JPH09141194A - 光輝性塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

光輝性塗膜形成方法および塗装物

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JPH09141194A
JPH09141194A JP32987395A JP32987395A JPH09141194A JP H09141194 A JPH09141194 A JP H09141194A JP 32987395 A JP32987395 A JP 32987395A JP 32987395 A JP32987395 A JP 32987395A JP H09141194 A JPH09141194 A JP H09141194A
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coating film
coating
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glitter
particles
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JP32987395A
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Michinosuke Nakada
理之介 中田
Shinichi Masuko
伸一 益子
Eizo Niimi
英造 新美
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深みのある強い光輝感と優れた塗膜外観を同
時に付与することができる光輝性塗膜形成方法と塗装物
を提供する。 【解決手段】 (1) 塗膜形成樹脂100固形分重量部
と、累積粒度分布において粒子径16μm 以下の粒子が
5%以下で、粒子径100μm 以下の粒子が95%以上
の粒度範囲にある金属酸化物コーティング箔片状顔料
0.05〜15重量部含有する光輝性塗料を塗装する光
輝性塗膜形成工程、および (2)光輝性塗膜面にクリヤー
塗料を塗装するクリヤー塗膜形成工程、を順次に施す光
輝性塗膜形成方法。上記の工程で得られる塗装物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車、自
転車、家電製品およびそれらの部品等を対象とする工業
塗装用として好適な、深みのある強い光輝感ならびに優
れた塗膜外観を与える美粧塗膜を形成することができる
光輝性塗膜形成方法と塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】形成塗膜にメタリック調やパール調の光
沢感を付与するためには、従来からマイカ表面に金属酸
化物を被覆した干渉マイカ顔料を含む光輝性塗料が広く
用いられている(特開昭50−92321 号公報、特開昭61−
37423 号公報、特開昭61−129071号公報、特開平1−14
3575号公報等)。この目的に用いられる干渉マイカ顔料
は、粒子径として概ね60μm 以下の微細な粉末が有効
とされている。例えば、特開昭61−37423号公報
には雲母粒子の最大寸法が約5〜60μm であり、好ま
しくは約5〜45μm 、典型的には約5〜35μm であ
ると記載され、また特開平3−143575号公報には
マイカの粒径は一般的には最長径が約5〜140μm で
あるが、約5〜60μm であることが好ましいと記載さ
れている。
【0003】しかし、現実にはメタリックベース塗膜/
クリヤー塗膜の2コート1ベークあるいは着色下地塗膜
/マイカベース塗膜/クリヤー塗膜の3コート2ベーク
による塗膜形成において、粒子径範囲が1〜44μm
で、平均粒子径(D50) が17〜21μm の範囲にある比
較的細かな粒子径を有する干渉マイカ顔料が常用されて
いるのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、干渉マイカ
顔料として細かい粒子径を多く含む粒子を使用すると、
形成した塗膜を傾けて観察した場合、特にシェード部の
領域で乱反射が起きて拡散反射に起因する白ぼけ感が発
生し易くなり、光輝感および深み感に欠ける色調の塗膜
となる問題点があった。
【0005】一般に、干渉マイカ顔料の光輝性は粒子径
と相関があり、粒子径が大きくなるほど光輝感が増すこ
とが知られているが、反面、粒子径が大きくなると塗膜
形成時にマイカ顔料の配向の乱れや重なりにより塗膜か
ら粒子が突き出た状態を生じ易く、クリヤー塗装しても
ブツ状あるいはチカチカ状の塗膜となって外観を損ねる
問題がある。
【0006】本発明者らは、干渉マイカ顔料のような金
属酸化物コーティング箔片状顔料を含む塗料系において
