JPH11313678A - ワサビの抗菌性タンパク質遺伝子 - Google Patents

ワサビの抗菌性タンパク質遺伝子

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JPH11313678A
JPH11313678A JP10121303A JP12130398A JPH11313678A JP H11313678 A JPH11313678 A JP H11313678A JP 10121303 A JP10121303 A JP 10121303A JP 12130398 A JP12130398 A JP 12130398A JP H11313678 A JPH11313678 A JP H11313678A
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JP
Japan
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protein
gene
seq
dna
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JP10121303A
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Masahiro Nishihara
昌宏 西原
Saburo Yamamura
三郎 山村
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Iwate Prefectural Government
Original Assignee
Iwate Prefectural Government
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 抗菌性タンパク質遺伝子の提供。 【解決手段】 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコード
する抗菌性タンパク質遺伝子。 (a)配列番号2又は配列番号4で表わされるアミノ酸配
列からなるタンパク質 (b) 配列番号2又は配列番号4で表わされるアミノ酸配
列において少なくとも1個のアミノ酸が欠失、置換若し
くは付加された配列からなり、かつ抗菌活性を有するタ
ンパク質

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワサビから得られ
る新規な抗菌性タンパク質遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】自然界には、植物に病害を引き起こす種
々の病原菌が存在する。その中でも、細菌〔例えばキュ
ウリ斑点細菌病菌(Pseudomonas syringae pv. lachryma
ns)、トマトかいよう病菌(Clavibacter michiganensis
subsp. michiganensis)、レタス腐敗病菌(Pseudomonas
cichorii)など〕及び糸状菌〔例えば灰色カビ病菌(Botr
ytis cinerea)、黒班病菌(Alternaria brassicae)、い
もち病菌(Pyricularia oryzae)、うどんこ病菌(Erysiph
e graminis)など〕は世界中に広く分布し、植物病原菌
の大半を占めている。植物は、非運動性であるため体内
に侵入する病原菌を避けることができず、それらに対す
る攻撃から自身を直接的あるいは間接的防御メカニズム
で防御しなければならない。
【0003】一般的に、植物は病原菌による病害に対応
するために、病原菌が感染すると多数の遺伝子を発現
し、防御反応を誘導する。そのような防御タンパク質の
一つとして、チオニンが挙げられる。チオニンは、シス
テインに富む低分子タンパク質(ペプチド)であり、植物
によって産生されるPRタンパク質(Pathogen related pr
otein)の一つである。チオニンは広い抗菌スペクトルを
持ち、主に細胞膜に作用して働くことが示唆されている
[Critical Reviews in Plant Sciences 13:1-16(199
4)]。しかし、細菌、糸状菌に対するチオニンの抗菌メ
カニズムについては、未だ完全に解明されるに至ってい
ない。
【0004】例えば、ダイコン(Raphanus sativas)には
少なくとも4種類のチオニン遺伝子(葉型2種、種子型
2種)が存在することが知られている[The Plant Cell
7:568-573(1995)]。これらの遺伝子産物はプレプロ構造
を成しており、小胞体膜の通過の際にプレ配列であるシ
グナル配列が切断され活性型のチオニンが産生すること
が知られている。その他のアブラナ科植物からチオニン
遺伝子を単離した例としては、ハクサイ(Brasica napu
s)[Terras, F. R. et al.: FEBS Letters 316:233-240
(1993)]、シロイヌナズナ[Epple, P. et al.: Plant Ph
ysiology 109:813-820(1995)]等が知られている。
【0005】そして、近年その防御機構に着目し、遺伝
子工学技術を用いて植物に由来するチオニン遺伝子を植
物に導入することによって、耐病性が強化されたトラン
スジェニック植物が作出されている。このような、トラ
ンスジェニック植物として、シロイヌナズナ(Arabidops
is thaliana)から単離されたチオニン遺伝子をタバコに
導入したもの[Epple, P. et al.: The Plant Cell 9:50
9-520(1997)]、ヤドリギ類から単離したチオニン遺伝子
をシロイヌナズナに導入したもの[Holtorf, S.et al.:
Plant Molecular Biology 36:673-680(1998)]、ダイコ
ンから単離したチオニン遺伝子をタバコに導入したもの
[Terras, F.R. et al.: The Plant Cell7:573-588]、オ
オムギから単離したチオニン遺伝子をタバコに導入した
もの[Carmona, M.J. et al.: Plant J 3:457-462(199
3)]が知られている。
【0006】しかしながら、病害抵抗性等のストレス抵
抗性の強化を目的として、ワサビ(Wasabia japonica)由
来のチオニン遺伝子を導入された組換え植物は知られて
いない。ワサビ由来のチオニン遺伝子は、その植物体自
身の抗菌性から、特に強い抗菌活性を持っていると考え
られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ワサビ由来
のチオニン遺伝子を提供するとともに、本遺伝子の導入
により病害抵抗性の付与されたトランスジェニック植物
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、ワサビから、新
規なチオニン遺伝子を単離することに成功し、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の(a)又
は(b)の組換えタンパク質である。 (a)配列番号2又は配列番号4で表わされるアミノ酸配
列からなるタンパク質 (b) 配列番号2又は配列番号4で表わされるアミノ酸配
列において少なくとも1個のアミノ酸が欠失、置換若し
くは付加された配列からなり、かつ抗菌活性を有するタ
ンパク質
【0009】さらに、本発明は、以下の(a)又は(b)のタ
ンパク質をコードする抗菌性タンパク質遺伝子である。 (a)配列番号2又は配列番号4で表わされるアミノ酸配
列からなるタンパク質 (b) 配列番号2又は配列番号4で表わされるアミノ酸配
列において少なくとも1個のアミノ酸が欠失、置換若し
くは付加された配列からなり、かつ抗菌活性を有するタ
ンパク質
【0010】さらに、本発明は、以下の(c)又は(d)のDN
Aからなる遺伝子である。 (c) 配列番号1又は配列番号3で表される塩基配列から
なるDNA (d) 配列番号1又は配列番号3で表される塩基配列から
なるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
し、かつ抗菌活性を有するタンパク質をコードするDNA
【0011】さらに、本発明は、前記の遺伝子を含有す
る組換えベクターである。さらに、本発明は、前記の組
換えベクターを含む形質転換体である。さらに、本発明
は、前記のDNAを含むトランスジェニック植物である。
【0012】さらに、本発明は、前記の形質転換体を培
養し、得られる培養物から抗菌性タンパク質を採取する
ことを特徴とする抗菌性タンパク質の製造方法である。
さらに、本発明は、前記の抗菌性タンパク質を有効成分
として含む抗菌剤である。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、植物由来の公知の
チオニンタンパク質間でよく保存されているN末端側の
アミノ酸配列(配列番号5)に相当するオリゴヌクレオチ
ドプライマー(配列番号6及び配列番号7)を合成した。
次いで、この合成オリゴヌクレオチドプライマーを用
い、ワサビ茎葉由来cDNAを鋳型としてPCR反応を行い、
得られたPCR産物の各DNAの塩基配列を決定した。そして
その中に、本発明の新規な2種類のチオニン遺伝子を見
出した。なお、本発明の遺伝子をワサビチオニン遺伝子
1及びワサビチオニン遺伝子2ともいう。
【0014】本発明の遺伝子は、以下のようにしてクロ
ーニングすることができる。 1.ワサビチオニン遺伝子のクローニング (1)cDNAの合成及びPCR mRNAの供給源としては、ワサビの茎、葉、根などが挙げ
られる。mRNAの調製は、通常行われる手法により行うこ
とができる。例えば、上記植物組織を、グアジニン試
薬、フェノール試薬等で処理して全RNAを得た後、オリ
