JP2003343715A - 作業車の走行変速構造 - Google Patents

作業車の走行変速構造

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JP2003343715A JP2002155229A JP2002155229A JP2003343715A JP 2003343715 A JP2003343715 A JP 2003343715A JP 2002155229 A JP2002155229 A JP 2002155229A JP 2002155229 A JP2002155229 A JP 2002155229A JP 2003343715 A JP2003343715 A JP 2003343715A
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/006Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion power being selectively transmitted by either one of the parallel flow paths

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  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業車の走行変速構造において、伝動クラッ
チを自動的に遮断状態に操作して、アクチュエータによ
りギヤ変速機構を操作し、再び伝動クラッチを自動的に
伝動状態に操作するように構成した場合、ショックを少
なくする。 【解決手段】 第2ギヤ変速機構15を所定の変速位置
に操作し、第2摩擦クラッチ12を伝動状態に操作しな
がら第1摩擦クラッチ9を遮断状態に操作し、伝動クラ
ッチ6を伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動
状態に操作する第1制御手段を備える。第1ギヤ変速機
構13を所定の変速位置に操作し、第1摩擦クラッチ9
を伝動状態に操作しながら第2摩擦クラッチ12を遮断
状態に操作し、伝動クラッチ6を伝動状態から半伝動状
態に操作し漸次的に伝動状態に操作する第2制御手段を
備える。第1及び第2制御手段を色々に作動させる複数
の状態を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はギヤ変速機構を備え
た作業車の走行変速構造において、変速指令に基づき、
伝動クラッチを自動的に遮断状態に操作して、アクチュ
エータによりギヤ変速機構を操作し、再び伝動クラッチ
を自動的に伝動状態に操作する構成を備えたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】前述のような作業車の走行変速構造の一
例が、特開平6−313478号公報に開示されてい
る。前記公報の構造では、アクチュエータ(前記公報の
図1中のT1,T2)により操作されるギヤ変速機構
(前記公報の図1中のA)、及び油圧多板式の伝動クラ
ッチ(前記公報の図1中の19)を直列に配置してい
る。これにより、変速指令に基づいて伝動クラッチが自
動的に遮断状態に操作されて、アクチュエータによりギ
ヤ変速機構が操作される。アクチュエータによるギヤ変
速機構の操作が終了すると、伝動クラッチが自動的に漸
次的に伝動状態に操作される。
【0003】作業車は一般に走行抵抗の大きな軟弱な地
面を走行する場合や荷物を載せた台車を牽引したりする
場合等のように、大きな走行負荷が掛かることが多いの
で、前述のように変速操作時に伝動クラッチを遮断状態
に操作すると、この時点で走行装置にエンジンの動力が
伝達されなくなり、前述の走行負荷により機体の走行速
度が急激に低下することがある。これによって、アクチ
ュエータによるギヤ変速機構の操作終了時に機体の走行
速度が大きく低下した状態で、前述のように伝動クラッ
チが伝動状態に操作されエンジンの動力が走行装置に流
れると、低下する前の元の走行速度に機体が急加速され
る状態となりショックの生じることがある。
【0004】これに対し前記公報の構造によると、伝動
クラッチを迂回してギヤ変速機構の動力を下手側に伝達
可能な補助伝動クラッチ(前記公報の図1中のE)が備
えられている。これにより、前述のように伝動クラッチ
が遮断状態に操作されると、補助伝動クラッチが遮断状
態から伝動状態に操作されて、ギヤ変速機構の動力が補
助伝動クラッチを介して下手側に伝達されて、走行負荷
による機体の走行速度の低下が抑えられる。アクチュエ
ータによるギヤ変速機構の操作が終了し、伝動クラッチ
が伝動状態に操作されると、補助伝動クラッチが伝動状
態から遮断状態に操作される。このようにして、低下す
る前の元の走行速度に機体が急加速される状態が抑えら
れてショックの発生が防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術に記載の構
造によると、伝動クラッチが遮断状態に操作され、アク
チュエータによるギヤ変速機構の操作が行われている
間、ギヤ変速機構の動力が補助伝動クラッチを介して下
手側に伝達される場合、補助伝動クラッチを介して伝達
される動力の伝動比は略一定である(前記公報の図1中
のギヤ減速機構Aにおける紙面左端のギヤの伝動比)。
【0006】これにより、例えば補助伝動クラッチを介
して伝達される動力の伝動比よりも高速域で(例えば変
速前及び変速後の変速位置の伝動比が、補助伝動クラッ
チを介して伝達される動力の伝動比よりも高速である状
態で)、従来の技術に記載のように変速を行う場合、高
速の変速位置の伝動比で動力が伝達されている状態か
ら、補助伝動クラッチの低速の伝動比で動力が伝達され
る状態となり、再び高速の変速位置の伝動比で動力が伝
達される状態となって、ショックの生じることがある。
本発明は作業車の走行変速構造において、変速指令に基
づき、伝動クラッチを自動的に遮断状態に操作して、ア
クチュエータによりギヤ変速機構を操作し、再び伝動ク
ラッチを自動的に伝動状態に操作するように構成した場
合、変速を行う際のショックを少なくすることを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】[I]請求項1(請求項
8)の特徴によると、エンジンの動力が伝達される上手
側伝動軸と、走行装置に動力を伝達する下手側伝動軸と
の間に、第1伝動系と第2伝動系とを並列的に配置し、
第1及び第2伝動系の伝動上手側又は伝動下手側に油圧
多板式の伝動クラッチを備えて、上手側伝動軸の動力が
第1及び第2伝動系のうちの一方を介して下手側伝動軸
に伝達されるように構成している。上手側又は下手側伝
動軸と第1伝動系との間に複数の変速位置を備えた第1
ギヤ変速機構を備え、第1ギヤ変速機構を操作する第1
アクチュエータを備えて、第1伝動系に第1摩擦クラッ
チを備えている。上手側又は下手側伝動軸と第2伝動系
との間に複数の変速位置を備えた第2ギヤ変速機構を備
え、第2ギヤ変速機構を操作する第2アクチュエータを
備えて、第2伝動系に第2摩擦クラッチを備えている。
【0008】これにより、請求項1(請求項8)の特徴
によると、第1伝動系を介して動力が伝達される状態
(第1ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作され、第1
摩擦クラッチが伝動状態に操作されている状態)におい
て、変速指令が発せられると、第2アクチュエータによ
り第2ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作されて、第
2摩擦クラッチが遮断状態から伝動状態に操作されなが
ら第1摩擦クラッチが伝動状態から遮断状態に操作され
るのであり、この間において、伝動クラッチが伝動状態
から半伝動状態に操作され漸次的に伝動状態に操作され
る(第1制御手段)。
【0009】逆に第2伝動系を介して動力が伝達される
状態(第2ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作され、
第2摩擦クラッチが伝動状態に操作されている状態)に
おいて、変速指令が発せられると、第1アクチュエータ
により第1ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作され
て、第1摩擦クラッチが遮断状態から伝動状態に操作さ
れながら第2摩擦クラッチが伝動状態から遮断状態に操
作されるのであり、この間において、伝動クラッチが伝
動状態から半伝動状態に操作され漸次的に伝動状態に操
作される(第2制御手段)。
【0010】[II]前項[I]に記載のように、請求
項1(請求項8)の特徴によると、変速操作が行われて
いる間、第2摩擦クラッチが遮断状態から伝動状態に操
作されながら第1摩擦クラッチが伝動状態から遮断状態
に操作されることにより、逆に第1摩擦クラッチが遮断
状態から伝動状態に操作されながら第2摩擦クラッチが
伝動状態から遮断状態に操作されることにより、上手側
伝動軸の動力が第1及び第2伝動系の両方に分岐して伝
達され第1及び第2伝動系の動力が下手側伝動軸に合流
する状態(二重伝動状態)が発生する。前述の二重伝動
状態においてトルクの変動が生じても、半伝動状態の伝
動クラッチがある程度滑ることによりトルクの変動が吸
収されて、トルクの変動の少ない動力が走行装置に伝達
される。
【0011】以上のように請求項1(請求項8)の特徴
によると、変速操作が行われている間、二重伝動状態が
発生し、トルクの変動の少ない動力が走行装置に伝達さ
れるので、変速操作が行われている間、走行負荷による
機体の走行速度の低下が抑えられる。これにより、走行
負荷により機体の走行速度が急激に低下し、機体の走行
速度が大きく低下した状態で伝動クラッチが伝動状態に
操作されてショックが生じると言う状態が防止される。
【0012】この場合、請求項1(請求項8)の特徴に
よると、第1及び第2ギヤ変速機構が複数の変速位置を
備えているので、二重伝動状態を発生させる場合、第1
