JP2003347892A - 縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置、縦結合型マルチモード圧電フィルタ及び電子部品 - Google Patents

縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置、縦結合型マルチモード圧電フィルタ及び電子部品

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JP2003347892A
JP2003347892A JP2002150816A JP2002150816A JP2003347892A JP 2003347892 A JP2003347892 A JP 2003347892A JP 2002150816 A JP2002150816 A JP 2002150816A JP 2002150816 A JP2002150816 A JP 2002150816A JP 2003347892 A JP2003347892 A JP 2003347892A
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俊雄 西村
Jiro Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広帯域であり、減衰量が大きく、安価に製造
し得る縦結合型マルチモード圧電フィルタを提供する。 【解決手段】 入力電極とアース電極との間に入力信号
が印加されると、圧電縦効果を利用した異なる次数のモ
ードが励振され、該異なる次数のモードが結合されて、
フィルタ特性が出力電極とアース電極とから取り出され
るように構成されている第1,第2の縦結合型マルチモ
ード圧電フィルタ6,7がケース基板2の上面に搭載さ
れており、かつ第1,第2の圧電フィルタ6,7のアー
ス電極28同士が、第1,第2の圧電フィルタ6,7の
入力電極26同士及び出力電極27同士よりも近接する
ように配置されている、マルチモード圧電フィルタ装置
1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば帯域フィル
タとして用いられる圧電フィルタに関し、より詳細に
は、圧電縦効果による振動の高調波を用いた縦結合型の
マルチモード圧電フィルタ装置、縦結合型マルチモード
圧電フィルタ及び該圧電フィルタを収納してなる電子部
品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、帯域フィルタとして様々な圧電フ
ィルタが用いられている。数MHz〜数十MHz帯の周
波数領域においては、小型化が容易であり、コストが安
価な二重モード圧電フィルタが主に用いられている。
【0003】この種の二重モード圧電フィルタは、例え
ば特開平5−327401号公報などに開示されてい
る。図18は、厚み縦振動を利用した従来の二重モード
圧電フィルタを示す断面図である。
【0004】圧電フィルタ201は、厚み方向に分極処
理された圧電板202を有する。圧電板202の上面に
は、一対の励振電極203,204が形成されており、
下面には励振電極203,204と圧電板202を介し
て対向するように共通励振電極205が形成されてい
る。
【0005】使用に際しては、上面の一方の励振電極2
03と共通励振電極205との間に入力信号を印加し、
圧電板202を励振させる。この場合、圧電板202が
励振され、図19(a)に示す対称モードと、図19
(b)に示す反対称モードが生じ、これら双方のモード
が結合されてフィルタ帯域が構成される。出力は、励振
電極204とアース電極205との間で取り出される。
【0006】なお、上記のように厚み縦振動モードを利
用した二重モード圧電フィルタの他、圧電板202を上
面に平行な方向に分極処理し、それによって厚み滑りモ
ードを利用した二重モード圧電フィルタも知られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の圧電フィルタ2
01では、対称モードと反対称モードの結合の強さは、
励振電極203,204間の間隔に依存し、この間隔の
大きさにより対称モードと反対称モードの周波数差が決
定され、通過帯域が決められることになる。
【0008】すなわち、広帯域フィルタを得るには、励
振電極203,204間の間隔を狭くし、両方のモード
の結合度を高め、かつ双方のモードの周波数差を大きく
する必要があった。
【0009】他方、励振電極203,204は、通常、
導電ペーストのスクリーン印刷により形成されている。
スクリーン印刷法では、励振電極203,204の間隔
を狭くするにも限界があった。他方、フォトリソグラフ
ィーにより励振電極203,204を形成すれば、励振
電極203,204間の間隔を小さくすることができる
ものの、コストが高くつくことになる。
【0010】また、たとえ、励振電極203,204間
の間隔を狭くすることができたとしても、圧電フィルタ
201において入出力間の静電容量が増加し、減衰量が
小さくなるという問題もあった。
【0011】他方、圧電フィルタにおいては、十分大き
な減衰量を得るために、複数のフィルタ素子を接続した
方法も広く用いられている。図20に示すように、圧電
フィルタ装置211では、基板212上に、第1,第2
の圧電フィルタ素子213,214が実装されている。
圧電フィルタ素子213と圧電フィルタ素子214とは
同一の構造を有する。
【0012】しかしながら、フィルタ素子213とフィ
ルタ素子214との間の距離が近い場合には、図20の
矢印Aで略図的に示すように、フィルタ素子213,2
14の入出力間に発生する浮遊容量により、減衰量が劣
化するという問題があった。従って、フィルタ素子21
3,214をあまり近づけて配置することができなかっ
た。よって、フィルタ装置全体の寸法が大きくならざる
を得なかった。
【0013】他方、大きな減衰量を得る他の方法とし
て、図21に示すように、中継容量を備えた圧電フィル
タも提案されている。図21に示す圧電フィルタ221
では、圧電基板に第1,第2のエネルギー閉じ込め型の
圧電共振部222,223が構成されている。圧電共振
部222,223間に、中継容量を構成するために、容
