JP2004242638A - 新規なダイアボディ型二重特異性抗体 - Google Patents

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    • C07K2317/626Diabody or triabody

Abstract

【課題】低免疫原性及び腫瘍組織への高浸潤性、安価な大量製造が可能であること、及び、遺伝子工学を利用した機能改変が容易であること等の優れた特性を有し、且つ、特にスーパー抗原を含んでいなくとも、効果及び投与後の安定性等の点で優れた、ダイアボディ型二重特異性抗体を提供すること。
【解決手段】ヒト上皮細胞成長因子受容体に対する第一の特異性、及び食作用又は細胞障害活性を有する細胞で発現される表面抗原に対する第二の特異性を有することを特徴とする、ダイアボディ型二重特異性抗体、該抗体を構成する2本の一本鎖ポリペプチドのいずれか一方の一本鎖ポリペプチド又はそれに含まれる各領域、それらをコードする核酸、該核酸を含有する複製可能なクローニングベクター又は発現ベクター、及び、該ベクターで形質転換された宿主細胞、並びに、それらを含有する医薬組成物。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、癌特異的免疫療法に使用することのできるダイアボディ型二重特異性抗体、それを構成する一本鎖ポリペプチド又はそれに含まれる各領域、該ポリペプチドをコードする核酸、該抗体の製造方法、及び、それらの医薬として用途等に関する。
【0002】
【従来の技術】
癌(悪性腫瘍) に対する主な治療法として、外科的除去、化学療法、放射線療法、及び免疫療法等が組み合わされて用いられている。この中で、免疫療法は未だ開発途上ではあるが多くの可能性を秘めており、これからの進展が期待されている。
【0003】
癌特異的免疫療法は、癌細胞にのみ細胞傷害活性が働く治療法のことを指す。抗体と細胞傷害活性を示す薬物とを結合させ、薬物に標的指向性を持たせるもので、現在ではミサイル療法とも呼ばれる。現在、癌細胞において異常に発現している物質または細胞の癌化に伴い多少の変化が起こる物質を標的にして、副作用を最小限にして抗体の能力を発揮できる抗原を使用するといった方向で研究が進められている。このような抗原は癌関連抗原と呼ばれる。
【0004】
多重特異性抗体のうちの一つである二重特異性抗体(Bispecific Antibody:BsAb)は2つの異なる抗原に対して特異的に結合することが可能であるため、この特性を生かして特異的な抗腫瘍効果を持った治療薬としての利用法が可能であるとして、その研究が盛んに行われている。ダイアボディ(diabody)とはこのような二重特異性抗体の最小単位であり、それぞれ同じ親抗体由来の重鎖(H鎖)の可変領域(V領域)(「VH」と表わされる)と軽鎖(L鎖)の可変領域(V領域)(「VL」と表わされる)VLとが互いに非共有結合によりヘテロ二量体を形成するという性質を利用し考案されたものである(Hollinger, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 6444−6448, 1993)。
【0005】
このようなダイアボディ型二重特異性抗体の特徴としては、低分子(分子量約60,000)であることによる低免疫原性及び腫瘍組織への高浸潤性、更には、例えば、大腸菌等の微生物を利用した安価な大量製造が可能であること、又、遺伝子工学を利用した機能改変が容易であることを挙げることができる。
【0006】
従って、癌に対する従来の治療法における諸問題、特に、組織が入り組んだ部位にある癌細胞を完全に除去することは困難で、外科的に切除した後残った癌細胞の除去方法がないという問題を解決するにあたり、このようなダイアボディ型二重特異性抗体が有望視されており、その開発が切望されている。
【0007】
これまでにも、ダイアボディ型二重特異性抗体の例として、癌関連抗原の一種であり腺細胞上に多く見られる糖蛋白質であるMUC1に対する抗体と抗CD3抗体に由来する二重特異性を有し、更に、細菌性エンテロトキシン等のスーパー抗原が抗体の可変領域と同一のポリペプチドに含まれている、融合タンパク質が開発されている(特許文献1)。
【0008】
【特許文献1】
国際公開第WO2/06486号パンフレット
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、微生物を利用して製造された組換え蛋白質であるダイアボディ型二重特異性抗体は、化学合成された二重特異性抗体と較べて、効果及び投与後の安定性等の点で劣る場合があり、同程度の効果を得るには、高濃度の二重特異性抗体を含有する製剤を製造しなくてはならない等の解決すべき課題があった。
【0010】
一方、上皮細胞成長因子受容体(EGFR)は細胞膜結合型の糖蛋白質であり、その一種であるHER−2/neu(c−erbB−2) に対して特異的な抗体を単独で使用した場合に、乳癌患者の約2割で腫瘍の縮体等の効果が既に報告されている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題点を克服し更に優れた効果を有するダイアボディ型二重特異性抗体を作製すべく鋭意研究の結果、これまでに開発されたダイアボディ型二重特異性抗体及び化学合成された二重特異性抗体に比し、特にスーパー抗原を含んでいなくとも非常に低濃度でも顕著な効果を示すことが出来るダイアボディ型二重特異性抗体を作製することに成功した。更に、このヒト型化抗体も得ることが出来た。本発明は、かかる成果に基づき完成したものである。
【0012】
即ち、本発明は第一の態様として、ヒト上皮細胞成長因子受容体に対する第一の特異性、及び食作用又は細胞障害活性を有する細胞で発現される表面抗原に対する第二の特異性を有することを特徴とする、ダイアボディ型二重特異性抗体に係る。
第二の態様として、ダイアボディ型二重特異性抗体を構成する2種類の一本鎖ポリペプチドのいずれか一方の一本鎖ポリペプチド又はそれに含まれる各領域を構成するポリペプチドに係る。
第三の態様として、該一本鎖ポリペプチド又はそれに含まれる各領域をコードする核酸に係る。
第四の態様として、該核酸を含有する複製可能なクローニングベクター又は発現ベクターに係る。
第五の態様として、該ベクターで形質転換された宿主細胞に係る。
第六の態様として、上記形質転換された宿主細胞を培養し宿主細胞中で該核酸を発現せしめ、請求項13に記載の一本鎖ポリペプチドを回収し、精製することを特徴とする上記一本鎖ポリペプチドの製造方法に係る。
第七の態様として、上記一本鎖ポリペプチドを会合せしめ、形成されたダイアボディ型二重特異性抗体を分離して回収することを特徴とするダイアボディ型二重特異性抗体の製造方法に係る。
第八の態様として、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体、一本鎖ポリペプチド、核酸、ベクター、及び宿主細胞から成る群から選ばれたものを有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物に係る。
第九の態様として、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体を食作用又は細胞障害活性を有する細胞及びヒト上皮細胞成長因子受容体を発現する腫瘍細胞の培養系に添加することにより、食作用又は細胞障害活性を有する細胞におけるサイトカインの産生量を増加させる方法に係る。
【0013】
【発明の実施の形態】
本明細書において、「ダイアボディ型二重特異性抗体」とは、二つの抗原結合部位を有する抗体フラグメントであり且つ小さなフラグメントであるものを指し、該フラグメントは、H鎖の可変領域(VH)に結合するL鎖の可変領域(VL)をその同じポリペプチド鎖 (VH−VL) 中に含有しているものである。代表的なダイアボディは、同一の鎖の上にある該二つのドメインの間ではその対合を形成するには短すぎる長さのリンカーを使用することにより、そのドメインを別の鎖の相補性のドメインと対合せしめ、二つの抗原結合部位を作り出すものである。ダイアボディ及びその製造技術については、米国特許第4,704,692 号明細書;米国特許第4,946,778 号明細書;米国特許第5,990,275 号明細書;米国特許第5,994,511 号明細書;米国特許第6,027,725 号明細書;EP 404,097; WO93/11161; Hollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444−6448 (1993) を参照することができ、これらの文献における開示の内容はそれらを参照することにより本明細書の内容に含まれる。
【0014】
より具体的には、「ダイアボディ型二重特異性抗体」とは、例えば、上記特許文献1の図2に記載されているように、(1) 第一の抗体のH鎖の可変領域の抗原結合部位(a) と第二の抗体のL鎖の可変領域の抗原結合部位(b) とを同一のペプチド鎖上に有する第一のポリペプチド(i)、及び(2) 第一の抗体のL鎖の可変領域の抗原結合部位(c) と第二の抗体のH鎖の可変領域の抗原結合部位(d)とを同一のペプチド鎖上に有する第二のポリペプチド(ii)を含有し、異なる二種の抗原認識能を有する融合蛋白質を意味する。
【0015】
