JP2003506314A - 抗ウイルス性、抗寄生生物性または抗腫瘍性の細胞傷害性応答を引き起こす、抗原と一緒になった腸内細菌タンパク質ompaの使用 - Google Patents

抗ウイルス性、抗寄生生物性または抗腫瘍性の細胞傷害性応答を引き起こす、抗原と一緒になった腸内細菌タンパク質ompaの使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、感染細胞もしくは腫瘍細胞に対して向けられた細胞傷害性T応答を引き起こすかまたは増大させる医薬組成物を調製するための、抗原またはハプテンとアソシエートした腸内細菌、特に、Klebsiella pneumoniae のOmpA膜タンパク質の使用に関する。本発明はまた、感染または癌、特に、腫瘍抗原に付随する癌(例えば、黒色腫)を予防および治療するための該化合物の使用、ならびに、該化合物の幾つかを含む医薬組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、感染因子もしくは腫瘍細胞に対して向けられた細胞傷害性T応答を
引き起こすかまたは増加させることを意図した医薬組成物を調製するための、抗
原またはハプテンと一緒になった腸内細菌、特に、Klebsiella pneumoniae の O
mpA 膜タンパク質の使用に関する。本発明は、感染または癌、特に、腫瘍抗原に
コンバインした癌(例えば、黒色腫)を予防および治療するためのこれらの化合
物の使用、さらにこれらの化合物の幾つかを含む医薬組成物を包含する。
【0002】 免疫法はウイルス感染または細菌感染を予防または軽減する有効な手段である
。これらの分野における免疫法キャンペーンの成功によって、今日まで感染学(
infectology)の分野に用いられていたワクチンの概念を癌および自己免疫疾患
の分野に拡大することが可能となった。宿主に対して単独で投与される免疫化抗
原は、しばしば、免疫応答を誘導するに十分なほど免疫原性ではなく、従って、
アジュバントと一緒にするか、またはキャリアタンパク質と結合させて免疫原性
を誘導(または増加)しなければならない。これらの条件下では、体液性の免疫
応答のみが誘導され得る。インビボでのウイルスエピトープに対して向けられた
応答の防御的な役割を示す多くの研究によって証明されている通り(Arvin AM,
1992, J. Inf. Dis., 166, S 35-S41; Koszinowskiら、1987 Immunol. Lett., 1
6, 185-192)、現在、抗ウイルス治療において、ウイルスを認識し、破壊し得る
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を生み出すことは大きな重要性を有する(Bach
mannら、1994, Eur. J. Immunol., 24, 2228-2236; Borrow P., 1997, J. Virol
. Hepat., 4, 16-24)。
【0003】 CTL応答の重要性はまた、抗腫瘍応答、特に、黒色腫細胞に対して向けられ
た抗腫瘍応答においてかなり実証されている(Rivoltiniら、1998, Crit. Rev.
Immunol. 18, 55-63における総説)。CTLエピトープ(単数または複数)(
クラスI分子と相互作用し、CD8+ Tリンパ球に提示されるペプチド配列)
が、幾つかの抗原について明らかにされている。しかし、インビボでのCTLの
作出は、これらのペプチドの弱い免疫原性のために困難である(Melief 1992, A
dv. Cancer Res., 58, 143-175; Nandaz および Sercaz, 1995, Cell 82, 13-17
)。
【0004】 従って、研究は、CTLを誘導せしめる新規のアジュバントを同定すること、
あるいは抗原送達系に向けられている。抗原の提示および免疫系の刺激における
それらの有効性により、例えば、樹状細胞が抗ウイルスCTL応答(Ludewig B
ら、1998, J. Virol., 72, 3812-3818; Brossard P. ら、1997, J. Immunol., 1
58, 3270-3276)あるいは抗癌CTL応答(Nestle F.O. ら、1998, Nat. Med.,
4, 328-332)を引き起こすために用いられる。このアプローチは、エキソビボで
樹状細胞を目的の抗原(ペプチドまたは細胞溶解物)で負荷すること、ならびに
これらの細胞を患者に再移植することにある。他のアプローチは、目的の抗原を
コードする遺伝子で樹状細胞をエキソビボでトランスフェクトすること、ならび
にこれらのトランスフェクトされた細胞を再注入することにある(Gilboa E. ら
、1998, Cancer Immunol. Immunother., 46, 82-87)。これらのアプローチは、
マウス、最近ではヒトにおいて首尾よく使用されているが(Hsu F. J. ら、1996
, Nat. Med., 2, 52-58)、それにもかかわらず、細胞はエキソビボで処理(細
胞の形質転換または抗原の内在化(internalization))され、また宿主生物に
移植されなければならないことから、依然として複雑なままである。同様に、ウ
イルス型粒子の使用(Layton G.T. ら、1993, J. Immunol., 151, 1097-1107)
または、不完全フロイントアジュバント(IFA)の使用(Valmori ら、Eur. J.
Immunol., 1994, 24, 1458-1462)によって、CTL応答を引き起こすことが可
能となる。しかしながら、CTLエピトープに対応するペプチドを用いて実施さ
れる抗ウイルス性または抗腫瘍性免疫化は、このようなアジュバントの存在下で
、特異的な寛容性の状態へと導くことが可能であり、これは、ある場合には、所
望の効果とは反対の効果、すなわち、免疫応答の減少を生じ得る(Toesら、Proc
. Nat. Acad. Sci. USA, 1996, 93, 7855-7860)。
【0005】 従って、現在、分子(特に、抗原またはハプテン)と一緒になると、該分子に
対して向けられたCTLをつくり出すことができる化合物がとても必要とされて
いる。このような化合物は、特に、抗ウイルス性、抗菌性、抗真菌性、抗寄生生
物性、または抗腫瘍性のCTL型の免疫防御を誘導することを意図した免疫化組
成物を調製するために使用され得る。
【0006】 驚くべきことに、グラム陰性菌の外膜タンパク質、特に、腸内細菌 OmpA タン
パク質(例えば、Klebsiella pneumoniae P40 タンパク質(WO 95/27787 および
WO 96/14415 に記載のタンパク質))が、好ましくは、他のアジュバントを添
加する必要なく、これと共有結合的にまたは非共有結合的にアソシエートした分
子に対してCTL応答を導き出す特性を有することが実証されている。
【0007】 従って、本発明は、インビトロまたはインビボ、好ましくはインビボで感染因
子もしくは腫瘍細胞に対する細胞傷害性T応答を引き起こすかまたは増加させる
ことを意図した医薬組成物を調製するため、さらに、該細胞傷害性T応答を引き
起こすかまたは増加させることを意図した医薬組成物を調製するための、腸内細
菌 OmpA タンパク質の使用、そのフラグメントの使用、または該 OmpA タンパク
質もしくはそのフラグメントをコードする核酸配列の使用に関する。
【0008】 本発明において、「タンパク質」との用語は、ペプチドまたはポリペプチドを
共に意味することを意図し、(「outer membrane protein」にちなんだ)「OmpA
」との用語は、A型の外膜タンパク質を意味することを意図する。
【0009】 「OmpA タンパク質のフラグメント」との表現は、特に、OmpA タンパク質のア
ミノ酸配列に含まれるアミノ酸配列の任意のフラグメントを意味することを意図
し、この OmpA タンパク質は、感染因子または腫瘍細胞に特異的な抗原またはハ
プテンと一緒にすると、該感染因子または該腫瘍細胞に対して向けられる細胞傷
害性T応答を引き起こすかまたは増大させることが可能であり、該 OmpA タンパ
