JP2003503064A - 炭素同化の調節 - Google Patents

炭素同化の調節

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JP2003503064A JP2001506844A JP2001506844A JP2003503064A JP 2003503064 A JP2003503064 A JP 2003503064A JP 2001506844 A JP2001506844 A JP 2001506844A JP 2001506844 A JP2001506844 A JP 2001506844A JP 2003503064 A JP2003503064 A JP 2003503064A
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ピー. ジョン ラヤパチ,
コレイ エム. クラフトン,
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アーカー−ダニエルズ−ミッドランド カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、二酸化炭素の同化を改善することによって、微生物の生産性を増加させる方法を提供する。詳細には、本発明は、活性化にアセチル補酵素Aを必要とせず、かつアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感作されている、ホスホエノールピルビン酸活性を有するポリペプチド、およびこのポリペプチドをコードする遺伝子を提供する。アセチルCoAまたはアスパラギン酸によって調節されないPEPカルボキシラーゼをコードする遺伝子は、3炭素中間体PEPから4炭素中間体OAAへの炭素のフローを改善し得、OAA由来の化合物に寄与し得、そしてアミノ酸生合成を増加させ得る。本発明はさらに、これらの遺伝子を含む組換えDNA分子、これらの遺伝子で形質転換された細菌、そしてその形質転換された細菌を使用してアミノ酸を産生する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有するポリペプ
チド(これは、活性化のためにアセチル補酵素Aを必要としない)に関し、そし
てアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して、およびこのポリペプチド
をコードする遺伝子に対して減感作されている。本発明はまた、これらの遺伝子
を含む組換えDNA分子、これらの遺伝子で形質転換された細菌、および形質転
換された細菌を使用してアミノ酸を産生する方法に関する。
【0002】 (関連分野) ホスホエノールピルビン酸(PEP)カルボキシラーゼ(EC4.1.1.3
1)は、ほとんど全ての細菌またはほとんど全ての植物において見出される酵素
である。PEPカルボキシラーゼは、3炭素解糖系中間体PEPと二酸化炭素と
の間の濃縮反応を触媒し、4炭素オキサロ酢酸(OAA)(トリカルボン酸(T
CA)サイクルおよびL−アスパラギン酸生合成に共通の代謝中間体)の形成を
生じる。TCAサイクルは、アミノ酸生合成のために回収されたその中間体を交
換するために、連続的なC4分子の補充を必要とし、そしてOAAをTCAサイ
クルに提供する際に補充の役割を演じることによって、ビオチン独立性のPEP
カルボキシラーゼは、この機能を履行を補助する。
【0003】 OAAは、細胞の代謝産物(例えば、アミノ酸、特にグルタミン酸ファミリー
(すなわち、グルタミン酸、アルギニンおよびプロリン)、およびアスパラギン
酸ファミリー(すなわち、アスパラギン酸、リジン、メチオニン、スレオニンお
よびイソロイシン))の生産のための重要な基質である。OAAの形成を生じる
反応を触媒することによって、PEPカルボキシラーゼは、代謝プロセスによっ
て有機酸を提供する際に、重要な役割を果たす。例えば、Escherchia
coliによるグルコースからのコハク酸の発酵産物は、PEPカルボキシラ
ーゼの過剰発現によって有意に増加した。例えば、Millard,C.ら、A
ppl.Environ.Microbiol.62:1808−1810(1
996)を参照のこと。従って、PEPカルボキシラーゼはまた、グルタミン酸
およびアスパラギン酸から形成されるアミノ酸の生成に重要な役割を果たす。
【0004】 そのアミノ酸は、タンパク質の構成成分として、細胞中に普遍的に存在する化
合物である。しかし、経済的なエネルギー代謝および基質代謝のために、その生
産は、厳密に制御される。この制御は、原則的にフィードバック制御であって、
そこで、その代謝経路の最終産物は、その経路の初期の工程を触媒する酵素の活
性を阻害する。PEPカルボキシラーゼはまた、その活性を発現する際に、種々
の調節を起こす。
【0005】 例えば、Brevibacterium属、Corynebacterium
属またはEscherchia属に属する微生物のPEPカルボキシラーゼの場
合では、PEPカルボキシラーゼ活性は、アスパラギン酸によって阻害される。
例えば、Mori,M.ら、J.Biochem.98:1621−1630(
1985);O’Regan,M.ら、Gene 77:237−251(19
89)を参照のこと。従って、PEPカルボキシラーゼが関与する上述のアミノ
酸生合成はまた、アスパラギン酸によって阻害される。しかし、アスパラギン酸
に対して減少した感受性を有するCorynebacterium微生物由来の
PEPカルボキシラーゼ活性が、記載されている。Eikmanns,B.J.
ら、Mol.Gen.Genet.218:330−339(1989)を参照
のこと。
【0006】 アスパラギン酸によってアロステリックに阻害されることに加えて、アセチル
補酵素A(アセチルCoA)は、例えば、Brevibacterium fl
avumおよびEscherichia coli由来のPEPカルボキシラー
ゼのアロステリック活性化因子である。Mori,M.ら、J.Biochem
.98:1621−1630(1985);Morikawa,M.ら、J.B
iochem.81:1473−1485(1977)を参照のこと。アスパラ
ギン酸またはアセチルCoAによって調節されない他の生物由来のPEPカルボ
キシラーゼが、報告されている。Valle,F.ら、J.Indus.Mic
robiol.17:458−462(1996);O’Regan,M.ら、
Gene 77:237−251(1989);Vance,C.ら、Plan
t Physiol.75:261−264(1984)を参照のこと。
【0007】 アナプレロティック酵素であるPEPカルボキシラーゼは、OAAの最適プー
ルの維持にとって重要であり、そして結果的にOAAに由来するアミノ酸の生合
成レベルを決定するので、発酵によってアミノ酸生成を改善する1つの方法は、
対応するppc遺伝子を操作することであり得る。Brevibacteriu
m lactofermentum由来のppc遺伝子の増幅は、プロリンおよ
びスレオニンの生産を改善することが示されている。Sano,K.ら、Agr
ic.Biol.Chem.51:597−599(1987)を参照のこと。
【0008】 アミノ酸発酵における効率的な生産についての種々の技術が、フィードバック
制御に対して非感受性であるように変換された変異体株を使用して、開発されて
きた。しかし、アスパラギン酸ファミリーまたはグルタミン酸ファミリーのアミ
ノ酸の発酵産生のための植物に由来するPEPカルボキシラーゼを利用する報告
も、PEPカルボキシラーゼがアセチルCoAまたはアスパラギン酸によって実
質上調節されない、同一ファミリーのアミノ酸の発酵産生のために微生物染色体
DNAに組み込まれるcoryneform bacterium由来のppc
遺伝子を利用する報告も全くない。
【0009】 米国特許第4,757,009号(Sanoら;Ajinomoto Com
pany)は、プラスミドに作動可能に挿入されたPEPカルボキシラーゼをコ
ードする遺伝子を有するプラスミドを含む組換えDNA分子を保有するCory
nebacterium株またはBrevibacterium株を培養培地で
培養することおよび培養培地からアミノ酸を単離することを含む発酵によって、
アミノ酸を産生するためのプロセスを開示する。ここで、その遺伝子は、PEP
カルボキシラーゼ遺伝子を保有するCorynebacterium株またはB
revibacterium株から単離された染色体遺伝子であり、そしてアミ
ノ酸をコードする染色体遺伝子を有する。PEPカルボキシラーゼをコードする
遺伝子が単離されたCorynebacterium株またはBrevibac
terium株は、アスパラギン酸によって弱められたフィードバック阻害を示
す株である。
【0010】 欧州特許第358,940号(Bachmannら;Degussa Akt
iengesellschaft)は、Corynebacterium gl
utamicum DM58−1(これは、Deutsche Sammlun
g von Mikroorganismen(DSM)under DMS
4697に寄託されている)に導入されたプラスミドpDM6を開示し、ここで
、このプラスミドは、PEPカルボキシラーゼ活性を有するタンパク質の産生を
コードする情報を含む遺伝子配列を含むプラスミドである。ppc遺伝子は、C
orynebacterium glutamicum ATCC 13032
のゲノムバンクより単離され、そしてそのPEPカルボキシラーゼは、アセチル
CoAによって刺激されない。また、プラスミドpDM6を含むCoryneb
acterium株またはBrevibacterium株に属する宿主細菌を
、適切な培地において培養することを含む、発酵によるL−リジン、L−スレオ
ニン、およびL−イソロイシンの生産方法が開示され、およびその培地からL−
アミノ酸を回収する方法が開示される。
【0011】 米国特許第5,876,983号(Sugimotoら;Ajinomoto
Company)は、以下の工程;3−ブロモピルビン酸、アスパラギン酸−
β−ヒドラジドおよびDL−スレオ−β−ヒドロキシアスパラギン酸からなる群
から選択される野生型PEPカルボキシラーゼインヒビターの存在下で、Esc
herichia微生物を増殖させることによってアスパラギン酸によるフィー
