JP2006508676A - 追加の核移植のための細胞ドナーとして体細胞核移植胚を利用する方法および系 - Google Patents

追加の核移植のための細胞ドナーとして体細胞核移植胚を利用する方法および系 Download PDF

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Abstract

本発明は、連続的核移植とその結果となるトランスジェニック細胞および/または動物の作製の両者の効率を改善する方法を提供する。この新規な方法は、少なくとも2回目の核移植の使用によって、より多くの有用なトランスジェニック胚をより効率的に作製するように、ドナー細胞が再プログラミングを修正することを可能にする。生じた胚の再プログラミングが強化されるので、本発明はより健康なトランスジェニック動物を作製できる。

Description

本発明は、特に非ヒト哺乳類トランスジェニック動物作製のための2回目の核移植(“再クローニング”)用のドナーとして体細胞核移植法により作製した胚由来の細胞を使用する改良法に関する。より詳細には、本発明は、トランスジェニック動物におけるトランジーンの発現とそのレベルを改良する再クローニング改良法を提供する。
本発明は概して、体細胞核移植(SCNT)分野と所望のトランスジェニック動物の作製に関する。より詳細には、体細胞由来細胞株を作製し、これら細胞株を形質転換し、さらに1回以上の核移植においてこれら形質転換細胞を使用して、非ヒト哺乳類トランスジェニック動物を作製する方法に関する。
過体重、乳成分、乳生成量、泌乳間隔の長さ、および疾病抵抗性等の所望の特徴をもつ動物が長い間求められてきた。従来の繁殖法では、所望のある種の特徴を持つ動物の作製を可能にしているが、これらの特徴には多くの不必要な特徴も伴うことがあり、時間および費用がかかり、かつ信頼できないこともある。さらにこれらの方法は、特定の動物系統に、その動物種の遺伝子補完物(genetic complement)に全く存在しない望ましいタンパク質薬剤のような遺伝子産物を産生させることは完全に不可能である。
トランスジェニック動物の作製を可能にした技術の発展は、特定の特徴をもつように操作し、またはある種のタンパク質や他の分子成分を産生するように設計した動物の作製において、高い正確性をもたらす手段を提供する。すなわち、トランスジェニック動物とは、発生初期の体細胞および/または生殖細胞に故意に導入した遺伝子をもつ動物である。動物の発生および成長に伴い、その動物に組み込まれたタンパク質産物または特定の発達変化が明らかになる。
現在トランスジェニック家畜動物の作製に利用される技術は、一般に生存胚の作製率が非常に低く、不十分で手間がかかる。トランスジーンの開発中、DNA配列は一般的にランダムに挿入され、これはさまざまな問題を生じさせる。第一の問題は、挿入による不活性化であり、挿入されたDNAによってコード配列や制御配列が妨げられ、必須遺伝子(essential gene)が不活性化する。別の問題は、トランスジーンが全く挿入されず、あるいは挿入されても発現しないこともある。さらに、位置的影響によって不正確な制御の可能性もある。これは、同じトランスジェニック構成物で作製した異なった初代動物間での遺伝子発現のレベルと遺伝子制御の正確性の変動を示す。このため、トランスジェニック系統の維持を保証するように多くの初代動物を作製しても、トランスジーンの発現を5%未満しか確認できないことも珍しくはない。
さらに、トランスジェニック家畜動物の作製効率は低く、トランスジェニックで作製された仔100のうち1つしか成功しないこともよくある(ウォール(Wall,1997))。結果として、トランスジェニック動物作製に関わるコストは、発現を有する動物毎に25万〜50万ドルほどもかかる(ウォール(Wall,1997))。
以前の方法では一般にクローニング法で胚性細胞種を使用してきた。これには、キャンプベルら(非特許文献1)、およびスタイスら(非特許文献2)の研究が含まれる。この両者の研究では胚性細胞株は妊娠10日未満の胚由来である。両者のクローニング操作で使われたドナー細胞は、明白な分化を妨げるために支持細胞層上で維持された。本発明では分化した細胞を使用する。分化したドナー核で開始したクローン胚と共に、胚性細胞種も本発明の方法で使用可能であると思われる。
したがって、本発明によって、ヤギ等の哺乳動物の優れた遺伝子型の増幅が可能であろう。これによって、明らかな遺伝的優位性や他の所望の特徴をもつ成体動物を増やすことができるであろう。例えば、ヤギ、齧歯類、ウシおよびウサギ等の多くの重要な哺乳動物種で進行が加速するであろう。本発明によって、採取可能でありかつクローニング法で使用できる、潜在的に莫大な数の胎児や成体の細胞が存在する。このことは、結果的に短期間で多くの同じ仔をもたらすであろう。
したがって、トランスジェニック動物はさまざまな生物種において各種方法で作製されてきたが、所望のタンパク質を多量に発現できる、あるいはトランスジーンの挿入によって生じた遺伝子変化を手頃なコストで証明できる、トランスジェニック動物の簡便かつ再現性のある作製法は未だ存在しない。さらに、in vitroで成熟させた卵母細胞は、in vivoで成熟させた卵母細胞よりも安価なので、初回のクローニングにおいて本発明に基づきin vitroで成熟させた細胞を用い、2、40、8、16、32細胞期の細胞、桑実胚、および胚盤胞を作製し、さらにそれら割球をドナー細胞として用いて、in vivoで 成熟させた卵母細胞を用いて再クローニングすることは、費用の削減になるかもしれない。
Campbell KHS,Mcwhire J, Ritchie WA and I.Wilmut Sheep Cloned by Nuclear Transfer From a Cultured Cell Line,Nature 1996;380:64-66 Stice SL,et al.,Pluripotent Bovine Embryonic Cell Lines Direct Embryonic Development Following Nuclear Transfer,Biol Reprod 1996 Jan;54(1):100-110
従って、トランスジェニック動物の開発における作製効率を向上させる改良核移植法が必要とされている。特に、1回以上の核移植によって所望のトランスジーンを安定して発現するトランスジェニック動物の活性化の開発に関する。
手短に言えば、本発明は、以下の工程を含む連続した核移植法による非ヒト哺乳動物のクローニング法を提供する:ドナー核の供給源として使用する所望の分化哺乳類細胞を採取し;ドナー核の供給源となる細胞と同種の哺乳動物から、少なくとも1個の卵母細胞を採取し;前記少なくとも1個の卵母細胞を除核し;前記所望の分化細胞または細胞核を除核卵母細胞に移植し;細胞カプレットを同時に融合および活性化して、第1のトランスジェニック胚を形成し;前記第1のトランスジェニック胚を少なくとも2細胞期に達成するまで培養し;さらに、少なくとも2回目の核移植によるトランスジェニック動物の作製のために、前記第1のトランスジェニック胚の少なくとも1個の細胞をドナー細胞として使用して、第2のトランスジェニック胚を作製し;活性化された2回目の胚を培養し;さらに、生じた細胞を利用し、あるいはその胚が胎児に発生するように第2のトランスジェニック胚を適切な宿主哺乳動物に最終的に移植する。通常、上記の方法は、前記分化哺乳類細胞やその細胞核を前記除核卵母細胞に挿入する前に所望の遺伝子を挿入、除去、または改変させたドナー細胞核の使用によって達成される。また、使用する卵母細胞は、除核前に好適にはin vitroで成熟させるが、本発明に従ってin vivoで成熟させてもよい。
本発明はまた、細胞、組織、器官の移植等で使用できるCICM細胞、胎児、または仔の有用性を向上させるためにも使用できる。動物から胎児または成体の細胞を採取し、それをクローニング法で使用することによって、さまざまな細胞、組織および場合によっては器官を、器官形成に従って発生するクローン胎児から得ることができる。細胞、組織、および器官は、クローンの仔からも単離できる。この方法は、細胞療法や遺伝子療法を含む多くの医学、獣医学の治療用の“物質”の供給源を提供できる。細胞が由来する動物にその細胞を戻して移植すれば、免疫拒絶は回避される。また、多くの細胞種がこれらのクローンから単離できるので、造血キメリズム(hematopoietic chimericism)のような他の方法が、種間だけでなく同じ生物種内での免疫拒絶を回避するのに使用できる。
本発明の方法の好適な一実施形態では、ドナー細胞の再プログラミングを改良することで核移植の効率を改善し、それによって初期段階の単一の胚から作製できる胚の数を増やすだろう。
本発明のさらなる一実施形態では、供給動物からのin vivo 卵母細胞の使用およびその経費を抑えるため成熟卵母細胞をin vitroで操作することができ、さらにそれによって、両方in vitro由来のレシピエントとドナー細胞を使用する場合に比べて効率を高める。
本発明法の別の利点は、これらの方法を実践して、細胞の再プログラミングが、1回のNT(核移植)による仔と比べて、生じた体細胞NTの仔の欠点を改善することである。
本発明のさらなる利点は、2代目の胚を作製するためにドナー細胞として初期に核移植した胚を使用することによって、2代目の胚の再プログラミングが強化されることである。
本発明の実施形態では、動物はトランスジェニック動物であり、ドナー核は遺伝子的に改変されている。ドナー核は1個以上のトランスジーンを含んでいてよく、核移植および胚の再構成の前に遺伝子改変が生じてもよい。
以下の略語は特定の意味を示す:
体細胞核移植 (SCNT)
培養内部細胞塊細胞 (CICM)
核移植 (NT)
合成卵管液 (SOF)
ウシ胎児血清 (FBS)
ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)
ウシ血清アルブミン (BSA)