量電極224,225が圧電基板を介して対向するよう
に構成されている。図22は、図21に示した圧電フィ
ルタ221の回路構成を示す図である。
【0014】ここでは、容量電極224,225によ
り、図22に示す中継容量Cが構成されている。しかし
ながら、圧電フィルタ221を構成する圧電基板が分極
されているため、容量電極224,225が形成されて
いる圧電基板部分において圧電効果により所望でない振
動が生じ、スプリアスが発生するという問題があった。
【0015】さらに、容量電極224,225が対向し
ている部分において、圧電基板が分極されていないよう
に、圧電基板を部分的に分極する方法も知られている。
しかしながら、圧電基板を部分分極した場合には、圧電
基板にクラックが生じる恐れがあった。
【0016】本発明の目的は、広帯域であり、かつ減衰
量が十分大きく、さらに小型化が容易であり、所望でな
いスプリアスの発生を抑制し得るマルチモード圧電フィ
ルタ装置、マルチモード圧電フィルタ及び該マルチモー
ド圧電フィルタが収納された電子部品を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るマルチ
モード圧電フィルタは、互いに平行に配置された4以上
の励振電極及び前記励振電極間に配置されており、かつ
励振電極に直交する方向または励振電極と平行な方向に
分極処理されている複数の圧電体層を有し、前記複数の
励振電極と直交する方向において対向している第1,第
2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ第1〜第4の側面
とを有する積層型圧電体と、前記積層型圧電体の第1〜
第4の側面の少なくとも1つの側面において第1の端面
側に寄せられて形成された入力電極と、前記積層型圧電
体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面において
第2の端面側に寄せられて形成された出力電極とを備
え、前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも
1つの側面に形成された、アース電極と、前記複数の励
振電極が、前記入力電極に接続される第1のグループの
励振電極と、前記出力電極に電気的に接続される第2の
グループの励振電極と、前記アース電極に接続される第
3のグループの励振電極とを有し、入力電極とアース電
極との間に入力信号が印加されると、異なる次数のモー
ドの振動が励振されかつ結合され、前記出力電極とアー
ス電極とから出力信号が取り出されるように構成されて
いる第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタ
と、第1,第2の圧電フィルタが上面に搭載されたケー
ス基板とを備え、第1,第2の圧電フィルタが縦属接続
されており、かつ前記第1,第2の圧電フィルタのアー
ス電極同士が第1,第2の圧電フィルタの入力電極同士
及び出力電極同士よりも近接するように配置されている
ことを特徴とする。
【0018】第1の発明に係るマルチモード圧電フィル
タ装置において用いられる振動モードは特に限定されな
いが、本発明のある特定の局面では、圧電縦効果を利用
した長さ振動モードの高調波が用いられ、他の特定の局
面では、圧電縦効果を利用した厚み縦振動の高調波が用
いられる。
【0019】第1の発明に係る圧電フィルタ装置の他の
特定の局面では、前記積層型圧電体を構成している圧電
材料の音響インピーダンス値をZ1としたときに、前記
積層型圧電体の第1,第2の端面の外側に連結されてお
り、かつ音響インピーダンス値Z1よりも低い第2の音
響インピーダンス値Z2を有する材料からなる反射層
と、前記反射層の第1,第2の端面に連結されている側
とが反対側の面に連結されており、第2の音響インピー
ダンス値Z2よりも大きな第3の音響インピーダンス値
3を有する材料からなる保持部材とがさらに備えられ
る。この場合には、積層型圧電体から反射層に伝搬した
振動が、反射層と保持部材との界面で反射されるため、
積層型圧電体の振動特性に影響を与えることなく保持部
材により機械的に保持することができる。従って、積層
型圧電体の振動モードの制約が少ない。
【0020】第2の発明に係る縦結合型マルチモード圧
電フィルタは、互いに平行に配置された4以上の励振電
極及び前記励振電極間に配置されており、かつ励振電極
に直交する方向または励振電極と平行な方向に分極処理
されている複数の圧電体層を有し、前記複数の励振電極
と直交する方向において対向している第1,第2の端面
と、第1,第2の端面を結ぶ第1〜第4の側面とを有す
る積層型圧電体と、前記積層型圧電体の第1の側面にお
いて第1の端面側に寄せられて形成された入力電極と、
前記積層型圧電体の第1の側面において第2の端面側に
寄せられて形成された出力電極と、前記積層型圧電体の
第1の側面とは反対側の第2の側面に形成されたアース
電極とを備え、前記複数の励振電極が、前記入力電極に
接続される第1のグループの励振電極と、前記出力電極
に電気的に接続される第2のグループの励振電極と、前
記アース電極に接続される第3のグループの励振電極と
を有し、入力電極とアース電極との間に入力信号が印加
されると、異なる次数のモードの振動が励振されかつ結
合され、前記出力電極とアース電極とから出力信号が取
り出されるように構成されており、前記積層型圧電体の
第1,第2の端面の外側に設けられており、かつ前記積
層型圧電体の音響インピーダンス値Z1よりも低い音響
インピーダンス値Z2を有する第1,第2の反射層と、
前記第1,第2の反射層の外側に設けられており、前記
第2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3の音
響インピーダンス値Z3の材料からなる第1,第2の保
持部材と、前記出力電極または入力電極と前記アース電
極との間に接続されるように前記第1及び/または第2
の保持部材に構成されたコンデンサユニットとをさらに
備えることを特徴とする。
【0021】上記コンデンサユニットは様々な形態で構
成され得る。第2の発明のある特定の局面では、前記コ
ンデンサユニットが、前記保持部材の対向し合う一対の
外表面に形成された一対の容量電極を有する。
