JP2005508185A - ウサギの卵母細胞を用いる異種間体細胞核移植 - Google Patents

ウサギの卵母細胞を用いる異種間体細胞核移植 Download PDF

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Abstract

本発明は、核ドナーの動物の細胞又は細胞核を、核ドナー動物と同じ種又は異なる種から得た除核卵母細胞に移植し、それによって核移植株を形成すること、及び適切な条件下で体細胞胚にまで成長させることを包含する体細胞胚の調製法、並びに当該方法によって得られた体細胞胚の使用法を開示する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、哺乳類の細胞又は細胞核を、該核ドナーとは異なる種の除核卵母細胞に移植することを包含する、異種間の核移植に関する。得られた核移植株(nt株)を培養することで、様々な着床前段階にまで成長させる。これらのnt株は、核移植胚幹細胞(ntES細胞)を生み出すのに有用である。詳細には、本発明は、ヒトの細胞又は細胞核を動物の除核卵母細胞、より好適にはウサギ科の卵母細胞、最も好適にはウサギの除核卵母細胞に移植することによって、nt株及びそれから得られる胚幹細胞の生産に関する。
【背景技術】
【0002】
核移植法には、除核卵母細胞へのドナー細胞又は細胞核の移植が包含される。得られた核移植株(nt株)は、種々の着床前段階にまで育成され、生産動物を生み出すために代理母へと移植される。当該方法は、1950年代終わりに、両生類に適用され成功している。BriggsとKingは、卵母細胞にトノサマガエルの腸上皮の上皮核を移植することによって核移植されたカエルを得た。核移植法は、1980年代後半まで哺乳類に適用されることはなかった。核移植では、種々の核ドナー細胞、例えば胚割球、内細胞塊、末端胚細胞(terminal embryo cells)などを用いることによって、異なる程度の成功を収めた(Collasらによる、"Mol. Reprod. Dev.," 第38号、 p. 264-267、1994年;Keeferらによる、"Biology of Reproduction," 第50号、p. 935-939、1994年;Simsらによる、"PNAS," 第90号、p. 6155-6159、1993年)。
【0003】
イギリスのWilmut Ianら("Nature," 第385号、p. 810-813、1997年)は、初の体細胞核移植による生きた子ヒツジを得 、そのドナー細胞は成体の乳腺から得たものであった。1998年には、アメリカの科学者らが、ネズミの体細胞核の逐次核移植を成功裏に行った(Wakayamaらによる、"Nature," 第394号、p. 369-374、1998年)。1999年には、科学者らは、胚盤胞期のネズミのnt株から、ネズミの核移植胚幹細胞(ntES細胞)を得た(Teruhikoらによる、"PNAS," 第96号、p. 14984-14989、1999年)。成体の体細胞を用いた核移植法の成功は、技術の進歩だけでなく、発育に関する理解の進歩でもあった。この事実は、体細胞核を再プログラムし、それらを再度発育するよう誘導することにより、高度に分化した成体の体細胞は新たな個体を形成し得ることを示すものである。
【0004】
異種間核移植法には、ドナー細胞又は細胞核を、核ドナーとは異なる種の除核卵母細胞に移植することが包含される。得られたnt株は、胚盤胞を得るために培養される。動物クローニングの場合には、生産動物を得るために胚盤胞期のnt株が子宮に移植される。治療クローニングにおいては、ヒトの体細胞核が核ドナーとして使用される場合、胚幹細胞を得るために胚盤胞期のnt株が解離される。
【0005】
Tanja Dominkoら("Biology of Reproduction," 第60(6)号、p.1496-502、1999年)は、様々な哺乳類種(例えばウシ、ヒツジ、豚、サル、ハツカネズミなど)の体細胞核をウシの卵母細胞に移植し、nt株を形成した。これらの異種間nt株から、胚盤胞が得られた。この実験によって、核ドナーとは異なる種の除核卵母細胞にドナー細胞又は細胞核を移植することによって、核移植株が得られることが示された。異種核移植から得られるnt株は、少なくとも胚盤胞にまで成長する可能性を有している。ある哺乳類種の卵母細胞が他の哺乳類種の体細胞核を効果的に再プログラムできるという事実は、再プログラミングを制御するメカニズムが哺乳類の間で十分に受け継がれるということを実証するものである。
【0006】
