JP2006067271A - 薄膜弾性表面波デバイス、パッケージ型薄膜弾性表面波装置、及び薄膜弾性表面波デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回路基板、コンデンサ、弾性表面波素子などを一体化することによって、厚さ及び平面の面積を小さくした容積の小さな弾性表面波デバイスを提供する。
【解決手段】 本発明の薄膜弾性表面波デバイス10は、基板11上に形成された圧電体薄膜12上に駆動電極15、接続電極16、及び薄膜コンデンサ電極17,18が形成され、基板11、圧電体薄膜12、及び薄膜コンデンサ電極17,18により薄膜コンデンサが形成されている。駆動電極15、接続電極16、及び薄膜コンデンサ電極17,18は、基板11の概表面に形成された回路22とスルーホール19により接続されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の薄膜弾性表面波デバイス10は、基板11上に形成された圧電体薄膜12上に駆動電極15、接続電極16、及び薄膜コンデンサ電極17,18が形成され、基板11、圧電体薄膜12、及び薄膜コンデンサ電極17,18により薄膜コンデンサが形成されている。駆動電極15、接続電極16、及び薄膜コンデンサ電極17,18は、基板11の概表面に形成された回路22とスルーホール19により接続されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、圧電体上に形成する駆動電極、薄膜コンデンサを備えた、薄膜弾性表面波デバイス、パッケージ型薄膜弾性表面波装置、及び薄膜弾性表面波デバイスの製造方法に関する。
従来の弾性表面波デバイスを図面を用いて説明する。図13は、一例としての従来の弾性表面波デバイスの部分正断面図である。図13によれば、シリコンなどの基板1101の表面に酸化膜などの絶縁層1102が設けられている。その上には、スパッタリング法、フォトエッチングなどによって形成された、下部電極1103、上部電極1105などの回路電極1112、コンデンサ1106に対応する誘電体1104、などが形成されている。さらに、絶縁層1102上には、櫛形電極1107、ボンディングパッド1108が形成された弾性表面波素子1109が接着剤1110により固着されており、ボンディングパッド1108と下部電極1103とが金などのワイヤー1111で接続されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、前述のように、基板1101上に弾性表面波素子1109を載置し、その周辺の基板1101上に、回路電極1112、コンデンサ1106を形成した構成の弾性表面波デバイスでは、弾性表面波素子1109の載置箇所以外の部分に回路電極1112、コンデンサ1106などを設けなければならず、弾性表面波デバイスの平面の面積が大きくなる。また、基板1101上に、弾性表面波素子1109を載置するため、弾性表面波デバイスの厚さが大きくなる。即ち、容積の大きな弾性表面波デバイスとなってしまう問題点があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回路電極、コンデンサ、弾性表面波素子などを一体化することによって、厚さ及び平面の面積を小さくした容積の小さな弾性表面波デバイス、パッケージ型薄膜弾性表面波装置、及び薄膜弾性表面波デバイスの製造方法を提供することにある。
かかる問題を解決するために、本発明の薄膜弾性表面波デバイスは、基板と、前記基板の少なくとも一面に形成された圧電層と、前記圧電層の表面に形成された弾性表面波の駆動電極と、前記駆動電極と電気的に接続され前記圧電層の表面に形成された薄膜コンデンサ電極と、を有することを特徴とする。
本発明の薄膜弾性表面波デバイスによれば、基板の少なくとも一面に形成された圧電層の表面に弾性表面波の駆動電極と薄膜コンデンサ電極とが形成されている。この薄膜コンデンサ電極と基板とが対向する電極として圧電層を挟み、当該基板上に薄膜コンデンサを一体的に形成する。従って、従来のように基板と弾性表面波素子が別々に形成され、基板上に弾性表面波素子を載置することが不要となり、さらに、弾性表面波素子の載置箇所以外の部分に設けられていた回路電極、コンデンサなども不要となる。即ち、厚さ及び平面の面積を小さくした容積の小さな、換言すれば小型の薄膜弾性表面波デバイスを提供することが可能となる。
また、さらに、前記基板の概表面に形成された回路を有し、前記回路は、少なくとも前記圧電層を通る配線により前記駆動電極、及び前記薄膜コンデンサ電極と接続されていることが望ましい。
このようにすれば、一つの基板上に、駆動電極、薄膜コンデンサ電極、回路が形成されて薄膜弾性表面波デバイスが構成されるため、回路も含む薄膜弾性表面波デバイスが一つの素子となり、厚さ及び平面の面積を小さくした容積の小さな、換言すれば小型の薄膜弾性表面波デバイスを提供することが可能となる。
また、前記コンデンサ電極は、前記駆動電極と電気的に並列状態に接続されていることが望ましい。
このようにすれば、薄膜弾性表面波デバイスの周波数特性におけるメインピーク近傍に発生するスプリアス発振を抑制することが可能となる。
また、基板と、前記圧電層との間に、導電層が形成されていることが望ましい。
このようにすれば、基板が絶縁体であっても、導電層が薄膜コンデンサ電極と対向する電極となり、圧電層を挟み対向することから、効率的にコンデンサ容量を形成できる。このことから薄膜コンデンサの面積を小さくすることが可能となる。
また、前記導電層は、前記薄膜コンデンサ電極に対向する領域に設けられていることとしてもよい。
また、前記圧電層は、前記基板の一方の面に形成された第一圧電層と、前記一方の面と表裏の関係にある他方の面に形成された第二圧電層とによって形成されており、前記第一圧電層、又は前記第二圧電層のいずれか一方の表面に前記駆動電極が形成され、他方の表面に前記薄膜コンデンサ電極が形成されていることが望ましい。
