JP2003347052A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、それを用いた表示装置及び携帯端末 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、それを用いた表示装置及び携帯端末

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JP2003347052A
JP2003347052A JP2002147395A JP2002147395A JP2003347052A JP 2003347052 A JP2003347052 A JP 2003347052A JP 2002147395 A JP2002147395 A JP 2002147395A JP 2002147395 A JP2002147395 A JP 2002147395A JP 2003347052 A JP2003347052 A JP 2003347052A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高効率な発光性能を維持する事が
できる有機エレクトロルミネッセンス素子、それを用い
た表示装置及び携帯端末を提供する事を目的とする。 【解決手段】 基板1上に、少なくとも正孔を注入する
陽極2と、発光領域を有する発光層4と、電子を注入す
る陰極5を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子で
あって、基板1の素子形成面側に、光の角度変換パネル
6を備えてなる構成としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の表示装置や
表示装置の光源又はバックライト、若しくは光通信機器
に使用される発光素子等に用いられる有機エレクトロル
ミネッセンス素子、それを用いた表示装置及び携帯端末
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロルミネッセンス素子とは、固
体蛍光性物質の電界発光を利用した発光デバイスであ
り、現在無機系材料を発光体として用いた無機エレクト
ロルミネッセンス素子が実用化され、液晶ディスプレイ
のバックライトやフラットディスプレイ等への応用展開
が一部で図られている。しかし、無機エレクトロルミネ
ッセンス素子は発光させるために必要な電圧が100V
以上と高く、しかも青色発光が難しいため、RGBの三
原色によるフルカラー化が困難である。また、無機エレ
クトロルミネッセンス素子は、発光体として用いる材料
の屈折率が非常に大きいため、界面での全反射等の影響
を強く受け、実際の発光に対する空気中への光の取り出
し効率が10〜20%程度と低く高効率化が困難であ
る。
【0003】一方、有機材料を用いたエレクトロルミネ
ッセンス素子に関する研究も古くから注目され、様々な
検討が行われてきたが、発光効率が非常に悪いことから
本格的な実用化研究へは進展しなかった。
【0004】しかし、1987年にコダック社のC.
W.Tangらにより、有機材料を正孔輸送層と発光層
の2層に分けた機能分離型の積層構造を有する有機エレ
クトロルミネッセンス素子が提案され、10V以下の低
電圧にもかかわらず1000cd/m2以上の高い発光
輝度が得られることが明らかとなった〔C.W.Tan
g and S.A.Vanslyke:Appl.P
hys.Lett、51(1987)913等参照〕。
これ以降、有機エレクトロルミネッセンス素子が俄然注
目され始め、現在も同様な機能分離型の積層構造を有す
る有機エレクトロルミネッセンス素子についての研究が
盛んに行われており、特に有機エレクトロルミネッセン
ス素子の実用化のためには不可欠である高効率化・長寿
命化についても十分検討がなされており、近年、有機エ
レクトロルミネッセンス素子を用いたディスプレイ等が
実現されている。
【0005】ここで、従来の一般的な有機エレクトロル
ミネッセンス素子の構成について図11を用いて説明す
る。図11は従来の有機エレクトロルミネッセンス素子
の要部断面図である。図11において、1は基板、2は
陽極、3は正孔輸送層、4は発光層、5は陰極である。
【0006】図11に示すように有機エレクトロルミネ
ッセンス素子は、ガラス等で構成される基板1上に、ス
パッタリング法や抵抗加熱蒸着法等により形成されたI
TO等の透明な導電性膜からなる陽極2と、陽極2上に
同じく抵抗加熱蒸着法等により形成されたN,N'−ジ
フェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−
1、1'−ジフェニル−4,4'−ジアミン(以下、TP
Dと略称する。)等からなる正孔輸送層3と、正孔輸送
層3上に抵抗加熱蒸着法等により形成された8−Hyd
roxyquinoline Aluminum(以
下、Alq3と略称する。)等からなる発光層4と、発
光層4上に抵抗加熱蒸着法等により形成された100n
m〜300nm程度の膜厚の金属膜からなる陰極5とを
備えている。
【0007】上記構成を有する有機エレクトロルミネッ
センス素子の陽極2をプラス極として、また陰極5をマ
イナス極として直流電圧又は直流電流を印加すると、陽
極2から正孔輸送層3を介して発光層4に正孔が注入さ
れ、陰極5から発光層4に電子が注入される。発光層4
では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って生成され
る励起子が励起状態から基底状態へ移行する際に発光現
象が起こる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような有機エレク
トロルミネッセンス素子において、通常、発光層4中の
蛍光体から放射される光は、蛍光体を中心とした全方位
に出射され、正孔輸送層3、陽極2、基板1を経由して
空気中へ放射される。或いは、一旦、光取り出し方向
(基板1方向)とは逆方向へ向かい、陰極5で反射さ
れ、発光層4、正孔輸送層3、陽極2、基板1を経由し
て、空気中へ放射される。
【0009】しかし、光が各媒質の境界面を通過する
際、入射側の媒質の屈折率が出射側の屈折率より大きい
場合には、屈折波の出射角が90°となる角度、つまり
臨界角、よりも大きな角度で入射する光は、境界面を透
過することができず、全反射され、光は空気中へ取り出
されない。
【0010】ここで、異なる媒質の境界面における、光
の屈折角と、媒質の屈折率の関係は、スネルの法則に従
う。スネルの法則によると、屈折率n1の媒質から屈折
率n2の媒質へ光が進行する場合、入射角θ1と屈折角
θ2の間に、n1sinθ1=n2sinθ2なる関係
が成り立つ。したがって、n1>n2が成り立つ場合、
θ2=90°となる入射角θ1=sin−1(n2/n
1)は、臨界角としてよく知られており、入射角がこれ
よりも大きな場合、光は媒質間の境界面において全反射
されることとなる。
【0011】したがって、等方的に光の放射される有機
エレクトロルミネッセンス素子において、この臨界角よ
りも大きな角度で放射される光は、境界面における全反
射を繰り返し、素子内部に閉じ込められ、空気中へ放射
されなくなる。
【0012】図12は従来の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の要部断面における代表的な光線経路を示す模
式図である。なお、図12において、図11で説明した
部分と同じものには同一の符号を付している。
【0013】図12に示すように、発光層4中から放射
された光は、陽極2と基板1との界面(ITO/ガラス
界面)、および、基板1と空気との界面(ガラス/空気
界面)などの各境界面において全反射される。
【0014】このことは、発光層中で放射される光が素
子外部へ放射されず、有機エレクトロルミネッセンス素
子として、見かけ上の効率低下の原因となる。一般に、
有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層で得られる
放射光は、大部分が全反射によって素子内部に閉じ込め
られ、有効な放射光として利用されるのは、17%から
20%程度であることが知られている〔Advance
d Material6(1994)491等参照〕。
【0015】そこで、有機エレクトロルミネッセンス素
子の基板に光の出射角度を変換する手段を設けること
で、上述した問題点の解決を図る事が提案されている。
【0016】例えば、特許2773720号公報には、
基板の光取り出し側にレンズ構造を形成することで光取
り出し効率を向上させる発明がなされている。
【0017】また、特許2991183号公報には、素
子界面の全反射を抑制する位置に回折格子等を形成する
ことで光取り出し効率を向上させる発明がなされ、特開
平9−129375号公報には、光取り出し側表面を乱
反射面あるいは反射・屈折角に乱れを生じさせることで
光取り出し効率を向上させる発明がなされている。
【0018】更に、特開平10−189251号公報に
は、透明基板内に光出射角度を変換する手段を形成する
ことで、或いは、特開平10−308286号公報に
は、下部電極側面に光反射層を形成することで、光取り
出し効率を向上させる発明がなされている。
【0019】しかしながら、上記いずれの施策において
も、基板上あるいは基板自身に光取り出し効率を向上さ
せる施策を講じているため、形成材料・方法といった面
における制約が大きい。特に、ディスプレイなどの画像
形成装置に、これらの光取り出し効率向上施策を用いる
場合は、ひとつひとつの画素が小さいため、光取り出し
効率向上施策に対する自由度は重要である。
【0020】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、高効率な発光性能を維持する事ができる有機エレ
クトロルミネッセンス素子、それを用いた表示装置及び
携帯端末を提供する事を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光
領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有
機エレクトロルミネッセンス素子であって、基板の素子
形成面側に、光の角度変換パネルを備えてなる構成とし
たものである。
【0022】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、基板上
に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有す
る発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクト
ロルミネッセンス素子であって、基板の素子形成面側
に、光の角度変換パネルを備えたことを特徴とする有機
エレクトロルミネッセンス素子であって、素子内部での
光損失を減少させることができるため、視認性に優れ
た、高効率の発光性能を維持することができる。
【0023】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、光の角度変換パネルは、有機エレクトロルミネッセ
ンス素子表面に形成された保護膜上に貼り付けてなるこ
とを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子であ
って、素子内部での光損失を減少させることができるた
め、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持すること