ドバック阻害に対して減感作された変異体PEPカルボキシラーゼをコードする
DNA配列を含むEscherichia属の微生物を選択する工程を含み;適
切な培地で、変異体PEPカルボキシラーゼをコードするDNA配列で形質転換
したEscherichia属細菌またはCoryneform属の細菌の微生
物を培養する工程;およびL−リジン、L−スレオニン、L−メチオニン、L−
イソロイシン、L−グルタミン酸、L−アルギニンおよびL−プロリンからなる
群より選択されるアミノ酸をその培地から分離する工程、を包含するアミノ酸を
産生する方法を開示する。
【0012】 組換えDNA技術によってアミノ酸産生細菌を培養する多数の例が存在するが
、必ずしも高いレベルのアミノ酸生産性が達成されない。従って、高い力価およ
び生産性での発酵によるアミノ酸産生方法の必要性がなお、存在し続ける。実質
上アセチルCoAまたはアスパラギン酸によって調節されていないPEPカルボ
キシラーゼは、3炭素中間体PEPから4炭素中間体OAAへの炭素移動を改善
し得る。その増加した移動は、OAAに由来する化合物に寄与し得、そしてアミ
ノ酸生合成を増加し得る。
【0013】 (発明の要旨) 従って、本発明は、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコー
ドする遺伝子を含むDNAフラグメントに関し、ここで、その遺伝子は、宿主微
生物での発現が可能であり、そしてそのポリペプチドは、アセチルCoAの活性
化に必要でなく、そしてアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感
作されている。
【0014】 本発明はまた、プラスミドおよびプラスミドに作動可能に挿入されるPEPカ
ルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含む組換えDN
A分子に関し、ここで、この組換えDNA分子は、増幅可能であって、そしてそ
の遺伝子は、Escherichia属、Corynebacterium属お
よびBrevibacterium属を含む宿主微生物で発現可能であり、かつ
ここで、このポリペプチドは、活性化にアセチルCoAを必要とせず、そしてア
スパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感作されている。
【0015】 本発明はさらに、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコード
する遺伝子を含むDNAフラグメントで形質転換されたEscherichia
属、Corynebacterium属またはBrevibacterium属
に属する宿主微生物に関し、ここで、この遺伝子は、単子葉植物綱または双子葉
植物綱に属する植物に由来するか、またはCorynebacterium属ま
たはBrevibacterium属に属する微生物に由来し、ここで、このポ
リペプチドは、活性化にアセチルCoAを必要とせず、そしてアスパラギン酸に
よるフィードバック阻害に対して減感作されており、そして、ここで、このDN
Aフラグメントで形質転換された宿主微生物は、この遺伝子を発現する。
【0016】 本発明の別の局面において、発酵によってアミノ酸を生成する方法が提供され
る。この方法は、適切な培地で、Escherichia属、Coryneba
cterium属またはBrevibacterium属に属する宿主微生物を
培養する工程、および培養培地からアミノ酸を単離する工程を包含し、ここで、
宿主微生物は、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする
遺伝子を含むDNAフラグメントで形質転換されており、ここで、宿主微生物は
、その遺伝子を発現し、そして、ここで、そのポリペプチドは、活性化にアセチ
ルCoAを必要とせず、そしてアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対し
て減感作されている。
【0017】 さらに、本発明は、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコー
ドする遺伝子を含むDNAフラグメントを選択する方法であって、ここで、この
ポリペプチドは、活性化にアセチルCoAを必要とせず、そして、アスパラギン
酸によるフィードバック阻害に対して減感作されている、方法に関し、PEPを
OAAに変換する速度を増加させる方法に関し、発酵プロセスにおける炭素の再
循環する方法に関し、ビオチンを必要としない発酵プロセスにおいて炭素を同化
させる方法に関し、発酵プロセス中で有機酸の生産を増加させる方法に関し、そ
して発酵プロセス中のアミノ酸生産を増加させる方法に関する。
【0018】 (好ましい実施形態の詳細な説明) 本発明を詳細に記述する前に、本明細書中で使用されるいくつかの用語が定義
される。
【0019】 本明細書中で使用される「活性化因子」とは、第一に活性となるポリペプチド
に必要な基質および活性を単に強化させる基質の両方を含む。
【0020】 本明細書中で使用される「アミノ酸」とは、天然に存在するLアミノ酸(アラ
ニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、シスチン、グルタミン酸、
グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオ
ニン、プロリン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チ
ロシン、およびバリン)についていう。
【0021】 「キメラ遺伝子」とは、異質な調節およびコード配列を含む遺伝子をいう。こ
れは、組換えDNA技術によって産生されるハイブリッド遺伝子である。
【0022】 「DNAフラグメント」とは、デオキシリボ核酸分子の一部をいう。
【0023】 本明細書中で使用される「発現」とは、遺伝子によってコードされるタンパク
質産物の生成を意味することが意図される。
【0024】 「遺伝子」とは、特定のタンパク質を発現する核酸フラグメントをいい、コー
ド領域の前の(5’非コード領域)調節配列およびコード領域の後の(3’非コ
ード領域)調節配列を含む。これは、発現の制御(すなわち、転写および翻訳)
、ならびに別個のポリペプチドを与えるために転写および翻訳されるコード配列
を担う調節DNA配列を含む分散した染色体領域である。
【0025】 「宿主微生物」とは、導入された遺伝物質で形質転換されている微生物を意味
する。
【0026】 「阻害」とは、そのポリペプチドの活性の減少と活性の完全な欠如の両方を含
む。
【0027】 「単離された」とは、本明細書中で使用される場合、その物質が、その元来の
環境(例えば、その物質が天然に存在する場合は天然の環境)から取り出されて
いることを意味する。
【0028】 「ポリペプチド」または「タンパク質」とは、本明細書中で使用される場合、
アミド結合(ペプチド結合としても公知)により直線状に連結されたモノマー(
アミノ酸)から構成される、分子をいう。この語は、アミノ酸の分子鎖を示し、
そしてその生成物の特定の長さは言及しない。従って、ペプチド、オリゴペプチ
ドおよびタンパク質は、ポリペプチドの定義内に含まれる。この用語はまた、そ
のポリペプチドの発現後修飾(例えば、グリコシル化(glycosolati
on)、アセチル化、リン酸化など)をいうことが意図される。組換えポリペプ
チドまたは誘導ポリペプチドは、必ずしも指定された核酸配列から翻訳されない
。これらはまた、任意の様式(化学合成または組換え発現系の発現を含む)にて
産生され得る。
【0029】 「調節配列」とは、コード配列上流(5’)、コード配列内、および/または
コード配列下流(3’)に位置するヌクレオチド配列であって、おそらく細胞の
タンパク質生合成装置とともに、そのコード配列の転写および/または発現を制
御する。
【0030】 「合成DNA」とは、全体または部分的に化学合成法により生成された、核酸
分子をいう。
【0031】 本明細書中で「形質転換」とは、宿主細胞ゲノムDNAの一部または独立した
分子のいずれかとして、宿主細胞に外来遺伝子およびその遺伝的に安定な形質を
移入することをいう。
【0032】 本発明の1つの局面において、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプ
チドをコードする遺伝子を含むDNAフラグメントであって、その遺伝子が宿主
微生物にて発現され得、そしてそのポリペプチドは活性化のためにアセチル−C
oAを必要とせず、そしてアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減
感作されている、DNAフラグメントが提供される。
【0033】 酵素PEPカルボキシラーゼをコードするppc遺伝子は、任意のppc遺伝
子であり得るが、ただし、それは、単子葉植物(Monocotyledona
e)綱または双子葉植物(Dicotyledonae)綱に属する植物あるい
はBrevibacterium属またはCorynebacterium属に
属する微生物のPEPカルボキシラーゼをコードする遺伝子であり、そして発現
されるポリペプチドが活性化にアセチル−CoAを必要とせず、そしてアスパラ
ギン酸によるフィードバック阻害に対して実質的に減感作されている。このpp
c遺伝子は、好ましくは、その塩基配列について決定されておりそしてクローニ
ングされている。そのppc遺伝子がクローニングされていない場合、その遺伝
子を含むDNAフラグメントが、PCR法などを使用して増幅および単離され得
、その後適切なベクターを使用してクローニングが達成される。ppc遺伝子の
好ましいドナーは、アスパラギン酸による弱まったフィードバック阻害を示す株
である。このような株は、アスパラギン酸拮抗阻害剤に対して耐性であると認識
される。
【0034】 PEPカルボキシラーゼは、C4植物における光合成の主要酵素である。PE
Pカルボキシラーゼは、葉肉細胞の細胞質に特異的に局在し、そしてリン酸化/
脱リン酸化プロセスにより調節される。Gigliolo−Guivarc’h
,N.ら、Cytometry 23:241〜249(1996)を参照のこ
と。さらに、PEPカルボキシラーゼは、マメ科植物根粒における共生N2固定
の間のCO2の同化において重要な役割を果たす。Parthirana,S.
