JP2003514831A - 抗原IORC2を認識する抗体およびFvフラグメント - Google Patents
抗原IORC2を認識する抗体およびFvフラグメントInfo
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Abstract
Description
のIOR C5抗体から得られるior C2抗原(正常直結腸細胞および悪性直結腸細胞の
中に発現する糖タンパク質錯体として特徴付けられる)中に発現したエピトープ
を認識するキメラ抗体,ヒト化抗体および単一鎖Fvフラグメントを使用して得
られる、新しい組換え抗体を使用するバイオテクノロジー分野に関するものであ
る。
、今日に至るまで、これらの癌腫を直す方法は手術を置いて他には無いのが現状
である。当該腫瘍が早期に発見された場合、手術を行うことにより患者の生存率
を延ばすことができる。しかし不幸にして、診断されたときには既に転移してし
まっている場合が多い。
ては、診断,治療および疫学的方法により、患者の生存率を高めることができる
。従って、疫学的要因に関する知識および新しい治療方法を開発することにより
、患者の生存率を高めることができる。
性同位元素で標識化し、免疫ガンマグラフ法による癌の検出に使用する方法が用
いられてきた。Mabsは、放射性同位元素の担体としてこれを使用することが
でき、腫瘍抗原を狙ってこれと結合させることができることが明らかになってい
る。
瘍を検出する目的で使用された。CEAをつくり出す腫瘍又はこの標識と結合し
た腫瘍を検出するには、I-131又はI-125で標識化した抗CEA抗体が使用され
る(米国特許第3,663,684号, 米国特許第3,867,363号, および米国特許第3,927,
193号)。又、MabをTc-99mで標識化して、「生体内」診断用の分子を得るこ
ともできる。
学の法則に革命をもたらし、病気の研究および臨床診断に使用し得る一連の新し
い試薬を提供した(Kohler G., Milstein C.; Nature 256, 495-497, 1975)。
これらの抗体は治療には余り有効ではなかったが、基礎研究および臨床診断に使
用されるマウスのモノクローナル抗体(mAbs)の製造に日常的に使用される
ようになった。しかし、ヒトの体内ではこれらの半減期が短縮され、マウス抗体
エフェクタードメインがヒトの免疫系に認識されにくく、又異質な免疫グロブリ
ンでも治療を妨害する可能性のある抗グロブリン反応(HAMA反応)を引き出
すことができるために、これらを「生体内」の免疫治療に使用するのは困難であ
った。
命的な進歩を遂げた。そのために抗原性を低下させ又は完全これを除去すること
ができるようになった。従って病変の種類によっては、その治療又は診断にこれ
らの抗体を使用することにより、希望するエフェクター機能を高めることができ
たのである。これらの操作は、ネズミのmAbを同じ抗原結合性を有する主にヒ
ト型のmAbに変換できる場合には、ヒトのmAbに代わる治療又は診断の方法
を提供できるようになった(Morrison S.L.ら, P.N.A.S. USA 81, 6851-6855, 1
984)。
種タンパク質の拒絶反応を抑える方法が幾つか開発された。
れらの分子はヒト型に変換されているので、ヒトの免疫系がこれを認識すること
ができる。従って、ヒトのフレームワークの中へその可変ドメインを挿入するこ
とにより、ヒトの免疫力を弱めるだけでなく、そのエフェクター機能も改善する
ことができたのである(Morrison S.L.ら, P.N.A.S USA 81, 6851-6855, 1984)
。これらのキメラ分子は元の抗原の認識力を維持しており、その定常部領域に免
疫性は無い。しかし、ネズミの可変部領域に対する免疫性は維持されている。
体から移植することにより、齧歯動物の抗原結合サイトをヒトの抗体の中へ直接
構築することを試みた(Jones P.T.ら, Nature 321, 522-524, 1986; Verhoeyen
M.ら, Science 239, 1534-1536, 1988)。これらの方法は、Rietchmannの方法
