JP2007228328A - 弾性表面波デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】寄生容量および寄生インダクタンスを低減でき、安定した特性を有する小型の弾性表面波デバイスを提供する。
【解決手段】IDT電極7の左右両側のバスバー75,77が形成される領域に回路接続パッド5を含み、バスバー75,77が回路接続パッド5に接続されているため、IDT電極7を延長して発振回路などと接続するための接続パッドを設ける必要がない。これにより、発振回路における寄生容量による電流の消費を低減し、発振回路などの消費電力を低減することができる。また、接続パッドと回路接続パッド5とを繋げる金属ワイヤが不要となる。これにより、発振回路における寄生インダクタンスによる発振周波数および位相のずれを低減することができる。特に、低電圧駆動に対応し、安定した特性を有するSAW発振器10を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体基板に回路領域と弾性表面波素子領域とを備え、1つのチップに構成した弾性表面波デバイスに関する。
従来から、圧電基板の表面に電極指を交互に配置したIDT(Interdigital Transducer)電極と反射器とを備え、IDT電極から励振される弾性表面波を利用する弾性表面波デバイスが、様々な電子機器に用いられている。
従来の弾性表面波デバイスにおいて、圧電基板の表面に形成されたIDT電極は複数の電極指がバスバーに連結され、IDT電極のバスバーから延長された引出し電極の終端に接続パッドが形成されている。そして、この接続パッドと、パッケージ側のボンディングパッドとが、金属ワイヤにより接続されている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年、弾性表面波デバイスの小型化を図り、半導体基板に回路素子を形成した回路領域と、圧電薄膜上にIDT電極を形成した弾性表面波素子領域を1つのチップに構成した弾性表面波デバイスが提案されている。
たとえば、図6に示すように、弾性表面波デバイス100は、回路領域102の上方に、弾性表面波素子領域103を備えている。回路領域102には、半導体基板101に形成された複数の回路素子121が配線119により接続され、発振回路などを構成している。そして、一部の回路素子121は、配線119により外部接続パッド104に接続され、この外部接続パッド104から弾性表面波デバイス100の外部との接続を可能にしている。また、一部の回路素子121は、配線119により回路接続パッド105に接続され、IDT電極107に接続されている。弾性表面波素子領域103には、圧電薄膜106が形成され、その上にIDT電極107と反射器108とが形成されている。IDT電極107のバスバーから延長された引出し電極の終端に接続パッド175が形成されている。そして、金属ワイヤ109により接続パッド175と回路接続パッド105とが接続されている。このようにして、IDT電極107が、半導体基板101に構成された発振回路などに接続されている。
特開2002−9585号公報(3頁、図1)
しかしながら、上記従来の弾性表面波デバイスでは、比較的大きな面積を有する回路接続パッドと接続パッドを備えていることから、発振回路における寄生容量が大きくなる。このことから、発振回路における寄生容量による電流の消費が増大して発振回路などの消費電力が増大してしまうという問題がある。また、それぞれのパッドを金属ワイヤで接続することで配線が長くなり、寄生インダクタンスも大きくなる。このことから、発振回路における寄生インダクタンスによる発振周波数および位相がずれるという問題がある。特に、低電圧駆動に対応し、安定した特性を得るために、これらを低減する必要がある。そして、回路接続パッドおよび外部接続パッドを形成するために、その上に形成された圧電薄膜をエッチングなどにより除去する際、エッチングにより除去される圧電薄膜上面の領域は、回路接続パッドおよび接続パッドを形成する領域よりも大きくなる。つまり、各パッド開口のためのエッチングしろが必要であり、回路接続パッド部および外部接続パッド部の面積を増大させ、これが弾性表面波デバイスの小型化を阻害する要因となっている。