JP2003502068A - 泡立ちを低減させた料理用補助剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 食用油、乳化剤、シリコンポリマー、および任意に、香味剤のような他の成分を含む料理用補助剤組成物が開示されている。この料理用補助剤組成物は食品の調理器具に対する粘着を減らし、所望の味、香り、および触感を料理された食品に付与する。料理用補助剤組成物は、スプレーおよび調理中、望まない程度の泡立ちがなく、エアロゾル缶から一定量が供給されうる。料理用補助剤組成物、当該組成物を容れるための容器、およびそれらに関連する説明書を含む商品もまた開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は、料理中に食品器具への食品の粘着を防ぐかまたは減らすために、焼
き用平鍋およびフライパンなどのような調理器具に塗付されうる料理用補助剤補
助剤に関する。この料理用補助剤は、料理用補助剤の望まない発泡をすることな
く、加圧エアロゾル缶から一定量を供給されうる。

【０００２】 （発明の背景） 料理用油及びスプレーのような従来の料理用補助剤は、料理された食品、およ
び新鮮な食品の調理に使用される。そのような料理された食品は、油で揚げる、
焼く、煮る、ローストする、などで調理された食品を含むが、これらに限らない
。従来の料理用補助剤は、調理器具に塗付されること、焼くおよび油で揚げる際
に材料として使用でき、または食品をマリネにすることおよびソテーする際に使
用できる。典型的には、従来の料理用油およびショートニングは、風味、触感、
または色を食品に加えるために使用され、従来の料理用スプレーは、食品の調理
器具への粘着を防ぐために使用される。

【０００３】 より低いレベルのカロリー摂取量で所望の非粘着性の働きを達成するため、料
理用油スプレーは、しばしば伝統的な料理用油に代わって使用される。多くの料
理用油スプレーは、純粋な料理用油単独の抗粘着性を越えて、スプレーの抗粘着
特性を改良するために、レシチンのような乳化剤を使用する。しかしながら、こ
れらの乳化剤はまた、スプレーおよび料理中に望まない泡立ちを導きうる。この
ような泡立ちは見苦しく、調理器具または食料製品への油の塗付さえも妨げ、ス
プレーのノズルの目詰まりを結果的に生じさせることがある。

【０００４】 有機溶媒（エタノールのような）または水を料理用油のスプレーに加えること
により、そのような泡立ちを減らすための、いくつかの試みが行われている。し
かしながら、有機溶媒は、スプレー後、料理中、および仕上げられた食料製品に
さえ、スプレーの香りについて、マイナスの影響を有する。水は油の非粘着特性
に悪影響を与える。水はまた、料理用油スプレーの安定性にマイナスに影響を与
えうる。なぜならば、水は微生物の成長の助けとなる培地を提供しうるからであ
る。

【０００５】 それゆえに、食品の器具への粘着を防ぎ、さらに所望の香りを有し、望まない
泡立ちをせずにスプレーとして一定量を供給でき、有機溶媒または水を含まない
料理用補助剤を提供することは望ましい。

【０００６】 （発明の要約） 出願人は、優れた味、香りおよび触感を、料理された食品に付与する料理用補
助剤組成物を発明した。料理用補助剤組成物は、改良された抗粘着性の恩恵、料
理中の改良された食品の褐色着色、および、典型的には従来の料理用油によって
示されるはねよりも少ないはねを提供する。料理用補助剤は食品の調理器具への
粘着を防ぎ、さらにスプレー後および料理中に望まない泡立ちをせずにスプレー
として一定量を供給できる。

【０００７】 本発明の一つの実施形態は、下記を含む料理用補助剤組成物である： （ａ）食用油； （ｂ）乳化剤；および （ｃ）約１００ｐｐｍから約１０００ｐｐｍのシリコンポリマー。

【０００８】 好ましくは、料理用補助剤組成物は約８０％を越える食用油；約２０％以下の
乳化剤；および約１００ｐｐｍから約１０００ｐｐｍのシリコンポリマーを含む
。

【０００９】 料理用補助剤組成物は、容器から注がれることまたはエアロゾル缶からスプレ
ーされることを含む様々な方法で一定量を供給されうる。食用油は滑らかな食感
を提供し、動物性または植物性油でありうる。乳化剤は抗粘着特性および褐色着
色特性を当該組成物に付与する。スプレー後および料理中両方で、シリコンポリ
マーは組成物の泡立ちを減らし、さらに感知できる味、香り、または風味を有し
ないような低いレベルで使用される。さらに料理用補助剤はスプレーによって一
定量を供給されるとき、結果的にノズルの目詰まりが少なくなる。なぜならば、
スプレー後、ノズルにはりつく泡の量が減らされるためである。当該組成物はさ
らに香味料（flavoring agent）または風味相乗剤を含む。

