JP3901013B2 - 縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置及び電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯域フィルタなどに用いられる圧電フィルタに関し、より詳細には圧電縦効果を利用しており、かつ異なる次数のモードの結合を利用した縦結合型のマルチモード圧電フィルタ装置及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯域フィルタとして様々な圧電フィルタが用いられている。数MHz〜数十MHz帯の周波数領域においては、小型化が容易であり、コストが安価な二重モード圧電フィルタが主に用いられている。
【0003】
この種の二重モード圧電フィルタは、例えば特開平5−327401号公報などに開示されている。
図21は、厚み縦振動を利用した従来の二重モード圧電フィルタを示す断面図である。
【0004】
圧電フィルタ201は、厚み方向に分極処理された圧電板202を有する。圧電板202の上面には、一対の励振電極203,204が形成されており、下面には励振電極203,204と圧電板202を介して対向するように共通励振電極205が形成されている。
【0005】
使用に際しては、上面の一方の励振電極203と共通励振電極205との間に入力信号を印加し、圧電板202を励振させる。この場合、圧電板202が励振され、図22(a)に示す対称モードと、図22(b)に示す反対称モードが生じ、これら双方のモードが結合されてフィルタ帯域が構成される。出力は、励振電極204とアース電極205との間で取り出される。
【0006】
なお、上記のように厚み縦振動モードを利用した二重モード圧電フィルタの他、圧電板202を上面に平行な方向に分極処理し、それによって厚み滑りモードを利用した二重モード圧電フィルタも知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の圧電フィルタ201では、対称モードと反対称モードの結合の強さは、励振電極203,204間の間隔に依存し、この間隔の大きさにより対称モードと反対称モードの周波数差が決定され、通過帯域が決められることになる。
【0008】
すなわち、広帯域フィルタを得るには、励振電極203,204間の間隔を狭くし、両方のモードの結合度を高め、かつ双方のモードの周波数差を大きくする必要があった。
【0009】
他方、励振電極203,204は、通常、導電ペーストのスクリーン印刷により形成されている。スクリーン印刷法では、励振電極203,204の間隔を狭くするにも限界があった。他方、フォトリソグラフィーにより励振電極203,204を形成すれば、励振電極203,204間の間隔を小さくすることができるものの、コストが高くつくことになる。
【0010】
また、たとえ、励振電極203,204間の間隔を狭くすることができたとしても、圧電フィルタ201において入出力間の静電容量が増加し、減衰量が小さくなるという問題もあった。
【0011】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、広帯域化を図ることができ、かつ大きな帯域外減衰量を得ることができ、さらに安価に製造し得る縦結合型のマルチモード圧電フィルタを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置は、圧電縦効果を利用して励振された振動モードの高調波を利用したものである。
【0013】
すなわち、第1の発明に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置は、互いに平行に配置された4以上の励振電極及び前記励振電極間に配置されており、かつ励振電極に直交する方向に分極処理されている複数の圧電体層を有し、前記複数の励振電極と直交する方向において対向している第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ第1〜第4の側面とを有する積層型圧電体と、前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面において第1の端面側に寄せられて形成された入力電極と、前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面において第2の端面側に寄せられて形成された出力電極とを備え、前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面に形成された、アース電極と、前記複数の励振電極が、前記入力電極に接続される第1のグループの励振電極と、前記出力電極に電気的に接続される第2のグループの励振電極と、前記アース電極に接続される第3のグループの励振電極とを有し、入力電極とアース電極との間に入力信号が印加されると、異なる次数のモードの振動が励振されかつ結合され、前記出力電極とアース電極とから出力信号が取り出されるように構成されている第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタを備え、前記第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタが縦続接続されており、かつ前記第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタで利用されるモードの次数と、第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタで利用されるモードの次数とが異なっている。
【0014】
