JP2003507009A - タンパク質およびペプチド - Google Patents

タンパク質およびペプチド

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スカパー,ウィルヘルムス・マルティナス・マリア
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ヴァン・アメロンゲン,アート
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ボレマンス,フランス・アロイス・メカニア
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    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/415Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from plants

Abstract

(57)【要約】 植物デフェンシン由来の抗菌タンパク質またはペプチド、あるいはそれらの誘導体であって、前記タンパク質またはペプチドが:(i)位32のトリプトファン残基;(ii)位34のバリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、リジン、アルギニン、チロシン、メチオニン、システインまたはヒスチジン残基;(iii)位35のイソロイシン、トリプトファン、リジン、アルギニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニンまたはヒスチジン残基;(iv)位36のトリプトファン残基;(v)位37のトリプトファン、グリシン、スレオニン、チロシン、グルタミン、リジン、アルギニン、フェニルアラニンまたはヒスチジン残基;(vi)位38のロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、バリンまたはシステイン残基;(vii)位39のロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、リジン、アルギニン、チロシンまたはヒスチジン残基;(viii)位40のトリプトファン残基;(ix)位41のイソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、リジン、アルギニン、ヒスチジン;および/または(x)位42のバリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン、リジン、アルギニン、セリンまたはスレオニン残基、からなる群より選択される置換アミノ酸残基の1以上を含み;前記アミノ酸残基が、該抗菌タンパク質またはペプチドの前記位に天然に見られず、但し該抗菌タンパク質は、位37、39または42での置換アルギニン残基のみを含まないことで特徴付けられる前記タンパク質またはペプチド。これらのタンパク質またはペプチドは、農業および薬剤において有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、抗菌タンパク質およびペプチド、その製造法および使用法、並びに
それらをコードするDNAに関する。
【0002】 この文脈において、抗菌タンパク質およびペプチドは、抗真菌および/または
抗細菌および/または抗ウイルス活性を持つタンパク質およびペプチドと定義さ
れる。活性には、部分的阻害または死などのある範囲の敵対する効果が含まれる
【0003】 植物病原性真菌に対する活性を持つ、広い範囲の抗菌タンパク質が、特定の植
物種から単離されてきている。我々は、以前、ダイコン(radish)および
他の植物種からの単離が可能な抗真菌タンパク質種を記載した。これらのタンパ
ク質は、本明細書に特に援用される、以下の刊行物に記載される:国際特許出願
公報第WO 93/05153号、1993年3月18日公開; Terras
FRGら, 1992, J Biol Chem, 267:15301−
15309; Terrasら, 1993, FEBS Lett, 316
:233−240; Terrasら, 1995, Plant Cell,
7:573−588。該種類には、ダイコン(Raphanus sativ
us)由来のRs−AFP1(抗真菌タンパク質1)、Rs−AFP2、Rs−
AFP3およびRs−AFP4、並びに相同タンパク質、例えばアブラナ(Br
assica napus)由来のBn−AFP1およびBn−AFP2、カブ
(Brassica rapa)由来のBr−AFP1およびBr−AFP2、
シロガラシ(Sinapis alba)由来のSa−AFP1およびSa−A
FP2、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)由来の
At−AFP1、ダリア・メルキー(Dahlia merckii)由来のD
m−AMP1およびDm−AMP2、サントリソウ(Cnicus bened
ictus)由来のCb−AMP1およびCb−AMP2、ラチルス・キケラ(
Lathyrus cicera)由来のLc−AFP、チョウマメ(Clit
oria ternatea)由来のCt−AMP1およびCt−AMP2が含
まれる。該タンパク質は、ある範囲の真菌を特異的に阻害し、そして農業的また
は薬学的または保存的目的に、殺真菌剤として用いることが可能である。
【0004】 この種類の抗菌タンパク質は、植物デフェンシンと名づけるべきであると提唱
されてきており(Terras F.R.G.ら, 1995, Plant
Cell, 7 573−583)、そしてこれらのタンパク質は、保存された
システインおよびグリシンの類似のモチーフを共通に有する(Broekaer
t W.F.ら, 1995, Plant Physiol. 108 13
53−1358)。
【0005】 本明細書において、用語「植物デフェンシン」は、抗菌活性、特に抗真菌活性
または抗真菌および抗細菌活性を有し、そしてまた以下の特徴的な構造的特徴:
位4、15、21、25、36、45、47および51のシステイン残基;位4
および51、15および36、21および45、並びに25および47のシステ
イン間のジスルフィド架橋形成;位15のシステインから4アミノ酸上流の芳香
族アミノ酸残基、位15のシステインから2アミノ酸上流のグリシン残基、位3
6から7アミノ酸上流のグルタミン酸残基、および位36のシステインの2アミ
ノ酸上流のグリシン残基を有するタンパク質を示すよう用いられる。ここで、シ
ステイン残基の位は、配列番号1に示されるようなRs−AFP1、並びにその
相同体、活性変異体および誘導体のアミノ酸配列に比較し、定義される。
【0006】
【化1】
【0007】 (配列番号1) いくつかの植物デフェンシンにおいて、位1および3、5および14、26お
よび35、並びに37および44の間の部分は、長さが1から3アミノ酸異なる
可能性があるが、これは、上述の特徴的なシステインモチーフ全体に影響を与え
ない。植物デフェンシンのこの特徴的な構造的特徴は、以下のように要約するこ
とが可能である:
【0008】
【化2】
【0009】 (配列番号2) 式中、aは芳香族アミノ酸(F、W、Y)であり、Cはシステインを表し、Eは
グルタミン酸を表し そしてGはグリシンであり、そして特定されないアミノ酸またはアミノ酸群は、
ピリオドで示される。
【0010】 「相同」という表現は、本明細書において、既定の配列と共通であるいくつか
のアミノ酸を有するいかなるペプチドも指す。適切には少なくとも60%のアミ
ノ酸が類似であり、より適切には少なくとも70%、好ましくは少なくとも80
%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95%
、96%、97%または98%のアミノ酸が、既定の配列中の対応するアミノ酸
に類似であろう。
【0011】 本明細書において、用語「類似」は、並列させた際、同様の位または領域に類
似の(同一または保存的置換)アミノ酸を有する配列を示すように用いられ、こ
こで同一または保存的置換アミノ酸は、出発タンパク質に比較した際、タンパク
質の活性または機能を改変しないものである。例えば、互いに少なくとも85%
の類似性を持つ2つのアミノ酸配列は、3までのギャップを許すが、但しギャッ
プに関し、総数15アミノ酸残基以上が影響を受けないように、最適に並列させ
た際、同様の位に少なくとも85%の類似の(同一または保存的置換)アミノ酸
残基を有する配列を有する。類似性の度合いは、当該技術分野に公知の方法を用
いて決定することが可能である(例えば、Wilbur, W.J.およびLi
pman, D.J.“Rapid Similarity Searches
of Nucleic Acid and Protein Data Ba
nks.” Proceedings of the National Ac
ademy of Sciences USA 80, 726−730(19
83)およびMyers E.およびMiller W.“Optimal A
lignments in Linear Space”. Comput.