【0022】また、第2の発明の他の特定の局面では、
前記コンデンサユニットが、前記保持部材内において、
保持部材層を介して重なり合うように配置された複数の
内部電極を有する。
【0023】また、第2の発明に係る圧電フィルタにお
いても、使用する振動モードは特に限定されないが、あ
る特定の局面では、圧電縦効果を利用した長さ振動モー
ドの高調波が用いられ、別の特定の局面では、圧電縦効
果を利用した厚み縦振動の高調波が用いられる。
【0024】本発明に係る電子部品は、第2の発明に従
って構成された縦結合型マルチモード圧電フィルタが、
前記ケース基板上に搭載されており、かつ該圧電フィル
タを囲むようにケース基板にキャップ材が固定されてい
る構造を有する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明ら
かにする。
【0026】図1は、本発明の第1の実施例としての縦
結合型のマルチモード圧電フィルタ装置を示す斜視図で
ある。マルチモード圧電フィルタ装置1は、ケース基板
2を有する。ケース基板2は絶縁性材料からなる。ケー
ス基板2の上面には、入力電極3、出力電極4及びアー
ス電極5が形成されている。入力電極3とアース電極5
とに接続されるように、第1のマルチモード圧電フィル
タ6が導電性接着剤8a,8cにより入力電極3及びア
ース電極5に電気的に接続かつ機械的に固定される。ま
た、第2のマルチモード圧電フィルタ7が、導電性接着
剤9a,9cにより、出力電極4とアース電極5とに電
気的に接続されかつ機械的に固定される。なお、圧電フ
ィルタ6,7はケース基板上において縦属接続されてい
る。また、第1のマルチモード圧電フィルタ6と第2の
マルチモード圧電フィルタ7とは、中継部に形成した導
電性接着剤8b,9bによって接続されている。
【0027】圧電フィルタ6,7を囲むように、キャッ
プ材10がケース基板2の上面に固定される。圧電フィ
ルタ6と圧電フィルタ7とは同じ構造を有する。図2を
参照して、圧電フィルタ6の詳細を説明する。
【0028】図2(a)に示すように、マルチモード圧
電フィルタ6は、積層型圧電体11を有する。積層型圧
電体11には、その長さ方向と直交する方向に延びるよ
うに励振電極12〜25が形成されている。励振電極1
2,25は、圧電体11の端面11a,11bにそれぞ
れ形成されている。また、励振電極13〜24は、内部
電極の形態で形成されている。
【0029】積層型圧電体11の端面11a,11bの
外側には、反射層31,32が形成されており、反射層
31,32の外側面に、保持部材33,34が形成され
ている。反射層31,32及び保持部材33,34は、
積層型圧電体11と同じ横断面形状を有する。
【0030】積層型圧電体11は、横断面が矩形の棒状
の形状を有し、かつ端面11a,11bを結ぶ上面11
c及び下面11d並びに側面11e(他方の側面は図示
されず)を有する。上面11c、下面11d及び側面1
1eが、本発明の第1〜第3の側面を構成しており、図
示されていない側面が第4の側面を構成している。
【0031】第1の側面としての上面11c上には、端
面11a側に寄せられて、入力電極26が形成されてお
り、かつ第2の端面11b側に寄せられて出力電極27
が形成されている。また、第1の側面とは反対側の第2
の側面としての下面11d上にはアース電極28が形成
されている。
【0032】上面11c上には、複数の絶縁性材料29
が付与されており、下面11d上においても、複数の絶
縁性材料30が付与されている。
【0033】図2(b)に一部が示されているように、
絶縁性材料29,30は、励振電極12〜25を入出力
電極26,27及びアース電極28に選択的に電気的に
接続するために設けられている。
【0034】すなわち、励振電極13,15,17は、
入力電極26に接続されており、第1のグループの励振
電極を構成している。励振電極13,15,17とアー
ス電極28との電気的接続を防止するために、絶縁性材
料30がそれぞれ、励振電極13,15,17の下端を
被覆するように設けられている。同様に、出力電極27
に接続されている第2のグループの励振電極20,2
2,24とアース電極28との電気的接続を遮断するた
めに、励振電極20,22,24の下端が絶縁性材料3
0により覆われている。
【0035】他方、励振電極12,14,16,18,
19,21,23,25は第3のグループの励振電極を
構成しており、アース電極28に電気的に接続されてい
る。励振電極12,14,16,18,19,21,2
3,25と入力電極26及び出力電極27との電気的接
続を遮断するために、絶縁性材料29がこれらの励振電
極の上端を被覆するように上面11c上に設けられてい
る。
【0036】異なる電位に接続される励振電極間の圧電
体層、例えば励振電極12と励振電極13とで挟まれた
圧電体層は、積層型圧電体11の長さ方向に分極処理さ
れている。
【0037】本実施例では、積層型圧電体11を構成す
る圧電材料として、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミック
スが用いられており、その音響インピーダンス値Z
1は、3.4×107(kg/m2・S)である。
【0038】他方、反射層31,32は、エポキシ樹脂
からなり、その音響インピーダンス値Z2は1.87×
106(kg/m2・S)である。また、保持部材33,
34は、本実施例では、セラミックスにより構成されて
おり、その音響インピーダンス値Z3は3.4×10
7(kg/m2・S)である。
【0039】反射層31,32を構成する材料は、その
音響インピーダンス値Z2が、圧電体11を構成する圧
電材料及び保持部材33,34を構成する材料の音響イ
ンピーダンス値Z1,Z3よりも小さい限り、特に限定さ
れない。
【0040】また、保持部材33,34を構成する材料
についてもその音響インピーダンスZ3が、反射層3
1,32の音響インピーダンスZ2よりも大きい限り、
特に限定されず、セラミックス以外の絶縁性材料で構成
されてもよい。
【0041】図1に戻り、マルチモード圧電フィルタ装
置1では、上記のようにして構成されている圧電フィル
タ6と、圧電フィルタ6と同じように構成された圧電フ
ィルタ7とがケース基板2上に固定される。この場合、