このようにすれば、駆動電極と薄膜コンデンサとを、平面構造を重ねて形成することができるため、薄膜弾性表面波デバイスの平面の面積をさらに小さくすることが可能となる。
また、前記駆動電極と、前記薄膜コンデンサ電極とが、前記基板、前記第一圧電層、及び第二圧電層を通る配線により接続されていることが望ましい。
このようにすれば、接続のための配線が、前記基板、前記第一圧電層、及び第二圧電層の内部(一例としては、スルーホール)、或いは外表面(一例としては、薄膜電極)を通り設けられるため、形状バラツキを小さく抑えることが可能となる。即ち、ボンディングワイヤー形状のばらつきなどに見られる接続形状のばらつきをを小さく抑えることが可能となるため、接続状態のばらつきによる寄生容量のばらつきに起因する薄膜弾性表面波デバイスの特性の劣化を防止することが可能となる。
また、前記駆動電極の一部と連続して前記コンデンサ電極が形成されていることが望ましい。
このようにすれば、駆動電極の一部も含めてコンデンサ電極とすることができるため、より小面積の薄膜コンデンサを形成することができる。
本発明のパッケージ型薄膜弾性表面波装置は、保持器と、前記保持器に実装された前述の薄膜弾性表面波デバイスと、を有することを特徴とする。
このようにすれば、前述した小型でスプリアスの抑制された薄膜弾性表面波デバイスを保持器の中に収納しているため、従来のパッケージ型薄膜弾性表面波装置より小型でスプリアスの抑制されたパッケージ型薄膜弾性表面波装置を提供することが可能となる。
本発明の薄膜弾性表面波デバイスの製造方法は、基板の表面に圧電層を形成する工程と、前記圧電層の表面に駆動電極及びコンデンサ電極を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の薄膜弾性表面波デバイスの製造方法によれば、圧電体の表面の駆動電極とコンデンサ電極と同一工程で形成することが可能となる。従って、製造工数を小さくすることが可能となるため、低コストの薄膜弾性表面波デバイスを提供することが可能となる。
本発明の薄膜弾性表面波デバイスの製造方法は、基板の表面に導電層を形成する工程と、前記導電層の表面に圧電層を形成する工程と、前記圧電層の表面に駆動電極及びコンデンサ電極を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の薄膜弾性表面波デバイスの製造方法によれば、基板の表面に導電層を形成するため、薄膜コンデンサの容量を効率的に形成することが可能となり、薄膜コンデンサを小型化することが可能となる。さらに、圧電体の表面の駆動電極とコンデンサ電極と同一工程で形成することが可能となる。従って、製造工数が小さくなり、低コストの薄膜弾性表面波デバイスを提供することが可能となる。
また、前記導電層を形成する工程は、前記基板の表面に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の表面に前記導電層を形成する工程とを含むこととしてもよい。
このようにすれば、基板が導電体であっても、基板と導電層との間に絶縁層が介在しているため、基板と導電層との短絡を防止することができる。
本発明に係る薄膜弾性表面波デバイスの最良の形態について、以下に図面を用いて説明する。なお、本発明は、後述の実施形態に限定されるものではない。
(第一実施形態)
図1は、本発明に係る第一実施形態の薄膜弾性表面波デバイスの概略構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図1は、本発明に係る第一実施形態の薄膜弾性表面波デバイスの概略構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図1に示すように、薄膜弾性表面波デバイス10は、基板11、圧電層の一例としての圧電体薄膜12、駆動電極15、接続電極16、薄膜コンデンサ電極17,18、スルーホール19、回路22、及び配線層23から構成されている。
基板11は、シリコン(Si)や化合物半導体(GaAs,GaP,InP,SiGe,ZnSなど)などで構成される半導体基板、ガラス基板、石英基板、セラミック基板などの誘電体によって形成される。本第一実施形態では、シリコン(Si)基板が用いられている。
圧電体薄膜12は、基板11の表面(上面)に形成されている。この圧電体薄膜12は、ZnO、AlN、PZT(Pb−Zr−Ti)、CdS、ZnS、Bi−Pb−O、LiTaO3、LiNbO3、TaNbO3、KNbO3などの、弾性表面波を励振可能な圧電体で形成される。本第一実施形態では、ZnOが用いられている。
圧電体薄膜12は、その材質や結晶性に応じて適宜の厚さとされる。例えば、一般的には0.1〜5μm程度の厚さであり、特に、0.5〜1.5μm程度の厚さであることが好ましい。圧電体薄膜12が薄すぎると弾性表面波の伝播態様が下層の影響を受けやすくなるとともに、圧電体薄膜12の表面(図示例では上面)の結晶性が不十分となる場合がある。通常、圧電体薄膜12の厚さは励起される弾性表面波の1波長以上の厚さとされることが望ましい。逆に、圧電体薄膜12が厚すぎると、製造工程に時間がかかり、製造コストが増大するため、薄膜弾性表面波素子としたメリットが薄くなる。
駆動電極15は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などを用い、圧電体薄膜12の表面(上面)に形成されている。この駆動電極15は、弾性表面波を励振するためのIDT(インタディジタル電極)とも呼ばれる励振電極13a,14aと、励振電極13a,14aを接続するバスバー13b,14bと、反射電極20と、反射電極20を接続するバスバー21とから構成されている。励振電極13a,14aは、それぞれが複数設けられて櫛歯状に構成され、励振電極13aと励振電極14aとが交互に一定間隔で弾性表面波の伝播方向(図示左右方向)に配列され、バスバー13b,14bで接続されている。また、反射電極20は反射器を構成するための電極である。複数の反射電極20が上記伝播方向に上記一定間隔にて配列され、バスバー21によって接続されることにより反射器(いわゆるグレーティング反射器)が構成されている。これらの反射器は、上記励振電極13a,14aの配列領域の上記伝播方向両側にそれぞれ配置されている。