強い光輝感と優れた塗膜外観の付与が両立する条件につ
いて鋭意研究を重ねた結果、粒度分布において粒子径1
6μm 以下の粒子および100μm を越える粒子をそれ
ぞれ5%以下になる粒度範囲の顔料粒子を選択し、これ
を特定量比で塗膜形成樹脂に含有させると前記性能を有
する塗膜形成が効果的に達成されることを確認した。
【0007】本発明はかかる知見に基づいて開発された
もので、目的とする解決課題は、形成塗膜に深み感のあ
る強い光輝感と優れた外観を同時に付与することができ
る光輝性塗膜形成方法およびこの方法により得られる塗
装物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による光輝性塗膜形成方法は、被塗基材面に
下記(1) 、(2) の塗膜形成工程を順次に施すことを構成
上の特徴とする。 (1)(a) 塗膜形成樹脂100固形分重量部と、(b) 累積
粒度分布において粒子径16μm 以下の粒子が5%以下
で、かつ粒子径100μm 以下の粒子が95%以上の粒
度範囲にある金属酸化物コーティング箔片状顔料0.0
5〜15重量部を含有する光輝性塗料を塗装する光輝性
塗膜形成工程。 (2)光輝性塗膜面にクリヤー塗料を塗装するクリヤー塗
膜形成工程。
【0009】上記の構成において、光輝性塗料に着色顔
料を含有させた光輝性塗料を塗装して光輝性塗膜を形成
することが第2の発明となる。
【0010】また、本発明に係る塗装物は、前記の光輝
性塗膜形成方法により得られる塗装物である。
【0011】なお、本発明において金属酸化物コーティ
ング箔片状顔料の粒子径とは顔料粒子の長径を意味し、
その測定はレーザー光回折・散乱式粒度分布測定装置を
用いて行ったものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を構成する塗料成分のう
ち、ビヒクルとなる塗膜形成用樹脂には塗料用として一
般的に使用されている樹脂類が用いられる。例えば、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素
樹脂などを挙げることができ、通常アミノ樹脂やブロッ
クポリイソシアネート化合物などの架橋剤と混合して使
用に供される。また、これら樹脂類は1種に限らず2種
以上を組み合わせて使用することもできる。このほか、
常温乾燥により硬化することができる2液型ポリウレタ
ン樹脂やシリコーン樹脂なども用いられる。
【0013】金属酸化物コーティング箔片状顔料として
は、例えば天然白雲母、合成雲母あるいは板状硫酸バリ
ウムなどの箔片状基材に、二酸化チタン、酸化鉄、その
他の金属酸化物を薄膜状にコーティングした公知の光輝
性顔料が用いられるが、特に天然白雲母に二酸化チタン
または酸化鉄の被膜をコーティングしたパールマイカ顔
料が好ましく用いられる。
【0014】上記の金属酸化物コーティング箔片状顔料
は、累積粒度分布において粒子径16μm 以下の粒子が
5%以下で、かつ粒子径100μm 以下の粒子が95%
以上の粒度範囲のものを選択的に使用する。この粒度範
囲にある金属酸化物コーティング箔片状顔料は、平均粒
子径(D5 0)として40〜50μm の範囲にある。したが
って、従来から実用されている粒径範囲が1〜44μm
、平均粒子径(D50) が17〜21μm の干渉マイカ顔
料に比べて2倍以上の粒子径を備えていることに特徴付
けられる。金属酸化物コーティング箔片状顔料の粒子径
が、累積粒度分布において16μm 以下の粒子が5%を
越えると光輝感が減退するうえ、細かな粒子が増加する
ため乱反射が起こり易くなって、塗膜に白ぼけ感が生
じ、深みに欠けた色調となる。一方、100μm 以下の
粒子が95%を下回ると、粗粒子の含有割合が相対的に
多くなるため、配向の乱れや重なりにより塗膜から粒子
が突き出た状態を生じ、クリヤー塗装してもブツ状ある
いはチカチカ状の塗膜となって外観不良を招く。更に、
塗料中で大きな顔料粒子が沈降するため、貯蔵安定性も
悪化する。
【0015】光輝性塗料は、上記の塗膜形成樹脂100
固形分重量部に対し金属酸化物コーティング箔片状顔料
を0.05〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量
部を含有する組成とする。金属酸化物コーティング箔片
状顔料の含有量が0.05重量部未満では光輝感干渉色
の発色が低下して光輝材としての機能が減退し、高い光
輝性を現出させることができなくなり、15重量部を越
えると顔料濃度が高くなり過ぎて顔料の配向乱れが生
じ、塗膜表面に粒子が突出する現象が生じる。
【0016】上記の塗料系には、必要に応じてその他の
フレーク状顔料、着色顔料、各種の添加剤などを共用す
ることができる。フレーク状顔料としては、板状酸化
鉄、フタロシアニンフレーク、グラファイト等を挙げる
ことができ、これらは金属酸化物コーティング箔片状顔
