JP2003347147A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ

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JP2003347147A JP2002153419A JP2002153419A JP2003347147A JP 2003347147 A JP2003347147 A JP 2003347147A JP 2002153419 A JP2002153419 A JP 2002153419A JP 2002153419 A JP2002153419 A JP 2002153419A JP 2003347147 A JP2003347147 A JP 2003347147A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部電極の導電材料としてニッケル等の卑金
属を用いながら、高周波かつ高電圧あるいは大電流下で
の使用時の損失による発熱を小さくでき、誘電率が高
く、また、交流高温負荷または直流高温負荷において、
安定した絶縁抵抗を示す、積層セラミックコンデンサを
提供する。 【解決手段】 積層セラミックコンデンサ1に備える誘
電体セラミック層3を構成する誘電体セラミックとし
て、耐還元性を有するチタン酸ストロンチウム系の主成
分を含みかつその主結晶相がX線回折にて単一相のピー
クを示す、ペロブスカイト型の誘電体セラミックを用
い、周波数10kHzおよび電界強度3kV/mmの交
流電界下でのヒステリシス損が、−55〜125℃の温
度範囲で、100×104 W/F以下となるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、導電材料として
卑金属を含む内部電極を備える積層セラミックコンデン
サに関するもので、特に、高周波交流用または直流中高
圧用の分野において有利に用いられる積層セラミックコ
ンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、積層セラミックコンデンサは
以下のようにして製造されるのが一般的である。
【0003】まず、その表面に内部電極となる電極材料
を塗布した、誘電体セラミック層となるべき誘電体材料
を含むセラミックグリーンシートが準備される。誘電体
材料としては、たとえばチタン酸バリウムを主成分とす
る材料が用いられる。次に、この電極材料を塗布したセ
ラミックグリーンシートを積層して熱圧着し、一体化し
たものを大気中において1250〜1350℃の温度で
焼成することによって、内部電極を有するセラミック積
層体が得られる。そして、このセラミック積層体の端面
に、内部電極と電気的に導通する外部電極を焼き付ける
ことにより、積層セラミックコンデンサが得られる。
【0004】したがって、内部電極の材料として、一般
的には、セラミック積層体の焼成において酸化されない
材料が選ばれてきた。たとえば、白金、金、パラジウム
あるいは銀−パラジウム合金などの貴金属が、内部電極
の材料として用いられていた。しかしながら、これらの
内部電極材料は、優れた特性を有する反面、高価である
ため、積層セラミックコンデンサの製造コストを上昇さ
せる原因となっていた。
【0005】そこで、製造コストを低下させるため、比
較的安価なニッケル、銅などの卑金属を内部電極の材料
とする積層セラミックコンデンサが提案されている。
【0006】しかしながら、このような卑金属は、高温
の酸化雰囲気中では容易に酸化されてしまい、内部電極
としての役目を果たさなくなってしまうため、積層セラ
ミックコンデンサの内部電極の材料として使用するため
には、セラミック積層体を得るための焼成は、中性また
は還元性雰囲気中で行なわなければならない。
【0007】他方、このような中性または還元性雰囲気
中といった低酸素分圧下で焼成すると、誘電体セラミッ
ク層を構成すべきセラミックが著しく還元されてしま
い、その結果、半導体化してしまう、という問題があ
る。
【0008】そのため、卑金属の酸化を防止するように
低酸素分圧下で焼成しても半導体化しない誘電体セラミ
ックとして、たとえば、特公昭61−14611号公報
に記載されるようなBaTiO3 −(Mg,Zn,S
r,Ca)O−B2 3 −SiO2 系誘電体セラミック
や、特開平7−272971号公報に記載されるような
(Ba,M,L)(Ti,R)O3 系誘電体セラミック
(ただし、MはMgまたはZn、LはCaまたはSr、
RはSc、Yまたは希土類元素)などが提案されてい
る。
【0009】同様に、低酸素分圧下で焼成しても半導体
化しない、チタン酸ストロンチウムを主成分とする誘電
体セラミックとして、特許第3143922号公報に
は、(Sr1-X CaX m (Ti1-Y ZrY )O3 (た