人間の医療に関しては、異種間体細胞核移植法は、ヒトの体細胞核を再プログラムするのに大量の卵母細胞が必要な治療クローニングにおいて役立ち得る。人間の卵母細胞は希少なため、臨床及び実験用途のニーズをほとんど満たせず、したがって実験及び臨床用途両方のニーズを満たすために、他の卵母細胞源を見つけることが極めて必要となるであろう。
【0007】
先述のように、ウシの卵母細胞は、異種間の核移植法において、ごく普通に使用されている。成熟した卵母細胞は、洗浄技術を用いてウシの卵巣又は生殖器官から直に得ることができる。しかしながら、当該技術は非常に複雑で、得られる細胞の数は少なく(8〜10細胞)、多くのウシを飼育する必要があり、コストが非常に高くなる(ウシの自然発情期である21日間に排卵を促すため、人工ホルモンを5日間注射して、各ウシから8〜10個の卵母細胞が得られる。)故に、生きたウシから成熟した卵母細胞を得るには非常に経費を要する。
【0008】
容易に入手できるウシの卵母細胞源は、屠殺場の素材だが、入手可能な卵母細胞は、多くの場合、やや老齢、虚弱、不健康、障害のある動物、又は病原菌、例えば結核、口蹄病などに冒された動物からのものであり、即ち卵母細胞の質が、多くの場合、不安定である。さらに、屠殺場のウシは、通常、様々な地域から集まっており、それ故、これらのウシの遺伝子的背景はたいてい不明確である。一方、得られた卵母細胞は、in vitroで18〜24時間培養して成熟してからでなければ使用できない。さらに、このin vitroで成熟した卵母細胞は、多くの場合において、体内で成熟した卵母細胞ほど良好ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、ヒトの細胞、例えば成人の体細胞又は細胞核を、動物の除核卵母細胞に移植することによって、核移植株(nt株)が得られることを見出した。異種間核移植により得られた当該nt株は、少なくとも胚盤胞にまでは成長する可能性がある。この結果は、除核卵母細胞に移植された後にヒトの体細胞核が再プログラムされ得、胚盤胞期まで成長し得るという初の証拠となった。さらに、これらの結果によって、異種間核移植、例えばヒトの細胞又は細胞核をウサギ科動物、例えばウサギの除核卵母細胞に移植すること、によって、胚盤胞期まで成長し得るnt株を生産し得る実現可能性が実証された。
【0010】
従って、本発明の目的は、異種間核移植によってnt株を生産するための、より改善された方法を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、ヒトあるいは動物の細胞又は細胞核を、核ドナーとは異なる種の除核卵母細胞に移植することを包含する、nt株の生産方法を提供することである。
【0012】
本発明のより詳細な目的は、ヒトの細胞核を、ヒト以外の哺乳類種の除核卵母細胞に移植することを包含する方法を提供することである。
【0013】
本発明の他の詳細な目的は、ヒトの細胞又は細胞核を、動物の除核卵母細胞、例えばウサギの除核卵母細胞、に移植することを包含する新規な方法を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、ヒトの核、例えば成体の体細胞核、をヒトの除核卵母細胞に移植することを包含する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、核移植株(nt株、体細胞胚とも称される)の調製法を開示し、当該方法は、ほ乳類の細胞もしくは細胞核を、核ドナーとは異なる種の除核卵母細胞、好ましくはウサギの除核卵母細胞、に移植すること、及び適切な条件下で当該核移植株を様々な着床前段階にまで成長させることを包含する。本発明はまた、当該方法によって得られたnt株の使用法に関しても開示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の上述の及びその他の目的、利点及び特徴に関しては、以下の本発明の好適な実施例に関する詳細な説明、及び添付の特許請求の範囲を参照することでより明確に理解されるであろう。
【0017】
本発明では、核移植(nuclear transfer)(nt)と核移植(nuclear transplantation)という用語を互いに交換して用いる。
【0018】
本発明では、核移植株(nt株)と体細胞胚という用語を互いに交換して用いる。
【0019】
本発明では、核移植胚幹細胞(ntES細胞)、又は体細胞由来胚幹細胞(S-ES)という用語を互いに交換して用いる。
【0020】