用語解説:
胚盤胞―約30〜150個の細胞からなる胎盤哺乳動物の着床前の胚(マウスで受精後約3日、ヒトで約5日)。胚盤胞期は桑実胚期の後で、その独特な形態で区別できる。胚盤胞は、細胞の層(栄養外胚葉)でできた球体、液体で満たされた空間(卵割腔または胞胚腔)、および内部の細胞の集まり(内部細胞塊すなわちICM)で構成される。ICMは未分化の細胞からなり、胚盤胞が着床すると胎児となりはじめる。このICM細胞を培養すると胚性幹細胞株を生じる。着床時でマウスの胚盤胞は約70個の栄養芽細胞と30個のICM細胞からなる;

胞胚―卵割腔と呼ばれる液体で満ちた空間を内部にもった細胞集団による球体でできた胚の初期発生段階を示す用語。胞胚は胚盤胞と同義で使われることもある;

ヤギの(Caprine)―ヤギのおよび各種ヤギに関すること;

細胞カプレット(Cell Couplet)―融合および/または活性化前の除核卵母細胞と、体細胞または胎児の核体;

卵割様式―最も初期の胚での細胞分裂の様式。すなわち、各生物種は顕微鏡で観察できる特徴的な卵割様式を示す。通常特徴的な様式を示さない場合は胚が異常であることを示す。このため、卵割様式は着床前の胚の審査基準として使用される;

クローン―1)DNA分子、細胞、組織、器官、または植物または動物全体の遺伝的に正確な複製物。2)別の生物と同じ核ゲノムをもつ生物;

胚分割―初期胚を同じ遺伝的組成の2個以上の胚に分割すること。本質的には一卵性双生児または多胎児(3つ子、4つ子等)である;

胚性幹(ES)細胞―広範な種類の分化した細胞になる能力を有す(すなわち多分化能)胚由来の初期(未分化)培養細胞。これは胚盤胞の内部細胞塊由来である。胚性幹細胞は胚ではない。すなわち、完全な生物を生じるための組織化された流れにおいて、それ自身によって栄養外胚葉細胞のような必要な細胞種を作れない;

胚性幹細胞(ES)細胞株―胚性幹細胞から樹立し実験室で培養されている分裂細胞の集団。胚性細胞株には、さらに胚性幹細胞を作れる細胞や、分化条件によって、着床後の胚、胎児、または発生した生物で見られる殆どまたは全ての細胞種を含む細胞の集まりを生じることができる細胞がある;

除核―細胞の核物質が取り出される工程で、結果として細胞質のみになる。卵に適応した場合、核膜に囲まれていない母方由来の染色体が除かれる;

蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)―顕微鏡下で観察できるように、特異的に設計された蛍光分子を特定の遺伝子や染色体の一部に使用し“ライトアップ”する技術。蛍光は染色体にある小さなトランスジーンでさえ可視化させる;

核体―細胞から除核処理で得られ、細胞質と細胞膜の狭い縁によって囲まれている細胞の核;

桑実胚―受精後3、4日の着床前の胚で、12〜32個の細胞(割球)からなる固い塊。着床前胚の細胞は8細胞期の後により堅固に互いに接着し始め“コンパクト”になっていく。最終的な胚は桑の実に似ているのでこう呼ばれる(ラテン語:Morus=桑の実);

核移植―除核した卵または接合体(核または生殖核が除かれた卵や接合体)にドナー細胞から核を移植する法。ドナー核は生殖細胞または体細胞由来である;