Appl. Biosci. 4:11−17(1988)を参照されたい)。
類似性の度合いを決定するのに用いることが可能な1つのプログラムは、Meg
Align Lipman−Pearson一対法(デフォルトパラメーターを
用いる)であり、該プログラムはLasergene系の一部として、DNAs
tar Inc, 1228, Selfpark Street, Madi
son, Wisconsin, 53715, USAから得ることが可能で
ある。
【0012】 基本的配列と異なるアミノ酸は、保存的にまたは非保存的に置換されている可
能性がある。保存的置換は、アミノ酸が広く類似の化学的特性を持つアミノ酸と
置き換えられたことを意味すると理解するべきである。特に、保存的置換は、以
下の群でのアミノ酸間で行うことが可能である: (a)アラニン、セリン、グリシンおよびスレオニン; (b)グルタミン酸およびアスパラギン酸; (c)アルギニンおよびリジン; (d)アスパラギンおよびグルタミン; (e)イソロイシン、ロイシン、バリンおよびメチオニン; (f)フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン。
【0013】 一般的に、非保存的置換より保存的置換のほうが、化合物の抗菌特性を破壊し
ない可能性があるであろう。適切な相同体は、例えば、以下に例示されるように
、常法を用い、ペプチドの抗菌特性を試験することにより、決定することが可能
である。
【0014】 本明細書において「変異体」という用語は、分子遺伝学技術により同定するこ
とが可能であるような、実験的に生成された変異体または関連する天然に存在す
るペプチドのファミリーメンバーを含む。こうした技術は、例えば、その内容が
本明細書に援用される、米国特許第5,605,793号、米国特許第5,81
1,238号および米国特許第5,830,721号に記載される。本質的に、
この技術は、大腸菌(Escherichia coli)などの微生物発現系
における親遺伝子の発現を伴う。選択された特定の系を実証しそして較正し、生
物学的に活性であるペプチドが発現されることを確実にしなければならず、これ
はin vivoバイオアッセイを用いて、容易に達成することが可能である。
【0015】 遺伝子、または好ましくは異なる種由来の関連遺伝子のコレクションを、当該
技術分野に知られるような突然変異誘発ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に供し
てもよい。PCRを用いた産物の断片化およびそれに続く修復は、親変異体から
再構築される、一連のキメラ遺伝子を導く。これらのキメラをその後、微生物系
において発現させ、これを通常の方式でスクリーニングし、活性突然変異体を決
定してもよく、これをその後単離し、そして配列決定してもよい。この分子進化
DNAシャッフリング周期の反復は、望ましい遺伝子特性の進行性の亢進を導く
ことが可能である。この性質の技術の利点は、該技術が、多突然変異ブロック交
換を含む広い範囲の異なる突然変異が産生されそしてスクリーニングされること
を可能にすることである。
【0016】 他の変異体は、バイオインフォマティクス系を用いて同定するかまたは定義す
ることが可能である。こうした系の例は、W.R. PearsonおよびD.
J. Lipman PNAS(1988)85:2444−2488のFAS
TA法である。この方法は、タンパク質配列を比較し、そして類似性のレベルを
検出するための迅速でそして簡単な方法を提供し、そして分子生物学者に用いら
れる標準的なツールである。こうした類似配列は、天然供給源から、分子進化を
通じ、または合成法およびタンパク質間の類似性のレベルを示す「選択スコア」
に到達するためにこの方法を用いて行われる比較により、得ることが可能である
【0017】 本発明の特定の変異体は、以下のように、本明細書に記載される本発明の抗菌
タンパク質の配列のいずれか1つに対し、FASTA選択スコア(FASTAバ
ージョン3.0t82、1997年11月1日にしたがって定義されるようなも
の)を持つアミノ酸配列を含む抗菌タンパク質を含むであろう。本発明の変異体
は、Rs−AFP1または2に対し、300以上の選択スコア(FASTAバー
ジョン3.0t82、1997年11月1日にしたがって定義されるようなもの
)を持つアミノ酸配列を含む抗菌タンパク質を含むであろう。
【0018】 用語「誘導体」は、例えば既知の化学的または生物学的方法を用いることによ
り修飾されている抗菌タンパク質に関する。「植物デフェンシン由来のタンパク
質またはペプチド」という表現は、本明細書において、誘導体を含む。特に、シ
ステイン残基がα−アミノ酪酸に置換されているものである。
【0019】 抗真菌植物デフェンシンのさらなる例は、本明細書に特に援用される国際特許
出願公報第WO 95/18229号、1995年7月6日公開に記載される。
これらの例には、ツボサンゴ属(Heuchera)種の種子から単離すること
が可能な抗真菌タンパク質、Hs−AFP−1、およびセイヨウトチノキ(Ae
sculus hippocastanum)の種子から単離することが可能な
抗菌タンパク質Ah−AMP1が含まれる。該タンパク質は、ある範囲の真菌を
特異的に阻害し、そして農業的または薬学的または保存的目的に、殺真菌剤とし
て用いることが可能である。
【0020】 ダイコン種子から単離することが可能な2つの抗真菌タンパク質アイソフォー
ム、Rs−AFP1(配列番号1)およびRs−AFP2(配列番号3)の一次
構造は、2つの位が異なるのみであり:Rs−AFP1の位5のグルタミン酸残
基(E)が、Rs−AFP2ではグルタミン残基(Q)であり、そしてRs−A
FP1の位27のアスパラギン残基(N)が、Rs−AFP2ではアルギニン残
基(R)で置換されている。その結果、Rs−AFP2は、生理学的pHで、よ
り高い正味陽性電荷(+2)を有する。両Rs−AFPは、アミノ酸配列レベル
で94%同一であるが、Rs−AFP2は、多様な真菌に対し、Rs−AFP1
より2から30倍、より活性であり、そして増加した塩耐性を示す。
【0021】 タンパク質Rs−AFP3およびRs−AFP4は、限局性真菌感染後、ダイ
コンの葉に見られる。誘導される葉のタンパク質は、Rs−AFP1およびRs
−AFP2に相同であり、そしてin vitroで類似の抗真菌活性を発揮す
る。
【0022】 Rs−AFP植物デフェンシンの本明細書に定義される領域由来のペプチドは
、抗真菌活性を示すことが先に示されてきている(WO 97/21814およ
びWO 97/21815)。WO 97/21814は、活性を保持しながら
、ペプチド中に野生型配列に対するいくつかの特定の突然変異を作成することが
可能であり、活性は実際、亢進する可能性もあることを開示する。こうしたペプ
チドは、抗真菌または抗真菌および抗細菌活性を保持する一方、全長植物デフェ
ンシンより合成するのが容易である可能性がある。該ペプチドをコードするDN
A配列もまた、生物学的宿主への形質転換に、より適している可能性がある。
【0023】 第一の側面において、本発明は、植物デフェンシン由来の抗菌タンパク質また
はペプチドであって、前記タンパク質またはペプチドが: (i)位32のトリプトファン残基; (ii)位34のバリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニル
アラニン、リジン、アルギニン、チロシン、メチオニン、システインまたはヒス
チジン残基; (iii)位35のイソロイシン、トリプトファン、リジン、アルギニン、バリ
