JP2003507591A

JP2003507591A - 蛍光増白剤配合物

Info

Publication number: JP2003507591A
Application number: JP2001516979A
Authority: JP
Inventors: ユハニヨキネン，オッリ; ハンストラバー，ライナー; ローリンガー，ペーター
Original assignee: Ciba Spezialitaetenchemie Holding AG
Current assignee: BASF Schweiz AG
Priority date: 1999-08-13
Filing date: 2000-08-07
Publication date: 2003-02-25
Also published as: EP1204794A1; MXPA02001235A; AU6699600A; US6620294B1; DE60026323T2; BR0013262A; WO2001012900A1; EP1204794B1; ATE318954T1; DE60026323D1

Abstract

(57)【要約】安定な蛍光増白剤配合物が記載される。これらは、（ａ）式（１）（式中、Ｒ ₁は、水素、Ｃ₁〜Ｃ₅アルキル、Ｃ₁〜Ｃ₅アルコキシ又はハロゲンであり、Ｍは、水素、アルカリ金属、アンモニウム又はマグネシウムである）の蛍光増白剤２〜２０重量％、（ｂ）非修飾又は修飾されたポリビニルアルコール４〜３０重量％、（ｃ）水５５〜９４重量％、及び（ｄ）ポリエチレングリコールを除く、さらなる添加剤０〜２０重量％を含有する。配合物の製造方法、及び紙材料の増白のためのそれらの使用もまた、記載される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、新規な蛍光増白剤配合物及び紙の増白のためのそれらの使用に関する
。

【０００２】式（１）：

【０００３】

【化３】

【０００４】（式中、Ｒ₁は、水素、Ｃ₁〜Ｃ₅アルキル、Ｃ₁〜Ｃ₅アルコキシ又はハロゲンであり、Ｍは、水素、アルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウム若しくはカリウム
、アンモニウム又はマグネシウムである）で示される蛍光増白剤は、以前から知られており、例えば、紙材料の増白に使用
されている。

【０００５】これらの増白剤は、水への溶解性に非常に乏しく、そのためスラリーの形態で
、あるいは一般に増白剤であるナトリウム塩と、増白剤を完全に溶解するように
、多量の可溶化剤（例えば尿素）又は有機溶媒とを含む溶液の形態で、通常、商
業上入手可能である。使用後、これらの可溶化剤類は、廃水中において望ましく
なく、さらに有機溶媒は、一般に可燃性であるので、このような物質を全く有し
ないか、あるいは少量のみ含有する配合物に対する要求があった。

【０００６】上述の式（１）の蛍光増白剤の安定な水性溶液の製造が、増白剤を、修飾され
ていてもよいポリビニルアルコールと一緒に水に溶解する場合に、可能であるこ
とが今や見出された。驚くべきことに、この方法では、２０％までの増白剤を含
有し、かつ０〜４０℃の温度で数カ月の保存寿命を有する溶液を製造することが
可能である。さらに、ポリビニルアルコールの添加は、増白剤を表面に適用した
ときの増白効果を高めるため、同様の効果を達成するために、必要とされる活性
物質はより少ない。

【０００７】よって、本発明は、（ａ）式（１）：

【０００８】

【化４】

【０００９】（式中、Ｒ₁は、水素、Ｃ₁〜Ｃ₅アルキル、Ｃ₁〜Ｃ₅アルコキシ又はハロゲンであり、Ｍは、水素、アルカリ金属、アンモニウム又はマグネシウムである）で示される蛍光増白剤２〜２０重量％、（ｂ）非修飾又は修飾されたポリビニルアルコール４〜３０重量％、（ｃ）水５５〜９４重量％、及び（ｄ）さらなる添加剤０〜２０重量％を含有する蛍光増白剤に関する。

【００１０】Ｍは、水素又は１当量の無色のカチオン、例えばリチウム、ナトリウム、カリ
ウム、アンモニウム又はプロトン化形態のＣ₄〜Ｃ₁₂トリアルキルアミン、Ｃ₄〜
Ｃ₁₂ジアミン、Ｃ₂〜Ｃ₁₅アルカノールアミン若しくはポリグリコールアミンで
ある。好ましくは、Ｍは、カリウム又は特にナトリウムである。

