JPH06229470A - 作業車の走行変速構造 - Google Patents

作業車の走行変速構造

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JPH06229470A
JPH06229470A JP1512793A JP1512793A JPH06229470A JP H06229470 A JPH06229470 A JP H06229470A JP 1512793 A JP1512793 A JP 1512793A JP 1512793 A JP1512793 A JP 1512793A JP H06229470 A JPH06229470 A JP H06229470A
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猛 裏
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良行 片山
Satoru Fukui
哲 福井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行用のギヤ変速装置をアクチュエータ及び
走行変速用のクラッチにより、自動的に変速操作するよ
うに構成した作業車の走行変速構造において、走行負荷
が大きい場合でも、アクチュエータによる変速操作がシ
ョック少なく円滑に行えるようにする。 【構成】 第1及び第2クラッチ5,19を走行伝動系
に直列に配置して、アクチュエータによる変速操作が開
始されると、これに連動して第2クラッチ19を急速に
伝動遮断操作して、第1クラッチ5の作動圧を所定低圧
P1にまで減圧操作し、変速操作終了に連動して第2ク
ラッチ19を急速に伝動側に操作して、第1クラッチ5
の作動圧を所定低圧P1から漸次的に上昇させる。そし
て、走行負荷が大きい場合には、第1クラッチ5の所定
低圧P1を、高圧の所定低圧P2側に変更操作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ギヤ変速装置を装備し
た作業車の走行変速構造において、変速用の操作指令に
基づき自動的に走行変速用のクラッチを伝動遮断操作
し、アクチュエータによりギヤ変速装置を変速操作し
て、再び走行変速用のクラッチを自動的に伝動側に操作
する構成を備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】前述のような作業車の走行変速構造の一
例が、特開平4−39464号公報に開示されている。
この構造では、走行変速用で油圧操作式の第1クラッチ
(前記公報の第6図中の6)と、走行変速用で急速な伝
動及び伝動遮断操作が可能な第2クラッチ(前記公報の
第6図中の19)とを走行伝動系に直列に配置してい
る。これにより、アクチュエータ(前記公報の第6図中
のT1,T2,T3)によるギヤ変速装置(前記公報の
第6図中のA,B)の変速操作が開始されると、これに
連動して第2クラッチを急速に伝動遮断操作し、第1ク
ラッチの作動圧を所定低圧にまで減圧操作している(前
記公報の第2図参照)。そして、アクチュエータによる
変速操作終了に連動して、第2クラッチを急速に伝動側
に操作し、第1クラッチの作動圧を所定低圧から漸次的
に上昇させて第1クラッチを伝動側に操作している。
【0003】走行変速用として1個の油圧クラッチを使
用し、この油圧クラッチの作動圧を完全に零にしてアク
チュエータによる変速操作を行い、作動圧を零の状態か
ら上昇させて油圧クラッチを伝動側に操作する型式に比
べて、走行変速用として第1及び第2クラッチの2個の
クラッチを使用することにより、作動圧がある程度残っ
ている状態から漸次的に第1クラッチの作動圧を上昇さ
せて行くので、第1クラッチが完全に伝動状態になるま
でに要する時間は短くなり、変速操作全体としての時間
を短くすることができるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のような走行変速
構造を備えた作業車において、例えば走行抵抗の大きな
軟弱な地面を走行する場合や荷物を載せた台車を牽引し
たりする場合、走行変速時に第2クラッチを伝動遮断操