ン、ロイシン、フェニルアラニンまたはヒスチジン残基; (iv)位36のトリプトファン残基; (v)位37のトリプトファン、グリシン、スレオニン、チロシン、グルタミン
、リジン、アルギニン、フェニルアラニンまたはヒスチジン残基; (vi)位38のロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン
、バリンまたはシステイン残基; (vii)位39のロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニ
ン、メチオニン、リジン、アルギニン、チロシンまたはヒスチジン残基; (viii)位40のトリプトファン残基; (ix)位41のイソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、セリン、
スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、リジン、アルギニン、ヒス
チジン;および/または (x)位42のバリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルア
ラニン、チロシン、アスパラギン、リジン、アルギニン、セリンまたはスレオニ
ン残基 からなる群より選択される置換アミノ酸残基の1以上を含み、 前記アミノ酸残基が、該抗菌タンパク質またはペプチドの前記位に天然に見られ
ず、但し該抗菌タンパク質が、位37、39または42での置換アルギニン残基
のみを含むことはない ことで特徴付けられる前記タンパク質またはペプチドを提供する。
【0024】 適切には、抗菌タンパク質が、位39でいずれかの塩基性アミノ酸残基を含む
場合、該タンパク質は、少なくとも1つのさらなる置換残基を含む。適切には、
同じ規準が、該タンパク質由来のペプチドに適用される。
【0025】 他の態様において、抗菌タンパク質またはペプチドが、位37、39または4
2での上述の置換のいずれかを含む場合、該タンパク質またはペプチドは、適切
には、少なくとも1つのさらなる置換を含む。
【0026】 やはり適切には、本発明のタンパク質またはペプチドは、該タンパク質または
ペプチドが由来する植物デフェンシンに比較した際、亢進された抗菌活性を有す
る。
【0027】 上述のアミノ酸位は、配列番号3に示されるようなRs−AFP2の全長アミ
ノ酸配列に見られるアミノ酸位に、またはRs−AFP2配列と最適に並列させ
た際の異なる供給源由来のデフェンシンの同等の位に対応する。
【0028】
【化3】
【0029】 (配列番号3) デフェンシン配列中のシステイン残基の特徴的なパターンと比較して、配列類
似性および共線性(colinearity)を最大にするよう、配列を最適に
並列すれば、同等の位が当業者に容易に明らかになるであろう。同等の位は、デ
フェンシン配列中のシステイン残基の特徴的なパターンと比較するアミノ酸残基
の位置決定に基づいて、当業者に容易に明らかになるであろう。
【0030】 位34での置換アミノ酸残基は、好ましくは、バリン、ロイシン、イソロイシ
ン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、システイン、リジン、ヒ
スチジンまたはチロシン残基からなる群より選択され、より好ましくは、バリン
、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニン、
リジンまたはヒスチジン残基からなる群より、そして最も好ましくは、バリン、
ロイシンまたはイソロイシン残基からなる群より選択される。
【0031】 位35での置換残基は、好ましくは、バリン、ロイシン、イソロイシン、トリ
プトファン、フェニルアラニン、リジン、アルギニン、またはヒスチジン残基か
らなる群より選択され、そして最も好ましくは、ロイシン、イソロイシン、アル
ギニン、ヒスチジンまたはフェニルアラニン残基からなる群より選択される。
【0032】 位37での置換残基は、好ましくは、トリプトファン、グリシン、スレオニン
、チロシン、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、またはフェニルア
ラニン残基からなる群より選択され、そしてより好ましくは、トリプトファン、
チロシン、リジン、アルギニン、またはヒスチジン残基からなる群より、そして
最も好ましくは、トリプトファン、アルギニンまたはヒスチジン残基からなる群
より選択される。
【0033】 位38での置換残基は、好ましくは、ロイシン、イソロイシン、トリプトファ
ン、フェニルアラニン、システインまたはバリン残基からなる群より選択され;
より好ましくは、ロイシン、トリプトファンまたはフェニルアラニン残基からな
る群より選択される。
【0034】 位39での置換残基は、好ましくは、ロイシン、イソロイシン、トリプトファ
ン、フェニルアラニン、メチオニン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、または
チロシン残基からなる群より選択され、より好ましくは、トリプトファン、リジ
ン、アルギニンまたはヒスチジン残基からなる群より、そして最も好ましくは、
アルギニンまたはヒスチジン残基からなる群より選択される。
【0035】 位41での置換残基は、好ましくは、イソロイシン、トリプトファン、フェニ
ルアラニン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、リジ
ン、アルギニンまたはヒスチジン残基からなる群より選択され、そしてより好ま
しくは、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、アスパ
ラギン、リジン、アルギニンまたはヒスチジン残基からなる群より選択され、そ
して最も好ましくは、トリプトファン、フェニルアラニン、リジン、アルギニン
またはヒスチジン残基からなる群より選択される。
【0036】 位42での置換残基は、好ましくは、バリン、ロイシン、イソロイシン、トリ
プトファン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、チロシン,アスパラギン
、リジンまたはアルギニン残基からなる群より選択され、そしてより好ましくは
、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン,リジンまたはアルギニン残基
からなる群より選択され、そして最も好ましくは、リジン残基またはアルギニン
残基からなる群より選択される。
【0037】 好ましくは、本発明のタンパク質またはペプチドは、上述の(iii)、(i
v)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)または(x)の
少なくとも1つの置換、そして最も好ましくは、上述の(iii)、(iv)、
(v)、(vii)、(ix)または(x)に列挙される置換の少なくとも1つ
を含む。
【0038】 本発明のこの側面およびすべてのさらなる側面において、それに由来する抗菌
タンパク質またはペプチドは、好ましくは、その解説が本明細書に援用される、
公開国際特許出願第WO 93/05153号および第WO 95/18229
号に完全に記載される、群Rs−AFP1、Rs−AFP2、Rs−AFP3、
Rs−AFP4、Br−AFP1、Br−AFP2、Bn−AFP1、Bn−A
FP2、Sa−AFP1、Sa−AFP2およびAt−AFP1およびHs−A
FP1、Ah−AMP1およびDm−AMP1、その解説が本明細書に援用され
る、公開国際特許出願第WO 97/37024号および第WO 98/260
83号に完全に記載される、Aly−AFPおよびAlf−AFPより選択され