料の光輝性と干渉色の発色を妨げない程度の量で使用さ
れる。着色顔料は従来から塗料用に常用されているもの
が用いられ、例えば有機系としてはアゾレーキ系顔料、
フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔
料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジ
ン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔
料、金属錯体顔料等を挙げることができ、無機系として
は黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二
酸化チタン等が挙げられる。着色顔料の添加量は塗色の
色相に合わせて任意に設定される。
【0017】その他の添加剤としては、例えばドデシル
ベンゼンスルホン酸等の硬化触媒、ベンゾトリアゾール
系の紫外線吸収剤、ベンゾフェノール系の酸化防止剤、
シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、
増粘剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)などが適宜に
使用される。これらの成分は、通常、塗膜形成用樹脂1
00重量部に対し5重量部以下の配合量で塗料や塗膜の
性能が改善される。
【0018】上記の成分組成からなる本発明の光輝性塗
料系は、有機溶媒型が一般的であるが、これに限られる
ものではなく非水分散液型、水溶液型、水分散型など各
種の形態として塗料構成することができる。塗装に際し
ては、有機溶剤、水等の溶媒で塗装適性粘度に希釈して
用いるが、製造時の固形分は30〜70重量%、塗装時
の固形分は10〜50重量%が好ましい。
【0019】光輝性塗膜面にクリヤー塗膜を形成するた
めのクリヤー塗料には、一般に常用される透明性樹脂が
使用されるが、必要に応じて透明性を損なわない範囲で
着色顔料や各種成分を配合してもよい。塗料としては、
有機溶剤型のほか、水性塗料、粉体塗料などの形態とす
ることができる。
【0020】本発明に係る光輝性塗膜形成方法は、被塗
基材面に上記の光輝性塗料をベースコートし、ついでク
リヤー塗料をトップコートする塗装工程を順次に施し、
ベースコートおよびトップコートを同時に硬化させる操
作で行われる。この際、クリヤー塗料を複数回塗装する
ことも可能である。ベースコートの塗膜は、10〜25
μm の乾燥膜厚範囲で形成することが好ましく、10μ
m 未満の膜厚では下地隠蔽性が減退して色ムラを生ずる
原因となる。クリヤー塗膜の膜厚は、乾燥膜厚で50μ
m 以上であることが好ましく、より好ましくは60〜2
00μm の範囲である。この膜厚が50μm 以下になる
と、下面の光輝性塗膜に含まれる比較的粒子径の大きな
金属酸化物コーティング箔片状顔料がクリヤー塗膜表面
から突出して外観不良の原因となることがある。
【0021】塗布対象となる被塗基材は、鉄、アルミニ
ウム、銅もしくはこれらの合金を含む金属類を始めとし
て、ガラス、セメント、コンクリートなどの無機材料、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリアミド、ポリアクリル、ポリエステル、
エチレン−ポリビニルアルコール共重合体、塩化ビニル
樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート、ポリウ
レタン等の樹脂成形品および各種FRPなどのプラスチ
ック材料、木材、繊維材料が該当する。なお、これら被
塗基材に予め適宜なアンダーコートやプレコート処理を
施すことは任意である。予め形成した着色下地塗膜面に
塗装すると、着色下地塗膜の色相と複合した特異な色相
を創出することができる。
【0022】塗装は、直接、被塗基材に施すこともでき
るが、例えば自動車の塗装等においては、通常、表面化
成処理後に電着塗料などによる下塗り塗装および中塗り
塗装を施し、塗膜が硬化した後に本発明の塗装を行う。
塗装操作は霧化式塗装機を用い、エアスプレー塗装、静
電塗装などによって行われる。その他、被塗基材の種類
に応じてロールコーター、カーテンフローコーター等の
塗装方法を適宜に選択することができる。
【0023】上記の光輝性塗膜形成方法で得られる本発
明の塗装物は、強い光輝感ならびに深み感と優れた塗装
外観を同時に兼備する美粧塗膜を保有するものである。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこれら実施例
に制約されるものではない。
【0025】実施例1〜2、比較例1〜2 アクリル樹脂ワニス(スチレン/メチルメタアクリレー
ト/エチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタアクリ
