JP2003513673A - 体細胞核移植によるブタクローン胚の改善された生産方法 - Google Patents

体細胞核移植によるブタクローン胚の改善された生産方法

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JP2003513673A JP2001537540A JP2001537540A JP2003513673A JP 2003513673 A JP2003513673 A JP 2003513673A JP 2001537540 A JP2001537540 A JP 2001537540A JP 2001537540 A JP2001537540 A JP 2001537540A JP 2003513673 A JP2003513673 A JP 2003513673A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、体細胞核移植によって複製されたブタ胚の大量生産方法に関する。詳しくは、卵母細胞は屠畜場から得た卵巣から得られた後体外成熟させた。体外成熟(IVM)を終了した後、卵母細胞の核を取除き、電気刺激によって体細胞と融合させた。再構成された卵子は2次電気刺激で活性化した後体外培養した。本発明は、再構成された卵母細胞を活性化し、核移植胚の生存力を増加させることにより、クローン胚とクローン動物を誕生させるための最適条件を確率するためのものである。したがって、ブタの体細胞核移植に関する本発明は、優良ブタを増殖させ、異種移植用または疾病発生モデル用形質転換ブタを開発するのに応用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、核移植によるクローン胚の生産方法に関し、さらに詳細には、核が
取除かれレシピエント卵母細胞と体細胞または体細胞由来核を電気刺激で融合し
、卵母細胞を再構成し、2次電気刺激によって前記再構成された卵母細胞を活性
化することを含む、新規な体細胞核移植技術によってクローン胚を大量生産する
改良方法に関する。
【0002】背景技術 伝統的に用いられてきた家畜のような動物種の形質改良方法は、優れた形質を
示す動物間の交配に大きく依存する。しかし、この方法は、遺伝的に優れた子孫
を産むまでかなり長時間が所要されるためあまり良い方法ではなく、したがって
、選択された動物の早い改良が難しいという問題があった。しかし、動物の体細
胞を用いた核移植(nuclear transfer,NT)という新たな科学的方法が導入され
て以来、ヒツジ(099999お Schnieke et al., Science, 278:2130-2133 ( 1997); Wilmut et al., Nature, 385:810-813 (1997))、ヤギ(Baguisi et al., Nature Biotechnology, 17:456-461 (1999))、マウス(Wakayama et al., Natur e, 394:369-374 (1998))、ウシ(Cibelli et al., Science, 280:1256-1258 (199 8); Kato et al., Science, 282:2095-2098 (1998); Wells et al., Biol. Repr od., 60:996-1005 (1999))、そしてブタ(Onishi et al., Science, 289:1188-11 90 (2000); Polejaeva et al., Nature, 407:505-509 (2000))のような動物の複
製が成功裏に行われてきた。実際、体細胞は卵丘細胞や卵管細胞(Wakayama et a l., Nature, 394:369-374 (1998); Kato et al., Science, 282:2095-2098 (199 8))、顆粒膜細胞(Wells et al., Biol. Reprod., 60:996-1005 (1999))、胸腺上
皮細胞(Wilmut et al., Nature, 385:810-813(1997))、胎児繊維芽細胞(Schniek e et al., Science, 278:2130-2133 (1997); Baguisi et al., Nature Biotechn ology,17:456-461(1999); Cibelli et al., Science, 280:1256-1258(1998))、
および耳皮膚細胞(Zakhartchenko et al., Mol. Reprod. Dev., 54:264-272 (19 99))等から多様に得られ、ドナー細胞の良いソースとして用いられる。
【0003】 しかし、このような努力にもかかわらず、体細胞を用いた核移植技術はブタで
は長期間成功できず(Du et al., Theriogenology, 51:201 (1999); Tao et al., Cloning, 1:55-62 (1999))、4つの細胞核を有している核移植胚から生まれた
仔ブタに関する一つの報告があったのみである(Prather et al., Biol. Reprod ., 41:414-418 (1989))。体細胞を用いてブタをクローニングすることは非常に
難しい課題とみなされており、最近になって複製が成功したことが2〜3報告が
あったが(Onishi et al., Science, 289:1188-1190 (2000); Polejaeva et al., Nature, 407:505-509 (2000))、研究者はレシピエント細胞質としてin vivo 由
来の卵母細胞を用いて行ったと報告されている。
【0004】 イオノフォア A23187は、種々の動物種にみられる皮質顆粒型エクソサイトー
