JP2003346799A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池Info
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Abstract
時に連続的な電圧変化を示す非水電解質二次電池を提供
する。 【解決手段】 正極活物質を含む正極と、負極と、非水
電解質とからなる非水電解質二次電池において、前記正
極活物質が、LiCoO2と、LiMnO2と、一般式
LiFe1−xMxPO4(但し、0≦x≦0.13、
MはMg、Co、Ni、Mn、Znから選ばれる少なく
とも一種の金属)で表される化合物とを含有することを
特徴とする。これにより、当該非水電解質二次電池は、
過放電時において、負極集電体として用いられるCuの
電解液への溶出及び正極への析出を防止することができ
るため、過放電特性に優れる。また、約4Vから約2.
5Vまで、連続的に電池電圧が変化する放電特性を備え
る。
Description
池に関する。
応をすることのできる正極活物質を含む正極と、リチウ
ムイオンを可逆的に吸蔵・放出できる負極活物質を含む
負極と、非水溶媒や高分子固体電解質などを含む非水電
解質とからなるリチウムイオン二次電池などの非水電解
質二次電池は、高電圧、高エネルギー密度であることか
ら、携帯用無線電話、携帯用パソコン、携帯用ビデオカ
メラなど携帯用機器の電源として広く用いられている。
ルギー密度を有し、また、合成が容易であることから、
リチウムコバルト複合酸化物が既に実用化されている。
また、前記負極活物質としては、電極電位が卑であるこ
と、及び高エネルギー密度を有することから黒鉛などの
炭素材料が用いられている。
極活物質として使用した場合、負極集電体として使用さ
れる銅箔が過放電時に電解液中に溶出し、さらにはその
一部が正極に析出する結果、充放電特性が劣化するとい
う問題があった。この理由について、図4を用いて説明
する。図4は、LiCoO2を正極活物質として用い、
グラファイトを負極活物質として用いた非水電解質二次
電池における放電深度(D.O.D.、Depth o
f Discharge)と、電池電圧、正極単電位、
及び負極単電位との関係を示す図である。ここで、放電
深度(D.O.D.)は、完全放電状態を100、完全
充電状態を0とした時の放電状態を示す数値(%)とす
る。また、正極電位及び負極電位はそれぞれLi/Li
+に対する正極及び負極の電位を表し、電池電圧は前記
正極電位と前記負極電位との差から算出される。尚、本
発明において過放電とは放電終止電圧以下での放電状態
をいうものとし、本発明では電池電圧が2.0V以下の
領域での放電状態をいう。
+に対して3.5V以上という高い電位を有しているた
め、放電が進むに従い正極電位は緩やかに卑な方向に変
化する。一方負極電位は、過放電状態になって放電可能
なリチウムが負極中に少なくなると急激に貴な方向に変
化し、電池電圧が0Vになるまで、すなわち、正極電位
と一致する電位まで上昇する。この結果、負極電位がC
uの溶出し始める電位(3.45V vs.Li/Li
+)まで上昇してしまうため、負極集電体として使用さ
れる銅箔が電解液中に溶出してしまう。前記銅箔の溶出
により集電体の機能が失われるため、負極の放電容量が
不可逆的に減少するのである。さらに、正極電位が3.
45Vまで卑になると、先に溶出したCuの一部は正極
に析出し、正極表面がCuで覆われるため、正極の放電
容量も不可逆的に減少することになる。
備えられ、当該保護回路により電池電圧が管理されてい
るため、上記のような過放電に伴う放電容量の低下が生
じる可能性は低い。しかし近年、携帯機器の小型・軽量
化に伴って電源用電池に対しても更なる小型・軽量化が
望まれているところ、このような小型・軽量化の方策と
して、保護回路を備えない構造の非水電解質二次電池が
検討されており、この場合、過放電性能の向上は重要な
問題となる。
ため、リチウムコバルト複合酸化物に層状岩塩型単斜晶
構造のLiMnO2を添加する手法が考えられる。この
理由を図5を用いて説明する。図5は、LiCoO2と
LiMnO2との混合物を正極活物質として用いた非水
電解質二次電池における、放電深度(D.O.D.)
