JP2003508012A - ピロバクルム・イスランジカム(Pyrobaculumislandicum)由来のDNAポリメラーゼ - Google Patents
ピロバクルム・イスランジカム(Pyrobaculumislandicum)由来のDNAポリメラーゼInfo
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Abstract
Description
れるDNAポリメラーゼに関し、ここで該ピロバクルム・イスランジカム由来のDNA
ポリメラーゼの配列にはファミリーB DNAポリメラーゼの指標となる6個の保存さ
れたモチーフが含まれており、このポリメラーゼは3’-5’エキソヌクレアーゼ
活性を示す。
と区別できる第3の生命ドメインを構成する(WoeseおよびFox 1977)。ここ20
年間で多数の古細菌が単離され、その特性が決定されている。超好熱性古細菌(
系統樹の最深かつ最短の分岐にある)は、110℃に至る温度でも増殖することが
できる(Stetter 1996)。従って、これらの生物は熱安定性酵素を研究するのに最
適の候補である。真核生物および真正細菌におけるDNA複製に関する知識は非常
に進歩しているが(Kornberg および Baker 1992)、超好熱性古細菌のDNA複製に
関しては限られた情報しか得られない。100℃近いまたはそれ以上の温度で、い
かにゲノムが保持され複製されるかは依然として未解決の問題である。
がクローン化され、配列決定されている。それらのアミノ酸配列から推論すると
、これらの酵素は次の4つのグループに分類される。すなわち、大腸菌DNAポリ
メラーゼI(ファミリーA)、DNAポリメラーゼII(ファミリーB)、DNAポリメラ
ーゼIII(ファミリーC)、および真核生物DNAポリメラーゼβ(ファミリーX)で
ある(BraithwaiteおよびIto 1993)。これまでに記載された古細菌DNAポリメラー
ゼの大多数は、ファミリーBに属する。多数のeuryarchaeal DNA ポリメラーゼ遺
伝子がクローン化され、配列決定されている。数種のテルモコッカス(Thermococ
cus)およびピロコッカス(Pyrococcus)株由来の熱安定性酵素の発現に成功し、
その特性が決定されて商業的に得fられるようになった(Perlerら1996)。それに
比べて、超好熱性crenarchaeota由来のDNAポリメラーゼに関する情報はほとんど
得られない。Uemoriら(1995)は、超好熱性crenarchaeonピロディクティウム・オ
カルタム(Pyrodictium occultum)由来の2種のファミリーB DNAポリメラーゼの
クローン化および特性決定を記載した。3個のファミリーB DNAポリメラーゼ遺
伝子がスルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)において
検出された(Prangishviliら1993;Datukishviliら1996;Edgellら1997)という事
実にもかかわらず、これらの遺伝子のうち1個のみが発現に成功した(Pisan;ら 1
992)。
、配列決定、標識化または逆転写など)において重要な役割を果たす。ポリメラ
ーゼ連鎖反応の開発(PCR; Mullisら 1986; Erlichら. 1988)は、ここ10年間でバ
イオテクノロジーに対する功績の中でも最も重要なものの一つであった。Taqポ
リメラーゼと呼ばれる真正細菌サーマス・アクアティクス(Thermus aquaticus)
由来のDNAポリメラーゼIは、PCRに応用された最初の熱安定性DNAポリメラーゼで
あった。3'-5'エキソヌクレアーゼ活性が存在しないため、該酵素はミスマッチ
を切り出すことができず、その結果塩基挿入の忠実度が低い(Longleyら1990; Ke
ohavongおよびThilly 1989)。更に、Taqポリメラーゼは100℃ではせいぜい数分
の熱安定性しか示さないことが研究によりわかっている。より高い熱安定性およ
び付随した3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有するeuryarchaeal DNAポリメラー
ゼ、例えばピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)由来のPfu pol(Lun
dberg ら 1991)またはテルモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)由
来のVent pol (Cariello ら 1991)などはすでに記載されており、商業的にも入
手可能である。しかしながら、それらは主に伸長速度が遅いためにTaqポリメラ
ーゼと置き換わることはなかった。従って、熱安定性が高く、塩基挿入の忠実度
が高く、しかも伸長速度が充分である新しいDNAポリメラーゼが依然必要とされ
ている。超好熱性crenarchaeotaは、新たな特性を有する熱安定性DNAポリメラー
ゼの有力な供与源となり得るであろう。更に、組換え酵素の大量生産は非常に有
用であろう。
る)は、アイスランドの温泉から単離された(Huberら1987)。過度の実験を伴わ
ずにポリメラーゼを天然株から単離することは、該株の培養が困難であるためで
きなかった。更に、従来のプライマーを用いてピロバクルム・イスランジカム由
来のB DNAポリメラーゼ遺伝子の断片を増幅することは不可能であった。
