JP2003515909A - 有機エレクトロルミネッセント装置とその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセント装置とその製造方法

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パゥラス シー デュイネフェルト
コネリス ディー ロエランデュセ
ジェロエン ジェー エム ヴレガー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改良された有機エレクトロルミネッセント装置を提供すること。 【解決手段】 有機エレクトロルミネッセント(EL)装置(1)は、有機エレクトロルミネッセント層(6)とレリーフパターン(7)とを有する少なくとも1つのEL素子(10)を有する。レリーフパターンは、EL層(6)が得られる流体層を収容する役割を果たす。レリーフパターンがEL装置の有効寿命に与えうる悪影響を小さくするため、このEL装置は、厚さが実質的に均一であるEL層(6)を備える。さらに、複数のEL素子(10)を有するマトリックスディスプレイ装置またはセグメント式ディスプレイ装置を提供する。EL装置の1つの望ましい製造方法において、流体層は、インクジェット印刷、または調合、スピンコーティングによって堆積される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセント装置であって、 第1電極および第2電極と、その間に配置され、かつ望ましいパターンによって形
成され、かつ流体層から得られる有機エレクトロルミネッセント層を有する少な
くとも1つのエレクトロルミネッセント素子を有し、
【0002】 前記装置が、前記望ましいパターンによって形成される前記有機エレクトロル
ミネッセント層が得られる前記流体層を収容するためのレリーフパターンを有す
る前記有機エレクトロルミネッセント装置に関する。
【0003】 本発明は、さらに、このような有機エレクトロルミネッセント装置の製造方法
にも関する。
【0004】
【従来の技術】
一般に、有機エレクトロルミネッセント(EL)装置は、少なくともホール注入電
極(陽極)および電子注入電極(陰極)と、この間に配置された、有機EL物質を
有する1枚のEL層とを有する。電極に適切な電圧が印可されると、有機EL層は光
を発する。異なる有機EL物質を使用することにより、放射される光の色を変える
こともできる。
【0005】 有機EL装置は、光源として、特に、大きな表面積を有する光源として使用する
ことができる。さらに、有機EL装置は、バックライト、静止画像ディスプレイ、
セグメント式ディスプレイ(segmented display)装置、マトリックスディスプレ
イ(受動タイプまたは能動タイプ)などの、白黒またはマルチカラーのディスプ
レイ装置としても使用できる。
【0006】 ヨーロッパ特許出願EP-A-0880303には、冒頭の段落で述べた有機エレクトロル
ミネッセント装置が開示されている。ここで開示されている公知のフルカラー有
機マトリックスELディスプレイ装置の発光層は、溶液からインクジェット印刷に
よって得られる。このELディスプレイ装置は、溶液が望ましくない領域に広がる
ことを防ぎ、かつこれによって発光層をパターン化する役割を果たすバンクを有
する。ELマトリックスディスプレイ装置の任意の特定のピクセルの発光層からの
放射光の強さは、肉眼には実質的に均一であると述べられていて、かつ発光層は
、きわめて望ましい特性にとって好都合であると述べられている。
【0007】 本発明の発明者は、望ましくない領域への拡散がバンクによって防止される溶
液から得られる発光層を有する、EP-A-0880303によるマトリックスELディスプレ
イ装置が、意外に短い有効寿命を有しうることに着目した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、特に、この観点において改良された有機エレクトロルミネッ
セント装置を提供することである。特に、本発明の目的は、冒頭の段落に述べら
れているタイプのEL装置から、改良された有効寿命を有するEL装置を選択するこ
とである。
【0009】 この目的は、前記エレクトロルミネッセント層が、前記有機エレクトロルミネ
ッセント層の最小厚さの20%以内の厚さを有する前記有機エレクトロルミネッセ
ント層の前記比率または前記有機エレクトロルミネッセント層の最大厚さの20%
以内の厚さを有する前記有機層の前記比率が少なくとも0.55である程度まで、厚
さにおいて実質的に均一であることを特徴とする、冒頭の段落に述べられている
タイプの有機エレクトロルミネッセント装置によって達成される。
【0010】 本発明によると、少なくとも0.55の前記比率が選択されるなら、当該EL層を有
する前記EL装置の有効寿命は、実質的に長くなる。
【0011】 有効寿命は、当該比率が少なくとも0.60である場合に向上し、または少なくと
も0.65であればより望ましく、または少なくとも0.70であればさらに望ましく、
または少なくとも0.80であればさらに望ましい。少なくとも0.90〜0.95であれば
、もっとも望ましい。
【0012】 この比率は、EL層の厚さの均一性の1つの尺度であり、その範囲は0.0より大き
く1.0までである。比率が1.0であるときは、EL層は厚さにおいて完全に均一であ
る。比率は、EL層の厚さ形状から求めることができる。厚さ形状は、当業者には
公知の方法を使用してごく普通に測定できる。
【0013】 本発明によるEL装置の1つの代表的な例として、約5μmの高さと300μmのピッ
チとを有するレリーフパターンを使用してスピンコーティングによってパターン
化され、かつ最小厚さの20%以内の厚さを有するEL層の比率が0.70であるポリ-p-
フェニレン・ビニレンEL層を有するEL装置は、レリーフパターンを有さないこと
を除いてこのELマトリックスディスプレイ装置と同じである参照EL装置と、実質
的に同じ有効寿命を有する。具体的には、このEL層の比率は約1.0である。
【0014】 本発明は、レリーフパターンがEL装置の有効寿命に悪影響を及ぼす問題の認識
に基づく。さらに本発明は、一般に流体層は、レリーフパターンとの相互作用に
起因して凸または凹形状をとり、この形状は流体層からEL層を得る工程中に基本
的にEL層に受け継がれるという洞察に基づく。この結果として、EL層は、厚さに
おいて均一ではない。さらに、本発明は、EL層の厚さが、有効寿命が実質的に悪
影響を受ける程度まで不均一であるという洞察に基づく。意外なことに、有効寿
命に対する実質的な影響は、厚さの変動が放射光の強さの不均一さとして肉眼で
認識されない程度であっても、生じる。
【0015】 本発明者は、厚さの不均一さの悪影響は、冒頭の段落に述べられているタイプ
のEL装置の放射光の強さが1/tn(tはEL層の厚さ、nは3〜6のオーダ)に比例し、
その一方で、有効寿命は一般に強さにほぼ反比例するという事実の結果であると
考える。ただしこのことは、本発明の本質を狭めたり、または本発明の範囲をい
かなるようにも制限するものではない。この強い依存関係によると、厚さが10%
大きいと、放射光の強さが25%(n=3)〜42%(n=6)だけ低減する。
【0016】 本発明者は、EL層の厚さの不均一さの程度が、特に、使用するレリーフパター
ンの高さに依存することを発見した。この発見は、冒頭の段落に述べられている
有機EL装置の場合において技術的に使用され、このEL装置においては、レリーフ
パターンの高さが、前述したように定義される意味においてエレクトロルミネッ
セント層の厚さが実質的に均一になるように選択されている。比率が少なくとも
0.60であれば、より良好であり、少なくとも0.65であればより望ましく、少なく
とも0.70であればさらに望ましく、少なくとも0.80であればさらに望ましい。少
なくとも0.90ないし0.95であれば、もっとも望ましい。
【0017】 EL層の厚さの均一性は、EL装置の有効寿命と前述の参照EL装置の有効寿命とを
比較することにより、EL装置の有効寿命から間接的に評価できる。EL装置の有効
寿命が、参照EL装置の有効寿命と実質的に同じであれば、EL層は厚さが実質的に
均一である。
【0018】 さらに、EL層の均一性は、EL装置の明るさと前述の参照EL装置の明るさを比較
することによって、間接的に評価できる。測定された強さからのEL装置の明るさ
の計算は、発光部分として有効なEL層の領域に基づいて行われる。この領域は、
一般には、第1電極、第2電極、EL層が重なる領域である。特に発光部分として有
効なEL層の領域の修正後に、EL装置の明るさが、参照EL装置の明るさと実質的に
同じであれば、レリーフパターンの高さは、EL層の厚さが実質的に均一であるよ