と、電池電圧、正極単電位、及び負極単電位との関係を
示す図である。Li/Li+に対するLiMnO2の単
極電位は2.7Vなので、放電が進行すると正極電位は
2.7V程度にまで低下する。したがって、電池が過放
電状態になって、放電可能なリチウムイオンが負極中に
少なくなり、負極電位が貴な電位に上昇しても、Cuが
溶出し始める電位(3.45V)にまで上昇することは
ない。このため、過放電時におけるCuの電解液への溶
出及び正極への析出を抑制できるので、電池の過放電性
能を向上させることができる。
状岩塩型単斜晶構造のLiMnO2との混合物を正極活
物質として使用した場合、図5にあるように、当該電池
は約3.7Vと約2.5Vとに平坦な領域を有する、不
連続な放電曲線を示す。電子機器の電源用電池にとっ
て、使用領域において電池電圧が不連続に変化すること
は、当該機器の動作を不安定にさせる虞があるので好ま
しくない。
であって、その目的は、優れた過放電性能を有し、充放
電時に連続的な電圧変化を示す非水電解質二次電池を提
供することにある。
目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、
正極活物質を含む正極と、炭素材料を含む負極と、非水
電解質とからなる非水電解質二次電池において、正極活
物質が、LiCoO2と、LiMnO2と、一般式Li
Fe1− xMxPO4(但し、0≦x≦0.13、Mは
Mg、Co、Ni、Mn、Znから選ばれる少なくとも
一種の金属)で表される化合物とを含有し、正極活物質
に対して、LiCoO2の割合が50重量%以上80重
量%以下であり、LiMnO2の割合が10重量%以上
30重量%以下であり、LiFe1−xMxPO4の割
合が10重量%以上30重量%以下であることを特徴と
する。
り、高電圧、高エネルギー密度を有する非水電解質二次
電池を得ることができる。
り、過放電時において、負極集電体であるCuの溶出を
抑制することができるので、過放電特性に優れた非水電
解質二次電池を得ることができる。
含むことにより、電圧が4Vから2.5Vまで連続的に
変化する非水電解質二次電池を得ることができる。この
理由を図3及び図6を用いて説明する。図3は、LiC
oO2と、LiMnO2と、LiFePO4との混合物
を正極活物質として使用した非水電解質二次電池の放電
曲線を示す図であり、図6は、LiCoO2と、LiF
ePO4との混合物を正極活物質として使用した非水電
解質二次電池電池の放電曲線を示す図である。図6に示
すように、Li/Li+に対するLiFePO4の単極
電位は3.4〜3.5Vであり、これはLiCoO2と
LiMnO2との中間に位置する。このため、LiCo
O2、LiMnO2、LiFePO4を正極活物質とし
て使用した非水電解質二次電池の放電曲線には、LiC
oO2に起因する約3.7Vの平坦部と、LiMnO2
に起因する約2.5Vの平坦部との間に、LiFePO
4に起因する3.3〜3.4Vの平坦部が存在すること
になる。この結果、図3に示すように、放電曲線が4V
から2.5Vまで連続的に変化するなだらかなものとな
るのである。
質の総量に対して10重量%以上30重量%以下が好ま
しい。
であると、過放電時にCuが電解液中に溶出してしま
う。これは、以下の理由によると考えられる。上述のよ
うに、負極集電体の銅箔溶出を防止するためには、過放
電時に正極の単極電位がCuの溶出電位よりも卑でなけ
ればならない。そのためには、過放電の前後において、
LiMnO2が正極活物質として機能していなければな
らない。放電時、リチウム遷移金属複合酸化物は、負極
から放出されたリチウムイオンがドープされることによ
り正極活物質として機能する。このとき、LiMnO2
の放電電位は上述のように約2.7Vと、LiCo
O2、LiFePO4と比べて低いので、放電時にリチ
ウムイオンがドープされる順番は、三者の中でLiMn
O2が最後となる。したがって、LiMnO2が正極活
物質として機能するためには、LiCoO2とLiFe
PO4とにリチウムイオンがドープされた後にもなお、
リチウムイオンが負極活物質中に残存している必要があ
る。一方、リチウムイオン二次電池においては、初回充
電時に負極活物質上における電解液とリチウムイオンと
の反応により、電気的に不活性な被膜が形成され、リチ
ウムイオンが消費されるとともに放電容量が不可逆的に
減少する。この被膜形成により初回の充放電効率は90
%〜92%となる。したがって、不可逆的な容量損失分
以上にLiMnO2を添加しておかないと、LiMnO
