明細書に記載されるような ポリペプチドとの処理に応じて減少するので、サイトカインのインターロイキン -4およびインターロイキン-10もまたアッセイされ得る。サイトカインは、例え ば、ELISAフォーマットで目的のサイトカインに特異的な市販の入手可能な抗体 を使用してアッセイされ得、製造者に指示に従って陽性の結果が決定される。適 切な抗体は、例えば、Chemicon,Temucula,CAおよびPharMingen,San Diego,C Aから得られ得る。あるいは、処理したPBMCは、サイトカインのインターフェロ ン-γ、インターロイキン-2、インターロイキン-12 p40サブユニット、インター ロイキン-1、または腫瘍壊死因子-αの1つ以上をコードするmRNAについてアッ セイされ得、または、PBMCは本明細書に記載されるように増殖性応答についてア ッセイされ得る。あるいは、サイトカインは、サイトカイン特異的生物学的活性 についてPBMC上清をテストすることによって測定され得る。 PBMCにおけるTh1免疫応答を刺激する能力を保持するLbeIF4Aの改変体は、一般 的に、上記の1つ以上の局面において配列を改変すること、およびTh1 応答を刺 激する能力について得られるポリペプチドをアッセイすることによって同定され 得る。このようなアッセイは、一般的に、上記のように、改変されたペプチドで 患者のPBMCを処理すること、および応答をアッセイすることによって行われ得る 。LbeIF4Aの天然に存在する改変体もまた、例えば、LbeIF4Aまたはその改変体を コードするDNA配列で適切なcDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングす ることによって、他のLeishmania種から単離され得る。 上記の配列改変は、標準的組換え技法を使用してまたは改変されたポリペプチ ドの自動化合成によって導入され得る。例えば、変異は、天然の配列のフラグメ ントへのライゲーションを可能にする制限部位によって隣接される、変異配列を 含むオリゴヌクレオチドを合成することによって、特定の遺伝子座に導入され得 る。ライゲーションの後、得られる再構築された配列は、所望のアミノ酸挿入、 置換、または欠失を有するアナログをコードする。 あるいは、オリゴヌクレオチド部位特異的変異誘発手順は、特定のコドンが、 必要とされる置換、欠失、または挿入にしたがって変更される遺伝を提供するた めに用いられ得る。上記の変更を作成する方法の例は、Walderら、Gene 42:133 ,1986;Bauerら、Gene 37:73,1985;Craik、BioTechniques,1985年1月,12- 19;Smithら、Genetic Engineering:Principles and Methods,Plenum Press,1 981;および米国特許第4,518,584号および第4,737,462号によって開示される。 このようなLbeIF4Aポリペプチドの発現について構築されたヌクレオチド配列 における変異は、もちろん、コーディング配列のリーディングフレームを保存し なければならず、そして好ましくは、レセプターmRNAの翻訳に有害な影響を与え るループまたはヘアピンのような、mRNAの二次構造を生じるためにハイブリダイ ズし得る相補的領域を生成しない。変異部位は予め決定され得るが、変異それ自 体の性質が予め決定され得る必要はない。例えば、所定の部位で変異体の最適特 徴について選択するために、ランダム変異誘発は、標的コドンおよび所望の活性 についてスクリーニングされた発現したLbeIF4Aタンパク質変異体で行われ得る 。 LbeIF4Aタンパク質をコードするヌクレオチド配列におけるすべての変異が最 終産物中に発現されるわけではない。例えば、ヌクレオチド置換は、主として転 写されたmRNA中の二次構造ループを避けるために(例えば、欧州特許出願75,444 Aを参照のこと)、またはE.coli発現のための周知のE.coli優先コドンのよう な、選択された宿主によってより容易に翻訳されるコドンを提供するために、発 現を増強するために作成され得る。 本発明のポリペプチドは、天然に存在するおよび改変された両方とも、好まし くは組換えDNA法によって産生される。このような方法には、組換え発現ベクタ ー中にLbeIF4AポリペプチドをコードするDNA配列を挿入すること、および、発現 を促進する条件下で組換え細菌、哺乳動物、または昆虫細胞発現系でDNA配列を 発現することを包含する。本発明によって提供されるポリペプチドをコードする DNA配列は、cDNAフラグメントおよび短いオリゴヌクレオチドリンカーから、ま たは一連のオリゴヌクレオチドから組み立てられ得、組換え発現ベクターに挿入 されそして組換え転写ユニット中で発現され得る合成遺伝子を提供する。 組換え発現ベクターは、哺乳動物、細菌、ウイルス、または昆虫遺伝子に由来 する適切な転写または翻訳調節エレメントに作動可能に連結されるLeIF4Aポリペ プチドをコードするDNA配列を含む。このような調節エレメントには、以下に詳 細に記載するように、転写プロモーター、転写を制御するための任意のオペレー ター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、および転写および 翻訳の停止を制御する配列が挙げられる。形質転換体の認識を容易にするための 複製起点および選択可能マーカーがさらに組み込まれ得る。 DNA領域は、それらが互いに機能的に関連する場合、作動可能に連結される。 例えば、ポリペプチドの分泌に関係する場合、シグナルペプチド(分泌リーダー )についてのDNAは、ポリペプチドについてのDNAに作動可能に連結される;配列 の転写を制御する場合、プロモーターはコーディング配列に作動可能に連結され る;または、翻訳を可能にするように配置される場合、リボソーム結合部位は、 コーディング配列に作動可能に連結される。一般的に、作動可能に連結されると は、隣接して、および分泌リーダーの場合はリーディングフレーム中であること を意味する。微生物中で発現されるべきであるLeIF4Aポリペプチドをコードする DNA配列は、好ましくは、DNAのmRNAへの転写を早まって停止し得るイントロンを 含まない。 細菌の使用のための発現ベクターは、周知のクローニングベクターpBR322の遺 伝子エレメントを含む市販の入手可能なプラスミド(ATCC 37017)に由来する選 択可能マーカーおよび細菌の複製起点を含み得る。このような市販のベクターに は、例えば、pKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals,Uppsala,Sweden)およびp GEMl(Promega Biotec,Madison,WI,USA)が挙げられる。これらのpBR322「骨 格」セクションは、適切なプロモーターおよび発現されるべき構造配列と合わさ れる。代表的には、E.coliは、E.coli種に由来するプラスミドであるpBR322の 誘導体を使用して形質転換される(Bolivarら、Gene 2:95,1977)。pBR322は、 アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含み、したがって形 質転換された細胞を同定するための簡単な手段を提供する。 組換え微生物発現ベクターで通常使用されるプロモーターには、β-ラクタマ ーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトースプロモーター系(Changら、Nature 27 5:615,1978;およびGoeddelら、Nature 281:544,1979)、トリプトファン(tr p)プロモーター系(Goeddelら、Nucl.Acids Res.8:4057,1980;および欧州 特許出願36,776)、およびtacプロモーター(Maniatis、Molecular Cloning:ALa boratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,412頁,1982)が挙げられ る。特定の有用な細菌発現系は、ファージλPLプロモーターおよびcI857ts熱不 安定リプレッサーを用いる。λPLプロモーターの誘導体を組み込むアメリカンタ イプカルチャーコレクションから入手可能なプラスミドベクターには、E.coll株 JMB9に存在するプラスミドpHUB2(ATCC37092)およびE.coliRRIに存在するpPLc 28(ATCC 53082)が挙げられる。 酵母ベクター中の適切なプロモーター配列には、メタロチオネイン、3-ホスホ グリセリン酸キナーゼ(Hitsemanら、J.Biol.Chem.255:2073,1980)、また は他の解糖系酵素(Hessら、J.Adv.EnzymeReg.7:149,1968;およびHolland ら、Biochem.17:4900,1978)(例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド-3- リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホ スホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセリ ン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグ ルコースイソメラーゼ、およびグルコキナーゼ)についてのプロモーターが挙げ られる。酵母発現での使用に適切なベクターおよびプロモーターは、R.Hitzema nら、欧州特許出願73,657にさらに記載される。 好ましい酵母ベクターは、E.coli中の選択および複製のためのpBR322からのD NA配列(Ampr遺伝子および複製起点)、ならびにグルコース抑制性ADH2プロモー ターおよびα-ファクター分泌リーダーを含む酵母DNA配列を使用して組み立てら れ得る。ADH2プロモーターは、Russellら(J.Biol.Chem.258:2674,1982)お よびBeierら(Nature 300:724,1982)によって記載されている。酵母α-ファク ターリーダーは、異種タンパク質の分泌を指示し、これは、プロモーターと発現 されるべき構造遺伝子との間に挿入され得る(例えば、Kurjanら、Cell 30:933 ,1982;およびBitterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5330,1984を参照の こと)。リーダー配列は、3'末端の近くに、リーダー配列の外来遺伝子への融合 を促進するための1つ以上の有用な制限部位を含むように改変され得る。脊椎動 物細胞を形質転換することに使用される発現ベクター中の転写および翻訳制御配 列は、ウイルスソースによって提供され得る。例えば、通常使用されるプロモー ターおよびエンハンサーは、ポリオーマ、アデノウイルス2、シミアンウイルス 40(SV40)、およびヒトサイトメガロウイルスに由来する。SV40ウイルスゲノム 、例えば、SV40起点、初期および後期プロモーター、エンハンサー、スプライス 、およびポリアデニル化部位、に由来するDNA配列は、異種DNA配列の発現に必要 とされる他の遺伝子エレメントを提供するために使用され得る。初期および後期 プロモーターは、両方ともSV40ウイルス複製起点も含むフラグメントとしてウイ ルスから容易に得られるので、特に有用である(Fiersら、Nature 273: 113,19 78)。ウイルスの複製起点に位置するHindIII部位からBglII部位への範囲におよ ぶ約250bp配列が含まれるとすれば、より小さいまたはより大きいSV40フラグメ ントもまた使用され得る。さらに、このような制御配列が選択された宿主細胞に 適合可能であるならば、ウイルスゲノムプロモーター、制御および/またはシグ ナル配列が利用され得る。OkayamaおよびBerg,Mol.Cell.Biol.3:280,1983 によって開示されるように、例示のベクターが構築され得る。 C127マウス乳腺上皮細胞における哺乳動物レセプターcDNAの安定な高レベル発 現のための有用な系は、Cosmanら(Mol.Immunol.23:935,1986)によって記載 されるように、実質的に構築され得る。LbeIF4Aタンパク質DNAの発現のための好 ましい真核生物ベクターはpDC406であり(McMahanら、EMBO J.10:2821,1991) 、そしてSV40、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびエプスタイン・バーウイ ル ス(EBV)由来の調節配列が挙げられる。他の好ましいベクターには、pDC409お よびpDC410が含まれ、これらはpDC406に由来する。pDC410は、EBV複製起点をSV4 0ラージT抗原をコードする配列で置換することによってpDC406に由来した。pDC4 09は、複数のクローニング部位の外のBglII制限部位が欠失されており、複数の クローニング部位内のBglII部位を独自に作成する点で、pDC406とは異なる。 EBV複製起点を含む、pDC406およびpDC409のような発現ベクターをエピソーム 複製させるために有用な細胞株は、CV-1/EBNA(ATCC CRL 10478)である。CV-L/ EBNA細胞株は、エプスタイン・バーウイルス核抗原-I(EBNA-1)をコードする遺 伝子でのCV-1細胞株のトランスフェクションによって誘導されており、そしてヒ トCMV中期-初期エンハンサー/プロモーターから作動されるEBNA-1を構成的に発 現する。 形質転換した宿主細胞は、組換えDNA技法を使用して構築された発現ベクター で形質転換またはトランスフェクトされている細胞であり、そしてこれは本発明 のLbeIF4Aポリペプチドをコードする配列を含む。形質転換した宿主細胞は、所 望のLbeIF4Aポリペプチドを発現し得るが、LbeIF4A DNAをクローニングまたは増 幅する目的で形質転換された宿主細胞は、LbeIF4Aタンパク質を発現する必要が ない。発現されたLbeIF4Aタンパク質は、好ましくは、選択されたDNAに依存して 、培養上清中に分泌されるが、また細胞膜に堆積され得る。 組換えタンパク質の発現に適切な宿主細胞には、適切なプロモーターの制御下 の原核生物、酵母、または高等真核生物細胞が挙げられる。原核生物には、グラ ム陰性またはグラム陽性生物、例えば、E.coliまたはBacilliが挙げられる。高 等真核生物細胞には、以下に記載のような昆虫または哺乳動物起源の樹立細胞株 が挙げられる。無細胞翻訳系もまた、本明細書に開示されるDNA構築物に由来す るRNAを使用してLbeIF4Aタンパク質を産生するために用いられ得る。細菌、菌類 、酵母、および哺乳動物細胞性宿主との使用に適切なクローニングおよび発現ベ クターは、例えば、Pouwelsら、Cloning Vectors:A Laboratory Manual,Elsevi er,New York,1985に記載される。 原核生物発現宿主は、大規模なタンパク質分解およびジスルフィドプロセシン グを必要としないLeIF4Aポリペプチドの発現に使用され得る。原核生物発現ベク ターは、一般的に、1つ以上の表現型選択可能マーカー、例えば、抗生物質耐性 を与えるまたは独立栄養必要性を供給するタンパク質をコードする遺伝子、およ び宿主内での増幅を確実にするために宿主によって認識される複製起点を含む。 形質転換に適切な原核生物宿主には、E.coli、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium、およびPseudomonas、Streptomyces、およびStaphylococcus属内の 種々の種が挙げられるが、他の宿主も用いられ得る。 組換えLbeIF4Aポリペプチドはまた、酵母宿主で、好ましくはS.cerevisiaeの ようなSaccharomyces種から発現され得る。PichiaまたはKluyveromycesのような 他の属の酵母もまた用いられ得る。酵母ベクターは、一般的に、2μ酵母プラス ミドからの複製起点または自己複製配列(ARS)、プロモーター、LbeIF4Aポリペ プチドをコードするDNA、ポリアデニル化のための配列、ならびに転写終結およ び選択遺伝子を含む。好ましくは、酵母ベクターは、複製起点および酵母および E.coliの両方の形質転換を可能にする選択可能マーカー(例えば、E.coliのア ンピシリン耐性遺伝子およびS.cerevisiae trp1遺伝子、これは、トリプトファ ン中で増殖する能力のない酵母の変異株のために選択マーカーを提供する)、お よび構造配列の転写を下流に誘導するための光度に発現される酵母遺伝子に由来 するプロモーターを含む。次いで、酵母宿主細胞ゲノム中のtrp1障害の存在は、 トリプトファンの非存在下での増殖による形質転換を検出するために有効な環境 を提供する。 適切な酵母形質転換プロトコルは当業者に公知である。Hindら(Proc.Natl.A cad.Sci.USA 75:1929,1978)によって記載された技法の例は、0.67%酵母窒 素ベース、0.5%カサミノ酸(casamino acid)、2%グルコース、10mg/mlアデ ニン、および20mg/mlウラシルからなる選択培地中でTrp+形質転換体について選 択することを包含する。