る修飾された植物デフェンシンである。それに由来する抗菌タンパク質またはペ
プチドは、より好ましくは、群Rs−AFP1またはRs−AFP2より選択さ
れる植物デフェンシンであり、そして最も好ましくは、Rs−AFP2に由来す
る。
【0039】 本発明の特に好ましい態様において、植物デフェンシンはRs−AFP1また
は特にRs−AFP2である。 本発明のさらなる好ましい態様において、タンパク質およびペプチドが1以上
のシステインを含む場合、これらは、アルファ−アミノ酪酸基により置換されて
もよい。
【0040】 本発明のペプチドおよびタンパク質が、Rs−AFP2に実質的に類似の活性
を有する植物デフェンシンに由来し、そしてRs−AFP2に少なくとも40%
、50%、60%、70%、80%、または85%の配列類似性、より好ましく
は少なくとも90%の配列類似性、そして最も好ましくは少なくとも95%の配
列類似性を示すことが特に好ましい。
【0041】 Rs−AFP2タンパク質に配列類似性を示す抗菌タンパク質には、タンパク
質Rs−AFP1、Rs−AFP3、Rs−AFP4、Br−AFP1、Br−
AFP2、Bn−AFP1、Bn−AFP2、Sa−AFP1、Sa−AFP2
およびAt−AFP1およびHs−AFP2、Ah−AMP1およびDm−AM
P1が含まれる。上述のタンパク質のさらなる配列情報は、その解説が本明細書
に援用される、公開国際特許出願第WO 93/05153号および第WO 9
5/18229号に提供される。
【0042】 本発明の目的のため、保存的置換は、非修飾タンパク質と比較した際、タンパ
ク質の活性/機能を改変しないものと定義される。 本発明の抗菌ペプチドは、好ましくは、少なくとも長さ6アミノ酸残基であり
、より好ましくは長さ10アミノ酸より大きく、好ましくは長さ12アミノ酸、
最も好ましくは長さ19アミノ酸以上、特に長さ20アミノ酸である。短いペプ
チドは、少なくとも1つの上述のような修飾残基を含むであろう。これが修飾残
基37、39または42を含む場合、該ペプチドは、適切には、1より多いこう
した修飾を含む。
【0043】 第一の側面の特に好ましい態様において、ペプチドは、これらのタンパク質の
三次元構造性質決定により定義されるように、植物デフェンシンのベータ−2鎖
/ターン/ベータ−3鎖領域に由来する(Bruixら, 1995 Bioc
hemistry 32, 715−724; Fantら, 1998, J
. Mol. Biol. 279, 257−270, Fantら(199
9), Proteins: Structure, Function, a
nd Genetics 37(3), 388−403)。
【0044】 植物デフェンシンのベータ−2鎖/ターン/ベータ−3鎖領域は、一次アミノ
酸配列情報の解析により、決定することが可能であり、そして一般的に、第4お
よび第8のシステイン残基の間に位置すると予測される。例えば、Rs−AFP
1およびRs−AFP2において、この領域は、配列の位21から51の間に発
生し、そしてより正確には、配列の位30から51に発生する。本発明の抗菌ペ
プチドは、好ましくは、Rs−AFP2配列の位21から51、好ましくは該配
列の位30から51、より好ましくはRs−AFP2配列の位30から49また
は位32から43に由来する。
【0045】 本発明にしたがったタンパク質またはペプチド内の置換残基の数は、好ましく
は10を越えず、すなわち1、2、3、4、5、6、7,8、9、または10置
換残基であり、そしてより好ましくは、1から6残基、すなわち1、2、3、4
、5、または6置換残基である。
【0046】 我々は、本発明にしたがった抗菌タンパク質およびペプチドが、活性を示し、
そして広い範囲の真菌に対し、特に有用であり、そしてSMF+培地中での活性
により立証されるように、塩の存在下で、特に好都合な抗真菌活性を有すること
を見出した。本発明のタンパク質およびペプチドはまた、細菌感染と戦うのにも
有用である。これは、付随する実施例および図で、より詳細に記載される。
【0047】 本発明にしたがった抗菌タンパク質またはペプチドは、標準的なペプチド化学
反応を用いた化学合成により、既知のアミノ酸配列から製造してもよいし、また
は組換えDNAの発現により、適切な生物(例えば微生物または植物)内で産生
してもよい。抗菌ペプチドは、殺真菌剤として有用であり、そして農業的または
薬学的または他の適用のため、用いてもよい。抗菌ペプチドおよびタンパク質は
、1以上の抗菌タンパク質と、または1以上の本発明の他の抗菌ペプチドと組み
合わせて用いてもよい。
【0048】 一次構造を知ると、標準的なペプチド化学反応を用いた化学合成による、抗菌
タンパク質、ペプチド、またはそれらの一部の製造が可能になる。また、抗菌ペ
プチドまたはタンパク質をコードするDNA構築物の産生も可能になる。
【0049】 本発明はさらに、本発明にしたがった抗菌ペプチドまたはタンパク質をコード
するDNA配列を提供する。DNA配列は、既知のアミノ酸配列から予測するこ
とが可能であり、そしてペプチドまたはタンパク質をコードするDNAは、標準
的核酸合成装置を用いて製造することが可能である。
【0050】 抗菌ペプチドまたはタンパク質をコードするDNA配列を、適切な制御配列(
プロモーター、ターミネーター、輸送ペプチドなど)と組み合わせ、DNA構築
物またはベクターに組み込んでもよい。いくつかの適用では、抗菌ペプチドまた
はタンパク質をコードするDNA配列を、別のタンパク質を発現するコード領域
内に挿入し、抗菌融合タンパク質を形成してもよいし、またはタンパク質のドメ
インを置き換えて、そのタンパク質に抗菌活性を与えるのに用いてもよい。DN
A配列は、恒常性または誘導性プロモーター(例えば環境条件、病原体の存在、
化学薬品の存在により刺激される)であってもよい、同種または異種プロモータ
ーの調節下に配置してもよい。輸送ペプチドは、抗菌タンパク質に同種でも異種
でもよく、そして望ましい細胞小器官へのまたは余分な細胞空間への分泌を確実
にするよう選択されるであろう。輸送ペプチドは、好ましくは、目的の抗菌タン
パク質と天然に関連している。こうしたDNA構築物をクローニングし、あるい
はコードされるペプチドもしくはタンパク質、またはペプチドもしくはタンパク
質の活性部分の発現を可能にする生物学的系に形質転換してもよい。適切な生物
学的系には、微生物(例えば細菌、例えば大腸菌、シュードモナス属(Pseu
domonas)および内部寄生植物、例えばクラビバクター・キシリ亜種シノ
ドンティス(Clavibacter xyi supsp. cynodon
tis)(Cxc);酵母;ウイルス;バクテリオファージなど)、培養細胞(
例えば昆虫細胞、哺乳動物細胞)および植物が含まれる。いくつかの場合、発現
されたペプチドまたはタンパク質を、続いて抽出し、使用のため単離してもよい
【0051】 本発明にしたがった抗菌ペプチドまたはタンパク質は、植物において、真菌お
よび細菌疾患と戦うのに有用である。本発明はさらに、微生物が本発明にしたが
った抗菌ペプチドまたはタンパク質に曝露されることによる、微生物感染と戦う
方法を提供する。抗菌ペプチドまたはタンパク質は、組成物の形で、例えば適切
な担体または希釈剤と組み合わせて、用いてもよい。例えば、農業的使用のため
、本発明の組成物は、すぐ使用することが可能な希釈組成物、または通常は水で
使用前に希釈を必要とする濃縮組成物いずれかの形であってもよい。液体組成物
は、他の慣用的な構成要素、例えば界面活性剤、分散剤などを含んでもよい。
【0052】 固体組成物は、顆粒、または活性成分が、細かく分割された固体希釈剤、例え
ばカオリン、ベントナイト、珪藻土(kieselguhr)、ドロマイト、炭