ク質のフラグメントは、少なくとも5個のアミノ酸、好ましくは少なくとも10
個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも15個のアミノ酸を含む。
【0010】 「感染因子または腫瘍細胞に特異的な抗原またはハプテン」との表現は、特に
、感染因子(例えば、ウイルス、細菌、酵母、真菌または寄生生物)によって、
あるいは腫瘍細胞によって発現される任意の化合物またはその構造類似体を意味
することを意図し、これらの化合物は、単独で、または免疫アジュバントと一緒
になって、該感染因子または該腫瘍細胞に特異的な免疫応答を誘導することがで
きる。
【0011】 本発明の説明において、「抗原またはハプテンの類似体」との表現は、特に、
該抗原またはハプテンと類似の構造を有する化合物を意味することを意図し、こ
れらの化合物は、該類似化合物で予め免疫した生物中で、該抗原またはハプテン
に対して向けられた免疫応答を誘導することができる。
【0012】 また、本発明の課題は、該医薬組成物が、該腸内細菌 OmpA タンパク質と一緒
になった、該感染因子または該腫瘍細胞に特異的な抗原もしくはハプテンをさら
に含むことを特徴とする、本発明において特許請求されるような使用である。
【0013】 好ましくは、本発明は、該感染因子がウイルス粒子、細菌、酵母、真菌または
寄生生物であることを特徴とする、本発明に特許請求されるような使用を包含す
る。
【0014】 特定の実施態様によれば、本発明は、該腸内細菌 OmpA タンパク質またはその
フラグメントが該腸内細菌の培養物から抽出する方法を使用して得られるもので
あることを特徴とする、本発明において特許請求されるような、腸内細菌 OmpA
タンパク質の使用、またはそのフラグメントの使用を包含する。
【0015】 細菌の膜タンパク質を抽出するための方法は、当業者に公知であり、そして、
本発明の説明に記載しない。例えば、Haeuw J. H. らによって記載された抽出方
法(Eur. J. Biochem, 255, 446-454, 1998)が挙げられるが、これに限定され
ない。
【0016】 別の好ましい実施態様によれば、本発明はまた、該腸内細菌 OmpA タンパク質
、またはそのフラグメントが組換え手段により得られることを特徴とする、本発
明において特許請求されるような、腸内細菌 OmpA タンパク質の使用、またはそ
のフラグメントの使用を包含する。
【0017】 組換えタンパク質を調製するための方法は、現在、当業者に周知であり、本発
明の説明に記載しない:しかし、実施例に記載された方法を参照してもよい。こ
れらの組換えタンパク質を産生するために使用され得る細胞のうち、当然のこと
ながら、細菌細胞(Olins P. O. および Lee S. C., 1993, Recent advances in
heterologous gene expression in E. coli. Curr. Op. Biotechnology 4: 520
-525)、さらに、酵母細胞(Buckholz R. G., 1993, Yeast Systems for the Ex
pression of Heterologous Gene Products. Curr. Op. Biotechnology 4: 538-5
42)、ならびに動物細胞、特に、哺乳動物細胞培養物(Edwards C.P. および Ar
uffo A. , 1993, Current applications of COS cell based transient express
ion systems. Curr. Op. Biotechnology 4: 558-563)、そしてさらに昆虫細胞
(ここでは、例えば、バキュロウイルスに道具を提供する方法が使用され得る)
(Luckow V.A., 1993, Baculovirus systems for the expression of human gen
e products. Curr. Op. Biotechnology 4: 564-572)が言及されるべきである。
【0018】 もっぱら、好ましくは、本発明において特許請求されるような使用は、該腸内
細菌がKlebsiella pneumoniaeであることを特徴とする。
【0019】 特に、本発明は、該 Klebsiella pneumoniae OmpA タンパク質またはそのフラ
グメントのアミノ酸配列が、以下の(a)、(b)または(c)を包含すること
を特徴とする、本発明において特許請求されるような使用に関する: a) 配列表配列番号2の配列のアミノ酸配列; b) 最適アライメントの後、配列表配列番号2の配列と、少なくとも80%
、好ましくは90%そして95%の相同性を有する配列のアミノ酸配列;または c) a)に定義されるような配列の少なくとも5個のアミノ酸、好ましくは
10、15、20および25個のアミノ酸を有するフラグメントのアミノ酸配列
【0020】 「最適アライメントの後、所定の核酸またはアミノ酸配列と少なくとも80%
の相同性を有する核酸またはアミノ酸配列」との表現は、該所定の配列との最適
アライメントの後、該所定の配列と少なくとも80%の同一性パーセンテージ(
percentage identity)を含む配列を意味することを意図する。
【0021】 本発明に関して、2つの核酸配列またはアミノ酸配列間の「同一性パーセンテ
ージ」との用語は、最も良いアライメントの後に得られる、比較した2つの配列
間で同一なヌクレオチドの割合またはアミノ酸残基の割合を意味することを意図
し、この割合は、純統計学的であり、そして2つの配列間の差異はランダムかつ
その全長に渡って分布している。2つの核酸またはアミノ酸配列間の配列比較を
従来どおりこれらの配列を最適にアライメントした後にそれらを比較することに
よって実行し、該比較をセグメントまたは「比較ウインドウ」によって実行し、
配列が類似している局所領域を同定し、比較する。比較のための配列の最適アラ
イメントは、手動による以外、Smith および Waterman の局所ホモロジーアルゴ
リズム(1981)[Ad. App. Math. 2:482]によって、またはNeddleman および Wun
sch の局所ホモロジーアルゴリズム(1970)[J. Mol. Biol. 48: 443]によって
、またはPearson および Lipman の類似性検索方法 (1988)[Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 85: 2444] によって、またはこれらのアルゴリズムを使用したコンピ
ュータソフトウェア(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Comput
er Group, 575 Science Dr., Madison, WI の GAP、BESTFIT、FASTA および TFA
STA あるいは BLAST N または BLAST P 比較ソフトウェアとともに)によって提
供され得る。
【0022】 2つの核酸配列またはアミノ酸配列間の同一性パーセンテージを比較ウインド
ウで最適にアライメントしたこれら2つの配列を比較することによって決定し、
この比較ウインドウにおいては、比較する核酸またはアミノ酸配列の領域は、こ
れら2つの配列間での最適アライメント用の参照配列に対して付加または欠失を
含んでいても良い。同一性パーセンテージは、2つの配列間でヌクレオチドまた
はアミノ酸残基が同一である同一位置の数を決定し、この同一位置の数を比較ウ
インドウの全位置数で除し、得られた結果に100を掛けてこれら2つの配列間
の同一性パーセンテージを得ることによって算出する。
【0023】 例えば、BLAST プログラム「BLAST 2 sequences」を使用しても良く、このプ
ログラムは、サイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/bl2.htmlから入手可能
であり、使用されるパラメータはデフォルトで与えられるパラメータであり、(
