JP2003527334A - A33抗原特異的免疫グロブリン産物を用いるa33抗原を発現する癌の影響を低減する方法 - Google Patents

A33抗原特異的免疫グロブリン産物を用いるa33抗原を発現する癌の影響を低減する方法

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JP2003527334A
JP2003527334A JP2001532810A JP2001532810A JP2003527334A JP 2003527334 A JP2003527334 A JP 2003527334A JP 2001532810 A JP2001532810 A JP 2001532810A JP 2001532810 A JP2001532810 A JP 2001532810A JP 2003527334 A JP2003527334 A JP 2003527334A
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レイダー、クリストフ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、1または複数の新規相補性決定領域およびフレームワーク領域を含む免疫グロブリン産物に結合した抗癌剤の薬学的に有効な量を患者に投与することにより、患者における癌の影響を低減する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) (関連出願) 本出願は、1999年10月23日に出願された米国特許出願09/425,
638(本明細書中で参考として援用される)の一部継続出願である。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、A33抗原に特異的に結合する免疫グロブリン産物に関する。特に
、本発明は、A33抗原特異的CDRに関する。タンパク質などの抗体をヒト化
することができる。
【0003】 (背景および先行技術) 治療薬としての抗体の使用は、種々の病態(癌型)の治療における重要且つ価
値のあるアプローチとして認められつつある。抗体の特異性により、「マーカー
」が異常細胞の特性を示す病態の治療に特に有用である。抗体は、目的の型の細
胞中、特に細胞上に存在する分子であるこれらのマーカーへの結合によってこの
ような細胞を有効に標的する。
【0004】 最初の抗体製造への進出には、対象動物としてマウスが使用された。要約する
と、マウスに目的の分子を注射した。この分子はマウスにとって外来物であるの
で、抗体応答が生じる。ついで、最終的に診断または治療用にマウスの血液また
は血清から抗体を精製した。
【0005】 しかしながら、多数の理由によりマウス抗体のin vivoでの使用は縮小
されている。ヒト宿主によって外来物として認識されるマウス抗体は、いわゆる
「ヒト抗マウス抗体」すなわち「HAMA」応答を惹起する。例えば、Schi
ff,et al.、Canc.Res.、45、879〜885(1985)
を参照のこと。さらに、マウス抗体のFc部分は、ヒト捕体または細胞媒介毒性
の刺激に有効ではない。
【0006】 このような問題を回避するための広範且つ徹底的な努力が払われてきた。この
ようなアプローチの1つは、キメラ抗体の開発である。例えば、一般的アプロー
チを開示している欧州特許出願120694および125023を参照のこと。
キメラ抗体は、2つまたはそれ以上の種由来の抗体の一部(マウス抗体の可変部
およびヒト抗体の定常部など)を含む。このようなキメラの利点は、マウス抗体
の特異性を保持するが、ヒトFc捕体固定も刺激することである。しかし、この
ようなキメラは依然としてHAMA応答を惹起することができる。例えば、Br
uggemann,et al.、J.Exp.Med.、170、2153〜
2157、1989を参照のこと。
【0007】 これらの問題を多少とも解決するさらなるアプローチが考えられている。英国
特許出願GB2188638Aおよび米国特許第5,585,089号は、本分
野における技術の例である。これらの引例は、置換された抗体の一部のみが相補
性決定領域(すなわち「CDR」)である組換え抗体を産生する過程を開示して
いる。CDR移植技術を使用して、マウスCDR、ヒト可変部フレームワーク、
および定常部からなる抗体が産生されている。例えば、このような「ヒト化」抗
体に関する教示については、Riechmann,et al.、Nature
、332、323〜327、1988を参照のこと。これらの抗体は、Fc依存
性エフェクター機能に必要であるがHAMA応答をほとんど惹起しないヒト定常
部を保持する。
【0008】 一般に、マウスCDRのヒトCDRへの置換では、有効なヒト化抗体は生成さ
れない。ヒト化抗体は、ヒト可変部に少数の重要なマウス抗体残基を含まなけれ
ばならない。重要な特定の残基は、マウス抗体およびヒト抗体の両構造に依存す
る。例えば、Harris et al.のWO04381を参照のこと。
【0009】 これらの問題にもかかわらず、Wallace et al.に付与された米
国特許第5,952,584号およびWelt et al.に付与された同第
5,958,412号(その両方が参考として援用される)で証明されているよ
うに、ヒト化抗体はさらにより利用可能となりつつある。
【0010】 米国特許第5,958,412号は、「A33」といわれる分子に対するヒト
化抗体を記載している。この分子は、結腸癌に関連することが公知である。例え
ば、米国特許第5,643,550号および同第5,160,723号(参考と
して援用される)を参照のこと。A33分子の単離および特徴づけを教示してい
るOld et al.に付与された米国特許第5,712,369号(参考と
して援用される)も参照のこと。
【0011】 ファージディスプレイは、組換え抗体を発現および選択するために使用されて
いる方法である。例えば、Vaughan,et al.、Nat.Biote
chnol.、16(6)、535〜539、1998(参考として援用される
)を参照のこと。以下に開示の方法を使用する。
【0012】 ウサギIg遺伝子レパートリーは十分に特徴づけられている。例えば、Kni
ght,et al.、Adv.Immunol.、56、179〜218、1
994を参照のこと。ファージ上に表示された組み合わせ抗体ライブラリーのス
クリーニングによる特徴づけによって、モノクローナル抗体の選択が可能である
(Ridder,et al.、Biotechnology、95(15)
、8910〜15、1998)。以下で考察の情報と共にこの情報を使用して、
本明細書中に記載の発明を開発した。
【0013】 免疫グロブリンの構造は、Paul,W.E.、Fundamental I
mmunology、Raven Press、New York、New Y
ork、1993などの標準的なテキストブック(参考として援用される)で考
察されている。
【0014】 (好ましい実施形態の詳細な説明) A.定義 インサート:構造遺伝子および任意に追加したDNA配列からなる、宿主にと
って外来性のDNA配列。
【0015】 構造遺伝子:ポリペプチドをコードし、適切なプロモーター、終結配列、およ
び任意に他のDNA調節配列と作動可能に連結されている核酸分子。
【0016】 プロモーター:遺伝子の発現調節エレメントを提供し、RNAポリメラーゼが
特異的に結合して、その配列のRNA合成(転写)を開始するDNA配列および
DNA配列群上の認識部位。
【0017】 誘導可能プロモーター:RNAポリメラーゼ結合および開始速度を外部刺激に
よって調整するプロモーター。このような刺激には、光、熱、嫌気ストレス、栄
養状態の変化、代謝産物の有無、リガンドの存在、微生物の攻撃、損傷などが含
まれる。
【0018】 多量体タンパク質:1つを超える別のポリペプチドまたはタンパク質が互いに
会合して1つのタンパク質を形成している球状タンパク質。ヘテロ二量体および
ホモ二量体は共に多量体タンパク質である。
【0019】 ポリペプチドおよびペプチド:隣接する残基のα−アミノ基とカルボキシ基と
の間がペプチド結合によって互いに連結している直鎖状の連続するアミノ酸残基
【0020】 タンパク質:ポリペプチドとして互いに連結した直鎖状の連続する約50個を
超えるアミノ酸残基。
【0021】 Fab断片:互いに共有結合した免疫グロブリン重鎖および免疫グロブリン軽
鎖の免疫学的に活性な部分を含み、抗原と特異的に結合することができる免疫グ
ロブリン分子の一部からなるタンパク質。Fab断片は、典型的には、当該分野
で周知の方法を使用した実質的に無傷の免疫グロブリン分子のパパインでのタン
パク質分解消化によって調製されるが、Fab断片はまた、当該分野で周知の方
法を使用した宿主細胞中での免疫グロブリン重鎖および免疫グロブリン軽鎖の所
望の部分の発現によっても調製することができる。
【0022】 Fv 断片:互いに共有結合した免疫グロブリン重鎖可変部および免疫グロブリ
ン軽鎖可変部の免疫学的に活性な部分からなり、抗原と特異的に結合することが
できるタンパク質。Fv 断片は、典型的には、当該分野で周知の方法を使用した
宿主細胞中での免疫グロブリン重鎖可変部および免疫グロブリン軽鎖可変部の所
望の部分の発現によって調製される。
【0023】 VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3は、それぞれ、免疫グロブ
リン軽鎖相補性決定領域1、2、および3を示す。
【0024】 VH CDR1、VH CDR2、およびVH CDR3は、それぞれ、免疫グロブ
リン重鎖相補性決定領域1、2、および3を示す。
【0025】 VL FR1、VL FR2、VL FR3、およびVL FR4は、それぞれ、免疫
グロブリン軽鎖フレームワーク領域1、2、3、および4を示す。
【0026】 VH FR1、VH FR2、VH FR3、およびVH FR4は、それぞれ、免疫
グロブリン重鎖フレームワーク領域1、2、3および4を示す。
【0027】 免疫グロブリンスーパーファミリー分子:免疫グロブリンまたは免疫グロブリ
ン関連ドメインに有意に類似のドメインサイズおよびアミノ酸残基配列を有する
分子。類似性の有意性は、Dayhoff et al.、Meth.Enzy
mol.、91、524〜545、1983(参考として援用される)に記載の
Alignプログラムなどのコンピュータプログラムを使用して統計的に決定さ
れる。3未満の典型的なAlignスコアは、試験した分子が免疫グロブリン遺
伝子スーパーファミリーのメンバーであることを示す。免疫グロブリンスーパー
ファミリーの例には、以下のメンバーが含まれる:免疫グロブリン重鎖(すなわ
ち、IgM、IgD、IgG、IgA、またはIgEの重鎖および軽鎖κおよび
λ)、T細胞レセプター(α、β、γ、X、CD3)、主要組織適合抗原(クラ
スIH鎖、β2 ミクログロブリン、クラスII(αおよびβ))、β2 ミクログ
ロブリン関連抗原(TLH鎖、Qa−2H鎖、CD1aH鎖)、Tリンパ球抗原
(CD2、CD4、CD7、CD8鎖I、CD8鎖IId、CD28、およびC
TLA4)、造血/内皮抗原(LFA−3、MRC OX−45)、脳/リンパ
系抗原(Thy−1、MRC OX−2)、免疫グロブリンレセプター(ポリI
gR、Fcγ2b/γ1R、FcεRI(α))、神経分子(神経接着分子、ミ
エリン関連gp、P0 ミエリンタンパク質、腫瘍抗原(癌胎児性抗原(CEA)
)、成長因子レセプター(血小板由来成長因子(PDGF)レセプター、コロニ
ー刺激因子1(CSF1)レセプター)、非細胞表面分子(α1 B−糖タンパク
質、基底膜結合タンパク質)、およびA33抗原(Heaths et al.