ができる。
【0024】請求項3に記載の発明は、請求項1,2に
おいて、光の角度変換パネルは、その光取り出し面が散
乱面からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッ
センス素子であって、素子内部での光損失を減少させる
ことができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能
を維持することができる。
【0025】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に
おいて、光の角度変換パネルは、面内方向の1方向に平
行な、複数の溝を備えることを特徴とする有機エレクト
ロルミネッセンス素子であって、素子内部での光損失を
減少させることができるため、視認性に優れた、高効率
の発光性能を維持することができる。
【0026】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に
おいて、光の角度変換パネルは、面内方向の互いに直交
する2方向に平行な、複数の溝を備えることを特徴とす
る有機エレクトロルミネッセンス素子であって、素子内
部での光損失を減少させることができるため、視認性に
優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0027】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に
おいて、光の角度変換パネルに形成される溝は、その断
面形状が略V字形の2つの直線からなる、直線的なV字
形溝であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
ンス素子であって、素子内部での光損失を減少させるこ
とができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を
維持することができる。
【0028】請求項7に記載の発明は、請求項1〜5に
おいて、光の角度変換パネルに形成される溝は、その断
面形状が略V字形の内に凸な曲線からなる、曲線的なV
字形溝であることを特徴とする有機エレクトロルミネッ
センス素子であって、素子内部での光損失を減少させる
ことができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能
を維持することができる。
【0029】請求項8に記載の発明は、請求項1〜7に
おいて、光の角度変換パネルに形成される溝は、対称な
形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
ンス素子であって、素子内部での光損失を減少させるこ
とができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を
維持することができる。
【0030】請求項9に記載の発明は、請求項1〜7に
おいて、光の角度変換パネルに形成される溝は、非対称
な形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッ
センス素子であって、素子内部での光損失を減少させる
ことができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能
を維持することができる。
【0031】請求項10に記載の発明は、請求項1〜9
において、光の角度変換パネルに形成される溝は、少な
くともその側面に、光反射面を形成してなることを特徴
とする有機エレクトロルミネッセンス素子であって、素
子内部での光損失を減少させることができるため、視認
性に優れた、高効率の発光性能を維持することができ
る。
【0032】請求項11に記載の発明は、請求項1〜9
において、光の角度変換パネルに形成される溝は、少な
くともその側面に、角度変化パネルよりも屈折率の小さ
な媒質からなる面を形成してなることを特徴とする有機
エレクトロルミネッセンス素子であって、素子内部での
光損失を減少させることができるため、視認性に優れ
た、高効率の発光性能を維持することができる。
【0033】請求項12に記載の発明は、請求項1〜1
1において、光の角度変換パネルを形成する媒質の熱膨
張係数は、基板の熱膨張係数の80パーセント以上、か
つ、120パーセント以内であることを特徴とする有機
エレクトロルミネッセンス素子であって、素子内部での
光損失を減少させることができるため、視認性に優れ
た、高効率の発光性能を維持することができる。
【0034】請求項13に記載の発明は、請求項1〜1
2いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子
を用いて、陽極がストライプ状に個々電気的に分離さ
れ、陰極がストライプ状に個々電気的に分離されて構成
されて、画像表示配列を有し、光の角度変換パネルに彫
られる溝の方向と、いずれかのストライプ電極により形
成される画素の方向とが同じである事を特徴とする有機
エレクトロルミネッセンス表示装置であって、素子内部
での光損失を減少させることができるため、高効率の発
光性能を維持することができ、単純マトリックス方式で
の良好な表示を行うことができる。
【0035】請求項14に記載の発明は、請求項1〜1
2いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子
を用いて、陽極、あるいは、陰極のいずれかが、個々電
気的に画素毎に分離されて構成されて、分離された電極
は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走
査されることで、画像表示配列を有す画像表示配列を有
し、光の角度変換パネルに彫られる溝の方向と、画素の
方向とが同じである事を特徴とするる事を特徴とする有
機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、素子内
部での光損失を減少させることができるため、高効率の
発光性能を維持することができ、アクティブマトリック
ス方式での良好な表示を行うことができる。
【0036】請求項15に記載の発明は、請求項13,
14において、前記V字形溝の方向は、前記各画素が形
成する列、あるいは、行の方向と等しいことを特徴とす
る有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、素
子内部での光損失を減少させることができるため、高効
率の発光性能を維持することができ、良好な表示を行う
ことができる。
【0037】請求項16に記載の発明は、請求項13〜
15において、V字形溝の各方向のピッチは、各画素に
対応する発光部の各方向のピッチと略等しく、略V字形
の溝の中心は、各画素の中心を結ぶ略中間点にあること
を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置で
あって、素子内部での光損失を減少させることができる
ため、高効率の発光性能を維持することができ、良好な
表示を行うことができる。
【0038】請求項17に記載の発明は、請求項13〜
15において、V字形溝の各方向のピッチは、各画素に
対応する発光部の各方向のピッチよりも小さいことを特
徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置であっ
て、素子内部での光損失を減少させることができるた
め、高効率の発光性能を維持することができ、良好な表
示を行うことができる。
【0039】請求項18に記載の発明は、請求項13〜
17において、V字形溝により形成される凸面の面積
は、画素内の発光層の面積よりも小さいことを特徴とす
る有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、素
子内部での光損失を減少させることができるため、高効
率の発光性能を維持することができ、良好な表示を行う
ことができる。
【0040】請求項19に記載の発明は、請求項13〜
18において、発光層からV字形溝により形成される凸
面までの距離は、画素の1辺の長さよりも小さいことを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置であ
って、素子内部での光損失を減少させることができるた
め、高効率の発光性能を維持することができ、良好な表
示を行うことができる。
【0041】請求項20に記載の発明は、請求項13〜
19において、光の角度変換パネルは、1つ以上の画素
毎に分断できることを特徴とする有機エレクトロルミネ
ッセンス表示装置であって、素子内部での光損失を減少
させることができるため、高効率の発光性能を維持する
ことができ、良好な表示を行うことができる。
【0042】請求項21に記載の発明は、音声を音声信
号に変換する音声信号変換手段と、電話番号等を入力す
る操作手段と、着信表示や電話番号等を表示する表示手
段と、音声信号を送信信号に変換する通信手段と、受信
信号を音声信号に変換する受信手段と、送信信号及び受
信信号を送受信するアンテナと、各部を制御する制御手
段を備えた携帯端末であって、表示手段が請求項13〜
20いずれか1記載の表示装置から構成された事を特徴
とする携帯端末であって、素子内部での光損失を減少さ
せることができるため、高効率の発光性能を維持するこ
とができ、電池容量等の減量化による、軽量化あるいは
長使用時間化を図ることができる。
【0043】請求項22に記載の発明は、2つの電極間
に、発光領域を有する発光層を備えた有機エレクトロル
ミネッセンス素子であって、一方の電極側に基板を備
え、他方の電極側に光の角度変換パネルを備えたことを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子であっ
て、素子内部での光損失を減少させることができるた
め、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持すること
ができる。
【0044】以下、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子について、詳細に説明する。
【0045】まず、光の角度変換パネルの機能について
説明する。
【0046】上述したように、異なる媒質の境界面にお
ける、光の屈折角と、媒質の屈折率の関係はスネルの法
則に従い、等方的に光の放射される有機エレクトロルミ
ネッセンス素子において、臨界角よりも大きな角度で放
射される光は、境界面における全反射を繰り返し、素子
内部に閉じ込められ、空気中へ放射されなくなる。
【0047】したがって、界面における光の角度を変換
する手段を用いて光の角度を変化させることで、光取り
出し面/空気界面に到達する光の角度を変え、空気中へ
放射される光の角度・量を変化させることは、有機エレ
クトロルミネッセンス素子の効率向上には重要である。
【0048】なお、光の角度変換手段として、基板上に
おけるレンズ構造・凹凸構造・プリズム構造等の構造が
提案されているが、基板面にこれらの構造を形成する場
合、基板としての支持能力を維持し、適当に設計された
構造体を形成する必要があり、構造体に用いる材料・形
成方法に対する制約が生じたり、また、基板上部に構造
体があり、その構造体にダメージを与えずに発光層を形
成する必要性から発光層等の形成方法に対する制約等が
生じるため、実現が困難である。特に、この構造体に有
機エレクトロルミネッセンス素子を用いた表示装置を形
成することは困難であり、例えば単純マトリックス表示