薄膜コンデンサ電極17,18は、励振電極13a,14aのバスバー13b,14bと接続電極16によって電気的に並列状態に接続されており、駆動電極15、接続電極16と同じ材料で形成されている。薄膜コンデンサ電極17,18の外側には、回路22などとの接続用のスルーホール19が形成されている。なお、薄膜コンデンサ電極17,18は、基板11と、両者に挟まれる圧電体薄膜12とによって薄膜コンデンサを構成する。なお、本第一実施形態において、基板11として用いているシリコン(Si)は、導電体であるため、薄膜コンデンサの一方の電極としての機能を果たすことができる。
薄膜コンデンサは、薄膜弾性表面波デバイス10の出力特性におけるメインピーク近傍に発生する低次ピークを抑制し、それによるスプリアス発振(寄生発振)を防止する。実験結果から1pF程度の薄膜コンデンサを形成することにより、メインピークの抑制を防ぎつつ、低次ピークを抑制できることが明らかになった。図2は、1pFの薄膜コンデンサを設けた場合(破線で示す)と、設けない場合(実線で示す)の薄膜弾性表面波デバイスの周波数特性を示し、縦軸に挿入損失、横軸にメインピークでの発振周波数をゼロ(0)としたときの周波数を示している。図2に示すように、メインピークは、わずか0.6dBのダウンであるのに比べ、低次ピークは、3dBのダウンとなっており、メインピークに比べ低次ピークの方が、挿入損失をより大きく抑制することができる。さらに、この低次ピークの抑制効果は、駆動電極と電気的に並列状態に薄膜コンデンサを設けることで、さらに大きな効果を生ずることが検証されている。
薄膜コンデンサの容量は、式(1)によって設定される。式(1)によれば、薄膜コンデンサの容量Cは、電極に挟まれる膜(本例では、圧電体薄膜12)を構成する圧電体の誘電率ε及び電極の面積Sに比例し、電極に挟まれる膜の厚み(本例では、圧電体薄膜12の厚み)に反比例の関係にある。即ち、圧電体薄膜12に誘電率の高い材料を用いる、又は、圧電体薄膜12の厚みを薄くすることによって、電極面積を小さくすることができる。圧電体薄膜12に用いることが可能な圧電材料の誘電率εを表1に示す。表1によれば、例えば、圧電材料として水晶(比誘電率4.63)を用いる場合と比べれば、ZnO(比誘電率10.20)を用いた場合の方が、電極面積は約1/2とすることができる。さらに、LiTaO3(比誘電率42.8)を用いれば、電極面積は約1/9とすることができる。また、前述のように、圧電体薄膜12の膜厚を薄くすることによっても電極面積は小さくすることが可能であるが、前述の圧電体薄膜12の説明でも述べたように、0.5〜1.5μm程度の膜厚とすることが望ましい。
図3は、圧電体薄膜12として膜厚0.5μmのZnO薄膜を用いた場合のコンデンサ容量と電極面積の相関図である。図3によれば、前述によるスプリアス発振を防止するために必要な1pFの容量は、4900μm2(例えば、70μm×70μm)のわずかな面積の電極で確保することができる。
このように、本実施形態のような、MIS型(Metal−Insulator−Semiconductor)構造を利用して薄膜コンデンサを形成すれば、わずかなコンデンサ領域で必要な容量を確保することが可能となり、駆動電極15と同じ圧電体薄膜12上に薄膜コンデンサを形成することができる。
回路22は、モノリシック集積回路や表面上に構成されたハイブリッド集積回路などで構成され、図1に示すように、基板11の下面(すなわち、圧電体薄膜12が形成されている側とは反対側の表面)上、或いは表面に近い部分に形成されている。それぞれの回路22間は、配線層23により接続が取られており、基板11の上面に形成された駆動電極15、薄膜コンデンサ電極17,18とは、スルーホール19を介して接続されている。配線層23はアルミニウム、アルミニウム合金、Cu、Cu合金、Au、Au合金、Cr、Cr合金などで構成される。
第一実施形態に示す薄膜弾性表面波デバイスによれば、基板11の上面に形成された圧電体薄膜12の表面に弾性表面波の駆動電極15と薄膜コンデンサ電極17,18とが形成されている。この駆動電極15、薄膜コンデンサ電極17,18は、スルーホール19によって基板11の下面に形成された回路22と接続されている。換言すれば、一つの基板11上に、弾性表面波の駆動電極15、薄膜コンデンサ電極17,18、回路22が形成されて薄膜弾性表面波デバイス10が構成されている。即ち、駆動回路も含む薄膜弾性表面波デバイス10が一つの基板からなる一つの素子で形成されており、厚さ及び平面の面積を小さくした容積の小さな、換言すれば小型の薄膜弾性表面波デバイス10を提供することが可能となる。
さらに、スルーホール19は、例えば、ケミカルエッチングなどで形成することができるため形状ばらつきがほとんどない状態で形成することができる。従って、駆動電極15、薄膜コンデンサ電極17,18と回路22との接続による、接続形状のバラツキを小さく抑えることが可能となる。即ち、従来のボンディングワイヤー形状のばらつきなどに見られる接続形状のばらつきをを小さく抑えることが可能となるため、接続状態のばらつきによる寄生容量のばらつきに起因する薄膜弾性表面波デバイスの特性の劣化を防止することが可能となる。
なお、基板11の下面(すなわち、圧電体薄膜12が形成されている側とは反対側の表面)上、或いは表面に近い部分に形成されている回路22などを覆うように絶縁層を設けてもよい。
(第二実施形態)