ゴdT-セルロースやセファロース2Bを担体とするポリU-
セファロース等を用いたアフィニティーカラム法、ある
いはバッチ法によりポリ(A)+RNA(mRNA)を得ることがで
きる。さらに、ショ糖密度勾配遠心法等によりポリ(A)+
RNAをさらに分画してもよい。
【0015】このようにして得られたmRNAを鋳型とし
て、オリゴdT20にM13プライマーM4(配列番号8)を付加
したプライマー及び逆転写酵素を用いて一本鎖cDNAを合
成する。この一本鎖cDNAを鋳型として、例えば、センス
プライマーとしては、植物チオニンタンパク質のN末端
に共通のアミノ酸配列(配列番号5)に対応する単一プラ
イマー(配列番号6)若しくは縮重プライマー(配列番号
7)を、アンチセンスプライマーとしてM13プライマーM4
(配列番号8) を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCRとも
いう)を行うことにより本発明の遺伝子を得ることがで
きる。但し、本発明において用いられるプライマーはこ
れらに限定されるものではない。
【0016】(2) 塩基配列の決定 得られたPCR断片を、pBlueScriptSK(+)(STRATAGENE社
製)、pCR2.1(Invitrogen社製)等の適切なベクターにサ
ブクローニング後、塩基配列の決定を行う。塩基配列の
決定はマキサム-ギルバートの化学修飾法、又はM13ファ
ージを用いるジデオキシヌクレオチド鎖終結法等の公知
手法により行うことができるが、通常は自動塩基配列決
定機(例えばPERKIN-ELMER社製373A DNAシークエンサー
等)を用いて配列決定が行われる。
【0017】配列番号1及び配列番号3に本発明のワサ
ビチオニン遺伝子の塩基配列を、配列番号2及び配列番
号4に本発明のワサビチオニンタンパク質のアミノ酸配
列を例示するが、このアミノ酸配列からなるタンパク質
が抗菌活性を有する限り、当該アミノ酸配列において少
なくとも1個のアミノ酸に欠失、置換、付加等の変異が
生じてもよい。
【0018】例えば、配列番号2若しくは配列番号4で
表されるアミノ酸配列の少なくとも1個、好ましくは1
〜10個程度、さらに好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠
失してもよく、又は、配列番号2若しくは配列番号4で
表わされるアミノ酸配列に少なくとも1個、好ましくは
1〜10個程度、さらに好ましくは1〜5個のアミノ酸が
付加してもよく、あるいは、配列番号2若しくは配列番
号4で表されるアミノ酸配列の少なくとも1個、好まし
くは1〜10個程度、さらに好ましくは1〜5個のアミノ
酸が他のアミノ酸に置換してもよい。
【0019】また、上記遺伝子とストリンジェントな条
件下でハイブリダイズすることができるDNAも本発明の
遺伝子に含まれる。ストリンジェントな条件とは、例え
ば、ナトリウム濃度が300〜2000mM、好ましくは600〜90
0mMであり、温度が40〜75℃、好ましくは65℃での条件
をいう。なお、遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法
や Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方
法により、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した
変異導入用キット(例えばMutant-K(TAKARA社製)やMut
ant-G(TAKARA社製))などを用いて、あるいは、TAKARA
社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを用
いて行うことができる。
【0020】一旦本発明の遺伝子の塩基配列が確定され
ると、その後は化学合成によって、又は本遺伝子のcDNA
ないしゲノムDNAを鋳型としたPCRによって、あるいは該
塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダ
イズさせることにより、本発明の遺伝子を得ることがで
きる。
【0021】2.本発明のタンパク質を導入したトラン
スジェニック植物の作製 遺伝子工学的手法を用いて本発明の抗菌性タンパク質を
コードするDNAを植物宿主に導入することによって、植
物病原菌、特に植物病原性菌類に対する抵抗性を有する
トランスジェニック植物を作製することができる。従っ
て、遺伝子工学的手法による栽培植物への本抗菌ペプチ
ド遺伝子の導入は、植物を植物病原性菌類から防護する
ための有効な手段となる。
【0022】(1)植物導入用組換えベクターの作製及び
アグロバクテリウムの形質転換 前記1.で得られたDNAを、そのまま又は所望により適
当な制限酵素で消化し、あるいは、適切なリンカーを連
結して使用することができる。DNAを挿入するためのベ
クターとして、pUC18, pUC19, pUC118, pUC119等のpUC
系ベクター、pBI101、pBI121、pGA482等のバイナリーベ
クターが挙げられる。アグロバクテリウムのバイナリー
ベクター系を用いる場合、上記のバイナリーベクターの
境界配列(LB,RB)間に、外来遺伝子を挿入し、この組換
えベクターを大腸菌中で増幅する。次いで、増幅した組
換えベクターをアグロバクテリウム・チュメファシエン
スLBA4404、EHA101、C58C1RifR、EHA105等に、凍結融解
法、エレクトロポレーション法等により導入し、これを
植物の形質導入用に用いる。
【0023】植物体内で、外来遺伝子などを発現させる
ためには、構造遺伝子の前後に、それぞれ植物用のプロ
モーターとターミネーターを配置させる必要がある。本
発明で利用可能なプロモーターとしては、例えばカリフ
ラワーモザイクウイルス(CaMV)由来の35S転写物[Jeffer
son, R.A. et al.: The EMBO J 6:3901-3907(1987)]、
トウモロコシのユビキチン[Christensen, A.H. et al.:
Plant Mol. Biol. 18:675-689(1992)]、ノパリン合成
酵素(NOS)遺伝子、オクトピン(OCT)合成酵素遺伝子のプ
ロモーターが挙げられ、ターミネーター配列としては、
例えばカリフラワーモザイクウイルス由来やノパリン合
成酵素遺伝子由来のターミネーター等が挙げられる。但
し、植物体内で機能することが知られているプロモータ
ーやターミネーターであればこれらのものに限定されな
い。
【0024】また、必要に応じてプロモーター配列とワ
サビチオニン遺伝子の間に、遺伝子の発現を増強させる
機能を持つイントロン配列、例えばトウモロコシのアル
コールデヒドロゲナーゼ(Adh1)のイントロン[Genes& D
evelopment 1:1183-1200(1987)]を導入することができ
る。さらに、効率的に目的の形質転換細胞を選択するた
めに、有効な選択マーカー遺伝子を上記チオニン遺伝子
と併用することが好ましい。その際に使用する選択マー
カーとしては、抗生物質ハイグロマイシンに対する抵抗
性を植物に付与するハイグロマイシンホスホトランスフ
ェラーゼ(htp)遺伝子及びビアラホス(bialaphos)に対す
る抵抗性を付与するホスフィノスリシンアセチルトラン
スフェラーゼ(bar)遺伝子等から選ばれる1つ以上の遺
伝子を使用することができる。
【0025】チオニン遺伝子及び選択マーカー遺伝子
は、単一のベクターに一緒に組み込んでも良いし、それ
ぞれ別個のベクターに組み込んだ2種類の組換えDNAを
用いてもよい。チオニン遺伝子は、前記のようにプレプ
ロ構造をなしており、活性型のチオニンが産生されるた
めには、小胞体膜の通過の際に、プレ配列であるシグナ
ル配列が切断されることが必要である。そこで、ワサビ
チオニン遺伝子のシグナルペプチドが、他の植物の細胞
内でうまく機能しない場合には、これらの遺伝子がその
植物中で切断されるような配列をチオニン遺伝子上流に
配し、ベクターDNAに組み込むことができる。
【0026】(2) 植物宿主への本発明のチオニン遺伝子
の導入 本発明において、植物宿主とは、植物培養細胞、栽培植
物の植物体全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、
根茎、種子等)、又は植物組織(例えば表皮、師部、柔組
織、木部、維管束等)のいずれをも意味するものであ
る。植物培養細胞、植物体、植物器官又は植物組織を宿
主とする場合、本発明のタンパク質をコードするDNA
は、採取した植物切片にベクターをアグロバクテリウム
のバイナリーベクター法、パーティクルガン法、又はポ
リエチレングリコール法などで導入し、植物宿主を形質
転換することができる。あるいはプロトプラストにエレ
クトロポレーション法で導入して形質転換植物を作製す
ることもできる。
【0027】パーティクルガン法による直接遺伝子導入
は、選択マーカー遺伝子を含むベクターとチオニン遺伝
子を含むベクターとを混合して、同時に植物の細胞に撃
ち込むco-transformation法により行うことができる。
形質転換の結果得られるシュート、毛状根などは、細胞
培養、組織培養又は器官培養に用いることが可能であ
り、また従来知られている植物組織培養法を用い、適当
な濃度の植物ホルモンの投与などにより植物体に再生さ
せることができる。
【0028】ワサビチオニン遺伝子が導入された植物細
胞は、選択マーカーによるスクリーニング、又はチオニ
ン遺伝子若しくはその発現産物の解析により、チオニン
遺伝子を保持する形質転換細胞を選択することが可能で
ある。得られた植物体は、土壌又はバーミキュライトを
詰めたポットで栽培し、株分けすることにより、増殖さ
せることができる。このようにして増殖されたチオニン
遺伝子導入植物も、本発明の範囲に含まれる。本発明に