また、第2の発明に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置は、互いに平行に配置された4以上の励振電極及び前記励振電極間に配置されており、かつ励振電極に直交する方向に分極処理されている複数の圧電体層を有し、前記複数の励振電極と直交する方向において対向している第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ第1〜第4の側面とを有する積層型圧電体と、前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面において第1の端面側に寄せられて形成された入力電極と、前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面において第2の端面側に寄せられて形成された出力電極とを備え、前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面に形成された、アース電極と、前記複数の励振電極が、前記入力電極に接続される第1のグループの励振電極と、前記出力電極に電気的に接続される第2のグループの励振電極と、前記アース電極に接続される第3のグループの励振電極とを有し、入力電極とアース電極との間に入力信号が印加されると、異なる次数のモードの振動が励振されかつ結合され、前記出力電極とアース電極とから出力信号が取り出されるように構成されている第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタを備え、前記第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタが縦続接続されており、かつ前記第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタの寸法が、第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタと異ならされていることを特徴とする。
【0015】
第2の発明の縦結合型マルチモード圧電フィルタでは、上記第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタ及び第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタの寸法は、幅寸法が異ならされていてもよく、あるいは長さ寸法が異ならされていてもよく、その双方が異ならされていてもよい。さらに、幅寸法及び長さ寸法以外の寸法が異なっていてもよい。
【0016】
また、本発明に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置では、第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタに縦続接続されている少なくとも1つの縦結合型マルチモード圧電フィルタがさらに備えられていてもよい。すなわち、本発明では、3以上の縦結合型マルチモード圧電フィルタが縦続接続されていてもよい。
【0017】
本発明に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置で利用される振動モードは特に限定されないが、本発明のある特定の局面では、上記異なる次数の振動モードは圧電縦効果を利用した長さ振動モードの高調波であり、他の特定の局面では、圧電縦効果を利用した厚み縦振動の高調波である。
【0018】
本発明に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置のさらに別の特定の局面では、前記積層型圧電体を構成している圧電材料の音響インピーダンス値をZ1としたときに、前記積層型圧電体の第1,第2の端面の外側に連結されており、かつ音響インピーダンス値Z1よりも低い第2の音響インピーダンス値Z2を有する材料からなる反射層と、前記反射層の第1,第2の端面に連結されている側とが反対側の面に連結されており、第2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3の音響インピーダンス値Z3を有する材料からなる保持部材とがさらに備えられる。この場合には、積層型圧電体から反射層に伝播した振動が、反射層と保持部材との界面で反射される。従って、振動エネルギーが反射層と保持部材との界面までの領域に閉じ込められることになるため、フィルタ特性に影響を与えることなく保持部材を用いて、圧電フィルタ装置を機械的に保持することができる。
【0019】
本発明に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置のさらに別の特定の局面では、前記第1及び/または第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタにおいて、積層型圧電体の少なくとも1つの側面に溝が形成されており、該溝の両側に一対の縦結合型マルチモード圧電フィルタ部が構成されている。この場合には、第1及び/または第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタが一対の縦結合型マルチモード圧電フィルタ部を接続した二素子型の圧電フィルタとされているため、より大きな減衰量を得ることができる。
【0020】
本発明に係る電子部品は、本発明に従って構成された縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置と、該縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置が搭載されるケース基板と、ケース基板に接合されており、縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置を囲むようにケース基板に固定されているキャップ材とを備える。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施例に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置を説明するための斜視図である。図1に示すように、縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置41では、ケース基板42上に、2個の縦結合型マルチモード圧電フィルタ1,1Aが搭載される。