に、種々のプライマーを用いてプライマースクリーニングを行った。古細菌ファ
ミリーB DNAポリメラーゼは、アミノ酸保存が低いか又は全くない長いストレッ
チにより、保存性の高い短鎖ドメインが分離されているためアライメントするの
が困難である。ポリメラーゼの配列が同定されている古細菌に系統樹上遠く離れ
た古細菌から新規ファミリーB DNAポリメラーゼ遺伝子をクローン化することは
特に困難なようである。
ermoproteales)に属する。研究を開始した時点では、ピロディクティウム(Pyr
odictium)およびスルホロブス(Sulfolobus)種由来のcrenarchaealポリメラーゼ
遺伝子がほんの少数同定されていたにすぎず、またeuryarchaealピロコッカスお
よびテルモコッカス(Thermococcus)種由来のポリメラーゼ遺伝子配列がいくつ
か同定されていた。
型として用いる)は、保存されたテルモコッカスおよびピロコッカス由来のポリ
メラーゼ配列から導き出されたいくつかのプライマーの組合せを用いて行なった
。
cg1/c1190を使用し、成功していた(Niehausら1997)。
DNAポリメラーゼと同一性を示すピロバクルム・イスランジカム由来のPCR産物を
増幅することはできなかった。
ら導き出された縮重プライマーを用いた。
いたPCRも成功しなかった。
シットを含むプライマーはいくつかの縮重トリプレットを受け入れることができ
るため、デオキシイノシット (I)を含む縮重プライマーを用いることは新しい古
細菌遺伝子を増幅するのに大変有利であると予測されうる。
能なファミリーB DNAポリメラーゼ遺伝子(Uemoriら1995;受託番号 D38574およ
びD38573)およびスルホロブス・ソルファタリカス(受託番号Y08257)由来の1個の
ポリメラーゼ遺伝子が、プライマースクリーニングに適したプライマーを合成す
ることを目的として、アライメントのために選択された。縮重トリプレットコー
ドのため、デオキシイノシン(I)を用いて、縮重プライマーを設計する必要があ
った。該プライマーはファミリーB DNAポリメラーゼの高保存領域から導き出さ
れた。
ースクリーニングを行った。48℃の低いアニーリング温度が用いられた。
増幅をもたらし、古細菌ファミリーB DNAポリメラーゼと同一性を示した。実施
例2に記載の通り、この断片をプローブとして用いて完全なポリメラーゼ遺伝子
を同定した。この結果は、新規crenarchaeal DNAポリメラーゼ遺伝子断片の増幅
に適切なプライマーの設計が大変困難であることを示した。
子のクローニング方法および配列決定を含む。本発明は配列番号3を有する遺伝
子を含む。また、本発明の主題はピロバクルム・イスランジカム由来のB DNAポ
リメラーゼを含む。本発明は、配列番号4に示した配列を有するポリメラーゼを
含む。更に、ピロバクルム・イスランジカム由来の組換えポリメラーゼの発現、
精製および特徴付けを開示する。
よびヌクレオチド配列決定 古細菌α様DNAポリメラーゼに見られる最も保存されたアミノ酸配列に基づい
て、配列番号1および2に示した2つの縮重プライマーを設計した。PCRをピロ
バクルム・イスランジカム由来の染色体DNAを用いて行なったところ、445bpの増
幅産物が得られた。PCR産物の配列を決定すると、該配列は予想通りBLAST アラ
イメントにおいて既知の古細菌ポリメラーゼ領域と相同性を示した。本発明の重
要な結果として、既知の古細菌DNAポリメラーゼの配列を用いて新規縮重プライ
マーを効果的に設計し、超好熱性古細菌由来の新規DNAポリメラーゼ遺伝子を探
すことができる。従って、配列番号1および2に示した縮重プライマーを用いた
クローニング方法も本発明の主題である。次にPCR産物をプローブとして用いて
、全DNAポリメラーゼ遺伝子を得た。サザンブロットハイブリダイゼーションに
おいて、SacIで消化した6〜7.5 kbpの大きさのピロバクルム・イスランジカム由
来のDNA断片を選択し、コスミドベクター系にクローン化した。784個のアミノ酸
を有するタンパク質をコードする2356bpからなるオープンリーディングフレーム
(図1)を、コロニーフィルターハイブリダイゼーションにより同定されたコス
ミドクローンの挿入部分で検出した。オープンリーディングフレームはバリンを
コードするGTGで始まっていた。約25%の古細菌タンパク質は、GTGコドンで開始
するらしいことが示されている(Dennis 1997)。例えば、Schleperら(1997; 1998
)は、crenarchaeoteセナルケウム・シンビオサム(Cenarchaeum symbiosum)に
おいて、ファミリーB DNAポリメラーゼ遺伝子のものを含めて、オープンリーデ
ィングフレームがATGではなくGTGで始まるものがあることを記載した。ピロバク
ルム・イスランジカム由来のDNAポリメラーゼ遺伝子の推定上の転写および翻訳
開始領域を調べるために、5’RACE PCRをおこない、増幅されたcDNAを配列決定
した。mRNAの配列は、決定された開始コドンの1または2ヌクレオチド上流で開
始した(データは示さない)。
リメラーゼの配列とアライメントした。ファミリーB DNAポリメラーゼの指標と
なる6個の保存されたモチーフ(BraithwaiteおよびIto 1993)は、すべてのDNAポ
リメラーゼにおいて不変であり機能的に重要であることが示されている残基を含