作すると走行系に動力が伝達されなくなるので、この時
点で前述の走行負荷により機体の走行速度が大きく低下
する。これにより、アクチュエータによる変速操作終了
時に機体の走行速度が大きく低下した状態で、前述のよ
うに第1及び第2クラッチを伝動側に操作して動力が走
行系に流れると、機体が低下する前の元の速度にまで加
速される状態となってショックが生じることになり、乗
り心地の面で改善の余地がある。本発明は、走行変速用
として第1及び第2クラッチの2個のクラッチを使用す
ることにより、作動圧がある程度残っている状態から漸
次的に第1クラッチの作動圧を上昇させて行く従来の構
造の利点を残しながら、走行負荷の大きい場合でもショ
ック少なく変速操作が行えるように構成することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は以上のよ
うな作業車の走行変速構造において、次のように構成す
ることにある。つまり、走行用のギヤ変速装置と、この
ギヤ変速装置のシフトギヤをスライド操作して変速操作
を行うアクチュエータとを備えて、走行変速用で油圧操
作式の第1クラッチと、走行変速用で急速な伝動及び伝
動遮断操作が可能な第2クラッチとを走行伝動系に直列
に配置し、アクチュエータによる変速操作が開始される
と、これに連動して第2クラッチを急速に伝動遮断操作
し、且つ、第1クラッチの作動圧を所定低圧にまで減圧
操作する第1制御手段と、アクチュエータによる変速操
作終了に連動して、第2クラッチを急速に伝動側に操作
し、且つ、第1クラッチの作動圧を所定低圧から漸次的
に上昇させて第1クラッチを伝動側に操作する第2制御
手段とを備えると共に、機体に掛かる走行負荷を検出す
る負荷検出手段と、検出される走行負荷が大きくなるほ
ど第1制御手段により操作される第1クラッチの所定低
圧を、高圧側に変更操作する第3制御手段とを備えてあ
る。
【0006】
【作用】本発明のように構成すると例えば図1及び図3
に示すように、アクチュエータT1,T2による変速操
作が開始されると、第2クラッチ19が急速に伝動遮断
操作されると共に、第1クラッチ5の作動圧が所定低圧
P1まで減圧操作される(図3の時点A1)。この場
合、第2クラッチ19が伝動遮断状態となるので、走行
系全体として伝動遮断状態となり、アクチュエータT
1,T2による変速操作が支障なく行われる。そして、
アクチュエータT1,T2による変速操作が終了すると
第2クラッチ19が急速に伝動側に操作されるが、第1
クラッチ5は完全な伝動状態ではないので動力伝達は行
われない。その後、第1クラッチ5の作動圧を上昇させ
てこの第1クラッチ5を伝動側に操作するのであるが、
この場合、作動圧がある程度残った所定低圧P1の状態
から漸次的に作動圧を上昇させて行くので、第1クラッ
チ5が完全な伝動状態になるまでに要する時間は短くな
る。
【0007】そして、例えば走行抵抗の大きな軟弱な地
面を走行する場合や、荷物を載せた台車を牽引する場合
等のように走行負荷が大きい場合には、第2クラッチ1
9が伝動遮断操作されて走行系に動力が伝達されなくな
ると、走行抵抗により機体の走行速度が急低下すること
がある。そこで、このような場合には負荷検出手段の検
出に基づき図3の時点A5に示すように、第1クラッチ
5の作動圧が前述の所定低圧P1よりも高い所定低圧P
2に昇圧操作される。これにより、アクチュエータT
1,T2による変速操作が終了した時点A6から、第1
クラッチ5の作動圧を上昇させる場合に、作動圧が伝動
状態の圧力Pに素早く上昇するのである(時間B1及び
時間B2参照)。従って、機体の走行速度が極端に落ち
るまでに第1クラッチ5が伝動状態に操作されるので、
機体の走行速度が極端に落ちてから第1クラッチ5をつ
なげてショックを生じさせるような事態を防止できるの
である。
【0008】
【発明の効果】以上のように、機体に掛かる走行負荷を
検出して第1クラッチの所定低圧を変更することによ
り、走行負荷が大きい場合での変速操作をショック少な
く滑らかに行えるように構成することができて、作業車
の乗り心地を向上させることができた。そして、走行変
速用として第1及び第2クラッチの2個のクラッチを使