うに選択されている。
【0019】 EL層の(不)均一性は、流体層とレリーフパターンの間の相互作用の結果であ
り、流体層によって占められる領域が小さいほど関連性はより大きい。ELマトリ
ックスディスプレイ装置のピッチが500μm未満のときは、より大きく関連し、30
0μm未満であればさらに深く関連し、150μm以下であればさらに深く関連する。
マトリックスディスプレイが多重方式で駆動される場合、この問題はさらに深刻
になる。
【0020】 EL層の厚さの均一さが、なお有効寿命に関する決定的要因であるか、またはEL
層からの放射光が強さにおいて十分に均一でない場合 (このことは、EL層の表
面積が大きい場合に特に関連がある) には、最小/最大厚さの20%以内という要
件を、例えば、15%または10%以下まで厳しくすることができる。また、この要件
は、短絡の発生の確率が許容範囲以上に大きい場合にも厳しくできる。これに対
して、特定の用途のEL装置の有効寿命を適切な年数より長く、その一方で、例え
ば、EL装置の生産歩留を向上させる必要がある場合には、この要件は、25%、ま
たは30%、35%、40%、またはそれ以上に緩和することができる。
【0021】 EL層は、実質的に有機エレクトロルミネッセント物質を材料とする。EL層に適
したこのような材料としては、分子量の大きいまたは小さい、有機光ルミネッセ
ントまたは有機エレクトロルミネッセント蛍光化合物または燐光化合物があげら
れる。望ましい材料には、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリチオフェンビ
ニレン(polythiophenevinylene)、より望ましくはポリ-p-フェニレンビニレンの
ような、実質的に結合されたバックボーン (conjugated backbone) (主鎖)を
有するELポリマーがあげられる。特に望ましい材料は、(青色発光する)ポリ(
アルキル)フルオレンと、ポリ-p-フェニレンビニレンである。後者は赤、また
は黄、緑色発光し、かつ2-または2,5-置換ポリ-p-フェニレンビニレンであり、
中でも特に、C1-C20、望ましくはC4-C10のアルキル基またはアルコシキ基のよう
な、溶解度を向上させる側基を2-および/または2,5位置に有するものである。
望ましい側基は、メチル、メトキシ、3,7-ジメチルオクチルオキシ(dimethyloct
yloxy)、2-メチルプロポキシである。特に望ましいのは、2-フェニル-1,4-フェ
ニレンビニレンの反復単位を含み、フェニル基が、オプションで、前述のタイプ
のアルキル基および/またはアルコシキ基、特にメチル、メトキシ、3,7-ジメチ
ルオクチルオキシ、より望ましくは2-メチルプロポキシにより置換されたポリマ
ーである。有機物質は、このような化合物を1つまたは複数含んでいてもよい。
【0022】 本発明の明細書中においては、用語「有機(の)」は重合体を含むのに対して
、用語「ポリマー」とその派生物質は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマ
ー、さらに高い同族体、およびオリゴマーを含む。
【0023】 有機EL物質は、オプションとして、本質的に有機または無機の物質をさらに含
み、これらを分子スケールで均一に分散させるか、または粒子分散の形態で存在
させてもよい。特に、電子および/またはホールの荷電注入能力または荷電移動
能力を向上させる化合物や、放射光の強さまたは色を向上および/または変化さ
せる化合物、または安定剤、その他の物質を存在させてもよい。
【0024】 有機EL層は、平均厚さ50nm〜200nm、特に60nm〜150nm、望ましくは70nm〜100n
mを有することが望ましい。
【0025】 一般に、EL装置は、第2電極と反対側の第1電極の側に配置された基板を有する
。この基板は、放射される光に対して透明であることが望ましい。適した基板物
質としては、透明な合成樹脂(弾力性の有無を問わない)、クォーツ、セラミッ
ク、ガラスがあげられる。
【0026】 第1電極と第2電極は、それぞれ、電子注入電極、ホール注入電極とすることが
出来る。しかし第1電極と第2電極を、それぞれホール注入電極、電子注入電極と
することが望ましい。
【0027】 電子注入電極は、Yb、Ca、Mg:Ag Li:Al, Baなど、仕事関数の小さい金属(合
金)を材料とするか、Ba/AlまたはBa/Ag電極など、異なる層の積層が適している
【0028】 ホール注入電極は、Au、Pt、Agなど、仕事関数の高い金属(合金)を材料とす
るのが適している。望ましくは、ITO(indiumtinoxide)など、より透明度の高い
ホール注入電極材を使用する。ポリアニリン(PANI)とポリ-3,4-エチレンジオキ
シチオフェン(ethylenedioxythiophene)(PEDOT)などの導電性ポリマーも、透明
なホール注入電極材に適している。望ましくは、PANI層は、厚さ50nm〜200nmで
あり、PEDOT層は、厚さ100nm〜300nmである。ITOホール注入電極を使用する場合
は、第1電極がホール注入電極であることが望ましい。
【0029】 レリーフパターンを使用すると、パターンに従って流体層からEL層を得ること
ができる。レリーフパターンにより、流体層が中に収容され、これによって不要
な領域に流体が拡散することが防止される。レリーフパターンは、流体層の境界
を正確に画定し、従って間接的にEL層の外形を正確に画定する。流体層を中に含
むことができるレリーフパターンを得る目的に対しては、レリーフパターンの断
面形状、幅、高さは重要ではない。レリーフパターンは、レリーフパターンの高
さの6倍もの高さを有する流体層さえも収容することができる。適した幅は、1〜
50μmであり、望ましくは10〜20μmであり、適した高さは、1〜30μmであり、望
ましい高さは2〜6μmである。レリーフパターンの断面形状は長方形が適してい
るが、望ましくは、側壁が正または負の傾斜を有するレリーフパターンである。
【0030】 レリーフパターンを形成するには任意のパターン化技術を使用できるが、従来
のフォトレジストをフォトリソグラフィでパターン化することによってレリーフ
パターンを得るのが望ましい。
【0031】 本発明は、本質的には、有機EL層が流体から得られる有機EL装置に関する。当
業者には公知であるように、流体からEL層を得る方法は、単純であり、かつ真空
装置など高価な機器を使用しないコスト対効果の高い方法である。レリーフパタ
ーン内に含まれる流体層からEL層が得られるEL装置は、(わずかな)凸形状また
は凹形状によって認識することができる。これに代えて、EL層を流体から堆積す
る場合には、EL層をその材料から形成することができる。例えば、EL層が、ポリ
マーなどの分子量の高い溶性の化合物を含む有機物質を材料とするなら、EL層は
、ほぼ確実に流体層から得られる。
【0032】 有機EL層を得る元の流体層は、有機EL物質またはその先駆物質を有する。流体
層は、溶液、ディスパージョン、エマルジョン、ペーストなど、これに適した任
意の形態をとることができる。流体層が堆積されたあと、流体層は有機EL層に変
換される。この変換は、必要であれば不活性雰囲気中で、高温または低温、高圧
または低圧、および/または放射(radiation)中に流体層を置くことによる。望
ましくは、変換は高温で行う。
【0033】 有機EL物質が流体層の中にそのまま存在する場合は、溶剤および/またはその
他の揮発性成分を蒸発させるだけで十分である。しかし流体層が有機EL物質の前
駆物質を含む場合は、変換に化学反応も必要となる。化学分野の当業者に公知の
さまざまな化学反応を利用することにより、適切な前駆物質を誘導することがで
きる。望ましい前駆物質は、変換中に除去される離脱基を含む物質である。一例
として、少なくともビニレン基の一部が、アルコキシ基、ハロゲン基、スルホニ
ウム基などの離脱基を有するエタネディビル(ethanediyl)基により置換されてい
る、ポリ-p-フェニレンビニレンの変換である。熱的に変換されると、離脱基は
除去され、ビニレン基が形成される。
【0034】 流体層は、さらなる物質を含むことができる。例えば、粘性、(粘)弾性、接
触角、および/または可溶性などの流動特性を変える物質である。湿潤剤、平準
剤(leveling agent)、界面活性剤、増粘剤、希釈剤、その他を加えてもよい。
【0035】 EL装置は、オプションとして、電極の間に配置された追加層を有する。このよ
うな追加層としては、ホール注入層および/またはホール移動(HTL)層と、電子
注入層および電子移動(ETL)層があげられる。陽極/HTL層/EL層/陰極、または
陽極/EL層/ETL層/陰極、陽極/HTL層/EL層/ETL層/陰極という積層を有す