レート/メタアクリル酸の共重合体、数平均分子量約20
000,水酸基価45, 酸価15,固形分50%)60重量部、メ
ラミン樹脂ワニス〔三井東圧化学(株)製“ユーバン2
0SE”、固形分60%〕12.5重量部、有機溶媒(ト
ルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチル=70/15/10
/5) 25重量部を混合し、青色顔料としてシアニンブル
ーG−314〔山陽色素(株)製〕2.5重量部をディ
ゾルバーにより予備混合し、SGミルで粒度10μm 以
下(JIS K5400,4.7.1)に分散して塗料
化したブルー原色を得た。このブルー原色塗料の塗膜形
成樹脂100固形分重量部に対し、累積粒度分布におい
て粒子径16μm 以下の粒子割合および粒子径100μ
m 以下の粒子割合がそれぞれ異なる二酸化チタン被覆マ
イカ顔料(パールマイカ顔料、干渉色:シルバー)7重
量部を混合し、有機溶媒(トルエン/キシレン/酢酸エ
チル/酢酸ブチル=70/15/10/5) をスプレー塗装に適正
な粘度になるように加え、ディゾルバーにより撹拌混合
してブルー色の光輝性塗料を作製した。
【0026】上記の各光輝性塗料を用い、以下の塗装工
程によって光輝性塗膜を形成した。リン酸亜鉛系表面処
理剤で化成処理した厚さ0.8mmのダル鋼板基材に、カ
チオン電着塗料〔日本ペイント(株)製、“パワートッ
プU−50”〕を乾燥塗膜が25μm になるように塗装
したのち、160℃で30分間焼付けた。この電着塗膜
面に中塗塗料〔日本ペイント(株)製、“オルガS−9
0シーラーグレー色”〕を乾燥塗膜が40μm になるよ
うにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼付けし
て試験板を作製した。この試験板の表面に光輝性塗料を
乾燥塗膜が16〜20μm になるように塗装した。塗装
は静電塗装機〔ランズバーグゲマ社製、Auto RE
A〕を用い霧化圧2.8kg/cm2で行い、塗装中のブース
の雰囲気は温度25℃、湿度75%に保持した。塗装
後、3分間セッティングを施したのち、アクリル/メラ
ミン樹脂系クリヤー塗料〔日本ペイント(株)製、“ス
ーパーラックO−100 クリヤー”〕を乾燥膜厚が6
0μm になるよう塗装した。ついで、約10分間室温で
セッティングしたのち、140℃の温度で30分間焼付
けした。
【0027】このようにして形成した塗膜につき、下記
の判定基準に従い目視観察による光輝感および塗膜外観
を評価した。その結果を、光輝性塗料に配合した二酸化
チタン被覆マイカ顔料の粒度性状と対比させて表1に示
した。 (1)光輝感; ○ … 輝度感が強い × … 輝度感が弱い (2)塗膜外観; ○ … チカチカ感(異物感)がない × … チカチカ感(異物感)が多い
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から、本発明の要件を満たす実
施例は比較例に比べていずれも優れた光輝感と良好な塗
膜外観を示している。これに対し、累積粒径分布におけ
る粒子径が100μm 以下の粒子が90%である比較例
1の塗膜は、光輝感には優れるものの塗膜外観はチカチ
カ感が多く好ましくない。また、累積粒径分布における
粒子径16μm 以下の粒子が36%を占める比較例2の
塗膜は、塗膜外観は良好であるが光輝感の減退が認めら
れた。
【0030】実施例3、比較例3 実施例1において、光輝性塗料の塗膜形成樹脂に対する
二酸化チタン被覆マイカ顔料の配合組成を変えて塗料調
製を行った。その他は実施例と同一条件により塗膜形成
を行い、光輝感および塗膜外観を判定評価した。その結
果を、塗膜形成樹脂100固形分重量部に対する二酸化
チタン被覆マイカ顔料の配合量と対比させて表2に示し
た。
【0031】
【表2】
【0032】表2の結果から、本発明の要件を満たす実
施例3は光輝感、塗膜外観ともに優れているのに対し、
二酸化チタン被覆マイカ顔料の配合量が20重量部であ
る比較例3では形成塗膜にチカチカ感が多く発生し、良
好な塗膜外観が得られなかった。
【0033】実施例4 実施例1において、クリヤー塗料を乾燥塗膜が約30μ
m になるように塗装しして約10分間セッティングした
のち、140℃で30分間焼付けした。ついで再度その
上にクリヤー塗料を乾燥塗膜が約30μm になるように
塗装し、約10分間セッティングしたのち、140℃で
30分間焼付した。このようにクリヤー塗装を2回に分
けて合計膜厚60μm のクリヤー塗膜を形成した。この
場合の光輝感および塗膜外観の評価結果を表3に示し
た。
【0034】実施例5 実施例1のアクリル/メラミン樹脂系クリヤー塗料に変
えて、アクリル系粉体クリヤー塗料〔日本ペイント
(株)製、“パウダックス A−30クリヤーWH”〕