だし、0.30≦X≦0.50、0.00≦Y≦0.2
0、および0.95≦m≦1.08)系の誘電体セラミ
ックが提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】電子機器の高集積化、
高機能化、低価格化が進む中、積層セラミックコンデン
サの使用条件は益々厳しいものとなっており、積層セラ
ミックコンデンサの低損失化、絶縁性の向上、絶縁耐力
の向上、信頼性の向上、大容量化、低価格化等の要求が
強くなっている。
【0011】また、近年、高周波かつ高電圧あるいは大
電流下で使用できる積層セラミックコンデンサの需要が
高まってきている。この場合、積層セラミックコンデン
サにとって重要な特性は、低損失かつ低発熱であること
である。なぜなら、積層セラミックコンデンサの損失が
大きいと、発熱が大きく、積層セラミックコンデンサ自
体の寿命を短くしてしまうからである。また、積層セラ
ミックコンデンサの損失による発熱によって、回路内の
温度上昇が起こり、周辺部品の誤作動や寿命の短縮をも
引き起こす。
【0012】また、積層セラミックコンデンサにおい
て、誘電体セラミック層が高誘電率であることも重要で
ある。積層セラミックコンデンサの誘電体セラミック層
の比誘電率が低くなると、必要とする静電容量を確保す
るため、積層セラミックコンデンサの体積は大きなもの
となり、高集積化および低価格化への障害となるためで
ある。
【0013】さらに、高電圧直流下での積層セラミック
コンデンサの使用も増えてきている。しかしながら、特
にニッケルを内部電極材料として使用している従来の積
層セラミックコンデンサにあっては、比較的低い電界強
度下で使用されることが意図されているため、高い電界
強度下で使用すると、絶縁性、絶縁耐力、信頼性および
誘電率が極端に低下するという問題が生じている。
【0014】前述した特公昭61−14611号公報や
特開平7−272971号公報に記載される誘電体セラ
ミックを用いて積層セラミックコンデンサを構成する
と、静電容量の温度変化率は小さいものの、高周波かつ
高電圧あるいは大電流下での使用時における損失および
発熱が大きいという欠点がある。また、このような誘電
体セラミックは、耐還元性を有するため、低酸素分圧下
での焼成を採用することにより、ニッケルのような卑金
属を内部電極の材料として用いることを可能にするもの
の、このような低酸素分圧下での焼成は、誘電体セラミ
ックにとっては、厳しい焼成条件となるので、得られた
積層セラミックコンデンサを高電圧直流下で使用したと
きには、絶縁抵抗値が低く、信頼性も低いという欠点が
ある。
【0015】他方、前述した特許第3143922号公
報に記載されるチタン酸ストロンチウムを主成分とする
誘電体セラミックを用いて積層セラミックコンデンサを
構成すると、銅または銅合金等の卑金属を内部電極の材
料として使用でき、高周波かつ高電圧下での使用時の損
失による発熱を小さくできる反面、誘電体セラミック層
の比誘電率が低いという欠点がある。
【0016】そこで、この発明の目的は、高周波かつ高
電圧あるいは大電流下での使用時の損失による発熱が小
さく、かつ、交流高温負荷または直流高温負荷におい
て、安定した絶縁抵抗を示すとともに、耐還元性誘電体
セラミックからなる誘電体セラミック層において高い比
誘電率を得ることができる、導電材料として卑金属が用
いられた積層セラミックコンデンサを提供しようとする
ことである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、複数の誘電
体セラミック層と、誘電体セラミック層間に形成されか
つ卑金属を導電材料として含む複数の内部電極と、内部
電極に電気的に接続された外部電極とを備える、積層セ
ラミックコンデンサに向けられるものであって、上述し
た技術的課題を解決するため、次のような構成を備える
ことを特徴としている。
【0018】すなわち、上記誘電体セラミック層は、耐
還元性を有するチタン酸ストロンチウム系の主成分を含
みかつその主結晶相がX線回折にて単一相のピークを示
す、ペロブスカイト型の誘電体セラミックから構成され
る。また、この発明に係る積層セラミックコンデンサ
は、周波数10kHzおよび電界強度3kV/mmの交
流電界下でのヒステリシス損が、−55〜125℃の温
度範囲で、100×10 4 W/F以下である。
【0019】上記誘電体セラミックは、そのグレインの
平均粒径が3.0μm以下であることが好ましい。
【0020】また、誘電体セラミック層は、電界強度5
〜50kV/mmの直流電界下における比誘電率が、1
00〜1200であることが好ましい。
【0021】また、好ましくは、誘電体セラミックは、
組成式:{(Sr1-V-W CaV Ba W m (Ti1-X-Y
ZrX HfY )}O3 で表される主成分を含み、V、
W、X、Yおよびmは、0≦V<0.3、0<W<0.