るEL装置が望ましい。
【0036】 ホール注入層および/またはホール移動層(HTL)に適した物質としては、芳香
族第3アミン、特に、ジアミンまたはより高次の同族体、ポリビニルカルバゾー
ル、キナクリドン、ポリフィリン、フタロシアニン、ポリアニリン、ポリ-3,4-
エチレンジオキシチオフェン(poly-3,4-ethylenedioxythiophene)があげられる
【0037】 電子注入層および/または電子移動層(HTL)に適した物質としては、オキサジ
アゾール(oxadiazole)系の化合物とアルミニウムキノリン化合物があげられる。
【0038】 陽極としてITOが使用される場合、EL装置は、厚さ50〜300μmのポリ-3,4-エチ
レンジオキシチオフェンまたは厚さ50〜200μmのポリアニリン層のホール注入/
移動層を有することが望ましい。
【0039】 レリーフパターンは、有機EL装置の追加の層をパターン化する役割も果たす。
このことは、レリーフパターがフォトレジストパターンであり、かつ追加の層が
有機層であるときに望ましく、その理由は、フォトレジストレリーフパターンを
得る工程は、一般にはそれ以前に堆積された有機層に有害であるためである。
【0040】 追加の層をパターン化するのにレリーフパターンを使用し、かつこの追加の層
が流体層から堆積される場合には、この追加の層を有するEL装置の有効寿命は、
前述したように定義される意味において追加の層の厚さも実質的に均一であるな
ら、向上し、比率が少なくとも0.60であれば、より望ましく、少なくとも0.65で
あればより望ましく、少なくとも0.70であればさらに望ましく、少なくとも0.80
であればさらに望ましい。少なくとも0.90ないし0.95であれば、もっとも望まし
い。
【0041】 レリーフパターンは、第2電極をパターン化するのに使用できるが、使用しな
くてもよい。レリーフパターンの断面形状が、長方形、または望ましくは正の傾
斜を有する台形(長辺が第1電極に面する)であって、第2電極を、真空蒸着によ
って堆積する場合、単一の連続的な導電層は、レリーフパターンとEL層の両層を
覆う。第2電極をパターン化する場合は、外部の遮蔽マスクを使用することがで
きる。
【0042】 レリーフパターンの上に最初に堆積される液体がそこに残らないようにするた
め、屋根状または溝状のような構造を有するレリーフパターンを、排水手段とし
て採用することができる。
【0043】 本発明によるEL装置の1つの望ましい実施例は、前記レリーフパターンまたは
その一部が、T-形状など、前記レリーフパターンを前記第2電極のパターン化に
適したものにするための張り出しセクションを有する断面形状を有することを特
徴とする。
【0044】 第2電極が真空堆積によって堆積される場合(これが一般的である)、レリー
フパターンまたはその一部は、レリーフパターンに張り出しセクションが備えら
れていれば、第2電極の堆積用の遮蔽マスクとして有効に機能することができる
。真空中において第2電極が堆積される元の物質の流れの中に置かれたとき、こ
の張り出しセクションによって、張り出しセクションによって形成される遮蔽域
内の位置に電極物質が堆積することが、阻止され、これによってパターン化され
た第2電極が得られる。張り出しセクションを有するレリーフパターンの例とし
て、T形、キノコ形、逆台形、三角形の断面形状を有するレリーフパターンがあ
げられる。張り出しセクションの幅は重要ではない。1〜2μm以下の張り出しセ
クションにおいては、2つの隣接する第2電極が電気的に接続してしまう危険性は
、許容範囲を超える。張り出しセクションの適切な幅は、2〜10μmである。1つ
の望ましいレリーフパターンは、下底5〜10μm、上底15〜30μmの逆台形の断面
形状を有する。第2電極の堆積工程中に基板が回転しない場合、張り出しセクシ
ョンはさらに小さくてもよい。
【0045】 張り出しセクションを有するレリーフパターンを形成する第1の方法では、従
来のポジのフォトレジストの層に、高エネルギのパターン露光(pattern-wise ex
posure)と低エネルギのフラッド露光(flood exposure)の両方が行われる。パタ
ーン露光が、通常の方法、つまりEL層に面する第1電極の側に光源を配置する方
法で行われるのに対して、フラッド露光は、EL層の他方の面に光源を配置する方
法で行われる。フラッド露光は、第1電極と基板(存在時)がフラッド露光の光
に対して透明であるときのみ有効である。現像後、張り出しセクションを有する
レリーフパターンが得られる。この第1の方法は、特に、12μm以上の高さのレリ
ーフパターンを得るのに適している。
【0046】 第2の方法では、従来のネガ型レジストを露光不足および/または現像過度に
する。この第2の方法は、最大45度までの負の傾斜を有する逆台形または三角形
の断面形状を形成することができる。
【0047】 第3の方法では、従来のポジ型のノボラック系フォトレジストを、画像反転(im
age reversal)として公知の方法によって処理する(例えば、米国特許番号4,104
,070参照)。この第3の方法は、特に、1〜10μmの高さ、その中でも特に2〜5μm
の高さのレリーフパターンを得るのに適している。
【0048】 EL装置の1つの特に適した実施例は、前記レリーフパターンが、前記流体層を
収容するための第1レリーフパターンと、前記第2レリーフパターンを前記第2電
極のパターン化に適したものにするための張り出しセクションを有する第2レリ
ーフパターンとの複合レリーフパターンであることを特徴とする。
【0049】 第2レリーフパターンは、第2電極に面する第1レリーフパターンの側に位置す
る。このような複合レリーフパターンは、2つの写真平版的パターン化ステップ
を、第1レリーフパターンから開始して連続して行うことによって得られる。第1
レリーフパターンは、第2パターンを形成するのに必要な処理に耐えられるよう
にハードベイキング(hard-baked)する。これに代わる方法として、第1レリーフ
パターンは、ポリイミドまたはポリアミドか、または第2レリーフパターンのフ
ォトレジストを処理するのに使用される溶剤に溶けないその他の写真パターン化
可能な物質を材料としてもよい。
【0050】 EL装置の1つの特に望ましい実施例において、前記有機エレクトロルミネッセ
ント装置は、それぞれ独立してアドレッシング可能可能な(addressable)複数の
エレクトロルミネッセント素子(ピクセル)を有する。
【0051】 全EL素子について向上した有効寿命を得るために、個々の各EL素子(ピクセル
)は、前述したように定義される意味においてエレクトロルミネッセント層の厚
さが実質的に均一であることを特徴とする。比率が0.60以上である、または望ま
しくは0.65以上である、またはさらに望ましくは0.70以上である、またはさらに
望ましくは0.80以上であるなら、さらに向上する。もっとも望ましいのは、0.90
ないし0.95以上である。
【0052】 複数のEL素子を有するEL装置のコンテキストにおいて、このことは、ピクセル
内(またはピクセル中)厚さ均一性、具体的には20%ピクセル内厚さ均一性と呼
ばれる。
【0053】 さらに、マルチピクセルEL装置は、ディスプレイ領域全体にわたって光の強さ
が実質的に均一な画像を表示できる必要がある。強さの不均一さは、ピクセルご
とに平均厚さが異なることの結果として生じ、本発明においては、このことは、
ピクセル間(またはピクセル相互)厚さ均一性と呼ばれる。EL装置の特定の用途
によっては、わずか3%の厚さ変動でも、肉眼で認識されることがある。全EL素子
のEL層の平均厚さにおける相対的な厚さ変動として定義されるピクセル間厚さ均
一性は、10%未満が適しているが、5%未満が望ましく、EL装置が定電流によって
駆動されるときには3%未満がさらに望ましい。
【0054】 各EL素子は、少なくとも第1電極および第2電極と、有機EL層を有する。各EL素
子の流体層を収容するために、単一の(複合)レリーフパターンが適切に使用さ
れる。複数の第1電極は、必要であればパターン化された第1の電極層の形式で形
成される。同様に、複数の第2電極は、必要であればパターン化された第2の電極
層の形式で形成される。一般に、光の放射に関して有効な領域は、第1電極、第2
電極、および有機EL層が重なる領域のみに形成される。必要な場合、および/ま
たは適切である場合、隣接するEL素子の第1電極と第2電極は、それぞれ、共通の
第1電極または共通の第2電極を有することができる。さらに、隣接するEL素子が
同じEL物質のEL層を有する場合、これらの対応する流体層は、1つの共通する流
体層に一体化してよい。共通の流体層が使用される場合、共通EL層全体から1つ