【００１０】 本発明の他の実施形態は下記を含む商品である。 （ａ）料理用補助剤組成物； （ｂ）当該組成物を容れるための容器； （ｃ）および容器に関連する説明書の一式。

【００１１】 説明書一式は、所望の非粘着特性を与えるのに十分であり、さらに消費用の仕上
げられた食品に、ＦＤＡにより許容されているシリコンポリマーの最大量よりも
少ない料理用補助剤組成物の量を使用することを使用者に指示する。説明書一式
は、当該容器に直接的または間接的に添付されている印刷物でありうるか、また
は、この他としては、当該容器に関連する、印刷によるか、電子的であるか、ま
たは放送による説明書でありうる。

【００１２】 （発明の詳細な説明） Ａ．定義 本明細書で使用される、用語「料理用補助剤」は、料理された食品および料理
されていない食品を調理する際に有用な組成物のことを指しており、料理用油、
料理用スプレー、ソース、調味料組成物、サラダドレッシング、およびマリネー
ドを含むが、これらに限らない。

【００１３】 本明細書で使用される、用語「食用油」は、一般的に注ぐことができる（室温
で）、動物または植物に由来する食用油を指しており、魚油、液化動物性脂肪、
および植物性油を含むがこれらに限られず、トウモロコシ、ココナッツ、大豆、
オリーブ、綿実、ベニバナ油、ヒマワリ油、キャノーラ、ピーナツ油、およびそ
れらの混合物（水素を添加された油、水素を添加されていない油、および部分的
に水素を添加された油）を含むがこれらに限られない。食用油は液体、または液
体および固体粒子の組み合わせ（例えば、液体ベース中の脂肪粒子）を含むこと
ができる。あるいは、食用油は、スクロースポリエステル（例えば、オレストラ
（olestra））のような脂肪代用物を含むことができる。食用油はまた、植物性
油、動物性油、および／または脂肪代用物を含む混合物でありうる。

【００１４】 本明細書で使用される、用語「乳化剤」は、「親水性」または「水溶性」部分
、および「親油性」または「脂肪様」部分を含む分子を有する物質のことを指し
ている。親水性部分は、大部分の調理器具の表面に付着するのに適しており、食
品の粘着を阻止する料理用油スプレーの層を表面上に形成する。親油性部分は、
乳化剤が当該組成物中の油に溶け、相互作用をするようにする。当該乳化剤はま
た、油と食品の相互作用を有利に増大することができ、それは一般的に高い含水
率を有し、しばしば油による被膜、油の食料製品への取り込みさえ妨げる。多く
の場合、乳化剤は、食品自身と相互作用し、食品へ所望の風味の増大を提供する
ことができ、料理中に所望の褐色着色を提供することを助けることができる。乳
化剤は、下記を含みうるがそれらに限定されない：レシチン、水酸化レシチン、
アセチル化レシチン、レシチンの単一純粋成分（ホスファチジルコリン、ホスフ
ァチジルイノシトール、ホスファチジン酸、およびリン酸モノグリセリドなど）
、モノグリセリド、モノ−およびジグリセリドのジアセチル酒石エステル、エト
キシル化モノグリセリド、アセチル化モノグリセリド、スクシニル化モノグリセ
リド、ポリグリセロールの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル、スクロースのような糖化合物の脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エス
テル、モノ−およびジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸およびそれらの塩
（ナトリウムおよびカルシウム）のラクチリックエステル、スクシステアリン、
またはそれらの混合物。

【００１５】 本明細書で使用される、容器に“関連した説明書”または容器と“関連する説
明書”との記載は、容器内の組成物の消費者に説明書一式を伝達するために、説
明書が容器自身に印刷されるか、容器上のラベルもしくは容器に取りつけられた
ラベルに印刷されること、または、パンフレット、印刷広告、電子広告、放送も
しくはインターネット広告、もしくは他のメディア（但し、これらに限られない
。）を含む異なる物に提示されることのいずれかを意味する。当該説明書は、仕
上げられた食品に存在するシリコンポリマーのレベルが、１０ｐｐｍを越えない
ような料理用補助剤組成物の量を使用することを使用者に指示している。この１
０ppmはＦＤＡにより許可されている消費用の仕上げられた食料製品中のシリコ
ンポリマーの最大量である（２１Ｃ．Ｆ．Ｒ．１７３．３４０参照）。