ADH2プロモーターを含むベクターによって形質転換され た宿主株は、80mg/mlアデニンおよび80mg/mlウラシルを追加した1%酵母エクス トラクト、2%ペプトン、および1%グルコースからなるリッチ培地中での発現 のために増殖され得る。ADH2プロモーターの脱抑制は、培地グルコースの消耗が 生じる。粗酵母上清は、濾過によって採取され、そしてさらなる精製前に4℃で 保たれる。 種々の哺乳動物または昆虫(例えば、SpodopteraまたはTrichoplusia)細胞培 養系もまた、組換えタンパク質を発現するために用いられ得る。昆虫細胞におけ る異種タンパク質の産生のためのバキュロウイルス系は、例えば、Luckowおよび Summers、Bio/Technology6:47,1988に総説される。適切な哺乳動物宿主細胞株 の例は、Gluzman(Cell 23:175,1981)に記載されるサル腎細胞のC0S-7株、な らびに適切なベクターを発現し得る他の細胞株を含み、例えば、CV-1/EBNA(ATC C CRL 10478)、L細胞、C127、3T3、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、COS 、NS-1、HeLa、およびBHK細胞株が含まれる。哺乳動物発現ベクターは、翻訳さ れないエレメントを含み、これは、例えば、複製起点、発現すべき遺伝子に連結 された適切なプロモーターおよびエンハンサー、および他の5'または3'フランキ ング非転写配列、および5'または3'非翻訳配列、例えば、必要なリボソーム結合 部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、および 転写終結配列である。 精製されたLeIF4Aポリペプチドは、本発明のDNAの組換え翻訳産物を発現する ために適切な宿主/ベクター系を培養することによって調製され得、次いで、こ れらは培養培地または細胞抽出物から精製される。例えば、培養培地中に組み換 えタンパク質を分泌する系からの上清は、まず、AmiconまたはMillipore Pellic on超濾過ユニットのような市販の入手可能なタンパク質濃縮フィルターを使用し て濃縮され得る。濃縮工程の後、濃縮物は、適切な精製マトリクスに適用され得 る。例えば、適切なアフィニティーマトリクスは、カウンター構造タンパク質( すなわち、LeIF4Aが構造に基づく特定の相互作用で結合するタンパク質)または レクチンまたは適切な指示体に結合した抗体分子を含み得る。あるいは、陰イオ ン交換樹脂が、例えば、ペンダントジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマ トリクスまたは基板に用いられ得る。マトリクスは、アクリルアミド、アガロー ス、デキストラン、セルロース、またはタンパク質精製に通常用いられる他のタ イプであり得る。あるいは、陽イオン交換工程が用いられ得る。適切な陽イオン 交換体には、スルホプロピルまたはカルボキシメチル基を含む種々の不溶性マト リクスが含まれる。スルホプロピル基が好ましい。ゲル濾過クロマトグラフィー もまた、LeIF4Aを精製する手段を提供する。 アフィニティークロマトグラフィーは、LbeIF4Aポリペプチドを精製する特に 好ましい方法である。例えば、免疫グロブリンFc領域を含む融合タンパク質とし て発現されるLbeIF4Aポリペプチドは、プロテインAまたはプロテインGアフィ ニティークロマトグラフィーを使用して精製され得る。さらに、ロイシンジッパ ードメインを含むLbeIF4Aタンパク質は、ロイシンジッパードメインに特異的な 抗体を含む樹脂上で精製され得る。LbeIF4Aタンパク質に対するモノクローナル 抗体もまた、当該分野で周知である方法を利用することによって、アフィニティ ークロマトグラフィー精製に有用であり得る。 最後に、疎水性RP-HPLC媒体(例えば、ペンダントメチルまたは他の脂肪族基 を有するシリカゲル)を用いる1つ以上の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP -HPLC)工程が、LbeIF4Aタンパク質組成物をさらに精製するために用いられ得る 。種々の組み合わせにおいて、上記精製工程のいくつかまたはすべてはまた、同 種の組換えタンパク質を提供するために用いられ得る。 細菌培養物中で産生される組換えLbeIF4Aポリペプチドは、好ましくは、細胞 ペレットからの最初の抽出、次いで、1回以上の濃縮、塩析、水性イオン交換ま たはサイズ排除クロマトグラフィー工程によって単離される。高速液体クロマト グラフィー(HPLC)が、最終精製工程に用いられ得る。組換えLbeIF4Aタンパク 質の発現に用いられる微生物細胞は、凍結−融解サイクル、ソニケーション、機 械的破砕、または細胞溶解剤の使用を含む何らかの好都合な方法によって破砕さ れ得る。 分泌されるタンパク質としてLbeIF4Aポリペプチドを発現する酵母の発酵は、 精製を非常に簡単にする。大規模発酵から得られる分泌される組換えタンパク質 は、Urdalら(J.Chromatog.296:171,1984)に開示されたものと類似の方法に よって精製され得る。この参考文献は、調製用HPLCカラムでの組換えヒトGM-CSF の精製についての2つの連続的逆相HPLC工程を記載する。 組換え培養物で合成されたLbeIF4Aポリペプチドの調製物は、非LbeIF4A細胞成 分を含み得、これは培養物からLbeIF4Aタンパク質を回収するために行われる精 製工程に依存する量および特徴でタンパク質を含む。これらの成分は、通常、酵 母、原核生物または非ヒト真核生物起源である。このような調製物は、代表的に は、起源の種で天然に見られるLbeIF4Aタンパク質に通常付随し得る他のタンパ ク質を含まない。 自動化合成は、約100よりも少ないアミノ酸、代表的には約50よりも少ないア ミノ酸を有する本発明のポリペプチドを調製する代替の方法を提供する。例えば 、Merrifield固相合成法のような市販の利用可能な固相技法のいずれかが用いら れ得、そこではアミノ酸は成長するアミノ酸鎖に連続して付加される。(Merrif ield、J.Am.Chem.Soc.85:2149-2146,1963を参照のこと)。ポリペプチドの 自動化合成のための設備は、Foster City,CAのApplied Biosystems,Inc.のよ うな供給業者から市販で入手可能であり、そして一般的に製造業者の指示に従っ て操作され得る。 LeIF4Aポリペプチドの提示の代替として、本発明は、LeIF4Aポリペプチドまた はその部分をコードする核酸分子を送達し得る組成物を包含する。このような組 成物には、組換えウイルスベクター(例えば、レトロウイルス(WO 90/07936、W O 91/02805、WO 93/25234、WO 93/25698、およびWO 94/03622を参照のこと)、 アデノウイルス(Berkner、Biotechniques 6:616-627,1988;Liら、Hum.Gene T her.4:403-409,1993;Vincentら、Nat.Genet.5:130-134,1993;およびKollsら 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:215-219,1994を参照のこと)、ポックスウ イルス(米国特許第4,769,330号;米国特許第5,017,487号;および桧089/01973 を参照のこと))、naked DNA(WO 90/11092を参照のこと)、ポリカチオン性分 子に複合体化される核酸分子(WO 93/03709を参照のこと)、およびリポソーム に関連する核酸(Wangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7851,1987を参照の こと)が含まれる。ある実施態様では、DNAは、殺したまたは不活性化したアデ ノウイルスに連結され得る(Curielら、Hum.Gene Ther.3:147-154,1992;Cot tonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6094,1992を参照のこと)。他の適切 な組成物には、DNA-リガンド(Wuら、J.Biol.Chem.264:16985-16987,1989を 参照のこと)および脂質-DNA組み合わせ(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.U SA 84:7413-7417,1989を参照のこと)が含まれる。さらに、細胞へのnaked DNA 取り込みの効率は、生分解性ラテックスビーズ上にDNAをコーティングすること によって増加し得る。 直接的インビボ手順の他に、細胞が動物から取り出され、改変され、そして同 じまたは他の動物中に配置されるエクスビボ手順が使用され得る。エクスビボ状 況で組織細胞中へのLeIF4A核酸分子の導入のために上記の組成物のいずれかを利 用し得ることが明らかである。ウイルスの、物理的、および化学的取り込みの方 法についてのプロトコルは、当該分野で周知である。 上記のように、本発明は、免疫応答を増強または誘起するために本命最初に開 示されたポリペプチドまたは関連の核酸組成物を使用する方法を提供する。LbeI F4Aが、Leishmania感染した個体からのPBMCの増殖を刺激する1つまたは複数の エピトープを含むことが、本発明の範囲内で見いだされた。LbeIF4Aはまた、感 染した個体からのPBMCを刺激して、排他的Th1サイトカインプロフィルを生成す る。Th1応答は、サイトカインのインターロイキン-1(IL-1)、インターロイキ ン-2(IL-2)、インターロイキン-12(IL-12)、またはインターフェロン-γ(I FN-γ)、ならびに腫瘍壊死因子-α(TNF-α)の産生によって特徴づけられる。 IL-12は、p40およびp35サブユニットを含むヘテロダイマー分子であり、これは 生物学的に活性なIL-12p 70の産生について同時発現されなければならない。p40 サブユニットは、IL-12産生細胞によってのみ産生され、そして細菌および寄生 虫刺激後にインビトロおよびインビボで誘導されるが、p35サブユニットは、遍 在的におよび構成的にの両方で発現される。したがって、IL-12を産生する細胞 はまた、大過剰(10〜100倍)の生物学的に不活性な遊離のp40鎖を有する。この サイトカインがTh1応答(IFN-γおよびIL-2産生)に対してT細胞に影響する能 力を有するので、IL-12産生の刺激は特に顕著である。したがって、IL-12産生を 刺激するタンパク質の能力は、重要なアジュバント特性である。 LbeIF4Aはまた、Leishmania感染した患者からのPBMCにおいて、IFN-γ、IL-2 、IL-12p40サブユニット、およびTNF-αをコードするmRNAのTh1プロフィルを刺 激する。Th2応答の指標である検出可能なIL-4またはIL-10mRNAは、このような刺 激されたPBMC中に存在しない。実際に、LbeIF4Aは、一般的に、数人のレーシュ マニア症患者の新鮮なPBMC中に存在するIL-10mRNAの発現、ならびに患者および 正常PBMCによるLPS誘導されたIL-10産生を、ダウンレギュレートする。LbeIF4A のこれらの特性は、レーシュマニア症患者において防御的または治療的免疫応答 を生じることにおけるLbeIF4Aについての役割を示唆する。 さらに、LbeIF4Aは、非感染コントロール個体から得られたPBMCにおいて、な らびに、培養したヒトマクロファージにおいて、ヒト骨髄白血病細胞株THP-1に おいて、およいマウスにおいて、IL-12およびIL-2の産生を刺激する。LbeIF4Aは また、IL-12を分泌するためのTHP-1細胞を剌激するようにIFN-γと相乗作用し、 そして患者PBMCによるIFN-γ産生の誘導は、抗住-12抗体の存在によって廃棄さ れる。IL-12およびIL-2産生を刺激する能力は、LbeIF4Aが免疫応答を誘導する能 力を有すること、および本明細書に記載されたポリペプチドが免疫応答の非特異 的増強に広い適応性を有することを示す。 したがって、本発明は、患者または細胞培養物において、細胞性免疫応答(例 えば、抗原特異的細胞溶解性T細胞の生成)を増強または誘起する方法を開示す る。本発明はまた、上記のように、LbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドを使用し て、抗原に対する体液性免疫応答(例えば、抗原反応性抗体産生)を増強または 誘起する方法を開示する。本明細書で使用される場合、用語「患者」は任意の温 血動物、好ましくはヒトをいう。患者は、レーシュマニア症(または他の感染性 の病気)のような病気、または黒色腫、乳ガン、前立腺ガン、リンパ腫、結腸ガ ン、または他の腫瘍のようなガンで苦しみ得、あるいは正常であり得る(すなわ ち、検出可能な病気および感染がない)。「細胞培養物」は、PBMCの何らかの調 製物または単離された成分細胞(マクロファージ、単球、B細胞、および樹枝状 細胞を含むが、これらに限定されない)である。このような細胞は、当業者に周 知の種々の技法(例えば、Ficoll-hypaque密度遠心分離)のいずれかによって単 離され得る。細胞は、レーシュマニア症または他の障害に苦しむ患者から単離さ れ得(しかし必要ではない)、そして処置後患者に再導入され得る。 これらの方法のうち、LeIF4Aポリペプチド(または核酸組成物)は、抗原とと もに患者または細胞に投与され、そのため抗原に対する免疫応答を増強または誘 起するための免疫調節薬剤として機能する。LeIF4Aポリペプチドは、抗原として 同じ調製物(例えば、ワクチン)内で投与され得、または別々に投与され得る。 1つの実施態様では、抗原およびLeIF4Aポリペプチドは、同時におよび同じ部位 に患者に投与される。このように、LeIF4Aポリペプチドは、例えば、異種の薬剤 のためのワクチン調製物中のアジュバントとして使用され得る。他の実施態様で は、抗原およびLeIF4Aポリペプチドは、患者の異なる部位に投与される。例えば 、LeIF4Aポリペプチドは、一方の腕に投与(例えば、注射)され得、そして抗原 は他方の腕に投与され得る。このような投与は、同じ時間に行われ得るが必要で はない。あるいは、LeIF4Aポリペプチドは、抗原の前または後に投与され得る。 例えば、LeIF4Aポリペプチドは、抗原投与の24時間前に投与され得る。適切な用 量および投与方法を以下に詳細に示す。 LeIF4Aポリペプチドが投与される患者によって生成される免疫応答は、患者の 症状に依存して変化し得る。Leishmania感染した患者については、生成され得る 免疫応答は、優先的Th1免疫応答(IL-12産生の刺激を含む)およびIL-10発現の ダウンレギュレーションを含む。感染していない個体については、免疫応答はIL -12の産生、IL-2の産生、γT細胞の刺激、インターフェロンの産生、抗原反応 性CTLの生成、抗原特異的抗体の産生、またはそれらの任意の組み合わせであり 得る。いずれかのタイプの応答は、LeIF4Aポリペプチドとともに投与された抗原 に対する患者の免疫応答の増強を提供する。さらに、黒色腫、乳ガン、リンパ腫 、結腸ガン、前立腺ガンなどのような診断されたガンの患者について、免疫応答 は優先的CTL応答を含み得る。腫瘍の処置について、免疫応答は、腫瘍塊におい て減少の結果になるべきである。 LeIF4Aポリペプチド(または核酸組成物)は、好ましくは、薬学的組成物また はワクチンとして上記の方法での使用のために処方される。薬学的組成物は、一 般的には、生理学的に受容可能なキャリア、賦形剤、または希釈剤と組み合わせ て1つ以上のLbeIF4Aポリペプチドを含む。このようなキャリアは、用いられる 投与量および濃度でレシピエントに非毒性である。ワクチンは、1つ以上のLbeI F4Aポリペプチドおよび指示のために適切な1つ以上の追加の抗原を含む。可溶 性サイトカインレセプター、サイトカイン、および化学療法剤とともにLbeIF4A タンパク質の使用もまた意図される。 投与経路および頻度ならびにポリペプチド(または核酸組成物)用量は個体か ら個体で変化し、そして他の感染の免疫または処置に現在使用されるものに近似 し得る。一般的に、薬学的組成物およびワクチンは、注射(例えば、筋肉内、静 脈内、または皮下)、鼻内(例えば、吸引)、または経口によって投与され得る 。投与量および頻度は、当然、処置される徴候の性質および重篤度、所望の応答 、患者の状態などのような因子に依存する。代表的には、1と4との間の用量が 2〜6週間の期間投与され得る。好ましくは、最初よりも2〜4週後に第2の用 量で、2つの用量が投与される。適切な用量は、患者においてIL-12の産生を刺 激するLbeIF4Aポリペプチドの量であり、そのため患者から単離されたPBMCの上 清中のIL-12の量は、1mLあたり約10ngと10μgとの間である。一般的に、IL-12 の量は、本明細書に記載されるアッセイを含む、当業者に公知の任意の適切なア ッセイを使用して決定され得る。用量中に存在するLbeIF4Aポリペプチドの量は 、代表的には、宿主1kg当たり約1pg〜約100mg、代表的には約10pg〜約1mg、 そして好ましくは約100pg〜約1μgの範囲である。