JP2003500219A - ダイカストマシンのための射出装置 - Google Patents

ダイカストマシンのための射出装置

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JP2003500219A JP2000621098A JP2000621098A JP2003500219A JP 2003500219 A JP2003500219 A JP 2003500219A JP 2000621098 A JP2000621098 A JP 2000621098A JP 2000621098 A JP2000621098 A JP 2000621098A JP 2003500219 A JP2003500219 A JP 2003500219A
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Abstract

(57)【要約】 射出プランジャのための電気機械的駆動を可能にする、ホットチャンバ型ダイカストマシンのための射出装置について説明する。射出プランジャ駆動を充填段階から保持圧力段階に切り替える際に発生する駆動の慣性モーメントを吸収するために、射出プランジャと、電動モータによって動かされる連接棒との間に、プラスチック構成部材または液体ばねの形をしたばね要素が挿入されている。このばね要素はモータ制動後の連接棒の追加的な行程によって圧縮される。圧縮量は、結果として生じる、プラスチック構成部材または液体ばねによって及ぼされる軸方向力が、溶湯内に所望の保持圧力を生じさせるのに十分であるように選択できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、鋳込み材料を金型内に射出するための射出プランジャを有する、溶
融金属を加工するためのダイカストマシン、特にホットチャンバ型ダイカストマ
シンのための射出装置であって、前記射出プランジャは連接棒を介して負荷可能
であり、連接棒は電動モータによって駆動される直線駆動装置と接続しており、
この直線駆動装置は型充填段階後に鋳込み材料内で所定の圧力を達成するために
所定の圧力段階で維持され、さらに射出プランジャと連接棒との間にばね要素が
接続されているものに関する。
【0002】 EP0430616A1により知られている射出装置は、直線駆動装置として
ナットを駆動するためのスピンドルが設けられている。直線駆動装置と接続され
た射出プランジャの駆動は、電動モータによって駆動されるベルトを介して行わ
れる。この場合、ベルト駆動は電磁的に制御可能なディスククラッチを介してス
ピンドルに作用し、それにより射出プランジャの送り速度と、型充填後は鋳込み
材料中で維持すべき圧力を制御できる。ここでは制御のために、スピンドル駆動
と連動した回転速度計から送られる回転数に依存した信号を用いる。射出プラン
ジャのためのこの種類の駆動は、比較的コストがかかる。ディスククラッチの操
作と制御は、特にそのようなクラッチが摩耗しやすいという欠点を含んでいる。
【0003】 日本国特許第07155925号の要約から知られている、冒頭に記載した種
類のダイカストマシン用の射出装置は、射出プランジャと連接棒との間に弾性的
なばね要素が接続されており、このばね要素は、システムに起因して駆動装置の
停止時および圧力制御への移行時に駆動装置に固有の慣性力により発生する好ま
しくない圧力ピークを回避する。このような問題は、プラスチック射出成形機で
は液体プラスチック材料の弾性的挙動のゆえに生じないが、溶融金属を加工する
ダイカストマシンでは、溶融金属が実用的に圧縮不能である限りにおいて事情は
異なる。
【0004】 液体プラスチック材料を加工するための射出成形機では、射出のために設けら
れている押出プランジャを電子制御装置によって制御して、可塑化時の動圧形成
および保持圧段階における圧力の保持という臨界的な段階において、圧力を維持
するために所望の推進速度もしくはトルクを作用させることができる(DE43
45034A1)。ここでも、駆動装置と可動な射出要素との間にばね素子を接
続すると、ダイカストマシンにおいても類似の駆動原理を使用できることに関す
る示唆がすでに与えられている。
【0005】 本発明の課題は、冒頭に記載した種類の射出装置を構造的にできるだけ単純に
形成することである。
【0006】 単純な構造を得るために、本発明に従い、冒頭に記載した種類の射出装置にお
いて、ばね要素が、弾性的プラスチック部材または液体ばねとして形成されてお
り、その予荷重によって発生する射出プランジャに対する反発力は、鋳込み材料
中に必要な圧力を達成するために必要な軸方向力を加えるのに十分な大きさにな
るように設計されている。このようなばね要素は、駆動の制動時に発生する慣性