、Proc.Natl.Acad.Sci.、94、469〜474、1997
)(例えば、Williams and Barclay、「免疫グロブリン遺
伝子」、361頁、Academic Press、NY、1989および 「
免疫学的に重要なグロブリンタンパク質配列」、第4版、米国保健社会福祉省、
1987を参照のこと)。
【0028】 エピトープ:免疫グロブリン産物によって特異的に認識される分子の一部。決
定基または抗原決定基ともいう。
【0029】 二重特異性抗体(または異種抗体):2つの異なる抗原決定基に特異的な結合
部位を含む多価抗体。各抗体または抗体断片が異なる抗原特異性を有する場合、
2つの完全なモノクローナル抗体(「全AHC」)の共有結合(B.Karpo
vsky,et al.、1984、J.Exp.Med.、160(6)、1
686〜1701)によるか、2つのモノクローナル抗体FabまたはFab’
断片(「一価AHC」)の結合(M.Brennan,et al.、Scie
nce、1985、229(1708)、81〜83)によって二重特異性抗体
を抗体ヘテロコンジュゲートとして化学合成することができる。あるいは、二重
特異性抗体を、「ハイブリッドハイブリドーマ」(2つのモノクローナル抗体産
生細胞の細胞融合物)から産生することができる(C.L.Reading、「
ハイブリドーマおよび細胞不死」、B.H.Tom et al.編、1984
、(New York:Plenum Press)、235;U.D.Sta
erz et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.、1986、
83、1453〜1457;A.Lanzavecchia et al.、E
ur.J.Immunol.、1987、17、105〜111;D.B.Ri
ng et al.、「乳房上皮抗原:臨床適用への分子生物学」、R.Ced
ani編、1991、(New York:Plenum Press)、91
〜104)。
【0030】 B.ヒト化抗体の産生法 本発明の1つの実施形態は、特異的抗原に結合するヒト化抗体の一部としての
ヒト化抗体の産生法に関する。本方法は、免疫応答を惹起する量の特異的抗原で
ウサギを免疫化する工程と、ウサギの抗体産生細胞からRNAを単離する工程と
、RNAをcDNAに変換する工程と、抗原に結合するウサギ抗体の一部をコー
ドするcDNAの一部とヒト抗体の非結合部分をコードするcDNAとを組み合
わせてウサギcDNAおよびヒトcDNAからなるハイブリッド分子を形成する
工程を包含する。その後、ハイブリッド分子を宿主細胞に挿入し、宿主細胞を培
養してハイブリッド分子のタンパク質産物を発現させる。最後に、ハイブリッド
タンパク質を単離する。
【0031】 ヒト化抗体またはヒト化抗体の一部は、ウサギCDRおよびヒト定常部からな
り得る。ヒト化抗体は、Fab断片であり得る。さらに、抗体は、細胞表面上に
存在する分子または分子の一部であり得る。例えば、抗原は、新生物(例えば、
癌)細胞の細胞表面上に存在する分子または分子の一部であり得る。癌細胞は、
結腸癌細胞であり得る。本発明の1つの特定の実施形態では、抗原はA33抗原
であり得る。使用する宿主細胞は、大腸菌などの原核細胞であり得る。
【0032】 本発明の別の実施形態は、上記の任意の方法によって作製されたヒト化抗体に
関する。ヒト化抗体は、配列番号20、21、22、39、40、41、42、
43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、
55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、
または67のアミノ酸配列を含み得る。
【0033】 C.A33抗原に対する免疫グロブリン産物 本発明の1つの実施形態は、A33抗原に特異的に結合する免疫グロブリン産
物に関する。免疫グロブリン産物は、少なくとも免疫グロブリン重鎖の免疫学的
に活性な部分または少なくとも免疫グロブリン軽鎖の免疫学的に活性な部分を含
むことで抗原と特異的に結合することができるポリペプチド、タンパク質、また
は多量体タンパク質である。免疫グロブリン産物の例は、免疫グロブリン重鎖、
免疫グロブリン軽鎖、免疫グロブリン分子、二重特異性抗体、実質的に無傷の免
疫グロブリン分子、パラトープを含む免疫グロブリンの任意の部分(当該分野で
Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2 断片、およびFv断片として公知の
部分を含む)である。免疫グロブリン産物の構造は、当業者に周知であり、「基
礎および臨床免疫学」、Stites,et al.、第4版、Lange M
edical Publications、Los Altos、Califに
記載されている。
【0034】 本発明の別の実施形態は、A33抗原に特異的に結合する免疫グロブリン分子
などの免疫グロブリン産物に関する。免疫グロブリン分子は、互いに共有結合し
た免疫グロブリン重鎖および免疫グロブリン軽鎖の免疫学的に活性な部分を含み
、抗原と特異的に結合することができる多量体タンパク質である。免疫グロブリ
ン分子は、A33および第2の非A33エピトープにアフィニティーを有する二
重特異性抗体であり得ることに留意すべきである。
【0035】 本発明の別の実施形態は、A33抗原に特異的に結合する一本酸抗原結合タン
パク質に関する。単鎖抗原結合タンパク質は、(1)VL 配列のカルボキシル末
端がVH 配列のアミノ末端に連結しているか、(2)VH 配列のカルボキシル末
端がVL 配列のアミノ末端に連結しているペプチドによって免疫グロブリン重鎖
可変部アミノ酸配列(VH )につながれている免疫グロブリン軽鎖可変部アミノ
酸配列(VL )から構成されるポリペプチドである。A33抗原に特異的に結合
する単鎖抗原結合タンパク質をコードする単鎖抗原結合タンパク質コード遺伝子
、単鎖抗原結合タンパク質をコードする組換え遺伝子もまた、本発明で意図され
る。単鎖抗原結合タンパク質の構造は、例えば、Bird et al.、Sc
ience、242、423〜426、1988およびLadnerに付与され
た米国特許第4,704,692号に記載されている。
【0036】 免疫グロブリン(すなわち、抗体分子)は、いくつかの分子型(IgD、Ig
G、IgA、IgM、およびIgE)を含む大きな分子ファミリーである。抗体
分子は、典型的には、2つの重鎖(H)および2つの軽鎖(L)(それぞれが可
変部(V)および定常部(C)を有する)を含む。免疫グロブリン分子のいくつ
かの異なる領域は、ポリメラーゼ連鎖反応を使用する免疫グロブリン遺伝子の単
離に有用な保存配列を含む。免疫グロブリン分子についての模範的に保存された
配列を表示する広範なアミノ酸および核酸配列データは、Kabat et a
l.によって「免疫学的に重要なタンパク質配列」、国立衛生研究所、Beth
esda,Md.、1987(参考として援用される)にまとめられている。
【0037】 HまたはL鎖のV領域は、典型的には、それぞれが保存配列の長さを含む相対
的に可変性の程度が低いフレームワーク(FR)領域(図1)を含む。
【0038】 1つの特に有用な免疫グロブリン産物は、免疫グロブリン重鎖である。免疫グ
ロブリン重鎖は、免疫グロブリン重鎖可変部および免疫グロブリン重鎖定常部か
らなる。免疫グロブリン重鎖可変部は、抗原結合部位(および抗体結合部位)を
含むポリペプチドである。免疫グロブリン重鎖可変部は、特定のエピトープに特
異的に結合することができる。好ましくは、VH は、約110〜約125アミノ
酸残基長である。アミノ酸残基配列は、VH が結合することができる特定のエピ
トープに依存して広範に変化する。
【0039】 本発明の1つの実施形態は、患者の結腸癌の影響の低減法に関する。この方法
では、薬学的有効量の抗癌剤を、A33抗原に特異的に結合する免疫グロブリン
産物に結合する。この抗癌剤−免疫グロブリン産物は、結腸癌の患者に投与して
癌の影響を低減するコンジュゲートである。特に、免疫グロブリン産物は、 LASEFLFNGVS(配列番号68)、 LASDFLFNGVS(配列番号69)、 GASNLES(配列番号70)、 GASDLET(配列番号71)、 LGGYSGSSGLT(配列番号72)、 LGGYSGSAGLT(配列番号73)、 HYGIS(配列番号74)、 NNGIS(配列番号75)、 YIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76)、 YIYPNYGSVDYASWVNG(配列番号77)、 YIYPDYGSTDYASWVNG(配列番号78)、 DRGYYSGSRGTRLDL(配列番号79)および DRGAYAGSRGTRLDL(配列番号80) からなる群から選択される配列を有する1または複数のCDRを含む。抗癌剤は
、カリケアミシン、BCNU、ストレプトゾイシン、ビンクリスチン、および5
−フルオロウラシルからなる群から選択される薬物であり得る。さらに、抗癌剤
は、前記結腸癌のDNA活性を特異的に阻害するペプチドであり得る。使用する
ことができる他の抗癌剤には、放射性同位元素( 125I、 131I、99Tc、90
、または 111Inなど)が含まれる。
【0040】 本発明の免疫グロブリン産物はまた、例えば、LASEFLFNGVS(配列
番号68)またはLASDFLFNGVS(配列番号69)の配列を有するVL
CDR1領域;配列GASNLES(配列番号70)またはGASDLET(配
列番号71)の配列を有するVL CDR2領域;およびLGGYSGSSGLT
(配列番号72)またはLGGYSGSAGLT(配列番号73)からなる配列
を有するVL CDR3領域を有する免疫グロブリン軽鎖の免疫学的に活性な部分
を含み得る。好ましい実施形態では、VL CDR1は配列LASEFLFNGV
S(配列番号68)を有し、VL CDR2は配列GASNLES(配列番号70
)を有し、VL CDR3は配列LGGYSGSSGLT(配列番号72)を有す
る。
【0041】 免疫グロブリン産物は、免疫グロブリン軽鎖の免疫活性部分を含み得る。この
軽鎖は、以下の配列: ELQMTQSPSSLSASVGDRVTITC(配列番号81)、 EFDMTQTPPSLSASVGETVRIRC(配列番号82)、 ELVMTQTPPSLSASVGETVRIRC(配列番号83)、もしくは
ELVLTQTPPSLSPSVGETVRIRC(配列番号84) の1つに対応するVL FR1領域; または以下の配列: WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号85)、 WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号86)、 WYQQKPGKVPKFLIY(配列番号87)、 WYQQKPGKAPKFLIY(配列番号88)、 WYQQKPGKVPKLLIY(配列番号89)、 WYQQKPGKPPKFLIS(配列番号90)、もしくは WYQQKPEKPPTLLIS(配列番号91) の1つに対応するVL FR2領域; または以下の配列: GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYC(配列番
号92)、 GVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYC(配列番
号93)、 GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYC(配列番
号94)、 GVPPRFSGSGSGTDYTLTIGGVQAEDVATYYC(配列番
号95)、もしくは GVPPRFSGSGSGTDYTLTIGGVQAEDAATYYC(配列番
号96) の1つに対応するVL FR3領域; または以下の配列: FGGGTKVEIK(配列番号97)もしくは FGAGTNVEIK(配列番号98) の1つに対応するVL FR4領域中の配列を含み得る。
【0042】 別の実施形態では、免疫グロブリン産物はまた、例えば、HYGIS(配列番
号74)またはNNGIS(配列番号75)の配列を有するVH CDR1;配列
YIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76)、YIYPNYGSVD
YASWVNG(配列番号77)、またはYIYPDYGSTDYASWVNG
(配列番号78)のVH CDR2配列;およびDRGYYSGSRGTRLDL
(配列番号79)またはDRGAYAGSRGTRLDL(配列番号80)のV H CDR3配列を有する免疫グロブリン重鎖の免疫学的に活性な部分を含み得る
。好ましい実施形態では、VH CDR1はHYGIS(配列番号74)の配列を
有し、VH CDR2はYIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76)の
配列を有し、VH CDR3はDRGYYSGSRGTRLDL(配列番号79)
の配列を有する。
【0043】 免疫グロブリン産物は、免疫グロブリン重鎖の免疫活性部分を含み得る。この
重鎖は、以下の配列: EVQVMESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFS(配列番号9