めて、ピロバクルム・イスランジカムの配列中に同定された。3個の3'-5'エキソ
ヌクレアーゼモチーフ(Blanco ら1991)も、該配列中に局在していた。ClustalW
ソフトウェアプログラム(Higgins, EMBL, ドイツ国バイデルベルク)を用いて行
われたマルチプルアライメントにおいて、このDNAポリメラーゼ配列は, ピロデ
ィクティウム・オカルタム(Pyrodictium occultum)由来の2つのファミリーB D
NAポリメラーゼの片方(polB;受託番号D38574)、またはアーケオグロブス・フル
ギダス(Archaeoglobus fulgidus)由来のファミリーB DNAポリメラーゼ(受託番
号 AE001070)、およびPfuポリメラーゼ(受託番号 D12983)に対して、それぞれ51
%、37%、および32%の同一残基を共有し、最も高い同一性を示した。
ゼをC-末端ストレプトアクチン結合オリゴペプチドとの融合タンパク質として発
現させた。組換えDNAポリメラーゼを、熱変性ステップとストレプトアクチン上
でのアフィニティークロマトグラフィーを組合せてほぼ均質になるまで精製した
。大腸菌BL21培養物1000 mlから始めて、組換えDNAポリメラーゼの調製物約1 mg
につき2000 Uの比活性のある組換えDNAポリメラーゼ1 mgを精製した。バッファ
ーWにプロテアーゼ阻害剤を添加せずにポリメラーゼの精製を試みると、SDS-PAG
Eにより測定される多数の細かい汚染物質を出現させることになった(データは
示さない)。各分画におけるDNAポリメラーゼの純度をSDS-PAGEにより調べた(
図2)。融合タンパク質は、汚染物質として少量の約70 kDaタンパク質を伴って
共精製された。活性ゲルは、ストレプトアクチン調製物中の精製された約90kDa
タンパク質がDNAポリメラーゼ活性を有することを示した(図3)。わずかな活
性が約70kDaでも検出され、このことは共精製されたタンパク質が組換えポリメ
ラーゼのタンパク質分解産物であることを示した。更に、ピロバクルム・イスラ
ンジカム由来の粗抽出物中において、約90kDaのタンパク質バンドに同様のDNAポ
リメラーゼ活性を検出できた。
するDNA配列も本発明の主題である。これらの突然変異体は、このエキソヌクレ
アーゼ活性の高保存アミノ酸領域(ExoI, ExoIIおよびExoIII)における突然変異
によって、例えばプルーフリーディング活性の減少を示す可能性がある。例えば
ExoI領域はX1DX2EX3モチーフを含み、アミノ酸D(アスパラギン酸)およびE(グ
ルタミン酸)はB型ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性に必須であることが
知られている。
よび方法」に記載の非放射性アッセイをさまざまな反応条件下で行った。
の存在下75℃で調べた。図4に示すように、このポリメラーゼはpH7.3で最も活
性であった。活性の最適温度は、活性化されたDNAが80℃以上では安定でないた
め検出できなかった。酵素が活性化するためには、きわめて低い濃度の二価カチ
オンを必要とした。0.5 mM MgCl2の最適濃度を超えると、ポリメラーゼが阻害さ
れた(図5)。二価カチオンの非存在下では活性は検出されなかった。図6に示
されるように、一価のカリウムイオンはDNAポリメラーゼを強く阻害した。100 m
M KClの存在下では、7%の残留活性しか検出されなかった。
において90℃および100℃で酵素をプレインキュベーションし、続いて標準アッ
セイ条件下75℃でインキュベートした。100℃では30〜40分の半減期、90℃では1
0時間を超える半減期が検出された(図7)。
ルフヒドリルのブロッキング剤であるN-エチルマレイミド(NEM)は、DNAポリメラ
ーゼ活性を強く阻害した。1 mM NEMの存在下では、40%の残留活性が検出された
。活性の完全な消失は、5 mM NEMとのプレインキュベーションの後で検出された
。酵素の四環ジテルペノイドアフィジコリン(DNAポリメラーゼとの結合につい
て各dNTPと競合する)への感受性についても検討した。DNAポリメラーゼは、ピ
ロディクティウム・オカルタム(Pyrodictium occultum) 由来のpolBおよびPfuポ
リメラーゼを阻害するのに相当する量のアフィジコリンにより阻害された(Uemor
iら 1995)。500および2000μMアフィジコリンの存在下で、ピロバクルム・イス
ランジカム由来のDNAポリメラーゼに関して55%および21%の残留活性を検出し
た。検出されたddGTPに対するポリメラーゼの感受性は大変低かった。ddGTP/dGT
P比が2の場合、およびddGTP/dGTP比が10の場合、阻害は測定されず、約80%の
残留活性が検出された。
キソヌクレアーゼ活性を測定するため、まずdNTPの非存在下でBamHI消化pUC 19
DNAを精製酵素と共にインキュベートした。75℃で2時間後著しい分解をアガロー
スゲル上で検出した(データは示さない)。37℃では分解は測定されず、大腸菌
BL21細胞由来のエキソヌクレアーゼの汚染物質が、熱処理およびストレプトアク
チンセファロース上で精製した後の酵素調製物中に存在しないことを示した。
識ヌクレオチドの放出に基づいて、標準的アッセイで定量化した。1.5Uの精製ポ
リメラーゼと共に鋳型を65℃でインキュベートした後のヌクレオチドの放出は、
他の古細菌プルーフリーディングDNAポリメラーゼによりもたらされる放出に匹