用することにより、作動圧がある程度残っている状態か
ら漸次的に第1クラッチの作動圧を上昇させて行く従来
の構造の利点を、そのまま残している。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (1)図1は作業車の一例である四輪駆動型の農用トラ
クタのミッションケース8内を示しており、エンジン1
からの動力が伝動軸2及びクラッチ機構3を介して、P
TO軸4に伝達されてPTO系が構成されている。エン
ジン1からの動力が前進第1クラッチ5(第1クラッチ
に相当)又は後進第1クラッチ6(第1クラッチに相
当)、円筒軸11、主変速装置A(ギヤ変速装置に相
当)、第2クラッチ19、第1副変速装置B、第2副変
速装置C及び後輪デフ装置7aを介して後輪7に伝達さ
れて、走行系が構成されている。そして、後輪デフ装置
7aの直前から分岐した動力を伝動軸9、油圧クラッチ
型式の前輪変速装置D、前輪伝動軸12及び前輪デフ装
置10aを介して前輪10に伝達するように構成してい
る。
【0010】前進第1クラッチ5及び後進第1クラッチ
6は、摩擦板(図示せず)とピストン(図示せず)とを
組み合わせた多板摩擦式の油圧操作式で、作動油を供給
することにより伝動側に操作される。そして、前進第1
クラッチ5を伝動側に操作すると、エンジン1の動力が
前進第1クラッチ5から円筒軸11に直接流れて、機体
は前進する。後進第1クラッチ6を伝動側に操作する
と、エンジン1の動力が後進第1クラッチ6及び伝動軸
31を介して、逆転状態で円筒軸11に伝達されて機体
は後進する。
【0011】主変速装置Aは2組のシフトギヤS1をス
ライド操作するシンクロメッシュ型式に構成されて4段
に変速可能であり、エンジン1側の円筒軸11からの動
力が伝動軸35に伝達され、この伝動軸35から円筒状
の伝動軸36に伝達され4段に変速操作されて、第2ク
ラッチ19に伝達される。第1副変速装置Bもシフトギ
ヤS2をスライド操作するシンクロメッシュ型式に構成
されている。そして、主変速装置Aの両シフトギヤS1
をスライド操作する油圧シリンダT1,T2(アクチュ
エータに相当)、第1副変速装置BのシフトギヤS2を
スライド操作する油圧シリンダT3を備えている。
【0012】各油圧シリンダT1,T2,T3により変
速操作を行う際において、その開始に連動して前進第1
又は後進第1クラッチ5,6の伝動遮断操作、及び第2
クラッチ19の伝動遮断操作を行い、変速操作終了に連
動して前進第1又は後進第1クラッチ5,6、及び第2
クラッチ19の伝動側への操作を行う油圧制御系を備え
ており、油圧により変速操作が行えるように構成してい
る。又、第2副変速装置Cは、変速レバー(図示せず)
によりシフトギヤを直接にスライド操作する手動操作式
である。
【0013】(2)次に油圧シリンダT1,T2,T
3、前進第1及び後進第1クラッチ5,6、第2クラッ
チ19の油圧制御系について説明する。図2に示すよう
に、油圧ポンプ13からの作動油をロータリ弁15を介
して3組の油圧シリンダT1,T2,T3に供給してお
り、これら3組の油圧シリンダT1,T2,T3の作動
時において、パイロット圧が増減するパイロット油路1
6が備えられている。油圧ポンプ13からの作動油が油
路17を介してロータリ弁15に供給されており、作動
油が油路18、電磁比例圧力制御弁型式の前進制御弁2
7及び後進制御弁28を介して、前進第1及び後進第1
クラッチ5,6に供給されている。
【0014】油路18から分岐した油路20から、作動
油が切換弁26を介して第2クラッチ19に供給されて
おり、パイロット油路16が切換弁26に接続されてい
る。パイロット油路16のパイロット圧を制御する制御
弁21,22が設けられており、主変速装置A用の油圧
シリンダT1,T2からのパイロット油路23,24及
び第1副変速装置B用の油圧シリンダT3からのパイロ
ット油路25が、制御弁21,22に各々図2に示すよ
うに接続されている。
【0015】ロータリ弁15と機械的に連動連結され
て、ロータリ弁15を中立位置及び1速〜8速位置に操
作可能な変速レバー14が備えられており、変速レバー
14の操作位置が制御装置30に電気的に入力されてい
