JP2003512314A - リポソーム製剤の製造方法 - Google Patents

リポソーム製剤の製造方法

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JP2003512314A
JP2003512314A JP2001531352A JP2001531352A JP2003512314A JP 2003512314 A JP2003512314 A JP 2003512314A JP 2001531352 A JP2001531352 A JP 2001531352A JP 2001531352 A JP2001531352 A JP 2001531352A JP 2003512314 A JP2003512314 A JP 2003512314A
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和三 大友
肇 紺野
昭宏 笠井
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藤沢薬品工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は水性媒体へ再分散させた場合の分散性に優れたリポソーム製剤の製造方法を提供することである。 【解決手段】 本発明は、リポソーム溶液から溶媒を除去して得られるリポソーム濃縮物を発泡させながら、あるいは発泡させた後、凍結させることなく真空乾燥することを特徴とするリポソーム製剤の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は優れた免疫抑制作用を有するということで注目されているピペコリ
ン酸誘導体、特にマクロライド化合物、例えばタクロリムス(FK506)とし
て知られるトリシクロ化合物または医薬として許容されるその塩を有効成分とし
て含有するリポソーム製剤に関するものである。詳細には上記有効成分をリポソ
ーム中に安定に取り込むことによって、生理食塩液,ブドウ糖注射液,水,ジュ
ース等の媒体中でも安定した溶液状態を維持し、従って注射、例えば静脈注射、
筋肉注射、関節内等への局所注射、更には皮膚への塗布、点眼、点鼻、吸入等の
局所投与、また更には経口投与、直腸注入を始めとする種々の投与形態に適合す
ることのできるリポソーム製剤に関するものである。特に本発明のリポソーム製
剤は、乾燥後血漿等の水性媒体へ再分散させた場合においても優れた澄明度を有
し、また沈降物を生成しないなど優れた特性を有する。また本発明は該リポソー
ム製剤の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タクロリムスを含有するリポソーム製剤としては、例えばリン脂質をリポソー
ム形成のための主成分として、これにコレステロール等の安定化剤を配合したも
のが知られている(WO93/08802)。この構成により、水に対して難溶
性であるタクロリムスを安定な溶液製剤とすることが可能となる。該製剤が体液
と接しても活性成分の結晶析出を生じることがないので、優れたバイオアベイラ
ビリティを示し、しかも安定な製剤となることが確認された。従って薬剤として
も、注射剤、点眼剤、点鼻剤、吸入剤、経皮吸収剤、局所注射剤などで代表され
る広範な形態を採り得る。また、タクロリムスを移行させることが特に望まれる
部位への集中的な移行性を高めたり、逆に移行させることが必ずしも望ましくな
い部位への移行を抑制することも可能となる。その結果、薬効の増強、副作用の
軽減、薬効の持続性などの実用上優れた効果が得られることが知られている。
【0003】 上記リポソーム製剤は脳梗塞など脳虚血疾患の治療に対して優れた効果を発揮
する。しかしながら、リポソーム膜が安定化しすぎているため、脳梗塞に対する
内科的治療方法として用いられる抗凝血薬、血栓溶解剤、脳血管拡張剤などと同
様即効性に欠ける傾向にある。したがって、脳梗塞の様に一刻を争う状況に対応
し得る様な、より即効性に優れ、また再分散性にも優れた特性を有するリポソー
ム製剤の開発が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点を改善し、即効性と共に、水性媒体への再分散性
に優れたリポソーム製剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リポソーム溶液から溶媒を除去して得られるリポソーム濃縮物を発
泡させながら、あるいは発泡させた後、凍結させることなく真空乾燥することを
特徴とするリポソーム製剤の製造方法を提供する。また本発明は、該製造方法に
よって得られるリポソーム製剤を提供することである。薬理活性成分は特に限定
されず、リポソーム製剤に適用可能なものを用いることができる。該活性成分と
しては、好ましくはピペコリン酸誘導体、より好ましくはマクロライド化合物、
例えば後記一般式(I)で示されるトリシクロ化合物または医薬として許容しう
る塩を有効成分として含有するリポソーム製剤である。またリポソームを形成す
る脂質としてはレシチンを主成分として用いることが好ましく、安定化剤として
コレステロールを含有しない構成が望ましい。
【0006】 薬理活性成分として,後記一般式(I)で示される化合物が17−アリル−1,14
-ジヒドロキシ−12−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシシクロヘキシル)−1−メ
チルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキ
サ−4−アザトリシクロ[22.3.1.0.4,9]オクタコス−18−エン−2,3,10,16−テト
ラオン、または医薬として許容しうる塩を有効成分として含有するリポソーム製
剤は特に好ましいものである。またリポソームを形成する脂質としてはレシチン
を主成分として用いることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明においては、リポソーム製剤に用いられるマクロライド化合物が神経保
護作用を有している点を特に注目しており、脳梗塞によって壊死した脳細胞の周
囲の神経や細胞を更なる壊死から保護する薬効を発揮することが期待され、しか
しながら医薬としての用途がこれに限定されるものでないことは言うまでもない
【0008】 本願発明におけるピペコリン酸誘導体とは、FKBP型イムノフィリンに対す
る親和性を有し、かつペプチジル−プロリルイソメラーゼおよび/またはロタマ
ーゼ酵素活性を阻害するという共通の活性を有すると共に、ピペコリン酸の誘導
体であるという共通の化学構造を有するものを意味する。
【0009】 具体的なピペコリン酸誘導体としては例えば、下記の様なトリシクロ化合物(
I)、または医薬として許容されるその塩のようなマクロライド化合物が挙げら
れる。
【0010】
【化2】
【0011】 式中、R1とR2、R3とR4、並びにR5とR6の各隣接炭素原子に結合するそれ