特に、「オープンギャップペナルティー」パラメータ:5、および「エクステン
ションギャップペナルティー」パラメータ:2;選択されるマトリックスが、例
えば、このプログラムによって提供される「BLOSUM 62」マトリックスである)
比較する2つの配列間での同一性パーセンテージをこのプログラムで直接計算す
る。
【0024】 参照 OmpA 配列と少なくとも80%の相同性を有する該配列のうち、これと一
緒になった抗原またはハプテンに特異的に向けられるCTL活性(例えば、本明
細書中以下の実施例に記載される標準的な技術を使用して測定されるCTL活性
)を誘導し得るペプチドの配列、またはこのペプチドをコードする配列が好まし
い。
【0025】 本発明はまた、該抗原またはハプテンが以下から選択されることを特徴とする
、本発明において特許請求されるような使用を包含する:該感染因子または該腫
瘍細胞に対するCTL応答を特異的に指示し得るタンパク質、リポペプチド、ポ
リサッカリド、オリゴサッカリド、核酸、脂質、もしくは任意の化合物。
【0026】 本発明の課題はまた、該抗原あるいはハプテンが該 OmpA タンパク質またはそ
のフラグメントと結合しているかもしくはこれらと混合されていることを特徴と
する、本発明において特許請求されるような使用である。
【0027】 本発明はまた、該抗原またはハプテンが、共有結合、特に化学的な結合によっ
て該 OmpA タンパク質またはそのフラグメントと結合していることを特徴とする
、本発明において特許請求されるような使用を包含する。
【0028】 特定の実施態様によれば、本発明において特許請求されるような使用は、1つ
以上の付着エレメントを該 OmpA タンパク質またはそのフラグメントおよび/あ
るいは該抗原またはハプテンに導入して化学的な結合を容易にすることを特徴と
し、好ましくは、導入される該付着エレメントはアミノ酸である。
【0029】 本発明において特許請求されるように、1つ以上の付着エレメント、特に、ア
ミノ酸を導入してOmpA タンパク質またはそのフラグメントと、該抗原またはハ
プテンとの間の結合反応を容易にすることが可能である。本発明において特許請
求されるような、OmpA タンパク質またはそのフラグメントと、該抗原またはハ
プテンとの間の共有結合は、OmpA タンパク質またはそのフラグメントのN末端
もしくはC末端で実施され得る。この結合を可能にする二官能性試薬は、OmpA
タンパク質またはそのフラグメントの末端の官能基(これは結合を実施するため
に選択される)、および結合される該抗原またはハプテンのもともとの官能基に
従って決定される。
【0030】 別の特定の実施態様によれば、本発明において特許請求されるような使用は、
該抗原またはハプテンが事実上ペプチドである場合、該抗原またはハプテンと、
該OmpA タンパク質またはそのフラグメントとの間の結合が遺伝子組換えによっ
て生じることを特徴とする。
【0031】 該 OmpA タンパク質またはそのフラグメントへの結合によって得られるコンジ
ュゲートは、遺伝子組換えによって調製され得る。キメラまたはハイブリッドタ
ンパク質(コンジュゲート)は、該 OmpA タンパク質またはそのフラグメントを
コードするDNA配列に、該抗原またはハプテン(事実上ペプチド)をコードす
る配列を挿入するかまたは付加することによって組換えDNA技術を使用して作
製され得る。
【0032】 ハイブリッド分子を合成するための方法としては、所望のポリペプチド配列を
コードするハイブリッドポリヌクレオチドを構築するための遺伝子操作で使用さ
れる方法が挙げられる。有利には、例えば、D. V. Goeddelによって記載された
、融合タンパク質をコードする遺伝子を得るための技術が参照され得る(Gene e
xpression technology, Methods in Enzymology, Vol. 185, 3-187, 1990)。
【0033】 別の局面によれば、本発明は、医薬組成物が該ハイブリッドタンパク質をコー
ドする核酸構築物を含むか、あるいは該ハイブリッドタンパク質をコードする核
酸構築物を含むベクターもしくは該核酸構築物を含む形質転換宿主細胞(これは
、該ハイブリッドタンパク質を発現し得る)を含むことを特徴とする、本発明に
おいて特許請求されるような使用に関する。
【0034】 本発明はまた、感染因子を排除するかまたは腫瘍増殖を阻害することを意図し
た医薬組成物を調製するための、本発明において特許請求されるような使用を包
含する。
【0035】 好ましくは、本発明において特許請求されるような使用は、感染疾患または癌
、好ましくは、腫瘍抗原に付随する癌を予防または治療することを意図した医薬
組成物の調製に関する。
【0036】 腫瘍が関連腫瘍抗原を発現し、本発明において特許請求されるような使用を用
いて予防または治療され得る癌のなかでも特に以下が挙げられるが、これらに限
定されない: ・乳癌、肺がん、結腸癌ならびに胃癌(Kawashimaら、1999、Cancer Res. 59:431-5); ・中皮腫、骨肉腫、脳の癌(Xieら、1999, J. Natl. Cancer. Inst. 91:169- 75); ・黒色腫(Zheutenら、1998, Bratilsl. Lek. Listy 99:426-34); ・膵臓の嚢胞性線腫(cystic adinoma)(Hammelら、1998, Eur. J. gastroen terol. Hepatol. 10: 345-8); ・結腸直腸の癌(Oguraら、1998, Anticancer Res. 18:3669-75); ・腎細胞癌(Jantzerら、1998, Cancer Res. 58: 3078-86);および ・卵巣の癌および子宮頚の癌(Sonodaら、1996, Cancer. 77: 1501-9)。
【0037】 本発明の課題は、特に、ウイルス、細菌、真菌または寄生生物に起因する感染
疾患、または好ましくは腫瘍抗原に付随する癌、特に黒色腫を予防または治療す
ることを意図した医薬免疫化組成物を調製するための、本発明において特許請求
されるような、特に、腸内細菌 OmpA タンパク質またはそのフラグメントの使用
である。
【0038】 本発明はまた、該医薬組成物が、その安定性および/またはその免疫原性を改
善せしめる形態で、特にリポソームの形態でビヒクル化(vehicled)されるこ
とを特徴とする、本発明において特許請求されるような使用を包含する。
【0039】 好ましくは、本発明は、該ビヒクルが、該 OmpA タンパク質もしくはそのフラ
グメント、該抗原もしくはハプテン、または該ハイブリッドタンパク質をコード
する核酸構築物を含むウイルスベクター、あるいは該 OmpA タンパク質もしくは
そのフラグメント、該抗原もしくはハプテン、または該ハイブリッドタンパク質
を発現し得る形質転換宿主細胞であることを特徴とする、本発明において特許請
求されるような使用を包含する。
【0040】 本発明はまた、該核酸構築物、あるいは該ベクターまたは該形質転換宿主細胞
中に含められる核酸構築物が、配列表配列番号1の配列、配列表配列番号1の配
列の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、好ましくは20、25、30、
40および50個の連続したヌクレオチドを有するそのフラグメント、あるいは
、最適アライメントの後、該配列のうちの1つと少なくとも80%、好ましくは
90%そして95%の相同性を有する配列から選択される核酸配列を含むことを
特徴とする、本発明において特許請求されるような使用を包含する。
【0041】 別の局面によれば、本発明は、本発明において特許請求されるような使用にお
いて、上記で定義した医薬組成物を包含する。
【0042】 これらの組成物のうち、腫瘍細胞に関連しているかまたは腫瘍細胞に特異的な
少なくとも1つの抗原または1つのハプテンと混合もしくは結合によって一緒に
なった少なくとも1つの腸内細菌 OmpA タンパク質もしくはそのフラグメントを
医薬的に受容可能な媒体中に含むことを特徴とする医薬組成物が好ましい。
【0043】 本発明の目的に関して、医薬的に受容可能な媒体は、本発明の化合物が投与さ