5、1−V−W≧0.5、0≦X+Y<0.5、および
0.97≦m≦1.05を満足し、さらに、添加成分と
して、上記主成分1.0モルに対して、合計元素量で
0.3モル以下のMgおよびSiを含み、これらMgお
よびSiのモル比率(Mg/Si)が1以上である。こ
こで、MgおよびSiは、MgおよびSiを含む化合
物、またはMg化合物およびSi化合物の混合物として
含有される。
【0022】この発明に係る積層セラミックコンデンサ
において、内部電極は、導電材料としてニッケルもしく
はニッケル合金または銅もしくは銅合金を含むことが好
ましい。
【0023】また、この発明に係る積層セラミックコン
デンサにおいて、外部電極は、導電性金属粉末の焼結体
を含む焼結層を備えることが好ましい。この場合、外部
電極は、焼結層上に形成されるめっき層をさらに備えて
いてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる積層セラミックコンデンサ1を示す断面図である。
【0025】積層セラミックコンデンサ1は、積層体2
を備えている。積層体2は、積層された複数の誘電体セ
ラミック層3と、複数の誘電体セラミック層3の間の特
定の複数の界面に沿ってそれぞれ形成された複数の内部
電極4および5とを備えている。
【0026】内部電極4および5は、積層体2の外表面
にまで到達するように形成されるが、積層体2の一方の
端面6にまで引き出される内部電極4と他方の端面7に
まで引き出される内部電極5とが、積層体2の内部にお
いて、誘電体セラミック層3を介して静電容量が得られ
るように交互に配置されている。
【0027】上述の静電容量を取り出すため、積層体2
の外表面上であって、端面6および7上には、内部電極
4および5のいずれか特定のものに電気的に接続される
ように、外部電極8および9がそれぞれ形成されてい
る。
【0028】このような積層セラミックコンデンサ1に
おいて、誘電体セラミック層3は、耐還元性を有するチ
タン酸ストロンチウム系の主成分を含みかつその主結晶
相がX線回折にて単一相のピークを示す、ペロブスカイ
ト型の誘電体セラミックから構成される。また、この積
層セラミックコンデンサ1は、周波数10kHzおよび
電界強度3kV/mmの交流電界下でのヒステリシス損
が、−55〜125℃の温度範囲で、100×104
/F以下となるようにされる。
【0029】上記誘電体セラミック層3は、電界強度5
〜50kV/mmの直流電界下における比誘電率が、1
00〜1200とされることが好ましい。
【0030】また、誘電体セラミック層3を構成する誘
電体セラミックは、そのグレインの平均粒径が3.0μ
m以下であることが好ましい。
【0031】誘電体セラミック層3を構成する誘電体セ
ラミックは、組成式:{(Sr1-V- W CaV BaW m
(Ti1-X-Y ZrX HfY )}O3 で表される主成分を
含み、V、W、X、Yおよびmが、0≦V<0.3、0
<W<0.5、1−V−W≧0.5、0≦X+Y<0.
5、および0.97≦m≦1.05を満足し、さらに、
添加成分として、上記主成分1.0モルに対して、合計
元素量で0.3モル以下のMgおよびSiを含み、これ
らMgおよびSiのモル比率(Mg/Si)が1以上で
あることが好ましい。ここで、MgおよびSiは、Mg
およびSiを含む化合物、またはMg化合物およびSi
化合物の混合物として含有される。
【0032】また、内部電極4および5は、導電材料と
して卑金属を含んでいる。この卑金属としては、ニッケ
ルもしくはニッケル合金または銅もしくは銅合金が有利
に用いられる。また、内部電極4および5は、セラミッ
ク原料を導電材料の20重量%以下の割合で含んでいて
もよい。このセラミック原料としては、前述の誘電体セ
ラミック層3を構成する誘電体セラミックと同様、耐還
元性を有するチタン酸ストロンチウムを主成分とするも
のが有利に用いられる。
【0033】外部電極8および9は、それぞれ、焼結層
10および11を備えている。焼結層10および11
は、銀、パラジウム、銀−パラジウム合金、ニッケル、
ニッケル合金、銅、銅合金などからなる導電性金属粉末
の焼結体を含んでいる。焼結層10および11に含まれ
る焼結体は、さらに、B2 3 −SiO2 −BaO系ガ
ラス、Li2 O−SiO2 −BaO系ガラスなどのガラ
スフリットの焼結体を含んでいても、さらに、導電性金
属粉末の20重量%以下の割合で含む耐還元性チタン酸
ストロンチウムを主成分とするセラミック原料の焼結体
を含んでいてもよい。
【0034】また、必要に応じて、外部電極8および9
は、それぞれ、上述の焼結層10および11上に形成さ
れる、ニッケル、銅などからなる第1のめっき層12お
よび13を備えていても、さらにその上に形成される、
半田、錫などからなる第2のめっき層14および15が
備えていてもよい。
【0035】このような積層セラミックコンデンサ1
は、たとえば、次のようにして製造される。
【0036】まず、誘電体セラミック層3を構成するチ
タン酸ストロンチウム系誘電体セラミックのための原料
粉末を用意する。この原料粉末の製造方法およびその詳
細については後述する。
【0037】次いで、上述したような原料粉末に、有機
バインダおよび有機溶剤ならびに必要な添加剤を加えて