適切な用量サイズは、動物 のサイズによって変化するが、代表的には、10〜60kg動物につき約0.01mL〜約5 mLの範囲である。特定の指示についての特異的な適切な投与量は、容易に決定さ れ得る。 あるいは、細胞、好ましくは末梢血単核細胞は、患者から取り出され、そして 1つのLeIF4Aポリペプチドおよび抗原(腫瘍抗原を含む)でインビトロで刺激さ れる。CTL応答のような抗原特異的免疫応答の生成において、細胞は拡大されそ して患者に再注入され得る。 当業者に公知の任意の適切なキャリアは本発明の薬学的組成物に用いられ得る が、キャリアのタイプは、投与の態様および持続放出投与が所望されるかどうか に依存して変化する。皮下注射のような非経口投与については、キャリアは、好 ましくは、水、生理食塩水、アルコール、脂肪、ワックス、または緩衝液を含む 。経口投与については、上記のキャリアのいずれかまたは固体キャリア、例えば 、マンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸マグネシウム、サッカリ ンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、および炭酸マグ ネシウムが用いられ得る。生分解性マイクロスフェア(例えば、ポリ乳酸ガラク チド)もまた、本発明の薬学的組成物のためのキャリアとして用いられ得る。適 切な生分解性マイクロスフェアは、例えば、米国特許第4,897,268号および第5,0 75,109号、ならびに米国特許出願第08/116,484号および第08/116,802号(参考と し て本明細書に援用される)に開示される。ポリペプチドまたはポリペプチド/抗 原の組み合わせは、生分解性マイクロスフェア内にカプセル化され得、またはマ イクロスフェアの表面に結合され得る。これに関して、マイクロスフェアが約25 ミクロンよりも大きいことが好ましい。 薬学的組成物およびワクチンはまた、希釈剤(例えば、緩衝液)、抗酸化剤( 例えば、アスコルビン酸)、低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド、タ ンパク質、アミノ酸、炭水化物(グルコース、スクロース、またはデキストラン を含む)、キレート化剤(例えば、EDTA)、グルタチオン、および他の安定化剤 および賦形剤を含み得る。中性緩衝化生理食塩水または非特異的血清アルブミン と混合された生理食塩水は、適切な希釈剤の例である。好ましくは、産物は、希 釈剤として適切な賦形剤溶液(例えば、スクロース)を使用して凍結乾燥物とし て処方される。 必要に応じて、種々の追加の薬剤のいずれかが、LbeIF4Aの他に、免疫応答を さらに非特異的に増強するために、本発明のワクチンまたは薬学的組成物で用い られ得る。このような薬剤は、通常、迅速なカタボリズムから抗原を防御するよ うに設計された物質(例えば、水酸化アルミニウムまたは鉱油)、および免疫応 答の非特異的刺激剤(例えば、リピドA、Bortadella perutussis、またはMycob acterium tuberculosis)を含む。このような薬剤は、例えば、フロイントの不 完全アジュバントおよび完全アジュバント(Difco Laboratories,Detroit,MI )およびMerck Ajuvant 65(Merck and Company,inc.,Rahway,NJ)として市 販で入手可能である。 以下の実施例は例証によって提供され、限定によって提供されるものではない 。当業者は、実施例で具体化される本発明の改変が、特に本明細書で引用された 種々の参考文献の教示によって行われ得ることが認識される。 実施例 実施例1 LbeIF4A をコードするDNAの調製 この実施例は、L.braziliensisリボソーム抗原LbeIF4AをコードするDNA配列 の分子クローンを例示する。 ゲノム発現ライブラリーを、バクテリオファージλZAPII(Stratagene,La Jo lla,CA)中にL.braziliensis(MHOM/BR/75/M2903)からの剪断されたDNAで構 築した。発現ライブラリーを、粘膜レーシュマニア症のL.braziliensis感染し た個体からのE.coli予備吸着された患者の血清でスクリーニングした。免疫反 応性組換え抗原を含むプラークを精製し、そしてpBSK(-)ファージミドは製造業 者にプロトコルを使用して切除した。ひとかたまりの(nested)欠失をエクソヌ クレアーゼIIIで行って、一本鎖テンプレート調製物および配列決定のための重 複欠失を生成した。一本鎖テンプレートを、製造業者(Stratagene,La Jolla, CA)によって推奨されるVCSM13ヘルパーファージでの感染後に単離し、そしてジ デオキシ鎖ターミネーター法によってまたはApplied Biosystems Automated Seq uencer Model 373Aを使用するTaq染料ターミネーターシステムによって配列決定 した。 次いで、免疫反応性組換え抗原を、以下の実施例5に記載のように、患者のT 細胞アッセイで増殖性応答を刺激する能力について、および以下の実施例7に記 載のように、優勢なTh1サイトカインプロフィルについて分析した。 組換えクローンを、他のタンパク質の配列と断定されたアミノ酸配列の配列比 較に続いて、真核生物開始因子4A(eIF4A)のLeishmania braziliensisホモログ として同定した上記のアッセイで同定した。単離したクローン(pLeIF.1)は、 全長タンパク質配列の最初の48アミノ酸残基(144ヌクレオチド)がなかった。 続いて、pLeIF.1インサートを使用して、全長ゲノム配列を単離した。 配列番号1は、全長LbeIF4Aポリペプチドの全体のヌクレオチド配列を示す。 オープンリーディングフレーム(ヌクレオチド115〜1323)は、45.3kDの断定さ れた分子量を有する403アミノ酸タンパク質をコードする。タバコ(TeIF4A)、 マウス(MeIF4A)、および酵母(YeIF4A)からの同種タンパク質と、LbeIF4Aの 断定されたタンパク質配列の比較は、最も可変性である最初の20〜30アミノ酸と の広い配列相同性を示す。LbeIF4A、TeIF4A、MeIF4A、およびYeIF4Aの長さ(403 、413、407、および395アミノ酸)、分子量(45.3、46.8、46.4、および44.7kDa )、および等電点(5.9、5.4、5.5、および4.9)はそれぞれ類似している。LbeI F4A は、TeIF4Aと75.5%(57%同一性、18.5%保存的置換)、MeIF4Aと68.6%(50% 同一性、18.6%保存的置換)、およびYeIF4Aと67.2%(47.6%同一性、19.6%保 存的置換)の全体の相同性を示す。 実施例LbeIF4A 遺伝子の特徴付け この実施例は、Leishmania種におけるLbeIF4A DNAのサザンブロット分析を記 載する。Leishmania braziliensis(MHOM/BR/75/M2903)、L.guyanensis(MHOM /BR/75/M4147)、L.amazonensis(IFLA/BR/67/PH8)、L.chagasi(MHOM/BR/82 /BA-2,ClおよびMHOM/BR/84/Jonas)、L.donovani(MHOM/Et/67/HU3)、L.infa ntum(IPT-1)、L.major(LTMp-2)、L.tropica(1063C)、Trypanosoma cruzi (MHOM/CH/00/Tulahuen C2)、およびT.brucei(TREU 667)を使用し、そして これらは既に記載されている(Burnsら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:77 5-779,1993を参照のこと)。前鞭毛虫(promastigote)および上鞭毛虫(epima stigote)を無菌培地で培養した。L.chagasiおよびL.amazonensis無鞭毛虫(a mastigote)を、それぞれSyrianハムスターの脾臓およびBALB/c ByJマウスの足 蹠から得、そしてBurnsら、J.Immunol.146:742-748,1991に記載のように精製 した。 Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York,1989に記載のように、ゲノムDNAを調製し、LbeIF 4Aの内側(PstIおよびNotI)および外側(BamHI、EcoRI、EcoRV、HindIII、PvuI I、およびSstI)の両方で切断する酵素で切断し、0.7%アガロースゲル上で分離 し、そしてNytran(ナイロン)膜上でブロットした。LbeIF4Aのコーディング領 域の約0.94kbフラグメント(ヌクレオチド143〜1083)を含む制限フラグメント を、ランダムプライミング法によって放射標識し(FeinbergおよびVogelstein、 Anal.Biochem.137:266-268,1984を参照のこと)、そしてブロットを65℃にて 一晩ハイブリダイズした。ブロットを、0.1% SDSを含む2×、0.5×、および0. 2×SSCのそれぞれで20分間65℃で2回洗浄した。L.braziliensisゲノムDNAは、 BamHIおよびPvuIIレーンで2つのハイブリダイズしているバンドの存在によって 例示されるように、LbeIF4Aの少なくとも2コピーを含んでいた(図1)。 同じ図はまた、L.braziliensisのeIF4Aホモログと他のLeishmania種との間の 交差種保存を示す。2つの主要なPstIのハイブリダイズしているフラグメントを 、L.donovani複合体(L.chagasi、L.donovani、およびL.infantum)のメン バーでテストしたすべての他のLeishmania種で検出し、これは同一のハイブリダ イゼーションパターンを示した。LbeIF4Aはまた、ストリンジェントハイブリダ イゼーション条件下で、より離れた関連の寄生虫T.cruziと交差ハイブリダイズ するが、T.bruceiとはハイブリダイズしない。これらのデータは、Leishmania eIF4Aホモログの広い交差種保存を示す。 実施例3 LbeIF4A の調製 この実施例は、約45kDa LbeIF4A抗原遺伝子産物の発現および精製を説明する 。ゲノムクローンpLeIF4Aの45kDa組換え抗原(すなわち、N-末端の48残基のない 抗原)を、500mlのIPTG誘導した培養物から精製した。封入体を単離し、続いて 2、4、および8M尿素を含む10ml TNE(50mM Tris、pH8.0、100mM NaCl,およ び10mM EDTA)で洗浄した。溶解した組換え抗原を含む画分(通常4および8M尿 素上清)をプールし、Tris緩衝化生理食塩水(TBS)に対して透析し、そして30 %硫酸アンモニウムでの沈殿によって濃縮した。均質への精製を、調製用SDS-PA GE電気泳動、次いで組換え抗原の切り出しおよび電気溶出によって完了した。発 明者らの研究に使用したすべての抗原は、Immunex Corp.,Seatle,WAによって 行われるLimulus両性細胞(amebocyte)アッセイで、10pg/mlまたは1ng/mgタン パク質より少ないエンドトキシンを有した。これらのエンドトキシンの量は、サ イトカイン誘導および/またはアジュバント活性についてはわずかである。 組換え抗原を使用して、ポリクローナル抗血清の産生のためにウサギに免疫し た。成熟ウサギ(ニュージーランドホワイト;R & R Rabbitry,Stanwood,WA) を、100μgのムラミルジペプチド(アジュバントペプチド、Calbiochem-Novabi ochem Corp.,La Jolla,CA)とともに不完全フロイントアジュバント中の100μ gの精製LbeIF4Aでの皮下免疫、次いでIFA単独中の100μgの組換え抗原での4 週後 の追加免疫によって免疫した。3週後、ウサギを、生理食塩水中の25μgのLbeI F4Aで静脈内に追加免疫し、そして血清を1週後に採取した。 初期、中期、または後期対数期の間、あるいは22〜35℃の培養の温度シフトの 後に採取したpromastigoteからのL.braziliensis溶解物のイムノブロットを、 次いで、プローブとしてポリクローナルウサギ抗血清を用いて行った(図2)。 図2のパネルAは、分子量マーカー(レーンM)、誘導されていない(レーン1 )および誘導された(レーン2)培養物のE.coli溶解物、および精製組換え抗 原(レーン3)のイムノブロット分析を示す。図2のパネルBは、L.brazilien sis promastigote溶解物(レーン1)、L.chagasi prostigote溶解物(レーン 2)、およびL.amazonensis prostigote(レーン3)またはamastigote(レー ン4)溶解物のイムノブロット分析を示す。 寄生虫および哺乳動物細胞溶解物を、グリセロールおよびβ-メルカプトエタ ノールを含まないSDS試料緩衝液中でのペレットの凍結/融解溶解によって調製 した。不溶性材料を、マイクロ遠心分離機での10K rpmでの遠心分離によって上 清から分離した。タンパク質濃度を、Pierce BCAタンパク質アッセイきっとを使 用して決定した。5〜10μgの寄生虫または細胞抽出物あるいは0.5〜1.0μgの 組換え抗原を12.5% SDS-PAGEで分離し、そしてニトロセルロース膜に電気泳動 によって移した。抗血清の反応性を、[125I]-プロテインA次いでオートラジオ グラフィーを使用して、既に記載されているように(Skeikyら、J.Exp.Med.1 76:201-211,1992)評価した。 ウサギ抗血清は、約45kDサイズの1つの優勢なタンパク質種を検出した。45kD eIF4Aホモログの相対強度は、分析したすべての溶解物について同様であった。 したがって、これは、この抗原が、寄生虫の初期から中期対数増殖期の間あるい は細胞内amastigote期を模倣する温度移行後に、構成的に発現されることを示唆 する。これは、産物が22〜35℃の温度移行後にアップレギュレートされるLeishm ania熱ショックタンパク質ファミリーのメンバーと同じではない。 実施例4 LbeIF4A に結合するモノクローナル抗体の調製 この実施例は、LbeIF4Aに対するモノクローナル抗体の調製を説明する。精製 組換えLbeIF4Aまたは高レベルのLbeIF4Aを発現するトランスフェクトした細胞の 調製は、米国特許第4,411,993号に開示されるように、従来の技法を使用してlbe IF4Aに対するモノクローナル抗体を生成するために用いられ得る。このような抗 体は、LbeIF4Aについての診断または調査アッセイの成分として、あるいはLbeIF 4Aのアフィニティー精製において、PBMCのLbeIF4A活性化を妨害するために使用 され得る。 齧歯類を免疫するために、LbeIF4A免疫原を、アジュバント(例えば、完全ま たは不完全フロイントアジュバント、アラム)あるいはRibi adjuvant R700(Ri bi,hamilton,MT)のような他のアジュバントで乳化し、そして選択した齧歯類 、例えば、BALB/cマウスまたはLewisラットに10〜100μgの範囲の量で皮下に注 入する。10日〜3週日後、免疫した動物を追加の免疫源で追加免疫し、そしてそ の後1週ごと、2週ごと、または3週ごとの免疫スケジュールで定期的に追加免 疫する。血清試料を、ドットブロットアッセイ(抗体サンドイッチ)またはELIS A(酵素結合イムノソルベントアッセイ)によってテストするために後眼窩出血 または尾先端切除によって定期的に採取する。Th1応答の誘起の阻害のような、 他のアッセイ手順も適切である。 適切な抗体価の検出後、ポジティブ動物に、生理食塩水中の抗原の静脈内注射 をする。3〜4日後、動物を屠殺し、脾臓細胞を採取し、そしてマウス骨髄細胞 株(例えば、NS1または好ましくはAg 8.653[ATCC CRL 1580])に融合する。この 手順によって生成したハイブリドーマ細胞株を、選択培地(例えば、ヒポキサン チン、アミノプテリン、およびチミジンを含む培地、すなわちHAT)中、マルチ プルマイクロタイタープレートに播種して、非融合細胞、骨髄−骨髄ハイブリッ ド、および脾臓細胞−脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害する。 このように生成したハイブリドーマ株は、例えば、Engvallら(Immunochem.8 :871,1971)および米国特許第4,703,004号に開示される技法の適合によって、L beIF4Aとの反応性についてELISAによってスクリーニングされ得る。好ましいス クリーニング技法は、Beckmanら、J.Immunol.144:4212(1990)によって開示さ れる抗体捕獲技法である。ハイブリドーマ株は、例えば、限定希釈によってまた は軟寒天でのクローニングによってクローニングされて、モノクローナル細胞株 を得る。次いで、ポジティブクローンを、先天性齧歯類の腹腔に注入して、高濃 度(>1mg/ml)の抗LbeIF4Aモノクローナル抗体を含む腹水を生成する。得られ るモノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム沈殿、次いでゲル排除クロマトグラ フィーによって精製され得る。