(Rietchmann L.ら, Nature 332, 323-327, 1988; Quee C.ら, P.N.A.S. USA 86
, 10029-10033, 1989)に修飾を加えることにより開発されたものであった。し
かし、他の報告者らは抗体を変形させることを研究した。これらの変形抗体には
、ヒトのFRにネズミの残基を植えて元の抗原に対する親和力を回復させたもの
などが含まれていた(Tempest, P.R., Biotechnology 9, 266-272, 1991)。
低下させる手順について述べている。この手順においては、その修飾を可変ドメ
イン,特にネズミのキメラ抗体フレームワークに限定した。さらに、これらの修
飾は両親媒性のラセン構造を有するFR領域においてのみ実施されたので、潜在
的なエピトープがT細胞により認識され得た。この方法は、両親媒性領域内のネ
ズミ残基をヒト免疫グロブリンの同じ位置のアミノ酸,即ちこの結合サイトの三
次元構造に含まれるアミノ酸により代替できることは勿論である。このことは、
ベミール領域,CDRsのカノン(canonical)構造および軽鎖と重鎖の相間に存
在するアミノ酸が排除されることを意味している。
抗原に対する結合力を維持しているので免疫性が弱まっており、そのために治療
効果が高まっている。この手順を使用すれば、ほんの2−3の突然変異を行わせ
るだけで、キメラ抗体に比べて免疫性の低い修飾抗体を得ることができる。
をSW1116細胞(直結腸腺癌)で免疫化することにより得られ、悪性および正常直
結腸細胞の表面および細胞質に優先的に発現した抗体により認識されるIgG1
イソタイプである。この抗体はCEA,ルイスa,ルイスb,アシアリル化ルイ
ス,正常な単核細胞抗体膜,赤血球のいずれも認識しない(Vazquez A.M.ら, Hy
bridoma 11, 245-256, 1992)。
体はior C2と呼ばれる2つの分子量型(145および190 Kda)を有する糖タンパク
質錯体を認識することが明らかになった(Vazquez A.M.ら, Year Immunol. Base
l Karger, vol.7, 137-145, 1993)。
構築できることも当分野では良く知られている。「生体内」における病気の診断
および治療で、異なる抗体フラグメントを使用することの正当性を認める報告が
数多く発表されている。
る抗体の可変領域を使用して、単一鎖Fvフラグメントを構築する方法について
述べている。これらのフラグメントを使用して、彼はこの抗原を持つ細胞を検出
する方法を開発した。又彼は、これらのフラグメントが、当該抗体を持つ細胞に
対して抑制効果を有することを示している。
であるIOR C5抗体から得られる単一鎖Fvフラグメントを使用して得られ、ブタ
ペスト条約に基づいてECCC97061101のアクセス番号で、1997年6月11日に細胞培
養組織ヨーロッパコレクションに預託された、これと同じ名称のハイブリドーマ
により製造される組換え抗体に関するものである。この抗体はior C2抗体(正常
および悪性直結腸細胞に発現する糖タンパク質錯体)の中に発現したエピトープ
を認識する。
出した(Vazquez A.M.ら, Year Immunol. Basel, Karger vol.7, 137-145, 1993
)。RNAの抽出に使用したのは、Faloroら(Faloro, J. Treisman, R.およびK
emen R, Methods in Enzymology 65: 718-749, 1989)による方法であった。c
DNAの合成反応には、合計容積50 μlに対してRNA 5 μg,デオキシヌク
レオチド抑制剤(dNTPs)各 2.5 mM,トリスHCl(pH=7.5)50 mM,K
Cl 75 mM,DTT 10 mM,MgCl2 8 mMおよびリボヌクレアーゼ抑制剤(R
NAガード,Pharmacia社)15 uを使用した。当該RNAは、ネズミIgG1定
常部領域開始部分およびネズミ軽鎖定常カッパ領域にハイブリッド化させるため
に設計したプライマー 25 pmolを使用して得たものである。サンプルを70 ℃で1
0分間加熱し、30分かけてゆっくりと37 ℃に冷却した。次に、逆トランスクリプ