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、寄生容量および寄生インダクタンスを低減でき、安定した特性を有する小型の弾性表面波デバイスを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の弾性表面波デバイスは、半導体基板に回路素子が形成された回路領域と、該回路領域上方に形成された弾性表面波素子領域とを備えた弾性表面波デバイスであって、前記弾性表面波素子領域には、圧電薄膜とIDT電極が形成され、前記IDT電極は、複数の電極指と該電極指に連結されたバスバーとを有し、前記弾性表面波デバイスの外部および前記回路素子に接続される外部接続パッドと、前記IDT電極および前記回路素子に接続される回路接続パッドとを備え、前記バスバーが形成される領域に前記回路接続パッドを含み、前記バスバーが前記回路接続パッドに接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、IDT電極のバスバーが形成される領域に回路接続パッドを含み、バスバーが回路接続パッドに接続されているため、IDT電極を延長して発振回路などと接続するための接続パッドを設ける必要がない。これにより、発振回路における寄生容量による電流の消費を低減し、発振回路などの消費電力を低減することができる。また、接続パッドと回路接続パッドとを繋げる金属ワイヤが不要となる。これにより、発振回路における寄生インダクタンスによる発振周波数および位相のずれを低減することができる。特に、低電圧駆動に対応し、安定した特性を有する弾性表面波デバイスを提供することができる。
本発明の弾性表面波デバイスは、半導体基板に回路素子が形成された回路領域と、該回路領域上方に形成された弾性表面波素子領域とを備えた弾性表面波デバイスであって、前記弾性表面波素子領域には、圧電薄膜とIDT電極が形成され、前記IDT電極は、複数の電極指と該電極指に連結されたバスバーとを有し、前記弾性表面波デバイスの外部および前記回路素子に接続される外部接続パッドと、前記IDT電極および前記回路素子に接続される回路接続パッドとを備え、前記IDT電極の一方のバスバーが形成される領域に前記回路接続パッドを含み、他方のバスバーに連結された前記電極指の一部が延長されて前記回路接続パッドに接続され、前記回路接続パッドおよび前記外部接続パッドが前記弾性表面波デバイスの一辺に集めて形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、IDT電極の一方のバスバーが形成される領域に回路接続パッドを含み、他方のバスバーに連結された電極指の一部が延長される領域に前記回路接続パッドを含み、回路接続パッドに接続されることにより、回路接続パッドおよび外部接続パッドが弾性表面波デバイスの一辺に集めて形成される。このことから、従来のように回路接続パッドをバスバー側にそれぞれ配置した場合と比べて、弾性表面波デバイスの大きさを小さくすることができる。また、回路接続パッドおよび外部接続パッドを弾性表面波デバイスの片側に配置することにより、両側に配置する場合と比べて、パッド開口のためのエッチングしろが片側に収まるため、弾性表面波デバイスの大きさを小さくすることができる。
本発明の弾性表面波デバイスは、IDT電極を1つ備えた1ポート型であることが好ましい。
この構成によれば、寄生容量および寄生インダクタンスが低減され、小型化された1ポート型弾性表面波デバイスを得ることができる。
本発明の弾性表面波デバイスは、IDT電極を2つ備えた2ポート型であっても良い。
この構成によれば、寄生容量および寄生インダクタンスが低減され、小型化された2ポート型弾性表面波デバイスを得ることができる。
本発明の弾性表面波デバイスは、半導体基板に回路素子が形成された回路領域と、弾性表面波素子領域とを並列に備えた弾性表面波デバイスであって、前記弾性表面波素子領域には、圧電薄膜とIDT電極が形成され、前記IDT電極は、複数の電極指と該電極指に連結されたバスバーとを有し、前記弾性表面波デバイスの外部および前記回路素子に接続される外部接続パッドと、前記IDT電極および前記回路素子に接続される回路接続パッドとを備え、前記IDT電極の一方のバスバーが形成される領域に前記回路接続パッドを含み、他方のバスバーに連結された前記電極指の一部が延長され、前記回路接続パッドに接続されることにより、前記回路接続パッドおよび前記外部接続パッドが前記弾性表面波素子領域と前記回路領域との境界付近に集めて形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、回路領域と弾性表面波素子領域とを並列に形成する弾性表面波デバイスにおいても、IDT電極の一部が延長され、回路素子と接続された回路接続パッドに接続されているため、IDT電極を延長して発振回路などと接続するための接続パッドを設ける必要がない。