れる媒体、好ましくは、ヒトに注射され得る媒体である。これは、水、生理食塩
水溶液、またはデキストロースおよび/もしくはグリセロールに基づく水溶液か
らなり得る。
【0044】 ある特定の実施態様によれば、本発明において特許請求されるような組成物は
デタージェントをさらに含む。
【0045】 本発明において特許請求されるような組成物はデタージェント、特に任意のタ
イプの医薬的に受容可能な界面活性剤(例えば、アニオン性、カチオン性、非イ
オン性または両性の界面活性剤など)をさらに含み得る。好ましくは、デタージ
ェント類 Zwittergent 3-12およびオクチルグルコピラノシド、さらにより好ま
しくは、Zwittergent 3-14が使用される。
【0046】 好ましくは、本発明において特許請求されるような医薬組成物は、該腸内細菌
の培養物から抽出する方法を使用してあるいは組換え手段により該腸内細菌Om
pAタンパク質またはそのフラグメントを得ることを特徴とする。
【0047】 また、好ましくは、本発明において特許請求されるような医薬組成物は、該腸
内細菌が Klebsiella pneumoniae であることを特徴とする。
【0048】 好ましい実施態様によれば、本発明は、該 OmpA タンパク質またはそのフラグ
メントのアミノ酸配列が、以下: a) 配列表配列番号2の配列のアミノ酸配列; b) 配列表配列番号2の配列と少なくとも80%の相同性を有する配列のア
ミノ酸配列;または c) a)に定義した配列の少なくとも5個のアミノ酸、好ましくは10、1
5、20そして25個のアミノ酸を有するフラグメントのアミノ酸配列、 を含むことを特徴とする本発明において特許請求されるような組成物に関する。
【0049】 本発明において特許請求されるような組成物の一部である抗原またはハプテン
のうち、腫瘍細胞にCTL応答を特異的に指示し得るペプチド、リポペプチド、ポ
リサッカリド、オリゴサッカリド、核酸、脂質、もしくは任意の化合物から選択
される抗原またはハプテンが好ましい。
【0050】 同様に好ましい実施態様によれば、本発明は、該抗原またはハプテンが共有結
合によって、特に化学合成によって生じる結合によって該 OmpA タンパク質また
はそのフラグメントと結合していることを特徴とする本発明において特許請求さ
れるような組成物に関し、この結合において、適切な1つ以上の付着エレメント
(例えば、アミノ酸)を該 OmpA タンパク質またはそのフラグメントおよび/あ
るいは該抗原またはハプテンに導入して該化学的な結合を容易にしても良い。
【0051】 同様に好ましい実施態様によれば、本発明は、該抗原またはハプテンが事実上
ペプチドである場合、該抗原またはハプテンと、該OmpA タンパク質またはその
フラグメントとの間の結合が遺伝子組換えによって生じること(ハイブリッドタ
ンパク質の発現)を特徴とする本発明において特許請求されるような組成物に関
する。
【0052】 従って、本発明はまた、医薬組成物が該ハイブリッドタンパク質をコードする
核酸構築物(該核酸構築物はベクター中、あるいは該ハイブリッドタンパク質を
発現し得る形質転換宿主細胞中に含まれ得る)を含むことを特徴とする本発明に
おいて特許請求されるような組成物に関する。
【0053】 好ましい実施態様によれば、本発明は、配列表配列番号1の配列、配列表配列
番号1の配列の少なくとも15個の連続したヌクレオチドを有するそのフラグメ
ント、あるいは該配列のうちの1つと少なくとも80%の相同性を有する配列か
ら選択される核酸配列を該核酸構築物が含むことを特徴とする、本発明において
特許請求されるような組成物に関する。
【0054】 本発明において特許請求されるような組成物のうち、医薬組成物の安定性およ
び/またはその免疫原性を改善せしめる形態、特に、リポソームの形態、該 Omp
A タンパク質もしくはそのフラグメント、該抗原もしくはハプテン、または該ハ
イブリッドタンパク質をコードする核酸構築物を含むウイルスベクターの形態、
該 OmpA タンパク質もしくはそのフラグメント、該抗原もしくはハプテン、また
は該ハイブリッドタンパク質を発現し得る形質転換宿主細胞の形態でビヒクル化
された医薬組成物もまた好ましい。
【0055】 最後の局面によれば、本発明において特許請求されるような組成物は、腸内細
菌 OmpA タンパク質またはそのフラグメント、あるいは該 OmpA タンパク質また
はそのフラグメントをコードする核酸構築物、CTL応答を誘導するための本発
明において特許請求されるような組成物の特徴的な構成要素以外は他のCTL応
答を誘導するためのアジュバントを含まないことを特徴とする。
【0056】 以下の図面および実施例の説明に本発明を説明するが、本発明の範囲を何ら制
限するものではないことを意図する。
【0057】 (図面の説明) 図1A、1B、1Cおよび1D:エフェクター細胞の抗MELAN−Aおよび
抗TRP−2 CTL活性の測定 3μgのrP40と混合した50μgのhELA(図1A)、300μgのr
P40と混合した50μgのhELA(図1B)、rP40と結合した50μg
のhELA(図1C)、または300μgのrP40と混合した50μgのTR
P−2ペプチド(図1D)で免疫した後、放射線照射し、1μMの関連ペプチド
で予めパルスしたEL−4 A2/Kb細胞(図1A、1Bおよび1C)または
EL−4細胞(図1D)で排出(draining)リンパ節(lymph mode)細
胞を刺激し、関連ペプチドで予めパルスされているか(正方形)または予めパル
スされていない(菱型)標的細胞を死滅させるその能力を評価する。
【0058】 図1A〜1DのX軸の点は、標的細胞(EL−4 A2/KbまたはEL−4
)と共に混合したエフェクターT細胞(活性リンパ球)の比に対応する。
【0059】 図2A、2B、2Cおよび2D:標準の免疫化プロトコールを用いて得たCT
L活性と比較した、rP40タンパク質の存在下でのエフェクター細胞の抗ME
LAN−A CTL活性の測定。 hELA(50μg)単独(ELA、図2A)、300μgのrP40と混合
したhELA(ELA + P40、図2B)、300μgのrP40と結合し
たhELA(ELA/P40、図2C)、またはIFAでアジュバント化した5
0μgのP30ペプチドと混合したhELA(ELA + IFA + TT、
図2D)(IFAとは不完全フロイントアジュバントを表し、TTとは破傷風毒素を
表す)で免疫し、放射線照射し、1μMの関連ペプチドで予めパルスしたEL−
4 A2/Kb細胞でインビトロで2週間排出リンパ節細胞を刺激し、hELA
ペプチドで予めパルスされているか(正方形)または予めパルスされていない(
三角)EL−4 A2/Kb標的細胞を死滅させるその能力を評価する。
【0060】 図3A、3B、3Cおよび3D:rP40 + TRP−2ペプチドでの免疫
によるCTL活性および抗腫瘍効果。 図3A:TRP−2ペプチドとrP40との混合物で免疫し、このペプチドに
特異的なCTL応答を誘導する。300μgのrP40と混合した50μgのT
RP−2ペプチドをC57BL/6マウスに皮下注射した。10日後、リンパ節
を分離し、放射線照射したEL−4細胞(TRP−2ペプチドでパルスしたか(
正方形)またはパルスしていない(菱形))で再刺激した。
【0061】 図3B、3Cおよび3D:C57BL/6マウスに2×103細胞のB16F
10自己黒色腫を側腹に皮下注射した。同時に(図3Bおよび図3D)、または
4日後(図3C)に、300μgのrP40と混合した50μgのRTP−2ペ
プチドでこれらのマウスの何匹かを皮下注射(尾の基部)により免疫し(○)、
他のマウスをP40タンパク質単独(黒四角、図3Bおよび3C)、またはTR
P−2ペプチド単独(黒四角、図3D)で免疫した。移植後18日目から、腫瘍
の容量を測定した。
【0062】 図4A、4Bおよび4C:p257−264OVAペプチドと結合したrP4
0タンパク質で免疫した後の抗OVA CTL活性の測定。 C57BL/6マウスの尾の基部に200μgのP40−Ova(黒四角)、
Ova結合ビーズ(○)、可溶性Ova(□)、Ova−BS3(黒三角)(B