酸カルシウム、タルク、粉末化マグネシア、フーラー土および石膏と混合されて
いる、散布剤(dusting powder)の形であってもよい。粉末の形
の固体組成物は、葉粉剤(foliar dust)として適用してもよい。
【0053】 これらはまた、液体中の粉末または粒子の分散を促進する湿潤剤を含む、分散
可能粉末または粒子の形であってもよい。 好ましい態様において、本発明は、真菌を本発明にしたがった抗真菌ペプチド
に曝露することによる、真菌感染と戦う方法を提供する。さらなる好ましい態様
において、本発明は、細菌を本発明にしたがった抗菌ペプチドに曝露することに
よる、細菌感染と戦う方法を提供する。
【0054】 薬学的適用のため、抗菌ペプチドまたはタンパク質(それに由来するいかなる
産物も含む)を殺真菌剤として用い、哺乳動物感染を治療してもよい(例えばカ
ンジダ属(Candida)などの酵母と戦うため)。適切には、ペプチドまた
はタンパク質は、当該技術分野に慣用的であるような薬学的に許容しうる担体ま
たは希釈剤であろう、担体または希釈剤を含む組成物の形である。
【0055】 本発明の薬剤組成物は、経口使用(例えば錠剤、薬用ドロップ(lozeng
e)、硬または軟カプセル、水性または油性懸濁物、乳剤、分散可能粉末または
顆粒、シロップまたはエリキシル剤)、局所使用(例えばクリーム、軟膏、ゲル
、あるいは水性または油性溶液または懸濁物)、吸入による投与(例えば細かく
分割された粉末または液体エアロゾルとして)、散布による投与(例えば細かく
分割された粉末として)または非経口投与(例えば静脈内、皮下、筋内または筋
内投薬のための無菌水性または油性溶液として、あるいは直腸投薬のための座薬
として)に適した形であってもよい。処方に関するさらなる情報に関しては、C
omprehensive Medicinal Chemistry(Cor
win Hansch;監修責任者), Pergamon Press 19
90の第5巻、25.2章を参照されたい。
【0056】 本発明にしたがった抗菌ペプチドまたはタンパク質(それに由来するいかなる
産物も含む)はまた、保存剤として(例えば食品または化粧品添加物として)用
いてもよい。再び、適切な組成物は、許容しうる担体または希釈剤を含んでもよ
い。
【0057】 農業的適用のため、抗菌ペプチドまたはタンパク質を用い、植物の生存中また
は採取後の作物保護のため、作物の疾患抵抗性または疾患耐性を改善してもよい
。ペプチドまたはタンパク質に曝露された病原体は、阻害される。抗菌ペプチド
またはタンパク質は、植物にすでに確立された病原体を根絶するか、または将来
の病原体の攻撃から植物を保護する。ペプチドまたはタンパク質の根絶効果が特
に好都合である。
【0058】 抗菌ペプチドまたはタンパク質への植物病原体の曝露は、多様な方法により達
成してもよく、例えば: (a)単離ペプチドまたはタンパク質を、植物部分あるいは植物の根を取り巻く
土または他の成長培地に、あるいは標準的な農業技術(例えばスプレー)を用い
て、蒔かれる前に植物の種子に適用してもよい。
【0059】 ペプチドまたはタンパク質は、植物組織から抽出し、あるいは化学的に合成し
、あるいはペプチドまたはタンパク質を発現するよう遺伝的に修飾された微生物
から抽出していてもよい。ペプチドまたはタンパク質を、固体または液体希釈剤
と混合したペプチドまたはタンパク質、および所望により、界面活性剤などの多
様な佐剤を含む組成物の形で、植物に、または植物成長培地に適用してもよい。
固体組成物は、分散可能粉末、顆粒、または粒子の形であってもよい。 (b)抗菌ペプチドまたはタンパク質を発現するよう遺伝的に修飾された微生物
を含む組成物を、植物または植物が成長する土に適用してもよい。 (c)抗菌ペプチドまたはタンパク質を発現するよう遺伝的に修飾された内部寄
生植物を、植物組織に導入してもよい(例えば種子処理法を介し)。
【0060】 内部寄生植物は、植物宿主と非病原性内共生関係になる能力を有する微生物と
定義される。植物の内部寄生植物亢進保護の方法は、Crop Genetic
s International Corporationによる一連の特許出
願(例えば国際出願公報第WO 90/13224号、欧州特許公報第EP−1
25468−B1、国際出願公報第WO 91/10363号、国際出願公報第
WO 87/03303号)に記載されてきている。内部寄生植物は、農業的化
学薬品を産生するよう遺伝的に修飾することが可能である。国際特許出願公報第
WO 94/16076号(ZENECA Limited)は、植物由来抗菌
ペプチドまたはタンパク質を発現するよう遺伝的に修飾されている内部寄生植物
の使用を記載する。
【0061】 (d)抗菌ペプチドまたはタンパク質をコードするDNAを植物ゲノムに導入
し、該ペプチドまたはタンパク質が植物体の中で発現されるようにしてもよい(
DNAはcDNA、ゲノムDNAまたは標準的核酸合成装置を用いて製造された
DNAであってもよい)。
【0062】 本発明にしたがった抗菌ペプチドまたはタンパク質に加え、抗菌タンパク質を
含む、抗菌組成物への植物病原体の曝露は、該タンパク質と共に上述のようなペ
プチドまたはタンパク質を搬送することにより、達成することが可能である。例
えば、本発明にしたがった上述のペプチドまたはタンパク質の1つに加え、Rs
−AFP2またはRs−AFP1を、どちらも、同時に植物部分に適用するかま
たは植物体の中で同時に発現させてもよい。我々は、Rs−AFP2由来のペプ
チド、例えばシステイン残基をα−アミノ酪酸で置き換えた誘導体、および/ま
たは特に本発明にしたがった置換残基を有するものを、全長天然タンパク質と混
合した場合、相乗効果があることを発見してきており、そしてこれが本発明のさ
らなる側面を形成する。これは本明細書の実施例に、より完全に記載される。
【0063】 植物細胞は、多様な既知の方法にしたがい、組換えDNA構築物で形質転換し
てもよい(アグロバクテリウム(Agrobacterium)Tiプラスミド
、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、微粒子銃など)。本発
明は本発明にしたがったDNA構築物で形質転換されている植物細胞に拡張され
る。形質転換細胞は、その後、適切な場合、新たな核成分がゲノムに安定して組
み込まれている、全植物に再生してもよい。形質転換単子葉および双子葉植物は
どちらもこの方法で得ることが可能であるが、後者は通常、再生がより容易であ
る。これらの一次形質転換体の子孫のいくつかは、単数または複数の抗菌ペプチ
ドまたはタンパク質をコードする組換えDNAを遺伝するであろう。
【0064】 本発明はさらに、微生物病原体に対する改善された抵抗性を有し、そして本発
明にしたがった抗菌ペプチドまたはタンパク質を発現する組換えDNAを含む植
物を提供する。こうした植物は、標準的な植物育種交雑の親として用い、改善さ
れた微生物抵抗性を有する雑種および株を発展させてもよい。
【0065】 好ましい態様において、本発明はさらに、真菌病原体に対する改善された抵抗
性を有し、そして本発明にしたがった抗菌ペプチドまたはタンパク質を発現する
組換えDNAを含む植物を提供する。
【0066】 さらなる好ましい態様において、本発明はさらに、細菌病原体に対する改善さ
れた抵抗性を有し、そして本発明にしたがった抗菌ペプチドまたはタンパク質を
発現する組換えDNAを含む植物を提供する。
【0067】 組換えDNAはDNA、好ましくは植物またはその祖先に形質転換により導入
されている異種DNAである。組換えDNAは、病原体攻撃部位(例えば葉)へ
の搬送のために発現される抗菌ペプチドまたはタンパク質をコードする。DNA