ターゼ100単位を添加し、42 ℃で1分間インキュベートした。
の可変領域を増幅した。これについて簡単に説明する。即ち、VH又はVKのc
DNA 5 μlを特定プライマー25 pmol,dNTP各2.5 mM,DNAポリメラー
ゼ酵素に対して10倍量の緩衝液5 μlおよびDNAポリメラーゼ酵素1単位と混
合した。当該サンプルに94 ℃−30秒,50 ℃−30秒,72 ℃−1分の熱サイクル
を25回与え、最後に72 ℃で5分間インキュベートした。
Aクローン化用キット;Promega社, 米国)。ジデオキシ法により、T7 DNA Pol
(Pharmacia社, スウェーデン)を使用して、得られたクローンの配列決定を行
った。
を発現ベクターの中にクローン化した(Coloma M.J.ら, Journal of Immunologi
cal Methods 152, 89-104, 1992)。
、これをPAH 4604発現ベクターの中にクローン化し、ヒト定常IgG1およびヒ
スチジノール抵抗遺伝子をその中に含めた。
EcoRVから切り取り、Sall消化を行い、PAG4622の中にクローン化した
。このベクターはgptへの抵抗部分および使用済のヒト カッパ定常部領域を
含んでいる。得られる構造はC5VK-PAG4622である。
動にかけ、Pvul消化により線状化した。当該DNAを混ぜ合わせ、エタノー
ルを加えて沈殿させ、水 25 μl中に溶解させた。NSO細胞約107個を半集合状
態になるまで生育し、遠心分離して収穫し、電気泳動キュベットの中でDMEN
0.5 ml中に消化DNAとともに再懸濁させた。氷の上で5分間冷却した後、当
該細胞に170ボルト,960 μFのパルスを加え、氷の上でさらに30分間放冷した。
次に、当該細胞をDMEN+10%胎児子牛血清に加え、48時間後に回収した。こ
の時点で、当該細胞を96ウェル(well)のプレート中に配分し、選択媒体をこれ
に加えた(DMEN,10%胎児子牛血清,マイコフェノール酸 0.8 μg/ml,キ
サンチン 250 μg/ml)。10日後に、トランスフェクトしたクローンを裸眼で見
ることができた。
体を、ELISA法で測定した。マイクロタイタープレートウェルを、〔PBS
T(Tween 20, pH=7.5, 0.02%を含む燐酸塩緩衝生理食塩水)で洗浄した後
で〕ヤギの抗ヒト抗体(ガンマ鎖固有抗体)で被覆した後、37 ℃で1時間かけ
、プレートウェルからトランスフェクト物を含む培養媒体 100 μlを各マイクロ
タイターウェルに加えた。当該マイクロタイターウェルをPBSTで洗浄し、軽
鎖固有共役ヤギ抗ヒト カッパを添加し、室温で1時間インキュベートした。次
に当該マイクロタイターウェルをPBSTおよびジエタノールアミンを添加した
基質緩衝液で洗浄した。30分後、波長 405 nmにおける吸光度を測定した。
このプログラムでは、長さがアミノ酸数7個又は11個の両親媒性ラセン構造を有
する配列セグメントを予測することができる。当該両親媒性ラセン構造は、T免
疫性に関連する構造である。SOHHAプログラムも使用したが、このプログラ
ムでは、疎水性ラセン構造を予測することができる(Elliotら, J. Immunol. 13
8, 2949-2952, 1987)。これらのアルゴリズムはIORC5の軽可変領域および
重可変領域におけるTエピトープの発現に関連するフラグメントの予測を行うこ
とができる。
ネズミの分子と最も相同性の高い分子が何であるかを突き止める。ここで使用し
たヒトの配列データベースは、Gene BankおよびEMBLに報告された
ものであり、これら両機関における登録は、インターネットで閲覧することがで
きる。比較は、自動コンピュータ法,PC-DOS HIBIO PROSIS 06-00(日立)を使
用して行った。
元構造に関与する位置を除く両親媒性のラセン構造中のFRにほんの少量の突然
変異を導入することによりこれをヒト化させ、その免疫性を低下させることにあ
る。
も相同性の高いヒト免疫グロブリン配列と比較する。この方法により、FRゾー
ン内の両親媒性領域内のみにおいて、ネズミの配列とヒトの配列の間で異なる残
基が何であるかを確かめることができる〔Kabat E., 免疫性関連タンパク質の配