の比率が評価され、EL素子それぞれに割り当てられる。異なるEL素子に対して異
なる色のEL物質が使用される場合、マルチカラーEL装置が得られる。フルカラー
ディスプレイは、赤、緑、青の光のいずれかを発する複数のEL素子を有する。
【0055】 (マルチカラー)セグメント式ディスプレイ装置においては、全EL素子の第1
電極と第2電極のいずれも、一体化して、共通のそれぞれ第1電極層、第2電極層
を形成することができる。
【0056】 能動型マトリックスディスプレイの場合、EL素子は、例えば、薄膜トランジス
タによって駆動される。全EL素子に共通するEL層を使用してもよい。
【0057】 受動型のマトリックスディスプレイ装置の場合、EL素子の第1電極と第2電極は
一体化されて、それぞれ、互いに直交する複数の行電極と列電極を形成する。行
電極と列電極とが互いに交差するところにEL素子が形成される。組み込みレリー
フパターンによって列電極がパターン化される場合は、レリーフパターンは、張
り出しセクションを有する。このレリーフパターンは、EL層の堆積前に形成され
るので、EL層は少なくともレリーフパターンに従ってパターン化される。この結
果として、同じ列内の全EL素子は、1つの共通のEL層を有する。
【0058】 さらに、レリーフパターンは、列電極をパターン化するのに使用されるレリー
フパターンに対して直角の方向に、第2電極層ではなくEL層をパターン化するた
めの、長方形または逆台形(長辺が第1電極に面する)の断面形状の第2レリーフ
パターンを有することができる。マルチカラーEL装置の場合、1つの行の中のEL
素子の色は同じである。一般に、第1電極と第2電極の材質の選択に起因して、第
2電極の材質の導電性は、第1電極の導電性より高く、この構成が望ましい。
【0059】 もう1つの観点において、本発明は、エレクトロルミネッセント装置の製造方
法に関する。この方法は、 a)第1電極を形成する、 b)望ましいパターンに従って形成される有機エレクトロルミネッセント層が得ら
れる元の流体層を収容するためのレリーフパターンを形成する、 c)前記レリーフパターンに収容される流体層を堆積する、 d)前記流体層から、前記望ましいパターンによって形成される前記有機エレクト
ロルミネッセント層を得る(前記レリーフパターンと前記流体層は、前記有機エ
レクトロルミネッセント層の最小厚さの20%以内の厚さを有する前記有機エレク
トロルミネッセント層の前記比率または前記有機エレクトロルミネッセント層の
最大厚さの20%以内の厚さを有する前記有機エレクトロルミネッセント層の前記
比率が少なくとも0.55である程度まで、前記エレクトロルミネッセント層が厚さ
において実質的に均一であるように、相互に作用する)、 e)前記有機層の上に、第2電極を形成する、 というステップを有する。 本発明によるこの方法は、有効寿命が向上したEL装置を提供する。
【0060】 有効寿命は、当該比率が少なくとも0.60であれば向上し、または少なくとも0.
65であればより望ましく、または少なくとも0.70であればさらに望ましく、また
は少なくとも0.80であればさらに望ましい。少なくとも0.90〜0.95であれば、も
っとも望ましい。
【0061】 以下に、適切な第1電極および第2電極、有機EL層、有機エレクトロルミネッセ
ント物質、流体層、レリーフパターンと、これらの各要素を形成するための固有
の方法を開示する。
【0062】 レリーフパターンと流体層の相互作用は、EL層の厚さ形状を決定する。相互作
用を適合化するのに使用できる1つの重要なパラメータは、レリーフパターンの
表面に対する流体層の湿潤性である。湿潤性は、流体層に対するレリーフパター
ン表面の疎水性または親水性の程度によって決まる。流体の湿潤性は、流体層の
粘性、または接触角度、粘弾性を変える手段など従来の手段によって、または流
体層の流動特性および界面特性に影響する界面活性剤またはその他の作用物質を
加えることによって、適合化することができる。レリーフパターンの湿潤性は、
別のレリーフパターン物質を選択するか、レリーフパターンにUV/オゾン処理な
どの表面処理を施すことによって、変えることができる。流体層の表面が実質的
に平面メニスカスをとるように、レリーフパターンに対する流体の湿潤性が選択
されている場合には、エレクトロルミネッセント層は、前述したように定義され
る意味において厚さが実質的に均一になる。
【0063】 上述の平面メニスカスの場合は、レリーフパターンの高さは重要ではない。こ
れ以外の場合には、レリーフパターンの高さは、レリーフパターンと流体層の間
の相互作用を決定する重要なパラメータであることが判明した。この観察は、本
発明による方法で使用することができ、つまり、使用するレリーフパターンの高
さは、前述に定義される意味においてエレクトロルミネッセント層の厚さが実質
的に均一であるように選択される。
【0064】 流体層の中の有機EL物質またはその先駆物質の初期濃度は、0.01〜5%であり、
望ましくは0.05〜2%であり、さらに望ましくは0.1〜1%である(いずれも重量割
合)。
【0065】 本発明による方法の1つの望ましい実施例は、前記レリーフパターンの高さが
、ステップd)の実行中に前記流体層の前記体積が減少している間に、前記流体表
面が前記レリーフパターンの上面とおよそ同じ高さのときに前記流体層がゲル化
するように、選択されることを特徴とする。
【0066】 この望ましい方法は、単純であることと、一般に適用可能であるという利点を
有し、後者の利点の理由は、この方法が、レリーフパターン表面の特性に関係な
く、かつ流体層がゲル化する濃度を除く流体層の特性に関係なく適用できるから
である。
【0067】 レリーフパターンが、前述されたタイプの複合レリーフパターンである場合、
流体は、流体層を収容するためのレリーフパターン(第1レリーフパターン)と
同じ高さであるときにゲル化する必要がある。
【0068】 本発明においては、流体の粘度が、流体層からEL層を得る工程中に典型的に発
生するせん断応力を受けたときに実質的にそれ以上流れることのできない濃度で
あるゲル濃度に達したときに、流体層はゲル化する。一般に、このようなせん断
応力は0.5Paである。流体の粘度が1Pa.s以上であると、流体は、このせん断応力
を受けたときに実質的に流れることができない。流体の粘度は、せん断応力0.5P
aにおいて、最初は一般的に10mPA.sのオーダーであるため、ゲル濃度に達すると
きには、およそ100倍に増大することになる。当業者には、これらの数値が単な
る代表値であって、場合によっては、必要な厚さ均一性を有するEL層を得るため
にいくらかの調整が必要となることが明らかであろう。一般に、流体の組成は、
そのゲル濃度付近において粘度が5〜10倍、より望ましくは50〜100倍以上に増大
するように選択される。
【0069】 ゲル濃度は、当業者に公知の方法を使用して、レオメーターによって容易に測
定される。
【0070】 ゲル濃度は、特に、流体の温度と正確な組成に依存する。ゲル濃度は、希釈剤
、平準剤、増粘剤などの添加物を使用することで操作できる。
【0071】 この望ましい実施例においては、「およそ」は、エレクトロルミネッセント層
の厚さが、前述したように定義された意味において実質的に均一であるのに十分
な高さであるという意味である。
【0072】 流体がレリーフパターンと同じ高さのときにそれ以上流れることができない場
合、流体の内部からレリーフパターンへの、またはこの逆方向への流体の移動は
ない。この結果、流体層は、「自然の」凸または凹形状をとることができない。
【0073】 流体は、レリーフパターンと同じ高さのときにゲル化するので、堆積されると
きの流体層の初期平均高さは、レリーフパターンの高さより大きくなる。流体層
の表面は、レリーフパターンと同じ高さになる前には凸形状を有し、レリーフパ
ターンの上面と「空気」の間の境界面において固定される。この境界面は、少な
くともレリーフパターンの上面と同じ高さになるまで固定されたままである。
【0074】 レリーフパターンの高さは、次のようにゲル濃度に合わせて決定される。まず
、EL層の望ましい層厚と面積(それぞれtEL、AELで表す)を選択し、EL層の密度
ρELを求める。流体層をレリーフパターンの上面と同じ高さのときにゲル化させ
る場合、cinihini = cgelhrp = ρELtELであり、式中のcgelはゲル濃度、hrp
レリーフパターンの高さ、ciniは流体層の中の(前駆物質)ELまたはその他の物
質の初期濃度、hiniは流体層の初期平均高さ(hini = Vini/AELであり、式中のVi ni は流体層の初期体積)である。4つのパラメータcini、hini、cgel、hrpの間で
、自由度は2である。
【0075】 本発明による方法の1つの望ましい実施例において、前記流体層は、インクジ