再プログラミング―核の発生時計をリセットすること。例えば、分化した成体の細胞核の発生段階をリセットすると、胚の発生に必要な全てのタンパク質を作る初期胚性細胞核の遺伝プログラムを実行できる。体細胞核移植では、胚の核の機能を実行するために、レシピエント卵の細胞質の成分が体細胞の核の再プログラミングにおいて重要な役割を演じていると考えられている;

再クローニングまたは連続核移植―この技術の第1段階は通常の核移植で、核を除核卵に移植し胚を形成する。第2段階では、できたクローン胚由来の核を別の除核卵または除核接合子(雌雄の生殖核を除いた受精卵)に移植する。第2段階は何度も繰り返せる。この技術によって、核は卵細胞質による再プログラミングをする機会を2回(またはそれ以上)得られる(1度は初回の核移植で、それ以上は続く核移植)。このため、核の再プログラミングの成功率を潜在的に向上させる;

体細胞―生殖細胞や生殖細胞前駆体以外の全ての動物または植物の細胞;

体細胞核移植―治療的クローニングとも呼ばれ、体細胞を除核卵母細胞と融合される工程。体細胞の核は遺伝情報を与え、卵母細胞は胚発生に必要な栄養物質と他のエネルギー産生物質を与える。一度融合すると細胞は全能性を示し、最終的に胚盤胞まで発生する。この段階で内部細胞塊を単離する;