圧電フィルタ6のアース電極28と、圧電フィルタ7の
アース電極28とが対向するように圧電フィルタ6,7
が配置されている。言い換えれば、圧電フィルタ6,7
のアース電極同士が、圧電フィルタ6,7の入出力電極
同士よりも近接するように配置されている。そのため、
以下の具体的な実験例から明らかなように、減衰量の拡
大が図られる。
【0042】次に、圧電フィルタ装置1の動作につき説
明する。図3は、圧電フィルタ6を動作させた場合に励
振される対称モード(実線)及び反対称モード(破線)
を示す図である。図3から明らかなように、マルチモー
ド圧電フィルタ6では、対称モードとして12倍波が強
く励振され、かつ反対称モードでは11倍波及び13倍
波が強く励振される。すなわち、マルチモード圧電フィ
ルタ6では、圧電縦効果を利用した長さ振動モードの1
1倍波〜13倍波が効率よく励振される。圧電フィルタ
6では、上記11倍波〜13倍波が結合されて、フィル
タとしての特性が得られる。
【0043】図4は、圧電フィルタ6のフィルタ波形を
示す図である。図4から明らかなように、中心周波数1
1MHzの広帯域のフィルタ特性が得られていることが
わかる。
【0044】マルチモード圧電フィルタ6では、利用し
ようとする3つのモードの周波数は、複数の高次モード
の次数の比だけ離れている。前述した従来の横結合マル
チモードフィルタでは、各モードの周波数は一対の励振
電極間の間隔に依存していた。これに対して、マルチモ
ード圧電フィルタ6では、各モードの周波数は励振電極
間の間隔に依存しない。すなわち、所望の帯域幅を得る
には、帯域幅に応じた次数を選択すればよいだけであ
る。従って、広帯域のフィルタ特性を容易に得ることが
できる。また、従来の横結合マルチモードフィルタで
は、広帯域化を図る場合に、分割励振電極の形成が非常
に困難となるのに対し、圧電フィルタ6では、容易に帯
域幅の拡大を図ることができる。
【0045】さらに、従来の横結合マルチモードフィル
タでは、フィルタの減衰量が十分大きくならないという
問題があった。フィルタの減衰量は、入力−アース電位
間の容量CI-Gと、入力電極と出力電極との間の容量C
I-Oとの比率に関係する。すなわち、入出力間の容量が
入力電極とアース電位との間の容量に対して小さい程、
減衰量は大きくなる。
【0046】圧電フィルタ6では、入力電極26及び出
力電極27に接続される励振電極間に、グランド電位に
接続される励振電極18,19が配置されているため、
入力電極−出力電極間の容量が著しく小さくされ得る。
よって、従来のマルチモードフィルタに比べて、大きな
減衰量を得ることができる。
【0047】なお、圧電フィルタ6では、積層型圧電体
11は長さ振動モードの高調波で振動する。従って、積
層型圧電体11はエネルギー閉じ込め型の圧電振動子で
はないため、積層型圧電体11を機械的に保持すると、
保持により特性か損なわれる。
【0048】そこで、本実施例では、反射層31,32
が端面11a,11bの外側に形成されており、さらに
保持部材33,34が反射層31,32の外側に連結さ
れている。圧電体11、反射層31,32及び保持部材
33,34の音響インピーダンスZ1〜Z3が上記のよう
に選ばれているため、圧電体11から伝搬してきた振動
が反射層31,32と保持部材33,34との界面にお
いて反射される。従って、振動エネルギーは、界面間の
中央の領域に閉じ込められることになる。よって、圧電
フィルタ6では、保持部材33,34において機械的に
保持したとしても、その特性に影響が生じ難い。これを
図5及び図6に示す。
【0049】図5は圧電フィルタ6を固定することなく
測定されたインピーダンス−周波数特性及び位相−周波
数特性を示し、図6は、保持部材33,34において圧
電フィルタ6を機械的に保持して特性を測定した場合の
インピーダンス−周波数特性及び位相−周波数特性を示
す。なお、図5及び図6において実線が位相−周波数特
性を、破線がインピーダンス−周波数特性を示す。
【0050】図6を図5と比較すれば明らかなように、
保持部材33,34において圧電フィルタ6を機械的に
保持したとしても、共振特性が損なわれないことがわか
る。従って、図1に示すように、導電性接着剤8a,8
b,8c,9a,9b,9cを用い、保持部材33,3
4の外表面に至っている部分において、入出力電極2
6,27またはアース電極28を入力電極3,出力電極
4及びアース電極5にそれぞれ電気的に接続し、かつ機
械的に接合したとしても、圧電フィルタ6,7の特性は
損なわれ難い。
【0051】図1に戻り、本実施例のマルチモード圧電
フィルタ装置1では、上記のような広帯域かつ減衰量の
大きなマルチモード圧電フィルタ6,7が用いられてい
る。すなわち、2素子のマルチモード圧電フィルタ6,
7が縦属接続されているため、より一層減衰量の拡大が
図られる。
【0052】さらに、マルチモード圧電フィルタ6,7
のアース電極28同士が対向するように圧電フィルタ
6,7が配置されているため、それによって減衰量のよ
り一層の拡大が図られる。これを、図7〜図9を参照し
て説明する。
【0053】図7は、本実施例のマルチモード圧電フィ
ルタ装置のフィルタ特性を示す図である。図8は、上記
実施例とは異なり、圧電フィルタ6,7の入力電極26
同士及び出力電極27同士が向かい合わせに対向するよ
うに配置することを除いては上記実施例と同様にして構
成された圧電フィルタ装置において、2素子のフィルタ
6,7間の距離Wを変化させた場合の減衰量の変化を示
す。図8において、2つのフィルタ6,7間の距離Wが
0.5mm以下である場合、上記実施例と同様である
が、減衰量は上記実施例に比べて小さくなることがわか
る。
【0054】図9は、上記実施例において、フィルタ
6,7間の距離Wを変化させた場合の減衰量の変化を示
す。図9を図8と比較すれば明らかなように、本実施例
では、アース電極28同士が対向されて配置されている
ため、フィルタ6,7間の距離Wを小さくした場合であ
っても、減衰量が十分な大きさとされ得ることがわか
る。
【0055】なお、上記実施例では、厚み縦振動の11
倍波〜13倍波を利用したマルチモード圧電フィルタ
6,7を用いた例を示したが、この高調波の次数は所望
とするフィルタの通過帯域によって自由に選択すればよ