モーメントを吸収できる。これによって引き起こされるばね行程は、射出プラン
ジャがさらに移動するのを防ぎ、さらにまた圧力ピークの発生を防ぎ、しかも複
雑な制御手段は必要ない。
【0007】 したがって本発明により、冒頭に記載した種類の射出装置は2通りの仕方で達
成される。一方で、駆動制動時に電動モータと伝動装置の質量によって引き起こ
される慣性モーメントを吸収できる。これにより射出プランジャは型充填から加
圧に切り替えた時点以降はもはや動かされない。他方で、慣性モーメントによっ
て発生する追加行程がばね要素の予荷重に使用され、これによって形成された予
荷重を利用して、鋳込み材料中で所望の保持圧力を維持するのに十分大きい軸方
向力を射出プランジャに負荷する。
【0008】 これらの方策により、射出プランジャの制御は非常に簡単になる。なぜならば
このようにすることによって、一次的な荷重制御を有する制御カスケードにおい
て保持圧力の制御を、二次的な速度制御に減じることができるからである。
【0009】 本発明の構成において、駆動装置の制御装置と接続されたセンサをばね要素に
付属させることができる。このセンサはばね要素によって作用される軸方向力を
検出し、それに応じて駆動制御に影響を与える。そうすることによって電気的駆
動装置は、ばね要素があらかじめ設定した寸法を越えて圧縮されないように制御
できる。
【0010】 本発明の構成において、ばね要素として弾性的プラスチックリングを設けるこ
とができる。このプラスチックリングは2つのフランジの間に保持されており、
一方のフランジが連接棒によって保持されていて、他方のフランジが連接棒上で
入れ子式に案内されているスリーブと固く接続されている。連接棒とスリーブと
の間の相対運動によりプラスチックリングが、制動過程後の駆動装置の惰性回転
によって引き起こされる連接棒の移動距離に相応する寸法だけ圧縮される。この
ようなプラスチックリングは、特に調質されたポリウレタンゴムからなる場合に
は、ダイカストマシンで発生する高い力を溶融金属の圧縮に加え得ることが分か
った。このプラスチックリングは、相次いで変形可能な2つ以上の部材からなる
こともできるので、慣性モーメントを吸収した後に軸方向圧縮力を加えるために
、種々のばね特性を実現することもできる。
【0011】 この場合、構造的な単純な形式において、連接棒はプラスチックリングを貫通
する、直径のより小さい突出部を有しており、この突出部上にスリーブも案内さ
れている。突出部と連接棒との間に設けられている段部は、連接棒に保持されて
いるディスクもしくはこのディスクに付属している圧力センサのための支承部と
して働くことができる。ここで、ばね要素とスリーブの構成とは、突出部がスリ
ーブに対して相対的に所定の距離しか移動できないように互いに合致されている
【0012】 公知技術におけるように、直線駆動装置としてスピンドルとこれに案内されて
いるナットとからなるスクリュー駆動装置を設けることが簡単にできる。しかし
また、直線駆動装置としてラック駆動装置を設けることも可能である。ラック駆
動装置は頑丈な構造を可能にし、しかも騒音の発生が少ない。この場合、ラック
の駆動は、両側でラックと係合している伝動装置を介して行われ得るので、ラッ
クの片側にだけ負荷がかかるということも起こらない。このような構造において
、伝動装置を駆動するために2つのモータを設けることもできる。そうすると、
より高い動特性による出力適合と、より高い加速および減速とが可能になる。こ
の場合、伝動装置は完全にカプセル状に包囲されることができるので、溶湯に向
かって油が流出することはあり得ない。
【0013】 最後に、直線駆動装置は、クランク伝動装置の連接棒によって駆動される滑動
体であることもできる。この場合、何らかの高さ調節が設けられていると、力の
推移を型充填行程に最適に適合させることが可能である。
【0014】 しかしまた、ばね要素として公知の液体ばねを設けることもできる(リューガ
ー技術事典第12巻、自動車技術、1967年版、DVA出版、シュツットガル
ト、223ページ)。原則として油を充填したそのようなシリンダ・ピストン・
ユニットは、ダイカストマシンで発生する数トンのオーダーの射出力において、
必要なばね行程を提供できる。ここでも、ばね力は射出ピストンの負荷に利用す
ることができる。
【0015】 実用的な実施形態において、液体ばねは浸漬プランジャを備えることができ、
この浸漬プランジャがばねの力でシリンダの内室に押し付けられて、連接棒によ
る負荷の前にすでに液体にある程度の予荷重を加える。本発明の構成において、
液体ばねのシリンダは開口部を備えることもでき、この開口部に圧力制限弁と、
流出した液体を場合によって戻すためのポンプとが接続されている。この場合、
圧力制限弁との接続管路に圧縮応力変換器を接続することができ、この圧縮応力
