JP2016092256A - 面発光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】非発光領域をより目立ちにくくできる面発光モジュールを提供する。【解決手段】面光源10の発光面10Sは発光領域RAおよび非発光領域RBを含む。プリズムシート20の出射面24のうちの非発光領域RBに対応している部分を外側部29とすると、発光領域RAから放射され且つ発光面10Sの法線方向または外側部29に近づく方向に進行する光の配光において最大輝度を有する光線は、プリズムシート20に入射する時に突起22によって屈折され、屈折後の光線は、プリズムシート20に入射する前に比べてより外側部29に向かうように進行する。【選択図】図7
Description
本発明は、面光源を備えた面発光モジュールに関する。
近年、携帯電話やタブレット端末などが普及している。図27および図28に示すように、一般的なタブレット端末50は、筺体51および複数の表示部52,53を備える。タブレット端末50の厚みTは、たとえば7mm以下である。表示部52,53以外の領域の幅W(図27)をできるだけ小さくしたいという要望があり、タブレット端末50に内蔵されるバックライトや照明は、筺体51の端部に近い部分まで発光可能であることが要求される。
携帯電話やタブレット端末などのバックライトとして、面光源を用いることが検討されている。面光源においては発光面の略全体が発光する。面光源を備えた面発光モジュールは、バックライトだけでなく、照明分野にも適用できる。面光源の一例としては、有機ELが知られている。有機ELは、薄型の面光源であり可撓性を有しているため、新しい光源として期待されている。
有機ELなどの面光源においては、水分および酸素から発光部分(発光層または発光素子など)を保護するため、発光部分の周囲に封止を行なうのが一般的である。封止部は、発光部分を覆うように設けられるため、発光部分よりも広い面積を有している。このため、面光源のうちの光を出射する面(発光面)には、光を実際に放射する発光領域だけでなく、光をほとんどまたは全く放射しない非発光領域が形成される。タブレット端末などにおいては、この非発光領域の幅をできるだけ小さくすることが求められる。
特開2013−145723号公報(特許文献1)に開示された照明装置は、LED発光部の投光側に透光拡散板を離間して設けることで、LEDの光による眩しさを軽減している。特開2006−059542(特許文献2)に開示されたELデバイスは、透明基板の発光面に設けられた凹凸部と、凹凸部の外側に配置されたプリズムシートとを備え、発光面から出射した光を発光面の法線方向に偏向させている。プリズムシートは、光の屈折の作用を利用して特定方向についての輝度を向上させるシート状の光学素子であり、レンズシートやBEF(Brightness Enhancement Film)とも称される。
面光源においては、発光領域から放射された光を非発光領域に回すことで、あたかも非発光領域から光が放射されているかのような擬似的な視覚効果が得られ、非発光領域の存在が目立ちにくくなる。本発明は、面光源およびプリズムシートを備えた面発光モジュールにおいて、非発光領域を従来に比して目立ちにくくすることを目的とする。
本発明の第1局面に基づく面発光モジュールは、発光面を有する面光源と、入射面および出射面を有し、上記入射面に突起が形成され、上記突起が上記発光面に対向するように配置されたプリズムシートと、上記プリズムシートの上記出射面に設けられた光拡散部と、を備え、上記発光面は、発光領域と、上記発光領域の周囲に形成された非発光領域とを含み、上記プリズムシートの上記出射面のうちの上記非発光領域に対応している部分を外側部とすると、上記発光領域から放射され且つ上記発光面の法線方向または上記外側部に近づく方向に進行する光の配光において最大輝度を有する光線は、上記プリズムシートに入射する時に上記突起によって屈折され、屈折後の上記光線は、上記プリズムシートに入射する前に比べてより上記外側部に向かうように進行する。
本発明の第2局面に基づく面発光モジュールは、各々が発光面を有し、各々の上記発光面が隣り合うように面状に配置された複数の面光源と、入射面および出射面を有し、上記入射面に突起が形成され、上記突起が複数の上記発光面に対向するように配置されたプリズムシートと、上記プリズムシートの上記出射面に設けられた光拡散部と、を備え、複数の上記発光面の各々は、発光領域と、上記発光領域の周囲に形成された非発光領域とを含み、上記プリズムシートの上記出射面のうちの上記非発光領域に対応している部分を外側部とすると、上記発光領域から放射され且つ上記発光面の法線方向または上記外側部に近づく方向に進行する光の配光において最大輝度を有する光線は、上記プリズムシートに入射する時に上記突起によって屈折され、屈折後の上記光線は、上記プリズムシートに入射する前に比べてより上記外側部に向かうように進行する。
好ましくは、上記プリズムシートの上記突起は、直線状に延びる形状を有しており、上記突起が延びている方向に対して直交する方向と、上記発光面の法線方向とから形成される仮想断面における上記突起の断面形状を見た場合、上記突起は、上記面光源から遠くなるにしたがって幅が広くなる形状を有している。
好ましくは、上記発光面の法線方向の角度を0度とした場合、上記発光領域から放射され且つ上記外側部に近づく方向に進行している光の配光において最大輝度を有する上記光線は、上記発光面の法線方向に対して角度Aをなして進行しており、上記プリズムシートの上記突起により屈折され、屈折後に上記外側部に向かって進行している際の上記光線は、上記発光面の法線方向に対して角度Bをなして進行しており、角度Aおよび角度Bは、角度B>角度Aの関係を具備している。
好ましくは、上記発光面の法線方向の角度を0度とした場合、上記発光領域から放射され且つ上記外側部に近づく方向に進行している光の配光において最大輝度を有する上記光線は、上記発光面の法線方向に対して角度Aをなして進行しており、上記突起の表面のうちの角度Aをなして進行している上記光線が入射する表面を基準入射面とすると、上記発光面の法線方向に直交する平面に対して上記基準入射面がなしている角度θと角度Aとは、|角度θ|>角度Aの関係を具備している。