ぞれの対は、各々、: a)隣接する2つの水素原子を表すか、;または b)結合しているそれぞれの隣接炭素原子同士の間でもうひとつの結合を形成
してもよく、; 更に又はR2はアルキル基であってもよく; R7 は水素原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、もしくはアルキル
オキシ基を表わすか、またはR1 と共になってオキソ基を表わしてもよく、; R8 およびR9 は独立して、水素原子、もしくはヒドロキシ基を、; R10は水素原子、アルキル基、1以上のヒドロキシ基によって置換されたアル
キル基、アルケニル基、1以上のヒドロキシ基によって置換されたアルケニル基
、またはオキソ基によって置換されたアルキル基を、; Xはオキソ基、1つの炭素原子に水素原子とヒドロキシ基が結合している状態
、1つの炭素原子に2つの水素原子が結合している状態、または式−CH2O−
で表わされる基を、; Yはオキソ基、1つの炭素原子に水素原子とヒドロキシ基が結合している状態
、1つの炭素原子に2つの水素原子が結合している状態、または式=N−NR1112もしくはN−OR13で表わされる基を、; R11およびR12は独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはトシル基
を、; R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R22およびR23は独立して水素
原子またはアルキル基を、; R24は、所望により置換されていてもよい、1以上の複素原子を含み得る環基
、;そして nは1または2を表わす。
【0012】 上記の意味に加え、さらにY、R10およびR23はそれらが結合している炭素原
子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員環からなる窒素原子、
硫黄原子および/もしくは酸素原子を含有する複素環基を表わしていてもよいが
、その複素環基は、アルキル基、ヒドロキシ基、アルキルオキシ基、ベンジル基
、式−CH2Se(C65)で表わされる基、および1以上のヒドロキシ基によ
って置換されたアルキル基から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよ
い。
【0013】 一般式(I)において使用されている各定義およびその具体例、並びにその好
ましい実施態様を以下に詳細に説明する。
【0014】 「低級」とは特に指示がなければ、炭素原子1〜6個を有する基を意味するも
のとする。
【0015】 「アルキル基」および「アルキルオキシ基」のアルキル部分の好ましい例とし
ては、直鎖もしくは分枝鎖脂肪族炭化水素残基が挙げられ、例えばメチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル等の低級アルキル基が挙げられる。
【0016】 「アルケニル基」の好ましい例としては、1個の二重結合を含有する直鎖もし
くは分枝鎖脂肪族炭化水素残基が挙げられ、例えばビニル、プロペニル(アリル
等)、ブテニル、メチルプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル等の低級アルケニ
ル基が挙げられる。
【0017】 「アリール基」の好ましい例としては、フェニル、トリル、キシリル、クメニ
ル、メシチル、ナフチル等が挙げられる。
【0018】 「保護されたヒドロキシ基」および「保護されたアミノ」(後述)における好
ましい保護基としては、例えばメチルチオメチル、エチルチオメチル、プロピル
チオメチル、イソプロピルチオメチル、ブチルチオメチル、イソブチルチオメチ
ル、ヘキシルチオメチル等の低級アルキルチオメチル基のような1−(低級アル
キルチオ)(低級)アルキル基、さらに好ましいものとしてC1〜C4アルキルチ
オメチル基、最も好ましいものとしてメチルチオメチル基; 例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、第三級ブチ
ル−ジメチルシリル、トリ第三級ブチルシリル等のトリ(低級)アルキルシリル
、例えばメチル−ジフェニルシリル、エチル−ジフェニルシリル、プロピル−ジ
フェニルシリル、第三級ブチル−ジフェニルシリル等の低級アルキル−ジアリー
ルシリル等のようなトリ置換シリル基、さらに好ましいものとしてトリ(C1
4)アルキルシリル基およびC1〜C4アルキルジフェニルシリル基、最も好ま
しいものとして第三級ブチル−ジメチルシリル基および第三級ブチル−ジフェニ
ルシリル基; カルボン酸、スルホン酸およびカルバミン酸から誘導される脂肪族アシル基、
芳香族アシル基および芳香族基で置換された脂肪族アシル基のようなアシル基等
が挙げられる。
【0019】 脂肪族アシル基としては、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、カル
ボキシアセチル、カルボキシプロピオニル、カルボキシブチリル、カルボキシヘ
キサノイル等の、カルボキシのような適当な置換基を1個以上有していてもよい
低級アルカノイル基; 例えばシクロプロピルオキシアセチル、シクロブチルオキシプロピオニル、シ
クロヘプチルオキシブチリル、メンチルオキシアセチル、メンチルオキシプロピ
オニル、メンチルオキシブチリル、メンチルオキシペンタノイル、メンチルオキ
シヘキサノイル等の、低級アルキルのような適当な置換基を1個以上有していて
もよいシクロ(低級)アルキルオキシ(低級)アルカノイル基; カンファースルホニル基; 例えばカルボキシメチルカルバモイル、カルボキシエチルカルバモイル、カル
ボキシプロピルカルバモイル、カルボキシブチルカルバモイル、カルボキシペン
チルカルバモイル、カルボキシヘキシルカルバモイル等のカルボキシ(低級)ア
ルキルカルバモイル基、または例えばトリメチルシリルメトキシカルボニルエチ
ルカルバモイル、トリメチルシリルエトキシカルボニルプロピルカルバモイル、
トリエチルシリルエトキシカルボニルプロピルカルバモイル、第三級ブチルジメ
チルシリルエトキシカルボニルプロピルカルバモイル、トリメチルシリルプロポ
キシカルボニルブチルカルバモイル基等のトリ(低級)アルキルシリル(低級)
アルキルオキシカルボニル(低級)アルキルカルバモイル基等の、カルボキシも
しくは保護されたカルボキシのような適当な置換基を1個以上有する低級アルキ
ルカルバモイル基等が挙げられる。
【0020】 芳香族アシル基としては、例えばベンゾイル、トルオイル、キシロイル、ナフ
トイル、ニトロベンゾイル、ジニトロベンゾイル、ニトロナフトイル等の、ニト
ロのような適当な置換基を1個以上有してもよいアロイル基; 例えばベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル、キシレンスルホニル、ナフ
タレンスルホニル、フルオロベンゼンスルホニル、クロロベンゼンスルホニル、
ブロモベンゼンスルホニル、ヨードベンゼンスルホニル等の、ハロゲンのような
適当な置換基を1個以上有していてもよいアレーンスルホニル基等が挙げられる