あるいは、プロテインAまたはプロテインGへの 抗体の結合に基づくアフィニティークロマトグラフィーがまた使用され得、LbeI F4Aへの結合に基づくアフィニティークロマトグラフィーも同様に使用され得る 。 実施例5 PBMC 増殖のLbeIF4A刺激 この実施例は、L.braziliensis感染した個体からのPBMCの増殖を刺激するた めの精製組換えLbeIF4Aの能力を説明する。地方流行病学的、臨床的、および免 疫学的研究が10年にわたって行われている、L.braziliensis伝搬の地方流行の 領域(Corte de Pedra、Bahia、Brazil)に住んでいる個体から、末梢血を得た 。患者の診断を、以下の少なくとも1つに関連する臨床的所見によって行った: 病変からの寄生虫の単離、Leishmania溶解物での陽性皮膚テスト、または陽性血 清学的テスト。 末梢血を採取し、そしてPBMCをFicollTM(Winthrop Laboratories,New York )による密度遠心分離によって単離した。インビトロ増殖アッセイについて、2 〜4×105細胞/ウェルを、10μg/mlの指示された抗原または5μg/ml PHA(S igma Immunochemicals,St.Louis,MO)とともにまたは含まずに、96ウェル平 底プレートで、完全培地(ゲンタマイシン、2-ME、L-グルタミン、および10%ス クリーニングされプールされたA+ヒト血清を追加したRPMI 1640;Trimar,Holly wood,CA)中で5日間培養した。次いで、細胞を、培養の最後の18時間、1μC iの[3H]チミジンでパルスした。 データは、3連の培養物の平均cpmとして示され、そして刺激指数(SI)は、 抗原を含む培養物の平均cpm/抗原を含まない培養物の平均cpmとして定義される 。表Iおよび図3に示すように、ほとんどの(>70%)粘膜のおよび活性または 治癒した皮膚の患者からのPBMCは、それぞれ、12〜233および2〜64の範囲の刺 激 指数を有する外因性増殖パターンでLbeIF4Aに応答した。 一般的に、刺激指数は、粘膜個体からのPBMCでより高かった。数名の粘膜患者 からのPBMCは、寄生虫溶解物で観察されるものに匹敵する刺激指数でLbeIF4Aに 応答した。興味深いことに、皮膚レーシュマニア症の数名の患者では、LbeIF4A に対する増殖性応答は、寄生虫溶解物によって誘起されるものより高かった。粘 膜および皮膚患者に対比して、自己治癒する皮膚レーシュマニア症のすべての6 名の個体からのPBMCは、粘膜個体のものに匹敵する刺激指数(16〜198)でLbeIF 4Aに応じて増殖した。自己治癒する個体の2名(MSおよびDJ)からのPBMCは、寄 生虫溶解物で得られるものよりも著しく高い応答を有した。正常な感染していな い個体からの細胞は、LbeIF4Aによって最低限にのみ刺激された。 実施例6 PBMC におけるサイトカインmRNA発現のLbeIF4A刺激 この実施例は、L.braziliensis感染の確認された症例の患者からのPBMCのサ イトカインmRNA発現パターンの分析を示す。サイトカインmRNA分析について、0. 5〜1mlのPBMCを、配列番号2のN-末端の48残基がない10μg/mlのLbeIF4A抗原 (実施例3に記載されるような)を含むまたは含まない1〜2×106細胞/mlで 、48および72時間培養した。上清および細胞を採取し、そしてポリメラーゼ連鎖 反応(PCR)によってサイトカインmRNAについて分析した。サイトカインmRNA PC R分析については、トータルRNAを、ChomczynskiおよびSacchi(Anal.Biochem. 162:156-159,1987)に記載されるような、酸グアニジウムチオシアネート-フェ ノール-クロロホルム抽出法を使用して、PBMCから単離した。相補的DNA(cDNA) を、20μlの最終容量中でポリ(dT)(Pharmacia)およびAMV逆転写酵素(Bethes da Research Laboratories,Gaithersburg,MD)を使用して合成した。cDNA試料 を水で200μlにした。 β-アクチンの規格化の後、12〜20μlの希釈したcDNAを、50μlの反応容量 中で、0.2μMのそれぞれの5'および3'外部プライマーとともにTaqポリメラーゼ (Perkin-Elmer Cetus,Norwalk,CT)を使用するPCRによって増幅した。使用し た条件は以下のとおりであった:94℃にて変性(β-アクチン、IL-2、およびIL- 4については1分;IFN-γについては45秒;およびIL-10については30秒)、55℃ にてアニーリング(β-アクチン、IL-2、およびIL-4については1分;IL-10につ いては30秒)またはIFN-γについては60℃にて45秒、および72℃にて伸長。発明 者らのPCR条件が、最初にcDNAの連続希釈を行うこと、およびPCRに使用されるサ イクルの数を変えることによって、半定量的範囲内であることを確認した。すべ ての後の実験では、β-アクチン、IL-2、IL-4、およびIFN-γについての増幅反 応では、30サイクルを使用した。IL-10 PCRの場合では、25サイクルを使用した 。 使用されるプライマー対およびPCR条件は、公表された情報からであった:β- アクチン、IL-2、IL-4、およびIFN-γ(Ehlersら、J.Exp.Med.173:23-36,19 91)およびIL-10(Vieraら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.88:1172-1176,19 91)。5'および3'オリゴヌクレオチドプライマーについてのヌクレオチド配列は 、それぞれ、以下のとおりであった:(1)β-アクチン、TGACGGGGTCACCCACACTGTG CCCATCTAおよびCTAGAAGCATTGCGGTGGACGATGGAGGG;(2)IL-2、ATGTACAGGATGCAACTC CTGTCTTおよびGTCAGTGTTGAGATGATGCTTTGAC;(3)IL-4、ATGGGTCTCACCTCCCAACTGCT およびCGAACACTTTGAATATTTCTCTCTCAT;(4)IFN-γ、ATGAAATATACAAGTTATATCTTGGC TTTおよびGATGCTCTTCGACCTCGAAACAGCAT;(5)IL-10、TCTCAAGGGGCTGGGTCAGCTATCC CAおよびATGCCCCAAGCTGAGAACCAAGACCCA。 ヒト配列IL-2、IFN-γ、およびIL-4(Lewisら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S. A.85:9743-9747,1988)およびβ-アクチン(65128号;アメリカンタイプカル チャーコレクション,Rockville,MD)を含むプラスミドを使用して、プローブ を得、これらはそれぞれ、HindIII/EcoRI、EcoRI、SacI/HindIII、およびEcoRI で切断された。ヒトIL-10の全体のコーディング領域にわたる535塩基対フラグメ ントを増幅するように設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、正 常ドナーからのマイトジェン刺激したPBMCからのPCRによって、ヒトIL-10 cDNA をクローニングした(Lewisら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:9743-9747 ,1988)。cDNAをpBluescript中にサブクローニングし、そしてBamHI/EcoRIで切 断した。1%アガロースゲル上での分離後、挿入DNAフラグメントを切り出し、 電気溶出し、そして精製した。放射標識した32P-プローブを、ランダムプライミ ング法によって調製した。 PCR産物を1.5%アガロースゲルでの電気泳動によって分析し、ナイロン膜に移 し、そして適切な32P-標識したDNAインサートでプローブした。ハイブリダイゼ ーションは55℃にて一晩であった。ハイブリダイゼーション後洗浄は、0.2%SDS を含む2×および1×SSCでそれぞれ2回、55℃にて20分間であった。 これらの分析の結果を、図4Aおよび4Bに示す。PCRサイトカイン分析を、培養 前(レーン0)、抗原の不在下での培養後(レーン−)、または10μg/ml L.b raziliensis溶解物の存在下での培養後(レーンLb)、または10μg/ml LbeIF4A の存在下での培養後(レーンIF)の細胞で行った。図4Aは、分析した6名の粘膜 患者のPBMCのうちの3名(JV、SZ、およびTE)および瀰漫性皮膚レーシュマニア 症(DCL)として明らかにされたL.amazonensis感染の1名の患者(VA)につい ての、サイトカインmRNAのPCR結果を示す。6名の粘膜患者のうちの3名(TE、 図4A;NOおよびE0、示していない)において、インビトロで培養されていないPB MCは、IFN-γおよびIL-4について、ならびにIL-2(患者TEおよびE0)について、 mRNAの検出可能なレベルを有した。IL-10 mRNAは、粘膜患者のいずれかからの「 休止」PBMCにおいて検出されなかった。しかし、抗原刺激の不在下でのインビト ロ培養後、IL-10m RNAの合成は、分析したほとんどの粘膜PBMCにおいてアップレ ギュレートされた。さらに、患者TE、NO、およびEOの「休止」PBMCで検出された サイトカインmRNAのレベルは、バックグラウンドレベルに低下した。 寄生虫溶解物は、Th1サイトカインIFN-γおよびIL-2のmRNAの発現、ならびにT h2サイトカインIL-4のmRNAの発現を刺激した(6名の患者のうち3名で)。増加 したIL-10 mRNAは、寄生虫溶解物との培養後、患者のPBMのうち1つ(SZ)にお いて検出された。LbeIF4A抗原および寄生虫溶解物の両方とも、排他的なTh1サイ トカインプロフィルを誘起するLbeIF4Aでのすべての粘膜患者PBMCから、IFN-γ およびIL-2のmRNAの産生を誘起した。実際に、LbeIF4Aは、抗原刺激前のほとん どの粘膜患者の培養したPBMCで検出されるIL-10 mRNAの合成をダウンレギュレー トした。興味深いことに、粘膜患者からのPBMCを使用する場合のように、LbeIF4 Aはまた、DCL患者VAにおいてIL-10 mRNAの合成をダウンレギュレートした。 一般的に、IFN-γおよびIL-2についてのmRNAのレベルは、抗原刺激前の検出で きない量から、エチジウムブロミド染色したゲルにおいて抗原刺激後に容易に見 えるレベルに上昇した。しかし、サイトカインIL-4およびIL-10についてのmRNA は、解析されたPCR産物の放射活性プロービング後に検出されるのみであり、こ れらのサイトカインメッセージの低い豊富さを示した。 同様のPCR分析を、皮膚患者由来のPBMCで行った(図4B)。分析した4名の患 者のうちの3名(VS、JPおよびCA(示していない))からの新鮮なPBMCは、検査 したTh1(IFN-γおよびIL-2)およびTh2(IL-4およびIL-10)の両方についてのm RNAの高いレベルを示した。4番目の皮膚患者(AS)の新鮮なPBMCにおいて、IFN -γおよびIL-2についてのmRNAは検出されたが、IL-10およびIL-4については検出 されなかった。したがって、粘膜患者とは反対に、皮膚レーシュマニア症の患者 は、その新鮮なPBMC中に、IL-4、IL-2、およびIFN-γの他に、IL-10 mRNAを有す る。興味深いことに、IL-2およびIFN-γについてのmRNAは抗原の不在下でPBMCの インビトロ培養の後にわずかに検出可能なレベルにまで低下したが、IL-10につ いてのmRNAは影響を受けないかまたは上昇するかのいずれかのままであった。し たがって、皮膚患者において、IL-10 mRNAの自然レベルは安定であるか、または 彼らのPBMCは抗原刺激の不在下でIL-10を合成することを続けるかのいずれかで ある。皮膚レーシュマニア症患者についてのこのような応答の観察は、自己治癒 病変を経験する個体から、慢性皮膚レーシュマニア症を発現する素因がある個体 を区別することが開発され得る。 テストしたすべての皮膚患者は、LbeIF4A抗原に対して、ならびにIL-2およびI FN-γについてのmRNAの合成をアップレギュレートすることによる寄生虫溶解物 に対して応答し、そして4名の患者のうち2名(VSおよびAS)では、IL-4 mRNA のレベルはまた、寄生虫溶解物での刺激後上昇した。検出可能な自然レベルのIL -10 mRNAを有する3名の患者(VS、JP、およびCA)において、LbeIF4Aならびに 寄生虫溶解物はIL-10 mRNAの発現をダウンレギュレートした。 自己治癒するCLを有する患者からのPBMCのサイトカインmRNAプロフィルは、ML 患者のものと以下の点で同様であった:(a)IL-10 mRNAの検出可能なレベルを有 する1名の患者を除いて、分析した4名の患者のうち3名からの新鮮なPBMCがIL -2、IFN-γ、およびIL-4の検出可能なレベルを有したが、ほとんどまたは全くIL -10 mRNAを有さなかった;(b)IL-10 mRNAは、抗原を含まないPBMCの培養後にア ップレギュレートされたが、IL-2、IFN-γ、およびIL-4のmRNAは、バックグラウ ンドレベルに低下した;および(c)レーシュマニア溶解物は、混合したTh1/Th2サ イトカインプロフィルのmRNA発現を刺激したが、誘起されたLbeIF4AはTh1タイプ のサイトカインのみのmRNA発現を上昇させ、そしてほとんどの自己治癒する個体 の培養したPBMCにおけるIL-10 mRNAの発現をダウンレギュレートした(示してい ない)。 実施例7 PBMC におけるサイトカイン分泌のLbeIF4A刺激 この実施例は、配列番号2のN-末端の48残基がないLbeIF4A抗原(実施例3に 記載されるように)または寄生虫溶解物での刺激後に、L.braziliensis感染し た個体からのPBMCの分泌されたサイトカインの上清レベルを示す。PBMC上清のア リコートをIFN-γ、TNF-α、IL-4、およびIL-10についてアッセイした。IFN-γ を、マウス抗ヒトIFN-γmAb(Chemicon,Temucula,CA)およびポリクローナル ウサギ抗ヒトIFN-γ血清を使用する二重サンドイッチELISAによって定量した。 ヒトrIFN-γ(Genentech Inc.,San Francisco,CA)を使用して標準曲線を作成 した。IL-4を、マウス抗ヒトIL-4 mAb(M1)およびポリクローナルウサギ抗ヒト IL-4血清(P3)を使用して二重サンドイッチELISAによって上清中で定量した。 ヒトIL-4(Immunex Corp.,Seatle,WA)を使用して、50pg/ml〜1ng/mlの範囲 の標準曲線を作成した。分泌されたIL-10を「捕獲する」ためのラット抗ヒトIL- 10 mAb(PharMingen,San Diego,CA,Cat.# 18551D)、およびストレプトアビ ジン結合西洋ワサビペルオキシダーゼおよび基質としてのABTSと結合したIL-10 の検出のためのビオチン化ラット抗ヒトIL-10 mAb(PharMingen,San Diego,CA ,Cat.# 18562D)を使用して、IL-10を測定した。標準曲線を、30pg〜2ng/ml の範囲のヒトrIL-10(DNAX Research Institute,Palo Alto,CAから好意により 提供された)を使用して得た。 3つの患者群(すなわち、粘膜、皮膚、および自己治癒する皮膚)のすべてか らの細胞は、10μg/ml LbeIF4A抗原または10μg/ml寄生虫溶解物のいずれかで の刺激後にIFN-γおよびTNF-αを分泌した(図5および6)。同様に、LbeIF4A は、IFN-γを増殖および分泌するようにL.tropica感染の患者(Desert Storm P atie nts)からのPBMCを刺激した(示していない)。患者のPBMCの上清中で検出され るIFN-γおよびTNF-αの両方のレベルは、感染していないコントロールからのも のよりも著しく高かった。抗原刺激の不在下では、粘膜患者(6名のうち5名) からのPBMCのみが検出可能レベルの上清TNF-α(60〜190pg/ml)を産生した。IL -4またはIL-10は、分析したいずれの上清でもほとんどまたは全く検出されず( 示していない)、用いたELISAアッセイの検出限界以下のレベルであることを示 した。比較すると、レーシュマニア溶解物もまた、IFN-γおよびTNF-αを分泌す るようにPBMCを刺激し、そして数名の患者では、IL-10も検出された(示してい ない)。ひとまとめにして考えると、この結果は、LbeIF4AはL.braziliensis感 染した個体からのPBMCにおいて優勢なTh1サイトカインプロフィルを刺激したが 、寄生虫溶解物は混合したTh1/Th2サイトカインプロフィルを刺激したことを示 す。 抗原刺激後に粘膜および自己治癒する個体からの患者PBMCの上清で検出された TNF-αのレベルは、皮膚患者からのものよりも高かった(図6)。