2にリチウムイオンがドープされる前にリチウムイオン
が尽きてしまうと考えられるのである。このような理由
から、LiMnO2の添加量は10重量%以上が好まし
い。
えると、放電電圧が低下するので好ましくない。
上80重量%以下が好ましい。50重量%未満である
と、放電容量が低下するので好ましくない。80重量%
を超えると、過放電時に正極単電位がCuの溶出電位ま
で低下しない結果、負極集電体のCuが溶出し、過放電
特性が低下するので好ましくない。
10重量%以上30重量%以下が好ましい。10重量%
未満であると、放電時の電池電圧が不連続になるので好
ましくない。30重量%を超えると、放電容量が低下す
るので好ましくない。
0≦x≦0.13)で表される化合物において、Mは、
Mg、Co、Ni、Mn、Znからなる群から選ばれる
少なくとも一種を用いることができる。
いて図面を参照しつつ説明する。
非水電解質二次電池1の概略断面図である。図1におい
て、1は角形非水電解質二次電池、2は電極群、3は正
極、4は負極、5はセパレータ、6は電池ケース、7は
電池蓋、8は安全弁、9は負極端子、10は正極リー
ド、11は負極リードである。
ニウム箔からなる集電体に正極合剤を塗布してなる正極
3と、銅箔からなる集電体に負極合剤を塗布してなる負
極4と、非水電解液(図示せず)とを電池ケース6に収
納してなるものである。
蓋7がレーザー溶接によって取り付けられ、負極端子9
は負極リード11を介して負極4と接続され、正極3は
正極リード10を介して電池ケース6と電気的に接続さ
れている。
ルト化合物とリチウム化合物との混合物を500℃〜1
000℃で焼成するなどの既知の方法により調製され
る。
コバルト、コバルト酸化物、炭酸コバルト、硝酸コバル
ト、塩化コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバルト、オキ
シ水酸化コバルトなどを例示することができる。これら
は単独で用いてもよく、また、組み合わせて用いてもよ
い。
チウム、硫酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、
ヨウ化リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、過酸
化リチウム、炭酸リチウム、蟻酸リチウム、酢酸リチウ
ム、安息香酸リチウム、クエン酸リチウム、シュウ酸リ
チウム、ピルビン酸リチウム、ステアリン酸リチウム、
酒石酸リチウムなどを例示することができる。これらは
単独で用いてもよく、また、組み合わせて用いてもよ
い。
のような種々の方法で製造することができる。一例とし
ては、マンガン化合物とリチウム化合物とを、目的の化
合物に合わせた比率で混合し、この混合物をペレットな
どにして、窒素気流中などで、400〜800℃の温度
で焼成する、固相反応を用いる製造方法がある。また、
別の例としては、リチウムを含むアルカリ性水溶液中に
マンガン化合物を加えて撹拌し、酸素を含む雰囲気下で
は200℃以下の温度で水を除去し、酸素を含まない雰
囲気下では200℃以上の温度で水を除去するという製
造方法がある。さらに、マンガン化合物とリチウム化合
物とアルカリ金属水酸化物とを含む水溶液を、130〜
300℃の温度で0.5時間〜14日間、好ましくは2
00から250℃の温度で1〜48時間、水熱処理する
という製造方法がある。
O3、MnO、MnO2など)、これら酸化物の水和
物、酸化水酸化物などが挙げられる。マンガン化合物と
しては3価の化合物が好ましい。これらは単独で用いて
もよく、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。
塩(水酸化リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウム、フ
ッ化リチウム、臭化リチウムなど)の無水物または水和
物を用いることができる。これらは単独で用いてもよ
く、また、2種以上を組み合わせて用いても良い。
リウム、水酸化ナトリウムなどを用いることができる。
これらは単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合
わせて用いても良い。
O4は、リチウム化合物、鉄化合物、金属種Mを含む化
合物、及び(NH4)2HPO4の混合物を、窒素雰囲
気下、300℃以上500℃以下で焼成し、さらに、同
じく窒素雰囲気下、600℃以上850℃以下で焼成す
ることにより製造される。
O、Fe(CH3CO2)2などが用いられる。これら