【0021】 芳香族基で置換された脂肪族アシル基としては、例えばフェニルアセチル、フ
ェニルプロピオニル、フェニルブチリル、2−トリフルオロメチル−2−メトキ
シ−2−フェニルアセチル、2−エチル−2−トリフルオロメチル−2−フェニ
ルアセチル、2−トリフルオロメチル−2−プロポキシ−2−フェニルアセチル
等の、低級アルキルオキシまたはトリハロ(低級)アルキルのような適当な置換
基を1個以上有していてもよいアル(低級)アルカノイル基等が挙げられる。
【0022】 上記アシル基中、さらに好ましいアシル基としては、カルボキシを有してもよ
いC1〜C4アルカノイル基、シクロアルキル部分に(C1〜C4)アルキルを2個
有するシクロ(C5〜C6)アルキルオキシ(C1〜C4)アルカノイル基、カンフ
ァースルホニル基、カルボキシ(C1〜C4)アルキルカルバモイル基、トリ(C 1 〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキルオキシカルボニル(C1〜C4)ア
ルキルカルバモイル基、ニトロ基を1個または2個有していてもよいベンゾイル
基、ハロゲンを有するベンゼンスルホニル基、C1〜C4アルキルオキシとトリハ
ロ(C1〜C4)アルキルを有するフェニル(C1〜C4)アルカノイル基が挙げら
れ、それらのうち、最も好ましいものとしては、アセチル、カルボキシプロピオ
ニル、メンチルオキシアセチル、カンファースルホニル、ベンゾイル、ニトロベ
ンゾイル、ジニトロベンゾイル、ヨードベンゼンスルホニルおよび2−トリフル
オロメチル−2−メトキシ−2−フェニルアセチルが挙げられる。
【0023】 「飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員環からなる窒素原子、硫黄原子およ
び/もしくは酸素原子を含有する複素環基」の好ましい例としては、ピロリル基
、テトラヒドロフリル基等が挙げられる。
【0024】 R24は、前記の様に所望により置換されていてもよい、1以上の複素原子を含
み得る環基であるが、好ましいR24としては、適当な置換基を有していてもよい
シクロ(C5-7)アルキル基を挙げることができ、例えば次のような基が例示される
。 (a)3,4−ジオキソ−シクロヘキシル基、 (b)3−R20−4−R21−シクロヘキシル基、 その中で、R20はヒドロキシ、アルキルオキシ、オキソ、または−OCH2OC
2CH2OCH3、およびR21はヒドロキシ、−OCN,アルキルオキシ、適当
な置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ、1−テトラゾリル、2−テ
トラゾリル、−OCH2OCH2CH2OCH3、保護されたヒドロキシ、クロロ、
ブロモ、ヨード、アミノオキザリルオキシ、アジド基、p−トリルオキシチオカ
ルボニルオキシ、またはR2526CHCOO−(式中、R25は所望により保護さ
れていてもよいヒドロキシ基、または保護されたアミノ基、およびR26は水素原
子またはメチル、またはR20とR21は一緒になって、エポキシド環の酸素原子を
形成する)、;または (c)シクロペンチル基であって、そのシクロペンチル基は、メトキシメチル
、所望により保護されたヒドロキシメチル、アシルオキシメチル(その中におい
て、アシル部分は、所望により4級化されていてもよいジメチルアミノ基または
エステル化されていてもよいカルボキシ基)、1個またはそれ以上の保護されて
いてもよいアミノおよび/またはヒドロキシ基、またはアミノオキザリルオキシ
メチルで置換されている。
【0025】 好ましい例は、2−ホルミル−シクロペンチル基である。
【0026】 「適当な置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ」の中の「適当な置
換基を有していてもよいヘテロアリール」部分とは、EP−A−532088中の
式Iで表される化合物の基R1として例示のものが挙げられるが、例えば、1−ヒ
ドロキシエチルインドール−5−イルが好ましい。その開示を引用して明細書記
載の一部とする。
【0027】 本発明において使用されるトリシクロ化合物(I)または医薬として許容され
るその塩は、優れた免疫抑制作用、抗菌活性、およびその他の薬理活性を有し、
その為、臓器あるいは組織の移植に対する拒絶反応、移植片対宿主反応、自己免
疫疾患、および感染症等の治療および予防に有用であることがその製造法ととも
に、[EP−A−184162、EP−A−323042、EP−A−42371
4、EP−A−427680、EP−A−465426、EP−A−480623、
EP−A−532088、EP−A−532089、EP−A−569337、E
P−A−626385、WO89/05303、WO93/05058、WO96
/31514、WO91/13889、WO91/19495、WO93/04
680、WO93/5059等]に記載されており、それらの開示を引用して明
細書記載の一部とする。
【0028】 これらのうち、タクロリムス、FR900520(アスコマイシン)、FR9
00523およびFR900525と呼称される化合物は、ストレプトミセス(
Streptomyces)属、例えばストレプトミセス・ツクバエンシス(S
treptomyces tsukubaensis)No.9993[寄託機
関:日本国茨城県つくば市東1丁目1−3、通商産業省工業技術院生命工学工業
技術研究所(旧名称:通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所)、寄託日:
1984年10月5日、受託番号:微工研条寄第927号]もしくは、ストレプ
トミセス・ハイグロスコピカス・サブスペシース・ヤクシマエンシス(Stre
ptomyces hygroscopicus subsp.yakushi
maensis)No.7238[寄託機関:日本国茨城県つくば市町東1丁目
1−3、通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所、寄託日:1985年1
月12日、受託番号:微工研条寄第928号][EP−A−0184162]に
より産生される物質であり、特に下記構造式で示されるタクロリムスは、代表的
な化合物である。
【0029】
【化3】
【0030】 化学名:17−アリル−1,14−ジヒドロキシ−12−[2−(4−ヒドロ
キシ−3−メトキシシクロヘキシル)−1−メチルビニル]−23,25−ジメ
トキシ−13,19,21,27−テトラメチル−11,28−ジオキサ−4−
アザトリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス−18−エン−2,3,1
0,16−テトラオン
【0031】 トリシクロ化合物(I)のうち、より好ましいものは、R3 およびR4 、 および/またはR5およびR6 の隣接するそれぞれの対が、それらが結合してい
るそれぞれの炭素原子同士の間に形成されたもう一つの結合を形成しており、; R8とR23は独立して水素原子、; R9はヒドロキシ基、; R10はメチル、エチル、プロピルまたはアリル基、; Xはオキソ基、1つの炭素原子に水素原子とヒドロキシ基が結合している状態