好ましくは、上記面光源は、少なくとも異なる2波長の可視光を発光し、上記2波長の可視光を発光する上記発光面には、他の光拡散部が設けられている。
本発明によれば、面光源およびプリズムシートを備えた面発光モジュールにおいて、非発光領域を従来に比して目立ちにくくすることができる。
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態]
(面発光モジュール100)
図1〜図7を参照して、実施の形態における面発光モジュール100について説明する。図1は、面発光モジュール100を示す底面図であり、図2中の矢印I方向から見た面発光モジュール100に相当している。図2は、図1中のII−II線に沿った矢視断面図である。図1および図2に示すように、面発光モジュール100は、面光源10(図2)およびプリズムシート20を備える。以下、面光源10およびプリズムシート20について順に詳述する。
(面発光モジュール100)
図1〜図7を参照して、実施の形態における面発光モジュール100について説明する。図1は、面発光モジュール100を示す底面図であり、図2中の矢印I方向から見た面発光モジュール100に相当している。図2は、図1中のII−II線に沿った矢視断面図である。図1および図2に示すように、面発光モジュール100は、面光源10(図2)およびプリズムシート20を備える。以下、面光源10およびプリズムシート20について順に詳述する。
(面光源10)
図3は、面光源10を示す断面図である。図4は、面光源10を示す平面図であり、図3中の矢印IV方向から見た面光源10に相当している。図5は、面光源10を示す底面図であり、図3中の矢印V方向から見た面光源10に相当している。便宜上のため、図2中においては面光源10を模式的に図示している。
図3は、面光源10を示す断面図である。図4は、面光源10を示す平面図であり、図3中の矢印IV方向から見た面光源10に相当している。図5は、面光源10を示す底面図であり、図3中の矢印V方向から見た面光源10に相当している。便宜上のため、図2中においては面光源10を模式的に図示している。
図2〜図5(主として図3)に示すように、面光源10は、透明基板11、陽極12、発光層13、陰極14、封止部材15および絶縁層16を含む。透明基板11は、ガラス、薄膜ガラス、または樹脂フィルムなどから構成される。透明基板11は、面光源10の発光面10S(図5参照)を形成する部材である。透明基板11の厚みThは、たとえば0.3mmである。
陽極12(図2に図示せず)は、透明性を有する導電膜である。陽極12は、たとえば透明基板11上にITOが成膜されることで形成される。陽極12を形成するためのITO膜は、電極取出部17(陽極用)および電極取出部18(陰極用)を形成するために、パターニングによって2つの領域に分割されている。電極取出部18のITO膜は、陰極14と接続される。
発光層13は、電力を供給されることによって光を生成する。発光層13は、単一または複数の層が積層されることによって構成される。陰極14(図2に図示せず)は、たとえばアルミニウム(AL)であり、発光層13を覆うように形成される。絶縁層16は、陰極14と陽極12との間に設けられる。陰極14のうち、絶縁層16が位置している側とは反対側の部分は、電極取出部18に接続される。
封止部材15は、ガラス、薄膜ガラス、または樹脂フィルムなどから構成される。封止部材15は、陽極12、発光層13、および陰極14の全体を透明基板11上に封止する。電極取出部17,18は、電気的な接続のために、封止部材15から露出している。電極取出部17,18は、図示しない配線部材を通して外部電源に電気的に接続される。
(発光領域RAおよび非発光領域RB)
図3を参照して、以上のように構成される面光源10においては、図示しない配線部材、電極取出部17,18、陽極12(透明電極)および陰極14を通して発光層13へ給電される。発光層13の中で光が生成され、光の一部はそのまま陽極12および透明基板11を通過して発光面10Sから取り出され、光の他の一部は陰極14で反射したのちに陽極12および透明基板11を通過して発光面10Sから取り出される。
図3を参照して、以上のように構成される面光源10においては、図示しない配線部材、電極取出部17,18、陽極12(透明電極)および陰極14を通して発光層13へ給電される。発光層13の中で光が生成され、光の一部はそのまま陽極12および透明基板11を通過して発光面10Sから取り出され、光の他の一部は陰極14で反射したのちに陽極12および透明基板11を通過して発光面10Sから取り出される。
面光源10においては、発光面10Sの一部(発光領域RA)が発光する(図3中の白色矢印参照)。面光源10の発光面10Sは、発光領域RA(図3,図5)および非発光領域RBを含んでおり、発光領域RAが主として光を放射する。発光領域RAの周囲に形成される非発光領域RB(図5参照)は、光をほとんどまたは全く放射しない。本実施の形態では、封止部材15および電極取出部17,18を面光源10に設けたことによって、非発光領域RBが発光領域RAの周囲を囲うように形成されている。
図5を参照して、発光領域RAと非発光領域RBとは、図5中の一点鎖線で示す境界線によって区画される。本実施の形態の境界線は、点P1,P2,Q1,Q2を4つの頂点とする矩形状の形状を成しており、この境界線の内側に矩形状の発光領域RAが位置し、この境界線の外側に環状の非発光領域RBが位置している。図2に示すように、面発光モジュール100を断面視した場合には、発光領域RAの幅LAはたとえば3.5mmであり、非発光領域RBの幅LBはたとえば1.5mmである。
(プリズムシート20)
図1および図2を再び参照して、面発光モジュール100に備えられるプリズムシート20(BEFともいう)は、光透過性を有し、たとえば樹脂から形成される。プリズムシート20の全体の厚みTT(図2)は、たとえば0.5mm〜1.0mmである。プリズムシート20は、基材部21(図2)と、複数の突起22(図2)とを含んでいる。基材部21は、薄いシート状の形状を有しており、その厚みGtはたとえば0.17mm〜0.67mmである。