トランスジェニック生物―別の生物由来の遺伝物質を人工的に移植した生物で、宿主はその染色体構成に移植した遺伝子の遺伝的特徴を獲得する。
本発明は、核移植法のために開発された、トランスジェニック胚の数を増やし、生じた胚の再プログラミングを強化する方法に関する。本発明は、連続的核移植法を使用して、トランスジェニック動物を作製する改良法を提供する。これにより、ヤギ、ブタ、齧歯類、霊長類、ウサギ、およびウシ等の各種非ヒト哺乳動物で、生存する仔を作製するための活性化されたトランスジェニック胚の作製効率を改良できる。
さらに本発明は、培地血清除去により分化させた胎児または成体のヤギ細胞等の、分化した胎児または成体哺乳類細胞由来の細胞核を、ドナー細胞核と同じ生物種の除核卵細胞に移植するクローニング法に関する。クローン胚の発生を導くように核を再プログラミングする。そのクローン胚をレシピエント雌に移植して胎児や仔を作ることができ、あるいは培養内部細胞塊細胞(CICM)を作製するのに用いることができる。クローン胚を受精させた胚と組み合わせて、キメラの胚、胎児、および/または仔を作製することもできる。
除核した細胞質体にドナー核体を融合し、できたカプレットを活性化することが、体細胞核移植によって生存する仔の作製に成功するのに必要な重要な工程である。ドナー核体の細胞質体への電気的融合は最も一般的に用いられる方法である。しかし、さらに重要なこととして、多数の家畜において胚発生プロセスを開始させる核移植法で使用される、いくつかの活性化法および活性化工程のタイミングが公開されている。生物種はさまざまだが、哺乳類では、受精時の精子に誘導される開始シグナル事象と続くCa2+振動が、一般的に卵母細胞の活性化と胚の発生をもたらす正常なプロセスである(フィッソルら(Fissore et al.,1992)、アルベリオら(Alverio et al.,2001))。Ca2+動員の化学的および電気的方法が、現在体細胞核移植によって生じるカプレットの活性化に用いられている。しかしながら、これらの方法は、一般的な生体での受精様式で見られる精子によるCa2+振動を誘導しない。
核移植における顕著な進歩は、ヒツジの体細胞を利用して成功した最初の報告から始まった(ウィルムットら(Wilmut et al.,1997))。以後多くの他の生物種が、様々な成功の程度で体細胞からクローン化されている(バギシら(Baguisi et al.,1999)、シベリら(Civelli et al.,1998))。胚性(ヤンら(Yang et al.,1992)、ボンディオリら(Bondioli et al.,1990)、メンら(Meng et al.,1997))だけでなく、多くの他の種類の胎児や成体の体組織(ゾウら(Zou et al.,2001)、ウェルズら(Wells et al.,1999))も報告されている。
本発明に従って、核移植用の組換え体細胞の使用、ならびに“再クローン”胚を用いることによって利用可能な細胞数を増やしてこの方法の効率を改善することは、従来の形質転換法によるトランスジェニック動物へのトランスジーンの導入を可能にするのみならず、実質的なトランスジェニック動物作製の効率を高め、さらに動物体にまで発生できるトランスジェニック胚の正常かつ健康な発生を導く細胞の再プログラミングを改善する。
本発明で採用している方法によって、トランスジェニック動物のヤギが体細胞核移植によって作られ、所望の治療用タンパク質をクローン動物の乳中に産生できることが示された。
本発明の好適な一実施形態によると、体細胞核移植(NT)から生じた2、40、8、16、32細胞期、桑実胚、および胎盤胞等の各細胞段階の胚は、2回目のNT(再クローニング)によるトランスジェニック動物の作製のために細胞ドナーとして使用できる。
本発明の別の一実施形態では、NT用にin vitroで成熟させた卵母細胞を使用して生じた2、40、8、16、32細胞期、桑実胚、および胎盤胞等の各細胞段階の胚を、2回目のNTによるトランスジェニック動物の作製のために細胞ドナーとして使用できる。
本発明の別の一実施形態では、NT用にin vivoで成熟させた卵母細胞を使用して生じた2、40、8、16、32細胞期、桑実胚、および胎盤胞等の各細胞段階の胚を、2回目のNTによるトランスジェニック動物の作製のために細胞ドナーとして使用できる。
上述の発明を、理解のために図面と実施例によってさらに詳細に記載するが、ある種の変更や改変が行われることは当業者にとっては明白であろう。このため、説明と実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではなく、その範囲は添付の請求項に記載されている。
材料と方法
卵母細胞ドナーとして発情期を同調させ過剰排卵させたドナーヤギを使用し、引用文献にあるギャビンWG(Gavin W.G.1996)の記載のようにマイクロマニュピレーションを行った。初代体細胞の単離と樹立、および核体ドナーとして体細胞を形質転換させ準備することも同記述にある通りに行った。初代体細胞とは、脂質を使った標準形質転換法によって所望の遺伝子を形質転換させた動物組織から得られた分化非生殖細胞である。形質転換細胞は検証され、核移植用ドナー細胞としての使用のためバギシら(Baguisi et al.,1999)が記載しているように、培養準備したトランスジーン陽性細胞であった。また、除核と再構成の手技は、核酸を可視化するためにヘキスト33342または他の蛍光剤で卵母細胞のDNAを染色した場合としない場合とで行えることも覚えておくべきである。しかし好適には、中期板で遺伝物質を蛍光させるのにヘキスト33342を約0.1〜5.0μg/ml使用する。
ヤギ
本研究で使用された純血および混血のスクレイピー病でないアルパイン種、ザーネン種、トッゲンブルグ種の乳用ヤギは、優良農法規範(GAP)ガイドラインに従って飼育された。
ヤギ胎児体細胞株の単離
核体ドナーとして使用する初代ヤギ胎児線維芽細胞株は、トランスジェニック雄動物から採取した新鮮な精液で2頭の非トランスジェニック雌に人工授精して作られた35日〜40日齢の胎児から得られた。胎児は外科的に取り出され、平衡化したリン酸緩衝塩類溶液(PBS、Ca2+/Mg2+非含)に入れた。0.025%トリプシン添加0.5mMEDTAに38℃で10分間浸した胎児組織を細かくきざみ、細胞を1個ずつばらばらにした浮遊液にした。細胞は胎児細胞培養液[10%ウシ胎児血清(FBS)添加199培地(M199、ギブコ社)にヌクレオシド、0.1mM2−メルカプトエタノール、2mML−グルタミン、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(各10,000I.U./ml)を加え平衡化]で洗浄し、25cmの培養フラスコで培養した。培養4日後、初代胎児細胞のコンフルエント単層をトリプシン処理で回収し、培養で維持するか凍結保存した。
ドナー細胞株の雌雄と遺伝子型の判定
ゲノムDNAを胎児組織から単離し、所望のシグナル配列の存在と性別判定に使える配列を分析するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を行った。367−bpの配列を増幅して所望のトランスジェニック配列を検出した。性別はzfX/zfYプライマーの組み合わせを使用し、増幅断片をSacI制限酵素で消化して判定した。
複数回核移植用のドナー細胞の準備
トランスジェニックの雌系統を全ての核移植法に使用する。胎児体細胞を胎児細胞培養液で4ウェルの培養皿に撒き培養した(5%CO、39℃)。48時間後、培養液を新鮮な低血清(0.5%FBS)胎児細胞培養液に交換した。さらに7日間、この低血清培地で48〜72時間毎に培地交換した。最初に低血清培養液を加えてから7日目、(核体ドナーとして使用する)体細胞をトリプシン処理で回収した。除核卵母細胞との融合の前に、2mML−グルタミン、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(各10,000I.U./ml)を添加し、10%FBSを加えて平衡化した199倍地で、細胞を1〜3時間浮遊させた。
卵母細胞の回収
本発明の一実施形態によると、初回核移植用の卵母細胞ドナーヤギは前述したように発情期を同調させ過剰排卵させる。そして、48時間間隔で去勢雄と交尾させる。卵母細胞は回収後、2mML−グルタミン、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(各10,000I.U./ml)を添加し、10%FBSを加えて平衡化した199倍地で培養する。同様に2回目以降の核移植では、in vivoまたはin vitroで成熟させた卵母細胞を利用した。in vivo成熟卵母細胞は前述したように、以前にトランスジェニック胚を移植されたドナーヤギ由来である。in vitro成熟卵母細胞は、2回目の核移植用に回収される前に、in vitroで特定の細胞期まで発生させることができる。
細胞質体の準備と除核
