JP2003514515A - 核移行のためのドナー細胞の調製と選択 - Google Patents

核移行のためのドナー細胞の調製と選択

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ユニバシティ オブ マサチューセッツ、ア パブリック インスチチユーション オブ ハイアー エデュケイション オブ ザ コモンウエルス オブ マサチューセッツ、アズ リプリゼンテッド バイ イッツ ア
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、機械的振り落としと分裂ダブレット細胞の選択を使用して、さらなる核移行または核移植のための細胞を調製するために、体細胞の集団をG1に同期化する方法に関する。この方法は、細胞の冷却か、または細胞をより長い期間G1期に同期化する他の手段を、さらに含んでよい。本発明はまた、核移行または核移植で使用するためのドナー核またはクロマチンの供給源としての、これらの方法により得られる急速に分裂している体細胞の同期化集団の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) A.細胞同期 細胞周期分析の重要な手段は、細胞を細胞周期の同じ相(例えば、S、M、G 1 、またはG2)に置くことである。細胞の同期化は何年も前から行われており、
化学物質を使用してまたは使用しないで行うことができる。同期化の最良の方法
は、球形の分裂(M)期の細胞が、間期の細胞(間期の細胞は、S、G1、また
はG2期の細胞である)ほど強くガラス表面には接着しないという事実を利用す
る。従って細胞培養物を振ることにより、多量の汚染されていないM期細胞を単
離することができる(ジェームズ・ディー・ワトソン(James D. Watson)ら、
「遺伝子の分子生物学(Molecular Biology of the Gene)」(第4版、198
7年)。「振り落とす(shake-off)」という非化学的方法は、チャイニーズハ
ムスター卵巣細胞(CHO)細胞とある亜株のヒーラ(アール・ラン、フレシュ
ネイ(R. Lan Freshney)、「動物細胞の培養:基礎技術のマニュアル(Culture
of Animal Cells: A Manual of Basic Techniques)」、384−385頁(第
3版、1994年);およびツバンバーグ(Zwaneburg)、Mutat. Res. 120:151
-9 (1983)を参照されたい)でうまく作用する。CHOで観察されたものに匹敵
する成功が、機械的振り落としを使用して二倍体ヒト繊維芽細胞の同期化で行わ
れている(トベイ(Tobey)ら、Exp. Cell Res. 179:400-16 (1988))。振り落
としはまた、ウズラの胚の骨格筋筋芽細胞(デブリン(Devlin)ら、Dev. Biol.
95:175-92 (1983))とヒーラ細胞(ウィートレイ(Wheatley)ら、Cytobios. 5
5:191-204 (1988))を同期化するのに使用されている。細胞をG1に同期化する
別の機械的手段は、遠心洗い落としを使用することであり、これは細胞を一時的
にG0で停止させることができる(ジカート(Zickert)ら、Exp. Cell. Res. 20
7:115-21 (1993))。
【0002】 細胞同期化はまた、機械的振り落としと化学物質(例えば、アフィジコリン)
の組合せを使用して行うことができる(グレーブス(Graves)ら、Anal. Bioche
m. 248:251-7 (1997))。しかし、薬物(例えば、アフィジコリンまたはヒドロ
キシ尿素)の使用は、CHOに毒性の副作用を及ぼし、一方振り落としでは副作
用は無い(フォックス(Fox)ら、Cytometry 8:315-20 (1987))。薬物は、細胞
を同期化するのに単独で使用することもできる。G1および/またはG0で停止さ
れる薬物には、デキサメタゾン(ゴヤ(Goya)ら、Mol. Endocrionl. 7:1121-32
(1993))、ならびに他の糖質コルチコイド(サンチェス(Sanchez)ら、Cell G
rowth Differ. 4:215-25 (1993))、2座3−ヒドロキシピリジン−4−オン(
HPO)および6座デスフェリオキサミン(DFO)(ホエス(Hoyes)ら、Can
cer Res. 52:4591-9 (1992))。他のG1特異的細胞周期同期化物質は、ガドボイ
ス(Gadbois)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:8626-8630 (1992)で考察さ
れている。
【0003】 細胞の細胞周期を仲介するのに温度も使用されている。低温ショックは、末梢
血または骨髄から未熟顆粒球細胞を同期化する(ボウチャー(Boucher)ら、Hum
. Genet. 54:207-11 (1980))。ヒト二倍体繊維芽細胞は、細胞を低温(例えば
30℃)に切り替えることでG1に停止される(エニンガ(Enninga)ら、Mutat.
Res. 130:343-52 (1984))。機械的振り落とし法を使用してCHO細胞を同期
化した後、温度を使用して細胞をG1期、S期、S後期、およびG2+M期で停止
させた(シュナイダーマン(Schneiderman)ら、Radiat. Res. 116:283-91 (198
8))。
【0004】 ドナー細胞の核の細胞周期段階が、クロマチン構造と核移植胚の成長に決定的
に重要な影響を与える。G1期のドナー核の同期化は、核移植胚がうまく成長す
るために重要な因子である(チェオング(Cheong)ら、Biol. Reprod. 48:958-6
3 (1993))。詳しくは、S後期クロマチンは、胚の染色体構成に影響を与え、S
後期のドナー核を使用した時、核移植胚の成長が低下する原因かも知れない(コ
ラス(Collas)ら、Biol. Reprod. 46:501-11 (1992))。細胞周期は、クロマチ
ン構造と、除核した卵母細胞に移植したマウス胚の核の成長におけるドナー核の
使用に影響を与える。細胞周期同期化はまた、除核した中期IIの卵母細胞にドナ
ーを融合後の、核物質の核再プログラミングにおけるブタ外胚葉の細胞ドナーの
核の使用において、重要な役割を果たすことが証明されている(オウヒビ(Ouhi
bi)ら、Mol. Reprod. Dev. 44:533-9 (1996))。しかし体細胞核への核移植を
目的とする細胞同期化は、細胞振り落としをダブレット細胞選択と組合せては使
用していない。さらに、移植用の体細胞核を調製するために、体細胞の振り落と
しとダブレット選択は、細胞周期同期化の他の方法(例えば、G1期停止物質ま
たは方法)と組合せて使用されていない。
【0005】 B.核移植または核移行のための体細胞の調製 1996年に、成体の乳腺細胞から除核した卵母細胞への核移行の成功がはじ
めて報告された(キャンベル(Campbell)ら、Nature 380:64-6 (1996))。この
成功の後に、胚細胞の核移行によるアカゲザルの作成が続いた。核移行では、受
容体細胞として細胞質体を調製する。多くの場合、細胞質体は、染色体が除去さ
れた成熟中期II卵母細胞から得られる。次にドナー細胞の核を、透明帯と細胞質
体の間に入れる;融合ならびに細胞質体活性化を、電気刺激により開始する。細
胞質体によるドナー細胞核の再プログラミングの成功が決定的に重要であり、細
胞周期により影響される工程である。ウルフ(Wolf)ら、Biol. Reprod. 60:199
-204 (1999)を参照されたい。ドナー核の供給源として胎児細胞を使用して、多
くの妊娠が樹立されている。しかしトランスジェニック動物を作成するために細
胞系を使用することは、大きなクローンサイズと、核移行前のインビトロでの細
胞の遺伝子操作を可能にする。前記文献と同じ。例えば、染色体の数、ドナー繊
維芽細胞の種または年齢に無関係に、ウシ卵母細胞の細胞質体が、導入された分
化ドナー核を維持することができるように、早期胚成長を制御する機構は、哺乳
動物種で保存されている(ドミンコ(Dominko)ら、Biol. Reprod. 60:1496-150
2 (1999))。
【0006】 チベリ(Cibelli)ら, Science 280:1256-9 (1998)に記載されている方法に従
って、活発に分裂している胎児繊維芽細胞は核ドナーとして使用することができ
る。ドナー分化核の核移行のための受容体卵母細胞を調製する追加の方法は、国
際PCT出願第99/05266号;99/01164号;99/01163号
;98/3916号;98/30683号;97/41209号;97/076
68号;および米国特許第5,843,754号に記載されているようなもので
ある。典型的には、移植される核は、培養胚幹細胞(ES)、胚生殖細胞(EG
)、または他の胚細胞から得られる。国際PCT出願第95/17500号、お
よび95/10599号;カナダ特許第2,092,258号;英国特許第2,
265,909号;および米国特許第5,453,366号;5,057,42
0号;4,994,384号および4,664,097号を参照されたい。内細
胞塊(ICM)細胞もまた、核ドナーとして使用することもできる(シムズ(Si
ms)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6143-6147 (1990);およびキーファー
(Keefer)ら、Biol. Reprod. 50:935-939 (1994))。
【0007】 C.トランスジェニック動物とその産生 前核微量注入法。動物を遺伝子的に修飾して優れた性質を導入できるように、
前核微量注入法を含む種々の方法が利用されている。前核微量注入法の限界の1
つは、遺伝子挿入部位がランダムになることである。これは典型的には、発現レ
ベルの変動を引き起こし、適切な発現レベルを有する1つの系統を得るために、
いくつかのトランスジェニック系統を産生する必要がある。導入がランダムであ
るため、トランスジェニック動物の系統を、1つの創始者(founder)動物から
出発して、接合状態の追跡の困難さと、複数の挿入部位内の相互作用で生じる可
能性のある困難さを避けることが有利である(クンディフ(Cundiff)ら、J. An
imal Sci. 71:20-25 (1993))。近親交配を考慮しなくても、ホモ接合性動物で
生殖を試験できるには約6.5年が必要であろう(セイデル(Seidel)、J. Ani
mal Sci. 71:26-33 (1993))。
【0008】 前核微量注入法の第2の限界は、その効率である。成長してトランスジェニッ
ク動物になるのは、遺伝子注入した胚の0.34〜2.63%だけであり、しか
もこれらの一部のみしか遺伝子を適切に発現しない(パーセル(Purcel)ら、J.