従って、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体において、上記の第一の抗体はヒト上皮細胞成長因子受容体に抗体であり、第二の抗体は食作用又は細胞障害活性を有する細胞で発現される抗原に対する抗体である。本明細書の実施例で示されるように、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体は、インビボ及びインビトロにおいて優れた細胞障害活性を有するものである。
【0016】
これら各抗体を産生する動物種に特に制限はないが、通常、ヒト、マウス及びラット等の哺乳類に由来するものである。更に、抗体の構造にも特に制限はないが、ハイブリドーマによって産生されるモノクローナル抗体は単一の抗原部位を認識し且つそれに対する特異性が高い為に、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体を製造する上で好適である。
【0017】
ヒト上皮細胞成長因子受容体(EGF受容体)は、EGFファミリーの受容体であり、約170kDaの糖蛋白質である。これまでに、HER−1/Erb1、HER−2/Erb2,HER−3/Erb3及びHER−4/Erb4の4種類が同定されている。ここで、HER−2は腺癌(肺癌、胃癌、大腸癌、乳癌、及び卵巣癌)の30〜40%で発現している。一方、HER−1/Erb1は、頭頚部癌で80%>、乳癌で14〜91%、非小細胞肺癌で40〜80%、大腸癌で25〜77%、膵臓癌で30〜50%、前立腺癌で40〜80%、卵巣癌で35〜70%、胃癌で33〜74%の割合で発現が認められている。このように、EGF受容体はヒト癌表面抗原又は癌関連抗原である。
【0018】
従って、本発明において「ヒト上皮細胞成長因子受容体」とは、これまでに同定された少なくとも上記の4種類のEGF受容体が含まれる。ヒト上皮細胞成長因子受容体に対する抗体は当業者に公知であるが、それらの中でも、本発明においては、ヒト上皮細胞成長因子受容体1(Her1)に対する第一の特異性を有するダイアボディ型二重特異性抗体が好適である。このような特異性を提供できる抗体の一例としてマウスB細胞ハイブリドーマ528が産生するモノクローナル抗体である抗ヒト上皮細胞成長因子受容体抗体528を挙げることが出来る。従って、本発明の好適例において、第一の特異性が抗ヒト上皮細胞成長因子受容体抗体528のH鎖及びL鎖の可変領域(図1)に由来する。
【0019】
本明細書おいて「食作用又は細胞障害活性を有する細胞」の例としては、例えばNK細胞、マクロファージ、T−LAK 細胞などのT細胞などが挙げられ、好ましくは細胞傷害性T細胞として知られたT−LAK 細胞である。該細胞で発現される表面抗原としては、例えばCD2, CD3, CD4, CD5, CD6, CD8, CD16, CD28, CD44などが挙げられ、好ましくは細胞障害性T細胞で発現されるCD3 が挙げられる。
【0020】
このような表面抗原に対するモノクローナル抗体としては、当業者に公知のOKT3, T3, Leu4, T11, OKT11, Leu5b, NU−T1, T4, OKT4, Leu3a, NU−TH/I, T8, OKT8, Leu2a, NU−Ts/cなどが挙げられ、好ましくはOKT3, T3, Leu4などが挙げられる。従って、本発明の好適例において、第二の特異性は抗CD3抗体OKT3のH鎖及びL鎖の可変領域に由来する。
【0021】
本発明のダイアボディ型二重特異性抗体の可変領域を提供する抗体としては、上記に挙げた当業者に公知の市販されている各種の抗体に加えて、ヒト上皮細胞成長因子受容体、又は、食作用又は細胞障害活性を有する細胞で発現される表面抗原を免疫原として用いて、当業者に周知の各種方法で作成することが出来る。
【0022】
例えば、ポリクローナル抗体であれば、マウス等の動物の体内にこれらの免疫原及び必要に応じてアジュバントを複数回、皮下及び腹腔内等の適当な径路で注射することによって、動物の体内に生成せしめることが出来る。
【0023】
一方、モノクローナル抗体は、Kohler & Milstein, Nature 256: 495(1975)により最初に記述されたハイブリドーマ法を使用して実質的に均質な抗体の母集団から得られるし、あるいは組換えDNA法(米国特許第4,816,567 号明細書)によって作ることができる。
【0024】
更に、別法としては、トランスジェニック動物(例えばマウス)を作成して、この体内でヒト抗体を産生させることが可能である(例えば、Duchosal et al., Nature 355:258 (1992); Jakobovits et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 2551 (1993); Jakobovits et al., Nature 362: 255−258(1993); Bruggermann et al., Year in Immunol. 7: 33 (1993)参照)。また、ヒト抗体はファージ・ディスプレイライブラリーから誘導することもできる (Marks et al., J. Mol. Biol. 222: 581−597 (1991); Hoogenboom et al., J. Mol. Biol. 227: 381 (1991); Hoogenboom et al., Immunol. Rev. 130: 41−68 (1992); Vaughan et al., Nature Biotech. 14: 309 (1996))。
【0025】
上記の抗体を得るための更なる方法として、抗体または抗体断片は、例えばMcCafferty et al., Nature, 348: 552−554(1990) に記載されている技術を使用して抗体ファージライブラリーから、単離することができる (Clackson et al., Nature, 352: 624−628 (1991)及びMark et al., J, Mol. Biol. 222: 581−597(1991) には、ファージライブラリーを使用したマウス及びヒト抗体の単離についてのそれぞれの記載がある) 。適当な抗体または抗体断片を選択するためには、上記抗原を使用して行うことができる。さらには、チェイン・シャッフリング法(chain shuffling) によって高親和性(nMのオーダーの範囲)のヒト抗体を産生したり(Mark et al., Bio/Technol. 10: 779−783 (1992)) 、極めて大きいファージライブラリーを構築するための手法として、組合せ感染 (combinatorial infection)及びインビボ組換え(Waterhouse et al., Nuc. Acids Res., 21: 2265−2266 (1993)) なども知られている。
【0026】
本発明のダイアボディ型二重特異性抗体を構成する2つのポリペプチドの少なくとも一方において、H鎖の可変領域とL鎖の可変領域とを連結するリンカーを含有している。本明細書中、「リンカー(linker)」とは、H鎖の可変領域(VH)とL鎖の可変領域(VL)とを結合して一本鎖ポリペプチドを与える働きをするオリゴペプチド又はポリペプチドを指している。本明細書では、好ましくは該リンカーはペプチドリンカーである。該ペプチドリンカーは、二つのポリペプチドを機能的に結合せしめて一つの一本鎖ポリペプチドを与えることのできるものであれば特に限定されず、例えば当該分野で広く知られたものあるいは該公知のリンカーを改変したものの中から選択して使用することが可能である。該ペプチドリンカーは、例えば1〜約50個のアミノ酸からなるペプチドであってよく、好ましくは約2〜30個のアミノ酸からなるペプチド、さらに好ましくは約2〜20個のアミノ酸からなるペプチドが挙げられる。ここで「機能的に結合」せしめるとは、ポリペプチドを適切に折り畳み(folding) 、オリジナルのタンパク質(当該ポリペプチドは該オリジナルのタンパク質に由来するものあるいは該オリジナルのタンパク質から誘導されたものである)の機能、例えば生物活性などの一部あるいはその全てを模擬することができる三次元構造を持った融合タンパク質を与えるような結合を意味する。
【0027】
また、当該リンカーの長さは、結合されるプチドの性状にもよるが、生成する一本鎖ポリペプチド(あるいは融合タンパク質)に所望の活性を与えるものであればよい。該リンカーの長さは、生成せしめられる一本鎖ポリペプチドが適切に折り畳まれて所望の生物活性を得るに十分な長さのものであるべきである。また該リンカーの長さは、所望の生物活性について各種の長さのリンカーで結合した一連の一本鎖ポリペプチドをテストすることにより実験して決定することができる。リンカーについては、上記ダイアボディ及びその製造技術に関連して挙げられた文献などを参照することができる。
【0028】
尚、一本鎖ポリペプチドにおけるVLとVHの配置は、N−末端側がVLでそれにリンカー、続いてVHと配置されているもの(VL−Linker−VH 構築体) でも、N−末端側がVHでそれにリンカー、続いてVLと配置されているもの(VH−Linker−VL 構築体) のいずれであってもよい。
【0029】