9)、 EVQVMESGGGLVKPGGSLRLSCAASGIDFS(配列番号1
00)、 EVQVMESGGGLVKPGGSLRLSCAASGIGFS(配列番号1
01)、 QQQVMESGGGLVTLGGSLTLTCKASGIDFS(配列番号1
02)、 QEQLMESGGGLVTLGGSLKLSCKASGIDFS(配列番号1
03)もしくは QEQVMESGGGLVTLGGSLKLSCKASGIDFS(配列番号1
04) の1つに対応するVH FR1領域; または以下の配列: WVRQAPGKGLEWIL(配列番号105)、 WVRQAPGKGLEWIA(配列番号106)、もしくは WVRQAPGKGLEWVS(配列番号107) の1つに対応するVH FR2領域; または以下の配列: RFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
号108)、 RFTISFDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
号109)、 RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
号110)、 RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
号111)、 RFTISFDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
号112)、 RFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
号113)、 RFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
号114)、 RFTISRDNAKNSVYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
号115)、 RFTISRDNAKNSVYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
号116)、 RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
号117)、 RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
号118)、 RFTISLDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
号119)、 RFTISLDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
号120)、 RFTISSDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
号121)、 RFTISSDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
号122)、 RFTISSDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
号123)、もしくは RFTISSDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
号124)、 の1つに対応するVH FR3領域; または以下の配列: WGQGTLVTISS(配列番号125)、もしくは WGQGTLVTVSS(配列番号126) の1つに対応するVH FR4領域中の配列を含み得る。
【0044】 別の実施形態では、免疫グロブリン産物は、(A)LASEFLFNGVS(
配列番号68)またはLASDFLFNGVS(配列番号69)の配列を有する
L CDR1領域;GASNLES(配列番号70)またはGASDLET(配
列番号71)の配列を有するVL CDR2領域;およびLGGYSGSSGLT
(配列番号72)またはLGGYSGSAGLT(配列番号73)の配列を有す
るVL CDR3領域を有する免疫グロブリン軽鎖の免疫学的に活性な部分;なら
びに(B)HYGIS(配列番号74)またはNNGIS(配列番号75)の配
列を有するVH CDR1;配列YIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号
76)、YIYPNYGSVDYASWVNG(配列番号77)、またはYIY
PDYGSTDYASWVNG(配列番号78)のVH CDR2配列;およびD
RGYYSGSRGTRLDL(配列番号79)またはDRGAYAGSRGT
RLDL(配列番号80)のVH CDR3配列を含み得る。
【0045】 好ましい実施形態では、本発明の免疫グロブリン産物は、500pMより高い
アフィニティーでA33抗原に結合する。より好ましくは、本発明の免疫グロブ
リン産物は、100pMより高いアフィニティーでA33抗原に結合する。
【0046】 本発明の別の実施形態は、A33抗原に特異的に結合する実質的に純粋な免疫
グロブリン産物に関する。免疫グロブリン産物は、以下の配列: LASEFLFNGVS(配列番号68)、 LASDFLFNGVS(配列番号69)、 GASNLES(配列番号70)、 GASDLET(配列番号71)、 LGGYSGSSGLT(配列番号72)、 LGGYSGSAGLT(配列番号73)、 HYGIS(配列番号74)、 NNGIS(配列番号75)、 YIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76)、 YIYPNYGSVDYASWVNG(配列番号77)、 YIYPDYGSTDYASWVNG(配列番号78)、 DRGYYSGSRGTRLDL(配列番号79)または DRGAYAGSRGTRLDL(配列番号80) を有するアミノ酸の1または複数の配列を含みうる。
【0047】 1つの実施形態では、A33抗原に結合する実質的に純粋な免疫グロブリン産
物は、1または複数の軽鎖CDRもまた含む免疫グロブリン軽鎖の免疫学的に活
性な部分を含む。例えば、免疫グロブリン軽鎖VL CDR1は配列LASEFL
FNGVS(配列番号68)またはLASDFLFNGVS(配列番号69)を
有し、VL CDR2は配列GASNLES(配列番号70)またはGASDLE
T(配列番号71)を有し、VL CDR3は配列LGGYSGSSGLT(配列
番号72)またはLGGYSGSAGLT(配列番号73)を有し得る。好まし
い実施形態では、VL CDR1はLASEFLFNGVS(配列番号68)であ
り、VL CDR2はGASNLES(配列番号70)であり、VL CDR3はL
GGYSGSSGLT(配列番号72)である。
【0048】 別の実施形態では、A33抗原に結合する実質的に純粋な免疫グロブリン産物
は、1または複数の重鎖CDRもまた含む免疫グロブリン重鎖の免疫学的に活性
な部分を含む。例えば、免疫グロブリン重鎖では、VH CDR1は配列HYGI
S(配列番号74)またはNNGIS(配列番号75)を有し、VH CDR2は
配列YIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76)、YIYPNYGS
VDYASWVNG(配列番号77)、またはYIYPDYGSTDYASWV
NG(配列番号78)を有し、VH CDR3は配列DRGYYSGSRGTRL
DL(配列番号79)またはDRGAYAGSRGTRLDL(配列番号80)
を有し得る。好ましい実施形態では、VH CDR1はHYGIS(配列番号74
)であり、VH CDR2はYIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76
)であり、VH CDR3はDRGYYSGSRGTRLDL(配列番号79)で
ある。
【0049】 別の好ましい実施形態では、以下から選択される少なくとも2つのポリペプチ
ド配列を含む:ウサギVL1およびウサギVH1;ウサギVL2およびウサギV
H2;ウサギVL3およびウサギVH3;ヒトVLAおよびヒトVHA、ヒトV
LBおよびヒトVHB、ヒトVLCおよびヒトVHC、ヒトVLDおよびヒトV
HD、ヒトVLEおよびヒトVHE;またはヒトVLFおよびヒトVHF。
【0050】 別の実施形態では、実質的に純粋な免疫グロブリン産物は、免疫グロブリン重
鎖の免疫学的に活性な部分および免疫グロブリン軽鎖の免疫学的に活性な部分を
含み得る。例えば、免疫グロブリン軽鎖の活性な部分では、VL CDR1は配列
LASEFLFNGVS(配列番号68)またはLASDFLFNGVS(配列
番号69)を有し、VL CDR2は配列GASNLES(配列番号70)または
GASDLET(配列番号71)を有し、VL CDR3は配列LGGYSGSS
GLT(配列番号72)またはLGGYSGSAGLT(配列番号73)を有し
得る。さらに、免疫グロブリン重鎖の活性な部分では、VH CDR1は配列HY
GIS(配列番号74)またはNNGIS(配列番号75)を有し、VH CDR
2は配列YIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76)、YIYPNY
GSVDYASWVNG(配列番号77)、またはYIYPDYGSTDYAS
WVNG(配列番号78)を有し、VH CDR3は配列DRGYYSGSRGT
RLDL(配列番号79)またはDRGAYAGSRGTRLDL(配列番号8
0)を有し得る。
【0051】 本発明の免疫グロブリン産物は、抗体、Fv断片、Fab断片、Fab2 断片
、もしくは単鎖抗体またはその組み合わせもしくは多量体であり得る。多量体は
、免疫グロブリン産物の任意の連結された組み合わせであり得る。例えば、多量
体は、2つを超える、好ましくは4つを超える、または6つを超える抗体、抗体
断片、または互いに連結した単鎖抗体を含み得る。連結は、共有結合であり得る
。抗体およびポリペプチドならびにタンパク質の連結法は公知である。さらに、
連結はイオン結合であり得る。例えば、アビジンに連結したある抗体を、ビオチ
ンに連結させた別の抗体にイオン結合によって連結させることができる。連結し
た免疫グロブリン産物は、同一のアフィニティーを有する必要がない。例えば、
1つの連結した免疫グロブリン産物は、A33抗原に対して高いアフィニティー
を有し、別の連結した免疫グロブリン産物はA33抗原に対して低いアフィニテ
ィーを有し、第3の連結した免疫グロブリン産物は、リシンなどの有毒な治療化
学薬品にアフィニティーを有し得る。
【0052】 免疫グロブリン産物は、IgM、IgD、IgG、IgA、またはIgEなど
の抗体分子またはこれらの分子の断片であり得る。免疫グロブリン産物は、1p
Mより高い、好ましくは10pMより高い、より好ましくは100pMより高い
、さらにより好ましくは300pMより高い(例えば、500pMより高い)ア
フィニティーでA33抗原と結合することができる。
【0053】 免疫グロブリン産物は、ウサギ由来のA33抗原免疫グロブリン産物であり得
る。ウサギ由来抗A33抗原免疫グロブリン産物を、例えば、ウサギへのA33
抗原の注射によって作製することができる。ウサギ抗A33抗原免疫グロブリン
産物の別の産生法を実施例の部に示す。
【0054】 本発明の別の実施形態は、LASEFLFNGVS(配列番号68)、LAS
DFLFNGVS(配列番号69)、GASNLES(配列番号70)、GAS
DLET(配列番号71)、LGGYSGSSGLT(配列番号72)、LGG
YSGSAGLT(配列番号73)、HYGIS(配列番号74)、NNGIS
(配列番号75)、YIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76)、Y
IYPNYGSVDYASWVNG(配列番号77)、YIYPDYGSTDY
ASWVNG(配列番号78)、DRGYYSGSRGTRLDL(配列番号7
9)、DRGAYAGSRGTRLDL(配列番号80)の配列を有する1また
は複数のCDRペプチドを含むCDRペプチドおよびタンパク質に関する。
【0055】 本発明の免疫グロブリン産物は、免疫グロブリン重鎖、T細胞レセプター、主
要組織適合抗原、β2 ミクログロブリン関連抗原、Tリンパ球抗原、造血/内皮
抗原、脳/リンパ系抗原、免疫グロブリンレセプター、神経分子、腫瘍抗原など
の免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーのメンバーであり得る。
【0056】 さらに、本発明の免疫グロブリン産物は、免疫グロブリン軽鎖の免疫学的に活
性な部分を含み得る。活性部分は、ELQMTQSPSSLSASVGDRVT
ITC(配列番号81)、EFDMTQTPPSLSASVGETVRIRC(
配列番号82)、ELVMTQTPPSLSASVGETVRIRC(配列番号
83)、またはELVLTQTPPSLSPSVGETVRIRC(配列番号8
4)の配列を有するVL FR1であり得る。また、活性部分は、配列WYQQK
PGKAPKLLIY(配列番号85)、WYQQKPGKAPKLLIY(配
列番号86)、WYQQKPGKVPKFLIY(配列番号87)、WYQQK
PGKAPKFLIY(配列番号88)、WYQQKPGKVPKLLIY(配