は、抗真菌ペプチドまたはタンパク質の活性サブユニットをコードしてもよい。
【0068】 病原体は、植物上、植物内、または植物の近くで増殖する、いかなる真菌であ
ってもよい。この文脈において、改善された抵抗性は、野生型植物と比較した際
、真菌病原体に対する亢進された抵抗性と定義される。抵抗性は多様であり、病
原体の影響に対する耐性のわずかな増加(病原体は部分的に阻害される)から、
病原体の存在により植物が影響を受けない完全な抵抗性(病原体はひどく阻害さ
れるかまたは殺される)間である可能性がある。特定の病原体に対する抵抗性ま
たは広い範囲の病原体に対する抵抗性の増加したレベル両方が、抵抗性の改善を
構成する可能性がある。改善された抵抗性を示すトランスジェニック植物(また
はそれに由来する植物)を、植物形質転換またはそれに続く交雑後、選択する。
【0069】 抗菌ペプチドまたはタンパク質が、トランスジェニック植物またはその子孫内
で発現される場合、真菌は、植物に対する病原体攻撃の部位で、該ペプチドまた
はタンパク質に曝露される。特に、適切な遺伝子制御配列の使用により、ペプチ
ドまたはタンパク質は、最も有効であろう時に、そして最も有効であろう場所で
、in vivoで発現させることが可能である。例えば、ペプチドまたはタン
パク質は、通常ある程度の量では発現されないが、疾患抵抗性が重要である植物
部分(例えば葉)内で、産生させることが可能である。
【0070】 産生してもよい遺伝的に修飾される植物の例には、農場作物、穀類、果物およ
び野菜、例えば:カノラ(canola)、ヒマワリ(sunflower)、
タバコ(tobacco)、テンサイ(sugarbeet)、ワタ(cott
on)、ダイズ(soya)、トウモロコシ(maize)、コムギ(whea
t)、オオムギ(barley)、イネ(rice)、モロコシ(sorghu
m)、トマト(tomatoes)、マンゴー(mangoes)、モモ(pe
aches)、リンゴ(apples)、セイヨウナシ(pears)、イチゴ
(strawberries)、バナナ(bananas)、メロン(melo
ns)、ジャガイモ(potatoes)、ニンジン(carrot)、レタス
(lettuce)、キャベツ(cabbage)、タマネギ(onion)が
含まれる。
【0071】 本発明は、ここで、付随する図に言及しながら、例としてのみ記載されるであ
ろう。
【0072】
【実施例】
実施例 材料。N−メチルピロリドン(NMP)およびピペリジンは、ペプチド合成等
級であり、そしてPerkin Elmer/ABI(英国ウォーリントン)か
ら得た。ジメチルホルムアミド(DMF)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(
DCC)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ジイソプロピルエ
チルアミン(DIEA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、チオアニソール(TA
)、エタンジチオール(EDT)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、および
ジメチルアミノピリジン(DMAP)は、解析支持(pro−analysis
)等級であり、そしてMerck(ドイツ・ダルムシュタット)より得た。ジエ
チルエーテルは、活性化塩基性酸化アルミニウムのカラム上で精製し、そしてD
IEAは使用前にニンヒドリンおよび水酸化カリウム上で2回蒸留した。アミノ
酸誘導体および樹脂は、Saxon Biochemicals(ドイツ・ハノ
ーバー)から得た。
【0073】 解析HPLCのため、我々は2つのWatersポンプモデル510、Wat
ers勾配調節装置モデル680、Waters WISP 712自動インジ
ェクター、およびWaters 991フォトダイオードアレイ検出装置を用い
た。産物は、0.1% TFAを含む水から、0.1% TFAを含む60%
アセトニトリル/水の直線勾配で、60分間、Waters Delta Pa
k C18−100A(3.9x150 mm、5μm)カラム上で、1 ml
/分で解析した。分離用HPLCは、delta−Pak C18−100A(
15μm)成分を充填した、ガードカートリッジ(40x210mmまたは25
x210mm)を加えた2つのPrepPakカートリッジを含むWaters
RCM モジュールを備えた、Waters Prep 4000液体クロマ
トグラフを用いて行った。ペプチドは、分離用セルを持つWaters 486
分光光度計を用いて、230 nmで検出した。アミノ酸解析は、1% フェノ
ールを含む6N HClを用いて、Pico−Tagワークステーション中で、
150℃で1時間加水分解し、そしてフェニルイソチオシアネートで誘導体化し
た後、Waters Pico−Tag系を用いて行った。
【0074】 PEPSCAN−スプリット。放射状移植ポリエチレンピン(radiation graf
ted polyethylene pins)をヒドロキシル基で官能化した。Boc−β−アラニ
ンを、触媒としてDCCおよびDMAPを用いてカップリングし、Boc基をT
FAで除去し、そして注意深く洗浄した後、DOC/HOBt法を用いて、Fm
oc−2,4−ジメトキシ−4’(カルボキシメチルオキシ)−ベンズヒドリル
アミン(Rink Linker、Bachem、Laufelfingen、
スイス)をカップリングした。次に、AFP2由来の240のドデカペプチドを
、標準的Fmoc化学反応およびカップリング法としてDCC/HOBtを用い
た一晩のカップリングを用い、同時に合成した。最後のアミノ酸のカップリング
後、Fmoc基を30% ピペリジン/DMFで除去し、そしてペプチドを無水
酢酸でアセチル化した。洗浄および乾燥後、ペプチドを脱保護し、そしてTFA
/フェノール/TA/水/EDTA 10/0.75/0.5/0.5/0.2
5でピンから切断した。切断混合物を蒸発させ、ジエチルエーテルで2回抽出し
、そして水から2回凍結乾燥させた。この方法は、C−末端アミドを含む、約1
mgまでのペプチドを生じる。
【0075】 多合成(MPS)。ペプチド合成のための30μmolの樹脂を含み、フィル
ターを有する40個の4 ml カラムを含むラックに、洗浄溶媒および試薬を
搬送するように、Hamilton Microlab 2200をプログラミ
ングした。カラムは、各工程後に真空により乾燥させた。次のカップリング周期
は、二重カップリング工程を用いたFmoc化学反応に基づいた: 1.NMP洗浄(1 ml) 2.30%(v/v)ピペリジン/NMP(3分間、0.5 ml) 3.30%(v/v)ピペリジン/NMP(17分間、0.5 ml) 4.NMP洗浄(5x1 ml) 5.二重カップリング(2x30分間) 6.NMP洗浄(2x1 ml) カップリング工程:NMP中のFmoc−アミノ酸(0.4 M、0.25
ml)、0.22 mlのDMF中の0.45 M HBTU/HOBtおよび
0.2 mlのNMP中の2 M DIEAを反応容器に移し、そして30分間
反応させた。その後、反応混合物を乾燥させ、そしてカップリング過程を1回繰
り返した。
【0076】 最後のアミノ酸のカップリング後、30% ピペリジン/NMPでFmoc基
を除去し、ペプチドを洗浄し、NMP/無水酢酸/DIEA 10/1/0.1
を用いて30分間アセチル化し、再び洗浄し、乾燥させ、そして脱保護し、そし
て1.5 mlのTFA/フェノール/TA/水/EDTA 10/0.75/
0.5/0.5/0.25で2時間切断した。切断混合物をろ過し、樹脂を0.