、1つの炭素原子に2つの水素原子が結合している状態、または式−CH2O−
で表わされる基を、; Yはオキソ基、; R14、R15、R16、R17、R18、R19とR22はそれぞれメチル基、; R24は、3−R20−4−R21−シクロヘキシル基、 [R20はヒドロキシ、アルキルオキシ、オキソ、または −OCH2OCH2 CH2OCH3、およびR21はヒドロキシ、−OCN,アルキルオキシ、適 当な置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ、1−テトラゾリル 、2−テトラゾリル、−OCH2OCH2CH2OCH3、保護されたヒドロ キシ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノオキザリルオキシ、アジド基、p −トリルオキシチオカルボニルオキシ、 またはR2526CHCOO−(式中、R25は所望により保護されていても よいヒドロキシ基、または保護されたアミノ基、およびR26は水素原子ま たはメチル)、または R20とR21は一緒になって、エポキシド環の酸素原子を形成し、];そし てnは1または2で示される化合物である。
【0032】 特に好ましいトリシクロ化合物(I)としては、タクロリムスの他に、EP
−A−427,680の実施例66aに記載の33−エピクロロ−33−デスオキ
シアスコマイシン(ASM981)などのハロゲン化誘導体等のアスコマイシン
誘導体、EP−A−532,088記載の32−O−(1−ヒドロキシエチルイ
ンドール−5−イル)アスコマイシン(L−732,531)、WO93/04
680記載の32−(1H−テトラゾリル−1−イル)アスコマイシン(ABT
281)等が挙げられる。
【0033】 他の好ましいマクロライド化合物としては、[メルク インデックス(MERCK
INDEX)(12版)No.8288]に記載のラパマイシンやその誘導体を挙げ
ることが出来る。 好ましい例としては、WO95/16691の1頁の式Aの
40位のヒドロキシが−OR1(ここで、R1はヒドロキシアルキル、ヒドロアル
キルオキシアルキル、アシルアミノアルキルまたはアミノアルキル)で置換され
ているO−置換誘導体、例えば、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイ
シン、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(
2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシンおよび40−O−(2−アセト
アミノエチル)−ラパマイシンが挙げられる。
【0034】 これらのO−置換誘導体は、好適な反応条件下でのラパマイシン(またはジヒ
ドロまたはデオキソラパマイシン)と脱離基(例えば、RX(ここで、Rは、アル
キル、アリルまたはベンジル部分のようなO−置換基として望ましい有機ラジカ
ルおよびXはCCl3C(NH)OまたはCF3SO3のような脱離基))に結合した
有機ラジカルとの反応により、製造し得る。
【0035】 条件は、XがCCl3C(NH)Oである場合、酸性または中性条件、例えば、
トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸、p−トルエンスルホン
酸またはそれらの対応するピリジニウムまたは置換ピリジニウム塩の存在下、ま
たはXがCF3SO3である場合、ピリジン、置換ピリジン、ジイソプロピルエチ
ルアミンまたはペンタメチルピペリジンのような塩基の存在下であり得る。
【0036】 最も好ましいラパマイシン誘導体は、WO94/09010に記載のような4
0−O−(2−ヒドロキシ)エチルラパマイシンであり、前記文献の開示を引用し
て明細書記載の一部とする。
【0037】 トリシクロ化合物(I)並びにラパマイシンおよびその誘導体は、類似の基本
骨格、すなわちトリシクロマクロライド骨格と少なくとも一つの類似の生物学的
特性(例えば、免疫抑制作用)を有する。
【0038】 トリシクロ化合物(I)並びにラパマイシンおよびその誘導体の医薬的に許容
される塩とは、無毒の、医薬として許容される慣用の塩であり、例えばナトリウ
ム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等
のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、例えばトリエチルアミン塩、N−ベン
ジル−N−メチルアミン塩等のアミン塩のような無機または有機塩基との塩が挙
げられる。
【0039】 本発明のピペコリン酸誘導体、及びマクロライド化合物においては、コンホー
マーあるいは不斉炭素原子に起因する光学異性体あるいは二重結合に起因する幾
何異性体のような1対以上の立体異性体が存在することがあり、そのようなコン
ホーマーあるいは異性体もこの発明の範囲に包含される。また、ピペコリン酸誘
導体、及びマクロライド化合物は溶媒和物を形成することも出来るが、その場合
も本発明の範囲に含まれる。好ましい溶媒和物としては、水和物およびエタノレ
ートが挙げられる。
【0040】 更に、本発明の目的のために使用され得るピペコリン酸誘導体としては、例え
ば、以下のものが包含される。
【0041】 (1)4−フェニル−1,2,4−トリアゾリン−3,5−ジオンとラパマイ
シンとの反応により合成される下記Way−124466化合物(Ocain等
、Biochemical and Biophysical Researc
h Communications,Vol.192,No.3,1993)。
【0042】
【化4】
【0043】 (2)RAP‐Paと称されるピペコリン酸誘導体化合物(Charkrab
orty等、Chemistry and Biology,March 19
95,2:157−161)。
【0044】 (3)下記ピペコリン酸誘導体化合物(Ikeda等、J,Am.Chem.
Soc.1994,116,4143−4144)。
【0045】
【化5】
【0046】 (4)Wang等、Bioorganic and Medicinal C
hemistry Letters, Vol.4,No.9,pp.1161
−1166,1994,特に化合物2a−2dに開示のピペコリン酸誘導体化合
物。
【0047】 (5)下記ピペコリン酸誘導体(Birkenshaw等、Bioorgan
ic and Medicinal Chemistry Letters,
Vol.4,No.21,pp.2501−2506,1994)。
【0048】
【化6】
【0049】 (6)Holt等,J.Am.Chem.Soc.1993,115,992
5−9938、特に化合物4−14に開示のピペコリン酸誘導体化合物。
【0050】 (7)Caffery等、Bioorganic and Medicina
l Chemistry Letters, Vol.4,No.21,pp.