装置の場合、構造体の形成された基板上に、基板に対向
する電極を短冊状に形成することは非常に困難である。
【0049】これに対し、本発明における有機エレクト
ロルミネッセンス素子では、基板を含め、基板上に形成
された陽極、発光層、陰極等の素子で構成された有機エ
レクトロルミネッセンス発光部と、光の角度変換パネル
とを別々に作成し、両者を接合することで、有機エレク
トロルミネッセンス素子部と光の角度変換パネルの各々
に対する様々な制約を受けることなく、光の角度変換を
実現できる。
【0050】このような光の角度変換パネルは、レンズ
構造・凹凸構造、プリズム構造等の構造をパネル面内に
配置した構成、或いは、パネル内部に屈折率分布を持た
せ、光の角度を変換させる構成等が考えられる。
【0051】これらの中でも、製造工程が容易であり、
光の取り出し効率向上に効果がある構成として、平板な
パネルを基材とし、その面内方向の1方向に平行な複数
の溝を有する光の角度変換パネルは有効である。このよ
うな構成の光の角度変換パネルを用いることで、高効率
な光り取り出しを実現できる。ここで、図1は本発明の
実施の形態における光の角度変換パネルの一例を示す図
であり、図1(a)は上面斜視図、図1(b)は下面斜
視図をそれぞれ示している。図1において、6は光の角
度変換パネル、7は溝を示す。図1に示すように、光の
角度変換パネル6は平板なパネルを基材とし、その面内
方向の1方向に平行な複数の溝7を有するものである。
【0052】また、1方向に平行な複数の溝を有するパ
ネルの場合、1方向についてのみ光の角度変換を行うた
め、有効な光の角度変換を行うことは困難である。した
がって、平板なパネルを基材とし、その面内の互いに直
交する2方向に平行な複数の溝を有する光の角度変換パ
ネルを用いることで、製造工程が容易で、かつ、非常に
効率の良い光取り出しを実現できる。ここで、図2は本
発明の実施の形態における光の角度変換パネルの一例を
示す図であり、図2(a)は上面斜視図、図2(b)は
下面斜視図をそれぞれ示している。図2に示すように、
光の角度変換パネル6は平板なパネルを基材とし、その
面内の互いに直交する2方向に平行な複数の溝7を有す
るものである。
【0053】また、光の角度変換パネルに形成される溝
は、少なくともパネル面に平行でない面を含んでいる形
状であればいずれの形状であっても良いが、製造工程の
容易さ、および、光取り出しに対する設計の容易さなど
の観点から、光の角度変換パネルに形成される溝は、そ
の断面形状が略V字形の2つの直線からなる、直線的な
V字形溝であることが好ましい。ここで、図3は本発明
の実施の形態における光の角度変換パネルに形成される
溝の断面形状を示す図である。図3に示すように溝7
は、略V字形であり、直線的なV字形となっている。
【0054】光取り出し効率を更に向上させるために
は、光の角度変換パネルに形成される溝は、側面に到達
する光の角度に応じて効率よく光を取り出せるよう、あ
るいは、正面方向の光の強度が強くなるように光の配向
を自由に設計することができる断面形状が好ましく、略
V字形の内に凸な2つの曲線からなる、曲線的なV字形
溝であることが好ましい。ここで、図4は本発明の実施
の形態における光の角度変換パネルに形成される溝の断
面形状を示す図であり、8は溝を示す。図4に示すよう
に溝8は、略V字形であり、曲線的な内に凸なV字形と
なっている。
【0055】なお、本発明における略V字形とは、パネ
ル面に対して非平行な関係にある2面と、パネル面とか
らなる溝の断面形状であり、略三角形状の形状をしてお
り、頂点部分が平面あるいは曲面等の面形状となった略
三角形状であってもよい。また、直線的なV字形溝と
は、パネル面に対して非平行な関係にある2面が、平面
からなることを特徴とする断面形状が上記略V字形であ
る溝のことであり、内に凸な曲線からなる曲線的なV字
形溝とは、パネル面に対して非平行な関係にある2面
が、その断面形状が略三角形の内側の凸となるような曲
面からなることを特徴とする断面形状が上記略V字形で
ある溝のことである。
【0056】このような光の角度変換パネルを設けるこ
とで、発光層から放射される光の中でも特に全反射によ
り素子内部に閉じこめられるような発光面に対して傾い
た光は、パネルのV字形溝のパネル/空気界面での全反
射により角度を変えられ、空気中へ取り出されることに
なり、光の取り出し効率および正面方向の光の強度が強
くなる。つまり、光の角度変換パネルに到達される前に
全反射される光については光の角度変換が行われないた
め、光は発光層から光の角度変換パネルに到達するまで
の間に空気層を経由しないことが好ましく、更に好まし
くは、到達するまでの間に屈折率の低い層を経由しない
ことが好ましい。
【0057】このような光の角度変換パネルを形成する
場合、有機エレクトロルミネッセンス素子の効率に直接
影響のある光の取出し効率について着目することは言う
までもないが、素子効率と同時に素子寿命や表示素子と
して用いた場合のコントラストについて着目する必要が
あるため、有機エレクトロルミネッセンス発光部と光の
角度変換手段との接触面積、あるいは、有機エレクトロ
ルミネッセンス発光部と光角度変換手段との距離、とい
った点についても留意する必要がある。
【0058】有機エレクトロルミネッセンス素子を用い
たディスプレイ等の画像表示装置に光の角度変換パネル
を接合する場合、画素から放射される光を有効に利用す
ることが重要であり、画素の方向とV字形溝の方向を一
致させると、画素内の発光部面積を減少させることなく
V字形溝を配置することができ、効率の良い光の角度変
換効果をおこなうことができる。
【0059】ここで、図5は、本発明の実施の形態にお
ける有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図で
ある。図5において、基板1、陽極2、正孔輸送層3、
発光層4、陰極5は従来の技術で説明したものと同様の
ものであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
なお、6は光の角度変換パネル、7は溝である。
【0060】図5に示すように、V字形溝7の各方向の
ピッチを各画素に対応する発光部の各方向のピッチと等
しくし、かつ、略V字形溝7の中心を各画素の中心を結
ぶ略中間点にあるようにすることで、発光部とV字形溝
7の位置関係を同じにすることができ、どの画素におい
ても同様な取り出し効率向上効果が得られ、良好な画像
を得ることができる。
【0061】更に、図6は、本発明の実施の形態におけ
る有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図であ
る。
【0062】図6示すように、V字形溝7の各方向のピ
ッチを各画素に対応する発光部の各方向のピッチよりも
小さくすることで、発光部内に複数のV字形溝7を形成
することができ、厳密な位置合せをする必要がなく発光
部とV字形溝7の位置関係を同じにすることができ、ど
の画素においても同様な取り出し効率向上効果が得ら
れ、良好な画像を得ることができる。
【0063】更に、図7は、本発明の実施の形態におけ
る有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図であ
る。
【0064】図7に示すように、V字形溝7の各方向の
ピッチを各画素に対応する発光部の各方向のピッチより
も大きくすることで、V字形溝7の大きさを大きくする
ことができ、パネルを容易に形成できるとともに、位置
合せプロセスも容易になる。
【0065】また、ディスプレイなどの画像形成装置と
して基板上に光の角度変換パネルを形成した有機エレク
トロルミネッセンス素子を用いる場合、任意の画素から
放射された光が、光の角度変換パネルに到達するまでに
別の画素内に配置された光の角度変換パネルへ到達し、
その画素から空気中へ放射される、いわゆる迷光の原因
となり、コントラストの低下や光にじみ・ぼけ等の不具
合をもたらすことがある。
【0066】そこで、発光層から光の角度変換パネルま
での厚さは十分に薄いことが好ましく、発光層からV字
形溝により形成される凸面までの距離は、画素の1辺の
長さよりも小さいことが好ましく、これにより迷光の影
響を小さくすることができる。
【0067】更に、有機エレクトロルミネッセンス素子
を長寿命化するためには、画素の大きさに対する発光部
の面積を大きくすることが有効である。しかし、V字形
溝による光の角度変換を行う場合、V字形溝により形成
される凸面の面積は画素に対して小さくなるため、この
凸面の面積と画素内の発光層の面積を同じとすることは
素子の長寿命化に対しては不利である。したがって、V
字形溝により形成される凸面の面積を画素内の発光層の
面積よりも小さくすることで、高効率かつ長寿命な有機
エレクトロルミネッセンス素子を実現することができ
る。
【0068】また、有機エレクトロルミネッセンス素子
をディスプレイ等表示装置やプリンタ光源等の照明装置
として用いる場合、上記した光の配向についての設計が
重要となる。例えば、携帯端末やキャッシュディスペン
サーのディスプレイとして用いる場合、その表示状態
は、使用者本人だけが認識できれば良く、周囲からの視
認性は低いほうが好ましい。また、プリンタ光源として
用いる場合、開口部に対応する感光体の部分にのみ強い
光を照射できることが求められるため、開口部から正面
方向への輝度があればよく、周辺方向への光の放射が少
ないことが好ましい。このような場合、開口部から放射
される光は、略正面方向に強く周囲方向に弱く放射され
ることが好ましく、指向性の高い光取り出しがなされる
ことが好ましい。
【0069】また、例えば、テレビや広告用途ディスプ
レイ等の複数の人を対象としたディスプレイとして用い
る場合、その表示状態は、正面方向の視認性と同様に、
周囲からの視認性が高いことが好ましい。また、室内照
明等の光源として用いる場合、光が照明対象に一様に照
射されることが好ましい。以上のような場合、開口部か
ら放射される光は、全方向に一様に放射されることが好
ましく、指向性のない一様な光取り出しがなされること
が好ましい。
【0070】本発明における光の角度変換パネル等を用
いた場合、V字形溝の断面形状を対称な形状とすること
で光の配向を正面方向に強い指向性をもたせたり、全て
の画素に対して同等の光の配向を設計することができ
る。また、V字形溝の断面形状を非対称な形状とするこ
とで光の配向方向を変化させることができ、周辺部や中
心部など画素の配置に応じた配向を設計することがで
き、あるいは、V字形溝の断面形状を非対称かつランダ
ムに配置することで光を等方的に放射させることも可能
である。更に、光の角度変換パネルの光取り出し面を散
乱面とすることで、取り出される光を散乱させ、光の配
向を一様とすることができ、光を等方的に放射させるこ
とも可能である。
【0071】以上のような構成の光の角度変換パネルと
することで、光の配向等の視覚特性を設計でき、かつ、
発光面積を増大させることによる長寿命化のできる、高
効率な発光性能を維持できる有機エレクトロルミネセン
ス素子を実現できる。
【0072】更に、光の角度変換パネルを接合する場
合、透明電極上に直接パネルを接合すると、例えば、接
合する接着材中に含まれる水分や反応性ガスの影響によ
り有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命や効率に影
響を及ぼしたり、接合時や接合後にパネルに力が加わる
ことで、透明電極が発光層から剥離したり、電極間が短
絡したりすることにより、素子が発光しなくなる等の不