5 ml TFAで洗浄し、そして13 mlのヘキサン/ジエチルエーテル
1/1を添加することにより、ペプチドを沈殿させた。遠心分離後、沈殿を再び
、ヘキサン/ジエチルエーテルで抽出した。沈殿を乾燥させ、そして水/アセト
ニトリル 1/1から凍結乾燥させた。
【0077】 バイオアッセイ。表に示されるデータ(IC50)は、すべて、pH 5.8
で半分の強度のジャガイモデキストロースブロス(1/2 PDB、Difco
から)の培地あるいはSMF+pH5またはSMF+pH7中で、室温で72時
間後の、フザリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)の胞
子懸濁物から成長する菌糸体の50%阻害を与える、μg/mlでの濃度である
。バイオアッセイは、Terrasら, 1992, J. Biol. Ch
em. 267:15301−15309に記載されるように行った。培地SM
F+pH5は、1 ml CaCl2、50 mM KClおよび10 mM
MES(最終pHを5.0に調整する)を添加した培地SMF(Cammueら
, 1992, J. Biol. Chem 267:2228−2233)
からなる。培地SMF+pH7は、10 mM MESが10 mM Tris
に置き換えられ、pHが7.0に調整されている以外、SMF+pH5と同一で
ある。
【0078】 実施例1 植物デフェンシンの配列の一部に対応する合成ペプチドが、抗真菌活性を示す
ことが先に立証されてきている(De Samblanxら, Peptide
Research, 1996, 9:262−268および公開国際特許出
願WO 97/21814およびWO 97/21815)。
【0079】 我々は、位32から43のRsAFP2配列に対応する12量体ペプチドを合
成することを選択した。配列RHGSCNYVFPAH(配列番号4)を持つこ
のペプチドは、3つの異なる培地、1/2 PDB、SMF+pH5およびSM
F+pHにおいて、それぞれ57μg/ml、400μg/mlおよび400μ
g/mlで、F.クルモルムの成長の50%の阻害を見出した。このペプチドの
抗真菌強度を最適化するため、各位でのすべての残基を、19の他のアミノ酸の
いずれかで置き換えるアミノ酸置換純試験(amino acid replacement net tests
)を行った。これらの置換変異体の抗真菌活性を、培地1/2 PDB、SMF
+pH5およびSMF+pH7において、F.クルモルムに対して測定した。活
性データは、図1から6に示し、ここで、これらは参照ペプチドRHGSCNY
VFPAH(配列番号4)の抗真菌活性に比較して表す。図1から6に見ること
が可能であるように、置換変異体のいくつかの活性は、参照ペプチドのものに比
較し、20倍まで増加した。
【0080】 実施例2 我々は、改善された抗真菌活性が、システインをアルファ−イソアミノ酪酸で
置き換えることにより、RsAFP2のより長い(>19残基)ペプチド誘導体
で観察できることを見出した。我々はここに、3つのシステイン各々が、アルフ
ァ−アミノ酪酸により置換されている、位30から49のRsAFP2配列に対
応する20量体ペプチドを合成した。このペプチドは、MBN01と称される。
【0081】 MBN01は、1/2 PDB、SMF+pH5およびSMF+pH7におい
て、それぞれ5.8、21.8および70μg/mlで、F.クルモルムの成長
を50%阻害する(表1)。MBN01の変異体を合成し、この中で、1、2、
3、4または6残基が置換された。置換は、上述の一連の12量体に関して得ら
れたデータに基づいて選択した。3つの異なる培地(1/2 PDB、SMF+
pH5およびSMF+pH7)において測定された、F.クルモルムに対する2
0量体変異体の抗真菌活性を表1に示す。特定のペプチド中のいくつかのペプチ
ド、MBY32,MBY33、MBZ01、MBZ02およびMBY10は、M
BN01に比較し、3つのすべての培地中で、強く改善された活性を示した。
【0082】 表1.Rs−AFP2(30−49)の単一および多置換ペプチドの抗真菌活
【0083】
【表1】
【0084】 多ペプチド合成は、30μmolスケール:* =アセチル #=アミド B=アルファ−アミノ酪酸;置換アミノ酸を下線で示す。
【0085】 Rs−AFP2およびペプチドMBQ06またはペプチドMBY10の組み合 わせの相乗効果 我々は、Rs−AFP2および2つのペプチド:配列番号5のMBQ06(上
述のMBN01と同一)またはペプチドMBY10(以下の置換を除き、MBN
01に同一;Ser35=>Arg、Asn37=>Arg、Tyr38=>P
he、Val39=>Arg、Phe40=>Trp、Ala42=>Tyr)
のチェッカー盤力価測定を行った。したがって、MBY10は上に示す配列番号
31のものである。
【0086】 天然タンパク質およびペプチドを、マイクロタイタープレート中で希釈し、そ
して多様な培地中のフザリウム・クルモルムに対する抗真菌活性に関し、試験し
た。表2において、相乗スコアは、各ウェル中の天然タンパク質およびペプチド
のモル量の関数として示される。相乗作用を3つの培地:1/2 PDB、SM
F+pH5およびSMF+pH7において試験した。
【0087】 表2.培地1/2 PDB、SMF+pH5およびSMF+pH7における、 Rs−AFP2およびペプチドMBQ06またはペプチドMBY10の組み合わ せの相乗効果
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】 タンパク質/ペプチドの量は、pmol/100μlで示される。試験真菌は
、フザリウム・クルモルム(2 x 104胞子/ml)であった。 0:相乗効果は観察されなかった。* :天然タンパクの成長阻害とペプチドの阻害活性の個々の合計は80%以上で
あった。 +:Rs−AFP2およびMBY10またはMBQ06の個々の成長阻害パーセ
ントの合計より、成長阻害が20%−40%(+)、40%−60%(++)、
60%−80%(+++)、80%−100%(++++)高かった。
【0091】 相乗作用は、Rs−AFP2およびペプチドまたは個々の構成要素の1つの合
計より20%以上高い成長阻害としてスコア付けした。ペプチドMBY10は、
すべての培地中で活性を示したが、ペプチドMBQ06は、1/2 PDBでの
み阻害活性を示した。すべての場合で、ペプチド(MBY10またはMBQ06
)およびRs−AFP2のいくつかの組み合わせは、さらなる阻害活性を生じた
。SMF+培地で阻害活性を持たなかったMBQ06は、それでも、Rs−AF
P2の阻害以下の量との組み合わせで、成長阻害を増加させることが可能であっ
た。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、緩衝液1/2 PDBにおける、位32から37に置換
残基を含むRs−AFP由来のペプチドの真菌フザリウム・クルモルムに対して
測定された抗真菌活性のヒストグラム解析を示す。抗真菌活性は、参照ペプチド * RHGSCNYVFPAH#の活性に比較した%として示す。
【図2】 図2は、緩衝液1/2 PDBにおける、位38から43に置換
残基を含むRs−AFP由来のペプチドのヒストグラム解析を示す。抗真菌活性
は、参照ペプチド*RHGSCNYVFPAH#の活性に比較した%として示す
【図3】 図3は、緩衝液SMF+pH5における、位32から37に置換
残基を含むRs−AFP由来のペプチドのヒストグラム解析を示す。抗真菌活性
は、参照ペプチド*RHGSCNYVFPAH#の活性に比較した%として示す
【図4】 図4は、緩衝液SMF+pH5における、位38から43に置換
残基を含むRs−AFP由来のペプチドのヒストグラム解析を示す。抗真菌活性
は、参照ペプチド*RHGSCNYVFPAH#の活性に比較した%として示す
【図5】 図5は、緩衝液SMF+pH7における、位38から43に置換
残基を含むRs−AFP由来のペプチドのヒストグラム解析を示す。抗真菌活性
は、参照ペプチド*RHGSCNYVFPAH#の活性に比較した%として示す
【図6】 図6は、緩衝液SMF+pH7における、位32から47に置換
残基を含むRs−AFP由来のペプチドのヒストグラム解析を示す。抗真菌活性