3とはビス(スクシンイミジル)基質を表す)、P40(△)、またはDT−
Ova(●)(DTはジフテリア毒素を表す)を皮下注射した。
【0063】 50μg/mlのOVAペプチドでパルスした(図4B)、またはパルスして
いない(図4C)、あるいはOVA遺伝子でトランスフェクトした(E.G7株
)(図4A)EL4胸腺腫標的細胞を51Crと共に37℃でインキュベートし、
そしてエフェクター細胞と共に培養する。
【0064】 (実施例1:Klebsiella pneumoniae P40 タンパク質をコードする遺伝子のク ローニング ) Klebsiella pneumoniae IP I145 のゲノムDNAを使用し、PCR増幅法によって、
P40 タンパク質をコードする遺伝子を得た(Nguyenら、Gene, 1998)。種々のプロ
モーターの制御下、特に、Trp オペロンの制御下で、この遺伝子をコードす
る遺伝子フラグメントを種々の発現ベクターに挿入する。本明細書中、以下にP
40タンパク質のヌクレオチド配列およびペプチド配列を配列表配列番号1およ
び配列表配列番号2の配列で表す。E. coli K12 プロデューサー菌株を pvaLP40
発現ベクターで形質転換した。組換え P40 タンパク質(rP40という)を封入体
形態でかなりの収率で得る(>10% gタンパク質/g乾燥生物体量)。
【0065】 この実施例は、rP40 タンパク質の発現の単なる例示であり、この例示は、他
の細菌菌株および他の発現ベクターまで適用範囲を拡大することができる。
【0066】 (実施例2:rP40融合タンパク質の発酵方法) アンピシリン(100μg/ml、Sigma)およびテトラサイクリン(8μg/ml、Sigma
)を含む250mlのTSB(Tryptic Soy Broth, Difco)培地が入ったエルレンマイヤ
ーフラスコに上記の形質転換したE.coli菌株を接種する。37℃で一晩インキュベ
ーションした後、この培養液のうち200mlを使用して、発酵槽(Biolaffite, Fra
nce)中2リットルの培養培地に播種する。極めて従来的なやり方で、高密度細
菌細胞増殖を促進することが公知である、ビタミン類および/または酵母抽出物
を補充した化学薬剤から培養培地を構成しても良い。
【0067】 発酵中に制御されるパラメータは:pH、攪拌、温度、酸素付与レベルおよび併
用される源(グリセロールまたはグルコース)の供給レベルである。一般的に、
pHを7.0に調節し、温度を37℃に固定する。一定速度(12ml/h)でグリセロール
(87%)を供給することで増殖を制御し、溶存酸素テンションシグナルを30%に
維持する。培養液の混濁度(580nmで測定する)が80の値に到達すると(約24時
間培養した後)、最終濃度25mg/lのインドールアクリル酸(IAA)を添加するこ
とによってタンパク質産出物を処理する。誘導して約4時間後、細胞を遠心分離
によって回収する。得た湿生物体量の量は約200gである。
【0068】 (実施例3:rP40 タンパク質の抽出および精製方法) (rP40 の抽出) 培養ブロスを遠心分離(4000rpm(revolutions per minute)、10分、4℃)し
た後、細胞を25mM Tris-HCl緩衝液(pH8.5)中に再懸濁する。不溶性成分、すな
わち封入体をリゾチームで処理(0.5g/リットル、緩やかに攪拌しながら室温で1
時間)した後に得る。5mM MgCl2を含む25mM Tris-HCl緩衝液(pH8.5)中に遠心分
離(10,000g、4℃で15分)によって得られた封入体のペレットを取り、次いで
、遠心分離(10,000gで15分)する。
【0069】 7M 尿素(変性剤)および10mMのジチオスレイトール(ジスルフィド架橋の還
元)を含む25mM Tris-HCl緩衝液(pH8.5)中、37℃2時間で封入体を可溶化する。
遠心分離(10,000gで15分)によって、不溶性粒子の排除が可能となる。
【0070】 次いで、NaCl(8.76g/l)およびZwittergent 3-14(0.1%、w/v)を含む13容量の
25mM Tris-HCl緩衝液(pH8.5)中にこれを再懸濁する。この溶液を空気と接触させ
て緩やかに攪拌しながら室温で一晩放置する(希釈およびジスルフィド架橋の再
酸化によってタンパク質の再生を促進するため)。
【0071】 (rP40タンパク質の精製) − 陰イオン交換クロマトグラフィー工程 更に遠心分離した後、0.1% Zwittergent 3-14を含む25mM Tris-HCl緩衝液(pH
8.5)(100容量の緩衝液)に対して溶液を4℃で一晩透析する。
【0072】 上記の緩衝液中で平衡化した強陰イオン交換型の支持体(Biorad Macro Prop
High Q ゲル)を含むカラムにこの透析物を直線流速(linear flow rate)15cm/
hでロードする。タンパク質を280nmで検出する。25mM Tris-HCl緩衝液(pH8.5:0
.1% Zwittergent 3-14)中0.2MのNaCl濃度で、rP40タンパク質を60cm/hの直線
流速で溶出する。
【0073】 − 陽イオン交換クロマトグラフィー工程 rP40タンパク質を含むフラクションをプールし、そして約100mlの容量ではYM-
10型Diaflo メンブラン(10kDaカットオフ閾値)を共に使用して攪拌しながらAm
icon cell systemを用いる限外濾過によって、あるいは、より大容量では10kDa
カットオフ閾値を有する膜プレートを共に使用したMillipore Minitan tangenti
al flow filtration systemを用いる限外濾過によって濃縮する。0.1%のZwitte
rgent 3-14を含む20mM クエン酸緩衝液(pH3.0)に対して、このように濃縮した
フラクションを4℃で一晩透析する。
【0074】 0.1%のZwittergent 3-14を含む20mM クエン酸緩衝液(pH3.0)中で平衡化し
た強陽イオン交換型の支持体(Biorad Macro Prep High S ゲル)を含むカラム
にこの透析物をロードする。rP40タンパク質を0.7M NaCl濃度で溶出する(速度6
1cm/h)。電気泳動プロファイルは約95%程度の純度を示す。タンパク質の状態
をSDS-PAGEでモニターする。Klebsiella pneumoniae 膜から抽出したP40タンパ
ク質は、変性型または天然型であるかに依存して特徴的な電気泳動(移動)挙動
を有する。実際、天然型(βシート構造)の方が、変性剤(例えば、尿素または
グアニジン塩酸塩)の作用によってあるいはSDSの存在下に100℃で加熱すること
によって変性させた形態(αへリックス構造)よりも低い分子量を有する。後者
を0.1%(w/v)Zwittergent 3-14の存在下または非存在下で実施するかに関わら
ず、rP40タンパク質は再生終了時には適切に再生されていない。他方、完全な再
生は、0.1%(w/v)Zwittergent 3-14を含む25mM Tris/HCl緩衝液(pH8.5)に対し
て透析した後に得られる。しかし、この再生は、希釈工程および室温での処理そ
のものがZwittergent 3-14の存在下で実施される場合にのみ得られることに留意
すべきである(デタージェントの非存在下ではネガティブな結果)。
【0075】 (実施例4:CTLの作出) 黒色腫細胞に対して向けられた抗腫瘍CTL応答は、幾つかの抗原において明ら
かにされている。これらの抗原は、以下の3つのカテゴリーのうちの1つに含ま
れる: a)黒色腫に特異的な拒絶抗原、例えば、MAGEファミリーの抗原(van der Brug
genらによる総説、Science 254:1643); b)正常なタンパク質の変異によって生じる抗原。このグループとしてはMUM-1
(Coulieら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:7976-7980(1995)); CDK4(Wolfe
lら、Science, 296:1281-1284(1995))およびHLA-A2(Brandelら、J. Exp. Med.