よりワサビチオニン遺伝子導入植物は、糸状菌が原因と
なる各種植物病害を含むストレスに耐性を有することが
期待される。
【0029】(3) 本発明の遺伝子の植物組織での発現部
位の分析 得られた形質転換植物及びその次世代に目的とするチオ
ニン遺伝子が組み込まれていることの確認は、これらの
細胞及び組織から常法に従ってDNAを抽出し、公知のPCR
法又はサザン分析を用いて導入した遺伝子を検出するこ
とにより行うことができる。また、本発明の抗菌性タン
パク質遺伝子の組織内での発現部位は、例えば各組織に
おけるmRNAの発現又はタンパク質の発現を解析すること
により確認することができる。具体的には、本発明の抗
菌性タンパク質遺伝子の発現の確認方法として、RT-PC
R、ノーザン分析等が挙げられ、本抗菌性タンパク質の
発現の確認方法として、本タンパク質に対する抗体を用
いたウエスタン分析等が挙げられる。
【0030】3.本発明のペプチドの遺伝子工学的手法
による生産 本発明においては、本発明のタンパク質を遺伝子工学的
に得ることができる。 (1) 組換えベクターの作製 本発明の組換えベクターは、適当なベクターに本発明の
遺伝子を連結(挿入)することにより得ることができる。
本発明の遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で
複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラ
スミド DNA、ファージ DNA等が挙げられる。
【0031】プラスミド DNAとしては、大腸菌由来のプ
ラスミド(例えばpBR322, pBR325,pUC118, pUC119, pTr
cHis, pBlueBacHis等)、枯草菌由来のプラスミド(例
えばpUB110, pTP5等)、酵母由来のプラスミド(例えばY
Ep13, YEp24, YCp50,pYE52等)などが挙げられ、ファー
ジDNAとしてはλファージ等が挙げられる。さらに、レ
トロウイルス又はワクシニアウイルスなどの動物ウイル
ス、バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベクターを用
いることもできる。
【0032】ベクターに本発明の遺伝子を挿入するに
は、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、
適当なベクター DNAの制限酵素部位又はマルチクローニ
ングサイトに挿入してベクターに連結する方法などが採
用される。本発明の遺伝子は、その遺伝子の機能が発揮
されるようにベクターに組み込まれることが必要であ
る。そこで、本発明のベクターには、プロモーター、本
発明の遺伝子のほか、所望によりエンハンサーなどのシ
スエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シ
グナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)
などを含有するものを連結することができる。なお、選
択マーカーとしては、例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝
子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子
等が挙げられる。
【0033】(2) 形質転換体の作製 本発明の形質転換体は、本発明の組換えベクターを、目
的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することによ
り得ることができる。ここで、宿主としては、本発明の
DNAを発現できるものであれば特に限定されるものでは
ない。例えば、エッシェリヒア・コリ(Escherichia col
i)等のエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリス(Baci
llus subtilis)等のバチルス属、シュードモナス・プチ
ダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属、リゾビ
ウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)等のリゾビウム
属に属する細菌が挙げられ、サッカロミセス・セレビシ
エ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・
ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等の酵母が挙げら
れ、COS細胞、CHO細胞、等の動物細胞が挙げられ、ある
いはSf9、Sf21等の昆虫細胞が挙げられる。
【0034】大腸菌等の細菌を宿主とする場合は、本発
明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能であると
同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明の
遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好ま
しい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれて
いてもよい。大腸菌としては、例えばエッシェリヒア・
コリ(Escherichia coli)K12、DH1、Top10F′などが挙げ
られ、枯草菌としては、例えばバチルス・ズブチリス(B
acillus subtilis)MI 114、207-21などが挙げられる。
【0035】プロモーターとしては、大腸菌等の宿主中
で発現できるものであればいずれを用いてもよい。例え
ばtrpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモータ
ー、PRプロモーターなどの、大腸菌やファージに由来す
るプロモーターが用いられる。tacプロモーターなどの
ように、人為的に設計改変されたプロモーターを用いて
もよい。細菌への組換えベクターの導入方法としては、
細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるもの
ではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法[Cohe
n, S.N. et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69:2
110(1972)]、エレクトロポレーション法等が挙げられ
る。
【0036】酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロ
ミセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)、シゾ
サッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pomb
e)、ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)などが用い
られる。この場合、プロモーターとしては酵母中で発現
できるものであれば特に限定されず、例えばgal1プロモ
ーター、gal10プロモーター、ヒートショックタンパク
質プロモーター、MFα1プロモーター、PHO5プロモータ
ー、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモー
ター、AOX1プロモーター等が挙げられる。
【0037】酵母への組換えベクターの導入方法として
は、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定され
ず、例えばエレクトロポレーション法[Becker, D.M. et
al.:Methods. Enzymol., 194: 182(1990)]、スフェ
ロプラスト法[Hinnen, A. et al.:Proc. Natl. Acad.
Sci., USA, 75: 1929(1978)]、酢酸リチウム法[Itoh,
H.:J. Bacteriol., 153:163(1983)]等が挙げられる。
【0038】動物細胞を宿主とする場合は、サル細胞CO
S-7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細
胞)、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などが用い
られる。プロモーターとしてSRαプロモーター、SV40プ
ロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター等が用
いられ、また、ヒトサイトメガロウイルスの初期遺伝子
プロモーター等を用いてもよい。動物細胞への組換えベ
クターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーシ
ョン法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が
挙げられる。昆虫細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞、S
f21細胞などが用いられる。昆虫細胞への組換えベクタ
ーの導入方法としては、例えばリン酸カルシウム法、リ
ポフェクション法、エレクトロポレーション法などが用
いられる。
【0039】(3) 本発明のタンパク質の生産 本発明の生理活性ペプチドは、前記形質転換体を培養
し、その培養物から採取することにより得ることができ
る。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培養
に用いられる通常の方法に従って行われる。大腸菌や酵