2507−2510,1994、記載のピペコリン酸誘導体化合物。
【0051】 (8)Teague等、Bioorganic and Medicinal
Chemistry Letters, Vol.3,No.10,pp.1
947−1950,1993、に開示のピペコリン酸誘導体化合物。
【0052】 (9)Yamashitaなど、Bioorganic and Medic
inal Chemistry Letters, Vol.4,No.2,p
p.325−328,1994、特に化合物11、12および19に開示のピペ
コリン酸誘導体化合物。
【0053】 (10)Holt等、Bioorganic and Medicinal
Chemistry Letters, Vol.4,No.2,pp.315
−320,1994、特に化合物3−21および23−24に開示のピペコリン
酸誘導体化合物。
【0054】 (11)Holt等、Bioorganic and Medicinal
Chemistry Letters, Vol.3,No.10,pp.19
77−1980,1993、特に化合物3−15に開示のピペコリン酸誘導体化
合物。
【0055】 (12)Hauske等、J.Med.Chem.1992,35,4284
−4296、特に化合物6,9−10,21−24,26,28,31−32お
よび52−55に開示のピペコリン酸誘導体化合物。
【0056】 (13)Teague等、Bioorganic and Medicina
l Chemistry Letters, Vol.4,No.13,pp.
1581−1584,1994、記載のピペコリン酸誘導体。
【0057】 (14)Stocks等、Bioorganic and Medicina
l Chemistry Letters, Vol.4,No.12,pp.
1457−1460,1994、特に化合物2、15−17に開示のピペコリン
酸誘導体化合物。
【0058】 本発明のリポソーム製剤は、リポソーム溶液から溶媒を除去して得られるリポ
ソーム濃縮物を発泡させながら、あるいは発泡させた後、真空乾燥することによ
って製造することができる。
【0059】 リポソーム濃縮物を発泡させるには、真空下で、安定系から不安定系へと変化
させ得る条件を与えることにより可能となる。例えばリポソーム濃縮物を真空下
で冷却した後昇温させると、熱変化によって上記発泡を生じさせることが出来る
。このときの温度条件として、マイナス10℃以下に冷却した後、20℃以上に
昇温することが推奨され、好ましくはマイナス10℃以下に冷却した後、20℃
〜70℃に昇温すればよい。より好ましくは、マイナス50℃〜マイナス20℃
に冷却した後、25℃〜60℃に昇温すればよく、より更に好ましくは、マイナ
ス40℃〜マイナス30℃に冷却した後、30℃〜50℃に昇温することが望ま
しい。
【0060】 またリポソーム濃縮液を発泡させる別の方法としては、リポソーム濃縮物を流
動させながら、あるいは流動させた後、真空状態にすることによって発泡させる
ことも可能である。流動させる方法としては、例えばリポソーム濃縮液の入った
容器を傾斜させてもよい。
【0061】 尚、熱変化による発泡、及び流動による発泡を行う際、リポソーム濃縮物を液
状に維持したまま発泡させるのが望ましい。
【0062】 本発明の真空乾燥は、リポソーム濃縮物を液状に維持したまま、通常の方法に
よって行うことが推奨され、従って真空乾燥における「真空」の条件は、完全な
真空状態であることを要さず、中真空以上の真空状態であればよい。
【0063】 尚、凍結乾燥法を採用すると、血漿等の水性媒体へ乾燥品を再分散(再溶解)
させた場合の混合液の澄明度が劣ることから、本発明では凍結させることなく乾
燥させる必要がある。
【0064】 本発明に係るリポソーム製剤は上記製造方法によって調製されることが必須条
件であり、リポソーム自体の構造、構成成分、調製方法、大きさ、併用化合物等
についてはトリシクロ化合物(I)を安定的に含有する上で障害とならない限り
一切制限を受けない。従って例えばリポソームの構造体については、大きな一枚
膜リポソーム(LUV)、多重層リポソーム(MLV)、小さな一枚膜リポソー
ム(SUV)のいずれであってもよい。従ってその大きさもLUVでは200〜
1000nm、MLVでは400〜3500nm、SUVでは20〜50nm程
度の粒子径をとり得るが、これらの中でも細網内皮系(RES)への集積が少な
いSUVが好ましい。
【0065】 次にリポソーム構造を形成する為の脂質については、リン脂質や窒素脂質が用
いられるが、一般的にはリン脂質が好適であり、例えば卵黄レシチン(ホスファ
チジルコリン)、大豆レシチン、リゾレシチン、スフィンゴミエリン、ホスファ
チジン酸、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジ
ルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロー
ル、ジホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、プラズマローゲン等の天
然リン脂質、あるいはこれらを常法によって水素添加したものの他、ジセチルホ
スフェート、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチ
ジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイル
ホスファチジルセリン、エレオステアロイルホスファチジルコリン、エレオステ
アロイルホスファチジルエタノールアミン、エレオステアロイルホスファチジル
セリン等の合成リン脂質が挙げられる。
【0066】 これらのリン脂質を含む脂質類は単独で用いることもできるが、2種以上を併
用することも可能である。この場合レシチン類、スフィンゴミエリン、ホスファ
チジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルコリン等の様に、ホス
ファチジル基部分の陰性基と、これと結合する原子団(エタノールアミンやコリ
ン等)における陽性基が分子内で電気的に中和し、全体として中性電荷を有する
ものは、単独で使用することが多い。これに対しホスファチジルセリン、ホスフ
ァチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール等の様にホスファチジル基
部分(陰性基)と結合する原子団がセリン、グリセロール、イノシトール等の様
に中性である為全体として負電荷を示すもの、或はその他ホスファチジン酸やジ
セチルホスフェート等の様な負電荷を示すもの等は、脂質として単独で使用する
ことも可能であるが、どちらかと言えば前記した様な中性電荷を示すものと併用