を用い、乾燥膜厚が80μm になるように塗装し、16
0℃で20分間焼付けした。得られた塗膜の評価結果を
表3に併載した。
【0035】
【表3】
【0036】表3の結果から、クリヤー塗料を2回に分
けて塗装した実施例4、粉体クリヤー塗料を塗装した実
施例5のいずれにおいても強い光輝感ならびに優れた塗
膜外観を兼備し得ることが判る。
【0037】実施例6 実施例1と同一のアクリル樹脂80固形分重量部とメラ
ミン樹脂20固形分重量部を配合した塗膜形成樹脂10
0重量部に対し、累積粒度分布において粒子径16μm
以下の粒子が3.5%で100μm 以下の粒子が99%
の粒度範囲にある実施例1と同一の二酸化チタン被覆マ
イカ顔料を3重量部混合し、有機溶媒(トルエン/キシ
レン/酢酸エチル/酢酸ブチル=70/15/10/5) をスプレ
ー塗装に適正な粘度になるように加え、ディゾルバーに
より撹拌混合して乳白色の光輝性塗料を作製した。この
光輝性塗料を用い、実施例1の塗装工程のうち中塗り塗
料をレッド色の中塗り塗料〔日本ペイント(株)製、
“オルガS−90シーラー5R4/12色”〕に変え、
その他は実施例1と同一条件により塗膜を形成した。得
られた塗膜を評価したところ、実施例1と同様に強い光
輝感と優れた塗膜外観を呈していることが確認された
が、この例ではレッド色の中塗り塗料の上にパールマイ
カ顔料のみを含有する光輝性塗料を塗装したので、これ
ら色調が複合した意匠性のある塗膜が得られた。
【0038】上記の実施例を含めて本発明の好ましい実
施態様を列挙すると、以下のようになる。 (1) 金属酸化物コーティング箔片状顔料が、二酸化チタ
ン被覆マイカ顔料である光輝性塗膜形成方法および塗装
物。 (2) 金属酸化物コーティング箔片状顔料の平均粒子径(D
50) が、40〜50μmの範囲にある光輝性塗膜形成方
法および塗装物。 (3) 光輝性塗料が、塗膜形成樹脂100固形分重量部に
対し金属酸化物コーティング箔片状顔料を0.1〜10
重量部の範囲で配合した組成である光輝性塗膜形成方法
および塗装物。 (4) クリヤー塗料に溶剤系または粉体系の塗料を用い、
1回もしくは複数回の塗装を施す光輝性塗膜形成方法お
よび塗装物。 (5) クリヤー塗膜が、乾燥膜厚として50μm 以上、好
ましくは60〜200μm の範囲にある光輝性塗膜形成
方法および塗装物。
【0039】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば累積粒度
分布において粒子径16μm 以下の粒子および100μ
m 以上の粒子を特定比率で除外した比較的粒子径の大き
な金属酸化物コーティング箔片状顔料を選択し、その特
定量を塗膜形成樹脂に配合した光輝性塗料とクリヤー塗
料を併用して塗膜を形成することにより、深みのある高
い光輝感と優れた塗膜外観を同時に発現する光輝性塗膜
ならびに塗装物を得ることが可能となる。したがって、
高級塗色が要求される自動車車体の外面塗装をはじめ、
自転車、家電製品およびそれら部材など各種の被塗基材
に高品質の光輝性塗膜を形成する目的に極めて有用であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗基材面に下記(1) 、(2) の塗膜形成
    工程を順次に施すことを特徴とする光輝性塗膜形成方
    法。 (1)(a) 塗膜形成樹脂100固形分重量部と、(b) 累積
    粒度分布において粒子径16μm 以下の粒子が5%以下
    で、かつ粒子径100μm 以下の粒子が95%以上の粒
    度範囲にある金属酸化物コーティング箔片状顔料0.0
    5〜15重量部を含有する光輝性塗料を塗装する光輝性
    塗膜形成工程。 (2)光輝性塗膜面にクリヤー塗料を塗装するクリヤー塗
    膜形成工程。
  2. 【請求項2】 光輝性塗料に着色顔料を含有させた光輝
    性塗料を塗装して光輝性塗膜を形成する請求項1記載の
    光輝性塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の光輝性塗膜形成
    方法により得られる塗装物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11140346A (ja) * 1997-11-05 1999-05-25 Nippon Paint Co Ltd 光輝性塗料組成物および光輝性複合塗膜形成方法
WO2007114442A1 (ja) * 2006-04-05 2007-10-11 Nippon Sheet Glass Company, Limited 薄片状粒子および光輝性顔料と、それらを含有する化粧料、塗料組成物、樹脂組成物およびインキ組成物

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