Animal Sci. 71:10-19 (1993))。この効率の悪さは多数の受容体を必要とする
ため、トランスジェニック動物作成のコストが高くなる。すなわち、所望の遺伝
子修飾を含む多数の同一の遺伝的コピーを有する動物をクローン化または作成で
きるなら、有益であろう。
【0009】 胚幹細胞。胚幹(ES)細胞を使用する、トランスジェニック動物を作成する
ための別のシステムが開発されている。マウスではES細胞により、研究者達が
トランスジェニック細胞を選択し、遺伝子ターゲティングを行うことが可能にな
った。この方法は、他のトランスジェニック法よりも多くの遺伝子操作を可能に
する。例えばES細胞は、インビトロでコロニーとして増殖させることが比較的
容易であり、標準的方法によりトランスフェクションすることができ、抗生物質
耐性によりトランスジェニック細胞をクローン的に選択することができる(ティ
ー・ドッチマン(T. Doetschman)、「胚幹細胞における遺伝子移行」、Transge
nic Animal Technology: A Laboratory Handbook、115〜146頁(シー・ピ
ンカート(C. Pinkert)編、アカデミックプレスインク(Academic Press, Inc.
)、ニューヨーク、1994年)。さらにこの方法の効率は、充分なトランスジ
ェニックコロニー(数百〜数千)が産生されて、相同的組換え体の第2の選択が
可能になるようなものである。前記文献と同じ。次にES細胞は、正常な宿主胚
と一緒にすることができ、かつこれらはその能力を維持しているため、得られる
キメラ動物(生殖細胞を含む)のすべての組織に成長することができる。従って
トランスジェニック修飾を、以後の世代に伝えることができる。
【0010】 インビトロで早期の着床前マウス胚から胚幹(ES)細胞系を得る方法は、公
知である(エバンス(Evans)ら、Nature 29:154-156 (1981);マーチン(Marti
n)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:7634-7638 (1981))。繊維芽細胞のフェ
ーダー層(エバンス(Evans)ら (1981))または分化阻害源(スミス(Smith)
ら、Dev. Biol. 121:1-9 (1987))が存在するなら、ES細胞を未分化状態で継
代することができる。
【0011】 そのゲノムを次の世代に伝えることができる能力を考えると、ES細胞は、家
畜動物の生殖細胞系操作に有用である可能性がある。一部の研究グループは、多
能性といわれる胚細胞系の単離を報告している。例えばノタリアンニ(Notarian
ni)ら, J. Reprod. Fert. Suppl. 43:55-260 (1991)は、ブタとヒツジの胞胚か
ら安定で多能性の細胞系の樹立を報告しており、これは、ヒツジの胞胚から免疫
外科的に単離された内細胞塊(ICM)の初代培養細胞と類似した形態的および
増殖特徴を示す。またノタリアンニ(Notarianni)ら, J. Reprod. Fert. Suppl
. 41:51-56 (1990)は、ブタの胞胚からの推定の多能性胚細胞系培養物の維持と
分化を開示した。ガーフェン(Gerfen)ら、Anim. Biotech. 6:1-14 (1995)は、
ブタの胞胚胞胚からの胚細胞系の単離を開示した。これらの細胞は、マウスの胚
繊維芽細胞フィーダー層無しで安定に維持され、培養中にいくつかの異なる細胞
型に分化することが報告されている。
【0012】 さらに、サイトウ(Saito)ら、Roux's Arch. Dev. Bid. 201:134-141 (1992)
は、培養したウシのES細胞様細胞系を報告し、これは、3回の継代では維持さ
れたが、4回目の形態で消失した。ハンディサイド(Handyside)ら、Roux's Ar
ch. Dev. Biol. 196:185-190 (1987)は、ヒツジ胚の免疫外科的に単離した内細
胞塊(ICM)を、マウスICMから得られるマウスES細胞系の単離を可能に
する条件下で、培養したことを開示した。
【0013】 チェミー(Chemy)ら、Theriogenology 41:175 (1994)は、長期培養で維持し
たおそらく多能性のウシ原始生殖細胞由来の細胞系を報告した。これらの細胞は
約7日間培養後、ES様のコロニーを生成し、これはアルカリホスファターゼ(
AP)について陽性に染色され、胚様体を生成する能力を示し、少なくとも2つ
の異なる細胞型に自然に分化した。
【0014】 キャンベル(Campbell)ら(1996)は、マウス中でES細胞系の単離を促進す
る条件下で培養した9日目のヒツジ胚から、培養胚盤(ED)細胞の核移行後に
、生きた子ヒツジの産生を報告した。
【0015】 バン・ステケレンバーグ−ハマーズ(Van Stekelenburg-Hamers)ら、Mol. Re
pfrod. Dev. 40:444-454 (1995)は、ウシの胞胚のICMからおそらく多能性の
細胞系の単離と性状解析を報告した。著者らは、ウシICM細胞の結合と増殖を
維持するのにどのフィーダー細胞および培地が最も効率的であるかを決定するた
めに、異なる条件下で、8日目と9日目のウシ胞胚からICMを単離し培養した
【0016】 その称するところでは、トランスジェニック動物を得るのに使用するために、
動物の幹細胞を単離し、選択し、増殖させた(エバンス(Evans)ら、WO90
/03432;スミス(Smith)ら、WO94/24274;およびウィーラー
(Wheeler)ら、WO94/26884を参照)。エバンス(Evans)らはまた、
ブタとウシからおそらく多能性のES細胞を得たことを報告しており、これは、
トランスジェニック動物の産生に有用であると主張している。
【0017】 トランスジェニック胚からのES細胞も、核移植に使用できるであろう。核移
植のための有蹄動物ICM細胞の使用も報告されている。家畜動物(例えば、有
蹄動物)の場合、同様の着床前の家畜胚からの核は、除核した卵母細胞の満期ま
での成長を支持する(キーファー(Keefer)ら、1994;スミス(Smith)ら、Bio
l. Reprod. 40:1027-1035 (1989))。これに対してマウス胚からの核は、移行後
8細胞段階を超えた除核卵母細胞の成長を支持しない(チェオング(Cheong)ら
、Biol. Reprod. 48:958 (1993))。従って家畜動物からのES細胞は、核移行
法のために遺伝子操作されたかまたは他の方法で操作された全能性ドナー核の供
給源となる可能性があるため、非常に好ましい。
【0018】 ICM細胞の使用。コラス(Collas)ら、Mol. Reprod. Dev. 38:264-267 (19
94)は、除核した成熟卵母細胞への溶解ドナー細胞の微量注入法により、ウシI
CMの核移植を開示した。胚をインビトロで7日間培養すると、15の胞胚が得
られ、これらはウシ受容体に移行すると、4つの妊娠と2つの出産を引き起こし
た。また、キーファー(Keefer)ら、Biol. Reprod. 50:935-939 (1994)は、核
移行法においてドナー核としてウシICM細胞を使用して、胞胚を産生し、これ
はまたいくつかの生きた子孫を与えたことを開示した。さらにシムズ(Sims)ら
、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6143-6147 (1993)は、短期間インビトロで培
養したウシICM細胞の核を、除核した成熟卵母細胞に移行して、子ウシの産生
を開示した。
【0019】 従って、従来文献で報告されていることにもかかわらず、トランスジェニック