い。
【0056】また、異なる電位に接続される励振電極間
の圧電体層の厚みについても、均一にする必要は必ずし
もない。すなわち、部分的に圧電体層の厚みを異なら
せ、それによってスプリアスとなる次数のモードの励振
効率を低下させることができる。
【0057】図10は、本発明の第2の実施例に係るマ
ルチモード圧電フィルタ装置を説明するための分解斜視
図である。第1の実施例では、圧電縦効果を利用した長
さ振動モードの高調波を用いた圧電フィルタが使用され
ていたが、本発明においては、他の振動モードを利用し
た圧電フィルタを用いてもよい。
【0058】図10に示す圧電フィルタ装置51では、
圧電縦効果を利用した厚み縦振動の高調波が用いられて
いる。すなわち、ケース基板52上に、厚み縦振動の高
調波を利用したエネルギー閉じ込め型のマルチモード圧
電フィルタ56,57が搭載される。ケース基板52上
には、入力電極53、出力電極54及びアース電極55
が形成されている。圧電フィルタ56,57は、導電性
接着剤58a,58bにより入力電極53、出力電極5
4に電気的に接続され、かつ機械的に固定される。な
お、アース電極55は、圧電フィルタ56,57のアー
ス電極(後述)と図示されていない導電性接着剤で接合
されている。さらに、56は接続電極であり、圧電フィ
ルタ6,7を接続するために設けられている。圧電フィ
ルタ56と圧電フィルタ57とは同じように構成されて
いる。
【0059】図11(a)〜(d)を参照して、圧電フ
ィルタ56の詳細を説明する。図11に示すように、マ
ルチモード圧電フィルタ56は、積層型圧電体61を有
する。積層型圧電体61は、対向し合う第1,第2の端
面61a,61bを有する。端面61a,61bを結ぶ
矢印Pで示す方向に圧電体61が分極処理されている。
端面61a,61b上には、励振電極62,75が形成
されている。また、圧電体61内には、内部電極の形態
で、励振電極63〜74が形成されている。励振電極6
2〜75は、圧電体層を介して重なり合うように配置さ
れている。また、励振電極63,65,67が、第1の
側面61cに引き出されており、第1の側面61c上に
おいて、端面61a側に寄せられて形成された入力電極
76に電気的に接続されている。また、第2のグループ
の励振電極70,72,74が側面61cに引き出され
て、出力電極77に電気的に接続されている。出力電極
77は、側面61c上において端面61b側に寄せられ
て形成されている。第3のグループの励振電極62,6
4,66,68,69,71,73,75は、側面61
dに形成されたアース電極78に電気的に接続されてい
る。
【0060】励振電極62〜75が圧電体層を介して重
なり合っている部分は、圧電体61の中央部分に限定さ
れている。従って、本実施例では、異なる電位に接続さ
れた励振電極間に挟まれた圧電体層、例えば励振電極6
2と励振電極63とで挟まれた圧電体層は、圧電縦効果
を利用した厚み縦振動で励振され、かつ厚み縦振動モー
ドの高調波が励振電極62,63が対向している圧電体
層部分に閉じ込められる。
【0061】上記圧電フィルタ56を動作させた場合、
対称モードでは、図11(b)に示す厚み縦振動の12
倍波が効率よく励振され、反対称モードでは、図11
(c)及び(d)にそれぞれ示す厚み縦振動の高調波の
11倍波及び13倍波が効率よく励振される。
【0062】従って、圧電フィルタ56においては、1
1倍波〜13倍波が結合されて、フィルタ特性が得られ
る。本実施例では、圧電フィルタ56,57は、上記の
ようにエネルギー閉じ込め型のマルチモード圧電フィル
タとして構成されている。従って、エネルギー閉じ込め
型であるため、振動エネルギーは励振電極62〜75が
対向している部分に閉じ込められている。よって、側面
61c,61dを利用して、ケース基板52に固定した
としても、フィルタ特性が影響を受け難い。
【0063】本実施例においても、第1の実施例と同様
に、通過帯域に応じて利用しようとする高調波の次数を
選択することにより、帯域幅を容易に調整することかで
きる。また、本実施例においても、図10に示されてい
るように、圧電フィルタ56,57のアース電極78同
士が対向するように配置されているため、帯域外減衰量
を十分な大きさとすることができる。
【0064】図12は、本発明の第3の実施例に係るマ
ルチモード圧電フィルタ装置を説明するための分解斜視
図である。
【0065】第3の実施例のマルチモード圧電フィルタ
装置81では、ケース基板82上に、マルチモード圧電
フィルタ86,87が搭載される。ケース基板82に
は、入力電極83、出力電極84及びアース電極85が
形成されている。また、導電性接着剤88a,88bに
より、圧電フィルタ86,87が入力電極83、出力電
極84に電気的に接続される。なお、アース電極85と
圧電フィルタ86,87との電気的接続のための導電性
接着剤は図示されていない。また、89は圧電フィルタ
86,87を縦属接続するための接続電極を示す。
【0066】図13に示すように、圧電フィルタ86
は、積層型圧電体91を有する。積層型圧電体91内に
は、図13に右の方に略図的に示す励振電極92,93
が圧電体層を介して重なり合うようにかつ交互に形成さ
れている。圧電体91の上面91a及び下面91bが、
第1,第2の端面を構成している。第1の側面91c及
び第3の側面91eのコーナー部分には、上面91a側
に寄せられて入力電極94が、下面91b側に寄せられ
て出力電極95が形成されている。
【0067】他方、第1の側面91cと第4の側面91
fとのコーナー部分には、アース電極96が高さ方向の
全長に渡って形成されている。なお、91dは第2の側
面を示す。
【0068】図14に、圧電フィルタ91における電極
接続構造を模式的に示す。本実施例では、圧電体91は
厚み方向に分極処理されている。従って、10層の圧電
体が異なる電位に接続されている励振電極間に挟まれて
構成されているため、圧電フィルタ86では、厚み縦振
動の高調波として、対称モードでは、10倍波が、反対
称モードでは11倍波及び13倍波が強く励振される。
本実施例では、励振電極92,93が圧電体91の端面
91a,91bと平行な面において、中央部分において
のみ圧電体層を介して対向されている。従って、振動エ