具合が生じることがある。
【0073】そこで、透明電極上にダメージを緩和する
ための保護膜を形成し、その上面に光の角度変換パネル
を貼り付けることで、上記した不具合を生じさせること
なく、効率の良い発光を実現することができる。
【0074】また、光の角度変換パネルを、光学結合の
できる接着剤や光学結合液等の液状媒質などの結合材を
用いて接合する場合、V字形溝の内部に結合材が入り込
むことがある。特に、V字形溝のピッチが小さくなるに
つれて、結合材の塗り難くなり、あるいは、毛細管現象
が発現しやすくなるなどの理由により、結合材が入り込
む割合は大きくなる。
【0075】なお、光学結合材は、前記したように光の
角度変換パネルに入射する前に光が全反射されることを
防ぐために、光の角度変換パネルや発光層の屈折率と同
じくらいの屈折率の材料が用いられる。このような屈折
率の材料がV字形溝内部に入り込むと、V字形溝におけ
る光の角度変換効果が小さくなる。このような影響を低
減するためには、V字形溝の側面における光の経路を保
存することが効果的であり、V字形溝の側面に光反射面
を形成する、あるいは、V字形溝の側面に角度変換パネ
ルよりも屈折率の小さな媒質からなる面を形成すること
で、効率の良い発光を実現することができる。
【0076】光の角度変換パネルと基板の材料が異なる
場合、各部材の熱膨張が問題になることもある。つま
り、有機エレクトロルミネッセンス素子の実用温度範囲
において、熱膨張により、光の角度変換パネルと基板の
大きさが変わることで、光の角度変換パネルの貼り付け
部が剥離する等の弊害が生じる。したがって、これら熱
膨張による弊害を抑制するためには、光の角度変換パネ
ルの熱膨張係数と、基板の熱膨張係数の値をできるだけ
近くすることが重要であり、光の角度変換パネルを形成
する媒質の熱膨張係数は、基板の熱膨張係数の80%以
上、かつ、120%以内であることが好ましい。更に、
光の角度変換パネルを一体のパネルとして形成するので
はなく、1つ以上の画素毎に分断できることが好まし
い。
【0077】以上のような構成の光の角度変換パネルと
することで、容易に接合することができ、かつ、高効率
な発光性能を維持できる有機エレクトロルミネセンス素
子を実現できる。
【0078】次に、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を構成する各構成部について説明する。
【0079】まず、基板について説明する。本発明の有
機エレクトロルミネッセンス素子の基板は、光の取り出
し面として用いないため、透明あるいは不透明、いずれ
の基板も用いることができ、有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を保持できる強度があればよい。なお、本発明
において、透明または半透明なる定義は、有機エレクト
ロルミネッセンス素子による発光の視認を妨げない程度
の透明性を示すものである。
【0080】基板は、例えば、透明または半透明のソー
ダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、
鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、
バリウムホウケイ酸ガラス、石英ガラス等の、無機酸化
物ガラス、無機フッ化物ガラス、等の無機ガラス、或い
は、透明または半透明のポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエ
ーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレ
フィン、フッ素系樹脂等の高分子フィルム等、或いは、
透明または半透明のAs23、As4010、S40Ge10
等のカルコゲノイドガラス、ZnO、Nb 25、Ta2
5、SiO、Si34、HfO2、TiO2等の金属酸
化物および窒化物等の材料、或いは、不透明のシリコ
ン、ゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウム砒素、窒化
ガリウム等の半導体材料、或いは、顔料等を含んだ前記
透明基板材料、表面に絶縁処理を施した金属材料、等か
ら適宜選択して用いることができ、複数の基板材料を積
層した積層基板を用いることもできる。
【0081】また、この基板表面、あるいは、基板内部
には、有機エレクトロルミネッセンス素子を駆動するた
めの抵抗・コンデンサ・インダクタ・ダイオード・トラ
ンジスタ等からなる回路を形成していても良い。
【0082】次に、光の角度変換パネルについて説明す
る。光の角度変換パネルは、前記基板材料のうち透明あ
るいは半透明基板の材料から適宜選択して用いることが
でき、発光層から放射される光を効率良く取り出すこと
のできる材料からなることが好ましく、パネル表面にV
字形溝等の構造を形成が容易であるものが好ましい。ま
た、V字形溝の形成方法としては、前記基板材料に、例
えばバイトや研削砥石の加工ツールを用いて直接V字形
溝を形成する方法と、例えば前記加工ツールによって金
型にV字形溝を形成し、それを冷間および熱間加工によ
り2次金型に転写し、前記2次金型により前記光の角度
変換パネルを形成するといったような、成形により形成
する方法を用いることができる。
【0083】光の角度変換パネルを貼り付ける部材とし
ては、透明あるいは半透明で、パネルを貼り付ける前の
光取り出し層とパネルとの間の光学結合することがで
き、かつ、光り取り出し層との間で光の全反射が生じな
いことが好ましい。貼り付け部材の材料としては、透明
レジスト、透明光学接着剤、等の硬化型の光学結合材
料、あるいは、エチレングリコール等の光学結合液とい
った非硬化型の光学結合材料の中から適宜選択して用い
ることができる。光の角度変換パネルの効果を有効に利
用するためには、パネルあるいは発光層よりも屈折率が
高い材料を選択することが好ましい。
【0084】陽極は、正孔を注入する電極であり、正孔
を効率良く発光層或いは正孔輸送層に注入することが必
要である。陽極としては、透明電極を用いることができ
る。透明電極の材料としては、インジウムスズ酸化物
(ITO)、酸化スズ(SnO 2)、酸化亜鉛(Zn
O)等の金属酸化物、あるいは、SnO:Sb(アンチ
モン)、ZnO:Al(アルミニウム)といった混合物
からなる透明導電膜や、あるいは、透明度を損なわない
程度の厚さのAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Ti
(チタン)、Ag(銀)といった金属薄膜や、これら金
属の混合薄膜、積層薄膜といった金属薄膜や、あるい
は、ポリピロール等の導電性高分子等を用いる事ができ
る。また、複数の前述透明電極材料を積層することで透
明電極とすることも可能であり、抵抗加熱蒸着、電子ビ
ーム蒸着、スパッタ法または電界重合法等の各種の重合
法等により形成する。また、透明電極は、十分な導電性
を持たせるため、または、基板表面の凹凸による不均一
発光を防ぐために、1nm以上の厚さにすることが望ま
しい。また、十分な透明性を持たせるために500nm
以下の厚さにすることが望ましい。
【0085】更に、陽極としては、これら透明電極以外
にも、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Cu
(銅)、Sn(錫)、W(タングステン)、Au(金)
等の仕事関数の大きな金属、あるいはその合金、酸化物
等を用いることができ、これら陽極材料を用いた複数の
材料による積層構造も用いることができる。ただし、陽
極として透明電極を用いない場合、光の角度変換手段の
効果を最大限に利用するためには、陽極は光を反射する
材料で形成することが好ましい。なお、陽極として透明
電極を用いない場合には、陰極が透明電極であればよ
い。
【0086】また、陽極に非晶質炭素膜を設けても良
い。この場合には、共に正孔注入電極としての機能を有
する。即ち、陽極から非晶質炭素膜を介して発光層或い
は正孔輸送層に正孔が注入される。また、非晶質炭素膜
は、陽極と発光層或いは正孔輸送層との間にスパッタ法
により形成されてなる。スパッタリングによるカーボン
ターゲットとしては、等方性グラファイト、異方性グラ
ファイト、ガラス状カーボン等があり、特に限定するも
のではないが、純度の高い等方性グラファイトが適して
いる。非晶質炭素膜が優れている点を具体的に示すと、
理研計器製の表面分析装置AC−1を使って、非晶質炭
素膜の仕事関数を測定すると、非晶質炭素膜の仕事関数
は、WC=5.40eVである。ここで、一般に陽極と
してよく用いられているITOの仕事関数は、WITO
5.05eVであるので、非晶質炭素膜を用いた方が発
光層或いは正孔輸送層に効率よく正孔を注入できる。ま
た、非晶質炭素膜をスパッタリング法にて形成する際、
非晶質炭素膜の電気抵抗値を制御するために、窒素ある
いは水素とアルゴンの混合ガス雰囲気下で反応性スパッ
タリングする。さらに、スパッタリング法などによる薄
膜形成技術では、膜厚を5nm以下にすると膜が島状構
造となり均質な膜が得られない。そのため、非晶質炭素
膜の膜厚が5nm以下では、効率の良い発光が得られ
ず、非晶質炭素膜の効果が期待できない。また、非晶質
炭素膜の膜厚を200nm以上とすると、膜の色が黒味
を帯び、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光が十
分に透過しなくなる。
【0087】また、発光層材料は、可視領域で蛍光特性
を有し、かつ成膜性の良い蛍光体からなるものが好まし
く、Alq3やBe−ベンゾキノリノール(BeBq2
の他に、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2
−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾー
ル、4,4'−ビス(5,7−ペンチル−2−ベンゾオ
キサゾリル)スチルベン、4,4'−ビス〔5,7−ジ
−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリ
ル〕スチルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ベン
チル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、2,5−
ビス(〔5−α、α−ジメチルベンジル〕−2−ベンゾ
オキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス〔5,7−ジ
−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリ
ル〕−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス
(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、
4,4'−ビス(2−ベンゾオキサイゾリル)ビフェニ
ル、5−メチル−2−〔2−〔4−(5−メチル−2−
ベンゾオキサイゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾオキ
サイゾリル、2−〔2−(4−クロロフェニル)ビニ
ル〕ナフト〔1,2−d〕オキサゾール等のベンゾオキ
サゾール系、2,2'−(p−フェニレンジビニレン)
−ビスベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系、2−