これにより、発振回路における寄生容量による電流の消費を低減し、発振回路などの消費電力を低減することができる。また、接続パッドと回路接続パッドとを繋げる金属ワイヤが不要となる。これにより、発振回路における寄生インダクタンスによる発振周波数および位相のずれを低減することができる。また、回路接続パッドおよび外部接続パッドが弾性表面波素子領域と前記回路領域との境界付近に集めて形成されることから、従来のように回路接続パッドをバスバー側にそれぞれ配置した場合と比べて、弾性表面波デバイスの大きさを小さくすることができる。また、回路接続パッドおよび外部接続パッドを弾性表面波デバイスの片側に配置することにより、両側に配置する場合と比べて、パッド開口のためのエッチングしろが片側に収まるため、弾性表面波デバイスの大きさを小さくすることができる。
本発明の弾性表面波デバイスは、IDT電極を1つ備えた1ポート型であることが好ましい。
この構成によれば、寄生容量および寄生インダクタンスが低減され、小型化された1ポート型弾性表面波デバイスを得ることができる。
本発明の弾性表面波デバイスは、IDT電極を2つ備えた2ポート型であっても良い。
この構成によれば、寄生容量および寄生インダクタンスが低減され、小型化された2ポート型弾性表面波デバイスを得ることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。
(第一実施形態)
以下の実施形態では、弾性表面波デバイスとしてSAW(Surface Acoustic Wave)発振器の例を挙げて説明する。
図1(a)は、本実施形態におけるSAW発振器の概略平面図であり、図1(b)は、同図(a)のA−A断線に沿う概略断面図である。
図1(a)において、SAW発振器10は、IDT電極7を一つ備える1ポート型である。また、図1(b)に示すように、回路領域2の上方に、弾性表面波素子領域3を備えている。
回路領域2は、半導体基板1と、半導体基板1に形成された回路素子12と、配線19と、外部接続パッド4と、回路接続パッド5とを備えている。回路素子12は、それぞれ配線19により接続され、発振回路などを構成している。回路素子12は、配線19により外部接続パッド4に接続され、この外部接続パッド4からSAW発振器10の外部との接続を可能に構成されている。回路素子12は、配線19により回路接続パッド5に接続され、IDT電極7に接続されている。
弾性表面波素子領域3は、酸化亜鉛(ZnO)などで形成された圧電薄膜6と、圧電薄膜6上にアルミニウム(Al)などの導電性金属材料で形成されたIDT電極7と反射器8とを備えている。
IDT電極7は、複数の電極指71,73がそれぞれバスバー75,77に連結された構造となっている。そして、一方の電極指71と他方の電極指73とが交互に配置され、且つ接触しないように形成されている。ここで、図1(a)において、IDT電極7の左右両側のバスバー75,77が形成される領域に回路接続パッド5を含み、バスバー75,77が回路接続パッド5に接続されている。
そして、電極指71,73間に交流電圧を印加することで、IDT電極7を駆動可能な構成としている。
反射器8は、IDT電極7で励振される弾性表面波が伝播する方向に、IDT電極7を両側から挟むように配置されている。そして、反射器8は、電極指71,73に対して向い合せに形成された複数の反射指81と反射器バスバー85とが連結された構造となっている。
このような構成のSAW発振器10は、回路領域2の回路素子12で構成される発振回路によりIDT電極7が励振され、IDT電極7から発振する弾性表面波を反射器8で反射させ、IDT電極7内に弾性表面波エネルギーを閉じ込めることにより、エネルギー損失の少ない共振特性を得ている。