伝動系を介して動力が伝達される状態(第1ギヤ変速機
構が所定の変速位置に操作され、第1摩擦クラッチが伝
動状態に操作されている状態)では、第2ギヤ変速機構
を複数の変速位置の中から適切な変速位置に操作するこ
とができる。第2伝動系を介して動力が伝達される状態
(第2ギヤ変速機構が所定の変速位置に操作され、第2
摩擦クラッチが伝動状態に操作されている状態)では、
第1ギヤ変速機構を複数の変速位置の中から適切な変速
位置に操作することができる。これにより、[発明が解
決しようとする課題]に記載のように、高速の変速位置
の伝動比で動力が伝達されている状態から、低速の伝動
比で動力が伝達される状態となり、再び高速の変速位置
の伝動比で動力が伝達される状態となって、ショックが
生じると言う状態が防止される。
【0013】[III]請求項1の特徴によると、第1
変速手段及び第2変速手段を備えており、第1変速手段
を作動させて第2変速手段を停止させる第1状態、及び
第2変速手段を作動させて第1変速手段を停止させる第
2状態を選択可能に構成している。請求項8の特徴によ
ると、第1変速手段及び第3変速手段を備えており、第
1変速手段を作動させて第3変速手段を停止させる第1
状態、及び第3変速手段を作動させて第1変速手段を停
止させる第3状態を選択可能に構成している。
【0014】請求項1(請求項8)の特徴の第1変速手
段は、変速指令が発せられると、伝動クラッチを遮断状
態に操作して、第1及び第2アクチュエータにより第1
及び第2変速機構を変速指令による変速位置に操作し、
伝動クラッチを漸次的に伝動状態に操作する。このよう
に請求項1(請求項8)の特徴の第1変速手段は、変速
を行う際のショックの防止よりも変速の素早さを優先し
た形態である。
【0015】請求項1の特徴の第2変速手段は、変速指
令が発せられる前の変速位置から変速指令による変速位
置まで第1及び第2制御手段を交互に作動させて、変速
指令による変速位置が得られるように構成している。こ
れにより、請求項1の特徴の第2変速手段は、前項
[I][II]に記載のような二重伝動状態の発生、及
びトルクの変動の少ない動力の走行装置への伝達が繰り
返されることになって、変速指令が発せられる前の変速
位置から変速指令による変速位置までショックの少ない
変速操作が行われる。
【0016】請求項8の特徴の第3変速手段は、変速指
令が発せられる前の変速位置と変速指令による変速位置
との間の略中間の伝動比の中間変速位置を設定して、変
速指令が発せられる前の変速位置から中間変速位置が得
られるように、第1又は第2制御手段の一方を作動さ
せ、中間変速位置から変速指令による変速位置が得られ
るように、第1又は第2制御手段の他方を作動させるよ
うに構成されている。これにより、請求項8の特徴の第
3変速手段は、前項[I][II]に記載のような二重
伝動状態の発生、及びトルクの変動の少ない動力の走行
装置への伝達を行いながら、請求項1の特徴の第2変速
手段よりも変速指令が発せられる前の変速位置から変速
指令による変速位置に達するまでの時間が、比較的短い
ものになっている。従って、請求項1の特徴の第2変速
手段及び請求項8の特徴の第3変速手段は、変速の素早
さをよりも変速を行う際のショックの防止を優先した形
態である。
【0017】以上のように請求項1(請求項8)の特徴
によると、第1変速手段及び第2変速手段(第1変速手
段及び第3変速手段)を備えることにより、作業状態や
走行状態等に基づいて、第1変速手段又は第2変速手段
(第1変速手段又は第3変速手段)が選択されるように
構成することができる。
【0018】[IV]請求項2(請求項9)の特徴によ
ると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前項[I]
[II][III]に記載の「作用」を備えており、こ
れに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項
2(請求項9)の特徴によると、第1状態又は第2状態
(第1状態又は第3状態)を人為的に選択可能な人為選
択手段を備えているので、作業者の判断によって、第1
状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)を適切に選
択することができるようになる。
【0019】[V]請求項3,10(請求項4,11)
の特徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に
前項[I][II][III]に記載の「作用」を備え
ており、これに加えて以下のような「作用」を備えてい
る。例えば舗装された路上を走行する場合には、機体に
掛かる走行負荷は比較的小さなものとなり、凹凸の多い
作業地や泥濘地を走行する場合には、機体に掛かる走行
負荷は比較的大きなものとなる。例えば空の台車を牽引
する場合には、機体に掛かる牽引負荷は比較的小さなも
のとなり、重量物を積載した台車を牽引する場合には、
機体に掛かる牽引負荷は比較的大きなものとなる。
【0020】機体に掛かる走行負荷(牽引負荷)が小さ
い状態は、変速を行う際の機体の走行速度の低下が比較
的小さい状態であり、第1状態が適している。機体に掛
かる走行負荷(牽引負荷)が大きい状態は、変速を行う
際の機体の走行速度の低下が比較的大きい状態であり、
第2状態(第3状態)が適している。これにより、請求
項3,10(請求項4,11)の特徴によれば、機体に
掛かる走行負荷(牽引負荷)が設定値以下であると第1
状態が自動的に選択され、機体に掛かる走行負荷(牽引
負荷)が設定値を越えると第2状態(第3状態)が自動
的に選択されるので、第1状態又は第2状態(第1状態
又は第3状態)の選択の手間が省かれる。
【0021】[VI]請求項5(請求項12)の特徴に
よると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前項
[I][II][III]に記載の「作用」を備えてお
り、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
機体に対地作業装置を連結した場合、対地作業装置から
機体に掛かる牽引負荷が設定値に維持されるように、機
体に対して対地作業装置を昇降操作するドラフト作業を
行うことがある。この場合、ドラフト作業では対地作業
装置から機体に大きな牽引負荷が掛かるので、前項
[V]に記載のように第2状態(第3状態)が適してい
る。
【0022】これにより、請求項5(請求項12)の特
徴によれば、ドラフト作業ではないと第1状態が自動的
に選択され、ドラフト作業であると第2状態(第3状
態)が自動的に選択されるので、第1状態又は第2状態
(第1状態又は第3状態)の選択の手間が省かれる。
【0023】[VII]請求項6(請求項13)の特徴
によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前項
[I][II][III]に記載の「作用」を備えてお
り、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
機体の走行速度が高速である状態は、機体の慣性が比較
的大きい状態であり、変速を行う際の機体の走行速度の
低下が比較的小さい状態であるので、第1状態が適して
いる。機体の走行速度が低速である状態は、機体の慣性
が比較的小さい状態であり、変速を行う際の機体の走行
速度の低下が比較的大きい状態であるので、第2状態
(第3状態)が適している。
【0024】請求項6(請求項13)の特徴によれば、
機体の走行速度が高速であると第1状態が自動的に選択
され、機体の走行速度が低速であると第2状態(第3状
態)が自動的に選択されるので、第1状態又は第2状態
(第1状態又は第3状態)の選択の手間が省かれる。
【0025】[VIII]請求項7(請求項14)の特
徴によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前項
[I][II][III]に記載の「作用」を備えてお
り、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
機体に対地作業装置を連結した場合、対地作業装置の機
体に対する高さが設定値以上であると、路上走行等のよ
うに対地作業装置による作業を行わない状態と判断する
ことができる。これにより前項[V]に記載のように、
対地作業装置の機体に対する高さが設定値以上である
と、機体に掛かる走行負荷が比較的小さい状態で、変速
を行う際の機体の走行速度の低下が比較的小さい状態で
あると判断できるので、第1状態が適している。対地作
業装置の機体に対する高さが設定値未満であると、作業
走行等のように対地作業装置による作業を行う状態と判
断することができる。これにより前項[V]に記載のよ
うに、対地作業装置の機体に対する高さが設定値未満で
あると、機体に掛かる走行負荷が比較的大きい状態で、
変速を行う際の機体の走行速度の低下が比較的大きい状
態であると判断できるので、第2状態(第3状態)が適
している。
【0026】請求項7(請求項14)の特徴によれば、
対地作業装置の機体に対する高さが設定値以上であると
第1状態が自動的に選択され、対地作業装置の機体に対
する高さが設定値未満であると第2状態(第3状態)が
自動的に選択されるので、第1状態又は第2状態(第1
状態又は第3状態)の選択の手間が省かれる。
【0027】
【発明の実施の形態】[1]図1は作業車の一例である
四輪駆動型の農用トラクタの走行伝動系を示しており、
エンジン1の動力が伝動軸2に伝達され、PTO軸3に
伝達される。伝動軸2に円筒状の伝動軸4,5が相対回
転自在に外嵌され、伝動軸4,5の間に油圧多板式で摩
擦式の伝動クラッチ6が備えられている。伝動クラッチ
6は作動油が供給されることにより伝動状態に操作さ
れ、作動油が排出されることにより遮断状態に操作され
るように構成されている。
【0028】図1に示すように、伝動軸2,4と平行に
第1主伝動軸7及び第1副伝動軸8が配置されて、第1
主及び副伝動軸7,8の間に第1摩擦クラッチ9が備え
られている。伝動軸2,4と平行に第2主伝動軸10及