ェット印刷によって選択的に堆積される。
【0076】 インクジェット印刷は、有機層を選択的に形成するための費用対効果の高い、
かつ正確な方法であり、特に、マルチカラーEL装置を製造するときに適している
。インク滴と、インク滴が堆積される表面の湿潤性が、インク滴が広範囲に広が
る傾向にある特性であっても、レリーフパターンが存在することによって、イン
ク滴をより正確に形成することができる。
【0077】 インクジェット印刷は、堆積されるときの高さがレリーフパターンの高さより
大きい流体層を堆積するのに適した方法として使用できる。このため、この方法
は、レリーフパターンの上面とおよそ同じ高さのときに流体層をゲル化させる前
述の望ましい方法と組み合わせて使用すると、特に有利である。
【0078】 さらに、インクジェット印刷では、インク滴の体積を非常に高い信頼性で再生
できるので、複数のEL素子を有するEL装置の各EL素子の流体層の体積は、実質的
に一定である。この結果、望ましいピクセル間厚さ均一性を実現できる。
【0079】 この方法のさらなる望ましい実施例においては、前記流体層は、前記流体の連
続的なジェットの調合によって堆積される。
【0080】 毛細管からの流体の連続的なジェットの調合は、インクジェット印刷と実質的
に同じ魅力的な特性を有する。さらに、調合またはインクジェット印刷を行うの
に必要な流体特性という観点において、調合は、インクジェット印刷よりも必要
要件が緩いという利点を有する。従って、調合は、より広い範囲の流体に適用す
ることができる。特に、調合は、インクジェット印刷を行えないほどに粘性が大
きい流体を堆積するのに、適切な方法として使用できる。これには、特に、エレ
クトロルミネッセント・ポリ-p-フェニレンビニレンを有する多くの溶液が該当
する。
【0081】 本発明による方法のさらなる望ましい実施例の場合、前記流体層は、非選択的
に堆積される。
【0082】 インクジェット印刷と調合は、有機EL層を堆積するのに望ましい方法であるが
、堆積工程は基本的に連続工程であるので、その実行は、相対的に時間がかかる
。単色EL装置、または全EL素子に共通する追加の1層を有するマルチカラー装置
を製造する場合、単色EL層または追加層に対応する流体層は、非選択的に堆積さ
せることが望ましい。非選択的な堆積技術の例として、浸せきコーティング、ラ
ングミュア-ブロジェット法、スプレーコーティング、ドクターブレード法があ
げられる。
【0083】 特に望ましい1つの方法の場合、前記流体層は、スピンコーティングによって
堆積される。
【0084】 一般に、スピンコーティングは、平面の基板をコーティングする、またはレリ
ーフパターン化基板上に平面状の層を形成するときに適した方法である。これと
対照的に、当業者には理解されるであろうが、形成する層の厚さがレリーフパタ
ーンの高さよりずっと小さい場合には、レリーフパターン化基板上にスピンコー
ティングによって高い信頼性で層を形成することは、通常では不可能と考えられ
る。このため、前述したように定義される意味においてエレクトロルミネッセン
ト層の厚さが実質的に均一であるように、50〜100倍もの高さを有するレリーフ
パターン上に100nmのEL層を形成できることが判明したことは、非常に意外であ
った。この層を有するEL装置の有効寿命は、レリーフパターンを有さずに実質的
に平面の基板を有する参照装置と、実質的に同じであることが判明した。
【0085】 さらに、ピクセル間厚さ均一性が、放射光の強さがきわめて均一になる10%を
少なくとも下回るように、複数のEL素子を有するEL装置の全EL層を同時にスピン
コーティングできることも判明した。
【0086】 EL層の厚さがもっとも均一になるのは、流体層とレリーフパターンの間の湿潤
性が、流体層とこの流体層が堆積される表面の間の湿潤性に近い場合である。湿
潤性は、酸素-プラズマ処理やUV/オゾン処理などの公知の表面処理を使用して
調整できる。
【0087】 スピンコーティングは、第2電極のパターン化のための張り出しセクションを
有する断面形状を有するレリーフパターンと組み合わせて使用する場合に、特に
有利である。
【0088】 前記方法の1つの望ましい実施例は、前記レリーフパターンが3〜5μmの高さを
有することを特徴とする。
【0089】 レリーフパターンの高さが5μmを超える場合、EL装置は、10%以上の望ましく
ないピクセル間厚さ均一性を有することがある。高さが3μm未満の場合は、スピ
ンコーティング工程は、流体層またはレリーフパターンの中に存在しうる粒子に
かなり敏感になる。このような粒子は、短絡の原因になりうる。
【0090】 本発明のこれらの観点とその他の観点は、以下に説明する実施例を参照して、
明確になるであろう。
【0091】
【発明を実施するための形態】実施例1 :a)装置の構造 図1は、本発明による有機ELマトリックスディスプレイ装置の一部を、一部が
開いた透視図において線図的に示す。
【0092】 EL装置は、複数の行電極3と、複数のホール注入層4(これは本発明にとって必
要不可欠ではなく省略できる)と、流体層(図には示されていない)から得られ
る複数のEL層5と、複数の列電極6の重なりの領域によって形成される、それぞれ
独立してアドレス可能な複数のEL素子(ELピクセル)10が備えられている、(放
射される光に対して透明な)基板2を有する。EL層5は、それぞれ赤、緑、青の光
を放射することができるEL層に分割しても良い。各EL層5は、特定の列の中でEL
素子10のEL層を提供する共通のEL層であり、本実施例においては縞である望まし
いパターンによって形成されている。各行電極3は、EL素子10の複数の第1電極を
有し、各列電極6は、複数の第2電極を有する。EL装置1は、さらに、流体層を収
容するためのレリーフパターン7を有する。レリーフパターン7は、負の傾斜 (
下辺は上辺より狭い) を有し、これは、複合レリーフパターンを、列電極6を相
互に独立してアドレス可能な列電極にパターン化するのに適したものにするため
の張り出しセクション7aを形成する。これにより、レリーフパターン7は、組み
込み遮蔽マスクとして機能する。列電極が、例えば金属蒸気の真空堆積によって
堆積される場合、張り出しセクション7aは、基板に直角に向けられる蒸気の流れ
に対する遮蔽領域をつくり、この領域には物質が堆積されない。この方法の場合
、電気的に相互に絶縁された電極6が形成される。
【0093】 レリーフパターン7が組み込み遮蔽マスクとして使用される場合、電極物質と
同じ組成を有する、機能をもたない電極物質8が、レリーフパターンの上に形成
される。アクティブな層4および/または層5を堆積するのに使用される方法によ
っては、レリーフパターン7の上に(図示されていない)さらなる層が形成され
ることがある。
【0094】 EL層5は、完全な平面として描かれているが、これらは流体層から得られるた
め、その表面はレリーフパターン7付近で多少湾曲している。
【0095】 図2は、(図示されていない)流体層とこの流体層を収容するためのレリーフ
パターン7から得られる有機エレクトロルミネッセント層5の厚さ形状の例を、断
面図で示す。セクションa内では、EL層は、最小厚さtminの20%以内の厚さを有す
る。従って、最小厚さtminの20%以内の厚さを有するEL層の比率は、a/wである(
wは層5の幅)。図2が正しいスケールで描かれているとするなら、この比率は約0
.70である。最大厚さの20%以内の厚さを有するEL層の比率は、同様に定義される
【0096】 b)製造例 15Ω/square、150nm厚のITO層(Balzers)をコーティングした厚さ1.1mmのソー
ダ石灰ガラスの基板2を用意する。ITO層は、280μm幅ラインおよび30μm幅スペ
ースのパターンで従来の方法でパターン化されて、EL素子10の陽極として機能す
る行電極3の形式での第1電極が得られる。
【0097】 次に、この基板に、画像反転フォトレジストAZ5218-e (AZ Hoechst)の層をス
ピンコーティング(1000rpm)する。フォトレジストを、行電極3に対して直角に20
/290μmライン/スペースのパターンを使用して、照射量32mJ/cm2でパターン露
光してから、110℃で10分間だけハードベイキングし、照射量400mJ/cm2でフラッ
ド露光し、45度の負の傾斜を得るのに十分な時間だけ、AZ現像液:DI水の1:1現像
液を使用して現像し、100℃で15分間だけ後ベイク(post-bake)する。この結果、
スペースがITO電極の上に位置する、30/280μmライン/スペースのレリーフパタ
ーン7が形成される。各ラインは、上底30μm、下底20μmの逆台形を有する。レ
リーフパターン7の高さは5.0μmてある。