本発明のダイアボディ型二重特異性抗体はヒト型化抗体とすることが可能である。これらのヒト型化抗体は、例えばマウス抗体由来の高い反応特異性を有する一方で、その他の部分をヒト抗体由来とすることによって、ヒトに投与された際に免役原となり得る可能性が低減されている為にヒトに対する臨床上極めて有利な抗体である。
【0030】
「ヒト型化抗体」とは、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)の相補性決定領域 (complementarity−determining region; CDR)の残基の少なくとも一部において、マウス、ラット、またはウサギといったような非ヒト動物(ドナー抗体)であり且つ所望の特異性、親和性、および能力を有するCDR に由来する残基によって置換されている抗体を意味する。いくつかの場合において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク(FR)残基が、対応する非ヒト残基によって置換される場合もある。さらに、ヒト型化抗体は、レシピエント抗体および導入されたCDR またはフレームワーク配列のいずれにおいても見出されない残基を含み得る。これらの改変は、抗体の性能をさらに優れたものあるいは最適なものとするために行われる。更に詳しくは、Jones et al., Nature 321, 522−525 (1986); Reichmann et al., Nature 332, 323−329 (1988);EP−B−239400; Presta, Curr. Op. Struct. Biol. 2, 593−596(1992); およびEP−B−451216 を参照することができる。
【0031】
ヒト型化抗体は当業者に公知の方法に従って作成することが出来る。例えば、レシピエント抗体及びドナー抗体の3次元イムノグロブリンモデルを使用し、種々の概念的ヒト型化生成物を分析する工程により、ヒト型化抗体が調製される。3次元イムノグロブリンモデルは、当業者にはよく知られている。更に詳細については、WO92/22653を参照することができる。
【0032】
従って、ヒト型化抗体である本発明のダイアボディ型二重特異性抗体の例として、可変領域における相補性決定領域(CDR)がマウス抗体由来であり、その他の部分がヒト抗体由来である抗体を挙げることができる。更にその好適例として、ヒト型化抗CD3抗体OKT3由来の可変領域におけるCDRが図21に示されたアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3の少なくとも一つのCDRを有し、且つ、ヒト型化抗ヒト上皮細胞成長因子受容体抗体528由来の可変領域におけるCDRが図22に示されたアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3の少なくとも一つのCDRを有すること特徴とするダイアボディ型二重特異性抗体がある。特に、ヒト型化抗CD3抗体OKT3由来のH鎖及びL鎖の可変領域が図21に示されたアミノ酸配列(配列番号27及び28)有し、且つ、ヒト型化抗ヒト上皮細胞成長因子受容体抗体528由来のH鎖及びL鎖の可変領域が図22に示されたアミノ酸配列(配列番号29及び30)を有することを特徴とするダイアボディ型二重特異性抗体が好ましい。
【0033】
本発明では更に、ヒト型化によって抗体自身の機能低下等が生起する場合があるので、一本鎖ポリペプチド中の適当な部位、例えば、CDR構造に影響を与える可能性があるフレームワーク(FR)中の部位、例えば、canonical 配列又はveriner 配列において部位特異的変異を起こさせることによってヒト型化抗体の機能の改善をすることが出来る。このようにして得られた抗体も本発明のヒト型化ダイアボディ型二重特異性抗体に含まれる。
【0034】
既に記載したように、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体は2種類の一本鎖ポリペプチドから構成されるが、本発明はそのいずれか一方の一本鎖ポリペプチド又はそれに含まれる各領域(例えば、各抗体由来の夫々の可変領域)を構成するポリペプチドにも係るものである。すでに記載したように、この一本鎖ポリペプチドは第一(又は第二)の抗体のH鎖の可変領域及び第二(又は第一)の抗体のL鎖、並びにこれらを連結するリンカーから構成されるが、更に、ブドウ球菌エンテロトキシン、大腸菌エンテロトキシン及びコレラ菌エンテロトキシンに代表される細菌性エンテロトキシンまたはそれらの各種誘導体等を含むことも出来る。更に、製造した一本鎖ポリペプチドの検出及び精製等を容易にする目的のために、当業者に公知の各種のペプチドタグ(例えば、c−mycタグ及びHis−tag)をその末端等に含むことが出来る。
【0035】
但し、これらのスーパー抗原はMHCclassIIに対する強力な親和力によるサイトカイン依存性トキシックショック症候群を起こす可能性があることが知られている。それに対して、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体は、以下の実施例に示されているように、このようなスーパー抗原を含まない場合でも、非常に高い細胞障害活性を奏功することができる為に、スーパー抗原の有するこのような潜在的な危険性を回避できるという利点を有する。
【0036】
本発明の一本鎖ポリペプチド又はそれに含まれる各領域をコードする核酸は当業者に公知の方法で取得し、その塩基配列を決定することが出来る。例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することのできるオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより行うことができる (R. Orlandi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 3833−3837 (1993))。上記したモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、こうした方法におけるDNAの供給源として使用することが出来る。
【0037】
より具体的には、本発明の一本鎖ポリペプチドをコードする核酸は、既に構築され当業者に公知である、一本鎖Fv((single−chain Fv)又は「scFv」)又はダイアボディ型二重特異性抗体をコードする核酸に基づき、その中のVHないしVLを別の特異性を有する抗体由来のものと夫々入れ換えることによって調製することが出来る。ここで「scFv」とは、ある抗体のVHとVLのドメインを含有しているもので、該ドメインが一本のポリペプチド鎖中にあるものを指している。一般的には該FvポリペプチドはさらにVHとVLのドメイン間にポリペプチドリンカーを含有し、抗原結合のために必要な構造を与えることを可能にしている。scFvについては、Rosenburg and Moore (Ed.), “The Pharmacology of Monoclonal Antibodies”, Vol. 113, Springer−Verlag, New York, pp.269−315 (1994)を参照することができる。
【0038】
更に、ヒト型化されたダイアボディ型二重特異性抗体の一本鎖ポリペプチドにおける可変領域をコードする核酸を作成する場合には、以下の実施例に記載されているように、予め設計されたアミノ酸配列に基づきオーバーラップPCR法により全合成することができる。尚、「核酸」とは、一本鎖ポリペプチドをコードする分子であれば、その化学構造及び取得経路に特に制限はなく、例えば、gDNA、cDNA、化学合成DNA及びmRNA等を含むものものである。
【0039】
具体的には、cDNAライブラリーから、文献記載の配列に基づいてハイブリダイゼーションにより、あるいはポリメラーゼチェインリアクション(PCR) 技術により単離されうる。一旦単離されれば、DNA は発現ベクター中に配置され、次いでこれを、大腸菌(E. coli 細胞、COS 細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞) 、またはイムノグロブリンを産生しないミエローマ細胞等の宿主細胞にトランスフェクションさせ、該組換え宿主細胞中でモノクローナル抗体を合成させることができる。PCR 反応は、当該分野で公知の方法あるいはそれと実質的に同様な方法や改変法により行うことができるが、例えば R. Saiki, et al., Science, 230: 1350, 1985; R. Saiki, et al., Science, 239: 487, 1988 ; H. A. Erlich ed., PCR Technology, Stockton Press, 1989 ; D. M. Glover et al. ed., “DNA Cloning”, 2nd ed., Vol. 1, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995) ; M. A. Innis et al. ed., “PCR Protocols: a guide to methods and applications”, Academic Press, New York (1990)); M. J. McPherson, P. Quirke and G. R. Taylor (Ed.), PCR: a practical approach, IRL Press, Oxford (1991); M. A. Frohman et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, 8998−9002 (1988)などに記載された方法あるいはそれを修飾したり、改変した方法に従って行うことができる。また、PCR 法は、それに適した市販のキットを用いて行うことができ、キット製造業者あるいはキット販売業者により明らかにされているプロトコルに従って実施することもできる。