母菌等の微生物を宿主として得られた形質転換体を培養
する培地としては、微生物が資化し得る炭素源、窒素
源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に
行える培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用
いてもよい。
【0040】炭素源としては、グルコース、フラクトー
ス、スクロース、デンプン、マルトース、デキストリン
等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノ
ール、プロパノール等のアルコール類が用いられる。窒
素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等
の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の
含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンステ
ィープリカー、カザミノ酸、NZアミン等が用いられる。
【0041】無機物としては、リン酸第一カリウム、リ
ン酸第二カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸
銅、炭酸カルシウム、硫酸亜鉛、塩化コバルト等が用い
られる。培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養など
の好気的条件下、30℃で24〜96時間行う。培養期間
中、pHは5.0〜8.0に保持する。pHの調整は、無機又は
有機の酸、アルカリ溶液等を用いて行う。
【0042】培養中は必要に応じてアンピシリンやテト
ラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。プ
ロモーターとして誘導性のものを用いた発現ベクターで
形質転換した微生物を培養する場合は、必要に応じてイ
ンデューサーを培地に添加してもよい。例えば、Lacプ
ロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物
を培養するときにはイソプロピル-β-D-チオガラクトピ
ラノシド(IPTG)等を、trpプロモーターを用いた発現ベ
クターで形質転換した微生物を培養するときにはインド
ールアクリル酸(IAA)等を培地に添加してもよい。
【0043】動物細胞を宿主として得られた形質転換体
を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI16
40培地、DMEM培地又はこれらの培地に牛胎児血清等を添
加した培地等が用いられる。培養は、通常、5%CO2
在下、20〜30℃で1〜7日行う。培養中は必要に応じて
カナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加し
てもよい。
【0044】昆虫細胞を宿主として得られた形質転換体
を培養する培地としては、Grace'sInsect Medium[Grac
e,T.C.C.: Nature, 195:788, (1962)]に10%ウシ胎児血
清などの添加物を適宜加えたものなどが挙げられる。培
地のpHは6.0〜7.0に調製し、通常25℃で1〜7日培養を
行い、必要に応じて通気や攪拌を加える。培養後、本発
明のタンパク質が菌体内又は細胞内に生産される場合に
は菌体又は細胞を破砕する。一方、本発明のタンパク質
が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそ
のまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除
去し、上清を得る。そして、タンパク質の単離精製に用
いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウ
ム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマト
グラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単
独で又は適宜組み合わせて用いることにより、上記培養
物中(細胞破砕液、培養液、又はそれらの上清中)から
本発明の生理活性ペプチド又はその塩を単離精製するこ
とができる。
【0045】4.本発明のタンパク質の化学合成 本発明のタンパク質の化学合成は、ペプチド合成の常法
手段によって行うことができる。例えば、アジド法、酸
クロライド法、酸無水物法、混合酸無水物法、DCC 法、
活性エステル法、カルボイミダゾール法等が挙げられ
る。また、その合成は、固相合成法及び液相合成法のい
ずれをも適用することができる。すなわち、本発明のタ
ンパク質を構成し得るアミノ酸と残余部分とを縮合さ
せ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離するこ
とにより目的とするタンパク質が合成される。縮合方法
や保護基の脱離としては、公知のいずれの手法を用いて
もよい[例えばBodanszky, M and M.A. Ondetti, Peptid
e Synthesis, Interscience Publishers, New York (19
66)、Schroeder and Luebke, The Peptide,Academic Pr
ess, New York (1965)、泉屋信夫他, ペプチド合成の基
礎と実験,丸善(1975)等を参照]。
【0046】反応後は、通常の精製法、例えば溶媒抽
出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグ
ラフィー、再結晶などを組み合わせて本発明のタンパク
質を精製することができる。また、本発明のタンパク質
は、C末端が通常カルボキシル(-COOH)基又はカルボキ
シレート(-COO-)であるが、C末端がアミド(-CONH2)又
はエステル(-COOR)であってもよい。ここで、エステル
におけるRとしては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素
数3〜10のシクロアルキル基、炭素6〜12のアリール
基、炭素数7〜12のアラルキル基などが挙げられる。さ
らに、本発明のタンパク質には、N末端残基のアミノ基
が保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合し
た糖ペプチドなどの複合ペプチド等も含まれる。
【0047】5. 抗菌剤 本発明のタンパク質は、その抗菌スペクトルが広いた
め、抗菌剤として有用である。さらに、本発明の抗菌性
タンパク質は、植物病原菌に対してその抗菌作用を有す
るため、特に植物病原性菌類に対する抗菌剤として有用
である。また、本抗菌性タンパク質は他の農薬と組み合
わせた形態、例えば、殺菌剤(イネ害虫用殺虫剤等)との
組み合わせによる殺虫殺菌剤、植物成長調整剤(イネ矮
化剤等)との組み合わせによる殺菌植物調整剤としての
形態等で使用することができる。すなわち、本抗菌性タ
ンパク質は、それ単独で、あるいは適当な液体、固体又
は気体の担体と組み合わせて使用することができる。さ
らに必要に応じて、液化ガス、噴射剤(フレオン等)、表
面活性剤(乳化剤、分散剤、消泡剤等)等を添加し、乳
剤、油剤、水和剤、粉剤、粒剤、液剤等の製剤として使
用することもできる。
【0048】製剤に使用する液体担体としては、例え
ば、キシレン、トルエン、ベンゼン、アルキルナフタレ
ン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、クロロエチレ
ン、塩化メチレン等の塩素化芳香族炭化水素;シクロヘ
キサン、パラフィン等の脂肪族炭化水素;鉱油留分;エ
タノール、ブタノール、グリコール等のアルコール及び
これらのエーテル類ならびにエステル;アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン;ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、アセトニトリル、水等の極性溶剤
が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用
することができる。水が溶剤として用いられる場合、純
水、または無機塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウム
等)、糖(グルコース、ショ糖等)若しくは糖アルコール
(D-ソルビトール、D-マンニトール等)の水溶液を用い
ることができる。
【0049】また、製剤に使用する固体担体としては、
例えば、カオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、ア
タパルジャイト、モンモリロナイト、珪藻土等の天然鉱
物粉末、ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩等の合成鉱物粉
末、高分子性天然物(結晶性セルロース、コーンスター
チ、ゼラチン、アルギン酸等)が挙げられ、これらの1種
又は2種以上を混合して使用することができる。
【0050】乳化剤、消泡剤、分散剤等として使用され
る表面活性剤としては、ポリオキシエチレン−脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン−脂肪アルコールエーテ
ル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキ
ルスルホネート、アルキルサルフェート、アリールスル
フォネート、アルブミン加水分解物、リグニン-亜硫酸
廃液、メチルセルロース、アラビアゴム等が挙げられ