本明細書における「核移植」という用語は、ドナー細胞又は細胞核を、除核卵母細胞へ移植することを意味する。得られるnt株は、様々な着床前段階(例えば胚盤胞期)へと培養され、動物クローニングの際には、生産動物(live−borne animals)へのさらなる成長を許される。核移植では、様々な種、例えば霊長類、有蹄動物、両生類、齧歯類種、の体細胞又は細胞核を全て核ドナーとして使用できる。霊長類、有蹄動物、両生類、齧歯類などをはじめとする他の種の卵母細胞と同様に、ヒトの卵母細胞も、核移植に使用することができる。
【0021】
本明細書における「同種核移植法」という用語は、ドナー細胞又は細胞核を、同一種の除核卵母細胞へ移植することに関する。本明細書における「異種間核移植法」という用語は、ドナー細胞又は細胞核を、核ドナーとは異なる種の除核卵母細胞へ移植することに関する。
【0022】
本書における「核移植株(nt株)」という用語は、核ドナーと除核卵母細胞との組み合わせからえられる株を意味する。核ドナーと除核卵母細胞は、同じ種から又は異なる種から得ることができる。得られるnt株は、あらゆる着床前段階へ成長する可能性を有し、それに応じて名前を付けられる。例えば、胚盤胞期へと成長したnt株は、胚盤胞期のnt株と呼ばれる。
【0023】
好適な実施例では、適切な小動物、例えばウサギ、が核移植の卵母細胞ドナーとして使用される。ケース内でこれらの動物に標準的な餌を与えることにより、疾患を管理及び制御することがより容易になり、従って当該動物は、SPF(特定病原体を持たない)状態とされ、低コストに帰着する。7〜9日間というウサギの自然発情期の間に排卵を促すため、4日間人工ホルモンを注射し、過剰排卵したウサギからは、1匹当たり約30個の卵母細胞が定期的に得られる。
【0024】
本発明者は、ヒトの細胞又は細胞核、具体的にはヒトの線維芽細胞を、ウサギの除核卵母細胞に移植することによって得られたnt株は、胚盤胞期まで成長する可能性を有するnt株を生産し得ることを見出した。ヒトの細胞核がウサギの卵母細胞により効果的に再プログラムできるという事実に基づくと、ヒトの体細胞をウサギ以外の他の哺乳類種、例えば霊長類、有蹄動物、及びその他の齧歯類などの卵母細胞に移植することで、核移植株を生産し得ると考えるのは妥当である。さらに、同様の方法を用いて、ヒトの細胞又は核を、ヒトの卵母細胞に移植して、様々な着床前段階、例えば胚盤胞期、のnt株を生産することも可能である。
【0025】
従って、広い意味において、本発明は、哺乳類(ヒトを含む)の細胞又は細胞核を、核ドナーとは異なる種の除核卵母細胞に移植し、様々な着床前段階のnt株を生産することに関する。例えば、本発明は、ヒトの細胞又は細胞核を、ヒト以外の哺乳類種の除核卵母細胞に移植し、胚盤胞期のnt株を生産することに関するとも言える。得られるnt株は、臨床治療のために、胚幹細胞、又は胚幹様細胞、又はその他の種類の胚由来幹細胞を得るために使用することができる。
【0026】
治療クローニング法には、患者の体細胞を、哺乳類の除核卵母細胞に移植し、ntES細胞単離のために様々な着床前段階のnt株を生産することが包含される。得られるntES細胞は、当該患者と同一の遺伝子型を有し、当該患者の免疫システムにより「自己」として認識される可能性が高く、それ故、当該患者の免疫により拒否されることはない。治療クローニングは、移植医療において共通して見られる免疫拒否に関する問題の解決法をもたらすものである。
【0027】
治療クローニングから得られるntES細胞は、疾患を治療するために使用することができる。従って、ヒトの体細胞核を再プログラムするために使用されるヒト以外の卵母細胞は、次の要件を満たさなければならない。第1に、当該卵母細胞は、例えばバクテリア、ウイルス、マイコプラズマなど、関与するヒトに感染するいかなる病原体も持っていてはならない。第2に、それらは、ヒトの核を効果的に再プログラムでき、nt株を胚盤胞期又は孵化胚盤胞期へと成長させることができなければならない。さらに、これらの遺伝子的背景が明確で、その質が安定していなければならず、十分な量を取得することが可能でなければならない。
【0028】