5名のうちの 4名の粘膜患者(JV、SZ、AB、およびMB)からのPBMCは、寄生虫での刺激後に感 染していないコントロールからのPBMCの培養物で検出されたものよりも高いTNF- αの上清レベル(0.80〜2.20ng/ml)を有した。同様に、同じPBMCは、LbeIF4Aに よって刺激されて0.66〜3.14ng/mlの範囲の値を有する上清レベルのTNF-αを産 生した。感染していないコントロールと比較して、分析した6名の自己治癒する 個体のうち3名(GS、HS、およびMCT)からのPBMCは、寄生虫溶解物に応じてよ り高いレベルのTNF-αを産生し、そして分析した6名の自己治癒する個体農地の 6名すべて(GS、MS、AH、DJ、HS、およびMCT)は、LbeIF4Aに応じてより高いレ ベルのTNF-αを産生した。寄生虫溶解物に応じて皮膚レーシュマニア症患者から のPBMCによって産生されたTNF-αのレベルは、感染していないコントロールに匹 敵した。しかし、LbeIF4Aは、これらの患者のうちの3名(RJ、AD、およびJS) においてPBMCを刺激して、TNF-αを産生した。このような患者は、急性皮膚レー シュマニア症を発現しているプロセスにあり得る。 実施例8 LbeIF4AIL-12 産生の刺激 この実施例は、LbeIF4Aが、L.braziliensis感染した個体からのPBMC、ならび に、正常ドナーの血液からのPBMCまたは培養したマクロファージ、接着性PBMC、 およびヒト骨髄性白血病細胞株THP-1を刺激して、IL-12を分泌することを示す。 IL-12は、細胞内細菌または寄生虫感染における、細胞媒介免疫の発現、Th1応答 の生成、およびIFN-γ産生において、重要な免疫調節の役割を演じることが示さ れている。使用されるLbeIf4Aポリペプチドは、配列番号2のN-末端の48残基が ないLbeIF4A抗原(実施例3に記載されるような)であった。 IL-12 p40は、D'Andreaら(J.Exp.Med.179:1387-1398,1992)によって記 載されるように、mAb対C11.79/8.6を使用してRIA(10pg/mlの検出限界)によっ て細胞を含まない上清中で測定した。生物学的に活性なIL-12 p70ヘテロダイマ ー(検出限界1pg/ml)を、Kubinら(Blood 83:1847-1855,1994)によって記載 されるように測定した。 図7Aは、10μg/ml LbeIF4A(LeIF)が、粘膜患者のPBMCを刺激して、抗原と しての10μg/ml寄生虫溶解物(Lb)で観察されるIL-12 p40レベルよりも顕著に 高い程度を有する培養した上清に、IL-12 p40を分泌したことを示す。溶解物ま たは抗原の不在下で分泌されたIL-12 p40の量もまた示す(Med)。同じ図はまた 、10μg/ml IL-10が、LbeIF4A(LeIF+IL-10)または溶解物(Lb+IL-10)での 刺激後の患者PBMCによるIL-12 p40の産生をダウンレギュレートしたことを示す 。 感染していない個体からのPBMCはまた、LbeIF4Aで培養された場合にIL-12 p40 を産生するが(LeIF、図7B)、p40は寄生虫溶解物(Lb)に応じて検出されなか った。これは、患者PBMCで観察される溶解物で誘導されたp40においてIFN-γに ついての役割を示唆し、これは抗原刺激後に正常PBMCよりも5〜100倍多いIFN- γを産生した(図5を参照のこと)。 抗原刺激したPBMC培養物で観察されるIL-12 p40が生物学的に活性なサイトカ インを反映するかどうかを決定するために、IL-12 p70もまた、これらの培養物 中でアッセイした(図7Cおよび7D)。一般的に、p70産生はp40の産生に近似し ており、生物学的に活性なIL-12が患者および正常の両方のPBMCでLbeIF4Aに応じ て産生されたことを示した。 LbeIF4Aもまた、培養したヒトマクロファージ(図9A)においておよび接着性P BMC(図9B)においてIL-12産生を刺激する。接着細胞を、正常ドナーの血液から Ficoll-hypaqueグラジエント遠心分離によって分離されたPBMCから調製した。2 ×106PBMCを、500μl RPMI、2%ヒトAB血清中で2時間培養した。接着細胞を 、PBSで3回プレートを洗浄することによって精製した。次いで、それぞれの刺 激剤を含む500μlのテスト培地(RPMI、2%ヒトAB血清)を添加した(IFN-100 0U/ml、LbeIF4A(Lf)10μg/ml)。上清を18時間後に採取した。 接着性PBMCのIL-12産生を、5日齢のPHA芽細胞での捕獲バイオアッセイによっ て測定した。簡単にいうと、IL-12捕獲抗体C11.5.14(Wistar Instituteからの 好意による贈与)を96ウェルプレートにコートした。誘導実験の上清および標準 としての組換えIL-12を、4時間インキュベートした。数回の洗浄工程の後、5 日齢のPHA芽細胞を添加し、そしてこれらの芽細胞の増殖を使用して接着細胞の 上清中のIL-12濃度を決定した。 マクロファージを、テスト培地中で5日間接着細胞(2×106PBMC)を培養す ることによって生成した。次いで、マクロファージをPBSおよび500μl RPMI、 2%ヒトAB血清で洗浄し、そして1000U/mL IFN-γを添加した。マクロファージ をLbeIF4A(10μg/ml)で刺激するかまたは培地(M)単独中で培養した。1つ のセットでは、LbeIF4Aコントロールマクロファージを、IFN-γを含まない500μ l RPMI、2%ヒトAB血清中でLbeIF4Aとともにインキュベートした。上清を18時 間後に採取し、そしてIL-12依存性増殖の誘導に使用した。簡単にいうと、5日 齢芽細胞をマクロファージ上清とともに2日間インキュベートした。最後の18時 間、3Hチミジンを添加した。中和抗IL-12ポリクローナルヤギ血清(5μg/ml) を指示されたように添加した。 さらに、LbeIF4Aは、ヒト骨髄性白血病細胞株THP-1においてIL-12 p40産生を 刺激する(図10)。細胞を、5%ウシ胎児血清を含むエンドトキシンを含まない RPMI培地中で24〜48時間106細胞/mlで培養した。10μg/ml LbeIF4Aは、IL-12 p 40を分泌するようにTHP-1細胞を刺激するためにIFN-γで相乗作用した。これら の結果は、ワクチンアジュバントとしてのLbeIF4Aの有用性を示す。実施例9 IFN- γ産生のLbeIF4A誘導におけるIL-12およびIL-10の効果 この実施例は、配列番号2のN-末端の48残基がないLbeIF4Aポリペプチド(実 施例3に記載のような)に応じてのIL-12、IL-10、およびIFN-γ間の相互作用を 検査する。図8に示すように、粘膜レーシュマニア症の患者からのPBMCを、10ng /ml抗IL-12(LeIF+抗IL-12)またはIL-10(LeIF+IL-10)の不在(LeIF)また は存在下で、10μg/ml LbeIF4Aで刺激し、そして培養した上清をIFN-γ分泌に ついてアッセイした。抗IL-12 mAbおよびIL-10の両方とも、LbeIF4A誘導したIFN -γ分泌の生成を廃棄した。しかし、抗IL-12 mAbのみ、レーシュマン溶解物での 刺激後のIFN-γの産生を部分的に低下した(図8B)。これらの結果は、IFN-γ産 生がIL-12依存的であり、そしてIL-10によって阻害されるが、IL-12の産生がIFN -ガンマ依存的および非依存的経路によって調節されることを示す。 実施例10 マウスにおけるTH1プロフィルのLbeIF4A刺激 この実施例は、配列番号2のN-末端の48残基がないLbeIF4Aポリペプチド(実 施例3に記載のような)が、BALB/cマウスにおいて優勢なTh1サイトカインプロ フィルを刺激することを示す。動物を、アジュバントとしてquilAまたはCFAを使 用して、LbeIF4Aまたは8E(L.braziliensisミトコンドリアhsp70のC-末端部分 、これは患者PBMCを刺激して高レベルのIL-10を産生する)のいずれかで抗原投 与した。抗原投与の10日後、リンパ節(LN)細胞を組換え抗原でインビトロで再 刺激し、そして上清培養物を分泌されたサイトカインについて分析した。結果( 図11)は、LbeIF4Aで抗原投与したマウスのLN細胞が増殖し、そして両方のタイ プのアジュバントを使用するLbeIF4Aでのチャレンジ後にほとんど排他的なTh1サ イトカイン(IFN-γ)を分泌したことを示す。反対に、8Eで抗原投与したマウス からのLN細胞は、8Eでのチャレンジへの特異的応答でTh2サイトカインのIL-4お よびIL-10に対して強い偏りのある、Th0応答またはTh1/Th2タイプサイトカイン (アジュバントとしてquilAで)を生じた。同様に、寄生虫溶解物で抗原投与し たマウスは、混合したサイトカインプロフィルを生じ、その結果は、ワクチン候 補として寄生虫溶解物単独の使用に反対する議論をし得る(図11)。 これらの結果は、LbeIF4Aが、アジュバントとして、ならびに特異的T細胞ワ クチンとして、使用され得ることを示す。LbeIF4Aが、実験的レーシュマニア症 における防御に最も明らかに関連する2つのサイトカイン、IFN-γおよびIL-12 を含む、強力なTh1応答を誘導したので、レーシュマニア症に対してマウスを防 御するためのこの抗原の能力を研究した。BALB/cマウスを、アジュバントを含ま ないLbeIF4Aで1回免疫し、次いで7日後にL.majorでの皮下感染をした。コン トロール群と比較して、LbeIF4Aは、L.major感染に対して顕著な防御を与えた (図12)。したがって、L.braziliensisに由来する異種抗原は、L.major感染 に対するいくらかの防御を与え得、少なくともいくつかの「防御」エピトープが 2つの寄生虫間で保存されることを示唆する。 実施例11 LmeIF4A の調製 この実施例は、Leishmania majorからのLbeIF4Aの新しい改変体の流用を説明 する。 cDNA発現ライブラリーを、ZAP-cDNA無指向性クローニングキット(Stratagene ,La Jolla,CA)を使用して、L.majorのポリA+RNAで構築した。約500,000pfu を、配列番号1のヌクレオチド258〜1188を含む放射標識したDNAプローブでスク リーニングした。ハイブリダイゼーション後の洗浄は、0.1%SDSを含む0.5×SSC で55℃であった。これによって、約2.5kbインサートを含むクローン(LmeIF4A) を同定した。pBSK(-)ファージミド配列の切り出しを、製造業者のプロトコルに 従って行った。重複クローンをエクソヌクレアーゼIIIによってcDNAインサート から生成し、そしてTaq染料ターミネーターによって配列決定した。 LmeIF4Aの約2.7kb cDNAインサートが、完全なコーディング配列、ならびに5' スプライスしたリーダーおよび3'フランキング配列を含むことが見いだされた。 LmeIF4Aの完全なコーディング配列を含むフラグメントを、5'および3'特異的オ リゴヌクレオチドを使用するPCRによって増幅した。5'オリゴヌクレオチドは、A TG開始部位の前にNdeI制限部位を含んでいた。pETベクター(Novagen,Madison, WI)のNdeI部位にクローニングされた場合、タンパク質の最初のアミノ酸は、非 融合組換えLmeIF4Aの開始コード(Met)であった。非融合全長rLmeIF4Aを、pET プラスミドベクターおよびT7ポリメラーゼ発現系(Novagen,Madison,WI)を使 用してE.coliで生成した。封入体を単離し、そして続いて、2、4、および8M 尿素を含む10mlのTNE(50mM TRIS、pH8.0、100mM NaCl、10mM EDTA)で2回洗浄 した。組換え抗原を含む8M尿素画分を、調製用SDS-PAGEゲルに適用した。組換え LmeIF4Aを、調製用ゲルからの電気溶出によってまたはHPLCによってのいずれか で精製した。最終産物は、Limulusアッセイによって決定されたように、無視で きるレベルの細菌のエンドトキシンを有した。 LmeIF4A cDNAの部分配列分析は、L.braziliensisから単離した抗原に対して 実質的な相同性(ヌクレオチドおよびアミノ酸レベルで)(配列番号3および4 )を示した(すなわち、90%以上のアミノ酸配列同一性)。 実施例12 抗原特異的CTL応答の誘起 この実施例は、上記のように調製したLmeIF4Aを使用する可溶性オバルブミン に対する特定のCTL応答の誘起を説明する。 C57BL/6マウス(H-2b)を、30μgの可溶性オバルブミン(Sigman St.Louis, MO)で、単独(オバ単独)でまたはポリラクチドグリセリドビーズ(Southern R esearch Institute,Birmingham,AL)にカプセル化した50μgのLmeIF4A(Lmei f/PLG)と組み合わせてのいずれかで1回免疫した。マウスの群もまた、PLGビー ズにカプセル化されたLmeIF4A(オバ+Lmeif/PLG)またはPLG単独で免疫した。 実験にしようしたビーズのサイズは、1〜10μmの範囲であった。 免疫の3週後、マウスを屠殺し、そして脾臓を取り出した。エフェクター細胞 を生成するために、脾臓細胞を調製し、そして5日間の照射(20,000rad)後に 、オバ発現EG7.ova細胞でインビトロで刺激した。EG7.ova細胞株を、記載されて いる(Mooreら、Cell 54:777-785(1988))ようなβ-アクチンの制御下でオバcDN A含有プラスミドでEL4胸腺腫細胞株(H-2b)(Infectious Disease Research In stitute,Seatle,WA)をトランスフェクトすることによって生成した。51Cr標識した非トランスフェクタント親EL4細胞を溶解せずに、51Cr標識したE G7.ovaを溶解し得るエフェクターの存在によって、抗原投与を評価した。結果を 図13に示し、そしてエフェクター対標的細胞の比の関数としての%細胞傷害性と して表した。これらの結果は、LmeIF4Aと組み合わせて可溶性オバルブミンで免 疫したマウスが、標的細胞を特異的に殺した優れたCTL応答を示すことを証明す る。特異的CTL誘起は、LmeIF4A,PLG、または可溶性オバルブミン単独のいずれ かで免疫したマウスで検出され得なかった。 実施例13 トリニトロフェノール特異的抗体の刺激 この実施例は、LmeIF4Aを使用する抗トリニトロフェノール(TNP)抗体の増強を 説明する。 C57BL/6マウスを、アラム、LmeIF4A(75μg)または生理食塩水のいずれかと 組み合わせた3μgのTNP-KLHで腹腔内に免疫した(0日目)。マウスを10日目 に採血し、21日目に追加免疫し(初回と同様)、そして26日目に採血した。血清 を、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)によってTNP特異的、イソタイ プ特異的抗体応答についてテストした。データを、図14に、直線回帰分析によっ て算出されたように、各ELISAにおける最大ODの50%を与える各血清の希釈の対 数として表す。 これらの結果は、抗原単独での免疫と比較して、LmeIF4Aによる抗体応答の著 しい増強を示す。特に興味あることは、Th2応答に最も関連する抗体クラスのIgE において顕著な増加が見られなかった。さらに、上記のように、LmeIF4A(75μ g)とのTNP-KLH(3μg)の単回注入後に、一次IgMおよびIgG抗体応答を増強 した。 実施例14 MUC-1 特異的抗体の産生の増強 この実施例は、MUC-1特異的抗体の産生を増強させるためのLmeIF4Aの使用を説 明する。 C57BL/6マウスを、LmeIF4Aとの種々の組み合わせでヒト腫瘍抗原MUC-1で免疫 した。群は、可溶性LmeIF4Aを含むまたは含まない可溶性MUC-1で、および可溶性 LmeIF4Aを含むまたは含まないPLGビーズ上に固定されたMUC-1で、免疫されたマ ウスを含んだ。MUC-1/PLG実験について、2つの別のビーズサイズを使用した。 1バッチのビーズを、1〜10μmのサイズについて使用したが、他は40〜100μ mの範囲であった。免疫の10、20、および30日後、マウスを採血し、そして血清 をMUC-1特異的抗体(IgGおよびIgM)の存在についてテストした。血清はまた、 μ、γ2a、γ2b、およびγ1イソタイプの存在についてテストした。 図15に示す結果は、MUC-1またはMUC-1+LmeIF4Aでの1回の免疫は抗MUC-1抗体 応答を生じるために十分ではないが、MUC-1がPLGビーズにカプセル化された場合 、LmeIF4Aは抗体応答を著しく増強したことを示す。小さなPLGビーズ中のMUC-1 は、初回免疫後10日もの早期に推論できる強い抗MUC-1応答を誘導し、そして調 製物へのLmeIF4Aの添加はさらに抗体応答を増強した。大きなビーズ中のMUC-1で の1回の免疫は、免疫の10日以内に検出可能な抗MUC-1抗体をなんら産生しなか ったが、LmeIF4Aと組み合わせた大きなPLGビーズ中のMUC-1で免疫したマウスで は、増幅された応答が観察された。抗MUC-1抗体の放射性同位元素分布は、IgE応 答が検出されないIgM、IgGγ2a,IgGγ2b、およびIgGT1からなった。 実施例15 培養された細胞におけるCTL活性の増強 この実施例は、培養された細胞におけるLmeIF4Aによる特異的CTL活性の増強を 説明する。 