またはキメラ動物を作成するのに使用される核移行または核移植のために、大量
の細胞を調製する改良法に対するニーズが存在する。ドナー核として、急速に分
裂する亜集団である細胞周期同期化細胞を使用することは、核移行法を使用する
トランスジェニックまたはキメラ動物、特に家畜動物の成長を増強するであろう
【0020】 (発明の要約と目的) 本発明の目的は、核移行または核移植のためのドナー体細胞の調製法であって
、(A)細胞を振って、ドナー体細胞の細胞周期を同期化する工程;(B)振っ
た体細胞からダブレット細胞を選択する工程;および(C)核移行のために選択
された有糸分裂ダブレット細胞を調製する工程を含む上記方法を提供する。G1
期を延長させるために、選択されたダブレット細胞を、代謝温度より低い温度ま
で冷却する冷却工程を随時含めることができる。また、細胞を適当な培地(例え
ば、以下の少なくとも1つが欠如した培地:血清、イソロイシン、グルタミン、
またはリン酸塩)に入れるか、またはG1同期化物質(例えば、アフィジコリン
またはミモシン)を添加して、G1期またはG1期間中の細胞の数を、随時増強さ
せてもよい。
【0021】 本発明の具体的な目的は、急速に分裂している体細胞(例えば、15時間以内
、さらに好ましくは10時間以内に細胞周期完了)である細胞を得ることである
。このような細胞は、上記方法を使用して得ることができる。
【0022】 (発明の詳細な説明) 本発明をよりよく理解できるように、以下の詳細な説明は添付図面と例につい
て言及し、ここで本発明の好適な実施態様が例示され説明される。本発明は、ド
ナー核として体細胞を得るための新規方法に関し、これは、核移行または核移植
について一時的に最適化されたドナー核の集団を提供する。
【0023】 A.定義 「同期化した細胞」または「同期化」とは、90%を超える細胞がG1期にあ
るような、細胞培養物または該細胞の調製法を意味する。
【0024】 「コンフルエントな細胞」とは、約90%以上の細胞集団密度を意味する。 「核移行」または「核移植」とは、クローニングの方法に関し、ここでドナー
細胞の核が細胞の細胞質体中に移植される。細胞質体は、除核した卵母細胞、除
核したES細胞、除核したEG細胞、除核した胚細胞、または除核した体細胞由
来でもよい。核移行法または核移植法は、文献で公知である(キャンベル(Camp
bell)ら、Theriogenology 43:181 (1995);コラス(Collas)ら(1994);キーフ
ァー(Keefer)ら(1994);シムズ(Sims)ら(1993);エバンス(Evans)ら、W
O90/03432;スミス(Smith)ら、WO94/24274;およびウィ
ーラー(Wheeler)ら、WO94/26884)。また米国特許第4,994,
384号と5,057,420号は、ウシ核移植の方法を記載する。本出願にお
いて「核移行」または「核移植」または「NT」は、同義で使用される。
【0025】 「核移行ユニット」と「NTユニット」は、体細胞または細胞核および除核細
胞質体(例えば、除核卵母細胞)の間の融合、またはこれらの注入の生成物であ
り、これは時に融合NTユニットと呼ばれる。
【0026】 「体細胞」とは、生殖体にならない多細胞生物(好ましくは動物)の任意の細
胞を意味する。好適な「体細胞」は接着性細胞である。「接着性細胞」とは、培
養した時、組織培養フラスコまたは他のこのようなコンパートメントの表面に接
着する細胞を意味する。
【0027】 「動物」とは、哺乳動物、例えば家畜動物(例えば、ウシ、バファロー、ウマ
、ヒツジ、ブタ、およびヤギのような有蹄動物)、ならびにげっ歯類(例えば、
マウス、ハムスター、ラットおよびモルモット)、愛玩動物(例えば、イヌ、ネ
コ、ウマ、ウサギ)および霊長類を含む。動物にはまた、絶滅の危機にあるかま
たは絶滅した種、例えばグアール、ジャイアントパンダ、象、アフリカボンゴア
ンテロープ、スマトラトラ、ブカルド(bucardo)マウンテンヤギ、チーター、
およびオセロット(以下参照)がある。
【0028】 「ダブレット細胞」とは、細胞質ブリッジにより結合している細胞を含む。「
細胞質ブリッジ」は、細胞質分裂の最終段階、娘細胞が分離を完了する前に起き
る。 「急速に分裂する細胞」とは、血清を含有する培地中で低集団密度(50%集
団密度またはそれ以下)で増殖している細胞を意味する。 「G1同期化物質」とは、G1の細胞の産生を増強するか、またはG1で細胞を
停止させる物質を意味する。
【0029】 「キメラ」または「キメラ動物」とは、2つの遺伝的に異なる型の細胞からな
る生物を意味する。キメラは、例えば2つの早期胞胚段階の胚の融合により生成
することができる。 「トランスジェニック動物」とは、1つ以上の外来DNA分子をそのゲノム内
に組み込んでいる生物を意味する。
【0030】 B.細胞周期同期化 体細胞同期化は、有糸分裂振り落としを使用して行われ、ここで細胞は、組織
培養フラスコをたたいて振って、フラスコ壁から分裂細胞を払い落とす。簡単に
説明すると0.5×106細胞を、振り落としの24時間前に蒔く。振り落とし
は、フラスコまたは他の組織培養プレートをボルテックスミキサーまたは他の振
盪手段上に置いて、約30〜60秒間行われる。振り落とされた細胞を含有する
培地を取り遠心分離する。ペレットになった細胞を、250μlの培地に再懸濁
する。振り落とし工程で得られた非ダブレット細胞から、ダブレット細胞を視覚
的に検査して分離する。ダブレット細胞はまた、勾配を使用した遠心分離により
、ダブレット細胞を非ダブレット細胞から分離して単離される。
【0031】 これらの細胞は、核移植または核移行のための核除去に、直ちに使用すること
ができる。あるいは細胞を代謝温度以下(例えば、37℃未満、さらに好ましく
は4〜20℃、および最も好ましくは4℃)に冷却して、G1にある期間を維持
することができる。細胞はまた、ダブレット選択後に、他の手段(例えば、培地
からイソロイシン、グルタミン、またはリン酸塩の排除または削除)によりG1
期に維持することができる。コルヒチンのような薬物は、M期の細胞をブロック
する(ジェームズ・ディー・ワトソン(James D. Watson)ら、「遺伝子の分子
生物学(Molecular Biology of the Gene)」(第4版、1987年))。他の
薬物、例えばミモシン(クルデ(Krude)、Exp. Cell. Res. 247:148-59 (1999)
)、糖質コルチコイド(サンチェス(Sanchez)ら、Cell Growth Differ. 4:215
-25 (1993))、アフィジコリンおよびあるキナーゼインヒビター(例えば、ガド
ボイス(Gadbois)ら、1992に記載されているKT5720、KT5823、K
T5926、およびK5256)は細胞をG1期でブロックする。他の薬物は細
胞をG1−S境界でブロックし、例えば2座3−ヒドロキシピリジン−4−オン
鉄キレート物質および6座デスフェリオキサミン(ホエス(Hoyes)ら、Cancer
Res. 52:4591-9 (1992)を含む。これらの薬物は、選択されたダブレット細胞の
培地に加えて、G1期の期間を長くすることができる。
【0032】 C.核移植と体細胞を使用するトランスジェニック動物の開発 ヒツジの成体細胞および胎児繊維芽細胞は、クローン化ヒツジ子孫を産生する
ための核移行ドナーとして使用されている(ウィルムート(Wilmut)ら、Nature
385:810-813(1997))。しかし、その研究で、静止状態の血清が枯渇した核ドナ
ー細胞の使用が、ウィルムート(Wilmut)クローニング法の成功に重要であるこ
とが強調された。本発明では、細胞をG0に維持するために血清枯渇や静止のよ
うなそのような要件は存在しない。その反対に、細胞周期を進行する分化した哺