図4に沿って第二実施形態について説明する。図4は、本発明に係る第二実施形態の薄膜弾性表面波デバイスの概略構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図4に沿って第二実施形態について説明する。図4は、本発明に係る第二実施形態の薄膜弾性表面波デバイスの概略構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図4に示すように、、薄膜弾性表面波デバイス10は、基板31、圧電層の一例としての圧電体薄膜32、絶縁層45、導電層44、駆動電極35、接続電極36、薄膜コンデンサ電極37,38、スルーホール39、回路42、及び配線層43で構成されている。
詳述すると、基板31の表面(上面)に絶縁層45が形成されており、絶縁層45の表面には導電層44が形成されている。さらに導電層44の表面には、圧電体薄膜32が形成され、その表面に励振電極33a,34a、バスバー33b,34b、反射電極40、及びバスバー41からなる駆動電極35、接続電極36、薄膜コンデンサ電極37,38が形成されている。基板31の下面(すなわち、圧電体薄膜32が形成されている側とは反対側の表面)上、或いは表面に近い部分には回路42が形成されている。それぞれの回路42間は、配線層43により接続が取られており、基板31の上面に形成された駆動電極35、薄膜コンデンサ電極37,38、或いは導電層44などと、スルーホール39を介して接続されている。
以下に第二実施形態の構成要素について詳細に説明するが、基板31、圧電体薄膜32、駆動電極35、接続電極36、薄膜コンデンサ電極37,38は第一実施形態と同様であるため説明は省略する。
絶縁層45は、一例としてSiO2が用いられている。絶縁層45としては、他にもPSG(リンドープガラス)、TiO2、Ta2O5などの金属酸化物、Si3N4などの窒化シリコン、アクリル樹脂などの合成樹脂などを用いることができる。絶縁層45は、基板31が導電体基板である場合や半導体基板であるときに、基板と、その上層の導電体との間を絶縁するためのものである。従って、基板31が導電体或いは半導体であって、或る程度の導電性を有する場合は絶縁層45が必要となる。また、基板31が絶縁性を有する場合には絶縁層45は必ずしも必要ないが、基板31の表面上に配線パターンなどの導電膜が形成されている場合には、上層との絶縁を確保するために絶縁層45が必要となる場合がある。
導電層44は、一例としてアルミニウム層で形成されている。導電層44を構成する他の材料としては、アルミニウム合金、Cu、Cu合金、Au、Au合金、Cr、Cr合金などを用いることができる。導電層44は、少なくとも圧電体薄膜32の上面に形成される薄膜コンデンサ電極37,38と圧電体薄膜32を挟み対峙する一方のコンデンサ電極として用いられ、これらによって薄膜コンデンサを構成する。このことから、薄膜コンデンサの電極としての導電層44は、薄膜コンデンサ電極に対向する領域に設けられていればよいが、絶縁層45の全面に形成されていてもよい。
第二実施形態によれば、第一実施形態の効果に加え、薄膜コンデンサの一方の電極として導電層44を用いることにより、前述の第一実施形態に加えてさらに効率よく、容量も安定的な薄膜コンデンサを形成することが可能となる。
なお、基板31の下面(すなわち、圧電体薄膜32が形成されている側とは反対側の表面)上、或いは表面に近い部分に形成されている回路42などを覆うように絶縁層を設けてもよい。
(第三実施形態)
図5に沿って第三実施形態について説明する。図5は、本発明に係る第三実施形態の薄膜弾性表面波デバイスの概略構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
図5に沿って第三実施形態について説明する。図5は、本発明に係る第三実施形態の薄膜弾性表面波デバイスの概略構造を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
図5によれば、薄膜弾性表面波デバイス10は、基板51、第一圧電層としての圧電体薄膜52、第二圧電層としての圧電体薄膜64、駆動電極55、薄膜コンデンサ電極57,58、スルーホール59、回路62、及び配線層63で構成されている。
ここで、前述の第一実施形態と同様である基板51、圧電体薄膜52、駆動電極55、薄膜コンデンサ電極57,58の詳細な説明は省略し、異なる構成について以下に説明する。
詳述すると、基板51の一例としてのシリコン(Si)基板の表面(上面)に、第一圧電層としての圧電体薄膜52が形成され、その表面に駆動電極55が形成されている。基板51の下面(すなわち、圧電体薄膜52が形成されている側とは反対側の表面)上、或いは表面に近い部分に回路62が形成されており、さらに回路62を含む基板51の下面に、第二圧電層としての圧電体薄膜64が形成されている。なお、図5では圧電体薄膜64は基板51の全面でなく一部に設ける構成で示しているが、これに限らず基板51の下面の全面に圧電体薄膜64を設けてもよい。圧電体薄膜64の表面には、薄膜コンデンサ電極57,58が形成されており、薄膜コンデンサ電極57,58と基板51と、両者に挟まれる圧電体薄膜64とによって薄膜コンデンサを構成する。なお、基板51として用いているシリコン(Si)は、導電体であるため、薄膜コンデンサの一方の電極としての機能を果たすことができる。前述のそれぞれの回路62間は、配線層63により接続が取られており、さらには圧電体薄膜52の上面に形成された駆動電極55、圧電体薄膜64の表面に形成された薄膜コンデンサ電極57,58などと、スルーホール59を介して接続されている。
第三実施形態によれば、駆動電極55と薄膜コンデンサ電極57,58とが、それぞれ異なった圧電体薄膜52,64の表面に形成されるため、平面構造を重ねて配置することが可能となる。従って、駆動電極55と薄膜コンデンサ電極57,58とを同一薄膜面に形成する場合と比べ、これらの電極の占める面積を小さくすることが可能であり、薄膜弾性表面波デバイス10の平面的な面積をさらに小型化することが可能となる。