列(第5版), 国立衛生協会(Sequences of proteins of immunological inter
est, Fifth Edition, National Institute of Health), 1991〕。これらのネズ
ミ残基のみが、同位置におけるヒトの配列により免疫化されるものと考えられる
。
残基、又はヴェルニエ ゾーンに含まれるこれらの残基は、三次構造および結合
サイトに対して著しい影響を及ぼす可能性が高いので、これらの残基を突然変異
させることはできない。当該三次構造の置換に関する詳細な情報は、可変領域の
三次元分子モデルを実行することにより得られるものと考えられる。
T細胞エピトープをヒト化することにより得られたIOR C5に対応する遺伝
子構造を、キメラ抗体の発現に使用した方法と類似の方法で発現ベクターの中へ
クローン化し、プラスミドC5Vkhu−PAG4622およびC5Vhhu−
PAH4604を生成させた。これら遺伝子のNSO細胞中へのトランスフェク
ションは、我々が前にキメラ抗体に関して述べた条件と全く同じ条件で実施した
。
よびVL配列を発現ベクターの中にクローン化するために修飾する第一増幅が含
まれる。当該増幅には、正確な配列上で設計したオリゴヌクレオチドを使用する
。増幅を行った後、可変領域を対応する制限酵素で精製して消化する。当該DN
Aフラグメントを精製し、発現ベクターに結紮する。その後、これらの遺伝子構
造を従来法によりE.coli中で発現させる。
、SDSポリアクリルアミド電気泳動ゲル,ニトロセルロース移行物およびウェ
スタンブロットを結合している可溶性および不溶性の分画を分離することができ
る。
ンパク質の部分精製を行い;(2)低モル濃度の尿素中で洗浄して高濃度の尿素
中で可溶化することにより、当該タンパク質の部分精製を行う。アフィニティー
クロマトグラフィーにより、可溶化物質からタンパク質を金属イオンに精製する
。その後、当該タンパク質を緩衝液に対して再馴化する。
トランスクリプターゼ酵素を使用してモノクローナル抗体IOR C5を製造し
た。下記の固有プライマーを使用した。 VHに対して: 5'AGGTCTAGAA(CT)CTCCACACACAGG(AG)(AG) CCAGTGGATAGAC3' VKに対して: 5'GCGTCTAGAACTGGATGGTGGGAAGATGG3' Taqポリメラーゼ酵素によるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用し、VH
用固有プライマーECORV/NHEI制限サイトおよびVK用ECORV/S
ALIを使用して、VH鎖およびVK鎖のADNcを増幅した。当該固有プライ
マーの配列は下記の通りであった。 VHに対して: オリゴヌクレオチド1: 5'GGGGATATCCACCATGGCTGTCTTGGGGCTGCT CTTCT3' オリゴヌクレオチド2: 5'TGGGTCGAC(AT)GATGGGG(GC)TGTTGTGCTAG CTGAGGAGAC3' VKに対して: オリゴヌクレオチド1: 5'GGGGATATCCACCATGAGG(GT)CCCC(AT)(GA)C TCAG(CT)T(CT)3' オリゴヌクレオチド2: 5'AGCGTCGACTTACGTTT(TG)ATTTCCA(GA)CTT (GT)GTCCC3'
Invitrogen社)。12個の独立クローンについて、ジデオキシ法により、T7 D
NA Pol(Pharmacia社)を使用してその配列を決定した。VHおよびVKの
配列は、Kabatの下位グループ2と高度の関係を有している。
消化させ、それぞれPAH4604およびPAG4622中にクローン化した。
これらのベクターは、Sherie Morrison(UCLA,米国カリホルニア州)が寄
付してくれた。これらのベクターは、免疫グロブリンを哺乳動物の細胞に発現さ
せるために使用される。PAH4604ベクターには、ヒトの定常部領域IgG
1を含み、PAG4622はヒトCk(ポリメラーゼ連鎖反応により発生する可
変領域を使用して抗体分子の発現に使用される新規ベクター;M. Josefina Colo
maら, Journal of Immunological Methods 152, 89-104, 1992)を含んでいた。