【0098】 次に、このレリーフパターン上に、固形分3%の水性のポリ-3,4-エチレンジオ
キシチオフェン(PEDOT)溶液(供給元Bayer)を2000rpmでスピンコーティングす
ることにより、平均厚さ8.3μmの湿層が形成される。2000rpmでの回転中に、湿
層を130℃で3分間乾燥し、その結果、厚さ250nmおよび角抵抗(square resistanc
e)100MΩ/squareを有する、複数のPEDOTホール注入(ホール移動、電極)層4が
形成される。
【0099】 次いで、化学式(1) の、重量割合0.6%のポリマー溶液を1250rpmでスピンコーティングすることによ
って、平均厚さ11.6μmの流体層を形成する。式中の-OC10は3,7-ジメチルオクチ
ルオキシを表し、rと1-rは0.5に等しく、それぞれ、rと1-rが添え字のカッコ内
に示される構造を有する単位体のトルエン中の比率を示す(以下、このコポリマ
ーをNRS-PPVとも呼ぶ)。このコポリマーは、WO99/21936における方法と類似す
る方法によって合成する。湿層を乾燥した後、平均厚さ70nmを有するNRS-PPVの
複数の有機EL層が得られる。
【0100】 レリーフパターン7を組み込み遮蔽マスクとして使用して、3nm厚のBaと200nm
厚のAl層を、EL層5の上に連続的に堆積する。このようにして得られたパターン
化Ba/AL層は、複数の列電極(陰極)6を構成する。
【0101】 このようにした得られたEL装置は、エポキシ系接着剤(Araldite)によって密封
されたハウジング内にパッケージングされる。ハウジング内には、水のゲッタと
しての役割を果たす多量のBaOが入れられる。
【0102】c)参照EL装置 参照EL装置は、装置1に類似しているが、レリーフパターン7を有さない。また
、電極3と電極6がパターン化されていない。この結果、単一の第1および第2電極
を有するバックライト装置となる。ここで重要なことは、参照装置は、EL装置1
と総表面積が同じであるが、レリーフパターンがなく電極がパターン化されない
ために光放射域がより大きいことである。最小/最大厚の20%以内の厚さを有す
るEL層の比率は、1.0に達する。
【0103】d)装置の特性 前述のb)に従って製造されたEL装置1は、その陽極電極3が直流電源の正極に接
続され、その陰極電極6が直流電源の負極に接続されて、70℃、相対湿度(RH)50%
で行われる有効寿命試験を受ける。この試験において装置は、定電流、初期電圧
2.7Vで駆動される。
【0104】 試験開始時点で、個々のEL素子10は、明るさ300Cd/m2で発光する。
【0105】 装置が定電流で駆動されているときの明るさが初期値から50%低減するまでの
時間として定義される有効寿命は、約80時間である。この時間まで、一定の電流
を維持するのに必要な電圧は、4.0Vに上昇した。
【0106】 c)に記述される参照EL装置は、80℃、相対湿度(RH)50%で行われる有効寿命試
験を受ける。試験開始時点で、参照EL装置は、明るさ75Cd/m2で発光する。装置
が定電流で駆動されているときの明るさが初期値から50%だけ低減するまでの時
間として定義される有効寿命は、約130時間である。有効寿命の時間依存性と強
さ依存性を外挿することによって、この値は、300Cd/m2、70℃/50%RHにおいて約
75時間の有効寿命に相当する。
【0107】 明らかに、EL装置1の有効寿命は、参照EL装置の有効寿命と実質的に同じであ
る。従って、各EL素子10内のEL層5の厚さは、本発明において、実質的に均一で
ある。
【0108】 このことは、個々のEL素子10のEL層5の厚さ形状の測定によって確認される。
厚さ形状は、20%における20%ピクセル内厚さ均一性が少なくとも0.88であるのに
対して、40%ピクセル内厚さ均一性が少なくとも0.99である。
【0109】 EL装置1のピクセル間厚さ均一性は、まず、反射および吸収における光学検査(
optical inspection in reflection and absorption)によって、スピンコーティ
ング層の変形のうち、多数のピクセルにまたがる巨視的規模の変形を探すことに
より、測定された。このような変形は、存在すると、放射状に外側に広がる縞形
状をとることが多い。次に、DEKTAKまたはアルファステッパー(alpha-stepper)
を使用して、変形に対応する厚さの差を測定した。厚さの差は観察できなかった
。従って、ピクセル間厚さ均一性は、使用した測定方法の相対的な精度より小さ
いはずであり、この場合の相対精度は2〜3%である。
【0110】 ポリ-3,4-ethylenedioxythiophene層のピクセル内厚さ均一性とピクセル間厚
さ均一性は、NRS-PPV層のそれと類似する。
【0111】実施例2:
【0112】 NRS-PPVの代わりにEL層5が緑の光を発する、化学式(2) のコポリマーを含む以外は、実施例1が繰り返される。式中の-OC4は2メチルプロ
ポキシ(2-methylpropoxy)を表し、r =1-r = 0.50であり、これらの定義は前述の
とおりである。
【0113】 有効寿命試験の結果は、EL装置の有効寿命が、対応する参照EL装置の有効寿命
と実質的に同じであることを示す。従って、各EL素子10内のEL層5の厚さは、本
発明のコンテキストにおいて、実質的に均一である。
【0114】 このことは、個々のEL素子10のEL層5の厚さ形状の測定によって確認される。
厚さ形状は、実施例1で得られた形状に類似する。
【0115】 この実施例のEL装置のピクセル間厚さ均一性は、数%未満であることが判明し
た。
【0116】実施例3 :
【0117】 高さが異なるレリーフパターン7を使用して、実施例1が繰り返される。表1に
は、EL層5とホール注入層4の20%ピクセル内均一性と40%ピクセル内均一性に関す
る結果がまとめられていて、表2には、ピクセル間均一性の結果がまとめられて
いる。 表1 (1)レリーフパターンの高さ(μm)、(2)ピクセル内厚さ均一性
【0118】 表1から、例えば、20%ピクセル内厚さ均一性を少なくとも0.55にするなら、レ
リーフパターンの高さは、NRS-PPV層とPEDOT層の場合、それぞれ約9μm、7μmを
超えてはならないことが明らかである。この実施例の場合、流体層の初期平均厚
さは、NRS-PPV層の場合で約13μm、PEDOT層の場合で約8μmである。従って、ス
ピンコーティング層においては明らかに、レリーフパターンの高さは、流体層の
初期平均高さより大きくてはならず、より安全な値を取るなら、レリーフパター
ンの高さは、流体層の初期平均厚さの1/2より大きくてはならない。 表2 (1)レリーフパターンの高さ(μm)、 (2)ピクセル間厚さ均一性(%)
【0119】 表2から、適切なピクセル間厚さ均一性に到達するように、レリーフパターン
の高さを選択できる。明らかに、高さが約5μm未満であれば、PEDOT層とNRS-PPV
層のいずれの場合も、ピクセル間均一性は2〜3%未満であり、これは、この数値
を得るのに使用される方法の精度のオーダである。
【0120】実施例4 : 図3は、本発明によるさらなる有機ELマトリックスディスプレイ装置21の一部
を、透視図において線図的に示す。EL装置21は、複数の行電極23と、複数のホー
ル注入層24(これは本発明にとって必要不可欠ではなく省略できる)と、(図示
されていない)流体層から得られる複数のEL層25と、複数の列電極26との重なり
の領域によって形成される、それぞれ独立してアドレス可能な複数のEL素子(EL
ピクセル)31が設けられている、(透明)基板22を有する。EL層25は、マルチカ
ラー装置を得るために、それぞれ赤、緑、青の光を発することができるEL層に分
割できる。各EL層25は、特定の列の中のEL素子31のEL層を提供する共通のEL層で
ある。各行電極23は、EL素子31の複数の第1電極を有し、各列電極26は複数の第2
電極を有する。
【0121】 EL装置21は、さらに、複合レリーフパターン27を有する。この複合レリーフパ
ターン27は、流体層を収容するための第1レリーフパターン28を有する。第1レリ
ーフパターン28は、列電極26を連続する導電帯として確実に形成するための正の
傾斜(下辺が上辺より長い)を有する。
【0122】 複合レリーフパターン27は、さらに、複合レリーフパターンを、列電極26を相
互に独立してアドレス可能な列電極にパターン化するのに適したものにするため
の張り出しセクション29aを有する第2レリーフパターン29を有する。第2レリー
フパターン29は、第1レリーフパターン28の上に、つまり行電極23とは反対側の
第1レリーフパターンの表面上に形成される。例えば、列電極26が、金属蒸気の
真空堆積によって堆積される場合、張り出しセクション29aは、基板に直角に向