図1および図2を再び参照して、面発光モジュール100に備えられるプリズムシート20(BEFともいう)は、光透過性を有し、たとえば樹脂から形成される。プリズムシート20の全体の厚みTT(図2)は、たとえば0.5mm〜1.0mmである。プリズムシート20は、基材部21(図2)と、複数の突起22(図2)とを含んでいる。基材部21は、薄いシート状の形状を有しており、その厚みGtはたとえば0.17mm〜0.67mmである。
図6は、プリズムシート20の突起22の近傍を拡大して示す断面図である。突起22は、基材部21の表面(出射面24とは反対側の面)に形成されており、直線状に延びる形状を有している。突起22が延びている方向に対して直交する方向と、発光面10Sの法線方向とから形成される仮想断面における突起22の断面形状を見た場合、突起22は、面光源10から遠くなるにしたがって幅が広くなる形状を有している。
一例を挙げると、突起22の断面形状は二等辺三角形であり、その頂角γは90°である。隣り合う突起22同士の間隔Ptは、たとえば0.05mmである。間隔Ptの値は、突起22の底辺の長さに等しいため、突起22の高さHt(mm)は、突起22の表面の傾斜角度をθとすると、Ht=0.025×tanθの式により算出できる。ここでいう傾斜角度θとは、発光面10S(図2)の法線方向に対して直交する平面を基準とした角度である。角度θが45°であるとき、突起22の高さHtは0.025mmである。
突起22の表面は、発光面10Sから放射された光が入射する入射面23(図2も参照)として機能する。すなわち、プリズムシート20は、入射面23(突起22)が面光源10の発光面10Sに対向するように配置されている。プリズムシート20は、発光面10Sから離れた位置に配置されていてもよいし、突起22が発光面10Sに接触する位置に配置されていてもよい。プリズムシート20を発光面10Sから離れた位置に配置する場合には、プリズムシート20の基材部21と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7)は、たとえば0.03mmである。基材部21は、入射面23から入射した光を放射する出射面24を有している。出射面24は、平坦な面形状を有している。
図1においては、面光源10の発光領域RAと非発光領域RBとを区画している境界線の出射面24の側から見た様子を、一点鎖線を用いて透過的に図示している。さらに、図1においては、突起22の出射面24の側から見た様子を、点線(破線)を用いて透過的に図示している。上述の通り、面光源10の発光領域RAは、矩形状の形状を成している。
図1に示すように、プリズムシート20は、発光領域RAの全部を覆うことが可能なだけの大きさを有しており、本実施の形態のプリズムシート20は、発光面10Sの略全部を覆うように設けられている。図1に示すようにプリズムシート20を平面的に見た場合、発光領域RAと非発光領域RBとを区画する境界線(RA1)に対して、複数の突起22は直交するように延びている。発光領域RAと非発光領域RBとを区画する境界線(RA2)に対して、複数の突起22は平行に延びている。
図2を参照して、ここで、プリズムシート20の出射面24は、非発光領域RBに対応する位置に外側部29を有している。外側部29を発光面10Sに向かって発光面10Sの法線方向に投影した場合、その投影像は非発光領域RBに重なる。外側部29は、出射面24のうちの、図1中の一点鎖線(発光領域RAと非発光領域RBとを区画する境界線)の外側に位置する部分である。
(光拡散部31)
図2に示すように、プリズムシート20の出射面24には、光拡散部31が設けられている。光拡散部31の厚みKtは、たとえば0.1mmである。光拡散部31は、内部に微粒子を含むことで内部散乱作用を利用して光を拡散するものや、部材表面に凹凸を有することで界面反射作用や界面屈折作用を利用して光を拡散するもの等が利用可能である。光拡散部31は、プリズムシート20とは別体として作製された後にプリズムシート20に接合された部位(たとえば拡散シート)であってもよいし、プリズムシート20の一部としてプリズムシート20と一体的に作製された部位(荒らし加工によって形成できる部位)であってもよい。
図2に示すように、プリズムシート20の出射面24には、光拡散部31が設けられている。光拡散部31の厚みKtは、たとえば0.1mmである。光拡散部31は、内部に微粒子を含むことで内部散乱作用を利用して光を拡散するものや、部材表面に凹凸を有することで界面反射作用や界面屈折作用を利用して光を拡散するもの等が利用可能である。光拡散部31は、プリズムシート20とは別体として作製された後にプリズムシート20に接合された部位(たとえば拡散シート)であってもよいし、プリズムシート20の一部としてプリズムシート20と一体的に作製された部位(荒らし加工によって形成できる部位)であってもよい。
図7は、面発光モジュール100の一部を拡大して示す断面図である。上述の通り、面発光モジュール100においては、発光層13で生成された光は透明基板11を通過したのちに発光面10Sの発光領域RAから放射される。発光領域RAから放射された光には、発光面10Sの法線方向に進行する光と、プリズムシート20の外側部29に近づく方向に進行する光とが含まれる。
外側部29に近づく方向に進行する光とは、図7に示すように面発光モジュール100を断面視したとすると、発光面10Sの法線方向に対して傾斜した方向に進行する光であって、かつ、発光面10Sのうちの放射された位置(点P)から外側部29に近づく方向に進行する光(図7の場合には点線で示す法線方向よりも紙面右側に進行する)光の全てのことを言う。発光面10Sの法線方向または外側部29に近づく方向に進行する光の配光においては、このような光の中でも最大の輝度を有する光線が含まれる。
発光面10Sの法線方向または外側部29に近づく方向に進行する光の配光において最大輝度を有する光線は、プリズムシート20に入射する時に突起22の表面22aによって屈折される。突起22の表面22aとは、突起22の2つの表面22a,22bのうちの発光領域RAに近い方の表面である。屈折後の光線は、プリズムシート20に入射する前に比べてより外側部29に向かうように進行する。
[作用および効果]