敵した。4時間インキュベートした後、104 cpm/10分が測定された。それに対し
て、15U(10倍高い濃度)のTaqポリメラーゼは150〜250 cpm/10分をもたらし、
またPfuポリメラーゼ等のプルーフリーディングポリメラーゼの同量の場合は100
0〜3000 cpm/分をもたらした。37℃でのインキュベーションの後、ヌクレオチド
の放出は検出されず、大腸菌エキソヌクレアーゼ活性がこの実験を妨害しないこ
とを示した。ピロバクルム・イスランジカムDNAポリメラーゼの検出されたエキ
ソヌクレアーゼ活性は、推定上のDNAポリメラーゼの配列内で同定された3個の3
’-5’エキソヌクレアーゼドメインに対応しており(Blancoら1991)、測定された
のが5’-3’エキソヌクレアーゼ活性ではなく、この種のエキソヌクレアーゼ活
性であったことを示している。
ヌクレアーゼ活性を一本鎖において試験した。一本鎖および二本鎖DNA上で3’-5
’エキソヌクレアーゼ活性が検出され得るか否かを調べるために、5’-DIG標識
プライマーおよびプライマー/鋳型複合体を用いた。3’-5’エキソヌクレアー
ゼ活性は、DNAポリメラーゼと共に70℃で1時間インキュベートした後、プライマ
ーの分解により示された。図8に示すように、ピロバクルム・イスランジカムDN
Aポリメラーゼに付随した3’-5’エキソヌクレアーゼ活性の速度は、反応バッフ
ァーのpHに大きく依存している。最適なポリメラーゼバッファー(pH 7.3)を用い
ると、ピロバクルム・イスランジカム由来の酵素によるプライマーの分解は、Pw
oポリメラーゼを用いた場合より著しく低いが、バッファー2(pH 8.6)でのエ
キソヌクレアーゼ活性の値はPwoポリメラーゼの活性に相当した。一本鎖プライ
マーおよび二本鎖プライマー/鋳型のどちらにおいても、ピロバクルム・イスラ
ンジカム由来のDNAポリメラーゼはdNTPの非存在下で3’-5’エキソヌクレアーゼ
活性を示した。0.01および0.1μMのdNTPの存在下でさえ、Taqポリメラーゼは一
本鎖、二本鎖DNA基質のどちらにおいてもプライマーの分解を示さなかった(図
8)。3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼについて予想さ
れるように、ピロバクルム・イスランジカムおよびピロコッカス・ウーゼイ由来
のDNAポリメラーゼによるプライマー/鋳型基質の分解は、dNTPの量が増えると
(1μM)減少した。37℃でアッセイした場合、ピロバクルム・イスランジカムか
ら得たDNAポリメラーゼによるプライマーの分解および伸長は検出されなかった
(データは示さない)。この結果は、酵素調製物に実験を妨害しうる大腸菌由来
の汚染性エキソヌクレアーゼ活性が含まれなかったことを明らかに示している。
ルム・イスランジカム由来の新規熱安定性DNAポリメラーゼの生化学的特性をい
くつか提供する。熱安定性DNAポリメラーゼの主用途は、in vitroにおけるDNA断
片の増幅およびDNAの配列決定である。TaqDNAポリメラーゼは、依然多くの場合
において用いられているが、3’-5’エキソヌクレアーゼ活性がないためその忠
実度は大変低い(KeohavongおよびThilly 1989;Longleyら1990)。更に、Taqポリ
メラーゼは100℃では熱安定性がせいぜい数分である。
定性を有する。非イオン性界面活性剤またはウシ血清アルブミン(BSA)のような
安定剤が存在することでも熱安定性の増加がもたらされるか否か調べる必要があ
る。非イオン系界面活性剤オクトキシノール(一般にTRITON X-100として知られ
る)およびBSAがピロコッカス・フリオサスおよびテルモコッカス リトラリス由
来のDNAポリメラーゼの熱安定性に及ぼすプラスの影響については記載されてい
る(EP出願番号92118965および91303787.5)。ピロバクルム・イスランジカム由来
の熱安定性DNAポリメラーゼは、二本鎖DNAの変性(PCR法において重要なステッ
プである)をもたらすのに必要な時間間隔で高温度にさらされても不可逆的に不
活性化されない。その結果として該酵素は以前に特徴付けられた熱安定性酵素以
上の更なる利点を提供し得る。100℃に至る高温度が、例えばDNA鋳型のGC含量が
増加する時などに要求されるかもしれない。標的配列には、95℃を超える変性温
度が必要である。このため、グリセロールまたはDMSOのような溶媒をPCRに含め
、部分的に二本鎖DNAを脱安定化する(Wongら1991; Korgeら1992)。これらの薬剤
は、二本鎖DNAを脱安定化するのに加えて、プライマーの安定性に影響を及ぼし
、ポリメラーゼの活性を阻害してその熱安定性を減少させうる。これに対し、ピ
ロバクルム・イスランジカムDNAポリメラーゼの場合は変性温度を95℃または100
℃に上げるだけで(その他の点では標準的なPCRで)PCR産物の完全な鎖分離が容
易にでき、DNA二本鎖の脱安定化剤が不要になる。
クレアーゼ活性を持った精製DNAポリメラーゼを取得および生産することが依然
必要とされている。3’-5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性を有
するピロバクルム・イスランジカム由来のDNAポリメラーゼは、非プルーフリー
ディングDNAポリメラーゼと比べた場合、塩基取込みの誤差率が実質的に低い。
熱安定性DNAポリメラーゼを、特にPCRによるDNA断片のin vitro増幅およびDNA配