【0040】
ハイブリダイゼーションについてはL. Grossman et al. (ed.), “Methods in Enzymology”, Vol. 29 (Nucleic Acids and Protein Synthesis, Part E), Academic Press, New York (1974) などを参考にすることができる。DNA など核酸の配列決定は、例えばSanger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74: 5463−5467 (1977)などを参考にすることができる。また一般的な組換えDNA 技術は、J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis (ed.), “Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd edition)”, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York (1989)及び D. M. Glover et al. (ed.), “DNA Cloning”, 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995) などを参考にできる。
【0041】
こうして取得された本発明のダイアボディ型二重特異性抗体を構成する一本鎖ポリペプチド又はそれに含まれる各領域をコードする核酸は、目的に応じて、当業者に公知の手段により適宜所望のペプチド又はアミノ酸をコードするように改変することができる。この様にDNA を遺伝子的に改変又は修飾する技術は、Mutagenesis: a Practical Approach, M.J.Mcpherson (Ed.), (IRL Press, Oxford, UK(1991) における総説において示されており、例えば、位置指定変異導入法(部位特異的変異導入法)、カセット変異誘発法及びポリメラーゼチェインリアクション(PCR) 変異生成法を挙げることができる。
【0042】
ここで、核酸の「改変」とは、得られたオリジナルの核酸において、アミノ酸残基をコードする少なくとも一つのコドンにおける、塩基の挿入、欠失または置換を意味する。例えば、オリジナルのアミノ酸残基をコードするコドンを、別のアミノ酸残基をコードするコドンにより置換することにより一本鎖ポリペプチドを構成するアミノ酸配列自体を改変する方法がある。このようにして、本発明のヒト型化されたダイアボディ型二重特異性抗体を構成する一本鎖ポリペプチドを得ることが出来る。
【0043】
又は、本明細書の実施例に記載されているように、アミノ酸自体は変更せずに、その宿主細胞にあったコドン(至適コドン)を使用するように、一本鎖ポリペプチドをコードする核酸を改変することも出来る。このように至適コドンに改変することによって、宿主細胞内における一本鎖ポリペプチドの発現効率等の向上を図ることが出来る。
【0044】
尚、リンカー及びスーパー抗原等は、組換え技術等の遺伝子工学的手法及びペプチド化学合成等の当業者に公知の任意の技術手段を用いて、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体を構成する一本鎖ポリペプチド内に適宜導入することが出来る。
【0045】
一本鎖ポリペプチドは、当業者に公知の方法、例えば、遺伝子工学的手法又は化学合成等の各種手段を用いて製造することが出来る。遺伝子工学的手法としては、例えば、上記核酸を含有する複製可能なクローニングベクター又は発現ベクターを作製し、このベクターで宿主細胞を形質転換せしめ、該形質転換された宿主細胞を培養して宿主細胞中で該核酸を発現せしめ、それを回収し、精製することによって製造することが出来る。通常、このようなベクターには本発明のダイアボディ型二重特異性抗体を構成する2種類の一本鎖ポリペプチドのうちのいずれか一方の一本鎖ポリペプチドをコードする核酸が含まれている。このような場合には得られる2種類のベクターは同一の宿主細胞に導入することが好ましい。或いは、2種類の一本鎖ポリペプチドの夫々をコードする2種類の核酸を同一のベクターに含有させることも可能である。
【0046】
ここで、「複製可能な発現ベクター(replicable expression vector)」および「発現ベクター(expression vector) 」は、DNA(通常は二本鎖である)の断片(piece) をいい、該DNAは、その中に外来のDNAの断片を挿入せしめることができる。外来のDNAは、異種DNA (heterologous DNA)として定義され、このものは、対象宿主細胞においては天然では見出されないDNA である。ベクターは、外来DNAまたは異種DNA を適切な宿主細胞に運ぶために使用される。一旦、宿主細胞中に入ると、ベクターは、宿主染色体DNA とは独立に複製することが可能であり、そしてベクターおよびその挿入された(外来)DNA のいくつかのコピーが生成され得る。さらに、ベクターは外来DNAのポリペプチドへの翻訳を可能にするのに不可欠なエレメントを含む。従って、外来DNAによってコードされるポリペプチドの多くの分子が迅速に合成されることができる。
【0047】
このようなベクターは、適切な宿主中で DNA配列を発現するように、適切な制御配列(control sequence)とそれが機能するように(operably)(即ち、外来DNAが発現できるように)連結せしめられたDNA配列を含有する DNA構築物(DNA construct) を意味している。そうした制御配列としては、転写(transcription) させるためのプロモーター、そうした転写を制御するための任意のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードしている配列、エンハンサー、リアデニル化配列、及び転写や翻訳(translation) の終了を制御する配列等が挙げられる。更にベクターは、、当業者に公知の各種の配列、例えば、制限酵素切断部位、薬剤耐性遺伝子等のマーカー遺伝子(選択遺伝子)、シグナル配列、リーダー配列等を必要に応じて適宜含むことが出来る。これらの各種配列又は要素は、外来DNAの種類、使用する宿主細胞、培養培地等の条件に応じて、当業者が適宜選択して使用することが出来る。
【0048】
該ベクターは、プラスミド、ファージ粒子、あるいは単純にゲノムの挿入体(genomic insert)等の任意の形態が可能である。一旦、適切な宿主の中に形質転換で導入せしめられると、該ベクターは宿住のゲノムとは独立して複製したり機能するものであり得る。又は、該ベクターはゲノムの中に組み込まれるものであってもよい。
【0049】
宿主細胞としては当業者に公知の任意の細胞を使用することができるが、例えば、代表的な宿主細胞としては、大腸菌(E. coli) 等の原核細胞、及び、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞) 、ヒト由来細胞などの哺乳動物細胞、酵母、昆虫細胞等の真核細胞が挙げることができる。
【0050】
このような宿主細胞における発現等により得られた一本鎖ポリペプチドは、好ましくは一本鎖ポリペプチドは、一般に分泌されたポリペプチドとして培養培地から回収されるが、それが分泌シグナルを持たずに直接に産生された場合には宿主細胞溶解物から回収することが出来る。一本鎖ポリペプチドが膜結合性である場合には、適当な洗浄剤(例えば、トライトン−X100) を使用して膜から遊離せしめることができる。
【0051】
精製操作は当業者に公知の任の方法を適宜組み合わせて行うことが出来る。例えば、遠心分離、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、イオン交換カラム上での分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、ヘパリンセファロースでのクロマトグラフィー、陰イオンまたは陽イオン樹脂クロマトグラフィー(ポリアスパラギン酸カラム等)、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、硫酸アンモニウム沈殿、及びアフィニティクロマトグラフィーによって好適に精製される。アフィニティクロマトグラフィーは、一本鎖ポリペプチドが有するぺプチドタグとの親和力を利用した効率が高い好ましい精製技術の一つである。
【0052】
尚、回収された一本鎖ポリペプチドは不溶性画分に含まれていることも多いために、精製操作は、一本鎖ポリペプチドを可溶化し変性状態にした上で行うことが好ましい。この可溶化処理は、エタノールなどのアルコール類、グアニジン塩酸塩、尿素などの解離剤として当業者に公知の任意の薬剤を使用して行うことが出来る。