以上のような構成を有する面発光モジュール100によれば、プリズムシート20の出射面24においては、発光領域が発光領域RAに対応する部分よりも拡大しており、面光源10を単独で用いる場合に比べて広い光の放射範囲が得られる。より具体的に説明すると、発光面10Sの法線方向または外側部29に近づく方向に進行する光の配光において最大輝度を有する光線は、プリズムシート20の表面22aの屈折作用を受けて、プリズムシート20の出射面24のうちの非発光領域RBに対応する部分(外側部29)にまで進行し、そののち光拡散部31を通過して放射される。
以上のような構成を有する面発光モジュール100によれば、プリズムシート20の出射面24においては、発光領域が発光領域RAに対応する部分よりも拡大しており、面光源10を単独で用いる場合に比べて広い光の放射範囲が得られる。より具体的に説明すると、発光面10Sの法線方向または外側部29に近づく方向に進行する光の配光において最大輝度を有する光線は、プリズムシート20の表面22aの屈折作用を受けて、プリズムシート20の出射面24のうちの非発光領域RBに対応する部分(外側部29)にまで進行し、そののち光拡散部31を通過して放射される。
すなわち、発光面10Sから放射されたこれらの光の配光において最大輝度を有する光線は、プリズムシート20によって外周方向に偏向される。さらに、光は光拡散部31を通過する際に拡散される。面発光モジュール100を正面から見た場合には、あたかも非発光領域RBから光が放射されているような、言い換えれば光源が広がったような擬似的な視覚効果が得られ、発光面10S上における非発光領域RBの存在が目立ちにくくなる。光拡散部31の光拡散効果によって、あたかも光拡散部31の全体が発光しているように見え、輝度ムラを低減できるという効果も得られる。
以上のような特徴には、好ましくは次のような特徴を付加することもできる。すなわち、発光面10Sの法線方向の角度を0度とした場合には、発光領域RAから放射され且つ外側部29に近づく方向に進行している光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して角度A(図7)をなして進行する(角度A>0)。発光面10Sの法線方向に対して角度Aをなして進行する光は、プリズムシート20の突起22により屈折される。屈折後に外側部29に向かって進行している際の光線は、発光面10Sの法線方向に対して角度B(図7)をなして進行する。角度Aおよび角度Bは、角度B>角度Aの関係を具備している。このような特徴によっても、外側部29に近づく方向に進行する光の配光において最大輝度を有する光線は、プリズムシート20に入射する時に突起22の表面22aによって屈折され、結果として、発光面10S上における非発光領域RBの存在が目立ちにくくなる。なお角度Aがゼロの場合には、発光領域RAから放射された光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して平行に進行する(角度A=0)。この場合であっても、光がプリズムシート20に入射する時に突起22の表面22aによって屈折される。屈折後の光線は、プリズムシート20に入射する前に比べてより外側部29に向かうように進行する。
以上のような特徴には、好ましくは次のような特徴を付加することもできる。すなわち、発光面10Sの法線方向の角度を0度とした場合には、発光領域RAから放射され且つ外側部29に近づく方向に進行している光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して角度A(図7)をなして進行する。突起22の表面のうちの角度Aをなして進行している光線が入射する表面22aを基準入射面とすると、発光面10Sの法線方向に直交する平面に対して基準入射面(表面22a)がなしている角度θと角度Aとは、|角度θ|>角度Aの関係を具備している。このような特徴によっても、外側部29に近づく方向に進行する光の配光において最大輝度を有する光線は、プリズムシート20に入射する時に突起22の表面22aによって屈折され、結果として、発光面10S上における非発光領域RBの存在が目立ちにくくなる。角度θの値を最適化するによって、非発光領域RBの存在がより目立ちにくくなるようにするとよい。
[実験例]
図8〜図21を参照して、上述の実施の形態に関して行なった実験例について説明する。当該実験例は、上述の実施の形態に基づく複数の実施例と、上述の実施の形態に基づかない複数の比較例とを含む。各実施例と各比較例との相違点は、主として、各実施例では複数種類のプリズムシート20を使用し(詳細は後述する)、各比較例ではプリズムシート20の基材部21に相当する部分のみを有するシート状の光学部材を使用した点である(図9参照)。図9は、各比較例で用いられた面発光モジュールの基本構成を示している。
図8〜図21を参照して、上述の実施の形態に関して行なった実験例について説明する。当該実験例は、上述の実施の形態に基づく複数の実施例と、上述の実施の形態に基づかない複数の比較例とを含む。各実施例と各比較例との相違点は、主として、各実施例では複数種類のプリズムシート20を使用し(詳細は後述する)、各比較例ではプリズムシート20の基材部21に相当する部分のみを有するシート状の光学部材を使用した点である(図9参照)。図9は、各比較例で用いられた面発光モジュールの基本構成を示している。
各実施例および各比較例で共通する構成は次の通りである。各実施例および各比較例で用いた面光源10においては、透明基板11の厚みTh(図3参照)を0.03mmに設定し、発光層13の裏面を反射電極(陰極14)から構成し、その反射率は70%に設定した。面光源10の透明基板11、各実施例で用いたプリズムシート20、および各比較例で用いた基材部21に相当する部材は、いずれもPMMAから構成され、屈折率nは1.49に設定した。発光領域RAの幅LA(図2参照)は3.5mmに設定し、非発光領域RBの幅LB(図2参照)は1.5mmに設定した。各実施例で用いたプリズムシート20の出射面24に設けた光拡散部31、および各比較例で用いた基材部21に相当する部材の出射面24に設けた光拡散部31は、全光線透過率は50%に設定し、全光線反射率は45%に設定し、吸収率は5%に設定し、haze値は99%に設定し、厚みKtを0.1mmに設定した。