IOR C5領域のクローン化後に得られた構造は、VHC5−PAH4604
およびVKC5−PAG4622であった。
VK−PAG4622 10 μgとともにエレクトロポレートし、Pvulで消化
することにより線状に伸ばした。当該DNAを混ぜ合わせて、メタノールを加え
て沈殿させ、水 25 μl中に溶解させた。NSO細胞約107個を半集合状態になる
まで育成し、遠心分離して収穫し、消化DNAとともにエレクトロポレーション
用キュベットの中でDMEN 0.5 ml中に再懸濁させた。氷で5分間冷却した後
、当該細胞に170ボルト,960 uFのパルスを加え、氷の中にさらに30分間放置し
た。次に当該細胞をDMEN 20 ml+10%胎児子牛血清の中に入れ、48時間回復
させた。この時点において、当該細胞を96ウェルのプレート上に分配し、これに
選択性溶媒(DMEN,10%胎児子牛血清,10 mMヒスチジノール)を添加した
。トランスフェクトしたクローンは、10日後に裸眼でこれを見ることができた。
抗体の存在量をELISAにより測定した。マイクロタイター プレートウェル
をヤギの抗ヒト抗体(ガンマ鎖固有抗体,Sara Lab社)で被覆した。PBST〔
0.02%のTween 20(pH=7.5)を含む燐酸塩緩衝生理食塩水)で洗浄した後、
プレートウェルから採ったトランスフェクト物を含む培養媒体 20 μlを、37 ℃
,1時間で各マイクロタイターウェルに加えた。当該マイクロタイターウェルを
PBSTで洗浄し、アルカリ ホスファターゼ共役ヤギ抗ヒト カッパ(軽鎖固有
)を加え、室温で1時間インキュベートした。次に当該マイクロタイターウェル
をPBSTで洗浄し、ジエタノールアミンを含む基質緩衝液をこれに添加した。
30分後に、405 nmにおける吸光度を測定した。
R C5を有する最もヒトに近い配列を得た。次に、両親媒性領域又は可能なT
細胞エピトープを、VHおよびVK領域で決定した。
ERをGLYおよびTHRでそれぞれ置換した。これらの突然変異は、最初のP
CRにおいてプライマー1並びに2,3および4を使用してPCR重複法により
実施し、2および4のプライマーを使用して、これらPCR重複法の結果を第二
のPCRに重複させた。これらプライマーの配列は下記の通りである〔Kamman M
., Laufs J., Schell J., Gronemborg B.,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によ
るDNAの急速挿入突然変異生成(Rapid insertional mutagenesis of DNA by
polymerase chain reaction(PCR));Nucleic Acids Research 17, 5404, 1989
〕:
突然変異を導入した。即ち、位置43および44のASNおよびLYSを、それぞれ
LSYおよびGLYで置換して新しい突然変異を導入した。重複手順は、前に行
った手順と同じである。この突然変異を、配列決定を行うことにより確認した。
この新しい構造をC5VHhuと命名した。
をそれぞれLEU,ARGおよびSERで置換することにより突然変異させた。
した。使用したプライマーの配列を下記に示す。新しい遺伝子構造は、これをC
5Vkhuと命名した。
クローン化し、構造C5Vkhu−PAG4622およびC5VHhu−PAH
4604を得た。
u−PAG4622 10 μgとともにエレクトロポレートした。これらのベクタ
ーをPVU1消化により線状化した。
出の方法には、前にキメラ抗体に関して述べた方法と同じ方法を使用した。
VH−リンカー−VL)の構築 E.coli中に発現させるための発現ベクター中へのクローン化 手順(a)scFvの構築 この戦略は、配列決定を行ったVHおよびVL領域を修飾するPCRによる増
幅の第1ラウンドであり、発現ベクターpPACIB.7plusおよびpPA
CIB.9plusの中へクローン化するための制限エンドヌクレアーゼ サイ
トを含んでいる。当該増幅においては、正確な配列に基づいて設計したオリグヌ