することが推奨される。尚これらのうちホスファチジン酸やジセチルホスフェー
ト等はリポソーム形成時の主要リン脂質として作用するのではなく、リポソーム
形成用添加剤として作用すると考えられる。
【0067】 この発明において好ましく使用される安定化剤としては乳糖、マルトース、ス
テアリルアミン、α−トコフェロール、ガングリオシド、酸性糖脂質であるサル
ファタイドや硫酸基を有する糖脂質がある。
【0068】 コレステロール類を安定化剤として使用した場合、本発明で求める程の即効性
は得難く、また一般にコレステロールが望ましくないとされる脳梗塞等への影響
も考えられるため、安定化剤として乳糖やマルトースの使用が望ましい。
【0069】 マクロライド化合物の再結晶防止剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系
界面活性剤(HCO−60)等の界面活性剤を使用することも可能であるが、患
部である脳への影響を考えると再結晶防止剤を含有しないことが望ましい。
【0070】
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限
定する性質のものではなく、前/後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれ
も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0071】 [実施例1] 処方:タクロリムス(5g),α−トコフェロール(0.3g)にエタノール
を適当量加えて溶解させ、更にエタノールを加えて全量100mLになる様に調
製した。このタクロリムス・エタノール溶液に精製卵黄レシチン100gを添加
,溶解した後、40℃,1330Paの条件下でエタノールを除去した。これに
10%マルトース水溶液10L(約10.3kg)を加え、スターラーを用いて
粗分散させて粗分散液を得た。
【0072】 得られた粗分散液を高圧乳化機(「DeBee2000」デビー社製(イスラ
エル);乳化圧241325kPa,背圧13790kPa)を用いて乳化した
後、0.22μmのフィルターで無菌ろ過した。このろ過液をバイアル(洗浄,
滅菌済み)に約10.4g充填し、真空ゴム栓(洗浄,滅菌済み)を半打栓し、
凍結乾燥機に装填した。該凍結乾燥機を25℃,3990Paの条件で操業し、
装填したろ過液中の溶存ガスを脱気した。このろ過液を40℃,1330Paの
条件下で濃縮し、濃縮液を得た。得られた濃縮液を−40℃に冷却した後、1.
33Paの高真空下で40℃まで昇温し、発泡させた。発泡後の濃縮液を30℃
,13.3Paの条件で真空乾燥した後、窒素ガスで常圧に戻して密封した。得
られたリポソーム製剤の特性を表1に示す。
【0073】 [比較例1](凍結乾燥品の調製方法) タクロリムス(5g),α−トコフェロール(0.3g)にエタノールを適当
量加えて溶解させ、更にエタノールを加えて全量100mLとなるように調製し
た。このタクロリムス・エタノール溶液に精製卵黄レシチン100gを添加,溶
解した後、40℃,1330Paの条件下でエタノールを除去した。これに10
%マルトース水溶液10L(約10.3kg)を加え、スターラーを用いて粗分
散させて粗分散液を得た。
【0074】 得られた粗分散液を高圧乳化機(「DeBee2000」デビー社製(イスラ
エル);乳化圧241325kPa,背圧13790kPa)を用いて乳化した
後、0.22μmのフィルターで無菌ろ過した。得られたろ過液をバイアル(洗
浄,滅菌済み)に約10.4g充填し、凍結乾燥した。得られたリポソーム製剤
の特性を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】 ※1 含量:乾燥物に含まれるタクロリムス量(mg/vial)をHPLC
で測定した。 ※2 水分:カールフィッシャー法で乾燥物の水分量を測定した。 ※3 再分散時間:約9mLの注射用水を乾燥物に添加後、室温下,40cm
の振幅(2往復/秒)で手動で振とうさせ、15秒毎に溶解性を確認し、再分散
に必要な時間を測定した。 ※4 pH:再溶解液(リポソーム製剤を水に溶解後のもの)のpHは、pH
電極を用いて測定した。 ※5 透過率:再溶解液の透過率を分光光度計(1cm×1cmのセル)を用
いて測定した。 ※6 平均粒子径:再溶解液中のリポソームの粒子径を動的光散乱法により測
定した。 ※7 沈降物:再分散液を血漿あるいは生食と2:1の比率で混合した後、遠
心分離し、沈降物の有無を肉眼により確認した。 ※8 ろ過圧:調製液及び再分散液を0.22μmのフィルターを取付けた注
射筒でろ過する際の圧力をオートラジオグラフィーで測定した。
【0077】 本発明の製造方法を用いて調製したリポソーム製剤は若干水分含有量が高いも
のの、再分散後の透過率は比較例1のリポソーム製剤よりも優れた特性を示し、
より澄明であった。また実施例1のリポソーム製剤は血漿と混合しても沈降物は
生成せず、再分散後も良好な特性を示した。
【0078】 [実施例2] タクロリムス(5g)にエタノールを適当量加えて溶解させ、更にエタノール
を加えて全量100mLとなるように調製した。このタクロリムス・エタノール
溶液に精製卵黄レシチン100gを添加,溶解した後、40℃,1330Paの
条件下でエタノールを除去した。これに10%マルトース水溶液10L(約10
.3Kg)を加え、スターラーを用いて粗分散させて粗分散液を得た。
【0079】 得られた粗分散液を高圧乳化機(デDeBee2000,乳化圧241325
kPa,背圧13790kPa)を用いて乳化した後、0.22μmのフィルタ
ーで無菌ろ過したろ過液をバイアル(洗浄,滅菌済み)に約10.4g充填し、
真空ゴム栓(洗浄,滅菌済み)を半打栓し、凍結乾燥機に装填した。該凍結乾燥
機を25℃,3990Paの条件で操業し、装填したろ過液中の溶存ガスを脱気
した後、このろ過液を40℃,1330Paの条件下で濃縮し、濃縮液を得た。
得られた濃縮液を−40℃に冷却した後、高真空下(1.33Pa)で40℃ま
で昇温し、発泡させた。発泡後の濃縮液を30℃,13.3Paの条件で真空乾
燥した後、窒素ガスで常圧に戻して密封した。得られたリポソーム製剤は実施例
1で得られたものと同等の特性を有していた。
【0080】 [実施例3] 前記実施例2と同様にして、下記処方のリポソーム製剤を調製した。 タクロリムス 3mg 精製卵黄レシチン 100mg 乳糖−1水和物 1000mg 計1103mg 得られた実施例3のリポソームは実施例1と同等の特性を有していた。
【0081】 [実施例4] 前記実施例1と同様にして、下記処方のリポソーム製剤を調製した。 タクロリムス 3mg 精製卵黄レシチン 100mg α−トコフェロール 0.3mg マルトース 1000mg 計1103.3mg 得られた実施例4のリポソーム製剤は実施例1で得られたものと同等の特性を有