けられる蒸気の流れに関して遮蔽領域をつくり、この領域には物質が堆積されな
いが、これに対して、正の傾斜を有する第1レリーフパターン28は、このような
遮蔽領域は形成しない。この方法において、電気的に相互に絶縁された電極26が
形成される。
【0123】 レリーフパターン29が組み込み遮蔽マスクとして使用される場合、機能をもた
ない物質30が、レリーフパターンの上に形成される。アクティブな層24および/
または層25を堆積するのに使用される方法によっては、レリーフパターン27の上
に(図示されていない)さらなる層が形成されることがある。
【0124】 EL層25は、完全な平面として描かれているが、これらは流体層から得られるた
め、その表面はレリーフパターン27付近で多少湾曲する。
【0125】実施例5 : スピンコーティングに代わる方法として、インクジェット印刷法を使用するか
、または流体の連続的なジェットの調合によって、流体層(図1)を選択的に堆
積することができる。この場合、インクジェットヘッドまたは調合毛細管は、レ
リーフパターンのライン間のスペースを埋めまがら、レリーフパターンのライン
に平行に移動する。次いで、流体層を、対応するEL層または追加の有機層5に変
換する。同様の方法で、異なる色を有するEL層5を選択的に堆積することで、マ
ルチカラー装置を得ることができる。
【0126】 図4は、インクジェットヘッド120によって選択的に堆積され、かつレリーフパ
ターン107に収容される流体層108と、この流体層108から得られる典型的なEL層
または追加の有機層105a、105b、105cとを、線図的に示す。流体層は、表面108a
を有する。この例において、レリーフパターンに対する流体層108の湿潤性は、
流体が凹メニスカスをとる値である。しかし、流体層108の体積がレリーフパタ
ーン107のライン間のスペースの体積より大きいので、流体表面108aは、最初は
凸形状である。
【0127】 流体層をEL層に変換する工程の初期段階中、流体表面108aは、流体表面がレリ
ーフパターンの上面107cと同じ高さになるまで、位置108bにおいてこの上面107c
に固定される。図に破線で示されている流体表面109a、109b、109cは、流体層10
8がそのゲル濃度に達する典型的な各段階に対応する。
【0128】 EL層または追加の層105aの場合、レリーフパターン110の選択された高さ110b
が小さすぎるため、流体層がゲルになるのが早すぎ、この結果、流体表面109aは
凸形状になる。ゲル濃度を超えた後は、流体は流れることができないので、EL層
105aの表面は同様の凸形状を有する。
【0129】 EL層または追加の層105bの場合、レリーフパターン111の選択された高さ111b
が大きすぎるため、流体層がゲルになるのが遅すぎ、この結果、流体表面109bは
凹形状になる。ゲル濃度を超えた後は、流体は流れることができないので、EL層
105bの表面は同様の凹形状を有する。図2は、領域IIの展開図を線図的に示す。
【0130】 EL層または追加層105cの場合、レリーフパターン112の高さ112bは、レリーフ
パターンの上面112cとおよそ同じ高さであるときに流体層がゲル化するように選
択されているので、結果として、流体表面109cはほぼ水平になる。ゲル濃度を超
えた後は、流体は流れることができないので、EL層105cの表面は同様の水平形状
を有する。
【0131】 インクジェット印刷による典型的な層105a、105b、105cは、例えば、ノズル直
径50μmの単一ノズル圧電インクジェットヘッドを有するインクジェットプリン
タによって製造できる(供給元Microdop GmbH)。
【0132】 インクジェット印刷層が上に形成される基板としては、例えば、ライン/スペ
ースパターンの形式のフォトレジスト(例: 販売元HoechstのAZ4562)レリーフ
パターンを有する、ITOコーティング済みガラス基板を使用することができる。
【0133】 レリーフパターンのラインは、幅50μm、スペース260μmである。インクジェ
ット印刷工程に関しては、張り出しセクションのサイズは無視できる。堆積する
液体に対しての、ITOコーティング済みガラス基板の湿潤性を向上させるため、
基板はアルゴンプラズマに2分間だけ露光する。
【0134】 基板からインクジェットヘッドのノズルまでの距離を、0.5〜1mmに設定し、イ
ンクジェットヘッドを、充填するライン間スペースの中央の上に位置させて、レ
リーフパターンのラインに平行に移動させる。
【0135】 インクジェットヘッドによって堆積される流体層の初期平均高さhiniは、fV/U
Bに等しく、式中のfはインク滴の発射頻度、Vはインク滴の体積、Uはインクジェ
ットヘッドに対する基板の速度、Bはライン間スペースの幅である。
【0136】 堆積する流体(インク)は、ポリ-3,4-ethylenedioxythiophene(供給元Bayer
AG)の水溶液である。レリーフパターンに対して、インクは凹メニスカスをとる
【0137】 ゲル濃度は、定圧レオメーター(Rheometrics SR 5000)によって求められる。
【0138】 図5と図6は、それぞれ、2つの相異なる濃度における、せん断応力τ(単位Pa
)の関数としての粘度の測定値η(単位Pa.s)のグラフを示す。
【0139】 図5は、上述のPEDOTの溶液に関する。Aで示されている曲線は、前述したよう
にスピンコーティング用に供給されて使用される濃度に相当する。曲線Bは、こ
の2倍高い濃度における溶液に相当する。せん断応力0.5Paにおいて、粘度は、曲
線A、曲線Bでそれぞれ0.04Pa.s、5Pa.sである。PEDOT溶液は、その体積が元の体
積の1/2に減少したとき、すなわち、(cgel/ciniと定義される)PEDOT溶液のゲ
ル濃度cgelと初期濃度ciniの比が約2になったときに、ゲル化する。
【0140】 図6は、NRS-PPV溶液に関する。曲線Aは、重量割合0.6%の溶液に相当し、曲線B
は、4倍の高い濃度を有する溶液に相当する。後者の濃度は、ゲル濃度cgelであ
る。
【0141】 本発明の1つの望ましい実施例により、流体表面がレリーフパターンの上面と
同じ高さになったときに流体層をゲル化させる場合には、等式cinihini = cgelh rp は有効である。cgel = 2ciniであるPEDOTの場合、hini = 2hrpのときに、実質
的に平面である層が得られる。
【0142】 インクジェット印刷層の最初の例においては、レリーフパターンの高さは20μ
mであり、速度Uは0.01m/s、インク滴体積Vは113pl、発射頻度fは590Hz、スペー
ス幅Bは260μmであり、この結果、流体層の初期平均高さhiniは約25μmとなる。
【0143】 図7は、レリーフパターンのラインの間にインクジェット印刷によって形成さ
れる層の位置w(単位μm)の関数としての厚さの測定値t(単位μm)のグラフを
示す。図には、レリーフパターンの下面セクションのみが示されている。位置は
、ライン/スペースレリーフパターンのラインに対して直角の断面図に対応する
【0144】 インクジェット印刷層の最小厚さの20%以内の厚さを有するインクジェット印
刷層の比率は、0.52であり、インクジェット印刷層の最小厚さの40%以内の厚さ
を有するインクジェット印刷層の比率は、0.76である
【0145】 さらに、厚さ形状は凹形状を有し、このことは、hini = 1.5hrpという関係、
つまりゲル濃度に達するのが遅すぎる、言い換えればレリーフパターンの高さが
大きすぎることを意味する関係に合致する。
【0146】 インクジェット印刷層の2番目の例においては、レリーフパターンの高さは1.5
μmであり、速度Uは0.01m/s、インク滴体積Vは150pl、発射頻度fは2000Hz、スペ
ース幅Bは280μmであり、この結果として、流体層の初期平均高さhiniは約10.5
μmである。
【0147】 図8は、この2番目の例のインクジェット印刷によって形成される層の位置w(
単位μm)の関数としての厚さの測定値t(単位μm)のグラフを示す。
【0148】 インクジェット印刷層の最大厚さ(形状が凸であるため)の20%以内の厚さを
有する層の比率は、0.46であり、インクジェット印刷層の最大厚さの40%以内の
厚さを有する層の比率は、0.63である。最小厚さに対応する比率は、ずっと小さ
い。
【0149】 従って、レリーフパターンの高さは、本発明に従って選択されていない。
【0150】 さらに、厚さ形状は凸形状を有し、このことは、hini = 7hrpという関係、つ
まりゲル濃度に達するのが早すぎる、言い換えればレリーフパターンの高さが小
さすぎることを意味する関係に合致する。
【0151】 インクジェット印刷層の3番目の例においては、レリーフパターンの高さは5.4