列決定に用いた。付随する3’-5’エキソヌクレアーゼ活性により、古細菌DNAポ
リメラーゼはDNA断片を高い忠実度(低い突然変異頻度)で増幅する可能性を与
える。今日まで、PCRに用いられたすべての古細菌DNAポリメラーゼは、Euryarch
aeotaに由来するものである。PCRにおいてcrenarchaeal DNAポリメラーゼの適用
に成功したという報告は得られていない。
ことを証明するため、1 Uの酵素およびいくつかのプライマーの組合せを用いてP
CRをおこなった。図9に示すように、1500bpまでのλDNA鋳型を増幅できた。こ
れは、PCRにcrenarchaeal DNAポリメラーゼを用いうることについての最初の報
告である。
メラーゼのクローニング方法も本発明の主題である。更に、配列番号1および2
によるプライマーを用いたB DNAポリメラーゼの断片の増幅法も本発明の主題で
ある。本発明はまた、配列番号1および2を有するプライマーの以下の変異形を
用いた場合の上記方法を含むものである。
が除外され、1〜5個のトリプレットが追加された場合) −配列番号1または2に示される、1個以上のイノシンが天然に存在する塩基で
再置換されたプライマー −1個以上の天然の塩基が、配列番号1または2に従った置換に加えて、イノシ
ンにより置換されたプライマー(好ましくは天然の塩基がトリプレットの3番目
の位置にあるイノシンにより置換されたプライマー)。
Cl;75℃)で0.5 Uの精製DNAポリメラーゼを用いて検出した。酵素とN-エチルマ
レイミドとのプレインキュベーションを90℃で20分間おこなった。
on Mikroorganismen und Zellkulturen社(DSMZ;ドイツ国ブラウンシュヴァイク)
から入手した。大腸菌 DH5α細胞のマグネシウム培養物はエクスパンドクローニ
ングキット(Expand Cloning Kit) (Boehringer Mannheim社)に含まれていた。大
腸菌BL21細胞は、Novagen社(アメリカ合衆国マディソン)から入手した。
は記載されていれば他社から入手した。DNAの精製およびゲル抽出用のキットはQ
IAGEN社(ドイツ国ヒルデン)の製品であった。プラスミドおよびコスミドDNA調
製用のキットはBioRad社(ドイツ国ミュンヘン)から入手した。
レプトアクチンセファロースカラムはIBA社(ドイツ国ゲッティンゲン)から取
得した。
した。N-エチルマレイミドはServa社から入手した。培地およびバッファーを調
製するためのその他の化学物質は、Difco社(デトロイド、ウィスコンシン州)、S
erva社(ドイツ国ハイデルベルク)、Sigma社(セントルイス、ミズーリ州)、
およびMerck社(ドイツ国ダームスタット)から入手した。
に98℃で嫌気的に増殖させた。細胞を回収し、TEバッファー(10 mM トリス-HCl
pH 8.0, 1 mM EDTA)で洗浄し、10 mM トリス-HCl pH 8.0を含む20%スクロース3
mL中に懸濁した。トリトンX-100を添加して0.3%の最終濃度とした。20℃で1時
間インキュベートした後、SETバッファー (150 mM NaCl 20 mM トリス-HCl pH 8
.0, 1 mM EDTA) 3 ml、10%ドデシル硫酸ナトリウム0.32 mlおよびプロテイナー
ゼK(10 mg/ml)0.16 mlを添加した。混合物を37℃で1時間インキュベートした。
続いてフェノール-クロロホルム抽出の後、DNAをエタノール沈殿により回収した
(Maniatis ら1982)。
保存領域IおよびIIに基づいて設計した(Wangら1989)。
プライマーをARK Scientific, GmbH Biosystems社(ドイツ国ダームスタット)
に注文して合成した。ピロバクルム・イスランジカムDNA約1ナノグラムおよび
各プライマー100 pmolを、デオキシリボヌクレオシド三リン酸200μM、ExpandTM High Fidelityバッファー系、ExpandTMHigh Fidelity酵素(Boehringer Mannhei
m社)2Uを含むPCR反応混合物に添加した。最初の変性ステップ(94℃で2分間)
の後、DNAサーマルサイクラー(GeneAmp PCR System 2400; Perkin-Elmer,Weiter
stadt)を用いて、94℃で10秒、46℃で30秒および68℃で90秒の温度プロフィール
で30サイクルおこなった。最終サイクルに続いて、サンプルを更に68℃で7分間
インキュベートして、伸長ステップを確実に完結させた。PCR産物を精製して配
列決定した。同じ条件下、その他のPCR反応を様々なアニーリング温度および伸
長時間でおこなった。上記鋳型およびプライマー、ならびに200μM dATP、dGTP
およびdCTPを含むがdTTPを190μM、DIG-11-dUTP(ジゴキシゲニン標識dUTP、耐ア
ルカリ性;Boehringer Mannheim社)を10μM含む同じPCR反応混合物を用いて、非
放射性プローブを調製した。
、0.7%アガロースゲル上で分離させた。制限されたDNAは正電荷を帯びたナイロ
ンメンブランに移行させた。上記のDIG標識プローブを用いて68℃でハイブリダ
イゼーションを行ない、3ステップ法(メンブランブロッキング、抗DIG抗体のF
abフラグメントとのインキュベーション、ならびに抗体結合アルカリ性ホスファ