乳動物細胞(例えば、G1、G2またはMまたはS期の細胞)を使用して、クロー
ニングが行われる。
【0033】 すなわちある面において本発明は、動物をクローン化するための改良法を提供
する。一般に動物は、以下の工程を含む核移行法により産生されるであろう: (i)本明細書に記載の方法により所望の体細胞を得る工程(これは、ドナー
核の供給源として使用される血清または非血清が枯渇されてよい): (ii)動物(例えば、ウシ)から卵母細胞を得る工程: (iii)卵母細胞を除核する工程: (iv)所望の体細胞または細胞核を、融合または注入により、除核卵母細胞中
に移してNTユニットを生成する工程: (v)NTユニットを活性化して活性化NTユニットを得る工程;および (vi)NTユニットが成長して胎児に成長するように、該活性化NTユニット
を宿主動物に移す工程。
【0034】 場合により、活性化NTユニットは、2細胞成長段階を超えて培養され、次に
宿主動物に移される。 本発明はまた、遺伝子操作した動物かまたはトランスジェニック動物をクロー
ン化する方法を含み、これにより血清または非血清枯渇分化動物細胞または細胞
核中に所望のDNA配列が挿入、除去または修飾され、次に分化した動物細胞(
例えば、体細胞)または細胞核が卵母細胞に挿入され、これは、核移行の前また
は後に除核される。
【0035】 上記の使用以外に、本発明の遺伝子操作した動物かまたはトランスジェニック
動物は、所望のタンパク質(例えば、薬理学的に重要なタンパク質、例えばヒト
血清アルブミン)を産生するのに使用することができる。次にこの所望のタンパ
ク質を、トランスジェニック動物のミルクまたは他の体液から単離することがで
きる。あるいは外因性DNA配列は、疾患に対する耐性、体脂肪の減少、赤身肉
生成物の増加、食物変換の改善、または子孫の性比の変化のような農学的に有用
な形質をトランスジェニック動物に付与することができる。
【0036】 除核と核移行時の卵母細胞の成熟段階は、NT法の成功に重要であると報告さ
れている(プラアー(Prather)ら、Differentiation 48:1-8 (1991))。一般に
、中期IIでは卵母細胞は、核の分解とクロマチンの圧縮を引き起こすことにより
、核を再プログラミングすることができると考えられているため、この段階の卵
母細胞を受容体卵母細胞として使用して、哺乳動物胚のクローニングが成功して
いる。次にNTユニットの活性化が誘導される。家畜動物では、卵母細胞活性化
期間は一般に、吸引後約16〜52時間、好ましくは約20〜45時間の範囲で
ある。
【0037】 卵母細胞の単離法は、当該分野で公知である。基本的にこれは、動物(例えば
、ウシ)の卵巣または生殖器官からの卵母細胞の単離を含む。ウシの卵母細胞が
容易に入手できるのは、屠殺場の材料からである。
【0038】 遺伝子操作、核移行およびクローニングのような技術をうまく使用するには、
核移行の受容体細胞として使用される前に、および精子細胞に授精されて胚に成
長する前に、一般にインビトロで成長させなければならない。このプロセスは一
般に、哺乳動物の卵巣(例えば、屠殺場から得られるウシの卵巣)から未成熟(
前期I)卵母細胞を採取し、卵母細胞が前期II段階になるまで(これは、ウシ卵
母細胞の場合、一般に吸引後約18〜24時間である)、成熟培地中で卵母細胞
を成熟させることが必要である。本発明の目的において、この期間は「成熟期間
」として知られている。本明細書において期間を計算するために、「吸引」とは
、卵胞からの未成熟卵母細胞の吸引を意味する。
【0039】 さらに中期II段階の卵母細胞(これはインビボで成熟されている)は、核移行
法でうまく使用されている。基本的に、成熟したウシの中期II卵母細胞は、発情
期の開始後または絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)または同様のホルモンの注
入の約20〜30時間後に、非過剰排卵もしくは過剰排卵したウシもしくは未経
産雌牛から外科的に採取される。
【0040】 除核と核移行時の卵母細胞の成熟段階は、NT法の成功に重要であると報告さ
れている(プラアー(Prather)ら、Differentiation 48:1-8 (1991))。一般に
、中期II段階では卵母細胞は、授精精子を処理するように、導入された核を処理
するのに「活性化」することができるかまたは充分「活性化」されていると考え
られているため、この段階の卵母細胞を受容体卵母細胞として使用して、哺乳動
物胚のクローニングが成功している。家畜動物(特にウシ)では、卵母細胞活性
化期間は一般に、吸引後約16〜52時間、好ましくは約28〜45時間の範囲
である。
【0041】 例えば未成熟卵母細胞は、セシャギン(Seshagine)ら、Biol. Reprod. 40:54
4-606 (1989)に記載のように、ヘペス緩衝化ハムスター胚培養培地(HECM)
で洗浄され、次に39℃の、10%胎児牛血清を含有する50μlの組織培養培
地(TCM)199(これはさらに、軽量パラフィンまたはシリコンの層の下に
、黄体形成ホルモン(LH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)のような適当な性腺
刺激ホルモン、およびエストラジオールを含有する)からなる成熟培地の液滴に
入れられる。
【0042】 一定時間の成熟期間(これは、約10〜約40時間、好ましくは約16〜18
時間の範囲である)後、卵母細胞を除核する。除核前に、好ましくは卵母細胞を
取り出して、1mg/mlのヒアルロニダーゼを含有するHECMに入れ、次に卵丘
細胞を取り出す。これは、非常に口径の細いピペットによるピペッティングを繰
り返すか、または短時間ボルテックス混合することにより行われる。次に、剥が
された卵母細胞を極体についてスクリーニングし、選択された中期II卵母細胞(
極体の存在により決定される)を、次に核移行に使用する。
【0043】 細胞の除核方法。除核は公知の方法により行われ、例えば米国特許第4,99
4,384号に記載の方法により行われる(これは参照することにより本明細書
に組み込まれる)。例えば中期II卵母細胞を、即時除核のために、7.5μg/ml
のサイトカラシンBを随時含有するHECMに入れるか、またはCR1aa(C
R1培地は、米国特許第5,096,822号に記載されている。CR1aaは
アミノ酸で補足される)プラス10%の発情期のウシ血清のような胚培養培地の
ような適当な培地に、好ましくは24時間以内、さらに好ましくは16〜18時
間後に除核する。
【0044】 除核は、マイクロピペットを使用して、極体と隣接する細胞質体を取り出して
、マイクロサージャリーにより行われる。次に卵母細胞をスクリーニングして、
うまく除核されたものが同定される。このスクリーニングは、卵母細胞をHEC
M中の1μg/ml33342ヘキスト(Hoechst)色素で染色し、次に10秒未満
の紫外線照射下で卵母細胞を観察する。次に、うまく除核された卵母細胞は、適
当な培地(例えば、10%血清を補足したCR1aa)中に入れられる。
【0045】 本発明において受容体卵母細胞は、好ましくはインビトロ成熟の開始後約10
時間〜約40時間、さらに好ましくはインビトロ成熟の開始後約16時間〜約2
4時間、および最も好ましくはインビトロ成熟の開始後約16〜18時間に除核
される。
【0046】 次に、同じ種または異なる種の単一の哺乳動物体細胞を、NTユニットを産生
するのに使用される卵母細胞の卵黄周囲腔に移行させる。つい最近、 除核され
たウシ卵母細胞にグアール細胞を移行すると、生存活性のある胚が得られたと報
告された(Scientific American、ロンザ(Lonza)ら、2000年10月)。当