スラリー化し、このスラリーをシート状に成形して、誘
電体セラミック層3のためのセラミックグリーンシート
を得る。
【0038】その後、誘電体セラミック層3となるセラ
ミックグリーンシートの特定のものの各一方主面上に、
ニッケルもしくはニッケル合金または銅もしくは銅合金
等の卑金属を導電材料として含む内部電極4および5を
形成する。これら内部電極4および5は、スクリーン印
刷法などの印刷法によって形成されても、蒸着法、めっ
き法などによって形成されてもよい。
【0039】次いで、内部電極4および5を形成したセ
ラミックグリーンシートを、必要数積層するとともに、
これらセラミックグリーンシートを、内部電極が形成さ
れていないセラミックグリーンシートによって挟んだ状
態とし、これらを圧着することによって、積層体2の生
の状態のものを得る。
【0040】次いで、この生の積層体2を、必要に応じ
て所定の寸法にカットした後、還元性雰囲気中で所定の
温度にて焼成し、積層体2を焼結させる。
【0041】次に、積層体2の端面6および7上に、そ
れぞれ、内部電極4および5の特定のものと電気的に接
続されるように、外部電極8および9に備える焼結層1
0および11を形成する。焼結層10および11は、典
型的には、導電性金属粉末を含むペーストを、焼結後の
積層体2に塗布して、焼き付けることによって形成され
るが、焼成前に塗布して、積層体2と同時に焼き付ける
ことによって形成されてもよい。
【0042】その後、焼結層10および11上に、ニッ
ケル、銅などのめっきを施し、第1のめっき層12およ
び13を形成する。最後に、この第1のめっき層12お
よび13上に、半田、錫などの第2のめっき層14およ
び15を形成し、積層セラミックコンデンサ1を完成さ
せる。なお、このように焼結層10および11の上にさ
らにめっきなどで導体層を形成することは、積層セラミ
ックコンデンサの用途によっては省略することもでき
る。
【0043】次に、前述した誘電体セラミック層3を構
成するチタン酸ストロンチウム系誘電体セラミックのた
めの原料粉末の製造方法について説明する。
【0044】この誘電体セラミックの主成分の組成は、
前述したように、組成式:{(Sr 1-V-W CaV
W m (Ti1-X-Y ZrX HfY )}O3 で表され
る。したがって、まず、上記組成式に含まれる各元素を
含む、炭酸塩、酸化物または水酸化物などの各粉末が用
意される。これら主成分の出発原料粉末は、比表面積5
2/g以上である微粉末であることが好ましい。
【0045】次に、上記組成式におけるV、W、X、Y
およびmが、0≦V<0.3、0<W<0.5、1−V
−W>0.5、0≦X+Y<0.5、および0.97≦
m≦1.05を満足するように、Sr、Ca、Ba、T
i、ZrおよびHfを含む各原料粉末が秤量される。
【0046】次に、これら秤量された各原料粉末が、水
またはアルコールなどの媒体中で、たとえば直径0.5
mm以下の小径ビーズを用いて混合された後、オーブン
などを用いて蒸発乾燥工程に付される。
【0047】次に、蒸発乾燥後の混合された出発原料粉
末は、たとえば15℃/分以上の昇温速度であって、1
000〜1200℃の温度にて仮焼される。これによっ
て、高結晶性であって、比表面積がたとえば3.5m2
/g以上のチタン酸ストロンチウム系の主成分のための
セラミック原料粉末が得られる。
【0048】次に、上述の主成分のためのセラミック原
料粉末に、添加成分としてのMgおよびSiの各出発原
料粉末が添加される。これらMgおよびSiの添加量
は、主成分1.0モルに対して、合計元素量で0.3モ
ル以下とされる。この合計元素量が0.3モルを超える
と、二次相の影響により、耐電圧性および信頼性が低下
するためである。また、MgおよびSiのモル比率(M
g/Si)は1以上となるようにされる。ここで、モル
比率(Mg/Si)を1以上とすることにより、得られ
た誘電体セラミックのグレインの平均粒径を3.0μm
以下にすることができる。
【0049】また、誘電体セラミックのための他の添加
成分として、必要に応じて、La、Ce、Pr、Nd、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Lu、YおよびScから選ばれた少なくとも1種の
希土類元素、あるいは、Mn、Ni、Fe、Al、Cr
およびZnから選ばれた少なくとも1種の元素が添加さ
れる。これらの添加成分は、通常、酸化物の状態で添加
されるが、その他、アルコキシドや有機金属化合物など
の状態で添加されてもよい。
【0050】以上のようにして、誘電体セラミック層3
を構成するチタン酸ストロンチウム系誘電体セラミック
のための原料粉末が作製される。その後、積層セラミッ
クコンデンサ1を製造するための方法は、前述したとお
りである。
【0051】なお、チタン酸ストロンチウム系誘電体セ
ラミックの主成分のための原料粉末を製造するため、出
発原料として、SrTiO3 、BaTiO3 、CaZr
3などの複合金属酸化物を用いて、前述した場合と同
様の混合工程および仮焼工程を実施すれば、同様の原料
粉末を得ることができる。しかしながら、これら複合金
属酸化物を使用しながら、仮焼を行なわない場合には、
得られた積層セラミックコンデンサ1において、周波数
10kHzおよび電界強度3kV/mmの交流電界下で