る。
【0051】有効成分である本発明の抗菌性タンパク質
は、乳剤では0.01〜50重量%、水和剤では0.01〜50重量
%、粒剤では0.01〜10重量%であるが、使用目的によっ
てはこれらの濃度は適宜変更してもよい。乳剤、水和剤
の場合には、使用に際して水で希釈して、製品重量の10
0〜5000倍希釈で使用することができ、好ましくは500〜
1000倍希釈で使用することができる。
【0052】本発明の抗菌剤は、噴霧法、ミスト法、ダ
スト法、散布法、注入法等を用いて、植物病原菌に侵さ
れた植物に直接投与してもよく、あるいは植物病原菌に
よる汚染土壌に直接投与してもよい。使用方法は、使用
目的に基づいて選択されるが、いずれの場合にも本発明
の抗菌性タンパク質が可能な限り均一に分散されること
が望ましい。本発明の抗菌剤の使用量は、その使用方法
により異なるが、例えば、噴霧法の場合、10a当たり、
有効成分量で1〜1000g噴霧するのが好ましい。
【0053】本発明の抗菌性タンパク質を抗菌剤として
使用すべき対象となる植物病原性菌類としては、灰色か
び病菌、アルタナリア菌、いもち病菌、うどんこ病菌、
苗立枯病菌等が挙げられる。これらの植物病原性菌は具
体的には、灰色かび病菌はキュウリ(Cucumis sativu
s)、トマト(Lycopersicon esculentum)、ピーマン(Caps
icum annum)、レタス(Lactuca sativa)、イチゴ(Fragari
a ananassa)、ブドウ(Vitis vinifera)、スターチス(Li
monium Mill.)、トルコギキョウ(Eustoma grandifloru
m)、リンドウ(Gentiana L.)、タバコ(Nicotiana tabacu
m)、及びホップ(Humulus luplus)等の栽培植物を侵す病
原菌であり、アルタナリア菌はリンゴ(Malusdomestic
a)、ナシ(Pyrus L.)、イチゴ(Fragaria ananassa)、及
びタバコ(Nicotiana tabacum)等の栽培植物を侵す病原
菌であり、いもち病菌はイネ(Oryza sativa)等の栽培植
物を侵す病原菌であり、うどんこ病菌はリンゴ、ブド
ウ、及びピーマン等の栽培植物を侵す病原菌であり、苗
立枯病菌は、イネ、レタス等の栽培植物を侵す病原菌で
ある。従って、これらの病原菌による病害を防除または
予防することを目的として、前記植物に本発明ペプチド
を含有する抗菌剤を使用することが好適である。
【0054】さらに、本発明の抗菌性タンパク質は、例
えば、真菌性疾患に対する薬剤としても使用することが
できる。その場合は、投与の剤型及びその投与量につい
ては、被検体(ヒト及び動物を包含する)及び疾患の種
類、症状等を勘案して、本発明による抗菌効果が認めら
れる限り任意の選択が可能である。例えば投与量は、約
0.001〜約10mg/kg体重であり、好ましくは、約0.025〜
約0.5mg/kg体重である。
【0055】6.食品及び飼料添加物 さらに、本発明の抗菌性タンパク質は、胃や腸に存在す
るタンパク質分解酵素により容易に分解されるため、少
なくとも結果的に経口投与されるときには、その毒性は
ほとんどないと考えられる。したがって、本発明の抗菌
性タンパク質は、食品又は飼料添加物として利用するこ
とができる。例えば、本タンパク質を、固体のまま、ま
たは液体好ましくは水に適切な濃度になるように溶解
し、食品または飼料に、例えば、混合、浸漬、塗布、噴
霧等の方法で添加し得る。その結果、本タンパク質は、
食肉、魚、野菜等の生鮮食品又は加工食品、あるいは豆
粉、魚粉飼料等の飼料のかび等の発生を防ぐことができ
る。例えば有効成分である本発明抗菌性タンパク質を水
溶液として用いる場合、0.00005〜0.05重量%、好まし
くは0.0001〜0.01重量%とすることができる。
【0056】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示して具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものでは
ない。 〔実施例1〕ワサビの茎頂培養 市販のワサビ(Wasabia japonica)から、常法に従って、
腋芽を採取し茎頂培養を行った。すなわち、ワサビの伸
長中の新梢頂芽を冷蔵し、休眠覚醒後、水に挿し、20℃
で、光条件下で発芽させた。次いで、この芽を切り取り
展開葉を除去し、中性洗剤液で洗ってから、広口ビンに
入れ、70%エタノールを加えて1.0分間静置した。エタ
ノールを除去し、Tween20(0.1%)添加次亜塩素酸ナトリ
ウム液を加え、10分間軽く振り、滅菌水で5回すすいだ
後、滅菌シャーレに移した。実体顕微鏡下、メスで芽の
外側の葉原基から順次、基部まで除去していき、茎頂が
現れたところで、茎頂をその基部から切り取り、Gambor
g B5培地に植え付けた。
【0057】茎頂を植え付けた培養ビンを、約20℃の照
明下(白色蛍光燈、棚面の照度は約4000lux、16時間日
長)で培養し、茎頂が緑化して成長し、葉が展開し始め
た時点で、2週間以内に新鮮なGamborg B5寒天培地に移
植し継代培養した。
【0058】〔実施例2〕ワサビ由来チオニン遺伝子の
クローニング (1) ポリ(A)+RNAの調製 実施例1の継代培養し、増殖させているワサビの茎葉か
ら、グアニジンチオシナネート-塩化セシウム法[Sambro
ok, J et al.: Molecular Cloning, Cold Spring Harbo
r Laboratory Press, New York(1989) ]によって、mRNA
を調製した。すなわち、凍結したワサビ茎葉1gを、10
mlの5.5M GTC溶液(5.5M グアニジウムチオシアネート、
25mMクエン酸ナトリウム、0.2M 2-メルカプトエタノー
ル、0.5%N-ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、pH 7.
0)に懸濁し、ホモジェナイザーで素早く細胞を可溶化さ
せた。このホモジェネートを、28-Gの注射針を取り付け
た注射筒を用いて10回以上出し入れすることによりDNA
を細断した後、4℃、12,000×gで20分間遠心し、細胞
破片を沈殿させて除去した。
【0059】得られた上清10mlに2gの塩化セシウムを
加え溶解後、これを5.7M塩化セシウム溶液の上層に静か
に重層した。これを微量遠心機(HITACHI社製)を用い
て、20℃、22,000×gで8時間超遠心した。得られた全R
NA沈殿物を、400μlの80%エタノールに懸濁し、マイク
ロチューブに移し、4℃、12,000×gで10分間遠心し、
全RNAを沈殿させた。
【0060】次いで得られた全RNAを400μlの滅菌水に
溶解し、フェノール/クロロホルム処理、エタノール沈
殿を行うことにより全RNAを得た。得られた全RNAを400
μlの滅菌水に溶解し、吸光度測定法及びホルムアルデ
ヒド変性アガロースゲル電気泳動法により、良質の全RN
Aが調製されたことを確認した。
【0061】1mgの全RNAを、0.5mlの溶出用緩衝液(10m
M Tris-HCl(pH 7.5)、1mM EDTA、0.1%SDS)に溶解し、
65℃で10分間加熱後、氷中で急冷した。これに0.5mlの2
0mMTris-HCl(pH 7.5)/2mM EDTA/1M NaClを加え、既にTE
/NaCl(TE(10mM Tris-HCl(pH 7.5)、1mM EDTA):1M NaCl
=1:1)で平衡化しておいたオリゴdTセルロースカラム(P
harmacia社製、タイプ7)に通し、通過した溶液をもう
一度カラムに通した。次いで、約0.2mlのTE/NaClでカラ
ムを洗浄後、TEを加えてポリ(A)+RNA を溶出・精製し
た。RNAの量をUV分光器により測定したところ、この操
作で得られたポリ(A) +RNA量は約30μgであった。
【0062】(2) 一本鎖cDNAの合成 上記(1)により得られたポリ(A)+RNA 0.1μgを用いて、R
T-PCRキット (TAKARA社製)により1本鎖cDNAを合成し
た。この反応に用いたプライマーは、オリゴ(dT)20
5'側に、既知の配列5'-GTTTTCCCAGTCACGAC-3'(配列番
号8)を連結したものを用いた。すなわち、RNA/プライ
マー混合液を以下の組成で作製した。
【0063】 ポリ(A)+RNA 1μl(0.1μg) プライマー 1μl(50pmole) DPEC処理水 18μl 全量 20μl
【0064】上記混合物を、70℃で10分間インキュベー
トした。氷上に1分間置き、以下の試薬を順に加えた。 RNA/プライマー混合液 10μl 10×PCR緩衝液 5μl 25mM MgCl2 3μl 10mM dNTPミックス 2μl 0.1M DTT 1μl 滅菌水 29μl 全量 50μl
【0065】上記混合物を、42℃で15分間プレインキュ
ベートした。次いで逆転写酵素(TAKARA社製)を1μl(50
単位)加えよく混合後、50℃で15分間インキュベートし
た。次いで99℃で5分間インキュベートし反応を停止さ
せた。氷上で冷やした後、RNaseHを1μl(200単位)加
え、55℃で10分間インキュベートすることによりRNAを
分解し、一本鎖cDNAを得た。
【0066】(3) プライマーの作製 植物由来チオニンタンパク質間でよく保存されているア
ミノ酸配列をもとに、プライマーを合成した。すなわ
ち、5'センスプライマー配列として、各植物チオニン
のN末端のMet Ala Lys Phe Ala Ser Ile (配列番号
5)に基づいて、単一のプライマー5'-ATGGCTAAGTTTGCT
TCCAT-3'(配列番号6)及び縮重プライマー5'-ATGGCTAAG
TTTGCKTCYATC-3'(配列番号7)を合成した。3'アンチセ
ンスプライマーとして、一本鎖cDNAの合成時に用いた、