【0023】
マルチモード圧電フィルタ1の詳細を、図2を参照して説明する。
図2に示すように、マルチモード圧電フィルタ1は、積層型圧電体2を有する。積層型圧電体2には、その長さ方向と直交する方向に延びるように、励振電極3〜8,9a,9b,10〜15が形成されている。励振電極3,15は圧電体2の端面2a,2bにそれぞれ形成されている。また、励振電極4〜8,9a,9b,10〜14は、内部電極の形態で形成されている。
【0024】
積層型圧電体2の端面2a,2bの外側には、反射層31,32が形成されており、反射層31,32の外側面に保持部材33,34が形成されている。
反射層31,32及び保持部材33,34は、積層圧電体2と同じ横断面形状を有する。
【0025】
積層型圧電体2は、横断面が矩形の棒状の形状を有し、かつ端面2a,2bを結ぶ上面2c,及び下面2d並びに側面2e(他方の側面は図示されず)を有する。
【0026】
上面2c、下面2d及び側面2eが、第1〜第3の側面を構成しており、図示されていない側の側面が第4の側面を構成している。
第1の側面としての上面2c上には、端面2a側に寄せられて、入力電極16が形成されており、かつ第2の端面2b側に寄せられて出力電極17が形成されている。また、第1の側面と反対側の側面としての下面2d上には、アース電極18が形成されている。
【0027】
上面2c上には、複数の絶縁性材料20が付与されており、下面2d上においても複数の絶縁性材料20が付与されている。絶縁性材料20は、励振電極3〜15を出力電極16,17またはアース電極18に選択的に電気的に接続するために設けられている。
【0028】
すなわち、励振電極4,6,8は、入力電極16に接続されており、第1のグループの励振電極を構成している。励振電極10,12,14は、出力電極17に接続されており、第2のグループの励振電極を構成している。残りの励振電極3,5,7,9a,9b,11,13,15が、アース電極18に接続されており、第3のグループの励振電極を構成している。
【0029】
上面2c上の絶縁性材料20は、第3のグループの3,5,7,9a,9b,11,13,15を入力電極16または出力電極17に電気的に遮断するために設けられている。同様に、下面2d上に付与された絶縁性材料20は、励振電極4,6,8,10,12,14のアース電極18への電気的接続を遮断するために設けられている。
【0030】
異なる電位に接続される励振電極間の圧電体層、例えば励振電極3と励振電極4とで挟まれた圧電体層は、積層型圧電体2の長さ方向に分極処理されている。本実施例では、積層型圧電体2を構成する圧電性材料としてチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスが用いられており、その音響インピーダンス値Z1は、3.4×107[kg/m2・s]である。
【0031】
他方、反射層31,32は、エポキシ樹脂からなり、その音響インピーダンス値Z2は、1.87×106[kg/m2・s]である。また、保持部材33,34は、本実施例ではセラミックスにより構成されており、その音響インピーダンス値Z3は、3.4×107[kg/m2・s]である。
【0032】
反射層31,32を構成する材料は、その音響インピーダンス値Z2が圧電体11を構成する圧電材料及び保持部材33,34を構成する材料の音響インピーダンスZ1,Z3よりも小さい限り、特に限定されない。また、保持部材33,34を構成する材料についてもその音響インピーダンス値Z3が、反射層31,32の音響インピーダンス値Z2よりも大きい限り特に限定されず、セラミックス以外の絶縁材料で構成されてもよい。
【0033】
次に、圧電フィルタ1の動作につき説明する。
図3は、圧電フィルタを動作させた場合に励振される対称モード(破線)及び反対称モード(実線)を示す図である。図3から明らかなように、マルチモード圧電フィルタ1では、対称モードとして12倍波が強く励振され、かつ反対称モードでは、11倍波及び13倍波が強く励振される。すなわち、マルチモード圧電フィルタ1では、圧電縦効果を利用した長さ振動モードの11倍波〜13倍波が効率よく励振される。圧電フィルタ1では、11倍波〜13倍波が結合されて、フィルタとしての特性が得られる。図4は、圧電フィルタ1のフィルタ波形を示す図である。図4から明らかなように、中心周波数約11MHzの広帯域のフィルタ特性が得られていることがわかる。
【0034】
マルチモード圧電フィルタ1では、利用しようとする3つのモードの周波数は、複数のモードの次数の比だけ離れている。前述した従来の横結合2重モード圧電フィルタでは、各モードの周波数は一対の励振電極間の間隔に依存していた。これに対して、本実施例で用いられているマルチモード圧電フィルタ1では、各モードの周波数は励振電極間の間隔に依存しない。すなわち、所望の帯域幅を得るには帯域幅に応じた次数を選択すればよいだけである。従って、広帯域のフィルタ特性を容易に得ることができる。
【0035】
また、従来の横結合マルチモード圧電フィルタでは、広帯域化を図る場合に、分割励振電極の形成が非常に困難となるのに対し、圧電フィルタ1では、容易に帯域幅の拡大を図ることができる。さらに、従来の横結合マルチモードフィルタでは、フィルタの減衰量が十分大きくならないという問題があった。フィルタの減衰量は、入力−アース電位間の容量CI-Gと入力電極と出力電極との間の容量CI-Oとの比率に関係する。すなわち、入出力間の容量が入力電極とアース電位との間の容量に対して小さいほど、減衰量は大きくなる。
【0036】