は単独で用いてもよく、また、組み合わせて用いてもよ
い。
チウム、硫酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、
ヨウ化リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、過酸
化リチウム、炭酸リチウム、蟻酸リチウム、酢酸リチウ
ム、安息香酸リチウム、クエン酸リチウム、シュウ酸リ
チウム、ピルビン酸リチウム、ステアリン酸リチウム、
酒石酸リチウムなどを例示することができる。これらは
単独で用いてもよく、また、組み合わせて用いてもよ
い。
のを例示することができる。Mg化合物としては、Mg
O等、Co化合物としては、Co3O4等、Ni化合物
としては、NiO等、Mn化合物としては、MnO
2等、Zn化合物としては、ZnO等を用いることがで
きる。これらは単独で用いてもよく、また、組み合わせ
て用いてもよい。
導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この
正極合剤を金属箔からなる正極集電体に塗布することに
より正極を製造することができる。
っても非金属であってもよい。金属の導電剤としては、
CuやNiなどの金属元素から構成される材料を挙げる
ことができる。また、非金属の導電剤としては、グラフ
ァイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッ
チェンブラックなどの炭素材料を挙げることができる。
解液に対して安定な材料であれば特にその種類は制限さ
れない。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、セル
ロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレ
ン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン−エ
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体および
その水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体およびその水素添加物、シンジオタクチッ
ク1,2−ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、プロピレン−α−オレフィン(炭素数2〜12)
共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリテトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体などを用いることができる。
どのアルカリ金属イオン伝導性を有する高分子組成物を
使用することもできる。そのようなイオン伝導性を有す
る高分子としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピ
レンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリエ
ーテルの架橋高分子化合物、ポリエピクロルヒドリン、
ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニリデンカーボネート、ポリアクリロニ
トリル等の高分子化合物にリチウム塩またはリチウムを
主体とするアルカリ金属塩を複合させた系、あるいはこ
れにプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
γ−ブチロラクトン等の高い誘電率を有する有機化合物
を配合した系を用いることができる。これらの材料は組
み合わせて使用してもよい。
b、Ti、Hf、Zr、Zn、W、Bi、およびこれら
の金属を含む合金などを例示することができる。これら
の金属は、電解液中での陽極酸化によって表面に不動態
皮膜を形成する。そのため、正極集電体と電解液との接
液部分において非水電解質が酸化分解するのを有効に防
止することができる。その結果、非水系二次電池のサイ
クル特性を有効に高めることができる。上記の金属のう
ち、Al、Ti、Taおよびこれらの金属を含む合金を
好ましく使用することができる。特にAlおよびその合
金は低密度であるために他の金属を用いた場合と比べて
正極集電体の質量を小さくすることができる。そのた
め、電池のエネルギー密度を向上させることができるの
で、特に好ましい。
集電体へ塗布する場合、公知の手段によって行うことが