クレアーゼを使用した。 重鎖: 4066:EcoRV−FR1−VH 5'.GGGATATCTGAGGTGCAGCTTCAGGAGTCAGGA ..3' 4255:EcoRV−FR4−VH 5'..CAGGATATCGCAGAGACAGTGACCAGAGTCC C..3' 軽鎖: 2938:Sal1−FR1−VL 5'.CGTCGACGATATCCAGATGAC(AC)CA(GA)ACT (AC)C..3' 2935:Apa1−FR4−VL 5'.ATGGGCCCTTT(TC)A(TG)(TC)TCCAGCTTGG T..3'
)を精製,消化した。当該DNAフラグメントを精製し、予め制限酵素で消化し
ておいたpPACIB.9plusおよびpPACIB.7plusベクターに
結紮した。
に発現させた周辺質の異種起源タンパク質中へ移出する。このプラスミドは、プ
ロモーター(トリプトファン)配列,信号ペプチド(OMPA)配列,リンカー
ペプチド配列(Chaudharyら, 1990),およびヒスチジン(当該タンパク質の精
製を助けるために成熟タンパク質のC末端にコード化したもの)6個で構成され
るドメイン機能を有する調節配列を含んでいる〔Gavilondo J.V.ら, 抗体工学に
関する第4回年次会議議事録(Proceedings of the IV Annual Conference on A
ntibody Engineering)(IBC Conference Inc., カリホルニア州コランド,1993
年12月8−10日)。
子をE.coli中に発現させた細胞質の異種起源タンパク質中に発現させる。
このプラスミドは、プロモーター(トリプトファン)配列,当該タンパク質を高
効率で発現させるためにIL−2hから誘導された27aaフラグメント,およ
びヒスチジン(当該タンパク質の精製を助けるために成熟タンパク質のC末端に
コード化したもの)6個で構成されるドメインの機能を有する調節配列を含んで
いる〔Gavilondo J.V.ら, 抗体工学に関する第4回年次会議議事録(IBC Confer
ence Inc., カリホルニア州コランド,1993年12月8−10日)。
1)を形質変換し、固形選択性媒体の中でこれをプレート培養し、37 ℃で生育
させた。組換えベクターを選ぶために、細菌コロニーを液媒体中でインキュベー
トし、この培養液からプラスミドDNAを抽出した〔分子クローン化試験室マニ
ュアル,第2版(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, second edition)
〕,1989,Sambrook,FritshおよびManiatis編)。クローン化手順の記述に従っ
て当該プラスミドDNAをEcoRV,Sal1/Apal,Xhol/Apa
lで消化させ、これを寒天ゲル上に塗布した後UV光線で可視化させ、2本バン
ドの消化パターンを有するクローンの中から組換えクローンを選んだ。これらの
中の1本はpPACIB.7および9plus(約2.9 kb)に対応し、第2のバンド
は期待ドメインに対応する(VH又はVL:約320 pb;scFv:720pb )。V
Hドメインに対しては、DNA配列決定により挿入の向きをチェックした。
から得られたscFvの発現 クローン化遺伝子の発現を調べる目的で、上記(a)で選んだ2種類の組換え
プラスミドを使用してE.coliの4菌株を形質変換した。基本的に、当該組
換え細菌は、液状媒体(LB)中,37 ℃で一晩、アンピシリンとともにこれを
生育させた。これらの培養液からアンピシリンを含む新鮮な培養組織を接種し、
37 ℃で3時間インキュベートした。次に培養液にβインドールアクリル酸(ト
リプトファン プロモーターの誘発剤)を添加して、当該タンパク質の発現を誘
発させた。SDSポリアクリルアミド ゲル中において、濃度12%で当該サンプ
ルを分析した結果、これらの条件下において約28 kDaのタンパク質が、pPAC
IB.7plus構築用周辺質分画,およびpPACIB.9plus中の組換
えクローン用30 kDaバンド中に発現することが明らかになった。ここに、全細菌
タンパク質の6−11%がTG1中に発現する。ウサギから得られたIOR C5
MabのFabフラグメントに対する抗血清を用いるウェスタンブロット法〔分