各実施例で用いたプリズムシート20は、基材部21の表面において一方向に直線状に延びる複数の突起22を有しており、隣り合う突起22の間に形成される間隔Pt(図6参照)は0.05mmに設定した。実施の形態の説明で述べたように、突起22の表面の傾斜角度をθとすると、Ht=0.025×tanθの式により算出できる。ここでいう傾斜角度θとは、発光面10S(図2)の法線方向に対して直交する平面を基準とした角度である。
(比較例Aa,Ab,Ac)
図8および図9を参照して、比較例Aa,Ab,Acにおいては、発光領域RAから放射される光の波長を550nmに設定し、発光領域RA内における垂直面内での配光分布をランバーシャン分布に設定した(図10参照)。比較例Aa,Ab,Acにおいては、発光領域RAから放射された光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して0度の角度Aをなして進行するものとした。基材部21の入射面23と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7も参照)は、0.03mmに設定した。
図8および図9を参照して、比較例Aa,Ab,Acにおいては、発光領域RAから放射される光の波長を550nmに設定し、発光領域RA内における垂直面内での配光分布をランバーシャン分布に設定した(図10参照)。比較例Aa,Ab,Acにおいては、発光領域RAから放射された光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して0度の角度Aをなして進行するものとした。基材部21の入射面23と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7も参照)は、0.03mmに設定した。
基材部21に対応する部材の厚みGtは、比較例Aaでは0.17mmに設定し、比較例Abでは0.42mmに設定し、比較例Acでは0.67mmに設定した。光拡散部31から放射された光の正面輝度プロファイルを測定したところ、図11に示すような結果が得られた。図中の縦軸で示される規格化輝度とは、発光面10Sの中央(0mmとして示される位置)の輝度を、1.0として規格化した値(相対値)を示している。この結果と、後述する各実施例の結果とを比較することによって、光源幅がどの程度広がって見えるかを把握することができる。
(実施例1a,1b,1c)
図8を参照して、実施例1a,1b,1cにおいては、比較例Aa等の場合と同様に、発光領域RAから放射される光の波長を550nmに設定し、発光領域RA内における垂直面内での配光分布をランバーシャン分布に設定した(図10参照)。したがって実施例1a,1b,1cにおいては、発光領域RAから放射された光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して0度の角度Aをなして進行するものとした。プリズムシート20の基材部21の入射面23と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7参照)は、0.03mmに設定した。突起22の頂角γは90°に設定し、傾斜角度θは45°に設定した。
図8を参照して、実施例1a,1b,1cにおいては、比較例Aa等の場合と同様に、発光領域RAから放射される光の波長を550nmに設定し、発光領域RA内における垂直面内での配光分布をランバーシャン分布に設定した(図10参照)。したがって実施例1a,1b,1cにおいては、発光領域RAから放射された光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して0度の角度Aをなして進行するものとした。プリズムシート20の基材部21の入射面23と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7参照)は、0.03mmに設定した。突起22の頂角γは90°に設定し、傾斜角度θは45°に設定した。
比較例Aa等の場合と同様に、基材部21に対応する部材の厚みGtは、実施例1aでは0.17mmに設定し、実施例1bでは0.42mmに設定し、実施例1cでは0.67mmに設定した。プリズムシート20の全体の厚みTT(図7参照)は、実施例1aでは0.5mmであり、実施例1bでは0.75mmであり、実施例1cでは1.00mmである。
光拡散部31から放射された光の正面輝度プロファイルを測定したところ、図12に示すような結果が得られた。図11と図12とを比較すると、実施例1a,1b,1cの構成によれば、比較例Aa,Ab,Acと同一の厚さを有していながらも、非発光領域RBに対応する部分の輝度が高くなっており、非発光領域RBの存在が目立ちにくくなっていることがわかる。非発光領域RBに対応する部分の輝度という観点に着目した場合には、実施例1c、実施例1b、実施例1aの順に優位であることから、この観点に着目した場合にはプリズムシート20の基材部21の厚みGtは厚い方が好ましい場合があると言える。
(実施例2a,2b,2c)
図8を参照して、実施例2a,2b,2cにおいては、発光領域RAから放射される光の波長を550nmに設定した。比較例Aa、実施例1a等の場合とは異なり、発光領域RA内における垂直面内での配光分布を図10中のET50(略ハート型)に示すようなものとした。これは、斜め方向により多くの光を配分した配光となっている。実施例2a,2b,2cにおいては、発光領域RAから放射された光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して45度の角度Aをなして進行するものとした。プリズムシート20の基材部21の入射面23と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7参照)は、0.03mmに設定した。突起22の頂角γは90°に設定し、傾斜角度θは45°に設定した。