該分野で公知の方法に従って、NTユニットを産生するのに、哺乳動物細胞と卵
母細胞が使用されるであろう。例えば細胞は電気融合により融合される。電気融
合は、原形質膜の一過性破壊を引き起こすのに充分な電気パルスを与えることに
より行われる。膜は急速に再形成するため、この原形質膜の破壊は、短時間であ
る。すなわち、2つの隣接する膜を誘導して破壊し、再形成により脂質二重層が
混合されるなら、2つの細胞の間に小さいチャネルが開くであろう。そのような
小さな開口部は、熱力学的不安定性により、2つの細胞が1つになるまで拡大す
る。この方法のさらなる詳細は、プラサー(Prather)らの米国特許第4,99
7,384号を参照されたい(参照することによりその全体が本明細書に組み込
まれる)。種々の電気融合媒体(例えば、ショ糖、マンニトール、ソルビトール
、およびリン酸緩衝化生理食塩水)を使用することができる。融合は、融合剤と
してセンダイウイルスを使用して行われる(グラハム(Graham)、Wistar Inst.
Symp. Monogr. 9:19 (1969))。
【0047】 またある場合(例えば、小さいドナー核)には、電気穿孔法融合を使用するよ
り、直接卵母細胞に核を注入することが好ましい。そのような方法は、コラス(
Collas)ら、Mol. Reprod. Dev., 38:264-267 (1994)(参照することにより本明
細書に組み込まれる)に開示されている。
【0048】 好ましくは体細胞または生殖細胞および卵母細胞は、卵母細胞成熟の開始の約
24時間後に、500p.mチャンバー中で、約90〜120Vの電気パルスを約
15μ秒かけて電気融合される。次に、融合後生じる融合NTユニットを、活性
化が起きるまで適当な培地(例えば、CR1aa培地)中に入れる。典型的には
活性化は、すぐ起き、典型的には24時間未満、および好ましくは約4〜9時間
後に起きる。
【0049】 NTユニットは、公知の方法により活性化される。そのような方法には、例え
ば生理的温度以下でNTユニットを培養、基本的にはNTユニットに冷または実
際に低温ショックを与えるこを含む。これは、室温(これは、胚が通常暴露され
る生理的温度条件に対して低温である)でNTユニットを培養して行うことが最
も便利である。
【0050】 あるいは、公知の活性化物質を適用して活性化を行ってもよい。例えば、授精
中の精子による卵母細胞の通過は、融合前卵母細胞を活性化して、より多くの生
存可能な妊娠を生成し、核移行後に複数の遺伝的に同じ子ウシを生成することが
証明されている。また電気的および化学的ショックのような処理を使用して、融
合後のNT胚を活性化してもよい。適当な卵母細胞活性化法は、ススコ−パリシ
ュ(Susuko-Parrish)らの米国特許第5,496,720号の主題である(これ
は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0051】 さらに、活性化は同時にまたは連続的に行われる: (i)卵母細胞中の2価陽イオンのレベルを増加させ、そして (ii)卵母細胞中の細胞タンパク質のリン酸化を減少させる。
【0052】 これは一般に、2価陽イオン(例えば、マグネシウム、ストロンチウム、バリ
ウム、またはカルシウムを、例えばイオノフォアの形で)を卵母細胞細胞質に導
入することにより行われる。2価陽イオンレベルを上げる他の方法には、電気シ
ョックの使用、エタノールによる処理、およびケージドキレート物質による処理
がある。
【0053】 リン酸化は、公知の方法、例えばキナーゼインヒビター(例えば、6−ジメチ
ルアミノプリン、スタウロスポリン、2−アミノプリン、およびスフィンゴシン
のようなセリン−スレオニンキナーゼインヒビター)の添加により、低下させる
ことができる。
【0054】 あるいは細胞タンパク質のリン酸化は、卵母細胞中にホスファターゼ(例えば
、ホスファターゼ2Aおよびホスファターゼ2B)を導入することにより阻害し
てもよい。
【0055】 ある実施態様において、NT活性化は、融合NTユニットを、5μMイオノマ
イシンと1mg/ml BSAを含有するTL−ヘペス培地に暴露し、次に融合後約
24時間以内に、好ましくは融合後約4〜約9時間で、30mg/ml BSAを含
有するTL−ヘペス中で洗浄することにより行われる。
【0056】 次に、活性化NTユニットを、培養内細胞塊(CICM)および細胞コロニー
が生成するまで、適当なインビトロ培地で培養する。胚の培養と成熟に適した培
地は、当該分野で公知である。公知の培地の例(これは、ウシ胚の培養と維持の
ために使用される)には、ハムズ(Ham's)F−10+10%胎児牛血清(FC
S)、10%胎児牛血清を補足した組織培養培地−199(TCM−199)、
タイロード−アルブミン−ラクテート−ピルベート(TALP)、ダルベッコー
リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、イーグルとウィトン培地がある。卵母細胞
の採取と成熟に使用される共通の培地は、1〜20% FCS、新生児血清、発
情期ウシ血清、子ヒツジ血清、または去勢ウシ血清を補足したTCM−199で
ある。好適な維持培地は、好適な維持培地は、アール塩、10%胎児牛血清、0
.2mM ピルビン酸ナトリウム、および50μg/ml硫酸ゲンタマイシンを有する
TCM−199がある。上記のいずれも、種々の細胞タイプ(例えば、顆粒膜細
胞、卵管細胞、BRL細胞、および子宮細胞、およびSTO細胞)との同時培養
を含んでもよい。
【0057】 別の維持培地は、ローゼンクランス(Rosenkrans)の米国特許第5,096,
822号に記載されている(これは、参照することにより本明細書に組み込まれ
る)。この胚培地(CR1と呼ぶ)は、胚を維持するのに必要な栄養物質を含有
する。
【0058】 例えば、活性化NTユニットを、2.0mM DMAP(シグマ(Sigma))を
含有するCR1aa培地に移し、周囲条件(例えば、約38.5℃、5%CO2
)で適当な時間(例えば、約4〜約5時間)培養する。
【0059】 次に、培養したNTユニットを好ましくは洗浄し、次に適当な培地、例えば1
0%FCSを含有するCR1aa培地(これは好ましくは、適当なコンフルエン
トなフィーダー層を含む)に入れる。適当なフィーダー層には、例えば繊維芽細
胞と上皮細胞、例えば有蹄動物由来の繊維芽細胞と子宮上皮細胞、鶏の繊維芽細
胞、ネズミ(例えば、マウスまたはラット)の繊維芽細胞、STOとSI−m2
20フィーダー細胞系、およびBRL細胞がある。
【0060】 本発明の胚移行と受容体動物管理の方法は、胚移行産業で使用されている標準
的方法である。本発明の成功には、同期移行(すなわちNT胚の段階が、受容体
である雌の発情期と同期している)が重要である。この利点と受容体の維持の仕
方が、セイデル(Seidel)、「ウシを用いる胚移行法の決定的に重要な総説」、
Fertilization and Embryonic Development in Vitro(マストロヤンニ・ジュニ
ア(Mastroianni. Jr.)編、プレヌムプレス(Prenum Press)、ニューヨーク、
ニューヨーク州、1981年)(この内容は、参照することにより本明細書に組
み込まれる)中に総説がある。
【0061】 本発明はまた、遺伝子操作した動物かまたはトランスジェニック動物を遺伝的
にクローン化するのに使用することができる。上記したように本発明は、クロー
ン的に増殖することができる体細胞源を用いる時に、単純化することができると
いう利点を有する。特にドナー核に使用される体細胞(これは、血清枯渇されて
いてもいなくてもよい)は、所望のDNA配列が挿入、除去または修飾されてい