子クローン化試験室マニュアル,第2版(1989), Sambrook, FritschおよびMan
iatis編),および免疫精製法により、このタンパク質がIOR C5 Mabの
scFvに対応することが明らかになった。
検定 手順(a):pPACIB.9plus中の組換えクローンからのIOR C
5のscFvの抽出および再馴化 超音波開裂法を使用して当該タンパク質を生産細胞から抽出する過程において
、可溶性分画と不溶性分画を分離し、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲル
と結合させ、ニトロセルロースおよびウェスタンブロットへ移行させることが可
能である。この方法において、当該タンパク質は不溶性細菌分画の中に残留する
ことが明らかになった。
を部分的に精製した。即ち: (1)超音波および遠心分離により可溶性物質と不溶性物質を分離し; (2)低モル濃度尿素(2 M)の中で洗浄し; (3)高モル濃度尿素(6 M)の中で可溶化する。 可溶化物質から、アフィニティクロマトグラフ法により当該タンパク質を金属
イオンに精製し、緩衝液に対して再馴化した。
胎児血清を補充したL−15媒体中,6%CO2雰囲気下,37 ℃で生育させた。
ラジ細胞系(バーキット ヒト リンホーム)およびHut78(Tヒト細胞系)
を負の比較対照として使用した。
生育させた。
mlに固定した。各プレートウェルに細胞懸濁液 10 μlを添加した。当該スライ
ドを埃っぽい開放空気(dusty free air)の中で3時間乾燥し、アセトン−メタノ
ール(1:1)溶液の中で5分間固定し、TBS中で10分間水和させた。最後に
、当該細胞を免疫細胞化学検定法により分析した。
R C5フラグメントの活性を測定した。当該細胞を、単一鎖Fv IOR C5
とともに37 ℃で2時間インキュベートし、次に抗Fab血清および共役(HR
PO)抗マウス ペルオキシダーゼとともに、それぞれ室温で30分間インキュベ
ートした。当該ペルオキシダーゼの局在化サイトを、3-3ジアミノベンシジン5
mg,TBS5 mlおよび30%H2O2 5 μlを含む溶液で可視化させた。インキュ
ベーションの合間に、冷たいTBSでスライドを洗浄した。
アン バルサムを添加した。各実験には、正および負の比較対照を含めた。
て唯一陽性であることを示している。このことは、完全Mabと比較して適度に
標識化されており、且つscFv IOR c5がこの細胞系を固有認識したこと
を示している。当該標識は、悪性結腸細胞膜および細胞質分画にこれを結合させ
た。
該プラスミドは、E.coliの細胞質中に融合タンパク質を発現させるための
修飾プラスミドである。このプラスミドは、プロモーター(トリプトファン)配
列,当該タンパク質を高効率で発現させるためにIL−2hから誘導された27
aaフラグメント,および当該タンパク質の精製中に使用する成熟タンパク質C
末端中でコード化された6個のヒスチジンから成るドメインの諸機能を得るため
の調節配列を含んでいる。
Claims (15)
- 【請求項1】 当該組換え抗体が、抗体 IOR C5の相補性決定領域(CDRs
)並びに軽鎖および重鎖のヒト定常部領域を有するECCC 97061101の番号で預託
されたハイブリドーマにより造られるネズミのモノクローナル抗体 IOR C5から
誘導された、組換え抗体および単一鎖Fvフラグメント。 - 【請求項2】 当該軽鎖および重鎖のCDR配列が、 重鎖 CDR1:SDYNWH CDR2:YISYNGTTSYNPSLKS CDR3:NDEKAWFAY 軽鎖 CDR1:KSSQSLLDSDGKTYLN CDR2:LVSKLDS CDR3:WQGTHFPHT の配列である、請求項1記載の組換え抗体。
- 【請求項3】 当該重鎖および軽鎖のフレームワークアミノ酸配列が、 重鎖 FR1:DVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVTGYS IT FR2:WIRQFPGKGLEWMG FR3:RISITRDTSKNQFFLQLNSVTTEDTATY YCAR FR4:WGQGTLVTVSA 軽鎖 FR1:DVVMTQTPLTLSVTLGQPASISC FR2:WLLQRPGQSPRRLIY FR3:GVPDRFSGSGSGTDFALKIRRVEAEDLG VYYC FR4:FGGGTKLEIKRKSTLTG である、IOR C5並びに軽鎖および重鎖のヒト定常部領域のCDRおよびフレーム