ネルギーが圧電体91の中央部分に閉じ込められる。こ
のように、エネルギー閉じ込め型のマルチモード圧電フ
ィルタを構成する場合、その励振電極の形状は適宜変更
され得る。
【0069】また、第3の実施例では、中心部分におい
てのみ励振電極92,93が圧電体層を介して対向して
いる形状を有するため、入力電極94、出力電極95及
びアース電極96への電気的接続のための電極構造の自
由度が高められ、かつ圧電フィルタ91の機械的強度が
高められる。従って、高周波化に容易に対応することが
できる。
【0070】第3の実施例においても、図12に示すよ
うに、圧電フィルタ86,87のアース電極96同士が
近接されて配置されているため、第1の実施例と同様
に、減衰量を十分な大きさとすることができる。
【0071】図15は、本発明の第4の実施例に係るマ
ルチモード圧電フィルタを示す斜視図である。マルチモ
ード圧電フィルタ101は、第2の発明の実施例であ
る。マルチモード圧電フィルタ101は、細長い矩形板
状の積層型の圧電体102を有する。圧電体102の端
面102aには励振電極103が形成されている。第2
の端面102bには、励振電極116が形成されてい
る。また、励振電極104〜115が内部電極の形態で
形成されている。励振電極103〜116は、圧電体の
横断面の全領域に至るように形成されている。もっと
も、励振電極103〜116は、横断面形状の一部の領
域にのみ形成されていてもよい。
【0072】第1の実施例で用いられた圧電フィルタ6
と同様に、第1の側面としての上面には、端面102a
側に寄せられて入力電極117が形成されており、端面
102b側に寄せられて出力電極118が形成されてい
る。また、第2の側面としての下面には、アース電極1
19が形成されている。
【0073】圧電体102の上面及び下面には、それぞ
れ、複数の絶縁性材料120,121が付与されてい
る。絶縁性材料120は、励振電極104,106,1
08,111,113,115をアース電極119と電
気的に絶縁するために設けられている。同様に、絶縁性
材料121は、励振電極103,105,107と、入
力電極117と電気的に絶縁するために、並びに励振電
極109,110,112,114,116を出力電極
118と電気的に絶縁するために設けられている。
【0074】圧電体102は、チタン酸ジルコン酸鉛系
セラミックスからなり、長さ方向に分極処理されてい
る。従って、上記入力電極117とアース電極119と
の間に交流電圧を印加した場合、圧電体102が長さ振
動モードで振動される。従って、第1の実施例のマルチ
モード圧電フィルタ6と同様に、圧電縦効果を利用し
て、長さ振動モードの高調波が効率よく励振され、より
具体的には、11倍波〜13倍波が効率よく励振され、
かつこれらが結合されてフィルタ帯域が得られる。
【0075】圧電フィルタ101の積層型圧電体102
は、上記のように、マルチモード圧電フィルタ6とほぼ
同様に構成されている。本実施例においても、圧電体1
02の端面102a,102bの外側には、反射層3
1,32及び保持部材33,34が設けられている。反
射層31,32及び保持部材33,34は、マルチモー
ド圧電フィルタと同様に構成されている。
【0076】従って、マルチモード圧電フィルタ101
においても、保持部材33,34において機械的に保持
した場合、フィルタ特性が損なわれ難い。本実施例の特
徴は、上記圧電フィルタ101において、一方の保持部
材33において容量電極117a,119aが形成され
ていることにある。容量電極117a,119aは、そ
れぞれ、入力電極117及びアース電極119の一端を
延長するようにして形成されている。容量電極117
a,119aが保持部材33の上面及び下面を介してあ
る程度の面積で対向されている。従って、容量電極11
7a,119a間において、中継容量が構成されてい
る。
【0077】よって、本実施例では、上記中継容量の存
在により、減衰量の拡大が図られる。また、本実施例で
は、上記中継容量は、保持部材33を用いて構成されて
おり、保持部材33は分極処理されていない。従って、
中継容量を構成したとしても、所望でないスプリアスが
生じ難い。
【0078】よって、第4の実施例によれば、広帯域で
あり、様々な帯域幅を容易に設定でき、かつ減衰量が大
きく、所望でないスプリアスが発生し難い、マルチモー
ド圧電フィルタを提供することが可能となる。
【0079】マルチモード圧電フィルタ101では、保
持部材33の上面及び下面に容量電極117a,119
aを構成することにより中継容量が形成されていたが、
図16に示すように、保持部材33に、内部電極12
1,122を形成することにより中継容量を構成しても
よい。内部電極121は、入力電極117に電気的に接
続されており、内部電極122はアース電極119に電
気的に接続されている。また、絶縁性材料123,12
4により、内部電極121,122が、アース電極11
9及び入力電極117にそれぞれ電気的に接続されない
ように構成されている。
【0080】このように、中継容量は、保持部材34の
一部に内部電極121,122を形成することにより構
成してもよく、それによって保持部材33の寸法を、図
15に示した実施例に比べて小さくすることができる。
【0081】また、図17に示すように、保持部材33
において、複数の内部電極131〜134を、交互に保
持部材33の上面33aまたは下面33bに引き出され
るように形成し、それによって積層コンデンサ型の中継
容量部を構成してもよい。
【0082】なお、第1〜第4の実施例及び変形例にお
いて、圧電体の外表面に絶縁性材料を形成せずに、図1
7に示した中継容量部と同様に、励振電極の一端が接続
されてはならない入力電極、出力電極またはアース電極
に接触しないように形成してもよく、その場合には、圧
電性材料19,20を省略することができる。
【0083】
【発明の効果】第1の発明に係るマルチモード圧電フィ
ルタ装置では、第1,第2の縦結合型マルチモード圧電
フィルタにおいて、圧電縦効果を利用して励振された異
なる次数のモードの振動を結合することによりそれぞれ
フィルタ特性が得られる。従って、広帯域であり、減衰
量の大きなフィルタ特性を容易に得ることができる。の
