JPH0614945A - 豚の繁殖方法 - Google Patents

豚の繁殖方法

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JPH0614945A
JPH0614945A JP7355491A JP7355491A JPH0614945A JP H0614945 A JPH0614945 A JP H0614945A JP 7355491 A JP7355491 A JP 7355491A JP 7355491 A JP7355491 A JP 7355491A JP H0614945 A JPH0614945 A JP H0614945A
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JP
Japan
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pig
cell
transplanted
embryo
embryos
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Pending
Application number
JP7355491A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nagashima
比呂志 長嶋
Shigeo Saito
成夫 斎藤
Hiroto Yamakawa
宏人 山川
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Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】豚の受精卵の8−細胞期から桑実期までの胚か
ら得られる分離割球を未受精卵から除いて得られる受容
体卵細胞に移植し、豚卵管に一次移植するか、豚卵丘細
胞と共培養させて第一次成長させ、このようにして成長
させた核移植胚を仮親に移植して豚を繁殖させる。 【効果】遺伝的に同一の形質を有する多数の産仔を一度
に増殖できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、8−細胞期から桑実期
胚(16−細胞期)までの胚から得られる分離割球(単
一細胞)を供与(ドナー)核とする、豚の核移植胚を作
出し、一卵性の8仔から一卵性の16仔まで効率的に生
産する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】実験動物または家畜の受精卵の初期胚を
微小なメスなどで二つに切断し、この切断二分した胚の
ペアを仮親の子宮内に移植する方法によって実験動物ま
たは家畜の一卵性双生子を作出する方法はこれまでにマ
ウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマ、ウ
シなどで行なわれて成功している。
【0003】すなわち二細胞期胚から分離された二個の
割球はそれぞれが1個体に発達する能力を有し、これら
を借腹雌に移植することで一卵性双生子が得られるわけ
であるが、同様に4−細胞期胚を4分割しまた8−細胞
期胚を8分割してこれを移植して一卵性の4仔または8
仔を作出する試みもなされ、いくつかの哺乳動物種では
成功している。すなわち、例えばウサギの4−細胞期
胚、8−細胞期胚の割球は単独でも個体に発達しうる潜
在能力を有することが明らかにされている。
【0004】この切断二分胚、四分胚または八分胚から
個体発生を可能にしているのは哺乳動物胚に備わった
「全能性」と「調整能」という二つの特性である。哺乳
動物初期胚の割球は発生段階の或る時期までは未分化な
状態を保っていて後の発生段階においてどのような役割
でも果すことができる。この能力を「全能性」という。
もう一方の「調整能」は初期発生過程において一部分の
細胞を失ってもその後の発達に異常をきたすことなく残
りの細胞が欠落を補償して「調整」する能力のことであ
る。
【0005】ところで、胚細胞は受精直後の1−細胞期
から2−細胞期、4−細胞期、8−細胞期へと細胞分裂
を繰返すに従い娘細胞は1/2、1/4、1/8の大き
さになり、そのため仮に1個の胚を8等分した場合に得
られる胚断片は1−細胞期の胚の1/8の大きさしかな
い胚となる。このような小型の胚では前述の調整能が限
界に近く、或いは種によっては限界を超えてしまい、個
体への発生能力は低い。
【0006】しかしながら、このような胚断片または分
離割球からの一卵性多胎作出の困難性は核移植の手法の
導入によって大きく解消されることになったのである。
すなわち、例えば1個の8−細胞期の受精卵から得られ
る8個の核(割球)を8個のあらかじめ核を抜き取った
未受精卵の細胞質中へ移植することにより8個の新たな
同一の遺伝的特質を有する受精卵を作り出すことが可能
となる。これまでに細胞膜によって包囲されている核で
構成されるカリオプラストを受容体卵細胞質と不活性セ
ンダイウィルスで融合させる方法としてマウスで最初に
確立され(J.McGrathら、Science v
ol.220,1300〜1302(1983))、そ
の後半(S.M.Willadsen,Nature
vol.320,63〜65(1986))、牛(J.