卵丘細胞に接着する卵母細胞は除去する。卵丘細胞の無い卵母細胞を2つの群に分ける。分裂を中途停止させた細胞分裂中期II(1個の極体)と分裂終期II(極体は明確に見えないか、第二極体が部分的に出現)である。分裂中期IIで停止させた卵母細胞を最初に除核し、活性化した終期IIまで進んだ卵母細胞は199培地/10%FBSで2〜4時間培養した。その後、活性化した卵母細胞(部分的な第二極体の出現)全てを、培養誘導カルシウム活性化の終期II卵母細胞(終期−II−Ca)とした群として除核した。培養で活性化しなかった卵母細胞は終期IIに達するように、続いて7%エタノール含有199倍地/10%FBSで5分間培養し活性化させ、さらに199倍地/10%FBSで3時間培養した(終期−II−エタノール)。
全卵母細胞は除核前にサイトカラシンB(シグマ社、199倍地/10%FBS中に5μg/ml)で15〜30分間処理した。分裂中期IIの卵母細胞は、中期板を除去するために第一極体とそのすぐ周囲の細胞質(細胞質の約30%)を25〜30μmのガラスピペットで吸引除核した。終期−II−Caと終期−II−エタノール処理の卵母細胞は、第一極体と部分的に第二極体が出現している周囲の細胞質(細胞質の10〜30%)を除去することで除核した。除核後、全卵母細胞はすぐに再構成させた。
核移植と再構成
ドナー細胞は卵母細胞の除核で使用されたのと同じ培養液で注入した。1個のドナー細胞を透明層と卵細胞質膜の間にガラスピペットで挿入した。細胞と卵母細胞のカプレットは199倍地で30〜60分間培養した後、電気融合と活性化の手技を行う。再構成卵母細胞は融合緩衝液(300mMマンニトール、0.05mMCaCl、0.1mMMgSO、1mMKHPO、0.1mMグルタチオン、0.1mg/mlBSA)で2分間平衡化した。電気融合と活性化は、融合槽内で融合培養液で満たされ2本のステンレススチール電極で作られた“融合スライド”(500μm間隔、BTXジェネトロニクス社(BTX−Genetronics)、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用い室温で行った。
融合は融合スライドで行った。融合スライドを融合皿内に置き、融合スライドの電極を覆うように十分量の融合緩衝液で融合皿を満たした。培養器からカプレットを取り出し、融合緩衝液で洗浄した。核体/細胞質体が電極に平行に接するように、実体顕微鏡下でカプレットを両極の中心に置く。活性化と融合を促進するには、カプレットに与える電圧を1.0〜10.0kV/cmの範囲にすることに注意すべきである。しかし、好適には、融合と活性化を同時に行う1回目の単一パルスは2.0〜3.0kV/cmの電圧範囲で、最も好適には、2.5kV/cmで、好適には少なくとも連続で20μ秒行う。この細胞カプレットへの適応には、BTX ECM2001エレクトロセル・マニュピレーターを使用する。マイクロパルスの持続時間は10〜80μ秒とさまざまである。この工程の後、処理したカプレットは通常新鮮な融合緩衝液一滴中に移す。融合処理済カプレットは平衡化したSOF/FBSで洗浄し、サイトカラシンB含有または非含有の平衡化SOF/FBSに移す。サイトカラシンBを使用する場合、その濃度は1〜15μg/mlで、最も好適には5μg/mlである。カプレットは37〜39℃の5%COを空気に含んだ加湿培養器で培養する。本発明の全ての手法において、サイトカラシンBの代わりにマンニトールを使う可能性もあることに注意すべきである(Ca2+とBSAを含んだ培地にマンニトール(0.3mM)HEPES緩衝液を添加)。融合後10〜90分の間、最も好適には融合30分後から、後の移植または再度の核移植での使用のためのトランスジェニック胚の発生のために、実際に核体/細胞質体の融合があることを確認する。
シクロヘキシミド処理の後、カプレットは少なくとも0.1%、好適には少なくとも0.7%、好適には0.8%のウシ血清アルブミン(BSA)、100U/mlペニシリンと100μg/mlストレプトマイシン添加の平衡化SOF培地(SOF/FBS)で徹底的に洗浄した。カプレットは平衡化SOF/BSAに移し、約6%O、5%CO、残りは窒素に調整した37〜39℃の加湿培養器で24〜48時間連続培養した。順調に発生した核移植胚(24〜48時間で1細胞期〜8細胞期)を、発情同期させた代理母となるレシピエント動物に移植した。
核移植胚の培養とレシピエント動物への移植
本発明の好適な一実施形態によると、核移植胚は全て、鉱物油を重ねた199倍地/10%FBS 50μl中のヤギ卵管初代上皮細胞の単層上で共培養した。胚は39℃、5%COの加湿培養器で48時間培養した後、レシピエントヤギに移植する。レシピエントへの胚の移植は前述したように行った。
本発明の開発中に行われた実験では、除核と核移植の次に核体/細胞質体のカプレットを、1〜15%のウシ胎児血清、好適にはでは10%FBSと100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(SOF/FBS)を添加した平衡化合成卵管液培地で培養した。融合前にカプレットは、空気に約5%COを含んだ37〜39℃の加湿培養器で少なくとも30分間培養した。
本発明は、少なくとも2回目の核移植での使用によって、活性化し融合したトランスジェニック胚の追加の作製を提供することで、トランスジェニック法の効率化を図る。生じた胚を代理母となる動物に移植し、クローン化して繁殖させ、保存または使用できる。核移植とin vitroでの細胞の選別と改変を組み合わせることで、再プログラミングのための2回目の核移植能を向上させ、より効率的により健康なトランスジェニック動物を生産する。このように本発明は従来のトランスジェニック胚作製法よりも効率的である。本発明によると、これらのトランスジェニッククローン胚はCICM細胞株または安定性を増した他の胚性細胞株を作製するのに使用できる。従って本発明では、遺伝子工学手法に有用な未分化細胞株をin vitroで取り出し維持する必要がない。
このため、一実施様態では、本発明は動物のクローニング方法を提供する。一般に、哺乳動物は以下の手順からなる核移植法によって作製できる:
(1)ドナー核の供給源として使用する所望の分化哺乳類細胞を採取し;
(2)ドナー核の供給源となる細胞と同種の哺乳動物から、少なくとも1個の卵母細胞を採取し;
(3)前記少なくとも1個の卵母細胞を除核し;
(4)所望の分化細胞または細胞核を除核卵母細胞に移植し;
(5)細胞カプレットを同時に融合および活性化して、第1のトランスジェニック胚を形成し;
(6)前記第1のトランスジェニック胚を少なくとも2細胞期に達成するまで培養し;さらに
(7)少なくとも2回目の核移植によるトランスジェニック動物の作製のために、前記第1のトランスジェニック胚の少なくとも1個の細胞をドナー細胞として使用して、第2のトランスジェニック胚を作製する。
さらに本発明はまた、遺伝的に操作したすなわちトランスジェニック哺乳動物のクローン法を含み、これによって、分化した哺乳類細胞または細胞核を除核卵母細胞に挿入する前に、その分化哺乳類細胞または細胞核中で所望の遺伝子を挿入、除去、または改変する。
また本発明によって提供されるものには、上記方法によって得られる哺乳動物、およびそれらの仔がある。本発明はヤギのクローニングに好適に使用される。さらに本発明は、細胞、組織、器官移植の領域における、核移植胎児、ならびに核移植およびキメラ化した仔の使用を提供する。
別の実施様態では、本発明は、CICM細胞の作製法を提供する。この方法は、以下の工程を含む:
(1)ドナー核の供給源として使用する所望の分化哺乳類細胞を採取し;
(2)ドナー核の供給源となる細胞と同種の哺乳動物から、卵母細胞を採取し;
(3)前記卵母細胞を除核し;
(4)所望の分化細胞または細胞核を除核卵母細胞に移植し;
(5)細胞カプレットを同時に融合および活性化して、第1のトランスジェニック胚を形成し;
(6)融合して第1のトランスジェニック胚を形成することはしなかったが、1回目の電気ショックの後に活性化された細胞カプレットを、追加の電気ショック等の少なくとも1つの追加の活性化手法を提供することによって活性化して、第2のトランスジェニック胚形成し;
(7)前記活性化された第1のおよび/または第2のトランスジェニック胚を2細胞期以降になるまで培養し;
(8)前記第2のトランスジェニック胚から得られた細胞を培養して、CICM細胞を得る。
また、ここで記述された方法で得られたCICM細胞は、細胞、組織、および器官の移植、またはトランスジェニック胎児または仔を含む胎児や仔の生産において有利に使用できる。分化した哺乳類細胞とは、初期胚性段階を過ぎた細胞である。分化細胞は外胚葉、中胚葉、内胚葉の組織または細胞層由来であろう。