マルチモード圧電フィルタ1では、入力電極16及び出力電極17に接続される励振電極間に、グラウンド電位に接続される励振電極9a,9bが配置されているため、入力電極−出力電極間の容量が著しく小さくされる。よって、従来の横結合型マルチモードフィルタに比べて、圧電フィルタ1では、大きな減衰量を得ることができる。
【0037】
なお、圧電フィルタ1では、積層型圧電体2は、長さ振動モードの高調波で振動する。積層型圧電体2はエネルギー閉じ込め型の圧電振動子ではないため、積層型圧電体2を直接機械的に保持した場合、保持によりフィルタ特性が損なわれる。そこで、本実施例では、反射層31,32が端面2a,2bの外側に形成されており、さらに保持部材33,34が反射層31,32の外側に連結されている。圧電体2、反射層31,32及び保持部材33,34の音響インピーダンス値Z1〜Z3が上記のように選ばれているため、圧電体2から伝播してきた振動が反射層31,32と保持部材33,34との界面において反射される。従って、振動エネルギーは、一対の界面間の領域に閉じ込められることになる。
【0038】
よって、圧電体フィルタ1では、保持部材33,34において機械的に保持されとしても、フィルタ特性に影響は生じ難い。これを図5び図6に示す。
図5は、圧電フィルタ1を固定することなく測定された圧電フィルタ1のインピーダンス−周波数特性及び位相−周波数特性を示し、図6は、保持部材33,34において、圧電フィルタ1を機械的に保持して特性を測定した場合のインピーダンス−周波数特性及び位相−周波数特性を示す。なお、図5及び図6において、実線が位相−周波数特性を、破線がインピーダンス−周波数特性を示す。図5及び図6を比較すれば明らかなように、保持部材33,34において、圧電フィルタ1を機械的に保持したとしても、共振特性が損なわれないことがわかる。
【0039】
図1に戻り、本実施例のマルチモード圧電フィルタ装置41では、上記のような広帯域かつ高減衰量のマルチモード圧電フィルタ1,1Aが用いられている。すなわち、二素子のマルチモード圧電フィルタ1,1Aがケース基板42上に搭載されている。ケース基板42の上面には、端子電極43〜47が形成されており、これらの電極43〜47と導電性接着剤48により、圧電フィルタ1,1Aが電気的に接続される。ここで、端子電極43〜47と圧電フィルタ1,1Aは、保持部材33,34が設けられている部分において導電性接着剤48を用いて、各端子電極43〜47に電気的に接続されるとともに、機械的に接合されている。
【0040】
また、ケース基板42上の端子電極45,46は、圧電フィルタ1,1Aを縦続接続するように設けられている。
さらに、本実施例では、圧電フィルタ1では、前述したように、圧電縦効果を利用して励振された長さ振動モードの11倍波〜13倍波を利用したものであるが、縦結合型マルチモード圧電フィルタ1Aは、長さ振動モードの13倍波〜15倍波が結合されてフィルタ帯域を得るように構成されている。すなわち、圧電フィルタ1Aでは、異なる電位に接続される励振電極間に挟まれた圧電体層が14層形成されていることを除いては、マルチモード圧電フィルタ1とほぼ同様に構成されている。
【0041】
異なる電位に接続される励振電極間に挟まれた圧電フィルタ層の数が14とされているため、マルチモード圧電フィルタ1Aでは、上記対称モードにおいて14倍波が強く励振され、反対称モードにおいて13倍波及び15倍波が強く励振される。従って、13倍波〜15倍波が結合されて、フィルタ特性が得られる。
【0042】
圧電フィルタ装置41では、上記のように構成された圧電フィルタ1,1Aが縦続接続されているため、圧電フィルタ1や圧電フィルタ1Aのみを用いた場合に比べて、より大きな減衰量を得ることができ、選択度に優れたフィルタ特性を得ることができる。これを、図7〜図9を参照して説明する。
【0043】
図7は、前述した圧電フィルタ1のフィルタ特性を示す図である。ここでは、内部電極間に挟まれた圧電体層の厚みを150μmとした。また、圧電フィルタ1における圧電体2の厚みを120μm、幅を120μm、長さを3300μmとした。他方、異なる電位に接続されている励振電極間に挟まれた圧電体層の数が2層増加していることを除いては、上記と同様にして構成された圧電フィルタ1Aのフィルタ特性が図8に示されている。そして、図9は、上記のようにして構成された圧電フィルタ1,1Aが縦続接続された圧電フィルタ装置41のフィルタ特性を示す。
【0044】
縦結合型マルチモード圧電フィルタ1,1Aでは、使用する次数以外の高次モードも励振され、これらの高次モードがスプリアスとなり得る。例えば、図7に矢印A,B及び図8に矢印C,Dに示すように、使用する次数のモード以外のモードがスプリアスとして表れている。
【0045】
本実施例の圧電フィルタ装置41では、上記圧電フィルタ1,1Aが縦続接続され、フィルタ段数が2段とされているため、図9に示すように大きな減衰量が得られる。しかも、上記のように、2個の圧電フィルタ1,1Aで用いられるモードの次数が異なっているため、圧電フィルタ1Aのスプリアスとなるモードの周波数と、圧電フィルタ1Aでスプリアスとなるモードの周波数が異なっている。すなわち、2つの素子である圧電フィルタ1,1Aのスプリアス特性が異なっており、お互いに相殺されるため、図9から明らかなように、スプリアスをか効果的に抑圧することができ、より大きな帯域外減衰量の得られていることがわかる。
【0046】
本実施例では、長さ振動の11倍波〜13倍波を利用した圧電フィルタ1と、13倍波〜15倍波を利用した圧電フィルタ1Aとが組み合わされたが、この組み合わされるフィルタにおいて利用される振動モードの次数は所望とするフィルタの帯域幅に応じて自由に選択すればよい。
【0047】
また、異なる電位に接続される励振電極間に挟まれた圧電体層の厚みに関しても、圧電フィルタ内において均一である必要はなく、異ならせることにより、使用する次数のモードの励振効率を高め、スプリアスとなるモードの励振効率を低下させることもできる。
【0048】