【００１１】Ｒ₁で示されるアルキルは、例えば、メチル、エチル、ｎ−プロピル、イソプ
ロピル、ｎ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ｎ−ペンチル、イソアミル
又はsec−アミルである。式（１）において、Ｒ₁がアルコキシの場合、これは、
例えば、メトキシ、エトキシ、ｎ−プロポキシ、イソプロポキシ、ｎ−ブトキシ
、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ｎ−ペンチルオキシ、イソアミルオキシ又
はsec−アミルオキシである。Ｒ₁で示されるハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又
はヨウ素であり、好ましくは塩素である。

【００１２】適切な蛍光増白剤は、特に式：

【００１３】

【化５】

【００１４】で示される化合物であり、式（２）の化合物が、特に好ましい。

【００１５】好ましくは、本発明による配合物は、３〜１５重量％、特に５〜１２重量％の
式（１）の蛍光増白剤を含む。

【００１６】適切な、非修飾又は修飾されたポリビニルアルコールは、例えば、ポリ酢酸ビ
ニルのほぼ完全なケン化によって得られる化合物である。特に、それらは、１０
〜約４５０のケン化価を有するポリビニルアルコールである。ケン化価（エステ
ル価）は、ポリビニルアルコール１ｇを加水分解するのに消費される水酸化カリ
ウムのmg数を示す。このようなポリビニルアルコールは、例えばMowiol及びPoly
violという名で商業上入手可能である。

【００１７】好ましくは、本発明による配合物は、６〜２０重量％、特に６〜１５重量％の
非修飾又は修飾されたポリビニルアルコールを含む。

【００１８】適切な、さらなる添加剤は、例えば、防腐剤（例えば、１，２−ベンゾイソチ
アゾリン−３−オン又はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド若しくはグルタル
アルデヒドのようなアルデヒド類）、及び不凍剤、溶媒又は消泡剤である。少量
の溶媒は、例えば、わずかに混濁した配合物から完全に澄明な溶液を得るために
加えられる。ポリエチレングリコール類は、添加剤からは除外される。

【００１９】本発明による配合物の混濁を除去するために、高温、例えば５０〜７０℃で、
清澄濾過（clarified filtration）を行うことも可能である。

【００２０】本発明による配合物は、例えば、湿ったプレスケーキ又はドライパウダーの式
（１）の蛍光増白剤を、非修飾又は修飾されたポリビニルアルコールの水性溶液
と完全に混合し、そして所望であれば、さらなる添加剤と、所望であれば、例え
ば３０〜８０℃で加熱を行い、そして均一な分布が達成されるまで、それらを互
いに混合することによって得られる。

【００２１】得られた溶液は、例えば約０℃〜４０℃の温度においても、例えば６ヵ月とい
う比較的長期間の保存寿命を有する。

【００２２】本発明による配合物は、製紙工程における紙材料、例えば、漂白された化学パ
ルプ若しくは機械パルプ又はそれらの混合物からの材料の増白に、並びに製紙産
業で通常、用いられる無着色か、特に着色された紙材料及びコーティングスリッ
プの増白に適しており、サイズプレス及びフィルムプレスにおける適用を包含す
る。

【００２３】よって、さらに本発明は、製紙工程における繊維分散液の蛍光増白のための、
本発明による配合物の使用に関する。

【００２４】

【実施例】

以下の実施例は、本発明を限定することなく説明するのに役立つ。以下の実施
例において、部及び百分率は、別に述べない限り、重量による。

【００２５】実施例１ポリビニルアルコール（Polyviol LL603）２０重量％を含む水溶液７０部と、
脱塩水５０部とを、式（２）：

【００２６】

【化６】

【００２７】の蛍光増白剤９部を含有する湿ったフィルターケーキ３０部に加えた。

【００２８】混合物を、攪拌しながら５５℃まで加熱し、そして澄明な溶液を形成するまで
、この温度で攪拌を続けた。室温に冷却した後、蒸発した水を補充し、溶液１５
０部を再び得た。

【００２９】０℃及び４０℃で、数カ月間安定な増白剤配合物が得られた。

【００３０】実施例２酸化カルシウムで２５ppmの硬度を有する水２００部中に、繊維（漂白された
カバとマツのクラフトパルプの１：１混合物；ろ水度３５°Ｓ．Ｒ．）５部を
含む繊維懸濁液を、繊維に基づいて１０％の沈降炭酸カルシウムで処理した。そ
の後、実施例１により得た増白剤溶液０．０２７５部を加えて、１分間ゆっくり
と攪拌を行い、そして繊維と顔料の総量に基づいて０．０３％の市販の陽イオン
保持補助剤（修飾されたポリアクリルアミド）の溶液を加えた。その後、紙シー
トをシートフォーマー（Rapid-Kothen system）上で製造した。湿った紙シート
をプレスして、そして２枚のろ紙の間で、１１０℃で２０分間乾燥させた。