M.Roblら、J.Anim.Sci.1987,6
4:642〜647)、兎(SticeおよびRob
l,1989)の8〜16細胞期胚および豚(Prat
herら、1989)の4−細胞期胚の割球を受容体卵
細胞質と電気的融合後に仮親に移植することによって夫
々の動物種で産仔が得られている。
【0007】すなわち、羊、牛、兎の8〜16細胞期の
細胞核を受容体卵細胞質に移植して得られる融合胚から
産仔が得られることは融合核の初期化の証明であり、一
方豚の場合4−細胞期胚の核をドナー核として供与した
時のみ融合胚から産仔が得られるに止っていたのであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように豚の場合
これまでの技術では8−細胞期から桑実期胚(16−細
胞期)までの胚の核から一卵性の8仔、16仔が得られ
るかどうかは不明であった。その理由の1つに、豚の1
−細胞胚および2−細胞胚は体外において発生が極めて
困難であることが挙げられ、一般にそれらの胚は4−細
胞期で発生をストップしてしまう4−セルブロック現象
を起し、そして融合胚の場合についても同様でこれを体
外で発生させるためには特別の工夫が必要となるのであ
る。
【0009】従って、豚の8−仔から16−仔の一卵性
双生子を作出するためには、8−細胞期から桑実期の胚
の細胞核をドナー核として用いたときに融合核に初期化
が起るかどうかを確認することと、それらの融合胚を高
率に4−細胞期以降の段階に発生させるための培養条件
の解明が解決されねばならない大きな課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した課
題解決のために鋭意研究の結果、豚の受精卵の8−細胞
期および桑実期(16−細胞期)までの胚から得られる
細胞核と受容体卵細胞質とを電気パルスによって融合さ
せ、得られた融合胚を生体内培養法によって一時的に成
長を促進させるか、または得られた融合胚を卵丘細胞と
共培養する生体外培養法によって成長させ、これらの融
合胚の4−細胞期以降への発生を可能とし、このように
して得られた核移植胚は仮親に移植することが可能で、
かくして豚の8−仔から16−仔の一卵性双生子を作出
しうることを見出して本発明を完成したのである。
【0011】すなわち、本発明は、豚の受精卵の8−細
胞期から桑実期までの胚から得られる分離割球を未受精
卵から核を除いて得られた受容体卵細胞に移植し、この
割球が移植された受容体卵細胞に電気パルスを加えて移
植された割球と脱核された受容体卵細胞とを融合させ、
得られた核移植胚を寒天に包埋して豚卵管に一次移植す
るか、またはこの核移植胚を豚卵丘細胞と共培養するこ
とによって成長させ、このようにして成長させた核移植
胚を仮親に移植することによって豚を繁殖させる方法に
ある。
【0012】本発明の方法では豚の8−細胞期または桑
実期の受精卵は発情終了後3〜4日目のドナー雌豚から
取り出し、これを分離して単一の割球(ドナー細胞)に
分離する。
【0013】一方、過排卵誘起処置された雌豚の卵巣よ
り排卵誘起剤投与後24時間目に注射針で卵胞液を吸引
し卵丘細胞に包まれた受容体卵母細胞を取り出す。この
卵母細胞を第二成熟分裂中期まで発達させる。極体を放
出したこの卵母細胞を顕微鏡下に操作して極体および極
体直下の染色体を含む細胞質を摘出する。このようにし
て核を除いた受容体卵細胞の囲卵腔に上記のようにして
用意したドナー細胞を挿入する。
【0014】次いで受容体卵細胞とドナー細胞の膜融合
を誘起するために電気パルスを加える。この電気パルス
は例えばGCA/Precision Scienti
fic Group社製チンマーマン細胞融合装置のよ
うな装置を用い、100〜120Vの直流電気を10〜
50マイクロ秒のパルス間隔で1〜3回通電することで
行なわれる。
【0015】このようにして膜融合された細胞はサイト
カラシン(7.5μg/ml)を含有する修正KRB液
に移され39℃で1時間培養される。融合が確認された
細胞は次いで第一次成長のために寒天小片中に二重包埋
される。第二の包埋によって長さ2mm、直径500μ
mの円筒状のチップとされ、このように寒天で包埋され
た胚は結紮した雌豚の卵管内に移され、4〜5日間置い
て発達させ、卵管を洗浄して寒天チップを回収し中の胚
を取り出す。このようにして核移植胚は生体内培養によ
って一時的に成長させられる。
【0016】上記した生体内培養の他に本発明の方法で
は体外培養法によって核移植胚を第一次成長させること
もできる。すなわち、融合が確認された細胞を卵丘細胞
と共培養して第一次成長させるのである。この卵丘細胞