μmであり、速度Uは0.03m/s、インク滴体積Vは150pl、発射頻度fは500Hz、スペ
ース幅Bは275μmであり、この結果、流体層の初期平均高さhiniは約9.10μmとな
る。
【0152】 図9は、この3番目の例のインクジェット印刷によって形成される層の位置w(
単位μm)の関数としての厚さの測定値t(単位μm)のグラフを示す。
【0153】 インクジェット印刷層の最小厚さの20%以内の厚さを有するインクジェット印
刷層の比率は、少なくとも0.95であり、インクジェット印刷層の最小厚さの40%
以内の厚さを有するインクジェット印刷層の比率は、1に達する。
【0154】 従って、レリーフパターンの高さは、本発明に従って選択されている。
【0155】 さらに、hini = 1.7hrp(理論的には前述したようにhini = 2hrp)であり、こ
れは、流体表面がレリーフパターンの上面とおよそ同じ高さになったときに流体
層がゲル化することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による有機ELマトリックスディスプレイ装置の一部を、一部
を開いた透視図により線図的に示す。
【図2】 レリーフパターンに収容される流体層から得られる有機エレクトロ
ルミネッセント層の厚さ形状の例を、断面図により示す。
【図3】 本発明によるさらなる有機ELマトリックスディスプレイ装置の一部
を、透視図により線図的に示す。
【図4】 レリーフパターンに収容される堆積される流体層と、その流体層か
ら得られるEL層の典型例を、断面図により線図的に示す。
【図5】 2つの相異なる濃度における、せん断応力τ(単位Pa)の関数とし
ての粘度の測定値η(単位Pa.s)のグラフを示す。
【図6】 2つの相異なる濃度における、せん断応力τ(単位Pa)の関数とし
ての粘度の測定値η(単位Pa.s)のグラフを示す。
【図7】 レリーフパターンのラインの間にインクジェット印刷によって形成
される層の位置w(単位μm)の関数としての厚さの測定値t(単位μm)のグラフ
を示す。
【図8】 レリーフパターンのラインの間にインクジェット印刷によって形成
される層の位置w(単位μm)の関数としての厚さの測定値t(単位μm)のグラフ
を示す。
【図9】 レリーフパターンのラインの間にインクジェット印刷によって形成
される層の位置w(単位μm)の関数としての厚さの測定値t(単位μm)のグラフ
を示す。
【符号の説明】
1 EL装置 2 基板 3 行電極 4 ホール注入層 5 EL層 6 列電極 7 レリーフパターン 7a 張り出しセクション 8 機能をもたない電極物質 10 EL素子 21 有機ELマトリックスディスプレイ装置 22 基板 23 行電極 24 ホール注入層 25 EL層 26 列電極 27 複合レリーフパターン 28 第1レリーフパターン 29 第2レリーフパターン 29a 張り出しセクション 30 機能をもたない物質 31 EL素子 105a、105b、105c EL層または追加の有機層 107 レリーフパターン 107c、112c 上面 108 流体層 108a 表面 108b 位置 109a、109b、109c 流体表面 110、111、112 レリーフパターン 110b、111b、112b 高さ 120 インクジェットヘッド A 曲線 B 曲線 τ せん断応力 η 粘度の測定値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロエランデュセ コネリス ディー オランダ国 5656 アー アー アインド ーフェン プロフホルストラーン 6 (72)発明者 ヴレガー ジェロエン ジェー エム オランダ国 5656 アー アー アインド ーフェン プロフホルストラーン 6 Fターム(参考) 3K007 AB11 AB18 DB03 FA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1電極および第2電極と、その間に配置され、かつ望ましいパターンによって
    形成され、かつ流体層から得られる有機エレクトロルミネッセント層とを有する
    少なくとも1つのエレクトロルミネッセント素子を有する有機エレクトロルミネ
    ッセント装置であって、 前記装置が、前記望ましいパターンによって形成される前記有機エレクトロル
    ミネッセント層を形成する元の前記流体層を収容するためのレリーフパターンを
    さらに有する前記装置において、 前記エレクトロルミネッセント層が、前記有機エレクトロルミネッセント層の
    最小厚さの20%以内の厚さを有する前記有機エレクトロルミネッセント層の比率
    または前記有機エレクトロルミネッセント層の最大厚さの20%以内の厚さを有す
    る前記有機層の比率が少なくとも0.55である程度まで、厚さにおいて実質的に均
    一であることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセント装置。
  2. 【請求項2】 前記レリーフパターンまたはその一部が、前記レリーフパターンを前記第2電
    極のパターン化に適したものにするための張り出しセクションを有する断面形状
    を有することを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセント装
    置。
  3. 【請求項3】 前記レリーフパターンが、前記流体層を収容するための第1レリーフパターン
    と、前記第2レリーフパターンを前記第2電極のパターン化に適したものにするた
    めの張り出しセクションを有する第2レリーフパターンとの複合レリーフパター
    ンであることを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセント装
    置。
  4. 【請求項4】 前記有機エレクトロルミネッセント装置が、それぞれ独立してアドレス可能な
    複数のエレクトロルミネッセント素子を有することを特徴とする、請求項1〜3の
    いずれかに記載の有機エレクトロルミネッセント装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つのエレクトロルミネッセント素子を有する有機エレクトロルミ
    ネッセント装置の製造方法であって、当該方法が、 a) 第1電極を形成するステップ、 b) 望ましいパターンに従って形成される有機エレクトロルミネッセント層が得
    られる元の流体層を収容するためのレリーフパターンを形成するステップ、 c) 前記レリーフパターンに収容される流体層を堆積するステップ、 d) 前記流体層から、前記望ましいパターンによって形成される前記有機エレク
    トロルミネッセント層を得るステップであって、前記レリーフパターンと前記流
    体層とが、前記有機エレクトロルミネッセント層の最小厚さの20%以内の厚さを
    有する前記有機エレクトロルミネッセント層の前記比率または前記有機エレクト
    ロルミネッセント層の最大厚さの20%以内の厚さを有する前記有機エレクトロル
    ミネッセント層の前記比率が、少なくとも0.55である程度まで、前記エレクトロ
    ルミネッセント層が厚さにおいて実質的に均一となるように、相互に作用するス
    テップ、 e) 前記有機層の上に、第2電極を形成するステップ、 を有する製造方法。
  6. 【請求項6】 前記レリーフパターンの高さが、ステップd)の実行中に前記流体層の前記体積
    が減少している間に、前記流体層の前記流体表面が前記レリーフパターンの前記
    上面とほぼ同じ高さになると、前記流体層がゲル化するように、選択されている
    ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記流体層が、インクジェット印刷によって選択的に堆積されることを特徴と
    する、請求項5または6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記流体層が、前記流体の連続的なジェットの調合によって選択的に堆積され
    ることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記流体層が、スピンコーティングによって堆積されることを特徴とする、請
    求項5に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記レリーフパターンが3〜5μmの高さを有することを特徴とする、請求項9に
    記載の方法。
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