列番号89)、WYQQKPGKPPKFLIS(配列番号90)、またはWY
QQKPEKPPTLLIS(配列番号91)を有するVL FR2であり得る。
活性部分は、配列GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVA
TYYC(配列番号92)、GVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQ
PEDVATYYC(配列番号93)、GVPSRFSGSGSGTDFTLT
ISSLQPEDVATYYC(配列番号94)、GVPPRFSGSGSGT
DYTLTIGGVQAEDVATYYC(配列番号95)、またはGVPPR
FSGSGSGTDYTLTIGGVQAEDAATYYC(配列番号96)を
有するVL FR3であり得る。活性部分はまた、配列FGGGTKVEIK(配
列番号97)またはFGAGTNVEIK(配列番号98)を有するVL FR4
であり得る。
【0057】 本発明の免疫グロブリン産物は、免疫グロブリン重鎖の免疫学的に活性な部分
を含み得る。活性部分は、EVQVMESGGGLVKPGGSLRLSCAA
SGFTFS(配列番号99)、EVQVMESGGGLVKPGGSLRLS
CAASGIDFS(配列番号100)、EVQVMESGGGLVKPGGS
LRLSCAASGIGFS(配列番号101)、QQQVMESGGGLVT
LGGSLTLTCKASGIDFS(配列番号102)、QEQLMESGG
GLVTLGGSLKLSCKASGIDFS(配列番号103)、またはQE
QVMESGGGLVTLGGSLKLSCKASGIDFS(配列番号104
)の配列を有するVH FR1であり得る。また、活性部分は、配列WVRQAP
GKGLEWIL(配列番号105)、WVRQAPGKGLEWIA(配列番
号106)、またはWVRQAPGKGLEWVS(配列番号107)を有する
H FR2であり得る。活性部分はまた、配列RFTISRDNAKNSLYL
QMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番号108)、RFTISFDNA
QNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番号109)、RFT
ISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番号11
0)、RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(
配列番号111)、RFTISFDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAV
YYCAR(配列番号112)、RFTISRDNAKNSLYLQMNSLR
AEDTAVYYCAR(配列番号113)、RFTISRDNAKNSLYL
QMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番号114)、RFTISRDNA
KNSVYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番号115)、RFT
ISRDNAKNSVYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番号11
6)、RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(
配列番号117)、RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAV
YFCAR(配列番号118)、RFTISLDNAQNSVYLQMNSLR
AEDTAVYYCAR(配列番号119)、RFTISLDNAQNSVYL
QMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番号120)、RFTISSDNA
QNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番号121)、RFT
ISSDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番号12
2)、RFTISSDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(
配列番号123)、またはRFTISSDNAQNSVYLQMNSLRAED
TAVYFCAR(配列番号124)を有するVH FR3であり得る。活性部分
はまた、配列WGQGTLVTISS(配列番号125)またはWGQGTLV
TVSS(配列番号126)を有するVH FR4であり得る。
【0058】 本発明の実施形態では、実質的に純粋な免疫グロブリン産物は、ヒト化免疫グ
ロブリンであり得る。
【0059】 別の実施形態は、本発明の実質的に純粋な免疫グロブリン産物をコードする精
製核酸分子に関する。本発明の免疫グロブリン産物をコードする核酸分子を、従
来技術を使用して作製することができる。例えば、オリゴヌクレオチドを合成し
、互いにライゲーションして本発明の免疫グロブリン産物をコードする機能的読
み取り枠を形成させることができる。核酸分子は、一旦合成されると、核酸ベク
ターにクローン化することができる。プラスミド、コスミド、ファージミド、酵
母プラスミド、ファージベクター、TIプラスミドなどの核酸ベクターは、当該
技術分野で公知である。ベクターは、発現ベクターであり得る。発現ベクターお
よび発現系は、市販されている。
【0060】 本発明の別の実施形態は、本発明の核酸を含む細胞に関する。細胞はトランス
フェクションによって作製することができる。トランスフェクション法は公知で
あり、原核細胞および真核細胞のトランスフェクト用キットを、業者から購入す
ることができる。
【0061】 本発明の別の実施形態は、免疫グロブリン産物とA33抗原との間で複合体を
形成可能な条件下で患者由来の組織サンプルと本発明の実質的に純粋な免疫グロ
ブリン産物とを接触させる工程と、前記複合体の形成を決定する工程とを包含す
る、障害の検出または診断法に関する。
【0062】 本発明の別の態様は、本発明の免疫グロブリン産物または本発明の核酸を患者
に投与する工程を包含する、新生物障害患者の治療法に関する。癌の免疫療法は
公知である。例えば、Old,L.J.、「癌の免疫療法」、Scientif
ic American、September 1996、米国特許第5,85
1,526号、および同第5,712,369号(全てが本明細書中で参考とし
て援用される)を参照のこと。
【0063】 別の実施態様は、本発明の免疫グロブリン産物を含む治療組成物に関する。本
発明の免疫グロブリン産物を、免疫グロブリンおよび薬学的に許容されうる担体
または希釈剤を含む組成物の形態で得ることができる。治療組成物を、ヒトなど
の哺乳動物の障害の治療に使用することができる。本発明はまた、治療有効量の
本発明の免疫グロブリン産物を哺乳動物に投与する工程を包含し、前記哺乳動物
が抗体での治療を必要とする癌などの障害を有する、哺乳動物の治療法を提供す
る。
【0064】 治療薬としてのその使用では、本発明の免疫グロブリン産物を、薬剤に連結す
ることができる。連結は、共有結合であるか抗体−エピトープ結合によってもよ
い。例えば、免疫グロブリン産物を、第2の抗体が薬剤に対してアフィニティー
を有し得る第2の抗体に架橋させることができる。薬剤は、細胞傷害剤であり得
る。本明細書中で使用される、用語「細胞傷害剤」は、細胞機能を阻害または防
止し、そして/または細胞破壊を引き起こす物質をいう。この用語は、放射性同
位元素(例えば、 125I、 131I、99Tc、90Y、 111In)、化学療法剤、ト
キシン(細菌、真菌、植物、または動物起源の酵素活性トキシンなど)またはそ
の断片を含むことを意図する。薬剤は、化学療法剤であり得る。「化学療法剤」
は、癌治療に有用な化合物である。化学療法剤の例には、アドリアマイシン、ド
キソルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(「Ara−C」
)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルファン、サイトキシン、タキソール
、メトトレキセート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマ
イシン、エトポシド、イホスファミド、マイトマイシンC、ミトキサントロン、
ビンクリスチン、ビノレルビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン
、カルミノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、エ
スペラミシン(米国特許第4,675,187号を参照のこと)、メルファラン
、および他の関連ナイトロジェンマスタードが含まれる。薬剤は、サイトカイン
であり得る。用語「サイトカイン」は、細胞内媒介物として別の細胞上で作用す
る1つの細胞集団によって放出されるタンパク質の一般的用語である。このよう
なサイトカインの例は、リンホカイン、モノカイン、および伝統的なポリペプチ
ドホルモンである。サイトカインのうち、成長ホルモン(ヒト成長ホルモン、N
−メチオニルヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンなど);副甲状腺ホル
モン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン
;糖タンパク質ホルモン(濾胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(
TSH)、および黄体形成ホルモン(LH)など);肝成長因子;線維芽細胞成
長因子;プロラクチン;胎盤ラクトゲン;腫瘍壊死因子;ミューラー阻害物質;
マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因
子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);神経成長因子(NGFなど)
;血小板増殖因子;トランスフォーミング成長因子(TGF);インスリン様成
長因子IおよびII;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェ
ロン(インターフェロンα、β、およびγなど);コロニー刺激因子(CSF)
;顆粒球−マクロファージ−CSF(GM−CSF);および顆粒球−CSF(
G−CSF);インターロイキン(IL)(IL−1、IL−1α、IL−2、
IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、I
L−11、IL−12、など);腫瘍壊死因子;および他のポリペプチド因子(
LIFおよびキットリガンド(KL)を含む)が含まれる。本明細書中で使用さ
れる、用語「サイトカイン」には、天然の供給源または組換え細胞培養物由来の
タンパク質および天然配列のサイトカインの生物学的に活性な等価物が含まれる
【0065】 診断用に、本発明の免疫グロブリン産物を標識に結合させることができる。本
明細書中で使用される、用語「標識」は、抗体に直接または間接的に結合した検
出可能な化合物または組成物をいう。標識は、それ自体が検出可能であっても
(放射性同位体標識または蛍光標識)、酵素標識の場合には検出可能な基質化合
物または組成物の化学的変化を触媒してもよい。
【0066】 本発明は、1または複数のCDRの配列中に1または複数のアミノ酸の変異に
よる開示されたCDRの変異体の作製も意図していた。アフィニティーを向上さ
せるにはCDR中に適切に存在する1アミノ酸置換で十分であり得ることが公知
である。研究者は、いくつかの免疫グロブリン産物のアフィニティーを約10倍
増大させるために部位特異的変異誘発を使用してきた。CDRの変異によるこの
抗体のアフィニティーの増減法は、一般的に知られている(例えば、Paul,
W.E.、基礎免疫学、第23章、Raven Press、NY、NY 19
93を参照のこと)。従って、結合アフィニティーおよび特異性を増減するため
の本発明のCDRへのアミノ酸の置換、欠失、または付加もまた、本発明の範囲
内である。
【0067】 実施例1:ヒトA33抗原に対する抗体の作製 ヒトA33抗原に対するモノクローナル抗体を作製するために、ニュージーラ
ンドホワイトラビットを、大量のA33抗原を発現することが公知のヒト結腸癌
細胞株LIM 1215で4〜5ヶ月間免疫した。A33抗原を発現するのでL
IM 1215を選択したことに留意すべきである。A33抗原を発現する任意
の他の細胞株を、LIM 1215の代わりに使用することができる。対象動物
に106 LIM 1215細胞を3回皮下注射後、LIM 1215細胞から精
製した1μgのヒトA33の細胞外ドメインを3回皮下注射した。1mlのRI
BIアジュバントのリン酸緩衝化生理食塩水の乳濁液の形態のA33を投与した
【0068】 このアプローチを使用して、治療に有用な抗体の開発の鍵となる細胞表面上で