ら、Plant J.12:293〜304(1997)を参照のこと。
【0035】 1つの実施形態において、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチド
をコードする遺伝子を含むDNAフラグメントが、単子葉植物綱または双子葉植
物綱に属する植物に由来する。好ましい実施形態において、このDNAフラグメ
ントは、アルファルファ植物に由来する。最も好ましくは、このDNAフラグメ
ントは、Medicago sativa株に由来する。
【0036】 Medicago sativa株からのPEPカルボキシラーゼ活性は、L
−アスパラギン酸により実質的には阻害されなかったことが示されている。Va
nce,C.P.ら、Plant Physiol.75:261〜264(1
984)を参照のこと。さらに、Medicago sativa由来のネイテ
ィブのppcヌクレオチド配列は公知であり(Pathirana,S.ら、P
lant Molecular Biology 20:437〜450(19
92))、そして配列番号1にて提供され、そしてそれによりコードされるネイ
ティブPEPカルボキシラーゼのアミノ酸配列は、配列番号2にて提供される。
これらの配列は公知であるので、このヌクレオチド配列に基づいてプライマーが
設計され得、そして合成され得、次いでその遺伝子が、テンプレートとしてメッ
センジャーRNAを使用して、PCRにより得られ得る。
【0037】 植物PEPカルボキシラーゼの翻訳後調節が、例えば、このタンパク質のリン
酸化を介して達成される。Jiao,J.A.ら、Arch.Biochem.
Biophys.269:526〜535(1989);Duff,S.M.ら
、Eur.J.Biochem.228:92〜95(1995)を参照のこと
。アルファルファPEPカルボキシラーゼは、いくつかの保存配列を含み、その
1つはリン酸化に関与すると提唱されている(MASIDAQLR、残基(8〜
16)。Pathirana,S.M.ら、Plant Molecular
Biology 20:437〜450(1992)を参照のこと。
【0038】 別の好ましい実施形態において、単子葉植物綱または双子葉植物綱に属する植
物に由来するPEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺
伝子を含むDNAフラグメントが、1つ以上のヌクレオチド置換、欠失および/
または挿入により改変される。最も好ましくは、この改変は、以下のアミノ酸配
列をコードするヌクレオチドを欠失することを含む:Met−Ala−Ser−
Ile−Asp−Ala−Gln−Leu−Arg。
【0039】 別の実施形態において、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドを
コードする遺伝子を含むDNAフラグメントが、Brevibacterium
属またはCorynebacterium属に属する微生物に由来する。好まし
い実施形態において、このDNAフラグメントは、Corynebacteri
um glutamicum株に由来する。Corynebacterium
glutamicumのネイティブのppcヌクレオチド配列は、配列番号3に
示される。
【0040】 本発明の活性PEPカルボキシラーゼ分子におけるアミノ酸の数が変化し得る
こと、そしてPEPカルボキシラーゼ活性および所望の脱調節特徴を有するアル
ファルファ植物またはCorynebacterium株由来のすべてのアミノ
酸配列が本発明に含まれると意図されることが、理解されるべきである。保存的
置換によってのみ互いに異なるポリペプチド配列もまた、含まれる。このような
保存的置換は、配列中の所定の位置の1つのアミノ酸を同じ種類の別のアミノ酸
に代えて置換することからなる。そのポリペプチドの生物学的活性を破壊する程
度まではそのポリペプチドを改変しない配列の位置に位置する、1つ以上の非保
存的アミノ酸置換、欠失、および/または挿入もまた、含められる。
【0041】 生じたPEPカルボキシラーゼタンパク質分子の機能的特性に実質的には影響
しないサイレントな変化を生じる、配列に対する改変(例えば、配列中の欠失、
挿入および/または置換)もまた、意図される。例えば、遺伝コードの縮重を反
映するかまたは所定部位での化学的に等価なアミノ酸の生成を生じる、遺伝子配
列における改変が、意図される。
【0042】 従って、本発明は、特定の例示的配列以上のものを包含することが理解される
。提示される改変の各々が十分に当業者の範囲内であり、コードされる生成物の
生物学的活性の保持の決定も同様に、十分に当業者の範囲内である。
【0043】 別の実施形態において、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドを
コードする遺伝子を含むDNAフラグメントは、Brevibacterium
属またはCorynebacterium属に属する微生物に由来する不完全P
EPカルボキシラーゼヌクレオチド配列と単子葉植物綱または双子葉植物綱に属
する植物由来の不完全PEPカルボキシラーゼヌクレオチド配列とを含む、キメ
ラ遺伝子である。まとめると、その2つの不完全配列が、PEPカルボキシラー
ゼ活性を有するポリペプチドを発現し得る完全キメラppc遺伝子であって、そ
のポリペプチドが活性化にアセチル補酵素Aを必要とせずかつアスパラギン酸に
よるフィードバック阻害に対して減感作されている、完全キメラppc遺伝子を
形成する。
【0044】 好ましい実施形態において、一方の不完全PEPカルボキシラーゼヌクレオチ
ド配列は、Corynebacterium属に属する微生物に由来し、もう一
方の不完全PEPカルボキシラーゼヌクレオチド配列は、アルファルファ植物に
由来する。最も好ましくは、一方の不完全PEPカルボキシラーゼヌクレオチド
配列は、Corynebacterium glutamicum株に由来し、
もう一方の不完全PEPカルボキシラーゼヌクレオチド配列は、Medicag
o sativa株に由来する。
【0045】 別の実施形態において、そのDNAフラグメントは、相補的DNA(cDNA
)、ゲノムDNAまたは合成DNAである。PEPカルボキシラーゼをコードす
る本発明のDNAフラグメントは、種々の様式で容易に入手され得、そのような
様式としては、化学合成、cDNAライブラリースクリーニングまたはゲノムラ
イブラリースクリーニング、発現ライブラリースクリーニング、および/または
cDNAのPCR増幅が挙げられるが、これらに限定されない。これらの方法お
よびこのようなDNAを単離するために有用な他の方法は、例えば、Sambr
ookら(Molecular Cloning:A Laboratory
Manual、Cold Spring Harbor Laboratory
Press、Cold Spring Harbor(1989))、Aus
ubelら編(Current Protocols in Molecula
r Biology、Current Protocols Press(19
94))、ならびにBergerおよびKimmel(Methods in
Enzymology:Guide to Molecular Clonin
g Techniques、第152巻、Academic Press,In
c.、San Diego(1987))によって示されている。
【0046】 ppc遺伝子の単離は、例えば、以下の方法によって実行され得る。以下の例
は簡明なようにCorynebacteriumを参照するが、Breviba
cterium属由来の細菌も同様に使用され得ることが、認識されるべきであ
る。第1に、染色体遺伝子が、ppc遺伝子を保有するCorynebacte
rium株から抽出される(例えば、H.SaitoおよびK.Miura、B
iochem.Biophys.Acta 72:619(1963)の方法を
使用する)。この遺伝子は、適切な制限酵素を用いて切断され、次いでコリネフ
ォルム細菌群またはE.coliにて増幅し得るプラスミドシャトルベクター上
にサブクローニングされる。染色体遺伝子を切断するために、広範な種類の制限
酵素が、切断の程度を制御する(例えば、切断反応の時間、温度などを制御する
)ことによって、使用され得る。制限酵素によるDNAの切断は、当業者に十分
理解されており、本明細書中に詳細に示す必要はない。
【0047】 コリネフォルム細菌群またはE.coliのPEPカルボキシラーゼ欠損変異
体が、生じた組換えDNAで形質転換される。そのようにして得られた形質転換
体は、ベクターDNAおよび/またはレシピエントにより保有される特徴に基づ
いて従来の方法によって、選択および単離され得る。例えば、PEPカルボキシ
ラーゼ活性を保有するようになる細菌株が単離され、そしてppc遺伝子がその
株から単離され得る。
【0048】 上記のような本発明のDNAフラグメントで形質転換された微生物が培養され
、そしてそのDNA配列が発現された場合、活性化にアセチル−CoAを必要と
せずかつアスパラギン酸阻害に対して実質的に減感作されている酵素が、得られ
得る。アセチル−CoAの非存在下および/または存在下でPEPカルボキシラ
ーゼ活性を測定することによって、例えば、その酵素が、アクチベーターとして
アセチル−CoAを必要とするか否かが明らかになる。酵素反応系において、ア
スパラギン酸の非存在下および/または存在下でPEPカルボキシラーゼ活性を
測定することによって、例えば、そのようして得られた酵素が、アスパラギン酸
により実質的に阻害されるか否かもまた明らかになる。
【0049】 酵素活性の測定のために、分光測定法(Yoshinage,T.ら、J.B
iochem.68:747〜750(1970))などを使用することが可能
である。例えば、酵素アッセイが、その反応が生じている間に連続様式または速
度論的様式で測定される場合、その反応は、吸光度(通常は340ナノメーター
での)の減少を追跡することによって、分光光度的に測定され得る。
【0050】 本発明の別の局面において、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチ
ドをコードする遺伝子を含むDNAフラグメントを選択する方法であって、その