〔2−〔4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル〕ビ
ニル〕ベンゾイミダゾール、2−〔2−(4−カルボキ
シフェニル)ビニル〕ベンゾイミダゾール等のベンゾイ
ミダゾール系等の蛍光増白剤や、ビス(8−キノリノー
ル)マグネシウム、ビス(ベンゾ−8−キノリノール)
亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミ
ニウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウ
ム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニ
ウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ
−8−キノリノール)ガリウム、ビス(5−クロロ−8
−キノリノール)カルシウム、ポリ〔亜鉛−ビス(8−
ヒドロキシ−5−キノリノニル)メタン〕等の8−ヒド
ロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピンドリジオ
ン等の金属キレート化オキシノイド化合物や、1,4−
ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−(3−
メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチル
スチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビ
ス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3
−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチ
ルスチリル)2−メチルベンゼン等のスチリルベンゼン
系化合物や、2、5−ビス(4−メチルスチリル)ピラ
ジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、
2,5−ビス〔2−(1−ナフチル)ビニル〕ピラジ
ン、2、5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、
2,5−ビス〔2−(4−ビフェニル)ビニル〕ピラジ
ン、2,5−ビス〔2−(1−ピレニル)ビニル〕ピラ
ジン等のジスチルピラジン誘導体や、ナフタルイミド誘
導体や、ペリレン誘導体や、オキサジアゾール誘導体
や、アルダジン誘導体や、シクロペンタジエン誘導体
や、スチリルアミン誘導体や、クマリン系誘導体や、芳
香族ジメチリディン誘導体等が用いられる。さらに、ア
ントラセン、サリチル酸塩、ピレン、コロネン等も用い
られる。あるいは、ファク−トリス(2−フェニルピリ
ジン)イリジウム等の燐光発光材料を用いても良い。
【0088】また、発光層のみの単層構造の他に、正孔
輸送層と発光層又は発光層と電子輸送層の2層構造や、
正孔輸送層と発光層と電子輸送層の3層構造のいずれの
構造でもよい。但し、このような2層構造又は3層構造
の場合には、正孔輸送層と陽極が、又は電子輸送層と陰
極が接するように積層して形成される。
【0089】そして、正孔輸送層としては、正孔移動度
が高く、透明で成膜性の良いものが好ましい。TPDの
他に、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタ
ロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシア
ニンオキサイド等のポリフィリン化合物や、1,1−ビ
ス{4−(ジ−P−トリルアミノ)フェニル}シクロヘ
キサン、4,4',4''−トリメチルトリフェニルアミ
ン、N,N,N',N'−テトラキス(P−トリル)−P
−フェニレンジアミン、1−(N,N−ジ−P−トリル
アミノ)ナフタレン、4,4'−ビス(ジメチルアミ
ノ)−2−2'−ジメチルトリフェニルメタン、N,
N,N',N'−テトラフェニル−4,4'−ジアミノビ
フェニル、N,N'−ジフェニル−N,N'−ジ−m−ト
リル−4,N,N−ジフェニル−N,N'−ビス(3−
メチルフェニル)−1,1'−4,4'−ジアミン、4'
−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾ−ル等の
芳香族第三級アミンや、4−ジ−P−トリルアミノスチ
ルベン、4−(ジ−P−トリルアミノ)−4'−〔4−
(ジ−P−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン等のス
チルベン化合物や、トリアゾール誘導体や、オキサジザ
ゾール誘導体や、イミダゾール誘導体や、ポリアリール
アルカン誘導体や、ピラゾリン誘導体や、ピラゾロン誘
導体や、フェニレンジアミン誘導体や、アニールアミン
誘導体や、アミノ置換カルコン誘導体や、オキサゾール
誘導体や、スチリルアントラセン誘導体や、フルオレノ
ン誘導体や、ヒドラゾン誘導体や、シラザン誘導体や、
ポリシラン系アニリン系共重合体や、高分子オリゴマー
や、スチリルアミン化合物や、芳香族ジメチリディン系
化合物や、ポリ3−メチルチオフェン等の有機材料が用
いられる。また、ポリカーボネート等の高分子中に低分
子の正孔輸送層用の有機材料を分散させた、高分子分散
系の正孔輸送層も用いられる。
【0090】また、電子輸送層としては、1、3−ビス
(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサ
ジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジア
ゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニ
ルキノン誘導体等が用いられる。
【0091】陰極は、電子を注入する電極であり、電子
を効率良く発光層或いは電子輸送層に注入することが必
要であり、仕事関数の小さいAl(アルミニウム)、I
n(インジウム)、Mg(マグネシウム)、Ti(チタ
ン)、Ag(銀)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロ
ンチウム)等の金属、あるいは、これらの金属の酸化物
やフッ化物およびその合金、積層体等が一般に用いられ
る。そして、光の角度変換の効果を最大限に利用するた
めには、陰極は光を反射する材料で形成することが好ま
しい。
【0092】光の角度変換パネルを貼り付けた場合、す
べての光に対して有効な角度変換を行うことは困難であ
り、そのため、一度の光の角度変換で取出されなかった
光は、空気との界面で全反射され、再び素子内部へと伝
播し陰極へと到達する。或いは、発光層において、光は
等方的に放射されるため、発光層で放射される光のうち
半分は、光取り出し面に到達する前に陰極へと到達す
る。このとき、陰極が光を反射する材料で形成されてい
た場合、この陰極へ到達した光は反射され、再び、光取
出し面方向へと伝播することが可能となり、有効な光と
して利用される可能性がある。この効果を有効にするた
めには、陰極は光を反射する材料で形成することが好ま
しく、更に、光の反射率が50%以上であることが好ま
しい。これは、光の角度変換による効率向上率が2倍程
度であることから、光の反射率が50%以上、つまり陰
極における光のロスが50%以下であれば有効な光取出
しが可能である。従来の有機エレクトロルミネッセンス
素子では、陰極の反射率は極めて高いことが要求された
が、光取り出し効率が向上することによって、陰極の材
料、膜厚、形成方法等の選択性を拡大することも可能で
ある。なお、以上のことは、陰極を透明電極として用い
た場合には、陽極に適用されるのは言うまでもない。
【0093】あるいは、有機エレクトロルミネッセンス
素子の光取り出し面から入射する太陽光や蛍光灯といっ
た外光によるコントラストの低下を抑制するためには、
陽極あるいは陰極のいずれかの電極を、光を吸収する電
極とすることは有効である。
【0094】また、陰極としては、発光層或いは電子輸
送層と接する界面に、仕事関数の小さい金属を用いた光
透過性の高い超薄膜を形成し、その上部に透明電極を積
層することで、透明陰極を形成することも可能である。
特に仕事関数の小さなMg、Mg−Ag合金、特開平5
−121172号公報記載のAl−Li合金やSr−M
g合金あるいはAl−Sr合金、Al−Ba合金等ある
いはLiO2/AlやLiF/Al等の積層構造は陰極
材料として好適である。
【0095】更に、これら陰極の成膜方法としては抵抗
加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ法が用いられる。
【0096】なお、陽極及び陰極は少なくとも一方が透
明電極であればよい。更に、共に透明電極であってもよ
いが、光の取り出し効率を向上させるためには、一方が
透明電極であれば、他方が光を反射する材料で形成する
ことが好ましい。
【0097】また、有機エレクトロルミネッセンス素子
を外気から遮断し、長時間安定性を保証するために素子
表面に保護膜を形成することもある。保護膜の材料とし
ては、SiON、SiO、SiN、SiO2、Al
23、LiF等の無機酸化物、無機窒化物、無機フッ化
物からなる薄膜、あるいは、無機酸化物、無機窒化物、
無機フッ化物等、あるいは、それらの混合物等からなる
ガラス膜、あるいは、熱硬化性、光硬化性の樹脂や封止
効果のあるシラン系の高分子材料等が挙げられ蒸着やス
パッタリング等もしくは塗布法により形成される。
【0098】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子は、画像を表示する表示装置として用いること
ができ、これら表示装置は、携帯電話、PHS、PDA
等の携帯情報端末のディスプレイ、テレビジョン、パー
ソナルコンピュータ、カーナビゲーション等のディスプ
レイ、ステレオ、ラジオ等のAV機器のディスプレイ等
に用いることができる。
【0099】更に、レーザプリンタ、スキャナ等の光源
としての照明装置に用いることができる。或いは、室内
灯、ライトスタンド等の照明器具のような単なる光源と
しての照明装置として用いることもできる。
【0100】これらの中でも、有機エレクトロルミネッ
センス素子の低消費電力、軽量薄型化が容易、応答速度
が速い等の優位性を考慮すれば、様々な電子機器におい
て画像を表示するディスプレイとしての表示装置や、レ
ーザプリンタ、スキャナ等の光源としての照明装置に用
いることが好ましい。
【0101】以下に本発明の実施の形態について説明す
る。
【0102】(実施の形態1)本発明の実施の形態にお
ける有機エレクトロルミネッセンス素子について述べ
る。なお、ここでは図5を用いて説明する。
【0103】本実施の形態における有機エレクトロルミ
ネッセンス素子は、基板1の素子側表面に光の取り出し
効率向上手段としてV字形溝7の形成された光の角度変
換パネル6を備えている。そして、その光の角度変換パ
ネル6が、発光層4から放射される光の角度を、光取り
出し面と空気との境界面において全反射を引き起こす臨
界角よりも小さい角度に変換するようになっていること
が好ましい。光の角度変換パネルの構成材料、形成方法
は上述した構成材料、形成方法や従来公知の材料の中か
ら、発光層4からの発光の取出しを妨げないように適宜
選択して用いることができる。
【0104】なお、基板1、陽極2、正孔輸送層3、発
光層4、陰極5の構成材料、形成方法も上述した構成材