図8を参照して、実施例2a,2b,2cにおいては、発光領域RAから放射される光の波長を550nmに設定した。比較例Aa、実施例1a等の場合とは異なり、発光領域RA内における垂直面内での配光分布を図10中のET50(略ハート型)に示すようなものとした。これは、斜め方向により多くの光を配分した配光となっている。実施例2a,2b,2cにおいては、発光領域RAから放射された光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して45度の角度Aをなして進行するものとした。プリズムシート20の基材部21の入射面23と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7参照)は、0.03mmに設定した。突起22の頂角γは90°に設定し、傾斜角度θは45°に設定した。
比較例Aa、実施例1a等の場合と同様に、基材部21に対応する部材の厚みGtは、実施例2aでは0.17mmに設定し、実施例2bでは0.42mmに設定し、実施例2cでは0.67mmに設定した。プリズムシート20の全体の厚みTT(図7参照)は、実施例2aでは0.5mmであり、実施例2bでは0.75mmであり、実施例2cでは1.00mmである。
光拡散部31から放射された光の正面輝度プロファイルを測定したところ、図13に示すような結果が得られた。図11と図13とを比較すると、実施例2a,2b,2cの構成によれば、比較例Aa,Ab,Acと同一の厚さを有していながらも、非発光領域RBに対応する部分の輝度が高くなっており、非発光領域RBの存在が目立ちにくくなっていることがわかる。非発光領域RBに対応する部分の輝度という観点に着目した場合には、実施例2c、実施例2b、実施例2aの順に優位であることから、この観点に着目した場合にはプリズムシート20の基材部21の厚みGtは厚い方が好ましい場合があると言える。
(実施例3a,3b,3c)
図8を参照して、実施例3a,3b,3cにおいては、比較例Aa、実施例1a等の場合と同様に、発光領域RAから放射される光の波長を550nmに設定し、発光領域RA内における垂直面内での配光分布をランバーシャン分布に設定した(図10参照)。実施例3a,3b,3cにおいては、発光領域RAから放射された光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して0度の角度Aをなして進行するものとした。プリズムシート20の基材部21の入射面23と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7参照)は、0.03mmに設定した。突起22の頂角γは80°に設定し、傾斜角度θは55°に設定した。
図8を参照して、実施例3a,3b,3cにおいては、比較例Aa、実施例1a等の場合と同様に、発光領域RAから放射される光の波長を550nmに設定し、発光領域RA内における垂直面内での配光分布をランバーシャン分布に設定した(図10参照)。実施例3a,3b,3cにおいては、発光領域RAから放射された光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対して0度の角度Aをなして進行するものとした。プリズムシート20の基材部21の入射面23と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7参照)は、0.03mmに設定した。突起22の頂角γは80°に設定し、傾斜角度θは55°に設定した。
比較例Aa、実施例1a,2a等の場合と同様に、基材部21に対応する部材の厚みGtは、実施例3aでは0.17mmに設定し、実施例3bでは0.42mmに設定し、実施例3cでは0.67mmに設定した。プリズムシート20の全体の厚みTT(図7参照)は、実施例3aでは0.5mmであり、実施例3bでは0.75mmであり、実施例3cでは1.00mmである。
光拡散部31から放射された光の正面輝度プロファイルを測定したところ、図14に示すような結果が得られた。図11と図14とを比較すると、実施例3a,3b,3cの構成によれば、比較例Aa,Ab,Acと同一の厚さを有していながらも、非発光領域RBに対応する部分の輝度が高くなっており、非発光領域RBの存在が目立ちにくくなっていることがわかる。非発光領域RBに対応する部分の輝度という観点に着目した場合には、実施例3c、実施例3b、実施例3aの順に優位であることから、この観点に着目した場合にはプリズムシート20の基材部21の厚みGtは厚い方が好ましい場合があると言える。
(実施例4a,4b,4c)
図15を参照して、実施例4a,4b,4cにおいては、R、G、B(600nm、550nm、450nm)の3つの異なる可視光を同じ領域から発光する面光源10を共通して使用した。図16に示すように、発光領域RA内におけるR、G、Bのそれぞれの垂直面内での配光分布は互いに異なっている。発光領域RAから放射されたR、G、Bのそれぞれの光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対してそれぞれ35度、40度、45度の角度Aをなして進行するものとした。プリズムシート20の基材部21の入射面23と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7参照)は、0.03mmに設定した。突起22の頂角γは90°に設定し、傾斜角度θは45°に設定した。さらに、図17に示すように、実施例4a,4b,4cでは、面光源10の発光面10Sに光拡散部32を設けた。
図15を参照して、実施例4a,4b,4cにおいては、R、G、B(600nm、550nm、450nm)の3つの異なる可視光を同じ領域から発光する面光源10を共通して使用した。図16に示すように、発光領域RA内におけるR、G、Bのそれぞれの垂直面内での配光分布は互いに異なっている。発光領域RAから放射されたR、G、Bのそれぞれの光の配光において最大輝度を有する光線は、発光面10Sの法線方向に対してそれぞれ35度、40度、45度の角度Aをなして進行するものとした。プリズムシート20の基材部21の入射面23と発光面10Sとの間の間隔Ce(図7参照)は、0.03mmに設定した。突起22の頂角γは90°に設定し、傾斜角度θは45°に設定した。さらに、図17に示すように、実施例4a,4b,4cでは、面光源10の発光面10Sに光拡散部32を設けた。
