JP2003515652A - 帯電防止粉体塗料組成物およびその使用 - Google Patents

帯電防止粉体塗料組成物およびその使用

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Abstract

(57)【要約】 2.5から95重量%の1種以上の非導電性熱硬化性粉体材料および95から2.5重量%の1種以上の導電性熱硬化性粉体塗料材料を含有してなる、帯電防止塗料として使用可能な粉体塗料組成物の混合物。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、粉体塗料組成物、帯電防止特性を有する塗装表面の調製におけるそ
の使用、および塗装された基材に関する。
【0002】 熱硬化性粉体塗料は、種々の適用において保護的または装飾的仕上げとして適
用される。容易な適用、少ない拡散、および少ない廃棄物生成は、粉体塗料の重
要な利点である。粉体塗料は、通常、静電吹付法により適用される。当該粉体を
、摩擦によりまたはコロナ放電により帯電させた後、基材に適用し、該粉体をそ
こに静電気力により付着させる。その基材を、粉体塗料の軟化点より高い温度ま
で加熱する。これにより粉体塗料は融解し、基材上に連続的な被膜を形成する。
さらに加熱すると、塗料組成物の架橋反応が始まる。冷却後、耐久的で柔軟な塗
装が得られる。
【0003】 特定の適用では、帯電防止またはさらに電気導電特性を付与するために、塗装
表面が低い表面電気抵抗を有することが望ましい。例えば、電子機器の組立て場
所に使用する建具、防爆場所に使用する建具または備品、電子機器用の容器また
は保管具等である。静電放電に敏感な装置を取り扱う場所に使用する部材の表面
導電性の基準が、例えば、欧州基準EN100 015−1またはスウェーデン
国基準SP−法2472に記載されている。
【0004】 慣用的には、帯電防止または電気導電特性は、大量の導電性の添加剤、例えば
カーボンブラック、特別に塗装された色素または金属粉体を含有する液体塗料の
適用により得られる。
【0005】 粉体塗料の電気導電性を増加させ、上記の場所で粉体塗料を使用するために、
多くの試みがなされている。例えば、特許出願CN1099779号には、比較
的高濃度のグラファイト、アセチレンブラックまたは酸化亜鉛などの導電性微粒
子を、粉体塗料組成物に添加することが記載されている。この手法の欠点は、グ
ラファイトまたはアセチレンブラックを含有する塗料では、一般に、明るい色の
塗料を調合できないことである。一方、大量の明るい色の充填剤、例えば酸化亜
鉛により、電気導電性の再現性の悪い塗料が得られる(N. G. Schibrya et al. "
Antistatic decorative coatings based on coating powders "Electron"", Rus
sia Lakokras. Mater. Ikh Primen. (1996)(12), p.19-20)およびそれに引用さ
れた文献参照)。この文献には、非常に多くの金属粉体を加えた導電性塗料が開
示されている。前記粉体塗料組成物は比重が非常に高く、それ故、基材への適用
が困難である。さらに、微細金属粉体の使用は、粉体製造および適用中の安全性
に関して危険性がある。
【0006】 独国特許出願DE−A−19809838号には、導電性ポリマー物質を添加
して、粉体塗装表面の電気導電性を増加させることが記載されている。ここでも
、これらのポリマーは黒または暗い色を有し、暗い色の粉体塗料が生じる。
【0007】 米国特許第4,027,366号には、誘電率の異なる粉体の混合物の適用が
記載されおり、その中の1つの粉体材料は導電性金属または非金属である。米国
特許第4,027,366号の目的は、1段階で多層塗装を作製することである
。塗装表面が帯電防止特性または低い表面電気抵抗を有する塗料の調製は記載さ
れていない。
【0008】 従って、本発明の目的は、再現性のある低い表面電気抵抗を有し、種々の色で
調製でき、塗装被膜の厚さにばらつきがあっても容易に適用できる粉体塗料を提