ウシやヒツジの卵母細胞と比較すると、ウサギの卵母細胞にはいくつかの利点がある。これらはより容易に入手でき、より低コストで、より質が安定しており、遺伝子的背景がより明確で、核移植前にin vitroで成熟するため、いかなる付加的手順も必要としない。特別な実施例では、本発明は、ヒトの細胞又は細胞核を、ウサギの除核卵母細胞に移植してnt株を生産し、それを胚幹細胞又は胚幹様細胞又はその他の種類の胚由来幹細胞を得るのに使用することを包含する、異種間核移植によるnt株の新規生産法を提供する。先述のように、人々は、大型の有蹄動物の細胞(ウシ及びヒツジの卵母細胞を含む)のみを卵母細胞ドナーとして使用してきた。ウシ及びヒツジの卵母細胞と比較して、ウサギの卵母細胞には、低コスト、入手可能性の高さ、及び大量に生産できるという利点がある。最も重要な点は、SPF(特定病原菌を持たない)クラスの、病原体ゼロの動物から、ウサギ及びウサギの卵母細胞を得ることができることであり、病原菌ゼロの卵母細胞は、病原菌ゼロのntES細胞を得るにあたり最終的に重要なものであり、それは、得られる幹細胞をヒトの疾患を治療するために使用する、治療クローニングにおいて、非常に重要である。
【0029】
本発明者らはまた、ウサギの卵母細胞が、ヒトの細胞核を効果的に再プログラムして胚盤胞を生産し得ることを見出した。従って、ウサギの卵母細胞は、研究及び治療クローニングにおいて、ウシ及びヒツジより、ヒト卵母細胞の代替物として好ましくなるであろう。
【0030】
好適な実施形態では、本発明は、ヒトの細胞又は細胞核を、除核した動物の卵母細胞、より好適にはウサギ科動物の卵母細胞、最も好適にはウサギの除核卵母細胞に移植することによって、様々な着床前段階のヒトnt株を生産することを包含する。
【0031】
一般に、nt株は、
望ましい哺乳類の細胞又は細胞核を核ドナーとして得るステップ、適切な源、例えば哺乳類、より好適にはウサギ科動物、例えばウサギ、から卵母細胞を得るステップ、前記卵母細胞を除核するステップ、哺乳類の細胞又は細胞核を除核卵母細胞に移植し、nt株を活性化させるステップ、得られたnt株を培養し、胚盤胞又は孵化胚盤胞を得るステップ、
を包含する種間核移植法により生産される。
【0032】
核移植手法
核移植(nuclear transfer)法又は核移植(nuclear transplantation)法は、論文において既知であり、発明の背景において引用した文献の多くにおいて説明されている。特に、参照することでその内容の全てを本明細書に取り入れることとする、Wilmutらによる、"Nature," 第385号、p. 810-813、1997年;Campbellらによる、"Biology of Reproduction," 第49(5)号、p. 933-942、1993年;Collasらによる、"Mol. Reprod. Dev.," 第38号、p. 264-267、1994年;Keeferらによる、"Biology of Reproduction," 第50号、p. 935-939、1994年;Simsらによる、"PNAS," 第90号、p. 6155-6159、1993年;国際公開第94/26884号、国際公開第94/24274;国際公開第90/03432号を参照されたい。
【0033】
核ドナー
本発明において、核ドナーとして使用される細胞は、ヒトの細胞、好適にはヒトの線維芽細胞から得られる。
【0034】
ヒト又は動物の細胞、好適には哺乳類の細胞は、当分野において説明されているように、得ることができ、また培養することができる。本発明において有用なヒト及び動物の細胞として、例えば、上皮細胞、神経細胞、表皮細胞、表皮ケラチン細胞、造血細胞、メラニン形成細胞、軟骨細胞、有核赤血球、マクロファージ、単核細胞、線維芽細胞、心筋細胞、その他の筋肉細胞などが挙げられる。さらに、核移植に使用されるヒトの細胞は、異なる臓器、例えば皮膚、肺、すい臓、肝臓、胃、腸、心臓、生殖器、膀胱、腎臓、尿道、その他の泌尿器などから得ることができる。これらは適切なドナー細胞のほんの一例である。適切なドナー細胞、即ち本発明において有用な細胞は、身体のいかなる細胞又は臓器から得ることができる。これには、全ての体細胞が含まれる。
【0035】
卵母細胞
核移植に使用する卵母細胞は、哺乳類及び両生類をはじめとする様々な動物から得ることができる。卵母細胞に適する哺乳類源として、ヒツジ、ウシ、豚、ウマ、ウサギ、モルモット、ハツカネズミ、ハムスター、ネズミ、霊長類などが挙げられる。好適な実施形態では、卵母細胞は、ウサギ科動物、例えばウサギから得られる。
【0036】
成体の第2分裂中期の卵母細胞は、発情期開始後又はヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)もしくはそれに似たホルモン注射の14〜24時間後、好適には15〜18時間後に、過剰排卵している、又はしていない、ウサギの生殖器官から外科的に収集することができる。
【0037】