なお、本実施例の圧電フィルタ装置41では、上記ケース基板42上に、下方に開いた開口を有するキャップ材50が接合される。従って、圧電フィルタ装置41は、ケース基板42とキャップ材50からなるパッケージ構造を有する電子部品として提供され得る。
【0049】
図10は、本発明の第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置を説明するための斜視図である。第1の実施例では、異なる次数のモードが利用される圧電フィルタ1,1Aが用いられていたが、第2の実施例では、ケース基板42上に、幅方向寸法が異なる縦結合型マルチモード圧電フィルタ61,61Aが搭載され、かつケース基板42上において縦続接続されている。
【0050】
すなわち、本発明においては、マルチモード圧電フィルタ装置を構成する第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタは、長さ寸法が異なるものであってもよく、幅方向寸法が異なるものであってもよい。
【0051】
圧電フィルタ61,62では、いずれも、マルチモード圧電フィルタ1と同様に、圧電縦効果を利用した長さ振動モードの高調波である12倍波が対称モードにおいて強く励振され、反対称モードでは、11倍波及び13倍波が強く励振される。従って、11倍波〜13倍波が結合されてフィルタ特性が得られる。
【0052】
もっとも、上記のように、第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタ61の幅寸法と、第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタの幅寸法が異なっているため、大きな減衰量を得ることができる。これを、図11〜図13に示す。
【0053】
いま、マルチモード圧電フィルタ61において、異なる電位に接続される励振電極間の圧電体層の厚みを150μmとし、圧電体の厚みを120μmとした。そして、第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタの幅方向寸法は、300μm、第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタ61Aの幅方向寸法は200μmとした。その他の点は、第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタ1と同様とした。
【0054】
上記のようにして、製作された縦結合型マルチモード圧電フィルタ61のフィルタ特性を図11に、縦結合型マルチモード圧電フィルタ61Aのフィルタ特性を図12に示す。また、図13は、上記縦結合型マルチモード圧電フィルタ61,61Aが縦続接続されている本実施例の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置62のフィルタ特性を示す。
【0055】
縦結合型マルチモード圧電フィルタ61,61Aは、横断面が矩形の棒状の形状を有する。従って、幅方向寸法に起因する幅モードスプリアスが生じる。本実施例の圧電フィルタ装置62では、マルチモード圧電フィルタ61,61Aが縦続接続されて、フィルタ段数が高められているため、大きな減衰量を得ることができる。のみならず、図11及び図12に示す幅モードに起因するスプリアスE1〜E3,F1〜F3が相殺し合い、図13に示すように、これらのスプリアスが効果的に抑圧されることがわかる。
【0056】
従って、単にフィルタ段数を高めた場合に比べて、より一層大きな帯域外減衰量の得られることがわかる。
図14は、本発明の第3の実施例に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置72を示す斜視図である。第3の実施例では、ケース基板42上に、第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタ71,71Aが搭載されている。縦結合型マルチモード圧電フィルタ71,71Aは、縦結合型マルチモード圧電フィルタ1と同様に、圧電縦効果を利用した長さ振動モードの高調波を利用したマルチモード圧電フィルタである。圧電フィルタ71,71Aでは、圧電フィルタ1と同様に、対称モードにおいて12倍波が、反対称モードにおいて11倍波及び13倍波が効率よく励振される。すなわち、圧電フィルタ71,71Aは、圧電フィルタ1と同様に、11倍波〜13倍波が結合されてフィルタ特性が得られるように構成されている。
【0057】
もっとも、圧電フィルタ71,71Aは、圧電体の長さ方向寸法が異なっている。言い換えれば、圧電フィルタ71Aにおける異なる電位に接続される励振電極間の圧電体層の厚みは、圧電フィルタ71における励振電極間の圧電体層の厚みよりも小さくされている。
【0058】
このように、第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタ71,71Aの長さ方向寸法を異ならせることによっても、使用するモード以外のモードによるスプリアスを抑制し、大きな帯域外減衰量を得ることができる。
【0059】
縦結合型マルチモード圧電フィルタ71,71Aでは、端面が矩形の棒状の形状を有するめ、長さ寸法に起因する長さモードスプリアスが存在する。しかし、本実施例では、マルチモード圧電フィルタ71,71Aの長さ寸法を異ならせることにより、第1の圧電フィルタ71におけるスプリアスとなる長さモードの周波数と、第2の圧電フィルタ71Aにおける長さモードのスプリアスの周波数が異なっている。従って、圧電フィルタ71,71Aを縦続接続することにより、これらの圧電フィルタ71,71Aのスプリアスが相殺され、より大きな帯域外減衰量を得ることができる。
【0060】