シス( exocytosis )と第2極体放出、そして卵子の前核形成を誘導するため(M arcus, Mol. Reprod. Dev., 16:1384-1391 (1990); Liu et al., Mol. Reprod. Dev., 49:298-307(1998); Wang et al., Mol. Reprod. Dev., 51:346-353 (1998 ))、哺乳類の卵子において優れた一般的な活性剤として知られている(Steinhar dt et al., Nature, 252:41-43(1974))。そして、イオノフォアで処理したブタ
の 卵母細胞は前核を形成し、胚盤胞期に単為生殖的に発生することが示された (Funahashi et al., Biol. Reprod., 50:1072-1077 (1994); Wang et al., Biol . Reprod., 60:1020-1028 (1999))。
【0005】 一般に、Ca-ignophore/6-DMAP(Cibelli et al., Science, 280:1256-1258 (19 98); De Sousa et al., Cloning, 1:63-69 (1999))、イオノマイシン/6-DMAP(We lls et al., Biol. Reprod., 60:996-1005 (1999))、またはシクロヘキシミド/
サイトカラシンB( Zakhartchenko et al., J. Reprod. Fertil., 115:325-331 (1999))のような混合化学薬品は体細胞で再構成されたウシの卵母細胞を活性化
するのに用いられてきた。ブタの場合、一部再構成された卵子はチメロサール/
ジチオトレイトールに晒して活性化すると胚盤胞になることを示した (Tao et a l., Cloning,1:55-62 (1999))。
【0006】 また、電気刺激は、ブタの卵母細胞において効果がある活性化剤として知られ
ている(Jolliff and Prather, Biol. Reprod., 56:544-548 (1997); Wang et al ., Mol. Reprod. Dev., 51:346-353 (1998))。繊維芽細胞で核移植されたブタの
卵子が電気刺激によって活性化され、同時に融合された場合、一部の胚は胚盤胞
に発展した(Du et al., Theriogenology, 51:201 (1999))。
【0007】 受精卵細胞や体細胞を用いた核移植において、卵母細胞の細胞質の一部が核除
去過程中に消失することが容易に観察される。結果として、体積が減少した細胞
質はまた動物の核移植胚細胞数も減少させるだけでなく、その発展性のある潜在
能力の減少ももたらす(Peura et al., Mol. Reprod. Dev., 50:185-191 (1998) )。ウシの場合、繊維芽細胞を注入した核移植胚は実験結果胚盤胞期に達するま
で体外発達率が約12%と比較的低かったが(Cibelli et al., Science, 280:1 256-1258 (1998))、これに対し、壁あるいは卵丘顆粒膜細胞を注入した胚は胚
盤胞期に達するまで受精卵の体外発達率が約50%と比較的高かった(Kato et a l., Science, 282:2095-2098 (1998); Wells et al., Biol. Reprod., 60:996-1 005 (1999))。この二つの異なる実験設定結果の差は、各々異なる種類の細胞が
すべてドナー細胞であるものの、相異する発達能力を有していることを示す。し
かし、ブタの核移植胚の体外発達能力に関する詳細はまだ明確に解決されず、依
然として解くべき宿題として残っている。
【0008】 体細胞核移植は形質転換動物、特に形質転換家畜を生産するのに必要な強力な
方法となってきた。複製形質転換動物はまたトランスフェクトされた繊維芽細胞
から生産された(Schnieke et al., Science, 278:2130-2133 (1997); Cibelli e t al., Science, 280:1256-1258 (1998))。しかし、体細胞における遺伝子変形
は、前述の核移植技術を用いて形質転換ブタを生産するのに必須的であることを
認知しなければならない。最近、ヒツジ、ウシ、マウス、ヤギ、そしてブタ実験
において核供与細胞として様々な体細胞を用いて成功したが、体細胞核移植効率
は依然として2%未満と非常に低い。したがって、動物産業および生体医療分野
に広範囲に適用されるさらに進歩した核移植技術を開発することの必要性が長く
待望されていた。
【0009】発明の開示 したがって、本発明は、体細胞核移植によるクローン胚を大量生産する改善方法
を提供することである。体細胞核移植方法に従って作製されたクローン卵母細胞
の比較的低い体外発達率を向上するために、本発明の発明者らはクローン胚の生
産方法を新たに発展させた。ここで、核が取除かれた成熟した卵母細胞は培養さ
れた体細胞から電気刺激によって得られた核と融合し、1〜2時間再構成時間を
付与した後、2次電気刺激によってさらに活性化することにより、前記胚の生存
力を向上させ、体外発達率を連続的に達成させた。本発明は今後クーロンブタの
着床方法を確固にするのに役立てるだけでなく、形質転換動物を生み出し、また
ヒトに代替臓器を提供するのにも使用できる。
【0010】発明を実施するための最良の形態 本発明は、体細胞核移植によるブタクローン胚の改善された大量生産方法に関す
るものであって、次の段階で構成されている。(a)レシピエント卵母細胞の核
除去、(b)核ドナー細胞である体細胞の体外培養、(c)核が取除かれた 卵
母細胞への体細胞の注入、(d)核が取除かれた 卵母細胞とドナー体細胞との