卵母細胞の単離方法も、同様に当分野において説明されている。基本的には、当該方法は、哺乳類又は両生類、例えばウサギの卵巣又は生殖器官、から卵母細胞を単離することからなる。
【0038】
核移植における卵母細胞の成長度合は、核移植方法の成功を左右する重要な因子として報告されている(Pratherらによる、"Differentiation," 第48号、p. 1-8、1991年参照)。一般に、以前成功した哺乳類の胚クローニングでは、第2分裂中期の卵母細胞を、被移植卵母細胞として使用した。なぜなら、この時期の卵母細胞は、受精させる精子に似た方法で、導入された核を再プログラムし、nt株を生産するよう、効果的に活性化され得ると考えられているからである。
【0039】
除核
本発明において、ニュージーランドウサギから取得した成熟している卵母細胞は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の注射後14〜24時間後に除核すべきことが判明した。除核前、卵丘細胞を除去する前に、卵母細胞を、ヒアルロニダーゼを含有するM2培地(シグマ社)に配置する。これは、微小内径のピペットを用いて繰り返し吸い上げたり、又は短時間渦動させることによって実施することができる。次いで、余分なものを取り除いた卵母細胞は極体を有するものに選別され、極体の存在が確認された、選定された第2分裂中期の卵母細胞が、核移植及び除核に使用される。
【0040】
一般に、動物の卵巣から集められた未熟な卵母細胞は、第2分裂中期に至るまで、in vitroで望ましい程度にまで成熟させるべきである。
【0041】
ニュージーランドウサギに関しては、除核は、好適にはヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)注射後20時間以内、より好適には16〜18時間後に実施すべきである。
【0042】
除核は、マイクロピペットを用いる超微細手術によって、極体及び隣接する細胞質を除去することにより達成し得る。除核の効率は、除去した極体を、Hoechst33342染料を用いて染色し、すぐに紫外線照射の下でDNAを観察することによって確認することができる。
【0043】
nt 株の形成
当分野で周知の方法に従って、nt株は、例えば透明帯への注射又は細胞質への注射により形成することができる。
【0044】
透明帯への注射
単体の動物あるいはヒトの体細胞もしくは細胞核を、除核卵母細胞の囲卵腔内へ移植する。体細胞のウサギ卵母細胞の細胞膜は、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の注射後16〜20時間後に、電気融合培地、例えばマンニトールやスクロースなどの中で、電気パルス90〜120Vを約60μ秒、1〜2回又は頻繁に適用することによって、0.5mmのチャンバ内で電気融合される。典型的な活性化は、電気融合後より短時間の間、一般的には24時間未満、好適には4〜9時間の間、になされる。融合後、得られたnt株は、適切な培地、例えばRD、M199、DMEM培地内に配置される。
【0045】
電気融合は、原形質膜に一時的な破壊を起こすのに十分な電気パルスを与えることによって達成される。この原形質膜の破壊プロセスは、細胞膜が急速に再形成されるため、非常に短時間である。基本的に、2つの隣接する細胞膜が破壊するよう誘導される場合、それらの脂質二重層は混ざり合い、膜の再形成後には、2つの細胞間に小さいチャネルが開いている。そのような小さな開口部の熱力学的不安定性に起因して、2つの細胞は、1つに融合するまで該開口部が拡大する。Pratherらによる米国特許第4997384号を参照すると(参照することでその内容の全てを本明細書に取り入れることとする)、この過程のさらなる検討がなされている。例えばスクロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸緩衝液をはじめとする、様々な電気融合培地を使用することができる。融合はまた、センダイウイルスを融合誘導因子に用いて実施することもできる。
【0046】
nt株は、既知の方法によって活性化することができる。そのような方法には、例えば、準生理学的な温度で培養すること、基本的に冷温を適用すること、又は実際に冷温衝撃をnt株に適用すること、が含まれる。これは、生理学的温度に比べて低い室温下で、nt株を培養することによって、最も都合良く実施することができる。
【0047】
適切な卵母細胞活性化法は、Susko-Parrishらによる米国特許第5496720号の主部であり、参照することでその内容を本明細書に取り入れることとする。
【0048】