ヒト細胞を含む哺乳類細胞は既知の方法で得ることができる。本発明で使用しやすい哺乳類細胞には、例えば、上皮細胞、神経細胞、表皮細胞、ケラチノサイト、造血細胞、メラニン細胞、軟骨細胞、リンパ球(BおよびTリンパ球)、赤血球、マクロファージ、単球、単核細胞、線維芽細胞、心筋細胞、および他の筋肉細胞等がある。さらに、核移植に使われる哺乳類細胞は、様々な器官、例えば皮膚、肺、膵臓、肝臓、胃、腸、心臓、生殖器官、膀胱、腎臓、尿道および他の泌尿器官等から採取することができる。これらは適したドナー細胞の単なる例である。適したドナー細胞とは、すなわち本発明で使用しやすい細胞であり、体のどのような細胞や器官からも採取できる。これには全ての体細胞または生殖細胞が含まれる。
線維芽細胞は発生中の胎児や成体から多量に得られるので、理想的な細胞種である。線維芽細胞はやや分化しており、このため以前はクローニング法での使用には適さない細胞と考えられていた。しかし、この細胞は倍加時間が短くin vitroで簡単に増殖し、遺伝子標的法での使用のためにクローン化して増殖できることが重要である。本発明は分化した細胞種を使用するので新規性がある。本発明は細胞をin vitroで簡単に増殖させ、遺伝的に改変および選択できるので有利である。
卵母細胞の供給源に適した哺乳動物には、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ブタ、ウサギ、モルモット、マウス、ハムスター、ラット、霊長類等が含まれる。好適には、卵母細胞はヤギと有蹄類から、そして最も好適にはヤギから得られるだろう。卵母細胞の単離法は当業において既知である。基本的には、ヤギ等の哺乳動物の卵巣または生殖管から卵母細胞を単離する。簡便に利用できるヤギの卵母細胞はホルモン的に誘導した雌の動物由来である。
遺伝子工学、核移植およびクローニング等の技術を巧みに使用するには、好適には、卵母細胞は核移植用のレシピエント細胞として使用し、胚まで発生させるため精細胞と受精させる前に、in vivoで成熟させてもよい。in vivoで成熟させた分裂中期IIの卵母細胞の核移植技術での使用が成功している。基本的に、発情開始数時間後、またはヒト絨毛膜ゴナドトロピン(hCG)または同様なホルモンの投与後、成熟分裂中期II卵母細胞を非過剰排卵または過剰排卵動物から外科的に採取する。
さらに、トランスジェニック技術による動物ゲノムの改変能が、組換えタンパク質製造のための新しい選択肢となることに注意すべきである。トランスジェニック家畜の乳中でのヒトの組換え医薬品の製造は、微生物バイオリアクター(翻訳後修飾が無く、不適切なタンパク質の高次構造、精製の高コスト等)または動物細胞バイオリアクター(高い投資コスト、高価な培地、低い生産率等)に関する多くの問題を解決する。
除核と核移植における卵母細胞の成熟段階が、核移植法の成功に重要であると報告されてきた。この段階で、卵母細胞は精子と受精するように導入された核を扱うようになるか、またはそこまで十分に“活性化”していると信じられているので、一般に哺乳類の胚のクローニング手法で成功するには、分裂中期IIの卵母細胞をレシピエントとして使用する。特にヤギ等の家畜では、卵母細胞の活性期は、精子の卵母細胞の細胞膜への接触と侵入の間に起きる。
約10〜40時間、好適には約16〜18時間の一定の成熟期間の後、卵母細胞は除核されるだろう。除核に先立って、好適には、卵母細胞は1mg/mlヒアルロニダーゼ含有EMCARE培地に移し、卵丘細胞を除去する。これには、非常に細いピペットによる出し入れの繰り返しやボーテックスによる短時間の混合が効果的だろう。次に、剥きだしになった卵母細胞の極体を調べ、その存在によって分裂中期IIの卵母細胞を選別し核移植に用いる。除核法は以下の通りである。
除核法は、参照により本明細書に含まれる米国特許第4,994,384号に記載のように、既知の方法が有効だろう。例えば、迅速な除核には、分裂中期II卵母細胞を好適には7.5mg/mlサイトカラシンBを含んだEMCARE培地に移す。除核を後にする場合、好適には24時間以内、さらに好適には16〜18時間後に、例えば10%FBS添加CR1aaのような胚用培養液等の適切な培地に移す。
マイクロピペットを用いて微細手術的に極体と周辺の細胞質を除去して除核する。その後、卵母細胞が適切に除核されているかどうか判定する。判定にはEMCAREまたはSOFで溶解した1mg/mlヘキスト33342で卵母細胞を染色し、10秒未満紫外線をあて可視判定する。その後、適切に除核された卵母細胞を適当な培地に移す。
本発明では好適には、レシピエント卵母細胞はin vitroまたはin vivoでの成熟開始約10〜40時間後に、さらに好適にはin vitroまたはin vivoでの成熟開始約16〜24時間後に、最も好適にはin vitroまたはin vivoでの成熟開始約16〜18時間後に、除核する。
次に、除核卵母細胞と同じ生物種の1個の哺乳類細胞を、活性化胚の作製のために使う除核卵母細胞の卵黄周囲の空間に挿入する。哺乳類細胞および除核卵母細胞が当業において既知の方法によって活性化胚の作製に使用されるだろう。例えば、細胞を電気融合によって融合させる。電気融合は細胞膜を一時的に破壊するのに十分な電気パルスを与えることで達成される。細胞膜はすぐに元に戻るので、この細胞膜の破壊は非常に短い。従って、2つの隣接する膜が破壊されるとすぐに脂質2重層が混じりあって再構築され、小さなチャネルが2つの細胞間で開く。このような小さな穴は熱力学的不安定性のために、2つの細胞が1つになるまで拡大する。この工程についての議論を深めるために、(全文が参照により本明細書に含まれる)プラザーらの米国特許第4,997,384号について言及する。さまざまな電気融合培地が使用できる。例えば、ショ糖、マンニトール、ソルビトールおよびリン酸緩衝液である。融合はまた、融合誘導剤としてセンダイウイルスを用いても行える(ポニマスキンら(Ponimaskin et al.,2000))。
また、場合によっては(ドナー核が小さい等)、電気穿孔法での融合よりも核を直接卵母細胞に挿入するのがよいこともある。このような技術は、全文が参照により本明細書に含まれる、コラスとバーネスの論文(Collas and Barnes,Mol.Reprod.Dev.,38:264−267,1994)に記載されている。
活性化胚は既知の方法で活性化されるだろう。これには、生理学的温度以下での活性化胚の培養、本質的な冷却、または実際に低温ショックを活性化胚に与える方法等がある。最も簡便なのは、活性化胚を室温で培養する方法である。室温は胚が通常曝されている生理学的な温度条件よりも低い。
代替的には活性化は、既知の活性化剤を適用することでも達成される。例えば、核移植後に多数の生存胎児を産生し遺伝的に同じウシを繁殖させるために、融合卵母細胞の活性化には、受精時の精子による卵母細胞への侵入が示されてきた。また、電気的または化学的なショックのような処置は、融合後のNT胚の活性化にも使用できるかもしれない。適切な卵母細胞活性化法が、全文が参照により本明細書に含まれるススコ−パトリッシュらの米国特許第5,496,720号の主題となっている。
さらに、連続活性の方法が示されているが、活性化は同時に行うのが最良であるかもしれない。活性化に関して以下の細胞事象が起きる:
(1)卵母細胞内での二価陽イオンのレベル上昇、および、
(2)卵母細胞内での細胞タンパク質のリン酸化の減少。
上記の事象は、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム、カルシウム、またイオノフォアの形で、二価陽イオンの卵母細胞の細胞質への導入による外因性の刺激によって起きる。二価陽イオンのレベル上昇法には他に、電気ショック法、エタノール処理、およびキレート剤処理がある。リン酸化は既知の方法で減少できるだろう。例えば、6−ジメチル−アミノプリン、スタウロスポリン、2−アミノプリン、およびスフィンゴシンのようなセリン−スレオニンキナーゼ阻害剤等のキナーゼ阻害剤の添加による。他には、細胞タンパク質のリン酸化は、フォスファターゼ2Aやフォスファターゼ2B等のリン酸化酵素の卵母細胞への導入によっても阻害できる。
従って、活性化、融合された“再クローン胚”の有用性を高めるために提供する本発明の実施形態は、単に発明の原理の適用の例示にすぎないことを理解するべきである。上述の説明より、連続核移植用のトランスジェニック胚の使用の改善のために、形態、使用法、および開示された方法の要素の適用における変更は新規であり、発明の精神または添付の請求の範囲から逸脱することなく改変および/または実施できる。
参照によって挙げられた文献
1.アルベリオRら『ウシ卵丘細胞核移植胚のドナー核・DNA合成・倍数性の改良:活性化法の効果』(Alberio R,et al.,Remodeling of Donor Nuclei,DNA Synthesis,and Ploidy of Bovine Cumulus Cell Nuclear Transfer Embryos:Effect of Activation Protocl,Mol Reprod Dev 2001;59:371−379)