料、形成方法や従来公知のものを用いることができる。
【0105】更に、本実施の形態においては、正孔輸送
層3と発光層4からなる二層構造の場合について説明し
たが、その構造については前述のように特にこれに限定
されるものではない。
【0106】また、本実施の形態においては、基板1上
面に陽極2を形成する構造の場合について説明したが、
その構造については前述のように特にこれに限定される
ものではなく、基板1上面に陰極5を形成することも可
能である。
【0107】また、封止の形態については、光取り出し
面とガラスキャップとが密着しないようにして、ガラス
キャップをUV硬化樹脂等で基板に接着することで実現
でき、あるいは、有機エレクトロルミネッセンス素子の
表面に保護膜を形成して封止する等の適宜手段を採用す
ることができる。他に保護膜とシールド材等との組み合
わせであっても何等問題ない。また、保護膜を形成し、
その上面に光の角度変換パネルを貼り付ける構成であっ
ても良い。
【0108】以上のように、本実施の形態によれば、従
来構成では無駄になっていた光を取り出すことができる
ため、光取り出し効率が向上し、高効率な発光性能を維
持する事ができる。
【0109】そして、本実施の形態における有機エレク
トロルミネッセンス素子は、照明装置や表示装置として
用いることができるのは言うまでもない。
【0110】(実施の形態2)次に、本発明の有機エレ
クトロルミネッセンス素子を用いた表示装置について説
明する。
【0111】図8は、本発明の実施の形態における有機
エレクトロルミネッセンス素子を用いた表示装置の概略
斜視図である。
【0112】図8において、基板1、陽極2、正孔輸送
層3、発光層4、陰極5、は実施の形態1と同一の符号
を付してここでは説明を省略する。
【0113】本実施の形態においては、図8に示すよう
に、陽極2は線状にパターニングされており、これに略
直交する形で陰極5も同様に線状にパターニングされて
いる。
【0114】そして、この表示装置の陽極2をプラス
側、陰極5をマイナス側とし、図示しない駆動手段とし
ての駆動回路(ドライバ)に接続し、選択した陽極2、
陰極5に直流電圧または直流電流を印加すれば、直交す
る部分の発光層4が発光し、単純マトリックス方式の表
示装置として使用することができる。
【0115】本実施の形態においては、基板1の素子形
成面に光の角度変換パネル6としてV字形溝の形成され
たパネルを備えている。そして、その光の角度変換パネ
ルが、発光層から放射される光の角度を、基板と空気と
の境界面において全反射を引き起こす臨界角よりも小さ
い角度に変換するようになっていることが好ましい。
【0116】なお、陽極2、正孔輸送層3、発光層4、
陰極5の構成材料、形成方法も上述した構成材料、形成
方法や従来公知のものを用いることができる。
【0117】以上のように、本実施の形態の表示装置に
おいても、従来構成では無駄になっていた光を取り出す
ことができるため、光取り出し効率が向上し、高効率な
発光性能を維持する事ができる。また、本実施の形態の
表示装置においては、光の配向が正面方向に強くなるた
め、光取り出し面における光透過性基板中における光伝
播を抑制することができ、高効率な発光性能を維持する
事ができるとともに、光にじみ等のない、視認性のよい
表示装置を実現することが可能である。
【0118】また、本実施の形態においては、単純マト
リックス方式の表示装置について説明したが、アクティ
ブマトリックス方式の表示装置でもよく、基板の素子形
成面のうち、例えば駆動に用いるTFT等の非発光部に
V字形溝を配置することで発光部の面積を有効に利用す
ることができ、前記単純マトリックス方式の場合と同様
の高効率な発光性能を維持することができる。
【0119】なお、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子は、画像を表示する表示装置としてだけでな
く、レーザプリンタ、スキャナ等の光源等の照明装置と
しても用いることができる。更に、陽極2及び陰極5を
線状にパターニングさせずに、全面発光させて、単なる
照明装置として用いてもよい。
【0120】(実施の形態3)次に、本発明の有機エレ
クトロルミネッセンス素子を用いた携帯端末について説
明する。図9は本発明の有機エレクトロルミネッセンス
素子を用いた表示装置を備えた携帯端末を示す斜視図で
あり、図10は本発明の有機エレクトロルミネッセンス
素子を用いた表示装置を備えた携帯端末を示すブロック
図である。
【0121】図9及び図10において、9は音声を音声
信号に変換するマイク、10は音声信号を音声に変換す
るスピーカー、11はダイヤルボタン等から構成される
操作部、12は着信等を表示する表示部であり本発明の
有機エレクトロルミネッセンスを用いた表示装置より構
成されている、13はアンテナ、14はマイク9からの
音声信号を送信信号に変換する送信部で、送信部14で
作製された送信信号は、アンテナ13を通して外部に放
出される。15はアンテナ13で受信した受信信号を音
声信号に変換する受信部で、受信部15で作成された音
声信号はスピーカー10にて音声に変換される。16は
送信部14、受信部15、操作部11、表示部12を制
御する制御部である。
【0122】マイク9は、使用者(発信者)の通話時の
音声等が入力され、スピーカー10からは相手側の音声
や告知音が出力されて使用者(受信者)に伝達される。
なお、携帯端末として、ページャーを用いる場合には、
マイクは特に設けなくてもよい。
【0123】更に、操作部11には、ダイヤルボタンと
してのテンキーや各種の機能キーを備えている。また、
テンキーや各種の機能キーだけでなく、文字キー等を備
えていてもよい。この操作部11から、電話番号、氏
名、時刻、各種機能の設定、Eメールアドレス、URL
等の所定のデータが入力される。更に操作部11は、こ
のようなキーボードによる操作だけでなく、ペン入力装
置、音声入力装置、磁気又は光学入力装置を用いてもよ
い。
【0124】表示部12は、操作部11から入力される
所定のデータやメモリに記憶された電話番号、Eメール
アドレス、URL等のデータ或いはキャラクタアイコン
等が表示される。
【0125】また、アンテナ13は、電波の送信か受信
の少なくとも一方を行う。なお、本実施の形態では、信
号の送信、受信を電波で行うので、アンテナ(ヘリカル
アンテナ、平面アンテナ等)を設けたが、光通信等を行
う場合には、発光素子や受光素子をアンテナの代わりに
設けてもよい。この場合には、発光素子で信号を他の通
信機器などに送信し、受光素子で外部からの信号を受信
する。
【0126】送信部14、受信部15は、それぞれ、音
声信号を送信信号に変換し、受信した受信信号を音声信
号に変換する。
【0127】更に、制御部16は、図示されていないC
PUやメモリ等を用いた従来公知の手法により構成され
ており、送信部14、受信部15、及び、操作部11、
表示部12を制御する。より具体的には、これら各部に
設けられた図示しない各制御回路、駆動回路等に命令を
与える。例えば、制御部16からの表示命令を受けた表
示制御回路は、表示駆動回路を駆動し、表示部12に表
示が行われる。
【0128】以下その動作の一例について説明する。
【0129】先ず、着信があった場合には、受信部15
から制御部16に着信信号を送出し、制御部16は、そ
の着信信号に基づいて、表示部12に所定のキャラクタ
等を表示させ、更に操作部11から着信を受ける旨のボ
タン等が押されると、信号が制御部16に送出されて、
制御部16は、着信モードに各部を設定する。即ちアン
テナ13で受信した信号は、受信部15で音声信号に変
換され、音声信号はスピーカー10から音声として出力
されると共に、マイク9から入力された音声は、音声信
号に変換され、送信部14を介し、アンテナ13を通し
て外部に送出される。
【0130】次に、発信する場合について説明する。
【0131】まず、発信する場合には、操作部11から
発信する旨の信号が、制御部16に入力される。続いて
電話番号に相当する信号が操作部11から制御部16に
送られてくると、制御部16は送信部14を介して、電
話番号に対応する信号をアンテナ13から送出する。そ
の送出信号によって、相手方との通信が確立されたら、
その旨の信号がアンテナ13を介し受信部15を通して
制御部16に送られると、制御部16は発信モードに各
部を設定する。即ちアンテナ13で受信した信号は、受
信部15で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー
10から音声として出力されると共に、マイク9から入
力された音声は、音声信号に変換され、送信部14を介
し、アンテナ13を通して外部に送出される。
【0132】なお、本実施の形態では、音声を送信受信
した例を示したが、音声に限らず、文字データ等の音声
以外のデータの送信もしくは受信の少なくとも一方を行
う携帯端末についても同様な効果を得ることができる。
【0133】このような本実施の形態による携帯端末に
おいては、高効率な発光性能を維持することができるた
め、バッテリー等の電力使用量を抑制することができ
る。これにより、携帯端末の長時間使用を可能にした
り、あるいは、バッテリーの小型化による軽量化を図る
ことが可能である。特に近年、携帯端末に用いる表示素
子はより高画質で、かつ低消費電力であることが求めら
れており、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の
光取り出しに比べて、高画質・高効率化は大きなメリッ
トをもたらす。そして、高効率化によって、電池容量の
減量化が可能となり、軽量化や長使用時間化を図ること
ができる。また、有機エレクトロルミネッセンス素子の
基板として、高分子フィルムを用いれば、飛躍的な軽量
化をもたらすことが可能となる。
【0134】また、携帯端末のような個人使用を目的と
した携帯端末においては、使用者本人だけが情報を認識
でき、周囲からは情報を認識できないような特性が要求
されており、本発明における表示素子では、光の配向を
正面方向に強くする等の設計が可能であるため、上記し
たような用途に対し非常に有効である。
【0135】
【実施例】(実施例1)ガラスからなる透明基板上に、
膜厚160nmのAl膜を形成した後、Al膜上にレジ
スト材(東京応化社製、OFPR−800)をスピンコ
ート法により塗布して厚さ10μmのレジスト膜を形成
し、マスク、露光、現像してレジスト膜を所定の形状に
パターニングした。次に、この基板を50℃で50%の
塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されていない部分
のAl膜をエッチングした後、レジスト膜も除去し、所
定のパターンのAl膜からなる陽極が形成されたパター
ニング基板を得た。
【0136】次に、このパターニング基板を、70℃の
純水による5分間の超音波洗浄により洗浄処理した後、
窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加
熱して乾燥した。
【0137】次に、2×10-6Torr以下の真空度ま
で減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、陰極上に発光層と
してAlq3を約60nmの膜厚で形成し、その発光層
上に正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成
した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共に0.