できる。混合物がスラリー状である場合は、例えばドク
ターブレードなどを用いて集電体上に塗布することがで
きる。また、混合物がペースト状である場合は、例えば
ローラーコーティングなどによって集電体上に塗布する
ことができる。乾燥後、ホットロールプレスを施して、
正極活物質層の厚み、密度を調節することができる。
機物焼成体などの炭素材料を用いることができる。
安価であることから銅箔を使用するのが好ましい。
正極の製造方法と同様の方法により製造することができ
る。
上に電気的に不活性な被膜が形成されることに起因する
容量減少(以下、不可逆容量という)が発生する。通常
この不可逆容量は充電した電気量に対して8%〜10%
程度発生する。そのため、正極活物質の量は不可逆容量
の損失分を見越して決定される。上記観点から、正極活
物質の量は一般に、正極の放電可能な容量が、負極活物
質の理論容量に比して、70%以上100%以下とされ
る。70%未満であると、電池反応において使用されな
い負極活物質が増加するため、エネルギー密度が低下す
る。100%を超えると、充電時に負極の炭素中にリチ
ウムを吸蔵しきれなくなる結果、リチウムデンドライト
として析出する虞がある。ここで、正極の容量は所定充
電電圧において充電した時に放電可能な容量とする。
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチ
レンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラ
クトン、γ−バレロラクトン、酢酸メチル、プロピオン
酸メチル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒド
ロフラン、テトラヒドロピラン、ジメトキシエタン、ジ
メトキシメタン、リン酸エチレンメチル、リン酸エチル
エチレン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルなどを
使用することができる。これらの有機溶媒は、一種類だ
けを選択して使用してもよいし、二種類以上を組み合わ
せて用いてもよい。
O4、LiPF6、LiBF4等の無機リチウム塩や、
LiCF3SO3、LiN(CF3SO2 )2、Li
N(CF 3CF2SO2 )2、およびLiC(CF3
SO2 )3等の含フッ素有機リチウム塩等を挙げるこ
とができる。これらの溶質は、一種類だけを選択して使
用してもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよ
い。
状またはゲル状の電解質を用いることができる。このよ
うな電解質としては、無機固体電解質のほか、ポリエチ
レンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドまたはこれ
らの誘導体などが例示できる。
ン微多孔膜、ポリプロピレン微多孔膜、ポリエチレン不
織布、ポリプロピレン不織布などに電解液を含浸したも
のが使用できる。また、高分子固体電解質または高分子
固体電解質に電解液を含有させたゲル状電解質なども使
用できる。さらに、絶縁性の微多孔膜と高分子固体電解
質などを組み合わせて使用してもよい。そして、高分子
固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を使用する
場合、高分子中に含有させる電解液と、細孔中に含有さ
せる電解液とが異なっていてもよい。
する。なお、本発明は下記実施例により何ら限定される
ものではない。
とをモル比で3:2となるように混合し、空気中にて9
00℃、20時間焼成してLiCoO2を調製した。
1となるように混合し、窒素雰囲気中、450℃で20
時間焼成して、LiMnO2を調製した。
と、(NH4)2HPO4とを、モル比で1:2:2と
なるように混合し、この混合物をめのう乳鉢ですりつぶ
し、加圧してペレットとし、これを窒素雰囲気下、35
0℃にて8時間焼成し、その後、同じく窒素雰囲気下、
750℃にて24時間焼成することにより、LiFeP
O4を調製した。
70重量%と、LiMnO220重量%と、LiFeP
O410重量%とを混合して、正極活物質を調製した。
重量部と、導電剤のアセチレンブラック3重量部と、結
着剤のポリフッ化ビニリデン5重量部とを混合し、N−
メチル−2−ピロリドンを適宜加えて分散させ、スラリ
ーを調製した。このスラリーを、厚さが20μmのアル
ミ製の正極集電体の両面に均一に塗布、乾燥させた後、
ロールプレスで圧縮成形することにより正極4を作製し