図15は、本発明の第4の実施例に係る圧電フィルタ装置を説明するための斜視図である。第4の実施例の圧電フィルタ装置82では、ケース基板42上に、第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタ81,81Aが搭載される。圧電フィルタ81,81Aは、圧電フィルタ1と同様に構成されており、すなわち圧電縦効果を利用して励振される長さモードの高調波が用いられる。ここでは、圧電フィルタ1と同様に、圧電フィルタ81,81Aでは、11倍波〜13倍波が結合されてフィルタ特性が得られている。
【0061】
もっとも、圧電フィルタ81の厚みは、圧電フィルタ81Aの厚みよりも大きくされている。
例えば、圧電フィルタ81において、厚みを120μm、圧電フィルタ81Aでは厚みを120μmとされる。その他の構成は第1の実施例の縦結合型マルチモード圧電フィルタ1と同様とされている。
【0062】
このように、厚み寸法が異なる第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタ81,81Aを縦続接続することにより、フィルタ段数を高めて大きな減衰量を得るだけでなく、厚み寸法に起因する厚み滑りスプリアスを抑制することができる。すなわち、圧電フィルタ81,81Aでは、厚み滑りモードによるスプリアスが表れるが、厚み寸法が異なっているため、第1の圧電フィルタ81における厚み滑りモードのスプリアスの周波数と、第2の圧電フィルタ81Aにおける厚み滑りモードのスプリアスの周波数が異なることになる。従って、圧電フィルタ81,81Aを縦続接続した場合、両フィルタ81,81Aの厚み滑りモードのスプリアスが相殺され、より大きな帯域外減衰量を得ることができる。
【0063】
図16は、本発明で第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタとして用いられるフィルタの変形例を示す。縦結合型マルチモード圧電フィルタ101は、縦結合型マルチモード圧電フィルタ部101A,101Bを有する。縦結合型マルチモード圧電フィルタ部101A,101Bは、同じ圧電体を用いて一体化されている。すなわち、縦結合型マルチモード圧電フィルタ部101A,101Bを構成する積層型圧電体は、両者の積層型圧電体を横方向に連結した構造において、上面に溝102aを形成することにより構成されている。
【0064】
ここでは、積層型圧電体102だけでなく、反射層及び保持部材についても、一体化されている。すなわち、積層型圧電体102の両端面に反射層及び保持部材を形成した後、溝102aを形成することにより、圧電フィルタ1や1Aなどと同じ、一素子の縦結合型マルチモード圧電フィルタとして構成することができる。ここで、一般に縦結合型マルチモード圧電フィルタの共振子形状が矩形であるため、幅寸法に起因する幅モードスプリアスが存在し、そのスプリアスによって通過帯域外の減衰特性が悪化するが、溝102aを形成することにより、共振子幅によるスプリアスが分散され、減衰量を大きくすることができる。
【0065】
すなわち、この溝の有り無しによる減衰量の差を図17に示す。図17では、溝のない一素子の特性が破線で示されており、溝102aを形成した一素子の特性が実線で示されている。図17から明らかなように溝102aを形成した素子のほうが、通過帯域外の減衰量が大きいことがわかる。また、図18は、二素子を直列接続した縦結合型マルチモード圧電フィルタの特性を示す。図18では、溝のない二素子を直列接続した構造の特性が破線で示されており、溝102aを形成した二素子直列接続した構造の特性が実線で示されている。図18から明らかなように、溝102aを形成した二素子直列接続した縦結合型マルチモード圧電フィルタの特性の方が通過帯域外の減衰特性が良好になっていることがわかる。このように、溝102aを形成した縦結合型マルチモード圧電フィルタを用いことにより一層大きな減衰量の得られることがわかる。
【0066】
従って、本発明においては、第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタの一方または双方を、二素子が一体化された縦結合型マルチモード圧電フィルタ101により構成してもよく、それによって、より一層大きな帯域外減衰量を得ることができる。
【0067】
なお、上述してきた実施例では、圧電縦効果を利用した長さ振動モードの高調波を利用した縦結合型マルチモード圧電フィルタにつき説明したが、本発明では、使用する振動モードはこれに限定されない。例えば、図19に示す圧電縦効果を利用した厚み縦振動モードの高調波を利用した縦結合型マルチモード圧電フィルタ111や、図20に示すエネルギー閉じ込め型の厚み縦振動の高調波を利用した縦結合型マルチモード圧電フィルタ121にも本発明を適用することができる。なお、図19の矢印Pは分極方向を示す。
【0068】
さらに、本発明では、第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタ以外に、少なくとも1つの第3の縦結合型マルチモード圧電フィルタがさらに接続されてもよい。
【0069】
【発明の効果】
本発明に係るマルチモード圧電フィルタ装置では、第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタにおいて、圧電縦効果を利用して励振された異なる次数のモードの振動を結合することにより、それぞれフィルタ特性が得られる。従って、広帯域であり、減衰量の大きなフィルタ特性を容易に得ることができる。のみならず、第1,第2の圧電フィルタが縦続接続されており、それによってフィルタ段数が高められるので、さらに大きな減衰量を得ることが可能とされている。
【0070】
加えて、第1,第2の圧電フィルタにおいて利用される振動モードの次数が異なっており、あるいは幅方向寸法や長さ方向寸法が異なっているため、第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタにおいて問題となるスプリアスとなる周波数が互いに相殺され、それによっても、大きな減衰量が得られる。
【0071】