ワーク領域(FRs)を含むネズミのモノクローナル抗体 IOR C5から誘導される
キメラ抗体である、請求項1および2記載の組換え抗体。 - 【請求項4】 重鎖および軽鎖のフレームワーク領域における点突然変異を
含む、ネズミのモノクローナル抗体 IOR C5由来のヒト化抗体であり、その免疫
発生性を低下させるための請求項1および2記載の組換え抗体。 - 【請求項5】 重鎖および軽鎖のフレームワーク領域中に、 重鎖 位置10のASP por GLYの点突然変異 位置17のSER por THRの点突然変異 位置43のASN por LYSの点突然変異 位置44のLYS por GLYの点突然変異 軽鎖 位置15のILE por LEUの点突然変異 位置45のLYS por ARGの点突然変異 位置63のTHR por SERの点突然変異 の中いずれかの点突然変異を有する、請求項4記載のヒト化抗体。
- 【請求項6】 軽鎖および重鎖の可変領域に対する 重鎖 FR1:DVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVTGYS IT FR2:WIRQFPGKGLEWMG FR3:RISITRDTSKNQFFLQLNSVTTEDTATY YCAR FR4:WGQGTLVTVSA CDR1:KSSQSLLDSDGKTYLN CDR2:LVSKLDS CDR3:WQGTHFPHT 軽鎖 FR1:DVVMTQTPLTLSVTLGQPASISC FR2:WLLQRPGQSPRRLIY FR3:GVPDRFSGSGSGTDFALKIRRVEAEDLG VYYC FR4:FGGGTKLEIKRKSTLTG CDR1:KSSQSLLDSDGKTYLN CDR2:LVSKLDS CDR3:WQGTHFPHT のフレームワーク配列およびCDR配列で構成される、請求項1記載の単一鎖Fv
フラグメント。 - 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組換え抗体を発現する
細胞系。 - 【請求項8】 請求項1および6に記載の単一鎖Fvフラグンメントを発現す
る宿主細胞。 - 【請求項9】 直腸および結腸の悪性腫瘍,その転移および再発の治療を目
的とする、請求項1〜5のいずれか一項の組換え抗体および適切な賦形剤で構成
される医薬品組成物。 - 【請求項10】直腸および結腸の悪性腫瘍,その転移および再発の治療を目
的とする、請求項1および6記載の単一鎖Fvフラグメント,および適切な賦形
剤で構成される医薬品組成物。 - 【請求項11】「生体内」における直腸および結腸の悪性腫瘍,その転移お
よび再発に関してその位置を定め且つこれを同定することを目的とする、請求項
1〜5のいずれか一項に記載の組換え抗体で構成される医薬品組成物。 - 【請求項12】「生体内」における直腸および結腸の悪性腫瘍,その転移お
よび再発に関してその位置を定め且つこれを同定することを目的とする、請求項
1および6記載の単一鎖Fvフラグメントで構成される医薬品組成物。 - 【請求項13】これらの抗体0フラグメントを放射能標識化する化合物も含
み、且つこれを混合して投与可能な水溶液を造る、請求項9〜12に記載の医薬
品組成物。 - 【請求項14】テクネシアン(tecneciun)99,レニオ(rhenio)186, レニ
オ188又はこれらの同族体を放射能標識として使用することより成る請求項13
記載の医薬品組成物。 - 【請求項15】予めTc−99m又はその同族体で標識化し,この組成物の
生物分布を免疫ガンマグラフ法により監視する、請求項1〜5のいずれか一項に
記載の抗体又は請求項1および6記載のフラグメントを含む、生理的に受入れ可
能な組成物で構成される直腸および結腸の悪性腫瘍,その転移および再発を「生
体内」で同定するための診断法。
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