以上、本実施形態のSAW発振器10は、図1(a)において、IDT電極7の左右両側のバスバー75,77が形成される領域に回路接続パッド5を含み、バスバー75,77が回路接続パッド5に接続されているため、IDT電極7を延長して発振回路などと接続するための接続パッドを設ける必要がない。これにより、発振回路における寄生容量による電流の消費を低減し、発振回路などの消費電力を低減することができる。また、接続パッドと回路接続パッド5とを繋げる金属ワイヤが不要となる。これにより、発振回路における寄生インダクタンスによる発振周波数および位相のずれを低減することができる。特に、低電圧駆動に対応し、安定した特性を有するSAW発振器10を提供することができる。
(第二実施形態)
図2(a)は、本実施形態におけるSAW発振器の概略平面図であり、図2(b)は、同図(a)のB−B断線に沿う概略断面図である。
図2(a)において、SAW発振器20は、第一実施形態と同様に、IDT電極27を一つ備える1ポート型である。また、図2(b)に示すように、回路領域22の上方に、弾性表面波素子領域23を備えている。
回路領域22は、半導体基板21と、半導体基板21に形成された回路素子212と、配線29と、外部接続パッド24と、回路接続パッド25とを備えている。回路素子212は、それぞれ配線29により接続され、発振回路などを構成している。回路素子212は、配線29により外部接続パッド24に接続され、この外部接続パッド24からSAW発振器20の外部との接続を可能に構成されている。回路素子212は、配線29により回路接続パッド25に接続され、IDT電極27に接続されている。
図2(a)において、回路接続パッド25は、バスバー275を形成する側の、SAW発振器20の一辺に集めて形成されている。そして、外部接続パッド24も回路接続パッド25を形成するSAW発振器20の一辺に集めて形成されている。
弾性表面波素子領域23は、酸化亜鉛(ZnO)などで形成された圧電薄膜26と、圧電薄膜26上にアルミニウム(Al)などの導電性金属材料で形成されたIDT電極27と反射器28とを備えている。
IDT電極27は、複数の電極指271,273がそれぞれバスバー275,277に連結された構造となっている。そして、一方の電極指271と他方の電極指273とが交互に配置され、且つ接触しないように形成されている。ここで、電極指271が連結されたIDT電極27は、バスバー275が形成される領域に回路接続パッド25を含み、回路接続パッド25に接続されている。また、電極指273が連結されたIDT電極27は、電極指273の一部から引出し電極92により延長され、引出し電極92が形成される領域に回路接続パッド25を含み、回路接続パッド25に接続されている。
そして、電極指271,273間に交流電圧を印加することで、IDT電極27を駆動可能な構成としている。
反射器28は、第一実施形態と同様に、圧電薄膜26上に形成され、IDT電極27で励振される弾性表面波が伝播する方向に、IDT電極27を両側から挟むように配置されている。そして、反射器28は、電極指271,273に対して向い合せに形成された複数の反射指281と反射器バスバー285とが連結された構造となっている。
このような構成のSAW発振器20は、回路領域22の回路素子212で構成される発振回路によりIDT電極27が励振され、IDT電極27から発振する弾性表面波を反射器28で反射させ、IDT電極27内に弾性表面波エネルギーを閉じ込めることにより、エネルギー損失の少ない共振特性を得ている。
本実施形態のSAW発振器20は、電極指271が連結されたIDT電極27のバスバー275が形成される領域に回路接続パッド25を含み、回路接続パッド25に接続されている。また、電極指273が連結されたIDT電極27は、電極指273の一部から引出し電極92により延長され、引出し電極92が形成される領域に回路接続パッド25を含み、回路接続パッド25に接続されている。そのため、IDT電極27を延長して発振回路などと接続するための接続パッドを設ける必要がない。これにより、発振回路における寄生容量による電流の消費を低減し、発振回路などの消費電力を低減することができる。また、接続パッドと回路接続パッド25とを繋げる金属ワイヤが不要となる。これにより、発振回路における寄生インダクタンスによる発振周波数および位相のずれを低減することができる。特に、低電圧駆動に対応し、安定した特性を有するSAW発振器20を提供することができる。