よって、本発明によれば、広帯域であり、かつ大きな帯域外減衰量を得ることができるマルチモード圧電フィルタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置を説明するための分解斜視図。
【図2】第1の実施例で用いられる縦結合型マルチモード圧電フィルタの縦断面図。
【図3】第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタで励振される対称モード及び反対称をモードを示す図。
【図4】第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタとのフィルタ特性を示す図。
【図5】第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタを機械的に保持しないで動作させた場合のインピーダンス−周波数特性及び位相−周波数特性を示す図。
【図6】第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタを保持部材において機械的に支持して測定されたインピーダンス−周波数特性及び位相−周波数特性を示す図。
【図7】第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタのフィルタ特性を示す図。
【図8】第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタのフィルタ特性を示す図。
【図9】第1の実施例に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置のフィルタ特性を示す図。
【図10】本発明の第2の実施例に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置を説明するための斜視図。
【図11】第2の実施例で用いられる第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタのフィルタ特性を示す図。
【図12】第2の実施例で用いられる第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタのフィルタ特性を示す図。
【図13】第2の実施例の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置のフィルタ特性を示す図。
【図14】第3の実施例に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置を説明するための斜視図。
【図15】第4の実施例に係る縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置を説明するための斜視図。
【図16】第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタまたは第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタとして用いられる縦結合型マルチモード圧電フィルタの変形例を示す斜視図。
【図17】一素子の縦結合型マルチモード圧電フィルタのフィルタ特性を示す図。
【図18】図16に示した二素子接続型の縦結合型マルチモード圧電フィルタのフィルタ特性を示す図。
【図19】本発明で用いられる縦結合型マルチモード圧電フィルタの他の例を示す斜視図。
【図20】本発明で用いられる縦結合型マルチモード圧電フィルタのさらに他の例を説明するための斜視図。
【図21】従来の2重モード圧電フィルタを示す正面断面図。
【図22】(a)及び(b)は、従来の2重モード圧電フィルタにおいて励振される対称モード及び反対称モードを説明するための模式的正面図。
【符号の説明】
1…縦結合型マルチモード圧電フィルタ
1A…縦結合型マルチモード圧電フィルタ
2…圧電体
2a,2b…端面
2c…上面
2d…下面
2e…側面
3〜8,9a,9b,10〜15…励振電極
16…入力電極
17…出力電極
18…アース電極
41…縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置
42…ケース基板
50…キャップ材
61,61A,71,71A,81,81A…縦結合型マルチモード圧電フィルタ
62,72,82…縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置
101…縦結合型マルチモード圧電フィルタ
101A,101B…縦結合型マルチモード圧電フィルタ部
102…積層型圧電体
102a…溝
111,121…縦結合型マルチモード圧電フィルタ
Claims (10)
- 互いに平行に配置された4以上の励振電極及び
前記励振電極間に配置されており、かつ励振電極に直交する方向に分極処理されている複数の圧電体層を有し、前記複数の励振電極と直交する方向において対向している第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ第1〜第4の側面とを有する積層型圧電体と、
前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面において第1の端面側に寄せられて形成された入力電極と、
前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面において第2の端面側に寄せられて形成された出力電極とを備え、
前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面に形成された、アース電極と、
前記複数の励振電極が、前記入力電極に接続される第1のグループの励振電極と、前記出力電極に電気的に接続される第2のグループの励振電極と、前記アース電極に接続される第3のグループの励振電極とを有し、