183:2501-2508(1996))が挙げられる; c)黒色腫およびメラノサイトによって発現される分化抗原。このグループとし
てはチロシナーゼ(Wolfelら、Eur. J. Immunol. 4:759(1994)およびBrichardら
、Eur. J. Immunol. 26:244(1996)):gp100(Kangら、J. Immunol. 155:1343(199
5)、Coxら、Science 264:716(1994)およびKawakamiら、J. Immunol. 155:3961(1
995));gp75(Wangら、J. Exp. Med. 183:1131(1996))、ならびにMart-1/MelanA
(米国特許第5,620,886号を参照のこと)が挙げられる。
【0076】 これら全ての抗原のなかでも、Mart-1/MelanA は、幾つかの理由から、免疫治
療の用途に対し最良の候補であるようである。第一に、この抗原はインビトロで
の末梢の血球のCTL応答に基づいてではなく、インビボでの黒色腫に浸潤するリ
ンパ球のCTL応答に基づいて同定されたものである。このことは、インビボで黒
色腫に対する自然応答におけるこの抗原のより深い関与を示唆する(Kawakamiら
、J. Exp. Med. 180:347(1994))。さらに、Mart-1/MelanAは試験した全ての黒
色腫で発現していて、このことから、Mart-1/MelanAは免疫療法による介入に好
ましい標的となる。最後に、Mart-1/MelanA 由来のペプチドは、HLA-A2 組織適
合性抗原を発現する黒色腫に罹患した患者において特異的なCTL応答を誘導し得
る(Rivoltiniら、J. Immunol. 154: 2257(1995);Valmoriら、J. Immunol. 160:
1750(1998))。
【0077】 HLA-A2は白人で発現される最も共通した対立遺伝子である。Mart-1/MelanAのC
TLのエピトープはこの対立遺伝子に対して明らかとなっている。大半のヒトCTL
株によって認識される抗原性ペプチドとしてはアミノ酸27-35 AAGIGILTVが挙げ
られる(Kawakamiら、J. Exp. Med. 180:347(1994))。さらに、HLA-A*0201との
結合親和性およびCTLクローンによる認識についての研究によって、これらの2つ
の機能に最適なペプチドが26-35デカペプチド EAAGIGILTVであることが実証され
た(Romeroら、J. Immunol. 159:2366(1997))。しかし、これらのペプチドは、
インビトロ(Valmoriら、J. Immunol. 160:1750(1998))、およびインビボ(Jae
gerら、Int. J. Cancer 66:162(1996))で免疫性が弱いようである。
【0078】 Mart-1/MelanA のTエピトープのアミノ酸配列をA*0201のペプチドモチーフ(
Rammenseeら、Immunogenetics 41:178(1995))と比較すると、26-35および27-35
のペプチドは2位に非優性のアンカー残基を有するのでHLA-A*0201分子を弱く結
合するようである(Kawakamiら、J. Immunol. 154:3961(1995))。これによって
、その弱い免疫原性が説明されるかもしれない。公開番号 WO 98/58951 の国際
特許出願は26-35ペプチドの類似体について記載しており、ここで、2位のアラニ
ンはロイシンで置換されている(配列表配列番号3のELAとよばれる配列)。
【0079】 以下の実験で使用されるhELAペプチドはInstitut Ludwig de Recherche sur l
e Cancer [Ludwig Cancer Research Institute]が所有する特許出願 WO 98/5895
1の主題である。hELAは、Melan-A/MART-1の26-35デカペプチド(EAAGIGILTV)の
類似体であり、これは、メラノサイトおよび黒色腫で発現されるタンパク質であ
る。Melan-A/MART-1の26-35デカペプチドはHLA-A0201分子に結合し得るが(Rome
roら、1997, J. Immunol. 159, 2366-2374)、インビトロおよびインビボでの免
疫原性は弱い(Valmoriら、1998, J.Immunol. 160, 1750-1758)。Melan-A/MART
-1の26-35デカペプチドの二番目のアミノ酸(アラニン)をロイシンで置換する
ことによってhELA類似体をつくり出した。HLA-A0201分子にペプチドを固定する
のに必要な残基の分析に基くこの置換の結果は、黒色腫に罹患した患者のCTLに
よるさらに効果的な認識およびさらに良好なインビトロでの免疫原性である(Va
lmoriら、1998, J. Immunol. 160, 1750-1758)。C57Bl/6 × BDA/2株のHLA-A*0
201/Kb(A2/Kb)トランスジェニックマウス(Vitielloら、1991, J. Exp. Med.,
173, 1007-1015)をこの研究に使用し、ELAを試験した。これらのマウスで発現
するクラスI MHC分子は、ヒトHLA-A0201分子(発見された最も共通したアロタイ
プ)のα1およびα2ドメイン、ならびにネズミKb分子のα3ドメインから作
製されるキメラ分子である。
【0080】 配列表配列番号4の配列のTRP-2ペプチドは、チロシナーゼ関連タンパク質2
(TRP-2)のアミノ酸181-188(VYDFFVWL)に対応するオクタペプチドである。TR
P-2はメラノサイトおよび黒色腫で発現している。C57BL/6(H-2Kb)マウスにお
いて黒色腫から防御するCTL応答を、この抗原が誘導することが実証されている
(Bloomら、1997, J. Exp. Med. 185, 453-459)。
【0081】 (A:Melan-A またはTRP-2の類似体であるペプチドと混合したrP40で免疫した 後の抗Melan-Aおよび抗TRP-2 CTLの作出 ) (実験プロトコール) A2/Kbマウスの尾の基部に、 − 3または300μgのrP40と混合した50μgのELA; − 300μgのrP40と共有結合させた50μgのELA; を皮下注射した。
【0082】 C57BL/6マウスの尾の基部に − 300μgのrP40と混合した50μgのTRP-2ペプチド(181-188) を皮下注射した。
【0083】 (細胞傷害性エフェクター細胞の作出) 免疫して10日後、マウスを屠殺し、そして排出リンパ節からリンパ球を回収し
、インビトロで関連ペプチドで刺激する。
【0084】 放射線照射(10kRad)し、そして1μMの関連ペプチドで37℃、1時間予めパル
スした2〜5×105 EL-4 A2/Kb細胞またはEL-4細胞と共に24ウェルプレート(10m
M HEPES、10% FCSおよび50μM β-2-メルカプトエタノールを加えたDMEM中)中
でこれらのリンパ球(4〜5×106)を培養する。2週間毎に刺激した後、細胞
をその細胞傷害活性についてアッセイする。
【0085】 (細胞傷害活性の測定) 関連ペプチドの存在下または非存在下にEL-4 A2/Kb細胞またはEL-4細胞を51Cr
とともに1時間インキュベートし、洗浄し、次いで、37℃、4〜6時間、200μlの
容量で96-ウェルプレート中、様々な比でエフェクター細胞と共にインキュベー
トする。次いで、細胞を遠心分離し、100μlの上清における51Cr放出を測定する
。特異的な溶解の割合を、以下のようにして計算する: % 特異的な溶解 = (実験での放出−自発的な放出)/(全放出−自発的
な放出)×100。
【0086】 (結果) 図1A〜図1Dに示すように、hELA(図1B)またはTRP-2(図1D)との混
合物中、最適用量のrP40(300μg)でマウスを免疫すると、強く特異的なCTL
応答が誘導される。このような応答はまた、hELAと結合したrP40で免疫した後に
も観測される(図1C)。対して、ペプチド単独またはrP40単独での免疫(結果
は示さない)あるいは準最適用量のrP40(3μg)を含む混合物中、hELAペプチド
で免疫してもCTL活性は全く誘導されない(図1A)。これらの結果は、免疫原
性ペプチドと混合したかまたは結合したrP40分子によって、アジュバントを添加
することなく特異的なCTL応答をインビボで誘導することが可能となることを
実証している。
【0087】 (B:標準的な免疫化プロトコールと比較した、Melan-Aの類似体であるペプ
チドと混合したrP40で免疫した後の抗Melan-A CTLの作出) (実験プロトコール) A2/Kbマウスに、 − 尾の基部に、50μlのIFA(不完全フロイントアジュバント)、次いで、3
週間後、IFAでアジュバント化した破傷風毒素(TT)(Panina-Brodignonら、Eur.