電気融合、(e)2次電気刺激による再構成された胚の活性化、(f)核移植胚
の体外培養と核移植胚のレシピエントブタへの移植。
【0011】 本発明をさらに詳細に説明すると次の通りである。 まず、本発明は 卵母細胞の核を取除き、該 卵母細胞と体細胞を電気刺激で融合
させた後、1〜2時間の卵母細胞の再構成時期を有することを特徴とする。一般
に、ヒトを除いた哺乳類の体細胞を核供与細胞として用いることを推奨するが、
さらに好ましくは、ブタ、ウシ、ヒツジ、マウスのような動物から得られた繊維
芽細胞や卵丘細胞を用いる。本発明において、レシピエント卵母細胞は幼い雌ブ
タの卵巣から得られたものであり、未成熟卵母細胞は成熟するときまで体外で培
養される。その後、第1極体を有する成熟卵母細胞のみを選択し、核を取除いた
卵母細胞を使用する。ドナー細胞である体細胞は一つずつ核が取除かれた卵母細
胞に注入され、160V/mmの1次電気刺激に30μsecの間露出させて核が
取除かれた卵母細胞の細胞質とドナー細胞である体細胞の核が各々融合するよう
に誘導する。このように得られた卵母細胞はその後、1〜2時間の間ウシの胎児
血清を含有するリン酸緩衝溶液(PBS)で培養して再構成するようにする。
【0012】 前記再構成された卵子は2次電気刺激を与えて活性化するが、この際の卵母細
胞を120〜150V/mmの電気パルスに30μsecの間露出させる。仮に、
電気刺激が120V/mm未満である場合活性化比率は低くなり、150V/m
mを超える場合は卵母細胞が損傷するおそれが増加する。これらの卵母細胞をさ
らに発達できるように体外培養させる。通常の核移植方法においては、核が取除
かれた卵母細胞に1回の電気刺激のみを適用したので、体外発達率が通常5%未
満であったのに対し、本発明は2次電気刺激を導入することにより、卵母細胞の
発達率を11.6%まで引き上げて著しい効果をもたらし、これは従来の方法に
比べて130%向上したものである。
【0013】 再構成された卵子は、体細胞の核をレシピエント細胞質に移植した後から活性
化される。カルシウム−イオノフォーア/6-DMAPやエタノール/シクロヘキシミ
ド/サイトカラシンBのような様々な混合化合処理法はウシの体細胞核移植 卵
母細胞を活性化するのに用いられた。しかし、ブタの核移植 卵母細胞をA23187
単独で用いるかA23187/6-DMAPの混合試薬で処理したとき活性化比率が比較的低
いことが分かった。一般に、ブタの卵母細胞は単一の化学薬品を使用した場合活
性化比率が低い反面、混合化学薬品であるチメローサル/DTTで処理した場合
発達速度は遅いがブタの卵子が胚盤胞に発達することが分かる。他の報告では、
スルフヒドリル(sulfhydryl)基薬品によって活性化されると卵割速度が遅くなり
、したがって、結果としてブタの核移植卵母細胞の胚盤胞への発達比率が低くな
る。本発明によって、電気刺激によって活性化されたブタの核移植胚は化学薬品
で処理した胚より比較的高い発達率を示した。
【0014】 電気融合後、異なるレベルの電圧で誘導した核移植胚の発達能力を調べたとこ
ろ、電気パルス(120V/mm DC pulse)がブタの体細胞核移植胚の活性化に非常に
効果的であることが分かった。 ブタの繊維芽細胞を用いて再構成されたおおよそ70%の胚はチメローサル/
ジチオトレイトールで処理して活性化したとき卵割されなかった (Tao et al., Cloning, 1:55-62 (1999))。本発明において、電気刺激のみを用いて活性化した
ブタの核移植卵子の平均卵割率は単為生殖的であり、体外受精された胚(IVF
)と類似した。したがって、本発明は、電気刺激のみでブタの体細胞核移植胚の
発達に役立つのに十分であることを示す。
【0015】 本発明においては、電気融合した後体細胞で再構成された卵子の最適の活性化
時間が与えられる。ウシの場合、供与細胞とMII細胞質を融合してから4〜8時
間後に活性化された核移植胚はさらによく発達した(Stice et al., Biol. Repro d., 54:100-110 (1996); Wells et al., Reprod. Fertil. Dev., 10:369-378 (1 998))。また、卵子の細胞質要素に核が移植された後長時間露出させる場合核の
再構成および再プログラムが容易になった(DiBerardino et al., Science, 224: 946-952 (1984); Ware et al., Gamete Res., 22:265-275 (1989))。したがって
、再構成された卵母細胞が活性化する前に2〜3時間の間置くように遅延時間を
与えることは、たとえそのメカニズムがまだ明らかに理解されないが、核の再構
成および再プログラムをより容易にする。卵母細胞の適切な活性化条件を決定す
るために、電気融合された後異なる活性化時間を与えて誘導したブタの核移植卵
子の発達能力を試験した。本発明は、融合されてから1〜2時間後活性化された
ブタの核移植胚が異なる時間条件、すなわちより短時間(0時間と0.5時間)
、あるいはより長時間(4時間と6時間)に露出された場合に比べてさらに発達
することを示す。これは、異種間の遺伝的活性化時間が異なるからである。胚の
ゲノムの活性化はブタの場合、4細胞期に示される反面、ヒツジやウシの場合は
、8細胞期から16細胞期に起こる(Kopscny, Reprod. Nutr. Dev., 29:589-60 0 (1989))。したがって、これは、電気融合された後の再構成されたブタの卵母
細胞の活性化時間が体細胞核移植された後生きている胚を生産するのに決定的な
役割をすることを示す。また、これは、融合された後ドナー核がレシピエント細
胞質において再構成され、再プログラムするのに必要な時間は種によって異なり
得ることを示す。