【００１６】 本明細書で使用したすべてのパーセント（％）は、特に示さない限り、重量で
ある。

【００１７】 本明細書で使用したパーツ・パー・ミリオン（ｐｐｍ）は、特に示さない限り
、重量（by weight）である。

【００１８】 Ｂ．料理用補助剤組成物の成分 料理用補助剤は、食用油、乳化剤、シリコンポリマー、および任意に香味料の
ような他の成分を含む。

【００１９】 １．乳化剤 本発明の料理用補助剤組成物は、食品が調理器具に接着する傾向を減らし、褐
色着色（browning）を提供するための乳化剤を含む。組成物は、約２０％以下の
乳化剤、好ましくは約１５％以下の乳化剤、さらに好ましくは約１０％以下の乳
化剤を含む。レシチンは特に適当な乳化剤である。適当なレシチンは、セントラ
ルソヤ（Central Soya Co.）からセントロフェーズ１５２（CENTROPHASE152）（
商標登録）ブランドとして購入可能である。他の好ましいレシチンまたは使用で
きるレシチンのような成分は脱油レシチン、リソレシチン、ホスファチジン酸お
よびその塩、およびリン酸モノグリセリドを含む。

【００２０】 ２．シリコンポリマー 料理用補助剤組成物は、スプレー前および料理中の両方で当該組成物の泡立ち
を減らすためのシリコンポリマーを含む。シリコンポリマーはまた、スプレー後
、ノズルの前面に粘着する泡立った組成物を減らすことにより、料理用油のスプ
レー容器のスプレーノズルの目詰まりをより少なくする。シリコンポリマーは、
味または香りまたは風味を感知できない程度のレベルで存在する。料理用補助剤
組成物は、約１００ｐｐｍから約１０００ｐｐｍ、好ましくは約４００ｐｐｍか
ら約６００ｐｐｍ、さらに好ましくは約５００ｐｐｍのシリコンポリマーを含む
ことができる。特に適当なシリコンポリマーは、ポリジメチルシロキサンである
。

【００２１】 ３．食用油 料理用補助剤組成物は少なくとも約８０％、好ましくは少なくとも９０％の食
用油を含む。食用油は、トリグリセリド、ジグリセリド、脂肪代用物、またはそ
れらの混合物を含む。適当な脂肪代用物は、スクロースポリエステルであり、例
えば、プロクターアンドギャンブル社（Protector & Gamble Co.）から商品名オ
レアン（OLEAN）（商標登録）として購入可能である。

【００２２】 ４．他の材料 追加の風味成分およびマスキング剤を、料理用補助剤組成物に含ませることが
できる。そのような追加の風味剤、マスキング剤は、塩、炭化水素テルペン、お
よびヒマワリ油を含むが、これらに限られない。炭化水素テルペンは、主に、ｄ
−リモネン、または、冷圧柑橘類油（レモン、ライム、オレンジ、グレープフル
ーツ、タンジェリン）、柑橘類エキスのような柑橘類加工業の副産物、またはフ
ェーズオイル（phase oil）のような純粋な化合物でありうるか；または、蒸留
または抽出により、果皮またはエッセンスオイルから分離されたテルペン混合物
でありうる。天然および人工の肉の風味、バター風味、オリーブ油風味、揚げら
れた風味の基本成分、スパイシー風味、香辛料、強い風味のあるもの（tangy）
、レモン、ガーリック、およびハーブもまた使用できる。

【００２３】 料理用補助剤組成物はまた、酸化防止剤、キレート剤、アミノ酸（例えば、シ
ステイン、メチオニン、リジン、およびグリシンのようなアルファアミノ酸）、
糖（例えば、スクロース、フルクトース、キシロース）を含む人工および天然甘
味料、ビタミン（例えば、ビタミンＡ、Ｃ、Ｅ、Ｂビタミン類）および他の栄養
素およびミネラルを含めた成分を含むが、これらに限られない。例えば、本発明
の組成物は、アルファ−アミノ酸、タンパク質加水分解物、酵母自己分解産物、
還元した化合物、ビタミン、およびそれらの混合物のような風味剤の前駆体を含
むことができる。

【００２４】 加えて、クエン酸のような適当な食用酸は、ｐＨを制御するために料理用補助
剤組成物に加えられうる。理論により制限されないが、約４から約８の間、さら
に好ましくは約５から約６の間のｐＨは、それらによって調理された食品の褐色
着色を制御するために、料理用補助剤組成物に望ましいと信じられている。組成
物はまた、ヒュームドシリカを含むことができる。褐色着色点を高めるため、ヒ
ュームドシリカを加えることが望まれることになる。