【0053】
更に、こうして精製された一本鎖ポリペプチドを会合(巻き戻し)せしめ、形成されたダイアボディ型二重特異性抗体を分離して回収することによって、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体を製造することが出来る。
【0054】
会合処理は、単独の一本鎖ポリペプチドを適切な空間的配置に戻すこによって、所望の生物活性を有する状態に戻すことを意味する。従って、会合処理は、ポリペプチド同志あるいはドメイン同志を会合した状態に戻すという意味も有しているので「再会合」ともいうことができるし、所望の生物活性を有するものにするという意味で、再構成ということもでき、或いは、リフォールディング (refolding)とも呼ぶことが出来る。会合処理は当業者に公知の任意の方法で行うことが出来るが、例えば、透析操作により、一本鎖ポリペプチドを含むバッファ溶液中の変性剤(例えば、塩酸グアニジン)の濃度を段階的に下げる方法が好ましい。この過程で、凝集抑制剤、及び酸化剤を反応系に適宜添加することによって、酸化反応の促進を図ることも可能である。形成されたダイアボディ型二重特異性抗体の分離及び回収も当業者に公知の任意の方法で行うことが出来る。
【0055】
本発明の医薬組成物は、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体、特にヒト型化されたダイアボディ型二重特異性抗体、一本鎖ポリペプチド、核酸、ベクター、及び形質転換された宿主細胞から成る群から選ばれたものを有効成分として含有することを特徴とする。かかる有効成分は、以下の実施例に示されているように、インビトロ及びインビボで上皮細胞成長因子受容体を発現する(陽性)腫瘍細胞を有意に排除・殺傷・傷害する作用を有しているので、本発明の医薬組成物はこのような腫瘍細胞に対する抗腫瘍剤として使用することが出来る。
【0056】
更に、以下の実施例に示されているように、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体を食作用又は細胞障害活性を有する細胞及びヒト上皮細胞成長因子受容体を発現する腫瘍細胞とインビボ又はインビトロで共存させることにより、食作用又は細胞障害活性を有する細胞におけるサイトカイン(例えば、IFN−γ、GM−CSF、TFN−α等)の生産量を増加させることが出来るので、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体又はそれを有効成分として含有する医薬組成物はこの目的の為に使用することも出来る。例えば、インビトロでは、上記2種類の細胞を含む培養系に本発明のダイアボディ型二重特異性抗体を添加することによってサイトカインの生産を増加させることができる。
【0057】
本発明の有効成分の有効量は、例えば治療目的、腫瘍の種類、部位及び大きさ等の投与対象における病状、患者の諸条件、及び投与経路等によって当業者が適宜決めることが出来る。典型的な1回の投与量又は日用量は、上記の条件に応じ、可能ならば、例えば当分野で既知の腫瘍細胞の生存又は生長についての検定法を使用して、まずインビトロで、そして次に、人間の患者のための用量範囲を外挿し得る適切な動物モデルで、適当な用量範囲を決定することもできる。
【0058】
本発明の医薬組成物には、有効成分の種類、薬剤形態、投与方法・目的、投与対象の病態等の各種条件に応じて、有効成分に加えて当業者に周知の薬学上許容し得る各種成分(例えば、担体、賦形剤、緩衝剤、安定化剤、等)を適宜添加することが出来る。
【0059】
本発明の医薬組成物は、上記各種条件に応じて、錠剤、液剤、粉末、ゲル、及び、噴霧剤、或いは、マイクロカプセル、コロイド状分配系(リポソーム、マイクロエマルジョン等)、及びマクロエマルジョン等の種々薬剤形態をとり得る。
【0060】
投与方法としては、静脈内、腹腔内、脳内、脊髄内、筋肉内、眼内、動脈内、特には胆管内、又は病変内経路による注入又は注射、及び持続放出型システム製剤による方法が挙げられる。本発明の活性物質は、輸液により連続的に、または大量注射により投与されることができる。尚、本発明の医薬組成物を投与する場合には、食作用又は細胞障害活性を有する細胞と共に投与することが好ましい。或いは、投与前に本発明のダイアボディ型二重特異性抗体のような有効成分と上記細胞とを混合することによって、投与前に該抗体を予め該細胞に結合させておくことが好ましい。
【0061】
持続放出製剤は、一般的には、そこから本発明の活性物質をある程度の時間放出することのできる形態のものであり、持続放出調製物の好適な例は、蛋白質を含む固体疎水性ポリマーの半透過性担体を含み、該担体は、例えばフィルムまたはマイクロカプセル等の成型物の形態のものである。
【0062】
本発明の医薬組成物は、当業者に公知の方法、例えば日本薬局方解説書編集委員会編、第十三改正 日本薬局方解説書、平成8年7月10日発行、株式会社廣川書店などの記載を参考にしてそれらのうちから必要に応じて適宜選択して製造することができる。
【0063】
なお、明細書及び図面において、用語は、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるか、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。
【0064】
以下に実施例を参照して本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。本発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。
【0065】
全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。 なお、以下の実施例において、特に指摘が無い場合には、具体的な操作並びに処理条件などは、DNA クローニングでは J. Sambrook, E. F. Fritsch & T. Maniatis, “Molecular Cloning”, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor, N. Y. (1989) 及び D. M. Glover et al. ed., “DNA Cloning”, 2nd ed., Vol. 1 to 4, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995) ; 特にPCR 法では、H. A. Erlich
ed., PCR Technology, Stockton Press, 1989 ; D. M. Glover et al. ed.,“DNA Cloning”, 2nd ed., Vol. 1, (The Practical Approach Series), IRL Press, Oxford University Press (1995) 及び M. A. Innis et al. ed.,“PCR Protocols”, Academic Press, New York (1990)に記載の方法に準じて行っているし、また市販の試薬あるいはキットを用いている場合はそれらに添付の指示書(protocols) や添付の薬品等を使用している。
【0066】
【実施例1】
【0067】
実施例 抗上皮細胞増殖因子受容体 (EGFR) 抗体のクローニング
抗EGFR抗体産生マウスB細胞ハイブリドーマ528を東北大学加齢医学研究所付属医用細胞資源センターより分譲して頂き、ISOGEN(ニッポンジーン社)を用いmRNAを抽出、First−Strand cDNA Synthesis Kit(Amersham Biosciences社)によりcDNAを調製した。このcDNAを参考論文1に基づき合成したクローニングプライマーを用いPCRを行い528可変領域VH(以下5H)、VL(以下5L)の配列を明らかにした(図1)。
【0068】
○参考論文1 − Krebber, A. et al. Reliable cloning of functional antibody variable domains from hybridomas and spleen cell repertoires employing a reengineered phage display system. J Immunol Methods 201, 35−55. (1997).
【0069】
実施例 Ex3 diabody 発現ベクターの作製
本発明のダイアボディ型二重特異性抗体の代表例であるEx3 diabody(以下Ex3)は5HOLとOH5Lの二つの分子から作製される。発現ベクターはすでに本発明者らによって構築されているMUC1及びCD3を標的としたMx3 diabody(以下Mx3)発現ベクターを基に作製した(特許文献1参照)。即ち、制限酵素部位を導入したA−Bプライマーを用いPCR法により5Hを増幅後NcoI−EagIで消化し、Mx3発現ベクターの一つpSNE4−MHOL(抗MUC1抗体MUSE11 VH(以下MH)−GGGGS(以下G1)−抗CD3抗体OKT3 VL(以下OL))のMHと入れ換えpRA−5HOLを作製した。同様にC−Dプライマーを用い5Lを増幅後EcoRV−SacIIで消化し、pSNE4−OHML(OKT3 VH(以下OH)−G1−MUSE11 VL(以下ML))のMLと入れ換えpRA−OH5Lを作製した(図2)。C末端側には検出のためのc−mycペプチドタグ、並びに精製のためのHis−tag (Hisx6:ヒスチジン6量体tag)が並列に導入されている。