る。前進及び後進切換用の前後進レバー33が備えられ
ており、この前後進レバー33の操作位置が制御装置3
0に電気的に入力されている。
【0016】(3)次に、変速操作時における各部の動
作について説明する。図2は前後進レバー33を前進位
置Fに操作し、変速レバー14を1速位置に操作してい
る状態であり、主変速装置Aの油圧シリンダT1が1速
位置に移動して油圧シリンダT2が中立位置に位置し、
第1副変速装置Bの油圧シリンダT3が低速側に位置し
ている。これにより、油圧シリンダT1からのパイロッ
ト作動油により制御弁21が切換操作されており、油圧
シリンダT3からのパイロット作動油が、パイロット油
路25及び制御弁22,21を介してパイロット油路1
6に供給されており、切換弁26が連通位置に切換操作
されている。従って、油路18からの作動油が前進制御
弁27を介して前進第1クラッチ5に供給されて、これ
が伝動操作されている(後進第1クラッチ6は後進制御
弁28により伝動遮断操作)。そして、油路20からの
作動油が切換弁26を介して第2クラッチ19に供給さ
れてこれが伝動操作されており、機体は前進1速状態で
走行している。
【0017】以上の構成により図2に示すような前進1
速状態において、変速レバー14を1速位置から2速位
置に操作し始めたとする。この場合、ロータリ弁15か
らの作動油により油圧シリンダT1が1速位置から2速
位置側に移動し始めると、図2及び図3に示すようにパ
イロット油路23のパイロット圧が低下して制御弁21
が切換操作され、パイロット油路16が排油状態とな
る。これにより、切換弁26が排油位置に切換操作され
て、第2クラッチ19が急速に伝動遮断操作される(図
3の時点A1)。そして、これと同時にパイロット油路
16のパイロット圧の低下を検出する圧力センサー29
の検出に基づき、前進制御弁27が制御装置30により
操作されれ、前進第1クラッチ5の作動圧が圧力P(前
進第1クラッチ5が完全な伝動状態に操作される圧力)
から所定低圧P1に急速に減圧操作される。この所定低
圧P1は前進第1クラッチ5のピストンが摩擦板に触れ
るか触れないか程度に、摩擦板から離れる圧力であり、
前進第1クラッチ5が伝動遮断状態となる(以上、第1
制御手段に相当)。
【0018】このように図1に示す前進第1クラッチ5
及び第2クラッチ19を伝動遮断操作すると、主変速装
置Aにおける上手側(エンジン1側)の伝動軸35及び
下手側(後輪7側)の伝動軸36の両方が、自由回転状
態となる。これにより、図3の時点A1から時点A2の
間において油圧シリンダT1による2速位置への変速操
作が行われると、両伝動軸35,36の回転数が互いに
近づき合って両回転数が合致するのであり、これ伴って
油圧シリンダT1による変速操作が早く円滑に行われる
のである。
【0019】以上のようにして、油圧シリンダT1によ
る変速操作が終了すると、油圧シリンダT1からパイロ
ット油路23にパイロット作動油が供給され、制御弁2
1が図2に示す位置に切換操作される。これにより、パ
イロット油路16に再びパイロット作動油が供給され、
切換弁16が図2に示す連通位置に切換操作されて、第
2クラッチ19が急速に伝動操作される(図3の時点A
2)。そして、パイロット油路16のパイロット圧の上
昇が圧力センサー29により検出されると、制御装置3
0により前進制御弁27が操作されて図3の時点A2か
ら時点A3に示すように、前進第1クラッチ5の作動圧
が所定低圧P1から完全な伝動状態となる圧力Pにまで
漸次的に上昇操作されていく(以上、第2制御手段に相
当)。
【0020】(4)以上の状態は通常の走行状態での変
速操作時の状態であるが、次に走行抵抗の大きな軟弱な
地面を走行する場合や、荷物を載せた台車を牽引する場
合等のように、走行負荷の大きな場合での変速操作時の
各部の動作について説明する。前述の図2に示すように
前後進レバー33を前進位置Fに操作し、変速レバー1
4を1速位置に操作した前進1速状態において、変速レ
バー14を1速位置から2速位置に操作し始めたとす
る。この場合、前述と同様に第2クラッチ19が急速に
伝動遮断操作されると共に(図3の時点A4)、前進第
1クラッチ5の作動圧が所定低圧P1に急速に減圧操作
される。