そして、回路接続パッド25および外部接続パッド24がSAW発振器20の一辺に集めて形成されることから、従来のようにして回路接続パッド25をバスバー275,277側にそれぞれ配置した場合と比べてSAW発振器20の大きさを小さくすることができる。また、回路接続パッドおよび外部接続パッドを弾性表面波デバイスの片側に配置することにより、両側に配置する場合と比べて、パッド開口のためのエッチングしろが片側に収まるため、弾性表面波デバイスの大きさを小さくすることができる。
(変形例)
次に、前記第二実施形態における弾性表面波素子領域のIDT電極を2ポート型とした変形例について説明する。
図3は、変形例の構成を示す模式平面図である。
図3において、SAW発振器30は、圧電薄膜36上に、2つのIDT電極37,39を備えている。
電極指372がバスバー371に連結されたIDT電極37は、バスバー371が形成される領域に回路接続パッド31を含み、回路接続パッド31に接続されている。そして、電極指374がバスバー373に連結されたIDT電極37は、電極指374の一部から引出し電極94により延長され、引出し電極94が形成される領域に回路接続パッド31を含み、回路接続パッド31に接続されている。IDT電極39も同様に、電極指376がバスバー375に連結されたIDT電極39のバスバー375が形成される領域に回路接続パッド35を含み、回路接続パッド35に接続されている。そして、電極指378がバスバー377に連結されたIDT電極39は、電極指378の一部から引出し電極94により延長され、引出し電極94が形成される領域に回路接続パッド35を含み、回路接続パッド35に接続されている。
回路接続パッド31,35および外部接続パッド34は、SAW発振器30の一辺に集めて形成されている。
反射器38は、IDT電極37,39を両側から挟むように配置されている。
このように、2ポート型のSAW発振器30においても、回路接続パッド31,35および外部接続パッド34がSAW発振器30の一辺に集めて形成される。
以上のように、2ポート型のSAW発振器30においても、第二実施形態と同様な効果を享受することができる。
(第三実施形態)
図4(a)は、本実施形態におけるSAW発振器の概略平面図であり、図4(b)は、同図(a)のC−C断線に沿う概略断面図である。
図4(a)において、SAW発振器40は、第二実施形態と同様に、IDT電極47を一つ備える1ポート型である。ここで、SAW発振器40は、回路領域42と、弾性表面波素子領域43とを半導体基板41上に並列に備えている。
回路領域42は、半導体基板41と、半導体基板41に形成された回路素子412と、配線49とを備えている。回路素子412はそれぞれ配線49により接続され、発振回路などを構成している。
弾性表面波素子領域43は、酸化亜鉛(ZnO)などの圧電薄膜46と、圧電薄膜46上にアルミニウム(Al)などの導電性金属材料で形成されたIDT電極47と反射器48と、外部接続パッド44と、回路接続パッド45とを備えている。
IDT電極47は、複数の電極指471,473がそれぞれバスバー475,477に連結された構造となっている。一方の電極指471と他方の電極指473とが交互に配置され、且つ接触しないように形成されている。ここで、電極指471が連結されたIDT電極47は、バスバー475が形成される領域に回路接続パッド45を含み、回路接続パッド45に接続されている。また、電極指473が連結されたIDT電極47は、電極指473の一部から引出し電極96により延長され、引出し電極96が形成される領域に回路接続パッド45を含み、回路接続パッド45に接続されている。
そして、電極指471,473間に交流電圧を印加することで、IDT電極47を駆動可能な構成としている。
回路素子412は、配線49の一部から延長された引出し配線95により外部接続パッド44に接続され、この外部接続パッド44からSAW発振器40の外部との接続を可能に構成されている。回路素子412は、配線49により回路接続パッド45に接続され、IDT電極47に接続されている。
図4(a)において、回路接続パッド45および外部接続パッド44は、回路領域42と弾性表面波素子領域43との境界付近に集めて形成されている。
反射器48は、第二実施形態と同様に、IDT電極47で励振される弾性表面波が伝播する方向に、IDT電極47を両側から挟むように配置されている。そして、反射器48は、電極指471,473に対して向い合せに形成された複数の反射指481と反射器バスバー485とが連結された構造となっている。