【0016】 本発明は、核を移植した後体外で成熟させた 卵母細胞から複製したブタの胚
を成功裏に生産することについても開示している。ウシを除いた大部分のクロー
ン動物、すなわち、ヒツジ、ヤギ、マウス、ブタは体内から得た、核を取除いた
卵母細胞に体細胞の核を移植して生産した核移植胚から発達したものである。体
内から得られた 卵母細胞は動物に性腺刺激ホルモンを注入して過剰排卵されて
いる卵管を洗浄して得たものである。しかし、体内から得られた卵母細胞の数は
通常ある程度に制限されるが、これは、その過程が実験室で行われているからで
あり、また、多くの時間がかかるからである。その代わりに、レシピエント細胞
質として用いられる多くの 卵母細胞は体外で準備することができる。良質の未
成熟卵子は屠畜場から得た卵巣から得られ、体外で成熟させ、核を取除いた後レ
シピエント細胞質として用いられる。最近、体内で得られた卵子でブタを複製で
きるという報告があった (Onishi et al., Science, 289:1188-1190 (2000); Po lejaeva et al., Nature, 407:505-509 (2000))。しかし、本発明は、体細胞核
移植後体外で得られた卵母細胞を用いてブタの核移植胚を生産する方法を提示す
る。
【0017】 体細胞核移植胚の発達能力は哺乳動物の細胞種類によって異なり得ることも提
案された (Kato et al., Science, 282:2095-2098 (1999), Zakhartchenko et a l., Mol. Reprod. Dev., 54:264-272 (1999))。本発明においては、卵丘細胞と
胎児繊維芽細胞はすべて核ドナー細胞として用いられた。これにより前着床段階
までブタの核移植胚が発達することを支持し、これは、核移植に関する本発明の
活性化システムが様々な細胞種類にも適用できることを示す。
【0018】 ブタの体細胞核移植が成功したことはこの技術が異種移植のための形質転換ブ
タを開発するのに有用であり、または疾病誘発モデルとして開発するのに有用で
ある。事実、本発明においては、外来DNAをブタの体細胞に成功裏に導入した
。本発明において、トランスフェクション細胞で核移植された胚はトランスフェ
クトされていないドナー細胞の胚と比較したとき発達能力は類似した。さらに、
形質転換遺伝子はすべてのトランスフェクションされた細胞で核移植された胚の
初期発達期間の間強く発現され、このような現象は核移植以降トランスフェクシ
ョンされた細胞で核移植された胚から形質転換胚や形質転換動物を生産できる可
能性を高める。
【0019】 <実験細部事項>体外成熟(IVM)と体外受精(IVF) 幼い雌ブタの卵巣を一般の屠畜場から得、実験室に移送して75μg/ml
のカリウムペニシリンGと50μg/mlの硫酸ストレプトマイシンを含む0.
9%(w/v)の生理食塩水 に25〜30℃で使用前まで保管した。卵丘細胞
−卵母細胞複合体(COC)は、10mlの使い捨て注射器に付いている18ゲ
ージ針を用いて直径3〜6mmのブタ卵胞から得た。COCはTL(Tyrode’s lactate)-Hepes溶液で3回洗浄した後体外成熟培養液500μlが入っている
シャーレ(4 well multidish) (Nunc, Roskilde, Denmark) の各ウェル 約50
COCをに入れ 、空気中5% CO 、39℃で保持して培養した。20時
間〜22時間培養した後に卵母細胞をTL-Hepes溶液で3回洗浄し、妊娠した雌
の血清性腺刺激ホルモン(PMSG)やヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を含まな
い成熟培養液で22時間培養した。培養液は暖かいパラフィン油(鉱油)で覆っ
て使用する前に少なくとも2時間39℃、5%のCOで平衡状態を保たせた。
卵子を成熟させるために用いられた培養液は、 ブタの卵胞液10%(v/v)
と0.57mMシステイン、ゲンタマイシン25μg/ml、上皮成長因子(E
GF)10ng/ml、PMSG 10IU/ml、hCG 10IU/mlが
添加されたウシ血清アルブミン(bovine serum albumin ,BSA)を含まないNC
SU( North Carolina State University)23番培養液とした。ブタの卵胞液
は直径3〜6mmの卵胞から得、これを1,600xgで4℃で30分間遠心分
離した後、1.2μmのシリンジフィルターで濾過して使用前まで−20℃で貯
蔵した。
【0020】 IVFに用いられた基本培養液はAbeydeeraとDayが記述したものと実質的に同
とした(Biol. Reprod., 57:729-734 (1997))。このIVF培養液は改質されたト
リス緩衝溶液(Tris-buffered medium; mTBM)として呼ばれ、113.1mM
NaCl、3mM KCl、7.5mM CaCl ・2H O、20mMト
リス(結晶フリー塩基:crystallized free base; Fisher Scientific, Fair Law n, NJ)、11mMグルコース、5mMピルビン酸ナトリウムからなり、抗生剤は
添加されていない。新鮮なブタの精液は Darby Pig AI Center (安城、韓国)か
ら1回/週提供され、これを5日間17℃で保管した。前記精液はBSA 1m
g/ml(Fraction V)、ペニシリン100μg/ml、ストレプトマイシン75
μg/mlを含むDulbecco’sリン酸緩衝溶液と混合した後、3回遠心分離して
洗浄した。洗浄の最後には精子をトリス緩衝溶液(pH7.8)にさらに懸濁した。I
VMを行った後、卵母細胞の卵丘細胞はNCSU23培養液中の0.1%(w/v)ヒ
アルロニダーゼで処理して取除いた。露出された卵子はカフェイン2.5mMと