オリゴ(dT)20の5'側の付加配列5'-GTTTTCCCAGTCACGAC-
3'(配列番号8)を合成した。なお、合成オリゴヌクレオ
チドは、全自動DNA合成機(Applied Biosystems社)を使
用して化学合成した。
【0067】(4) RT-PCRによるワサビチオニン遺伝子を
クローニング 上記(2)で合成した一本鎖cDNAを鋳型として、プライマ
ーとしては上記(3)で作製したセンスプライマー及びア
ンチセンスプライマーを用いてPCRを行った。PCRの反応
液の組成は以下の通りである。
【0068】 cDNA溶液 10μl 滅菌水 28.5μl 10×PCR緩衝液 5μl 25mM MgCl2 3μl 2.5mM dNTPミックス 2μl 20μMプライマー(センス) 0.5μl 20μMプライマー(アンチセンス) 0.5μl 5U/μl Taqポリメラーゼ 0.5μl 全量 50μl
【0069】上記反応液を、よく混合後、ミネラルオイ
ルを10μl重層した。PCRは、95℃で20秒間の熱変性、60
℃で40秒間のアニーリング、72℃で1分間の伸長反応の
条件を1サイクルとして、35サイクル行った。反応終了
後、クロロホルム50μlを加え混合し、4℃、12,000×
gで20分間遠心し、上層を新しいマイクロチューブに回
収した。そこにエタノール400μlを加えよく混合後、4
℃、12,000×gで10分間遠心しPCR産物をペレット化し
た。
【0070】このPCR産物を10%ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動に供試し、400〜600bp付近の大きさのPCR産
物をゲルがら切り出した(図1)。このゲル断片を新しい
マイクロチューブに移し細かく潰した後、抽出液(0.5M
酢酸アンモニウム、10mM酢酸マグネシウム、1mM EDTA
(pH 8.0)、0.1%SDS溶液)を400μl加え、37℃で1時間
振盪することにより、PCR産物をゲルから抽出した。得
られた抽出物を、4℃で12,000×gで15分間遠心後、上
清を新しいマイクロチューブに回収した。この上清をフ
ェノール処理後、エタノール沈殿し、PCR産物を得た。
【0071】得られたPCR産物を、10μlのTEに溶解し、
これに4単位のT4 DNAポリメラーゼ(TAKARA社製)を加
え、20℃で30分間の末端平滑化処理を行った。次いでフ
ェノール抽出、エタノール沈殿により平滑化したPCR産
物を回収した後、100単位のT4ポリヌクレオチドキナー
ゼを加え、37℃で、30分間反応させることにより5'末端
をリン酸化した。70℃で30分間加温して、T4ポリヌクレ
オチドキナーゼを失活させた後、フェノール抽出、エタ
ノール沈殿によりPCR産物を回収した。
【0072】次いで、このPCR産物を、ベクターpBlueSc
ript SK(+)(STRATAGENE社製)のSmaI部位に連結し、この
組換えプラスミドを大腸菌(DH5α株)に形質転換した。
単一コロニーをLB培地中で培養し、プラスミドを精製し
Dye Terminator cycle sequencing FS kit(Applied Bio
systems社製)を用い、蛍光自動DNAシーケンサー(Applie
d Biosystems社製、Prism 310型)により解析した。塩
基配列を決定したいくつかのPCR産物の中から、既知の
チオニン遺伝子とは異なる2つの新規な配列(配列番号
1及び配列番号3)を有するPCR産物を得た。そしてこれ
らをワサビチオニン遺伝子1及びワサビチオニン遺伝子
2と命名した。
【0073】〔実施例3〕ワサビゲノムDNAのサザンブ
ロット解析 (1)ゲノムDNAの調製 実施例1の継代培養し、増殖させているワサビの茎葉か
ら、CTAB法[Focus 12:13-15(1990)]によって、ゲノムD
NAを調製した。すなわち、ワサビ茎葉5gを液体窒素で
凍結し、Waringブレンダーで1分間砕いて粉末化した。
液体窒素を除くため3分間放置してから、10mlのA液(4
mMスペルミジン,1mMスペルミン,10mMEDTA,80mM KCl,10m
M Tris-HCl(pH9.4),0.5Mスクロース,1mM PMSF,0.5%Tri
ton-X100,0.1%2-メルカプタエタノール)を加えてよく
混合後、再度ブレンダーで20秒間摩砕した。
【0074】摩砕液を4層のガーゼと2層のミラクロス
に通して細胞残渣を除去し、濾液を遠心管に分注し、ス
イングローターで2000×g、20分間、4℃で低速遠心し
た。遠心後、上清を捨て沈殿を氷冷した10mlのA液に一
度懸濁し、さらに10mlのA液を加え混和してから再度低
速遠心した。緑色の沈殿が白くなるまで同じ操作を3回
繰り返した。
【0075】得られた白い沈殿を氷冷した9mlのB液(5
0mM Tris-HCl(pH 8.0),20mM EDTA)に懸濁し、次いで1m
lの10%N-ラウロイルサルコシン酸ナトリウム溶液と0.4
mlのプロティナーゼK(10mg/ml)を加え、60℃で5分間
さらに37℃で4時間インキュベートして細胞核を消化し
た。この消化液をフェノール処理した後、エタノール沈
殿で得られるDNA繊維をガラス棒に巻きつけることによ
り回収し、これを0.5mlのTE緩衝液に溶解してゲノムDNA
を得た。
【0076】(2)ハイブリダイゼーション 上記で得られたゲノムDNA10μgをHindIII、BamHI、Pst
I、SacI、EcoRIで消化し、その分解物を1%アガロース
ゲル電気泳動に供試した。泳動後、DNA断片をナイロン
メンブレンにトランスファーし、そのメンブレンをプレ
ハイブリダイゼーション溶液(50%ホルムアミド、7%S
DS、50mMリン酸緩衝液、5×SSC)中に42℃で1時間浸漬
することにより、プレハイブリダイゼーションを行っ
た。
【0077】次いで、プローブとして、チオニン遺伝子
1の一部(配列番号1において27番目の塩基から359番目
の塩基までの333bpの断片)を、DIG発光検出キットを用
いDIG(ジゴキシゲニン)標識したものを用い、ハイブリ
ダイゼーションを行った。すなわち、ハイブリダイゼー
ションは、標識プローブを含むハイブリダイゼーション
用緩衝液(50%ホルムアミド、7%SDS、50mMリン酸緩衝
液、5×SSC)中、42℃に、16時間浸漬することにより行
った。次いで、メンブレンを2×SSC、0.1%SDS液中、5
0℃で2回洗浄し、さらに0.1×SSC、0.1%SDS液中、68
℃で2回洗浄した。オートラジオグラムをとってプロー
ブとハイブリダイズしたバンドを調べた。その結果を図
2に示す。
【0078】図2中でハイストリンジェンシー(High st
ringency)は、メンブレンを2×SSC、0.1%SDS液中、50
℃で2回洗浄後、さらに0.1×SSC、0.1%SDS液中、65℃
で2回洗浄したときのオートラジオグラムであり、ロー
ストリンジェンシー(Low stringency)は、メンブレンを
0.1×SSC、0.1%SDS液中、50℃で2回洗浄したときのオ
ートラジオグラムである。DNAの消化に用いた制限酵素
は、いずれもその切断部位がプローブ内に存在しないも
のであり、どの制限酵素でも2本以上のバンドが認めら
れ、また、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシ
ーを低下させることにより、バンドの数が増加したこと
より、本遺伝子は遺伝子ファミリーを形成していると考
えられた。
【0079】〔実施例4〕植物導入用組換えベクターの
構築 実施例2の(4)で得られた配列番号1の新規チオニン遺
伝子1を含むベクター10μgをXbaI及びBamHI各10単位で
消化し、この消化物を0.8%低融点アガロースゲル電気
泳動により分画し、チオニン遺伝子1をコードする領域
を含む約550bpのバンドをゲルから切り出し新しいマイ
クロチューブに移した。このゲルに等容量のTE緩衝液(1
0mM Tris-HCl,1mM EDTA,pH 8;TAKARA社製)を加え、68
℃に20分間維持することにより、アガロースゲルを溶解
させた。溶解後、水飽和フェノール抽出を2回行い、ア
ガロースを除去した。
【0080】得られた抽出液に、約100分の1容量の3M
酢酸ナトリウム、2倍容量のエタノールを加えよく混合
した後、−20℃の6時間静置した。次いで、この溶液を
12,000×g、4℃、10分間の遠心分離を行い、DNAをペレ
ット化した後、減圧下で乾燥し、10μlのTE緩衝液に溶
解することにより、約550bpのチオニン遺伝子1を含むD
NA断片を得た。
【0081】一方、CaMV(カリフラワーモザイクウイル
ス)の35Sプロモーター及びNOS(ノパリン合成酵素)ター
ミネーターを含むプラスミドベクターpS221Sの10μgをT
E緩衝液50μlに溶解し、BamHI及びXhoI各10単位で消化
し、この消化物を0.8%低融点アガロースゲル電気泳動
により分画し、約4.5kbのバンドをゲルから切り出し、
新しいマイクロチューブに移した。このゲルに等容量の
TE緩衝液を加え、68℃に20分間維持することにより、ア
ガロースゲルを溶解させた。溶解後、水飽和フェノール
抽出を2回行い、アガロースを除去した。
【0082】得られた抽出液に、約100分の1容量の3M
酢酸ナトリウム、2倍容量のエタノールを加えよく混合
した後、−20℃の6時間静置した。次いで、この溶液を
12,000×g、4℃、10分間の遠心分離を行い、DNAをペレ
ット化した後、減圧下で乾燥し、10μlのTE緩衝液に溶
解することにより、ベクターDNAを調製した。
【0083】上記のようにして得られたチオニン遺伝子
1を含むDNA断片5μl(1μg)とベクターDNA5μl(0.5
μg)とをDNA ligation kit(TAKARA社製)を用い、16℃で
1時間インキュベートすることにより連結した。