ポリペプチドが活性化にアセチル−CoAを必要とせずかつアスパラギン酸によ
るフィードバック阻害に対して減感作されている、方法が提供される。この方法
は、ppc遺伝子を保有するCorynebacterium株から染色体遺伝
子を抽出する工程、その染色体遺伝子を適切な制限酵素で切断する工程、Cor
ynebacteriumにて増殖し得るプラスミドベクターとそのppc遺伝
子を連結する工程、ppc遺伝子およびpyc遺伝子が非機能性であるCory
nebacterium株を形質転換する工程、唯一の炭素源としてグルコース
を含む最小培地上で優れた増殖を示す株を単離する工程、ならびにその株からD
NAフラグメントを単離する工程、を包含する。
【0051】 ピルビン酸カルボキシラーゼ(EC6.4.1.1)は、成長の間の生合成の
ために消費されるOAAを、ピルビン酸から補充する重要なアナプレロティック
酵素であり、そして工業的発酵におけるリジンおよびグルタミン酸の製造におい
て使用される。PEPカルボキシラーゼに加えて、pyc遺伝子によってコード
されるビオチン依存性ピルビン酸カルボキシラーゼがCorynebacter
ium glutamicumにおいてアナプレロティック酵素であることが最
近見出された。Corynebacterium glutamicumにおけ
るppc遺伝子およびpyc遺伝子の両方の不活性化は、この微生物をグルコー
スでの生育を不可能にすることをもたらした。Peters−Wendisch
,P.ら、Microbiology 144:915−27(1998)を参
照のこと。ppc遺伝子およびpyc遺伝子の両方の不活性化によって、複製す
るプラスミドにクローニングされた本発明のppc遺伝子を含むDNAフラグメ
ントは、唯一の炭素源としてグルコースを用いる最小培地上での生育を示す株の
能力によって同定され得る。
【0052】 別の実施形態において、PEPカルボキシラーゼ活性のインヒビターもまた、
培地に添加され得る。例えば、アスパラギン酸のアナログが添加され得る。この
アナログ化合物は、好ましくは、野生型PEPカルボキシラーゼを産生するCo
rynebacterium属に属する微生物に対して増殖阻害作用を示し、上
述の増殖阻害作用は、L−グルタミン酸またはL−アスパラギン酸の存在によっ
て回復され、そしてアナログ化合物は、野生型PEPカルボキシラーゼ活性を阻
害する。アナログ化合物に対して耐性である株がCorynebacteriu
m属に属する微生物から選択される場合、アスパラギン酸によるフィードバック
阻害が減感作されたPEPカルボキシラーゼを産生する宿主微生物が得られる可
能性が高い。
【0053】 別の実施形態において、OAAに由来するアミノ酸の産生の増加を示す株が単
離される。このようなアミノ酸には、アスパラギン酸、リジン、メチオニン、ス
レオニン、およびイソロイシンが挙げられる。さらに、株は、アセチル−CoA
の非存在下で最小培地上で生育し得、そしてPEPカルボキシラーゼ活性が測定
され得る。
【0054】 本発明の別の局面において、プラスミドおよびその中に作動可能に挿入された
PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含有す
る組換えDNA分子が提供され、ここで、この組換えDNA分子は増殖可能であ
り、そしてこの遺伝子はEscherichia属、Corynebacter
ium属、およびBrevibacterium属を含む宿主微生物中で発現し
得、そしてここで、このポリペプチドは、活性化にアセチル−CoAを必要とせ
ず、そしてアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感作されている
【0055】 本発明において使用されるプラスミドベクターは、Escherichia、
Corynebacterium、またはBrevibacteriumからの
細菌細胞において増殖し得る限りは、任意のベクターであり得る。このベクター
DNAは、染色体遺伝子の切断のために使用される同じ制限酵素によって切断さ
れるか、または染色体DNA切断フラグメントおよび切断されたベクターDNA
のそれぞれの末端で相補的塩基配列を有するオリゴヌクレオチドに連結される。
次いで、このプラスミドベクターおよび染色体遺伝子含有フラグメントは、連結
反応に供される。この方法または任意の他の方法によって遺伝子がセンス方向に
かつ正しいリーディングフレームに挿入されると、その結果、PEPカルボキシ
ラーゼ酵素は、プラスミドが、細胞の遺伝的機構(genetic machi
nery)(プラスミドがここに挿入される)によって転写および翻訳される場
合に発現され、この遺伝子は、プラスミドベクターに「作動可能に挿入される」
といわれる。
【0056】 好ましい実施形態において、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチ
ドをコードする遺伝子は、アルファルファ植物に由来する。最も好ましくは、こ
の遺伝子は、Medicago sativa株に由来する。別の好ましい実施
形態において、この遺伝子は、1以上のヌクレオチドの置換、欠失、および/ま
たは挿入によって改変される。最も好ましくは、この改変は、アミノ酸配列:M
et−Ala−Ser−Ile−Asp−Ala−Gln−Leu−Argをコ
ードするヌクレオチドの欠失を含む。
【0057】 本発明の別の局面において、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチ
ドをコードする遺伝子を含有する本発明のDNAフラグメントで形質転換した宿
主微生物が提供される。宿主としては、L−アミノ酸の製造のために利用される
微生物(例えば、Brevibacterium属、Corynebacter
ium属、Bacillus属、Escherichia属、Seratia属
、Providencia属、およびArthrobacter属に属する微生
物)が使用され得る。
【0058】 好ましい実施形態において、ppc遺伝子を含むDNAフラグメントは、Es
cherichia属、Corynebacterium属、またはBrevi
bacterium属に属する宿主微生物において発現される。宿主としては、
Escherichia属(例えば、Escherichia coli、好ま
しくは、L−リジン産生Escherichia coli)、コリネフォルム
細菌(好ましくは、L−リジン産生株)などに属する例証的な微生物が存在し得
る。本発明において言及されるコリネフォルム細菌は、胞子形成能を有さない、
好気性グラム陽性抗酸性(non−acid−fast)桿菌である微生物の群
である。この微生物の群には、Corynebacterium属に属する細菌
、これまではBrevibacterium属に分類されてきたが現在はCor
ynebacterium属に属する細菌として統合されている、Brevib
acterium属に属する細菌、およびCorynebacterium属に
属する細菌に密接に関連するBrevibacterium属に属する細菌が挙
げられる。
【0059】 1つの実施形態において、DNAフラグメントが単子葉植物綱または双子葉植
物綱からの植物由来である場合、宿主微生物は、プラスミドおよびそこに作動可
能に挿入されたDNAフラグメントを含む組換えDNA分子で形質転換され得る
。あるいは、その宿主微生物は、本発明のDNAフラグメントを宿主の染色体D
NAに組み込むことによって形質転換され得る。
【0060】 好ましくは、DNAフラグメントは、アルファルファ植物に由来し、そして最
も好ましくは、DNAフラグメントは、Medicago sativa株に由
来する。別の好ましい実施形態において、植物に由来するDNAフラグメントは
、1以上のヌクレオチドの置換、欠失、および/または挿入によって改変される
。最も好ましくは、この改変は、アミノ酸配列:Met−Ala−Ser−Il
e−Asp−Ala−Gln−Leu−Argをコードするヌクレオチドの欠失
を含む。
【0061】 さらに、上記のように、本発明のDNA配列は、自己複製し得るベクターDN
Aに挿入され、そして宿主に導入されることが許容可能である。ベクターDNA
としては、プラスミドベクターが好ましく、そして宿主細胞中で自己複製し得る
プラスミドベクターが最も好ましい。あるいは、ファージDNAのベクターもま
た、利用され得る。
【0062】 遺伝子を含むDNAフラグメントが単子葉植物綱もしくは双子葉植物綱の植物
由来であるか、またはCorynebacterium属もしくはBrevib
acterium属に属する微生物由来である場合、DNAフラグメントは、例
えば、以下を使用する方法の手段によって宿主微生物の染色体DNAに組み込ま
れることもまた、許容可能である:トランスポゾン(Berg,D.E.および
Berg,C.M.、Bio/Technol.1:417(1983))、M
uファージ(日本国特許公開番号2−109985)または相同組換え(Exp
eriments in Molecular Genetics,Cold
Spring Harbor Lab.(1972))。さらに、コリネフォル
ム細菌に本発明のDNAを組み込むために、日本国特許公開番号5−7491に
開示されるような温度感受性プラスミドを利用することが可能である。
【0063】 好ましい実施形態において、DNAフラグメントは、Corynebacte
rium glutamicum株由来であり、そして宿主微生物の染色体DN
Aに組み込まれる。Corynebacterium glutamicum染
色体中のppc遺伝子に隣接する領域が配列決定された(配列番号3)。本発明
の遺伝子置換ストラテジーに従って、ppc遺伝子の染色体コピーは除去され、
そして抗生物質耐性遺伝子マーカーで置換される(図1)。マーカーは、次には
、本発明の改変されたppc遺伝子で置換される。
【0064】 この遺伝子置換ストラテジーの独特の設計は、2つの隣接する遺伝子(tpi
遺伝子およびsecG遺伝子)の発現を変化させることのない、宿主微生物の染
色体ppc DNA配列の完全な除去および新規なppc遺伝子の置換を容易に
する。このtpi遺伝子は、解糖系の酵素であるトリオースリン酸イソメラーゼ
をコードし、そしてsecG遺伝子は、タンパク質搬出に関与する内在性膜タン