J. Immunol., 1989, 19, 2237)から誘導した50μgのヘルパーT p30ペプチド
の存在下で、50μgのhELA、 を皮下注射した。このプロトコールは、抗ペプチドCTLをつくり出すことが記載
されており(Valmoriら、Eur. J. Immunol., 1994, 24, 1458)、そして陽性コ
ントロールとして使用する。 − 50μgのhELA単独、または50μgのhELAと混合するかまたは結合した300μg
のrP40。
【0088】 (細胞傷害性エフェクター細胞の作出) 最後に免疫して10日後、マウスを屠殺し、そして排出リンパ節からリンパ球を
回収してインビトロで関連ペプチドで刺激する。
【0089】 放射線照射(10kRad)し、そして1μMの関連ペプチドで37℃1時間予めパルス
した2〜5×105 EL-4 A2/Kb細胞(HLA-A*0201/Kb遺伝子でトランスフェクトした
マウス細胞)と共に、24ウェルプレート(10mMのHEPES、10% FCSおよび50μM
β-2-メルカプトエタノールを加えたDMEM中)中でこれらのリンパ球(4〜5×
106)を培養する。
【0090】 1、2または3週間毎に刺激した後、細胞をそれらの細胞傷害活性についてアッ
セイする。
【0091】 細胞傷害活性を、上述の記載の方法に従って測定する。
【0092】 (結果) hELAと結合したアジュバント化されていないrP40で免疫した後、hELA + P3
0/IFAで免疫した後に観測されるものに匹敵する抗hELA CTL活性が測定される(
図2Cおよび図2Dを参照のこと)。同様に、rP40 + hELAペプチド混合物(こ
れもまた、それ自体はアジュバント化されていない)は、CTLをつくり出すため
の従来のプロトコールを用いて得られる方法と同様の方法でCTLを作出する(図
2Bおよび2Dを参照のこと)。
【0093】 エフェクター細胞を刺激した日に関係なく、ペプチド単独(図2Aを参照のこ
と)またはrP40タンパク質単独(示さず)で免疫した後では、CTL活性は検出さ
れなかった。
【0094】 (実施例5:rP40の混合物およびマウス黒色腫によって発現されるペプチドの 混合物での免疫による抗腫瘍効果 ) rP40が抗腫瘍CTL応答を引き起こす能力を評価するために、rP40タンパク質が
配列表配列番号4(VYDFFVWL)の配列のペプチドに対して向けられたCTL応答を誘
導する能力を試験した。C57BL/6マウス由来のB16F10黒色腫によって発現される
チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP-2)から、配列表配列番号4(VYDFFVWL)の
配列のペプチドを誘導する。この株においてこのペプチドは免疫原性である。次
いで、rP40の混合物およびTRP-2ペプチドの混合物で免疫した、または免疫して
いないC57BL/6マウスに移植したB16F10細胞の増殖を測定した。
【0095】 (実験プロトコール) 抗TRP-2ペプチドCTL応答を引き起こすために、実施例4に記載したプロトコー
ルと同一のプロトコールを使用したが、ただし、この場合、C57BL/6マウスを使
用した。
【0096】 防御実験において、2×103細胞のB16F10自己黒色腫をC57BL/6マウスの側腹
に皮下(s.c.)注射した。同時に、または4日後、300μgのrP40と混合した50μg
のTRP-2ペプチドでこれらのマウスのうち数匹を皮下(尾の基部に)注射によっ
て免疫した。次いで、この腫瘍の増殖を定期的に測定した。
【0097】 (結果) 図3Aから分かるように、TRP-2ペプチドの混合物およびRP40タンパク質の混
合物での免疫によってこのペプチドに特異的なCTL応答を引き起こすことが可能
となり、hELAタンパク質で得られた結果(実施例4に記載)はこれによって立証
される。さらに、このCTL応答はB16F10黒色腫の増殖の阻害に関連する(図3B
、3Cおよび3D)。腫瘍の移植と同時にTRP-2ペプチド + rP40での免疫を実
行した場合(図3Bおよび3D)だけでなく、移植の4日後に実行した場合(図
3C)でもこの防御が有意であることに留意することは非常に重要である。
【0098】 これらの結果から、癌(例えば、黒色腫)を予防または治療する際に効果的で
ある特異的なCTL型の応答を誘導する、抗原性の腫瘍ペプチドと一緒になった
腸内細菌 OmpAタンパク質(例えば、K. pneumoniae OmpA タンパク質)を用いた
治療効果が明らかである。
【0099】 (実施例6:p257-264 Ovaペプチドと結合したrP40で免疫した後の抗OVA CTL
の作出) p257-264 Ovaペプチドは、オブアルブミン配列の257〜264位のアミノ酸間(そ
の両端を含む)にあるオブアルブミンコンセンサス配列のフラグメントに相当す
るオクタペプチドである。オブアルブミンを発現する腫瘍細胞から保護するペプ
チドとしてオブアルブミンを使用する。
【0100】 (実験プロトコール) C57BL/6マウスの尾の基部に200μgのP40-Ova(黒四角)、Ova結合ビーズ(○
)、可溶性Ova(□)、Ova-BS3(黒三角)(BS3とはビス(スクシンイミジル)
基質を表す)、P40(△)、またはDT-Ova(●)(DTはジフテリア毒素を表す)
を皮下注射した。
【0101】 (細胞傷害性エフェクター細胞の作出) 免疫の7日後、マウスを屠殺し、脾臓を回収する。脾臓細胞(4×107)を放
射線照射(4kRad)した1.5×106個のE. G7細胞とともにフラスコ(DMEM中
)中で培養する。
【0102】 (細胞傷害活性の測定) OVAペプチドでパルスした、もしくはパルスしていないか、またはova遺伝子で
トランスフェクトした(E. G7株)EL4胸腺腫細胞を51Crと共に37℃でインキュベ
ートし、上記のようにして得られたエフェクター細胞と共に培養する。
【0103】 特異的な溶解の割合を実施例4Aに記載したようにして計算する。
【0104】 (結果) 図4A〜4Cに示すように、OVAペプチドと結合したかまたは混合したrP40タ
ンパク質でマウスを免疫すると、強く特異的なCTL応答が誘導される。この応答
は、陽性コントロール(すなわち、オブアルブミン結合ビーズ)で免疫した後に
観測される応答と同様である(図4Aおよび4Bを参照のこと)。対して、可溶
性オブアルブミン、ova-BS3およびDT-Ovaでの免疫は効果的ではない。これらの
結果は、免疫原性ペプチドと結合したrP40モジュールによって、アジュバントを
添加することなくインビボでの特異的なCTL応答を誘導することが可能となるこ
とを実証する。
【0105】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A、1B、1Cおよび1D:エフェクター細胞の抗MELAN−Aおよび
抗TRP−2 CTL活性の測定。
【図2】 図2A、2B、2Cおよび2D:標準の免疫プロトコールを用いて得たCTL
活性と比較した、rP40タンパク質の存在下でのエフェクター細胞の抗MEL
AN−A CTL活性の測定。
【図3】 図3A、3B、3Cおよび3D:rP40 + TRP−2ペプチドでの免疫
によるCTL活性および抗腫瘍効果。
【図4】 図4A、4Bおよび4C:p257−269 OVAペプチドと結合したrP
40タンパク質で免疫した後の抗OVA CTL活性の測定。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/385 A61K 39/385 4C087 39/39 39/39 4H045 47/42 47/42 A61P 31/04 A61P 31/04 31/10 31/10 31/12 31/12 33/00 33/00 35/00 35/00 // A61K 35/12 A61K 35/12 C07K 14/26 C07K 14/26 19/00 19/00 C12N 1/21 C12N 1/21 15/09 ZNA 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA01 CA02 GA11 4B065 AA01X AA01Y AB01 AC20 CA24 CA44 4C076 CC07 CC27 DD51 EE41 EE57 EE59 FF68 4C085 AA02 AA38 BA02 BA07 BA51 BB11 BB13 BB23 BB24 BB50 CC07 DD21 EE01 EE03 EE06 FF24 4C086 AA01 AA02 EA16 MA02 MA05 NA14 ZB26 ZB33 ZB35 ZB37 4C087 AA01 AA02 BB63 BC83 CA04 CA16 MA05 MA66 NA10 NA14 ZB26 ZB33 ZB35 ZB37 4H045 AA30 BA41 CA11 DA86 EA29 FA74

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感染因子または腫瘍細胞に対する細胞傷害性T応答を引き起
    こすかまたは増加させることを意図した医薬組成物を調製するための、腸内細菌
    OmpAタンパク質もしくはそのフラグメントの使用。
  2. 【請求項2】 該医薬組成物が、該腸内細菌 OmpA タンパク質と一緒になっ
    た、該感染因子または該腫瘍細胞に特異的な抗原またはハプテンをさらに含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の使用。
  3. 【請求項3】 該感染因子がウイルス粒子、細菌または寄生生物であること
    を特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載の使用。
  4. 【請求項4】 該腸内細菌 OmpA タンパク質またはそのフラグメントが該腸
    内細菌の培養物から抽出する方法を使用して得られるものであることを特徴とす
    る、請求項1〜3の1項に記載の使用。