このような構成のSAW発振器40は、回路領域42の回路素子412で構成される発振回路によりIDT電極47が励振され、IDT電極47から発振する弾性表面波を反射器48で反射させ、IDT電極47内に弾性表面波エネルギーを閉じ込めることにより、エネルギー損失の少ない共振特性を得ている。
以上、本実施形態のSAW発振器40は、電極指471が連結されたIDT電極47は、バスバー475が形成される領域に回路接続パッド45を含み、回路接続パッド45に接続されている。また、電極指473が連結されたIDT電極47は、電極指473の一部から引出し電極96により延長され、引出し電極96が形成される領域に回路接続パッド45を含み、回路接続パッド45に接続されている。このため、IDT電極47を延長して発振回路などと接続するための接続パッドを設ける必要がない。これにより、発振回路における寄生容量による電流の消費を低減し、発振回路などの消費電力を低減することができる。また、接続パッドと回路接続パッド45とを繋げる金属ワイヤが不要となる。これにより、発振回路における寄生インダクタンスによる発振周波数および位相のずれを低減することができる。特に、低電圧駆動に対応し、安定した特性を有するSAW発振器40を提供することができる。
そして、回路接続パッド45および外部接続パッド44が、回路領域42と弾性表面波素子領域43との境界付近に集めて形成されることから、従来のようにして回路接続パッド45をバスバー475,477側にそれぞれ配置した場合と比べてSAW発振器40の大きさを小さくすることができる。
また、弾性表面波素子領域43の下方に、回路素子412を形成していないため、圧電薄膜46を形成する面に回路素子412の形成による凹凸などのばらつきをなくすことができる。これにより、IDT電極47で励振される弾性表面波が、ばらつきのない良好なSAW発振器40を提供することができる。
(変形例)
次に、前記第三実施形態における弾性表面波素子領域のIDT電極を2ポート型とした変形例について説明する。
図5は、変形例の構成を示す模式平面図である。
図5において、SAW発振器50は、圧電薄膜56上に、2つのIDT電極57,59を備えている。
電極指572がバスバー571に連結されたIDT電極57のバスバー571が形成される領域に回路接続パッド51を含み、回路接続パッド51に接続されている。そして、電極指574がバスバー573に連結されたIDT電極57は、電極指574の一部から引出し電極98により延長され、引出し電極98が形成される領域に回路接続パッド51を含み、回路接続パッド51に接続されている。IDT電極59も同様に、電極指576がバスバー575に連結されたIDT電極59のバスバー575が形成される領域に回路接続パッド55を含み、回路接続パッド55に接続されている。そして、電極指578がバスバー577に連結されたIDT電極59は、電極指578の一部から引出し電極98により延長され、引出し電極98が形成される領域に回路接続パッド55を含み、回路接続パッド55に接続されている。
回路接続パッド51,55および外部接続パッド54は、回路領域52と弾性表面波素子領域53との境界付近に集めて形成されている。
反射器58は、IDT電極57,59を両側から挟むように配置されている。
このように、2ポート型のSAW発振器50においても、回路接続パッド51,55および外部接続パッド54がSAW発振器50の回路領域52と弾性表面波素子領域53との境界付近に集めて形成される。
以上のように、2ポート型のSAW発振器50においても、第三実施形態と同様な効果を享受することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態では、電極指の一部から引出し電極により延長され、引出し電極が形成される領域に回路接続パッドを含み、回路接続パッドに接続するとしたが、回路接続パッド周辺の圧電膜上の一部に引出し電極を形成し、回路接続パッドに接続してもよい。また、反射器バスバーが形成される領域に外部接続パッドを含み、外部接続パッドに接続してもよい。