のヒステリシス損が、特に高温域で高くなる。
【0052】次に、この発明に係る積層セラミックコン
デンサを、実験例に基づいて説明する。
【0053】
【実験例】チタン酸ストロンチウム系誘電体セラミック
の主成分のための出発原料粉末として、それぞれ、純度
が99%以上であって、比表面積が7m2 /gのSrC
3 粉末、比表面積が8m2 /gのCaCO3 粉末、比
表面積が10m2 /gのBaCO3 粉末、比表面積が1
2m2 /gのTiO2 粉末、比表面積が5m2 /gのZ
rO2 粉末、および比表面積が5m2 /gのHfO2
末を用意した。
【0054】次に、これら主成分のための出発原料粉末
を、組成式:{(Sr1-V-W CaVBaW m (Ti
1-X-Y ZrX HfY )}O3 において、表1、表2およ
び表3に示す組成およびモル比となるように秤量した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】なお、表2に示した試料14ならびに表3
に示した試料15および16については、主成分のため
の出発原料として、純度99%以上であって、比表面積
が5m2 /g以上である複合金属酸化物としてのSrT
iO3 、BaTiO3 および/またはCaZrO3 の各
粉末をも用い、表2および表3に示すような組成および
モル比となるように秤量した。
【0059】次に、表1ないし表3に示した各試料に係
る主成分のための出発原料粉末を、水媒体中でジルコニ
ア製の直径0.5mmのビーズを用いて混合し、150
℃のオーブン中で乾燥させ、その後、昇温速度を20℃
/分としながら、1050℃の温度にて仮焼を行ない、
表1ないし表3の「比表面積」の欄に示されるように、
比表面積が3.5m2 /g以上の微粒で高結晶性のチタ
ン酸ストロンチウム系誘電体セラミックの主成分のため
の原料粉末を得た。
【0060】なお、表3に示した試料16については、
上述のような仮焼を行なわなかった。
【0061】他方、チタン酸ストロンチウム系誘電体セ
ラミックの添加成分のための出発原料粉末として、Mg
O、SiO2 、B2 3 −SiO2 −BaO系ガラスお
よびLi2 O−SiO2 −BaO系ガラスの各粉末を用
意するとともに、La2 3、CeO2 、Pr6 11
Nd2 3 、Sm2 3 、Ho2 3 、Dy2 3 、G
2 3 、Eu2 3 、Tb2 3 、Er2 3 、Tm
2 3 、Yb2 3 、Lu2 3 、Y2 3 、Sc2
3 およびMnCO3 の各粉末をそれぞれ用意した。
【0062】次に、上述の添加成分のための出発原料粉
末を、表4、表5および表6に示すような組成およびモ
ル比となるように秤量した後、これらを、前述の表1な
いし表3に示した主成分のための原料粉末にに加えて混
合し、チタン酸ストロンチウム系誘電体セラミックのた
めの各試料に係る原料粉末を得た。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】表4ないし表6において、MgおよびSi
の添加量についてのモル比率(Mg/Si)が示されて
いる。
【0067】次に、表1ないし表6に示したような各試
料に係る原料粉末に、ポリビニルブチラール系バインダ
およびエタノールなどの有機溶剤を加えて、ボールミル
により湿式混合し、セラミックスラリーを得た。このセ
ラミックスラリーを、次いで、ドクターブレード法によ
りシート成形し、厚み25μmの矩形のセラミックグリ
ーンシートを得た。
【0068】次に、セラミックグリーンシートの特定の
ものの上に、導電性ペーストを印刷し、内部電極を構成
するための導電性ペースト膜を形成した。なお、内部電
極のための導電性ペーストとして、試料1、3、4、
6、7、8、9、11、12、13、15、17、19
および20については、ニッケルを導電材料として含む
ものを用い、試料2、5、10、14、16、18およ
び21については、銅を導電材料として含むものを用い
た。
【0069】次に、導電性ペースト膜が形成されたセラ
ミックグリーンシートを、導電性ペースト膜が形成され
ている側が互いに違いとなるように複数積層するととも
に、その上下に、導電性ペースト膜が形成されていない
セラミックグリーンシートを積層し、これらを圧着する
ことによって、生のセラミック積層体を得た。
【0070】次に、内部電極のための導電性ペーストと
して、ニッケルを含むものを用いた、試料1、3、4、
6、7、8、9、11、12、13、15、17、19
および20については、上述の生のセラミック積層体
を、窒素雰囲気中にて350℃の温度に加熱し、バイン
ダを除去した後、酸素分圧10-9〜10-12 MPaのH
2 −N2 −H2 Oガスからなる還元性雰囲気中におい
て、1200〜1350℃の範囲の適当な温度で2時間
焼成し、焼結されたセラミック積層体を得た。
【0071】その後、焼結されたセラミック積層体の両
端面に、B2 3 −Li2 O−SiO2 −BaO系のガ
ラスフリットおよび銅粉末を含有する導電性ペーストを
塗布し、窒素雰囲気中において600℃の温度で焼き付
け、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成し
た。
【0072】他方、内部電極のための導電性ペーストと
して、銅を含むものを用いた、試料2、5、10、1