る。次に、これらの遺伝的に改変された体細胞は、除核した卵母細胞を用いて核
移植に使用される。
【0062】 核ドナーとして使用される体細胞を改変するために、哺乳動物細胞からの所望
のDNA配列を挿入、欠失または修飾するための任意の方法が使用される。これ
らの方法は、DNA配列のすべてまたは一部を除去し、DNA配列は異種でもよ
い。相同的組換え法も含まれ、これは、細胞ゲノムの特定の部位へのDNA配列
の挿入、欠失または修飾を可能にする。好適な方法は、ガペッチ(Capecchi)(
米国特許第5,631,153号、5,627,059号、および5,847,
982号)が特許と取った陽性/陰性選択法、または米国特許第6,110,7
35号、5,948,653号、5,925,577号、5,830,698号
、5,776,777号、5,763,290号、5,574,205号、およ
び5,527,644号(これらはすべて、参照することによりその全体が本明
細書に組み込まれる)に記載のベクターである。
【0063】 従って本発明は、所望の表現型を有する成体動物(例えば、ウシ)を提供する
のに使用される。証明された遺伝子的優性または他の好ましい形質を有する成体
動物(トランスジェニック動物、遺伝子操作動物、およびキメラ動物)の複製が
好ましい。すなわち本発明は、単一性の子孫の産生、および改善された肉の産生
、生殖形質および疾患耐性を有する動物の産生を可能にする。さらに、NT胎児
(トランスジェニックおよび/またはキメラ胎児を含む)からの細胞と組織は、
CICM細胞の使用と関連して多くの疾患(後述)の治療のための細胞、組織お
よび臓器移植に使用することができる。従って、トランスジェニック動物は、疾
患のモデル、細胞および臓器の異物移植、および薬剤学的タンパク質の産生を含
む用途を有する。
【0064】 CICM細胞および細胞系の産生のために、活性化NTユニットを、分化せず
に細胞分裂を促進する条件下で培養して、培養NTユニットを提供する。所望の
サイズの培養NTユニットを得た後、細胞を機械的に透明帯から取りだし、次に
使用する。これは好ましくは、培養NTユニットを含む細胞の塊(これは典型的
には、少なくとも約50細胞を含有する)を取り、そのような細胞を洗浄し、細
胞をフィーダー層(例えば、照射した繊維芽細胞)に蒔くことにより行われる。
典型的には、幹細胞または細胞コロニーを得るのに使用される細胞は、培養され
たNTユニットの最も中の部分(これは好ましくは少なくとも50細胞のサイズ
である)から得られる。しかし、ES細胞および細胞コロニーを得るのに、より
少ないまたはより多い数の培養NTユニット、または培養NTユニットの他の部
分からの細胞を使用してもよい。細胞は、適当な培地、例えば10%FCSおよ
び0.1mMβ−メルカプトエタノール(シグマ(Sigma))およびL−グルタミ
ンを補足したアルファMEMのような増殖培地中のフィーダー層上で維持する。
増殖培地は、増殖を最適化するために必要なだけ(例えば、約2〜3日毎)交換
する。
【0065】 この培養法により、CICM細胞または細胞系が生成する。当業者は必要に応
じて培養条件を変化させて、特定のCICM細胞の増殖を最適化することができ
る。また、例えば遺伝子操作したかまたはトランスジェニックウシCICM細胞
を、本発明に従って産生してもよい。すなわち、上記の方法は、所望のDNA配
列が導入されているNTユニット、または内因性DNA配列のすべてまたは一部
が除去されているかまたは修飾されているNTユニットを産生するのに、使用す
ることができる。
【0066】 生じるCICM細胞と細胞系は、多くの治療的および診断的応用を有する。特
にそのようなCICM細胞は、細胞移植治療法に使用し得る。
【0067】 この点で、マウス胚幹(ES)細胞は、ほとんどすべての細胞型(例えば、造
血幹細胞)に分化することができる。従って本発明に従って産生されるCICM
細胞は、同様の分化能を有するはずである。本発明のCICM細胞を、公知の方
法に従って、分化するように誘導して所望の型の細胞を得ることができる。例え
ば、対象のウシCICM細胞を誘導して、そのような細胞を分化培地中でかつ細
胞分化を促進する条件下で培養することにより、造血幹細胞、神経細胞、筋肉細
胞、心筋細胞、肝細胞、軟骨細胞、上皮細胞、尿管細胞、神経細胞などに分化さ
せることができる。CICM細胞の分化を引き起こす培地や方法は、適当な培養
条件のように当該分野で公知である。
【0068】 例えばパラシオス(Palacios)ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:7530-7 (
1995)は、幹細胞を誘導法に付すことにより、胚細胞系からの造血幹細胞の産生
を教示しており、この誘導法は、まずレチノイン酸が欠如した懸濁培地中でその
ような細胞の凝集物を培養し、次にレチオニン酸を含有する同じ培地中で培養し
、次に細胞凝集物を、細胞結合を提供する基質に移すことを含んでなる。
【0069】 さらに、ペダーセン(Pedersen)、J. Reprod. Fertil. Dev. 6:543-552 (199
4)(総説論文)は、種々の型の分化細胞(特に、造血細胞、筋肉、心筋、神経細
胞を含む)を産生するための胚幹細胞のインビトロ分化方法を開示する多くの文
献を参照している。これらの文献、特に胚幹細胞の分化法に関するその中の開示
内容は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0070】 すなわち、公知の方法と培地を使用して、当業者は、体細胞核を使用して作成
した対象の体細胞を培養して、トランスジェニック動物またはキメラ動物を産生
するための細胞を得ることができる。
【0071】 本発明は、好適な実施態様について記載されている。しかし、本発明の精神か
ら逸脱することなく、上記以外の具体的な形で本発明を使用することができるこ
とは、当業者に明らかであろう。以下の例に記載の態様は、例示のためのみであ
って、決して本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、前記説明ではな
く添付の請求項により規定され、本請求項の範囲内にあるすべての変法および同
等物は、その中に包含されると考えられる。
【0072】 例1 細胞周期の長さに及ぼすコンフルエンスと細胞年齢の影響 胎児細胞系の樹立。ウシ胎児を、屠殺場から得て、頭殿長を測定した。洗浄液
(抗生物質/抗菌剤(シグマ(Sigma))およびフンギソン(Fungizone)(ギブ
コ(Gibco))を含有するDPBS)中で洗浄後、頭と内臓を除去し、残りの組
織を、メスの刃を使用して、細かく切断した。組織片を、50mlの試験管の底に
沈降させ上清を除去して、洗浄溶液中で2回洗浄した。この組織片に、30〜4
0mlのPBS(ギブコ(Gibco))中の0.08%のトリプシン(ディフコ(Dif
co))と0.02% EDTA(シグマ(Sigma))を加え、組織を39℃で5
%CO2 で30分インキュベートした。30分間隔で、上清を注意深く除去し、
別の試験管で300×gで5分遠心分離した。次に、上清を除去し、30〜40
mlのPBS(ギブコ(Gibco))中の0.08%のトリプシンと0.02% E
DTAを加え、組織試料を再度39℃で5%CO2 で30分インキュベートして
、組織片を分離した。次に上清を注意深く除去して、50ml試験管に組織片を残
し、10%FCS(胎児牛血清、ハイクローン(Hyclone))、グルタミン(シ
グマ(Sigma))、メルカプトエタノール(ギブコ(Gibco))および抗生物質/
抗菌剤を補足した等量のアルファMEM(ギブコ(Gibco))を組織に加え、組