マウスを、30μgの可溶性オバルブミンまたはPLGビーズ中にカプセル化され た同じ濃度のオバルブミンで免疫した。2週後、脾臓細胞を免疫したマウスから 取り出し、そして抗原なし、LmeIF4A単独(10μg/ml)、照射したEG7.ova、ま たは照射したEG7.ova+同じ濃度でのLmeIF4Aでインビトロで刺激した。結果を図 16に示す。 これらの結果は、オバルブミン/PLG免疫したマウスが、EG7.ova刺激細胞で応 答脾臓細胞を刺激することによって検出され得るオバルブミン特異的CTLをイン ビボでプライムし得ることを示す。さらに、オバルブミン/PLGプライムした脾臓 細胞からのCTL生成は、EG7.ova含有培養物へのLmeIF4A(10μg/ml)の添加によ って実質的に増大され得る。EG7.ovaまたはEG7.ova+LmeIF4Aでの最初のインビ トロ培養物において、合計の単核細胞カウントが異ならなかったことに注目すべ きである(以下の表2および3を参照のこと)。 LmeIF4Aが、インビトロで抗原特異的CTL活性を増強しそして拡大するために使 用され得るかどうかについても評価した。上述のオバルブミン/PLG免疫したマウ スから生成したCTLを、照射したEG7.ova+IL-2でまたはEG7.ova+IL-2およびLme IF4Aでのいずれかで、インビトロで再刺激した。培養の5日後、エフェクター細 胞を、51Cr標識したEL4細胞またはEG7.ova細胞に対してテストした。 図17に示す結果は、EG7.ova+LmeIF4AおよびIL-2で再刺激したオバルブミン特 異的CTLが、EG7.ova+IL-2単独で生成した同じエフェクターよりもよくEG7.ova 細胞を殺したが、差が有意ではないようであることを示す。しかし、細胞カウン トが行われる場合、LmeIF4Aとの培養物は、LmeIF4Aを含まない培養物よりも2.5 倍高い細胞を産生した。以下の表4に示すこれらの結果は、培養物当たりの溶解 ユニットで表され、そしてインビトロで特異的CTL数を広げるためのLmeIF4Aの全 体にわたる強度を示す。 実施例16 LmeIF4A によるアロ反応性CTLの誘導の増大 この実施例は、LmeIF4Aによるマウスアロ反応性CTLの誘導を説明する。 2.5×106BALB/c牌臓細胞を、10μg/mlゲル精製したLmeIF4Aの存在または非存 在下での2mlのRPMI:FCS中で、5×106照射した(3500R)C57BL/6脾臓細胞とと もに培養した。培養物を5日目に採取し、洗浄し、そして200μl培養物中4時 間の放出アッセイにおいて、51Cr標識したEL4細胞(2,000/ウェル)に対する細 胞 溶解活性について、種々のエフェクター細胞濃度(培養物画分)でテストした。 データを、図18に、特異的放出の%として表し、これは以下のように算出する: 100 ×(CPM実験)−(CPM自然) (CPM最大)−(CPM自然) これらの結果は、LmeIF4Aがアロ反応性CTLを著しく増強し得ることを示す。上 記の他の結果とともに、Leishmania eIF4Aホモログは、種々のアッセイシステム において強力なアジュバント活性を有するようである。さらに、毒性がないこと ともに、IL-12を誘導するその能力は、これを独特のアジュバントにする。 実施例17 LmeIF4A および抗原の投与後の腫瘍退行 6〜8週齢の雌C57BL/6(H-2b)マウスを、50μg LmeIF4Aの単独またはポリ ラクチドグリコリドビーズでカプセル化された30μg(LbeIF/PLG)、単独また はPLGビーズ中のVSVペプチド、PLGビーズ中のGM-CSF、またはベヒクル(PBS)の いずれかで、皮下注入で1回免疫した。N1細胞を、VSV(小水泡性口内炎ウイル ス)ヌクレオキャプシドタンパク質遺伝子のトランスフェクションによって、EL 4細胞から生成した。VSVヌクレオキャプシドタンパク質の発現を指示するプラス ミドが、選択可能マーカーとしてネオマイシン耐性遺伝子を含むので、細胞株を 、G418を含む選択培地中で維持した。組換えLmeIF4Aを、E.coliトランスフェク タントから産生し、そしてHPLC分画によって精製した。N1-特異的ペプチド抗原 を化学的に合成し、そしてまたHPLCによって精製した。タンパク質を、Southern Research Institute(Birmingham,AL)によるPLGマイクロスフェア中にカプセ ル化した。 約2×105N1細胞を、C57BL/6マウスの右脇腹に皮内接種した。触知できる腫瘍 を樹立した後、マウスを5匹の群にランダム化し、そして反対の脇腹に上記の種 々のペプチドの皮下注入を与えた。腫瘍増殖を、2または3日毎に腫瘍の直径を 測定すること、および式V=4/3πr3に従って測定値を体積に変換することによ ってモニターした。 腫瘍特異的抗原に対する免疫応答を誘起することにおけるLmeIF4Aの効率をテ ストした。マウス腫瘍N1において、オクタマー抗原性ペプチドエピトープRGYVYQ GLは、H-2Kb分子によって構成的に示される。図19に示すように、VSV/PLGおよび LmeIF4Aの注入された組み合わせの結果、腫瘍増殖を著しく抑制した。退行は、 コントロールマウスにおいて、または抗原の他の組み合わせを受けているマウス において、観察されなかった。第2の研究(図20)はこの結果を確認し、そして またLmeIF4AがGM-CSFよりも非常に良いアジュバントであることを示した。この 実験において、腫瘍は、腫瘍特異的VSV/PLGおよびLmeIF4A/PLGとともに投与され たマウスにおける抗原注入の1週後に退行し始めた。実際に、5匹のうち3匹の マウスは、この特定の研究においてその腫瘍を完全に拒絶した。さらに、可溶性 LeIFはまた、PLGカプセル化したVSVペプチドと組み合わせて強力な抗腫瘍活性を 有した(図21)。 さらに、LmeIF4Aおよび腫瘍抗原の同時免疫によって生成した免疫応答は非常 に特異的であった。N1細胞を完全には拒絶しなかったマウスにおける残りの腫瘍 塊を、外科的に取り出した。これらの腫瘍細胞を、0.2mg/mlのG418を含む培地中 で培養した場合、これらは2日後に死なした。反対に、腫瘍接種に使用された元 のN1細胞はG418に耐性であった。したがって、残りの腫瘍は、抗原性VSV配列お よびネオマイシン耐性遺伝子の両方を含む発現プラスミドを失っているN1変異体 に由来した。したがって、LeIFは、所定の抗原に対する特異的免疫応答をブース トし得、これは順に、腫瘍に対する治療的効果に導き得る。 実施例18 LmeIF での樹立された腫瘍の処置 雌C57BL/6マウスに、2×105Lewis肺ガン腫細胞を皮下注射した。注射の8日 後、腫瘍をすべてのマウスで検出した。次いで、マウスを各5匹のマウスの2つ の群に分けた。腫瘍接種の8、10、13、および16日後に、マウスに、0.2ml生理 食塩水または0.2ml生理食塩水中50μg LmeIFを、腫瘍から離れた部位に皮下注 射した。腫瘍増殖を、8、10、13、および16日目に測定した。以下の表に示すよ うに、LmeIFを受けているマウスは、16日目までに実質的に腫瘍増殖を縮小した 。 上記のことから、本発明の特定の実施態様は例示の目的で本命最初に記載され ているが、種々の改変が本発明の意図および範囲から逸脱せずに行われ得ること が理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 48/00 A61P 35/00 A61P 35/00 43/00 121 43/00 121 C07K 19/00 C07K 19/00 C12Q 1/02 C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/02 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 08/634,642 (32)優先日 平成8年4月18日(1996.4.18) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.抗原およびLbeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LbeIF4Aポリペ プチドが、 (a)配列番号1のヌクレオチド115〜1323; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1のヌクレオチド115〜1323に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含む、患者において抗原に対する免疫応答を増 強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 2.前記LbeIF4Aポリペプチドが配列番号2のアミノ酸49〜403を含む、請求項 1に記載の組成物。 3.前記LbeIF4Aポリペプチドが配列番号2のアミノ酸1〜403またはその一部 を含む、請求項1に記載の組成物。 4.前記LbeIF4Aポリペプチドが免疫グロブリンFc領域をさらに含む、請求項 1に記載の組成物。 5.抗原およびLmeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LmeIF4Aポリペ プチドが、 (a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、LeiShmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含む、患者において抗原に対する免疫応答を 増強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 6.前記LmeIF4Aポリペプチドが配列番号4のアミノ酸49〜403を含む、請求項 5に記載の組成物。 7.前記LmeIF4Aポリペプチドが配列番号4のアミノ酸1〜403またはその一部 を含む、請求項5に記載の組成物。 8.前記LmeIF4Aポリペプチドが免疫グロブリンFc領域をさらに含む、請求項 5に記載の組成物。 9.抗原およびLbeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LbeIF4Aが配列 番号2のアミノ酸1〜403またはその改変体を含み、該改変体が保存的置換およ び/または改変においてのみ異なる、患者において抗原に対する免疫応答を増強 または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 10.抗原およびLmeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LbeIF4Aが配 列番号4のアミノ酸1〜403またはその改変体を含み、該改変体が保存的置換お よび/または改変においてのみ異なる、患者において抗原に対する免疫応答を増 強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 11.前記抗原および前記LbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドが、同じ組成物 中に存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。 12.前記抗原が、生分解性マイクロスフェア中にカプセル化される、請求項 1〜10のいずれか一項に記載の組成物。 13.前記LbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドが、生分解性マイクロスフェア 中にカプセル化されるかまたは表面に結合される、請求項1〜10のいずれか一 項に記載の組成物。 14.前記抗原および前記LbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドが、生分解性マ イクロスフェア中にカプセル化される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の 組成物。 15.DNAワクチンおよびLbeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LbeI F4Aポリペプチドが、 (a)配列番号1のヌクレオチド115〜1323; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1のヌクレオチド115〜1323に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含む、患者においてDNAワクチンに対する免疫 応答を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 16.前記LbeIF4Aポリペプチドが配列番号2のアミノ酸49〜403を含む、請求 項15に記載の組成物。 17.前記LbeIF4Aポリペプチドが配列番号2のアミノ酸1〜403またはその一 部を含む、請求項15に記載の組成物。 18.前記LbeIF4Aポリペプチドが免疫グロブリンFc領域をさらに含む、請求 項15に記載の組成物。 19.DNAワクチンおよびLmeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LmeI F4Aポリペプチドが、 (a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325 に相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列 が、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺 激するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列に よってコードされるアミノ酸配列を含む、患者においてDNAワクチンに対する免 疫応答を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 20.前記LmeIF4Aポリペプチドが配列番号4のアミノ酸49〜403を含む、請求 項19に記載の組成物。 21.前記LmeIF4Aポリペプチドが配列番号4のアミノ酸1〜403またはその一 部を含む、請求項19に記載の組成物。 22.前記LmeIF4Aポリペプチドが免疫グロブリンFc領域をさらに含む、請求 項19に記載の組成物。 23.DNAワクチンおよびLbeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LbeI F4Aが配列番号2のアミノ酸1〜403またはその改変体を含み、該改変体が保存的 置換および/または改変においてのみ異なる、患者においてDNAワクチンに対す る免疫応答を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物 。 24.DNAワクチンおよびLmeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LmeI F4Aが配列番号4のアミノ酸1〜403またはその改変体を含み、該改変体が保存的 置換および/または改変においてのみ異なる、患者においてDNAワクチンに対す る免疫応答を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物 。 25.前記DNAワクチンおよび前記LbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドが、同 じ組成物中に存在する、請求項15〜24のいずれか一項に記載の組成物。 26.前記DNAワクチンが、生分解性マイクロスフェア中にカプセル化される 、 請求項15〜24のいずれか一項に記載の組成物。 27.前記LbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドが、生分解性マイクロスフェア 中にカプセル化されるかまたは表面に結合される、請求項15〜24のいずれか 一項に記載の組成物。 28.前記DNAワクチンおよび前記LbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドが、生 分解性マイクロスフェア中にカプセル化される、請求項15〜24のいずれか一 項に記載の組成物。 29.LbeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LbeIF4Aポリペプチドが 、 (a)配列番号1のヌクレオチド115〜1323; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1のヌクレオチド115〜1323に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含む、患者において抗原に対する免疫応答を増 強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 30.LmeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LmeIF4Aポリペプチドが 、 (a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含む、患者において抗原に対する免疫応答を増 強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 31.