  5. 【請求項5】 該腸内細菌 OmpA タンパク質またはそのフラグメントが組換
    え手段により得られることを特徴とする、請求項1〜3の1項に記載の使用。
  6. 【請求項6】 該腸内細菌が Klebsiella pneumoniae であることを特徴と
    する、請求項1〜5の1項に記載の使用。
  7. 【請求項7】 該 OmpA タンパク質またはそのフラグメントのアミノ酸配列
    が、以下: a) 配列表配列番号2の配列のアミノ酸配列; b) 配列表配列番号2の配列と少なくとも80%の相同性を有する配列のア
    ミノ酸配列;または c) a)に定義した配列の少なくとも5個のアミノ酸を有するフラグメント
    のアミノ酸配列、 を含むことを特徴とする、請求項6に記載の使用。
  8. 【請求項8】 該感染因子または該腫瘍細胞に対するCTL応答を特異的に指
    示し得るペプチド、リポペプチド、ポリサッカリド、オリゴサッカリド、核酸、
    脂質、もしくは任意の化合物から該抗原またはハプテンが選択されることを特徴
    とする、請求項2〜7の1項に記載の使用。
  9. 【請求項9】 該抗原またはハプテンが該 OmpA タンパク質またはそのフラ
    グメントと結合されているかまたは混合されていることを特徴とする、請求項2
    〜8の1項に記載の使用。
  10. 【請求項10】 該抗原またはハプテンが共有結合によって該 OmpA タンパ
    ク質またはそのフラグメントと結合されていることを特徴とする、請求項9に記
    載の使用。
  11. 【請求項11】 共有結合による結合が化学合成によって生じる結合である
    ことを特徴とする、請求項10に記載の使用。
  12. 【請求項12】 1つ以上の付着エレメントを該 OmpA タンパク質またはそ
    のフラグメントおよび/あるいは該抗原またはハプテンに導入して化学的な結合
    を容易にすることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
  13. 【請求項13】 導入される該付着エレメントがアミノ酸であることを特徴
    とする、請求項12に記載の使用。
  14. 【請求項14】 該抗原またはハプテンが事実上ペプチドである場合、該抗
    原またはハプテンと、該 OmpA タンパク質またはそのフラグメントとの間の結合
    が遺伝子組換えによって生じることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
  15. 【請求項15】 医薬組成物が該ハイブリッドタンパク質をコードする核酸
    構築物を含むことを特徴とする、請求項14に記載の使用。
  16. 【請求項16】 該核酸構築物が、ベクター中、あるいは該ハイブリッドタ
    ンパク質を発現し得る形質転換宿主細胞中に含められることを特徴とする、請求
    項15に記載の使用。
  17. 【請求項17】 感染因子を排除するかまたは腫瘍増殖を阻害することを意
    図した医薬組成物を調製するための請求項1〜16の1項に記載の使用。
  18. 【請求項18】 ウイルス、細菌、真菌および寄生生物の感染を包含する感
    染疾患を予防または治療することを意図した医薬組成物を調製するための請求項
    1〜17の1項に記載の使用。
  19. 【請求項19】 癌を予防または治療することを意図した医薬組成物を調製
    するための請求項1〜17の1項に記載の使用。
  20. 【請求項20】 腫瘍抗原に付随する癌を予防または治療することを意図し
    た医薬組成物を調製するための請求項19に記載の使用。
  21. 【請求項21】 黒色腫を予防することを意図した医薬組成物を調製するた
    めの請求項19および20に記載の使用。
  22. 【請求項22】 該医薬組成物がその安定性および/またはその免疫原性を
    改善せしめる形態でビヒクル化されることを特徴とする、請求項1〜21の1項
    に記載の使用。
  23. 【請求項23】 該ビヒクルが、リポソーム、該 OmpA タンパク質もしくは
    そのフラグメント、該抗原もしくはハプテン、または該ハイブリッドタンパク質
    をコードする核酸構築物を含むウイルスベクター、あるいは該 OmpA タンパク質
    もしくはそのフラグメント、該抗原もしくはハプテン、または該ハイブリッドタ
    ンパク質を発現し得る形質転換宿主細胞であることを特徴とする、請求項22に
    記載の使用。
  24. 【請求項24】 該核酸構築物、あるいは該ベクターまたは該形質転換宿主
    細胞に含められる核酸構築物が、配列表配列番号1の配列、配列表配列番号1の
    配列の少なくとも15個の連続したヌクレオチドを有するそのフラグメント、あ
    るいは該配列のうちの1つと少なくとも80%の相同性を有する配列から選択さ
    れる核酸配列を含むことを特徴とする、請求項15、16および23の1項に記
    載の使用。
  25. 【請求項25】 腫瘍細胞に関連しているかまたは腫瘍細胞に特異的な少な
    くとも1つの抗原またはハプテンと混合もしくは結合によって一緒になった少な
    くとも1つの腸内細菌 OmpA タンパク質もしくはそのフラグメントを医薬的に受
    容可能な媒体中に含むことを特徴とする、医薬組成物。
  26. 【請求項26】 該腸内細菌の培養物から抽出する方法を使用して該腸内細
    菌 OmpA タンパク質またはそのフラグメントを得ることを特徴とする、請求項2
    5に記載の組成物。
  27. 【請求項27】 該腸内細菌 OmpA タンパク質またはそのフラグメントが組
    換え手段により得られることを特徴とする、請求項25に記載の組成物。
  28. 【請求項28】 該腸内細菌が Klebsiella pneumoniae であることを特徴
    とする、請求項25〜27の1項に記載の組成物。
  29. 【請求項29】 該 OmpA タンパク質またはそのフラグメントのアミノ酸配
    列が、以下: a) 配列表配列番号2の配列のアミノ酸配列; b) 配列表配列番号2の配列と少なくとも80%の相同性を有する配列のア
    ミノ酸配列;または c) a)に定義した配列の少なくとも5個のアミノ酸を有するフラグメント
    のアミノ酸配列、 を含むことを特徴とする、請求項28に記載の組成物。
  30. 【請求項30】 該腫瘍細胞にCTL応答を特異的に指示し得るペプチド、リ
    ポペプチド、ポリサッカリド、オリゴサッカリド、核酸、脂質、もしくは任意の
    化合物から、該抗原またはハプテンが選択されることを特徴とする、請求項25
    〜29の1項に記載の組成物。
  31. 【請求項31】 該抗原またはハプテンが共有結合によって該 OmpA タンパ
    ク質またはそのフラグメントと結合されていることを特徴とする、請求項25〜
    30の1項に記載の組成物。
  32. 【請求項32】 共有結合による結合が化学合成によって生じる結合である
    ことを特徴とする、請求項31に記載の組成物。
  33. 【請求項33】 1つ以上の付着エレメントを該 OmpA タンパク質またはそ
    のフラグメントおよび/あるいは該抗原またはハプテンに導入して化学的な結合
    を容易にすることを特徴とする、請求項32に記載の組成物。
  34. 【請求項34】 導入される該付着エレメントがアミノ酸であることを特徴
    とする、請求項33に記載の組成物。
  35. 【請求項35】 該抗原またはハプテンが事実上ペプチドである場合、該抗
    原またはハプテンと、該OmpA タンパク質またはそのフラグメントとの間の結合
    が遺伝子組換えによって生じることを特徴とする、請求項31に記載の組成物。
  36. 【請求項36】 医薬組成物が、該結合の後に得られたハイブリッドタンパ
    ク質をコードする核酸構築物を含むことを特徴とする、請求項35に記載の組成
    物。
  37. 【請求項37】 該核酸構築物が、ベクター中、あるいは該ハイブリッドタ
    ンパク質を発現し得る形質転換宿主細胞中に含められることを特徴とする、請求
    項36に記載の組成物。
  38. 【請求項38】 該核酸構築物が、配列表配列番号1の配列、配列表配列番
    号1の配列の少なくとも15個の連続したヌクレオチドを有するそのフラグメン
    ト、あるいは配列表配列番号1の配列と少なくとも80%の相同性を有する配列
    から選択される核酸配列を含むことを特徴とする、請求項36および37のいず
    れかに記載の組成物。
  39. 【請求項39】 該医薬組成物がその安定性および/またはその免疫原性を
    改善せしめる形態でビヒクル化されることを特徴とする、請求項25〜38の1
    項に記載の組成物。
  40. 【請求項40】 該ビヒクルが、リポソーム、該 OmpA タンパク質もしくは
    そのフラグメント、該抗原もしくはハプテン、または該ハイブリッドタンパク質
    をコードする核酸構築物を含むウイルスベクター、あるいは該 OmpA タンパク質
    もしくはそのフラグメント、該抗原もしくはハプテン、または該ハイブリッドタ
    ンパク質を発現し得る形質転換宿主細胞であることを特徴とする、請求項39に
    記載の組成物。
  41. 【請求項41】 該医薬的に受容可能な媒体が、水、生理食塩水溶液、また
    はデキストロースおよび/もしくはグリセロールに基づく水溶液からなることを
    特徴とする、請求項25〜40の1項に記載の組成物。
  42. 【請求項42】 該組成物がさらにデタージェントを含むことを特徴とする
    請求項25〜41の1項に記載の組成物。
  43. 【請求項43】 CTL応答を誘導するアジュバント以外は含まない、請求項
    25〜42の1項に記載の組成物。
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