【００３１】蛍光及び増白の効果が、尿素を含む溶液のような、同じ増白剤の市販の配合物
を用いて製造した紙シートのものと、ちょうど同程度に良好な紙シートが得られ
た。

【００３２】実施例３方法は、実施例１に述べたのと同様であるが、ポリビニルアルコールとしてPo
lyviol 2810をPolyviol LL603の代わりに用いた。安定な増白剤配合物が、同様
に得られた。

【００３３】実施例４〜１０方法は、実施例１に述べたのと同様であるが、以下の表に示したポリビニルア
ルコールをPolyviol LL603の代わりに用いた。安定な増白剤配合物が、同様に得
られた。

【００３４】

【表１】

【００３５】上述の表において、ポリビニルアルコールの場合、最初の数字は、４重量％水
溶液の２０℃での粘度をmPa・sで示し、そして２番目の数字は、ケン化の度合い
を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者トラバー，ライナーハンススイス国ツェーハー−4153 ライナハイムシュトックアッカー 26 (72)発明者ローリンガー，ペータースイス国ツェーハー−4124 シェーネンブッフゼックスユヒャルテンシュトラーセ１Ｆターム(参考） 4H056 DA04 DB01 DB06 DB07 DB08 DC01 FA02 4L055 AG36 AG64 AH07 AH09 EA30 EA32 EA33 FA12

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）式（１）：【化１】（式中、Ｒ₁は、水素、Ｃ₁〜Ｃ₅アルキル、Ｃ₁〜Ｃ₅アルコキシ又はハロゲンであり、Ｍは、水素、アルカリ金属、アンモニウム又はマグネシウムである）で示される蛍光増白剤２〜２０重量％、（ｂ）非修飾又は修飾されたポリビニルアルコール４〜３０重量％、（ｃ）水５５〜９４重量％、及び（ｄ）ポリエチレングリコールを除く、さらなる添加剤０〜２０重量％を含有する蛍光増白剤配合物。
【請求項２】Ｍが、カリウム又は特にナトリウムである、式（１）の蛍光
増白剤を含有する、請求項１記載の配合物。
【請求項３】Ｒ₁が、水素又は塩素である、式（１）の蛍光増白剤を含有
する、請求項１又は２に記載の配合物。
【請求項４】式（１）の蛍光増白剤３〜１５重量％、特に５〜１２重量％
を含有する、請求項１〜３のいずれか一項記載の配合物。
【請求項５】式：【化２】で示される蛍光増白剤、特に式（２）の増白剤を含有する、請求項１〜４のいず
れか一項記載の配合物。
【請求項６】非修飾又は修飾されたポリビニルアルコールとして、ポリ酢
酸ビニルのほぼ完全なケン化によって得られる化合物を含有する、請求項１〜５
のいずれか一項記載の配合物。
【請求項７】１０〜約４５０のケン化価を有するポリビニルアルコールを
含有する、請求項６記載の配合物。
【請求項８】非修飾又は修飾されたポリビニルアルコール６〜２０重量％
、特に６〜１５重量％を含有する、請求項１〜７のいずれか一項記載の配合物。
【請求項９】さらなる添加剤として、防腐剤、不凍剤、溶媒又は消泡剤を
含有する、請求項１〜８のいずれか一項記載の配合物。
【請求項１０】湿ったプレスケーキ又はドライパウダーの式（１）の蛍光
増白剤を、非修飾又は修飾されたポリビニルアルコールの水性溶液と完全に混合
し、所望であればさらなる添加剤と、所望であれば加熱を行い、そして均一な分
布が達成されるまで、それらを互いに混合することを含む、請求項１〜９のいず
れか一項記載の配合物の製造方法。
【請求項１１】その後、高温で清澄濾過を行うことを含む、請求項１０記
載の配合物の製造方法。
【請求項１２】製紙工程で紙材料を増白するための、並びに製紙産業で通
常、用いられる着色及び無着色のコーティングスリップを増白するための、コー
ティング工程又はサイズプレス若しくはフィルムプレスにおける適用のための、
請求項１〜９のいずれか一項記載の配合物の使用。