2nm/sであった。
【0138】次に、2×10-6Torr以下の真空度ま
で減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、金属マスク
によりマスクし、正孔輸送層上に膜厚160nmのIT
O膜を成膜し透明陽極とした。
【0139】次に、同様に低ダメージスパッタ装置内に
て、前記ITO膜上に、膜厚3μmの酸化シリコン膜を
保護膜として成膜した。
【0140】次に、ポリカーボネートからなる透明樹脂
板を、前記パターニングされた陽極および陰極により形
成される画素に対応したピッチで形成された対称なV字
形状の鋼鉄製バイトにより1方向に切削し、面内1方向
に平行なV字形溝の形成された光の角度変換パネルとし
た。
【0141】次に、前記保護膜表面に光学用接着剤を一
様に塗布し、前記光の角度変換パネルを貼り付けた。
【0142】(実施例2)ガラスからなる透明基板を、
洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分
間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、ア
ンモニア水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5
を混合した溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純
水による5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒
素ブロアーで基板に付着した水分を除去し乾燥した。
【0143】次に、基板を、2×10-6Torr以下の
真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、15at
%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、金属マ
スクによりパターニングされた陰極を150nmの膜厚
で成膜した。
【0144】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、陰
極上に発光層としてAlq3を約60nmの膜厚で形成
し、その発光層上に正孔輸送層としてTPDを約50n
mの膜厚で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速
度は、共に0.2nm/sであった。
【0145】次に、2×10-6Torr以下の真空度ま
で減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、金属マスク
によりマスクし、正孔輸送層上に膜厚160nmのIT
O膜を成膜した。
【0146】次に、同様に低ダメージスパッタ装置内に
て、凹凸形状の有機エレクトロルミネッセンス素子上
に、膜厚3μmの窒化シリコン膜を保護膜として成膜し
た。
【0147】次に、PMMA(アクリル)からなる透明
樹脂板を、前記パターニングされた陽極および陰極によ
り形成される画素に対応したピッチで形成された対称な
V字形状の鋼鉄製バイトにより1方向に切削し、更に、
前記V字形溝の形成された透明樹脂板を90°回転さ
せ、同様に、前記鋼鉄製バイトにより切削し、面内互い
に直交する2方向に平行なV字形溝の形成された光の角
度変換パネルとした。
【0148】次に、前記保護膜表面にエチレングリコー
ルからなる光学結合剤を一様に塗布し、表面張力を利用
して前記光の角度変換パネルを貼り付けた後、光の角度
変換パネルの4隅を接着剤を用いて固定した。
【0149】(実施例3)シリコンからなる不透明基板
を、洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による
5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗
浄、アンモニア水1(体積比)に対して過酸化水素水1
と水5を混合した溶液による5分間の超音波洗浄、70
℃の純水による5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した
後、窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し乾燥し
た。
【0150】次に、基板を、2×10-6Torr以下の
真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、15at
%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、金属マ
スクによりパターニングされた陰極を150nmの膜厚
で成膜した。
【0151】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、陰
極上に発光層としてAlq3を約60nmの膜厚で形成
し、その発光層上に正孔輸送層としてTPDを約50n
mの膜厚で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速
度は、共に0.2nm/sであった。
【0152】次に、2×10-6Torr以下の真空度ま
で減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、金属マスク
によりマスクし、正孔輸送層上に膜厚160nmのIT
O膜を成膜した。
【0153】次に、同様に低ダメージスパッタ装置内に
て、凹凸形状の有機エレクトロルミネッセンス素子上
に、膜厚3μmの酸化シリコン膜を保護膜として成膜し
た。
【0154】次に、前記パターニングされた陽極および
陰極により形成される画素に対応したピッチで面内互い
に直交する2方向に平行な対称V字形突起の形成された
鋼鉄製金型を形成し、熱間加工により、ポリカーボネー
トよりなる光の角度変換パネルを形成した。
【0155】次に、前記光の角度変換パネルのV字形溝
の形成された面と対向する面に、光散乱フィルムを貼り
付け、光取り出し面が散乱面である光の角度変換パネル
とした。
【0156】次に、前記保護膜表面に光学用接着剤を一
様に塗布し、前記光の角度変換パネルを貼り付けた。
【0157】(実施例4)ガラスからなる透明基板上
に、膜厚160nmのAl膜を形成した後、Al膜上に
レジスト材(東京応化社製、OFPR−800)をスピ
ンコート法により塗布して厚さ10μmのレジスト膜を
形成し、マスク、露光、現像してレジスト膜を所定の形
状にパターニングした。次に、この基板を50℃で50
%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されていない
部分のAl膜をエッチングした後、レジスト膜も除去
し、所定のパターンのAl膜からなる陽極が形成された
パターニング基板を得た。
【0158】次に、このパターニング基板を、70℃の
純水による5分間の超音波洗浄により洗浄処理した後、
窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加
熱して乾燥した。
【0159】次に、2×10-6Torr以下の真空度ま
で減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、陰極上に発光層と
してAlq3を約60nmの膜厚で形成し、その発光層
上に正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成
した。なお、TPDとAlq 3の蒸着速度は、共に0.
2nm/sであった。
【0160】次に、2×10-6Torr以下の真空度ま
で減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、金属マスク
によりマスクし、正孔輸送層上に膜厚160nmのIT
O膜を成膜し透明陽極とした。
【0161】次に、同様に低ダメージスパッタ装置内に
て、前記ITO膜上に、膜厚3μmの酸化シリコン膜を
保護膜として成膜した。
【0162】次に、前記パターニングされた陽極および
陰極により形成される画素に対応したピッチで面内互い
に直交する2方向に平行な非対称V字形突起の形成され
た鋼鉄製金型を形成し、熱間加工により、ポリカーボネ
ートよりなる光の角度変換パネルを形成した。
【0163】次に、前記保護膜表面に光学用接着剤を一
様に塗布し、前記光の角度変換パネルを貼り付けた。
【0164】(実施例5)ガラスからなる透明基板上
に、膜厚160nmのAl膜を形成した後、Al膜上に
レジスト材(東京応化社製、OFPR−800)をスピ
ンコート法により塗布して厚さ10μmのレジスト膜を
形成し、マスク、露光、現像してレジスト膜を所定の形
状にパターニングした。次に、この基板を50℃で50
%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されていない
部分のAl膜をエッチングした後、レジスト膜も除去
し、所定のパターンのAl膜からなる陽極が形成された
パターニング基板を得た。
【0165】次に、このパターニング基板を、70℃の
純水による5分間の超音波洗浄により洗浄処理した後、
窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加
熱して乾燥した。
【0166】次に、2×10-6Torr以下の真空度ま
で減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、陰極上に発光層と
してAlq3を約60nmの膜厚で形成し、その発光層
上に正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成
した。なお、TPDとAlq 3の蒸着速度は、共に0.
2nm/sであった。
【0167】次に、2×10-6Torr以下の真空度ま
で減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、金属マスク
によりマスクし、正孔輸送層上に膜厚160nmのIT
O膜を成膜し透明陽極とした。
【0168】次に、同様に低ダメージスパッタ装置内に
て、前記ITO膜上に、膜厚3μmの酸化シリコン膜を
保護膜として成膜した。
【0169】次に、PMMA(アクリル)からなる透明
樹脂板を、前記パターニングされた陽極および陰極によ
り形成される画素に対応したピッチで形成された対称な
V字形状の鋼鉄製バイトにより1方向に切削し、更に、
前記V字形溝の形成された透明樹脂板を90°回転さ
せ、同様に、前記鋼鉄製バイトにより切削し、面内互い
に直交する2方向に平行なV字形溝の形成された光の角
度変換パネルとした。
【0170】次に、前記光の角度変換パネルを2×10
-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置
内にて、V字形溝の形成された表面に、光反射層として
Alを約100nmの膜厚で形成し、更に、Al光反射
層の形成されたV字形溝側の面を、研磨装置を用いて、
1μm切削することで、側面が光反射面である、光の角
度変換パネルとした。
【0171】次に、前記保護膜表面にエチレングリコー
ルからなる光学結合剤を一様に塗布し、表面張力を利用
して前記光の角度変換パネルを貼り付けた後、光の角度
変換パネルの4隅を接着剤を用いて固定した。
【0172】(比較例1)ガラスからなる透明基板上
に、実施例1と同様に、膜厚160nmのAl膜を形成
した後、Al膜上にレジスト材(東京応化社製、OFP
R−800)をスピンコート法により塗布して厚さ10
μmのレジスト膜を形成し、マスク、露光、現像してレ
ジスト膜を所定の形状にパターニングした。次に、この
基板を60℃で50%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜
が形成されていない部分のAl膜をエッチングした後、
レジスト膜も除去し、所定のパターンのAl膜からなる
陽極が形成されたパターニング基板を得た。
【0173】次に、このパターニング基板を、70℃の
純水による5分間の超音波洗浄により洗浄処理した後、
窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加
熱して乾燥した。
【0174】次に、2×10-6Torr以下の真空度ま
で減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、陰極上に発光層と
してAlq3を約60nmの膜厚で形成し、その発光層
上に正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成
した。なお、TPDとAlq 3の蒸着速度は、共に0.