さらに、スルーホール59は、例えば、ケミカルエッチングなどで形成することができるため形状ばらつきがほとんどない状態で形成することができる。従って、駆動電極55、薄膜コンデンサ電極57,58、及び回路62との接続による、接続形状のバラツキを小さく抑えることが可能となる。即ち、従来のボンディングワイヤー形状のばらつきなどに見られる接続形状のばらつきをを小さく抑えることが可能となるため、接続状態のばらつきによる寄生容量のばらつきに起因する薄膜弾性表面波デバイスの特性の劣化を防止することが可能となる。
また、基板51及び圧電体薄膜が導電性を有する場合、或いは基板51及び圧電体薄膜表面に導電パターンなどを設ける場合などでは、基板51と圧電体薄膜との間に絶縁層を設けることによって絶縁性を確保することも可能である。
なお、第三実施形態では、第一圧電層としての圧電体薄膜52の表面に駆動電極55が形成され、第二圧電層としての圧電体薄膜64の表面に薄膜コンデンサ電極57,58を形成する構成で説明したが、圧電体薄膜52の表面に薄膜コンデンサ電極57,58が形成され、圧電体薄膜64の表面に駆動電極55が形成される構成でも同様な効果を有している。
<駆動電極及び薄膜コンデンサ電極の変形例>
次に、駆動電極及び薄膜コンデンサ電極の配置における変形例について図面を用いて説明する。図6、図7、図8及び図9は、駆動電極及び薄膜コンデンサ電極の配置における変形例を示す、薄膜弾性表面波デバイスの平面図である。
次に、駆動電極及び薄膜コンデンサ電極の配置における変形例について図面を用いて説明する。図6、図7、図8及び図9は、駆動電極及び薄膜コンデンサ電極の配置における変形例を示す、薄膜弾性表面波デバイスの平面図である。
[変形例1]
図6に示すように、薄膜弾性表面波デバイス10の圧電体薄膜71上に駆動電極が設けられている。当該駆動電極は、櫛歯状の励振電極72a,72bが、一対の電極で構成され、励振電極72a,72bの配列領域の伝播方向両側にそれぞれ反射器76が配置された構成の、所謂1port−SAWと呼ばれるものである。一方の励振電極72aは、バスバー73aによって接続されており、バスバー73aと薄膜コンデンサ電極75aが接続電極74aによって接続されている。薄膜コンデンサ電極75aには、スルーホール77aが設けられており、図示しない回路などと接続されている。他方の励振電極72bは、前述の励振電極72aと同様にバスバー73bによって接続されており、バスバー73bと薄膜コンデンサ電極75bが接続電極74bによって接続されている。薄膜コンデンサ電極75bには、スルーホール77bが設けられており、図示しない回路などと接続されている。
図6に示すように、薄膜弾性表面波デバイス10の圧電体薄膜71上に駆動電極が設けられている。当該駆動電極は、櫛歯状の励振電極72a,72bが、一対の電極で構成され、励振電極72a,72bの配列領域の伝播方向両側にそれぞれ反射器76が配置された構成の、所謂1port−SAWと呼ばれるものである。一方の励振電極72aは、バスバー73aによって接続されており、バスバー73aと薄膜コンデンサ電極75aが接続電極74aによって接続されている。薄膜コンデンサ電極75aには、スルーホール77aが設けられており、図示しない回路などと接続されている。他方の励振電極72bは、前述の励振電極72aと同様にバスバー73bによって接続されており、バスバー73bと薄膜コンデンサ電極75bが接続電極74bによって接続されている。薄膜コンデンサ電極75bには、スルーホール77bが設けられており、図示しない回路などと接続されている。
また、薄膜コンデンサ電極75a,75bの位置が、一方の反射器76(図面右側の反射器)の外側に形成されているがこれに限らない。薄膜コンデンサ電極75a,75bの位置は、例えば、他方の反射器76(図面左側の反射器)の外側、或いはバスバー73a,73bの外側(図面上下側)などに設けてもよい。
また、上述の変形例では、スルーホール77a,77bを薄膜コンデンサ電極75a,75bに設けることで説明したがこれに限らず、駆動電極、薄膜コンデンサ電極などと回路とが接続できる位置であればよく、スルーホールは任意の位置に設けても良い。
[変形例2]
図7に示すように、薄膜弾性表面波デバイス10の圧電体薄膜81上に駆動電極が設けられている。当該駆動電極は、櫛歯状の励振電極が82a,82bの一対と、84a,84bの一対との二対の電極で構成され、二対の励振電極の配列領域の伝播方向両側にそれぞれ反射器89が配置された、所謂2port−SAWと呼ばれるものである。一方の対である励振電極82a,82bは、それぞれが交互に配置され、バスバー83a,83bによって接続されている。バスバー83aには、接続用電極86aが接続されており、この接続用電極86aによってバスバー83aと薄膜コンデンサ電極87aとが接続されている。また、バスバー83bにはスルーホール88dが形成されている。他方の対である励振電極84a,84bは、それぞれが交互に配置され、バスバー85a,85bによって接続されている。バスバー85bには、接続用電極86bが接続されており、この接続用電極86bによってバスバー85bと薄膜コンデンサ電極87bとが接続されている。また、バスバー85aにはスルーホール88cが形成されている。薄膜コンデンサ電極87a,87bには、スルーホール88a,88bが設けられている。スルーホール88a,88b,88c,88dは、図示しない回路などと接続している。