比較例Aa、実施例1a,2a,3a等の場合と同様に、基材部21に対応する部材の厚みGtは、実施例4aでは0.17mmに設定し、実施例4bでは0.42mmに設定し、実施例4cでは0.67mmに設定した。プリズムシート20の全体の厚みTT(図7参照)は、実施例4aでは0.5mmであり、実施例4bでは0.75mmであり、実施例4cでは1.00mmである。
光拡散部31から放射された光の正面輝度プロファイルを測定したところ、図18に示すような結果が得られた。図11と図18とを比較すると、実施例4a,4b,4cの構成によれば、比較例Aa,Ab,Acと同一の厚さを有していながらも、非発光領域RBに対応する部分の輝度が高くなっており、非発光領域RBの存在が目立ちにくくなっていることがわかる。
この結果に基づけば、発光面10Sが少なくとも異なる2波長の可視光を発光する場合には、2波長の可視光を発光する発光面10Sに光拡散部32(他の光拡散部)が設けられていることが有効であることがわかる。非発光領域RBに対応する部分の輝度という観点に着目した場合には、実施例4c、実施例4b、実施例4aの順に優位であることから、この観点に着目した場合にはプリズムシート20の基材部21の厚みGtは厚い方が好ましい場合があると言える。
本実施例で採用した光拡散部32(図17)ついては、内部に微粒子を含むことで内部散乱作用を利用して光を拡散するものや、部材表面に凹凸を有することで界面反射作用や界面屈折作用を利用して光を拡散するもの等が利用可能である。光拡散部32は、面光源10の透明基板11とは別体として作製された後に透明基板11に接合された部位(たとえば拡散シート)であってもよいし、透明基板11の一部として透明基板11と一体的に作製された部位(荒らし加工によって形成できる部位)であってもよい。
光拡散部32は、光拡散部32を通過する光を拡散させる。光拡散部32を通過する前の光と、光拡散部32を通過した後の光とを比較した場合、光拡散部32を通過した後の光の配光特性は、配光特性の角度ごとの光量差が小さくなるように変化する。光拡散部32を通過した光の配光特性はランバート分布に近づくため、配光の波長依存性が小さくなる。したがって、プリズムシート20の出射面24から光が放射される際、光源(発光領域)を拡大したことに起因する色味のずれが生じること(配光差が生じること)を抑えることが可能となる。
また、発光層13で生成された光の多くは、透明基板11の内部を通過したのちに光拡散部32の中に入射する。光拡散部32は、透明基板11から出射されない光成分を取り出すという、いわゆる光取り出し効果を発揮することもできる。光拡散部32が設けられていることによって、光取出効率が向上し、ひいては面発光モジュールの発光効率を向上させることが可能となる。
(比較例Acおよび実施例1c,2c,3c,4cの対比)
図19は、比較例Ac、実施例1c、実施例2c、実施例3cおよび実施例4cのそれぞれの場合について、光拡散部31から放射された光の正面輝度プロファイルを測定した結果を示している。これらを対比することにより、実施例1c、実施例2c、実施例3cおよび実施例4cの構成は、比較例Acと同一の厚さを有していながらも、非発光領域RBに対応する部分の輝度が高くなっており、光源幅のより広い輝度プロファイルが得られることがわかる。
図19は、比較例Ac、実施例1c、実施例2c、実施例3cおよび実施例4cのそれぞれの場合について、光拡散部31から放射された光の正面輝度プロファイルを測定した結果を示している。これらを対比することにより、実施例1c、実施例2c、実施例3cおよび実施例4cの構成は、比較例Acと同一の厚さを有していながらも、非発光領域RBに対応する部分の輝度が高くなっており、光源幅のより広い輝度プロファイルが得られることがわかる。
(実施例5および比較例B)
図20および図21を参照して、実施例5は、実施例1aの構成において、面光源10を2つ横方向に並べたものに相当している。2つの面光源10は、各々が発光面10Sを有し、各々の発光面10Sが隣り合うように面状に配置される。図21は、実施例5における面発光モジュールを示す断面図である。図21では、2つの面光源10を1つの面光源10として一体化した状態を図示している。発光領域RAの幅LAは3.5mmに設定し、非発光領域RBの幅LBは1.5mmに設定し、中央に位置する非発光領域RBの幅LCは3.0mmに設定した。
図20および図21を参照して、実施例5は、実施例1aの構成において、面光源10を2つ横方向に並べたものに相当している。2つの面光源10は、各々が発光面10Sを有し、各々の発光面10Sが隣り合うように面状に配置される。図21は、実施例5における面発光モジュールを示す断面図である。図21では、2つの面光源10を1つの面光源10として一体化した状態を図示している。発光領域RAの幅LAは3.5mmに設定し、非発光領域RBの幅LBは1.5mmに設定し、中央に位置する非発光領域RBの幅LCは3.0mmに設定した。
プリズムシート20(図21)は、発光面10Sの全部(2つの面光源10の発光面10Sに相当する領域の全部)を覆う大きさを有しており、プリズムシート20のうちの基材部21に対応する部分の厚みGtは2.47mmに設定した。プリズムシート20の全体の厚みTTは、2.8mmに設定した。プリズムシート20は、基材部21の表面において一方向に直線状に延びる複数の突起22を有しており、隣り合う突起22の間に形成される間隔Pt(図6参照)は0.05mmに設定した。突起22の断面形状は二等辺三角形であり、その頂角γは90°に設定した(直角二等辺三角形)。
一方で、比較例Bは、実施例5の構成においてプリズムシート20が突起22を有していないという点で実施例5と相違しており、その他の点については共通している。光拡散部31から放射された光の正面輝度プロファイルを測定したところ、図22に示すような結果が得られた。実施例5と比較例Bとを比較すると、実施例5の構成によれば、比較例2と同一の厚さを有していながらも、非発光領域RBに対応する部分(隣り合う発光領域RAの間に位置する非発光領域の部分も含む)の輝度が高くなっており、非発光領域RBの存在が目立ちにくくなっていることがわかる。
[他の構成]
上記の実施の形態および各実施例においては、プリズムシート20の突起22が延びている方向に対して直交する方向と、発光面10Sの法線方向とから形成される仮想断面における突起22の断面形状を見た場合、突起22は、面光源10から遠くなるにしたがって幅が広くなる形状を有している。一例としては、突起22の断面形状は直角二等辺三角形が挙げられる。このような形状は、成形などによって容易に得られる。