アクセス可能なタンパク質の天然のエピトープに対する液性免疫応答を標的した
【0069】 LIM 1215細胞を3回注射後、抗原を3回注射した対象動物由来の抗血
清を試験した。抗血清を、組換えヒトA33およびアルカリホスファターゼ結合
ヤギ抗ウサギFcポリクローナル抗体と組み合わせることによって試験を行った
【0070】 結果は、細胞注射後に弱い免疫応答が認められ、3回の抗原の注射後に強い免
疫応答が認められることを示した。
【0071】 実施例2:可変部配列の増幅およびキメラ抗体の作製 前述の6回の免疫後から5日目に、脾臓細胞および片足由来の骨髄細胞を各動
物から回収した。標準的な方法を使用して細胞から全RNAを抽出した。次いで
、標準的技術を使用して、第1のストランドcDNAをRNAから合成した。次
いで、cDNAをPCR(35サイクル)を介して増幅した。以下の種々のプラ
イマーを使用した: V k 5'センスプライマー: 1.5'-gggcccaggcggccgagctcgtgmtgacccagactcca-3' (配列番号1) 2.5'-gggcccaggcggccgagctcgatmtgacccagactcca-3' (配列番号2) 3.5'-gggcccaggcggccgagctcgtgatgacccagactgaa-3' (配列番号3) V k 3'アンチセンスプライマー: 1.5'-acagatggtgcagccacagttaggatctccagctcggtccc-3' ( 配列番号4) 2.5'-gacagatggtgcagccacagttttgatttccacattggtgcc-3' (配列番号5) 3.5'-gacagatggtgcagccacagttttgacsaccacctcggtccc-3' (配列番号6) V λ5'センスプライマー: 5'-gggcccaggcggccgagctcgtgctgactcagtcgccctc-3' (配列番号7) V λ3'アンチセンスプライマー: 5'-cgagggggcagccttgggctggcctgtgacggtcagctgggtccc-3' ( 配列番号8)。
【0072】 PCRを行うために、Vκを得るための単一の組み合わせだけでなくVκ増幅
についての9つ全ての可能な組み合わせを使用した。さらに、配列番号9〜13
によって4つの可能な組み合わせが得られた。すなわち、 V H 5'センスプライマー: 1.5'-gctgcccaaccagccatggcccagtcggtggaggagtccrgg-3' (配列番号9) 2.5'-gctgcccaaccagccatggcccagtcggtgaaggagtccgag-3' (配列番号10) 3.5'-gctgcccaaccagccatggcccagtcgytggaggagtccggg-3' (配列番号11) 4.5'-gctgcccaaccagccatggcccagsagcagctgrtggagtccgg-3' (配列番号12) V H 3'アンチセンスプライマー: 5'-cgatgggcccttggtggaggctgargagayggtgaccagggtgcc-3' ( 配列番号13) を使用してVH を増幅した。アンチセンスプライマー(配列番号4〜6、8、お
よび13)はウサギとヒト配列とのハイブリッドを示し、ウサギの可変ドメイン
とヒト定常部とを融合させる(すなわち、ウサギVλまたはVH とヒトCκおよ
びCH 1への融合)ように設計されていることに留意すべきである。これらのヒ
ト定常部は、破傷風類毒素に対するヒトFabを含む発現ベクターから増幅され
ている。例えば、Rader,et al.、Curr.Opin.Biote
chnol、8(4)、503〜508、1997を参照のこと。
【0073】 この方法により、キメラウサギ/ヒト軽鎖およびFd断片コード配列の構築お
よび融合ならびに2つの連続する重複伸長PCR工程が可能である。第1の工程
では、gaggaggagg aggaggaggc ggggcccagg cggccgagct c ( 配列番号14) および
gccatggctg gttgggcagc (配列番号15) を使用してウサギVλおよびヒトCκ断
片を融合し、 gctgcccaac cagccatggc c(配列番号16) および gaggaggagg aggaggagag aagcgtagtc cggaacgtc (配列番号17) を使用してウサギ
H およびヒトCH 1を融合した。次いで、構築したキメラ軽鎖およびFd断片
コード配列を、配列番号14および配列番号17を使用して融合した。同一の動
物由来の軽鎖およびFd断片コード配列のみを組み合わせた。前述のRader
,et al.に従って最終構築物をファージミドベクターにクローン化して、
2×107 個の独立した形質転換体を得た。この方法は、所与の種由来の元の定
常ドメインを有する均一なFab形式を使用するアプローチを超えるいくつかの
利点を有する。第1に、抗原結合が可変ドメインに限定され、定常ドメインスワ
ッピングに影響を受けると予想されないという事実にもかかわらず、ヒト定常ド
メインにより複数の種由来のFabと比較して確立され且つ標準化された検出お
よび精製様式が得られる。さらに、Ulrich et al.、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA、92(25)、11907〜11、199
5では、このアプローチは、Fabの大腸菌発現レベルを改良することが示され
ている。また、Rader,et al.、Proc.Natl.Acad.S
ci.USA、95(15)、8910〜8915、1998(参考として援用
される)に報告のように、ヒト定常ドメインを有するFab分子は部分的にヒト
化され、完全なヒト化ストラテジーを容易に導くことができる。
【0074】 実施例3:キメラ抗体のスクリーニング 実施例2(前述)で調製したファージライブラリーを、96ウェルプレートの
1ウェルの被覆用に200ngのタンパク質の25μlTBS溶液を使用し、洗
浄用に0.05%(v/v)Tween 20のTBS溶液を使用し、溶出用に
10mg/mlのトリプシンのTBS溶液を用いて組換えヒトA33抗原に対し
て探索した。37℃で30分間トリプシン処理を行った。洗浄工程の回数を5回
(第1ラウンド)、10回(第2ラウンド)、15回(第3および第4ラウンド
)に増加した。
【0075】 西洋ワサビペルオキシダーゼ標識ヒツジ抗M13ファージポリクローナル抗体
を使用したファージELISAによって、各ラウンドのファージプールの産生を
モニターした。ラウンドからラウンドまでのバックグラウンドを超えるシグナル
の増加が認められ、第3および第4ラウンド後に産生数が大きく増加し、これは
選択が成功したことを示す。
【0076】 最終産生由来の40個のクローンを成長させ、1mM IPTGで誘導した。
クローン由来の上清を、アルカリホスファターゼ結合ヤギ抗ヒトF(ab’)2
ポリクローナル抗体を使用したELISAによって固定化組換えヒトA33への
結合について試験した。全クローンは、バックグラウンドを超える強いシグナル
を発し、これを標準的な方法を使用したDNAフィンガープリンティングに供し
た。簡単に述べれば、隣接プライマー: AAGACAGCTA TCGCGAATTG CAC ( 配列番号18) および GCCCCCTTAT TAGCCTTTGC CATC (配列番号19) を使用し、4塩基対を切断するBstXIを使用して消化した。3つの異なるが
非常に類似したフィンガープリントを得た。13クローンで第1が、26クロー
ンで第2が、1クローンで第3が認められた。図1にこれらを示す。配列番号2
0〜22も参照のこと。
【0077】 分析により、可変ドメインに対応する配列はウサギであり、3クローンが高度
に関連していることが示された。クローン1および2(配列番号20および21
)は、同一のVκコード配列を有し、VH 配列と90%同一であった。配列番号
22は、配列番号20および21に90%同一のVκコード配列を有し、そのV H 配列は配列番号22の配列と同一であった。超可変VDJおよびVJ連結部H
CDR3およびLCDR3は非常に類似しており、これにより、全ての選択した
配列が体細胞変異による多様化を受けた1つのB細胞クローンに由来することが
示唆される。
【0078】 実施例4:発現Fabの特徴づけ ウサギVH1、VL1、およびウサギVH2およびVL2由来の可溶性Fab
を、前述のRader,et al.にしたがって大腸菌から生成させた。1m
M IPTGで誘導後、平衡化および洗浄緩衝液としてPBSを使用し、溶出用
に0.5M酢酸を使用したアフィニティークロマトグラフィーを行って、一晩培
養物の濃縮上清および超音波処理溶解物からFab分子を精製した。溶出画分を
0.5倍容積の1M Tris−HCl(pH9.0)を使用して即座に中和後
、プールした。物質を濃縮し、PBSと合わせた。標準的な方法を用いたSDS
−PAGEおよびクーマシーブルー染色によって性質を分析した(図5)。次い
で、これをFACSスキャンを使用したフローサイトメトリーに供した。各同定
用に、1×104 細胞を分析した。2mg/mlのFab、1%w/vBSA、
25mM Hepes、0.05%(w/v)アジ化ナトリウムのPBS溶液を
使用して、間接的免疫蛍光染色を行った。FITC結合ロバ抗ヒトF(ab1 2 ポリクローナル抗体の希釈物(1:100)を検出に使用した。一次抗体と共
に1時間および二次抗体と共に30分間室温でインキュベーションを行った。結
果を図3にプロットする。
【0079】 フローサイトメトリーによって、Fabは共に天然のA33抗原を発現する細
胞に特異的に結合することが明らかとなった。Rader,et al.、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA、95(15)、8910〜891
5、1998(参考として援用される)にしたがって表面プラスモン共鳴によっ
て結合強度を決定した。簡単に述べれば、ウサギおよびヒト化Fabと組換えヒ
トA33抗原との結合についての会合(kon)および解離(koff )速度定数の
決定を、Biacore インスツルメント(Biacore AB、Upps
ala、Sweden)で行った。N−ヒドロキシスクシンイミドおよびN−エ
チル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドでの固定化のため
に、標準的方法に従ってCM5センサーチップ(Biacore AB)を活性
化させた。組換えヒトA33抗原を、30μl〜40μlの1ng/μlサンプ
ルの10mM酢酸ナトリウム(pH3.5)溶液の注入によって表面に低密度で
カップリングした。約500共鳴単位を固定した。その後、センサーチップを、
1Mエタノールアミンヒドロクロリド(pH8.5)で失活させた。Fabと固
定化A33抗原との結合を、75nM〜200nMの範囲の5つの異なる濃度の
Fab注射によって研究した。ランニング緩衝液としてPBSを使用した。セン
サーチップを20mM HClで再生すると、少なくとも50回の測定で活性な
ままであった。Biacore AB評価ソフトウェアを使用して、konおよび
off 値を計算した。平衡解離定数Kd を、koff /konから計算した。異なる
センサーチップから得たデータにより、高い一貫性が明らかとなり、Rader
et al.(Rader,C., Cheresh,D.A.and Ba
rbas,C.F.、III、1998、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA、95、8910〜8915(参考として援用される))に記載の手
順にしたがってさらに評価した。
【0080】 Fabの結合は非常に強力であった(すなわち、1nM範囲のアフィニティー
)(図4)。配列番号20および21に関するKd値は、それぞれ390pMお
よび1.6nMであった(図6、表I)。配列番号20がより高い会合速度およ
び解離速度を示し、配列番号21は一貫して高収量であった。これは、クローン
の大部分が配列番号21を含んでいるという事実と併せて、高発現レベルは配列
番号20の強力なアフィニティーと十分に競合することが示唆される。
【0081】
【表1】 実施例5:選択したウサギ可変ドメインのヒト化 これらの実験は、前述の選択したウサギ可変ドメインのヒト化を記載する。第
1に、アミノ酸配列アラインメントを使用してヒトV遺伝子配列のVBASEデ
ィレクトリ(http://www.mrc-.cpe.cam.ac.uk/imt-doc1)(参考として援用され
る)をスクリーニングし、本明細書中に記載のウサギ配列に最も高い相同性を有
するヒト生殖系列VλおよびVκ配列を同定した。詳しく調べるために、まずウ
サギ配列をヒトVおよびJ遺伝子と整列させた。VH 3ファミリー由来のヒトV
遺伝子DP−77(3〜21)およびヒトJ遺伝子JH 1は最も高い相同性を示
した。使用したVκ配列(ウサギ)は、Vκ1ファミリー由来のヒトV遺伝子D
PK−4(A20)およびヒトJ遺伝子Jκ4と最も適合した。これらのヒト配
列は、ウサギ配列と最高のアラインメントが得られるだけでなく、ヒト抗体レパ
ートリーに頻繁に認められる。例えば、de Wildt,et al.,J.