パク質であるsecGをコードする。
【0065】 この遺伝子置換ストラテジーの設計は、ppc遺伝子に隣接するインタクトな
tpi遺伝子およびsecG遺伝子の再構成に依存する。4つのオリゴヌクレオ
チドが、ppcに隣接するDNA領域をクローニングするために使用され得る: (1)5’GTTGG TGAGC CACTG GAAAT CCGTG
3’(配列番号4) (2)5’GATGT CATCG CGTAA AAAAT CAGTC
3’(配列番号5) (3)5’CACTG CGCTG CGCAA CTCTA GATAG
3’(配列番号6) (4)5’GACCA CCACC TTGCC GAAAT CTTGG
3’(配列番号7)。
【0066】 本発明の別の局面において、発酵によってアミノ酸を製造する方法が提供され
る。この方法は、Escherichia属、Corynebacterium
属、またはBrevibacterium属に属する宿主微生物を適切な培地中
で培養する工程、および培養培地からアミノ酸を単離する工程を包含し、ここで
宿主微生物は、PEPカルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする
遺伝子を含むDNAフラグメントで形質転換され、そして宿主微生物がこの遺伝
子を発現し、そしてこのポリペプチドは、活性のためにアセチル−CoAを必要
とせず、そしてアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感作される
【0067】 上述の宿主を培養するための方法は、先行技術におけるアミノ酸を産生する微
生物についての培養方法とは特に異なってはいない。すなわち、炭素源、窒素源
、無機イオン、栄養要求性(nutrient auxotrophy)を満足
する物質、および必要に応じて有機微量栄養素(例えば、アミノ酸、ビタミンな
ど)を含む通常の培地が使用される。
【0068】 炭素源として、炭水化物(例えば、グルコース、スクロース、ラクトースなど
)および有機酸(例えば、酢酸)が使用され得る。窒素源としては、アンモニア
ガス、水性アンモニウム、アンモニウム塩などが使用され得る。無機イオンとし
ては、カリウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、リン酸イオン
などが、必要に応じて、適切に培地に添加される。
【0069】 培養は、好気的条件下で培地のpHおよび温度を適切に制御しながら、アミノ
酸の生成および蓄積が実質的に停止するまで実行する。このように培養培地中に
蓄積したアミノ酸を収集するために、通常の方法が適用され得る。例えば、濾過
、限外濾過、遠心分離、または他の公知の手段による細胞の除去後、アミノ酸は
、例えば、細胞を含まない溶液の濃縮およびアミノ酸(またはその塩)の結晶化
によって回収される。あるいは、化合物は、イオン交換クロマトグラフィーによ
って回収され得る。
【0070】 好ましい実施形態において、アミノ酸は、OAAに由来するアミノ酸(例えば
、L−アスパラギン酸、L−リジン、L−メチオニン、L−スレオニン、および
L−イソロイシン)である。最も好ましくは、アミノ酸はL−リジンである。
【0071】 本発明の別の局面において、PEPのOAAへの転換の速度を増加させる方法
が提供される。この方法は、本発明のDNAフラグメントで宿主微生物を形質転
換する工程を包含する。好ましい実施形態において、宿主微生物は、Esche
richia属、Corynebacterium属、またはBrevibac
terium属から選択される。
【0072】 PEPカルボキシラーゼは、PEPと二酸化炭素との間の縮合反応を触媒して
、OAAの形成を生じる。アセチル−CoAまたはアスパラギン酸によって実質
的に調節されていない本発明のPEPカルボキシラーゼは、従って、PEPのO
AAへの転換の速度を増加させる。
【0073】 DNAフラグメントが単子葉植物綱または双子葉植物綱に属する植物由来であ
る場合、形質転換は、例えば組換えDNA分子の組込みまたは利用によって行わ
れ得る。DNAフラグメントがCorynebacterium属、またはBr
evibacterium属に属する微生物由来である場合、宿主微生物は、宿
主微生物の染色体DNAへの本発明のDNAフラグメントの組込みによって形質
転換される。
【0074】 本発明の別の局面において、発酵プロセスにおける炭素再循環の方法が提供さ
れる。この方法は、本発明のDNAフラグメントで宿主微生物を形質転換する工
程を包含する。好ましい実施形態において、宿主微生物は、Escherich
ia属、Corynebacterium属、またはBrevibacteri
um属から選択される。
【0075】 TCA回路は、アミノ酸生合成のために回収された中間体を置換するために、
4分子の連続的な補充を必要とする。PEPカルボキシラーゼは、TCA回路
への4炭素OAAの供給におけるアナプレロテッィクな役割を果たすことによる
この機能の実現を助ける。宿主の微生物を、PEPカルボキシラーゼ活性を有す
るポリペプチドをコードする本発明のDNAフラグメントで形質転換することに
よって、これにより炭素を再循環するための方法が提供される。
【0076】 DNAフラグメントが、単子葉植物綱または双子葉植物綱に属する植物由来で
ある場合、形質転換は、例えば組換えDNA分子の組込みまたは利用によって行
われ得る。DNAフラグメントが、CorynebacteriumまたはBr
evibacterium属に属する微生物由来である場合、宿主の微生物は、
宿主の微生物の染色体DNAへの本発明のDNAフラグメントの組込みによって
形質転換される。
【0077】 L−リジンおよびL−グルタミン酸は、従来、これらのアミノ酸を産生する能
力を有するBrevibacteriumまたはCorynebacteriu
m属に属するコリネフォルム細菌を使用することによる発酵方法によって工業的
に製造された。これらの方法において、コリネフォルム細菌が、その増殖にビオ
チンを必要とすることが公知である。酵素PEPカルボキシラーゼは、生物学的
活性のためにビオチンを必要としない。さらに、PEPカルボキシラーゼの主要
な生理学的役割のうちの1つは、炭素同化によるTCA回路の補充である。本発
明の脱調節化PEPカルボキシラーゼは、二酸化炭素の同化を改善する。
【0078】 従って、本発明の別の局面において、ビオチンを必要としない発酵過程におけ
る炭素同化の方法が提供される。この方法は、宿主の微生物を、本発明のDNA
フラグメントで形質転換する工程を包含する。好ましい実施形態において、この
宿主の微生物は、Escherichia属、Corynebacterium
属またはBrevibacterium属から選択される。
【0079】 DNAフラグメントが、単子葉植物綱または双子葉植物綱に属する植物由来で
ある場合、形質転換は、例えば組換えDNA分子の組込みまたは利用によって行
われ得る。DNAフラグメントが、CorynebacteriumまたはBr
evibacterium属に属する微生物由来である場合、宿主の微生物は、
宿主の微生物の染色体DNAへの本発明のDNAフラグメントの組込みによって
形質転換される。
【0080】 アナプレロティックな酵素PEPカルボキシラーゼは、OAAの最適なプール
の維持に決定的であり、結果的に、OAAに由来する有機酸の生合成レベルを決
定する。宿主の微生物を本発明のDNAフラグメントで形質転換することによっ
て、OAAの産生速度は増大する。それだけで、OAAに由来する有機酸の産生
は、同様に増大する。
【0081】 従って、本発明のなお別の局面において、発酵過程において有機酸の産生を増
大する方法が提供される。好ましい実施形態において、宿主の微生物は、Esc
herichia属、Corynebacterium属またはBreviba
cterium属から選択される。
【0082】 DNAフラグメントが、単子葉植物綱または双子葉植物綱に属する植物由来で
ある場合、形質転換は、例えば組換えDNA分子の組込みまたは利用によって行
われ得る。DNAフラグメントが、CorynebacteriumまたはBr
evibacterium属に属する微生物由来である場合、宿主の微生物は、
宿主の微生物の染色体DNAへの本発明のDNAフラグメントの組込みによって
形質転換される。
【0083】 OAAは、アミノ酸のような細胞代謝産物の産生についての重要な基質である
。OAAへのPEPの変換速度を増大することによって、これにより本発明のp
pc遺伝子は、アミノ酸の産生を増大する。従って、本発明の別の局面において
、発酵過程においてアミノ酸の産生を増大する方法が提供される。この方法は、
宿主の微生物を本発明のDNAフラグメントで形質転換する工程を包含する。
【0084】 好ましい実施形態において、宿主の微生物は、Escherichia属、C
orynebacterium属またはBrevibacterium属から選
択される。別の好ましい実施形態において、アミノ酸は、L−アスパラギン酸、
L−リジン、L−メチオニン、L−スレオニンおよびL−イソロイシンを含む。
最も好ましくは、アミノ酸はL−リジンである。
【0085】 DNAフラグメントが、単子葉植物綱または双子葉植物綱に属する植物由来で
ある場合、形質転換は、例えば組換えDNA分子の組込みまたは利用によって行
われ得る。DNAフラグメントが、CorynebacteriumまたはBr
evibacterium属に属する微生物由来である場合、宿主の微生物は、
宿主の微生物の染色体DNAへの本発明のDNAフラグメントの組込みによって
形質転換される。
【0086】 本開示において引用されるすべての特許および刊行物は、本発明が属し、そし
て本明細書中にその全体が参考としてすべて援用される当業者の技術レベルを示
す。
【0087】 ここで一般的に本発明を記載してきたが、特別の定めがない限り、例示の目的
で提供され、本発明の限定を意図しない以下の実施例を参照して、本発明はより
容易に理解される。
【0088】 (実施例1) (Escherichia coliにおける植物ppc遺伝子の機能) アルファルファ(Medicago sativa)由来のppc遺伝子のc
DNAクローン(APPC)は、機能的PEPカルボキシラーゼを欠失し、そし
て唯一の炭素源としてグルコースを含むM9培地上で増殖できないEscher