4、16、18および21については、生のセラミック
積層体の両端面に、B2 3 −Li2 O−SiO2 −B
aO系のガラスフリットと耐還元性チタン酸ストロンチ
ウムを主成分とするセラミック原料粉末と銅粉末とを含
有する導電性ペーストを塗布し、窒素雰囲気中にて35
0℃の温度に加熱し、バインダを除去した後、酸素分圧
10-8〜10-12 MPaのH2 −N2 −H2 Oガスから
なる還元性雰囲気中において、900〜1050℃の範
囲の適当な温度で2時間焼成することにより、セラミッ
ク積層体を焼結させるとともに、内部電極と電気的に接
続された外部電極となる導電性ペーストを焼結させた。
【0073】次に、この段階で得られた各試料に係る焼
結後のセラミック積層体に対して、X線回折測定を行な
った。その結果、試料1〜15および17〜21につい
ては、X線で単一相のピークしか確認されなかったのに
対し、試料16については、X線で複数のピークが確認
された。
【0074】次に、硫酸ニッケル、塩酸ニッケルおよび
ホウ酸からなるニッケルめっき液を用意し、バレルめっ
き法にて、外部電極上にニッケルめっきを施した。最後
に、アルカノールスルホン酸浴(AS浴)からなる半田
めっき液を用意し、バレルめっき法にて、上述のニッケ
ルめっき膜上に半田めっき膜を施し、目的とする積層セ
ラミックコンデンサを得た。
【0075】このようにして得られた積層セラミックコ
ンデンサの外形寸法は、幅3.2mm、長さ4.5mm
および厚さ1.0mmであり、内部電極間に介在する誘
電体セラミック層の厚みは20μmであった。また、各
内部電極の有効対向面積は、8.8×10-62 であ
り、有効誘電体セラミック層の総数については、静電容
量が50nFとなるようにした。
【0076】次に、各試料に係る積層セラミックコンデ
ンサの特性を求めた。
【0077】その結果が表7、表8および表9に示され
ている。
【0078】ヒステリシス損については、周波数10k
Hzおよび電界強度3kV/mmの交流電界を積層セラ
ミックコンデンサに印加し、−55℃、+25℃および
+125℃の各温度にてヒステリシス損を求めたもので
ある。
【0079】比誘電率については、積層セラミックコン
デンサの静電容量を、自動ブリッジ式測定器を用いて、
周波数1kHz、1Vrsmおよび温度25℃の条件に
て測定し、この静電容量から比誘電率を算出したもので
ある。
【0080】バイアス下の比誘電率については、積層セ
ラミックコンデンサの静電容量を、自動ブリッジ式測定
器を用いて、周波数10kHz、0.5kVrms/m
mおよび温度25℃の条件にて、5V/mm、10kV
/mmおよび50kV/mmの各直流電界を印加しなが
ら測定し、この静電容量から比誘電率を算出したもので
ある。
【0081】グレインサイズについては、倍率5000
〜20000の走査型電子顕微鏡(SEM)観察によ
り、無作為に選択した100個のグレインについての粒
径を測定し、その平均値を求めたものである。
【0082】発熱特性については、温度上昇幅を評価し
ようとするもので、25℃に保たれた恒温槽内に積層セ
ラミックコンデンサを配置しながら、交流電源と電気的
に接続し、次に、100kHz、100Vp-p の高周波
かつ高電圧を積層セラミックコンデンサに5分間連続し
て印加し、積層セラミックコンデンサの温度とその周囲
の環境温度との差を赤外線放射温度計によって計測する
ことによって求めたものである。
【0083】交流負荷試験においては、絶縁抵抗におい
て不良を示した試料数の比率すなわち不良率を評価しよ
うとしたもので、100kHz、100Vp-p の高周波
かつ高電圧を、100℃の恒温槽の中で、積層セラミッ
クコンデンサに印加し、250時間経過後、恒温槽から
積層セラミックコンデンサを取り出して、25℃および
直流500Vの条件下で絶縁抵抗を測定し、106 Ω以
下の抵抗値のものを不良とした。
【0084】高温負荷試験においては、各試料に係る積
層セラミックコンデンサを36個ずつ、150℃の温度
にて500Vの直流電圧を印加しながら、その絶縁抵抗
の経時変化を測定することによって、各試料の絶縁抵抗
が106 Ω以下になった時点での経過時間を求め、これ
を寿命時間として、この寿命時間の平均値を算出したも
のである。
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】
【0087】
【表9】
【0088】表7ないし表9ならびに前掲の表1ないし
表6において、試料番号に*を付したものは、この発明
の範囲外のもの、またはこの発明においてより好ましい
範囲とされた条件の少なくとも1つを欠くものである。
【0089】まず、少なくとも試料1〜3、9〜15お
よび17〜19は、この発明の範囲内にある。これら試
料によれば、表7ないし表9に示すような特性が得ら
れ、あるいはこれらの特性の測定が可能であったことか
ら、ニッケルまたは銅のような卑金属を内部電極として
用いることができることがわかる。
【0090】上述した試料1〜3、9〜15および17
〜19によれば、周波数10kHzおよび電界強度3k
V/mmの交流電界下でのヒステリシス損は、−55〜
125℃の温度範囲で、100×104 W/F以下であ
るとともに、MgおよびSiのモル比率(Mg/Si)