例えば、卵母細胞の活性化は、以下のように順次的に行うことができる。
(i) 卵母細胞内の二価カチオン濃度の上昇、
(ii)卵母細胞内における細胞タンパク質のリン酸化反応の減少。
【0049】
二価カチオン濃度を上昇させる方法は、例えばキナーゼ抑制剤、例として、6‐ジメチル‐アミノ‐プリン、スタウロスポリン、2‐アミノプリン、スフィンゴシンなどのセリン−トレオニンキナーゼ抑制剤、を添加することで実施することができる。
【0050】
あるいはまた、卵母細胞にホスファターゼ、例えばホスファターゼ2A及びホスファターゼ2B、を導入することによって細胞タンパク質のリン酸化反応を抑制することができる。
【0051】
細胞質への注射
核移植には、他の方法、例えばエレクトロポレーション融合(Collas、Barnes、 "Mol. Reprod. Dev.," 第38号、p. 264-267、1994年)を用いるのではなく、卵母細胞の細胞質に直に核を注射すること、を用いることができる。
【0052】
nt 株の培養
活性化したnt株は、胚盤胞を得るためにin vitroで培養することができる。本発明の好適な実施形態である以下の実施例では、胚盤胞を培養する際の最高効率は、nt株をRD培地(該例の詳細を参照のこと)内で培養した場合に得られる。
【0053】
例えば、活性化したnt株は、38℃、CO25%にて、パラフィン層下、50μlの組織培地、例えばRD、M199、DMEMなどの微小滴培地、へ移入させ得る。
【0054】
本発明者の経験によると、ヒトの体細胞/ウサギの除核卵母細胞由来のnt株においては、胚盤胞は、該nt株の活性化後約6〜7日で得られる。異種間核移植により得られた該nt株は、通常、卵母細胞ドナー種ではなく、核ドナー種に似た外観及び細胞特性を示す。例えば、ヒトの体細胞核とウサギの除核卵母細胞との間で形成されたnt株は、培養時約3〜4日で胚盤胞を形成するウサギ胚にではなく、約6〜7日で胚盤胞を形成するヒト胚に近い発育スケジュールを示す。
【0055】
ウサギ胚の培養及び保持培地は、文献に詳しく記載されており、例えば、DMEM+15%FCS、M199+15%FCS、RD+15%FCSなどがある。上記のいずれも、顆粒細胞、卵管細胞、子宮細胞、及びSTO細胞など様々な種類の細胞の共培養物を包含し得る。
【0056】
本発明では、得られるnt株は、ヒト胚幹細胞、胚幹様細胞、又はその他のあらゆる種類の胚由来幹細胞を得るために使用することができ、これら細胞は、医療分野において用途があり、多くの遺伝病の治療に新規な方法を提供するものである。
【0057】
実際の用途においては、当該核移植法は、絶滅に近い種、例えばパンダを救うために使用することができる。これらの種においては、メスの卵母細胞の数が非常に少ないため、大量にメスの卵母細胞を得ることはほとんどできない。これらの種の核をドナー細胞として、異種の除核卵母細胞に移植する。得られたnt株は、胚盤胞を得るためにin vitroで培養し、それを正常な個体を育てるため妊婦に移植する。
【0058】
本発明をより明確に説明するために、以下の実施例を与える。
【実施例1】
【0059】
核移植のための核ドナー細胞の調製
インフォームドコンセントのもとに手術で得た包皮組織を細分化し、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、毎分1000回転で5分間遠心分離機にかけ、上清を捨てた。細分化した当該組織を、0.05%トリプシン/0.02%EDTA(ギブコ社)内で、37℃にて30分間消化させた。細胞懸濁液を除去し、毎分1000回転で5分間遠心分離機にかけた。上清を捨て、細胞沈殿物を、90%DMEM(ギブコ社)+10%FBS(ハイクローン社)+50IU/mlペニシリン-ストレプトマイシン(ギブコ社)内で培養した。プレート内に再度懸濁させ、37℃、5%CO2下で培養し、3日毎に培地を取り替えた。
細胞が密集成長した後の継代及び第7〜第20継代の細胞を、核ドナー細胞として使用した(図1)。
【0060】
卵母細胞形成
2.5〜3kgの成熟したメスのニュージーランドウサギに、100IUのPMSG(筋肉注射)(第一生物医薬品社、上海)を1回注射し、72時間後に100IUのhCG(静脈注射)を1回注射して、過剰排卵させた。hCG注射後14〜16時間後に、卵管から成熟した卵母細胞を、予備的にガス処理されたM2溶液(シグマ社)を用いて、洗い流した。当該卵母細胞を、300IU/mlのヒアルロニダーゼを含有する溶液内に配置し、卵丘細胞を除去した。解剖レンズ下で観察し、粒子分散後に、ガラス針を用いて卵母細胞を摘出した。次いで、当該卵母細胞(図2)を、M2溶液により3回洗浄した。