ichia coli変異体CGSC3594において機能的であった。APP
Cプラスミド(pMS2)で形質転換した場合、E.coli変異体CGSC3
594は、唯一の炭素源としてグルコースを含むM9培地上で増殖し得た。アル
ファルファPEPカルボキシラーゼのDNA配列およびアミノ酸配列は、それぞ
れ配列番号1および配列番号2に提供される。
【0089】 (実施例2) (アルファルファ由来のppc遺伝子は、振盪フラスコにおいてCoryne
bacteriumにおける増殖刺激を示す) リジン産生Corynebacterium株BF100における増殖刺激に
対するアルファルファ(Medicago sativa)由来のppc遺伝子
の効果を決定した。増殖を660nmでの光学濃度として測定し、力価を培地の
リットル当たりのリジンのグラムとして測定し、そして収率を、(リジンのグラ
ム/消費されたグルコースのグラム)×100として測定した。30mg/Lの
イソプロピル−β−D−ガラクトシド(IPTG)(誘導物質)が存在した。結
果を、表1に示す:
【0090】
【表1】
【0091】 (実施例3) (野生型Corynebacterium株由来のppc遺伝子は、リジン産
生Corynebacterium株の生産性を向上する) Corynebacterium glutamicum ATCC1303
2由来のppc遺伝子のcDNAクローン(CPPC)を、pCPPCプラスミ
ドに挿入した。リジン産生Corynebacterium glutamic
um株BF100を、振盪フラスコにおいてpCPPCプラスミドで形質転換し
た場合、生産性が向上した。
【0092】 増殖を660nmでの光学濃度として測定し、力価を培地のリットル当たりの
リジンのグラムとして測定し、そして収率を、(リジンのグラム/消費されたグ
ルコースのグラム)×100として測定した。結果を、表2に示す:
【0093】
【表2】
【0094】 (実施例4) (野生型およびリジン産生Corynebacterium株由来のアセチル
CoAおよびL−アスパラギン酸に対する感受性) アセチルCoAおよびL−アスパラギン酸に対する異なる感受性を、PEPカ
ルボキシラーゼ活性によって決定されたように、野生型Corynebacte
rium glutamicum株(ATCC 13032)およびリジン産生
Corynebacterium glutamicum株(BF100)由来
の抽出物において観察した。活性単位を、粗抽出物を使用した吸光度の変化(3
40nm/分)として分光光度的に測定した。結果を、表3に示す。
【0095】
【表3】
【0096】 (実施例5) (改変ppc遺伝子での染色体ppc遺伝子の置換) Corynebacterium glutamicum染色体におけるpp
c遺伝子に隣接する領域を配列決定した(配列番号3)。ppc遺伝子の染色体
コピーを取り除き、そして抗生物質耐性遺伝子マーカーで置換した(図1)。こ
のマーカーを、今度は本発明の改変ppc遺伝子で置換した。この遺伝子置換ス
トラテジーの独特の設計は、2つの隣接する遺伝子の発現の変更を伴わない、宿
主の微生物の染色体ppcDNA配列の完全な除去および新規の遺伝子の置換を
容易にする。
【0097】 この遺伝子置換ストラテジーの設計は、ppc遺伝子に隣接するインタクトな
tpi遺伝子およびsecG遺伝子の再構成に依存する。4つのオリゴヌクレオ
チドを使用して、ppcに隣接するDNA領域をクローニングし得る:
【0098】
【化1】
【0099】 実施例とともに取り上げられた前述の説明を考慮して、当業者は、添付の特許
請求の範囲に規定されるような本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、種
々の手段および実施形態において本発明を実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、遺伝子置換のためのストラテジーの図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/21 C12R 1:13 C12R 1:15) 1:185 (C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:13) (C12N 1/21 C12R 1:185) (C12P 13/04 C12R 1:15) (C12P 13/04 C12R 1:13) (C12P 13/04 C12R 1:185) (C12P 13/08 C12R 1:15) (C12P 13/08 C12R 1:13) (C12P 13/08 C12R 1:185) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 クラフトン, コレイ エム. アメリカ合衆国 イリノイ 62526, デ ィカター, ウエスト パーシング ロー ド 1371 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA05 BA07 BA71 BA72 BA73 CA04 DA05 DA06 EA04 GA11 4B050 CC03 DD09 LL05 4B064 AE07 AE10 AE16 AE25 CA02 CA19 CC24 DA01 DA10 4B065 AA22X AA24X AA26X AA89Y AB01 BA02 CA17 CA27 CA41 CA44

Claims (70)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有するポ
    リペプチドをコードする遺伝子を含むDNAフラグメントであって、該遺伝子は
    、宿主微生物中で発現され得、そして該ポリペプチドは、活性化にアセチル補酵
    素Aを必要とせず、かつアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感
    作されている、DNAフラグメント。
  2. 【請求項2】 前記DNAフラグメントが、単子葉植物綱または双子葉植物
    綱に属する植物に由来する、請求項1のDNAフラグメント。
  3. 【請求項3】 前記DNAフラグメントが、アルファルファ植物に由来する
    、請求項2のDNAフラグメント。
  4. 【請求項4】 前記DNAフラグメントが、Medicago sativ
    a株に由来する、請求項3に記載のDNAフラグメント。
  5. 【請求項5】 前記DNAフラグメントが、1以上のヌクレオチド置換、欠
    失または挿入によって改変されている、請求項2に記載のDNAフラグメント。
  6. 【請求項6】 前記改変が、アミノ酸配列:Met−Ala−Ser−Il
    e−Asp−Ala−Gln−Leu−Argをコードするヌクレオチドの欠失
    を含む、請求項5に記載のDNAフラグメント。
  7. 【請求項7】 前記DNAフラグメントが、Brevibacterium
    属またはCorynebacterium属に属する微生物に由来する、請求項
    1のDNAフラグメント。
  8. 【請求項8】 前記DNAフラグメントが、Corynebacteriu
    m glutamicum株に由来する、請求項7に記載のDNAフラグメント
  9. 【請求項9】 前記DNAフラグメントが、宿主微生物の染色体DNA内に
    組み込まれている、請求項7に記載のDNAフラグメント。
  10. 【請求項10】 前記DNAフラグメントが、Escherichia属、
    Corynebacterium属およびBrevibacterium属を含
    む宿主微生物において発現される、請求項1に記載のDNAフラグメント。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のDNAフラグメントであって、該DNA
    フラグメントは、Brevibacterium属またはCorynebact
    erium属に属する微生物由来の不完全なホスホエノールピルビン酸カルボキ
    シラーゼヌクレオチド配列および単子葉植物綱または双子葉植物綱に属する植物
    由来の不完全なホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼヌクレオチド配列を
    含む、キメラ遺伝子である、DNAフラグメント。
  12. 【請求項12】 前記DNAフラグメントが、cDNA、ゲノムDNAまた
    は合成DNAである、請求項1に記載のDNAフラグメント。
  13. 【請求項13】 ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する
    ポリペプチドをコードする遺伝子を含む、単子葉植物綱または双子葉植物綱に属
    する植物由来のDNAフラグメントであって、該遺伝子は、Escherich
    ia属、Corynebacterium属およびBrevibacteriu
    m属を含む宿主微生物中で発現され得、そして該ポリペプチドは、活性化にアセ
    チル補酵素Aを必要とせず、かつアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対
    して減感作されている、DNAフラグメント。
  14. 【請求項14】 前記DNAフラグメントが、アルファルファ植物に由来す
    る、請求項13に記載のDNAフラグメント。
  15. 【請求項15】 前記DNAフラグメントが、Medicago sati
    va株に由来する、請求項14に記載のDNAフラグメント。
  16. 【請求項16】 前記DNAフラグメントが、1以上のヌクレオチド置換、
    欠失または挿入によって改変されている、請求項13に記載のDNAフラグメン
    ト。
  17. 【請求項17】 前記改変が、アミノ酸配列:Met−Ala−Ser−I
    le−Asp−Ala−Gln−Leu−Argをコードするヌクレオチドの欠
    失を含む、請求項16に記載のフラグメント。
  18. 【請求項18】 前記DNAフラグメントが、cDNA、ゲノムDNAまた
    は合成DNAである、請求項13に記載のDNAフラグメント。