Mol.Biol.、285(3)、895〜901、1999を参照のこと。
さらに、これらはヒトV遺伝子DP−47(3〜23)およびDPK−9(02
)に非常に関連し、そのフレームワークは、マウス抗体ハイブリッド形成に使用
されており、両者は大腸菌で発現させた場合高収量であった。例えば、Pres
ta,et al.、Canc.Res.、57(20)、4593〜9、19
97を参照のこと。実際、VH 3ファミリー重鎖とVκ1ファミリー軽鎖との対
は、天然のヒト抗体中で最も頻繁に認められる組み合わせである。これにより、
組み合わせが免疫沈黙であることが示唆される。
【0082】 高発現の理由により、配列番号2のCDR配列を使用した。前述のKabat
,et al.に記載の6つの可変ドメインをヒトフレームワーク配列に移植し
た。ウサギ「HCDR2」(前述のKabat et al.)中の第62位に
潜在的な免疫原性トリプトファンが存在し、これをセリンに変換した。
【0083】 ヒトVH フレームワーク中の6つの位置およびヒトVκフレームワーク中の4
つの位置の多様化によりフレームワークの「細かい調整」を行った(表2)。選
択した残基は、抗原結合に関連することが公知のキーフレームワーク残基から選
択した。これらのヒト配列の分析により、ヒト配列は、抗原結合に潜在的に関与
する位置で多様化していることが示された。これらの配列をKabat,et
al.、「免疫学的に重要なタンパク質配列」(第5版、米国保健社会福祉省、
公衆衛生省、国立衛生研究所、1991)(参考として援用される)に記載の6
つのウサギCDRの移植用のフレームワークとして使用した。
【0084】
【表2】 重複ヌクレオチドを設計し、PCRを用いて、合成および構築して合成Vλお
よびVH コード配列を作製した。ウサギ抗体ライブラリーの作製について前述の
手順に従い、最終構築物が完成された場合、構築物は、ウサギ抗体由来のファー
ジでの汚染を回避するためにクロラムフェニコール耐性遺伝子を保有するベクタ
ーにSfiIでクローン化された。得られたライブラリーは、1×107 個の独
立形質転換体からなる(理論上の複雑性は2×107 )ものである。
【0085】 以下のオリゴヌクレオチドをヒト化に使用し、LはVL アセンブリ用のプライ
マーを示し、HはVH アセンブリ用のプライマーを示す。
【0086】 L1, 5 ’-gagctccaga tgacccagtc tccatcctcc ctgtctgcat ctgtaggaga cagagtcacc atcacttgcc tggccagtga gttccttttt aatggtgtat cc-3’(配列番号23) L2, 5 ’-agatgggacc ccagattcta aattggatgc accatagatc aggarcttag garctttccc tggtttctgc tgataccagg atacaccatt aaaaaggaac tc-3' (配列番号24) L3, 5'-aatttagaat ctggggtccc atctcggttc agtggcagtg gatctgggac agattwcact ctcaccatca gcagcctgca gsctgaagat gttgcaact -3'(配列番号25) L4, 5'-tttgatctcc accttggtcc ctccgccgaa agtcaaacca ctactaccac tataaccgcc tagacagtaa taagttgcaa catcttcags ctgcag-3' (配列番号26) L 隣接センス, 5'-gaggaggagg aggagggccc aggcggccga gctccagatg acccagtctc ca-3'(配列番号27) L アンチセンス隣接, 5'-gacagatggt gcagccacag ttcgtttgat ctccaccttg gtccctcc-3' (配列番号28) H1, 5'-gaggtgcagc tggtggagtc tgggggaggc ctggtcaagc ctggggggtc cctgagactc tcctgtgcag cctctgga-3'(配列番号29) H2A, 5'-ccagctaatg ccatagtgac tgaaggtgaa tccagaggct gcacaggaga gtct-3'(配列番号30) H2B, 5 ’-ccagctaatg ccatagtgac tgaagtcgat tccagaggct gcacaggaga gtct - 3’;(配列番号31) H3, 5 ’-ttcagtcact atggcattag ctgggtccgc caggctccag ggaaggggct ggagtgggtc gcctacattt atcctaatta tgggagtgta gactacgcga gc - 3’;(配列番号32) H4A, 5 ’-gttcatttgc agatacastg agttcttggc gttgtctctg gagatggtga atcggccatt cacgctgctc gcgtagtcta cactcccata - 3 ’;(配列番号33) H4B, 5 ’-gttcatttgc agatacastg agttctgggc gttgtcgagg gagatggtga atcggccatt cacgctgctc gcgtagtcta cactcccata - 3 ’;(配列番号34) H5, 5 ’-aactcastgt atctgcaaat gaacagcctg agagccgagg acacggccgt atattwctgt gcgagagatc ggggttatta ttctggtagt - 3 ’;(配列番号35) H6, 5 ’-tgaggagacg gtgaccaggg tgccctggcc ccagagatcc aaccgagtcc ccctactacc agaataataa ccccgatc - 3’;(配列番号36) H 隣接センス, 5 ’-gctgcccaac cagccatggc cgaggtgcag ctggtggagt ctggggga - 3’;(配列番号37) H 隣接アンチセンス, 5 ’-gaccgatggg cccttggtgg aggctgagga gacggtgacc agggtgcc-3’(配列番号38)。
【0087】 形質転換体を前記のように探索したが、使用抗原量は一連の探索を通して減少
させた。最初の2ラウンドでは、100ngを使用し、その後の2ラウンドは5
0ngを使用し、2ラウンドは25ngを使用した。0.5%(v/v)Twe
en 20のTBS溶液を使用して、各ラウンドについて洗浄工程を10回行っ
た。ラウンド3および4、ならびにラウンド5および6をファージ増幅を行わな
いで連結した。これを行うために、ラウンド3および5のファージを50μlの
100mM HCl−グリシン(pH2.2)を用いて溶出させ、室温で10分
間インキュベートし、回収し、3μlの2M Tris塩基および50μlの1
%(w/v)BSAのTBS溶液で中和した。ついで、ファージを別のラウンド
の選択に直接供した。ラウンド1、2、4、および6由来のファージを前記のよ
うにトリプシン処理によって溶出させた。
【0088】 最終産生から70個のクローンが得られた。その全ては、ELISAによって
陽性であることが見出された。70個のクローンのうちの24個を、DNA配列
決定によってさらに分析した。
【0089】 これらのクローン(全部で12配列)のうち6個の重鎖および軽鎖配列を、図
1でヒトVLA、VLB、VLC、VLD、VLE、VLF、VHA,VHB、
VHC、VHD、VHE、VHFと示す。VH の多様化フレームワークにコンセ
ンサス配列が見出され、24クローン中16クローンでフレームワーク1中の第
27位および28位、ならびにフレームワーク3中の第71位および75位には
それぞれ元のウサギ残基であるイソロイシン、アスパラギン酸、ロイシン、およ
びグルタミンを含むことが見出された。3クローンは、第27位および28位に
ヒト残基であるフェニルアラニンおよびトレオニンを含み、第71位および75
位には、ヒト残基は含んでいなかった。多様化した位置のうち2つは変異を含ん
でいた。両者は、1つの点変異によるようであり、おそらくオリゴヌクレオチド
合成または構築の間の誤組み込みによって得られたようである。3クローンは第
28位にグリシンを有し、フェニルアラニンは2クローンで第71位に認められ
た。これらの5クローンは、特に、ELISAで最も強い反応性を示した。フレ
ームワーク中の2つの残りの多様化された位置(すなわち、第78位および91
位)には有意なコンセンサス配列が得られなかったが、ヒト/ウサギ残基が無作
為に選択された。これはまた、Vλフレームワーク中の4つの多様化した位置の
うち3つの位置(フレームワーク2中の第43位および46位、フレームワーク
3中の第71位)の場合であった。プロリン(ヒト残基)は、24クローンのう
ち18クローン(ELISAで最も強力な反応性を示す5つの変異クローンを含
む)中のフレームワーク3中第80位で見出された。
【0090】 次いで、前述の6クローン(ヒトA〜F、図1に記載のようにそれぞれVHお
よびVLを含む)を大腸菌によって可溶性Fab分子として生成し、前記のよう
に精製した。1リットルの震盪フラッシュ培養物あたりの収量は0.5〜2mg
の範囲であった。フローサイトメトリーに供した場合、全Fabは天然のA33
抗原を発現する細胞に結合した。ヒトA33を発現しない細胞は認識されなかっ
た。
【0091】 上記のように行った表面プラスモン共鳴によって測定した蛍光強度はわずかに
異なり、これは固定化組換えヒトA33に対するアフィニティーの相違に対応す
る。これにより、固定化組換え抗原について選択した抗体は細胞表面上で完全に
アクセス可能な天然のエピトープに結合するので相応する治療標的を構成するこ
とが強く示唆される。
【0092】 実施例6:新規のA33抗体の特徴づけ 組換えA33抗原の調製: A33の全長コード配列を含む1.6kbのXhoI/PstI cDNA断
片をpBlueBac4輸送ベクターにサブクローン化した。A33の細胞外ド
メインのみを保有する輸送ベクター(ECD−A33)を作製するために、34
0bpのBgIII/PstI断片をpBlueBac4/A33ベクターから
除去し、得られたプラスミドを2つの重複オリゴヌクレオチド(gatctccctccatg
aaccatcatcatcatcatcattgactgca およびgtcaatgatgatgatgatgatggttcatggaggga
(配列番号127))を使用して再ライゲーションした。アニーリングした場合
、これらのオリゴヌクレオチドは、それぞれ5’および3’末端にBgIIIお
よびPstI部位およびSPSMHHHHHH(配列番号128)をコードする
配列ならびに両制限部位の間の終止コドンを作出する。pBlueBac4/A
33およびpBlueBac4/A33−ECD輸送ベクターでのSf9細胞の
トランスフェクションおよび組換えウイルスの単離を、製造者(Invitor
ogen)の指示にしたがって行った。大規模発現のために、Sf9細胞を感染
多重度(MOI)10で組換えウイルスに感染させた。感染から3日後、細胞を
遠心分離によって回収し、組換えタンパク質の精製に直ちに使用した。発現タン
パク質を、以前に記載のように(Moritz,R.L.et al.、J.C
hromatogr.A、798、91〜101)ジメチルピメリミデートを含
むプロテインA結合Sepharose4Bビーズに固定したマウスmAb A
33を使用した免疫アフィニティークロマトグラフィーによって精製した。
【0093】 ウェスタンブロット:結腸癌細胞のTritonX−100(0.3%PBS
溶液(pH7.5))溶解物を、還元(5%β−ME)および非還元条件下での
10〜20%のポリアクリルアミドTris−グリシンプレキャストゲルによる
SDS−PAGEによって分離した。タンパク質をPVDFにブロットし、0.