変換器はやはり電動駆動装置の制御と接続できる。
【0016】 しかしまた接続管路に追加的な液体容積が接続することができ、それらの制御
可能な接続がばね特性の変更に寄与することが有利である。このようにすること
によって、液体ばねを使用しても、上述したように複数部分からなるプラスチッ
クリングにおけるのと同様に、ばね特性の適合を類似の仕方で達成できる。
【0017】 以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 図1に、図示されない伝動装置と、ねじ付きスピンドル3を駆動して回転運動
させる連結部2とを有する電動モータ1、たとえば非同期モータあるいはまた他
の形態のサーボモータが設けられている。ねじ付きスピンドル3は、保護ハウジ
ング5内にシールされて案内されている。ねじ付きスピンドル3上に、このスピ
ンドル3と協働するナット4が案内されている。ナット4は、誘導カム6により
ハウジング5内部の溝7内に突入係合し、それによってハウジング5内でねじれ
ないように案内されている。ナット4は、スピンドル3の自由端を上から把持す
る延長部8を介して連接棒9と連通している。連接棒9それ自体は、シールされ
てハウジング5から引き出されていて、直径のより小さい突出部10を備えてい
る。突出部10上に第1のディスク11が可動に案内されて圧力センサ12に当
接している。圧力センサ12は、たとえば一種の圧電要素として形成できる。こ
の圧力センサ12は、信号管路13を介して、公知であるため詳細に図示されな
い、モータ1を制御するマルチパラメータ制御装置と連通している。
【0018】 さらに、突出部10上ではスリーブ14がエンドプレート15で移動可能に支
承されている。この場合、エンドプレート15と圧力センサ12に当接している
ディスク11との間にはプラスチックリング16の形をしたばね要素が配置され
ていて、同様に突出部10によって貫通されている。スリーブ14はディスク1
5とは反対側の端部に、図示されない射出プランジャと接続するための接続端部
17を備えており、突出部10の自由端は直径のより大きい段部18を備えてい
る。段部18は、スリーブを突出部10に保持して、プラスチックリング16に
ある程度の予荷重を与えるために働くこともできる。この段部18は、スリーブ
14の内側端面18から行程aだけ遠ざけられている。さて、この射出装置を運
転して、公知の仕方でホットチャンバ型ダイカストマシンのるつぼから射出プラ
ンジャとスタンドパイプとによって溶融金属を金型内に圧入すると、電動モータ
1は図示されないマルチパラメータ制御装置によって励起されてスピンドル3を
回転させ、その結果としてナット4は図示された位置からスピンドル3に沿って
下方に移動し、このとき連接棒9を同じように下方に、しかも鋳型の充填過程に
必要な速度で押す。
【0019】 型が充填されると、スピンドル3の回転駆動は速度制御からトルク制御に切り
替えられなければならず、この目的のためにモータ1が制動される。モータ、詳
しく図示されない伝動装置、および駆動装置によって回転させられるすべての部
材に、質量に基づく慣性モーメントが付着しているので、切替え時点でスピンド
ル3がさらに回転するのを即時に止めることはできない。この場合に、図示され
ない射出プランジャが型内にある圧縮可能な溶湯をさらに圧縮し、それによって
溶湯内に好ましくない圧力ピークが発生したり、駆動機構内に力のピークが発生
したりして、破損を招く危険を回避するために、ばね要素16が設けられている
。この場合にばね要素16が圧縮されて、本来射出プランジャが追加的に通過し
たはずの行程を吸収する。射出プランジャは型に充填した後に型内における溶融
金属の非圧縮性に基づいて、いわば静止しているのに対して、連接棒9とその突
出部10とはさらにある程度の行程進む。しかしこの行程はスリーブ14と突出
部10との間の相対的変位可能性によりばね要素16によって吸収できる。
【0020】 この場合、駆動がさらに通過した行程が寸法aよりも小さくなるように構成さ
れている。それゆえ、ばね要素はaよりわずかに小さい量だけ圧縮され、したが
って応力下に置かれる。この場合、設計は調整された(したがってaより小さい
)ばね行程において、ばね要素16によって及ぼされる反発力がスリーブ14に
、ひいては射出プランジャに作用するように行うことができる。この反発力は、
たとえば7〜8トン(70〜80KN)のオーダーの力に基づき溶湯中に必要な
保持圧力を生じさせるのに十分なほど大きい。実施例で使用するプラスチックリ
ングはこのような力を加えることができ、しかも過大になることはない。液体、
特に油の高圧下における圧縮性を利用する液体ばねを使用することも可能であろ
う。モータ1は静止トルクに調整されるので、溶湯内で保持圧力を維持するため