2.バギシAら『体細胞核移植によるヤギの生産』(Baguisi A,et al.,Production of Goats by Somatic Cell Nuclear Transfer,Nat Biotech 1999;17:456−461)
3.ブースPJら『ウシ核移植胚のin vitro発生における活性化二方法の影響と割球核体の段階』(Booth PJ,et al.,Effect of Two Activation Treatments and Age of Blastomere Karyoplasts on In Vitro Development of Bovine Nuclear Transfer Embryos,Mol Reprod Dev 2001;60:377−383)
4.ボンディオリKR、ウェサシンME、ルーニーCR『核移植による同一性ウシ子孫の生産』(Bondioli KR,Westhusin ME and CR.Loony,Production of Identical Bovine Offspring by Nuclear Transfer,Theriogenology 1990;33:165−174)
5.キャンプベルKHS、マクワイアJ、リッチーWA、ウィルムットI『培養細胞株からの核移植によるクローンヒツジ』(Campbell KHS,Mcwhire J, Ritchie WA and I.Wilmut Sheep Cloned by Nuclear Transfer From a Cultured Cell Line,Nature 1996;380:64−66)
6.コラスPとバ−ネスFL『内部細胞塊と顆粒層細胞核のマイクロインジェクションによる核移植』(Collas P and Barnes FL.,Nuclear Transplantation by Microinjection of Inner Cell Mass and Granulosa Cell Nuclei,Mol Reprod Dev 1994 Jul;38(3):264−267)
7.ギャビンWG『トランスジェニック動物の作製と使用におけるヤギ胚への遺伝子導入』(Gavin WG.,Gene Transfer Into Goat Embryos,in Transgenic Animals−Generation and Use,L.M.Houdebine ed.,(Harwood Academic Publishers Gmbh.,1996))
8.カシナサンPら『in vitroウシ核移植胚の発生におけるドナー線維芽細胞の世代と細胞周期の影響』(Kasinathan P,et al.,Effect of Fibroblast Donor Cell Age and Cell Cycle on Development of Bovine Nuclear Transfer Embryos In Vitro,Biol Reprod 2001;64(5):1487−1493)
9.クーDBら『体細胞核移植後の再構成ブタ卵母細胞のin vitro発生』(Koo DB,et al.,In Vitro Development of Reconstructed Porcine Oocytes After Somatic Cell Nuclear Transfer,Biol Reprod 2000;63:986−992)
10.ライLら『G2/M期胎児線維芽細胞ドナーによるブタ核移植胚作製の可能性』(Lai L,et al.,Feasibility of Producing Porcine Nuclear Transfer Embryos by Using G2/M−Stage Fetal Fibroblasts as Donors,Biol Reprod 2001;65:1558−1564)
11.パクKWら『緑色蛍光タンパク質遺伝子導入トランスジェニック線維芽細胞由来ブタ核移植胚の発生の可能性:各種融合/活性化条件の比較』(Park KW,et al.,Developmental Potential of Porcine Nuclear Transfer Embryos Derived from Transgenic Fibroblasts Infected with the Gene for the Green Fluorescent Protein:Comparison of Different Fusion/Activation Conditions,Biol Reprod 2001;65:1681−1685)
12.ポニマスキンEら『人工センダイウイルス粒子の再利用:外因性脂質での再構成による遺伝子導入体の可能性』(Ponimaskin E,et al.,Sendai Virosomes Revisited:Reconstitution with Exogenous Lipids Leads to Potent Vehicles for Gene Transfer, Virology 2000 Apr10;269(2):391−403)
13.スタイスSLら『核移植後の胚発生につながるウシ多分化能胚性細胞株』(Stice SL,et al.,Pluripotent Bovine Embryonic Cell Lines Direct Embryonic Development Following Nuclear Transfer,Biol Reprod 1996 Jan;54(1):100−110)
14.スタイスSLとキーファーCL『多世代ウシ胚のクローニング』(Stice SL and Keefer CL.,Multiple Generational Bovine Embryo Cloning,Biol Reprod 1993 Apr;48(4):715−719)
15.スタイスSLとロブルJM『ウサギ胚核移植での核の再プログラミング』(Stice SL and JM Robl,Nuclear Reprogramming in Nuclear Transplant Rabbit Embryo, Biol Reprod 1992;47:636−643)
16.ワカヤマTら『卵丘細胞の核を注入した除核卵母細胞からのマウスの妊娠満期発生』(Wakayama T,et al.,Full Term Development of Mice from Enucleated Oocytes Injected with Cumulus Cell Nuclei, Nature 1998;23:369−374)
17.ウェスシンME、プライオJH、ボンディオリKR『ウシ胚の核移植:5日目、6日目、解凍、および核移植ドナーの各胚の比較』(Westhusin ME,Pryor JH and Bondioli KR, Nuclear Transfer In The Bovine Embryo:A Comparison of 5−Day,6−Day,Frozen−Thawed,And Nuclear Transfer Donor Embryos,Mol Reprod Dev 1991 Feb;28(2):119−123)
18.ウィルムットIら『胎児および成体哺乳類細胞由来の生存子孫』(Wilmut I,et al.,Viable Offspring Derived From Fetal and Adult Mammalian Cells,Nature 1997;385:810−813)
19.ヤンX、ジャンS、コバックスA、フーテRH『核移植後の妊娠満期発生を支えるウサギ培養桑実胚の核全分化能』(Yang X,Jiang S,Kovacs A and RH Foote,Nuclear Totipotency of Cultured RabIIt Morulae to Support Full−Term Development Following Nuclear Transfer,Biol Reprod 1992;47:636−643)
20.ヨンZとユキャンL『核移植により再構成されたヤギ胚の核細胞質相互反応と発生』(Yong Z and L Yuqiang,Nuclear−Cytoplasmic Interaction and Development of Goat Embryos Reconstructed by Nuclear Transplantation:Production of Goats by Serially Cloning Embryos,Biol Reprod 1998;58:266−269)
21.ジャンYとユン・リー(Zhang Y and Yung Li,Biol Reprod 1998;58:266−269)
22.ゾウXら『卵丘細胞核の挿入または卵丘細胞の融合による除核卵母細胞からのクローンヤギの生産』(Zou X,et al.,Production of Coned Goats from Enucleated Oocytes Infected with Cumulus Cell Nuclei or Fused with Cumulus Cells,Cloning 2001;3(1):31−37)