【0084】この反応液10μlを、市販の大腸菌コンピ
テント細胞DH5α(TOYOBO社製)100μlに加え、氷中に30
分間放置し、次いで42℃で45秒間のヒートショックを与
えた後、さらに氷中に1分間放置することにより形質転
換を行った。この溶液にLB培地(1%Bacto trypton,0.5%B
act yeast extract,0.5%NaCl,0.1%グルコース, pH 7.5)
100μlを加え、37℃で1時間インキュベートした後、50
μg/mlのスペクチノマイシンを含有するLB寒天培地にプ
レーティングした。
【0085】37℃で1晩培養した後、培地上に出現した
白色コロニーの中から1コロニーを選択し、これをさら
に、50μg/mlのスペクチノマイシンを含有するLB液体培
地中、37℃で約6〜12時間振盪培養した。この培養液か
らWizard DNA Miniprep kit(Promega社製)を用いてプラ
スミドを調製した。HindIII及びEcoRI等の制限酵素後、
1%アガロース電気泳動により解析を行うことにより、
CaMV35Sプロモ−ターの下流に正常にチオニン遺伝子1
が連結されているプラスミドを選択し、これを組換えベ
クターp35SWT(図3)とした。バイナリープラスミドベク
ターpEBisEH01の10μl(10μg)及び上記のプラスミドp35
SWTの10μl(10μg)を、それぞれTE緩衝液中で、10単位
のHindIIIで消化した。その後、水飽和フェノールで2
回抽出することにより制限酵素を除去した。
【0086】得られた抽出液に、約100分の1容量の3M
酢酸ナトリウム、2倍容量のエタノールを加えよく混合
した後、−20℃で6時間静置した。次いで、この溶液を
12,000×g、4℃、10分間の遠心分離を行い、DNAをペレ
ット化した後、減圧下で乾燥し、10μlのTE緩衝液に溶
解した。上記のようにして得られた上流にCaMV35Sプロ
モーター、下流にNOSターミネーターを配したチオニン
遺伝子1を含むDNA断片1μl(1μg)とベクターDNA1μ
l(0.5μg)とをDNA ligation kit(TAKARA社製)を用い、1
6℃で1時間インキュベートすることにより連結した。
【0087】この反応液10μlを、市販の大腸菌コンピ
テントセルDH5α(TOYOBO社製)100μlに加え、氷中に30
分間放置し、次いで42℃で45秒間のヒートショックを与
えた後、さらに氷中に1分間放置することにより形質転
換を行った。この溶液にLB培地100μlを加え、37℃で1
時間インキュベートした後、50μg/mlのスペクチノマイ
シン及び30μg/mlのカナマイシンを含有するLB寒天培地
にプレーティングした。
【0088】37℃で1晩培養した後、培地上に出現した
白色コロニーの中から1コロニーを選択し、これをさら
に、50μg/mlのスペクチノマイシン及び30μg/mlのカナ
マイシンを含有するLB液体培地中、37℃で約6〜12時間
振盪培養した。この培養液からWizard DNA Miniprep ki
t(Promega社製)を用いてプラスミドを調製した。次い
で、HindIII及びEcoRI等の制限酵素後、1%アガロース
電気泳動により解析を行うことにより、チオニン遺伝子
1が正常に連結されているプラスミドを選択し、これを
アグロバクテリウム法用の植物導入用ベクターpEbisWTH
yg(図4)とした。
【0089】〔実施例5〕タバコへのワサビチオニン遺
伝子の導入 (1)アグロバクテリウム・チュメファシエンス(Agrobact
erium tumefaciens)の形質転換 アグロバクテリウム・チュメファシエンスEHA101株を5
mlのYEB培地(0.5%牛肉エキス、0.1%酵母エキス、0.5
%ペプトン、0.5%スクロース、2mM MgSO4、pH 7.0)中
で、30℃で24時間前培養した。次いで、この前培養液を
200mlのYEB培地の入った1l容フラスコに接種し、30℃
でA600=0.2〜0.3になるまで培養後、4000×gで5分間
遠心分離した。沈殿を2mlのYEB培地に懸濁し、200μl
ずつ分注し、液体窒素で凍結して保存した。
【0090】前記実施例4で調製したベクターpEbisWTH
yg溶液1μl(50ng)を、200μlのアグロバクテリウムコ
ンピテント細胞(エレクトロポレーション用)に加え、電
気パルス(抵抗200Ω、電気容量25μF、電圧2.5kV)を1
回かけた後、YEB培地1mlを加え、1時間、30℃で培養
する。遠心分離により集菌後、50μg/mlのスペクチノマ
イシン、30μg/mlのカナマイシン、30μg/mlのハイグロ
マイシンを含有するYEB寒天培地上、30℃で48時間培養
し、形質転換したコロニーを得た。
【0091】(2) タバコ植物体の育成 タバコ(Nicotiana tabacum SR1)の完熟種子を1%次亜
塩素酸で消毒後、MS培地(1l当たりの組成:Murashige
-Skoog培地用混合塩類(Wako社製)1袋,20g/lミオイノ
シトール5ml, 0.1g/lニコチン酸5ml, 0.1g/lピリドキ
シン塩酸5ml,0.02g/lチアミン塩酸5ml, 0.4g/lグリシ
ン5ml,スクロース30g,寒天9g,pH5.7)に置床して培養
し、1〜2ヶ月後十分に展開した葉を得た。
【0092】(3) タバコ葉へのアグロバクテリウムの感
染 葉を約5mm×10mmの切片にし、YEB培地中、30℃で一晩
培養したpEbisWTHygを保有するアグロバクテリウム菌液
に、葉の表面を下にして浮かべ、5分間感染させた。次
いでこの葉切片を、MS培地上に移し、25℃、弱光条件下
で、2日間共存培養した。
【0093】(4) 形質転換細胞の選抜及び植物体への再
生 共存培養後、葉切片を再分化培地(上記MS培地に1mg/ml
6-ベンジルアミノプリン、0.1mg/mlα-ナフタレン酢
酸、500ng/mlカルベニシリン、30mg/Lハイグロマイシン
を添加したもの)に移し、25℃、明16時間(1000〜2000l
x)、暗8時間で、培養した。約1ヶ月後、カルス上に生
じた不定芽を切り出し、発根培地(上記MS培地に500ng/m
lカルベニシリン、30mg/lハイグロマイシンを添加した
もの)に置床し発根を誘導した。
【0094】〔実施例6〕チオニン遺伝子導入タバコの
耐病性の評価 実施例5で得られたチオニン遺伝子1を導入した61個の
系統のタバコ再分化個体を得、灰色カビ病菌に対する耐
病性評価試験を行った。再分化したタバコの葉を切り出
し、灰色カビ病菌(Botrytis cinerea)をPDA培地(1l当
たり:ジャガイモ煎汁200g、グルコース20g、寒天20g)
で増殖させた菌叢をコルクボーラーで打ち抜き、葉1枚
当たり、2個の菌叢を接種した。湿度を保つため、水を
十分吸収させた濾紙を敷き、25℃で4日間インキュベー
トした。
【0095】形質転換体では灰色カビ病菌の増殖が抑え
られるのに対し、対照の野生型では、菌の増殖が進み、
葉全体が水浸状になり、激しい病徴が見られた(図5)。
この方法を用いて64個の系統の再分化植物体について調
べたところ、23個の系統で灰色カビ病菌抵抗性、38個の
系統で中程度の灰色カビ病菌抵抗性が得られた(表1)。
また、チオニン遺伝子導入タバコの病班の広がり具合の
調査結果の例を図5に示した。コントロールの非形質転
換体に比較して灰色カビ病菌接種時の病班の広がりの度
が軽い個体が多く含まれている系統が認められるので、
チオニン導入タバコに灰色カビ病に対する抵抗性が付与
されていた。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】本発明により、ワサビ抗菌性タンパク
質、遺伝子、組換えベクター、形質転換体、トランスジ
ェニック植物、抗菌性タンパク質の製造方法、及び抗菌
剤が提供される。
【0098】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:414 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:Wasabia japonica 株名: 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..414 配列 ATG GCT AAG TTT GCT TCT ATC ATC GCT CTT CTC TTC GCT GCT CTT GTT 48 Met Ala Lys Phe Ala Ser Ile Ile Ala Leu Leu Phe Ala Ala Leu Val 1 5 10 15 CTC TTT TCT GCT TTT GAA GCA CCA TCA ATG GTG GAA GCG CAG AAG TTG 96 Leu Phe Ser Ala Phe Glu Ala Pro Ser Met Val Glu Ala Gln Lys Leu 20 25 30 TGC GAG AAG TCA AGT GGG ACA TGG TCA GGA GTC TGT GGA AAC AAC AAT 144 Cys Glu Lys Ser Ser Gly Thr Trp Ser Gly Val Cys Gly Asn Asn Asn 35 40 45 GCG TGC AAG AAT CAG TGC ATC AAC CTT GAG GGA GCA CGA CAT GGA TCT 192 Ala Cys Lys Asn Gln Cys Ile Asn Leu Glu Gly Ala Arg His Gly Ser 50 55 60 TGC AAC TAT ATC TTC CCA TAT CAC AGA TGT ATC TGT TAC TTC CCA TGT 240 Cys Asn Tyr Ile Phe Pro Tyr His Arg Cys Ile Cys Tyr Phe Pro Cys 65 70 75 80 TAATTATTCT ACCAAAAAAC TTTGGTGCTT AATTAAATAT TGTGTGTGTA TTTTACATTT 300 TCTCGTGTGC TTATTCACAT TAAATAAGCA TATGTCACTC TATGAGTGAC CCCTTATGCA 360 TGTACCAAGA ATTTCTATGT TGGTTTGTTG TACTAATAAA ATGTTTTATA TGCT 414