の複雑な方策は必要ない。
【0021】 いかなる場合も、ばね要素16によって及ぼされる力を溶湯中に必要な圧力が
生じるように大きく保つために、圧力センサ12が設けられている。圧力センサ
12は、ばね16によりスリーブ14に、ひいては射出プランジャに及ぼされる
力の大きさを与える。上述したように、ディスク11は突出部10上で移動可能
に配置されている。それゆえディスク11および15は、等しい軸方向力で負荷
される。この力は、ばね要素16の収縮が寸法aより大きくならないように配慮
される限り、前記のマルチパラメータ制御装置と駆動モータ1とによって非常に
限定された大きさに調整され得る。
【0022】 図2は、図1に類似した射出装置の概略図を示している。それゆえ同じ部材に
対しては等しい参照符号を使用した。 異なっているのは、ラック20が連接棒9と固く結合されている点である。し
たがって図1に示したスピンドル駆動装置は存在しない。ラック20も、図1の
スピンドル3と同様にハウジング5内でシールされていて、このハウジング5と
密に結合されたラックハウジング25内で案内されている。それゆえ、伝動装置
油が流出し、場合によって溶融金属中に進入することはあり得ない。
【0023】 図3が示すように、ラック20は両側に歯部を備えていて、これらの歯部で各
々軸21もしくは22上に支承されているピニオン23もしくは24にそれぞれ
当接している。この実施例では、軸21は2つのモータ26および27によって
駆動される。モータ26および27はそれぞれクラッチ28を介して軸21と駆
動接続している。ラックの駆動が単一の電動モータまたは両電動モータ26およ
び27によって行われる限り、その都度クラッチ28の操作によって出力適合を
行うことができる。この構成により、より高い動特性およびまたより高い加速お
よび減速をラック20に及ぼすことができる。これによりラックおよび連接棒9
に対する調節速度は比較的高く保つことができる。
【0024】 図4は、図3と類似のラック構成を示しているが、ここではラック20′はピ
ニオン29および30によって駆動され、それ自体が別のピニオン31、32、
33および歯車34および35からなる伝動装置の一部である。この伝動装置に
おいて、軸36上に固着している歯車35は、やはり選択的に電動モータ26、
27の一方または両方によって駆動される。このような伝動装置構成により、射
出装置の特に良好な機能を保証する変速比が実現される。
【0025】 図5は、ここでも同じ部材にはすでに図1で用いたのと同じ参照符号を用いた
が、構造は次のように異なる。すなわち、ここでは連接棒9は、直線ガイド38
で連接棒9の軸方向に案内されている滑動体37によって負荷されている。この
滑動体37は連接棒39によって負荷される。連接棒39はクランクディスクに
よって操作され、クランクディスクはやはり詳しく図示されない伝動装置を介し
て1つ、あるいはまた2つの電動モータ41によって駆動できる。
【0026】 図6は、図1、図2または図5に示されたすべての実施例において、連接棒9
と射出装置との間にばね要素として挿入されているプラスチックリング16を示
している。このプラスチックリング16は、調質されたポリウレタンゴムからな
り、矢印sの方向で圧縮されると、図8に示されている力・行程特性曲線を形成
できる。この場合、図8ではFは力を表し、sはプラスチックリング16の変形
行程を表している。
【0027】 図7に示す実施例は、プラスチックリング16が互いに同心的に配置されたリ
ング部材16aおよび16bによって置き替えられている。リング部材16aお
よび16bも同様に調質されたポリウレタンゴムからなることができ、図9に示
すように、異なる力・行程特性曲線を形成できる。プラスチックリング16aが
s1の量だけ圧縮されると、これによって及ぼされる力Fは、図9で行程距離s
1に達したときに略示された所定の大きさに増す。しかし両プラスチックリング
16aおよび16bが、さらに行程距離s1を越えて行程距離s2に沿って圧縮
されると、それらは一緒になってはるかに強力なばねとして作用するので、行程
単位当たりの力の上昇は著しく大きくなる。この構成は、溶湯に及ぼされた圧縮
力を高めるために利用でき、しかも駆動のために高価な制御手段は必要ない。
【0028】 最後に、図10は液体ばね42も同様にプラスチックばね要素の代わりに連接
棒と射出装置との間に挿入できることを示している。この液体ばね42は安定し
たシリンダ43からなる。シリンダ43は、接続部材17(図1)を備えた部材
を取り付けるための接続孔44を装備されており、この部材はまた図示されない
射出プランジャを受容する。キャップ45によって閉じられて容積V1の加圧油
を充填されたシリンダ43の内室に、キャップ45内でシールされて案内されて