供することである。
【0009】 この目的は、通常の、おそらく着色された非導電性熱硬化性粉体塗料材料と、
導電性の高い熱硬化性粉体塗料材料との混合物により達成される。本発明の混合
物における導電性粉体塗料材料と非導電性粉体塗料材料の比は、2.5対95か
ら95対2.5までの間でよい。この比は、特定の適用における表面電気抵抗の
必要条件に合致するように調整しうる。一般に、該混合物中の導電性成分の割合
が高いと、表面電気抵抗のより低い最終塗料が得られる。本発明の混合物により
、1010Ω(オーム)未満、好ましくは108Ω(オーム)未満の表面電気抵抗
を有する着色塗料が得られる。この表面電気抵抗は、表面に帯電防止特性を必要
とする多くの適用にとって十分に低い。
【0010】 本発明の混合物中の非導電性熱硬化性粉体塗料材料は、任意の熱硬化性粉体塗
料組成物でよい。この粉体は着色されても、または透明でもよく、例えば透明な
塗料である。
【0011】 使用し得る前記粉体組成物は、例えば、ポリエステルレジン、エポキシレジン
、ポリエステル/エポキシハイブリッドレジン系、(メタ)アクリル酸レジン、
ポリウレタンレジンをベースとしたものである。結合剤/硬化剤系に適する架橋
性レジンは、通常の量の、例えば、ジ−および/またはポリ官能価エポキシド、
カルボン酸、ジシアンジアミド、フェノールレジンおよび/またはアミノレジン
である。この組成物は、粉体塗装技術において慣用的な構成成分、例えば色素お
よび/または充填剤およびその他の添加剤を含有しうる。
【0012】 適切な粉体塗料組成物が、例えばD. A. Bates "The Science of Powder Coati
ngs"Vol.1, Sita Technology, London, 1990に記載されている。前記粉体塗料材
料により塗装された表面は、一般に1010Ω(オーム)より高い表面電気抵抗を
有する。
【0013】 本発明の混合物中の導電性熱硬化性粉体塗料組成物は、高濃度の無機または有
機導電性の充填剤および/または色素を含有する。前記充填剤および/または色
素は、例えばカーボンブラック、導電性のポリマー物質または明るい色の無機色
素でよい。カーボンブラックまたは導電性ポリマー物質を使用する場合、該導電
性粉体材料は、一般に黒または暗い色となる。導電性ポリマー物質の例は、ポリ
アニリン、ポリピロールまたはポリチオフェンまたはそれらの誘導体である。
【0014】 明るい色の導電性粉体塗料には、金属酸化物、非金属酸化物、導電性塗装され
た硫酸バリウムまたはチタン酸カリウム、ドープした二酸化スズ、ドープした酸
化亜鉛(例えばアルミニウム、ガリウム、アンチモン、ビスマスでドープする)
を使用し、または特殊な無機色素を使用しうる。この特殊な無機色素の例は、金
属酸化物により塗装された雲母板、例えば酸化亜鉛による塗装雲母、アンチモン
をドープした酸化スズによる塗装雲母であり、そしてR. Vogt et al. "Bright c
onductive pigments with layer substrate structure", European Coatings Jo
urnal, p.706, 1997に記載されている。経済的理由から、導電性充填剤としてカ
ーボンブラックを使用することが好ましい。
【0015】 本発明の混合物に有用な導電性粉体塗料材料は、1〜20重量%、好ましくは
2〜10重量%の導電性の充填剤および/または色素を含有する。導電性粉体塗
料材料を調合するために、異なる導電性の充填剤および/または色素の混合物を
使用することも可能である。一般に、非導電性粉体を添加せずに導電性粉体から
調製した塗料は、106Ω(オーム)未満、または、本発明の混合物を適用する
表面における所望の表面抵抗よりも少なくとも10倍低い表面電気抵抗を有する
べきであろう。このことは、非導電性粉体を有する当該混合物が108Ω未満の
表面抵抗を有するべき場合、当該導電性成分は、例えば107Ω(オーム)未満
の表面電気抵抗を有する必要があることを意味する。
【0016】 当該導電性粉体材料の結合剤/硬化剤系は、本発明の混合物中の非導電性粉体