圧電薄膜の材料としては、酸化亜鉛(ZnO)だけに限らず、窒化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などを用いることができる。そして、IDT電極、反射器の材料としては、アルミニウム(Al)だけに限らず、金(Au)、タングステン(W)などを用いることができる。
本発明の弾性表面波デバイスは、前述のSAW発振器に限らず、SAWフィルタにも用いることができる。
(a)は、第一実施形態に係るSAW発振器の概略平面図であり、同図(b)は、図1(a)のA−A概略断面図。 (a)は、第二実施形態に係るSAW発振器の概略平面図であり、同図(b)は、図2(a)のB−B概略断面図。 第二実施形態に係る変形例の構成を示す概略平面図。 (a)は、第三実施形態に係るSAW発振器の概略平面図であり、同図(b)は、図2(a)のC−C概略断面図。 第三実施形態に係る変形例の構成を示す概略平面図。 発明が解決しようとする課題を説明する説明図。
符号の説明
1…半導体基板、2…回路領域、3…弾性表面波素子領域、4…外部接続パッド、5…回路接続パッド、6…圧電薄膜、7…IDT電極、10…弾性表面波デバイスとしてのSAW発振器、12…回路素子、71,73…電極指、75,77…バスバー。

Claims (7)

  1. 半導体基板に回路素子が形成された回路領域と、該回路領域上方に形成された弾性表面波素子領域とを備えた弾性表面波デバイスであって、
    前記弾性表面波素子領域には、圧電薄膜とIDT電極が形成され、
    前記IDT電極は、複数の電極指と該電極指に連結されたバスバーとを有し、
    前記弾性表面波デバイスの外部および前記回路素子に接続される外部接続パッドと、
    前記IDT電極および前記回路素子に接続される回路接続パッドとを備え、
    前記バスバーが形成される領域に前記回路接続パッドを含み、前記バスバーが前記回路接続パッドに接続されていることを特徴とする弾性表面波デバイス。
  2. 半導体基板に回路素子が形成された回路領域と、該回路領域上方に形成された弾性表面波素子領域とを備えた弾性表面波デバイスであって、
    前記弾性表面波素子領域には、圧電薄膜とIDT電極が形成され、
    前記IDT電極は、複数の電極指と該電極指に連結されたバスバーとを有し、
    前記弾性表面波デバイスの外部および前記回路素子に接続される外部接続パッドと、
    前記IDT電極および前記回路素子に接続される回路接続パッドとを備え、
    前記IDT電極の一方のバスバーが形成される領域に前記回路接続パッドを含み、他方のバスバーに連結された前記電極指の一部が延長されて前記回路接続パッドに接続され、前記回路接続パッドおよび前記外部接続パッドが前記弾性表面波デバイスの一辺に集めて形成されていることを特徴とする弾性表面波デバイス。
  3. 請求項1又は2に記載の弾性表面波デバイスにおいて、
    前記IDT電極を1つ備えた1ポート型であることを特徴とする弾性表面波デバイス。
  4. 請求項1又は2に記載の弾性表面波デバイスにおいて、
    前記IDT電極を2つ備えた2ポート型であることを特徴とする弾性表面波デバイス。
  5. 半導体基板に回路素子が形成された回路領域と、弾性表面波素子領域とを並列に備えた弾性表面波デバイスであって、
    前記弾性表面波素子領域には、圧電薄膜とIDT電極が形成され、
    前記IDT電極は、複数の電極指と該電極指に連結されたバスバーとを有し、
    前記弾性表面波デバイスの外部および前記回路素子に接続される外部接続パッドと、
    前記IDT電極および前記回路素子に接続される回路接続パッドとを備え、
    前記IDT電極の一方のバスバーが形成される領域に前記回路接続パッドを含み、他方のバスバーに連結された前記電極指の一部が延長され、前記回路接続パッドに接続されることにより、前記回路接続パッドおよび前記外部接続パッドが前記弾性表面波素子領域と前記回路領域との境界付近に集めて形成されていることを特徴とする弾性表面波デバイス。
  6. 請求項5に記載の弾性表面波デバイスにおいて、
    前記IDT電極を1つ備えた1ポート型であることを特徴とする弾性表面波デバイス。
  7. 請求項5に記載の弾性表面波デバイスにおいて、
    前記IDT電極を2つ備えた2ポート型であることを特徴とする弾性表面波デバイス。
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