図7に示すように、薄膜弾性表面波デバイス10の圧電体薄膜81上に駆動電極が設けられている。当該駆動電極は、櫛歯状の励振電極が82a,82bの一対と、84a,84bの一対との二対の電極で構成され、二対の励振電極の配列領域の伝播方向両側にそれぞれ反射器89が配置された、所謂2port−SAWと呼ばれるものである。一方の対である励振電極82a,82bは、それぞれが交互に配置され、バスバー83a,83bによって接続されている。バスバー83aには、接続用電極86aが接続されており、この接続用電極86aによってバスバー83aと薄膜コンデンサ電極87aとが接続されている。また、バスバー83bにはスルーホール88dが形成されている。他方の対である励振電極84a,84bは、それぞれが交互に配置され、バスバー85a,85bによって接続されている。バスバー85bには、接続用電極86bが接続されており、この接続用電極86bによってバスバー85bと薄膜コンデンサ電極87bとが接続されている。また、バスバー85aにはスルーホール88cが形成されている。薄膜コンデンサ電極87a,87bには、スルーホール88a,88bが設けられている。スルーホール88a,88b,88c,88dは、図示しない回路などと接続している。
なお、図7では、薄膜コンデンサ電極87a,87bの位置が、一方の反射器89(図面右側の反射器)の外側に形成されているがこれに限らない。薄膜コンデンサ電極87a,87bの位置は、例えば、他方の反射器89(図面左側の反射器)の外側、或いはバスバー83a,85a,83b,85bの外側(図面上下側)などに設けてもよい。
[変形例3]
図8に示すように、薄膜弾性表面波デバイス10の圧電体薄膜91上に駆動電極が設けられている。当該駆動電極は、前述の変形例2と同じように、二対の励振電極92a,92b,94a,94bの配列領域の伝播方向両側にそれぞれ反射器99が配置された、所謂2port−SAWと呼ばれるものである。それぞれが交互に配置された一対の励振電極92a,92bは、バスバー93a,93bによって接続されており、それぞれが交互に配置された他の一対の励振電極94a,94bは、バスバー95a,95bによって接続されている。バスバー93b,95bは、薄膜コンデンサ電極97と接続用電極96を介して接続されている。薄膜コンデンサ電極97は、さらにこの接続用電極96を介して外部接続用電極98と接続されている。外部接続用電極98は、薄膜弾性表面波デバイス10と外部の電極パターン、例えば、パッケージの電極などとの接続を行う。なお、図示しないが、スルーホールを任意に設けて回路などとの接続を行ってもよい。
図8に示すように、薄膜弾性表面波デバイス10の圧電体薄膜91上に駆動電極が設けられている。当該駆動電極は、前述の変形例2と同じように、二対の励振電極92a,92b,94a,94bの配列領域の伝播方向両側にそれぞれ反射器99が配置された、所謂2port−SAWと呼ばれるものである。それぞれが交互に配置された一対の励振電極92a,92bは、バスバー93a,93bによって接続されており、それぞれが交互に配置された他の一対の励振電極94a,94bは、バスバー95a,95bによって接続されている。バスバー93b,95bは、薄膜コンデンサ電極97と接続用電極96を介して接続されている。薄膜コンデンサ電極97は、さらにこの接続用電極96を介して外部接続用電極98と接続されている。外部接続用電極98は、薄膜弾性表面波デバイス10と外部の電極パターン、例えば、パッケージの電極などとの接続を行う。なお、図示しないが、スルーホールを任意に設けて回路などとの接続を行ってもよい。
なお、薄膜コンデンサ電極97と外部接続用電極98との位置関係は、バスバー93b、95bに近い側に外部接続用電極98を設け、その外側に薄膜コンデンサ電極97を設ける構造でもよい。また、薄膜コンデンサ電極97と外部接続用電極98とは、図8に示す駆動電極の右側のみでなく、反射器99の上下方向、或いは駆動電極の左側に設けられていてもよい。
[変形例4]
図9に示すように、薄膜弾性表面波デバイス10の圧電体薄膜12上に形成された励振電極113a,114aは、バスバー113b,114bによって連結して接続されている。薄膜コンデンサ電極117,118は、バスバー113b,114bと直接接続しており、換言すれば、薄膜コンデンサ電極117,118と駆動電極の一部であるバスバー113b,114bとが連続し、一体化して薄膜コンデンサ電極117,118を形成している。薄膜コンデンサ電極117,118の外側には、スルーホール119が形成されており、薄膜コンデンサ電極117,118と図示しない回路などとが接続されている。なお、励振電極113a,114aの配列領域の伝播方向両側にはそれぞれ反射器120が配置されている。
図9に示すように、薄膜弾性表面波デバイス10の圧電体薄膜12上に形成された励振電極113a,114aは、バスバー113b,114bによって連結して接続されている。薄膜コンデンサ電極117,118は、バスバー113b,114bと直接接続しており、換言すれば、薄膜コンデンサ電極117,118と駆動電極の一部であるバスバー113b,114bとが連続し、一体化して薄膜コンデンサ電極117,118を形成している。薄膜コンデンサ電極117,118の外側には、スルーホール119が形成されており、薄膜コンデンサ電極117,118と図示しない回路などとが接続されている。なお、励振電極113a,114aの配列領域の伝播方向両側にはそれぞれ反射器120が配置されている。
なお、上述の変形例では、スルーホール119を薄膜コンデンサ電極117,118に設けることで説明したがこれに限らず、駆動電極、薄膜コンデンサ電極などと回路とが接続できる位置であればよく、スルーホールは任意の位置に設けても良い。
(第四実施形態)
図10に沿って第四実施形態について説明する。図10は、本発明に係るパッケージ型薄膜弾性表面波装置の概略構造を示す正断面図である。
図10に沿って第四実施形態について説明する。図10は、本発明に係るパッケージ型薄膜弾性表面波装置の概略構造を示す正断面図である。