材料の場合と同じであっても、または異なっていてもよい。平滑に仕上げるため
に、当該混合物の導電性および非導電性粉体材料において同じ結合剤/硬化剤系
を使用することが好ましい。
【0017】 明るい色の導電性の色素または充填剤を使用して均一な塗料色を作成する場合
、当該粉体混合物中の非導電性材料および導電性粉体の色を調和させることが可
能である。しかし、異なる色、例えば白、灰色、赤または黄色を有する非導電性
粉体と組合せて黒の導電性粉体を使用することも可能であり、かつ好ましい。こ
の様な混合物は、散在的な図柄を示す塗装を生じる。なぜなら、両粉体の各々の
色が多かれ少なかれヒトの眼に見えるからである。該塗料は、多くの適用に適し
た魅力的な仕上がりをもたらす。
【0018】 本発明の混合物に必要な導電性および非導電性の熱硬化性粉体塗料材料は、既
知の粉体塗料製造技術により、例えば既知の押出し/製粉技術により、例えば超
臨界溶液の吹付処理により、または融解アトマイゼーションにより、または懸濁
/分散処理、例えば非水性分散処理により調製できる。
【0019】 本発明の混合物に有用な粉体材料は、例えば、10〜100μm、好ましくは
15〜50μmの平均粒子サイズを有する。当該導電性および非導電性粉体材料
は、同じ平均粒子サイズおよび同じ粒子サイズ分布を有してよい。異なる平均粒
子サイズまたは異なる粒子サイズ分布を有する粉体材料を混合することも可能で
ある。本発明の混合物の全成分について、粒子サイズ分布が類似することが好ま
しい。当該混合物では、類似の比重を有する粉体材料を選択することが好ましい
【0020】 本発明の混合物は、均一な粉体混合物を供給する標準的な混合装置、例えば回
転式ミキサー、高剪断力回転ブレードミキサーまたは連続ミキサーにより調製で
きる。色素を粉体塗料に結合させるために通常用いる温度よりも少し高い温度で
、特殊なミキサーを効果的に使用することも可能である。この様なミキサーを使
用すると、異なる該粉体材料が少なくとも部分的に相互に結合するが、これは特
定の適用には有利であろう。
【0021】 本発明の混合物を、既知の粉体適用技術により、例えば静電吹付法により、コ
ロナまたは摩擦電荷法により、金属、プラスチック、木または木複合物などの種
々の基材に適用できる。水性分散液または粉体スラリーの形で該粉体混合物を適
用することも可能である。
【0022】 その後、該基材を、適切な手段により、該粉体塗料が流れ出し硬化する温度ま
で加熱する。融解および硬化に必要な温度および時間は、粉体塗料組成物中に使
用する結合剤/硬化剤系に依存する。熱対流炉を使用して基材を加熱する場合に
は、典型的な条件は、例えば160℃の温度で20分間である。赤外線または近
赤外線(NIR)照射を使用して、該粉体塗料を融解および硬化する場合には、
有意により短い時間で行なうことができる。UV照射により硬化しうる粉体塗料
を調合することも可能である。この場合、該粉体混合物中の導電性および非導電
性材料の両方が、UV照射により硬化できることが好ましい。
【0023】 硬化後の典型的な塗装被膜の厚さは、例えば20〜150μmである。本発明
の特別な利点は、塗装被膜の表面抵抗が被膜の厚さに敏感ではないことであり、
これは被膜の厚さのばらつきを回避できない多くの適用において重要である。一
般に、50〜100μmの塗装の厚さが好ましい。
【0024】 本発明の粉体塗料により、種々の色の魅力的な平滑な仕上がりと、静電塗装に
用いるのに適した再現性のある低い表面抵抗とを有する表面が提供される。光沢
度は、既知の粉体塗装技術により調整できる。
【0025】 以下の例によりさらに本発明を説明する。 塗装の表面電気抵抗を、基準であるEOS/ESD−S4.1−1990の必
要条件に合致する3M社販売の「静電気制御表面の検査キット」により測定した
【0026】導電性粉体塗料の調製 実施例1 16重量%のエポキシレジン、42重量%のポリエステルレジン、37重量%
の硫酸バリウム、3.5重量%のカーボンブラックおよび1.5重量%の流動剤
および脱ガス剤からなる混合物を十分に混合し、110〜140℃の温度で押し