び第2副伝動軸11が配置されて、第2主及び副伝動軸
10,11の間に第2摩擦クラッチ12が備えられてい
る。第1及び第2摩擦クラッチ9,12は油圧多板式で
摩擦式に構成されており、作動油が供給されることによ
り伝動状態に操作され、作動油が排出されることにより
遮断状態に操作されるように構成されている。
【0029】図1に示すように、伝動軸2と第1主伝動
軸7との間にシンクロメッシュ型式の第1ギヤ変速機構
13が備えられ、伝動軸2と第2主伝動軸10との間に
シンクロメッシュ型式の第2ギヤ変速機構15が備えら
れている。伝動軸2に第1ギヤ17、第2ギヤ18、第
3ギヤ19、第4ギヤ20が固定されており、第1主伝
動軸7に相対回転自在に外嵌された低速ギヤ21及び高
速ギヤ22が第1ギヤ17及び第3ギヤ19に咬合し、
シフト部材23がスプライン構造により第1主伝動軸7
に一体回転及びスライド自在に外嵌されて、第1ギヤ変
速機構13が構成されている。第2主伝動軸10に相対
回転自在に外嵌された低速ギヤ24及び高速ギヤ25が
第2ギヤ18及び第4ギヤ20に咬合し、シフト部材2
6がスプライン構造により第2主伝動軸10に一体回転
及びスライド自在に外嵌されて、第2ギヤ変速機構15
が構成されている。
【0030】図1に示すように、伝動軸4と第1副伝動
軸8との間にシンクロメッシュ型式の第1副ギヤ変速機
構14が備えられ、伝動軸4と第2副伝動軸11との間
にシンクロメッシュ型式の第2副ギヤ変速機構16が備
えられている。伝動軸4に低速ギヤ27及び高速ギヤ2
8が固定されており、第1副伝動軸8に相対回転自在に
外嵌された低速ギヤ29及び高速ギヤ30が低速ギヤ2
7及び高速ギヤ28に咬合し、シフト部材31がスプラ
イン構造により第1副伝動軸8に一体回転及びスライド
自在に外嵌されて、第1副ギヤ変速機構14が構成され
ている。第2副伝動軸11に相対回転自在に外嵌された
低速ギヤ32及び高速ギヤ33が低速ギヤ27及び高速
ギヤ28に咬合し、シフト部材34がスプライン構造に
より第2副伝動軸11に一体回転及びスライド自在に外
嵌されて、第2副ギヤ変速機構16が構成されている。
【0031】以上の構造により、後述の[3]に記載の
ように、伝動軸2の動力が第1主及び副伝動軸7,8を
介して伝動軸4に伝達される状態(第1摩擦クラッチ9
の伝動状態)、並びに伝動軸2の動力が第2主及び副伝
動軸10,11を介して伝動軸4に伝達される状態(第
2摩擦クラッチ12の伝動状態)が得られる。図1に示
すように、伝動軸2の動力が第1主及び副伝動軸7,8
を介して伝動軸4に伝達される状態(第1摩擦クラッチ
9の伝動状態)では、伝動軸2の動力が第1ギヤ変速機
構13、第1主伝動軸7、第1摩擦クラッチ9、第1副
伝動軸8及び第1副ギヤ変速機構14を介して4段に変
速されて伝動軸4に伝達される(後述する1速位置、3
速位置、5速位置、7速位置)。図1に示すように、伝
動軸2の動力が第2主及び副伝動軸10,11を介して
伝動軸4に伝達される状態(第2摩擦クラッチ12の伝
動状態)では、伝動軸2の動力が第2ギヤ変速機構1
5、第2主伝動軸10、第2摩擦クラッチ12、第2副
伝動軸11及び第2副ギヤ変速機構16を介して4段に
変速されて伝動軸4に伝達される(後述する2速位置、
4速位置、6速位置、8速位置)。
【0032】[2]図1に示すように、伝動軸5の下手
側に円筒状の伝動軸43が備えられ、伝動軸5と伝動軸
43との間に、シンクロメッシュ型式の前後進切換機構
44が備えられている。伝動軸43が相対回転自在に外
嵌される伝動軸45が備えられ、伝動軸43と伝動軸4
5との間に、シンクロメッシュ型式の副変速機構46が
備えられている。前輪53に動力を伝達する前輪伝動軸
55が備えられ、伝動軸45と前輪伝動軸55との間
に、油圧クラッチ型式の前輪変速機構56が備えられて
いる。
【0033】図1に示すように、伝動軸43に前進ギヤ
47及び後進ギヤ48が固定され、伝動軸5に相対回転
自在に外嵌された前進ギヤ49が前進ギヤ47に咬合
し、伝動軸5に相対回転自在に外嵌された後進ギヤ50
が中間ギヤ51を介して後進ギヤ48に咬合しており、
シフト部材52がスプライン構造により伝動軸5に一体
回転及びスライド自在に外嵌されて、前後進切換機構4
4が構成されている。図2に示すように、シフト部材5
2に機械的に連係された前後進レバー57が備えられ、
前後進レバー57を前進位置F及び後進位置Rに操作
し、シフト部材52をスライド操作して前進ギヤ49及
び後進ギヤ50に咬合させることにより、前後進切換機
構44を操作する。
【0034】図1に示すように、副変速機構46は2つ
のシフト部材をスライド操作することにより、高速位
置、中速位置及び低速位置に操作自在に構成されてい
る。前輪変速機構56は前輪53及び後輪54が同じ速
度で駆動される標準状態、前輪53が後輪54よりも高
速で駆動される増速状態に操作自在に構成されている。
【0035】以上の構造により直進状態において、伝動
軸5の動力が前後進切換機構44、副変速機構46、伝
動軸45及び後輪デフ機構58を介して後輪54に伝達
されるのであり、副変速機構46の動力が標準状態の前
輪変速機構56、前輪伝動軸55及び前輪デフ機構59
を介して前輪53に伝達される。前輪53を直進位置か
ら右又は左に操向操作すると、前輪変速機構56が標準
状態から増速状態に操作され、前輪53が後輪54より
も高速で駆動されて、小回り旋回が円滑に行われる。
【0036】[3]図1及び図2に示すように、第1ギ
ヤ変速機構13において、シフト部材23をスライド操
作する複動型で油圧シリンダ型式の第1アクチュエータ
35、第1アクチュエータ35に作動油を給排操作する
制御弁39が備えられ、第1副ギヤ変速機構14におい
て、シフト部材31をスライド操作する複動型で油圧シ
リンダ型式の第1副アクチュエータ36、第1副アクチ
ュエータ36に作動油を給排操作する制御弁40が備え
られている。第1アクチュエータ35はシフト部材23
が低速ギヤ21に咬合する低速位置L、シフト部材23
が高速ギヤ22に咬合する高速位置H及び中立位置Nに
作動自在に構成されており、第1副アクチュエータ36
はシフト部材31が低速ギヤ29に咬合する低速位置
L、及びシフト部材31が高速ギヤ30に咬合する高速
位置Hに作動自在に構成されている。
【0037】図1及び図2に示すように、第2ギヤ変速
機構15において、シフト部材26をスライド操作する
複動型で油圧シリンダ型式の第2アクチュエータ37、
第2アクチュエータ37に作動油を給排操作する制御弁
41が備えられ、第2副ギヤ変速機構16において、シ
フト部材34をスライド操作する複動型で油圧シリンダ
型式の第2副アクチュエータ38、第2副アクチュエー
タ38に作動油を給排操作する制御弁42が備えられて
いる。第2アクチュエータ37はシフト部材26が低速
ギヤ24に咬合する低速位置L、シフト部材26が高速
ギヤ25に咬合する高速位置H及び中立位置Nに作動自
在に構成されており、第2副アクチュエータ38はシフ
ト部材34が低速ギヤ32に咬合する低速位置L、及び
シフト部材34が高速ギヤ33に咬合する高速位置Hに
作動自在に構成されている。
【0038】図2に示すように、伝動クラッチ6に作動
油を給排操作する電磁比例減圧弁型式の制御弁60、第
1摩擦クラッチ9に作動油を給排操作する電磁比例減圧
弁型式の制御弁61、及び第2摩擦クラッチ12に作動
油を給排操作する電磁比例減圧弁型式の制御弁62が備
えられている。
【0039】以上の構造により、図1及び図7に示すよ
うに、伝動軸2の動力が第1主及び副伝動軸7,8を介
して伝動軸4に伝達される状態(第1摩擦クラッチ9の
伝動状態)において、シフト部材31の低速位置Lでシ
フト部材23の低速位置Lが1速位置、シフト部材31
の低速位置Lでシフト部材23の高速位置Hが3速位
置、シフト部材31の高速位置Hでシフト部材23の低
速位置Lが5速位置、シフト部材31の高速位置Hでシ
フト部材23の高速位置Hが7速位置となる。前述の1
速及び3速位置において、第2摩擦クラッチ12が遮断
状態に操作され、シフト部材26が中立位置Nでシフト
部材34が低速位置Lに位置している。5速及び7速位
置において、第2摩擦クラッチ12が遮断状態に操作さ
れ、シフト部材26が中立位置Nでシフト部材34が高
速位置Hに位置している。
【0040】図1及び図7に示すように、伝動軸2の動
力が第2主及び副伝動軸10,11を介して伝動軸4に
伝達される状態(第2摩擦クラッチ12の伝動状態)に
おいて、シフト部材34の低速位置Lでシフト部材26
の低速位置Lが2速位置、シフト部材34の低速位置L
でシフト部材26の高速位置Hが4速位置、シフト部材
34の高速位置Hでシフト部材26の低速位置Lが6速
位置、シフト部材34の高速位置Hでシフト部材26の
高速位置Hが8速位置となる。前述の2速及び4速位置
において、第1摩擦クラッチ9が遮断状態に操作され、
シフト部材23が中立位置Nでシフト部材31が低速位
置Lに位置している。6速及び8速位置において、第1
摩擦クラッチ9が遮断状態に操作され、シフト部材23
が中立位置Nでシフト部材31が高速位置Hに位置して
いる。
【0041】[4]次に、変速操作の制御について説明
する。この農用トラクタでは第1変速モード、第2変速
モード、第3変速モード及び第4変速モードの4つを備
えており、運転者が設定スイッチ65(図2参照)を操
作することによって、第1変速モード、第2変速モー
ド、第3変速モード及び第4変速モードのうちの一つを
選択する。
【0042】図2に示すように、1〜8速位置に操作自
在な変速レバー63及び設定スイッチ65が備えられて
おり、変速レバー63及び設定スイッチ65の操作位
置、前後進レバー57の操作位置が制御装置64に入力
されている。制御装置61は変速レバー63及び設定ス
イッチ65の操作位置、前後進レバー57の操作位置、
第1〜第4変速モードに基づいて、制御弁39,40,
41,42,60,61,62を操作して、第1アクチ
ュエータ35、第1副アクチュエータ36、第2アクチ
ュエータ37、第2副アクチュエータ38を作動させ、
伝動クラッチ6、第1摩擦クラッチ9、第2摩擦クラッ