  19. 【請求項19】 ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する
    ポリペプチドをコードする遺伝子を含む、Brevibacterium属また
    はCorynebacterium属に属する微生物由来のDNAフラグメント
    であって、該遺伝子は、Escherichia属、Corynebacter
    ium属およびBrevibacterium属を含む宿主微生物中で発現され
    得、該遺伝子は、該宿主微生物の染色体DNA内に組み込まれており、そして該
    ポリペプチドは、活性化にアセチル補酵素Aを必要とせず、かつアスパラギン酸
    によるフィードバック阻害に対して減感作されている、DNAフラグメント。
  20. 【請求項20】 前記DNAフラグメントが、Corynebacteri
    um glutamicum株に由来する、請求項19に記載のDNAフラグメ
    ント。
  21. 【請求項21】 請求項19に記載のDNAフラグメントであって、前記宿
    主微生物の染色体ppc遺伝子を取り除くこと、そしてホスホエノールピルビン
    酸カルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする前記遺伝子を、該宿
    主微生物の染色体ppc遺伝子に隣接する2つの遺伝子の発現を変更することな
    く挿入することによって、該遺伝子が組み込まれている、DNAフラグメント。
  22. 【請求項22】 ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する
    単離されたポリペプチドであって、該ポリペプチドは、活性化にアセチル補酵素
    Aを必要とせず、かつアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感作
    されており、そして該ポリペプチドは、請求項1、13および19のいずれか1
    項に記載のDNAフラグメントによってコードされる、単離されたポリペプチド
  23. 【請求項23】 組換えDNA分子であって、該組換えDNA分子は、プラ
    スミドおよび該プラスミド中に作動可動に挿入されたホスホエノールピルビン酸
    カルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含み、Esc
    herichia属、Corynebacterium属およびBreviba
    cterium属を含む宿主微生物中で、該組換えDNA分子は増幅し得、かつ
    該遺伝子は発現され得、ここで、該遺伝子は、単子葉植物または双子葉植物に由
    来し、そして該ポリペプチドは、活性化にアセチル補酵素Aを必要とせず、かつ
    アスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感作されている、組換えD
    NA分子。
  24. 【請求項24】 前記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子が、アルファルファ植物に由来する、請求
    項23に記載の組換えDNA分子。
  25. 【請求項25】 前記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子が、Medicago sativa株に
    由来する、請求項24に記載の組換えDNA分子。
  26. 【請求項26】 前記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子が、1以上のヌクレオチド置換、欠失また
    は挿入によって改変されている、請求項23に記載の組換えDNA分子。
  27. 【請求項27】 前記改変が、アミノ酸配列:Met−Ala−Ser−I
    le−Asp−Ala−Gln−Leu−Argをコードするヌクレオチドの欠
    失を含む、請求項26に記載の組換えDNA分子。
  28. 【請求項28】 ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する
    単離されたポリペプチドであって、該ポリペプチドは、活性化にアセチル補酵素
    Aを必要とせず、かつアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感作
    されており、そして該ポリペプチドは、請求項23に記載のDNA分子によって
    コードされる、単離されたポリペプチド。
  29. 【請求項29】 Escherichia属、Corynebacteri
    um属またはBrevibacterium属に属する宿主微生物であって、該
    微生物は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有するポリペプチ
    ドをコードする遺伝子を含むDNAフラグメントで形質転換されており、該遺伝
    子は、単子葉植物綱または双子葉植物綱に属する植物に由来し、該ポリペプチド
    は、活性化にアセチル補酵素Aを必要とせず、かつアスパラギン酸によるフィー
    ドバック阻害に対して減感作されており、そして該DNAフラグメントで形質転
    換された該宿主微生物は、該遺伝子を発現する、宿主微生物。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載の宿主微生物であって、該宿主微生物は
    、前記DNAフラグメントを該宿主微生物の染色体DNA内に組み込むことによ
    って形質転換されているか、またはプラスミドおよび該プラスミド中に作動可能
    に挿入された前記DNAフラグメントを含む組換えDNA分子で形質転換されて
    いる、宿主微生物。
  31. 【請求項31】 前記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子が、アルファルファ植物に由来する、請求
    項29に記載の宿主微生物。
  32. 【請求項32】 前記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子が、Medicago sativa株に
    由来する、請求項31に記載の宿主微生物。
  33. 【請求項33】 前記ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有
    するポリペプチドをコードする遺伝子が、1以上のヌクレオチド置換、欠失また
    は挿入によって改変されている、請求項29に記載の宿主微生物。
  34. 【請求項34】 前記改変が、アミノ酸配列:Met−Ala−Ser−I
    le−Asp−Ala−Gln−Leu−Argをコードするヌクレオチドの欠
    失を含む、請求項33に記載の宿主微生物。
  35. 【請求項35】 Escherichia属、Corynebacteri
    um属またはBrevibacterium属に属する宿主微生物であって、該
    宿主微生物において、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する
    ポリペプチドをコードする遺伝子を含むDNAフラグメントが、該微生物の染色
    体DNA内に組み込まれており、該DNAフラグメントは、Corynebac
    terium属またはBrevibacterium属に属する微生物に由来し
    、該ポリペプチドは、活性化にアセチル補酵素Aを必要とせず、かつアスパラギ
    ン酸によるフィードバック阻害に対して減感作されており、そして該宿主微生物
    は、該遺伝子を発現する、宿主微生物。
  36. 【請求項36】 前記DNAフラグメントが、Corynebacteri
    um glutamicum株に由来する、請求項35に記載の宿主微生物。
  37. 【請求項37】 請求項35に記載の宿主微生物であって、該宿主微生物の
    染色体ppc遺伝子を取り除くこと、そしてホスホエノールピルビン酸カルボキ
    シラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする前記遺伝子を、該宿主微生物の
    染色体ppc遺伝子に隣接する2つの遺伝子の発現を変更することなく挿入する
    ことによって、該遺伝子が組み込まれている、宿主微生物。
  38. 【請求項38】 発酵によってアミノ酸を産生する方法であって、該方法は
    、以下の工程: (a)適切な培地中でEscherichia属、Corynebacter
    ium属またはBrevibacterium属に属する宿主微生物を培養する
    工程;および (b)該培養培地からアミノ酸を単離する工程 を包含し、 ここで、該宿主微生物(a)は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ
    活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含むDNAフラグメントで形質
    転換されており、該宿主微生物(a)は、該遺伝子を発現し、そして該ポリペプ
    チドは、活性化にアセチル補酵素Aを必要とせず、かつアスパラギン酸によるフ
    ィードバック阻害に対して減感作されている、 方法。
  39. 【請求項39】 工程(b)において、前記アミノ酸が、L−アスパラギン
    酸、L−リジン、L−メチオニン、L−スレオニンおよびL−イソロイシンを含
    む、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 工程(b)において、前記アミノ酸が、L−リジンである
    、請求項39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記DNAフラグメントが、単子葉植物綱または双子葉植
    物綱に属する植物に由来する、請求項38に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記DNAフラグメントが、アルファルファ植物に由来す