みならず、第1,第2の圧電フィルタのアース電極同士
が、第1,第2の圧電フィルタの入出力電極同士よりも
近接するように配置されているため、それによっても減
衰量の拡大が図られる。
【0084】よって、第1の発明によれば、広帯域であ
り、かつ大きな帯域外減衰量を得ることができる、マル
チモード圧電フィルタを提供することができる。
【0085】第2の発明に係るマルチモード圧電フィル
タでは、第1の発明のマルチモード圧電フィルタと同様
に、圧電縦効果を利用して励振された異なる次数のモー
ドの振動が結合され、それによってフィルタ特性が得ら
れるため、広帯域化及び大きな帯域外減衰量を得ること
ができる。しかも、積層型の圧電体の第1,第2の端面
の外側に第1,第2の反射層及び第1,第2の保持部材
が設けられているため、圧電体から伝搬してきた振動が
反射層と保持部材との界面で反射される。よって、保持
部材において、機械的に保持したとしても、フィルタ特
性が損なわれ難い。そして、この保持部材において、中
継容量を構成するコンデンサユニットが構成されている
ため、さらに大きな帯域外減衰量を得ることができる。
【0086】従来の圧電フィルタでは、中継容量が圧電
基板に構成されていたため、中継容量部が圧電効果によ
り振動し、所望でないスプリアスが発生したが、第2の
発明では、保持部材は圧電体で構成される必要がないた
め、所望でないスプリアスの発生も効果的に抑制するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るマルチモード圧電
フィルタ装置を説明するための分解斜視図。
【図2】(a)及び(b)は、第1の実施例で用いられ
るマルチモード圧電フィルタの外観を示す斜視図及び部
分切欠縦断面図。
【図3】図2に示したマルチモード圧電フィルタを実装
させた場合に励振される対称モード及び反対称モードを
示す図。
【図4】図2に示したマルチモード圧電フィルタのフィ
ルタ特性を示す図。
【図5】図2に示したマルチモード圧電フィルタを機械
的に保持しない場合のインピーダンス−周波数特性及び
位相−周波数特性を示す図。
【図6】図2に示したマルチモード圧電フィルタを保持
部材において機械的に保持した場合のインピーダンス−
周波数特性及び位相−周波数特性を示す図。
【図7】第1の実施例のマルチモード圧電フィルタ装置
のフィルタ特性を示す図。
【図8】入出力電極同士を向かい合わせて第1,第2の
マルチモード圧電フィルタを配置した構成において、第
1,第2のマルチモード圧電フィルタ間の距離Wを変化
させた場合の減衰量の変化を示す図。
【図9】第1の実施例において、第1,第2のマルチモ
ード圧電フィルタ間の距離Wを変化させた場合の減衰量
の変化を示す図。
【図10】第2の実施例に係るマルチモード圧電フィル
タ装置を説明するための分解斜視図。
【図11】(a)は第2の実施例で用いられるマルチモ
ード圧電フィルタの外観を示す斜視図、(b)〜(d)
は、励振される12倍波、11倍波及び13倍波を略図
的に示す図。
【図12】第3の実施例に係るマルチモード圧電フィル
タを説明するための分解斜視図。
【図13】第3の実施例で用いられるマルチモード圧電
フィルタを説明するための略図的斜視図。
【図14】図13に示したマルチモード圧電フィルタの
電極構造を模式的に示す正面断面図。
【図15】第4の実施例に係るマルチモード圧電フィル
タを示す斜視図。
【図16】図15に示したマルチモード圧電フィルタの
変形例を示す斜視図。
【図17】図15に示したマルチモード圧電フィルタの
さらに他の変形例を示す斜視図。
【図18】従来の二重モード圧電フィルタを示す正面断
面図。
【図19】(a)及び(b)は、それぞれ、図18に示
した圧電フィルタにおいて励振される対称モード及び反
対称モードを説明するための模式的断面図。
【図20】従来の圧電フィルタ装置の一例を説明するた
めの斜視図。
【図21】従来の圧電フィルタの他の例を示す斜視図。
【図22】図21に示した圧電フィルタの回路構成を示
す図。
【符号の説明】
1…マルチモード圧電フィルタ装置 2…ケース基板 3…入力電極 4…出力電極 5…アース電極 6,7…第1,第2のマルチモード圧電フィルタ 8a〜8d…導電性接着剤 11…圧電体 11a,11b…第1,第2の端面 11c…上面(第1の側面) 11d…下面(第2の側面) 12e…側面 12〜25…励振電極 26…入力電極 27…出力電極 28…アース電極 31,32…反射層 33,34…保持部材 51…マルチモード圧電フィルタ装置 52…ケース基板 56,57…第1,第2のマルチモード圧電フィルタ 61a…第1の端面 61b…第2の端面 61c…第1の側面 61d…第3の側面 61e…第4の側面 62,75…励振電極 76…入力電極 77…出力電極 78…アース電極 81…マルチモード圧電フィルタ装置 82…ケース基板 86,87…第1,第2のマルチモード圧電フィルタ 91…圧電体 91a,91b…第1,第2の端面 92,93…励振電極 94…入力電極 95…出力電極 96…アース電極 101…マルチモード圧電フィルタ 102…圧電体 102a,102b…端面 102c…上面(第3の側面) 102d…下面(第4の側面) 102e…側面 103〜116…励振電極 117…入力電極 117a,119a…容量電極 118…出力電極 119…アース電極 121,122…内部電極 131〜134…内部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J108 AA07 BB04 CC04 DD06 DD07 EE03 EE07 FF07 FF11 GG03 JJ01 KK02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行に配置された4以上の励振電
    極及び前記励振電極間に配置されており、かつ励振電極
    に直交する方向または励振電極と平行な方向に分極処理
    されている複数の圧電体層を有し、前記複数の励振電極
    と直交する方向において対向している第1,第2の端面
    と、第1,第2の端面を結ぶ第1〜第4の側面とを有す
    る積層型圧電体と、 前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つ