Claims (35)

  1. 以下の工程を含む核移植法によって非ヒト哺乳動物をクローニングする方法:
    (1)ドナー核の供給源として使用する所望の分化哺乳類細胞を採取し;
    (2)ドナー核の供給源となる細胞と同種の哺乳動物から、少なくとも1個の卵母細胞を採取し;
    (3)前記少なくとも1個の卵母細胞を除核し;
    (4)前記所望の分化細胞またはその細胞核を除核卵母細胞に移植し;
    (5)細胞カプレットを同時に融合および活性化して、第1のトランスジェニック胚を形成し;
    (6)前記第1のトランスジェニック胚を少なくとも2細胞期に達成するまで培養し;さらに
    (7)少なくとも2回目の核移植によるトランスジェニック動物の作製のために、前記第1のトランスジェニック胚の少なくとも1個の細胞をドナー細胞として使用して、第2のトランスジェニック胚を作製する。
  2. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が中胚葉由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が内胚葉由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が外胚葉由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が胎児体組織由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が胎児体細胞由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が1個の線維芽細胞由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が有蹄類由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 前記ドナー細胞またはドナー細胞核が、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ヤギ、およびスイギュウからなる群より選択される有蹄類由来であることを特徴とする請求項1または8いずれか1項記載の方法。
  10. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が非ヒト成体哺乳類体細胞由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が、上皮細胞、神経細胞、表皮細胞、ケラチノサイト、造血細胞、メラニン細胞、軟骨細胞、Bリンパ球、Tリンパ球、赤血球、マクロファージ、単球、線維芽細胞、および筋肉細胞からなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  12. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が、皮膚、肺、膵臓、肝臓、胃、腸、心臓、生殖器官、膀胱、腎臓、および尿道からなる群より選択される器官由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  13. 前記少なくとも1個の卵母細胞を除核前にin vivoで成熟させることを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. 前記少なくとも1個の卵母細胞を除核前にin vitroで成熟させることを特徴とする請求項1記載の方法。
  15. 前記非ヒト哺乳動物が齧歯類であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  16. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用する前記ドナー分化哺乳類細胞が、非静止体細胞またはこの非静止体細胞から単離した核であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  17. 胎児が仔に成長することを特徴とする請求項1または8いずれか1項記載の方法。
  18. 前記1個の卵母細胞が、in vitroでの成熟開始約10〜60時間後に除核されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  19. 前記分化哺乳類細胞または細胞核を前記除核卵母細胞に挿入する前に、該分化哺乳類細胞または細胞核において所望の遺伝子の挿入、除去、または改変を行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  20. 請求項1または19記載の方法で生じた仔。
  21. 前記核移植法の結果として生じた仔がキメラであることを特徴とする請求項19記載の方法で生じた仔。
  22. サイトカラシンBをクローニング法に使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
  23. サイトカラシンBをクローニング法に使用しないことを特徴とする請求項1記載の方法。
  24. ドナー核の供給源として使用する前記分化哺乳類細胞がin vitro成熟卵母細胞由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  25. 前記第1のトランスジェニック胚が多くとも40細胞期であるとき、この第1のトランスジェニック胚の細胞を、少なくとも1つの前記第2のトランスジェニック胚の作製のために利用することを特徴とする請求項24記載の方法。
  26. 前記第1のトランスジェニック胚が32細胞期であるとき、この第1のトランスジェニック胚の細胞を、少なくとも1つの前記第2のトランスジェニック胚の作製のために利用することを特徴とする請求項24記載の方法。
  27. 前記第1のトランスジェニック胚が16細胞期であるとき、この第1のトランスジェニック胚の細胞を、少なくとも1つの前記第2のトランスジェニック胚の作製のために利用することを特徴とする請求項24記載の方法。
  28. 前記第1のトランスジェニック胚が8細胞期であるとき、この第1のトランスジェニック胚の細胞を、少なくとも1つの前記第2のトランスジェニック胚の作製のために利用することを特徴とする請求項24記載の方法。
  29. ドナー核の供給源として使用する前記分化哺乳類細胞がin vivo成熟卵母細胞由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  30. 前記第1のトランスジェニック胚が多くとも40細胞期であるとき、この第1のトランスジェニック胚の細胞を、少なくとも1つの前記第2のトランスジェニック胚の作製のために利用することを特徴とする請求項29記載の方法。
  31. 前記第1のトランスジェニック胚が32細胞期であるとき、この第1のトランスジェニック胚の細胞を、少なくとも1つの前記第2のトランスジェニック胚の作製のために利用することを特徴とする請求項29記載の方法。
  32. 前記第1のトランスジェニック胚が16細胞期であるとき、この第1のトランスジェニック胚の細胞を、少なくとも1つの前記第2のトランスジェニック胚の作製のために利用することを特徴とする請求項29記載の方法。
  33. 前記第1のトランスジェニック胚が8細胞期であるとき、この第1のトランスジェニック胚の細胞を、少なくとも1つの前記第2のトランスジェニック胚の作製のために利用することを特徴とする請求項29記載の方法。
  34. 前記第2のトランスジェニック胚を、該胚が胎児にまで発生するように宿主哺乳動物に移植する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  35. 請求項24または29記載の方法で生じた仔。
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