【0061】
核移植手順
透明帯への注射
卵母細胞を、7.5μg/mlのサイトカラシンB(シグマ社)を含有するM2培地内で処理し、培養して、室温下で10分間保持した後に斜端針により除核した。その後、単一のドナー線維芽細胞を、ウサギの除核卵母細胞の囲卵腔内へ移入させ、nt株を形成させた。当該nt株を、0.3Mグルコース(シグマ社)、0.1mM のMgCl2(シグマ社)、0.05mM のCaCl2(シグマ社)を含有する融合緩衝液内で平衡状態に保ち、120Vの高電圧の単一直流パルスによって、60μ秒間刺激した。刺激後、nt株を、42.5%のDMEM(ギブコ社)、42.5%のRPMI-1640(ギブコ社)、15%のFBS(ハイクローン社)を含むRD培地内で培養した。6〜7日後、胚盤胞が得られた(図3〜6、11)。
【0062】
細胞質への注射
卵母細胞を、7.5μg/mlのサイトカラシンB(シグマ社)を含有するM2溶液内で培養し、室温下で10分間保持した後、斜端針により除核した。その後、単一のドナー線維芽細胞を、ウサギの除核卵母細胞の細胞質に移入させ、nt株を形成した。多くのnt株を、42.5%のDMEM(ギブコ社)、42.5%のRPMI-1640(ギブコ社)、15%のFBS(ハイクローン社)を含むRD培地内で培養した。5〜7日後、胚盤胞が得られた(図7〜10)。
【実施例2】
【0063】
ヒト核移植胚幹細胞株の確立
胚盤胞期のnt株を前述のようにして得て、それらを胚盤胞より小さい直径のガラス針を用いて優しく上下させることによって、透明帯を除去した。次いで、当該胚盤胞の内細胞塊を単離し、栄養支持細胞上に平らにのばし、79%のDMEM(ギブコ社)、20%のFBS(ハイクローン社)、1%の非必須アミノ酸ストック(ギブコ社)、0.1mMのベータ‐メルカプトエタノール(ギブコ社)、10ng/mlのLIF(R&D社)、10ng/mlのbEGE(R&D社)、10μMのForskolin(シグマ社)内で、5%CO2、37℃にて培養し、2日毎に培地を半分ずつ取り替えた。
【0064】
2〜4日間培養した後、細胞塊が栄養支持層上で成長していることが観察された。7〜20日後、コロニーが観察された(図12)。該コロニーを、酵素又は機械的手段により分散させ、新鮮な栄養支持細胞層を含むプレートへ移した。20継代後、ntES細胞を低温保存した。
【0065】
線維芽細胞栄養支持細胞層
栄養支持細胞を、13〜14日目のネズミ胚から得た。無菌状態下で、胚の頭部、肝臓、心臓、食道を除去した後、胚の残留物を細分化し、0.05%トリプシン/0.02%EDTA(ギブコ社)を含有する予熱した溶液内で、37℃にて30分間消化させた。細胞懸濁液を除去し、毎分1000回転で5分間遠心分離機にかけた。細胞沈殿物を、90%のDMEM(ギブコ社)、10%のFBS(ハイクローン社)、50IU/mlのペニシリン-ストレプトマイシン(ギブコ社)、1%の非必須アミノ酸ストック(ギブコ社)、0.1mMのベータ‐メルカプトエタノール(ギブコ社)内で再度懸濁させ、平らに延ばし、5%CO2、37℃にて培養した。3継代後、栄養支持細胞を、10mMのマイトマイシンC(シグマ社)を用いて3〜4時間処理し、4ウェル又は96ウェルプレートに移した。当該栄養支持細胞層を、5%のCO2を含んでいる、37℃にて加湿された培養器内で成長させ、ntES培養物を調製するのに用いた。
【実施例3】
【0066】
染色体分析
10μg/mlのコルヒチンを、細胞培養物に添加した。37℃にて4時間放置した後、細胞をプレートから取り出し、毎分1000回転で8分間、細胞を遠心分離機にかけた。上清を捨て、細胞沈殿物を、予熱した0.05M塩化カリウム内に再度懸濁させ、37℃にて30分間培養した。毎分1000回転で8分間、細胞を遠心分離機にかけ、上清を捨て、細胞残留物を再び固定化溶液(メタノール:氷酢酸=3:1)内に、室温下にて15分間懸濁させた。毎分1000回転で8分間、細胞を遠心分離機にかけ、上清を捨て、細胞残留物を、再度固定化溶液内に、室温下にて15分間懸濁させた。毎分1000回転で8分間、細胞を遠心分離機にかけた後、細胞残留物をガラスプレートに配置し、GIEMSAにより染色して核型を調べた。結果の一例を、図13に示している。
【0067】
本明細書においては、特定の実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者には、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更や修正が可能であることが理解されよう。そのような修正は、全て本明細書に添付の説明及び特許請求の範囲内にあるものと意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】ヒトの包皮から得た線維芽細胞の写真