BSA 4mg/mlを含むmTBMで3回洗浄し、パラフィン油で覆われたm
TBM 50mlに入れた。稀釈された精子50μlを卵子が入っている50μ
lの受精培養液に添加し、最終精子の濃度を5x10 cell/mlにした。卵子は
精子とともに6時間39℃の温度で5%のCO を含む大気で培養した。
【0021】体細胞の準備 卵丘細胞を準備するために、一つのブタの卵巣からCOCを得た。IVMの
ために46時間培養後、0.1%(w/v)ヒアルロニダーゼが添加されたTL-H epes培養液でCOCを処理して卵丘細胞を分散させた。マイクロ遠心機Microcen trifuge(Vision Scientific Co., Korea)を用いて700xgで5分間卵丘細胞
を遠心分離して沈殿させた。沈殿した細胞ペレットをCa2+ 、Mg2+ のな
いリン酸緩衝溶液(DPBS(−))に再懸濁し、細胞懸濁液を核ドナー物質とし
て使用する前2時間の間室温で保管した。妊娠40日齢の韓国産の韓国産再来ブ
タ(Sus scrofa domesticus L.)の子宮から胎児繊維芽細胞を回収した。簡単に
ブタの胎児をDPBS(−)で3回洗浄した。胎児の頭は手術用はさみ( iris scissors)を用いて取除き、肝臓と腸から軟組織を2つのピンセットで分離し、
残ったものは捨てた。胎児組織をDPBS(−)で2回洗浄した後、その死骸を
手術用ナイフで細かく切り、直径100nmの培養用皿に移した。細く切った組
織を0.25%(w/v)トリプシン/3.65mM EDTA溶液10mlに
入れて39℃で30分間培養した。15%のウシの胎児血清 (FBS; Gibco, Life Technologies Inc., Grand Island, NY)を含む細胞培養液を前記と同量添加し
てトリプシン活性が抑制させた。細胞培養液はDulbecco’s改質されたEagle’s
培養液(DMEM; Gibco)と15%FBS、ペニシリン1,000ユニット、ストレ
プトマイシン1000μg/ml(Gibco)で構成されている。激しくピペッティ
ングした後、上澄液を150xgで5分間遠心分離した。細胞を懸濁し、最終濃
度が2x10 cell/mlになるように調整した後、175cm の組織培養用
フラスコで温度39℃、5% CO で10mlの培養液で培養した。胎児繊
維芽細胞を核供与細胞のソースとして使用する前に3回継代接種した。
【0022】外来DNAの体細胞へのトランスフェクション ポリブレン/ジメチルスルホキシド(DMSO)−仲介 トランスフェクショ
ン(Kawai and Nishizawa, Mol. Cell Biol., 4:1172-1174 (1984))は次の通り
行われた。10μgのプラスミドpLNβ−eGFP DNAと30μg/mlのポリブレ
ン(Aldrich, Milwaukee, WI, USA)を含む1ml培養液にテナガザル白血病ウ
イルス( Gibbon Ape leukemia virus)からなるPG13 packing cellをその前日
プレーティングした(5x10 cell/60mm dish)。37℃の5% CO
囲気下で培養してから6時間後に、DNA−培養液混合物をアスピレーションし
、25% DMSOを含む培養液2mlを加えてパッキング細胞に衝撃を与えた
後1分間培養した。培養液で3回洗浄してからトランスフェクションした 細胞
を分離する前に細胞に5mlの培養液を入れ、一晩培養した。胎児繊維芽細胞標
的細胞が次のMillerとRosmanの改質過程中に感染された(Biotechniques, 7:980 -982 (1989))。ポアサイズが0.22μmのフィルタに通して濾過したウイル
ス含有培養液3mlとポリブレン(最終濃度5μg/ml)を前日板状に作った
標的細胞に添加した。標的細胞はただ1時間の間混合物に露出させた。ウイルス
含有培養液は非選択培養液を前日入れたウイルス生産細胞から収穫した。感染さ
せてから1日後感染された細胞はトリプシン処理を行い、非選択培養液から分離
した。トランスフェクションと感染過程において、G418選択培養液(600
μg/ml)は分離した翌日加えた。トランスフェクト細胞は核供与細胞として
用いる前に14回継代接種した。
【0023】ブタ卵母細胞の核除去 IVMを誘導してから44〜46時間後、卵母細胞は0.1%ヒアルロニダー
ゼを含む500μlのTL−ヘプス(TL-Hepes)培養液に移し、ボールテキシン
グ(voltexing)を行って卵丘細胞を取除いた。卵母細胞の透明帯(zona pellucida )をTsunodaらによって記述されたように非常に小さいガラス針で部分的に切開し
た( J. Exp. Zool., 240:119-125 (1986))。倒立顕微鏡付き のマイクロマニ
ピュレータ を用いて核除去と細胞注入を含む卵母細胞の操作を行った(Leitz, E rnst Leitz Wetzlar GmbH, Germany)。卵母細胞操作の際に用いられた培養液は
サイトカラジンB 7.5μg/mlを含むDPBS(−)であった。第1極体
とメタフェイズIIを含む細胞質の一部を内径20μmの微細ピペットを用いてと
もに取除いた。核を取除いてから卵子を5μM ビスベンズイミド(Hoechst 33 342)に5分間染色し、蛍光顕微鏡(オリンパス, 東京、日本)で観察した。
【0024】細胞注入、電気融合および活性化 繊維芽細胞を核が取除かれた卵母細胞に各々移植した。柔らかい表面を有し
ている小さいこの細胞は核供与細胞として用いられた。再構成された胚を50μ
lの細胞融合培養液で10秒〜20秒間平衡状態を保った。その後細胞融合培養
液中に1mm間隔の二つの電極で構成された融合チャンバーに移した。細胞融合
培養液は0.3Mマンニトール、0.5mM Hepes、0.01%BSA、0.