とは、雌豚の卵胞内卵子周囲に付着した顆粒膜およびコ
ロナ細胞を指す。これを牛胎児血清(FCS)15%添
加のTCM199またはMEM液で37〜39℃の条件
下で3〜7日間培養し、培養皿の底に一層のシートを形
成させたのち融合胚との共培養に供せられる。このよう
にして核移植胚は体外培養法によっても第一次成長させ
ることができる。
【0017】このようにして第一次成長させた核移植胚
は仮親に移植され、複数の同一の遺伝的特徴を有する一
卵性の豚の個体をうることができた。次に本発明の方法
を実施例によって具体的に説明することにする。
【0018】
【実施例】過排卵誘起処置されたドナー雌豚の卵巣より
hCG投与後24時間目に注射針で卵胞液を吸引するこ
とにより卵丘細胞に包まれた受容体卵母細胞を集める。
これら卵母細胞はFCS 15%添加TCM 199液
で24時間39℃の条件で培養し、第二成熟分裂中期に
まで発達させる。極体を放出した受容体卵細胞は顕微操
作により極体及び極体直下の染色体を含む細胞質を全体
の1/3程度摘出する。一方発情終了後3〜4日目のド
ナー雌豚より8細胞から16細胞期の胚を得、単一の割
球(ドナー細胞)に分離する。受容体卵母細胞の囲卵腔
にドナー細胞を挿入し、卵母細胞とドナー細胞との膜融
合を誘起するために電気融合を施す。融合条件は30マ
イクロ秒のパルス間隔で125Vの直流電流を2回通電
する。融合パルスの後、全ての胚をサイトカラシン
(7.5μg/ml)とコルセミド(0.1μg/m
l)含有の修正KRB液に移し、39℃で1時間培養し
た。 i) 融合が確認された胚は豚卵丘細胞と共培養され
る。共培養用の卵丘細胞は予めFCS 15%添加TC
M 199液或いはMEM液で培養し、培養皿の底に一
層のシート状に増殖させる。融合胚と共培養させる一日
前にTCM199液或いはMEM液は羊血清10%添加
修正KRBと置き換えられる。
【0019】このようにして次の表1で示される結果を
得た。
【表1】 ii) また融合胚は3〜4個を1組として、第一次成
長のため豚卵管に移植する前に二重包埋した。第二の包
埋は長さ2mm、直径500μmの円筒状のチップで形
成した。寒天で包埋された胚は結紮した雌豚の卵管に移
し、4〜5日後卵管を洗浄し寒天チップを回収し、中の
胚を注射針で取り出す。
【0020】このようにして次の表2で示される結果を
得た。
【表2】
【0021】
【発明の効果】本発明による豚胚の複製(クローニン
グ)は、経済的価値の高い個体の遺伝的に同一の形質を
有する多数の産仔を一度に多数増殖出来、また遺伝的欠
陥を調べるためのプローブ、性判別のための細胞核の提
供、遺伝子導入胚のクローニングなどに応用出来、産業
振興の戦略上極めて重要な意義を持つ。そして発達の進
んだ8−細胞、桑実期胚をドナー核として用いることで
初期胚を使う場合より一層効率的な複製が可能となっ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豚の受精卵の8−細胞期から桑実期まで
    の胚から得られる分離割球を未受精卵から核を除いて得
    られた受容体卵細胞に移植し、この割球が移植された受
    容体卵細胞に電気パルスを加えて移植された割球と脱核
    された受容体卵細胞とを融合させ、得られた核移植胚を
    寒天に包埋して豚卵管に一次移植するか、またはこの核
    移植胚を豚卵丘細胞と共培養することによって成長さ
    せ、このようにして成長させた核移植胚を仮親に移植す
    ることを特徴とする豚の繁殖方法。
JP7355491A 1991-01-18 1991-01-18 豚の繁殖方法 Pending JPH0614945A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001103867A (ja) * 1999-07-30 2001-04-17 Natl Fedelation Of Agricult Coop Assoc 再構築受精卵の作製方法及びそれを用いたトランスジェニック胚の作製方法
CN102511448A (zh) * 2011-12-06 2012-06-27 淮安市淮阴种猪场 苏淮猪选育方法
CN108990898A (zh) * 2018-08-02 2018-12-14 湖南华乐食品有限公司 商品猪的配套系选育方法、乳猪和烤乳猪
CN110122416A (zh) * 2019-05-29 2019-08-16 广西扬翔农牧有限责任公司 一种提高种猪体长的选育方法

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