いるピストン棒46が突入する。このピストン棒は、その下端部に皿形をした継
足し部47を備えており、これにキャップ45に支持されている圧縮ばね48が
作用する。それゆえこの圧縮ばね48はピストン棒46を所定の量だけ容積V1
内に圧入し、それによってシリンダ43内に含まれている液体の圧力は、押しの
け体として作用するピストン棒46によって高められる。
【0029】 冒頭に指摘したように、この液体ばね構成では、非常に高い圧力下における液
体の圧縮能力を利用する。それゆえ、液体ばねは、前述したプラスチックばね体
と同様に、ダイカストマシンで発生する高い力を吸収するのに適している。
【0030】 図示された実施例においてシリンダ43は、接続管路50を介して圧力制限弁
51と連通している開口部49を有している。場合によって圧力制限弁51を通
して流出する液体は、略示された容器52に受容され、ポンプ53によって再び
シリンダ43の内室に供給される。接続管路50には圧縮応力変換器54が接続
しており、圧縮応力変換器54はまた電動モータの制御と連通できる。このよう
にして、駆動装置を介して溶融金属に対する所望の射出圧力が不都合なく調整さ
れ維持され得る。
【0031】 しかし、また、さらに別の管路55も接続管路50と連通しており、制御弁5
6を介して追加容積V2の接続を、あるいは接続管路57を介して、概略的にVX で示した別の容積の接続も可能にする。この構成により、すでに図9に基づいて
2部分からなるプラスチックリングについて説明したように、液体ばね52によ
って及ぼされる力・行程特性曲線を類似の仕方で変化させ、それぞれの必要に適
合させることが可能になる。
【0032】 それゆえ、本発明の構成により、ばね要素16または42のばね収縮行程(好
ましくは図1に示すaより小さい)と、射出プランジャに及ぼされる軸方向力と
の間には常に一定の関係が存在する。したがって、本発明はホットチャンバ型ダ
イカストマシンのための射出装置の電磁的手段による駆動を可能にし、比較的単
純な操作および制御を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶融金属を加工するためのホットチャンバ型ダイカストマシンのための射出装
置を示す。
【図2】 ねじ付きスピンドル駆動装置の代わりにラック駆動装置を有する、図1と類似
の射出装置を示す。
【図3】 図2の射出装置を切断線III−IIIの方向で断面した概略図を示す。
【図4】 ラックに負荷するための別の伝動装置構成を有する、図3と類似の図を示す。
【図5】 連接棒に対するクランク駆動装置を有する、図1と類似のホットチャンバ型ダ
イカストマシンのための射出装置を示す。
【図6】 図1、図2および図5に使用されたプラスチックばねの概略図を示す。
【図7】 図6に従うプラスチックばねの変化した構造を示す。
【図8】 図6に従うプラスチックばねによって引き起こされる力・行程特性曲線を示す
【図9】 図7に従うプラスチックばねを使用する際の力・行程特性曲線を示す。
【図10】 図6または図7に従うプラスチックばねの代わりに、射出装置の連接棒と射出
プランジャとの間に挿入可能な液体ばねの実施例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ノシッラ,ヘルベルト ドイツ連邦共和国,デー−73614 ショル ンドルフ,リヒャルト−バグナー−シュト ラーセ 31 (72)発明者 シュティルハールト,ブルーノ スイス国,ツェーハー−9011 ザンクト ガレン,ヒューブシュトラーセ 7 (72)発明者 ジークリスト,ロナルト スイス国,ツェーハー−9242 オーベルッ ツビル,シュラットビーゼンシュトラーセ 8

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳込み材料を金型内に射出するための射出プランジャを有し
    ている、溶融金属を加工するためのダイカストマシン、特にホットチャンバ型ダ
    イカストマシンのための射出装置であって、射出プランジャは連接棒(9)を介
    して負荷可能であり、前記連接棒(9)は電動モータによって駆動される直線駆
    動装置と接続しており、この直線駆動装置は型充填段階後に鋳込み材料内で所定
    の圧力を達成するために所定の圧力段階で維持され、さらに射出プランジャと連
    接棒(9)との間にばね要素が接続されているものにおいて、 ばね要素(16、16°、16b)が、弾性的プラスチック部材または液体ば
    ね(42)として形成されており、その応力によって発生する射出プランジャに
    対する反発力が、鋳込み材料中に必要な圧力を達成するために必要な軸方向力を