1mM CaCl 、0.1mM MgCl で構成されていた。細胞融合は
BTX Electro-cellマニピュレータ2001 (BTX, San Diego, CA, USA)を用いて
160V/mmのDCパルスを30μsecの間与えて誘導した。電気融合後、胚
に3V/mmのACパルスを5秒間、そして120V/mm DCパルスを30
μsec与えて活性化させた。
【0025】ブタ卵母細胞の単為生殖的な活性化 ブタ卵母細胞の単為生殖的な活性化は前述のように行われた( Wang et al., Mol. Reprod. Dev., 51:346-353 (1998))。簡単に述べると、卵丘細胞のない卵
母細胞は1分間0.5mM Hepes、0.01%BSA(脂肪酸を含まない)、
0.01mM CaCl 、0.01mM MgCl を含む0.3Mマンニ
トール溶液で平衡状態にし、そして、活性化溶液中に1mm間隔で重ねた二つの
電極で構成された融合チャンバーに移した。卵母細胞を3V/mmのACパルス
に5μsecの間露出させた後、180V/mmのDCパルスに30μsecの間露出
させた。
【0026】核移植胚の体外培養 すべての実験において、活性化された卵子をBSA 4mg/mlを含むN
CSU23培養液50μlの滴に、39℃、空気中5%CO 雰囲気下で培養
させた。培養72時間後、卵割段階にある胚を選択した。40:50の比率で卵
割された胚を10%FBSを含むNCSU23培養液50μlの滴に、39℃、
空気中5%CO 雰囲気下で3日間ともに培養させた。培養6日後、胚盤胞の
形成が観察されたが、その胚盤胞の細胞数をヘキスト 33342 (2.5 ±g/ml)染色
を行った後、蛍光顕微鏡で計数した。
【0027】核移植胚の細胞数 体細胞核移植胚から発達したすべての胚盤胞はヘキスト染色後核を計数した
。胚をPBS中の1%ホルムアルデヒドで10分間室温で固定した後、スライド
に固定溶液を一滴滴下した。固定溶液はPBSに25%(v/v)グリセロール
とアジド化ナトリウム2.5mg/ml、そしてヘキスト 33342 2.5μg/
mlで構成されている。胚上にカバースリップを載せ、スライドの端を爪光沢剤
で封じた。核の数は蛍光顕微鏡で計数した((Olympus, Japan)。
【0028】 以下、本発明を下記実施例によってさらに詳細に説明する。しかし、本発明は
これらによって限定されるものではない。
【0029】実施例1 電気融合後の異なる活性処理がブタの核移植胚の胚盤胞期への体外発達率に影
響を及ぼすかどうかを試験した。電気融合してから2〜3時間後、再構成された
胚の約1/3が同時に異なる活性群に分割された。1)3V/mm ACパルス
を5秒間露出した後、120V/mmのDCパルスを30μsecの間与えた胚、
2)カルシウムイグノフォア( A23187, 5 μM for 5 min)で処理して活性化さ
れた胚、3)A23187(5 μM for 5 min)で処理した後、2mM 6−DMAP
を含むNCSU23で4時間培養した胚。活性化処理後、各群から再構成された
胚を4回洗浄し、BSA 4mg/mlを含むNCSU23培養液で培養した。
表1から分かるように、各群間(P<0.05)の卵割比率(58.1±13.9、60.7 ±6.3および74.9±7.5%)および胚盤胞への発達率(2.2±2.8、2.2±1.5および1 1.0±4.1%)は差異を示した。しかし、胚盤胞の平均細胞数(20.5±3.5、26.6±4 .5および26.3±10.3)は著しい差が観察されなかった。このような結果は、核移
植胚の体外発達率において電気パルスがA23187やA23187/6-DMAPで処理したとき
より遥かによい効果をもたらすことを示す。
【0030】
【表1】 試験された胚の数は括弧に示した。
【0031】実施例2 ブタの核移植胚の胚盤胞期への体外発達に対する活性化電圧の影響を試験した。
電気融合してから2〜3時間後、再構成された胚は5秒間3V/mmACパルス
を与えて活性化した後、120V/mmあるいは150V/mm DCパルスに
30μsecの間露出させた。この2つの群において卵割比率は大差がなかった。
核移植胚の胚盤胞発達率の場合120V/mm群( 11.6±1.6%, 14/121)が1
50V/mm群(6.5±2.3%, 8/121)に比べて遥かに高かった(P<0.05)
。しかし、胚盤胞の平均細胞数( 29.5±11.3、27.6±10.5)は二つの群が同様
であった(P<0.05)。続く実験において、120V/mm DCパルスの
みを与えたとき活性化が起こった(表2)。この実験は、電気融合後に最適の活
性化タイミングを決定するために行った(表3)。また、電気融合後活性化タイ
ミングが核移植胚の発達能力に影響を及ぼすかどうかについても調査した。融合
された卵子の約1/3が電気融合後相異する時間(2、4、6時間)で5秒間3