織を1,000×gで5分遠心分離した。上清を吸引除去してペレットを注意深
く分離した。上記成分を補足したアルファMEMに組織を再懸濁し、100mlの
組織培養プレート(コーニング(Corning))に接種し、39℃、5%CO2
インキュベートした。再度組織片を、PBS溶液中のトリプシン−EDTAでイ
ンキュベートし、上清を採取し、上記のように細胞を接種した。接種の3日目に
、トリプシン−EDTA溶液を使用して細胞を採取し、計測した。100万個の
細胞を選択し、100mmの組織培養プレートに再接種し、残りの細胞を、10%
DMSO(シグマ(Sigma))を含有するアルファMEMで凍結した。他の接着
細胞は同様に、当業者に公知のように調製される。
【0073】 子ウシと成体細胞系の樹立。髪の毛を刈り殺菌剤で洗浄して、皮膚の表面を完
全に洗浄後、耳パンチを取った(1mm)。耳パンチ試料を、洗浄液で3回洗浄し
、軟骨部分を、皮膚の外表面と内表面の間に分離し取り出した。試料を100mm
の組織培養プレート中で体外培養し、ガラススライドでカバーして培地中で浮く
のを防いだ。外植片を作成後、胎児細胞系(前記)の樹立で使用した成分を補足
したアルファMEM 10mlを加え、39℃、5%CO2でインキュベートした
。10日目に外植片を取り出した後、PBS中0.08%トリプシンと0.02
%EDTAを使用して単層の細胞を採取し、計測し、再度100mmの組織培養プ
レート中に接種した。
【0074】 集団倍加と細胞数。最初の接種後、細胞が90%コンフルエントになった時、
標準的トリプシン法により、PBS溶液中0.08%トリプシンと0.02%E
DTAを使用して細胞を計測した。採取した細胞を1000×gで5分遠心分離
し、細胞ペレットを10mlのアルファMEMに再懸濁した。細胞の適当な試料を
、血球計算器を使用して数えた。これらの培養物が95%コンフルエントの時、
採取し、計測し、集団倍加を計算した。これらの細胞が老化に達するまで、この
操作を繰り返した。採取と再接種工程中に得られた過剰の細胞を、補足したアル
ファMEMと10%DMSO(シグマ(Sigma))中で凍結し、液体窒素中で保
存した。
【0075】 細胞固定、染色およびフローサイトメトリー。異なるコンフルエンスの細胞の
間で細胞周期を比較した(図1)。70%エタノール中で細胞を一晩固定後、細
胞を冷却PBSで完全に洗浄し、10 RNaseで処理し、次に37℃で2〜
3時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞をヨウ化プロペジウム
(シグマ(Sigma))で染色した。
【0076】 分裂するG1細胞の単離。「振り落とし」の24時間前に、5.0×105細胞
を、10%FCSを補足した10mlのアルファMEMを含有する100mmのコー
ニング(Corningp)組織培養プレートに蒔いた。翌日、プレートをPBSで洗浄
し、振り落としの約1〜2時間前に培地を交換した。これらのプレートを30〜
60秒ボルテックス混合し、培地を除去し、遠心分離し、そして細胞ペレットを
250μlの培地に再懸濁した。
【0077】 細胞質ブリッジで結合した細胞は、細胞質分裂を受けたばかりのものであり、
早期G1にある。以下の実験においてこれらの早期G1細胞は、この特徴に基づい
て同定(視覚検査により)され、使用される。
【0078】 G1ダブレットのBdru標識。G1ダブレットを、ブロモデオキシウリジン(
Bdru)(ベーリンガーマンハイム(Boehringer Mannheim))を補足した2
50μlのアルファMEMを含有するラボテック(Lab-Tek)4ウェル培養チャン
バー(ヌンク(Nunc))に入れた。0、2、4および7時間目に、細胞を70%
エタノール(50mMグリシン緩衝液、pH2.0中)で約20分固定した。固定
後、細胞を洗浄し、抗BDruと37℃で30分インキュベートした。30分後
、細胞を洗浄し、抗マウスIg−フルオレセインを加えた:次に固定した細胞を
再度、37℃でさらに30分インキュベートした。2回目のインキュベーション
後、固定した細胞を洗浄し、グリセロールでマウントした。エピ−蛍光顕微鏡(
ニコン(Nikon))を使用して、S期の細胞のパーセントを測定した。
【0079】 細胞周期の長さの評価。標準的マイクロマニピュレーションにより25μmの
斜めに切った針を使用してG1ダブレットを単離した。個々のダブレットを、活
発に分裂する繊維芽細胞の培養物(調整培地)から得られた10%FCSを補足
したアルファMEMの50A4滴中に移した。取り出した(pick-off)時間を0
時間とし、以後2時間毎に、単離したダブレットを細胞分裂について評価した。
培養プレート当たり10マイクロ滴を評価し、24時間以内に分裂した細胞の比
率を使用して、平均細胞周期長さを計算した。
【0080】 図1の結果は、90%コンフルエンスの細胞の細胞周期長さ対25%コンフル
エンスの細胞周期長さを、測定して得られた。細胞が得られ、上記したように蒔
いた。大体、細胞周期長さは、90%コンフルエンスより25%コンフルエンス
で増殖させた細胞で短かかった。
【0081】 例2 細胞増殖速度に及ぼす培養時間とドナー年齢の影響 図2は、上記のように得られた細胞の培養時間の増加は、1日当たりの集団分
裂または倍加(PD/DY)の低下をもたらすことを示す。
【0082】 例3 培養物から回収された繊維芽細胞のG1の長さ 繊維芽細胞は、例1に記載のように得られ、培養され、そして採取された。図
3は、取り出し(pick-off)後の培養物から回収された繊維芽細胞のG1の長さ
を示す。
【0083】 例4 細胞振り落としを使用する核移行のための体細胞の調製と低コンフルエンスでの
分裂ダブレット細胞選択 細胞は、例1に記載のように核移植のために調製した。
【0084】 核移植。インビトロで成熟した卵母細胞を、1.0%ヒアルロニダーゼで18
hpmで剥がした。卵母細胞をTL−ヘペスで短時間洗浄し、次にヘキスト(Hoesc
ht)33342(シグマ(Sigma))で20分染色した。18〜20μmの斜めに
切った針を使用して、細胞を除核した。除核はUV光で確認した。ドナー細胞を
20μmの針を使用して移し、24時間目に、ソルビトールベースの培地で11
5mV、20秒の1電気パルスで融合した(エレクトロセル(Electrocell)マニ
ピュレーター200、サンジエゴ、カリホルニア州)。
【0085】 活性化。28hpmで、再構築した卵母細胞と対照を、Caイオノフォア(5mM
)4分(カルビオケム(Calbiochem))とDMAP(200mm)3.5時間を使
用して、化学的に活性化した。活性化後3.5時間に、卵母細胞をHCEMヘペ
スで短時間洗浄し、培養に移した。
【0086】 核移行胚のインビトロ培養。マウスでブロックしたフィーダー層と、胚試験し
たミネラル油(シグマ(Sigma))200μlでカバーした培地0.5mlを含有す
る4ウェル組織培養プレート(ヌンク(Nunc))で、胚培養を行った。各ウェル
に25〜50個の胚を蒔き、39℃、5%CO2でインキュベートした。4日目
に、培地に10%FCSを加えた。7日目と8日目に、胞胚への成長を記録した
。細胞数は、グリセロール(シグマ(Sigma))中1%ヘキスト(Hoechst)で細
胞をマウントして記載した。
【0087】 使用されるドナー体細胞は好ましくは、任意の型の接着性細胞である。他の同
様の方法と材料を使用してもよく、当業者に公知のように使用される。
【0088】 例5 細胞振り落としを使用する核移行のための体細胞の調製と低コンフルエンスでの
分裂ダブレット細胞選択と冷却工程を使用するG1期の延長 体細胞のG1期は、細胞を4℃に置き、上記したように核移行の工程を行うこ
とにより延長することができる。