ターゼと化学発光基質CDP-StarTM(Boehringer Mannheim社)の反応)をおこない
、ハイブリダイズしたプローブの部位を検出した。
カムDNAの調製的消化をおこなった。大きさが6〜7.5kbpの制限DNA断片をアガロ
ースゲルから抽出し、エクスパンドTMクローニングキット(Boehringer Mannhei
m社)を用いてクローン化した。断片を平滑末端にしてコスミドベクターにライ
ゲートし、この構築物をバクテリオファージに挿入した。続いて大腸菌DH5αマ
グネシウム培養物に感染させ、陽性クローンをベクター媒介アンピシリン耐性に
より選択した。DNAポリメラーゼ遺伝子を含むコスミドクローンは、コロニーフ
ィルターハイブリダイゼーション(フィルターハイブリダイゼーションのためのD
IG System User’s Guide)により上記のプローブを用いて同定した。陽性クロー
ン由来のコスミドDNAを調製し配列決定した。
注文して配列決定した。ヌクレオチド配列はジデオキシ・チェーン・ターミネー
ション法(Sangerら1977)により決定された。すべてのDNAサンプルをABI PRISMTM BigDyeターミネーターを用いて配列決定し、配列解析ソフトウェアを用いた自
動シーケンサー(Applied Biosystems社)により解析した。
たに培養したピロバクルム・イスランジカム細胞から得られるRNAを、DiRuggier
oおよびRobb(1995)により記載されたプロトコルに従って調製し、5’RACE PCRを
5’/3’ RACEキット(Boehringer Mannheim社)を用いておこなった。第一鎖cDN
A合成、cDNAの増幅および対照PCRに、遺伝子配列から導かれた逆方向のプライマ
ーを用いた。増幅されたcDNAをゲル抽出し、直接配列決定をおこなった。
用いて大腸菌において発現させた。このベクターの発現カセットは、化学的に誘
導可能なテトラサイクリンプロモーターによって転写的に制御されている(Skerr
a 1994)。組換えタンパク質を都合良く精製するため、このベクターはStrepタグ
という9個のアミノ酸からなるC末端のコード配列を含む。該Strepタグにより、
セファロース結合ストレプトアビジンまたはストレプトアクチンによるアフィニ
ティークロマトグラフィーの工程で、生じた融合タンパク質を精製することがで
きる(SchmidtおよびSkerra 1994; VossおよびSkerra 1997)。2つのプライマー
を用いて、染色体ピロバクルム・イスランジカムDNAからポリメラーゼ遺伝子を
増幅した。順方向のプライマーは、BsaIの制限部位が生成されかつバリンをコー
ドする開始コドンが除去されるように設計した。組換え融合タンパク質は、ベク
ターによりコードされたメチオニンから開始された。逆方向のプライマーは、Bs
aIの制限部位が生成されかつポリメラーゼ遺伝子の終止コドンが除去されるよう
に設計した。PCR産物をゲル抽出により精製し、BsaIで切断し、再びゲル抽出し
、BsaI制限pASK-IBA 3ベクターにライゲートした。ポリメラーゼ遺伝子を、大腸
菌BL21において発現させた。形質転換細胞を、100μg/mlのアンピシリンを含むL
B培地1000 mlにおいて37℃で培養した。600 nmでの光学濃度0.5で、100μlのア
ンヒドロテトラサイクリン(ジメチルホルムアミド中2 mg/ml;最終濃度200μg/l
)を添加して細胞を誘導し、培養物を更に15時間インキュベートした。冷却した
後、細胞を4℃で遠心分離して回収し、バッファーW(50 mMトリス-HCI pH 8.0,
1 mM EDTA およびthe Complete mini, EDTA不含プロテアーゼ阻害剤カクテル(B
oehringer Mannheim社))で洗浄し、再び5 mlのバッファーW中に懸濁した。細
胞を超音波処理で破砕し、遠心分離した後で粗抽出物を80℃で20分間熱処理し、
再び遠心分離した。サンプルを5 mlのバッファーWで平衡化したストレプトアク
チンの既製セファロースカラム(1 ml)にアプライした。カラムを5 mlのバッファ
ーWで2回洗浄した後、結合タンパク質を、2.5 mMのデスチオビオチン (Sigma社
)を含む10 mlのバッファーWを段階的に適用することによって溶出した。活性画
分をプールし、500倍容の50 mMトリス-HC1(pH 7.2)および10%グリセロールに
対して透析した。
放射性;Boehringer Mannheim社)は、標準DNAポリメラーゼアッセイに用いられ
る放射標識されたヌクレオチドの代わりに、ジコキシゲニンおよびビオチンで標
識されたdUTPを同じDNAに取り込ませておこなった。Suzukiら(1993) が証明した
ように、化学発光エンザイムイムノアッセイ(本明細書に記載した試験と同じ原
理に従う)は、標準的な放射性同位体アッセイと類似した結果を示した。合成さ
れたDNAの検出および定量は、製造業者が推奨するとおりにサンドイッチELISAプ
ロトコルに従った。特に明記しない限りは、標準的反応混合物には100μl中に、
50 mMのトリス-HCl (pH 7.2)、0.5 mMのMgCl2、60μgのBSA、0.36 μMのDIG-11-
dUTP、18 nMのビオチン-11-dUTP、18 μMの各dNTP、0.27 μgのDNアーゼIに活性
化仔ウシ胸腺DNA(鋳型として)、およびDNAポリメラーゼサンプルが含まれてい
た。反応混合物を75℃で1時間インキュベートした。Taq DNAポリメラーゼを標準