V/mm ACパルスを与え120V/mm DCパルスで30μsecの間露出
させたとき活性化された。核移植胚の卵割比率において2、4時間群が6時間群
より遥かに高かった。また、4時間群(6.6±2.3%, 11/190)や6時間群(8.1±
3.3%, 14/184)に比べて、電気融合してから2時間後活性化された核移植胚群(1 1.6±2.9%, 20/187)のより高い比率でこの胚盤胞期へ発達した。2、4、6時間
群の核移植胚の平均細胞数は各々30.4±10.4、24.6±10.1および16.5± 7.4であ
った。2時間群と6時間群の間で著しい差異を示した(P<0.05)。再構成
された胚が電気融合してから0、30分、1時間後に活性化されたとき、胚の胚
盤胞期への発達率は各々2.1%(2/97)、3.2%(2/85)、10.
4%(11/106)であった。このような結果は、電気融合後活性化タイミン
グがブタの核移植卵子の発達潜在力に影響を及ぼすことを示す。
【0032】
【表2】 試験された胚の数は括弧に示した。
【0033】
【表3】 試験された胚の数は括弧に示した。
【0034】実施例3 ブタ胎児繊維芽細胞の核移植胚の発達能力は単為生殖的胚やIVFによって得
たブタの胚と比較した。また、ブタの胚丘細胞や繊維芽細胞核移植胚の発達能力
はIVFによって得た胚と比べることができる。 繊維芽細胞を用いた核移植胚(9.4く±0.9%, 20/289)は胚盤胞期への発達比
率がIVFによって得た胚(21.4±1.9%, 43/201)や単為生殖的胚(22.4±7.2% , 43/189)より低かった(P<0.01)。しかし、実験群間の胚の卵割比率においては
大差はなかった(表4)。培養6日後、核移植胚から始まった大部分の胚盤胞(
16/20)は後にハッチングされた(図1)。しかし、平均核数はIVFによ
って得た胚盤胞のそれより少なかった(図2)。核移植胚盤胞の初期ハッチング
が起こる理由は、核除去過程中透明帯の一部が取除かれたからと思われる。核移
植胚の平均細胞数(28.9±11.5, ranging from 14 to 61, n=18)はIVFによっ
て得た胚盤胞より少なかった(36.2±9.7, ranging from 18 to 67, n=22) (P<0. 05)。これに対し、単為生殖的胚の平均細胞数(29.9±12.1, ranging from 13 to 50, n=24)とは類似した(表4)。この結果は、たとえIVFによって得た胚よ
り発達能力は劣るが、繊維芽細胞を用いたブタの核移植胚が体外で胚盤胞へ発達
できるということを示すものである。 ブタ卵母細胞の発達能力をIVFによって得た胚のそれと比較したが(表5)、
ここで、卵丘細胞を用いた核移植はNT 、繊維芽細胞を用いた核移植はNT+ + で行った。電気融合後、卵丘細胞および繊維芽細胞と再構成された、核が取除
かれた卵子の融合比率は各々67%(257/374)と69%(273/396)であった。し
たがって、この2つのドナー細胞類型間の核移植胚の卵割は大差がなかった。し
かし、2つの細胞類型に由来する核移植胚はIVFによって得た胚より胚盤胞期
への発達比率が低かった(P<0.01)。IVFによって得た胚盤胞の平均核
数、NT およびNT++ 胚盤胞の平均核数は各々38.6±10.4 (23から65に渡る
)、28.9±11.4 (17から51に渡る)、そして30.2±9.9(18から51に渡る)であ
った。このように核移植胚はIVFによって得た胚より少ない核で構成されてい
る(P<0.05)。
【0035】
【表4】 試験された胚の数は括弧に示した。
【0036】
【表5】 NT は、胚丘細胞を用いた核移植、NT++ は繊維芽細胞を用いた核移植をい
う。 表のカラム中の上付き(a、b)が異なることは明らかな差異があることを意味
する(胚盤胞:P<0.01、核数:5P<0.05)。 試験された胚の数は括弧に示した。
【0037】実施例4 トランスフェクションした細胞核移植胚が胚盤胞に発達し、発達初期に形質転
換を示すかどうかを試験した。GFP遺伝子を発現する繊維芽細胞を核が取除か
れた卵母細胞に移植し、再構成された胚に160V/mm DCパルスを30μ
secの間与えて融合した。融合した卵母細胞が活性化し始めると実施例2で述べ
たように培養した。高蛍光顕微鏡(Olympus)で観察したとき、核移植胚において
GFPの発現が観察された。トランスフェクションされた細胞のブタ核移植卵母
細胞の発達能力は非トランスフェクション細胞のそれと比較した。
【0038】 また、ブタにおいて核移植後トランスフェクション細胞が体外発達能力に影響
を及ぼすかを試験した。ブタの繊維芽細胞に外因性β−アクチンプロモータ/GFP 遺伝子をレトロウイルス感染させ、約2週間G418を処理した後、コロニーが生存
したかどうかを観察した。トランスフェクションした繊維芽細胞におけるGFP