生物学的試料中で免疫応答を増強または誘起する方法であって、生物学 的試料を抗原およびLbeIF4Aポリペプチドと接触させる工程を包含し、該LbeIF4A ポリペプチドが、 (a)配列番号1のヌクレオチド115〜1323; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1のヌクレオチド115〜1323に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含み、そして 該生物学的試料が、末梢血単核細胞、単球、B細胞、樹枝状細胞、およびそれ らの組み合わせからなる群より選択される細胞を含む、方法。 32.生物学的試料中で免疫応答を増強または誘起する方法であって、該生物 学的試料を抗原およびLmeIF4Aポリペプチドと接触させる工程を包含し、該LmeIF 4Aポリペプチドが、 (a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含み、そして 該生物学的試料が、末梢血単核細胞、単球、B細胞、樹枝状細胞、およびそれ らの組み合わせからなる群より選択される細胞を含む、方法。 33.生物学的試料中で免疫応答を増強または誘起する方法であって、該生物 学的試料をDNAワクチンおよびLbeIF4Aポリペプチドと接触させる工程を包含し、 該LbeIF4Aポリペプチドが、 (a)配列番号1のヌクレオチド115〜1323; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1のヌクレオチド115〜1323に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列 が、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺 激するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列に よってコードされるアミノ酸配列を含み、そして 該生物学的試料が、末梢血単核細胞、単球、B細胞、樹枝状細胞、およびそれ らの組み合わせからなる群より選択される細胞を含む、方法。 34.生物学的試料中で免疫応答を増強または誘起する方法であって、該生物 学的試料をDNAワクチンおよびLmeIF4Aポリペプチドと接触させる工程を包含し、 該LmeIF4Aポリペプチドが、 (a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含み、そして 該生物学的試料が、末梢血単核細胞、単球、B細胞、樹枝状細胞、およびそれ らの組み合わせからなる群より選択される細胞を含む、方法。 35.生物学的試料中で免疫応答を増強または誘起する方法であって、該生物 学的試料をLbeIF4Aポリペプチドと接触させる工程を包含し、該LbeIF4Aポリペプ チドが、 (a)配列番号1のヌクレオチド115〜1323; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1のヌクレオチド115〜1323に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含み、そして 該生物学的試料が、末梢血単核細胞、単球、B細胞、樹枝状細胞、およびそれ らの組み合わせからなる群より選択される細胞を含む、方法。 36.生物学的試料中で免疫応答を増強または誘起する方法であって、該生物 学的試料をLmeIF4Aポリペプチドと接触させる工程を包含し、該LmeIF4Aポリペプ チドが、 (a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含み、そして 該生物学的試料が、末梢血単核細胞、単球、B細胞、樹枝状細胞、およびそれ らの組み合わせからなる群より選択される細胞を含む、方法。 37.腫瘍抗原およびLbeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LbeIF4A ポリペプチドが、 (a)配列番号1のヌクレオチド115〜1323; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1のヌクレオチド115〜1323に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でCTL応答を刺激する ポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によって コードされるアミノ酸配列を含む、患者において腫瘍に対する免疫応答を増強ま たは誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 38.前記LbeIF4Aポリペプチドが配列番号2のアミノ酸49〜403を含む、請求 項37に記載の組成物。 39.腫瘍抗原およびLmeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LmeIF4A ポリペプチドが、 (a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でCTL応答を刺激する ポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によって コードされるアミノ酸配列を含む、患者において腫瘍に対する免疫応答を増強ま たは誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 40.前記LmeIF4Aポリペプチドが配列番号4のアミノ酸49〜403を含む、請求 項39に記載の組成物。 41.腫瘍抗原およびLbeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LbeIF4A が配列番号2のアミノ酸49〜403またはその改変体を含み、該改変体が保存的置 換および/または改変においてのみ異なる、患者において腫瘍に対する免疫応答 を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 42.腫瘍抗原およびLmeIF4Aポリペプチドを含む組成物であって、該LmeIF4A が配列番号4のアミノ酸49〜403またはその改変体を含み、該改変体が保存的置 換および/または改変においてのみ異なる、患者において腫瘍に対する免疫応答 を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 43.腫瘍抗原をコードするDNAワクチンおよびLbeIF4Aポリペプチドを含む組 成物であって、該LbeIF4Aポリペプチドが、 (a)配列番号1のヌクレオチド115〜1323; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1のヌクレオチド115〜1323に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でCTL応答を刺激する ポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によって コードされるアミノ酸配列を含む、患者において腫瘍に対する免疫応答を増強ま たは誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 44.前記LbeIF4Aポリペプチドが配列番号2のアミノ酸49〜403を含む、請求 項43に記載の組成物。 45.腫瘍抗原をコードするDNAワクチンおよびLmeIF4Aポリペプチドを含む組 成物であって、該LmeIF4Aポリペプチドが、 (a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でCTL応答を刺激する ポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によって コードされるアミノ酸配列を含む、患者において腫瘍に対する免疫応答を増強ま たは誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 46.前記LmeIF4Aポリペプチドが配列番号4のアミノ酸49〜403を含む、請求 項45に記載の組成物。 47.腫瘍抗原をコードするDNAワクチンおよびLbeIF4Aポリペプチドを含む組 成物であって、該LbeIF4Aが配列番号2のアミノ酸49〜403またはその改変体を含 み、該改変体が保存的置換および/または改変においてのみ異なる、患者におい て腫瘍に対する免疫応答を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のた めの、組成物。 48.腫瘍抗原をコードするDNAワクチンおよびLmeIF4Aポリペプチドを含む組 成物であって、該LmeIF4Aが配列番号4のアミノ酸49〜403またはその改変体を含 み、該改変体が保存的置換および/または改変においてのみ異なる、患者におい て腫瘍に対する免疫応答を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のた めの、組成物。 49.LbeIF4Aポリペプチドであって、 (a)配列番号1のヌクレオチド115〜1323; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1のヌクレオチド115〜1323に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でCTL応答を刺激する ポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によって コードされるアミノ酸配列を含む、患者において腫瘍に対する免疫応答を増強ま たは誘起するための医薬品の製造への使用のための、ポリペプチド。 50.LmeIF4Aポリペプチドであって、 (a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でCTL応答を刺激する ポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によって コードされるアミノ酸配列を含む、患者において腫瘍に対する免疫応答を増強ま たは誘起するための医薬品の製造への使用のための、ポリペプチド。 51.前記LbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドが、生分解性マイクロスフェア 中にカプセル化されるかまたは表面に結合される、請求項39〜50のいずれか 一項に記載の組成物。 52.サイトカインおよび化学療法剤からなる群より選択される治療薬剤をさ らに含む、請求項49または50のいずれかに記載の組成物。 53.抗原およびウイルスベクターを含む組成物であって、該ウイルスベクタ ーが、該ウイルスベクターで感染した患者細胞中でLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペ プチドの発現を指示する、患者において抗原に対する免疫応答を増強または誘起 するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 54.抗原および核酸分子を含む組成物であって、該核酸分子が、該核酸分子 でトランスフェクトされた患者細胞中でLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドの発 現を指示する、患者において抗原に対する免疫応答を増強または誘起するための 医薬品の製造への使用のための、組成物。 55.DNAワクチンおよびウイルスベクターを含む組成物であって、該ウイル スベクターが、該ウイルスベクターで感染した患者細胞中でLbeIF4AまたはLmeIF 4Aポリペプチドの発現を指示する、患者においてDNAワクチンに対する免疫応答 を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 56.DNAワクチンおよび核酸分子を含む組成物であって、該核酸分子が、該 核酸分子でトランスフェクトされた患者細胞中でLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプ チドの発現を指示する、患者においてDNAワクチンに対する免疫応答を増強また は誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 57.ウイルスベクターを含む組成物であって、該ウイルスベクターが、該ウ イルスベクターで感染した患者細胞中でLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドの発 現を指示する、患者において抗原に対する免疫応答を増強または誘起するための 医薬品の製造への使用のための、組成物。 58.核酸分子を含む組成物であって、該核酸分子が、該核酸分子でトランス フェクトされた患者細胞中でLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドの発現を指示す る、患者において抗原に対する免疫応答を増強または誘起するための医薬品の製 造への使用のための、組成物。 59.腫瘍抗原およびウイルスベクターを含む組成物であって、該ウイルスベ クターが、該ウイルスベクターで感染した患者細胞中でLbeIF4AまたはLmeIF4Aポ リペプチドの発現を指示する、患者において腫瘍に対する免疫応答を増強または 誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 60.腫瘍抗原および核酸分子を含む組成物であって、該核酸分子が、該核酸 分子でトランスフェクトされた患者細胞中でLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチド の発現を指示する、患者において腫瘍に対する免疫応答を増強または誘起するた めの医薬品の製造への使用のための、組成物。 61.腫瘍抗原をコードするDNAワクチンおよびウイルスベクターを含む組成 物であって、該ウイルスベクターが、該ウイルスベクターで感染した患者細胞中 でLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドの発現を指示する、患者において腫瘍に対 する免疫応答を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成 物。 62.腫瘍抗原をコードするDNAワクチンおよび核酸分子を含む組成物であっ て、該核酸分子が、該核酸分子でトランスフェクトされた患者細胞中でLbeIF4A またはLmeIF4Aポリペプチドの発現を指示する、患者において腫瘍に対する免疫 応答を増強または誘起するための医薬品の製造への使用のための、組成物。 63.ウイルスベクターを含む組成物であって、該ウイルスベクターが、該ウ イルスベクターで感染した患者細胞中でLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドの発 現を指示する、患者において腫瘍を処置するための医薬品の製造への使用のため の、組成物。 64.核酸分予を含む組成物であって、該核酸分子が、該核酸分子でトランス フェクトされた患者細胞中でLbeIF4AまたはLmeIF4Aポリペプチドの発現を指示す る、患者において腫瘍を処置するための医薬品の製造への使用のための、組成物 。 65.請求項53〜64のいずれか一項に記載の組成物であって、前記ポリペ プチドが、 (a)配列番号1のヌクレオチド115〜1323; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号1のヌクレオチド115〜1323に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列によ ってコードされるアミノ酸配列を含む、LbeIF4Aポリペプチドである、組成物。 66.前記LbeIF4Aポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸49〜403を含む、請 求項65に記載の組成物。 67.前記LbeIF4Aポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸1〜403またはその 一部を含む、請求項65に記載の組成物。 68.請求項53〜64のいずれか一項に記載の組成物であって、前記ポリペ プチドが、 (a)配列番号3のヌクレオチド117〜1325; (b)中程度のストリンジェント条件下で配列番号3のヌクレオチド117〜1325に 相補的なヌクレオチド配列にハイブリダイズするDNA配列であって、該DNA配列が 、Leishmania感染した個体から得られる末梢血単核細胞中でTh1免疫応答を刺激 激するポリペプチドをコードするDNA配列、からなる群より選択されるDNA配列に よってコードされるアミノ酸配列を含む、LmeIF4Aポリペプチドである、組成物 。 69.前記LmeIF4Aポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸49〜403を含む、請 求項68に記載の組成物。 70.前記LmeIF4Aポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸1〜403またはその 一部を含む、請求項68に記載の組成物。 71.前記ウイルスベクターもまた、前記抗原の発現を指示する、請求項53 または59に記載の組成物。 72.前記核酸分子もまた、前記抗原の発現を指示する、請求項54または6 0に記載の組成物。