が1以上でありかつグレインの平均粒径が3.0μm以
下であるので、5〜50kV/mmの直流電界下におけ
る比誘電率が100〜1200の範囲にあり、高周波か
つ高電圧を印加した場合の発熱を、30℃以内の温度上
昇幅に抑えることができ、また、高周波かつ高電圧を長
時間印加した後の絶縁抵抗不良率を0%に抑えることが
できる。
【0091】これらに対して、この発明の範囲外にある
試料4については、表1に示すように、m<0.97で
あるため、表7に示すように、グレインの平均粒径が
3.0μmより大きくなり、直流電圧5〜50kV/m
mのバイアス下での比誘電率は、100〜1200の範
囲から外れている。また、周波数10kHzで3kV/
mmの電界強度を有する交流電界を印加したときのヒス
テリシス損については、−55℃付近で極端に大きくな
り、結果として、高周波かつ高電圧を印加したときの発
熱については、30℃を大きく超える温度上昇幅とな
り、交流負荷試験において100%の不良率を示し、ま
た、高温負荷試験での寿命も極端に短くなっている。
【0092】他方、この発明の範囲外にある試料5につ
いては、表1に示すように、m>1.05であるため、
焼結不足となり、表7に示すように、直流電圧5〜50
kV/mmのバイアス下での比誘電率は、100〜12
00の範囲から外れている。また、周波数10kHzで
3kV/mmの電界強度を有する交流電界を印加したと
きのヒステリシス損については、−55℃付近で極端に
大きくなり、結果として、高周波かつ高電圧を印加した
ときの発熱については、30℃大きく超える温度上昇幅
となり、交流負荷試験において比較的高い不良率を示
し、また、高温負荷寿命試験での寿命も比較的短くなっ
ている。
【0093】これらの結果から、0.97≦m≦1.0
5とすることが好ましいことがわかる。
【0094】また、試料6については、表1に示すよう
に、CaCO3 のモル比すなわちCa量Vが、V≧0.
3であるため、表7に示すように、比誘電率が比較的小
さくなり、直流電圧5〜50kV/mmのバイアス下で
の比誘電率は、100〜1200の範囲から外れてい
る。この結果から、0≦V<0.3とすることが好まし
いことがわかる。
【0095】この発明の範囲外にある試料8について
は、表2に示すように、BaCO3 のモル比すなわちB
a量Wが、W≧0.5であるため、表8に示すように、
直流電圧5〜50kV/mmのバイアス下での比誘電率
は、100〜1200の範囲から外れている。また、周
波数10kHzで3kV/mmの電界強度を有する交流
電界を印加したときのヒステリシス損については、−5
5℃付近で極端に大きくなり、結果として、高周波かつ
高電圧を印加したときの発熱については、30℃を超え
る温度上昇幅となり、交流負荷試験において比較的高い
不良率を示し、また高温負荷試験での寿命が比較的短く
なっている。
【0096】他方、試料21については、表3に示すよ
うに、BaCO3 のモル比すなわちBa量Wが0である
ので、表9に示すように、比誘電率が比較的低くなり、
また、直流電圧5〜50kV/mmのバイアス下での比
誘電率は、100〜1200の範囲から外れている。
【0097】これらの結果から、0<W<0.5とする
ことが好ましいことがわかる。
【0098】また、Sr量1−V−Wについては、この
発明の範囲内にある少なくとも試料1〜3、9〜15お
よび17〜19において、0.5以上である。したがっ
て、1−V−W≧0.5とすることが好ましいことがわ
かる。
【0099】また、試料20については、表3に示すよ
うに、ZrおよびHfの合計量X+Yが0.5以上であ
るので、表9に示すように、比誘電率が比較的低く、直
流電圧5〜50kV/mmのバイアス下での比誘電率
は、100〜1200の範囲から外れている。この結果
から、0≦X+Y<0.5とすることが好ましいことが
わかる。
【0100】この発明の範囲外にある試料7について
は、表4に示すように、Mg/Si<1であるため、表
7に示すように、グレインの平均粒径が3.0μmより
大きくなり、直流電圧5〜50kV/mmのバイアス下
での比誘電率は、100〜1200から外れている。ま
た、周波数10kHzで3kV/mmの電界強度を有す
る交流電界を印加したときのヒステリシス損について
は、−55℃付近で極端に大きくなり、結果として、高
周波かつ高電圧を印加したときの発熱については、30
℃を大きく超える温度上昇幅となり、交流負荷試験にお
いて100%の不良率を示し、また、高温負荷試験での
寿命も極端に短くなっている。この結果から、Mg/S
i≧1、すなわちMgおよびSiのモル比率(Mg/S
i)は1以上とすることが好ましいことがわかる。
【0101】この発明の範囲外にある試料16について
は、表3に示すように、SrTiO 3 、BaTiO3
よびCaZrO3 のような複合金属酸化物を用いなが
ら、仮焼を行なわず、その他の成分と混合してセラミッ
ク原料粉末を得たものであるので、前述したように、X
線回折において複数のピークを示し、また、表9に示す
ように、周波数10kHzで3kV/mmの電界強度を
有する交流電界を印加したときのヒステリシス損につい
ては、特に高温側で極端に大きくなり、結果として、高
周波かつ高電圧を印加したときの発熱については、30