チ12を伝動及び遮断状態に操作する。
【0043】先ず、第1変速モードについて説明する。
第1変速モードにおいては、変速レバー63をある操作
位置(変速位置)から別の操作位置(変速位置)に操作
した場合、変速レバー63が操作される前の操作位置
(変速位置)から、変速レバー63が操作された操作位
置(変速位置)に一気に変速操作が行われる。
【0044】図3及び図7に示すように、例えば変速レ
バー63を1速位置に操作している状態から、例えば変
速レバー63を2速位置に操作したとする。変速レバー
63を1速位置に操作している状態では、シフト部材3
1が低速位置L、シフト部材23が低速位置Lで、伝動
クラッチ6及び第1摩擦クラッチ9が作動圧P1で伝動
状態に操作されており、シフト部材34が低速位置L、
シフト部材26が中立位置Nで、第2摩擦クラッチ12
が作動圧P0で遮断状態に操作されている。
【0045】図3に示すように、変速レバー63を1速
位置に操作している状態で、変速レバー63を2速位置
に操作すると(時点T11)、伝動クラッチ6及び第1
摩擦クラッチ9が作動圧P0に速やかに減圧されて遮断
状態に操作され(実線A3及び一点鎖線A1参照)、第
2摩擦クラッチ12が作動圧P1に速やかに昇圧されて
伝動状態に操作される(点線A2参照)。これと同時
に、シフト部材23が低速位置Lから中立位置Nに操作
され、シフト部材26が中立位置Nから低速位置Lに操
作される(シフト部材31,34は低速位置Lに保持さ
れている)。
【0046】図3に示すように、シフト部材23が低速
位置Lから中立位置Nに操作され、シフト部材26が中
立位置Nから低速位置Lに操作されると(時点T1
2)、伝動クラッチ6が作動圧P0から漸次的に昇圧さ
れて作動圧P1に達し(実線A3参照)、伝動クラッチ
6が伝動状態に操作される(時点T13)。以上のよう
にして、変速操作を終了する。この場合、1回の変速操
作に要する時間T1(時点T11から時点T13まで)
が比較的短いものとなっている。
【0047】例えば変速レバー63を2速位置から1速
位置に操作する場合、図7に示すようにシフト部材2
3,26(シフト部材31,34は低速位置Lに保持さ
れている)が操作されるのに加えて、図3において第1
及び第2摩擦クラッチ9,12の状態が逆転し、第1摩
擦クラッチ9が遮断状態から伝動状態に操作され、第2
摩擦クラッチ12が伝動状態から遮断状態に操作される
のであり、図3の実線A3に示すように伝動クラッチ6
の減圧及び昇圧が行われる。
【0048】例えば変速レバー63を1速位置から3速
位置に操作する場合、図7に示すようにシフト部材23
が操作されるが、シフト部材26は中立位置Nのままで
(シフト部材31,34は低速位置Lに保持されてい
る)、第1摩擦クラッチ9が伝動状態に保持され、第2
摩擦クラッチ12が遮断状態に保持されて、図3の実線
A3に示すように伝動クラッチ6の減圧及び昇圧が行わ
れる。
【0049】例えば変速レバー63を2速位置から4速
位置に操作する場合、図7に示すようにシフト部材26
が操作されるが、シフト部材23は中立位置Nのままで
(シフト部材31,34は低速位置Lに保持されてい
る)、第1摩擦クラッチ9が遮断状態に保持され、第2
摩擦クラッチ12が伝動状態に保持されて、図3の実線
A3に示すように伝動クラッチ6の減圧及び昇圧が行わ
れる。
【0050】[5]次に、第2変速モードの前半につい
て、図4,5,7に基づいて説明する。第2変速モード
においては、変速レバー63をある操作位置(変速位
置)から別の操作位置(変速位置)に操作した場合、変
速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)か
ら、1回ずつ変速操作が行われて、最後に変速レバー6
3が操作された操作位置(変速位置)に達するように変
速操作が行われる。例えば変速レバー63を1速位置か
ら5速位置に操作すると、1速位置から2速位置への変
速操作が行われて、2速位置から3速位置への変速操作
が行われ、3速位置から4速位置への変速操作が行われ
て、4速位置から5速位置への変速操作が行われる。例
えば変速レバー63を6速位置から3速位置に操作する
と、6速位置から5速位置への変速操作が行われ、5速
位置から4速位置への変速操作が行われて、4速位置か
ら3速位置への変速操作が行われる。
【0051】例えば変速レバー63を1速位置に操作し
ている状態(シフト部材23が低速位置L、シフト部材
26が中立位置N、シフト部材31,34が低速位置
L、伝動クラッチ6及び第1摩擦クラッチ9が作動圧P
1で伝動状態、第2摩擦クラッチ12が作動圧P0で遮
断状態に操作された状態)において、例えば変速レバー
63を5速位置に操作すると(ステップS1)(時点T
21)、シフト部材26が中立位置Nから低速位置Lに
操作される(ステップS2,S3)(時点T21から時
点T22)。これにより、シフト部材23,31が1速
位置の状態で、シフト部材26,34が2速位置の状態
となる。この場合、シフト部材34は高速位置Hに操作
されずに低速位置Lに残される(ステップS4を通過)
(図7参照)。
【0052】シフト部材26が低速位置L(2速位置の
状態)に操作されると(ステップS3)(時点T2
2)、伝動クラッチ6が作動圧P2(作動圧P0,P1
の間の中間)に速やかに減圧されて、半伝動状態に操作
される(ステップS5)(時点T22)(実線A3参
照)。これと略同時に、第2摩擦クラッチ12が作動圧
P0から比較的速やかに昇圧されて伝動状態に操作され
ながら(時点T22から時点T23)(点線A2参
照)、第1摩擦クラッチ9が作動圧P1から比較的速や
かに減圧されて遮断状態に操作される(ステップS6)
(時点T22から時点T23)(一点鎖線A1参照)。
【0053】これにより、シフト部材23,31が1速
位置の状態での動力が伝動軸4に伝達されるのと同時
に、シフト部材26,34が2速位置の状態での動力が
伝動軸4に伝達されて合流する二重伝動状態が発生する
のであり、二重伝動状態においてトルクの変動が生じて
も、半伝動状態の伝動クラッチ6がある程度滑ることに
よりトルクの変動が吸収されて、トルクの変動の少ない
動力が前輪53及び後輪54に伝達される。
【0054】第2摩擦クラッチ12が作動圧P1で伝動
状態に操作され、第1摩擦クラッチ9が作動圧P0で遮
断状態に操作されると(時点T23)、シフト部材23
が中立位置Nに操作される(ステップS7)(時点T2
3から時点T24)。この場合、シフト部材31は高速
位置Hに操作されずに低速位置Lに残される(ステップ
S8を通過)(図7参照)。シフト部材23が中立位置
Nに操作されると(時点T24)、伝動クラッチ6が作
動圧P2から漸次的に昇圧されて作動圧P1に達し伝動
状態に操作される(ステップS9)(時点T24から時
点T25)。以上のようにして、1速位置から2速位置
への変速操作が終了する。
【0055】[6]次に、第2変速モードの後半につい
て、図4,5,7に基づいて説明する。前項[5]に記
載のような1速位置から2速位置への変速操作が終了す
ると、ステップS16,S2からステップS10に移行
して、シフト部材26,34が2速位置の状態で、シフ
ト部材23,31が3速位置の状態に操作される(ステ
ップS10)。この場合、シフト部材31は高速位置H
に操作されずに低速位置Lに残される(ステップS11
を通過)(図7参照)。伝動クラッチ6が作動圧P2
(作動圧P0,P1の間の中間)に速やかに減圧され
て、半伝動状態に操作され(ステップS12)、これと
略同時に第1摩擦クラッチ9が作動圧P0から比較的速
やかに昇圧されて伝動状態に操作されながら、第2摩擦
クラッチ12が作動圧P1から比較的速やかに減圧され
て遮断状態に操作される(ステップS13)。
【0056】これにより、シフト部材26,34が2速
位置の状態での動力が伝動軸4に伝達されるのと同時
に、シフト部材23,31が3速位置の状態での動力が
伝動軸4に伝達されて合流する二重伝動状態が発生する
のであり、二重伝動状態においてトルクの変動が生じて
も、半伝動状態の伝動クラッチ6がある程度滑ることに
よりトルクの変動が吸収されて、トルクの変動の少ない
動力が前輪53及び後輪54に伝達される。
【0057】第1摩擦クラッチ9が作動圧P1で伝動状
態に操作され、第2摩擦クラッチ12が作動圧P0で遮
断状態に操作されると、シフト部材26が中立位置Nに
操作される(ステップS14)。この場合、シフト部材
34は高速位置Hに操作されずに低速位置Lに残される
(ステップS15を通過)(図7参照)。シフト部材2
6が中立位置Nに操作されると、伝動クラッチ6が作動
圧P2から漸次的に昇圧されて作動圧P1に達し伝動状
態に操作される(ステップS9)。以上のようにして、
2速位置から3速位置への変速操作が終了する。
【0058】前述のように2速位置から3速位置への変
速操作が終了すると、次にシフト部材23,31が3速
位置の状態及びシフト部材26,34が4速位置の状態
での3速位置から4速位置への変速操作が、前項[5]
及びステップS2〜S9に基づいて行わる(この場合、
シフト部材34,31は高速位置Hに操作されずに低速
位置Lに残される(ステップS4,S8を通過)(図7
参照)。
【0059】次にシフト部材26,34が4速位置の状
態及びシフト部材23,31が5速位置の状態での4速
位置から5速位置への変速操作が、本項[6]及びステ
ップS2,S10〜S15,S9に基づいて行われる
(この場合、ステップS11において、シフト部材31
が低速位置Lから高速位置Hに操作されるのであり、ス
テップS15において、シフト部材34が低速位置Lか
ら高速位置Hに操作される)(図7参照)。以上のよう
にして変速操作が繰り返されて、変速レバー63の操作
位置(変速位置)に達すると(ステップS16)、変速
操作が終了する。
【0060】[7]次に、第3変速モードの前半につい
て、図6及び図7に基づいて説明する。第3変速モード
においては、変速レバー63をある操作位置(変速位
置)から別の操作位置(変速位置)に操作した場合、変
速レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)
と、変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)
との間において、略中間の伝動比の第1中間変速位置
(第1及び第2中間変速位置)が設定され、変速レバー
63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1中
間変速位置への変速操作が行われ、第1中間変速位置か
ら変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)へ
の変速操作が行われる(変速レバー63が操作される前
の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速
操作が行われて、第1中間変速位置から第2中間変速位
置への変速操作が行われ、第2中間変速位置から変速レ
バー63が操作された操作位置(変速位置)への変速操
作が行われる。
【0061】変速レバー63をある操作位置(変速位
置)から1つ高速側又は低速側の操作位置に操作した場
合(例えば変速レバー63を1速位置から2速位置に操
作した場合や8速位置から7速位置に操作した場合)、
ステップS21,S22,S23からステップS29に
移行して、変速レバー63の操作位置(変速位置)への
変速操作が行われる。この場合、変速レバー63が操作
される前の操作位置(変速位置)が1,3,5,7速位
置であると、前項[5]及び図5のステップS3〜S9
に基づく変速操作が行われ、変速レバー63が操作され
る前の操作位置(変速位置)が2,4,6,8速位置で
あると、前項[6]及び図5のステップS10〜S1
5,S9に基づく変速操作が行われる。
【0062】変速レバー63を1,3,5,7速位置に
操作した状態で変速レバー63を別の1,3,5,7速
位置に操作した場合(ステップS21,S22)、変速
レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)と、
変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)との
間において、2,4,6,8速位置のうちで略中間の伝
動比の第1中間変速位置が設定される(ステップS2
4)。例えば変速レバー63を1速位置から7速位置に
操作すると、4速位置が第1中間変速位置として設定さ
れる。
【0063】変速レバー63を2,4,6,8速位置に
操作した状態で変速レバー63を別の2,4,6,8速
位置に操作した場合(ステップS21,S23)、変速
レバー63が操作される前の操作位置(変速位置)と、
変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)との
間において、1,3,5,7速位置のうちで略中間の伝
動比の第1中間変速位置が設定される(ステップS2
4)。例えば変速レバー63を8速位置から2速位置に
操作すると、5速位置が第1中間変速位置として設定さ
れる。
【0064】変速レバー63を1,3,5,7速位置に
操作した状態で変速レバー63を2,4,6,8速位置
に操作した場合(前述のように変速レバー63をある操
作位置(変速位置)から1つ高速側又は低速側の操作位
置に操作した場合を除く)(ステップS21,S2
2)、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速
位置)と、変速レバー63が操作された操作位置(変速
位置)との間において、2,4,6,8速位置のうちで
略中間の伝動比の第1中間変速位置が設定され、1,
3,5,7速位置のうちで略中間の伝動比の第2中間変
速位置が設定される(ステップS26)。この場合、第
1中間変速位置に対し第2中間変速位置が、変速レバー
63が操作された操作位置(変速位置)に寄っている。
例えば変速レバー63を1速位置から6速位置に操作す
ると、3速位置が第1中間変速位置として設定され、4
速位置が第2中間変速位置として設定される。例えば変
速レバー63を1速位置から8速位置に操作すると、4
速位置が第1中間変速位置として設定され、5速位置が
第2中間変速位置として設定される。
【0065】変速レバー63を2,4,6,8速位置に
操作した状態で変速レバー63を1,3,5,7速位置
に操作した場合(前述のように変速レバー63をある操
作位置(変速位置)から1つ高速側又は低速側の操作位
置に操作した場合を除く)(ステップS21,S2
3)、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速
位置)と、変速レバー63が操作された操作位置(変速
位置)との間において、1,3,5,7速位置のうちで
略中間の伝動比の第1中間変速位置が設定され、2,
4,6,8速位置のうちで略中間の伝動比の第2中間変
速位置が設定される(ステップS26)。この場合、第
1中間変速位置に対し第2中間変速位置が、変速レバー
63が操作された操作位置(変速位置)に寄っている。
例えば変速レバー63を8速位置から1速位置に操作す
ると、5速位置が第1中間変速位置として設定され、4
速位置が第2中間変速位置として設定される。
【0066】[8]次に、第3変速モードの後半につい
て、図6及び図7に基づいて説明する。前項[7]に記
載のように、第1中間変速位置が設定された状態におい
て(ステップS24)、変速レバー63が操作される前
の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速
操作が行われる(ステップS25)。この場合、変速レ
バー63が操作される前の操作位置(変速位置)が1,
3,5,7速位置であると、前項[5]及び図5のステ
ップS3〜S9に基づく変速操作が行われ、変速レバー
63が操作される前の操作位置(変速位置)が2,4,
6,8速位置であると、前項[6]及び図5のステップ
S10〜S15,S9に基づく変速操作が行われる。
【0067】次に、第1中間変速位置から変速レバー6
3が操作された操作位置(変速位置)への変速操作が行
われる(ステップS29)。この場合に、第1中間変速
位置が1,3,5,7速位置であると、前項[5]及び
図5のステップS3〜S9に基づく変速操作が行われ、
第1中間変速位置が2,4,6,8速位置であると、前
項[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基
づく変速操作が行われる。
【0068】前項[7]に記載のように、第1及び第2
中間変速位置が設定された状態において(ステップS2
6)、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速
位置)から第1中間変速位置への変速操作が行われる
(ステップS27)。この場合に、変速レバー63が操
作される前の操作位置(変速位置)が1,3,5,7速
位置であると、前項[5]及び図5のステップS3〜S
9に基づく変速操作が行われ、変速レバー63が操作さ
れる前の操作位置(変速位置)が2,4,6,8速位置
であると、前項[6]及び図5のステップS10〜S1
5,S9に基づく変速操作が行われる。
【0069】次に、第1中間変速位置から第2中間変速
位置への変速操作が行われる(ステップS28)。この
場合、第1中間変速位置が1,3,5,7速位置である
と、前項[5]及び図5のステップS3〜S9に基づく
変速操作が行われ、第1中間変速位置が2,4,6,8
速位置であると、前項[6]及び図5のステップS10
〜S15,S9に基づく変速操作が行われる。
【0070】次に、第2中間変速位置から変速レバー6
3が操作された操作位置(変速位置)への変速操作が行
われる(ステップS29)。この場合に、第2中間変速
位置が1,3,5,7速位置であると、前項[5]及び
図5のステップS3〜S9に基づく変速操作が行われ、
第2中間変速位置が2,4,6,8速位置であると、前
項[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基
づく変速操作が行われる。
【0071】[9]次に、第4変速モードについて説明
する。第4変速モードにおいては、前項[7][8]に
記載の第3変速モードと同様に第1中間変速位置(第1
及び第2中間変速位置)が設定されるが、第1中間変速
位置(第1及び第2中間変速位置)が以下のように第3
変速モードとは異なっている。
【0072】第4変速モードにおいては、変速レバー6
3をある操作位置(変速位置)から別の操作位置(変速
位置)に操作した場合、変速レバー63が操作された操
作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作される
前の操作位置(変速位置)に少し寄った第1中間変速位
置(第1及び第2中間変速位置)が設定され、変速レバ
ー63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1
中間変速位置への変速操作が行われ、第1中間変速位置
から変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)
への変速操作が行われる(変速レバー63が操作される
前の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変
速操作が行われて、第1中間変速位置から第2中間変速
位置への変速操作が行われ、第2中間変速位置から変速
レバー63が操作された操作位置(変速位置)への変速
操作が行われる。
【0073】変速レバー63をある操作位置(変速位
置)から1つ高速側又は低速側の操作位置に操作した場
合(例えば変速レバー63を1速位置から2速位置に操
作した場合や8速位置から7速位置に操作した場合)、
第3変速モード(前項[7]参照)と同様に変速レバー
63の操作位置(変速位置)への変速操作が行われる。
この場合、変速レバー63が操作される前の操作位置
(変速位置)が1,3,5,7速位置であると、前項
[5]及び図5のステップS3〜S9に基づく変速操作