として使用した(反応混合物中には50 mMのトリス-HCl (pH 7.9)、5 mMのMgCl2
および50 mMのKClを含む)。1ユニットは10 nmolのdNTPを30分間75℃で酸不溶
性の形態に取り込むのに必要とされる酵素の量として定義した。ピロバクルム・
イスランジカム由来のDNAの熱安定性を調べるために、プレインキュベーション
をBSA、標識/非標識dNTP、および鋳型DNAを含まない反応混合物中でおこない、
続いて不足している成分を添加して75℃で1時間の標準的インキュベーションを
おこなった。DNAポリメラーゼの生化学的特性を決定するため、すべての反応混
合物に0.5 Uの酵素を加えた。
anosおよびHubscher(1983)に記載された方法の変法(Niehausら 1997)に従ってお
こなった。各DNAポリメラーゼの1〜5ユニットのサンプル濃度をSDS-PAGE(10%)上
で電気泳動にかけた。サンプルの調製およびゲル電気泳動をLaemmli (1970)に記
載された通りにおこなった。泳動ゲルは、ポリメラーゼの鋳型として150μg/ml
のDNアーゼI活性化仔ウシ胸腺DNAを更に含んでいた。サーマス・アクアティクス
(Taqポリメラーゼ)およびピロコッカス・ウーゼイ(Pyrococcus woesei)(Pwoポ
リメラーゼ)由来のDNAポリメラーゼをBoehringer Mannheim社から購入した。ゲ
ルを50 mMのトリス-HCl pH 7.2、3 mMの β-メルカプトエタノール、1mMのEDTA,
5% グリセロール中に4回浸してSDSで除去した。タンパク質の再生は、サンプ
ルバッファーに添加された1 mM MgCl2および1μM dATPを用いて4℃で一晩おこ
なった。その後、ゲルを50 mMのトリス-HCI pH 7.2、3 mMのβ-メルカプトエタ
ノール、1 mMのDTT、1 mMのMgCl2、5% グリセロール、8μMのdGTP、dATPおよびd
CTP、4μMのdTTPおよび5μM DIG-11-dUTPを含む活性バッファー中でインキュベ
ートし、4時間70℃でインキュベートした。DNAをナイロンメンブランに移行さ
せ、取り込まれたDIG-11-dUTPを前述の通り免疫学的に検出した。
の3H標識されたDNA鋳型(超音波処理で消化したもの)と共にインキュベートし
た。放出された3H標識ヌクレオチドは、4時間のインキュベーションの後、シン
チライザー上でcpm/10分として検出した。インキュベーションを65℃および37℃
で、この実験に通常用いられるバッファー(10mMのトリス-HCl、1mMのDTT、50 mM
のNaCl、10 mMのMgCl2)中で実施した。
er)(免疫学的に検出するためにジゴキシゲニンを用いて5’標識されたもの)の
分解を分析した。二本鎖に対する3’-5’エキソヌクレアーゼ活性は鋳型(34 mer
)にハイブリダイズさせた同じプライマーを用いて測定した。 プライマーおよび
鋳型の配列は図8に示す。アッセイの原理は以前に記載された(Niehaus, 1997 #
77)。標識された基質0.5 pmolおよび精製DNAポリメラーゼ0.1 Uを、dNTPを含ま
ない又は1μMまで次第に増加する量のdNTPを含むさまざまなバッファー10μl中
70℃で1時間インキュベートした。大腸菌由来の汚染性エキソヌクレアーゼ活性
が測定されていないことを確認するため、アッセイを更に37℃でおこなった。50
mMのトリス-HCl pH 7.3および0.5 mMのMgCl2を含む最適DNAポリメラーゼバッフ
ァーのみならず、50 mMのトリス-HCl pH 8.6および0.5 mMのMgCl2を含むバッフ
ァーも用いた。ホルムアミドバッファーを用いて反応を氷上で停止させ、サンプ
ルをTBEバッファー中の8 M尿素を含む12%ポリアクリルアミド配列決定ゲル上で
電気泳動した。分解産物または重合産物を免疫学的検出により可視化した。10 m
Mのトリス-HCl pH 8.9、25 mMのKCl、2 mMのMgSO4および5 mMの(NH4)2SO4を含む
バッファー中のPwoポリメラーゼならびに前記活性バッファー中のTaqポリメラー
ゼを対照として用いた。
ファー中で、1 Uの酵素を用いておこなった。すなわち、15 mMのトリス-HCl pH
8.6、12.5 mMのKCl、2.5 mMの(NH4)2SO4、1.25 mMのMgCl2、20μg/mlのBSAを含
むバッファーである。λDNA 10 ngを鋳型として用いた。順方向プライマー 5’-
GATGAGTTCGTGTCCGTACAACT-3' を以下の逆方向プライマーと組み合わせた。
ールでおこなった。PCR条件下でExpand High Fidelity酵素を対照として製造会
社に推奨される通りに用いた。
ヌクレオチド配列および推定されるアミノ酸配列。ヌクレオチドは5’部位から
番号付けした。翻訳開始部位はヌクレオチド番号131で、終止部位はヌクレオチ
ド番号2486である。
る酵素画分のSDS PAGE (10%)。 レーン1 粗抽出物 レーン2 熱処理(80℃で20分)後の粗抽出物 レーン3 分子量マーカー(広範囲;BioRad社) レーン4 ストレプトアクチン上でのクロマトグラフィー後の酵素調製物。分
子量を示す。
イスランジカムDNAポリメラーゼ酵素調製物(2 U) レーン3 ピロバクルム・イスランジカム由来の粗抽出物 レーン4 Pwoポリメラーゼ(2.5 U).