の発現を高蛍光顕微鏡を用いて確認した(図1A)。トランスフェクションした
繊維芽細胞核移植卵母細胞の融合比率 (67%, 195/292)は非トランスフェクショ
ンした繊維芽細胞のもの (71%, 197/277)と類似した。核移植胚の胚盤胞への発
達比率もまたトランスフェクション細胞と非トランスフェクション細胞の間で大
差はなかった(表6)。図1 Cに示すように、トランスフェクション細胞に由
来する核移植胚は強いGFP発現を示した。この結果は、ブタのトランスフェク
ション細胞核移植胚の発達能力が非トランスフェクション細胞核移植胚の発達能
力と類似することを示す。したがって、核移植胚の活性化方法に関する本発明は
、トランスフェクションした細胞から形質転換された核移植胚を生産するのに適
用できる。
【0039】
【表6】 試験された胚の数は括弧に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるブタクローン胚の生産過程を示す概略図である。
【図2】 形質転換細胞株と複製された形質転換胚を作製するための本発明の実
施態様を示す。(A)は繊維芽細胞のGFP、(B)核移植胚盤胞、(C)光学
顕微鏡で観察した核移植胚である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イ キョンクワン 大韓民国 テジョン 300−200 ドン−ク ヨンジョン−ドン シンドンガ アパー トメント 6−1101 (72)発明者 ク トクボン 大韓民国 テジョン 305−345 ユソン− ク シンソン−ドン ラッキーハナ アパ ートメント 110−308 (72)発明者 パク ジョンソン 大韓民国 テジョン 305−345 ユソン− ク シンソン−ドン 152−1 デーリム ドーレ アパートメント 105−403 (72)発明者 カン ヨン クック 大韓民国 テジョン 305−345 ユソン− ク シンソン−ドン 152−1 デーリム ドーレ アパートメント 105−403 (72)発明者 チェ ヨンヒ 大韓民国 テジョン 302−792 ソー−ク ウォールピョン−ドン ワンシル−タウ ン 103−402 (72)発明者 ユ デーユル 大韓民国 テジョン 305−333 ユソン− ク ウフン−ドン ハンビット アパート メント 111−702 Fターム(参考) 4B024 AA10 BA80 CA01 DA02 GA11 GA14 HA20 4B065 AA90X AA90Y AB01 BA01 CA60

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核が取除かれた卵母細胞に電気刺激によってドナー体細胞、ある
    いはドナー体細胞核を注入して融合した、核が取除かれたブタ卵母細胞の再構成
    工程、および2次電気刺激による前記再構成されたブタ卵母細胞の活性化工程を
    含む、体細胞核移植によるブタクローン胚の大量生産方法。
  2. 【請求項2】 前記核が取除かれた卵母細胞に注入された前記ドナー体細胞、あ
    るいはドナー体細胞核が、ヒトを除いた哺乳動物の繊維芽細胞と卵丘細胞からな
    る群から得られたトランスフェクションされた体細胞またはトランスフェクショ
    ンされた体細胞核であることを特徴とする、請求項1記載の体細胞核移植による
    ブタクローン胚の大量生産方法。
  3. 【請求項3】 前記哺乳動物が、ブタ、ウシ、ヒツジ、マウスであることを特徴
    とする請求項2記載の体細胞核移植によるブタクローン胚の大量生産方法。
  4. 【請求項4】 前記再構成時期が1〜2時間であることを特徴とする、請求項1
    記載の体細胞核移植によるブタクローン胚の大量生産方法。
  5. 【請求項5】 レシピエント細胞質としての前記ブタ卵母細胞は、核を取除く前
    に体外成熟させることを特徴とする、請求項1記載の体細胞核移植によるブタク
    ローン胚の大量生産方法。
  6. 【請求項6】 前記ドナー細胞またはドナー細胞核が、胎児組織または成人組織
    から得られたものであることを特徴とする請求項1〜3記載の体細胞核移植によ
    るブタクローン胚の大量生産方法。
  7. 【請求項7】 前記2次電気刺激が120〜150V/mm DCパルスで30
    μsecの間与えることを特徴とする、請求項1記載の体細胞核移植によるブタク
    ローン胚の大量生産方法。
  8. 【請求項8】 ブタの前記ドナー体細胞またはドナー体細胞核が、韓国再来ブタ
    (Sus scrofa domesticus L.)から得られたものであることを特徴とする、請求
    項1〜3および6記載の体細胞核移植によるブタクローン胚の大量生産方法。
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