5μg/mlマウスA33mAbまたはヒト化Fab Bとともに4℃で一晩イ
ンキュベートした。アルカリホスファターゼ結合種特異的二次Abによって特異
的結合を検出し、化学発光検出を使用して視覚化した。製造者の指示に従ってブ
ロッキングおよび洗浄工程を行った。
【0094】 血球吸着アッセイ:プロテインA被覆ヒトRBC(血液型O)の標的細胞への
接着によって表面結合Fabを検出するプロテインA、ウサギ抗ヒトF(ab’
2 混合血球吸着アッセイを、以前に記載のように行った(Pfreundsc
huh,M.et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.(Was
h.)、75、5122〜5126、1978))。
【0095】 結果:FabA、B、C、E、およびFを、ウェスタンブロットアッセイによ
って結腸癌細胞株から抽出したA33抗原との反応性について分析した(図2)
。新規の全てのFabは、非還元条件下で約43kDタンパク質のバンドと反応
した。還元条件下ではウェスタンブロット反応性は認められなかった(図2)。
ウサギファージディスプレイライブラリーから調製したFabのこれらのウェス
タンブロット反応性は、マウスmAb A33を用いて得た反応性と同一であり
、これによりmAb A33について以前に記載のようにA33抗原上の立体配
座エピトープの認識が示唆される(Catimel,B.et al.、J.B
iol.Chem.、271、25664〜25670)。
【0096】 混合血球吸着アッセイ: FabA、B、C、E、およびFを混合血球吸着アッセイを使用してヒト癌細
胞株の細胞表面上に発現したA33抗原との反応性について分析した。5つ全て
のFabはA33+ に結合したが、A33- 癌細胞には結合しなかった(以下に
列挙)。FabAおよびBは、細胞表面発現A33抗原と最も強い反応性を示し
た。
【0097】
【表3】 ヒト化クローン間の相違は、固定化組換えヒトA33抗原に対するアフィニテ
ィーの相違に相関することが見出された。ヒト化Fabを、ウェスタンブロッテ
ィングによって結腸癌細胞株から抽出したヒトA33抗原との反応性についてさ
らに分析した。ヒト化クローンB(図2)で示されるように、ヒト化Fabは、
非還元条件下で約43kDのバンドと強く反応した。還元条件下では反応性は認
められず、ヒトA33抗原上の立体配座エピトープの認識が示唆される(Cat
imel,B.et al.、1996、J.Biol.Chem.、271、
25664〜25670)。まとめると、これらの結果は、選択されたヒト化抗
体は細胞表面で完全にアクセス可能なヒトA33抗原上の天然のエピトープに結
合することを示す。
【0098】 実施例7:免疫組織化学。
【0099】 より複雑な独立系でヒト化Fabの選択性を評価するために、免疫組織化学に
よって腫瘍組織切片との反応性を分析した。瞬間冷凍し、O.C.T.化合物
(Tissue Tek、Torrance、CA)に包埋した組織サンプルに
全ての免疫化学的染色を行い、0.5μmの切片(HM503クリオスタット、
Zeiss、Walldorf、Germany)を免疫組織化学用にスライド
に置いた(Superfrost Plus、Fisher Scientif
ic、Pittsburgh、PA)。異なる抗体調製物の染色結果を比較する
ために、連続切片を使用した。切断後、スライドを冷アセトンで10分間固定し
、風乾した。ヌードマウスに異種移植した結腸癌細胞株SW1222を使用して
、ヒト化Fabの反応性を分析した。Fabの作用濃度(1pg/ml)を滴定
によって確立した。ヒト化Fabを、ビオチン化ヤギ抗ヒトF(ab)2 ポリク
ローナル抗体(1:200;Vector、Burlingame、CA)およ
びアビジン−ビオチン複合体系(ABC/Eliteキット、Vector)に
よって検出した。色素原としてジアミノベンジジンテトラヒドロクロリド(DA
B、Biogenex、San Ramon、CA)を使用した。ヒト結腸腺癌
サンプルにおいてもヒト化Fabの反応性を評価した。内因性ヒト免疫グロブリ
ンの免疫反応性を防止するために、特別なヒト化Fab検出技術を利用した。組
織への添加前に、試験管中でヒト化Fab(1μg/ml)をビオチン化ヤギ抗
ヒトF(ab)2 ポリクローナル抗体とインキュベートした。ヒト化Fabと二
次抗体との最適な比を、別の滴定アッセイで決定した。ヒト化Fabおよび二次
抗体のインキュベーションを室温で1時間行った後、ヒト血清を添加して、未結
合の二次抗体の活性をブロックした。別の滴定アッセイにおいて、ヒト血清と二
次抗体との最適な比を再度決定した。
【0100】 図8で認められるように、ヒト化Fabは、ヌードマウスで成長させたヒト結
腸癌細胞株SW1222の異種移植片と強力に反応した(図8Aおよび8B)。
ヒト化Fabにより、内因性ヒト免疫グロブリンのブロッキング後のヒト結腸腺
癌の組織切片における形成異常腺構造が強く染色するマウスモノクローナル抗体
A33に類似の免疫反応性が明らかとなった(図8Cおよび8D)。内因性ヒト
免疫グロブリンの完全なブロッキング工程での染色とブロッキングを行わないで
染色した対応する組織切片との比較により、内部反応量(図8F)および完全な
ブロッキング(図8E)が示される。
【0101】 本明細書で使用した用語および表現は、説明を目的として使用されたものであ
って、限定を目的とするものではなく、これらの用語および表現の使用に、上に
示し説明した特徴またはその一部と均等なものを排除する意図はなく、様々な変
更態様が本発明の範囲内で可能であると考えられる。引用したすべての参考文献
は、参照により本明細書に取り込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ウサギ抗A33抗原の抗体のV領域のアミノ酸配列を示す図である。特に、3
つのウサギ抗体(ウサギ1、ウサギ2、およびウサギ3)を示す。さらに、ヒト
化抗体のV配列を示す。最後に、6つのヒト抗体(標識ヒトA〜F)のアミノ酸
配列を示す。VL鎖のアミノ酸1〜22(FR1)、35〜49(FR2)、5
7〜88(FR3)、および98〜107(FR4)ならびにVH鎖のアミノ酸
1〜30(FR1)、36〜49(FR2)、66〜94(FR3)、および1
03〜113(FR4)におよそ対応するフレームワーク領域。CDR領域は、
VL鎖のアミノ酸24〜34(CDR1)、50〜56(CDR2)、および8
9〜97(CDR3)ならびにVH鎖のアミノ酸31〜35(CDR1)、50
〜65(CDR2)、および95〜109(CDR3)におよそ対応する。
【図2】 ヒトFab BのヒトA33抗原発現(LIM 1215、SW1222)お
よび非発現(SW620)ヒト結腸癌細胞株のTriton X−100抽出物
とのウェスタンブロット反応性を示す図である。アルカリホスファターゼ結合ヤ
ギ抗ヒトF(ab’)2 ポリクローナル抗体によって特異的結合を検出し、化学
発光を使用して視覚化した。左側に付した番号は、標準タンパク質の分子量(キ
ロダルトン(「kD」))を示す。
【図3】 選択したウサギクローン1および2ならびに選択したヒトクローンA〜Fが、
細胞表面上で発現した天然のヒトA33抗原に特異的に結合することを示すフロ
ーサイトメトリーのヒストグラムを示す図である。間接的免疫蛍光染色のために
、細胞をFabとインキュベート後(コントロールを除く)、FITC結合二次
抗体とインキュベートした。ヒト結腸癌細胞株LIM1216(太線)およびS
W1222(細線)はヒトA33抗原を発現することが公知であるが、HT29
(点線)は公知ではない。y軸は、均等目盛で事象数を示し、x軸は対数目盛で
蛍光強度を示す。
【図4】 ヒトFabに対するアフィニティー測定の結果を示す図である。ヒトAは、ヒ
トVLAおよびVHAをいい、ヒトBは、ヒトVLBおよびVHBをいい、ヒト
Cは、ヒトVLCおよびVHCをいい、ヒトDは、ヒトVLDおよびVHDをい
い、ヒトEは、ヒトVLEおよびVHEをいい、ヒトFは、ヒトVLFおよびV
HFをいう。
【図5】 SDS−PAGEおよびクーマシーブルー染色による精製ウサギおよびヒト化
Fabの分析を示す。Fabを、プロテインGアフィニティークロマトグラフィ
ーによって大腸菌培養物から精製した。右側に付した数字は、標準タンパク質の
分子量(kD)を示す。
【図6】 ウサギFab1と固定化ヒトA33抗原との結合によって得られた代表的なB
iacoreセンサーグラムを示す図である。会合のために、Fabをt=12
5ないしt=370秒の間、5μl/分の流速で、5つの異なる濃度(200n
M、150nM、125nM、100nM、75nM(上から下))を注入した
。解離のために、流速を50μl/分の共鳴単位(RU)に増加した。
【図7】 ヒト結腸癌組織切片におけるヒト化Fab Bの免疫組織化学反応性を示す図
である。AおよびBはヌードマウスにおけるヒト結腸癌細胞株SW1222の異
種移植片を示し、C〜Fは中程度に分化したヒト結腸腺癌の連続切片を示す。ス
ケールバー=300μm。ビオチン化ヤギ抗ヒトF(ab’)2 ポリクローナル
抗体と、アビジン−ビオチン複合体系および色素原としてジアミノベンジジンテ
トラヒドロクロリドを使用した視覚化によって特異的結合を検出した。(A)ヒ
ト化Fab BによりSW1222異種移植片で強い染色が認められた。(B)
ヒト化Fabを使用しない緩衝液のみの使用(ネガティブコントロール)では、
SW1222異種移植片の染色は認められなかった。(C)マウスモノクローナ
ル抗体A33は、ヒト結腸腺癌の形成異常腺構造に強い染色が認められた。(D
)ヒト化Fab Bは、内因性ヒト免疫グロブリンのブロッキング後に対応する
癌領域で類似の染色を示した。内因性ヒト免疫グロブリンによるさらなる組織構
成成分の染色は検出不可能である。(E)ヒト化Fabを使用せず緩衝液のみを
使用する(ネガティブコントロール)が、内因性ヒト免疫グロブリンをブロッキ
ングすると、染色は認められなかった。(F)ヒト化Fabを使用せず緩衝液の
みを使用し(ネガティブコントロール)、内因性ヒト免疫グロブリンのブロッキ
ングを省略すると、内因性ヒト免疫グロブリンに強い染色が認められた。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/7034 A61K 31/7034 4C206 38/00 39/395 D 4H045 39/395 N Y 47/48 47/48 A61P 1/00 51/00 35/00 A61P 1/00 C07K 16/32 35/00 A61K 37/02 // C07K 16/32 43/00 C12N 15/09 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AU,CA,J P (71)出願人 ザ スクリプス リサーチ インスティチ ュート アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ラ ジョラ ノース トリー パインズ ロー ド 10550 (72)発明者 バーバス、カルロス、エフ.、スリー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92075、ソラナ ビーチ、パシフィック サーフ ドライブ 755 (72)発明者 レイダー、クリストフ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92103、サンディエゴ、クレーブランド アベニュー シャープ110 3950 (72)発明者 リター、ガード アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021、 ニューヨーク、ヨーク アベニュー 1275 (72)発明者 ウェルト、シドニー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021、 ニューヨーク、ヨーク アベニュー 1275 (72)発明者 オールド、ロイド、ジェイ. アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021、 ニューヨーク、ヨーク アベニュー 1275 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA45 CA04 CA11 DA06 EA03 HA17 4C076 BB11 CC07 CC27 EE41 FF68 4C084 AA02 AA12 AA14 AA17 BA01 BA08 BA16 BA17 BA18 BA19 BA23 BA31 BA44 CA17 CA59 DA01 DA39 NA13 NA14 ZA662 ZB072 ZB262 4C085 AA13 AA14 AA16 AA33 AA34 BB11 BB17 BB31 BB34 BB36 BB37 BB41 BB43 CC01 CC05 CC21 CC22 CC23 CC31 CC32 CC33 EE01 4C086 AA01 AA02 BC43 CB21 EA02 EA03 GA16 MA01 MA04 ZA66 ZB07 ZB26 4C206 AA01 AA02 HA26 MA01 MA04 NA13 NA14 ZA66 ZB07 ZB26 4H045 AA11 BA10 CA42 DA76 EA22 FA74

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者におけるA33抗原を発現する癌の影響を低減する方法
    であって、免疫グロブリン産物に結合した抗癌剤の薬学的に有効な量を前記患者
    に投与することを含み、前記免疫グロブリン産物は、A33抗原に特異的に結合
    し、下記: LASEFLFNGVS(配列番号68)、 LASDFLFNGVS(配列番号69)、 GASNLES(配列番号70)、 GASDLET(配列番号71)、 LGGYSGSSGLT(配列番号72)、 LGGYSGSAGLT(配列番号73)、 HYGIS(配列番号74)、 NNGIS(配列番号75)、 YIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76)、 YIYPNYGSVDYASWVNG(配列番号77)、 YIYPDYGSTDYASWVNG(配列番号78)、 DRGYYSGSRGTRLDL(配列番号79)および DRGAYAGSRGTRLDL(配列番号80) からなる群より選ばれたアミノ酸配列を有する1または複数の相補性決定領域(
    CDR)を含む、方法。