していた。
【0082】
【発明の効果】
本発明により、水性媒体への優れた再分散性(例えば、再分散後の澄明度が優
れている。粒子径が均一である。体内投与して血液などの体液と混合しても沈降
物の生成がほとんどない。等)を有するリポソーム製剤を調製することが可能と
なった。
【0083】 また本発明によれば、従来のリポソーム製剤に比べリポソームが容易に崩壊す
るため、bolus投与を行うことにより、一層の即効性が期待できるようにな
った。また界面活性剤を含有しておらず、循環器系に対する影響を及ぼすことな
く、優れた効果がえられるようになった。
【0084】 従って本発明のリポソーム製剤は、薬効の即効性が期待される疾患、例えば脳
虚血疾患、頭部障害(例えば、脳出血(例えば、くも膜下出血、脳内出血)、脳
梗塞、脳血栓、脳梗塞症、心停止、脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、高血
圧性脳症)等の治療および予防に特に有用である。
【0085】 活性成分であるピペコリン酸誘導体、特にトリシクロ化合物(I)の薬理作用
に基づいて、下記疾患や下記状態の治療および予防に有用である。
【0086】 心臓、腎臓、肝臓、骨髄、皮膚、角膜、肺、膵臓、小腸、手足、筋肉、神経、
椎間板、気管、筋芽細胞、軟骨等の臓器または組織の移植の際の拒絶反応; 骨髄移植による移植片対宿主反応; 慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋
無力症、I型糖尿病等の自己免疫疾患; 病原性微生物(例えば、アスペリギルス・フミガーシス、フサリウム・オキシ
スポルマ、トリコフィトン・アステロイデス等)による感染症; 炎症性および増殖亢進性皮膚病および免疫学的仲介皮膚疾患(例えば、乾癬、
アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹状皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天
疱瘡、水疱瘡類天疱瘡、表皮水疱症、じんま疹、血管性水腫、脈管炎、紅斑、皮
膚好酸球増加症、紅斑性狼瘡、座瘡および円形脱毛症); 自己免疫疾患の眼疾患(例えば、角結膜炎、春季結膜炎、ベーチェット病関連
のブドウ膜炎、角膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐形角膜炎、角膜上皮異栄養症、
角膜白斑、眼天疱瘡、モーア潰瘍、強膜炎、グレーブス眼障害、フォークトー小
柳−原田症候群、乾性角結膜炎(ドライアイ)、フリクテン、虹彩毛様体炎、類
肉腫症、内分泌眼障害等); 可逆的閉塞性気道疾患[ぜん息(例えば、気管支ぜん息、アレルギー性ぜん息
、内因性ぜん息、外因性ぜん息および塵埃性ぜん息)、特に慢性または難治性ぜ
ん息(例えば、遅発型ぜん息および気道反応性亢進)、および気管支炎等]; 粘膜および血管の炎症(例えば胃潰瘍、虚血症および血栓症による血管損傷、
虚血性腸疾患、腸炎、壊死性全腸炎、火傷による腸損傷、ロイコトリエンB4−
仲介疾患); 腸の炎症/アレルギー(例えば、小児脂肪便症、直腸炎、好酸性胃腸炎、肥満
細胞症、クローン病および潰瘍性大腸炎); 胃腸管から遠隔の部位に症候性症状発現をする食物関連アレルギー疾患(例え
ば偏頭痛、鼻炎および湿疹); 腎症(例えば、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群お
よび糖尿病性腎症、糸球体腎炎(ループス腎炎等); 神経性疾患(例えば多発性筋炎、ギラン−バレー症候群、メニエール病、多発
神経炎、多発性神経炎、単発性神経炎、脳梗塞、アルツハイマー症、パーキンソ
ン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および神経根障害); 内分泌疾患(例えば、甲状腺機能亢進症およびバセドウ病); 血液疾患(例えば、純赤芽球病、再生不良性貧血、形成不良性貧血、特発性血
小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨赤芽球性
貧血および赤血球形成不全症); 骨疾患(例えば、骨粗鬆症); 呼吸器系統疾患(例えば、サルコーイドシス、肺繊維症および特発性間質性肺
炎); 皮膚疾患(例えば、皮膚筋炎、尋常性白斑症、尋常性魚鱗癬、光線過敏症およ
び皮膚T細胞リンパ腫); 循環器系統疾患(例えば、動脈硬化症、アテローム硬化症、大動脈炎症候群、
結節性多発性動脈炎および心筋症); 膠原病(例えば、強皮症、ウェゲナー肉芽腫およびシェーグレン症候群); 脂肪過多症;好酸球性筋膜炎;歯周病[例えば、歯肉、歯周、歯槽骨、歯のセ
メント質の損傷]; 男性型脱毛症、老人性脱毛症; 筋ジストロフィー; 膿皮症およびセザリー症候群; 染色体異常症(例えば、ダウン症候群); アジソン病; 活性酸素仲介疾患[例えば、臓器損傷(保存、移植または虚血性疾患(血栓症
、心筋梗塞等)の際に生ずる(心臓、肝臓、腎臓、消化管等の)臓器の虚血性血
流損傷); 腸疾患(例えばエンドトキシンショック、偽膜性大腸炎、薬剤または放射線に
よる大腸炎); 腎性疾患(例えば虚血性急性腎不全、慢性腎不全); 肺疾患(例えば肺中酸素または薬剤(例えばパラコート、ブレオマイシン)に
よる中毒、肺癌、肺気腫); 眼病(例えば白内障、鉄沈着症(眼球鉄錆症)、網膜炎、色素沈着症、老人性
斑点変質、ガラス体瘢痕、アルカリ火傷角膜); 皮膚炎(例えば、多形性紅斑、綿状免疫グロブリンA皮膚炎、セメント皮膚炎
); およびその他の疾患(例えば歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵炎、または環境汚染(
例、大気汚染)、老化、発癌物質、癌転移、高山病による疾患); ヒスタミンまたはロイコトリエンC4遊離による疾患; 冠動脈の再狭窄、術後の腸管癒着; 自己免疫疾患及び炎症状態(例えば、原発性粘膜水腫、自己免疫性萎縮性胃炎
、早発性閉経、男性不妊症、若年型糖尿病、尋常性天疱瘡、類天疱瘡、交感性眼
炎、水晶性ぶどう膜炎、特発性白血球減少症、活動性慢性肝炎、特発性肝硬変、
円板状紅斑性狼瘡、 自己免疫性精巣炎、関節炎(例えば、変形関節炎)、あるい
は多発性軟骨炎); ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、AIDS; アレルギー性結膜炎; 外傷、熱傷、手術等による肥厚性瘢痕やケロイド等。
【0087】 さらに、トリシクロ化合物(I)の様なマクロライド系化合物は、肝臓再生作
用および/または肝細胞の肥大および過形成の刺激作用を有する。従って、本発
明の組成物は、肝疾患[例、免疫原性疾患(自己免疫性肝臓病、原発性胆汁性肝
硬変または硬化性胆管炎のような慢性自己免疫性肝臓病)、部分的肝臓切除、急