図10に示すように、本発明のパッケージ型薄膜弾性表面波装置200は、薄膜弾性表面波デバイス10、薄膜弾性表面波デバイス10を収納するための保持器としてのパッケージ201、薄膜弾性表面波デバイス10とパッケージ201との接続材としての金バンプ207、及びパッケージ201の開口部を封止する蓋板208から構成される。
セラミック等で形成されたパッケージ201の凹部底面に、接続電極206が形成されている。接続電極206は少なくとも表面に金層が設けられており、薄膜弾性表面波デバイス10の接続材である金バンプ207と接合されている。薄膜弾性表面波デバイス10は、基板の一例としてのSi(シリコン)基板202、Si基板202の表面に形成された圧電体薄膜の一例としてのZnO(酸化亜鉛)薄膜203、ZnO薄膜203の表面に形成された駆動電極204と薄膜コンデンサ電極205から形成されている。駆動電極204と薄膜コンデンサ電極205は、例えばAl(アルミ)薄膜で形成されている。なお、接続電極206は、パッケージ201の外側に設けられた図示しない外部端子に接続されている。パッケージ201の凹部の開口部には、蓋板208を載置し、例えばシーム溶接、金属加熱融着などを用いて封止されている。
第四実施形態によれば、Si基板202表面に形成されたZnO薄膜203上に、駆動電極204と薄膜コンデンサ電極205が形成された、小型で、スプリアス発振を抑制することが可能な薄膜弾性表面波デバイス10をパッケージ201に収納している。
従って、第一実施形態の効果に加え、従来のパッケージ型薄膜弾性表面波装置より小型でスプリアスの抑制されたパッケージ型薄膜弾性表面波装置200を提供することが可能となる。
なお、前述ではパッケージ201の接続電極206と薄膜弾性表面波デバイス10との接続に金バンプ207を用いて接続する方法で説明したが、接続方法はこれに限らない。例えば、金バンプ207に替わり、図8に示す変形例3のように、薄膜弾性表面波デバイス10の表面に形成されたZnO薄膜91の表面に設けられた外部接続用電極98を用い、ワイヤボンディングなどによってパッケージ201の接続電極206と接続してもよい。
また、本発明の薄膜弾性表面波デバイス10は、前述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態のIDT(インタディジタル電極)は、シングル電極構造として描いてあるが、ダブル(スプリット)電極構造を有するものなど、種々の電極構造を用いることができる。また、上記実施形態では、1端子対形共振子構造やトランスバーサル型フィルタ構造を有するものとして説明してあるが、2端子対形共振子構造などの種々の弾性表面波デバイスの構造を採用することができる。
<薄膜弾性表面波デバイスの製造方法>
(第一の製造方法)
次に、本発明に係る薄膜弾性表面波デバイスの第一の製造方法について説明する。図11(a)〜(c)は、先述した第一実施形態の薄膜弾性表面波デバイスにおける概略の製造工程を示す工程説明図である。
(第一の製造方法)
次に、本発明に係る薄膜弾性表面波デバイスの第一の製造方法について説明する。図11(a)〜(c)は、先述した第一実施形態の薄膜弾性表面波デバイスにおける概略の製造工程を示す工程説明図である。
先ず、図11(a)に示すように、基板11(一例としてSi基板)の表面(上面)に圧電層の一例としての圧電体薄膜12(本例では、ZnOを用い、以下「ZnO薄膜」という)を形成する。ZnO薄膜12は、MOCVD法(有機金属原料を用いたCVD法)などのCVD法、RFスパッタリング法(RF高周波電界を印加して行うもの)などのスパッタリング法などによって成膜することができる。
次に、図11(b)に示すように、ZnO薄膜12の表面上に一例としてアルミニウム(Al)の電極用薄膜25を形成する。電極用薄膜25は、蒸着法やスパッタリング法などを用いて成膜することができる。
次に、図11(c)に示すように、電極用薄膜25をフォトリソグラフィ法などによってパターニングすることにより、駆動電極を構成する励振電極14a、バスバー13b、及び反射電極20、薄膜コンデンサ電極17,18などを形成する。
上述した薄膜弾性表面波デバイスの第一の製造方法によれば、薄膜弾性表面波デバイス10を簡単な工程で形成することが可能となる。即ち、ZnO薄膜12の表面の励振電極14a、バスバー13b、及び反射電極20、薄膜コンデンサ電極17,18などを同一工程で形成することが可能となる。従って、製造工数を少なくすることが可能となり、低コストの薄膜弾性表面波デバイスを提供することが可能となる。
(第二の製造方法)
次に、本発明に係る薄膜弾性表面波デバイスの第二の製造方法について説明する。図12(a)〜(d)は、先述した第二実施形態の薄膜弾性表面波デバイスにおける概略の製造工程を示す工程説明図である。
次に、本発明に係る薄膜弾性表面波デバイスの第二の製造方法について説明する。図12(a)〜(d)は、先述した第二実施形態の薄膜弾性表面波デバイスにおける概略の製造工程を示す工程説明図である。
先ず、図12(a)に示すように、基板31(一例としてSi基板)の表面(上面)に絶縁層の一例としてのSiO2層45を形成する。さらに、SiO2層45の表面に導電層の一例としてのアルミニウム薄膜層44を形成する。SiO2層45及びアルミニウム薄膜層44は、蒸着法、スパッタリング法などにより形成することができる。
次に、図12(b)に示すように、アルミニウム薄膜層44の表面に圧電層の一例としての圧電体薄膜であるZnO薄膜32を形成する。ZnO薄膜32は、MOCVD法(有機金属原料を用いたCVD法)などのCVD法、RFスパッタリング法(RF高周波電界を印加して行うもの)などのスパッタリング法などによって成膜することができる。
次に、図12(c)に示すように、ZnO薄膜32の表面に、一例としてアルミニウムを用いた電極用薄膜46を形成する。電極用薄膜46は、蒸着法やスパッタリング法などを用いて成膜することができる。
次に、図12(d)に示すように、電極用薄膜46をフォトリソグラフィ法などによってパターニングすることにより、駆動電極を構成する励振電極34a、バスバー33b、及び反射電極40、薄膜コンデンサ電極37,38などを形成する。