    る、請求項41に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記DNAフラグメントが、Medicago sati
    va株に由来する、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記DNAフラグメントが、1以上のヌクレオチド置換、
    欠失または挿入によって改変されている、請求項38に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記改変が、アミノ酸配列:Met−Ala−Ser−I
    le−Asp−Ala−Gln−Leu−Argをコードするヌクレオチドの欠
    失を含む、請求項44に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記DNAフラグメントが、Brevibacteriu
    m属またはCorynebacterium属に属する微生物に由来する、請求
    項38に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記DNAフラグメントが、Corynebacteri
    um glutamicum株に由来する、請求項46に記載の方法。
  48. 【請求項48】 請求項38に記載の方法であって、前記ホスホエノールピ
    ルビン酸カルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子は、B
    revibacterium属またはCorynebacterium属に属す
    る微生物由来の不完全なホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼヌクレオチ
    ド配列および単子葉植物綱または双子葉植物綱に属する植物由来の不完全なホス
    ホエノールピルビン酸カルボキシラーゼヌクレオチド配列を含む、キメラ遺伝子
    である、方法。
  49. 【請求項49】 前記DNAフラグメントが、cDNA、ゲノムDNAまた
    は合成DNAである、請求項38に記載の方法。
  50. 【請求項50】 発酵によってアミノ酸を産生する方法であって、該方法は
    、以下の工程: (a)適切な培地中でEscherichia属、Corynebacter
    ium属またはBrevibacterium属に属する宿主微生物を培養する
    工程;および (b)該培養培地からアミノ酸を単離する工程 を包含し、 ここで、該宿主微生物(a)は、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ
    活性を有するポリペプチドをコードする遺伝子を含むDNAフラグメントを該宿
    主微生物(a)の染色体DNA内に組み込むことによって形質転換されているか
    、またはプラスミドおよび該プラスミド中に作動可能に挿入された該DNAフラ
    グメントを含む組換えDNA分子で形質転換されており、該宿主微生物(a)は
    、該遺伝子を発現し、該DNAフラグメントは、単子葉植物または双子葉植物に
    由来し、そして該ポリペプチドは、活性化にアセチル補酵素Aを必要とせず、か
    つアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感作されている、 方法。
  51. 【請求項51】 工程(b)において、前記アミノ酸が、L−アスパラギン
    酸、L−リジン、L−メチオニン、L−スレオニンおよびL−イソロイシンを含
    む、請求項50に記載の方法。
  52. 【請求項52】 工程(b)において、前記アミノ酸が、L−リジンである
    、請求項51に記載の方法。
  53. 【請求項53】 前記DNAフラグメントが、アルファルファ植物に由来す
    る、請求項50に記載の方法。
  54. 【請求項54】 前記DNAフラグメントが、Medicago sati
    va株に由来する、請求項53に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記DNAフラグメントが、1以上のヌクレオチド置換、
    欠失または挿入によって改変されている、請求項50に記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記改変が、アミノ酸配列:Met−Ala−Ser−I
    le−Asp−Ala−Gln−Leu−Argをコードするヌクレオチドの欠
    失を含む、請求項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 発酵によってアミノ酸を産生する方法であって、該方法は
    、以下の工程: (a)適切な培地中でEscherichia属、Corynebacter
    ium属またはBrevibacterium属に属する宿主微生物を培養する
    工程;および (b)該培養培地からアミノ酸を単離する工程 を包含し、 ここで、該宿主微生物(a)は、DNAフラグメントを該宿主微生物の染色体
    DNAに組み込むことによって形質転換されており、該DNAフラグメントは、
    ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有するポリペプチドをコード
    する遺伝子を含み、該宿主微生物(a)は、該遺伝子を発現し、該DNAフラグ
    メントは、Corynebacterium属またはBrevibacteri
    um属に属する微生物由来し、そして該ポリペプチドは、活性化にアセチル補酵
    素Aを必要とせず、かつアスパラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感
    作されている、 方法。
  58. 【請求項58】 請求項57に記載の方法であって、前記組み込みプロセス
    は、前記宿主微生物の染色体ppc遺伝子を取り除くこと、そして前記DNAフ
    ラグメントを、該宿主微生物の染色体ppc遺伝子に隣接する2つの遺伝子の発
    現を変更することなく挿入することである、方法。
  59. 【請求項59】 工程(b)において、前記アミノ酸が、L−アスパラギン
    酸、L−リジン、L−メチオニン、L−スレオニンおよびL−イソロイシンを含
    む、請求項57に記載の方法。
  60. 【請求項60】 工程(b)において、前記アミノ酸が、L−リジンである
    、請求項59に記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記DNAフラグメントが、Corynebacteri
    um glutamicum株に由来する、請求項57に記載の方法。
  62. 【請求項62】 ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有する
    ポリペプチドをコードする遺伝子を含むDNAフラグメントを選択する方法であ
    って、該ポリペプチドは、活性化にアセチル補酵素Aを必要とせず、かつアスパ
    ラギン酸によるフィードバック阻害に対して減感作されており、該方法は、以下
    の工程: (a)ppc遺伝子を保持するCorynebacterium株から染色体
    遺伝子を抽出する工程; (b)該染色体遺伝子(a)を適切な制限酵素で切断する工程; (c)該ppc遺伝子(a)をCorynebacterium中で増幅可能
    なプラスミドベクターと連結する工程; (d)該プラスミドベクター(c)で、ppc遺伝子およびpyc遺伝子が不
    活化されているCorynebacterium株を形質転換する工程; (e)単一炭素原としてグルコースを含む最小培地上で優れた増殖を示す株を
    単離する工程;および (f)該株(e)からホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性を有す
    るポリペプチドをコードする遺伝子を含むDNAフラグメントを単離する工程で
    あって、該ポリペプチドは、活性化にアセチル補酵素Aを必要とせず、かつアス
    パラギン酸によるフィードバック阻害に対して感受性がより低い、工程 を包含する、方法。
  63. 【請求項63】 工程(e)において、ホスホエノールピルビン酸カルボキ
    シラーゼ活性のインヒビターが、前記培地に添加される、請求項62に記載の方
    法。
  64. 【請求項64】 工程(e)において、オギザロ酢酸から誘導されるアミノ
    酸の産生の増加を示す株を単離する、請求項62に記載の方法。
  65. 【請求項65】 工程(e)において、アセチル補酵素Aの非存在下の最小
    培地上で株を増殖させる、請求項62に記載の方法。
  66. 【請求項66】 ホスホエノールピルビン酸からオギザロ酢酸への変換の速
    度を増加させる方法であって、請求項1、13および19のいずれか1項に記載
    のDNAフラグメントで宿主微生物を形質転換する工程を包含する、方法。
  67. 【請求項67】 発酵プロセスにおいて炭素を再循環する方法であって、請
    求項1、13および19のいずれか1項に記載のDNAフラグメントで宿主微生
    物を形質転換する工程を包含する、方法。
  68. 【請求項68】 ビオチンを必要としない発酵プロセスにおいて炭素を同化
    する方法であって、請求項1、13および19のいずれか1項に記載のDNAフ
    ラグメントで宿主微生物を形質転換する工程を包含する、方法。
  69. 【請求項69】 発酵プロセスにおいて有機酸の産生を増加させる方法であ
    って、請求項1、13および19のいずれか1項に記載のDNAフラグメントで
    宿主微生物を形質転換する工程を包含する、方法。
  70. 【請求項70】 発酵プロセスにおいてアミノ酸の産生を増加させる方法で
    あって、請求項1、13および19のいずれか1項に記載のDNAフラグメント
    で宿主微生物を形質転換する工程を包含する、方法。
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