が行われ、変速レバー63が操作される前の操作位置
(変速位置)が2,4,6,8速位置であると、前項
[6]及び図5のステップS10〜S15,S9に基づ
く変速操作が行われる。
【0074】変速レバー63を1,3,5,7速位置に
操作した状態で変速レバー63を別の1,3,5,7速
位置に操作した場合、変速レバー63が操作された操作
位置(変速位置)から、変速レバー63が操作される前
の操作位置(変速位置)に少し寄った第1中間変速位置
が、2,4,6,8速位置のうちから設定される。例え
ば変速レバー63を1速位置から7速位置に操作する
と、6速位置が第1中間変速位置として設定される。
【0075】変速レバー63を2,4,6,8速位置に
操作した状態で変速レバー63を別の2,4,6,8速
位置に操作した場合、変速レバー63が操作された操作
位置(変速位置)から、変速レバー63が操作される前
の操作位置(変速位置)に少し寄った第1中間変速位置
が、1,3,5,7速位置のうちから設定される。例え
ば変速レバー63を8速位置から2速位置に操作する
と、3速位置が第1中間変速位置として設定される。
【0076】変速レバー63を1,3,5,7速位置に
操作した状態で変速レバー63を2,4,6,8速位置
に操作した場合(前述のように変速レバー63をある操
作位置(変速位置)から1つ高速側又は低速側の操作位
置に操作した場合を除く)、変速レバー63が操作され
た操作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作さ
れる前の操作位置(変速位置)に少し寄った第1中間変
速位置が、2,4,6,8速位置のうちから設定され、
変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)か
ら、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位
置)に少し寄った第2中間変速位置が、1,3,5,7
速位置のうちから設定される。この場合、第1中間変速
位置に対し第2中間変速位置が、変速レバー63が操作
された操作位置(変速位置)に寄っている。例えば変速
レバー63を1速位置から8速位置に操作すると、6速
位置が第1中間変速位置として設定され、7速位置が第
2中間位置として設定される。
【0077】変速レバー63を2,4,6,8速位置に
操作した状態で変速レバー63を1,3,5,7速位置
に操作した場合(前述のように変速レバー63をある操
作位置(変速位置)から1つ高速側又は低速側の操作位
置に操作した場合を除く)、変速レバー63が操作され
た操作位置(変速位置)から、変速レバー63が操作さ
れる前の操作位置(変速位置)に少し寄った第1中間変
速位置が、1,3,5,7速位置のうちから設定され、
変速レバー63が操作された操作位置(変速位置)か
ら、変速レバー63が操作される前の操作位置(変速位
置)に少し寄った第2中間変速位置が、2,4,6,8
速位置のうちから設定される。この場合、第1中間変速
位置に対し第2中間変速位置が、変速レバー63が操作
された操作位置(変速位置)に寄っている。例えば変速
レバー63を8速位置から1速位置に操作すると、3速
位置が第1中間変速位置として設定され、2速位置が第
2中間位置として設定される。
【0078】以上のようにして、第1中間変速位置(第
1及び第2中間変速位置)が設定されると、前項[8]
及び図6に記載の第3変速モードと同様に、変速レバー
63が操作される前の操作位置(変速位置)から第1中
間変速位置への変速操作、第1中間変速位置から変速レ
バー63が操作された操作位置(変速位置)への変速操
作が行われるのであり、変速レバー63が操作される前
の操作位置(変速位置)から第1中間変速位置への変速
操作、第1中間変速位置から第2中間変速位置への変速
操作、第2中間変速位置から変速レバー63が操作され
た操作位置(変速位置)への変速操作が行われる。
【0079】[10]次に、前後進レバー57を操作し
た場合について説明する。前項[2]に記載のように前
後進切換機構44において、図2に示すようにシフト部
材52に前後進レバー57が機械的に連係され、前後進
レバー57の操作位置が制御装置64に入力されてお
り、前後進レバー57によってシフト部材52を前進位
置F及び後進位置Rにスライド操作する。
【0080】これにより、前後進レバー57を前進位置
Fから後進位置Rに操作し始めると(後進位置Rから前
進位置Fに操作し始めると)、前項[4](第1変速モ
ード)の後半の記載と同様に、図3の実線A3に示すよ
うに伝動クラッチ6が自動的に減圧されて遮断状態に操
作され、前後進レバー57を後進位置R(前進位置F)
に操作すると、伝動クラッチ6が自動的に漸次的に昇圧
されて伝動状態に操作される。
【0081】伝動クラッチ6に対してのみ、人為的に踏
み操作自在なクラッチペダル(図示せず)が備えられ
て、クラッチペダルの操作位置が制御装置64に入力さ
れている。これによって、クラッチペダルを踏み操作す
ると、制御装置64及び制御弁60により伝動クラッチ
6が遮断状態に操作され、クラッチペダルを戻し操作す
ると、制御装置64及び制御弁60により伝動クラッチ
6が伝動状態に操作される。
【0082】[発明の実施の第1別形態]前述の[発明
の実施の形態]の前項[4]に記載の第1変速モードに
おいて、変速レバー63を1,3,5,7速位置に操作
している状態から2,4,6,8速位置に操作した場
合、第2変速モードと同様に前項[5]及び図5のステ
ップS3〜S9に基づく変速操作が行われるように構成
してもよい。変速レバー63を2,4,6,8速位置に
操作している状態から1,3,5,7速位置に操作した
場合、第2変速モードと同様に前項[6]及び図5のス
テップS10〜S15,S9に基づく変速操作が行われ
るように構成してもよい。
【0083】[発明の実施の第2別形態]前述の[発明
の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]におい
て、設定スイッチ65を廃止し、以下のように構成して
もよい。エンジン1の回転数を検出する回転数センサー
(図示せず)を備えて、無負荷でのエンジン1の回転数
と検出されたエンジン1の回転数との回転数差を検出す
る。農用トラクタでは一般にアクセルレバー(図示せ
ず)を全開位置に操作した状態で、変速レバー63及び
後述する副変速レバー(図示せず)を操作することによ
り所望の機体の走行速度を得るので、前述の無負荷での
エンジン1の回転数とは、アクセルレバーを全開位置に
操作した状態において無負荷でのエンジン1の回転数を
意味している。
【0084】これにより、回転数差が設定値以下である
と機体に掛かる走行負荷が小さいと判断されて、第1変
速モードが自動的に選択されるように構成し、回転数差
が設定値を越えると機体に掛かる走行負荷が大きいと判
断されて、第2変速モードが自動的に選択されるように
構成する。この場合、第2変速モードに代えて第3変速
モードが自動的に選択されたり、第4変速モードが自動
的に選択されたりするように構成してもよい。
【0085】[発明の実施の第3別形態]前述の[発明
の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]におい
て、設定スイッチ65を廃止し、以下のように構成して
もよい。機体の後部に作業装置や台車等を連結して牽引
する為のヒッチ(図示せず)を備え、ヒッチに掛かる牽
引負荷を検出する牽引負荷センサー(図示せず)を備え
る。これにより、牽引負荷が設定値以下であると、第1
変速モードが自動的に選択されるように構成し、牽引負
荷が設定値を越えると、第2変速モードが自動的に選択
されるように構成する。この場合、第2変速モードに代
えて第3変速モードが自動的に選択されたり、第4変速
モードが自動的に選択されたりするように構成してもよ
い。
【0086】[発明の実施の第4別形態]前述の[発明
の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]におい
て、設定スイッチ65を廃止し、以下のように構成して
もよい。農用トラクタにおいては、機体の後部に備えら
れたトップリンク(図示せず)及びロアリンク(図示せ
ず)に、ロータリ耕耘装置(図示せず)(対地作業装置
の一例)を連結して耕耘作業を行ったり、トップリンク
及びロアリンクにプラウ(図示せず)(対地作業装置の
一例)を連結し、プラウにより土を反転させるドラフト
作業を行うことがある。耕耘作業及びドラフト作業は作
業形態が異なるので、作業者が作業スイッチ(図示せ
ず)を人為的に操作するとにより、耕耘作業モード(ロ
ータリ耕耘装置)及びドラフト作業モード(プラウ)を
選択する。
【0087】耕耘作業モードにおいては、ロータリ耕耘
装置の耕耘深さが検出されて、耕耘深さが設定値に維持
されるように、機体に対してロータリ耕耘装置が自動的
に昇降操作される。この場合、機体に掛かる牽引負荷は
比較的小さなものとなる(言い換えると、ロータリ耕耘
装置のロータリ爪の回転によって、機体が前に押されよ
うとする)。ドラフト作業モードにおいては、ロアリン
クに掛かる牽引負荷が検出されて、牽引負荷が設定値に
維持されるように、機体に対してプラウが自動的に昇降
操作される。この場合、機体(ロアリンク)に掛かる牽
引負荷は比較的大きなものとなる。
【0088】これにより、作業スイッチにより耕耘作業
モード及びドラフト作業モードの両方が停止する切り状
態又は耕耘作業モードを選択すると、第1変速モードが
自動的に選択されるように構成し、作業スイッチにより
ドラフト作業モードを選択すると、第2変速モードが自
動的に選択されるように構成する。この場合、第2変速
モードに代えて第3変速モードが自動的に選択された
り、第4変速モードが自動的に選択されたりするように
構成してもよい。
【0089】[発明の実施の第5別形態]前述の[発明
の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]におい
て、設定スイッチ65を廃止し、以下のように構成して
もよい。図1に示す副変速機構46を操作する副変速レ