【図2】ウサギの卵母細胞の写真
【図3】4細胞期のnt株(透明帯への体細胞注射によって得られたもの)の写真
【図4】桑実胚期のnt株(透明帯への体細胞注射によって得られたもの)の写真
【図5】胚盤胞期のnt株(透明帯への体細胞注射によって得られたもの)の写真
【図6】孵化胚盤胞期のnt株(透明帯への体細胞注射によって得られたもの)の写真
【図7】4細胞期のnt株(卵母細胞の細胞質への体細胞注射によって得られたもの)の写真
【図8】桑実胚期のnt株(卵母細胞の細胞質への体細胞注射によって得られたもの)の写真
【図9】胚盤胞期のnt株(卵母細胞の細胞質への体細胞注射によって得られたもの)の写真
【図10】孵化胚盤胞期のnt株(卵母細胞の細胞質への体細胞注射によって得られたもの)の写真
【図11】異なる年齢のドナーから得た体細胞が同程度の効率で胚盤胞を形成することを示す表
【図12】ウサギの卵母細胞によって再プログラムされたヒトの体細胞から得たntES細胞コロニーの写真
【図13】正常なヒトの第26継代のntES細胞の核型の写真

Claims (15)

  1. ドナーの体細胞又は細胞核を、前記核ドナーとは異なる種の除核卵母細胞に移植すること、及び得られた核移植株を適切な条件下で着床前段階後期にまで培養することを包含する、核移植株の調製方法。
  2. 前記核ドナー細胞が、ヒトの細胞、好適には胚又は成体の体細胞、より好適には成体の線維芽細胞である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記卵母細胞が、哺乳類もしくは両生類から得られる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記卵母細胞が、ヒトから得られる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記卵母細胞が、ウサギ科動物、好適にはウサギから得られ、請求項3に記載の方法。
  6. 前記卵母細胞が、分裂期の中期、好適には第2分裂中期にある、請求項3から5の何れか1項に記載の方法。
  7. 前記得られた核移植株が、室温で培養することによって、又は活性剤を使用することによって活性化される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記活性剤が、マンニトール電気融合液、グルコース電気融合液、ソルビトール電気融合液、リン酸緩衝液からなる群から選択され、より好適にはグルコース緩衝液である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記活性化された核移植株が、RD培地、M199培地、DMEM培地からなる群から選択される培地、より好適にはRD培地内で培養され、例えば2〜4細胞、8細胞、桑実胚期、胚盤胞期、孵化胚盤胞期をはじめとする様々な着床前段階の核移植株が得られる、請求項1に記載の方法。
  10. 前記活性化された核移植株が、RD培地、M199培地、DMEM培地からなる群から選択される培地で培養され、多数の種類の細胞、例えば顆粒細胞、卵管細胞、STO(ネズミ線維芽細胞)と共培養系を形成し、例えば2〜4細胞期、8細胞期、桑実胚期、胚盤胞期、孵化胚盤胞期などをはじめとする様々な着床前段階の核移植株が得られる、請求項1に記載の方法。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の方法に従って得られた、あらゆる着床前段階の核移植株。
  12. 請求項11に従って得られる、ヒトの細胞又は細胞核をウサギ科動物の除核卵母細胞に移植して得られる、あらゆる着床前段階の核移植株。
  13. 請求項11に従って得られる、成体の線維芽細胞又はその核をウサギの除核卵母細胞に移植して得られる、あらゆる着床前段階の核移植株。
  14. ヒトの胚幹細胞又は胚幹様細胞又はその他の種類の胚由来幹細胞の調製における、請求項11から13の何れか1項に従って得られるあらゆる着床前段階の核移植株の使用。
  15. 治療方法及び商業的使用における、請求項11から13の何れか1項に従って得られるあらゆる着床前段階の核移植株及びそれから得られる細胞の使用。
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