【0070】
Figure 2004242638
【0071】
実施例 大腸菌を用いた 5HOL 並びに OH5L の発現
発現ベクターpRA−5HOLとpRA−OH5Lでそれぞれ大腸菌BL21(DE3)を形質転換し、培養は2xYT培地を用い28℃で行った。O.D.600=約0.8となったところで、終濃度1mMのIPTGにより発現を誘導し、一晩振盪培養した。菌体を遠心分離後(この操作により分けられた上清を培地上清とする)、超音波破砕し、さらに遠心分離後の上清を菌体内可溶性画分、沈殿を菌体内不溶性画分とした。各画分のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、及びWestern−blottingを行った結果、5HOL、OH5L共にほとんどが菌体内不溶性画分に発現していることが確認されたため、この画分からの蛋白質の調製を行った(図3)。
【0072】
実施例 5HOL OH5L の精製、及び巻き戻し
菌体内不溶性画分を6M塩酸グアニジン/PBSに一晩4℃で浸し、タンパク質を可溶化した後、変性状態でHis Tagと特異的に結合する金属キレート樹脂(TALONTM:CLONTECH社)を用いた金属キレートアフィニティークロマトグラフィーにより精製を行った。精製後の収量は形質転換培養液1L当たりそれぞれ約5mgであった。
【0073】
精製されたタンパク質は塩酸グアニジンにより変性状態となっているので活性を保持した三次構造をもつタンパク質を得るためには巻き戻し操作が必要となる。5HOL、OH5Lそれぞれを7.5μMに希釈し等量混合(全蛋白質濃度7.5μM:Ex3濃度3.75μM)した後、全蛋白質の50倍量の2−メルカプトエタノール(β−Me、終濃度375μM)を添加し4℃で4時間静置し、還元反応を行った。続いてサンプルを透析膜に入れ外液の塩酸グアニジン濃度を3M(6hr)、2M(6hr)、1M(12hr)、0.5M(12hr)、0Mと徐々に下げていく段階透析法によって、変性剤の除去を行い、途中の1Mと0.5Mの透析段階において、酸化剤として酸化型グルタチオン(GSSG)を終濃度375μM、凝集抑制剤としてL−アルギニン(L−Arg)を終濃度0.4M透析外液に加え4℃に保温することによる酸化反応の促進を図った(図4)。巻き戻し効率は約30%だった。精製、5HOL、OH5L等量混合後巻き戻したEx3のSDS−PAGEから非常に精製度が高く、かつ均一なヘテロ二量体を形成していることが確認された(図3)。
【0074】
実施例 Ex3 の機能評価▲1▼ − Flow cytometric analysis
フローサイトメトリー(Flow cytometry)によりEx3の各細胞に対する結合を調べた。標的細胞に対し一次抗体としてEx3を100μL加え30分、4℃で静置後、0.1%NaN/PBSで2回洗浄し、続いて二次抗体としてanti−c−myc抗体を加え同様の操作を行った。最後に三次抗体としてFITC標識したanti−mouse
抗体を加え同様の操作を行った後、蛍光を測定した。ネガティブコントロール(以下NC)は二次抗体以降の操作を行い、ポジティブコントロール(以下PC)には二次抗体としてT−LAK細胞に対してはOKT3 IgG、TFK−1細胞(ヒト胆菅癌細胞株)に対しては528 IgGをそれぞれ用いた。結果はどちらの細胞に対しても結合することが分かった(図5(上))。
【0075】
また生理的な条件下(37℃、RPMI 1640培地中)で48時間静置後、同様の操作を行い安定性を調べた結果、結合活性にほとんど変化はなかった(図5(下))。
【0076】
さらに、Ex3の認識部位が各親抗体IgGと同じであるかを調べるため、一次抗体としてEx3を加えた後、PCと同様の操作を行い親抗体の結合阻害を調べた。結果は、通常のPCに比べて結合能の低下が見られたためEx3と各親抗体の認識部位は同じであることが示された(図6)。
【0077】
Ex3を過剰のT−LAK細胞、あるいはTFK−1細胞と反応させた後の上清をそれぞれの細胞に対してFlow cytometryを行う吸収試験を行った結果、どの組み合わせにおいても結合能が低下した。Ex3溶液の中でT−LAK細胞に結合する分子とTFK−1細胞に結合する分子が異なっている場合は結合の低下が起こらないため、この結果よりEx3一分子が両方の細胞に対して結合する、即ち二重特異性を有していることが分かった(図7)。
【0078】
実施例 Ex3 の機能評価▲2▼ 顕微鏡観察
癌細胞を一晩培養し付着させた後、T−LAK細胞単独、またはEx3と混合したT−LAK細胞を加えて経時的に顕微鏡観察を行った。T−LAK単独では12時間後でもほとんど変化がないのに対して、Ex3を添加したプレートでは2時間後には癌細胞周辺へのT−LAKの集簇開始が観察され、12時間後にはほぼすべてのT−LAK細胞が癌細胞に集簇した(図8)。
尚、本明細書に添付の図中、「E/T」又は「Effector/Target」はeffector(T−LAK細胞)/target(TFK−1細胞)比を意味する。
【0079】
また各種IgGを加えた阻害試験では、添加後18時間で親抗体であるOKT3、及び528IgGを加えたプレートではほぼ完全に集簇が見られなかったのに対し、系に無関係のOKT8(抗CD8抗体)、MUSE11(抗MUC1抗体)IgGを加えたプレートではIgGを加えなかった場合と同様の集簇が見られた(図9)。
【0080】
実施例 Ex3 の機能評価▲3▼ − in vitro 細胞傷害試験 (MTS assay)
MTS assay により、TFK−1細胞がT−LAK細胞によりどれほど傷害されたかを測定した。セルカウントを行い、RPMI 100μLあたり細胞10個になるよう調整し、96穴プレートに100μLずつ分注、37℃で一晩静置した。目的蛋白質を目的濃度になるようにRPMIで希釈、前日準備したプレートに蛋白質を50μLずつ分注。LAK 細胞を目的E/T比になるようにRPMIで希釈し、50μLずつ分注した。37℃で48時間培養した後、プレートの培養液を取り除き、PBS により洗浄、MTS、PMS、RPMIを加え、37℃で30〜60分インキュベートした。プレートリーダーで490nm の吸光度を測定した。その結果、従来のMx3あるいは、mSEAを融合したmSEA−Mx3に比べ非常に強い効果が見られた。TFk−1細胞を100%殺傷するのに必要なEx3の濃度はmSEA−Mx3が同等の効果を示す量の約1/100である1pmol/mL(約60ng/mL)という低濃度であった(図10)。(注) MTS 試薬 (CellTiter 96 AQueous Non−Radioactive Cell Proliferation Assay, Promega社製) 、PMS(CellTiter 96 AQueous Non−Radioactive Cell Proliferation Assay,Promega 社製)
【0081】
またOKT3 scFvと528 scFvを等mol混合した場合とEx3の効果を比較検討した結果、scFv同士の混合では高濃度でもまったく傷害活性が得られなかった。このことから各々の抗体の効果(OKT3のCD3刺激によるT−LAKの活性化能、及び528のEGFRブロックによるTFK−1の成長阻害)だけではなく、リンパ球と癌細胞の物理的な架橋、即ち二重特異性抗体により接近させることが重要であることが分かる(図11)。
【0082】
実施例 Ex3 の機能評価▲4▼ − in vitro 細胞傷害試験 51 Cr release assay)
in vitroでの細胞傷害活性の評価はMTS assayにより簡便に行えるが、これは腫瘍細胞の成長阻害(growth inhibition)を評価する方法でまた付着細胞にしか用いることができない。このため直接的な傷害活性(cytotoxicity)を調べるため51Cr release assayを行った。結果はEx3の添加によりE/T比に依存した有意な傷害活性が見られ、また養子免疫療法としてT−LAK細胞のような一旦体外で活性化させたリンパ球を使わない場合を想定したPBMC(末梢血単核球; peripheral blood mononuclear cell)をeffector細胞として用いた場合も同様にEx3の濃度に依存した傷害活性の増加が見られた(図12)。
【0083】
他のEGFR(Her1)陽性胆管癌細胞株に対しても同様にEx3の存在、及びE/T比に依存した傷害活性の増加が見られた(図13)。またEGFR陰性の細胞株に対してはEx3を添加してもT−LAK細胞の傷害活性を全く増強させなかった(表1)。尚、表1及び以下の各図において、細胞を示す英語標記の意味は以下の通りである。
TFK−1:ヒト胆菅癌;
OCUCh‐LM1:ヒト胆菅癌;
HuCC−T1:ヒト胆菅癌;
OBA−LK1:ヒト肺大細胞癌;
A549:ヒト肺腺癌;
CRL1500:ヒト乳癌;
SK−BR−3:ヒト乳癌;
A431:ヒト類表皮癌;
MCF−7:ヒト乳癌;