ッセイはさまざまな濃度のKCl, (NH4)2SO4およびMgCl2の存在下で0.2 Uの精製DN
Aポリメラーゼを用いておこなった。
セイにより検出した。
鋳型DNAを添加せずに90℃および100℃でプレインキュベートし、続いて不足して
いるすべての化合物を添加し、75℃、pH7.3で0.5 mM MgCI2を用いて標準的イン
キュベーションをおこなった。
Taq pol)およびピロコッカス・ウーゼイ (Pwo pol)由来の DNAポリメラーゼの、
一本鎖および二本鎖依存性3’-5' エキソヌクレアーゼ活性。アッセイを「材料
および方法」に記載の通り各ポリメラーゼ0.1 Uを用いて70℃で1時間おこなった
。ジゴキシゲニン標識プライマーを一本鎖の基質(ss)として、およびプライマー
/鋳型複合体を二本鎖の基質(ds)として用いた。各反応におけるdNTPの濃度(μ
M)を示す。反応産物を8M尿素を含む12%ポリアクリルアミドゲル上で分離し、
免疫学的検出により視覚化した。非分解プライマーおよび反応産物の大きさ(ヌ
クレオチド、nt)を示す。レーンP:dNTPを含まないバッファー中のジゴキシゲ
ニン標識プライマー;バッファー1:40 mMのトリス-HCl pH 7.3、0.5 mMのMgCl 2 ;バッファー2:50 mMのトリス-HCI pH 8.6、0.5 mMのMgCl2。TaqおよびPwoポ
リメラーゼを「材料および方法」に記載のバッファーを用いて試験した。プライ
マーおよび鋳型の配列を右に図示した。
トリス-HCl pH 8.6、12.5 mM KC1、2.5 mM (NH4)2SO4、1.25 mM MgCl2および20
μg/ml BSAを含むバッファー中で反応させた。ピロバクルム・イスランジカム由
来の1 U のDNAポリメラーゼを用いてλDNA鋳型の500 bp (レーン1)、1000 bp (
レーン 2)および1500 bp (レーン 3)を増幅した。対照のPCRを2.5 UのHigh Fide
lity酵素を用いておこなった(レーン4)。各PCR産物20μlを1%アガロースゲル
にアプライした。対応するマーカー分子量(レーン5)をキロ塩基対(kb)で示し
た。
Claims (13)
- 【請求項1】 ピロバクルム・イスランジカム(Pyrobaculum islandicum)
から得られるDNAポリメラーゼであって、ピロバクルム・イスランジカム由来のD
NAポリメラーゼの配列にはファミリーB DNAポリメラーゼの指標となる6個の保存
されたモチーフが含まれており、該ポリメラーゼは3’-5’エキソヌクレアーゼ
活性を示すことを特徴とする、前記DNAポリメラーゼ。 - 【請求項2】 分子量がおよそ90kDaである、請求項1記載のDNAポリメラー
ゼ。 - 【請求項3】 pH 7.3で最大の活性を示す、請求項1または2記載のDNAポ
リメラーゼ。 - 【請求項4】 ddGTPに対する感受性が低い、請求項1〜3のいずれか1項
記載のDNAポリメラーゼ。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載のDNAポリメラーゼをコー
ドする遺伝子を含むベクターにより形質転換された大腸菌BL21から得られる組換
えDNAポリメラーゼ。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載のポリメラーゼをコードす
るDNA。 - 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項記載のポリメラーゼの遺伝子を
含むベクター。 - 【請求項8】 請求項7記載のベクターにより形質転換された宿主。
- 【請求項9】 請求項5記載の組換えDNAポリメラーゼの生産方法。
- 【請求項10】 DNA断片のin vitro増幅のための請求項1〜5のいずれか
1項記載のDNAポリメラーゼの使用。 - 【請求項11】 DNA配列を決定するための請求項1〜5のいずれか1項記
載のDNAポリメラーゼの使用。 - 【請求項12】 配列番号1および2、またはその変異形を有するプライマ
ーを用いたB DNAポリメラーゼのクローニング方法。 - 【請求項13】 配列番号1および2、またはその変異形を有するプライマ
ーを用いたB DNAポリメラーゼの断片の増幅方法。
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