℃を大きく超える温度上昇幅となり、交流負荷試験にお
いて100%の不良率を示し、また、高温負荷試験での
寿命も極端に短くなっている。この結果から、SrTi
3 、BaTiO3 およびCaZrO3 などの複合金属
酸化物をセラミック原料粉末を得るために使用する場合
には、仮焼を行なう必要があることがわかる。
【0102】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る積層セラ
ミックコンデンサによれば、高周波かつ高電圧あるいは
大電流下での使用時の誘電率を高く、発熱を小さくで
き、交流負荷または直流負荷において安定した絶縁抵抗
を示すようにすることができる。また、このような積層
セラミックコンデンサにおいて、内部電極に含まれる導
電材料として、ニッケルもしくはニッケル合金または銅
もしくは銅合金のような卑金属を問題なく用いることが
できるようになる。
【0103】また、この発明に係る積層セラミックコン
デンサに備える誘電体セラミック層を構成する誘電体セ
ラミックにおいて、添加成分としてMgおよびSiを含
み、これらのモル比率(Mg/Si)が1以上とされる
と、誘電体セラミックのグレインの平均粒径を3.0μ
m以下とすることができ、直流電界下における比誘電率
を高くすることができ、また、発熱も確実に小さくする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による積層セラミックコ
ンデンサ1を示す断面図である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ 3 誘電体セラミック層 4,5 内部電極 8,9 外部電極 10,11 焼結層 12〜15 めっき層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 晴信 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5E001 AB03 AC09 AE00 AE01 AE03 AE04 AF06 AH01 AH07 AJ03 5E082 AB03 BC38 EE04 EE23 EE35 FG26 GG10 GG26 GG28 PP01 PP03 PP06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体セラミック層と、前記誘電
    体セラミック層間に形成されかつ卑金属を導電材料とし
    て含む複数の内部電極と、前記内部電極に電気的に接続
    された外部電極とを備える、積層セラミックコンデンサ
    であって、 前記誘電体セラミック層は、耐還元性を有するチタン酸
    ストロンチウム系の主成分を含みかつその主結晶相がX
    線回折にて単一相のピークを示す、ペロブスカイト型の
    誘電体セラミックから構成され、周波数10kHzおよ
    び電界強度3kV/mmの交流電界下でのヒステリシス
    損が、−55〜125℃の温度範囲で、100×104
    W/F以下である、積層セラミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記誘電体セラミックは、そのグレイン
    の平均粒径が3.0μm以下である、請求項1に記載の
    積層セラミックコンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記誘電体セラミック層は、電界強度5
    〜50kV/mmの直流電界下における比誘電率が、1
    00〜1200である、請求項1または2に記載の積層
    セラミックコンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記誘電体セラミックは、組成式:
    {(Sr1-V-W CaV BaW m (Ti1-X-Y ZrX
    Y )}O3 で表される前記主成分を含み、 V、W、X、Yおよびmは、 0≦V<0.3、 0<W<0.5、 1−V−W≧0.5、 0≦X+Y<0.5、および 0.97≦m≦1.05 を満足し、さらに、 添加成分として、前記主成分1.0モルに対して、合計
    元素量で0.3モル以下のMgおよびSiを含み、これ
    らMgおよびSiのモル比率(Mg/Si)が1以上で
    ある、請求項1ないし3のいずれかに記載の積層セラミ
    ックコンデンサ。
  5. 【請求項5】 前記内部電極は、前記導電材料としてニ
    ッケルもしくはニッケル合金または銅もしくは銅合金を
    含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の積層セラミ
    ックコンデンサ。
  6. 【請求項6】 前記外部電極は、導電性金属粉末の焼結
    体を含む焼結層を備える、請求項1ないし5のいずれか
    に記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 【請求項7】 前記外部電極は、前記焼結層上に形成さ
    れるめっき層をさらに備える、請求項6に記載の積層セ
    ラミックコンデンサ。
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