た。
デン10重量部とを混合し、N−メチル−2−ピロリド
ンを適宜加えて分散させ、スラリーを調製した。このス
ラリーを厚さ10μmの銅製の負極集電体の両面に均一
に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成形するこ
とにより負極3を作製した。
性ポリエチレンフィルムを用いた。
ト(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを容積
比4:6で混合し、この溶液にLiPF6を1.0モル
/リットル溶解したものを用いた。
さ48mm、厚さ4.15mmの角形非水電解質二次電
池1を作製した。
LiCoO2、LiMnO2、及びLiFePO4の混
合比を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同
様にして角形非水電解質二次電池を作製した。
合成において、Li2CO3と、FeC2O4・2H2
Oと、(NH4)2HPO4と、MgOとをモル比で
1:1.8:2:0.2となるよう混合した以外は実施
例1と同様にして角形非水電解質二次電池を作製した。
o3O4(実施例5)、NiO(実施例6)、ZnO
(実施例7)、MnO2(実施例8)とした以外は実施
例4と同様にして角形非水電解質二次電池を作製した。
る、Feの組成比、金属種Mの種類、及び金属種Mの組
成比についてまとめた。
3の電池について、25℃において、1CmAの電流で
4.2Vまで充電し、4.2Vの定電圧で3時間充電し
た後、1CmAの電流で2.0Vまで放電したときの放
電容量(以下、初期放電容量と呼ぶ)を測定した。
CmAの電流で4.2Vまで充電し、4.2Vの定電圧
で3時間充電した後、1CmAの電流で電池電圧が0V
まで放電させた。実施例1、及び比較例1ないし3の放
電曲線を図2に示す。その後、0Vの定電圧で2日間放
置し、過放電を行った。放置後、1CmAで4.2Vま
で3時間定電流定電圧で再充電した後、1CmAで2.
0Vまで定電流放電を行い、放電容量(以下、回復容量
と呼ぶ)を測定した。この回復容量について、先の放電
試験で測定した初期放電容量に対する回復容量の割合
(以下、容量回復率と呼ぶ)を求め、表3にまとめた。
また、試験後の電池を解体して正極を観察し、負極集電
体のCuが正極上に析出しているかを観察し、これも表
3にまとめた。
電曲線を比較することにより、正極活物質に用いられる
リチウム化合物の種類により放電電圧がどのように変化
するかを検討する。
iMnO2との2成分系では、放電電圧が約3.6Vと
約2.5Vに平坦領域を有する不連続な放電曲線となっ
た。これは、Li/Li+に対してLiCoO2の電位
が約3.7Vであり、LiMnO2の電位が約2.7V
であるため、両者の電位差が約1.0Vであることに起
因する。これに対して、実施例1ないし3にあるよう
な、LiCoO2と、LiMnO2と、LiFePO4
との3成分系では、約3.6Vと、約3.3Vと、約
2.5Vに平坦領域を有する、4Vから2.5Vまで連
続的な放電曲線を示した。これは、以下の理由によると
考えられる。Li/Li+に対するLiFePO4の電
位は3.4〜3.5Vと、LiCoO2とLiMnO2
との中間に位置する。このため、LiCoO2に起因す
る約3.7Vの平坦部と、LiMnO 2に起因する約
2.5Vの平坦部との間に、LiFePO4に起因する
約3.3Vの平坦部が存在することになる。この結果、
放電曲線が連続的に変化したと考えられる。
に用いられるリチウム化合物の種類により過放電性能が
どのように変化するかを検討する。
95%以上の容量回復率を示し、過放電性能が非常に優
れていることが分かった。これは、以下の理由によると
考えられる。Li/Li+に対するLiMnO2の単極
電位は約2.7Vなので、負極活物質の炭素材料が完全
に放電して電池電圧が0Vと過放電状態になっても、負
極の単極電位は約2.7Vまでしかあがらない。この結
果、負極の単極電位はCuの溶出電位(3.45V)以
上に貴にならないので、集電体のCuは溶出しないし、
正極にCuが析出することもない。このため、過放電後
の容量低下を最小限に抑えることができるのである。
の容量回復率は約30%と、過放電性能に劣っていた。
また、試験後の正極板表面にはCuが大量に析出してい
た。これは、以下の理由によると考えられる。Li/L
i+に対するLiCoO2の単極電位は約3.8Vなの
で、負極活物質の炭素材料が完全に放電して電池電圧が
0Vになると、負極の単極電位がCuの溶解電位(3.