【0099】 配列番号:2 配列の長さ:80 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Ala Lys Phe Ala Ser Ile Ile Ala Leu Leu Phe Ala Ala Leu Val 1 5 10 15 Leu Phe Ser Ala Phe Glu Ala Pro Ser Met Val Glu Ala Gln Lys Leu 20 25 30 Cys Glu Lys Ser Ser Gly Thr Trp Ser Gly Val Cys Gly Asn Asn Asn 35 40 45 Ala Cys Lys Asn Gln Cys Ile Asn Leu Glu Gly Ala Arg His Gly Ser 50 55 60 Cys Asn Tyr Ile Phe Pro Tyr His Arg Cys Ile Cys Tyr Phe Pro Cys 65 70 75 80
【0100】 配列番号:3 配列の長さ:416 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:Wasabia japonica 株名: 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..416 配列 ATG GCT AAG TTT GCT TCT ATC ATC GCT CTT CTC TTC GCT GCT CTT GTT 48 Met Ala Lys Phe Ala Ser Ile Ile Ala Leu Leu Phe Ala Ala Leu Val 1 5 10 15 CTC TTT TCT GCT TTT GAA GCA CCA TCA ATG GTG GAA GCG CAG AAG TTG 96 Leu Phe Ser Ala Phe Glu Ala Pro Ser Met Val Glu Ala Gln Lys Leu 20 25 30 TGC GAG AAG TCA AGT GGG ACA TGG TCA GGA GTC TGT GGA AAC AAC AAT 144 Cys Glu Lys Ser Ser Gly Thr Trp Ser Gly Val Cys Gly Asn Asn Asn 35 40 45 GCG TGC AAG CAT CAG TGC ATC AAC CTT GAG GGA GCA CGA CAT GGA TCT 192 Ala Cys Lys His Gln Cys Ile Asn Leu Glu Gly Ala Arg His Gly Ser 50 55 60 TGC AAC TAT ATC TTC CCA TAT CAC AGA TGT ATC TGT TAC TTC CCA TGT 240 Cys Asn Tyr Ile Phe Pro Tyr His Arg Cys Ile Cys Tyr Phe Pro Cys 65 70 75 80 TAATTATTCT ACCAAAAAAC GTTGGTGCTT AATTAAAAAT TGTGTGTGTA TTTTACATTT 300 TCTCGTGTGC TTATTCACAT TAAATAAGTC TGTGTCACTC TATGAGTGAC CTTATATTGA 360 CATGTACCAA GAATTTCTAT ATTGGTTTGT TGTAATAATA AAAAGTTTTA TATGCT 416
【0101】 配列番号:4 配列の長さ:80 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Ala Lys Phe Ala Ser Ile Ile Ala
Leu Leu Phe Ala Ala Leu Val 1 5
10 15 Leu Phe Ser Ala Phe Glu Ala Pro Ser
Met Val Glu Ala Gln Lys Leu 20 25
30 Cys Glu Lys Ser Ser Gly Thr Trp Ser
Gly Val Cys Gly Asn Asn Asn 35 40
45 Ala Cys Lys His Gln Cys Ile Asn Leu
Glu Gly Ala Arg His Gly Ser 50 55
60 Cys Asn Tyr Ile Phe Pro Tyr His Arg
Cys Ile Cys Tyr Phe Pro Cys 65 70
75 80
【0102】
【0103】 配列番号:6 配列の長さ:20 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 ATGGCTAAGT TTGCTTCCAT 20
【0104】 配列番号:7 配列の長さ:21 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 ATGGCTAAGT TTGCKTCYAT C 21
【0105】 配列番号:8 配列の長さ:17 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GTTTTCCCAG TCACGAC 17
【図面の簡単な説明】
【図1】RT-PCRによるチオニン遺伝子の増幅結果を示す
電気泳動写真である。
【図2】ワサビゲノムDNAのサザンブロット解析結果を
示す電気泳動写真である。
【図3】p35SWTプラスミドの構造を示す図である。
【図4】pEbisWTHygプラスミドの構造を示す図である。
【図5】灰色カビ病菌を接種後4日目のチオニン遺伝子
導入タバコにおける病徴を示す写真である(生物の形
態)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 C12N 5/00 C //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)又は(b)の組換えタンパク質。 (a)配列番号2又は配列番号4で表わされるアミノ酸配
    列からなるタンパク質 (b) 配列番号2又は配列番号4で表わされるアミノ酸配
    列において少なくとも1個のアミノ酸が欠失、置換若し
    くは付加された配列からなり、かつ抗菌活性を有するタ
    ンパク質。
  2. 【請求項2】 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコード
    する抗菌性タンパク質遺伝子。 (a) 配列番号2又は配列番号4で表わされるアミノ酸配
    列からなるタンパク質 (b) 配列番号2又は配列番号4で表わされるアミノ酸配
    列において少なくとも1個のアミノ酸が欠失、置換若し
    くは付加された配列からなり、かつ抗菌活性を有するタ
    ンパク質。
  3. 【請求項3】 以下の(c)又は(d)のDNAからなる遺伝
    子。 (c) 配列番号1又は配列番号3で表される塩基配列から
    なるDNA (d) 配列番号1又は配列番号3で表される塩基配列から
    なるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
    し、かつ抗菌活性を有するタンパク質をコードするDN
    A。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の遺伝子を含有す
    る組換えベクター。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の組換えベクターを含む
    形質転換体。
  6. 【請求項6】 請求項2又は3に記載のDNAを含むトラ
    ンスジェニック植物。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の形質転換体を培養し、
    得られる培養物から抗菌性タンパク質を採取することを
    特徴とする抗菌性タンパク質の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の抗菌性タンパク質を有
    効成分として含む抗菌剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002272292A (ja) * 2001-03-22 2002-09-24 Iwate Prefecture ワサビγチオニン遺伝子を導入した病害抵抗性植物
JP2003088385A (ja) * 2001-09-19 2003-03-25 Iwate Prefecture リンドウ由来の新規抗菌性タンパク質及びその遺伝子
JP2003088386A (ja) * 2001-09-19 2003-03-25 Iwate Prefecture リンドウ由来の新規抗菌性タンパク質及びその遺伝子
JP2008120745A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Univ Kansai 抗菌性のある不凍タンパク質含有植物抽出物

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JP2003088386A (ja) * 2001-09-19 2003-03-25 Iwate Prefecture リンドウ由来の新規抗菌性タンパク質及びその遺伝子
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