出す。この押出物を、平均粒子サイズ38μmの微細な黒色粉末にすり砕く。 前記粉体材料を、静電吹付法により鋼板に適用し、その後10分間200℃で
硬化する。得られた塗装膜は、100Vで測定すると104〜105Ω(オーム)
の表面電気抵抗、および90μmの塗装厚を有する。
【0027】本発明の混合物 実施例2 実施例1の導電性粉体材料を、回転式ミキサー中で、20/80(重量/重量
)の比率の市販の青色ポリエステル/エポキシハイブリッド粉体と十分に混合す
る。得られた混合物を、静電吹付法により鋼板に適用し、その後10分間200
℃で硬化する。100Vで測定すると105〜106Ω(オーム)の表面抵抗、お
よび90μmの塗装厚を有する、黒点が散在する青色の平滑な仕上がりが得られ
る。
【0028】実施例3 実施例1の導電性粉体材料を、回転式ミキサー中で、30/70(重量/重量
)の比率の市販の赤色ポリエステル/エポキシハイブリッド粉体と混合する。得
られた混合物を、静電吹付法により鋼板に適用し、その後、この塗料を10分間
200℃で硬化する。100Vで測定すると105〜106Ω(オーム)の表面抵
抗および60μm及び100μmの塗装厚を有する、黒点が散在する赤色の平滑
な仕上がりが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),AL,A U,BA,BG,BR,CA,CN,CZ,EE,HU ,JP,KR,LT,LV,MX,NO,PL,RO, RU,SG,SI,SK,TR,UA,US,YU (72)発明者 ゴッシェリング,ペーター カナダ国,ケベック エイチ8ワイ 1ブ イ8,ピエール フォンズ,ラランド ブ ールバード 4950 (72)発明者 スタチラ,ズビグニュー アメリカ合衆国,テキサス 77379,スプ リング,ラスウッド コート 17903 (72)発明者 ストライド,マリア スウェーデン国,アトビダベルグ エスイ ー−597 32,モシッペヴァガン 17 Fターム(参考) 4J038 HA026 KA08 MA02 NA20 PA17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2.5〜95重量%の1種以上の非導電性熱硬化性粉体材料
    、および95〜2.5重量%の1種以上の導電性熱硬化性粉体塗料材料を含んで
    成る、粉体塗料組成物の混合物。
  2. 【請求項2】 前記混合物が、その塗装基材において1010オーム未満の表
    面電気抵抗を生じさせる、請求項1に記載の混合物。
  3. 【請求項3】 前記非導電性熱硬化性粉体塗料材料が、その塗装基材におい
    て1010オームより大きい表面電気抵抗を生じさせるものである、請求項1およ
    び2に記載の混合物。
  4. 【請求項4】 前記導電性熱硬化性粉体塗料材料が、1〜20重量%の導電
    性の充填剤および/または色素を含有する、請求項1、2または3に記載の混合
    物。
  5. 【請求項5】 前記導電性熱硬化性粉体塗装材料が、導電性充填剤および/
    または色素として、カーボンブラック、導電性ポリマー物質および/または導電
    性の明るい色の無機色素を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の混合物
  6. 【請求項6】 前記導電性熱硬化性粉体塗料材料が、その塗装基材において
    106オーム未満の表面電気抵抗を生じさせるものである、請求項1から5のい
    ずれかに記載の混合物。
  7. 【請求項7】 近赤外線(NIR)照射またはUV照射により硬化可能であ
    る、請求項1から6のいずれかに記載の混合物。
  8. 【請求項8】 帯電防止特性を有する塗装の調製における、請求項1から7
    のいずれかに記載の混合物の使用。
  9. 【請求項9】 塗装が請求項1から8のいずれかに記載の混合物による、塗
    装された基材。
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