は、参照ペプチド*RHGSCNYVFPAH#の活性に比較した%として示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/00 C07K 14/415 ZNA 31/10 C12N 15/00 A C07K 14/415 ZNA A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 スカパー,ウィルヘルムス・マルティナ ス・マリア オランダ国エヌエル−8200 アーベー レ ーリスタット,ポストブス 65,デーエル オー・インスティチュート・ヴォール・デ ィールホウデリッジ・エン・ディールガゾ ントハイト (72)発明者 サイツマ,ロルケ オランダ国エヌエル−6700 アーアー ワ ーヘニンゲン,ピー・オー・ボックス 17,ボーネスエステーク 59,デーエルオ ー・インスティチュート・ヴォール・アグ ロテクノギッシュ・オンダルズーク (72)発明者 ヴァン・アメロンゲン,アート オランダ国エヌエル−6700 アーアー ワ ーヘニンゲン,ピー・オー・ボックス 17,ボーネスエステーク 59,デーエルオ ー・インスティチュート・ヴォール・アグ ロテクノギッシュ・オンダルズーク (72)発明者 ファント,フランキー ベルギー王国ベー−9000 ゲント,シント ピーテルスニーウェーストラート,25,ユ ニバーシティ・オブ・ゲント (72)発明者 ボレマンス,フランス・アロイス・メカニ ア ベルギー王国ベー−9000 ゲント,シント ピーテルスニーウェーストラート,25,ユ ニバーシティ・オブ・ゲント Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD08 CB03 CD03 CD07 CD09 4B024 AA01 BA38 CA01 4C084 AA02 AA06 AA07 BA01 BA08 BA17 BA18 BA19 BA20 CA13 CA53 CA59 DA41 NA14 ZB31 ZB35 4H011 AA01 AA03 BA01 BB06 BB22 DA13 DH11 4H045 AA10 BA17 CA30 DA83 EA29 FA74

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物デフェンシン由来の抗菌タンパク質またはペプチド、
    あるいはそれらの誘導体であって、前記タンパク質またはペプチドが: (i)位32のトリプトファン残基; (ii)位34のバリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニル
    アラニン、リジン、アルギニン、チロシン、メチオニン、システインまたはヒス
    チジン残基; (iii)位35のイソロイシン、トリプトファン、リジン、アルギニン、バリ
    ン、ロイシン、フェニルアラニンまたはヒスチジン残基; (iv)位36のトリプトファン残基; (v)位37のトリプトファン、グリシン、スレオニン、チロシン、グルタミン
    、リジン、アルギニン、フェニルアラニンまたはヒスチジン残基; (vi)位38のロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン
    、バリンまたはシステイン残基; (vii)位39のロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニ
    ン、メチオニン、リジン、アルギニン、チロシンまたはヒスチジン残基; (viii)位40のトリプトファン残基; (ix)位41のイソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、セリン、
    スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、リジン、アルギニン、ヒス
    チジン;および/または (x)位42のバリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルア
    ラニン、チロシン、アスパラギン、リジン、アルギニン、セリンまたはスレオニ
    ン残基 からなる群より選択される置換アミノ酸残基の1以上を含み: 前記アミノ酸残基が、該抗菌タンパク質またはペプチドの前記位に天然に見られ
    ず、但し該抗菌タンパク質が位37、39または42での置換アルギニン残基の
    みを含むことはない ことを特徴とする前記タンパク質またはペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に定義されるような群(iii)、(iv)、(
    v)、(vi)、(vii)、(viii)、(ix)または(x)の少なくと
    も1つの置換を含む、請求項1記載の抗菌タンパク質またはペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1に定義されるような群(iii)、(iv)、(
    v)、(vii)、(ix)または(x)に列挙される少なくとも1つの置換を
    含む、請求項2記載の抗菌タンパク質またはペプチド。
  4. 【請求項4】 システイン残基に関する置換として、1以上のアルファ−
    アミノ酪酸基を含む、先行する請求項のいずれか1つに記載の抗菌タンパク質ま
    たはペプチド。
  5. 【請求項5】 少なくとも6アミノ酸残基を含む、先行する請求項のいず
    れか1つに記載の抗菌タンパク質またはペプチド。
  6. 【請求項6】 少なくとも19アミノ酸を含む、請求項5記載の抗菌タン
    パク質またはペプチド。
  7. 【請求項7】 Rs−AFP2と実質的に類似の活性を有する植物デフェ
    ンシン由来であり、そしてRs−AFP2に少なくとも40%、配列類似性を示
    す、先行する請求項のいずれか1つに記載の抗菌タンパク質またはペプチド。
  8. 【請求項8】 Rs−AFP1、Rs−AFP3、Rs−AFP4、Br
    −AFP1、Br−AFP2、Bn−AFP1、Bn−AFP2、Sa−AFP
    1、Sa−AFP2およびAt−AFP1およびHs−AFP2、Ah−AMP
    1またはDm−AMP1由来である、請求項7記載の抗菌タンパク質またはペプ
    チド。
  9. 【請求項9】 Rs−AFP2由来である請求項8記載の抗菌タンパク質
    またはペプチド。
  10. 【請求項10】 前記ペプチドが、Rs−AFP2配列の位21から51
    由来である、請求項9記載の抗菌タンパク質またはペプチド。
  11. 【請求項11】 先行する請求項のいずれか1つに記載の抗菌タンパク質
    またはペプチドおよび1以上の異なる抗菌タンパク質あるいは先行する請求項の
    いずれか1つに記載の1以上の他の抗菌タンパク質またはペプチドの組み合わせ
  12. 【請求項12】 植物デフェンシンおよび植物デフェンシン由来のペプチ
    ドを含む、相乗的抗菌組み合わせ。
  13. 【請求項13】 前記ペプチドが、請求項1から10のいずれか1つに記
    載のペプチドである、請求項12記載の相乗的抗菌組み合わせ。
  14. 【請求項14】 前記植物デフェンシンがRs−AFP2である、請求項
    12または請求項13記載の相乗的組み合わせ。
  15. 【請求項15】 真菌が、請求項1から10のいずれか1つに記載の抗真
    菌ペプチドまたはタンパク質、あるいは請求項11から14のいずれか1つに記
    載の組み合わせに曝露されることによる、真菌と戦う方法。
  16. 【請求項16】 担体または希釈剤の組み合わせ中に、請求項1から10
    のいずれか1つに記載の抗菌タンパク質またはペプチド、あるいは請求項11か
    ら14のいずれか1つに記載の組み合わせを含む、組成物。
  17. 【請求項17】 真菌または微生物病原体に対する改善された抵抗性を有
    し、そして請求項1から10のいずれか1つに記載の抗菌ペプチドまたはタンパ
    ク質を発現する組換えDNAを含む、植物。
  18. 【請求項18】 請求項1から10のいずれか1つに記載の抗菌タンパク
    質またはペプチドをコードする核酸。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の核酸を含むベクター。
  20. 【請求項20】 植物形質転換ベクターである、請求項19記載のベクタ
    ー。
  21. 【請求項21】 微生物感染の治療または予防における、請求項1から1
    0のいずれかに記載のタンパク質またはペプチドの使用。
  22. 【請求項22】 微生物感染が真菌感染である、請求項21記載の使用。
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