【0021】図1に示すように後輪デフ装置7aの駆動
軸34に対して、この駆動軸34の回転速度を検出する
回転センサー37(負荷検出手段に相当)を備えてい
る。図1において、前述のように第2クラッチ19を伝
動遮断操作すると、第2クラッチ19から下手側(後輪
2側)へはエンジン1の動力が流れなくなるので、走行
抵抗によって機体の走行速度、つまり駆動軸34の回転
速度が急低下することになる。従って、回転センサー3
7により駆動軸34の回転速度の低下率を求めることに
より、回転速度の低下率が大きいと前進第1クラッチ5
の作動圧が所定低圧P1から所定低圧P2に昇圧操作さ
れる(図3の時点A5)(以上、第2制御手段及び第3
制御手段に相当)。
【0022】図3の時点A4から時点A6の間で、油圧
シリンダT1による変速操作が行われるのであり、この
油圧シリンダT1による変速操作が終了すると、油圧シ
リンダT1からパイロット油路23にパイロット作動油
が供給され、制御弁21が図2に示す位置に切換操作さ
れて、切換弁26により第2クラッチ19が急速に伝動
操作される(図3の時点A6)。そして、パイロット油
路16のパイロット圧の上昇が圧力センサー29により
検出されると、制御装置30により前進制御弁27が操
作されて図3の時点A6から時点A7に示すように、前
進第1クラッチ5の圧力が所定低圧P2から完全な伝動
状態となる圧力Pにまで漸次的に上昇操作されていく
(以上、第2制御手段に相当)。この場合、通常の走行
状態での所定低圧P1よりも高い所定低圧P2から前進
第1クラッチ5の作動圧を上昇させているので、この作
動圧を所定低圧P1から圧力Pにまで上昇させるのに要
する時間B1(図3の時点A2から時点A3)に比べ
て、作動圧を所定低圧P2から圧力Pにまで上昇させる
のに要する時間B2(図3の時点A6から時点A7)の
方が短くなるのである。
【0023】(5)次に、図3の時点A5での前進第1
クラッチ5の所定低圧P2の算出について説明する。先
ず、変速操作時に機体に掛かる走行負荷Fを以下のよう
にして求める。
【0024】
【数1】図1において、前輪10及び後輪7に動力伝達
が行われない時間τ(図3の時点A4から時点A5まで
の時間)において、機体が走行速度V0から走行速度V
1に減速したとすると、機体に掛かる走行負荷F及び機
体重量Mとして、以下の式が成立する。 F=M・(V0−V1)/τ 前輪10及び後輪7と地面との間にスリップが無いもの
と仮定すると、図1の駆動軸34の回転速度N0が時間
τの間に回転速度N1に低下したとすると、以下の式が
成立する。 V0−V1=2・π・R・(N0−N1)/λ1 R 後輪7の有効半径 λ1 駆動軸34から後輪7までの機械的な減速比 従って、走行負荷Fは以下の式で求められる。 F=2・π・R・M・(N0−N1)/(τ・λ1)
【0025】
【数2】次に、変速操作時における伝達トルクEを以下
のようにして求める。図1に示す前進第1クラッチ5の
円筒軸11から後輪7までの機械的な減速比をλ2とす
ると、前述の走行負荷Fとバランスする為の円筒軸11
の伝達トルクEにおいて、以下の式が成立する。 E・λ2=F・R R 後輪7の有効半径 従って、前述の走行負荷Fとバランスする為の円筒軸1
1の伝達トルクEは、以下の式で求められる。 E=2Z・U・R1・(P2・S−F1) P2 前進第1クラッチ5の所定低圧(図3参照) S 前進第1クラッチ5のピストンの受圧面積 F1 前進第1クラッチ5のピストン密着時のバネの戻
し力 U 前進第1クラッチ5内での動摩擦係数 R1 前進第1クラッチ5のクラッチディスクの有効半
径 2Z 前進第1クラッチ5のクラッチディスクの面の数
【0026】
【数3】以上のようにして算出された走行負荷F及び伝
達トルクEにより、図3に示す前進第1クラッチ5の所
定低圧P2を、以下の式で算出するのである。 P2=(F1+2・π・G・H・R2 /λ1)/S F1 前進第1クラッチ5のピストン密着時のバネの戻
し力 R 後輪7の有効半径 λ1 駆動軸34から後輪7までの機械的な減速比 S 前進第1クラッチ5のピストンの受圧面積 G=M/(U・R1・2Z・λ2) M 機体重量 U 前進第1クラッチ5内での動摩擦係数 R1 前進第1クラッチ5のクラッチディスクの有効半