【0089】 例6 細胞振り落としと分裂ダブレット細胞選択を血清枯渇と組合せて使用した核移行
のための体ドナー細胞の調製 上記した方法と材料はまた、細胞をG1に同期化する物質、例えばいくつかの
キナーゼインヒビター(例えば、KT5720、KT5823またはKT592
6)と組合せて使用することもできる。細胞は、上記したように振り落としによ
り得られる。次に細胞を、以下のいずれか1つの濃度でキナーゼインヒビターを
含有する培地に再懸濁することができる:約11μMのKT5720、約15μ
MのKT5823、約3μMのKT5926、約11μMのK252b。G1
をさらに延長したい場合は、細胞を4℃に入れることによりG1期をさらに延長
することができる。次に細胞は、上記したように使用することができる。
【0090】 すべての文献は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 細胞周期の長さに及ぼすコンフルエンスと細胞年齢の影響。ヒストグラムは、
25%コンフルエンスと90%コンフルエンスの細胞の細胞周期の長さ(時間で
測定)の差を示す。細胞周期は、40日齢の胎児(40D FET)、4才のウ
シ(4YRS)、15才のウシ(15YRS)および総細胞から得られた細胞集
団で観察された。
【図2】 細胞増殖速度に及ぼす培養時間とドナー年齢の影響。細胞増殖速度を、40日
齢の胎児(40D FET)、0〜13月齢の子ウシ(0−13MO)、および
24〜72月齢の子ウシ(24−72)から得られた細胞について比較した。集
団倍加(PD)は、細胞が培養される日数に依存して比較される。培養日数が増
加すると、平均PDが減少する。
【図3】 培養物から回収した繊維芽細胞中のG1の長さ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ロブル、ジェイムズ、エム アメリカ合衆国 マサチューセッツ、ベル チャータウン、オールド エンフィールド ロード 196 (72)発明者 プーサッピッライ、カシナサン アメリカ合衆国 マサチューセッツ、アム ハースト、ノース ヴィレッジ、エイチ 4 (72)発明者 ノット、ジェイソン、ジー アメリカ合衆国 マサチューセッツ、アム ハースト、コロニアル ヴィレッジ 60 (72)発明者 ジェリー、ジョセフ、ディー アメリカ合衆国 マサチューセッツ、シュ ーツベリー、ダブリュ、ペルハム ロード Fターム(参考) 4B065 AA90X AC20 BA30 BB02 BB12 BB25 BB28 CA44 CA46

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核移行または核移植のためのドナー体細胞の選択および使用
    方法であって、 (A)培養プレートの表面から細胞を機械的に除去することにより、ドナー体
    細胞の細胞周期を同期化する工程; (B)体ダブレット細胞を選択する工程;および (C)選択された細胞、または該体ダブレット細胞の核を、核移行または核移
    植で使用する工程、を含む上記方法。
  2. 【請求項2】 核移行または核移植のためのドナー体細胞の調製法であって
    、 (A)約25%〜約50%コンフルエントな細胞を得て、細胞を同期化工程ま
    で約24時間培養する工程; (B)培養プレートの表面から細胞を機械的に除去して、ドナー体細胞の細胞
    周期を同期化する工程; (C)体ダブレット細胞を選択する工程;および (D)核移行または核移植で体ダブレット細胞の核を使用する工程、 を含む上記方法。
  3. 【請求項3】 核移行または核移植のためのドナー体細胞の調製法であって
    、 (A)コンフルエントな細胞を得て、細胞を同期化工程まで約24時間培養す
    る工程; (B)培養プレートの表面から細胞を機械的に除去して、ドナー体細胞の細胞
    周期を同期化する工程; (C)体ダブレット細胞を選択する工程;および (D)核移行または核移植で体ダブレット細胞の核を使用する工程、 を含む上記方法。
  4. 【請求項4】 G1期を延長するために、選択された有糸分裂ダブレット細
    胞を冷却する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 細胞は4℃まで冷却される、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 選択された細胞は、次に以下の少なくとも1つが欠如した培
    地で培養される、請求項1に記載の方法:血清、イソロイシン、グルタミン、ま
    たはリン酸塩。
  7. 【請求項7】 G1期を延長するために、選択された細胞の培地にG1同期
    化物質が加えられる、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 G1同期化物質は、アフィジコリン、ミモシン、KT582
    3、KT5720、KT5926、およびK252bよりなる群から選択される
    、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 細胞は、約25%〜約50%コンフルエントな時、機械的に
    除去される、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 細胞は、約25%コンフルエントな時、振られる、請求項
    9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 細胞は、コンフルエントな時、機械的に除去される、請求
    項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 トランスジェニック動物の調製法であって、 (A)請求項1に記載のドナー体細胞を調製する工程; (B)選択された体細胞から核を単離する工程; (C)核を、少なくとも1つの除核した胚幹(ES)細胞、胚生殖(EG)細
    胞、除核した胚、または除核した体細胞に、核移行(NT)ユニットを生成する
    のに適した条件下で挿入して、融合NTを得る工程; (D)融合NTユニットを活性化して、活性化NTユニットを得る工程;およ
    び (E)活性化されたNTユニットが胎児に成長するように、活性化NTユニッ
    トを宿主哺乳動物に移す工程、 を含む上記方法。
  13. 【請求項13】 トランスジェニック動物の調製法であって、 (A)請求項1に記載の体細胞を調製する工程; (B)選択された体細胞から核を単離する工程; (C)核を、除核した卵母細胞、除核した精子、除核した胚、または除核した
    体細胞に、核移行(NT)ユニットを生成するのに適した条件下で挿入して、融
    合NTユニットを得る工程; (D)融合NTユニットを活性化して、活性化NTユニットを得る工程;およ
    び (E)活性化されたNTユニットが胎児に成長するように、活性化NTユニッ
    トを宿主哺乳動物に移す工程、 を含む上記方法。
  14. 【請求項14】 キメラ動物の調製法であって、 (A)請求項1に記載の体細胞を調製する工程; (B)選択された体細胞から核を単離する工程; (C)核を、少なくとも1つの除核したES細胞または除核したEG細胞に、
    核移行(NT)ユニットを生成するのに適した条件下で挿入して、融合NTを得
    る工程; (D)該融合NTユニットを活性化して、活性化NTユニットを得る工程;お
    よび (E)胚が胎児に成長するように、活性化NTユニットを宿主哺乳動物の胚に
    挿入する工程、 を含む上記方法。
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