    の側面において第1の端面側に寄せられて形成された入
    力電極と、 前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つ
    の側面において第2の端面側に寄せられて形成された出
    力電極とを備え、 前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つ
    の側面に形成された、アース電極と、 前記複数の励振電極が、前記入力電極に接続される第1
    のグループの励振電極と、前記出力電極に電気的に接続
    される第2のグループの励振電極と、前記アース電極に
    接続される第3のグループの励振電極とを有し、 入力電極とアース電極との間に入力信号が印加される
    と、異なる次数のモードの振動が励振されかつ結合さ
    れ、前記出力電極とアース電極とから出力信号が取り出
    されるように構成されている第1,第2の縦結合型マル
    チモード圧電フィルタと、 第1,第2の圧電フィルタが上面に搭載されたケース基
    板とを備え、 第1,第2の圧電フィルタが縦属接続されており、かつ
    前記第1,第2の圧電フィルタのアース電極同士が第
    1,第2の圧電フィルタの入力電極同士及び出力電極同
    士よりも近接するように配置されている、マルチモード
    圧電フィルタ装置。
  2. 【請求項2】 前記異なる次数の振動モードが、圧電縦
    効果を利用した長さ振動モードの高調波である、請求項
    1に記載の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。
  3. 【請求項3】 前記異なる次数のモードの振動が、圧電
    縦効果を利用した厚み縦振動の高調波である、請求項1
    に記載の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。
  4. 【請求項4】 前記積層型圧電体を構成している圧電材
    料の音響インピーダンス値をZ1としたときに、 前記積層型圧電体の第1,第2の端面の外側に連結され
    ており、かつ音響インピーダンス値Z1よりも低い第2
    の音響インピーダンス値Z2を有する材料からなる反射
    層と、 前記反射層の第1,第2の端面に連結されている側とが
    反対側の面に連結されており、第2の音響インピーダン
    ス値Z2よりも大きな第3の音響インピーダンス値Z3
    有する材料からなる保持部材とをさらに備える、請求項
    1〜3のいずれかに記載の縦結合型マルチモード圧電フ
    ィルタ装置。
  5. 【請求項5】 互いに平行に配置された4以上の励振電
    極及び前記励振電極間に配置されており、かつ励振電極
    に直交する方向または励振電極と平行な方向に分極処理
    されている複数の圧電体層を有し、前記複数の励振電極
    と直交する方向において対向している第1,第2の端面
    と、第1,第2の端面を結ぶ第1〜第4の側面とを有す
    る積層型圧電体と、 前記積層型圧電体の第1の側面において第1の端面側に
    寄せられて形成された入力電極と、 前記積層型圧電体の第1の側面において第2の端面側に
    寄せられて形成された出力電極と、前記積層型圧電体の
    第1の側面とは反対側の第2の側面に形成されたアース
    電極とを備え、 前記複数の励振電極が、前記入力電極に接続される第1
    のグループの励振電極と、前記出力電極に電気的に接続
    される第2のグループの励振電極と、前記アース電極に
    接続される第3のグループの励振電極とを有し、 入力電極とアース電極との間に入力信号が印加される
    と、異なる次数のモードの振動が励振されかつ結合さ
    れ、前記出力電極とアース電極とから出力信号が取り出
    されるように構成されており、 前記積層型圧電体の第1,第2の端面の外側に設けられ
    ており、かつ前記積層型圧電体の音響インピーダンス値
    1よりも低い音響インピーダンス値Z2を有する第1,
    第2の反射層と、 前記第1,第2の反射層の外側に設けられており、前記
    第2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3の音
    響インピーダンス値Z3の材料からなる第1,第2の保
    持部材と、 前記出力電極または入力電極と前記アース電極との間に
    接続されるように前記第1及び/または第2の保持部材
    に構成されたコンデンサユニットとをさらに備えること
    を特徴とする、縦結合型マルチモード圧電フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記コンデンサユニットが、前記保持部
    材の対向し合う一対の外表面に形成された一対の容量電
    極を有する、請求項5に記載の縦結合型マルチモード圧
    電フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記コンデンサユニットが、前記保持部
    材内において、保持部材層を介して重なり合うように配
    置された複数の内部電極を有する、請求項5に記載の縦
    結合型マルチモード圧電フィルタ。
  8. 【請求項8】 前記異なる次数の振動モードが、圧電縦
    効果を利用した長さ振動モードの高調波である、請求項
    5〜7のいずれかに記載の縦結合型マルチモード圧電フ
    ィルタ装置。
  9. 【請求項9】 前記異なる次数のモードの振動が、圧電
    縦効果を利用した厚み縦振動の高調波である、請求項5
    〜7のいずれかに記載の縦結合型マルチモード圧電フィ
    ルタ装置。
  10. 【請求項10】 ケース基板と、前記ケース基板上に搭
    載されており、かつ請求項5〜9のいずれかに記載の縦
    結合型マルチモード圧電フィルタと、該圧電フィルタを
    囲むように前記ケース基板に固定されているキャップ材
    とを備える電子部品。
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