NCI−H69:ヒト肺小細胞癌;
CHO:チャイニーズハムスター卵巣細胞
【0084】
【表1】
Figure 2004242638
【0085】
さらに各種IgGを加えた阻害試験では、親抗体であるOKT3、及び528 IgGでは濃度に依存した傷害活性の低下が見られたが、系に無関係のOKT8、MUSE11 IgGの添加では全く傷害活性の阻害が見られなかった(図14)。
【0086】
実施例 Ex3 の機能評価▲5▼ 各種サイトカインの分泌
以上の実験系におけるT−LAK細胞の傷害活性の増強に寄与する因子を同定するため各種サイトカインの産生量を調べた。TFK−1細胞をプレートに付着させ一晩静置後、T−LAK細胞単独、あるいはさらにEx3を濃度を変化させて添加し48時間後の培養上清中の各種サイトカイン量をELISAキット(ENDOGEN社)により測定した。T−LAK細胞単独、T−LAK細胞とEx3、T−LAK細胞とTFK−1細胞を加えたプレートは顕著なIFN−γの産生の増加は見られなかったが、T−LAK細胞とTFK−1細胞にEx3を添加することで濃度に依存したIFN−γの産生の増加が見られた。また親抗体であるOKT3、あるいは528 IgGをさらに加えたプレートでは阻害効果が見られ、IFN−γの産生は見られなかった(図15)。
【0087】
GM−CSF、TNF−αについてもほぼ同様の結果が得られた(図16、17)。しかしIL−2に関しては濃度に依存した産生の増加は見られず若干の低下が見られた(図18)。
【0088】
続いて、各種サイトカインの産生量の経時変化をEILSAを用いて測定した。IFN−γ、GM−CSFは経時的に、また濃度依存的な産生量の増加が見られたが、TNF−α、及びIL−2は12時間をピークにその後は急激な減少が見られた。これは12時間で標的細胞であるTFK−1細胞が死滅し、その後はIL−2などの産生が起こらずT−LAK細胞に取り込まれため消費されたと考えられ、図18の結果とも一致する(図19)。
【0089】
実施例 10 Ex3 の機能評価▲6▼ − in vivo 細胞傷害試験
SCIDマウスを納入後、10数日後に5x10個のTFK−1細胞をマウスに皮下注射した。TFK−1細胞移植後10日後(腫瘍径約4 mmから6 mm)、2x10個のT−LAK細胞と各抗体を混合した後、マウス尾静脈より4日連続で注入した。一週間ごとに腫瘍径を測定し、長径と短径から腫瘍体積を概算した。実験はコントロールの腫瘍径が20mmを越えたときに終了した。
【0090】
その結果、T−LAK細胞単独を投与した群はPBSを投与したコントロール群と同様に腫瘍が成長し続けたのに対し、Ex3を混合し投与した群は顕著な成長阻害が見られた。またEx3を20μg/mouse投与した群では化学合成により作製したEx3 bsAbとほぼ同等の腫瘍の縮退効果が見られた(図20)。
【0091】
実施例 11 ヒト型化 Ex3 遺伝子の作製
ヒト型化OKT3可変領域はすでに報告されており、マウスOKT3に比べて十分に活性を保持していることも確かめられている(参考論文2)。参考論文2に記載されているヒト型化OKT3可変領域のアミノ酸配列を基に、オーバーラップPCR法により遺伝子の全合成を行った。この際にコドンは大腸菌における至適コドンを用いた。至適コドンに置換した全合成遺伝子を用いることでの大腸菌における発現量の増加はすでに報告されている(図21)。
【0092】
528可変領域のヒト型化はCDR grafting法により行った。まずVH、VLそれぞれ相同性検索を行い、各CDR(complementarity determining region)の長さ等を考慮した上でもっとも相同性の高いFR(frame work)をもつヒト抗体配列を選択する。選択したヒト抗体のCDRを528のCDRと入れ換えたアミノ酸配列を設計し、対応するコドンについては先と同様に大腸菌至適コドンを用い、オーバーラップPCR法により遺伝子の全合成を行った(図22)。
【0093】
○参考論文2 − Adair, J. R. et al. Humanization of the murine anti−human CD3 monoclonal antibody OKT3. Hum Antibodies Hybridomas 5, 41−7. (1994).
【0094】
実施例 12 ヒト型化 Ex3 発現ベクターの作製
ヒト型化Ex3 diabody(以下hExh3)はh5HhOLとhOHh5Lの二つの分子から作製される。発現ベクターはEx3を構成する各々の発現ベクターを基に作製した。即ち、制限酵素部位を導入したE−Fプライマーを用いPCR法によりヒト型化5H(以下「h5H」:配列番号29)を増幅後NcoI−EagIで消化し、pRA−5HOLの5Hと入れ換えた。引き続きヒト型化OL(以下「hOL」:配列番号28)をG−Hプライマーを用い増幅後EcoRV−SacIIで消化し、OLと入れ換えpRA−h5HhOLを作製した。同様にI−Jプライマーを用いヒト型化OH(以下「hOH」:配列番号27)を増幅後NcoI−EagIで消化、pRA−OH5LのOHと入れ換え、K−Lプライマーを用いヒト型化5L(以下「h5L」;配列番号30)を増幅後EcoRV−SacIIで5Lと入れ換えpRA−hOHh5Lを作製した。Ex3発現ベクターと同様C末端側には検出のためのc−mycペプチドタグ、並びに精製のためのHis−tag (Hisx6:ヒスチジン6量体tag)が並列に導入されている(図23)。
【0095】
Figure 2004242638
【0096】
実施例 13 大腸菌を用いた h5HhOL 並びに hOHh5L の発現、精製、及び巻き戻し
発現ベクターpRA−h5HhOLとpRA−hOHh5Lを用いて、実施例3と同様の方法で培養を行った。SDS−PAGE、及びWestern−blotting結果、各画分にそれぞれ発現が見られたが、h5HhOL、hOHh5L共に菌体内不溶性画分に最も多く発現していたことから、Ex3の場合と同様この画分からの調製を行った(図24)。
【0097】
精製、巻き戻しは実施例4と同様の方法で行った。h5HhOL、hOHh5Lを個別に精製後、等量混合し、巻き戻した後のhExh3のSDS−PAGEからEx3同様非常に精製度が高く、かつ均一なヘテロ二量体を形成している様子が分かる(図24)。
【0098】
実施例 14 hExh3 の機能評価 − Flow cytometric analysis
実施例5と同様にFlow cytometryによりhExh3の各細胞に対する結合を調べた。NC、PCも実験例5と同様に行った。結果はEx3と同様、T−LAK細胞、TFK−1細胞両者への結合が見られた(図25)。
【0099】
実施例 15 hExh3 の部位特異的変異導入による機能改変の検討
変異の導入によるhExh3の機能改変の検討を行った。ヒト型化による抗体自身の機能の低下、あるいは損失はしばしば報告されているため、FR中のCDRの構造に関与しうる配列、即ちcanonical構造(いくつかの固定化されたCDR構造)やveriner残基を中心にヒト型化により配列が変化した部分を再びマウスの配列に戻す部位特異的変異導入が必要とされている。
【0100】
veriner残基は参考論文3により提唱されたFR中のCDRの前後に位置する残基の中でCDRの土台を築き、CDRの構造を調整して抗原への結合に関与している残基である。しかし活性回復に関与するveriner残基は抗体により異なり、詳細な構造解析によりある程度予測はできるものの実際は複数の変異体を作製し、結合活性等の機能評価により選択するのが一般的である(参考論文4、5)。
【0101】
各変異導入はオーバーラップPCR法を用いて行った。即ち、h5HをプライマーE−NでPCR増幅させた産物とF−MでPCR増幅させた産物を混合したものを2nd PCRの鋳型とし、プライマーE−Fにより2nd PCRを行い、NcoI−EagIで消化後、pRA−h5HhOLのh5Hと入れ換えた。これによりh5HのM48I(48位のMetをIle)変異体(以下h5H−m01)を含むpRA−h5HhOLが作製される。同様の手法を用い以下の10個の変異体を作製した(表2、図26)。
【0102】
【表2】
Figure 2004242638
【0103】
Figure 2004242638
【0104】
○参考論文3 − Foote, J. & Winter, G. Antibody framework residues affecting the conformation of the hypervariable loops. J Mol Biol 224, 487−99. (1992).
○参考論文4 − Sato, K. et al. Reshaping a human antibody to inhibit the interleukin 6−dependent tumor cell growth. Cancer Res 53, 851−6. (1993).
○参考論文5 − Sato, K. et al. Humanization of a mouse anti−human interleukin−6 receptor antibody comparing two methods for selecting human framework regions. Mol Immunol 31, 371−81. (1994).