上記の実施の形態および各実施例においては、プリズムシート20の突起22が延びている方向に対して直交する方向と、発光面10Sの法線方向とから形成される仮想断面における突起22の断面形状を見た場合、突起22は、面光源10から遠くなるにしたがって幅が広くなる形状を有している。一例としては、突起22の断面形状は直角二等辺三角形が挙げられる。このような形状は、成形などによって容易に得られる。
図23に示すように、突起22の断面形状は、直角二等辺三角形以外の二等辺三角形や、正三角形であってもよい。上記で開示した効果を奏する範囲内であれば、任意の多角形状を採用することができる。
図24に示すように、突起22の断面形状は、台形状であってもよい。図24に示す台形も、プリズムシート20の突起22が延びている方向に対して直交する方向と、発光面10Sの法線方向とから形成される仮想断面における突起22の断面形状を見た場合、突起22は、面光源10から遠くなるにしたがって幅が広くなる形状を有している。
図25および図26に示すように、ここでいう「面光源10から遠くなるにしたがって幅が広くなる形状」とは、直線状に幅が広くなる形状に限られず、円弧状に幅が広くなる形状であってもよい。円弧の湾曲の向きも、図25に示すような凹状に凹むような円弧形状を採用することも可能であるし、図26に示すような凸状に膨出するような円弧形状を採用することも可能である。
上記の各実施の形態で説明した面光源は、いわゆるボトムエミッション型の有機EL素子である。面光源としては、上記のものに限られず、トップエミッション型の有機EL素子であってもよい。面光源は、無機EL素子から構成されてもよいし、複数の発光ダイオード(LED)およびこれら複数の発光ダイオードの出射面側に配置された拡散板(導光板)とから構成されるものであってもよいし、冷陰極管等を用いて構成されるものであってもよい。
以上、実施の形態および実施例について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 面光源、10S 発光面、11 透明基板、12 陽極、13 発光層、14 陰極、15 封止部材、16 絶縁層、17,18 電極取出部、20 プリズムシート、21 基材部、22 突起、22a,22b 表面、23 入射面、24 出射面、29 外側部、31,32 光拡散部、50 タブレット端末、51 筺体、52,53 表示部、100 面発光モジュール、A,B 角度、Ce,Pt 間隔。
Claims (6)
- 発光面を有する面光源と、
入射面および出射面を有し、前記入射面に突起が形成され、前記突起が前記発光面に対向するように配置されたプリズムシートと、
前記プリズムシートの前記出射面に設けられた光拡散部と、を備え、
前記発光面は、発光領域と、前記発光領域の周囲に形成された非発光領域とを含み、
前記プリズムシートの前記出射面のうちの前記非発光領域に対応している部分を外側部とすると、前記発光領域から放射され且つ前記発光面の法線方向または前記外側部に近づく方向に進行する光の配光において最大輝度を有する光線は、前記プリズムシートに入射する時に前記突起によって屈折され、屈折後の前記光線は、前記プリズムシートに入射する前に比べてより前記外側部に向かうように進行する、
面発光モジュール。 - 各々が発光面を有し、各々の前記発光面が隣り合うように面状に配置された複数の面光源と、
入射面および出射面を有し、前記入射面に突起が形成され、前記突起が複数の前記発光面に対向するように配置されたプリズムシートと、
前記プリズムシートの前記出射面に設けられた光拡散部と、を備え、
複数の前記発光面の各々は、発光領域と、前記発光領域の周囲に形成された非発光領域とを含み、
前記プリズムシートの前記出射面のうちの前記非発光領域に対応している部分を外側部とすると、前記発光領域から放射され且つ前記発光面の法線方向または前記外側部に近づく方向に進行する光の配光において最大輝度を有する光線は、前記プリズムシートに入射する時に前記突起によって屈折され、屈折後の前記光線は、前記プリズムシートに入射する前に比べてより前記外側部に向かうように進行する、
面発光モジュール。 - 前記プリズムシートの前記突起は、直線状に延びる形状を有しており、
前記突起が延びている方向に対して直交する方向と、前記発光面の法線方向とから形成される仮想断面における前記突起の断面形状を見た場合、前記突起は、前記面光源から遠くなるにしたがって幅が広くなる形状を有している、
請求項1または2に記載の面発光モジュール。 - 前記発光面の法線方向の角度を0度とした場合、前記発光領域から放射され且つ前記外側部に近づく方向に進行している光の配光において最大輝度を有する前記光線は、前記発光面の法線方向に対して角度Aをなして進行しており、前記プリズムシートの前記突起により屈折され、屈折後に前記外側部に向かって進行している際の前記光線は、前記発光面の法線方向に対して角度Bをなして進行しており、
角度Aおよび角度Bは、角度B>角度Aの関係を具備している、
請求項1から3のいずれか1項に記載の面発光モジュール。 - 前記発光面の法線方向の角度を0度とした場合、前記発光領域から放射され且つ前記外側部に近づく方向に進行している光の配光において最大輝度を有する前記光線は、前記発光面の法線方向に対して角度Aをなして進行しており、
前記突起の表面のうちの角度Aをなして進行している前記光線が入射する表面を基準入射面とすると、前記発光面の法線方向に直交する平面に対して前記基準入射面がなしている角度θと角度Aとは、|角度θ|>角度Aの関係を具備している、
請求項1から4のいずれか1項に記載の面発光モジュール。 - 前記面光源は、少なくとも異なる2波長の可視光を発光し、
前記2波長の可視光を発光する前記発光面には、他の光拡散部が設けられている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の面発光モジュール。
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