バー(図示せず)において、副変速レバーが高速位置に
操作されていると、機体の走行速度が高速であると判断
されて、第1変速モードが自動的に選択されるように構
成し、副変速レバーが中速位置又は低速位置に操作され
ていると、機体の走行速度が低速であると判断されて、
第2変速モードが自動的に選択されるように構成する。
この場合、第2変速モードに代えて第3変速モードが自
動的に選択されたり、第4変速モードが自動的に選択さ
れたりするように構成してもよい。
【0090】[発明の実施の第6別形態]前述の[発明
の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]におい
て、設定スイッチ65を廃止し、以下のように構成して
もよい。農用トラクタにおいては、油圧シリンダによっ
て上下に揺動操作されるリフトアーム(図示せず)を備
えて、リフトアームによりロアリンクを上下に揺動操作
するように構成している(前述の[発明の実施の第4別
形態]に記載の耕耘作業モード及びドラフト作業モード
において、リフトアームによりロータリ耕耘装置及びプ
ラウを昇降操作する)。
【0091】前述の[発明の実施の第4別形態]に記載
のように、トップリンク及びロアリンクに、ロータリ耕
耘装置やプラウ等の対地作業装置を連結した場合、路上
走行等のように対地作業装置による作業を行わない状態
では、機体に対して対地作業装置を大きく上昇操作して
おく。この場合、機体に掛かる走行負荷は比較的小さい
状態であると判断できる。逆に機体に対して対地作業装
置を充分に下降操作していると、対地作業装置による作
業を行う状態であることが多い。この場合、機体に掛か
る走行負荷は比較的大きい状態であると判断できる。
【0092】これによって、対地作業装置の機体に対す
る高さを検出して(例えば機体に対するリフトアームや
ロアリンクの上下角度を検出して、対地作業装置の機体
に対する高さと判断する)、対地作業装置の機体に対す
る高さが設定値以上であると第1変速モードが自動的に
選択されるように構成し、対地作業装置の機体に対する
高さが設定値未満であると第2変速モードが自動的に選
択されるように構成する。この場合に、第2変速モード
に代えて第3変速モードが自動的に選択されたり、第4
変速モードが自動的に選択されたりするように構成して
もよい。
【0093】[発明の実施の第7別形態]前述の[発明
の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]〜[発
明の実施の第6別形態]において、図1に示す伝動クラ
ッチ6及び前後進切換機構44を伝動軸2に配置しても
よい。図1に示す第1ギヤ変速機構13を第1副伝動軸
8と伝動軸4との間に構成し、第1副ギヤ変速機構14
を第1主伝動軸7と伝動軸2との間に構成してもよい。
図1に示す第2ギヤ変速機構15を第2副伝動軸11と
伝動軸4との間に構成し、第2副ギヤ変速機構16を第
2主伝動軸10と伝動軸2との間に構成してもよい。前
輪53及び後輪54に代えて、右及び左のクローラ走行
装置を備えた作業車にも本発明は適用できる。
【0094】
【発明の効果】請求項1(請求項8)の特徴によると、
作業車の走行変速構造において、変速操作が行われてい
る間、二重伝動状態が発生し、トルクの変動の少ない動
力が走行装置に伝達されるように構成することにより、
走行負荷により機体の走行速度が急激に低下し、機体の
走行速度が大きく低下した状態で伝動クラッチが伝動状
態に操作されてショックが生じると言う状態を防止する
ことができて、作業車の走行性能及び変速性能を向上さ
せることができた。
【0095】請求項1(請求項8)の特徴によると、第
1及び第2ギヤ変速機構が複数の変速位置を備えている
ので、二重伝動状態を発生させる場合、第2ギヤ変速機
構(第1ギヤ変速機構)を複数の変速位置の中から適切
な変速位置に操作することができることによって、[発
明が解決しようとする課題]に記載のように、高速の変
速位置の伝動比で動力が伝達されている状態から、低速
の伝動比で動力が伝達される状態となり、再び高速の変
速位置の伝動比で動力が伝達される状態となって、ショ
ックが生じると言う状態を防止することができ、作業車
の走行性能及び変速性能を向上させることができた。
【0096】請求項1(請求項8)の特徴によると、変
速を行う際のショックの防止よりも変速の素早さを優先
した形態の第1変速手段、及び変速の素早さをよりも変
速を行う際のショックの防止を優先した形態の第2変速
手段(第3変速手段)を備えて、第1変速手段を作動さ
せる第1状態及び第2変速手段(第3変速手段)を作動
させる第2状態(第3状態)が、作業状態や走行状態等
に基づいて適切に選択されるように構成することができ
るようになって、作業車の走行性能及び変速性能を向上
させることができた。
【0097】請求項1の特徴の第2変速手段によると、
変速指令が発せられる前の変速位置から変速指令による
変速位置まで、二重伝動状態の発生及びトルクの変動の
少ない動力の走行装置への伝達が繰り返されるので、変
速指令が発せられる前の変速位置から変速指令による変
速位置までショックの少ない変速が行われるようになっ
て、変速を行う際のショックの防止と言う面で有利であ
る。
【0098】請求項8の特徴の第3変速手段によると、
変速指令が発せられる前の変速位置から中間変速位置に
変速操作され、中間変速位置から変速指令による変速位
置に変速操作されるように構成することにより、ショッ
クをある程度抑えながら、変速指令が発せられる前の変
速位置から変速指令による変速位置に達するまでの時間
を、比較的短いものにすることができるので、請求項1
の特徴の第2変速手段に比べて変速の素早さと言う面で
有利である。
【0099】請求項2(請求項9)の特徴によると、請
求項1(請求項8)の場合と同様に前述の請求項1(請
求項8)の「発明の効果」を備えており、この「発明の
効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えてい
る。請求項2(請求項9)の特徴によると、作業者の判
断によって第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状
態)を適切に選択することができるようになり、作業者
の意思を優先した作業車の走行性能及び変速性能を得る
ことができるようになった。
【0100】請求項3,10(請求項4,11)の特徴
によると、請求項1(請求項8)の場合と同様に前述の
請求項1(請求項8)の「発明の効果」を備えており、
この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効
果」を備えている。請求項3,10(請求項4,11)
の特徴によると、機体に掛かる走行負荷(牽引負荷)が
小さい状態及び機体に掛かる走行負荷(牽引負荷)が大
きい状態に応じて、第1状態又は第2状態(第1状態又
は第3状態)が、適切に且つ自動的に選択されるように
なって、作業車の走行性能及び変速性能の向上、操作性
の向上を図ることができた。
【0101】請求項5(請求項12)の特徴によると、
請求項1(請求項8)の場合と同様に前述の請求項1
(請求項8)の「発明の効果」を備えており、この「発
明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備え
ている。請求項5(請求項12)の特徴によると、ドラ
フト作業ではない状態及びドラフト作業である状態に応
じて、第1状態又は第2状態(第1状態又は第3状態)
が、適切に且つ自動的に選択されるようになって、作業
車の走行性能及び変速性能の向上、操作性の向上を図る
ことができた。
【0102】請求項6(請求項13)の特徴によると、
請求項1(請求項8)の場合と同様に前述の請求項1
(請求項8)の「発明の効果」を備えており、この「発
明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備え
ている。請求項6(請求項13)の特徴によると、機体
の走行速度が高速である状態及び機体の走行速度が低速
である状態に応じて、第1状態又は第2状態(第1状態
又は第3状態)が、適切に且つ自動的に選択されるよう
になって、作業車の走行性能及び変速性能の向上、操作
性の向上を図ることができた。
【0103】請求項7(請求項14)の特徴によると、
請求項1(請求項8)の場合と同様に前述の請求項1
(請求項8)の「発明の効果」を備えており、この「発
明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備え
ている。請求項7(請求項14)の特徴によると、対地
作業装置の高さが設定値以上である状態及び対地作業装
置の高さが設定値未満である状態に応じて、第1状態又
は第2状態(第1状態又は第3状態)が、適切に且つ自
動的に選択されるようになって、作業車の走行性能及び
変速性能の向上、操作性の向上を図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行伝動系を示す概略図
【図2】前後進レバー、変速レバー、伝動クラッチ、第
1及び第2摩擦クラッチ、第1及び第1副アクチュエー
タ、第2及び第2副アクチュエータの操作系を示す図
【図3】第1変速モードにおいて、1速位置から2速位
置への変速操作を示す図
【図4】第2変速モードにおいて、1速位置から2速位
置への変速操作を示す図
【図5】第2変速モードの流れを示す図
【図6】第3変速モードの流れを示す図
【図7】1〜8速位置でのシフト部材、第1及び第2摩
擦クラッチの状態を示す図
【符号の説明】