    加えるのに十分なほど大きくなるように設計されていることを特徴とする射出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ばね要素(16、42)に、駆動装置(1)の制御装置
    と接続されているセンサ(12、54)が付属しており、このセンサがばね要素
    によって作用される軸方向力を検出することを特徴とする請求項1記載の射出装
    置。
  3. 【請求項3】 電気的駆動装置(1、26、27)は、ばね要素(16、4
    2)があらかじめ設定した寸法(a)を越えて圧縮されないように制御可能であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の射出装置。
  4. 【請求項4】 前記ばね要素が2つのディスク(11、15)の間に保持さ
    れている弾性的プラスチックリング(16)であり、一方のディスク(11)が
    連接棒(9)によって保持されていて、他方のディスク(15)が連接棒上で入
    れ子式に案内されているスリーブ(14)と固く接続されていることを特徴とす
    る請求項1から3のいずれか1項記載の射出装置。
  5. 【請求項5】 プラスチックリングが、相次いで変形可能な2つ以上の部材
    (16a、16b)から構成されていることを特徴とする請求項4記載の射出装
    置。
  6. 【請求項6】 プラスチック構成部材(16、16a、16b)が調質され
    たポリウレタンゴムからなることを特徴とする請求項1、4または5のいずれか
    1項記載の射出装置。
  7. 【請求項7】 連接棒(9)がプラスチックリング(16)を貫通する、直
    径のより小さい突出部(10)を有しており、この突出部(10)上にスリーブ
    (14)が案内されていることを特徴とする請求項4記載の射出装置。
  8. 【請求項8】 ばね要素(16)とスリーブ(14)の構成とが、突出部(
    10)がスリーブ(14)に対して相対的に所定の距離(a)のみ移動可能であ
    るように、互いに合致されていることを特徴とする請求項4記載の射出装置。
  9. 【請求項9】 センサ(12)が、連接棒(9)と直径のより小さい突出部
    (10)との間に形成された段部(20)と、突出部(10)で案内さればね要
    素(16)と隣接しているディスク(11)と、に当接していることを特徴とす
    る請求項2記載の射出装置。
  10. 【請求項10】 直線駆動装置としてスピンドル(3)とこれに案内されて
    いるナット(4)とからなるスクリュー駆動装置が設けられていることを特徴と
    する請求項1記載の射出装置。
  11. 【請求項11】 直線駆動装置としてラック駆動装置が設けられていること
    を特徴とする請求項1記載の射出装置。
  12. 【請求項12】 ラック(20、20′)の駆動が、両側でラックと係合し
    ている伝動装置を介して行われることを特徴とする請求項11記載の射出装置。
  13. 【請求項13】 2つのモータ(26、27)が選択的に伝動装置を駆動す
    るために設けられていることを特徴とする請求項12記載の射出装置。
  14. 【請求項14】 直線駆動装置が、直線ガイド(38)に保持されクランク
    伝動装置(40)の連接棒(39)によって駆動される滑動体(37)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の射出装置。
  15. 【請求項15】 液体ばね(42)が浸漬プランジャ(46)を有するシリ
    ンダ(43)からなり、浸漬プランジャがばね(48)の力でシリンダ(43)
    の内室に押し付けられて、連接棒による負荷の前にすでに液体(V1 )にある程
    度の予荷重を加えることを特徴とする請求項1記載の射出装置。
  16. 【請求項16】 液体ばね(42)のシリンダ(43)が開口部(49)を
    備えていて、この開口部(49)に圧力制限弁(51)と、流出した液体を場合
    によって戻すためのポンプ(53)とが接続されていることを特徴とする請求項
    15記載の射出装置。
  17. 【請求項17】 圧力制限弁(51)との接続管路(50)に圧縮応力変換
    器(54)が接続されており、この圧縮応力変換器(54)が電動モータ(3、
    26、27)の制御と接続されていることを特徴とする請求項16記載の射出装
    置。
  18. 【請求項18】 接続管路(50)に追加的な液体容積(V2、VX)が接続
    されていて、それらの制御可能な接続がばね特性の変更に寄与することを特徴と
    する請求項16記載の射出装置。
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