【００２５】 Ｃ．商品の成分 本発明の一つの実施形態では、料理用補助剤組成物は、容器内に提供され、こ
れは、それらと関連する説明書一式を有する。注ぐ、スプレーする、すくう、広
げることなどにより、料理用補助剤が一定量供給できる任意の容器が適当である
。適当な容器は、ガラス、プラスチック、またはスクィーズ構造を含む多層構造
を有し、スクリューキャップ、スナップキャップ、スプレーキャップ、スプレー
ノズル、および／または注ぎ口を有する容器を含むが、これらに限られない。

【００２６】 説明書は、消費用の仕上げられた食料製品に存在するシリコンポリマーが、Ｆ
ＤＡのガイドラインである１０ｐｐｍ（２１Ｃ．Ｆ．Ｒ．１７３．３４０参照）
を超えないようなレベルの料理用補助剤組成物の量を使用者に使用することを指
示する。説明書一式は容器に直接または間接に取りつけられた物質に印刷されう
るか、またはこの他には、容器に関連する印刷された説明書、電子的説明書、若
しくは放送による説明書でありうる。

【００２７】 （実施例） 下記の実施例は、本発明の料理用補助剤組成物の実例となるが、これらは、本
発明を制限することを意図しない。

【００２８】 約９２％のクリスコナチュラルブレンド（Crisco Natural Blend）（商標登録
）植物油、約８％のセントロフェーズ１５２（Centrophase 152）（商標登録）
ソヤ（Soya）レシチン、および約５００ｐｐｍのポリジメチルシロキサンを含む
料理用補助剤組成物を、これらの成分を混合することにより調製した。組成物を
プラスチックスプレーノズル付きの金属容器にいれ、不活性ガスで圧力をかけた
。約１秒間フライパンの中心に組成物をスプレーすることにより、当該組成物を
きれいな室温の金属製のフライパンに一定量供給した。

【００２９】 組成物をフライパンにスプレーした後、約１０秒間、組成物は中心に存在する
わずかな小さな泡のみを伴う油の透明なリングの外観を有し、不透明で膨れた泡
は残らなかった。スプレー中、スプレー後、および当該組成物で料理された仕上
げられた食料製品での組成物の香りは、無刺激油のそれであった。フライパンお
よび調理器具への食品の粘着は、従来の植物油を使用した場合と比較して著しく
減っている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ， ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ， ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ， ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，Ｋ Ｒ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ， ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，Ｓ Ｉ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 料理用補助剤組成物であって： （ａ）食用油； （ｂ）乳化剤；および （ｃ）１００ｐｐｍから１０００ｐｐｍのシリコンポリマーを含む組成物。
2. 【請求項２】 該組成物が２０％以下の乳化剤、好ましくは１０％以下の乳
   化剤を含むことを特徴とする請求項１に記載の料理用補助剤組成物。
3. 【請求項３】 該乳化剤がレシチンを含むことを特徴とする、請求項１また
   は２のいずれか１項に記載の料理用補助剤組成物。
4. 【請求項４】 該組成物が４００ｐｐｍから６００ｐｐｍのシリコンポリマ
   ーを含むことを特徴とする、請求項１から３のいずれか１項に記載の料理用補助
   剤組成物。
5. 【請求項５】 シリコンポリマーがポリジメチルシロキサンを含むことを特
   徴とする、請求項１から４のいずれか１項に記載の料理用補助剤組成物。
6. 【請求項６】 該組成物が少なくとも８０％の食用油、好ましくは少なくと
   も９０％の食用油を含むことを特徴とする、請求項１から５のいずれか１項に記
   載の料理用補助剤組成物。
7. 【請求項７】 料理用補助剤組成物であって： （ａ）少なくとも８０％の食用油； （ｂ）１０％以下のレシチン；および （ｃ）５００ｐｐｍのポリジメチルシロキサンを含むことを特徴とする組成物。
8. 【請求項８】 （ａ）請求項１から７のいずれか１項に記載の料理用補助剤
   組成物； （ｂ）該料理用補助剤組成物を容れるための容器であって、好ましくは前記の容
   器がエアロゾルスプレー容器であるもの；および （ｃ）該容器に関連する説明書一式； を含む商品において、 前記説明書は、使用者に、消費用の仕上げられた食料製品に存在するシリコンポ
   リマーのレベルが１０ｐｐｍを超えないように料理用補助剤組成物の量を使用す
   ることを指示する商品。