【0105】
実施例 16 hExh3 hExh3 各変異体の機能評価 − in vitro 細胞傷害試験 (MTS assay)
実施例7と同様にMTS assayによりhExh3、及びhExh3各変異体のin vitro細胞傷害活性を評価した。結果は数カ所の変異の導入により、細胞傷害活性に大きく影響を与えることが分かり、いくつかの変異体は変異導入前のhExh3より若干強い活性を有していた(図27)。
また濃度依存性的な細胞傷害活性も見られ、hExh3(左のバー)及びh5H−m09(中央のバー)はEx3(右のバー)と同等の効果を有することが分かった(図28)。
【0106】
【発明の効果】
本発明のダイアボディ型二重特異性抗体は、インビボ及びインビトロにおいて優れた細胞障害活性を発揮することが確認された。又、該抗体を食作用又は細胞障害活性を有する細胞及びヒト上皮細胞成長因子受容体を発現する腫瘍細胞の培養系に添加することにより、食作用又は細胞障害活性を有する細胞におけるサイトカインの生産量を有意に増加させることが判明した。更に、ヒト型化したダイアボディ型二重特異性抗体を作製し、この抗体がマウス由来のダイアボディ型二重特異性抗体に匹敵する活性を有することを実証した。
又、本発明のダイアボディ型二重特異性抗体は、抗体を数ヶ月間凍結保存した後にもこのような活性が保存されていることが確認され、優れた安定性も有することが判明した。
従って、これらのダイアボディ型二重特異性抗体等を有効成分として含有する医薬組成物は、インビトロ及びインビボで腫瘍細胞を有意に排除・殺傷・傷害する作用を有し、抗腫瘍剤として使用することが出来る。
【0107】
Figure 2004242638
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【図面の簡単な説明】
【図1】抗体EGFR抗体528の可変領域のアミノ酸配列を示す。
【図2】Ex3発現ベクターである、pRA−5HOL 及びpRA−OH5Lの構造を示す模式図である。
【図3】大腸菌BL21における5HOL及びOH5Lの発現を示すSDS−PAGE(上)及びWestern−blotting(下)の結果を示す写真である。
【図4】段階透析による巻き戻しの工程を示す。
【図5】Flow cytometryによるEx3の各細胞に対する結合を調べた結果を示す。
【図6】Flow cytometryによるEx3の阻害試験の結果を示す。
【図7】Flow cytometryによるEx3の吸収試験の結果を示す。
【図8】Ex3によるTFK−1細胞へのT−LAK細胞の集簇を示す顕微鏡写真である。
【図9】IgGによる集簇の阻害を示す顕微鏡写真である。
【図10】Ex3等の各種ダイアボディ型二重特異性抗体によるインビトロ細胞障害試験(MTS assay)の結果を示す。
【図11】Ex3(左側のバー)と各scFvを混合した場合(右側のバー)のインビトロ細胞障害活性の比較を示す。
【図12】Ex3の各種ダイアボディ型二重特異性抗体によるインビトロ細胞障害試験(51Cr release assay)の結果を示す。
【図13】Ex3の各種ダイアボディ型二重特異性抗体による各種細胞に対するインビトロ細胞障害試験(51Cr release assay)の結果を示す。
【図14】IgGを加えた阻害試験の結果を示す。
【図15】Ex3添加によるIFN−γの産生量の増加を示す。
【図16】Ex3添加によるGM−CSFの産生量の増加を示す。
【図17】Ex3添加によるTNF‐αの産生量の増加を示す。
【図18】Ex3添加によるIL−2の産生量の変化を示す。
【図19】各サイトカイン産生量の経時変化を示す。
【図20】SCIDマウスを用いたインビボ細胞傷害試験の結果を示す。
【図21】全合成したヒト型化抗体OKT3の可変領域配列のアミノ酸配列を示す。
【図22】全合成したヒト型化抗体528の可変領域配列のアミノ酸配列を示す。
【図23】hEx3発現ベクターである、pRA−h5HOL 及びpRA−hOH5Lの構造を示す模式図である。
【図24】h5HOL 及びhOH5Lの発現を確認するSDS−PAGE及びWestern−blottingの結果を示す写真である。
【図25】Flow cytometryによるhEx3の細胞に対する結合を調べた結果を示す。
【図26】h5Hへの部位特異的変異の導入を示す。
【図27】hEx3とその各変異体のインビトロでの細胞障害試験(MTS assay)の結果を示す。
【図28】hEx3とその各変異体のインビトロでの細胞障害試験(MTS assay)における濃度依存性の結果を示す。図中、hExh3(左のバー)、h5H−m09(中央のバー)及びEx3(右のバー)である。

Claims (27)

  1. ヒト上皮細胞成長因子受容体に対する第一の特異性、及び食作用又は細胞障害活性を有する細胞で発現される表面抗原に対する第二の特異性を有することを特徴とする、ダイアボディ型二重特異性抗体。
  2. ヒト上皮細胞成長因子受容体がヒト上皮細胞成長因子受容体1(HER1)である、請求項1記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  3. 食作用又は細胞障害活性を有する細胞が細胞障害性T細胞である、請求項1又は2記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  4. 細胞障害性T細胞で発現される抗原がCD3である、請求項1、2又は3に記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  5. 第一の特異性が抗ヒト上皮細胞成長因子受容体抗体528のH鎖及びL鎖の可変領域に由来するものである、上記請求項のいずれか一項に記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  6. 第二の特異性が抗CD3抗体OKT3のH鎖及びL鎖の可変領域に由来するものである、上記請求項のいずれか一項に記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  7. ヒト型化抗体であることを特徴とする、上記請求項のいずれか一記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  8. 可変領域における相補性決定領域(CDR)がマウス抗体由来であり、その他の部分がヒト抗体由来であることを特徴とする、請求項7記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  9. ヒト型化抗CD3抗体OKT3由来の可変領域において図21に示されたアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3の少なくとも一つのCDRを有し、且つ、ヒト型化抗ヒト上皮細胞成長因子受容体抗体528由来の可変領域における図22に示されたアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3の少なくとも一つのCDRを有することを特徴とする、請求項8記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  10. ヒト型化抗CD3抗体OKT3由来の可変領域において図21に示されたアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3を有し、且つ、ヒト型化抗ヒト上皮細胞成長因子受容体抗体528由来の可変領域における図22に示されたアミノ酸配列のCDR1、CDR2及びCDR3を有することを特徴とする、請求項9記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  11. ヒト型化抗CD3抗体OKT3由来のH鎖及びL鎖の可変領域が図21に示されたアミノ酸配列有し、且つ、ヒト型化抗ヒト上皮細胞成長因子受容体抗体528由来のH鎖及びL鎖の可変領域が図22に示されたアミノ酸配列を有することを特徴とする、請求項10記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  12. CDR構造に影響を与える可能性があるフレームワーク(FR)において部位特異的変異を有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載のダイアボディ型二重特異性抗体。
  13. 2種類の一本鎖ポリペプチドから構成される請求項1〜12のいずれか一項に記載のダイアボディ型二重特異性抗体のいずれか一方の一本鎖ポリペプチド又はそれに含まれる各領域を構成するポリペプチド。
  14. 請求項13に記載の一本鎖ポリペプチド又はそれに含まれる各領域をコードする核酸。
  15. 核酸が発現される宿主細胞における至適コドンを有する、請求項14に記載の核酸。
  16. 大腸菌に対する至適コドンを有する、請求項15に記載の核酸。
  17. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の核酸を含有する複製可能なクローニングベクター又は発現ベクター。
  18. プラスミドベクターである、請求項17記載のベクター。
  19. 請求項17又は18記載のベクターで形質転換された宿主細胞。
  20. 大腸菌である請求項19記載の宿主細胞。
  21. 請求項19記載の宿主細胞を培養して宿主細胞中で該核酸を発現せしめ、請求項13に記載の一本鎖ポリペプチドを回収し、精製することを特徴とする請求項13に記載の一本鎖ポリペプチドの製造方法。
  22. 請求項21記載の方法で得られた一本鎖ポリペプチドを会合せしめ、形成された請求項1〜12のいずれか一記載のダイアボディ型二重特異性抗体を分離して回収することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のダイアボディ型二重特異性抗体の製造方法。
  23. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のダイアボディ型二重特異性抗体、 請求項13記載の一本鎖ポリペプチド、 請求項14〜16のいずれか一項に記載の核酸、 請求項17又は18記載のベクター、 及び請求項19又は20記載の宿主細胞から成る群から選ばれたものを有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物。
  24. 腫瘍細胞を排除する、殺傷する、傷害する及び/又は減少せしめるためのものであることを特徴とする請求項23記載の医薬組成物。
  25. 食作用又は細胞障害活性を有する細胞におけるサイトカインの生産量を増加させるためのものであることを特徴とする請求項23記載の医薬組成物。
  26. ヒト型化ダイアボディ型二重特異性抗体を有効成分とすることを特徴とする請求項23、24又は25記載の医薬組成物。
  27. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のダイアボディ型二重特異性抗体を食作用又は細胞障害活性を有する細胞及びヒト上皮細胞成長因子受容体を発現する腫瘍細胞の培養系に添加することにより、食作用又は細胞障害活性を有する細胞におけるサイトカインの産生量を増加させる方法。
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