性肝臓壊死(例えば、毒物、ウィルス性肝炎、ショックまたは無酸素症による壊
死)、B型肝炎、非A非B型肝炎、肝硬変および肝機能不全(例、劇症肝炎、遅
発性肝炎および急性から慢性へ移行した肝機能不全)]の治療および予防に有用
である。
【0088】 さらにまた本発明の製剤は、化学療法作用の増強作用、サイトメガロウィルス
感染の予防および治療作用、抗炎症作用、ペプチジル−プロリルイソメラーゼま
たはロタマーゼの阻害活性、抗マラリア活性、抗腫瘍活性、等のような薬理作用
により種々の疾患の予防および治療に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C076 AA19 CC03 CC31 DD37 DD59 DD63 DD67 FF68 GG05 4C086 AA01 CB22 MA02 MA05 MA24 NA11 ZB07 ZB08 ZB35

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空乾燥法を用いてリポソーム製剤を製造する方法において
    、リポソーム溶液から溶媒を除去して得られるリポソーム濃縮物を発泡させなが
    ら、あるいは発泡させた後、凍結させることなく真空乾燥することを特徴とする
    リポソーム製剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記発泡が、リポソーム濃縮物を真空下で冷却した後昇温さ
    せることによって生じたものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 マイナス10℃以下に冷却した後、プラス20℃以上に昇温
    する請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 マイナス40℃〜マイナス30℃に冷却した後、プラス30
    ℃〜プラス50℃に昇温する請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記発泡が、リポソーム濃縮物を流動させながら、あるいは
    流動させた後、真空状態にすることによって生じたものである請求項1に記載の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 リポソーム濃縮物を液状に維持したまま発泡させる請求項1
    に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 薬理活性成分として、ピペコリン酸誘導体または医薬として
    許容しうる塩を、リポソーム中に含有させたリポソーム製剤を調製するものであ
    る請求項1に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 ピペコリン酸誘導体が下記一般式(I)で表されるマクロラ
    イド化合物または医薬として許容されるその塩である請求項7に記載の製造方法
    。 【化1】 (式中、R1とR2、R3とR4、並びにR5とR6の各隣接炭素原子に結合するそれ
    ぞれの対は、各々、: a)水素原子を表すか、;または b)結合しているそれぞれの隣接炭素原子同士の間でもうひとつの結合を形成
    してもよく、; 更に又はR2はアルキル基であってもよく; R7 は水素原子、ヒドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、もしくはアルキル
    オキシ基を表わすか、またはR1 と共になってオキソ基を表わしてもよく、; R8 およびR9 は独立して、水素原子、もしくはヒドロキシ基を、; R10は水素原子、アルキル基、1以上のヒドロキシ基によって置換されたアル
    キル基、アルケニル基、1以上のヒドロキシ基によって置換されたアルケニル基
    、またはオキソ基によって置換されたアルキル基を、; Xはオキソ基、1つの炭素原子に水素原子とヒドロキシ基が結合している状態
    、1つの炭素原子に2つの水素原子が結合している状態、または式−CH2O−
    で表わされる基を、; Yはオキソ基、1つの炭素原子に水素原子とヒドロキシ基が結合している状態
    、1つの炭素原子に2つの水素原子が結合している状態、または式=N−NR1112もしくはN−OR13で表わされる基を、; R11およびR12は独立して水素原子、アルキル基、アリール基またはトシル基
    を、 R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R22およびR23は独立して水素
    原子またはアルキル基を、; R24は、所望により置換されていてもよい、1以上の複素原子を含み得る環基
    、; nは1または2を表わす。 上記の意味に加え、さらにY、R10およびR23はそれらが結合している炭素原
    子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員環からなる窒素原子、
    硫黄原子および/もしくは酸素原子を含有する複素環基を表わしていてもよいが
    、その複素環基は、アルキル基、ヒドロキシ基、アルキルオキシ基、ベンジル基
    、式−CH2Se(C65)で表わされる基、および1以上のヒドロキシ基によ
    って置換されたアルキル基から選ばれる1以上の基によって置換されていてもよ
    い)
  9. 【請求項9】 リポソームを形成する脂質として、レシチンを主成分として
    使用するものである請求項1に記載のリポソーム製剤の製造方法。
  10. 【請求項10】 リポソームがコレステロールを含有しない構成からなるリ
    ポソーム製剤である請求項9に記載のリポソーム製剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 マクロライド化合物(I)が17−アリル−1,14−ジ
    ヒドロキシ−12−[2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシシクロヘキシル)−1
    −メチルビニル]−23,25−ジメトキシ−13,19,21,27−テトラメチ
    ル−11,28−ジオキサ−4−アザトリシクロ[22.3.1.04,9]オクタコス
    −18−エン−2,3,10,16−テトラオンまたはその水和物である請求項8
    に記載のリポソーム製剤の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の製造方法により調製されることを特徴と
    するリポソーム製剤。
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