径 2Z 前進第1クラッチ5のクラッチディスクの面の数 λ2 円筒軸11から後輪7までの機械的な減速比 H=(N0−N1)/τ N0 変速操作前の駆動軸34の回転速度 N1 変速操作開始から時間τ経過後の駆動軸34の回
転速度 τ 図3の時点A4から時点A5までの時間
【0027】(6)以上の状態は前進1速状態と前進2
速状態との間、前進5速状態と前進6速状態との間の状
態であるが、前進3速状態と前進4速状態との間、前進
7速状態と前進8速状態との間では、図2の油圧シリン
ダT2が作動して制御弁22が切換操作され前述のよう
な自動的な操作が行われるのであり、前進4速状態と前
進5速状態との間では、油圧シリンダT1,T2,T3
が作動して前述のような自動的な操作が行われる。そし
て、前後進レバー33を後進位置Rに操作して、作動油
を後進第1油圧クラッチ6に供給した後進状態において
も、後進1速状態から後進8速状態の間で前述のような
自動的な操作が行われるのである。
【0028】〔別実施例〕前述の実施例において第2ク
ラッチ19は、前進第1及び後進第1クラッチ5,6と
同様に摩擦板をピストンにて押圧する一般的な型式であ
るが、これをテーパーローラーを用いたクラッチや咬合
式等のように、瞬時に伝動及び伝動遮断操作可能な型式
に構成してもよい。そして、図1において前進第1及び
後進第1クラッチ5,6の位置に1個の油圧多板式のク
ラッチを置いて第1クラッチとし、前進及び後進用の切
換装置をこれとは別の位置に備えてもよい。図3におい
て時点A2から時点A3までの前進第1クラッチ5の作
動圧の上昇速度と、時点A6から時点A7までの上昇速
度とを同じに設定しているが、時点A6から時点A7ま
での上昇速度を、時点A2から時点A3までの上昇速度
よりも速いものに設定してもよい。
【0029】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミッションケース内の走行伝動系の概略を示す
【図2】変速操作用の油圧シリンダ、前進第1及び後進
第1クラッチ、第2クラッチ等の油圧回路図
【図3】変速操作時における前進第1クラッチ及び第2
クラッチの圧力状態を示す図
【符号の説明】
5,6 第1クラッチ 19 第2クラッチ 37 負荷検出手段 A ギヤ変速装置 S1 ギヤ変速装置のシフトギヤ T1,T2 アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 繁一 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行用のギヤ変速装置(A)と、このギ
    ヤ変速装置(A)のシフトギヤ(S1)をスライド操作
    して変速操作を行うアクチュエータ(T1),(T2)
    とを備えて、走行変速用で油圧操作式の第1クラッチ
    (5),(6)と、走行変速用で急速な伝動及び伝動遮
    断操作が可能な第2クラッチ(19)とを走行伝動系に
    直列に配置し、 前記アクチュエータ(T1),(T2)による変速操作
    が開始されると、これに連動して前記第2クラッチ(1
    9)を急速に伝動遮断操作し、且つ、前記第1クラッチ
    (5),(6)の作動圧を所定低圧(P1),(P2)
    にまで減圧操作する第1制御手段と、 前記アクチュエータ(T1),(T2)による変速操作
    終了に連動して、前記第2クラッチ(19)を急速に伝
    動側に操作し、且つ、前記第1クラッチ(5),(6)
    の作動圧を前記所定低圧(P1),(P2)から漸次的
    に上昇させて第1クラッチ(5),(6)を伝動側に操
    作する第2制御手段とを備えると共に、 機体に掛かる走行負荷を検出する負荷検出手段(37)
    と、検出される走行負荷が大きくなるほど前記第1制御
    手段により操作される第1クラッチ(5),(6)の前
    記所定低圧(P1),(P2)を、高圧側に変更操作す
    る第3制御手段とを備えてある作業車の走行変速構造。
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