2nm/sであった。
【0175】次に、2×10-6Torr以下の真空度ま
で減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、金属マスク
によりマスクし、正孔輸送層上に膜厚160nmのIT
O膜を成膜し透明陽極とした。
【0176】次に、同様に低ダメージスパッタ装置内に
て、凹凸形状の有機エレクトロルミネッセンス素子上
に、膜厚3μmの酸化シリコン膜を保護膜として成膜し
た。
【0177】
【表1】
【0178】ここで、(表1)の評価項目における評価
方法及びその評価基準について説明する。
【0179】素子の発光効率は、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子に一定電流を流したときの全方位における
発光輝度の和を評価した。その評価基準は、比較例1の
発光効率に対して、◎:非常に優れている、○:優れて
いる、△:許容できるである。
【0180】素子の正面輝度は、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子に一定電流を流したときの正面方向での発
光輝度を評価した。その評価基準は、比較例1の正面輝
度に対して、◎:非常に優れている、○:優れている、
△:許容できるである。
【0181】発光面の視認性は、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を300μm×300μmの画素からなる
表示装置としたときの、正面方向における光のにじみ、
ぼけについて、視認性の程度を目視にて評価した。評価
は、◎、○、△の三段階評価であり、その評価基準は、
◎:非常に優れている、○:優れている、△:許容でき
るである。
【0182】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、有機エ
レクトロルミネッセンス素子表面に光の角度変換パネル
を貼り付けることで、高効率の発光輝度特性を有する有
機エレクトロルミネッセンス素子、それを用いた表示装
置及び携帯端末、および照明装置を提供することができ
る。また、メサ型構造の対称性や光取り出し面における
散乱を調整することで、にじみや光ぼけの少ない、ある
いは、特定の視野角特性を持った有機エレクトロルミネ
ッセンス素子、それを用いた表示装置及び携帯端末を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光の角度変換パネ
ルの一例を示す図
【図2】本発明の実施の形態における光の角度変換パネ
ルの一例を示す図
【図3】本発明の実施の形態における光の角度変換パネ
ルに形成される溝の断面形状を示す図
【図4】本発明の実施の形態における光の角度変換パネ
ルに形成される溝の断面形状を示す図
【図5】本発明の実施の形態における有機エレクトロル
ミネッセンス素子の要部断面図
【図6】本発明の実施の形態における有機エレクトロル
ミネッセンス素子の要部断面図
【図7】本発明の実施の形態における有機エレクトロル
ミネッセンス素子の要部断面図
【図8】本発明の実施の形態における有機エレクトロル
ミネッセンス素子を用いた表示装置の概略斜視図
【図9】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を
用いた表示装置を備えた携帯端末を示す斜視図
【図10】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子
を用いた表示装置を備えた携帯端末を示すブロック図
【図11】従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の
要部断面図
【図12】従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の
要部断面における代表的な光線経路を示す模式図
【符号の説明】
1 基板 2 陽極 3 正孔輸送層 4 発光層 5 陰極 6 光の角度変換パネル 7,8 溝 9 マイク 10 スピーカー 11 操作部 12 表示部 13 アンテナ 14 送信部 15 受信部 16 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 康弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山口 博史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 杉浦 久則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB17 BB06 DB03

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極
    と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を
    備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前
    記基板の素子形成面側に、光の角度変換パネルを備えた
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】前記光の角度変換パネルは、前記基板の素
    子形成面に設けられた保護膜を介して接合されたことを
    特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセン
    ス素子。
  3. 【請求項3】前記光の角度変換パネルは、その光取り出
    し面が散乱面からなることを特徴とする請求項1,2い
    ずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】前記光の角度変換パネルは、面内方向の1
    方向に平行な、複数の溝を備えることを特徴とする請求
    項1〜3いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセン
    ス素子。
  5. 【請求項5】前記光の角度変換パネルは、面内方向の互
    いに直交する2方向に平行な、複数の溝を備えることを
    特徴とする請求項1〜4いずれか1記載の有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】前記光の角度変換パネルに形成される溝
    は、その断面形状が略V字形の2つの直線からなる、直
    線的なV字形溝であることを特徴とする請求項1〜5い
    ずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 【請求項7】前記光の角度変換パネルに形成される溝
    は、その断面形状が略V字形の内に凸な曲線からなる、
    曲線的なV字形溝であることを特徴とする請求項1〜5
    いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 【請求項8】前記光の角度変換パネルに形成される溝
    は、対称な形状であることを特徴とする請求項1〜7い
    ずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 【請求項9】前記光の角度変換パネルに形成される溝
    は、非対称な形状であることを特徴とする請求項1〜7
    いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 【請求項10】前記光の角度変換パネルに形成される溝
    は、少なくともその側面に、光反射面を形成してなるこ
    とを特徴とする請求項1〜9いずれか1記載の有機エレ
    クトロルミネッセンス素子。
  11. 【請求項11】前記光の角度変換パネルに形成される溝
    は、少なくともその側面に、前記光の角度変換パネルよ
    りも屈折率の小さな媒質からなる面を形成してなること
    を特徴とする請求項1〜9いずれか1記載の有機エレク
    トロルミネッセス素子。
  12. 【請求項12】前記光の角度変換パネルを形成する媒質
    の熱膨張係数は、前記基板の熱膨張係数の80%以上、
    かつ、120%以内であることを特徴とする請求項1〜
    11いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  13. 【請求項13】請求項1〜12いずれか1記載の有機エ
    レクトロルミネッセンス素子を用いて、前記陽極がスト
    ライプ状に個々電気的に分離され、前記陰極がストライ
    プ状に個々電気的に分離されて構成されて、画像表示配
    列を有し、前記光の角度変換パネルに彫られる溝の方向
    と、いずれかのストライプ電極により形成される画素の
    方向とが同じである事を特徴とする有機エレクトロルミ
    ネッセンス表示装置。
  14. 【請求項14】請求項1〜12いずれか1記載の有機エ
    レクトロルミネッセンス素子を用いて、前記陽極、ある
    いは、前記陰極のいずれかが、個々電気的に画素毎に分
    離されて構成されて、前記分離された電極は、少なくと
    も1つ以上のスイッチング素子を介して走査されること
    で、画像表示配列を有す画像表示配列を有し、前記光の
    角度変換パネルに彫られる溝の方向と、画素の方向とが
    同じである事を特徴とする事を特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス表示装置。
  15. 【請求項15】前記V字形溝の方向は、前記各画素が形
    成する列、あるいは、行の方向と等しいことを特徴とす
    る請求項13,14いずれか1記載の有機エレクトロル
    ミネッセンス表示装置。
  16. 【請求項16】前記V字形溝の各方向のピッチは、前記
    各画素に対応する前記発光部の各方向のピッチと略等し
    く、前記略V字形の溝の中心は、前記各画素の中心を結
    ぶ略中間点にあることを特徴とする請求項13〜15い
    ずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装
    置。
  17. 【請求項17】前記V字形溝の各方向のピッチは、前記
    各画素に対応する前記発光部の各方向のピッチよりも小
    さいことを特徴とする請求項13〜15いずれか1記載
    の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  18. 【請求項18】前記V字形溝により形成される凸面の面
    積は、前記画素内の発光層の面積よりも小さいことを特
    徴とする請求項13〜17いずれか1記載の有機エレク
    トロルミネッセンス表示装置。
  19. 【請求項19】前記発光層から前記V字形溝により形成
    される凸面までの距離は、前記画素の1辺の長さよりも
    小さいことを特徴とする請求項13〜18いずれか1記
    載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  20. 【請求項20】前記光の角度変換パネルは、1つ以上の
    前記画素毎に分断されてなることを特徴とする請求項1
    3〜19いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセン
    ス表示装置。
  21. 【請求項21】音声を音声信号に変換する音声信号変換
    手段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表示や
    電話番号等を表示する表示手段と、音声信号を送信信号
    に変換する通信手段と、受信信号を音声信号に変換する
    受信手段と、前記送信信号及び前記受信信号を送受信す
    るアンテナと、各部を制御する制御手段を備えた携帯端
    末であって、前記表示手段が請求項13〜20いずれか
    1記載の表示装置から構成された事を特徴とする携帯端
    末。
  22. 【請求項22】2つの電極間に、発光領域を有する発光
    層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であっ
    て、前記一方の電極側に基板を備え、前記他方の電極側
    に光の角度変換パネルを備えたことを特徴とする有機エ
    レクトロルミネッセンス素子。
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