  2. 【請求項2】 前記免疫グロブリン産物が、下記: LASEFLFNGVS(配列番号68)および LASDFLFNGVS(配列番号69) からなる群より選ばれた配列を有するVL CDR1; GASNLES(配列番号70)および GASDLET(配列番号71) からなる群より選ばれた配列を有するVL CDR2;ならびに LGGYSGSSGLT(配列番号72)および LGGYSGSAGLT(配列番号73) からなる群より選ばれた配列を有するVL CDR3 を含有する免疫グロブリン軽鎖の免疫学的に活性な部分を含む請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記免疫グロブリン産物が、下記: HYGIS(配列番号74)および NNGIS(配列番号75) からなる群より選ばれた配列を有するVH CDR1; YIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76)、 YIYPNYGSVDYASWVNG(配列番号77)および YIYPDYGSTDYASWVNG(配列番号78) からなる群より選ばれた配列を有するVH CDR2;ならびに DRGYYSGSRGTRLDL(配列番号79)および DRGAYAGSRGTRLDL(配列番号80) からなる群より選ばれた配列を有するVH CDR3 を含有する免疫グロブリン重鎖の免疫学的に活性な部分を含む請求項1に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 前記産物が免疫グロブリン重鎖の免疫学的に活性な部分およ
    び免疫グロブリン軽鎖の免疫学的に活性な部分を含み、 免疫グロブリン軽鎖の前記免疫学的に活性な部分は、下記: LASEFLFNGVS(配列番号68)および LASDFLFNGVS(配列番号69) からなる群より選ばれた配列を有するVL CDR1; GASNLES(配列番号70)および GASDLET(配列番号71) からなる群より選ばれた配列を有するVL CDR2;ならびに LGGYSGSSGLT(配列番号72)および LGGYSGSAGLT(配列番号73) からなる群より選ばれた配列を有するVL CDR3 を含有し、 免疫グロブリン重鎖の前記免疫学的に活性な部分は、下記: HYGIS(配列番号74)および NNGIS(配列番号75) からなる群より選ばれた配列を有するVH CDR1ポリペプチド; YIYPNYGSVDYASSVNG(配列番号76)、 YIYPNYGSVDYASWVNG(配列番号77)および YIYPDYGSTDYASWVNG(配列番号78) からなる群より選ばれた配列を有するVH CDR2ポリペプチド;ならびに DRGYYSGSRGTRLDL(配列番号79)および DRGAYAGSRGTRLDL(配列番号80) からなる群より選ばれた配列を有するVH CDR3ポリペプチド を含有する、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記癌が結腸癌または胃癌である請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記免疫グロブリン産物が抗体、Fv断片、Fab断片、F
    ab2断片、単鎖抗体、二重特異性抗体およびそれらの多量体からなる群より選
    ばれたものである請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記抗体がIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEか
    らなる群より選ばれたものである請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記免疫グロブリン産物がウサギ免疫グロブリン分子の一部
    を含む請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記免疫グロブリン産物が500pMよりも強いアフィニテ
    ィーでA33抗原に結合する請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記免疫グロブリン産物が100pMよりも強いアフィニ
    ティーでA33抗原に結合する請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記免疫グロブリン産物が免疫グロブリン遺伝子スーパー
    ファミリーのタンパク質である請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記免疫グロブリン産物が配列番号68、配列番号70お
    よび配列番号72を含む請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記免疫グロブリン産物が配列番号74、配列番号76お
    よび配列番号79を含む請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 免疫グロブリン軽鎖の前記免疫学的に活性な部分が、その
    フレームワーク領域中に、下記: ELQMTQSPSSLSASVGDRVTITC(配列番号81)、 EFDMTQTPPSLSASVGETVRIRC(配列番号82)、 ELVMTQTPPSLSASVGETVRIRC(配列番号83)、および ELVLTQTPPSLSPSVGETVRIRC(配列番号84) からなる群より選ばれた配列を含有するVL FR1を有する請求項1に記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 免疫グロブリン軽鎖の前記免疫学的に活性な部分が、その
    フレームワーク領域中に、下記: WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号85)、 WYQQKPGKAPKLLIY(配列番号86)、 WYQQKPGKVPKFLIY(配列番号87)、 WYQQKPGKAPKFLIY(配列番号88)、 WYQQKPGKVPKLLIY(配列番号89)、 WYQQKPGKPPKFLIS(配列番号90)、および WYQQKPEKPPTLLIS(配列番号91) からなる群より選ばれた配列を含有するVL FR2を有する請求項1に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 免疫グロブリン軽鎖の前記免疫学的に活性な部分が、その
    フレームワーク領域中に、下記: GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYC(配列番
    号92)、 GVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDVATYYC(配列番
    号93)、 GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYC(配列番
    号94)、 GVPPRFSGSGSGTDYTLTIGGVQAEDVATYYC(配列番
    号95)、および GVPPRFSGSGSGTDYTLTIGGVQAEDAATYYC(配列番
    号96) からなる群より選ばれた配列を含有するVL FR3を有する請求項2に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 免疫グロブリン軽鎖の前記免疫学的に活性な部分が、その
    フレームワーク領域中に、下記: FGGGTKVEIK(配列番号97)および FGAGTNVEIK(配列番号98) からなる群より選ばれた配列を含有するVL FR4を有する請求項2に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 免疫グロブリン重鎖の前記免疫学的に活性な部分が、その
    フレームワーク領域中に、下記: EVQVMESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFS(配列番号9
    9)、 EVQVMESGGGLVKPGGSLRLSCAASGIDFS(配列番号1
    00)、 EVQVMESGGGLVKPGGSLRLSCAASGIGFS(配列番号1
    01)、 QQQVMESGGGLVTLGGSLTLTCKASGIDFS(配列番号1
    02)、 QEQLMESGGGLVTLGGSLKLSCKASGIDFS(配列番号1
    03)および QEQVMESGGGLVTLGGSLKLSCKASGIDFS(配列番号1
    04) からなる群より選ばれた配列を含有するVH FR1を有する請求項3に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 免疫グロブリン重鎖の前記免疫学的に活性な部分が、その
    フレームワーク領域中に、下記: WVRQAPGKGLEWIL(配列番号105)、 WVRQAPGKGLEWIA(配列番号106)、および WVRQAPGKGLEWVS(配列番号107) からなる群より選ばれた配列を含有するVH FR2を有する請求項3に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 免疫グロブリン重鎖の前記免疫学的に活性な部分が、その
    フレームワーク領域中に、下記: RFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
    号108)、 RFTISFDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
    号109)、 RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
    号110)、 RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
    号111)、 RFTISFDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
    号112)、 RFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
    号113)、 RFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
    号114)、 RFTISRDNAKNSVYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
    号115)、 RFTISRDNAKNSVYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
    号116)、 RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
    号117)、 RFTISLDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
    号118)、 RFTISLDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
    号119)、 RFTISLDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
    号120)、 RFTISSDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
    号121)、 RFTISSDNAQNSLYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
    号122)、 RFTISSDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYYCAR(配列番
    号123)、および RFTISSDNAQNSVYLQMNSLRAEDTAVYFCAR(配列番
    号124)、 からなる群より選ばれた配列を含有するVH FR3を有する請求項3に記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 免疫グロブリン重鎖の前記免疫学的に活性な部分が、その
    フレームワーク領域中に、下記: WGQGTLVTISS(配列番号125)、および WGQGTLVTVSS(配列番号126) からなる群より選ばれた配列を有するものからなる群より選ばれた配列を含有す
    るVH FR4を有する請求項3に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記免疫グロブリン産物がヒト化免疫グロブリンである請
    求項1に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記免疫グロブリン産物がモノクローナル抗体である請求
    項1に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記免疫グロブリン産物がヒト化抗体、キメラ抗体、三量
    体化抗体、ヘテロ化抗体、単鎖抗体および抗体断片からなる群より選ばれたもの
    である請求項1に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記抗癌剤がカリケアミシン、QFA、BCNU、ストレ
    プトゾイシン、ビンクリスチンおよび5−フルオロウラシルからなる群より選ば
    れた薬剤である請求項1に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記抗癌剤が前記結腸癌のDNA活性を特異的に阻害する
    ペプチドである請求項1に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記抗癌剤が細胞傷害性薬剤、化学療法剤、サイトカイン
    および放射性同位体からなる群より選ばれたものである請求項1に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記放射性同位体が 125I、 131I、99Tc、90Yおよび
    111Inからなる群より選ばれたものである請求項27に記載の方法。
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