入力電極とアース電極との間に入力信号が印加されると、異なる次数のモードの振動が励振されかつ結合され、前記出力電極とアース電極とから出力信号が取り出されるように構成されている第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタを備え、
前記第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタが縦続接続されており、かつ
前記第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタで利用されるモードの次数と、第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタで利用されるモードの次数とが異なっている、縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。 - 互いに平行に配置された4以上の励振電極及び
前記励振電極間に配置されており、かつ励振電極に直交する方向に分極処理されている複数の圧電体層を有し、前記複数の励振電極と直交する方向において対向している第1,第2の端面と、第1,第2の端面を結ぶ第1〜第4の側面とを有する積層型圧電体と、
前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面において第1の端面側に寄せられて形成された入力電極と、
前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面において第2の端面側に寄せられて形成された出力電極とを備え、
前記積層型圧電体の第1〜第4の側面の少なくとも1つの側面に形成された、アース電極と、
前記複数の励振電極が、前記入力電極に接続される第1のグループの励振電極と、前記出力電極に電気的に接続される第2のグループの励振電極と、前記アース電極に接続される第3のグループの励振電極とを有し、
入力電極とアース電極との間に入力信号が印加されると、異なる次数のモードの振動が励振されかつ結合され、前記出力電極とアース電極とから出力信号が取り出されるように構成されている第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタを備え、
前記第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタが縦続接続されており、かつ
前記第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタの寸法が、第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタと異ならされている、縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。 - 前記第1縦結合型マルチモード圧電フィルタの幅寸法が、第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタの幅寸法と異なっている、請求項2に記載の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。
- 前記第1の縦結合型マルチモード圧電フィルタの長さ寸法が、第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置の長さ寸法と異なっている、請求項2または3に記載の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。
- 第1,第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタに縦続接続されている、少なくとも1つの縦結合型マルチモード圧電フィルタをさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。
- 前記異なる次数の振動モードが、圧電縦効果を利用した長さ振動モードの高調波であり、請求項1〜5のいずれかに記載の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。
- 前記異なる次数のモードが、圧電縦効果を利用した厚み縦振動の高調波である、請求項1〜5のいずれかに記載の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。
- 前記積層型圧電体を構成している圧電材料の音響インピーダンス値をZ1としたときに、
前記積層型圧電体の第1,第2の端面の外側に連結されており、かつ音響インピーダンス値Z1よりも低い第2の音響インピーダンス値Z2を有する材料からなる反射層と、
前記反射層の第1,第2の端面に連結されている側とが反対側の面に連結されており、第2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3の音響インピーダンス値Z3を有する材料からなる保持部材とをさらに備える、請求項1〜7のいずれかに記載の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。 - 前記第1及び/または第2の縦結合型マルチモード圧電フィルタの積層型圧電体において、積層型圧電体の少なくとも1つの側面に溝が形成されており、該溝の両側に一対の縦結合型マルチモード圧電フィルタ部が一体に構成されている、請求項1〜8のいずれかに記載の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置と、
該縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置が搭載されるケース基板と、
前記ケース基板に接合されており、前記縦結合型マルチモード圧電フィルタ装置を囲むようにケース基板に固定されているキャップ材とを備える電子部品。
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