上述した薄膜弾性表面波デバイスの第二の製造方法によれば、薄膜弾性表面波デバイス10を簡単な工程で形成することが可能となる。即ち、ZnO薄膜32の表面の励振電極34a、バスバー33b、及び反射電極40、薄膜コンデンサ電極37,38などを同一工程で形成することが可能となる。従って、製造工数を少なくすることが可能となり、低コストの薄膜弾性表面波デバイスを提供することが可能となる。加えて、ZnO薄膜32の下面に接するアルミニウム薄膜層44を形成するため、薄膜コンデンサの容量を効率的に形成することが可能となる。
なお、絶縁層の一例としてのSiO2層45は、基板31が半導体或いは導電体である場合に、SiO2層45と導電層の一例としてのアルミニウム薄膜層44との短絡を防ぐために設ける。従って、基板31が絶縁性の材料である場合には、絶縁層の一例としてのSiO2層45は設けなくともよい。
10…薄膜弾性表面波デバイス、11,31,51,202…基板、12,32,71,81,91,203…圧電層としての圧電体薄膜、13a,14a,33a,34a,53a,54a,72a,72b,82a,82b,92a,92b,94a,94b,113a,114a…励振電極、13b,14b,33b,34b,53b,54b,73a,73b,83a,83b,85a,85b,93a,93b,95a,95b,113b,114b…バスバー、15…駆動電極、16,36,74a,74b,86a,86b,96…接続電極、17,18,37,38,57,58,75a,75b,87a,87b,97,117,118,205…薄膜コンデンサ電極、19,39,59,77a,77b,88a,88b,88c,88d,119…スルーホール、20,40,60,76,89,99,120…反射電極、21,41,61…反射器のバスバー、22,42,62…回路、23,43,63…配線層、44…導電層、45…絶縁層、52…圧電層を構成するとともに第一圧電層としての圧電体薄膜、64…圧電層を構成するとともに第二圧電層としての圧電体薄膜、200…パッケージ型薄膜弾性表面波装置、201…保持器としてのパッケージ、208…蓋体。
Claims (12)
- 基板と、
前記基板の少なくとも一面に形成された圧電層と、
前記圧電層の表面に形成された弾性表面波の駆動電極と、
前記駆動電極と電気的に接続され、前記圧電層の表面に形成された薄膜コンデンサ電極と、を有することを特徴とする薄膜弾性表面波デバイス。 - 請求項1に記載の薄膜弾性表面波デバイスにおいて、
さらに、前記基板の概表面に形成された回路を有し、
前記回路は、少なくとも前記圧電層を通る配線により前記駆動電極、及び前記薄膜コンデンサ電極と接続されていることを特徴とする薄膜弾性表面波デバイス。 - 請求項1又は請求項2に記載の薄膜弾性表面波デバイスにおいて、
前記コンデンサ電極は、前記駆動電極と電気的に並列状態に接続されていることを特徴とする薄膜弾性表面波デバイス。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の薄膜弾性表面波デバイスにおいて、
前記基板と、前記圧電層との間に、導電層が形成されていることを特徴とする薄膜弾性表面波デバイス。 - 請求項4に記載の薄膜弾性表面波デバイスにおいて、
前記導電層は、前記薄膜コンデンサ電極に対向する領域に設けられていることを特徴とする薄膜弾性表面波デバイス。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の薄膜弾性表面波デバイスにおいて、
前記圧電層は、前記基板の一方の面に形成された第一圧電層と、前記一方の面と表裏の関係にある他方の面に形成された第二圧電層とによって形成されており、
前記第一圧電層、又は前記第二圧電層のいずれか一方の表面に前記駆動電極が形成され、他方の表面に前記薄膜コンデンサ電極が形成されていることを特徴とする薄膜弾性表面波デバイス。 - 請求項6に記載の薄膜弾性表面波デバイスにおいて、
前記駆動電極と、前記薄膜コンデンサ電極とが、前記基板、前記第一圧電層、及び第二圧電層を通る配線により接続されていることを特徴とする薄膜弾性表面波デバイス。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の薄膜弾性表面波デバイスにおいて、
前記駆動電極の一部と連続して前記コンデンサ電極が形成されていることを特徴とする薄膜弾性表面波デバイス。 - 保持器と、
前記保持器に実装された請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の薄膜弾性表面波デバイスと、を有することを特徴とするパッケージ型薄膜弾性表面波装置。 - 基板の表面に圧電層を形成する工程と、
前記圧電層の表面に駆動電極及びコンデンサ電極を形成する工程と、を有することを特徴とする薄膜弾性表面波デバイスの製造方法。 - 基板の表面に導電層を形成する工程と、
前記導電層の表面に圧電層を形成する工程と、
前記圧電層の表面に駆動電極及びコンデンサ電極を形成する工程と、を有することを特徴とする薄膜弾性表面波デバイスの製造方法。 - 請求項11に記載の薄膜弾性表面波デバイスの製造方法において、
前記導電層を形成する工程は、
前記基板の表面に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の表面に前記導電層を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜弾性表面波デバイスの製造方法。
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-
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071106 |