1 エンジン 2 上手側伝動軸 4 下手側伝動軸 6 伝動クラッチ 7,8 第1伝動系 9 第1摩擦クラッチ 10,11 第2伝動系 12 第2摩擦クラッチ 13 第1ギヤ変速機構 15 第2ギヤ変速機構 35 第1アクチュエータ 37 第2アクチュエータ 53,54 走行装置 65 人為選択手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16D 25/14 640T (72)発明者 花 英俊 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 Fターム(参考) 3D039 AA02 AA04 AB21 AC03 AC38 AC45 AC78 3J028 EA21 EB09 EB15 EB18 EB23 EB37 EB62 EB67 FA06 FB03 FC42 FC57 FC64 GA14 HA13 HA22 HA32 HB01 3J057 AA05 BB04 FF01 FF07 FF10 FF12 FF15 GA26 GA47 GC10 HH04 HH05 JJ02 3J552 MA04 MA05 MA13 MA26 NA05 NB01 PA02 SA26 SB38 UA03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの動力が伝達される上手側伝動
    軸と、走行装置に動力を伝達する下手側伝動軸との間
    に、第1伝動系と第2伝動系とを並列的に配置し、 前記第1及び第2伝動系の伝動上手側又は伝動下手側に
    油圧多板式の伝動クラッチを備えて、前記上手側伝動軸
    の動力が前記第1及び第2伝動系のうちの一方を介して
    前記下手側伝動軸に伝達されるように構成し、 前記上手側又は下手側伝動軸と第1伝動系との間に複数
    の変速位置を備えた第1ギヤ変速機構を備え、前記第1
    ギヤ変速機構を操作する第1アクチュエータを備えて、
    前記第1伝動系に第1摩擦クラッチを備え、 前記上手側又は下手側伝動軸と第2伝動系との間に複数
    の変速位置を備えた第2ギヤ変速機構を備え、前記第2
    ギヤ変速機構を操作する第2アクチュエータを備えて、
    前記第2伝動系に第2摩擦クラッチを備え、 前記第1伝動系を介して動力が伝達される状態におい
    て、前記第2アクチュエータにより前記第2ギヤ変速機
    構を所定の変速位置に操作し、前記第2摩擦クラッチを
    遮断状態から伝動状態に操作しながら前記第1摩擦クラ
    ッチを伝動状態から遮断状態に操作し、前記伝動クラッ
    チを伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動状態
    に操作する第1制御手段と、 前記第2伝動系を介して動力が伝達される状態におい
    て、前記第1アクチュエータにより前記第1ギヤ変速機
    構を所定の変速位置に操作し、前記第1摩擦クラッチを
    遮断状態から伝動状態に操作しながら前記第2摩擦クラ
    ッチを伝動状態から遮断状態に操作し、前記伝動クラッ
    チを伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動状態
    に操作する第2制御手段とを備えると共に、 変速指令が発せられると、前記伝動クラッチを遮断状態
    に操作して、第1及び第2アクチュエータにより第1及
    び第2変速機構を変速指令による変速位置に操作し、前
    記伝動クラッチを漸次的に伝動状態に操作する第1変速
    手段と、 変速指令が発せられる前の変速位置から変速指令による
    変速位置まで前記第1及び第2制御手段を交互に作動さ
    せて、前記変速指令による変速位置が得られるようにす
    る第2変速手段とを備えて、 前記第1変速手段を作動させて前記第2変速手段を停止
    させる第1状態、及び前記第2変速手段を作動させて前
    記第1変速手段を停止させる第2状態を選択可能に構成
    してある作業車の走行変速構造。
  2. 【請求項2】 前記第1状態又は第2状態を人為的に選
    択可能な人為選択手段を備えてある請求項1に記載の作
    業車の走行変速構造。
  3. 【請求項3】 機体に掛かる走行負荷を検出して、走行
    負荷が設定値以下であると前記第1状態を選択し、走行
    負荷が設定値を越えると前記第2状態を選択する自動選
    択手段を備えてある請求項1に記載の作業車の走行変速
    構造。
  4. 【請求項4】 機体に掛かる牽引負荷を検出して、前記
    牽引負荷が設定値以下であると前記第1状態を選択し、
    前記牽引負荷が設定値を越えると前記第2状態を選択す
    る自動選択手段を備えてある請求項1に記載の作業車の
    走行変速構造。
  5. 【請求項5】 ドラフト作業であるか否かであるかを判
    断して、ドラフト作業ではないと前記第1状態を選択
    し、ドラフト作業であると前記第2状態を選択する自動
    選択手段を備えてある請求項1に記載の作業車の走行変
    速構造。
  6. 【請求項6】 機体の走行速度が高速であると前記第1
    状態を選択し、機体の走行速度が低速であると前記第2
    状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項1に記
    載の作業車の走行変速構造。
  7. 【請求項7】 機体に連結された対地作業装置の機体に
    対する高さを検出して、前記対地作業装置の機体に対す
    る高さが設定値以上であると前記第1状態を選択し、前
    記対地作業装置の機体に対する高さが設定値未満である
    と前記第2状態を選択する自動選択手段を備えてある請
    求項1に記載の作業車の走行変速構造。
  8. 【請求項8】 エンジンの動力が伝達される上手側伝動
    軸と、走行装置に動力を伝達する下手側伝動軸との間
    に、第1伝動系と第2伝動系とを並列的に配置し、 前記第1及び第2伝動系の伝動上手側又は伝動下手側に
    油圧多板式の伝動クラッチを備えて、前記上手側伝動軸
    の動力が前記第1及び第2伝動系のうちの一方を介して
    前記下手側伝動軸に伝達されるように構成し、 前記上手側又は下手側伝動軸と第1伝動系との間に複数
    の変速位置を備えた第1ギヤ変速機構を備え、前記第1
    ギヤ変速機構を操作する第1アクチュエータを備えて、
    前記第1伝動系に第1摩擦クラッチを備え、 前記上手側又は下手側伝動軸と第2伝動系との間に複数
    の変速位置を備えた第2ギヤ変速機構を備え、前記第2
    ギヤ変速機構を操作する第2アクチュエータを備えて、
    前記第2伝動系に第2摩擦クラッチを備え、 前記第1伝動系を介して動力が伝達される状態におい
    て、前記第2アクチュエータにより前記第2ギヤ変速機
    構を所定の変速位置に操作し、前記第2摩擦クラッチを
    遮断状態から伝動状態に操作しながら前記第1摩擦クラ
    ッチを伝動状態から遮断状態に操作し、前記伝動クラッ
    チを伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動状態
    に操作する第1制御手段と、 前記第2伝動系を介して動力が伝達される状態におい
    て、前記第1アクチュエータにより前記第1ギヤ変速機
    構を所定の変速位置に操作し、前記第1摩擦クラッチを
    遮断状態から伝動状態に操作しながら前記第2摩擦クラ
    ッチを伝動状態から遮断状態に操作し、前記伝動クラッ
    チを伝動状態から半伝動状態に操作し漸次的に伝動状態
    に操作する第2制御手段とを備えると共に、 変速指令が発せられると、前記伝動クラッチを遮断状態
    に操作して、第1及び第2アクチュエータにより第1及
    び第2変速機構を変速指令による変速位置に操作し、前
    記伝動クラッチを漸次的に伝動状態に操作する第1変速
    手段と、 変速指令が発せられる前の変速位置と変速指令による変
    速位置との間の中間変速位置を設定して、前記変速指令
    が発せられる前の変速位置から前記中間変速位置が得ら
    れるように、前記第1又は第2制御手段の一方を作動さ
    せ、前記中間変速位置から前記変速指令による変速位置
    が得られるように、前記第1又は第2制御手段の他方を
    作動させる第3制御手段とを備えて、 前記第1変速手段を作動させて前記第3変速手段を停止
    させる第1状態、及び前記第3変速手段を作動させて前
    記第1変速手段を停止させる第3状態を選択可能に構成
    してある作業車の走行変速構造。
  9. 【請求項9】 前記第1状態又は第3状態を人為的に選
    択可能な人為選択手段を備えてある請求項8に記載の作
    業車の走行変速構造。
  10. 【請求項10】 機体に掛かる走行負荷を検出して、走
    行負荷が設定値以下であると前記第1状態を選択し、走
    行負荷が設定値を越えると前記第3状態を選択する自動
    選択手段を備えてある請求項8に記載の作業車の走行変
    速構造。
  11. 【請求項11】 機体に掛かる牽引負荷を検出して、前
    記牽引負荷が設定値以下であると前記第1状態を選択
    し、前記牽引負荷が設定値を越えると前記第3状態を選
    択する自動選択手段を備えてある請求項8に記載の作業
    車の走行変速構造。
  12. 【請求項12】 ドラフト作業であるか否かであるかを
    判断して、ドラフト作業ではないと前記第1状態を選択
    し、ドラフト作業であると前記第3状態を選択する自動
    選択手段を備えてある請求項8に記載の作業車の走行変
    速構造。
  13. 【請求項13】 機体の走行速度が高速であると前記第
    1状態を選択し、機体の走行速度が低速であると前記第
    3状態を選択する自動選択手段を備えてある請求項1に
    記載の作業車の走行変速構造。
  14. 【請求項14】 機体に連結された対地作業装置の機体
    に対する高さを検出して、前記対地作業装置の機体に対
    する高さが設定値以上であると前記第1状態を選択し、
    前記対地作業装置の機体に対する高さが設定値未満であ
    ると前記第3状態を選択する自動選択手段を備えてある
    請求項8に記載の作業車の走行変速構造。
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