JP09501532A 1995-06-06 1996-06-05 防御免疫応答を増強するための方法 Pending JP2001503014A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US48838695A 1995-06-06 1995-06-06
US08/488,386 1995-06-06
US08/607,509 1996-02-23
US08/607,509 US5876735A (en) 1994-04-22 1996-02-23 Methods for enhancement of protective immune responses
US08/634,642 US5879687A (en) 1994-04-22 1996-04-18 Methods for enhancement of protective immune responses
US08/634,642 1996-04-18
PCT/US1996/009141 WO1996039524A1 (en) 1995-06-06 1996-06-05 Methods for enhancement of protective immune responses

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001503014A true JP2001503014A (ja) 2001-03-06

Family

ID=27413802

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09501532A Pending JP2001503014A (ja) 1995-06-06 1996-06-05 防御免疫応答を増強するための方法

Country Status (11)

Country Link
US (1) US5879687A (ja)
EP (1) EP0832236A1 (ja)
JP (1) JP2001503014A (ja)
KR (1) KR19990022654A (ja)
CN (1) CN1194000A (ja)
AU (1) AU5988096A (ja)
BR (1) BR9608898A (ja)
CA (1) CA2223421A1 (ja)
NO (1) NO975730L (ja)
NZ (1) NZ309659A (ja)
WO (1) WO1996039524A1 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK0686030T3 (da) * 1993-12-23 2001-06-25 Rmf Dictagene Sa Med antigen ladede mikropartikler og farmaceutiske sammensætninger, som indeholder disse mikropartikler
US5879687A (en) * 1994-04-22 1999-03-09 Corixa Corporation Methods for enhancement of protective immune responses
US6013268A (en) 1994-04-22 2000-01-11 Corixa Corporation Methods for enhancement of protective immune responses
US6613337B1 (en) 1997-02-12 2003-09-02 Corixa Corporation Leishmania antigens for use in the therapy and diagnosis of leishmaniasis
US5834592A (en) * 1995-09-22 1998-11-10 Corixa Corporation Leishmania antigens for use in the therapy and diagnosis of Leishmaniasis
US6500437B1 (en) 1995-09-22 2002-12-31 Corixa Corporation Leishmania antigens for use in the therapy and diagnosis of leishmaniasis
US6375955B1 (en) * 1995-09-22 2002-04-23 Corixa Corporation Leishmania antigens for use in the therapy and diagnosis of leishmaniasis
US6365165B1 (en) * 1995-09-22 2002-04-02 Corixa Corporation Leishmania antigens for use in the therapy and diagnosis of Leishmaniasis
US6638517B2 (en) 1995-09-22 2003-10-28 Corixa Corporation Leishmania antigens for use in the therapy and diagnosis of leishmaniasis
US6607731B1 (en) 1995-09-22 2003-08-19 Corixa Corporation Leishmania antigens for use in the therapy and diagnosis of leishmaniasis
US20060029653A1 (en) 1997-01-29 2006-02-09 Cronk Peter J Therapeutic delivery system
ES2255248T3 (es) * 1998-02-05 2006-06-16 Glaxosmithkline Biologicals S.A. Derivados de antigenos asociados a tumor de la familia mage, y secuencias de acidos nucleicos que los codifican, usados para la preparacion de proteinas de fusion y de composiciones para vacunas.
US20050158856A1 (en) * 1999-04-20 2005-07-21 Edelson Richard L. Methods for producing functional antigen presenting dendritic cells using biodegradable microparticles for delivery of antigenic materials
US7247297B2 (en) * 2001-09-14 2007-07-24 The University Of Chicago Use of DF3/MUC1 regulated expression in gene therapy
FR2862313B1 (fr) * 2003-11-19 2006-02-24 Inst Rech Developpement Ird Nouveaux moyens pour la prevention des leishmanioses
EP2446897A1 (en) 2005-01-06 2012-05-02 Novo Nordisk A/S Anti-KIR combination treatments and methods
RS59399B1 (sr) 2005-03-23 2019-11-29 Genmab As Antitela protiv cd38 za lečenje multiplog mijeloma
US7833534B2 (en) 2006-04-10 2010-11-16 Infectious Disease Research Institute Compounds and methods for diagnosis and treatment of leishmaniasis
CA2662018A1 (en) 2006-08-30 2008-03-06 David William Smith Method of imparting a mono-axial or multiaxial stiffness to extruded materials and products resulting therefrom
ES2628743T3 (es) 2008-07-03 2017-08-03 Infectious Disease Research Institute Proteínas de fusión y su uso en el diagnóstico y tratamiento de la leishmaniasis
UA109633C2 (uk) 2008-12-09 2015-09-25 Антитіло людини проти тканинного фактора
EP2391748A4 (en) * 2009-01-28 2012-08-01 Antigen Express Inc LI-KEY HYBRID PEPTIDES MODULATING IMMUNE RESPONSE TO FLU
US9545421B2 (en) 2010-05-04 2017-01-17 General Electric Company Nucleic acid delivery vehicle and uses thereof
EP3613774A1 (en) 2010-06-09 2020-02-26 Genmab A/S Antibodies against human cd38
RS56599B1 (sr) 2010-06-15 2018-02-28 Genmab As Konjugati humanog antitela sa lekom protiv tkivnog faktora
CN111154807B (zh) * 2020-01-17 2023-03-24 山东农业大学 一种分泌型的崂山奶山羊乳腺上皮细胞系的构建方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5304371A (en) * 1992-02-14 1994-04-19 Lasys Corporation Peptide for diagnosing and immunizing against T. cruzi infection
US5543143A (en) * 1992-03-06 1996-08-06 Corixa Corporation Method for activating macrophages/monocytes
BR9507505A (pt) * 1994-04-22 1997-09-02 Corixa Corp Molécula de dna isolada vetor de expressão recombinante célula hospedeira método para preparar um polipeptídeo que estimula uma resposta imunológica th1 em células mononucleares do sangue periférico obtidas a partir de um individuo infectado com leishmania polipeptídeo método para avaliar a capacidade de um paciente de gerar uma resposta imunológica método para melhorar uma resposta imunológica celular e/ou humoral a um antígeno de um paciente método para estimular a produção de anticorpos em um
US5879687A (en) * 1994-04-22 1999-03-09 Corixa Corporation Methods for enhancement of protective immune responses

Also Published As

Publication number Publication date
WO1996039524A1 (en) 1996-12-12
US5879687A (en) 1999-03-09
NZ309659A (en) 2000-01-28
MX9709737A (es) 1998-10-31
NO975730D0 (no) 1997-12-05
NO975730L (no) 1998-02-05
BR9608898A (pt) 1999-06-29
EP0832236A1 (en) 1998-04-01
AU5988096A (en) 1996-12-24
CA2223421A1 (en) 1996-12-12
CN1194000A (zh) 1998-09-23
KR19990022654A (ko) 1999-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001503014A (ja) 防御免疫応答を増強するための方法
US5876735A (en) Methods for enhancement of protective immune responses
US6660840B1 (en) Methods for enhancement of protective immune responses
KR100689739B1 (ko) 단백질 및 펩티드 항원의 면역원성을 증강시키는 Fc융합 단백질
US6328956B1 (en) Pharmaceutical composition for the treatment or prevention of a malignant tumor
JP3350551B2 (ja) 保護的免疫応答及びil−12産生の刺激及び促進のための化合物及び方法
EP1827489B1 (en) Use of flagellin in tumor immunotherapy
KR20050010040A (ko) 면역원성 조성물
JP2002504334A (ja) Ox−40レセプター結合因子又はそれをコードする核酸を含む組成物並びに抗原特異的免疫応答を増強するための方法
JP2001510806A (ja) ワクチン用アジュバントとしてのmhcクラスiiリガンドの使用および癌治療におけるlag−3の使用
NZ527873A (en) Vaccine
US8632781B2 (en) Immunogenic compounds comprising peptides of IL1β
AU2002233560A1 (en) Vaccine
KR101300905B1 (ko) 백신으로서의 생물학적 활성제와 재조합 마이코박테리움의 조합물
AU4100800A (en) Method for down-regulating il5 activity
RU2380710C2 (ru) Лечение, диагностика или профилактика лейшманиоза, вызванного различными видами паразитов, кроме вида, из которого получены гистоны, с использованием всех четырех гистонов h2a, h2b, h3 и h4, выделенных из leishmania infantum с использованием вектора, содержащего нуклеотиды, кодирующие указанные гистоны
WO2006058243A2 (en) Leishmania antigens and related compositions and uses
WO2001078769A2 (en) Regulation of systemic immune responses utilizing soluble cd40
MXPA97009737A (en) Methods to increase protect immune responses
AU5503700A (en) Methods for enhancement of protective immune responses
AU2011213784A1 (en) Peptides of IL1 BETA and TNF and method of treatment using same