45V)にまで上昇してしまう。この結果、負極からC
uが溶出し、さらにその一部が正極上に析出したため容
量回復率が低下したと考えられる。
比較例1よりは過放電性能に優れるが、十分な値ではな
かった。この理由は以下のように考えられる。確かに、
Li/Li+に対する、放電中のLiFePO4の単極
電位は約3.3〜3.4Vであり、Cuの溶解電位より
は卑である。しかし、OCVについては約3.4〜3.
5Vと、Cuの溶解電位とほぼ同じ電位となる。したが
って、0Vの電池電圧で過放電試験を行うと、負極の単
極電位がCuの溶解電位に達し、Cuの溶出が起こった
ものと考えられる。実際、試験後の正極板の一部にはC
uの析出が観察され、Cuの溶解が起こっていることが
確認された。
実施例1ないし3と同等に優れた過放電性能を示した。
しかし上述のように、放電電圧が約3.6Vと約2.5
Vに2段の平坦部を持ち、不連続な電圧変化を示した。
により、LiFe1−xMxPO4に対し、MとしてM
g、Co、Ni、Mn、及びZnを添加した場合におい
ても、容量回復率はMを添加しない場合と同程度である
ことが分かった。
極と、負極と、非水電解質とからなる非水電解質二次電
池において、前記正極活物質が、LiCoO2と、Li
MnO2と、一般式LiFe1−xMxPO4(但し、
0≦x≦0.13、MはMg、Co、Ni、Mn、Zn
から選ばれる少なくとも一種の金属)で表される化合物
とを含有し、前記正極活物質に対して、前記LiCoO
2の割合が50重量%以上80重量%以下であり、前記
LiMnO2の割合が10重量%以上30重量%以下で
あり、前記一般式LiFe1−xMxPO4(但し、0
≦x≦0.13、MはMg、Co、Ni、Mn、Znか
ら選ばれる少なくとも一種の金属)で表される化合物の
割合が10重量%以上30重量%以下であることによ
り、優れた過放電性能を有し、充放電時に連続的な電圧
変化を示す非水電解質二次電池を得ることができる。
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。
次電池1として説明したが、電池構造は特に限定され
ず、円筒形、袋状、リチウムポリマー電池等としてもよ
いことは勿論である。
た過放電性能を有し、充放電時に連続的な電圧変化を示
す非水電解質二次電池を得ることができる。
池の縦断面図
いての放電曲線を示す図
PO4との混合物を正極活物質として使用した電池にお
ける、放電深度と電池電圧、正極単電位、及び負極単電
位との関係を示す図
における、放電深度と電池電圧、正極単電位、及び負極
単電位との関係を示す図
極活物質として用いた電池における、放電深度と、電池
電圧、正極単電位、及び負極単電位との関係を示す図
を正極活物質として使用した電池における、放電深度
と、電池電圧、正極単電位、及び負極単電位との関係を
示す図
Claims (1)
- 【請求項1】 正極活物質を含む正極と、炭素材料を含
む負極と、非水電解質とからなる非水電解質二次電池に
おいて、前記正極活物質が、LiCoO2と、LiMn
O2と、一般式LiFe1−xMxPO4(但し、0≦
x≦0.13、MはMg、Co、Ni、Mn、Znから
選ばれる少なくとも一種の金属)で表される化合物とを
含有し、前記正極活物質に対して、前記LiCoO2の
割合が50重量%以上80重量%以下であり、前記Li
MnO2の割合が10重量%以上30重量%以下であ
り、前記LiFe1−xMxPO4の割合が10重量%
以上30重量%以下であることを特徴とする非水電解質
二次電池。
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